JP2023059076A - 廃棄物処理装置及び廃棄物処理方法 - Google Patents
廃棄物処理装置及び廃棄物処理方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2023059076A JP2023059076A JP2021168972A JP2021168972A JP2023059076A JP 2023059076 A JP2023059076 A JP 2023059076A JP 2021168972 A JP2021168972 A JP 2021168972A JP 2021168972 A JP2021168972 A JP 2021168972A JP 2023059076 A JP2023059076 A JP 2023059076A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- chlorine
- combustion
- cement
- waste
- combustion gas
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P40/00—Technologies relating to the processing of minerals
- Y02P40/10—Production of cement, e.g. improving or optimising the production methods; Cement grinding
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02W—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
- Y02W30/00—Technologies for solid waste management
- Y02W30/50—Reuse, recycling or recovery technologies
- Y02W30/58—Construction or demolition [C&D] waste
Landscapes
- Processing Of Solid Wastes (AREA)
- Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
- Treating Waste Gases (AREA)
- Gas Separation By Absorption (AREA)
Abstract
Description
しかし、埋立て場不足や数々の法規制を背景にして、単純に焼却処理や埋立て処理するのではなく、廃棄物中に含まれる有効成分を回収し、熱エネルギー、原料等として再利用することが検討されている。
本発明は、塩素含有廃棄物から効率よく熱エネルギーを取り出し、燃料負担及び設備負担を軽減することができ、また塩素含有廃棄物の活用範囲を広げることができる廃棄物処理装置及び廃棄物処理方法を提供することを目的とする。
<1> 塩素を含む混合廃棄物を、ポリプロピレンを含む塩素含有物(A)と、前記塩素含有物(A)よりも塩素質量が少ない塩素含有物(B)とに選別する選別手段と、
選別された塩素含有物(A)を500℃以上で燃焼し、燃焼残渣及び塩化水素を含む燃焼ガスを得る燃焼手段と、
前記燃焼ガスに含まれる塩化水素中の塩素を捕捉する塩素捕捉手段と、
前記塩素捕捉手段を通過した燃焼ガスから有害物質を除去する燃焼ガス無害化手段と
を含む廃棄物処理装置。
<3> 前記燃焼ガス無害化手段として、セメント焼成炉を使用する<1>または<2>に記載の廃棄物処理装置。
<4> 前記塩素捕捉手段は、湿式法及び乾式法のいずれか一方又は両方を用いる<1>~<3>のいずれか1つに記載の廃棄物処理装置。
選別された塩素含有物(A)を燃焼し、燃焼残渣及び塩化水素を含む燃焼ガスを得る燃焼工程と、
前記燃焼ガスに含まれる塩化水素中の塩素を捕捉する塩素捕捉工程と、
前記塩素捕捉手段を通過した燃焼ガスから有害物質を除去する燃焼ガス無害化工程と
を含む廃棄物処理方法。
<8> 前記塩素捕捉工程は、湿式法及び乾式法のいずれか一方又は両方を用いる<5>~<7>のいずれか1つに記載の廃棄物処理方法。
本発明の廃棄物処理装置は、選別手段と、燃焼手段と、塩素捕捉手段と、燃焼ガス無害化手段とを含む。
選別手段は、塩素を含む混合廃棄物を、ポリプロピレンを含む塩素含有物(A)と、前記塩素含有物(A)よりも塩素質量が少ない塩素含有物(B)とに選別する手段である。以下、塩素含有物(A)を「高塩素含有物」;塩素含有物(A)よりも塩素質量が少ない塩素含有物(B)を「低塩素含有物」と称することがある。
