JP2023058049A - 潤滑油添加剤および潤滑油組成物 - Google Patents

潤滑油添加剤および潤滑油組成物 Download PDF

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達也 岡田
Tatsuya Okada
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Abstract

【課題】粘度指数向上剤と低温でも有効な摩擦調整剤としての性能を併せ持つメタクリル系ブロック共重合体からなる潤滑油添加剤と、該共重合体を含有する潤滑油組成物を提供する。【解決手段】メタクリル酸メチル重合体ブロック(A)と炭素数10~36のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル重合体ブロック(B)を含み、分子量分布(Mw/Mn)が1.01~1.60であるメタクリル系ブロック共重合体(C)からなる潤滑油添加剤。【選択図】なし

Description

本発明は、低温から摩擦低減効果を持つ、メタクリル系ブロック共重合体からなる潤滑油添加剤と、該共重合体を含有する潤滑油組成物に関する。
近年、地球環境保護やカーボンニュートラルの観点から、潤滑油による省エネルギー化が重要な課題である。これらの課題を解決するには、潤滑油添加剤による粘度指数向上、せん断安定性の向上や摩擦調整が欠かせない。
特に自動車用途においては、ハイブリッド車やプラグインハイブリッド車の増加により、そこで使用されるエンジン油や駆動油は従来の内燃機関車よりも油温が低下する事が明らかにされている。この事から、潤滑油には粘度指数向上能と低温での低摩擦化が要求されている。
特許文献1は可逆付加フラグメント化連鎖移動重合(RAFT)によって得られるアミノ基、若しくは、ヒドロキシル基を含む極性ブロックと、アルキル(メタ)アクリレートを含む疎水性ブロックから成るブロック共重合体を潤滑油組成物として使用している。しかし、せん断安定性や低温での低摩擦化効果については不明である。
特許文献2は公知のラジカル重合によって得られるヒドロキシル基を含むメタクリル系重合体を潤滑油組成物として使用している。しかし、油膜性能が不十分である。
特許文献3は市販のアミノ基含有メタクリル系粘度指数向上剤を潤滑油添加剤して使用しているが、低温での油膜性能が不明である。
特許文献4は公知のラジカル重合によって得られるヒドロキシル基を含むアクリル系重合体を潤滑油組成物として使用している。しかし粘度指数向上剤としての性能は不明である。
特許文献5はモリブデンジチオカーバメート(MoDTC)と、公知のラジカル重合によって得られるヒドロキシル基を含むアクリル系重合体を潤滑油組成物として使用している。しかし、粘度指数向上剤としての性能と低温での低摩擦化効果は不明である。
特許文献6は、原子移動ラジカル重合(ATRP)によって得られるアミノ基を含むアクリル系櫛形重合体を潤滑油組成物として使用している。しかし、低温での低摩擦化効果が不明なうえ基油溶解性が不十分である。
特許4686444 特開2009-7562 特開2012-107143 特開2013-124266 WO2019/203332A1 特表2020-502344
本発明は、粘度指数向上剤と低温でも有効な摩擦調整剤としての性能を併せ持つメタクリル系ブロック共重合体からなる潤滑油添加剤と、該共重合体を含有する潤滑油組成物を提供する事である。
上記目的を達成すべく検討した結果、以下の形態を包含する本発明を完成するに至った。
[1]
メタクリル酸メチル重合体ブロック(A)と炭素数10~36のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル重合体ブロック(B)を含み、分子量分布(Mw/Mn)が1.01~1.60であるメタクリル系ブロック共重合体(C)からなる潤滑油添加剤。
[2]
メタクリル系ブロック共重合体(C)におけるメタクリル酸メチル重合体ブロック(A)の質量比が1~50%である、[1]に記載の潤滑油添加剤。
[3]
メタクリル系ブロック共重合体(C)の重量平均分子量(Mw)が0.5万~50万である、[1]又は[2]に記載の潤滑油添加剤。
[4]
メタクリル系ブロック共重合体(C)が、アニオン重合法または原子異動ラジカル重合法により得られた重合体である、[1]~[3]のいずれか1項に記載の潤滑油添加剤。
[5]
メタクリル系ブロック共重合体(C)が、有機アルミニウム存在下での(リビング)アニオン重合法により得られた重合体である、[1]~[3]のいずれか1項に記載の潤滑油添加剤。
[6]
[1]~[5]のいずれかに記載の潤滑油添加剤とAPI群III、III+、IV及びVから選ばれる少なくとも1種の潤滑油基油(D)とを含む、潤滑油組成物。
本発明によれば、従来の潤滑油添加剤と比べ低温での潤滑油の低摩擦化とせん断安定性を改良する事ができる。また、優れた摩擦調整作用を有する本発明の潤滑油添加剤を含有する潤滑油組成物を使用する事により、潤滑油による省エネルギー化や潤滑油の長寿命化がなされ、地球環境への負荷を低減する事が出来る。
以下、本発明について、詳細に説明する。
