JP2023061506A - ランドセル - Google Patents

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隆 大友
Takashi Otomo
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Abstract

【課題】軽量化や低コスト化が可能でありながらも高級感があるランドセルを提供する。【解決手段】後壁部2、左右の側壁部3、前壁部4、及び底部5を有するランドセル本体1と、このランドセル本体1の前記後壁部2と連続する蓋部材6と、前記ランドセル本体1に取り付けた左右の肩ベルト7と、を備え、前記蓋部材6は、少なくともその表面61が皮革製又は合成皮革製であり、前記左右の側壁部3及び前記前壁部4は、実質的に皮革又は合成皮革を用いておらず、生地からなる、ランドセルRとした。【選択図】図1

Description

本発明は、ランドセルに関する。特に、樹脂製の織物や帆布などの生地を用いたランドセルに関する。
ランドセルは、一般的に、上方に向かって開口したランドセル本体と、ランドセル本体の後壁部に連続しランドセル本体の上方開口を概ね覆う蓋部材(被せ)と、ランドセル本体の後面側に取り付けた左右の肩ベルトを備えている。ランドセル本体は、後壁部、左右の側壁部、前壁部及び底部を有している。
ランドセル本体、蓋部材及び左右の肩ベルトには、通常、皮革または合成皮革(以降、皮革等と称する場合がある)が用いられている。
また、多くのランドセルは、ランドセル本体の前方に副収納部を備えている。副収納部にも、通常、皮革等が用いられている。
例えば、本件出願人が出願した特許文献1には「ランドセルは、一般的に、上方が開口した主収納部を有するランドセル本体と、主収納部の上方開口を概ね覆う蓋部と、ランドセル本体に取り付けた左右の肩ベルトを備えている。ランドセル本体、蓋部及び左右の肩ベルトには、通常、皮革または合成皮革などを用いている。(段落0002)」と記載されている。
特願2020‐209848号(段落0002、図1)
皮革等を用いた従来のランドセルは、皮革等自体に重量があるため、重たくなりがちであった。市販されている従来のランドセルは、1,200~1,300g程度の重量を有する場合が多かった。現在、軽量タイプの合成皮革が提唱されているが、軽量化を進めるほど、耐久性が犠牲になったり表面が傷つきやすくなったりするといった課題があった。
また、ランドセル本体の強度を上げるため、左右の側部壁などには、硬質の補強板を皮革等のほぼ全面に接着剤で貼り付けたものが用いられている。しかし、ほぼ全面に塗布した接着剤自体の重量もあり、このような構成によって更に重たいランドセルとなっていた。
さらに、皮革等からなるランドセルは高級感があるものの、材料費そのものが高額であるため、コスト高になりがちであった。
そこで近年、皮革等からなるランドセルの代りに、ナイロン製の生地やポリエステル製の生地からなるリュックサックを通学に用いる児童なども見受けられるようになった。
しかしながら、いわゆるリュックサックは皮革製ランドセルのような高級感に乏しかった。また、リュックサックは、皮革等を用いた蓋部材で覆われていないため、外部からの衝撃などに対して収納物を保護する機能が著しく劣ることがあった。
本発明は、上述の事柄に留意してなされたものであって、軽量化や低コスト化が可能でありながらも高級感があるランドセルを提供するものである。
上記課題を解決するために、後壁部、左右の側壁部、前壁部及び底部を有するランドセル本体と、このランドセル本体の前記後壁部に連続する蓋部材と、前記ランドセル本体に取り付けた左右の肩ベルトと、を備え、前記蓋部材は、少なくともその表面が皮革製又は合成皮革製であり、前記左右の側壁部及び前記前壁部は、実質的に皮革又は合成皮革を用いておらず、生地からなる、ランドセルとした。
