JP2023060596A - フェライト系ステンレス鋼板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた平均r値を有するとともに面内異方性が小さく、加工性が良好なフェライト系ステンレス鋼板を提供する。【解決手段】所定の化学組成を有し、板厚1/2位置で圧延面に平行な面において、[I{554}<225>/I{111}<110>]で算出される結晶方位の強度比Aが6.0以上であり、[I{554}<225>/I{322}<236>]で算出される結晶方位の強度比Bが2.0~5.0である、フェライト系ステンレス鋼板。【選択図】 なし
Description
本発明は、フェライト系ステンレス鋼板およびその製造方法に関する。
フェライト系ステンレス鋼は、耐食性に優れる。このため、厨房用途といった外観を重視する用途、および自動車排気系部品などの腐食しやすい環境に晒される用途に用いられている。このような用途では、素材となるフェライト系ステンレス鋼に、良好な加工性も求められる。
加工性の指標として、平均r値が一般的である。従来、平均r値を向上させるため、様々な試みが行われてきた。その一例として、非特許文献1では、Ti、Nb等の元素を含有させ、CおよびNを固定化することが、平均r値の向上に有効であるとしている。また、最終焼鈍工程において高温焼鈍を行うことで、結晶粒を成長させる手法、および冷延圧下率を高める手法なども、平均r値の向上に有効であるとしている。
その一方、上記方法で平均r値を向上させると、鋼板の面内異方性が大きくなり、45°方向のr値が大きくなることが指摘されている。このような面内異方性の変化は、望ましくない。深絞り成形の際に口縁部に生じる波打ち、いわゆる「耳」と呼ばれる部分が形成しやすくなり、歩留まりが低下したり、成形不良が生じやすくなるからである。
このため、例えば、特許文献1~5には、平均r値を向上させるとともに、面内異方性の上昇を抑制したフェライト系ステンレス鋼が開示されている。
沢谷ら、他3名,"Ti添加低C,N-17% Crステンレス鋼薄板の加工性",鉄と鋼,63(1977),p.843-854
R.K.Rayら、他2名,"Cold rolling and annealing texture in low carbon andextra low carbon steels",Int.Mat.Rev.,8(1994)p129-172
井上博史,"集合組織の三次元方位解析",軽金属、vol42,No6(1992)、p358-367.
しかしながら、特許文献1~5に開示されたフェライト系ステンレス鋼は、平均r値を向上させるとともに、面内異方性を小さくする点において、さらに改善の余地がある。
本発明は、上記の課題を解決し、優れた平均r値を有するとともに面内異方性が小さく、加工性が良好なフェライト系ステンレス鋼板を提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、下記のフェライト系ステンレス鋼板およびその製造方法を要旨とする。
(1)化学組成が、質量%で、
C:0.030%以下、
Si:1.00%以下、
Mn:2.00%以下、
P:0.005~0.100%、
S:0.0100%以下、
Cr:11.0~30.0%、
Al:1.00%以下、
N:0.030%以下、
Ti:0.05~0.50%、
Nb:0~0.70%、
Sn:0~0.50%、
Ni:0~1.00%、
Cu:0~1.00%、
Mo:0~2.00%、
W:0~1.00%、
Co:0~0.50%、
V:0~0.50%、
Zr:0~0.50%、
Sb:0~0.50%、
B:0~0.0025%、
Ca:0~0.0050%、
Mg:0~0.0050%、
Y:0~0.20%、
Hf:0~0.20%、
REM:0~0.10%、
残部:Feおよび不純物であり、
下記(i)式を満足し、
板厚1/2位置で圧延面に平行な面において、下記(ii)式で算出される結晶方位の強度比Aが6.0以上であり、下記(iii)式で算出される結晶方位の強度比Bが2.0~5.0である、フェライト系ステンレス鋼板。
0.10≦Ti+Nb≦0.70 ・・・(i)
A=I{554}<225>/I{111}<110> ・・・(ii)
B=I{554}<225>/I{322}<236> ・・・(iii)
但し、上記(i)式中の各元素記号は鋼中に含まれる各元素の含有量(質量%)を表し、含有されない場合はゼロとし、上記(ii)および(iii)式中の各記号は、以下のように定義される。
I{554}<225>:{554}<225>方位のX線ランダム強度比
I{111}<110>:{111}<110>方位のX線ランダム強度比
I{322}<236>:{322}<236>方位のX線ランダム強度比
C:0.030%以下、
Si:1.00%以下、
Mn:2.00%以下、
P:0.005~0.100%、
S:0.0100%以下、
Cr:11.0~30.0%、
Al:1.00%以下、
N:0.030%以下、
Ti:0.05~0.50%、
Nb:0~0.70%、
Sn:0~0.50%、
Ni:0~1.00%、
Cu:0~1.00%、
Mo:0~2.00%、
W:0~1.00%、
Co:0~0.50%、
V:0~0.50%、
Zr:0~0.50%、
Sb:0~0.50%、
B:0~0.0025%、
Ca:0~0.0050%、
Mg:0~0.0050%、
Y:0~0.20%、
Hf:0~0.20%、
REM:0~0.10%、
残部:Feおよび不純物であり、
下記(i)式を満足し、
板厚1/2位置で圧延面に平行な面において、下記(ii)式で算出される結晶方位の強度比Aが6.0以上であり、下記(iii)式で算出される結晶方位の強度比Bが2.0~5.0である、フェライト系ステンレス鋼板。
0.10≦Ti+Nb≦0.70 ・・・(i)
A=I{554}<225>/I{111}<110> ・・・(ii)
B=I{554}<225>/I{322}<236> ・・・(iii)
但し、上記(i)式中の各元素記号は鋼中に含まれる各元素の含有量(質量%)を表し、含有されない場合はゼロとし、上記(ii)および(iii)式中の各記号は、以下のように定義される。
I{554}<225>:{554}<225>方位のX線ランダム強度比
I{111}<110>:{111}<110>方位のX線ランダム強度比
I{322}<236>:{322}<236>方位のX線ランダム強度比
(2)前記化学組成が、質量%で、
Sn:0.005~0.50%、
Ni:0.05~1.00%、
Cu:0.05~1.00%、
Mo:0.05~2.00%、
W:0.05~1.00%、
Co:0.05~0.50%、
V:0.05~0.50%、
Zr:0.05~0.50%、および
Sb:0.005~0.50%、