本発明に使用するメタクリル系ブロック共重合体(C)は、メタクリル酸メチル単位を含む1種又は2種以上の重合体ブロックおよび炭素数10~36のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル単位を含む1種又は2種以上の重合体ブロックを有するブロック共重合体である。
本発明の潤滑油組成物に使用する潤滑油基油(D)は米国石油協会のAPI規格で分類された基油(API群I~V)のうち、API群III以上である。
API群I:硫黄分0.03%以上 及び/又は 飽和分90%未満、粘度指数80~120(鉱物油、ミネラルオイル)
API群II:硫黄分0.03%以下 及び 飽和分90%以上、粘度指数80~120(ハイドロクラック)
API群III:硫黄分0.03%以下 及び 飽和分90%以上、粘度指数120以上(VHVI)
API群III+:硫黄分0.03%以下 及び 飽和分90%以上、粘度指数135以上(VHVI)
API群IV:ポリαオレフィン(化学合成油)
API群V:API群I~IVに属さないもの(植物油、エステル、アルキルナフタレン、PAG)
潤滑油基油(D)は、API群III、API群III+、API群IV及びAPI群Vからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む。好ましい潤滑油基油(D)はAPI群III、API群III+及びAPI群IVからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、より好ましくはAPI群III及びAPI群III+からなる群から選ばれる少なくとも1種、さらに好ましくはAPI群IIIである。API群III、API群III+、API群IV及びAPI群Vは、各々GrIII、GrIII+、GrIV、GrVと表記されることがあり、これらは同義である。
API群III~Vの潤滑油基油(D)の製品としては、以下のものが挙げられる。
API群III:YUBASE2・3・4・6・8(以上、SKルブリカンツ社製)、PHAZOL7・35(以上、エクソンモービル社製)
API群III+:YUBASE4・6Plus(以上、SKルブリカンツ社製)
API群IV:SpectraSyn, SpectraSynPlus, SpectraSynUltra(以上、エクソンモービル社製)
さらに、ダイアナフレシアシリーズ(出光興産)、Ultra-Sシリーズ(S-oil corporation)なども使用できる。
メタクリル酸メチル重合体ブロック単位(A)と共にメタクリル系ブロック共重合体(C)を構成するアルキル基の炭素数が10~36であるメタクリル酸アルキルエステル重合体ブロック単位(B)としては、例えばメタクリル酸n-デシル、メタクリル酸n-ウンデシル、メタクリル酸n-ドデシル、メタクリル酸n-トリデシル、メタクリル酸n-テトラデシル、メタクリル酸n-ペンタデシル、メタクリル酸n-ヘキサデシル、メタクリル酸n-ヘプタデシル、メタクリル酸n-オクタデシル(別名:メタクリル酸ステアリル)、メタクリル酸n-ノナデシル、メタクリル酸n-エイコシル、メタクリル酸n-ヘンエイコシル、メタクリル酸n-ドコシル、メタクリル酸n-トリコシル、メタクリル酸n-テトラコシル、メタクリル酸n-ペンタコシル、メタクリル酸n-ヘキサコシル、メタクリル酸n-ヘプタコシル、メタクリル酸n-オクタコシル、メタクリル酸n-ノナコシル、メタクリル酸n-トリアコンチル、メタクリル酸n-ヘントリアコンチル、メタクリル酸n-ドトリアコンチル、メタクリル酸n-トリトリアコンチル、メタクリル酸n-テトラトリアコンチル、メタクリル酸n-ペンタトリアコンチル、メタクリル酸n-ヘキサトリアコンチル等の炭素数が10~36の直鎖アルキル基を含有するメタクリル酸アルキルエステル;
メタクリル酸イソデシル、メタクリル酸2,4,6-トリメチルヘプチル、メタクリル酸2-ブチルオクチル、メタクリル酸2-エチル-n-ドデシル、メタクリル酸2-メチル-n-テトラデシル、メタクリル酸イソヘキサデシル、メタクリル酸2-n-オクチル-n-ノニル、メタクリル酸イソオクタデシル、メタクリル酸1-n-ヘキシル-n-トリデシル、メタクリル酸2-エチル-n-ヘプタデシル、メタクリル酸イソイコシル(別名:メタクリル酸2-n-オクチル-n-ドデシル)、メタクリル酸1-n-オクチル-n-ペンタデシル、メタクリル酸2-n-デシル-n-テトラデシル、メタクリル酸2-n-ドデシル-n-ペンタデシル、メタクリル酸イソトリアコンチル、メタクリル酸2-n-テトラデシル-n-ヘプタデシル、メタクリル酸2-n-ヘキサデシル-n-ヘプタデシル、メタクリル酸2-n-ヘキサデシル-n-イコシルおよびメタクリル酸2-n-テトラデシル-n-ドコシル等の炭素数が10~36の分岐アルキル基を含有するメタクリル酸アルキルエステル;などからなる単位が挙げられる。
