JP2023059818A - 基板処理装置 - Google Patents

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Abstract

Figure 2023059818000001
【課題】熱処理における基板の吸着性を向上させ、熱処理の均一性向上が可能な技術を提供する。
【解決手段】熱処理ユニットU2は、ウエハWを載置すると共に載置したウエハWを加熱する熱板20と、熱板20におけるウエハWを載置する表面20aに沿って形成され、ウエハWを支持し熱板20とウエハWとの間に空隙Vを確保する複数のギャップ部材22と、ウエハWを熱板20に向けて吸引する吸引部70と、熱板20を貫通するように設けられ、昇降することにより熱板20に載置されたウエハWを昇降させる昇降ピン51と、を備え、熱板20における表面20aは、外側から内側に向かうにつれて下方に傾斜する凹状領域20dを有する。
【選択図】図4

Description

本開示は、基板処理装置に関する。
特許文献1には、平板状の熱板の上でウエハを吸引しながら加熱処理を行う装置において、熱処理される前のウエハの反り状態を測定し、ウエハの反り状態に応じて、ウエハに対する各吸引口の吸引開始タイミングを設定することが開示されている。
特開2007-300047号公報
本開示は、熱処理における基板の吸着性を向上させ、熱処理の均一性向上が可能な技術を提供する。
本開示の一側面に係る基板処理装置は、基板を載置すると共に載置した基板を加熱する熱板と、熱板における基板を載置する表面に沿って形成され、基板を支持し熱板と基板との間に空隙を確保する複数のギャップ部材と、基板を熱板に向けて吸引する吸引部と、熱板を貫通するように設けられ、昇降することにより熱板に載置された基板を昇降させる昇降ピンと、を備え、熱板における表面は、外側から内側に向かうにつれて下方に傾斜する凹状領域を有する。
本開示によれば、熱処理における基板の吸着性を向上させ、熱処理の均一性向上が可能な基板処理装置が提供される。
図1は、実施形態に係る基板処理システムの一例を模式的に示す斜視図である。 図2は、塗布現像装置の一例を模式的に示す側面図である。 図3は、熱処理ユニットの一例を模式的に示す図である。 図4は、熱板の形状の詳細を説明する図である。 図5(a)は平板状の熱板に凸型のウエハを載置した例を説明する図であり、図5(b)は平板状の熱板に凹型のウエハを載置した例を説明する図である。 図6は、制御用温度センサの配置を説明する図である。 図7(a)は比較的熱板からの距離が近い制御用温度センサによって取得された温度に基づく温度制御を示す図であり、図7(b)は比較的熱板からの距離が遠い制御用温度センサによって取得された温度に基づく温度制御を示す図である。 図8は、シール部の構成の一例を模式的に示す図である。 図9は、制御装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。 図10は、ウエハ反り量毎の必要なVAC流量の例を示す図である。 図11(a)(b)は比較例に係る熱板についてのウエハ温度レンジの例を示す図である。 図12(a)(b)は本実施形態に係る熱板についてのウエハ温度レンジの例を示す図である。 図13は、変形例に係る昇降ピンの下降速度を説明する図である。 図14は、変形例に係る検査ユニットの側面図である。 図15(a)は変形例に係る熱板の平面図であり、図15(b)は図15(a)のb-b線に沿った断面図である。
以下、図面を参照していくつかの実施形態について説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
〔基板処理システム〕
最初に、図1及び図2を参照しながら、基板処理システム1について説明する。図1に示される基板処理システム1は、ウエハWに対し、感光性被膜の形成、当該感光性被膜の露光、及び当該感光性被膜の現像を施すシステムである。処理対象のウエハWは、例えば基板、あるいは所定の処理が施されることで膜又は回路等が形成された状態の基板である。当該基板は、一例として、シリコンウエハである。ウエハW(基板)は、円形であってもよい。ウエハWは、ガラス基板、マスク基板、又はFPD(Flat Panel Display)などであってもよい。感光性被膜は、例えばレジスト膜である。
図1及び図2に示されるように、基板処理システム1は、塗布現像装置2(基板処理装置)と、露光装置3と、制御装置100とを備える。露光装置3は、ウエハW(基板)に形成されたレジスト膜(感光性被膜)を露光する装置である。具体的には、露光装置3は、液浸露光等の方法によりレジスト膜の露光対象部分にエネルギー線を照射する。
塗布現像装置2は、露光装置3による露光処理前に、ウエハWの表面にレジスト(薬液)を塗布してレジスト膜を形成する処理を行い、露光処理後にレジスト膜の現像処理を行う。塗布現像装置2は、キャリアブロック4と、処理ブロック5と、インタフェースブロック6とを備える。
キャリアブロック4は、塗布現像装置2内へのウエハWの導入及び塗布現像装置2内からのウエハWの導出を行う。例えばキャリアブロック4は、ウエハW用の複数のキャリアCを支持可能であり、受け渡しアームを含む搬送装置A1を内蔵している。キャリアCは、例えば円形の複数枚のウエハWを収容する。搬送装置A1は、キャリアCからウエハWを取り出して処理ブロック5に渡し、処理ブロック5からウエハWを受け取ってキャリアC内に戻す。処理ブロック5は、処理モジュール11,12,13,14を有する。
処理モジュール11は、液処理ユニットU1と、熱処理ユニットU2と、これらのユニットにウエハWを搬送する搬送装置A3とを内蔵している。処理モジュール11は、液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2によりウエハWの表面上に下層膜を形成する。液処理ユニットU1は、下層膜形成用の処理液をウエハW上に塗布する。熱処理ユニットU2は、下層膜の形成に伴う各種熱処理を行う。
処理モジュール12は、液処理ユニットU1と、熱処理ユニットU2と、これらのユニットにウエハWを搬送する搬送装置A3とを内蔵している。処理モジュール12は、液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2により下層膜上にレジスト膜を形成する。液処理ユニットU1は、レジスト膜形成用の処理液を下層膜上に塗布する。熱処理ユニットU2は、レジスト膜の形成に伴う各種熱処理を行う。
処理モジュール13は、液処理ユニットU1と、熱処理ユニットU2と、これらのユニットにウエハWを搬送する搬送装置A3とを内蔵している。処理モジュール13は、液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2によりレジスト膜上に上層膜を形成する。液処理ユニットU1は、上層膜形成用の処理液をレジスト膜上に塗布する。熱処理ユニットU2は、上層膜の形成に伴う各種熱処理を行う。
処理モジュール14は、液処理ユニットU1と、熱処理ユニットU2と、これらのユニットにウエハWを搬送する搬送装置A3とを内蔵している。処理モジュール14は、液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2により、露光処理が施されたレジスト膜の現像処理及び現像処理に伴う熱処理を行う。液処理ユニットU1は、露光済みのウエハWの表面上に現像液を供給した後、これをリンス液により洗い流すことで、レジストパターンを形成する(レジスト膜の現像処理を行う)。熱処理ユニットU2は、現像処理に伴う各種熱処理を行う。熱処理の具体例としては、現像処理前の加熱処理(PEB:Post Exposure Bake)、及び現像処理後の加熱処理(PB:Post Bake)等が挙げられる。
処理ブロック5内におけるキャリアブロック4側には棚ユニットU10が設けられている。棚ユニットU10は、上下方向に並ぶ複数のセルに区画されている。棚ユニットU10の近傍には昇降アームを含む搬送装置A7が設けられている。搬送装置A7は、棚ユニットU10のセル同士の間でウエハWを昇降させる。
処理ブロック5内におけるインタフェースブロック6側には棚ユニットU11が設けられている。棚ユニットU11は、上下方向に並ぶ複数のセルに区画されている。
インタフェースブロック6は、露光装置3との間でウエハWの受け渡しを行う。例えばインタフェースブロック6は、受け渡しアームを含む搬送装置A8を内蔵しており、露光装置3に接続される。搬送装置A8は、棚ユニットU11に配置されたウエハWを露光装置3に渡す。搬送装置A8は、露光装置3からウエハWを受け取って棚ユニットU11に戻す。
制御装置100は、塗布現像装置2を部分的及び全体的に制御するように構成されている。制御装置100は、例えば以下の手順で塗布現像処理を実行するように塗布現像装置2を制御する。まず制御装置100は、キャリアC内のウエハWを棚ユニットU10に搬送するように搬送装置A1を制御し、このウエハWを処理モジュール11用のセルに配置するように搬送装置A7を制御する。
次に、制御装置100は、棚ユニットU10のウエハWを処理モジュール11内の液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2に搬送するように搬送装置A3を制御する。また、制御装置100は、このウエハWの表面上に下層膜を形成するように、液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2を制御する。その後、制御装置100は、下層膜が形成されたウエハWを棚ユニットU10に戻すように搬送装置A3を制御し、このウエハWを処理モジュール12用のセルに配置するように搬送装置A7を制御する。
次に、制御装置100は、棚ユニットU10のウエハWを処理モジュール12内の液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2に搬送するように搬送装置A3を制御する。また、制御装置100は、このウエハWの下層膜上にレジスト膜を形成するように液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2を制御する。その後、制御装置100は、ウエハWを棚ユニットU10に戻すように搬送装置A3を制御し、このウエハWを処理モジュール13用のセルに配置するように搬送装置A7を制御する。
次に、制御装置100は、棚ユニットU10のウエハWを処理モジュール13内の各ユニットに搬送するように搬送装置A3を制御する。また、制御装置100は、このウエハWのレジスト膜上に上層膜を形成するように液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2を制御する。その後、制御装置100は、ウエハWを棚ユニットU11に搬送するように搬送装置A3を制御する。
次に、制御装置100は、棚ユニットU11のウエハWを露光装置3に送り出すように搬送装置A8を制御する。その後、制御装置100は、露光処理が施されたウエハWを露光装置3から受け入れて、棚ユニットU11における処理モジュール14用のセルに配置するように搬送装置A8を制御する。
次に、制御装置100は、棚ユニットU11のウエハWを処理モジュール14内の各ユニットに搬送するように搬送装置A3を制御し、このウエハWのレジスト膜の現像処理を行うように液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2を制御する。その後、制御装置100は、ウエハWを棚ユニットU10に戻すように搬送装置A3を制御し、このウエハWをキャリアC内に戻すように搬送装置A7及び搬送装置A1を制御する。
以上により1枚のウエハWについての塗布現像処理が完了する。制御装置100は、後続の複数のウエハWのそれぞれについても、上述と同様に塗布現像処理を塗布現像装置2に実行させる。なお、塗布現像装置2の具体的な構成は、以上に例示した構成に限られない。塗布現像装置2は、熱処理を行うユニットを備えていればどのようなものであってもよい。
<熱処理ユニット>
続いて、図3~図8を参照しながら、熱処理ユニットU2の一例について詳細に説明する。熱処理ユニットU2は、加熱処理と冷却処理とを含む熱処理をウエハWに対して施すように構成されている。本実施形態では、熱処理ユニットU2の加熱処理に係る構成を説明し、冷却処理に係る構成の説明を省略する。すなわち、図3等においては、熱処理ユニットU2の冷却処理に係る構成の図示を省略している。
図3に示されるように、熱処理ユニットU2は、熱板20と、複数のギャップ部材22と、支持台30と、複数の熱板温度センサ40と、昇降機構50と、吸引部70と、制御装置100と、を備えている。
熱板20は、ウエハWを載置すると共に載置したウエハWを加熱する。熱板20は、ヒータ21(加熱機構)による熱を受け、固体による熱伝導によって高温が維持される構成である。熱板20は、例えば炭化ケイ素を含む材料により構成されていてもよい。熱板20は、円板状を呈し、複数のヒータ21を内蔵している。熱板20は、上面視においてウエハWと同等以上の広さを有している。熱板20には、厚さ方向に複数の貫通孔20zが形成されている。複数の貫通孔20zは、複数の昇降ピン51(後述)に対応して設けられており、昇降ピン51の昇降時における通過経路とされている。
複数のギャップ部材22は、熱板20におけるウエハWを載置する表面20aに沿って形成されており、ウエハWを支持し熱板20とウエハWとの間に空隙Vを確保するプロキシミティピンである。複数のギャップ部材22は、熱板20の表面20aに沿って点在している。複数のギャップ部材22は、設けられた熱板20の表面20aからウエハWと接触する先端までの高さが互いに共通であってもよい。
なお、図3においては熱板20が平板状に示されているが、実際には、熱板20は、外側から内側に向かうにつれて下方に傾斜するように凹状に形成されている(図4参照)。図4は、熱板20の形状の詳細を説明する図である。
図4に示されるように、熱板20におけるウエハWを載置する表面20aは、外縁側(外側)から中央側(内側)に向かうにつれて下方に傾斜する凹状領域20dを有している。本実施形態に係る熱板20では、表面20aの略全体が凹状領域20dとされており、外縁部20eが最も上方に突出した領域であり、中央部20cが最も下方に突出した領域である。すなわち、熱板20において、凹状領域20dにおける最も下方に突出した領域は、ウエハWを載置した状態においてウエハWの中央部分Wcに対向する領域(中央部20c)である。より詳細には、熱板20の表面20aは、その最外縁部(凹状領域20dの外縁部20eの更に外側)が平坦部20fとされている。なお、平坦部20fが設けられずに、凹状領域20dの曲面が熱板20の最外縁部まで連続していてもよい。このような構成によれば、ウエハWの外縁部における加熱効果を向上させることができる。凹状領域20dが形成された表面20aの形状は例えば球面(曲面)であり、その曲率は一定であってもよいし一定でなくてもよい。凹状領域20dの曲率が一定でない場合、例えば、凹状領域20dの外側の曲率よりも内側の曲率を大きく(すなわち内側を深く)してもよい。このような構成によれば、ウエハWの反りが一様でない場合等において、吸引をする際にウエハWと熱板20との間の隙間が内側よりも外側において狭まっている状態をより作りやすくなり、様々な反り方のウエハWに対してより吸引しやすくすることができる。すなわち、ウエハWの反りへの吸引のロバスト性を向上させることができる。
図4に示される例では、ウエハWとして、外縁部分Weに比べて中央部分Wcの領域が下方に突出した凹型のウエハ(+方向反り基板)が示されている。熱板20に載置されるウエハWとしては、凹型のウエハだけでなく、平板状のウエハや、外縁部分Weに比べて中央部分Wcの領域が上方に突出した凸型のウエハ(-方向反り基板)も考えられる。このような種々の形状のウエハWが載置されることを考慮した場合において、上述した下方に傾斜する凹状領域20dを有する熱板20を採用することが好ましい。その理由について、図5を参照して説明する。
図5(a)は平板状の比較例に係る熱板200に凸型のウエハWを載置した例を説明する図であり、図5(b)は平板状の比較例に係る熱板200に凹型のウエハWを載置した例を説明する図である。図5(a)に示されるように、凸型のウエハWについては、平板状の熱板200においても、外縁部分Weが熱板200の外縁側のギャップ部材22に載置される。このように、ウエハWの外縁部分Weが適切にギャップ部材22に載置された構成においては、吸着エリアに対してウエハWで蓋をしたような状態となり、吸引部70の吸引によってウエハWを熱板200方向に適切に吸着することができる。凸型のウエハW及び平板状のウエハWについては、本実施形態に係る凹状領域20dを有する熱板20(図4参照)においても、ウエハWの外縁部分Weを外縁側のギャップ部材22に適切に載置することができる。これにより、吸引部70の吸引によってウエハWを熱板200方向に適切に吸着することができる。
一方で、図5(b)に示されるように、凹型のウエハWについては、平板状の熱板200において、外縁部分Weが熱板200の外縁側のギャップ部材22に載置されず浮いた状態となってしまう。この場合、ウエハWで蓋をしたような状態を形成することができず、外縁部分We側から大気を吸い込みやすくなり、気密が取りにくくなることから、ウエハWの熱板200に対する吸着性が低くなってしまう。このように、凸型のウエハW及び平板状のウエハWについては、ウエハWの吸着性の観点から、熱板の形状があまり問題にならないのに対して、凹型のウエハWについては、平板状の熱板200ではウエハWの吸着性を担保できない。このことから、種々の形状のウエハWが載置されうる状況においては、熱板の形状を、凹型のウエハWの吸着性を向上させる形状とすることが好ましい。上述したように、凹型のウエハWの熱板への載置においては、外縁部分Weがギャップ部材22に載置されず浮いた状態となることが問題であるので、外縁部分Weがギャップ部材22に確実に載置される熱板として、上述した熱板20が採用される。すなわち、外縁側から中央側に向かうにつれて下方に傾斜する凹状領域20dを有する熱板20を用いることにより、凹型のウエハWの形状と熱板20の形状とが一致しやすくなり、ウエハWの外縁部分Weを適切にギャップ部材22に載置することができる。これによって、凹型のウエハWについても、熱板20に対する吸着性を向上させることができる。
熱板20における凹状領域20dの深さd1は、少なくとも凹型のウエハWの反り量を超える程度の大きさとされる。深さd1は、図4に示されるように、基準面である平坦部20fから中央部20cまでの高さ方向の長さである。ウエハWの反り量とは、ウエハWの外縁部分WeからウエハWの中央部分Wcまでの高さ方向の長さである。
熱板20の凹状領域20dの形状は、例えば以下のように決定される。いま、凹型のウエハWについて、直径が300mm、反り量が1000μmであるとする。この場合、当該ウエハWの曲率半径は、平方根の定理より11250.5mmと算出される。なお、ウエハWに均一に成膜されている場合には線膨張差によりウエハWの変形が生じるが、ウエハWの断面形状を測定すると、直径、反り量、及び曲率半径は上記の関係が成り立つ。そして、ウエハWの曲率半径に基づき、熱板20の凹状領域20dの曲率半径が決定される。具体的には、凹状領域20dの曲率半径は、ウエハWの曲率半径(11250.5mm)にウエハWの厚みとギャップ部材22の表面20aから突出する高さとが足し合わされて算出される。
また、熱板20の凹状領域20dの深さd1及び直径Φについては、ウエハWのサイズにロボット搬送等における位置ズレを考慮した大きさとされる。具体的には、搬送誤差2mm程度が考慮されて、凹状領域20dの深さd1は1mm程度、直径Φは304mm程度とされてもよい。なお、上述したような搬送誤差が生じた場合であっても、熱処理におけるウエハ温度均一性に与える影響は小さい。
上述したようにして形状が決定される熱板20の凹状領域20dは、例えばロータリー研削盤等により加工することができる。加工後の表面から発生する微小パーティクルによるプロセス欠陥が予想される場合には、ブラシ研磨やアニール処理を行うことによって、脱粒リスクを低減させることができる。
図3に戻り、吸引部70は、ウエハWに対して吸引力を付与することにより、ウエハWを熱板20に向けて吸引する。吸引部70は、ウエハWの裏面の複数の領域に対して吸引力を付与する。吸引部70は、吸引手段71と、複数の配管72と、を有する。
吸引手段71は、圧力の作用によってガスを吸い上げる機構である。複数の配管72は、それぞれ、その一端が吸引手段71に接続されると共に、その他端が熱板20の表面20aに形成された吸着孔20x(ウエハWと対向する部分)にまで到達している。
支持台30は、ベースプレート31と、周壁32(支持部材)とを有する。支持台30は、例えばステンレスを含む材料により構成されていてもよい。周壁32はベースプレート31の周縁に沿って設けられ、熱板20の外周部分を支持する。ベースプレート31は、熱板20に対向しており、周壁32を介して熱板20を下方から支持する。周壁32が熱板20を支持した状態において、支持台30内には空洞33が構成される。ベースプレート31には、昇降ピン51(後述)が貫通する複数の経路穴31zが形成されている。複数の経路穴31zは、複数の昇降ピン51に対応して設けられており、昇降ピン51の昇降時における通過経路とされている。
複数の熱板温度センサ40は、各々が熱板20の内部の異なる位置に設けられている。複数の熱板温度センサ40は、ヒータ21の近傍にて温度を測定し、測定結果を制御装置100に送信する。
複数の熱板温度センサ40とは別に、ウエハWの互いに異なる位置に対応するように熱板20の内部に制御用温度センサ140を設けてもよい。図6は、複数の制御用温度センサ140の配置を説明する図である。図6に示されるように、熱板20の内部に設けられた複数の制御用温度センサ140は、熱板20の表面20aからの離間距離がなるべく近くされることが好ましい。具体的には、制御用温度センサ140の表面20aからの離間距離は1mm~3mm程度で統一とされることが好ましい。また、複数の制御用温度センサ140は、その上端140a(先端)から熱板20の表面20aまでの高さ方向(垂直方向)の長さd2が、互いに同等となるように設けられている。
図7(a)は比較的熱板20の表面20aからの距離が近い制御用温度センサ140によって取得された温度に基づく温度制御を示す図であり、図7(b)は距離が遠い制御用温度センサ140によって取得された温度に基づく温度制御を示す図である。図7(a)及び図7(b)において横軸は時間、縦軸は制御用温度センサ140によって取得される温度を示している。図7(a)及び図7(b)に示されるように、制御用温度センサ140が表面20aから近いほうが、ウエハWが熱板20に搭載された後の一時的な温度低下を迅速に取得する。これにより、早期にヒータ21の昇温制御を開始できるため、制御応答性を向上させ、熱処理の温度適正化を早期に実現することができる。そして、例えば複数の制御用温度センサ140の表面20aからの距離が互いに異なる場合には、図7(a)及び図7(b)に示されるように、熱処理の温度適正化が図られるまでの時間が互いに異なることとなる。この場合、各制御用温度センサ140に対応するウエハWの領域毎に熱処理の態様が異なってしまう。この場合には、ウエハWの熱処理の均一性が損なわれるおそれがある。この点、上述したように複数の制御用温度センサ140の表面20aまでの高さ方向(垂直方向)の長さd2が互いに同等とされることにより、ウエハWの熱処理の均一性向上を実現することができる。このようにヒータ21の近傍にある熱板温度センサ40よりも熱板20の表面20aに近く、表面20aからの離間距離が所定の値に管理された制御用温度センサ140の取得温度をもとに熱板20の温度を制御する。このことで、よりウエハWの温度分布状態に適した熱処理が可能である。また、表面20aが曲面や段差を有するのに対してヒータ21が略水平に設けられる場合といった、ヒータ21から表面20aまでの距離が位置によって異なるような構成の場合も、このような制御手法はウエハWの温度分布に適した手法として好ましい。
図3に戻り、昇降機構50は、複数本(例えば3本)の昇降ピン51と駆動部52とを有する。昇降ピン51は、ベースプレート31の経路穴31z及び熱板20の貫通孔20zを貫通して昇降する。昇降ピン51の上部は、昇降ピン51の上昇に伴って熱板20上に突出し、昇降ピン51の下降に伴って熱板20内に収容される。駆動部52はモータやエアシリンダ等の駆動源を内蔵し、昇降ピン51を昇降させる。昇降機構50は、昇降ピン51を昇降させることで、熱板20上のウエハWを昇降させる。ここで、吸引部70によってウエハWを熱板20に向けて吸引する際の吸着効果を向上させる観点では、昇降ピン51の経路穴31z等がベースプレート31よりも下方の空間に対して閉塞されることが好ましい。以下では、図8を参照して、経路穴31z等の閉塞に係るシール部の構成の一例について説明する。
図8は、シール部の構成の一例を模式的に示す図である。なお、図8においては、熱板20の凹状領域20d等を省略して図示している。図8に示されるように、熱処理ユニットU2は、シール部の構成として、上部シール部91と、下部シール部92とを備えている。上部シール部91は、筒状の断熱材により構成され、熱板20における表面20aの反対側の面(すなわち下面)に接触するように設けられている。上部シール部91は、昇降ピン51の周囲を囲うように設けられている。上部シール部91は、弾性を有しており、例えば樹脂又はゴムを含んで構成されている。なお、熱板20の下面の略全域には、発熱抵抗体93が設けられていてもよい。
下部シール部92は、ベースプレート31の経路穴31zの内部空間と、上部シール部91の内部空間とを、ベースプレート31より下方の空間に対して閉塞させる構成である。下部シール部92は、例えばポリイミド又はPEEKを含んで構成されている。下部シール部92は、図8に示されるように、例えばベースプレート31の下面に設けられている。下部シール部92がベースプレート31より下側に配置されていることにより、下部シール部92が熱を持った状態で上部に位置する場合に問題となるウエハWへの加熱影響を抑制する。また、下部シール部92を熱源から話して下部シール部92の耐久性を向上させ、更に、下部シール部92のメンテナンス性を向上させることができる。なお、下部シール部92は、ベースプレート31の内部に設けられていてもよい。
なお、上部シール部91として弾性を有する部材を用いない場合には、上部シール部91と下部シール部92との間に上部シール部91を下方から押圧するバネを更に備えていてもよい。このようなバネは、例えばベースプレート31上の台座に設けられていてもよい。
制御装置100は、複数の制御用温度センサ140により検出された温度に基づいてヒータ21を制御すること、昇降機構50の駆動部52を制御すること、及び、熱板20上からのウエハWの搬送を行うように搬送装置A3を制御することを実行する。また、制御装置100は、吸引手段71による吸引処理を制御すること等を実行する。
制御装置100は、1つ又は複数の制御用コンピュータにより構成される。制御装置100は、例えば、図9に示される回路120を有する。回路120は、1つ又は複数のプロセッサ122と、メモリ124と、ストレージ126と、入出力ポート128と、タイマ132とを有する。ストレージ126は、例えばハードディスク等、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体を有する。記憶媒体は、後述する基板処理方法を制御装置100に実行させるためのプログラムを記憶している。記憶媒体は、不揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク及び光ディスク等の取り出し可能な媒体であってもよい。
メモリ124は、ストレージ126の記憶媒体からロードしたプログラム及びプロセッサ122による演算結果を一時的に記憶する。プロセッサ122は、メモリ124と協働して上記プログラムを実行する。入出力ポート128は、プロセッサ122からの指令に従って、液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2等との間で電気信号の入出力を行う。タイマ132は、例えば一定周期の基準パルスをカウントすることで経過時間を計測する。
〔作用〕
一般的に、熱板としては図5(a)及び図5(b)等に示される平板状の熱板200が用いられる。このような熱板200では、特に外側に比べて内側の領域が下方に突出した凹型のウエハW(図5(b)参照)が用いられた場合に、吸引部70によってウエハWを吸引することによっても、ウエハWの外側の領域を適切に吸着することが困難である。凹型のウエハWは、ウエハWの外側の領域が浮いた状態となるため(図5(b)参照)、大気を吸い込みやすく気密が取りにくい。このため、例えば内側の領域が上方に突出した凸型の基板(図5(a)参照)と比較した場合においても、熱板200に対する吸着性が低くなってしまう。
図10は、ウエハ反り量毎の必要なVAC流量(吸引部70のバキューム流量)の例を示す図である。図10において横軸はウエハ反り量、縦軸は反りを矯正するために必要になるバキューム流量を示している。また、図10において実線は凸型のウエハWについての反り量毎のバキューム流量、破線は凹型のウエハWについての反り量毎のバキューム流量を示している。図10に示されるように、凹型のウエハWにおいて特にバキューム流量が多くなっており、例えば反り量が1000μmのウエハWについては、反り量が200μm程度のウエハWと比べて、バキューム流量が50倍程度になっている。このようにバキューム流量を増やしてウエハWの吸着性を高める方法は、サステナブルな社会の方向性に逆行することとなり、得策とは言えない。また、バキューム流量が増加することで、流入部における局所的なクールスポットが発生することや、吸着圧増加に伴うウエハWの裏面のキズ・パーティクルの発生が懸念される。このため、バキューム流量を増やすこと以外の方法で、凹型のウエハWについて熱板に対する吸着性を高める手段が求められている。
この点、本実施形態に係る熱処理ユニットU2では、熱板20において、外側から内側に向かうにつれて下方に傾斜する凹状領域20dが形成されているため、凹型のウエハWの形状と熱板20(詳細には熱板20の凹状領域20d)の形状とを一致させやすい。このような構成によれば、吸引部70によってウエハWを吸引した際に、凹型のウエハWの外側の領域についても適切に熱板20に吸着させることができる。そして、ウエハWを熱板20に適切に吸着させることにより、ウエハWをギャップ部材22に適切に支持させることができ、領域によらずに基板に対して均一に熱処理を実施することができる。以上のように、本実施形態に係る熱処理ユニットU2によれば、熱処理におけるウエハWの吸着性を向上させ、熱処理の均一性向上を実現することができる。
熱処理の均一性向上の効果について、比較例に係る熱板200と比較して説明する。図11(a)(b)は比較例に係る熱板200についてのウエハ温度レンジを示す図である。図12(a)(b)は本実施形態に係る熱板20についてのウエハ温度レンジを示す図である。ここでのウエハ温度レンジとは、ウエハWの表面20a上の異なる複数位置に温度センサを貼り付けて評価を行った結果得られた、その複数位置間における温度範囲に係る情報である。図11(a)及び図12(a)では、ウエハ温度レンジとして実際の温度差の値が示されており、図11(b)及び図12(b)では、ウエハ温度レンジとして温度差の度合いが%で示されている。温度差の度合いが0%であるとは、温度差が全く無いことを示している。図11(b)及び図12(b)において、横軸はウエハW加熱時の温度遷移を示しており、縦軸はウエハ温度とウエハ温度レンジとを示している。また、図11(b)及び図12(b)において、実線はウエハWの中央付近の温度を示しており、一点鎖線はウエハWの外縁部(外周)付近の温度を示しており、破線はウエハ温度レンジを示している。なお、図11および後述の図12で示す温度は、ウエハWの中央部と、中央部に対し90度ずつ異なる外縁部の4か所の計5か所に熱電対(不図示)を貼り付けて、測定されている。なお、実線が示す温度は中央部の熱電対による取得温度であり、一点鎖線が示す温度は外縁部4か所の熱電対での取得温度の平均である。ウエハWとしては、反り量が1000μmである凹型のウエハが用いられている。
図11(a)に示されるように、比較例に係る熱板200では、過渡状態において、ウエハWの中央付近の温度と、ウエハWの外縁部付近の温度との温度差が62.4℃であった。また、定常状態(例えば120秒経過後)においては、上記温度差が6.5℃であった。そして、図11(b)に示されるように、120秒経過時においてもウエハ温度レンジ(中央付近と外縁部付近との温度差の度合い)が0%に達していない。以上のように、比較例に係る熱板200では、ウエハWの内外温度差が大きく、加熱処理時間を長くしても面内温度差が生じており、熱処理の均一性が図られているとは言えない。
これに対して、図12(a)に示されるように、本実施形態に係る熱板20では、上記と同様にウエハWの複数位置に制御用温度センサ140を設けて得られた温度範囲が0.5℃である。このことから明らかなように、比較例に係る熱板200と比べて温度差が125倍程度改善されている。また、定常状態(例えば60秒経過後)においては、上記温度差が0.1℃であり、比較例に係る熱板200と比べて65倍程度改善されている。そして、図12(b)に示されるように、ウエハ温度レンジ(中央付近と外縁部付近との温度差の度合い)については、早い段階から常に0%付近となっている。以上のように、本実施形態に係る熱板20では、ウエハWの内外温度差が早期から小さく抑えられるため、熱処理の均一性が向上していると言える。
凹状領域20dにおける最も下方に突出した領域は、ウエハWを載置した状態においてウエハWの中央部分Wcに対向していてもよい。このような構成によれば、熱板20の形状を凹型のウエハWの形状とより一致させやすくなり、ウエハWの吸着性を向上させることができる。
複数のギャップ部材22は、設けられた熱板20の表面20aからウエハWと接触する先端までの高さが、互いに共通とされていてもよい。このような構成によれば、ギャップ部材22の影響によって凹型のウエハWの形状と熱板20の形状との形状一致性が阻害されることを防止することができる。
熱処理ユニットU2は、各々がウエハWの互いに異なる位置に対応するようにウエハWの内部に設けられ、ヒータ21の制御に用いられる温度を測定する複数の制御用温度センサ140を更に備える。そして、複数の制御用温度センサ140は、その先端から熱板20の表面20aまでの高さ方向の長さが、互いに同等となるように設けられていてもよい。このような構成によれば、ウエハWの互いに異なる位置に関して、ヒータ21の制御に用いられる温度が同一の条件(熱板20の表面20aからの距離が同一となる条件)で取得されることとなるので、ウエハWの熱処理の均一性向上を実現することができる。
熱処理ユニットU2は、周壁32を介して熱板20を下方から支持すると共に、昇降ピン51が貫通する経路穴31zを有するベースプレート31を備える。また、熱処理ユニットU2は、筒状の断熱材により構成され、熱板20における表面20aの反対側の面である下面に接触する上部シール部91を備える。さらに、熱処理ユニットU2は、ベースプレート31の経路穴31zの内部空間と、上部シール部91の内部空間とを、ベースプレート31より下方の空間に対して閉塞させる下部シール部92を備える。このように、下部シール部92によって、ベースプレート31の経路穴31z(昇降ピン51が貫通する穴)の内部空間等がベースプレート31より下方の空間に対して閉塞される。これにより、吸引部70によってウエハWを熱板20に向けて吸引する際の吸着効果(反りウエハのバキューム矯正効果)を向上させることができる。ここで、単に上述した閉塞効果のみを求めるのであれば、シール部を上部シール部91と下部シール部92とに分けずに、一部材のみで構成することも考えられる。しかしながら、シール部を一部材のみで構成した場合、例えば熱板20に近接する位置にシール部を設けると、熱劣化によりシール部が早々に劣化してしまうことが考えられる。この点、本実施形態では、シール部を上部シール部91と下部シール部92とに分け、熱板20に接触する位置には熱板20の熱処理の邪魔をしない断熱材により構成された上部シール部91を設ける。更に、熱板20から離れた位置(熱処理の熱影響を受けない位置)に下部シール部92を設ける。これにより、熱板20による熱処理を適切に実施しながら、シール部が早々に劣化することを回避することができる。
下部シール部92は、ベースプレート31の内部又はベースプレート31の下面に設けられていてもよい。このような構成によれば、下部シール部92によってベースプレート31の経路穴31zの内部空間をベースプレート31より下方の空間に対して確実に閉塞することができる。
上部シール部91は、弾性を有していてもよい。このような構成によれば、上部シール部91の位置について上下方向にある程度の自由度を持たせながら、上部シール部91と熱板20との接触性を向上させることができる。
以上、種々の例示的実施形態について説明してきたが、上述した例示的実施形態に限定されることなく、様々な追加、省略、置換、及び変更がなされてもよい。また、異なる実施形態における要素を組み合わせて他の実施形態を形成することが可能である。
例えば、昇降ピン51が昇降するように制御装置100が駆動部52を制御する構成において、制御装置100が、昇降ピン51の下降動作における昇降ピン51の下降速度が下降途中で変化するように、駆動部52を制御してもよい。
図13は、変形例に係る昇降ピン51の下降速度を説明する図である。図13においては、昇降ピン51の下降動作における昇降ピン51の速度の一例が示されている。図13に示される例では、昇降ピン51の下降動作の開始位置600(昇降ピン51のUP完了位置)から一時停止位置601まで30mm/sの下降速度で昇降ピン51の下降動作が行われる。そして、一時停止位置601で所定時間だけ下降が停止した後に、一時停止位置601からギャップ部材22の先端よりも下方のギャップ下位置602まで2mm/sの下降速度で昇降ピン51の下降動作が行われる。この場合、ウエハWは2mm/sの下降速度でギャップ部材22に載置されることとなる。最後に、ギャップ下位置602から下降動作の終了位置603(昇降ピン51のDOWN完了位置)まで10mm/sの下降速度で昇降ピン51の下降動作が行われる。
すなわち、制御装置100は、下降動作において、所定の第1高さ(上述した一時停止位置601)までは所定の第1速度(例えば30mm/s)で昇降ピン51が下降するように駆動部52を制御する。また、制御装置100は、第1高さから更に下降する際には第1速度よりも遅い第2速度(例えば2mm/s)で昇降ピン51が下降するように、駆動部52を制御する。
そして、制御装置100は、下降動作において、所定の第1高さ(上述した一時停止位置601)に到達した昇降ピン51が所定時間だけ下降せずに停止するように、駆動部52を制御する。
上述した制御装置100による制御は、熱板20にウエハWを搭載した直後にウエハWが大変形することを抑制するための制御である。このようなウエハWの大変形は、例えば、ウエハWのエッジ部(外周縁)のみが極端に加熱された場合に、ウエハWの部分的な膨張によってウエハWの表面張力のつり合いが変化することによって起こる。例えばウエハWが凸型である場合には、ウエハWのエッジ部が先行して加熱されやすくなるため、上述した大変形が発生しやすい。
制御装置100によって、第1高さまでの下降速度よりも、それ以降の下降速度が遅くなるように駆動部52が制御されることにより、凸型のウエハWが熱板20に搭載される場合において、ウエハWのエッジ部が急速に加熱されることが抑制される。これにより、ウエハWのエッジ部が極端に加熱された場合に問題となるウエハWの大変形を抑制することができる。
