JP2023059864A - レーザ溶接方法およびレーザ溶接装置 - Google Patents

レーザ溶接方法およびレーザ溶接装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2023059864A
JP2023059864A JP2022165774A JP2022165774A JP2023059864A JP 2023059864 A JP2023059864 A JP 2023059864A JP 2022165774 A JP2022165774 A JP 2022165774A JP 2022165774 A JP2022165774 A JP 2022165774A JP 2023059864 A JP2023059864 A JP 2023059864A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
laser
laser light
laser beam
laser welding
welding method
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022165774A
Other languages
English (en)
Inventor
知道 安岡
Tomomichi Yasuoka
紗世 菅
Sayo Suga
太郎 村山
Taro Murayama
暢康 松本
Nobuyasu Matsumoto
俊明 酒井
Toshiaki Sakai
弘人 影山
Hiroto Kageyama
淳 寺田
Atsushi Terada
昌充 金子
Akimitsu Kaneko
孝 繁松
Takashi Shigematsu
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Furukawa Electric Co Ltd filed Critical Furukawa Electric Co Ltd
Publication of JP2023059864A publication Critical patent/JP2023059864A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Laser Beam Processing (AREA)

Abstract

【課題】例えば、より高品質な溶接が可能となるような、改善された新規なレーザ溶接方法およびレーザ溶接装置を得る。【解決手段】レーザ溶接方法は、例えば、金属材料で作られた第一部材の第一方向の第一端部と、金属材料で作られた第二部材の第一方向の第二端部と、をレーザ溶接するレーザ溶接方法であって、第一端部および第二端部を第一方向と交差した第二方向に隣り合うように配置する工程と、第一端部および第二端部のうち少なくとも一方に、第一方向と交差した所定の方向に掃引しながらレーザ光を照射する工程と、レーザ光を照射する工程において第一端部と第二端部との間で掛け渡された状態で形成された溶融池を固化する工程と、を備え、レーザ光は、800[nm]以上かつ1200[nm]以下の波長の第一レーザ光と、550[nm]以下の波長の第二レーザ光と、を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、レーザ溶接方法およびレーザ溶接装置に関する。
平角線のような導線の被覆が除去され芯線が露出した部位をレーザ溶接する方法が知られている(例えば、特許文献1)。
特開2020-142283号公報
この種のレーザ溶接において、スパッタが周囲に飛散すると、例えば、樹脂製の部品が損傷したり、周辺部品に不必要な短絡が生じたりする虞があるため、好ましくない。また、当該レーザ溶接において、溶接部内にボイドが生じると、溶接部の信頼性が低下したり、抵抗が増大したりする虞があるため、好ましくない。すなわち、この種のレーザ溶接においては、より高品質なレーザ溶接が望まれている。
そこで、本発明の課題の一つは、例えば、より高品質な溶接が可能となるような、改善された新規なレーザ溶接方法およびレーザ溶接装置を得ること、である。
本発明のレーザ溶接方法は、例えば、金属材料で作られた第一部材の第一方向の第一端部と、金属材料で作られた第二部材の前記第一方向の第二端部と、をレーザ溶接するレーザ溶接方法であって、前記第一端部および前記第二端部を前記第一方向と交差した第二方向に隣り合うように配置する工程と、前記第一端部および前記第二端部のうち少なくとも一方に、前記第一方向と交差した第三方向に掃引しながらレーザ光を照射する工程と、前記レーザ光を照射する工程において前記第一端部と前記第二端部との間で掛け渡された状態で形成された溶融池を固化する工程と、を備え、前記レーザ光は、800[nm]以上かつ1200[nm]以下の波長の第一レーザ光と、550[nm]以下の波長の第二レーザ光と、を含む。
前記レーザ溶接方法では、前記第二レーザ光の波長は、400[nm]以上かつ500[nm]以下であってもよい。
前記レーザ溶接方法では、前記第一端部および前記第二端部のうち前記レーザ光が照射される前記第一方向の端部に位置し前記第一方向と交差した照射平面において、前記第二レーザ光のスポットの少なくとも一部は、前記第一レーザ光のスポットより前記第三方向の前方に位置してもよい。
前記レーザ溶接方法では、前記第一端部および前記第二端部のうち前記レーザ光が照射される前記第一方向の端部に位置し前記第一方向と交差した照射平面において、前記第二レーザ光のスポット径は、前記第一レーザ光のスポット径より大きくてもよい。
前記レーザ溶接方法では、前記第一端部および前記第二端部のうち前記レーザ光が照射される前記第一方向の端部に位置し前記第一方向と交差した照射平面において、前記第二レーザ光のパワー密度が、98[kW/cm]より高くてもよい。
前記レーザ溶接方法では、前記照射平面における前記第一レーザ光のスポット径に対する前記照射平面における前記第二レーザ光のスポット径の比であるビーム比が、2以上であってもよい。
前記レーザ溶接方法では、前記ビーム比が、4以上であってもよい。