から選択される一種以上を含有する、上記(1)に記載のフェライト系ステンレス鋼板。
Sn:0.005~0.50%、
Ni:0.05~1.00%、
Cu:0.05~1.00%、
Mo:0.05~2.00%、
W:0.05~1.00%、
Co:0.05~0.50%、
V:0.05~0.50%、
Zr:0.05~0.50%、および
Sb:0.005~0.50%、
から選択される一種以上を含有する、上記(1)に記載のフェライト系ステンレス鋼板。
(3)前記化学組成が、質量%で、
B:0.0001~0.0025%、
Ca:0.0002~0.0050%、および
Mg:0.0002~0.0050%、
から選択される一種以上を含有する、上記(1)または(2)に記載のフェライト系ステンレス鋼板。
B:0.0001~0.0025%、
Ca:0.0002~0.0050%、および
Mg:0.0002~0.0050%、
から選択される一種以上を含有する、上記(1)または(2)に記載のフェライト系ステンレス鋼板。
(4)前記化学組成が、質量%で、
Y:0.001~0.20%、
Hf:0.001~0.20%、および
REM:0.001~0.10%、
から選択される一種以上を含有する、上記(1)~(3)のいずれか1項に記載のフェライト系ステンレス鋼板。
Y:0.001~0.20%、
Hf:0.001~0.20%、および
REM:0.001~0.10%、
から選択される一種以上を含有する、上記(1)~(3)のいずれか1項に記載のフェライト系ステンレス鋼板。
(5)下記(iv)式を満足する、上記(1)~(4)のいずれか1項に記載のフェライト系ステンレス鋼板。
-0.20≦r0-r45≦0.20 ・・・(iv)
但し、上記(iv)式中の各記号は以下のように定義される。
r0:圧延方向のr値
r45:圧延方向から45°方向のr値
-0.20≦r0-r45≦0.20 ・・・(iv)
但し、上記(iv)式中の各記号は以下のように定義される。
r0:圧延方向のr値
r45:圧延方向から45°方向のr値
(6)上記(1)~(5)のいずれか1項に記載のフェライト系ステンレス鋼板を製造する方法であって、
上記(1)~(4)のいずれかに記載の化学組成を有するスラブを、熱間圧延する際に、下記(v)式を満足する熱延仕上温度FTで、仕上圧延する工程と、
前記仕上圧延直後10秒以内に700℃以下まで冷却し、600℃以下の温度で巻取りをし、熱延鋼板とする工程と、
前記熱延鋼板を、冷延圧下率CRが20~85%の範囲で冷間圧延し、冷延鋼板とする工程と、
前記冷延鋼板に、焼鈍を行う工程と、を有し、
下記(vi)式で算出される、ひずみパラメータRを-0.2~0.2の範囲にする、フェライト系ステンレス鋼板の製造方法。
700≦FT(℃)≦950 ・・・(v)
R=1.6-CR/50+(FT-900)/300―20Nb/3 ・・・(vi)
但し、上記式中の各記号は、以下のように定義される。
CR:冷延圧下率(%)
FT:熱延仕上温度(℃)
Nb:鋼板のNb含有量
上記(1)~(4)のいずれかに記載の化学組成を有するスラブを、熱間圧延する際に、下記(v)式を満足する熱延仕上温度FTで、仕上圧延する工程と、
前記仕上圧延直後10秒以内に700℃以下まで冷却し、600℃以下の温度で巻取りをし、熱延鋼板とする工程と、
前記熱延鋼板を、冷延圧下率CRが20~85%の範囲で冷間圧延し、冷延鋼板とする工程と、
前記冷延鋼板に、焼鈍を行う工程と、を有し、
下記(vi)式で算出される、ひずみパラメータRを-0.2~0.2の範囲にする、フェライト系ステンレス鋼板の製造方法。
700≦FT(℃)≦950 ・・・(v)
R=1.6-CR/50+(FT-900)/300―20Nb/3 ・・・(vi)
但し、上記式中の各記号は、以下のように定義される。
CR:冷延圧下率(%)
FT:熱延仕上温度(℃)
Nb:鋼板のNb含有量
本発明によれば、優れた平均r値を有するとともに面内異方性が小さく、加工性が良好なフェライト系ステンレス鋼板を得ることができる。
本発明者らは、フェライト系ステンレス鋼板のr値および面内異方性について検討を行い、以下の知見を得た。
r0-r45を-0.20~0.20の範囲とし、集合組織を適切に制御することで、良好な加工性のフェライト系ステンレス鋼板を得られる。また、このようなフェライト系ステンレス鋼板を得るためには、各種製造条件を制御するのが好ましく、例えば、熱間圧延における仕上圧延後に直ちに冷却を行い、10秒以内に700℃以下まで冷却するのが好ましい。
本発明の一実施形態は上記の知見に基づいてなされたものである。以下、本実施形態の各要件について詳しく説明する。
1.化学組成
各元素の限定理由は下記のとおりである。なお、以下の説明において含有量についての「%」は、「質量%」を意味する。
各元素の限定理由は下記のとおりである。なお、以下の説明において含有量についての「%」は、「質量%」を意味する。
C:0.030%以下
Cは、r値を低下させる元素であるため、低減するのが好ましい。このため、C含有量は、0.030%以下とする。加工性をさらに向上させる観点から、C含有量は、0.018%以下とするのが好ましい。一方、Cを過剰に低減すると、精錬コストが増加する。このため、C含有量は、0.001%以上とするのが好ましく、0.002%以上とするのがより好ましい。
Cは、r値を低下させる元素であるため、低減するのが好ましい。このため、C含有量は、0.030%以下とする。加工性をさらに向上させる観点から、C含有量は、0.018%以下とするのが好ましい。一方、Cを過剰に低減すると、精錬コストが増加する。このため、C含有量は、0.001%以上とするのが好ましく、0.002%以上とするのがより好ましい。
Si:1.00%以下
Siは、耐酸化性を向上させる元素であるが、過剰に含有させると、全伸びを低下させ、加工性が低下する。このため、Si含有量は、1.00%以下とする。加工性をさらに向上させるためには、Si含有量は、0.30%以下とするのが好ましい。一方、Siを過剰に低減すると、原料コストが増加する。このため、Si含有量は、0.01%以上とするのが好ましく、0.05%以上とするのがより好ましい。
Siは、耐酸化性を向上させる元素であるが、過剰に含有させると、全伸びを低下させ、加工性が低下する。このため、Si含有量は、1.00%以下とする。加工性をさらに向上させるためには、Si含有量は、0.30%以下とするのが好ましい。一方、Siを過剰に低減すると、原料コストが増加する。このため、Si含有量は、0.01%以上とするのが好ましく、0.05%以上とするのがより好ましい。
Mn:2.00%以下