これら炭素数10~36の直鎖又は分岐アルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル重合体ブロック単位(B)のうち、API群III以上潤滑油基油への溶解性の観点から、炭素数14~30のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル単位が好ましく、炭素数16~28のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル単位がさらに好ましく、炭素数16~24のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル単位が特に好ましい。メタクリル系ブロック共重合体(C)は、上記炭素数10~36のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル単位の1種のみを使用してもよく、2種以上を含有混合して使用してもよい。
本発明の別の好ましい実施形態では、炭素数10~36の直鎖又は分岐アルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル重合体ブロック単位(B)は2種以上のメタクリル酸アルキルエステル単位を使用することが好ましく、その場合、アルキル基の炭素数10~15のメタクリル酸アルキルエステル単位とアルキル基の炭素数16~36のメタクリル酸アルキルエステル単位を併用することで、潤滑油基油(D)に対する溶解性を高めることができる。アルキル基の炭素数10~15のメタクリル酸アルキルエステル単位とアルキル基の炭素数16~36のメタクリル酸アルキルエステル単位との質量比は、40:60~50:50であるのが好ましく、42:58~49:51であるのがより好ましい。
メタクリル系共重合体(C)は、API群III以上(III、III+、IV)、且つ、粘度指数120以上の潤滑油基油に溶解することが好ましい。ここで、溶解するとは、メタクリル系ブロック共重合体(C)15質量部を潤滑油基油(D)85質量部に添加したときにメタクリル系共重合体(C)の不溶解物がなく、-20~80℃の温度範囲において外観が均一であることを意味する。
メタクリル系ブロック共重合体(C)には、上記メタクリル酸アルキルエステル以外の他の(メタ)アクリル酸エステル単量体に由来する単位が含有されていてもよい。かかる他の(メタ)アクリル酸エステル単量体単位としては、例えば(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸トリシクロドデシル等の脂環式アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ナフチル、(メタ)アクリル酸ビフェニル等の芳香族炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸メトキシメチル、(メタ)アクリル酸2-メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2-メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸2-エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2-エトキシプロピル、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシポリプロピレングリコール等のエーテル基を有する(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジイソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジ-n-ブチル(メタ)アクリルアミド等のN,N-ジアルキル(メタ)アクリルアミド;(メタ)アクリル酸グリシジル等のエポキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステル;1,3-プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリル酸エステル;炭素数2~9の直鎖または分岐のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル;アクリル酸メチル;などからなる単位;メタクリル酸アルキルエステル重合体ブロック単位(B)に対応するアクリル酸アルキルエステル単位;などが挙げられる。
上記メタクリル系ブロック共重合体(C)は、メタクリル酸メチル単位および炭素数10~36のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位を有していれば特に制限はないが、潤滑油基油(D)への溶解性の観点から、メタクリル酸メチル単位5~34質量%および炭素数10~36の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位95~66質量%を含有するものであるのが好ましい。さらにメタクリル系ブロック共重合体(C)における該メタクリル酸メチル単位の含有量は、10~32質量%であることがより好ましく、15~30質量%であることがさらに好ましい。さらにメタクリル系ブロック共重合体(C)における該(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位は、炭素数10~36の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位の含有量が68~90質量%であることがより好ましく、70~85質量%であることがさらに好ましい。