前記レーザ溶接方法では、前記照射平面における前記第一レーザ光のスポット径に対する前記照射平面における前記第二レーザ光のスポット径の比であるビーム比が、50以下であってもよい。
前記レーザ溶接方法では、前記ビーム比が、15より小さくてもよい。
前記レーザ溶接方法では、前記第一端部および前記第二端部のうち前記レーザ光が照射される前記第一方向の端部に位置し前記第一方向と交差した照射平面において、前記第一レーザ光のスポット径が、85[μm]以上であってもよい。
前記レーザ溶接方法では、前記第一端部および前記第二端部のうち前記レーザ光が照射される前記第一方向の端部に位置し前記第一方向と交差した照射平面において、前記第二レーザ光のスポット径が、1125[μm]より小さくてもよい。
前記レーザ溶接方法では、前記第一端部および前記第二端部のうち前記レーザ光が照射される前記第一方向の端部に位置し前記第一方向と交差した照射平面において、前記第一レーザ光のパワー密度が、1937[kW/cm]以上でありかつ50465[kW/cm]以下であってもよい。
前記レーザ溶接方法では、前記第一端部および前記第二端部のうち前記レーザ光が照射される前記第一方向の端部に位置し前記第一方向と交差した照射平面において、前記第一レーザ光のパワー密度が、7169[kW/cm]以上でありかつ49334[kW/cm]以下であってもよい。
前記レーザ溶接方法では、前記第一端部および前記第二端部のうち前記レーザ光が照射される前記第一方向の端部に位置し前記第一方向と交差した照射平面と、前記第二レーザ光の焦点との、前記第一方向における距離が、1.5[mm]より短くてもよい。
前記レーザ溶接方法では、前記第一部材による前記第二レーザ光の吸収率は、当該第一部材による前記第一レーザ光の吸収率より高く、かつ、前記第二部材による前記第二レーザ光の吸収率は、当該第二部材による前記第一レーザ光の吸収率より高くてもよい。
前記レーザ溶接方法では、前記第一部材および前記第二部材のうち少なくとも一方は、銅系材料で作られてもよい。
前記レーザ溶接方法では、前記第一部材および前記第二部材のうち少なくとも一方は、アルミニウム系材料で作られてもよい。
本発明のレーザ溶接装置は、例えば、金属材料で作られた第一部材の第一方向の第一端部と、金属材料で作られた第二部材の前記第一方向の第二端部と、をレーザ溶接するレーザ溶接装置であって、レーザ光を出力する光源と、前記第一端部および前記第二端部のうち少なくとも一方に前記光源からの前記レーザ光を照射する光学ヘッドと、を備え、前記レーザ光は、800[nm]以上かつ1200[nm]以下の波長の第一レーザ光と、550[nm]以下の波長の第二レーザ光と、を含む。
前記レーザ溶接装置では、前記第二レーザ光の波長は、400[nm]以上かつ500[nm]以下であってもよい。
前記レーザ溶接装置は、前記レーザ光を前記第一端部または前記第二端部に対して掃引可能な掃引機構を備えてもよい。
前記レーザ溶接装置は、前記第一方向における前記第一レーザ光の焦点位置、および前記第一方向における前記第二レーザ光の焦点位置のうち、少なくとも一方を、前記第一方向において変更可能な焦点調整機構を備えてもよい。
本発明によれば、例えば、より高品質な溶接が可能となるような、改善された新規なレーザ溶接方法およびレーザ溶接装置を得ることができる。
図1は、実施形態のレーザ溶接装置の例示的な概略構成図である。 図2は、実施形態のレーザ溶接方法の対象物の溶接前における例示的かつ模式的な側面図である。 図3は、実施形態のレーザ溶接方法の対象物の溶接中あるいは溶接後における例示的かつ模式的な側面図である。 図4は、実施形態のレーザ溶接方法の対象物としての部材を含む平角線の例示的かつ模式的な斜視図である。 図5は、実施形態のレーザ溶接方法の手順の一例を示すフローチャートである。 図6は、実施形態のレーザ溶接方法におけるレーザ光のビームパターンの一例を示す模式的な平面図である。 図7は、実施形態のレーザ溶接方法におけるスポット径の定義を示す説明図である。 図8は、照射するレーザ光の波長に対する各金属材料の光の吸収率を示すグラフである。 図9は、実施形態のレーザ溶接方法におけるレーザ光の掃引経路の一例を示す模式的な平面図である。 図10は、実施形態の変形例のレーザ溶接装置の例示的な概略構成図である。
以下、本発明の例示的な実施形態および変形例が開示される。以下に示される実施形態および変形例の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用および結果(効果)は、一例である。本発明は、以下の実施形態および変形例に開示される構成以外によっても実現可能である。また、本発明によれば、構成によって得られる種々の効果(派生的な効果も含む)のうち少なくとも一つを得ることが可能である。
以下の実施形態および変形例は、同様の構成要素を有している。以下では、それら同様の構成要素については、共通の符号を付与するとともに、重複する説明を省略する場合がある。
また、各図において、X方向を矢印Xで表し、Y方向を矢印Yで表し、Z方向を矢印Zで表している。X方向、Y方向、およびZ方向は、互いに交差するとともに直交している。Z方向は、レーザ溶接の対象物となる複数の部材が延びる方向である。なお、Z方向は、略鉛直上方であるが、鉛直上方に対して傾いていてもよい。
また、本明細書において、序数は、方向や、部材、部位、レーザ光等を区別するために便宜上付与されており、優先度や順番を示すものではない。
[第1実施形態]
[レーザ溶接装置およびレーザ溶接の概要]
図1は、第1実施形態のレーザ溶接装置100の概略構成を示す図である。図1に示されるように、レーザ溶接装置100は、レーザ装置111,112と、光学ヘッド120と、光ファイバ130と、センサ150と、コントローラ200と、を備えている。
レーザ溶接装置100は、レーザ溶接の対象物Wの表面Waにレーザ光Lを照射する。レーザ光Lのエネルギによって、対象物Wが部分的に溶融し、冷却されて固化することにより、当該対象物Wが溶接される。対象物Wは、複数の部材を有しており、レーザ溶接によって、当該複数の部材に渡る溶融池が形成され、当該溶融池が固化されることにより、複数の部材が接合される。