ここで、生地は、布や織物をいい、皮革や合成皮革を含まない。また、「実質的に皮革又は合成皮革を用いていない」には、全く皮革又は合成皮革を用いていないことのほか、ワンポイント的にのみ皮革又は合成皮革を用いていることも含む。ワンポイント的にとは、皮革又は合成皮革を一部に装飾的に用いている場合や、皮革又は合成皮革の使用量が左右の側壁部や前壁部など各部位の重量の10重量%以下にとどまる場合(8重量%以下、5重量%以下、3重量%以下など)を含む。
このランドセルは、左右の側壁部及び前壁部が生地からなることで、軽量化や低コスト化が可能である。生地としては、例えば、帆布や樹脂製の織物を用いることができる。特に、皮革製又は合成皮革製の部位を蓋部材のみとした場合には、大幅な軽量化が可能であり、例えば、700~800gの超軽量ランドセルを実現することができる。
また、蓋部材の表面が皮革製又は合成皮革製であることによって、外見上はほぼ通常のランドセルと大きく変わらず高級感があり、また、軽量でありながらも収納物を保護する機能を確保しやすいランドセルとなる。
左右の側壁部及び前壁部は実質的に皮革又は合成皮革を用いておらず、複数枚の生地からなることが好ましい。
ランドセル本体の左右の側壁部は、外側の生地と、内側の生地と、前記外側の生地と前記内側の生地の間に挟み込まれた補強部材と、を有する、ランドセルとすることができる。
このランドセルは、左右の側壁部に補強部材を有しているため、軽量でありながらも強度を確保することができる。補強部材には、例えば、繊維に樹脂を含浸した合成素材を用いることができる。補強部材の厚みは0.5mm~2mmが好ましい。
このとき、補強部材は、前記外側の生地及び前記内側の生地に対して接着されていない、ランドセルとすることが好ましい。
このランドセルは、補強部材が外側の生地及び内側の生地に対して接着されておらず、従来のランドセルのように多量の接着剤等を用いて皮革等のほぼ全面に補強部材を貼り付ける必要がないため、より軽量化が可能である。接着には、接着剤を用いた接着や、両面テープを用いた接着を含む。
またこのとき、ランドセル本体の左右の側壁部の後縁は、外側の生地、補強部材及び内側の生地が重なった状態で、ランドセル本体の後壁部の左右縁に縫合されている、ランドセルとすることが好ましい。
このランドセルは、ランドセル本体の後壁部の左右縁(左縁及び右縁)に補強部材も縫合されているため、より強度を確保することができる。
またこのとき、補強部材に隣り合う緩衝部材を有し、この緩衝部材は、外側の生地及び内側の生地に対して接着されていない、ランドセルとすることが好ましい。
このランドセルは、緩衝部材によって、軽量でありながらもより強度を確保することができる。
ランドセル本体の前方に副収納部を備えており、前記副収納部は、実質的に皮革又は合成皮革を用いておらず、生地からなる、ランドセルとすることもできる。
このランドセルは、副収納部を備えたランドセルを、より軽量化することができる。
ランドセル本体の底部は、実質的に皮革又は合成皮革を用いておらず、生地からなる、ランドセルとすることもできる。
このランドセルは、軽量な底部となり、より軽量化が可能である。
ランドセル本体の底部は、実質的に皮革又は合成皮革を用いておらず、生地からなり、ランドセル本体の底部の下面と蓋部材の先端とに、互いに着脱自在に係合する一対の樹脂製の係合手段が、割り振って設けられている、ランドセルとすることが好ましい。
このランドセルは、樹脂製の係合手段を用いているため、より一層の軽量化が可能である。
ランドセル本体の後壁部は、実質的に皮革又は合成皮革を用いておらず、外装側の生地と、内装側の生地と、前記外装側の生地と前記内装側の生地の間に挟み込んだクッション材と、を有する、ランドセルとすることもできる。
このランドセルは、軽量な後壁部となり、より軽量化が可能である。