メタクリル系ブロック共重合体(C)の重量平均分子量Mwは5,000以上であることが好ましく、5,000~500,000であるのがより好ましく、10,000~300,000であるのがさらに好ましく、15,000~200,000であるのが特に好ましい。
メタクリル系ブロック共重合体(C)の数平均分子量Mnは4,500以上であることが好ましく、4,500~450,000であるのがより好ましく、9,000~270,000であるのがさらに好ましく、13,000~180,000であるのが特に好ましい。
メタクリル系ブロック共重合体(C)は、Mwと数平均分子量(以下、「Mn」と表記する)の比(Mw/Mn、以下、この値を「分子量分布」と表記する。)が1.01~1.6であるのが好ましく、より好ましくは1.01~1.4であり、さらに好ましくは1.02~1.4、特に好ましくは1.05~1.4、最も好ましくは1.05~1.3である。このような範囲内にある分子量分布を有するメタクリル系ブロック共重合体(C)摩擦調整剤、粘度指数向上剤などの潤滑油添加剤として用いると、API群III、III+、IVの潤滑油基油(D)に可溶で、粘度指数向上剤として用いた場合の粘度指数向上効果および潤滑油組成物とした場合の剪断粘度安定性に優れる。MwおよびMnは、例えば、メタクリル系ブロック共重合体(C)の製造の際に使用する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体を含む原料中の水酸基を有する化合物、重合禁止剤の量に依存する。MwおよびMnは、GPC測定から求められたポリスチレン換算分子量の値である。
メタクリル系ブロック共重合体(C)の作製方法は、原子移動ラジカル重合(ATRP)、可逆付加フラグメント化連鎖移動重合(RAFT)、ニトロキシド介在重合(NMP)、ヨウ素移動重合、(有機テルル、アンチモン、ビスマス等の)高周期ヘテロ元素を用いる重合、硼素介在重合、触媒移動重合(CCT)、およびコバルトやチタンなどの金属と炭素結合をドーマント種とする重合系(OMRP)などの精密ラジカル重合、ならびにアニオン重合(典型的にはリビング性の高いアニオン重合)が好ましい。さらに、熱安定性が高いメタクリル系ブロック共重合体(C)が得られることから、アニオン重合がより好ましい。かかるアニオン重合法としては、例えば、有機アルカリ金属化合物を重合開始剤として用いアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩などの鉱酸塩の存在下でアニオン重合する方法(特公平7-25859号参照)、有機アルカリ金属化合物を重合開始剤として用い有機アルミニウム化合物の存在下でアニオン重合する方法(特開平11-335432号参照)、有機希土類金属錯体やメタロセン型金属錯体を重合開始剤としてアニオン重合する方法(特開平6-93060号参照)などが挙げられる。中でも、Mw/Mnのより小さい重合体が得られ、粘度指数向上剤として使用した場合の剪断粘度安定性が良好となること、シンジオタクティシティの高い重合体が得られるために粘度指数向上剤として使用した場合の粘度指数向上効果が高くなることから、有機アルカリ金属化合物を重合開始剤として用い、有機アルミニウム化合物の存在下でアニオン重合する方法が特に好ましい。
メタクリル系ブロック共重合体(C)を製造するための方法として好ましく採用される、有機アルカリ金属化合物を重合開始剤として用い有機アルミニウム化合物の存在下でのアニオン重合する方法は、例えば、有機アルカリ金属化合物としての有機リチウム化合物と、下記の一般式(1):
AlR (1)
(一般式(1)中、R、RおよびRはそれぞれ独立して置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアルコキシル基、置換基を有してもよいアリールオキシ基またはN,N-二置換アミノ基を表すか、またはRが前記したいずれかの基を表し、RおよびRは一緒になって置換基を有していてもよいアリーレンジオキシ基を表す。)
で表される有機アルミニウム化合物の存在下に、必要に応じて、反応系内に、ジメチルエーテル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、12-クラウン-4などのエーテル;トリエチルアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’’,N’’-ペンタメチルジエチレントリアミン、1,1,4,7,10,10-ヘキサメチルトリエチレンテトラミン、ピリジン、2,2’-ジピリジルなどの含窒素化合物を更に存在させて(メタ)アクリル酸エステルを重合させることにより行なわれる。
