JP2023061408A - 音処理装置、音処理方法及び音出力装置 - Google Patents

音処理装置、音処理方法及び音出力装置 Download PDF

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Abstract

【課題】視聴者が希望する方向の音を、より簡便に生成できる、音処理装置、音処理方法及び音出力装置を提供する。【解決手段】音処理装置は、複数の入力チャンネルの音データの入力を受け付ける、音データ入力部と、音の視聴方向の入力を受け付ける、視聴方向入力受付部と、前記視聴方向に応じた割合で前記複数の入力チャンネルの音データのダウンミックスを実行することにより、出力チャンネルの音データを生成する処理部と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、音処理装置、音処理方法及び音出力装置に関する。
従来、入力された複数のチャンネルの音データに対してダウンミックスの処理を行うことにより、音データのチャンネル数よりも少ない個数のスピーカを備える音出力装置から音を出力させる技術が知られている。例えば、特許文献1には、22.2チャンネル(以下「22.2ch」とも記載する)などの複数の入力チャンネルの音データをダウンミックスすることにより、第1のサウンドバーと第2のサウンドバーとを含むスピーカに対する音データを生成する音声処理装置が記載されている。
特開2018-121309号公報
しかしながら、ダウンミックスされた後の音データに基づいて出力される音の成分は、一般に、視聴対象である前方からの音の成分が大きくなる。ここで、前方は、ダウンミックスされる前の複数の入力チャンネルの音データを実際に視聴した際の前方をいう。前方以外の音が、より強く視聴者に聞こえるようにするためには、当該前方以外の方向に別途スピーカを設ける必要がある。例えば、後方の音が、より強く視聴者に聞こえるようにするためには、視聴者の後方に別途スピーカを設け、ダウンミックスした後方からの音を、後方に設けたスピーカから出力する必要がある。
前方以外の音を視聴者に聞かせる他の方法として、例えば視聴者の左右の耳に、前方以外の音を算出して視聴者の左右の耳に聞かせる方法が考えられる。しかしながら、この場合、左右の耳にそれぞれ出力される音が、他方の耳に入らないようにする必要があるため、例えばヘッドフォンなどを装着する必要があり、煩雑である。
また、2チャンネルの音データで臨場感を与えるために、バーチャルサラウンドという技術も想定されるが、この技術では、臨場感が得る音を聞くことができる位置が、スピーカの前の所定位置に限られる。また、バーチャルサラウンドによる音の聞こえ方には個人差があるため、安定した効果を得づらい。
本開示は、上述の問題に鑑みてなされたものである。本開示の目的は、視聴者が希望する方向の音を、より簡便に生成できる、音処理装置、音処理方法及び音出力装置を提供することである。
本開示の一形態の音処理装置は、複数の入力チャンネルの音データの入力を受け付ける、音データ入力部と、音の視聴方向の入力を受け付ける、視聴方向入力受付部と、前記視聴方向に応じた割合で前記複数の入力チャンネルの音データのダウンミックスを実行することにより、出力チャンネルの音データを生成する処理部と、を備える。
本開示の一形態の音処理方法は、音処理装置が実行する音処理方法であって、複数の入力チャンネルの音データの入力を受け付けるステップと、音の視聴方向の入力を受け付けるステップと、入力を受け付けた前記視聴方向に応じた割合で前記複数の入力チャンネルの音データのダウンミックスを実行することにより、出力チャンネルの音データを生成するステップと、を含む。
本開示の一形態の音出力装置は、複数の入力チャンネルの音データの入力を受け付ける、音データ入力部と、音の視聴方向の入力を受け付ける、視聴方向入力受付部と、前記視聴方向入力受付部で入力を受け付けた前記視聴方向に基づいて、前記複数の入力チャンネルの音データから出力チャンネルの音データを生成する処理部と、前記処理部が生成した音データに基づいて音を出力する1以上のスピーカと、備える音出力装置であって、前記複数の入力チャンネルのそれぞれには方向が対応付けられており、前記処理部は、前記出力チャンネルの音データを構成する成分が、前記視聴方向と反対側の方向に対応付けられた入力チャンネルの成分よりも、前記視聴方向と同一側の方向に対応付けられた入力チャンネルの成分が大きくなるように、前記出力チャンネルの音データを生成する。
第1実施形態に係る音出力装置の概略構成を示す図である。 図1の音出力装置の構成の一例を示す機能ブロック図である。 図1の音出力装置が実行する音出力処理の一例を示すフローチャートである。 図2の音データ入力部が入力を受け付ける22.2chの音データのスピーカ位置を示す図である。 第1実施形態における音の視聴方向の入力画面の一例を示す図である。 第2実施形態に係る音出力装置の構成の一例を示す機能ブロック図である。 図6の音出力装置が実行する音出力処理の一例を示すフローチャートである。 第2実施形態における音の視聴位置の入力画面の一例を示す図である。 第2実施形態における音の視聴位置の入力画面の他の一例を示す図である。
以下、本開示のいくつかの実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図面において、同一又は同等の構成要素には同一の符号を付し、同一又は同等の構成要素に関する説明が重複する場合は適宜省略する。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る音出力装置1の概略構成を示す図である。本実施形態では、図1に示すように、音出力装置1は、テレビジョン受像機(以下「テレビ」ともいう)により構成されている。ただし、音出力装置1は、必ずしもテレビにより構成されていなくてもよい。音出力装置1は、音を出力可能な任意の装置により構成されていればよい。また、音出力装置1には、音処理を実行する音処理装置の機能が組み込まれている。
本実施形態において、音出力装置1は、第1スピーカ11及び第2スピーカ12という2つのスピーカを備える。第1スピーカ11及び第2スピーカ12は、公知のスピーカにより構成されていてよい。第1スピーカ11及び第2スピーカ12は、音出力装置1としてのテレビに内蔵されていてもよく、テレビに対して外部から接続されたものであってもよい。本実施形態では、第1スピーカ11及び第2スピーカ12は、テレビに内蔵されたスピーカであるとして、以下説明する。