肩ベルトは、実質的に皮革等を用いておらず、表面側の生地、裏面側の生地及び前記表面側の生地と前記裏面側の生地の間に挟み込んだクッション材を有する上ベルトと、ナイロンベルトなどの繊維ベルトからなる下ベルトと、からなる、ランドセルとすることもできる。
このランドセルは、軽量な肩ベルトとなり、より軽量化が可能である。また、従来のランドセルは皮革等からなる肩ベルトを用いていたため、たとえクッション材を挟み込んだ構造であっても肩が痛くなってしまうという課題があった。上記ランドセルは、肩ベルトに実質的に皮革等を用いていないため、ランドセルを背負った際に肩が痛くなりにくく、児童に負担が少ないランドセルとなる。
生地が、帆布、ナイロン製の織物、ポリエステル製の織物又はポリエチレン製の織物である、ランドセルすることもできる。なかでも、生地が、ポリエステル製の織物であることが好ましい。
本発明により、軽量化や低コスト化が可能でありながらも高級感があるランドセルを提供することができる。
第1実施形態のランドセルの蓋部材を大きく開いた状態を示す斜視図(写真)である。 第1実施形態のランドセルの斜視図(写真)である。 第1実施形態のランドセルを後ろ側斜め下方から見た斜視図(写真)である。 第1実施形態のランドセルの側壁部(図1中の右側の側壁部)の拡大断面図である。 第2実施形態のランドセルの蓋部材を大きく開いた状態を示す斜視図(写真)である。 第2実施形態のランドセルの斜視図(写真)である。 第2実施形態のランドセルを後ろ側斜め下方から見た斜視図(写真)である。 図5のA‐A線を通る縦断面(上下方向に垂直な断面)を矢印方向から見た拡大端面図である。
以下、図を用いてランドセルを例示説明する。ランドセルRは、ランドセル本体1と、蓋部材6(被せ)と、左右の肩ベルト7を備えている。そして、蓋部材6は、少なくともその表面61が皮革製又は合成皮革製であり、ランドセル本体1の左右の側壁部3及び前壁部4は、実質的に皮革又は合成皮革を用いておらず、生地からなる。
なお、図1及び図5では、ランドセル本体1や副収納部81,82などが視認しやすいように、蓋部材6を大きく開けて装着者側(児童側)に垂下させた状態を表示してある。
以下、複数の実施形態を挙げて例示説明するが、本発明及びその構成要素は、以下の説明に限定されるものではない。
1.第1実施形態のランドセル
第1実施形態のランドセルを図1~図4を用いて例示説明する。第1実施形態のランドセルRは、蓋部材6のほか、肩ベルト7やランドセル本体1の後壁部2にも合成皮革を用いてある。一方で、ランドセル本体1の左右の側壁部3及び前壁部4のほか、底部5にも皮革等を用いていない。さらに、これらに加えて副収納部81,82にも皮革等を用いていない。
1)ランドセル本体
ランドセル本体1は、図1及び図3などに例示するように、後壁部2、左右の側壁部3、前壁部4、及び底部5を有する。ランドセル本体1は上方に向けて開口した箱形の収納スペースであり、ランドセルRの主収納部を構成する。ランドセル本体1(主収納部)には、教科書や筆箱などの物品が収納される。
以下、ランドセル本体1を構成する後壁部2、左右の側壁部3、前壁部4及び底部5について例示説明する。
[後壁部]
後壁部2は、ランドセル本体1の後方側の壁部である。本実施形態において、後壁部2は、通常のランドセルの後壁部と同様の構成であり、合成皮革を用いてある。詳細には、図1及び図3などに例示するように、外装側の合成皮革26と内装板27の間に図示しないクッション材が挟み込まれた構成で、児童の背中に当節する外装面はクッション材による凹凸を備えている。なお、本実施形態において、内装板27の内装側面は黒色の合成皮革でカバーされている。
[側壁部]
左右の側壁部3は、ランドセル本体1の左右方向の壁部である。本実施形態において、左右の側壁部3は、通常のランドセルの側壁部とは異なり、皮革等を用いておらず、それぞれ複数枚(二枚)の生地からなる。詳細には、図1及び図4などに例示するように、側壁部3は、外側の生地31と、内側の生地32と、外側の生地31と内側の生地32の間に挟み込まれた補強部材33と、を有している。