対象物Wとなる複数の部材は、それぞれ、例えば、銅や銅合金のような銅系の金属材料や、アルミニウムやアルミニウム合金のようなアルミニウム系の金属材料等で、作られうる。複数の部材は、同じ金属材料で作られてもよいし、互いに異なる金属材料で作られてもよい。なお、対象物Wとなる複数の部材は、導体である。
レーザ装置111,112は、それぞれ、レーザ発振器を備えており、一例としては、数kWのパワーのシングルモードのレーザ光を出力できるよう構成されている。なお、レーザ装置111,112は、例えば、内部に複数の半導体レーザ素子を備え、当該複数の半導体レーザ素子の合計の出力として数kWのパワーのマルチモードのレーザ光を出力できるよう構成されてもよい。また、レーザ装置111,112は、ファイバレーザ、YAGレーザ、ディスクレーザ等、様々なレーザ光源を備えてもよい。
レーザ装置111は、例えば、800[nm]以上かつ1200[nm]以下の波長のレーザ光を出力し、また、レーザ装置112は、例えば、550[nm]以下の波長のレーザ光を出力する。より好ましくは、レーザ装置112は、例えば、400[nm]以上かつ500[nm]以下の波長のレーザ光を出力する。レーザ装置111,112が有するレーザ発振器は、光源の一例である。レーザ装置111が出力するレーザ光は、第一レーザ光の一例であり、レーザ装置112が出力するレーザ光は、第二レーザ光の一例である。なお、レーザ装置111,112は、レーザ光の連続波を出力してもよいし、レーザ光のパルスを出力してもよい。
コントローラ200は、レーザ装置111,112の作動を制御することができる。例えば、コントローラ200は、レーザ光を出力したり、レーザ光の出力を停止したり、出力強度を変更したりするよう、レーザ装置111,112を制御することができる。
光ファイバ130は、レーザ装置111,112のそれぞれと光学ヘッド120とを光学的に接続している。言い換えると、光ファイバ130は、レーザ装置111,112から出力されたレーザ光を光学ヘッド120に導く。レーザ装置111,112が、シングルモードレーザ光を出力する場合、光ファイバ130は、シングルモードレーザ光を伝播するよう構成される。この場合、シングルモードレーザ光のMビーム品質は、1.3以下に設定される。Mビーム品質は、M2ファクタとも称されうる。
光学ヘッド120は、レーザ装置111,112からのレーザ光を伝送して出力し、対象物Wに照射する光学装置である。光学ヘッド120は、コリメートレンズ121と、集光レンズ122と、ミラー123と、波長フィルタ124と、ガルバノスキャナ126と、を有している。コリメートレンズ121、集光レンズ122、ミラー123、波長フィルタ124、およびガルバノスキャナ126は、光学部品とも称されうる。
コリメートレンズ121は、光ファイバ130を介して入力されたレーザ光をコリメートする。コリメートされたレーザ光は、平行光になる。
ミラー123は、コリメートレンズ121-1で平行光となった第一レーザ光を反射する。ミラー123で反射した第一レーザ光は、波長フィルタ124へ向かう。なお、第一レーザ光が光学ヘッド120においてX方向の反対方向へ進むように入力される構成にあっては、ミラー123は不要である。
波長フィルタ124は、レーザ装置111からの第一レーザ光を透過し、レーザ装置112からの第二レーザ光を透過せずに反射するハイパスフィルタである。第一レーザ光は、波長フィルタ124を透過してX方向の反対方向へ進み、ガルバノスキャナ126へ向かう。他方、波長フィルタ124は、コリメートレンズ121-2で平行光となった第二レーザ光を反射する。波長フィルタ124で反射した第二レーザ光は、ガルバノスキャナ126へ向かう。
ガルバノスキャナ126は、複数のミラー126a,126bを有している。複数のミラー126a,126bの角度を変更することで、光学ヘッド120からのレーザ光Lの出射方向を切り替え、これにより、対象物Wの表面Wa上でレーザ光Lの照射位置を変更することができる。ミラー126a,126bの角度は、それぞれ、例えばコントローラ200によって制御される不図示のモータによって変更される。レーザ光Lを照射しながら、レーザ光Lの出射方向を変更することにより、対象物Wの表面上で、レーザ光Lを掃引することができる。すなわち、ガルバノスキャナ126は、掃引機構の一例である。
集光レンズ122は、ガルバノスキャナ126から到来した平行光としてのレーザ光を集光し、レーザ光L(出力光)として、対象物Wへ照射する。レーザ光Lは、第一レーザ光L1と、第二レーザ光L2と、を含んでいる。
図2は、対象物Wの溶接する前の状態を示す側面図である。図2に示されるように、対象物Wは、二つの部材20(21,22)を有している。二つの部材20は、いずれも金属材料で作られている。
二つの部材20は、それぞれZ方向に延びており、Z方向の端部20a(21a,22a)を有している。端部20aは、Z方向と交差して広がっている。すなわち、端部20aは、X方向に延びるとともにY方向に延びている。Z方向は、第一方向の一例である。端部21aは、第一端部の一例であり、端部22aは、第二端部の一例である。
二つの部材20は、Z方向と交差したX方向に互いに隣り合い、かつX方向に並ぶように配置される。X方向において互いに面する側面21a1,22a1の間には、隙間gが形成されている。X方向は、第二方向の一例である。
なお、端部21a,22aは、それぞれ、Z方向に対して僅かに傾斜し、隙間gがZ方向に向かうほど小さくなるように配置されてもよい。すなわち、二つの部材20は、少なくとも部分的に接触していてもよい。つまり、隙間gの大きさは、0以上である。
また、図2の例では、端部21aが端部22aに対してZ方向の前方に位置しているが、これには限定されず、端部22aが端部21aに対してZ方向の前方に位置してもよいし、端部21aと端部22aとのZ方向におけるずれが無くてもよい。端部21a,22aは、端部21aと端部22aとのずれ量δが所定長さ以内となるように配置される。
対象物W、すなわち二つの部材20の溶接に際し、光学ヘッド120は、レーザ光Lを、端部20aに向けて照射する。レーザ光Lの照射方向は、Z方向の反対方向か、あるいはZ方向の反対方向に対して傾斜した方向である。
光学ヘッド120は、レーザ光Lを、端部21aおよび端部22aの双方に照射してもよいし、端部21aおよび端部22aのうちいずれか一方のみに照射してもよい。