Mnは、Si同様、過剰に含有させると、全伸びを低下させ、加工性が低下する。このため、Mn含有量は、2.00%以下とする。加工性をさらに向上させるためには、Mn含有量は、0.30%以下とするのが好ましい。一方、Mnを過剰に低減させると、原料コストが増加する。このため、Mn含有量は、0.01%以上とするのが好ましく、0.05%以上とするのがより好ましい。
Mnは、Si同様、過剰に含有させると、全伸びを低下させ、加工性が低下する。このため、Mn含有量は、2.00%以下とする。加工性をさらに向上させるためには、Mn含有量は、0.30%以下とするのが好ましい。一方、Mnを過剰に低減させると、原料コストが増加する。このため、Mn含有量は、0.01%以上とするのが好ましく、0.05%以上とするのがより好ましい。
P:0.005~0.100%
Pは、加工性(r値および全伸び)を低下させる元素であるため、低減するのが好ましい。このため、P含有量は、0.100%以下とする。加工性をさらに向上させるためには、P含有量は、0.070%以下とするのが好ましく、0.050%以下とするのがより好ましい。但し、少量のリン含有析出物が、冷延板焼鈍時に析出することで、集合組織制御を可能にし、r値向上にも寄与する。また、Pを過剰に低減すると、原料コストが増加する。このため、P含有量は、0.005%以上とする。P含有量は、0.010%以上とするのが好ましく、0.020%以上とするのがより好ましい。
Pは、加工性(r値および全伸び)を低下させる元素であるため、低減するのが好ましい。このため、P含有量は、0.100%以下とする。加工性をさらに向上させるためには、P含有量は、0.070%以下とするのが好ましく、0.050%以下とするのがより好ましい。但し、少量のリン含有析出物が、冷延板焼鈍時に析出することで、集合組織制御を可能にし、r値向上にも寄与する。また、Pを過剰に低減すると、原料コストが増加する。このため、P含有量は、0.005%以上とする。P含有量は、0.010%以上とするのが好ましく、0.020%以上とするのがより好ましい。
S:0.0100%以下
Sは、鋼中に含有される不純物元素であり、耐食性を劣化させ、製造時の割れを助長するため、極力低減するのが好ましい。このため、S含有量は、0.0100%以下とする。耐食性および製造性の観点から、S含有量は、0.0030%以下とするのが好ましく、0.0020%以下とするのがより好ましい。一方、Sを過剰に低減すると、精錬コストが増加する。このため、S含有量は、0.0003%以上とするのが好ましく、0.0004%以上とするのがより好ましい。
Sは、鋼中に含有される不純物元素であり、耐食性を劣化させ、製造時の割れを助長するため、極力低減するのが好ましい。このため、S含有量は、0.0100%以下とする。耐食性および製造性の観点から、S含有量は、0.0030%以下とするのが好ましく、0.0020%以下とするのがより好ましい。一方、Sを過剰に低減すると、精錬コストが増加する。このため、S含有量は、0.0003%以上とするのが好ましく、0.0004%以上とするのがより好ましい。
Cr:11.0~30.0%
Crは、ステンレス鋼の基本特性である耐食性を向上させる元素である。このため、Cr含有量は、11.0%以上とする。耐食性をさらに向上させるためには、Cr含有量は、14.0%以上とするのが好ましく、16.0%以上とするのがさらに好ましい。しかしながら、Crを過剰に含有させると、σ相等の金属間化合物の生成を促進し、製造時の割れや、全伸び低下に伴う加工性の低下が生じやすくなる。このため、Cr含有量は、30.0%以下とする。安定製造性(歩留まり、圧延疵等)の観点から、Cr含有量は、25.0%以下とするのが好ましく、20.0%以下とするのがさらに好ましい。
Crは、ステンレス鋼の基本特性である耐食性を向上させる元素である。このため、Cr含有量は、11.0%以上とする。耐食性をさらに向上させるためには、Cr含有量は、14.0%以上とするのが好ましく、16.0%以上とするのがさらに好ましい。しかしながら、Crを過剰に含有させると、σ相等の金属間化合物の生成を促進し、製造時の割れや、全伸び低下に伴う加工性の低下が生じやすくなる。このため、Cr含有量は、30.0%以下とする。安定製造性(歩留まり、圧延疵等)の観点から、Cr含有量は、25.0%以下とするのが好ましく、20.0%以下とするのがさらに好ましい。
Al:1.00%以下
Alは、耐食性および耐酸化性を向上させる効果を有する。しかしながら、Alを過剰に含有させると、全伸びが低下し、加工性が低下する。また、合金コストが増加するとともに、製造性が低下する。このため、Al含有量は、1.00%以下とする。製造性の観点から、Al含有量は、0.50%以下とするのが好ましい。一方、上記効果を得るためには、Al含有量は、0.005%以上とするのが好ましく、0.01%以上とするのがより好ましい。
Alは、耐食性および耐酸化性を向上させる効果を有する。しかしながら、Alを過剰に含有させると、全伸びが低下し、加工性が低下する。また、合金コストが増加するとともに、製造性が低下する。このため、Al含有量は、1.00%以下とする。製造性の観点から、Al含有量は、0.50%以下とするのが好ましい。一方、上記効果を得るためには、Al含有量は、0.005%以上とするのが好ましく、0.01%以上とするのがより好ましい。
N:0.030%以下
Nは、Cと同様、加工性(r値)を低下させる元素であり、低減するのが好ましい。このため、N含有量は、0.030%以下とする。加工性をさらに向上させるためには、N含有量は、0.015%以下とするのが好ましい。一方、Nを過剰に低減すると、精錬コストが増加する。このため、N含有量は、0.002%以上とするのが好ましく、0.005%以上とするのがより好ましい。
Nは、Cと同様、加工性(r値)を低下させる元素であり、低減するのが好ましい。このため、N含有量は、0.030%以下とする。加工性をさらに向上させるためには、N含有量は、0.015%以下とするのが好ましい。一方、Nを過剰に低減すると、精錬コストが増加する。このため、N含有量は、0.002%以上とするのが好ましく、0.005%以上とするのがより好ましい。
Ti:0.05~0.50%
Tiは、C、およびNを析出物として固定し、r値および全伸びを向上させる結果、加工性を向上させる。このため、Ti含有量は、0.05%以上とする。加工性をさらに向上させるためには、Ti含有量は、0.07%以上とするのが好ましく、0.1%以上とするのがより好ましい。しかしながら、Tiを過剰に含有させると、r値が低下する。また、合金コストが増加する。このため、Ti含有量は、0.50%以下とする。合金コストおよび製造性の観点から、Ti含有量は、0.40%以下とするのが好ましく、0.30%以下とするのがより好ましい。