本実施形態では、外側の生地31及び内側の生地32としてナイロン製の織物を用いてある。また、本実施形態では、補強部材33として、ポリオレフィン系繊維不織布に樹脂を含浸したタフテル(株式会社クラレの登録商標)を用いてあり、補強部材33の大きさは、外側の生地31及び内側の生地32よりも小さい概ね矩形形状である。
そして、本実施形態では、図4に例示するように、補強部材33の隣に緩衝部材34を有する。本実施形態では、緩衝部材34は補強部材33と概ね同じ形状及び大きさである。本実施形態では、緩衝部材34としてクッション製のある発泡シートを用い、緩衝部材34は、外側の生地31及び内側の生地32に対して接着されていない。また、本実施形態では、緩衝部材34を、補強部材33と内側の生地32の間に配置しているが、補強部材33と外側の生地31の間に配置してもよい。
なお、本実施形態では、補強部材33と緩衝部材34も接着されていない。しかし、例えば、両面テープなどを用いて、両者の一部を互いに接着してもよい。
左右の側壁部3の後縁はそれぞれ、後壁部2の左右縁に縫合されるが、このとき、外側の生地31と内側の生地32のみを重ね合わせて後壁部2に縫合することができる。このような作業は通常のミシンで行うことが可能である。なお、後述する第2実施形態のように、外側の生地31と内側の生地32のほか、補強部材33を重ね合わせて後壁部2に縫合することもできる。
また、左右の側壁部3の前縁はそれぞれ、前壁部4の左右縁に縫合されるが、外側の生地31と内側の生地32のみを重ね合わせて縫合し、補強部材33は縫合していない。
[前壁部]
前壁部4は、ランドセル本体1の前方向の壁部である。本実施形態において、前壁部4は、通常のランドセルの前壁部とは異なり、皮革等を用いておらず、複数枚の生地からなる。詳細には、図1などに例示するように、外側の生地41と内側の生地42の二枚の生地からなる。外側の生地41及び内側の生地42とは接着等されていない。本実施形態では、外側の生地41及び内側の生地42としてナイロン製の織物を用いてある。
前壁部4の左右縁は、先述したように、左右の側壁部3の前縁にそれぞれ縫合される。このとき、前壁部4の左右縁に、左右の側壁部3の外側の生地31と内側の生地32を重ね合わせて縫合することが好ましい。
[底部]
底部5は、ランドセル本体1の下方向の壁部である。本実施形態において底部5は、通常のランドセルの底部とは異なり、皮革等を用いておらず、複数枚の生地からなる。詳細には、図1及び図3などに例示するように、外側の生地51と内側の生地52を有している。本実施形態では、外側の生地51及び内側の生地52としてナイロン製の織物を用いてある。底部5の後縁は、後壁部2の下縁に縫合される。
底部5の下面には、図3に例示するように、通常のランドセルと同様、止め金具97が設けられ、ここに、蓋部材6の先端に設けた固定金具96(後述)が着脱自在に係合する。底部5の内側面には、図1に例示するように、止め金具97を取り付けるための厚手の樹脂製補強板98が固定されている。
2)蓋部材
蓋部材6は、ランドセル本体1の後壁部2と連続する部材である。蓋部材6は「被せ」とも呼ばれ、ランドセル本体1の上方開口を概ね覆う形状及び大きさであり、ランドセル本体1の後壁部2の上端から延びるように取り付けられている。本実施形態において、蓋部材6は、通常のランドセルの蓋部材と同様の構成であり、その表面61の概ね全面に合成皮革を用いてある。先述したように、蓋部材6の先端には固定金具96が設けられ、ランドセル本体1の底部5の下面に設けた止め金具97に、着脱自在に係合する。
3)肩ベルト