上記アニオン重合する方法で用いられる有機リチウム化合物としては、例えば、メチルリチウム、エチルリチウム、n-プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、イソブチルリチウム、tert-ブチルリチウム、n-ペンチルリチウム、n-ヘキシルリチウム、テトラメチレンジリチウム、ペンタメチレンジリチウム、ヘキサメチレンジリチウムなどのアルキルリチウムおよびアルキルジリチウム; フェニルリチウム、m-トリルリチウム、p-トリルリチウム、キシリルリチウム、リチウムナフタレンなどのアリールリチウムおよびアリールジリチウム; ベンジルリチウム、ジフェニルメチルリチウム、トリチルリチウム、1,1-ジフェニル-3-メチルペンチルリチウム、α-メチルスチリルリチウム、ジイソプロペニルベンゼンとブチルリチウムの反応により生成するジリチウムなどのアラルキルリチウムおよびアラルキルジリチウム;リチウムジメチルアミド、リチウムジエチルアミド、リチウムジイソプロピルアミドなどのリチウムアミド;メトキシリチウム、エトキシリチウム、n-プロポキシリチウム、イソプロポキシリチウム、n-ブトキシリチウム、sec-ブトキシリチウム、tert-ブトキシリチウム、ペンチルオキシリチウム、ヘキシルオキシリチウム、ヘプチルオキシリチウム、オクチルオキシリチウム、フェノキシリチウム、4-メチルフェノキシリチウム、ベンジルオキシリチウム、4-メチルベンジルオキシリチウムなどのリチウムアルコキシドの1種または2種以上を用いることができる。
また、上記一般式(1)で表される有機アルミニウム化合物としては、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリn-オクチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム;ジメチル(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノキシ)アルミニウム、ジメチル(2,6-ジ-tert-ブチルフェノキシ) アルミニウム、ジエチル(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノキシ)アルミニウム、ジエチル(2,6-ジ-tert-ブチルフェノキシ)アルミニウム、ジイソブチル(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノキシ)アルミニウム、ジイソブチル(2,6-ジ-tert-ブチルフェノキシ)アルミニウムなどのジアルキルフェノキシアルミニウム;メチルビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノキシ)アルミニウム、メチルビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェノキシ)アルミニウム、エチル〔2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノキシ)〕アルミニウム、エチルビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノキシ)アルミニウム、エチルビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェノキシ)アルミニウム、エチル〔2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノキシ)〕アルミニウム、イソブチルビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノキシ)アルミニウム、イソブチルビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェノキシ)アルミニウム、イソブチル〔2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノキシ)〕アルミニウムなどのアルキルジフェノキシアルミニウム;メトキシビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノキシ)アルミニウム、メトキシビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェノキシ)アルミニウム、メトキシ〔2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノキシ)〕アルミニウム、エトキシビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノキシ)アルミニウム、エトキシビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェノキシ)アルミニウム、エトキシ〔2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノキシ)〕アルミニウム、イソプロポキシビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノキシ) アルミニウム、イソプロポキシビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェノキシ)アルミニウム、イソプロポキシ〔2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノキシ)〕アルミニウムなどのアルコキシジフェノキシアルミニウム; トリス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノキシ)アルミニウム、トリス(2,6-ジフェニルフェノキシ)アルミニウムなどのトリフェノキシアルミニウムなどの1種または2種以上を用いることができる。