Tiは、C、およびNを析出物として固定し、r値および全伸びを向上させる結果、加工性を向上させる。このため、Ti含有量は、0.05%以上とする。加工性をさらに向上させるためには、Ti含有量は、0.07%以上とするのが好ましく、0.1%以上とするのがより好ましい。しかしながら、Tiを過剰に含有させると、r値が低下する。また、合金コストが増加する。このため、Ti含有量は、0.50%以下とする。合金コストおよび製造性の観点から、Ti含有量は、0.40%以下とするのが好ましく、0.30%以下とするのがより好ましい。
Nb:0~0.70%
Nbも、Ti同様、C、およびNを析出物として固定し、r値および全伸びを向上させる結果、加工性を向上させる。さらに、熱延工程におけるひずみの回復・再結晶抑制によるひずみの蓄積を通じて、集合組織制御に寄与することで、面内異方性の上昇を抑制する。このため、必要に応じて、含有させてもよい。しかしながら、Nbを過剰に含有させると、r値が低下する、または面内異方性が上昇する。また、合金コストが増加する。そのため、Nb含有量は、0.70%以下とする。加工性および合金コストの観点から、Nb含有量は、0.50%以下とするのが好ましく、0.40%以下とするのがより好ましい。
Nbも、Ti同様、C、およびNを析出物として固定し、r値および全伸びを向上させる結果、加工性を向上させる。さらに、熱延工程におけるひずみの回復・再結晶抑制によるひずみの蓄積を通じて、集合組織制御に寄与することで、面内異方性の上昇を抑制する。このため、必要に応じて、含有させてもよい。しかしながら、Nbを過剰に含有させると、r値が低下する、または面内異方性が上昇する。また、合金コストが増加する。そのため、Nb含有量は、0.70%以下とする。加工性および合金コストの観点から、Nb含有量は、0.50%以下とするのが好ましく、0.40%以下とするのがより好ましい。
ここで、同様の効果を有するTiおよびNbの合計含有量は、下記(i)式を満足する。
0.10≦Ti+Nb≦0.70 ・・・(i)
但し、上記(i)式中の各元素記号は鋼中に含まれる各元素の含有量(質量%)を表し、含有されない場合はゼロとする。
但し、上記(i)式中の各元素記号は鋼中に含まれる各元素の含有量(質量%)を表し、含有されない場合はゼロとする。
TiおよびNbの合計含有量である、(i)式中辺値が0.10未満であると、上述したr値および全伸びを向上させる効果を得にくくなる。このため、(i)式中辺値は、0.10以上とする。加工性をさらに向上させるために、(i)式中辺値は、0.13以上とするのが好ましく、0.15以上とするのがより好ましい。
一方、(i)式中辺値が0.70を超えると、面内異方性が大きくなる。また、合金コストが増加する。このため、(i)式中辺値は、0.70以下とする。加工性および合金コストの観点から、(i)式中辺値は、0.50以下とするのが好ましく、0.40以下とするのがより好ましい。
上記の元素に加えて、さらにSn、Ni、Cu、Mo、W、Co、V、Zr、およびSb(A群元素)から選択される一種以上を、以下に示す範囲において含有させてもよい。各元素の限定理由について説明する。
Sn:0~0.50%
Ni:0~1.00%
Cu:0~1.00%
Mo:0~2.00%
W:0~1.00%
Co:0~0.50%
V:0~0.50%
Zr:0~0.50%
Sb:0~0.50%
Sn、Ni、Cu、Mo、W、Co、V、Zr、およびSbは、耐食性または耐酸化性を向上させる効果を有する。このため、必要に応じて、含有させてもよい。しかしながら、これらの元素を過剰に含有させると、加工性が低下する。また、合金コストが増加するとともに、製造性が低下する。
Ni:0~1.00%
Cu:0~1.00%
Mo:0~2.00%
W:0~1.00%
Co:0~0.50%
V:0~0.50%
Zr:0~0.50%
Sb:0~0.50%
Sn、Ni、Cu、Mo、W、Co、V、Zr、およびSbは、耐食性または耐酸化性を向上させる効果を有する。このため、必要に応じて、含有させてもよい。しかしながら、これらの元素を過剰に含有させると、加工性が低下する。また、合金コストが増加するとともに、製造性が低下する。
このため、Sn含有量は、0.50%以下とし、0.30%以下とするのが好ましい。Ni含有量は、1.00%以下とし、0.50%以下とするのが好ましい。Cu含有量は、1.00%以下とし、0.50%以下とするのが好ましい。Mo含有量は、2.00%以下とし、1.00%以下とするのが好ましい。W含有量は、1.00%以下とし、0.50%以下とするのが好ましい。Co含有量は、0.50%以下とし、0.30%以下とするのが好ましい。V含有量は、0.50%以下とし、0.30%以下とするのが好ましい。Zr含有量は、0.50%以下とし、0.30%以下とするのが好ましい。Sb含有量は、0.50%以下とし、0.30%以下とするのが好ましい。
一方、上記効果を得るためには、Sn含有量は、0.005%以上とするのが好ましい。Ni含有量は、0.05%以上とするのが好ましい。Cu含有量は、0.05%以上とするのが好ましい。Mo含有量は、0.05%以上とするのが好ましい。W含有量は、0.05%以上とするのが好ましい。Co含有量は、0.05%以上とするのが好ましい。V含有量は、0.05%以上とするのが好ましい。Zr含有量は、0.05%以上とするのが好ましい。Sb含有量は、0.005%以上とするのが好ましい。
上記の元素に加えて、さらにB、Ca、およびMg(B群元素)から選択される一種以上を、以下に示す範囲において含有させてもよい。各元素の限定理由について説明する。
B:0~0.0025%
Ca:0~0.0050%
Mg:0~0.0050%
B、Ca、およびMgは、熱間加工性および二次加工性を向上させる効果を有する。このため、必要に応じて含有されてもよい。しかしながら、これらの元素を過剰に含有させると、製造性が低下する。このため、B含有量は、0.0025%以下とし、0.0012%以下とするのが好ましい。Ca含有量は、0.0050%以下とし、0.0010%以下とするのが好ましい。Mg含有量は、0.0050%以下とし、0.0010%以下とするのが好ましい。
Ca:0~0.0050%
Mg:0~0.0050%
B、Ca、およびMgは、熱間加工性および二次加工性を向上させる効果を有する。このため、必要に応じて含有されてもよい。しかしながら、これらの元素を過剰に含有させると、製造性が低下する。このため、B含有量は、0.0025%以下とし、0.0012%以下とするのが好ましい。Ca含有量は、0.0050%以下とし、0.0010%以下とするのが好ましい。Mg含有量は、0.0050%以下とし、0.0010%以下とするのが好ましい。
一方、上記効果を得るためには、B含有量は、0.0001%以上とするのが好ましく、0.0003%以上とするのがより好ましい。また、Ca含有量は、0.0002%以上とするのが好ましい。Mg含有量は、0.0002%以上とするのが好ましい。