左右の肩ベルト7は、ランドセル本体1に取り付けられている。本実施形態において、肩ベルト7は、通常のランドセルの肩ベルトと同様の構成であり、合成皮革を用いている。また、左右の肩ベルト7は、通常のランドセルと同様、いわゆる「背環金具」によって、ランドセル本体1に取り付けられている。
4)副収納部
本実施形態のランドセルは、副収納部を備える。本実施形態では、ランドセル本体1の前方に二つの副収納部を備えている。具体的には、図1に例示するように、ランドセル本体1の前方に隣接する上方が開口した縦長状副収納部81と、この縦長状副収納部81に隣接し上方が開口自在に構成されたポケット状副収納部82を備えている。
本実施形態において、これらの副収納部は、通常のランドセルの副収納部とは異なり、皮革等を用いておらず、生地からなる。本実施形態では、生地としてナイロン製の織物を用いてある。
上記各構成を備えた第1実施形態のランドセルは、左右の側壁部3及び前壁部4に加えて、底部5についても皮革等を用いていないため、軽量化や低コスト化が可能である。一方、蓋部材6の表面には合成皮革を用いているため、図2に例示するように通常のランドセルと同等の見た目で高級感があり、軽量でありながらも収納物を保護する機能を確保しやすい。
2.第2実施形態のランドセル
次に、第2実施形態のランドセルを図5~図8を用いて例示説明する。第2実施形態のランドセルRは、蓋部材6にのみ合成皮革を用いてある。すなわち、ランドセル本体1の左右の側壁部3及び前壁部4のほか、後壁部2及び底部5にも、皮革等を用いていない。また、本実施形態では、副収納部81,82のほか、肩ベルト7についても皮革等を用いていない。
さらに、第1実施形態のランドセルとは、ランドセル本体1の底部5の下面と蓋部材6の先端とに割り振って設けた係合手段9(91,92)が樹脂製である点でも異なる。
1)ランドセル本体
本実施形態において、ランドセル本体1を構成する後壁部2、左右の側壁部3、前壁部4、及び底部5は、前記第1実施形態と異なる。
以下、ランドセル本体1に関して、前述した第1実施形態と同様の構成要素には同じ符号を付し、原則として説明を省略する。
[後壁部]
後壁部2は、皮革等を用いておらず、複数枚の生地からなる。詳細には、図5、図7及び図8に例示するように、外装側の生地21と、内装側の生地22と、前記外装側の生地21と前記内装側の生地22の間に挟み込んだクッション材23と、を有している。本実施形態では、外装側の生地21及び内装側の生地22としてナイロン製の織物を用いてある。第1実施形態と同様、児童の背中に当節する外装面はクッション材23による凹凸を備えている。
なお、本実施形態では、後壁部2の上端付近に取り付けた持ち手も、皮革等を用いておらず、生地からなる。具体的には、持ち手にナイロン製の織物を用いてある。
[側壁部]
左右の側壁部3は、第1実施形態と同様、皮革等を用いておらず、それぞれ複数枚(二枚)の生地からなる。また、左右の側壁部3は、第1実施形態と同様、外側の生地31と、内側の生地32と、外側の生地31と内側の生地32の間に挟み込まれた補強部材33と、をそれぞれ有する。さらに、第1実施形態と同様、補強部材33の隣に緩衝部材34を有する。しかし、第1実施形態とは異なり、左右の側壁部3における補強部材33の形状が、外側の生地31(内側の生地32)と概ね同じ大きさ形状である。また、緩衝部材34の幅(前後寸法)は、補強部材33の幅よりも狭くなっている。
外側の生地31、内側の生地32、補強部材33及び緩衝部材34は、第1実施形態と同じ材料を用いてある。
本実施形態では、緩衝部材34は、外側の生地31及び内側の生地32に対して接着されていない。また、第1実施形態と同様、補強部材33と緩衝部材34も接着されていないが、例えば、両面テープなどを用いて、両者の一部を互いに接着してもよい。
左右の側壁部3の後縁はそれぞれ、後壁部2の左右縁に縫合されているが、本実施形態においては、第1実施形態とは異なり、図8に例示するように、外側の生地31と内側の生地32のほか、補強部材33を重ね合わせて後壁部2に縫合してある。なお、第1実施形態と同様に、緩衝部材34は、後壁部2の左右縁に縫合されていない。