図3は、対象物Wに溶接部23(溶融池Mp)が形成された状態を示す側面図である。二つの端部20aのうちいずれか一方に対するレーザ光Lの照射により、図3に示されるように、端部20aのそれぞれにおいて部材20は溶融し、二つの端部20a上で掛け渡された状態に溶接部23が形成される。溶接部23は、二つの端部20a間で掛け渡された状態に形成された溶融池Mpが、冷却され、固化したものである。流動性を有した金属材料である溶融池Mpは、表面張力によってZ方向に膨らんだ形状を有している。これに伴って、当該溶融池Mpが固化した溶接部23もZ方向に膨らんだ形状を有している。溶接部23は、二つの部材21,22を機械的に接続する。また、二つの部材21,22が導電性を有する金属であるため、溶接部23は、当該二つの部材21,22を電気的に接続する。なお、溶接部23(溶融池Mp)の形状は、図3のような形状には限定されない。また、溶接部23と溶融池Mpとの間で、大きさや形状は、若干相違する場合がある。
センサ150(図1参照)は、例えば、対象物Wに形成される溶融池Mpを撮影するカメラである。コントローラ200は、センサ150によって取得される画像から、溶融池の表面の動き(経時変化)を取得することができる。この場合、センサ150は、動きセンサとも称されうる。
また、センサ150は、溶融池の温度を検出することが可能なサーマルカメラであってもよい。コントローラ200は、センサ150によって取得される温度画像から、溶融池の温度を取得することができる。この場合、センサ150は、温度センサとも称されうる。
図4は、部材20を含む導線10の斜視図である。部材20は、一例として、図4に示されるような導線10の芯線(内部導体)である。導線10は、部材20と、部材20の被覆30と、を有している。本実施形態では、一例として、導線10は、平角線である。
部材20は、導電性を有した金属材料で作られている。部材20の、延び方向に対して直交する断面の形状は、略四角形状である。
また、被覆30は、部材20を取り囲んでいる。被覆30は、絶縁性を有しており、例えば、エナメルや、合成樹脂材料等で作られる。被覆30は、ポリイミドやポリアミドイミドで構成されるエナメル層のみを有してもよいし、エナメル層と当該エナメル層を取り囲む押出樹脂層とを有してもよい。また、合成樹脂材料は、一例としては、ポリエーテルエーテルケトンであるが、これには限定されない。
レーザ溶接装置100は、このような導線10の芯線としての部材20の被覆30から露出した端部20a同士のレーザ溶接に、適用される。この場合、溶接に先立ち、二つの導線10の延び方向の端部の近傍において、被覆30が除去される。
そして、図2に示されるように、同じ方向(延び方向)を向く姿勢で隣り合うように配置された二つの部材20の端部20aを含む露出区間20b(21b,22b)が、レーザ溶接装置100によって溶接される。
導線10は、電気装置としての回転電機に設けられるセグメントコイル(巻線)を構成してもよい。すなわち、本実施形態のレーザ溶接装置100によるレーザ溶接方法は、ステータコアにセットされた互いに隣り合うセグメントコイルの端部の溶接に適用することができる。この場合、図3に示される対象物Wは、電気装置の一部であってもよい。
また、導線10は、平角線には限定されず、例えば、丸線のような、他の導線であってもよい。
また、溶接に際し、ガスノズル(不図示)から、端部20a(21a,22a)、溶融池Mp、および被覆30のうち、少なくともいずれか一つに向けて、ガスが供給されてもよい。ガスは、不活性ガスであり、アシストガスとも称されうる。不活性ガスは、ここでは、化学的に安定し反応が生じ難いガスを指し、例えば、窒素や、アルゴン、二酸化炭素、あるいはこれらの混合ガスを含むものとする。ガスを供給することにより、端部20aや、溶融池Mp、溶接部23等の酸化を抑制することができるとともに、端部20aや、溶融池Mp、被覆30等を適宜に冷却し、溶接によって生じた熱による被覆30の劣化を抑制することができる。
図5は、レーザ溶接方法の手順を示すフローチャートである。図5に示されるように、まずは、対象物Wとしての二つの導線10の被覆30が部分的に除去され、部材20の露出区間20bが形成される(S1)。
次に、対象物Wがセットされる(S2)。S2では、図2に示されるように、端部20a(21a,22a)が、Z方向に延びるとともに、X方向に隣り合うように、配置される。
次に、二つの端部20a(21a,22a)のうち少なくとも一方に、レーザ光Lが照射されることにより、溶融池Mpが形成される(S3)。S3において、レーザ光Lは、Z方向と交差した方向に掃引されながら照射される。
次に、溶融池Mpが冷却されることにより固化し、図3に示されるような、二つの端部20a間、すなわち二つの導線10間に渡る溶接部23が形成され(S4)、これにより、二つの端部20aがレーザ溶接される。なお、S4において、溶融池Mpおよび溶接部23は、自然冷却されてもよいし、強制冷却されてもよい。
[レーザ光のビームパターン]
図6は、本実施形態の光学ヘッド120から出力されたレーザ光Lの照射平面ze上のビームパターンの一例を示す平面図である。ここで、照射平面zeは、図2に示されるように、レーザ光Lが照射される前の二つの端部21a,22aのうちZ方向の前方に位置する端部20a(図2では、一例として、端部21a)の位置において、Z方向と交差しかつ直交した仮想平面と定義する。なお、図6では、ビームB1を実線で示し、ビームB2を破線で示している。
上述したように、レーザ光Lは、第一レーザ光L1と第二レーザ光L2とを含み、レーザ光Lによるビームは、図6に示されるように、第一レーザ光L1によるビームB1と、第二レーザ光L2によるビームB2と、を含んでいる。本実施形態では、一例として、ビームB1,B2ともに、略円形状の断面を有しているが、これには限定されない。ビームB1,B2のパワー密度は、それぞれ独立して設定することができる。