燃焼手段は、選別手段で選別された塩素含有物(A)を500℃以上で燃焼し、燃焼残渣及び塩化水素を含む燃焼ガスを得る手段である。
塩素捕捉手段は、燃焼手段で得られた燃焼ガスに含まれる塩化水素中の塩素を捕捉する手段である。
燃焼ガス無害化手段は、塩素捕捉手段を通過した燃焼ガスから有害物質を除去する手段である。
本発明の廃棄物処理装置は、上記の選別手段、燃焼手段、塩素捕捉手段及び燃焼ガス無害化手段からなってもよいし、更に他の手段を含んでいてもよい。
また、塩素を含む混合廃棄物を直接セメント焼成炉等の熱エネルギーとして利用した場合、塩素がセメント原料等に含まれるアルカリ成分(Na、K)と反応し、KCl、NaClなどの低融点物質を生成する。これらがセメント焼成炉前段に設けられた余熱装置(プレヒーター)の炉壁にコーチングとして溶着し、余熱装置を閉塞させ操業停止に至る恐れがある。さらに、特にセメント製造の場合は、セメント中の塩素濃度の上限がJISで定められており、セメント焼成炉に投入される塩素の量を制限する必要があったため、塩素を含む混合廃棄物の使用量を制限せざるを得ず、塩素を含む混合廃棄物の熱エネルギーを有効に利用することが困難であった。
以上の手段を経て得られる燃焼残渣からは塩素が十分に取り除かれているために、例えば、セメント焼炉用の原料とすることができる。
このように、従来に比べ、より多くの熱エネルギーを塩素含有廃棄物から効率よく取り出すことができる。また塩素含有廃棄物の活用範囲を広げることができる。
以下、本発明の廃棄物処理装置及び廃棄物処理方法について詳細に説明する。
選別手段においては、塩素を含む混合廃棄物を、ポリ塩化ビニル等の塩素を含有する熱可塑性樹脂(PVC類と称する)を多く含み、かつ、ポリプロピレンを多く含む重量物{塩素含有物(A)(高塩素含有物)}と、塩素含有物(A)よりも塩素質量が少なく、かつ、ポリプロピレンが少ない軽量物{塩素含有物(B)(低塩素含有物)}とに選別する。
軽量物(低塩素含有物)は塩素含有量が小さいため、次の手段(塩素を低減する燃焼手段)にて燃焼されることなく、そのままセメント焼成用熱エネルギー等に利用することができる。
PVC類の含有量が少ない軽量物(低塩素含有物)を選別手段で選別し、燃焼手段での燃焼を回避することにより、低塩素含有物のもつ熱エネルギーを低減させることなく、低塩素含有物をセメント焼成用熱エネルギーとして利用することができる。
塩素を含む混合廃棄物とは、塩素を含む熱可塑性樹脂を含有する廃棄物を意味する。さらに、本発明において、塩素を含む混合廃棄物は、ポリプロピレンを含有するものを対象とする。
塩素を含む混合廃棄物は、具体的には、例えば、ASR(Auto Mobile Shredder Residue)、容器包装プラスチック、容器包装プラスチックの選別残渣、RPF(Refuse derived paper and plastics densified Fuel)用原料プラスチック、建築物解体により排出されるプラスチックが挙げられる。
塩素を含む熱可塑性樹脂としては、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン等が挙げらる。これらは、例えば、ASR中の電線被覆、容器包装プラスチックに含まれる錠剤用パッケージ、建築物解体残渣に含まれる壁紙等として利用されている。
ポリプロピレン以外の塩素を含まない熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート等が挙げられる。
塩素を含まない熱硬化性樹脂としては、例えば、ポリウレタン、エポキシ樹脂等が挙げられる。
可燃物としては、例えば、繊維くず、紙くず、木くず等の有機物の他、有機性汚泥等が挙げられる。
無機物としては、使用済み活性白土(廃白土)等が挙げられる。
ポリプロピレンを含む高塩素含有物と低塩素含有物との選別方式は特に制限されず、比重差を利用して選別する方式、形状差を利用して選別する方式、化学組成の違いを利用して選別する方式等が挙げられる。これらの方式は1つのみ用いてもよいし、2つ以上を掛け合わせて選別を行ってもよい。
風力選別と揺動式選別とを組み合わせ、エアバイブ等の機器を用いて、ポリプロピレンを含む高塩素含有物と低塩素含有物とを選別することもできる。
燃焼手段においては、選別された塩素含有物(A)(高塩素含有物)を500℃以上で燃焼し、塩化水素を含む燃焼ガス及び燃焼残渣を得る。