また、左右の側壁部3の前縁はそれぞれ、前壁部4の左右縁に縫合されるが、第1実施形態と同様、外側の生地31と内側の生地32のみを重ね合わせて縫合し、補強部材33は縫合していない。
[底部]
底部5は、実質的に皮革等を用いていない点で、第1実施形態と同様である。しかしながら、第1実施形態とは異なり、外側の生地51及び内側の生地52の間に図示しない補強部材が挟み込まれている。本実施形態においては、底部の補強部材は、左右の側壁部の補強部材33と連続しており、略U字状の補強部材が、底部から左右の側壁部に亘って補強している。また、補強部材と内側の生地52の間には、図示しない緩衝部材が設けられている。
また、第1実施形態とは異なり、図7に例示するように、底部5の下面に樹脂製フック受け92が設けられ、ここに、蓋部材6の先端に設けた樹脂製フック91(後述)が着脱自在に係合する。すなわち、底部5の下面と蓋部材6の先端には、互いに着脱自在に係合する樹脂製の係合手段が割り振って設けてある。
さらに、樹脂製フック受け92を用いているため、第1実施形態のような止め金具97を取り付けるために必要な厚手の樹脂製補強板98を設けていない。このような構成によって大幅な軽量化が可能となっている。
2)蓋部材
蓋部材6は、第1実施形態と同様、合成皮革を用いてある。しかしながら、前述したように、第1実施形態とは異なり、蓋部材6の先端に樹脂製フック91が設けられ、ランドセル本体1の底部5の下面に設けた樹脂製フック受け92に着脱自在に係合する。
3)肩ベルト
左右の肩ベルト7は、第1実施形態とは異なり、皮革等を用いておらず、図7に例示するように、表面側の生地711、裏面側の生地712及び前記表面側の生地711と前記裏面側の生地712の間に挟み込んだクッション材(図示せず)を有する上ベルト71と、ナイロンベルトなどの繊維ベルトからなる下ベルト72と、からなる。繊維ベルトは、繊維を織物(平織、綾織、袋織、シート織など)にしたベルトである。
本実施形態では、表面側の生地711及び裏面側の生地712としてナイロン製の織物を用いてある。
また、本実施形態では、従来のランドセルのような背輪金具などを用いることなく、左右の肩ベルト7を直接ランドセル本体1に縫合して取り付けてある。これにより大幅な軽量化が可能となっている。
4)副収納部
本実施形態のランドセルは、図5に例示するように、副収納部(81,82)を備える。副収納部は、第1実施形態と同様(実質的に皮革又は合成皮革を用いていない)であるため説明を省略する。
上記各構成を備えた第2実施形態のランドセルは、蓋部材6の表面61にのみ合成皮革を用いているため、大幅な軽量化や低コスト化が可能である。特に、本実施形態のランドセルは、重量を700~800g程度に抑えることが可能であり、超軽量ランドセルを実現することができる。
一方、蓋部材6の表面61に合成皮革を用いてあるため、図6に例示するように通常のランドセルと同等の見た目で高級感があり、軽量でありながらも収納物を保護する機能を確保しやすい。
以上、特定の実施形態を参照して本発明を例示説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、当該技術分野における熟練者等により、本出願の願書に添付された特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変更及び修正が可能である。
例えば、第2実施形態において蓋部材6にのみ皮革等を用いたが、これに限定されない。例えば、蓋部材6と後壁部2にのみ皮革等を用いることや、蓋部材6と後壁部2と肩ベルト7にのみ皮革等を用いること、蓋部材6と後壁部2と底部5にのみ皮革等を用いることなどもできる。皮革等を用いない部分は、実質的に皮革等を用いることなく、例えば、ナイロン製織物などの生地を用いることができる。