ビームB1およびビームB2のそれぞれは、そのビームの光軸方向と直交する断面の径方向において、例えばガウシアン形状のパワー分布を有する。ただし、ビームB1およびビームB2のパワー分布はガウシアン形状には限定されない。図6において、当該ビームB1,B2を表す円の直径であるD1,D2が、各ビームB1,B2のビーム径(スポット径)である。各ビームB1,B2のビーム径D1,D2は、そのビームのピークを含み、ピーク強度の1/e以上の強度の領域の径として定義することができる。また、図示されないが、円形でないビームの場合は、平面視において掃引方向SDに対する垂直方向における、ピーク強度の1/e以上の強度となる領域の長さをビーム径と定義できる。ビーム径は、ビーム幅とも称されうる。また、掃引方向SDは、第三方向の一例である。
[スポット径]
図7は、ビーム径D1,D2(スポット径)の定義の説明図である。図7に示される光路は、第一レーザ光L1および第二レーザ光L2のそれぞれについて得られる。図7において、Axは、光軸、fは、コリメートレンズ121の焦点距離、fは、集光レンズ122の焦点距離、θは、ビーム発散角、θは、ビーム広がり角、Dは、コリメート光のビーム径、Dは、焦点Pでのビーム径、Dは、デフォーカス位置としての照射平面ze上でのビーム径(スポット径)、aは、焦点Pと照射平面zeとの間の距離である。
第一レーザ光L1および第二レーザ光L2のそれぞれについて、次の式(1)~(3)が成り立つ。
=2θ ・・・(1)
=(4f/πD)Mλ ・・・(2)
=D√{1+(4aλ/πD } ・・・(3)
ここに、Mは、ビーム品質であり、λは、波長である。第一レーザ光L1の場合のビーム径Dがビーム径D1であり、第二レーザ光L2の場合のビーム径Dがビーム径D2である。ビーム径D1,D2は、上記式(3)によって定義してもよい。
[波長と光の吸収率]
ここで、金属材料の光の吸収率について説明する。図8は、照射するレーザ光Lの波長に対する各金属材料の光の吸収率を示すグラフである。図8のグラフの横軸は波長であり、縦軸は吸収率である。図8には、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、金(Au)、ニッケル(Ni)、銀(Ag)、タンタル(Ta)、およびチタン(Ti)について、波長と吸収率との関係が示されている。
材料によって特性が異なるものの、図8に示されている各金属に関しては、一般的な赤外線(IR)のレーザ光(第一レーザ光)を用いるよりも、青や緑のレーザ光(第二レーザ光)を用いた方が、エネルギの吸収率がより高いことが理解できよう。この特徴は、銅(Cu)や、金(Au)等においては顕著となる。
使用波長に対して吸収率が比較的低い対象物Wにレーザ光が照射された場合、大部分の光エネルギは反射され、対象物Wに熱としての影響を及ぼさない。そのため、十分な深さの溶融領域を得るには比較的高いパワーを与える必要がある。その場合、ビーム中心部は急激にエネルギが投入されることで、昇華が生じ、キーホールが形成される。
他方、使用波長に対して吸収率が比較的高い対象物Wにレーザ光が照射された場合、投入されるエネルギの多くが対象物Wに吸収され、熱エネルギへと変換される。すなわち、過度なパワーを与える必要はないため、キーホールの形成を伴わず、熱伝導型の溶融となる。
本実施形態では、対象物Wの第二レーザ光に対する吸収率が、第一レーザ光に対する吸収率よりも高くなるよう、対象物Wの材質に応じて、第一レーザ光および第二レーザ光(の波長)が設定される。図6に示されるように、ビーム径D2がビーム径D1よりも大きいレーザ光Lのスポットが、掃引方向SDに掃引される場合、対象物Wの溶接される部位(以下、被溶接部位と称する)には、まずは、ビームB2の、図6における掃引方向SDの前方に位置する領域B2fによって、第二レーザ光L2が照射される。その後、被溶接部位には、ビームB1が照射され、その後、ビームB2の、掃引方向SDの後方に位置する領域B2bによって、再度第二レーザ光L2が照射されることになる。
したがって、被溶接部位には、まずは、領域B2fにおける吸収率が高い第二レーザ光L2の照射により、熱伝導型の溶融領域が生じる。その後、被溶接部位には、第一レーザ光L1の照射によって、より深いキーホール型の溶融領域が生じる。この場合、被溶接部位には、予め熱伝導型の溶融領域が形成されているため、当該熱伝導型の溶融領域が形成されない場合に比べて、より低いパワーの第一レーザ光L1によって所要の深さの溶融領域を形成することができる。さらにその後、被溶接部位には、領域B2bにおける吸収率が高い第二レーザ光L2の照射により、溶融状態が変化する。このような観点から、第二レーザ光L2の波長は550[nm]以下とするのが好ましく、500[nm]以下とするのがより好ましい。
そして、発明者らの実験的な研究により、図6のようなビームB1,B2を形成するレーザ光Lの照射によるレーザ溶接にあっては、スパッタやブローホールのような溶接欠陥を低減できることが確認された。これは、ビームB1が到来する前にビームB2の領域B2fによって対象物Wを予め加熱しておくことにより、ビームB2およびビームB1によって形成される溶融池Mpがより安定化するためであると推定できる。
[掃引経路]
図9は、端部21a,22aにおけるレーザ光Lの掃引経路R1の一例を示す説明図(平面図)である。図9の例では、レーザ光Lは、Z方向と交差する方向に、掃引経路R11,R12,R13,R14の順に、直線状に掃引される。掃引経路R11,R12は、レーザ光Lが、端部21a上を掃引される経路であり、掃引経路R13,R14は、レーザ光Lが、端部22a上を掃引される経路である。掃引経路R11,R13にあっては、レーザ光Lは、Y方向に掃引され、掃引経路R12,R14にあっては、レーザ光Lは、Y方向の反対方向に掃引されている。このように、端部21a,22aにレーザ光Lを照射し、当該端部21a,22a上に溶融池を形成する工程(S3)は、レーザ光Lを複数回掃引する工程を含む。
図9に示されるように、端部21aおよび端部22aは、平面視において、いずれも四角形状の形状を有しており、本実施形態では、一例として、X方向に延びた辺とY方向に延びた辺とを有するとともに、X方向に相対的に短くかつY方向に相対的に長い、長方形状の形状を有している。この場合、Y方向は幅方向あるいは断面の長手方向と称することができ、X方向は厚さ方向あるいは断面の短手方向と称することができる。なお、図9の例では、一例として、端部21aおよび端部22aは同一の形状を有しているが、これには限定されない。