中でも、イソブチルビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノキシ)アルミニウム、イソブチルビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェノキシ)アルミニウム、イソブチル〔2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノキシ)〕アルミニウムなどが、取り扱いが容易であり、しかも比較的緩和な温度条件下で失活なく(メタ)アクリル酸エステルの重合を進行させることができる点から特に好ましく用いられる。
メタクリル系ブロック共重合体(C)は、例えば、重合反応液に、重合停止剤を添加することによって重合反応を停止させることにより得ることができる。重合停止剤としては、アニオン重合の場合、例えば水、メタノール、酢酸、塩酸などのプロトン性化合物などが挙げられる。重合停止剤の使用量は特に限定されないが、通常、使用する重合開始剤に対して1~100倍モルの範囲である。
アニオン重合停止後のメタクリル系共重合体(C)の溶液中に、使用した有機アルミニウム化合物に由来するアルミニウムが残存していると、メタクリル系共重合体(C)や、それを用いた材料の物性低下を生じる場合があるので、有機アルミニウム化合物に由来するアルミニウムを重合終了後に除去することが好ましい。該アルミニウムの除去方法としては、重合停止剤を添加した後の重合反応液を、酸性水溶液を用いて洗浄処理する方法、イオン交換樹脂などの吸着剤を用いた吸着処理などに付する方法、沈殿させて分離する方法などが有効である。
本発明における潤滑油としてはAPI規格の潤滑油基油あれば特に制限はないが、鉱油またはポリアルファオレフィン系合成油が好ましく、鉱油がより好ましい。鉱油としては、例えばSKオイルルブリカンツ製YUBASE4(API群III、粘度指数122)、YUBASE4プラス(API群III+、粘度指数136)、YUBASE6(API群III、粘度指数131)、YUBESE6プラス(API群III+、粘度指数145)、YUBASE8(API群III、粘度指数128)など、合成油としては、例えばエクソンモービル製スペクトラシン4(API群IV、粘度指数126)、スペクトラシン5(API群IV、粘度指数138)、スペクトラシン6(API群IV、粘度指数138)、スペクトラシン8(API群IV、粘度指数139)、スペクトラシン10(API群IV、粘度指数147)、スペクトラシン100(API群IV、粘度指数170)などの潤滑油基油として市販されるものを用いる事ができる。
本発明のメタクリル系ブロック共重合体(C)は、潤滑油基油(D)に溶解した質量比15:85の溶液として、0℃で24時間静置後に不溶分が認められないものをいう。潤滑油基油(D)にメタクリル系共重合体(C)を溶解したメタクリル系共重合体溶液中におけるメタクリル系共重合体(C)の質量は、得られる潤滑油基油溶液の取扱性の観点からは、好ましくは10質量%以上50質量%以下、より好ましくは15質量%以上25質量%以下である。
本発明のメタクリル系ブロック共重合体(C)を含有する潤滑油組成物は、エンジン油(ガソリン用、ディーゼル用等)、駆動系油〔ギア油( マニュアルトランスミッション油、デファレンシャル油等)、自動変速機油[ATF(AutomaticTransmissionFluid)、CVTF(ContinuouslyVariableTransmissionFluid)]〕、作動油( パワーステアリング油、ショックアブソーバー油)等に好適に用いることができる。これらの中で好ましい用途はエンジン油、駆動系油、作動油である。特に好ましくはエンジン油と駆動油である。
本発明の潤滑油組成物は、必要に応じて他の任意成分、例えば、他種の摩擦調整剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、油性剤、酸化防止剤、清浄剤、分散剤、抗酸化剤、消泡剤、抗乳化剤、腐食防止剤等を配合してもよい。
本発明のメタクリル系ブロック共重合体(C)を含む潤滑油基油溶液中には、さらに他の添加剤を加える工程を含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、熱劣化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、離型剤、高分子加工助剤、帯電防止剤、難燃剤、染顔料、光拡散剤、有機色素、艶消し剤、耐衝撃性改質剤、蛍光体、腐食防止剤、防錆剤、流動点降下剤、抗乳化剤、金属不活性化剤、消泡剤、極圧剤などが挙げられる。