R ランドセル
1 ランドセル本体
2 後壁部
21 外装側の生地
22 内装側の生地
23 クッション材
26 外装側の合成皮革
27 内装板
3 側壁部
31 外側の生地
32 内側の生地
33 補強部材
34 緩衝部材
35 バイアステープ
36 縫合箇所
4 前壁部
41 外側の生地
42 内側の生地
5 底部
51 外側の生地
52 内側の生地
6 蓋部材
61 表面
7 肩ベルト
71 上ベルト
711 表面側の生地
712 裏面側の生地
72 下ベルト
81 縦長状副収納部
82 ポケット状副収納部
9 係合手段
91 樹脂製フック
92 樹脂製フック受け
96 固定金具
97 止め金具
98 樹脂製補強板

Claims (11)

  1. 後壁部、左右の側壁部、前壁部及び底部を有するランドセル本体と、
    このランドセル本体の前記後壁部に連続する蓋部材と、
    前記ランドセル本体に取り付けた左右の肩ベルトと、を備え、
    前記蓋部材は、
    少なくともその表面が皮革製又は合成皮革製であり、
    前記左右の側壁部及び前記前壁部は、
    実質的に皮革又は合成皮革を用いておらず、生地からなる、
    ランドセル。
  2. ランドセル本体の左右の側壁部は、
    外側の生地と、
    内側の生地と、
    前記外側の生地と前記内側の生地の間に挟み込まれた補強部材と、を有する、
    請求項1に記載のランドセル。
  3. 補強部材は、
    前記外側の生地及び前記内側の生地に対して接着されていない、
    請求項2に記載のランドセル。
  4. ランドセル本体の左右の側壁部の後縁は、
    外側の生地、補強部材及び内側の生地が重なった状態で、
    ランドセル本体の後壁部の左右縁に縫合されている、
    請求項2または請求項3に記載のランドセル。
  5. 補強部材に隣り合う緩衝部材を有し、
    この緩衝部材は、外側の生地及び内側の生地に対して接着されていない、
    請求項2~4のいずれか1項に記載のランドセル。
  6. ランドセル本体の前方に副収納部を備えており、
    前記副収納部は、実質的に皮革又は合成皮革を用いておらず、生地からなる、
    請求項1~5のいずれか1項に記載のランドセル。
  7. ランドセル本体の底部は、
    実質的に皮革又は合成皮革を用いておらず、生地からなる、
    請求項1~6のいずれか1項に記載のランドセル。
  8. ランドセル本体の底部は、
    実質的に皮革又は合成皮革を用いておらず、生地からなり、
    ランドセル本体の底部の下面と蓋部材の先端とに、互いに着脱自在に係合する一対の樹脂製の係合手段が、割り振って設けられている、
    請求項1~7のいずれか1項に記載のランドセル。
  9. ランドセル本体の後壁部は、
    実質的に皮革又は合成皮革を用いておらず、
    外装側の生地と、
    内装側の生地と、
    前記外装側の生地と前記内装側の生地の間に挟み込んだクッション材と、を有する、
    請求項1~8のいずれか1項に記載のランドセル。
  10. 肩ベルトは、
    実質的に皮革又は合成皮革を用いておらず、
    表面側の生地、裏面側の生地及び前記表面側の生地と前記裏面側の生地の間に挟み込んだクッション材を有する上ベルトと、
    ナイロンベルトなどの繊維ベルトからなる下ベルトと、からなる、
    請求項1~9のいずれか1項に記載のランドセル。
  11. 生地が、
    帆布、ナイロン製の織物、ポリエステル製の織物又はポリエチレン製の織物である、
    請求項1~10のいずれか1項に記載のランドセル。
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