選別手段で得られた高塩素含有物を500℃以上で燃焼することにより、塩素を含む熱可塑性樹脂中の塩素を塩化水素ガスとして脱離させ、塩素を含む熱可塑性樹脂中の塩素を低減する。塩素を含む熱可塑性樹脂中の塩素を塩化水素ガスとして脱離させるためには、300℃以上の熱があれば十分であるが、本発明では、より高熱の500℃以上で高塩素含有物を燃焼する。これにより、塩素の脱離率をより向上すると共に、高塩素含有物に含まれるポリプロピレンをガス化燃焼することができ、ポリプロピレンの燃焼熱を高塩素含有物の燃焼に利用することができる。そのため、高塩素含有物を燃焼させるための化石燃料等の量を削減することができ、ポリプロピレンの燃焼熱エネルギーが塩化水素ガスの脱離に必要な熱エネルギーに対して大きい場合は、化石燃料等を使用しないこともできる。
このように、本発明においては、選別手段により燃焼対象が最小限に選別され、更に燃焼対象にポリプロピレンが含まれているため、高塩素含有物を燃焼するための燃料量を抑えることができ、燃焼設備の負担も抑制することができる。
高塩素含有物に含まれる有機成分の燃焼によるダイオキシンの発生を抑制する観点、及び臭気成分を分解する観点から、燃焼温度を800℃以上とすることが望ましい。燃焼温度の上限は特に制限されず、例えば、設備負担等の観点から、1000℃以下とすることが好ましく、850℃以下とすることがより好ましい。
燃焼温度を800~1000℃とすることで、燃焼手段において発生する燃焼ガス中の有機成分ガス量が大幅に抑制される。その結果、凝縮した有機成分の装置への付着が軽減され、付着した有機成分が加熱し、燃焼するなどの事故を防止することができる。また、燃焼ガスに含まれる有機成分量が大幅に抑制されるため、塩素捕捉手段において、後述する乾式法を採用することができるなど、塩素回収方法の選択肢を増やすことができる。
燃焼ガスには、塩化水素ガスを含み得る。
燃焼手段で得られた燃焼残渣は、セメント原料として利用することができる。本発明の廃棄物処理装置から生成される燃焼残渣は、塩素を含まないか、塩素含有量が小さいため、そのままセメント原料として用いても、JIS規格で求められるセメント中の塩素量の要件(350ppm以下)を満たすことが容易となる。
なお、本発明の廃棄物処理装置においては、選別手段で得られた塩素含有物(B)及び加熱手段で得られた燃焼残渣からなる群より選択される1つ以上を、セメント原料またはセメント焼成用熱エネルギーとして利用することができ、塩素含有物(B)と燃焼残渣とのどちらか一方のみをセメント原料またはセメント焼成用熱エネルギーとして利用してもよいし、両方をセメント原料またはセメント焼成用熱エネルギーとして利用してもよい。
塩素捕捉手段では、燃焼ガスに含まれる塩化水素中の塩素を捕捉する。
本手段では、燃焼手段により塩素を含む熱可塑性樹脂から脱離させた塩化水素ガスの少なくとも一部から塩素を捕捉し、回収する。
塩素の捕捉手段としては、湿式法及び乾式法のいずれか一方又は両方を用いることができ、捕捉精度を高める観点から両方を用いることが好ましい。湿式法及び乾式法の両方を用いる方法としては、塩化水素を含む燃焼ガスの流れ方向に対して、湿式塩素捕捉手段と乾式塩素捕捉手段とを、並列、または、直列に配置すればよい。
湿式法は、塩化水素を含む燃焼ガスを水等の吸収液に塩素を吸収させ、塩化物イオンとして回収する方法である。また、吸収力を大きくするために、塩基性にした水、鉄または鉄化合物を加えた水を吸収液として用いることができる。吸収液は、精製して塩酸として再利用するほか、苛性ソーダで中和する等、無害化された後、下水道等の系外に放出することができる。
乾式法は、燃焼ガスに、カルシウム化合物等の粉体を吹込み、燃焼ガス中の塩化水素とカルシウム化合物とを化学反応させることにより、生成した塩化カルシウム等の水溶性塩化物をバグフィルター等の集塵機で回収する方法である。回収した水溶性塩化物は、水に水溶させ、水溶液を無害化した後、下水道等の系外に放出する。
燃焼ガス無害化手段においては、塩素捕捉手段を通過した燃焼ガスから有害物質を除去する。
本手段は、塩素捕捉手段を通過した燃焼ガスを無害化し、大気へ排出する手段である。
塩素捕捉手段を通過した燃焼ガスは、塩化水素を含まないが、高塩素含有物の燃焼により生成する煤煙等の有害物(ダイオキシン、NOx等)を含む。環境基準を上回る有害物を含んだ燃焼ガスの場合は、そのまま大気へ放出することは好ましくなく、適切に処理を行い放出する必要がある。
無害化の方式は、塩素捕捉手段を通過した燃焼ガスに活性炭を噴霧し、活性炭に有害物を吸着させる吸着方式等により行うことができる。
NOxは、セメント焼成炉の燃焼部に導くことで、還元分解が可能。また、脱硝設備を備えているセメント焼成炉の場合は、セメント焼成炉で発生するNOxとともに、環境基準以下にNOx濃度を低減させ大気へ放出することができる。脱硝設備としては、例えばアンモニア噴霧式脱硝設備が挙げられる。