上記の元素に加えて、さらにY、Hf、およびREM(C群元素)から選択される一種以上を、以下に示す範囲において含有させてもよい。各元素の限定理由について説明する。
Y:0~0.20%
Hf:0~0.20%
REM:0~0.10%
Y、Hf、REMは、熱間加工性および鋼の清浄性を向上させる効果を有する。また、耐酸化性を向上させる効果を有する。このため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、これらの元素は、高価であるため、過剰に含有させると、合金コストが増加する。このため、Y含有量は、0.20%以下とし、0.10%以下とするのが好ましい。Hf含有量は、0.20%以下とし、0.10%以下とするのが好ましい。REM含有量は、0.10%以下とし、0.05%以下とするのが好ましい。一方、上記効果を得るためには、Y含有量は、0.001%以上とするのが好ましい。Hf含有量は、0.001%以上とするのが好ましい。REM含有量は、0.001%以上とするのが好ましい。
Hf:0~0.20%
REM:0~0.10%
Y、Hf、REMは、熱間加工性および鋼の清浄性を向上させる効果を有する。また、耐酸化性を向上させる効果を有する。このため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、これらの元素は、高価であるため、過剰に含有させると、合金コストが増加する。このため、Y含有量は、0.20%以下とし、0.10%以下とするのが好ましい。Hf含有量は、0.20%以下とし、0.10%以下とするのが好ましい。REM含有量は、0.10%以下とし、0.05%以下とするのが好ましい。一方、上記効果を得るためには、Y含有量は、0.001%以上とするのが好ましい。Hf含有量は、0.001%以上とするのが好ましい。REM含有量は、0.001%以上とするのが好ましい。
なお、ここで、REMとは、原子番号57~71のランタノイドに該当する合計15元素を指す。上記REM含有量はこれらの元素の合計含有量を意味する。REMは、工業的には、ミッシュメタルの形で添加されることが多い。
本実施形態の化学組成において、残部はFeおよび不純物である。ここで「不純物」とは、フェライト系ステンレス鋼を工業的に製造する際に、鉱石、スクラップ等の原料、製造工程の種々の要因によって混入する成分であって、本実施形態に悪影響を与えない範囲で許容されるものを意味する。なお、上述した不純物元素以外に、不純物として混入する可能性がある元素として、例えば、Bi、Pb、Se、H、Ta等がある。これらの元素については、Bi≦0.01%、Pb≦0.01%、Se≦0.01%、H≦0.01%、Ta≦0.05%の範囲とするのが望ましい。
2.結晶方位強度比
本実施形態のフェライト系ステンレス鋼板は、板厚1/2位置で圧延面に平行な面において、結晶方位のランダム強度比を以下のような範囲とする。具体的には、下記(ii)式で算出される結晶方位の強度比Aは、6.0以上とする。
本実施形態のフェライト系ステンレス鋼板は、板厚1/2位置で圧延面に平行な面において、結晶方位のランダム強度比を以下のような範囲とする。具体的には、下記(ii)式で算出される結晶方位の強度比Aは、6.0以上とする。
A=I{554}<225>/I{111}<110> ・・・(ii)
但し、上記(ii)式中の各記号は、以下のように定義される。
I{554}<225>:{554}<225>方位のX線ランダム強度比
I{111}<110>:{111}<110>方位のX線ランダム強度比
但し、上記(ii)式中の各記号は、以下のように定義される。
I{554}<225>:{554}<225>方位のX線ランダム強度比
I{111}<110>:{111}<110>方位のX線ランダム強度比
{554}<225>方位および{111}<110>方位は、いずれもr値を高める方位であるが、非特許文献2などに記載されているように、これらの方位は、大きく異なる。この結果、{554}<225>方位と比較し、{111}<110>方位のランダム強度比が大きくなると、鋼板全体の異方性が{111}<110>方位に近づき、異方性が大きくなる。このため、{111}<110>方位は{554}<225>の方位に比べて小さく制御する必要があり、強度比Aを、大きく制御するのがよい。特に、強度比Aが、6.0未満である場合、面内異方性が大きくなり、r0-r45が-0.20よりも小さくなる。このため、強度比Aは、6.0以上とし、8.0以上とするのが好ましい。
また、圧延方向に対して30°方向のr値が高くなる{322}<236>方位を発達させるとともに、30°方向のr値が低くなる{554}<225>方位も発達させ、バランスを適切な範囲とすることで、面内異方性を小さくできる。そこで、板厚1/2位置で圧延面に平行な面において、下記(iii)式で算出される結晶方位の強度比Bは、2.0~5.0とする。
B=I{554}<225>/I{322}<236> ・・・(iii)
但し、上記(iii)式中の各記号は、以下のように定義される。
I{554}<225>:{554}<225>方位のX線ランダム強度比
I{322}<236>:{322}<236>方位のX線ランダム強度比
B=I{554}<225>/I{322}<236> ・・・(iii)
但し、上記(iii)式中の各記号は、以下のように定義される。
I{554}<225>:{554}<225>方位のX線ランダム強度比
I{322}<236>:{322}<236>方位のX線ランダム強度比
強度比Bが2.0未満であると、{322}<236>方位が過剰に発達し、面内異方性が大きくなる。この結果、r0-r45が-0.20よりも小さくなる。このため、強度比Bは、2.0以上とし、2.5以上とするのが好ましい。一方、強度比Bが5.0を超えると、{554}<225>方位が過剰に発達し、鋼板全体の異方性が大きくなる。この結果、r0-r45が0.20よりも小さくなる。このため、強度比Bは、5.0以下とし、4.0以下とするのが好ましい。
なお、上述した強度比AおよびBについては、以下のような手順で測定すればよい。最初に、鋼板の板厚1/2位置で圧延面に平行な面において、X線回折を行う。ここで、鋼板の板厚1/2位置、すなわち、板厚をtとしたとき、圧延面から1/2tの位置で測定を行うのは、この位置が、鋼板の平均的な集合組織を示すことが多く、加工性を評価しやすいからである。
X線回折により得られたデータを用い、非特許文献3に記載のBungeの手法を用いて3次元方位解析を実施する。結晶方位分布図より、各方位におけるランダム強度比を読み取り、強度比AおよびBを算出すればよい。なお、上記X線ランダム強度比とは、特定の方位への集積を持たない標準試料と、供試材のX線回折強度を同条件でX線回折法等により測定し、得られた供試材のX線回折強度を標準試料のX線回折強度で除した数値である。