また、制御装置100によって、所定の第1高さにおいて昇降ピン51が所定時間だけ停止するように駆動部52が制御されることにより、凸型のウエハWが熱板20に搭載される場合において、ウエハWのエッジ部が急速に加熱されることが抑制される。これにより、ウエハWが大変形することをより適切に抑制することができる。
なお、制御装置100は、ウエハWの反り量データに基づいて、上述した第1高さを決定してもよい。この場合、基板処理装置は、ウエハWの反り量データを計測する周縁撮像サブユニット400(計測部)を有する検査ユニットU3(図14参照)を更に備えていてもよい。
図14は、変形例に係る検査ユニットU3の側面図である。図14に示される検査ユニットU3によって、ウエハWの反り量データが計測される。最初に、制御装置100が基板処理装置の各部を制御して、ウエハWを検査ユニットU3に搬送させる。つづいて、制御装置100が回転保持サブユニット900を制御して、保持台901にウエハWを保持させる。つづいて、制御装置100が回転保持サブユニット900を制御して、アクチュエータ903によって、ガイドレール904に沿って保持台901が所定の撮像位置へ移動する。
つづいて、制御装置100が回転保持サブユニット900を制御して、保持台901をアクチュエータ903によって回転させる。これにより、ウエハWが回転する。この状態で、制御装置100が周縁撮像サブユニット400を制御して、照明モジュール420の光源をONにさせつつ、カメラ410による撮像を行う。これにより、ウエハWの周縁全周にわたって、ウエハWの端面が撮像される。このようなウエハWの端面の撮像画像は、ウエハWの反り量を特定するための反り量データである。
制御装置100は、ウエハWの端面の撮像画像に基づいて、ウエハWのプロファイル線を算出する。具体的には、制御装置100は、撮像画像からウエハWの端面の上縁及び下縁を、例えばコントラスト差に基づいて判別する。そして、制御装置100は、当該上縁と下縁との中間位置を通る線をプロファイル線として算出する。制御装置100は、算出したプロファイル線から基準ウエハ(反り量が既知であるウエハ)のプロファイル線を減算して、ウエハWの反り量を算出する。
そして、制御装置100は、反り量データに基づき算出したウエハWの反り量を考慮して、上述した第1高さを決定する。このように、実際のウエハWの反り量が考慮されて、速度の変化点である第1高さが決定されることによって、ウエハWの実際の形状を考慮して、より適切に、ウエハWのエッジ部が急速に加熱されることを抑制することができる。
なお、ウエハWの反り量データは、必ずしも検査ユニットU3によって計測されるものではなくてもよい。ウエハWの反り量データは、例えば別装置で予め計測されて基板処理装置に記憶されたデータであってもよい。
図15(a)は、更なる変形例に係る熱板520の平面図であり、図15(b)は、図15(a)のb-b線に沿った断面図である。また、図15(a)及び図15(b)に示されるように、熱板520における外周縁の領域652の表面高さは、その内側領域651の表面高さよりも低くてもよい。このような構成によれば、凸型のウエハWが熱板520に載置される際において、ウエハWのエッジ部が、熱板520における外周縁の領域652に衝突してウエハWのエッジ部が急速に加熱されることが抑制され、ウエハWの大変形を抑制することができる。
上述した外周縁の領域652と内側領域651との表面高さの差異は、0.2mmよりも小さく(例えば0.1mm程度に)されてもよい。凹凸がないフラットなウエハWが熱板520に載置される場合においては、外周縁の領域652と内側領域651との表面高さの差異が大きいと熱処理が適切に実施されないおそれがある。この点、外周縁の領域652と内側領域651との表面高さの差異が0.2mmよりも小さくされることにより、フラットなウエハWが熱板520に載置される場合においても適切に熱処理を実施することができる。
また、図15(a)に示されるように、ギャップ部材として、外周縁の領域652と内側領域651との境界付近に設けられてウエハWを支持する固定ピン722が設けられていてもよい。図15(a)に示される例では、上記境界付近の全周に亘って、24個の固定ピン722が設けられている。このように、外周縁の領域652と内側領域651との境界付近に固定ピン722が設けられていることにより、凸型のウエハWのエッジ部が外周縁の領域652に衝突することをより適切に抑制することができる。
また、外周縁の領域652の表面高さは、全領域に亘って一定(高低無く一定の高さ)とされていてもよい。これにより、ウエハWのエッジ部に対する熱処理を適切に実施することができる。
また、図15(a)及び図15(b)に示されるように、外周縁の領域652には、ギャップ部材として、ウエハWを支持する固定ピン723が更に設けられていてもよい。これにより、凸型のウエハWのエッジ部が外周縁の領域652に衝突することをより適切に抑制することができる。なお、図15(b)に示されるように、固定ピン723の高さは、領域652よりも高く且つ内側領域651よりも低くされてもよい。
ここで、本開示に含まれる種々の例示的実施形態を、以下の[E1]~[E16]に記載する。
[E1]
基板処理装置は、基板を載置すると共に載置した前記基板を加熱する熱板と、前記熱板における前記基板を載置する表面に沿って形成され、前記基板を支持し前記熱板と前記基板との間に空隙を確保する複数のギャップ部材と、を備える。更に、基板処理装置は、前記基板を前記熱板に向けて吸引する吸引部と、前記熱板を貫通するように設けられ、昇降することにより前記熱板に載置された前記基板を昇降させる昇降ピンと、を備える。更に、基板処理装置の前記熱板における前記表面は、外側から内側に向かうにつれて下方に傾斜する凹状領域を有する。
[E2]
前記凹状領域における最も下方に突出した領域は、前記基板を載置した状態において前記基板の中央部分に対向する、[E1]記載の基板処理装置。
[E3]
前記複数のギャップ部材は、設けられた前記熱板の前記表面から前記基板と接触する先端までの高さが、互いに共通である、[E1]又は[E2]記載の基板処理装置。
[E4]
前記熱板は、加熱機構による熱を受け、固体による熱伝導によって高温が維持される構成であって、上面視で前記基板と同等以上の広さを持つ板状の部材である。前記基板処理装置は、各々が前記基板の互いに異なる位置に対応するように前記熱板の内部に設けられ、前記加熱機構の制御に用いられる温度を測定する複数の温度センサを更に備える。前記複数の温度センサは、その先端から前記熱板の前記表面までの高さ方向の長さが、互いに同等となるように設けられている、[E1]~[E3]のいずれか一項記載の基板処理装置。
[E5]