具体的には、例えば、燃焼ガスを、セメント焼成炉の800℃以上の高温部に導き、800℃以上の温度域を、2秒以上の時間を経てセメント焼成炉燃焼ガスとともに通過し、その後、調温、調湿、除塵等の無害化処理を施されたのちに煙突から大気に放出される。
セメント焼成炉の800℃以上の高温部へ導く方法としては、吸収・捕捉手段を通過した燃焼ガスを直接セメント焼成炉の800℃以上の場所へ投入する方法だけでなく、セメント焼成炉の800℃以上の場所に通ずる、セメント焼成炉に付設された密閉された800℃以下のガスダクトへ投入後、800℃以下のガスダクトを経て、セメント焼成炉の800℃以上の場所に投入してもよい。
セメント焼成炉の800℃以上の高温部としては、セメントキルンの窯前、窯尻、仮焼炉ガス入口部、三次空気ダクト(800℃以上のガス温度の場合)などがあり、800℃以上の場所へ通じる密閉された800℃以下のガスダクトとしては、三次空気ダクト(800℃以下のガス温度の場合)、キルンバーナ一次空気ダクト、AQC(エアクエンチングクーラ)吹込空気ダクト、仮焼炉バーナ一次空気ダクトなどがある。
本発明の廃棄物処理方法は、塩素を含む混合廃棄物を、ポリプロピレンを含む塩素含有物(A)(高塩素含有物)と、前記塩素含有物(A)よりも塩素質量が少ない塩素含有物(B)(低塩素含有物)とに選別する選別工程と、
選別された塩素含有物(A)を燃焼し、燃焼残渣及び塩化水素を含む燃焼ガスを得る燃焼工程と、
燃焼ガスに含まれる塩化水素中の塩素を捕捉する塩素捕捉工程と、
塩素捕捉手段を通過した燃焼ガスから有害物質を除去する燃焼ガス無害化工程と
を含む。
本発明の廃棄物処理方法は、上記の選別工程、燃焼工程、塩素捕捉工程及び燃焼ガス無害化工程からなってもよいし、更に他の工程を含んでいてもよい。
本発明の廃棄物処理方法が上記の選別工程、燃焼工程、塩素捕捉工程及び燃焼ガス無害化工程を含むことで、塩素含有廃棄物から効率よく熱エネルギーを取り出し、燃料負担及び設備負担を軽減することができ、また塩素含有廃棄物の活用範囲を広げることができる。
選別工程で得られた塩素含有物(B)及び燃焼工程で得られた燃焼残渣からなる群より選択される1つ以上を、セメント原料またはセメント焼成用熱エネルギーとして利用することができ、また、燃焼ガス無害化工程において、セメント焼成炉を使用することが好ましい。塩素捕捉工程においては、湿式法及び乾式法のいずれか一方又は両方を用いることが好ましい。
本発明のセメント製造装置は、セメント原料を乾燥し、粉砕して粉末原料とする乾燥粉砕手段と、該粉末原料を予熱し仮焼するサスペンションプレヒータと、予熱し仮焼された粉末原料を焼成してセメントクリンカとするロータリーキルンと、焼成されたセメントクリンカを冷却するクリンカクーラとを有し、
既述の本発明の廃棄物処理装置から得られる前記塩素含有物(B)を、前記粉末原料の予熱若しくは焼成用熱エネルギーとして、または、セメント原料として用いるセメント製造装置である。
本発明の廃棄物処理装置を用いて廃棄物処理された塩素含有物(B)(低塩素含有物)をセメント製造における粉末原料の予熱若しくは焼成用熱エネルギーとして用いることで、従来よりも多くの熱エネルギーを用いて、安定した熱量で粉末原料を予熱若しくは焼成することができる。また、低塩素含有物をセメント原料として用いることで、JISにより定められたセメント中塩素量基準を満たす、塩素量の少ないセメントを製造することが容易となる。
本発明のセメント製造方法は、セメント原料を乾燥し、粉砕して粉末原料とする乾燥粉砕工程と、該粉末原料を予熱し仮焼する仮焼工程と、予熱し仮焼された粉末原料を焼成してセメントクリンカとする焼成工程と、焼成されたセメントクリンカを冷却する冷却工程とを有し、
既述の本発明の廃棄物処理方法から得られる前記塩素含有物(B)を、前記粉末原料の予熱若しくは焼成用熱エネルギーとして、または、セメント原料として用いるセメント製造方法である。
本発明の廃棄物処理方法を用いて廃棄物処理された塩素含有物(B)(低塩素含有物)をセメント製造における粉末原料の予熱若しくは焼成用熱エネルギー用いることで、従来よりも多くの熱エネルギーを用いて、安定した熱量で粉末原料を予熱若しくは焼成することができる。また、低塩素含有物をセメント原料として用いることで、JISにより定められたセメント中塩素量基準を満たす、塩素量の少ないセメントを製造することが容易となる。