3.面内異方性
面内異方性を評価する指標として、従来、Δr=(r0-2×r45+r90)/2が頻繁に使用されている。しかしながら、この指標は、r0よりもr45が小さい場合に使用できる指標であり、実際は各方位のr値の大小関係を考慮する必要がある。ここで、r値については、通常、圧延方向のr値であるr0、圧延方向から45°方向のr値であるr45、圧延方向から90°方向のr値であるr90を測定し、各方向のr値の大小関係を評価することが多いが、r値を向上させることを目的としたフェライト系ステンレス鋼板の場合、r90は最小r値とならず(非特許文献1参照。)、r0またはr45が最小r値となる。
面内異方性を評価する指標として、従来、Δr=(r0-2×r45+r90)/2が頻繁に使用されている。しかしながら、この指標は、r0よりもr45が小さい場合に使用できる指標であり、実際は各方位のr値の大小関係を考慮する必要がある。ここで、r値については、通常、圧延方向のr値であるr0、圧延方向から45°方向のr値であるr45、圧延方向から90°方向のr値であるr90を測定し、各方向のr値の大小関係を評価することが多いが、r値を向上させることを目的としたフェライト系ステンレス鋼板の場合、r90は最小r値とならず(非特許文献1参照。)、r0またはr45が最小r値となる。
このため、本実施形態のフェライト系ステンレス鋼板では、面内異方性を評価する際、r0とr45との関係性のみを考慮し、評価を行うことができる。従って、本実施形態のフェライト系ステンレス鋼板では、鋼板全体の異方性に関し、r0-r45を用いて評価を行う。r0-r45の値が0に近い程、面内異方性が小さく、深絞り加工時に形成される耳の部分が小さく、加工性が良好である。
そこで、r0-r45について、下記(iv)式を満足するのが好ましい。
-0.20≦r0-r45≦0.20 ・・・(iv)
但し、上記(iv)式中の各記号は以下のように定義される。
r0:圧延方向のr値
r45:圧延方向から45°方向のr値
-0.20≦r0-r45≦0.20 ・・・(iv)
但し、上記(iv)式中の各記号は以下のように定義される。
r0:圧延方向のr値
r45:圧延方向から45°方向のr値
(iv)式中辺値であるr0-r45が-0.20未満であると、面内異方性が大きくなる。このため、r0-r45は、-0.20以上とするのが好ましい。同様に、r0-r45が0.20超であると、面内異方性が大きくなる。このため、r0-r45は、0.20以下とするのが好ましい。r0-r45は、-0.10~0.10とするのが好ましい。
なお、上記の各方向のr値を算出するためには、JIS Z 2254:2008に記載の塑性ひずみ比試験方法により試験を行うとともに、同規格に準じた算出を行えばよい。
4.製造方法
本実施形態に係るフェライト系ステンレス鋼板の好ましい製造方法について説明する。本実施形態に係るフェライト系ステンレス鋼板は、製造方法によらず、上述の構成を有していれば、その効果を得られるが、例えば、以下のような製造方法により、安定して製造することができる。
本実施形態に係るフェライト系ステンレス鋼板の好ましい製造方法について説明する。本実施形態に係るフェライト系ステンレス鋼板は、製造方法によらず、上述の構成を有していれば、その効果を得られるが、例えば、以下のような製造方法により、安定して製造することができる。
4-1.熱間圧延工程
上述した化学組成を有するステンレス鋼のスラブを、常法に従い、製造するのが好ましい。続いて、得られたスラブを熱間圧延するのが好ましい。熱間圧延する前に、スラブを加熱するが、スラブの加熱温度は、1100~1250℃とするのが好ましい。スラブの加熱温度が、1100℃未満であると、表面疵が発生しやすくなり、疵部からの発銹による耐食性も低下しやすくなる。このため、スラブの加熱温度は、1100℃とするのが好ましい。
上述した化学組成を有するステンレス鋼のスラブを、常法に従い、製造するのが好ましい。続いて、得られたスラブを熱間圧延するのが好ましい。熱間圧延する前に、スラブを加熱するが、スラブの加熱温度は、1100~1250℃とするのが好ましい。スラブの加熱温度が、1100℃未満であると、表面疵が発生しやすくなり、疵部からの発銹による耐食性も低下しやすくなる。このため、スラブの加熱温度は、1100℃とするのが好ましい。
一方、スラブの加熱温度が1250℃を超えると、加熱中に結晶粒が著しく粗大化し、粗大な展伸粒が熱間圧延工程で形成される結果、鋼板の加工性劣化および、表面に凹凸が形成する、いわゆるローピングが発生しやすくなる。また、Ti炭硫化物(Ti4C2S2)が加熱中に溶解し、固溶炭素が増加するとともに、熱間圧延工程で、再度、析出物が形成しやすくなる。この結果、再結晶が遅延し、再結晶不良が生じやすくなる。このような再結晶不良によっても、ローピングが発生しやすくなる。このため、スラブの加熱温度を1250℃以下とするのが好ましい。なお、圧延ロールの焼き付きによる生産性低下などを考慮すると、スラブの加熱温度は、1130~1230℃とするのがより好ましい。
続いて、加熱したスラブを、熱間圧延する。熱間圧延は、粗圧延および仕上圧延からなるが、スラブを熱間圧延する際に、下記(v)式を満足する熱延仕上温度FTで、仕上圧延するのが好ましい。
700≦FT(℃)≦950 ・・・(v)
なお、FTとは、熱延仕上温度(℃)である。
なお、FTとは、熱延仕上温度(℃)である。
熱延仕上温度FTが700℃未満であると、圧延の際に反力が増大することで、形状不良および表面疵が生じやすくなる。このため、熱延仕上温度FTは、700℃以上とするのが好ましく、750℃以上とするのがより好ましい。
一方、熱延仕上温度FTが950℃を超えると、仕上圧延後に、ひずみの回復または再結晶が起こり、集合組織が変化してしまう。この結果、ひずみの回復を抑制し、ひずみを蓄積することができにくくなる。すなわち、冷間圧延の際に再結晶における{554}<225>方位および{322}<236>方位のランダム強度比を高め、{111}<110>方位のランダム強度比を低下させにくくなる。この結果、強度比Aおよび/またはBが本実施形態の範囲を満足しなくなり、r0-r45が所望する範囲とならない。このため、熱延仕上温度FTは、950℃を以下とするのが好ましく、920℃以下とするのがより好ましい。
上述した仕上圧延直後に、急冷するのが好ましい。具体的には、仕上圧延直後10秒以内に700℃以下まで冷却するのが好ましい。仕上圧延が完了した後に、鋼板が高温に長時間晒されると、ひずみの回復および再結晶が生じる。この結果、熱間圧延で蓄積されたひずみが解放され、熱延鋼板の集合組織が変化する。そして、製品板の集合組織およびr値の異方性の制御が困難となる。このため、仕上圧延直後10秒以内に700℃以下の温度まで冷却するのが好ましい。再結晶の観点から、仕上圧延直後7秒以内に700℃以下の温度まで低下させる。冷却方法については、水冷で行うのが好ましい。
