JP2023060976A - テストステロン濃度の測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】テストステロン(Test)の血中濃度は臨床上非常に重要な情報ではあるが、その血中濃度は非常に低いため、検出感度を向上させる。【解決手段】Testと結合することができる分子(Test結合分子;抗体等)と、TestとTest結合分子との複合体に対して特異的に結合することができる分子(捕捉分子;抗体等)とを使用し、TestとTest結合分子との複合体の量を酵素標識を用いて測定する。【選択図】 図5

Description

本発明は、テストステロン濃度を測定する方法に関するものである。
抗体を用いた特定物質の検出方法についてはこれまで非常によく研究されており、数多くの方法が報告されている。しかしその技術の中心部分に注目すると、数種類の方法に分類することができる。そしてその中でも最も代表的な方法が、サンドイッチ法と競合法である。サンドイッチ法は、抗原を二種類の抗体で挟みこむことで捕捉し、検出する手法である。この方法ではまず、一方の抗体(一次抗体)を担体に固定化しておき、この一次抗体の働きにより、抗原を担体上に固定する。次に酵素や蛍光色素などで標識したもう一方の抗体(二次抗体)を加える。この標識した二次抗体が担体上に固定された抗原を捕捉して結合する。そしてこの標識した二次抗体により発せられるシグナルを検出することで抗原を定量する(図1)。一方競合法は、一種類の抗体を用いて抗原を検出する方法である。この方法では、抗体を担体に固定化しておき、抗原を含む試料と酵素や蛍光色素などで標識した抗原(標識化抗原)とを添加する。試料中の抗原量が増えると、抗体と結合する標識化抗原が減り、シグナルが弱くなる。抗原が含まれない試料を添加した時に標識化抗原から発せられるシグナルの強度を100%とし、抗原が含まれる試料を添加した時に標識化抗原から発せられるシグナル強度をこれに対する相対的な値として計算し、試料中の抗原量を算出する(図2)。
サンドイッチ法、競合法、いずれの方法でも、抗原を定量的に検出可能である。しかし、その測定原理の違いにより利点と欠点がある。サンドイッチ法では、二次抗体の量を自由に増やすことができるため、シグナルの増幅が可能である。そのため、微量の抗原でも高い感度で検出できる。しかしこの方法では、二種類の抗体が抗原上で同時に結合する必要がある。そのためサンドイッチ法では、抗体と相互作用する部位を複数有した比較的分子量の大きいものしか検出できない。一方競合法では、使用する抗体が一種類で済むため抗体と相互作用する部位の少ない低分子量化合物(非特許文献1)であっても定量的に検出できる。また実験操作がサンドイッチ法より1ステップ少ないため、測定時間が短く済む。しかし、サンドイッチ法のようにシグナルを増幅することができないため、同じ性能の抗体を使用した場合で比較すると、感度の点ではサンドイッチ法より劣る。
ステロイドホルモンの一種に、テストステロン(以下、「Test」とする)と呼ばれる低分子化合物がある。Testは、精巣機能不全や男性ホルモン過剰症などで異常な血中濃度を示すことが分かっている。そのためこのホルモンは、不妊などの診断マーカーとして広く利用されている。
Testの血中濃度は臨床上非常に重要な情報ではあるが、その測定系の構築は容易ではない。特に血中のTest濃度は非常に低いため、その検出には感度のよい測定系を構築する必要がある。しかしTestとの親和性が高い抗体は容易には得られない。またTestは分子量が小さいためサンドイッチ法による検出が難しく、通常は競合法が利用されている。そのため、感度よくTestを検出することは非常に難しく、これまで大きな課題となっていた。
生化学、82(8)、710:2010
本発明が解決しようとする課題は、Testの検出感度を向上させることである。
本発明者は上記課題に関し鋭意検討した結果、本発明に到達した。即ち本発明は以下のとおりである。
(1)テストステロン(Test)と結合することができる分子(Test結合分子)と、TestとTest結合分子との複合体に対して特異的に結合することができる分子(捕捉分子)とを使用することを特徴とするTest濃度の測定方法。
(2)TestとTest結合分子との複合体の量を測定する、(1)に記載の測定方法。
(3)Test結合分子が抗体である、(1)又は(2)に記載の測定方法。
(4)補足分子が抗体である、(1)~(3)いずれか1項に記載の測定方法。