本実施形態では、図1に示すように、第1スピーカ11は、音出力装置1の正面側から見て左側に配置されており、第2スピーカ12は、音出力装置1の正面側から見て右側に配置されている。なお、本実施形態において、音出力装置1の正面側とは、音出力装置1としてのテレビにおいて表示部13が配置されている側をいう。つまり、本実施形態において、音出力装置1の正面側とは、音出力装置1としてのテレビを通常の対応で視聴する場合に、視聴者が位置する側をいう。
図2は、図1の音出力装置1の構成の一例を示す機能ブロック図である。図2に示すように、音出力装置1は、制御部10と、第1スピーカ11と、第2スピーカ12と、表示部13と、チューナ14と、デコーダ15と、映像処理部16と、音データ入力部17と、視聴方向受付部18と、音処理部19と、操作信号受信部20と、記憶部21と、を備える。図2において、実線はコンテンツ信号の経路を示す。コンテンツ信号は、音出力装置1としてのテレビから出力される映像及び/又は音に関する信号である。また、図2において、破線は制御信号の経路を示す。制御信号は、音出力装置1からコンテンツを出力するために実行される制御に関する信号である。
制御部10は、音出力装置1の各機能部をはじめとして、音出力装置1の全体を制御及び管理する。制御部10は、少なくとも1つのプロセッサを含んで構成される。制御部10は、制御手順を規定したプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)などのプロセッサ又は各機能の処理に特化した専用のプロセッサで構成される。
第1スピーカ11及び第2スピーカ12は、音を出力可能なデバイスである。本実施形態では、第1スピーカ11及び第2スピーカ12は、音出力装置1に内蔵されたスピーカであり、音出力装置1の正面側の左右に配置されている。第1スピーカ11及び第2スピーカ12は、音処理部19が生成した出力チャンネルの音データに基づいて、音を出力する。音を出力することにより、音出力装置1の視聴者は、第1スピーカ11及び第2スピーカ12から出力される音を聞くことができる。
表示部13は、映像を表示するデバイスである。表示部13は、例えば液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electro-Luminescence Display)、又は無機ELディスプレイ(IELD:Inorganic Electro-Luminescence Display)等の周知のディスプレイにより構成されてよい。表示部13は、映像処理部16が生成した映像データに基づいて、映像を出力する。映像を出力することにより、音出力装置1の視聴者は、表示部13に表示される映像を見ることができる。
チューナ14は、地上デジタル放送により放送される放送番組、及び、衛星放送により放送される放送番組などのコンテンツを受信する。チューナ14は、これらの放送番組とともに、例えば緊急地震速報など放送番組に重ね合せて表示される文字スーパー及び字幕などのデータ放送を受信してもよい。
デコーダ15は、チューナ14によって受信された放送番組としてのコンテンツを、映像信号及び音信号にデコードする。デコーダ15は、例えば、チューナ14が受信する放送番組を示す受信信号をアナログベースバンド信号に変換するRF部と、アナログベースバンド信号をデジタルベースバンド信号に変換するADC部と、デジタルベースバンド信号からMPEG2ストリームを復調する復調部と、MPEG2ストリームから映像信号及び音信号を復号する復号部と、を含んで構成される。
映像処理部16は、デコーダ15で生成された映像信号から、映像データを生成して表示部13に入力することにより、表示部13に映像を表示させる。
音データ入力部17は、デコーダ15で生成された音信号の入力を受け付ける。ここで、本実施形態では、音信号は、複数の入力チャンネルの音データを含んで構成されているとする。例えば、音信号は、22.2chの入力チャンネルの音データを含んで構成されていてよい。ただし、複数の入力チャンネルは、必ずしも22.2chでなくてもよい。音データ入力部17は、複数の入力チャンネルの音データの入力を受け付ければよい。
視聴方向受付部18は、音の視聴方向の入力を受け付ける。ここで、音の視聴方向は、音データ入力部17で入力を受け付けた複数の入力チャンネルの音データを実際に視聴した方向に対応する視聴方向である。言い換えると、音の視聴方向は、本実施形態で説明する音出力装置によりダウンミックスされる前の、複数の入力チャンネルの音データを実際に視聴する際の、音を聞く方向である。ダウンミックスされる前の音データを出力することにより、音データが収録された現場で視聴される音が再現される。つまり、ダウンミックスされる前の音データを出力することにより、現場の3次元音響空間が再現される。そのため、音の視聴方向は、コンテンツとして出力されている映像の現場に仮に視聴者がいると想定した場合に、視聴者が実際に視聴する際の、音を聞く方向に対応するものであると言える。
視聴方向受付部18は、音出力装置1の視聴者からの操作入力に基づいて、音の視聴方向の入力を受け付ける。例えば、視聴者は、音出力装置1を遠隔操作するためのリモートコントローラ(以下「リモコン」ともいう)に対して音の視聴方向を入力するための操作入力を行ってよい。例えば、視聴者は、音出力装置1が備える操作ボタン又はタッチパネルに対して音の視聴方向を入力するための操作入力を行ってよい。視聴者からの操作入力に基づき、視聴方向受付部18は音の視聴方向の入力を受け付けることができる。
音処理部19は、音データ入力部17で入力を受け付けた複数の入力チャンネルの音データのダウンミックスを実行する。音処理部19は、視聴方向受付部18で入力を受け付けた音の視聴方向に基づいて、複数の入力チャンネルの音データから出力チャンネルの音データを生成することにより、ダウンミックスを実行してよい。例えば、音処理部19は、視聴方向受付部18で入力を受け付けた視聴方向に応じた割合で、複数の入力チャンネルの音データのダウンミックスを実行してよい。音処理部19が実行するダウンミックスの処理の詳細については、後述する。
音処理部19は、ダウンミックスを実行することにより、出力チャンネルの音データを生成する。音処理部19は、生成した出力チャンネルの音データを第1スピーカ11及び第2スピーカ12に入力することにより、第1スピーカ11及び第2スピーカ12から音を出力させる。本実施形態では、音処理部19は、22.2chの入力チャンネルの音データを、第1スピーカ11及び第2スピーカ12に入力するための2つの出力チャンネルの音データにダウンミックスするとして、以下説明する。