700℃以下まで冷却した鋼材を、600℃以下の温度で巻取りをし、熱延鋼板とするのが好ましい。巻取りをする温度が600℃を超えていると、巻取り後、熱延鋼板が徐々に冷却される過程で、ひずみの回復および再結晶が起こり、集合組織が変化してしまう。この結果、製品板の集合組織および面内異方性の制御が困難となる。そして、強度比Aおよび/またはBが本実施形態の範囲を満足しなくなる。このため、巻取り温度は、600℃以下とするのが好ましく、550℃以下とするのがより好ましい。
本実施形態のフェライト系ステンレス鋼板では、通常、行う、熱延鋼板の焼鈍、いわゆる、熱延板焼鈍を行わない方がよい。熱延板焼鈍を行うことで、再結晶に伴い、熱間圧延で蓄積されたひずみが開放され、熱延鋼板の集合組織が変化する。この結果、製品板の集合組織および面内異方性の制御が困難となる。なお、熱間圧延に伴い、表面にスケールが形成すると、その後の工程で、表面疵等が発生しやすくなる。このため、必要に応じて、酸洗等により、脱スケールを行うのが望ましい。
4-2.冷間圧延工程
続いて、熱延鋼板を、冷延圧下率CR(%)が20~85%の範囲で冷間圧延し、冷延鋼板とするのが好ましい。冷延圧下率CRが、20%未満であると、後述する冷延板焼鈍の際、再結晶のための十分なひずみを蓄積させることができない。このため、冷延圧下率CRは、20%以上とするのが好ましい。効果的に再結晶を生じさせる観点から、冷延圧下率CRは、40%以上とするのがより好ましい。
続いて、熱延鋼板を、冷延圧下率CR(%)が20~85%の範囲で冷間圧延し、冷延鋼板とするのが好ましい。冷延圧下率CRが、20%未満であると、後述する冷延板焼鈍の際、再結晶のための十分なひずみを蓄積させることができない。このため、冷延圧下率CRは、20%以上とするのが好ましい。効果的に再結晶を生じさせる観点から、冷延圧下率CRは、40%以上とするのがより好ましい。
一方、冷延圧下率CRが85%を超えると、r0が低下する。より詳細には、ひずみを十分に蓄積させ、冷延の際の再結晶によって、{554}<225>方位および{322}<236>方位のランダム強度比を高めにくくなる。さらに、{111}<110>方位のランダム強度比を低下させにくくなる。この結果、強度比Aおよび/またはBが本実施形態の範囲を満足しにくくなり、r0-r45が-0.20より小さくなる。このため、冷延圧下率CRは、85%以下とするのが好ましく、80%以下とするのがより好ましい。
4-3.冷延板焼鈍
上記冷間圧延の後、冷延鋼板に焼鈍を行うのが好ましい。すなわち、冷延板焼鈍を行うのが好ましい。なお、冷延板焼鈍の焼鈍温度は、特に限定しないが、例えば、再結晶温度T(℃)に対し、T+50~T+120℃の範囲で行うことが多い。必要な特性に合わせて適切な温度にて実施すればよい。
上記冷間圧延の後、冷延鋼板に焼鈍を行うのが好ましい。すなわち、冷延板焼鈍を行うのが好ましい。なお、冷延板焼鈍の焼鈍温度は、特に限定しないが、例えば、再結晶温度T(℃)に対し、T+50~T+120℃の範囲で行うことが多い。必要な特性に合わせて適切な温度にて実施すればよい。
なお、T+120℃を超える温度で焼鈍すると、結晶粒が粗大化し、加工後肌荒れが生じやすくなる。また、再結晶温度Tは、例えば、以下の方法で、測定することができる。具体的には、冷延鋼板を所定の温度まで昇温して1分間の保定の後に、室温まで冷却し、再結晶率を測定する。焼鈍温度を10℃ずつ変化させ、再結晶率が98%以上となる最も低い温度を再結晶温度Tとすればよい。
また、上記焼鈍時間についても、特に限定しないが、生産性を考慮し、焼鈍時間は、3分以下とするのが好ましい。その後、常法に従い、冷却することで、フェライト系ステンレス鋼板の組織を有する鋼板となる。
4-4.ひずみパラメータ
ひずみの蓄積量は、熱延仕上温度FT、冷延圧下率CR、および鋼板のNb含有量などに影響を受け、これらを適切な範囲とすることで、r0-r45を所望する範囲とすることができる。このため、熱延仕上温度FT、冷延圧下率CR、および鋼板のNb含有量に基づき算出されるひずみパラメータRを定義する。ひずみパラメータRは、熱延仕上温度FT、冷延圧下率CR、および鋼板のNb含有量から下記(vi)式のように定義されるパラメータであり、ひずみパラメータRが小さい程、蓄積されるひずみ量が大きいことを示す。
ひずみの蓄積量は、熱延仕上温度FT、冷延圧下率CR、および鋼板のNb含有量などに影響を受け、これらを適切な範囲とすることで、r0-r45を所望する範囲とすることができる。このため、熱延仕上温度FT、冷延圧下率CR、および鋼板のNb含有量に基づき算出されるひずみパラメータRを定義する。ひずみパラメータRは、熱延仕上温度FT、冷延圧下率CR、および鋼板のNb含有量から下記(vi)式のように定義されるパラメータであり、ひずみパラメータRが小さい程、蓄積されるひずみ量が大きいことを示す。
そして、ひずみパラメータRを、-0.2~0.2の範囲とすることで、冷間圧延およびその後の焼鈍における再結晶で、{554}<225>方位および{322}<236>方位のランダム強度比を高め、{111}<110>方位のランダム強度比を低下させることができる。この結果、r0-r45を0に近い値にすることができる。
R=1.6-CR/50+(FT-900)/300―20Nb/3 ・・・(vi)
但し、上記式中の各記号は、以下のように定義される。
CR:冷延圧下率(%)
FT:熱延仕上温度(℃)
Nb:鋼板のNb含有量
但し、上記式中の各記号は、以下のように定義される。
CR:冷延圧下率(%)
FT:熱延仕上温度(℃)
Nb:鋼板のNb含有量
ひずみパラメータRが-0.2未満であると、面内異方性が大きくなる、すなわち、r0-r45が-0.20未満となる。このため、ひずみパラメータRは、-0.2以上とするのが好ましく、-0.1以上とするのがより好ましい。一方、Rが0.2を超えても、面内異方性が大きくなり、r0-r45が0.20を超える。このため、ひずみパラメータRは、0.2以下とするのが好ましく、0.1以下とするのがより好ましい。
このように、ひずみパラメータRを適切な範囲に制御することで、{554}<225>方位、{111}<110>方位、および{322}<236>方位のランダム強度比を適切に制御し、r0とr45の大小関係に依らずに、面内異方性の小さい鋼板を得ることができる。