また、図9の例において、レーザ光Lは、例えば、端部21aのX方向の中心C1よりも端部22aに近い領域A1と、端部22aのX方向の中心C2よりも端部21aに近い領域A2と、において掃引されている。ただし、掃引される位置、すなわち照射領域は、領域A1,A2内には限定されない。
なお、図9の掃引経路R1は一例に過ぎず、本実施形態の好適な結果が得られる掃引経路は、図9の掃引経路R1には限定されない。
[実験結果]
発明者らは、図9の視線におけるY方向に沿う長辺の長さが3.0[mm]、X方向に沿う短辺の長さが2.0[mm]であり、かつ材質がC1020である二本の部材20としての平角線について、複数の条件で端部20a同士のレーザ溶接を行うことにより、好適な結果が得られる条件を見出した。
Figure 2023059864000002
表1は、その実験結果の一部を示している。表1において、z1は、第一レーザ光L1の焦点Pの照射平面zeに対するZ方向における位置を示し、z2は、第二レーザ光L2の焦点Pの照射平面zeに対するZ方向における位置を示している。ここに、Z方向の位置(z1,z2)は、Z方向の前方、すなわち集光レンズ122に近付く方向を正(+)とし、Z方向の後方、すなわち集光レンズ122から遠ざかる方向を負(-)としている。
ビーム比(=D2/D1)は、照射平面zeにおける、第一レーザ光L1のビームB1のビーム径D1に対する第二レーザ光L2のビームB2のビーム径D2の比である。
表1において、Pw1は、レーザ装置111が出力した第一レーザ光L1のパワーであり、Pw2は、レーザ装置112が出力した第二レーザ光L2のパワーである。また、Pd1は、照射平面zeにおける第一レーザ光L1のスポットのパワー密度であり、Pd2は、照射平面zeにおける第二レーザ光L2のスポットのパワー密度である。パワー密度比(=Pd1/Pd2)は、パワー密度Pd2に対するパワー密度Pd1の比である。
レーザ溶接の開始から完了までの時間におけるスパッタの数により評価を行った。スパッタの数が10個以下の場合を、最良状態(◎)と判定し、スパッタの数が11個以上かつ30個以下である場合を、良好状態(○)と判定し、スパッタの数が30個より多い場合を、不良状態(×)と判定した。
表1に示される実験結果から、第二レーザ光L2のパワー密度Pd2は、98[kW/cm]より高いのが好ましく、112[kW/cm]以上であるのがより好ましいことが判明した。これは、第二レーザ光L2のパワー密度Pd2が低過ぎると、被溶接部位の予加熱が不十分になり、第一レーザ光L1の照射によりスパッタが生じ易くなるからであると推定できる。
また、第二レーザ光L2のパワー密度Pd2が、98[kW/cm2]より高い範囲において、ビーム比は、2以上であるのが好ましく、4以上であるのがより好ましいことが判明した。これは、ビーム比が大きいほど、被溶接部位の場所による温度変化がより緩やかになり、溶融池Mpがより安定化して、スパッタが生じ難くなるからであると推定できる。
また、第二レーザ光L2のパワー密度Pd2が、98[kW/cm2]より高い範囲において、ビーム比は、50以下であるのが好ましく、15より小さいのがより好ましく、9.6以下であるのがより一層好ましいことが判明した。これは、ビーム比が大きすぎると、第二レーザ光L2のパワー密度が低くなりすぎてしまい、当該第二レーザ光L2による予加熱によって場所による温度変化を緩和する効果が得られ難くなるからであると推定できる。同様の理由から、照射平面zeにおける第一レーザ光L1のビーム径D1は、85[μm]以上であるのが好ましく、また、照射平面zeにおける第二レーザ光L2のビーム径D2は、1125[μm]より小さいのが好ましいことが判明した。なお、第一レーザ光L1が、シングルモードのレーザ光である場合、当該第一レーザ光L1のビーム径D1は、10[μm]以上かつ50[μm]以下となるが、この場合においても好適な溶接を行える場合があることが確認された。
さらに、表1に示される実験結果から、第一レーザ光L1のパワー密度Pd1は、1937[kW/cm]以上であるのが好ましく、7169[kW/cm]以上であるのがより好ましいことが判明した。これは、第一レーザ光L1のパワー密度Pd1が低いほどエネルギが不足し十分な溶融池Mpを形成でき難くからであると推定できる。
また、第一レーザ光L1のパワー密度Pd1は、50465[kW/cm]以下であるのが好ましく、49334[kW/cm]以下であるのがより好ましいことが判明した。これは、第一レーザ光L1のパワー密度Pd1が高いほど溶融池Mpが安定しなくなり、スパッタが生じ易くなってしまうからであると推定できる。
また、照射平面zeと第二レーザ光L2の焦点Pとの距離(|z2|)は、1.5[mm]より短いのが好ましいことが判明した。これは、距離|z2|が長過ぎると、第二レーザ光L2のパワー密度Pd2が低下し、当該第二レーザ光L2の照射によるスパッタ低減の効果が得られ難くなるからであると推定できる。
また、スパッタが少ないほど、溶接部23中のボイドも少なくなることが、実験的に確認できた。
以上、説明したように、本実施形態のレーザ溶接方法およびレーザ溶接装置100によれば、800[nm]以上かつ1200[nm]以下の波長の第一レーザ光と、550[nm]以下の波長の第二レーザ光と、を含むレーザ光Lを照射することにより、より高品質なレーザ溶接を実行することができる。また、条件の適切な設定により、より一層高品質なレーザ溶接を実行可能であることが判明した。
[変形例]
図10は、実施形態の変形例のレーザ溶接装置100の概略構成を示す図である。図10に示されるように、本変形例のレーザ溶接装置100は、第一レーザ光L1の焦点PをZ方向に変更可能な焦点調整機構140と、第二レーザ光L2の焦点PをZ方向に変更可能な焦点調整機構140と、を備えている。焦点調整機構140は、いずれも、コリメートレンズ121(121-1,121-2)の光軸上の位置を変更することができる。コリメートレンズ121-1がレーザ装置111に近付くほど、焦点Pの位置がZ方向に移動してビーム径D1が小さくなり、コリメートレンズ121-1がレーザ装置111から遠ざかるほど、焦点Pの位置がZ方向の反対方向に移動してビーム径D1が大きくなる。また、コリメートレンズ121-2がレーザ装置112に近付くほど、焦点Pの位置がZ方向に移動してビーム径D2が小さくなり、コリメートレンズ121-2がレーザ装置112から遠ざかるほど、焦点Pの位置がZ方向の反対方向に移動してビーム径D2が大きくなる。