操作信号受信部20は、音出力装置1を遠隔操作するためのリモコンから送信される信号を受信する。具体的には、視聴者がリモコンを操作したとき、操作内容に応じた操作信号が赤外線によりリモコンから送信される。操作信号受信部20は、当該赤外線による操作信号を受信する。例えば、視聴者は、音の視聴方向を入力する際にリモコンを操作する。リモコンは、これらの操作に応じた信号を送信する。操作信号受信部20は、リモコンから送信される信号を受信する。制御部10は、操作信号受信部20で受け付けた信号に基づいて音の視聴方向を判定し、当該音の視聴方向を視聴方向受付部18に入力する。
記憶部21は、プログラム及びデータを記憶可能な記憶媒体である。記憶部21は、例えば半導体メモリ又は磁気メモリなどで構成することができる。記憶部21は、例えば音出力装置1を動作させるためのプログラムなどを記憶してよい。
記憶部21は、ダウンミックスを実行するための計算式を予め記憶していてよい。当該計算式は、音処理部19がダウンミックスを実行する際に用いるものである。本実施形態では、第1スピーカ11及び第2スピーカ12に入力する出力チャンネルの音データを、22.2chの入力チャンネルの音データに基づいて算出可能な計算式が、記憶部21に記憶されている。
次に、音出力装置1が実行する音出力処理の詳細について説明する。図3は、図1の音出力装置1が実行する音出力処理の一例を示すフローチャートである。図3に示すフローは、本開示における音出力装置1が実行する音処理方法の一例を示す。図3のフローの開始時点において、音出力装置1は、チューナ14によりコンテンツを受信し、デコーダ15によりコンテンツを映像信号及び音信号にデコードした状態であるとする。
音出力装置1は、音データ入力部17により、複数の入力チャンネルの音データの入力を受け付ける(ステップS11)。本実施形態では、音データ入力部17は、22.2chの音データの入力を受け付ける。
図4は、図2の音データ入力部17が入力を受け付ける22.2chの音データのスピーカ位置を示す図である。図4に示すように、22.2chの音データは、前方に配置された11個のスピーカ(TpFL、TpFC、TpFR、FL、FLC、FC、FRC、FR、BtFL、BtFC、BtFR)、中間に配置された5個のスピーカ(TpSiL、TpC、TpSiR、SiL、SiR)、及び、後方に配置された6個のSP(TpBL、TpBC、TpBR、BL、BC、BR)から出力されることが想定されている。各スピーカに対応する入力チャンネルの音データがそれぞれ入力されることにより、これらのスピーカから22.2chの音が出力される。上述のように、本明細書における「音の視聴方向」は、音データ入力部17で入力を受け付けた複数の入力チャンネルの音データを実際に視聴した方向に対応する視聴方向である。すなわち、音の視聴方向は、図4に示す位置に配置された各スピーカから22.2chの音を出力した場合に聞こえる音に関する方向をいう。この音の視聴方向は、22.2chの音により再現された3次元音響空間の音、つまり再現された現場の音を視聴する場合の視聴方向に対応する。
複数の入力チャンネルのそれぞれには、方向が対応付けられていてよい。方向は、例えば、前後、左右、上下などであってもよく、特定の方向(例えば前方)を基準とした左右又は上下の角度などであってもよい。例えば22.2chの場合を例に説明すると、図4に示すように、FCというスピーカは、前方の中央に配置される。そのため、FCというスピーカに入力される音データの入力チャンネルには、前という方向が対応付けられていてよい。例えば、図4に示すように、TpFRというスピーカは、前方の右側の上方に配置される。そのため、TpFRというスピーカに入力される音データの入力チャンネルには、前、右、上という方向が対応付けられていてよい。ただし、入力チャンネルに対応付けられる方向は、これに限られず、他の方法により方向が対応付けられていてよい。
音出力装置1は、視聴方向受付部18により、音の視聴方向の入力を受け付ける(ステップS12)。例えば、視聴者が音の視聴方向を入力するための所定の操作入力をリモコンに対して行うと、リモコンから操作入力に応じた信号が出力される。当該信号を操作信号受信部20で受信し、制御部10により、受信した内容に基づいた音の視聴方向が視聴方向受付部18に入力される。これにより、視聴方向受付部18は、音の視聴方向の入力を受け付ける。
音の視聴方向の入力は、予め定められた複数の視聴方向のうち、いずれかの視聴方向を選択することによって行われてよい。例えば、複数の視聴方向として、予め、「前向き」、「右向き」、「左向き」、「後向き」、「上向き」及び「下向き」という6方向が定められているとする。音出力装置1は、この定められた6方向から、視聴者に1つの方向を選択させることにより、音の視聴方向を入力させてよい。なお、「前向き」とは、22.2chの音データの音を、前方を向いて聞く場合の方向をいい、「後向き」とは、後方を向いてこの音を聞く場合の方向をいい、「右向き」とは、前方に向かって右側を向いてこの音を聞く場合の方向をいい、「左向き」とは、前方に向かって左側を向いてこの音を聞く場合の方向をいい、「上向き」とは、上を向いてこの音を聞く場合の方向をいい、「下向き」とは、下を向いて音を聞く場合の方向をいう。これらの向きは、複数の入力チャンネルの音データを出力することにより再現された3次元音響空間での視聴方向であるため、再現された現場の音を視聴する場合の向きに対応する。すなわち、これらの向きは、複数の入力チャンネルの音データにより再現された3次元音響空間の現場に仮に視聴者がいると想定した場合に、視聴者が実際に視聴する際の、音を聞く方向に対応する。
予め定められた視聴方向は、例えば記憶部21に予め記憶されていてよい。視聴者が音の視聴方向を入力する場合、例えば図5に一例として示すように、音出力装置1の表示部13に、音の視聴方向として選択可能な視聴方向の一覧が表示される。視聴者は、例えばリモコンを操作することによって、希望する音の視聴方向を、一覧から選択する操作を行う。視聴者のリモコン操作に基づく信号を操作信号受信部20が受信すると、制御部10は、選択された音の視聴方向を視聴方向受付部18に入力する。このようにして、視聴方向受付部18は、音の視聴方向の入力を受け付けてもよい。本実施形態では、音の視聴方向は、ここで示した6方向から選択されることにより入力されるとして、以下説明する。