本発明の重合体溶液に含まれるブロック共重合体(C)は、分子量分布が狭く剪断粘度安定性等の力学特性に優れる。そのため、本発明のメタクリル系共重合体(C)は、粘度指数向上剤を含む潤滑油添加剤の他、ポリオレフィン改質剤、粘着剤、接着剤、プライマー、ハードコートなどの表面機能化コート剤、タイヤの改質剤等、様々な用途で使用できる。
以下、実施例および比較例によって本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されない。また、以下の実施例および比較例において使用した薬品は、常法により乾燥精製して使用した。
また、以下の実施例および比較例において、重合体の分析に使用した測定機器、および、重合体の潤滑油添加剤としての評価方法について記す。
(1)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(M w)、分子量分布(Mw/Mn)の測定
GPC装置:東ソー株式会社製、HLC-8320
検出器:示差屈折率検出器
カラム:東ソー株式会社製のTSKgel SuperMultipore HZM-Mの2本とSuperHZ4000を直列に繋いだものを用いた。
溶離剤: テトラヒドロフラン
溶離剤流量: 0.35ml/分
カラム温度: 40℃
検量線:標準ポリスチレン10点のデータを用いて作成
(2)ガスクロマトグラフィー(GC)によるモノマーの転化率の測定
機器: 島津製作所製ガスクロマトグラフGC-14A
検出器:水素炎イオン化型検出器(FID)
キャリアガス:ヘリウム
スピリット比:30.0
流量:全流量78.9mL/分、カラム流量2.54mL/分、線速度37.0/秒、パージ流量0.3mL/分
カラム:GL Sciences社製INERTCAP1(df=0.4μm、内径0.25mm×長さ60m)
分析条件: injection240℃、detecter300℃、50℃(0分保持 )→ 10℃/分→280℃(7分保持)
(3)動粘度測定、粘度指数の算出
JIS K2283に準じて行った。
(4)せん断粘度低下率測定
せん断安定性の指標として、JPI-5S-29に準じてせん断粘度低下率を算出した。
(5)溶解性評価
20℃、24時間後のブロック共重合体を含む潤滑油基油溶液について、目視による不溶物の有無を観察し、不溶分が認められない場合を「○」、不溶分が認められる場合を「×」と評価した。
(6)油膜厚さ測定
油膜厚さ測定は以下の条件で実施した。
・装置:ボールオンディスク型EHL試験機(油膜厚さ測定モード)
・すべり率:0%
・ボール材質:JIS SUJ2
・ディスク材質:硬質ガラス製
・周速:0.001~0.005m/s
・荷重:14N(平均ヘルツ圧0.24GPa)
・温度:室温(20~23℃)
(7)トラクション係数測定
トラクション係数測定は以下の条件で実施した。
・装置:ボールオンディスク型EHL試験機(トラクション測定モード)
・すべり率:5%
・ボール材質:JIS SUJ2
・ディスク材質:硬質ガラス製
・周速:0.004~0.05m/s
・荷重:14N(平均ヘルツ圧0.24GPa)
・温度:室温(20~23℃)
(8)摩擦係数測定
摩擦係数測定は以下の条件で実施した。
・装置:ボールオンディスク型往復動摩擦摩耗試験機
・ボール材質:JIS SUJ2
・ディスク材質:JIS SUJ2
・荷重:100N(1.45GPa)
・ストローク:1mm
・周波数:5Hz
・温度:50℃
(製造例1)
十分乾燥した1Lの三口フラスコに三方コックを取り付け、内部を窒素にて置換した後、室温にて、トルエン566g、1,1,4,7,10,10-ヘキサメチルトリエチレンテトラミン1.39g( 6.0mmol)、イソブチルビス(2 ,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノキシ)アルミニウムの0.45Mトルエン溶液13gを入れ、さらに、sec-ブチルリチウム5.5mmolを含有するシクロヘキサンとn-ヘキサンの混合溶液3.5gを加えた。続いてメタクリル酸メチル30gを加えた。反応液は、当初黄色に着色していたが、1時間攪拌後には無色となった。この時点で、分析用に反応液0.5gを少量のメタノールの入ったサンプリング用容器に採取した。該反応液のGC測定とGPC測定の結果、メタクリル酸メチルの転化率は100%であり、重量平均分子量(Mw)は8300であり、数平均分子量(Mn)は7600であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.10であった。続いてメタクリル酸ステアリル43質量%、および、メタクリル酸ラウリル57質量%を含む混合物を原料として70g加えた。反応液は、当初黄色に着色していたが、1時間攪拌後には無色となった。この時点で、分析用に反応液0.5gを少量のメタノールの入ったサンプリング用容器に採取した。該反応液のGC測定の結果、メタクリル酸アルキルエステル単量体であるメタクリル酸ステアリルの転化率は100%、メタクリル酸ラウリルの転化率は100%であった。得られた溶液に、室温で30%酢酸水3.6gを入れ、重合を停止させた。溶液を70℃で3時間加熱処理を行い、金属塩を析出させた。当該溶液を1晩静置した後、上澄みを回収し、メタクリル系ブロック共重合体の濃度が15質量%のトルエン溶液を得た。得られた反応液をメタノール5000 mLが入ったビーカーに注ぎ、沈澱物を得た。これを80℃にて24時間真空乾燥して、餅状の重合物90gを得た。得られたメタクリル系ブロック共重合体のGPC測定を行った結果、重量平均分子量(Mw)は21000であり、数平均分子量(Mn)は19300であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.09であった。
(製造例2)
十分乾燥した1Lの三口フラスコに三方コックを取り付け、内部を窒素にて置換した後、室温にて、トルエン566g、1,1,4,7,10,10-ヘキサメチルトリエチレンテトラミン1.39g(6.0mmol)、イソブチルビス(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノキシ)アルミニウムの0.45Mトルエン溶液13gを入れ、さらに、sec-ブチルリチウム5.5mmolを含有するシクロヘキサンとn-ヘキサンの混合溶液3.5gを加えた。続いてメタクリル酸メチル30質量%、メタクリル酸ステアリル30質量%、および、メタクリル酸ラウリル40質量%を含む混合物を原料として100g加えた。反応液は、当初黄色に着色していたが、1時間攪拌後には無色となった。この時点で、分析用に反応液0.5gを少量のメタノールの入ったサンプリング用容器に採取した。該反応液のGC測定とGPC測定の結果、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ステアリル、および、メタクリル酸ラウリルの転化率は、各々100%であった。得られた溶液に、室温で30%酢酸水3.6gを入れ、重合を停止させた。溶液を70℃で3時間加熱処理を行い、金属塩を析出させた。当該溶液を1晩静置した後、上澄みを回収し、メタクリル系ランダム共重合体の濃度が15質量%のトルエン溶液を得た。得られた反応液をメタノール5000 mLが入ったビーカーに注ぎ、沈澱物を得た。これを80℃にて24時間真空乾燥して、餅状の重合物90gを得た。得られたメタクリル系ランダム共重合体のGPC測定を行った結果、重量平均分子量(Mw)は18700であり、数平均分子量(Mn)は17000であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.10であった。
(製造例3)
メタクリル酸メチル100gを加えた以外は、製造例2と同様に実施した。反応液のGC測定の結果、メタクリル酸メチルの転化率は100%であった。得られたメタクリル系共重合体のGPC測定を行った結果、重量平均分子量(Mw)は20000であり、数平均分子量(Mn)は18500であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.08であった。
<実施例1>
製造例1で得られた樹脂とAPI分類のGrIII基油(YUBASE4)を混合して調整した潤滑油組成物について、前記の評価方法に従って評価した。結果を表1に示す。
<比較例1>
製造例2で得られた樹脂を使用した以外は実施例1と同様に潤滑油組成物を調整し、前記の評価方法に従って評価した。結果を表1に示す。
<比較例2>
API分類のGrI基油(溶剤精製鉱油)を使用した以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
<比較例3>
製造例3で得られた樹脂を使用した以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
<比較参考例>
API分類のGrIII基油(YUBASE4)をそのまま使用した。結果を表1に示す。
Figure 2023058049000001

Claims (6)

  1. メタクリル酸メチル重合体ブロック(A)と炭素数10~36のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル重合体ブロック(B)を含み、分子量分布(Mw/Mn)が1.01~1.60であるメタクリル系ブロック共重合体(C)からなる潤滑油添加剤。
  2. メタクリル系ブロック共重合体(C)におけるメタクリル酸メチル重合体ブロック(A)の質量比が1~50%である、請求項1に記載の潤滑油添加剤。
  3. メタクリル系ブロック共重合体(C)の重量平均分子量(Mw)が0.5万~50万である、請求項1又は2に記載の潤滑油添加剤。
  4. メタクリル系ブロック共重合体(C)が、アニオン重合法または原子異動ラジカル重合法により得られた重合体である、請求項1~3のいずれか1項に記載の潤滑油添加剤。
  5. メタクリル系ブロック共重合体(C)が、有機アルミニウム存在下での(リビング)アニオン重合法により得られた重合体である、請求項1~3のいずれか1項に記載の潤滑油添加剤。
  6. 請求項1~5のいずれかに記載の潤滑油添加剤とAPI群III、III+及びIVから選ばれる少なくとも1種の潤滑油基油(D)とを含む、潤滑油組成物。
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