以下、実施例によって本発明に係るフェライト系ステンレス鋼板をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1に記載の化学組成を有するステンレス鋼を溶製し、表2および3に記載の条件で、フェライト系ステンレス鋼板を製造した。なお、鋼板の製造の際には、熱延板焼鈍を行わなかった。また、冷延板焼鈍の際の焼鈍時間は、全ての例で、1分とした。また、得られた鋼板について、結晶方位の強度比AおよびBと、r0-r45と、全伸びとを以下に記載の方法で測定した。
(結晶方位の強度比AおよびB)
得られた鋼板について、板厚1/2位置で圧延面に平行な面において、X線回折を実施した。X線回折により得られたデータを用い、非特許文献3に記載のBungeの手法を用いて3次元方位解析を実施した。結晶方位分布図より、{554}<225>方位、{111}<110>方位、および{322}<236>方位のランダム強度比を算出し、上記強度比AおよびBを計算した。
得られた鋼板について、板厚1/2位置で圧延面に平行な面において、X線回折を実施した。X線回折により得られたデータを用い、非特許文献3に記載のBungeの手法を用いて3次元方位解析を実施した。結晶方位分布図より、{554}<225>方位、{111}<110>方位、および{322}<236>方位のランダム強度比を算出し、上記強度比AおよびBを計算した。
(平均r値および各種r値他)
得られた鋼板について、JIS Z 2254:2008に準拠し、塑性ひずみ比試験方法により、r0、およびr45を測定した。測定結果から、平均r値およびr0-r45を算出した。また、JIS Z 2241:2011に準拠し、引張試験を行い、全伸びを測定した。全伸びが30%以上である場合を良好な特性であるとして評価した。以下、表1~3を纏めて示す。
得られた鋼板について、JIS Z 2254:2008に準拠し、塑性ひずみ比試験方法により、r0、およびr45を測定した。測定結果から、平均r値およびr0-r45を算出した。また、JIS Z 2241:2011に準拠し、引張試験を行い、全伸びを測定した。全伸びが30%以上である場合を良好な特性であるとして評価した。以下、表1~3を纏めて示す。
本実施形態の要件を満足するC1~C18は、r0-r45が-0.20~0.20の範囲であり、面内異方性も小さく、加工性が良好であった。その一方、本実施形態の要件を満足しないc1~c13については、加工性が低下した。
c1~c6は、本実施形態の化学組成を満足しなかったため、r値が低下した。また、c1、c2、c4、c5はSi、Mn、Al、Crの過度な含有により、全伸びが30%以下と低く、加工性が低下した。c7~c13は製造方法が好ましい条件を満足しなかったため、集合組織を制御できておらず、r0-r45が過剰に小さい、または過剰に大きな値となった。
Claims (6)
- 化学組成が、質量%で、
C:0.030%以下、
Si:1.00%以下、
Mn:2.00%以下、
P:0.005~0.100%、
S:0.0100%以下、
Cr:11.0~30.0%、
Al:1.00%以下、
N:0.030%以下、
Ti:0.05~0.50%、
Nb:0~0.70%、
Sn:0~0.50%、
Ni:0~1.00%、
Cu:0~1.00%、
Mo:0~2.00%、
W:0~1.00%、
Co:0~0.50%、
V:0~0.50%、
Zr:0~0.50%、
Sb:0~0.50%、
B:0~0.0025%、
Ca:0~0.0050%、
Mg:0~0.0050%、
Y:0~0.20%、
Hf:0~0.20%、
REM:0~0.10%、
残部:Feおよび不純物であり、
下記(i)式を満足し、
板厚1/2位置で圧延面に平行な面において、下記(ii)式で算出される結晶方位の強度比Aが6.0以上であり、下記(iii)式で算出される結晶方位の強度比Bが2.0~5.0である、フェライト系ステンレス鋼板。
0.10≦Ti+Nb≦0.70 ・・・(i)
A=I{554}<225>/I{111}<110> ・・・(ii)
B=I{554}<225>/I{322}<236> ・・・(iii)
但し、上記(i)式中の各元素記号は鋼中に含まれる各元素の含有量(質量%)を表し、含有されない場合はゼロとし、上記(ii)および(iii)式中の各記号は、以下のように定義される。
I{554}<225>:{554}<225>方位のX線ランダム強度比
I{111}<110>:{111}<110>方位のX線ランダム強度比
I{322}<236>:{322}<236>方位のX線ランダム強度比 - 前記化学組成が、質量%で、
Sn:0.005~0.50%、
Ni:0.05~1.00%、
Cu:0.05~1.00%、
Mo:0.05~2.00%、
W:0.05~1.00%、
Co:0.05~0.50%、
V:0.05~0.50%、
Zr:0.05~0.50%、および
Sb:0.005~0.50%、
から選択される一種以上を含有する、請求項1に記載のフェライト系ステンレス鋼板。 - 前記化学組成が、質量%で、
B:0.0001~0.0025%、
Ca:0.0002~0.0050%、および
Mg:0.0002~0.0050%、
から選択される一種以上を含有する、請求項1または2に記載のフェライト系ステンレス鋼板。 - 前記化学組成が、質量%で、
Y:0.001~0.20%、
Hf:0.001~0.20%、および
REM:0.001~0.10%、
から選択される一種以上を含有する、請求項1~3のいずれか1項に記載のフェライト系ステンレス鋼板。 - 下記(iv)式を満足する、請求項1~4のいずれか1項に記載のフェライト系ステンレス鋼板。
-0.20≦r0-r45≦0.20 ・・・(iv)
但し、上記(iv)式中の各記号は以下のように定義される。
r0:圧延方向のr値
r45:圧延方向から45°方向のr値 - 請求項1~5のいずれか1項に記載のフェライト系ステンレス鋼板を製造する方法であって、
請求項1~4のいずれかに記載の化学組成を有するスラブを、熱間圧延する際に、下記(v)式を満足する熱延仕上温度FTで、仕上圧延する工程と、
前記仕上圧延直後10秒以内に700℃以下まで冷却し、600℃以下の温度で巻取りをし、熱延鋼板とする工程と、
前記熱延鋼板を、冷延圧下率CRが20~85%の範囲で冷間圧延し、冷延鋼板とする工程と、
前記冷延鋼板に、焼鈍を行う工程と、を有し、
下記(vi)式で算出される、ひずみパラメータRを-0.2~0.2の範囲とする、フェライト系ステンレス鋼板の製造方法。
700≦FT(℃)≦950 ・・・(v)
R=1.6-CR/50+(FT-900)/300―20Nb/3 ・・・(vi)
但し、上記式中の各記号は、以下のように定義される。
CR:冷延圧下率(%)
FT:熱延仕上温度(℃)
Nb:鋼板のNb含有量
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