音処理部19は、複数の入力チャンネルの音データの入力と、音の視聴方向の入力とを受け付けると、これらの入力された音データ及び視聴方向に基づいて、ダウンミックスを実行する。音処理部19は、視聴方向に応じた割合で複数の入力チャンネルの音データのダウンミックスを実行してよい。また、音処理部19は、出力チャンネルの音データを構成する成分が、視聴方向と反対側の方向に対応付けられた入力チャンネルの成分よりも、視聴方向と同一側の方向に対応付けられた入力チャンネルの成分が大きくなるように、出力チャンネルの音データを生成してよい。具体的には、音処理部19は、ステップS13及びステップS14により、ダウンミックスを実行する。
具体的には、音処理部19は、ダウンミックスを実行するために使用する計算式を決定する(ステップS13)。音処理部19は、ステップS12で入力を受け付けた音の視聴方向に基づいて、計算式を決定してよい。
音処理部19は、出力チャンネルの音データが視聴方向に応じた割合で複数の入力チャンネルの音データのダウンミックスが実行されるような計算式を決定してよい。例えば、音処理部19は、出力チャンネルの音データを構成する成分が、視聴方向と反対側の方向に対応付けられた入力チャンネルの成分よりも、視聴方向と同一側の方向に対応付けられた入力チャンネルの成分が大きくなるような、計算式を決定してよい。例えば22.2chの場合を例に説明すると、「前向き」という視聴方向が選択された場合、音処理部19は、出力チャンネルの音データを構成する成分が、視聴方向である「前」と反対側の方向である「後」に対応付けられた、例えばTpBL、TpBC、TpBR、BL、BC、BRなどの入力チャンネルの成分よりも、視聴方向と同一側の方向である「前」に対応付けられた、例えばTpFL、TpFC、TpFR、FL、FLC、FC、FRC、FR,BtFL、BtFC、BtFRなどの入力チャンネルの成分が大きくなるような、計算式を決定してよい。反対に、「後向き」という視聴方向が選択された場合、音処理部19は、出力チャンネルの音データを構成する成分が、視聴方向である「後」と反対側の方向である「前」に対応付けられた、例えばTpFL、TpFC、TpFR、FL、FLC、FC、FRC、FR,BtFL、BtFC、BtFRなどの入力チャンネルの成分よりも、視聴方向と同一側の方向である「後」に対応付けられた、例えばTpBL、TpBC、TpBR、BL、BC、BRなどの入力チャンネルの成分が大きくなるような、計算式を決定してよい。
なお、音処理部19は、計算式を決定するにあたり、視聴方向に基づく入力チャンネルの成分の大きさの他、方向についても考慮した計算式を算出してよい。例えば、前向きの場合における視聴者にとっての左右方向と、後向きの場合の視聴者にとっての左右方向は反転する。音処理部19は、このような、視聴方向に伴う向きの変化についても計算式に反映してよい。
音処理部19は、例えば所定のアルゴリズムに従って、入力を受け付けた音の視聴方向に基づいて、計算式を算出してよい。あるいは、例えば、複数の視聴方向のそれぞれに対応付けられた、ダウンミックスを実行するための計算式が予め記憶部21に記憶されており、音処理部19は、入力を受け付けた音の視聴方向に対応する計算式を検索することにより、計算式を決定してもよい。音処理部19は、他の方法で、音の視聴方向に基づいて計算式を決定してよい。本実施形態では、複数の視聴方向のそれぞれに対応付けられた、ダウンミックスを実行するための計算式が予め記憶部21に記憶されており、音処理部19は、入力を受け付けた音の視聴方向に対応する計算式を検索することにより、計算式を決定するとする。
具体的には、本実施形態では、上述のように、複数の視聴方法として6方向が定められている。記憶部21には、6方向の視聴方向のそれぞれに対応する、ダウンミックスを実行するための計算式が記憶されている。これらの計算式は、予め音出力装置1の製造者により記憶部21に記憶されていてよい。
例えば、記憶部21は、6方向のうち「前向き」に対応する計算式として、次の数式(1)を記憶していてよい。数式(1)は、視聴方向と反対側の方向である「後」に対応付けられた入力チャンネルの成分よりも、視聴方向と同一側の方向である「前」に対応付けられた入力チャンネルの成分が大きくなるように、構成されている。具体的には、後述する係数kによって「後」に対応付けられた入力チャンネルの成分が小さくなるように設定されることで、相対的に「前」に対応付けられた入力チャンネルの成分が大きくなるように構成されていてよい。
Figure 2023061408000002
数式(1)において、Lは音出力装置1の左側に配置された第1スピーカ11に対して入力される出力チャンネルの音データであり、Rは音出力装置1の右側に配置された第2スピーカ12に対して入力される出力チャンネルの音データである。また、数式(1)において、TpFL、TpFC、TpFR、FL、FLC、FC、FRC、FR、BtFL、BtFC、BtFR、TpSiL、TpC、TpSiR、SiL、SiR、TpBL、TpBC、TpBR、BL、BC及びBRは、22.2chの入力チャンネルの音データである。音データを示す各記号は、図4で示した各スピーカに対応している。すなわち、22.2chの音データを出力した場合、数式(1)においてTpFLで示される音データは、図4のTpFLで示されるスピーカから出力される。他の記号で示される音データについても同様である。数式(1)において、a及びkは係数であり、適宜定められてよい。係数aは、全体の音量を調整する係数であり、係数kは、特定の入力チャンネルの成分の大小を調整する係数である。例えば、係数kを1未満とすることにより、上述したように、数式(1)では、「後」に対応付けられた入力チャンネルの成分が小さくなるように設定することができる。本段落で説明した、数式の各項を示す記号の意味は、本明細書において以下説明する数式においても同様である。従って、以下の数式においては、数式の各項を示す記号の意味の説明を省略する。
例えば、記憶部21は、6方向のうち「右向き」に対応する計算式として、次の数式(2)を記憶していてよい。数式(2)は、視聴方向と反対側の方向である「左」に対応付けられた入力チャンネルの成分よりも、視聴方向と同一側の方向である「右」に対応付けられた入力チャンネルの成分が大きくなるように、構成されている。
Figure 2023061408000003
例えば、記憶部21は、6方向のうち「左向き」に対応する計算式として、次の数式(3)を記憶していてよい。数式(3)は、視聴方向と反対側の方向である「右」に対応付けられた入力チャンネルの成分よりも、視聴方向と同一側の方向である「左」に対応付けられた入力チャンネルの成分が大きくなるように、構成されている。
Figure 2023061408000004