(5)酵素標識を用いてTest濃度を測定する、(1)~(4)いずれか1項に記載の測定方法。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明はTest濃度を測定する方法に関するものであり、Test結合分子と、捕捉分子とを使用することによってTest濃度を測定することを特徴とする。
測定に使用するTest結合分子は、Testと結合することができる分子であれば特にその種類が限定されるわけではなく、アプタマーやペプチド、受容体、抗体などを使用できる。またこのTest結合分子が抗体である場合、特にそのサブクラスが限定されるわけでもなく、IgG1やIgG2a、IgG2b、IgG3、IgG4、IgM、IgA1、IgA2、IgD、IgEなどを利用することができる。またこの抗体はその由来やフォーマットに関しても特に限定されるものではなく、マウス、ラット、ウサギ、ヤギ、ヒツジ、ラクダ、魚類、鳥類などに由来するものや、一本鎖抗体、バイスペシフィック抗体、F(ab),F(ab’),F(ab’)2、scF(ab)、Fv,scFv,sdAbなどを利用することができる。
また測定に使用する捕捉分子は、TestとTest結合分子との複合体に対して特異的に結合する性質があれば特にその種類が限定されるわけではなく、アプタマーやペプチド、受容体、抗体などを使用できる。またこの捕捉分子が抗体である場合、抗イムノコンプレックス抗体ともいうことができ、特にそのサブクラスが限定されるわけでもなく、IgG1やIgG2a、IgG2b、IgG3、IgG4、IgM、IgA1、IgA2、IgD、IgEなどを利用することができる。またこの抗体はその由来やフォーマットに関しても特に限定されるものではなく、マウス、ラット、ウサギ、ヤギ、ヒツジ、ラクダ、魚類、鳥類などに由来するものや、一本鎖抗体、バイスペシフィック抗体、F(ab),F(ab’),F(ab’)2、scF(ab)、Fv,scFv,sdAbなどを利用することができる。
Test結合分子又は捕捉分子は標識されていることが好ましく、その標識によってTest濃度を測定することが好ましい。標識としては特に限定は無く、例えば酵素、放射性物質、金コロイド、蛍光物質等を用いることができ、特に酵素が好ましく用いられる。
このようなTest結合分子と捕捉分子とを用いることにより、Test濃度を感度良く測定することが可能となる。
本発明により、感度よくテストステロン濃度を測定することができる
サンドイッチ法による測定の原理図である。 競合法による測定の原理図である。 比較例の競合法によってTestを測定した結果の図である。 本発明の方法によってTestを測定する原理図である。 実施例の方法によってTestを測定した結果の図である。
以下、実施例によって本発明を具体的に示すが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。尚、本実施例に使用した薬品の組成及びpHは以下に示す通りである。
炭酸緩衝液(pH9.6)
12mM 炭酸ナトリウム
38mM 炭酸水素ナトリウム
洗浄緩衝液(pH7.4)
1mM トリス(ヒドロキシメチル)-アミノメタン
7.5mM 塩化ナトリウム
0.05% tween20
ブロッキング緩衝液(pH7.5)
8.1mM りん酸水素二ナトリウム・12水和物
1.5mM りん酸水素カリウム
137mM 塩化ナトリウム
2.7mM 塩化カリウム
1% スキムミルク。
インキュベーション緩衝液(pH7.5)
8.1mM りん酸水素二ナトリウム・12水和物
1.5mM りん酸水素カリウム
137mM 塩化ナトリウム
2.7mM 塩化カリウム
0.1% スキムミルク
ALP緩衝液(pH9.8)
1M ジエタノールアミン
0.5mM 塩化マグネシウム
10mM 4-メチルウンベリフェリルリン酸
PBS緩衝液(pH7.4)
137mM 塩化ナトリウム
8.1mM リン酸水素二ナトリウム
2.68mM 塩化カリウム
1.47mM リン酸二水素カリウム。
(1)Test結合抗体単離用免疫抗原の調製
ウシ血清アルブミン(以下、BSA)を100mg量り取り、10mlの50mMホウ酸緩衝液(pH8.5)へ溶かした。次にリンカーが導入されているTestを14mg量り取り、200μlのジメチルホルムアミドヘ溶かした。その後このTest溶液をBSA溶液へ加え、室温で30分反応させた。そしてこの反応液を透析チューブの中へ入れてからPBS溶液に対して透析し、未反応のTestを除去した。透析後は透析チューブの中からTestで標識されたBSAを回収し、Test結合抗体単離用免疫抗原として利用した。