この場合、コントローラ200は、センサ150の検出結果に基づいて、第一レーザ光L1および第二レーザ光L2のうち少なくとも一方について、好適な焦点Pの位置ひいては好適なビーム径D1,D2やパワー密度Pd1,Pd2等が得られるよう、焦点調整機構140を制御することができる。
本変形例によれば、光学ヘッド120に対する対象物Wの相対位置等に応じて、第一レーザ光L1および第二レーザ光L2のうち少なくとも一方の焦点Pの位置を変更することにより、より好適な条件によって、より高品質なレーザ溶接を実行しやすい。
以上、本発明の実施形態および変形例が例示されたが、上記実施形態および変形例は一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態および変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各構成や、形状、等のスペック(構造や、種類、方向、型式、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。
例えば、対象物は、三つ以上の部材を含んでもよい。また、対象物に含まれる複数の部材の材質は、同一でなくてもよい。
また、光学ヘッドは、例えばDOE(回折光学素子)のようなビームを成形するビームシェイパを備えてもよい。
また、掃引機構は、ガルバノスキャナには限定されず、例えば、対象物と光学ヘッドとを相対的に移動する機構のような、別の機構であってもよい。
また、レーザ光の照射に際し、公知のウォブリングや、ウィービング、出力変調等が行われ、溶融池の大きさ等が調節されてもよい。
10…導線
20…部材
20a…端部
20b…露出区間
21…部材(芯線)
21a…端部(第一端部)
21a1…側面
22…部材(芯線)
22a…端部(第二端部)
22a1…側面
23…溶接部
30…被覆
100…レーザ溶接装置
111…レーザ装置(光源)
112…レーザ装置(光源)
120…光学ヘッド
121,121-1,121-2…コリメートレンズ
122…集光レンズ
123…ミラー
124…波長フィルタ
126…ガルバノスキャナ
126a,126b…ミラー
130…光ファイバ
140…焦点調整機構
150…センサ
200…コントローラ
a…距離
Ax…光軸
A1,A2…領域
B1…ビーム
B2…ビーム
B2b,B2f…領域
C1,C2…中心
D1…ビーム径(スポット径)
D2…ビーム径(スポット径)
…ビーム径(スポット径)
,D…ビーム径
,f…焦点距離
g…隙間
L…レーザ光
L1…第一レーザ光
L2…第二レーザ光
Mp…溶融池
Pd1,Pd2…パワー密度
…焦点
R1,R11,R12,R13,R14…掃引経路
SD…掃引方向(第三方向)
W…対象物
Wa…表面
X…方向(第二方向)
Y…方向
Z…方向(第一方向)
ze…照射平面
δ…ずれ量
θ…ビーム発散角
θ…ビーム広がり角

Claims (21)

  1. 金属材料で作られた第一部材の第一方向の第一端部と、金属材料で作られた第二部材の前記第一方向の第二端部と、をレーザ溶接するレーザ溶接方法であって、
    前記第一端部および前記第二端部を前記第一方向と交差した第二方向に隣り合うように配置する工程と、
    前記第一端部および前記第二端部のうち少なくとも一方に、前記第一方向と交差した第三方向に掃引しながらレーザ光を照射する工程と、
    前記レーザ光を照射する工程において前記第一端部と前記第二端部との間で掛け渡された状態で形成された溶融池を固化する工程と、
    を備え、
    前記レーザ光は、800[nm]以上かつ1200[nm]以下の波長の第一レーザ光と、550[nm]以下の波長の第二レーザ光と、を含む、レーザ溶接方法。
  2. 前記第二レーザ光の波長は、400[nm]以上かつ500[nm]以下である、請求項1に記載のレーザ溶接方法。
  3. 前記第一端部および前記第二端部のうち前記レーザ光が照射される前記第一方向の端部に位置し前記第一方向と交差した照射平面において、前記第二レーザ光のスポットの少なくとも一部は、前記第一レーザ光のスポットより前記第三方向の前方に位置した、請求項1または2に記載のレーザ溶接方法。
  4. 前記第一端部および前記第二端部のうち前記レーザ光が照射される前記第一方向の端部に位置し前記第一方向と交差した照射平面において、前記第二レーザ光のスポット径は、前記第一レーザ光のスポット径よりも大きい、請求項1または2に記載のレーザ溶接方法。
  5. 前記第一端部および前記第二端部のうち前記レーザ光が照射される前記第一方向の端部に位置し前記第一方向と交差した照射平面において、前記第二レーザ光のパワー密度が、98[kW/cm]より高い、請求項1または2に記載のレーザ溶接方法。
  6. 前記照射平面における前記第一レーザ光のスポット径に対する前記照射平面における前記第二レーザ光のスポット径の比であるビーム比が、2以上である、請求項5に記載のレーザ溶接方法。
  7. 前記ビーム比が、4以上である、請求項6に記載のレーザ溶接方法。
  8. 前記照射平面における前記第一レーザ光のスポット径に対する前記照射平面における前記第二レーザ光のスポット径の比であるビーム比が、50以下である、請求項5に記載のレーザ溶接方法。
  9. 前記ビーム比が、15より小さい、請求項8に記載のレーザ溶接方法。
  10. 前記第一端部および前記第二端部のうち前記レーザ光が照射される前記第一方向の端部に位置し前記第一方向と交差した照射平面において、前記第一レーザ光のスポット径が、85[μm]以上である、請求項5に記載のレーザ溶接方法。
  11. 前記第一端部および前記第二端部のうち前記レーザ光が照射される前記第一方向の端部に位置し前記第一方向と交差した照射平面において、前記第二レーザ光のスポット径が、1125[μm]より小さい、請求項5に記載のレーザ溶接方法。