例えば、記憶部21は、6方向のうち「後向き」に対応する計算式として、次の数式(4)を記憶していてよい。数式(4)は、視聴方向と反対側の方向である「前」に対応付けられた入力チャンネルの成分よりも、視聴方向と同一側の方向である「後」に対応付けられた入力チャンネルの成分が大きくなるように、構成されている。
Figure 2023061408000005
例えば、記憶部21は、6方向のうち「上向き」に対応する計算式として、次の数式(5)を記憶していてよい。数式(5)は、視聴方向と反対側の方向である「下」に対応付けられた入力チャンネルの成分よりも、視聴方向と同一側の方向である「上」に対応付けられた入力チャンネルの成分が大きくなるように、構成されている。
Figure 2023061408000006
例えば、記憶部21は、6方向のうち「下向き」に対応する計算式として、次の数式(6)を記憶していてよい。数式(6)は、視聴方向と反対側の方向である「上」に対応付けられた入力チャンネルの成分よりも、視聴方向と同一側の方向である「下」に対応付けられた入力チャンネルの成分が大きくなるように、構成されている。
Figure 2023061408000007
このように、本実施形態では、6方向の視聴方向のそれぞれに対応する数式(1)から(6)が記憶部21に記憶されている。そのため本実施形態では、ステップS13において、音処理部19は、記憶部21を参照して、ステップS12で入力を受け付けた音の視聴方向に対応する計算式(数式)を、ダウンミックスを実行するために使用する計算式として決定する。
次に、音処理部19は、選択された視聴方向に対応付けられた計算式を用いて、出力チャンネルの音データを生成する。本実施形態では、音処理部19は、6方向のうちから選択された視聴方向に対応付けられた計算式を用いて、出力チャンネルの音データを生成する。具体的には、音処理部19は、ステップS13で決定した計算式を用いて、出力チャンネルの音データを生成する(ステップS14)。すなわち、音処理部19は、ステップS11で入力を受け付けた入力チャンネルの音データを、ステップS13で決定した計算式の各項に代入することによって、出力チャンネルの音データを生成する。これにより、本実施形態では、音処理部19は、音出力装置1の左右に配置された第1スピーカ11及び第2スピーカ12からそれぞれ出力される出力チャンネルの音データを生成する。
そして、音処理部19は、ステップS14で生成した出力チャンネルの音データを、第1スピーカ11及び第2スピーカ12に入力する(ステップS15)。これにより、第1スピーカ11及び第2スピーカ12から、入力した音の視聴方向からの音が再現されたダウンミックスされた音が出力される。
このように、音出力装置1は、視聴方向に応じた割合で複数の入力チャンネルの音データのダウンミックスを実行することにより、出力チャンネルの音データを生成する。そして、音出力装置1は、生成した出力チャンネルの音データに基づき、第1スピーカ11及び第2スピーカ12から音を出力する。これにより、第1スピーカ11及び第2スピーカ12からは、視聴者が入力した音の視聴方向に基づいてダウンミックスにより生成された、視聴者が入力した音の視聴方向から聞こえる音を再現した音が、出力される。このようにして、音出力装置1は、音出力装置1が備える第1スピーカ11及び第2スピーカ12を用いて、視聴者が希望する方向からの音を再現して出力することができる。音出力装置1は、別途のスピーカを必要とすることなく、視聴者が希望する方向からの音を再現して出力することができるため、視聴者が希望する方向の音を、より簡便に生成できる。
例えば、本実施形態のように左右にスピーカを備えるテレビなど、2チャンネルのみの再生が可能な音出力装置1では、コンテンツが22.2chに対応していても、従来は、サイマル音声として提供される2チャンネルの音を再現することが一般的であった。しかしながら、本実施形態に係る音出力装置1によれば、22.2chの音データから、希望する視聴方向の音を出力することができるようになるため、疑似的に音場空間を移動することが可能になる。
また、音出力装置1は、ダウンミックスの方法として、出力チャンネルの音データを構成する成分が、視聴者により入力された音の視聴方向と反対側の方向に対応付けられた入力チャンネルの成分よりも、当該視聴方向と同一側の方向に対応付けられた入力チャンネルの成分が大きくなるように、出力チャンネルの音データを生成する。このダウンミックスの方法により、音出力装置1は、視聴者が希望する方向からの音を再現しやすくなる。
上記実施形態では、一例として、音の視聴方向が6方向のうちから選択されることによって入力される場合について説明したが、音の視聴方向の入力方法は、これに限られない。音の視聴方向は、他の任意の方法で入力されてよい。例えば、音の視聴方向は、特定の方向(例えば前方)を基準とした左右又は上下の角度などによって入力されてもよい。この場合、音の視聴方向は、例えば特定の方向から右に45度、上に30度の方向、のように指定して入力することができる。この場合、音処理部19は、図3のステップS13において、入力された音の視聴方向の角度に基づいて、複数の入力チャンネルの音データから出力チャンネルの音データを生成するための計算式を算出してよい。音処理部19は、算出した計算式を用いて、ステップS14において、出力チャンネルの音データを生成することができる。
[第2実施形態]
図6は、第2実施形態に係る音出力装置2の構成の一例を示す機能ブロック図である。第2実施形態に係る音出力装置2について、第1実施形態と同一又は同等の構成要素には同一の符号を付し、第1実施形態と同一又は同等の内容については、適宜説明を省略し、異なる点を中心に説明する。
第1実施形態では、音出力装置1が、音の視聴方向に応じた割合で複数の入力チャンネルの音データのダウンミックスを実行することにより、出力チャンネルの音データを生成する場合の実施形態について説明した。しかしながら、音出力装置1は、必ずしも音の視聴方向に基づいて複数の入力チャンネルの音データのダウンミックスを実行しなくてもよい。第2実施形態では、音出力装置2が、音の視聴位置に基づいて、複数の入力チャンネルの音データのダウンミックスを実行する場合の実施形態について説明する。
図6に示すように、第2実施形態に係る音出力装置2の構成は、第1実施形態に係る音出力装置1の構成と比較して、視聴方向受付部18に代えて、視聴位置受付部22を備える点で異なる。音出力装置2の他の構成については、第1実施形態に係る音出力装置1と同様である。