(2)Test結合抗体を単離するための実験動物への免疫
免疫動物としてウサギ(雌、日本白色種、12週齢)を2匹用意した。2mg/mlのTest結合抗体単離用免疫抗原溶液とフロイントコンプリートアジュバンドの1:1混合溶液を調製した。そしてこの混合液を氷上で超音波にかけ、乳化させた。その後この溶液を用意してあるウサギの背部皮下へ1mlずつ注入し、免疫した。
初回の免疫を行った1週間後、下記の通り再度免疫を行った。まず、2mg/mlのTest結合抗体単離用免疫抗原溶液とフロイントインコンプリートアジュバンドの1:1混合溶液を調製した。そしてこの混合液を氷上で超音波にかけ、乳化させた。その後この溶液を用意してあるウサギの背部皮下へ1mlずつ注入し、免疫した。2回目の免疫以降は、フロイントインコンプリートアジュバンドを用いたこの免疫作業を25週間に渡り毎週繰り返し行った。
(3)Test結合抗体を単離するための細胞融合
25週間の免疫後、免疫したウサギを安楽死させ、脾臓を摘出した。そしてここからB細胞を単離し、ミエローマ細胞と混ぜ、PEG法によって細胞融合させ、融合細胞を回収して融合細胞用培地(E-RDF+10%牛血清+5% BMコンディムド+HAT)に懸濁し、4×10cells/mlとなるよう細胞密度を調整した。その後、この細胞懸濁液を384ウェルプレートへまき、37℃、5% COの環境で培養した。
(4)Test結合抗体のスクリーニング
融合細胞の培養後、培養上清中に分泌された抗体と抗原との反応性をELISA法によって下記の通り調べた。
(A)抗ウサギ抗体を0.5μg/mlとなるように炭酸緩衝液へ溶かし、この溶液をELISA用プレート(384ウェル)の各ウェルへ50μlずつ分注した。その後、このプレートを室温で1時間静置し、洗浄緩衝液で各ウェルを3回洗浄した。
(B)ブロッキング緩衝液を各ウェルに100μlずつ加えてから室温で1時間静置した。その後、各ウェルを洗浄緩衝液で1回洗浄した。
(C)インキュベーション緩衝液を各ウェルに50μlずつ加えた。
(D)培養上清を各ウェルに2μlずつ加えてから室温で1時間静置した。なおこの時、次の工程で2種類の溶液を入れ比べてTestとの反応性を調べるため、培養上清が添加された同一プレートを2セット作成した。その後これらのプレートの各ウェルを洗浄緩衝液で3回洗浄した。
(E)アルカリホスファターゼで標識されたTestが含まれるインキュベーション緩衝液を一つ目のプレートの各ウェルに50μlずつ加え、室温で1時間静置した。またもう一方のプレートには、アルカリホスファターゼで標識されたTestと何も標識されていないTestとが含まれるインキュベーション緩衝液を50μlずつ各ウェルに加え、室温で1時間静置した。その後これらのプレートの各ウェルを洗浄緩衝液で3回洗浄した。
(F)ALP緩衝液を各ウェルに50μl加え、30分静置した。
(G)蛍光強度を測定し(Excitation 360nm/Emission 465nm)、抗原と反応性のある抗体が含まれるウェルを調べた。このようなスクリーニングにより、抗原と強く結合する抗体の含まれるウェルを同定した。そしてこのウェルから細胞を回収した。
(5)Test結合抗体の遺伝子配列の取得
RNeasy Plus Micro kit(QIAGEN社)を用い、回収した細胞からmRNAを精製した。その後、このmRNAをテンプレートとし、Sensiscript RT kit(QIAGEN社)を用いてcDNAを合成した。次に、このcDNAをテンプレートとし、抗体のH鎖遺伝子とL鎖遺伝子をPCR法でそれぞれ増幅させた。その後、このPCR産物の遺伝子配列を解析し、Testと反応性のある抗体のH鎖遺伝子とL鎖遺伝子の全長配列を決定した。
(6)Test結合抗体の発現・精製
クローニングしたTest結合抗体のH鎖遺伝子とL鎖遺伝子とをNeon(invitrogen社)で動物細胞へトランスフェクションした。その後この細胞を動物細胞培養用培地(E-RDF+10%FCS)に懸濁し、37℃、5% COの環境で培養した。トランスフェクションを行ってから3日後、この培養液に終濃度が500μg/mlとなるようG-418硫酸塩を添加した。そしてG-418硫酸塩を添加してからさらに4日後、この細胞を選択用培地(E-RDF+10% FCS+500μg/ml G418硫酸塩)へ懸濁して384ウェルプレートへまき、限界希釈を実施した。限界希釈を実施してから5日後、下記のELISA法によって抗体を発現している細胞株が含まれるウェルを調べた。