  12. 前記第一端部および前記第二端部のうち前記レーザ光が照射される前記第一方向の端部に位置し前記第一方向と交差した照射平面において、前記第一レーザ光のパワー密度が、1937[kW/cm]以上でありかつ50465[kW/cm]以下である、請求項1または2に記載のレーザ溶接方法。
  13. 前記第一端部および前記第二端部のうち前記レーザ光が照射される前記第一方向の端部に位置し前記第一方向と交差した照射平面において、前記第一レーザ光のパワー密度が、7169[kW/cm]以上でありかつ49334[kW/cm]以下である、請求項12に記載のレーザ溶接方法。
  14. 前記第一端部および前記第二端部のうち前記レーザ光が照射される前記第一方向の端部に位置し前記第一方向と交差した照射平面と、前記第二レーザ光の焦点との、前記第一方向における距離が、1.5[mm]より短い、請求項1または2に記載のレーザ溶接方法。
  15. 前記第一部材による前記第二レーザ光の吸収率は、当該第一部材による前記第一レーザ光の吸収率よりも高く、かつ、前記第二部材による前記第二レーザ光の吸収率は、当該第二部材による前記第一レーザ光の吸収率よりも高い、請求項1または2に記載のレーザ溶接方法。
  16. 前記第一部材および前記第二部材のうち少なくとも一方は、銅系材料で作られた、請求項1または2に記載のレーザ溶接方法。
  17. 前記第一部材および前記第二部材のうち少なくとも一方は、アルミニウム系材料で作られた、請求項1または2に記載のレーザ溶接方法。
  18. 金属材料で作られた第一部材の第一方向の第一端部と、金属材料で作られた第二部材の前記第一方向の第二端部と、をレーザ溶接するレーザ溶接装置であって、
    レーザ光を出力する光源と、
    前記第一端部および前記第二端部のうち少なくとも一方に前記光源からの前記レーザ光を照射する光学ヘッドと、
    を備え、
    前記レーザ光は、800[nm]以上かつ1200[nm]以下の波長の第一レーザ光と、550[nm]以下の波長の第二レーザ光と、を含む、レーザ溶接装置。
  19. 前記第二レーザ光の波長は、400[nm]以上かつ500[nm]以下である、請求項18に記載のレーザ溶接装置。
  20. 前記レーザ光を前記第一端部または前記第二端部に対して掃引可能な掃引機構を備えた、請求項18または19に記載のレーザ溶接装置。
  21. 前記第一方向における前記第一レーザ光の焦点位置、および前記第一方向における前記第二レーザ光の焦点位置のうち、少なくとも一方を、前記第一方向において変更可能な焦点調整機構を備えた、請求項18または19に記載のレーザ溶接装置。
JP2022165774A 2021-10-15 2022-10-14 レーザ溶接方法およびレーザ溶接装置 Pending JP2023059864A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021169780 2021-10-15
JP2021169780 2021-10-15

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023059864A true JP2023059864A (ja) 2023-04-27

Family

ID=86096879

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022165774A Pending JP2023059864A (ja) 2021-10-15 2022-10-14 レーザ溶接方法およびレーザ溶接装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023059864A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7335923B2 (ja) 溶接方法および溶接装置
KR101984803B1 (ko) 플랫 와이어의 레이저 용접 방법
US8487211B2 (en) Method and apparatus for using multiple laser beams to weld members that are separated by a gap
JP2023026556A (ja) 溶接方法およびレーザ溶接システム
JP7336035B2 (ja) 溶接方法および溶接装置
JP2024019291A (ja) レーザ溶接方法
JP2023059864A (ja) レーザ溶接方法およびレーザ溶接装置
JP7326617B2 (ja) バスバーおよびバスバーの製造方法
JP2023033349A (ja) 溶接方法および溶接装置
JP2022013800A (ja) 半導体装置および溶接方法
JP2022182279A (ja) レーザ溶接方法、レーザ溶接装置、および電気装置
JP2022011883A (ja) 溶接方法、溶接装置、および金属導体の溶接構造
JP6671129B2 (ja) シャント抵抗器の製造方法、および溶接済み板材の製造装置
JP2021191589A (ja) 溶接方法、溶接装置、および電池アセンブリ
WO2022211133A1 (ja) レーザ溶接方法およびレーザ溶接装置
WO2022085632A1 (ja) レーザ溶接方法およびレーザ溶接装置
WO2024111593A1 (ja) 接合方法およびレーザ加工装置
JP6902378B2 (ja) 溶接装置および溶接方法
JP2024076250A (ja) レーザ溶接方法およびレーザ溶接装置
WO2024135538A1 (ja) レーザ溶接方法
WO2023085336A1 (ja) 溶接方法、溶接装置、および金属積層体
JP2023110638A (ja) 溶接方法およびレーザ装置
JP2024052264A (ja) レーザ溶接方法およびレーザ溶接装置
KR20230169352A (ko) 초기 단계 및 최종 단계에서 강도 재분배를 갖는 구부러진 금속 함유 막대 도체의 레이저 용접 방법, 대응되는 막대 도체 조립체 및 이러한 막대 도체 조립체의 사용
JP2023053696A (ja) 金属箔のレーザ切断方法