なお、上記「セメント製造装置」と「セメント製造方法」において、塩基含有物(B)等は本発明の廃棄物処理装置(廃棄物処理方法)から供給されるものであるが、本発明のセメント製造装置(セメント製造方法)には、上記本発明の廃棄物処理装置(廃棄物処理方法の各工程)が含まれる。
塩素を含む混合廃棄物として、自動車シュレッダーダスト(ASR)を用意した。
混合廃棄物中の成分組成を手作業で分類して確認したところ、電線;チューブ;シート;ポリプロピレン;ポリウレタン;金属;ゴム;紙、布及び木;ポリスチレン;並びに分類不可能なものが含まれていた。このうち、電線、チューブ及びシートを、塩素を含有する熱可塑性樹脂(PVC類)として扱った。
混合廃棄物中の塩素を含有する熱可塑性樹脂(PVC類)の含有量を測定したところ、2.0質量%であった。
重量物(高塩素含有物)には、電線が1.4質量部;チューブが0.2質量部;シートが0.1質量部;ポリプロピレンが23.3質量部;ポリウレタンが2.5質量部;金属が2.9質量部;ゴムが2.5質量部;紙、布及び木が0.4質量部;ポリスチレンが0.0質量部;並びに分類不可能なものが20.7質量部となる組成で、各成分が含まれていた。
これは、下記計算式より、混合廃棄物中85質量%のPVC類と、91質量%のポリプロピレンを、重量物として抽出することができたことを意味する。
[ポリプロピレン]:〔23.3/(23.3+2.3)〕×100=91質量%
従来であれば、次の燃焼手段での燃焼対象は、混合廃棄物すべてであったところ、本発明では、上記の選別手段により、次の燃焼手段での燃焼対象を、従来の54質量%に低減することができた。よって、燃料負担及び設備負担を従来よりも軽減することができる。
風力選別方式により選別された高塩素含有物を、大気雰囲気の電気炉を用いて、表1に示す燃焼温度で燃焼したところ、500℃以上で燃焼することで、高塩素含有物中の塩素の内、99%以上を塩化水素として脱離させることができた。
なお、塩素脱離率は、燃焼前試料と燃焼残渣を下記測定部と燃焼部を有する燃焼イオンクロマトグラフィーを用いて測定した含有塩素量から算出した。
・測定部:イオンクロマトグラフ ICS-1600(DIONEX社製)
・燃焼部:自動試料燃焼装置 AQF-100(三菱ケミカルアナリテック社製)
燃焼前試料の塩素含有量をXA(質量部)とする。
燃焼残渣は、燃焼前試料中の塩素が脱離し、また、有機成分が燃焼して、残存した量であり、塩素の残存率は、燃焼前試料の塩素のうち、燃焼後の試料に残存した塩素の比率として計算される。つまり、燃焼後試料の塩素の残存量(燃焼残渣の含有塩素量)をXB(質量部)とすると、塩素残存率は100×(XB/XA)(質量%)と計算される。
また、塩素脱離率は100×(XA-XB)/XA(質量%)と計算される。
高塩素含有物を燃焼して発生した燃焼ガスを、吸収液(水)に通気し、塩化水素の補足率を測定した。その結果、表1に示すとおり、100質量%の塩化水素を水浴(吸収液)中に捕捉することができた。
なお、塩化水素の補足率(塩素捕捉率)は、次のように算出される。
塩化水素の捕捉率(%)=吸収液中塩素量(mg)/塩素脱離量(mg)×100
塩素捕捉手段を通過した燃焼ガスは、塩素捕捉手段に併設したセメント焼成炉の仮焼炉入口に投入した結果、煙突出口から放出されるガスは、排ガス基準を満足することができた。
塩素を含む混合廃棄物について、本実施形態における選別手段により高塩素含有物と低塩素含有物とに選別した後に、既述の本実施形態における燃焼手段、塩素捕捉手段、及び燃焼ガス無害化手段を経過した場合(実施例)と;本実施形態における選別手段による選別を行わずに、既述の本実施形態における燃焼手段、塩素捕捉手段、及び燃焼ガス無害化手段を経過した場合(比較例)において得られる熱量を算出した。結果を表2に示す。
また、選別手段を行わない比較例では、軽量物を含む全ての混合廃棄物を加熱するため、実施例に比べ燃料負担及び設備負担が増した。
このように、本発明に従えば、塩素含有廃棄物から効率よく熱エネルギーを取り出すことができ、燃料負担及び設備負担を軽減することができ、また塩素含有廃棄物の活用範囲を広げることができる。
Claims (8)
- 塩素を含む混合廃棄物を、ポリプロピレンを含む塩素含有物(A)と、前記塩素含有物(A)よりも塩素質量が少ない塩素含有物(B)とに選別する選別手段と、
選別された塩素含有物(A)を500℃以上で燃焼し、燃焼残渣及び塩化水素を含む燃焼ガスを得る燃焼手段と、
前記燃焼ガスに含まれる塩化水素中の塩素を捕捉する塩素捕捉手段と、
前記塩素捕捉手段を通過した燃焼ガスから有害物質を除去する燃焼ガス無害化手段と