視聴位置受付部22は、音の視聴位置の入力を受け付ける。ここで、音の視聴位置は、音出力装置から出力されるコンテンツの場所に視聴者が存在すると仮定した際に、当該場所において視聴者が存在する位置である。視聴位置受付部22は、音出力装置2の視聴者からの操作入力に基づいて、音の視聴位置の入力を受け付ける。例えば、視聴者は、音出力装置2を遠隔操作するためのリモコンに対して音の視聴位置を入力するための操作入力を行ってよい。例えば、視聴者は、音出力装置2が備える操作ボタン又はタッチパネルに対して音の視聴位置を入力するための操作入力を行ってよい。視聴者からの操作入力に基づき、視聴位置受付部22は音の視聴位置の入力を受け付けることができる。
図7は、図6の音出力装置2が実行する音出力処理の一例を示すフローチャートである。図7のフローの開始時点において、音出力装置2は、チューナ14によりコンテンツを受信し、デコーダ15によりコンテンツを映像信号及び音信号にデコードした状態であるとする。
音出力装置2は、音データ入力部17により、複数の入力チャンネルの音データの入力を受け付ける(ステップS11)。本実施形態では、音データ入力部17は、22.2chの音データの入力を受け付ける。
また、音出力装置2の音処理部19は、チューナ14で受信したコンテンツの番組情報を取得する(ステップS21)。番組情報は、コンテンツの内容を示す情報である。番組情報は、例えば、番組の内容が、大相撲、テニス、野球、サッカーなどの試合であることを示す情報を含んでよい。番組情報は、例えば、番組の内容が、クラシックコンサートであることを示す情報を含んでよい。番組情報は、ここで示した例の他、コンテンツの内容に応じて、その内容を示す任意の物とすることができる。
番組情報は、チューナ14が受信したコンテンツのデータに、メタデータとして含まれていてよい。従って、音処理部19は、コンテンツに含まれるメタデータから、番組情報を取得してよい。
音出力装置1は、視聴位置受付部22により、音の視聴位置の入力を受け付ける(ステップS22)。例えば、視聴者が音の視聴位置を入力するための所定の操作入力をリモコンに対して行うと、リモコンから操作入力に応じた信号が出力される。当該信号を操作信号受信部20で受信し、制御部10により、受信した内容に基づいた音の視聴位置が視聴位置受付部22に入力される。これにより、視聴位置受付部22は、音の視聴位置の入力を受け付ける。
音の視聴位置の入力は、予め定められた複数の視聴位置のうち、いずれかの視聴位置を選択することによって行われてよい。複数の視聴位置は、例えば番組情報ごとに予め設定されていてよい。例えば、番組情報が大相撲である場合、大相撲の場所(会場)に視聴者が存在すると仮定した際に、当該会場において視聴者が存在する位置が、予め設定されている。具体的には、番組情報が大相撲である場合、複数の視聴位置として、予め、「正面」、「客席」、「審判」、「行司」及び「天井」という5つの位置が定められているとする。音出力装置2は、この定められた5つの位置から、視聴者に1つの位置を選択させることにより、音の視聴位置を入力させてよい。なお、「正面」とは、土俵の正面側の予め定められた特定の位置をいい、「客席」とは、大相撲を実施している会場の予め定められた特定の位置をいい、「審判」とは、土俵の周囲に座っている審判のうち予め定められた特定の審判の位置をいい、「行司」とは、土俵に上がっている行司の位置をいい、「天井」とは、大相撲を実施している会場の天井の予め定められた特定の位置をいう。
予め定められた視聴位置は、例えば記憶部21に予め記憶されていてよい。視聴位置は、番組情報と対応付けられて記憶部21に記憶されてよい。例えば、「大相撲」という番組情報に対しては、上述したように、「正面」、「客席」、「審判」、「行司」及び「天井」という5つの視聴位置が、対応付けられて記憶部21に記憶されていてよい。視聴位置は、番組情報ごとに異なっていてよい。例えば、番組情報がテニスの試合を示す「テニス」である場合、「正面」、「客席」、「審判」、「ボールボーイ」、「選手」、「コート」などの視聴位置が対応付けられて記憶部21に記憶されていてよい。例えば、番組情報が「クラシックコンサート」である場合、「正面」、「客席」、「指揮者」、「天井」などの視聴位置が対応付けられて記憶部21に記憶されていてよい。このように、視聴位置は、番組情報ごとに定められていてよく、番組情報に対応付けられて記憶部21に記憶されていてよい。
視聴者が音の視聴位置を入力する場合、例えば図8に一例として示すように、音出力装置2の表示部13に、音の視聴位置として選択可能な視聴位置の一覧が表示される。制御部10は、例えばステップS21で取得した番組情報に基づいて、当該番組情報に対応付けられた複数の視聴位置を、表示部13に表示する。視聴者は、例えばリモコンを操作することによって、希望する音の視聴位置を、一覧から選択する操作を行う。視聴者のリモコン操作に基づく信号を操作信号受信部20が受信すると、制御部10は、選択された音の視聴位置を視聴位置受付部22に入力する。このようにして、視聴位置受付部22は、音の視聴位置の入力を受け付けてもよい。本実施形態では、音の視聴位置は、ここで示した5つの位置から選択されることにより入力されるとして、以下説明する。
音処理部19は、複数の入力チャンネルの音データの入力と、音の視聴位置の入力とを受け付けると、これらの入力された音データ及び視聴位置に基づいて、ダウンミックスを実行する。本実施形態では、音処理部19は、ステップS13及びステップS14により、ダウンミックスを実行する。
具体的には、音処理部19は、ダウンミックスを実行するために使用する計算式を決定する(ステップS13)。音処理部19は、ステップS12で入力を受け付けた音の視聴位置に基づいて、計算式を決定してよい。
音処理部19は、仮に視聴者が実際に視聴位置にいる場合に視聴者が聞くことができる音を再現するように、複数の入力チャンネルの音データのダウンミックスを実行するための計算式を決定してよい。音処理部19は、例えば所定のアルゴリズムに従って、入力を受け付けた音の視聴位置に基づいて、計算式を算出してよい。あるいは、例えば、複数の視聴位置のそれぞれに対応付けられた、ダウンミックスを実行するための計算式が予め記憶部21に記憶されており、音処理部19は、入力を受け付けた音の視聴位置に対応する計算式を検索することにより、計算式を決定してもよい。音処理部19は、他の方法で、音の視聴位置に基づいて計算式を決定してよい。本実施形態では、複数の視聴位置のそれぞれに対応付けられた、ダウンミックスを実行するための計算式が予め記憶部21に記憶されており、音処理部19は、入力を受け付けた音の視聴位置に対応する計算式を検索することにより、計算式を決定するとする。
具体的には、本実施形態では、上述のように、複数の視聴位置として5つの位置が定められている。記憶部21には、5つの視聴位置のそれぞれに対応する、ダウンミックスを実行するための計算式が記憶されている。これらの計算式は、予め音出力装置2の製造者により記憶部21に記憶されていてよい。
例えば、記憶部21は、5つの位置のうち「正面」に対応する計算式として、上述した数式(1)と同一の数式を記憶していてよい。
例えば、記憶部21は、5つの位置のうち「客席」に対応する計算式として、次の数式(7)を記憶していてよい。
Figure 2023061408000008
数式(7)から理解されるように、「客席」に対応する計算式には、入力チャンネルの音データのうち、実況音声を含むFCの音データを含まない。また、数式(7)から理解されるように、「客席」に対応する計算式には、入力チャンネルの音データのうち、後方のスピーカの音の成分によって出力チャンネルの音データが算出される。そのため、数式(7)により生成される音データに基づいて出力される音は、実況音声を含まず、力士のぶつかる音や行司の声が後方の壁や天井から反射したような音となる。これにより、この音を聞いた視聴者は、客席にいる音を聞いている感覚を得ることができる。
例えば、記憶部21は、5つの位置のうち「審判」に対応する計算式として、次の数式(8)を記憶していてよい。
Figure 2023061408000009
数式(8)から理解されるように、「審判」に対応する計算式には、入力チャンネルの音データのうち、実況音声を含むFCの音データを含まない。また、入力チャンネルの音データのうち、前方の下半分のスピーカの成分によって出力チャンネルの音データが算出される。そのため、数式(8)により生成される音データに基づいて出力される音は、実況音声を含まず、後方の観客席からの声援などの音も小さく、土俵上の力士がぶつかる音や土俵を踏みしめる音などが大きく聞こえる。これにより、この音を聞いた視聴者は、土俵下から取組を見ているような感覚を得ることができる。
例えば、記憶部21は、5つの位置のうち「行司」に対応する計算式として、次の数式(9)を記憶していてよい。
Figure 2023061408000010
数式(9)から理解されるように、「行司」に対応する計算式には、入力チャンネルの音データのうち、実況音声を含むFCの音データを含まない。また、入力チャンネルの音データのうち、前方の中段のスピーカの成分によって出力チャンネルの音データが算出される。そのため、数式(9)により生成される音データに基づいて出力される音は、実況音声を含まず、後方の観客席からの声援などの音も小さく、土俵上の力士がぶつかる音などが大きく聞こえる。これにより、この音を聞いた視聴者は、目の前で取組が行われているような感覚を得ることができる。
例えば、記憶部21は、5つの位置のうち「天井」に対応する計算式として、次の数式(10)を記憶していてよい。
Figure 2023061408000011
数式(10)から理解されるように、「天井」に対応する計算式には、入力チャンネルの音データのうち、実況音声を含むFCの音データを含まない。また、入力チャンネルの音データのうち、上段のスピーカの成分によって出力チャンネルの音データが算出される。そのため、数式(10)により生成される音データに基づいて出力される音は、実況音声を含まず、館内放送などの音が大きく、下方で行われている取組の音は小さく聞こえる。これにより、この音を聞いた視聴者は、大相撲が行われている会場の天井又は吊り屋根から見下ろしているような感覚を得ることができる。
このように、本実施形態では、5つの視聴位置のそれぞれに対応する数式(1)及び(7)から(10)が記憶部21に記憶されている。そのため本実施形態では、ステップS13において、音処理部19は、記憶部21を参照して、ステップS22で入力を受け付けた音の視聴位置に対応する計算式(数式)を、ダウンミックスを実行するために使用する計算式として決定する。
次に、音処理部19は、選択された視聴位置に対応付けられた計算式を用いて、出力チャンネルの音データを生成する。具体的には、音処理部19は、ステップS13で決定した計算式を用いて、出力チャンネルの音データを生成する(ステップS14)。
そして、音処理部19は、ステップS14で生成した出力チャンネルの音データを、第1スピーカ11及び第2スピーカ12に入力する(ステップS15)。これにより、第1スピーカ11及び第2スピーカ12から、入力した音の視聴方向からの音が再現されたダウンミックスされた音が出力される。
このように、音出力装置2は、視聴位置に応じて、複数の入力チャンネルの音データのダウンミックスを実行することにより、出力チャンネルの音データを生成する。そして、音出力装置2は、生成した出力チャンネルの音データに基づき、第1スピーカ11及び第2スピーカ12から音を出力する。これにより、第1スピーカ11及び第2スピーカ12からは、視聴者が入力した音の視聴位置に基づいてダウンミックスにより生成された、視聴者が入力した音の視聴位置から聞こえる音を再現した音が、出力される。このようにして、音出力装置2は、音出力装置2が備える第1スピーカ11及び第2スピーカ12を用いて、視聴者が希望する視聴位置からの音を再現して出力することができる。音出力装置2は、別途のスピーカを必要とすることなく、視聴者が希望する視聴位置からの音を再現して出力することができるため、視聴者が希望する方向の音を、より簡便に生成できる。
第2実施形態では、番組情報ごとに複数の視聴位置が設定されているとして説明した。しかしながら、複数の視聴位置は、番組情報ごとに設定されていなくてもよい。また、複数の視聴位置は、必ずしも番組情報が含む特定の状況に対応付けられていなくてもよい。例えば、複数の視聴位置は、視聴空間上における相対的な位置として設定されていてもよい。具体的には、複数の視聴位置は、「中央」、「前方」、「後方」、「上方」という視聴位置であってよい。この場合、音出力装置2の表示部13には、図8の5つの視聴位置に代えて、「中央」、「前方」、「後方」、「上方」という4つの視聴位置が、視聴位置の一覧として表示されてよい。この場合、記憶部21には、これらの4つの視聴位置にそれぞれ対応するダウンミックスを実行するための計算式が記憶され、音処理部19は、選択された視聴位置に対応する計算式を用いて、出力チャンネルの音データを生成することができる。
また、視聴位置は、視聴空間上における相対的な位置として、さらに詳細に決定可能に構成されていてもよい。例えば、図4に示すように、22.2chのスピーカの配置の視聴空間に対してxyz軸を有する直交座標系を設定し、当該座標系において、視聴位置を決定可能に構成されていてよい。図4に示す図において、x軸は左右方向、y軸は前後方向、z軸は上下方向を示す。ここでは、視聴空間は、x軸方向、y軸方向、z軸方向いずれも、+6から-6の範囲の整数で設定可能であるとする。つまり、ここでは、視聴空間は、13×13×13の視聴位置により構成されているとする。
この場合、例えば図9に一例として示すように、音出力装置2の表示部13に、音の視聴位置として、x軸(左右)方向、y軸(前後)方向、及びz軸(上下)方向の位置を、+6から-6の範囲で設定可能なバーが表示される。視聴者は、例えばリモコンを操作することによって、希望する音の視聴位置を、xyz座標を用いて入力する操作を行う。視聴者のリモコン操作に基づく信号を操作信号受信部20が受信すると、制御部10は、入力された音の視聴位置を視聴位置受付部22に入力する。
このように視聴位置が直交座標系により入力された場合、図7のステップS13において、音処理部19は、数式(1)の各項に対して、視聴位置に応じた係数をかけることにより、計算式を決定する。ここで、係数の決定方法について説明する。音処理部19は、視聴空間の中心位置から、入力された視聴位置までの変位を反映させた係数を算出する。音処理部19は、数式(1)の各項に対して、それぞれ係数を算出する。
例えば、FLの項に対する係数を算出する場合の例について説明する。視聴空間の中心位置の座標を(x,y,z)とし、視聴空間におけるFLのスピーカの位置の座標を(xFL,yFL,zFL)とし、入力された視聴位置の座標を(a,b,c)とすると、音処理部19は、FLの項に対する係数PkFLを、例えば次の数式(11)により算出することができる。
Figure 2023061408000012
音処理部19は、数式(1)の全ての項について係数Pを算出する。そして、算出した係数Pを、数式(1)の対応する項にかけることによって、計算式を決定する。なお、音出力装置1は、音の視聴位置が入力されるたびに、音処理部19により係数Pを算出してもよく、音の視聴位置ごとに予め算出した係数Pの値を記憶部21に記憶していてもよい。
音処理部19は、このようにして決定した計算式を用いて、図7のステップS14で、出力チャンネルの音データを生成し、ステップS15で、音データをスピーカに入力する。これにより、視聴者が入力した音の視聴位置(座標)で聞こえる音を再現した音が、第1スピーカ11及び第2スピーカ12から出力される。
上記第1実施形態及び第2実施形態では、複数の入力チャンネルの音データが22.2chの音データであると説明したが、複数の入力チャンネルの音データは、必ずしも22.2chでなくてもよい。例えば、複数の入力チャンネルの音データは、5.1チャンネルの音データであってもよい。また、上記第1実施形態及び第2実施形態では、音処理部19が、出力チャンネルの音データとして、第1スピーカ11及び第2スピーカ12という2つのスピーカに入力する音データを生成すると説明したが、必ずしも2つのスピーカに入力する音データを生成しなくてもよい。音処理部19は、音出力装置1が備えるスピーカの数に応じて、ダウンミックスにより音データを生成すればよい。
本開示を諸図面及び実施形態に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形及び修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各機能部又は各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の機能部又はステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
1,2 音出力装置(音処理装置)
10 制御部
11 第1スピーカ
12 第2スピーカ
13 表示部
14 チューナ
15 デコーダ
16 映像処理部
17 音データ入力部
18 視聴方向受付部
19 音処理部
20 操作信号受信部
21 記憶部
22 視聴位置受付部

Claims (6)

  1. 複数の入力チャンネルの音データの入力を受け付ける、音データ入力部と、
    音の視聴方向の入力を受け付ける、視聴方向入力受付部と、
    前記視聴方向に応じた割合で前記複数の入力チャンネルの音データのダウンミックスを実行することにより、出力チャンネルの音データを生成する処理部と、
    を備える音処理装置。
  2. 予め定められた複数の視聴方向のそれぞれに対応付けられた、前記ダウンミックスを実行するための計算式を記憶する、記憶部をさらに備え、
    前記視聴方向入力受付部は、前記予め定められた複数の視聴方向のうち、いずれかの視聴方向の選択による前記音の視聴方向の入力を受け付け、
    前記処理部は、選択された前記視聴方向に対応付けられた計算式を用いて、前記出力チャンネルの音データを生成する、
    請求項1に記載の音処理装置。
  3. 前記音の視聴方向は、前記複数の入力チャンネルの音データを実際に視聴した方向に対応する、請求項1又は2に記載の音処理装置。
  4. 前記処理部は、音出力装置の左右に配置されたスピーカからそれぞれ出力される出力チャンネルの音データを生成する、請求項1から3のいずれか一項に記載の音処理装置。
  5. 音処理装置が実行する音処理方法であって、
    複数の入力チャンネルの音データの入力を受け付けるステップと、
    音の視聴方向の入力を受け付けるステップと、
    入力を受け付けた前記視聴方向に応じた割合で前記複数の入力チャンネルの音データのダウンミックスを実行することにより、出力チャンネルの音データを生成するステップと、
    を含む、音処理方法。
  6. 複数の入力チャンネルの音データの入力を受け付ける、音データ入力部と、
    音の視聴方向の入力を受け付ける、視聴方向入力受付部と、
    前記視聴方向入力受付部で入力を受け付けた前記視聴方向に基づいて、前記複数の入力チャンネルの音データから出力チャンネルの音データを生成する処理部と、
    前記処理部が生成した音データに基づいて音を出力する1以上のスピーカと、
    備える音出力装置であって、
    前記複数の入力チャンネルのそれぞれには方向が対応付けられており、
    前記処理部は、前記出力チャンネルの音データを構成する成分が、前記視聴方向と反対側の方向に対応付けられた入力チャンネルの成分よりも、前記視聴方向と同一側の方向に対応付けられた入力チャンネルの成分が大きくなるように、前記出力チャンネルの音データを生成する、
    音出力装置。
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