支持部材を介して前記熱板を下方から支持すると共に、前記昇降ピンが貫通する経路穴を有するベースプレートと、筒状の断熱材により構成され、前記熱板における前記表面の反対側の面である下面に接触する上部シール部を更に備える基板処理装置。前記ベースプレートの前記経路穴の内部空間と、前記上部シール部の内部空間とを、前記ベースプレートより下方の空間に対して閉塞させる下部シール部を更に備える、[E1]~[E4]のいずれか一項記載の基板処理装置。
[E6]
前記下部シール部は、前記ベースプレートの内部又は前記ベースプレートの下面に設けられている、[E5]記載の基板処理装置。
[E7]
前記上部シール部は、弾性を有している、[E5]又は[E6]記載の基板処理装置。
[E8]
前記昇降ピンを昇降させる駆動部と、前記昇降ピンが昇降するように前記駆動部を制御する制御装置と、を更に備える基板処理装置。前記制御装置は、前記昇降ピンの下降動作において、前記昇降ピンの下降速度が変化するように、前記駆動部を制御する、[E1]~[E7]のいずれか一項記載の基板処理装置。
[E9]
前記制御装置は、所定の第1高さまでは所定の第1速度で前記昇降ピンが下降し、前記第1高さから更に下降する際には前記第1速度よりも遅い第2速度で前記昇降ピンが下降するように、前記駆動部を制御する、[E8]記載の基板処理装置。
[E10]
前記制御装置は、前記下降動作において、前記第1高さに到達した前記昇降ピンが所定時間だけ下降せずに停止するように、前記駆動部を制御する、[E9]記載の基板処理装置。
[E11]
前記制御装置は、前記基板の反り量データに基づき、前記第1高さを決定する、[E9]又は[E10]記載の基板処理装置。
[E12]
前記基板の反り量データを計測する計測部を更に備える、[E11]記載の基板処理装置。
[E13]
前記熱板における外周縁の領域の表面高さは、その内側領域の表面高さよりも低い、[E1]~[E12]のいずれか一項記載の基板処理装置。
[E14]
前記外周縁の領域と前記内側領域との表面高さの差異は、0.2mmよりも小さい、[E13]記載の基板処理装置。
[E15]
前記ギャップ部材は、前記外周縁の領域と前記内側領域との境界付近に設けられて前記基板を支持する固定ピンを有する、[E13]又は[E14]記載の基板処理装置。
[E16]
前記外周縁の領域の表面高さは、一定である、[E13]~[E15]のいずれか一項記載の基板処理装置。
2…塗布現像装置(基板処理装置)、20,520…熱板、20a…表面、21…ヒータ(加熱機構)、22…ギャップ部材、31…ベースプレート、31z…経路穴、32…周壁(支持部材)、140…制御用温度センサ(温度センサ)、51…昇降ピン、52…駆動部、70…吸引部、91…上部シール部、92…下部シール部、100…制御装置、400…周縁撮像サブユニット(計測部)、651…内側領域、652…外周縁の領域、722…固定ピン、V…空隙、W…ウエハ。

Claims (16)

  1. 基板を載置すると共に載置した前記基板を加熱する熱板と、
    前記熱板における前記基板を載置する表面に沿って形成され、前記基板を支持し前記熱板と前記基板との間に空隙を確保する複数のギャップ部材と、
    前記基板を前記熱板に向けて吸引する吸引部と、
    前記熱板を貫通するように設けられ、昇降することにより前記熱板に載置された前記基板を昇降させる昇降ピンと、を備え、
    前記熱板における前記表面は、外側から内側に向かうにつれて下方に傾斜する凹状領域を有する、基板処理装置。
  2. 前記凹状領域における最も下方に突出した領域は、前記基板を載置した状態において前記基板の中央部分に対向する、請求項1記載の基板処理装置。
  3. 前記複数のギャップ部材は、設けられた前記熱板の前記表面から前記基板と接触する先端までの高さが、互いに共通である、請求項1記載の基板処理装置。
  4. 前記熱板は、加熱機構による熱を受け、固体による熱伝導によって高温が維持される構成であって、上面視で前記基板と同等以上の広さを持つ板状の部材であり、
    前記基板処理装置は、
    各々が前記基板の互いに異なる位置に対応するように前記熱板の内部に設けられ、前記加熱機構の制御に用いられる温度を測定する複数の温度センサを更に備え、
    前記複数の温度センサは、その先端から前記熱板の前記表面までの高さ方向の長さが、互いに同等となるように設けられている、請求項1記載の基板処理装置。
  5. 支持部材を介して前記熱板を下方から支持すると共に、前記昇降ピンが貫通する経路穴を有するベースプレートと、
    筒状の断熱材により構成され、前記熱板における前記表面の反対側の面である下面に接触する上部シール部と、
    前記ベースプレートの前記経路穴の内部空間と、前記上部シール部の内部空間とを、前記ベースプレートより下方の空間に対して閉塞させる下部シール部と、を更に備える、請求項1~4のいずれか一項記載の基板処理装置。
  6. 前記下部シール部は、前記ベースプレートの内部又は前記ベースプレートの下面に設けられている、請求項5記載の基板処理装置。
  7. 前記上部シール部は、弾性を有している、請求項5記載の基板処理装置。
  8. 前記昇降ピンを昇降させる駆動部と、
    前記昇降ピンが昇降するように前記駆動部を制御する制御装置と、を更に備え、
    前記制御装置は、
    前記昇降ピンの下降動作において、前記昇降ピンの下降速度が変化するように、前記駆動部を制御する、請求項1記載の基板処理装置。
  9. 前記制御装置は、前記下降動作において、所定の第1高さまでは所定の第1速度で前記昇降ピンが下降し、前記第1高さから更に下降する際には前記第1速度よりも遅い第2速度で前記昇降ピンが下降するように、前記駆動部を制御する、請求項8記載の基板処理装置。
  10. 前記制御装置は、前記下降動作において、前記第1高さに到達した前記昇降ピンが所定時間だけ下降せずに停止するように、前記駆動部を制御する、請求項9記載の基板処理装置。
  11. 前記制御装置は、前記基板の反り量データに基づき、前記第1高さを決定する、請求項9記載の基板処理装置。
  12. 前記基板の反り量データを計測する計測部を更に備える、請求項11記載の基板処理装置。
  13. 前記熱板における外周縁の領域の表面高さは、その内側領域の表面高さよりも低い、請求項1~12のいずれか一項記載の基板処理装置。
  14. 前記外周縁の領域と前記内側領域との表面高さの差異は、0.2mmよりも小さい、請求項13記載の基板処理装置。
  15. 前記ギャップ部材は、前記外周縁の領域と前記内側領域との境界付近に設けられて前記基板を支持する固定ピンを有する、請求項13記載の基板処理装置。
  16. 前記外周縁の領域の表面高さは、一定である、請求項13記載の基板処理装置。
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