を含む廃棄物処理装置。 - 前記選別手段で得られた前記塩素含有物(B)及び前記燃焼手段で得られた前記加熱残渣からなる群より選択される1つ以上を、セメント原料またはセメント焼成用熱エネルギーとして利用する請求項1に記載の廃棄物処理装置。
- 前記燃焼ガス無害化手段として、セメント焼成炉を使用する請求項1又は2に記載の廃棄物処理装置。
- 前記塩素捕捉手段は、湿式法及び乾式法のいずれか一方又は両方を用いる請求項1~3のいずれか1項に記載の廃棄物処理装置。
- 塩素を含む混合廃棄物を、ポリプロピレンを含む塩素含有物(A)と、前記塩素含有物(A)よりも塩素質量が少ない塩素含有物(B)とに選別する選別工程と、
選別された塩素含有物(A)を燃焼し、燃焼残渣及び塩化水素を含む燃焼ガスを得る燃焼工程と、
前記燃焼ガスに含まれる塩化水素中の塩素を捕捉する塩素捕捉工程と、
前記塩素捕捉手段を通過した燃焼ガスから有害物質を除去する燃焼ガス無害化工程と
を含む廃棄物処理方法。 - 前記選別工程で得られた前記塩素含有物(B)及び前記燃焼工程で得られた前記燃焼残渣からなる群より選択される1つ以上を、セメント原料またはセメント焼成用熱エネルギーとして利用する請求項5に記載の廃棄物処理方法。
- 前記燃焼ガス無害化工程において、セメント焼成炉を使用する請求項5又は6に廃棄物処理方法。
- 前記塩素捕捉工程は、湿式法及び乾式法のいずれか一方又は両方を用いる請求項5~7のいずれか1項に記載の廃棄物処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021168972A JP7056792B1 (ja) | 2021-10-14 | 2021-10-14 | 廃棄物処理装置及び廃棄物処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021168972A JP7056792B1 (ja) | 2021-10-14 | 2021-10-14 | 廃棄物処理装置及び廃棄物処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP7056792B1 JP7056792B1 (ja) | 2022-04-19 |
JP2023059076A true JP2023059076A (ja) | 2023-04-26 |
Family
ID=81291727
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021168972A Active JP7056792B1 (ja) | 2021-10-14 | 2021-10-14 | 廃棄物処理装置及び廃棄物処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7056792B1 (ja) |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59212616A (ja) * | 1984-02-27 | 1984-12-01 | 姜 兆遠 | 廃プラスチツク、廃油等の燃焼熱発生装置 |
JPH11201422A (ja) * | 1998-01-19 | 1999-07-30 | Junichi Inoko | 廃棄物の熱分解炉 |
JP3965769B2 (ja) * | 1998-04-20 | 2007-08-29 | 三菱マテリアル株式会社 | 飛灰の処理方法 |
JP3431584B2 (ja) * | 2000-08-01 | 2003-07-28 | 株式会社東芝 | 廃プラスチック処理装置 |
JP3954816B2 (ja) * | 2001-07-26 | 2007-08-08 | 株式会社荏原製作所 | ガス供給装置及びガス供給方法 |
CA2579185A1 (en) * | 2003-07-28 | 2005-02-03 | National University Corporation Kagawa University | Toxic-substance treatment equipment |
JP5085027B2 (ja) * | 2005-10-17 | 2012-11-28 | 住友大阪セメント株式会社 | 塩素含有廃棄物の処理方法及び処理装置 |
-
2021
- 2021-10-14 JP JP2021168972A patent/JP7056792B1/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP7056792B1 (ja) | 2022-04-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Vehlow | Air pollution control systems in WtE units: An overview | |