(A)抗ウサギ抗体を0.5μg/mlとなるように炭酸緩衝液へ溶かし、この溶液をELISA用プレート(384ウェル)の各ウェルへ50μlずつ分注した。その後、このプレートを室温で1時間静置し、洗浄緩衝液で各ウェルを3回洗浄した。
(B)ブロッキング緩衝液を各ウェルに100μlずつ加えてから室温で1時間静置した。その後、各ウェルを洗浄緩衝液で1回洗浄した。
(C)インキュベーション緩衝液を各ウェルに50μlずつ加えた。
(D)培養上清を各ウェルに2μlずつ加えてから室温で1時間静置した。その後このプレートの各ウェルを洗浄緩衝液で3回洗浄した。
(E)アルカリホスファターゼで標識された抗ウサギ抗体が含まれるインキュベーション緩衝液を50μlずつ加え、室温で1時間静置した。その後このプレートの各ウェルを洗浄緩衝液で3回洗浄した。
(F)ALP緩衝液を各ウェルに50μl加え、30分静置した。
(G)蛍光強度を測定し(Excitation 360nm/Emission 465nm)、ウサギ抗体を発現する細胞が含まれるウェルを調べた。
ウサギ抗体が強く発現しているウェルを顕微鏡で観察し、ウェル内の細胞が単クローン化されている場所を調べた。そしてこのウェルから細胞を回収し、動物細胞培養用培地へ懸濁した。そしてこの細胞を37℃、5% COの環境で再び培養した。その後この細胞を用いて上記限界希釈とELISAを数回実施し、抗体発現細胞を単クローン化した。
単クローン化したTest結合抗体発現細胞を無血清培地(Hyclone社製)に懸濁し、37℃、5% COの環境で培養した。その後ここから培養上清を回収し、この培養上清をProtein Aカラム(東ソー社製)に通してTest結合抗体を精製した。競合法によるTest濃度測定はこの精製抗体を用いて実験を行った。
(7)捕捉抗体単離用免疫抗原の調整
精製したTest結合抗体を50mg用意した。そしてこの抗体が溶けている緩衝液をダイジェスション緩衝液(20mM リン酸ナトリウム、10mM エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、20mM システイン、pH7.7)へ置換し、20mg/mlとなるよう濃度を調整した。この抗体溶液をダイジェスション緩衝液で平衡化した2.5mlのパパイン固定化樹脂(ピアス社製)と混ぜ、37℃で5時間反応させた。その後この反応液に1Mトリス(ヒドロキシメチル)-アミノメタン緩衝液(pH8)を5ml加え、反応を止めた。次にこの反応液を15000rpmで5分間遠心し、上清を回収した。回収した上清をPBS緩衝液で平衡化した2.5mlのProtein Aカラム(東ソー社製)へ通し、素通りを回収した。さらにこのカラムへ25mlのPBS緩衝液を加えて洗い、この溶液も回収した。回収した素通りと洗浄液とを一つにまとめた後、PBS緩衝液で平衡した2.5mlの新たなProtein Aカラム(東ソー社製)へ通し、素通りを回収した。さらにこのカラムへ25mlのPBS緩衝液を加えて洗い、この溶液も回収した。回収した素通りと洗浄液とを一つにまとめて濃縮し、透析によって10mMトリス(ヒドロキシメチル)-アミノメタン緩衝液(pH7.5)へバッファーを交換した。このF(ab)化されたTest結合抗体を捕捉抗体単離用免疫抗原として利用した。
(8)捕捉抗体を単離するための実験動物への免疫
免疫動物としてマウス(雌、ICR,4週齢)を用意した。1mg/mlのF(ab)化されたTest結合抗体4mlと、20mMのtest溶液40μlとを混ぜ、室温で1時間放置した。そしてこの溶液とフロイントコンプリートアジュバンドの1:1混合溶液を調製した。この混合液を氷上で超音波にかけ、乳化させた。その後この溶液を用意してあるマウスの腹腔に100μlずつ注入し、免疫した。
初回の免疫を行った1週間後、下記の通り再度免疫を行った。まず、1mg/mlのF(ab)化されたTest結合抗体4mlと、20mMのTest溶液40μlとを混ぜ、室温で1時間放置した。そしてこの溶液とフロイントコンプリートアジュバンドの1:1混合溶液を調製した。この混合液を氷上で超音波にかけ、乳化させた。その後この溶液を用意してあるマウスの腹腔に100μlずつ注入し、免疫した。2回目の免疫以降は、フロイントインコンプリートアジュバンドを用いたこの免疫作業を8週間に渡り毎週繰り返し行った。
(9)捕捉抗体を単離するための細胞融合
8週間の免疫後、免疫したマウスを安楽死させ、脾臓を摘出した。そしてここからB細胞を単離し、ミエローマ細胞と混ぜ、電気融合法によって細胞融合させ、融合細胞を回収して融合細胞用培地(E-RDF+10%牛血清+5% BMコンディムド+HAT)に懸濁し、8×10cells/mlとなるよう細胞密度を調整した。その後、この細胞懸濁液を384ウェルプレートへまき、37℃、5% COの環境で培養した。
(10)捕捉抗体のスクリーニング
融合細胞の培養後、培養上清中に分泌された抗体と、「TestとTest結合抗体との複合体」との反応性を既に報告されている手法に従って調べた(特許第6031944号公報)。その後TestとTest結合抗体との複合体に対して特異的に結合する抗体(捕捉抗体)が含まれるウェルから細胞を回収し、動物細胞培養用培地に懸濁して37℃、5% COの環境で培養した。次にこの細胞を限界希釈し、捕捉抗体発現細胞株を単クローン化した。単クローン化した捕捉抗体発現細胞を無血清培地(Hyclone社製)に懸濁し、37℃、5% COの環境で培養した。その後ここから培養上清を回収し、この培養上清をProtein Aカラム(東ソー社製)に通して捕捉抗体を精製した。
(11)精製抗体の固定化と標識化
3.3mMとなるようジメチルホルムアミドに溶解させた5-SFX(Molecular Probes社製)の溶液10μlを1mg/ml、1mlの精製したTest結合抗体溶液に加え、4℃で一昼夜反応させた。次に166.5mMとなるようグリシンを蒸留水に溶かし、この溶液を先ほどの反応液に100μl加えた。そしてこの反応液を大過剰のPBS緩衝液に対して透析した。サンドイッチ法によるTest濃度測定には、このTest結合抗体を固相に固定化して利用した。なお、固相としては磁性微粒子を使用した。
精製した捕捉抗体100μgをAlkaline Phosphatase Labeling Kit-NH(同仁化学研究所社製)で標識した。サンドイッチ法によるTest濃度測定にはアルカリホスファターゼで標識されたこの捕捉抗体を利用した。
(12)競合法によるTest濃度の測定(比較例)
競合法によるTest濃度の測定を既に報告されている手法(特開2021-23227号公報)に従って行った。そしてTestが全く含まれないキャリブレーター溶液(Cal1)を加えた時のシグナル(B0)を100%として、各キャリブレーター溶液(Cal2~6)を加えた時のシグナル(B)をそれぞれ相対的な値[(B/B0)×100]として算出した。その後Test濃度を横軸(対数)、(B/B0)×100(%)を縦軸にとり、各キャリブレーター溶液使用時の測定結果をプロットして検量線を作成した(図3)。実験の結果、各キャリブレーター溶液使用時のシグナル変化率はCal2:8.3%、Cal3:24.3%、Cal4:50.0%、Cal5:65.8%、Cal6:80.0%となった。
(13)本発明の方法によるTest濃度の測定
本発明法によるTest濃度の測定を既に報告されている手法(特開2021-081317号公報)に従って行った。その測定原理を図4に示す。Testが全く含まれないキャリブレーター溶液(Cal1)を加えた時のシグナル(N)を基準として、各キャリブレーター溶液(Cal2~6)を加えた時のシグナル(S)をそれぞれ相対的な値[(S/N)]として算出した。その後Test濃度を横軸(対数)、S/Nを縦軸にとり、各キャリブレーター溶液使用時の測定結果をプロットして検量線を作成した(図5)。実験の結果、各キャリブレーター溶液使用時のシグナル変化率はCal2:3458%、Cal3:7256%、Cal4:20563%、Cal5:26973%、Cal6:27875%となった。以上の結果から、同じTest濃度であっても本発明による方法では競合法よりも大きなシグナル変化が起こると確認できた。またこのことから、本発明による方法を用いることによって競合法よりも感度よくTestを検出できることも明らかになった。

Claims (5)

  1. テストステロン(Test)と結合することができる分子(Test結合分子)と、TestとTest結合分子との複合体に対して特異的に結合することができる分子(捕捉分子)とを使用することを特徴とするTest濃度の測定方法。
  2. TestとTest結合分子との複合体の量を測定する、請求項1に記載の測定方法。
  3. Test結合分子が抗体である、請求項1又は請求項2に記載の測定方法。
  4. 補足分子が抗体である、請求項1~3いずれか1項に記載の測定方法。
  5. 酵素標識を用いてTest濃度を測定する、請求項1~4いずれか1項に記載の測定方法。
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