US5309850A (en) | Incineration of hazardous wastes using closed cycle combustion ash vitrification | |
Quina et al. | Air pollution control in municipal solid waste incinerators | |
CN109469903B (zh) | 工业固废的焚烧处理方法 | |
CN1167897C (zh) | 废物的处理方法和装置 | |
US6202577B1 (en) | Method and apparatus for treating refuse | |
Mlonka-Mędrala et al. | Composition and properties of fly ash collected from a multifuel fluidized bed boiler co-firing refuse derived fuel (RDF) and hard coal | |
JP2006096615A (ja) | セメントキルンの排ガスの処理方法 | |
JP5428736B2 (ja) | セメント製造設備からの排ガス中の水銀成分及び有機塩素化合物の低減方法 | |
US20040182292A1 (en) | Incineration process using high oxygen concentrations | |
KR100348974B1 (ko) | 시멘트 제조장치 | |
RU2303746C2 (ru) | Установка для термической переработки бытовых отходов | |
Lee et al. | Operation of a municipal solid waste co‐combustion pilot plant | |
JP3856711B2 (ja) | 窯業原料として再利用が可能な無機化学成分を含む無機系廃棄物の再資源化方法及び再資源化装置 | |
JP4131417B2 (ja) | セメント製造設備の排ガス中の有機塩素化合物低減方法 | |
JP7056792B1 (ja) | 廃棄物処理装置及び廃棄物処理方法 | |
JP2008237959A (ja) | 燃焼排ガス処理方法及び処理装置 | |
JP2007045648A5 (ja) | ||
CN107812771A (zh) | 废弃物处理再利用系统 | |
JP7056793B1 (ja) | 廃棄物処理装置及び廃棄物処理方法 | |
JP7056791B1 (ja) | 廃棄物処理装置及び廃棄物処理方法 | |
JP5116322B2 (ja) | 有機汚染物質排出量低減方法 | |
Zhan et al. | Adsorption of dioxins on the entering raw meal | |
JP2005195228A (ja) | 廃棄物溶融処理システム | |
KR102522077B1 (ko) | 음식 폐기물을 에너지원으로 사용하는 친환경적 음식 폐기물 처리시스템 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20211027 |
|
A871 | Explanation of circumstances concerning accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871 Effective date: 20211029 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20211214 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20220208 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20220308 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20220321 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7056792 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |