JP2024061337A - 潤滑油用添加剤、潤滑油用摩擦低減剤、及び潤滑油組成物 - Google Patents

潤滑油用添加剤、潤滑油用摩擦低減剤、及び潤滑油組成物 Download PDF

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Yuka Murakami
一成 松村
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Abstract

【課題】摩擦低減効果に優れ、低粘度な潤滑油組成物が得られる潤滑油用添加剤、潤滑油用摩擦低減剤、及び潤滑油組成物を提供すること。【解決手段】特定の条件でGPECを測定した場合に、(ピークトップの高さ)/(ピークの面積)で表される値が0.10~0.50であり、質量平均分子量が1万~30万である(メタ)アクリル系グラフト共重合体を含む潤滑添加剤、潤滑油用摩擦低減剤、及び前記潤滑油用添加剤を含む潤滑油組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、潤滑油に使用される潤滑油用添加剤、潤滑油用摩擦低減剤、及び潤滑油組成物に関する。
自動車のエンジン油や駆動系油等に代表される潤滑油には、摩擦によるエネルギー損失の削減や、焼き付き防止による機器の長寿命化を目的として、各種摩擦摩低減剤が配合されている。近年の省燃費化を目的とした潤滑油の低粘度化を背景に、金属同士の接触面の負荷は過酷さを増しており、摩擦低減剤の役割は一層重要なものとなってきている。
摩擦低減剤としては、長鎖脂肪酸エステル及び脂肪酸アミド等の油性向上剤や、リン酸エステル及びジチオリン酸亜鉛等の摩耗防止剤、有機硫黄化合物及び有機ハロゲン化合物等の極圧剤、有機モリブデン化合物等の摩擦調整剤等の添加剤が挙げられるが、使用条件や使用環境によっては、これらの添加剤だけでは、摩擦低減効果が不十分となる課題があった。この課題を克服するために、摩擦低減剤としてポリマー材料を用いる検討が進められている。
例えば、特許文献1には、(メタ)アクリル系グラフト共重合体が摩擦調整剤として、好適に使用できることが開示されている。
特開2022-113676号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、摩擦の低減効果が不十分である。また、潤滑油組成物の粘度が高く、攪拌抵抗によるエネルギー損失が大きくなるため、省燃費性能が悪化する。
本発明の目的は、摩擦低減効果が高く、低粘度な潤滑油組成物が得られる潤滑油用添加剤、潤滑油用摩擦低減剤、及び潤滑油組成物を提供することにある。
本発明は以下の態様を有する。
[1]下記条件でGPECを測定したときの下記式(1)の値が0.10~0.50であり、質量平均分子量が1万~30万である(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aを含有する潤滑油用添加剤。
[(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aのピーク高さ]/[(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aのピーク面積]・・・・(1)
[GPEC測定条件]
高速液体クロマトグラフィーシステムにおいて、装置としてサーモフィッシャーサイエンティフィック社製 Ultimate3000、検出器としてサーモフィッシャーサイエンティフィック社製 Corona Veo RS、及び逆相カラムとして東ソー社製 TSKgel ODS-100V(内径4.6mm、長さ150mm、粒子径5μm)を用い、カラム温度を40℃とし、(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aを0.035質量%含有するTHF(ただし安定剤を含まない。)溶液を調製し、これをサンプルとして10μl注入し、移動相としてアセトニトリル/テトラヒドロフランの体積比が100/0から開始し、10分後に50/50、15分後に50/50、25分後に0/100、30分後に0/100となるようにグラジエントをかけ、流量を1.0ml/minとして測定を行う。
[2]前記(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aの前記式(1)の値が0.20~0.45である、[1]に記載の潤滑油用添加剤。
[3]前記(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aの質量平均分子量が1.5万~20万である、[1]または[2]のいずれかに記載の潤滑油用添加剤。
[4]前記(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aが、直鎖状または分岐状のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(a)由来の構成単位を含有する、[1]~[3]のいずれかに記載の潤滑油用添加剤。
[5]前記(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aが、ビニル系ラジカル重合性単量体(m1)由来の構成単位と、マクロモノマー(M)由来の構成単位を含む、[1]~[4]のいずれかに記載の潤滑油用添加剤。
[6]前記マクロモノマー(M)が、ビニル系ラジカル重合性単量体(m2)由来の構成単位を含む、[5]に記載の潤滑油用添加剤。
[7]前記マクロモノマー(M)が、下記式(2)の構造を有する、[5]または[6]のいずれかに記載の潤滑油用添加剤。
Figure 2024061337000001
(式中、X~Xn-1は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基又はCHOHを示し、Y~Yは、それぞれ独立して、前記マクロモノマー(M)の構成単位であるビニル系ラジカル重合性単量体(m2)のビニル基に結合するX~Xn-1以外の置換基を示す。Zは末端基を表し、nは2~10000の整数を表す。)
[8]潤滑油用摩擦低減剤である、[1]~[7]のいずれかに記載の潤滑油用添加剤。
[9][1]~[8]のいずれかに記載の潤滑油用添加剤を含む、潤滑油組成物。
本発明の目的は、摩擦低減効果が高く、低粘度な潤滑油組成物が得られる潤滑油用添加剤、潤滑油用摩擦低減剤、及び潤滑油組成物を提供できる。
実施例4のGPECの測定結果である。 実施例6のGPECの測定結果である。 比較例2のGPECの測定結果である。 比較例3のGPECの測定結果である。
以下、本発明を詳細に説明する。以下の実施の形態は、本発明を説明するための単なる例示であって、本発明をこの実施の形態にのみ限定することは意図されない。本発明は、その趣旨を逸脱しない限り、様々な態様で実施することが可能である。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル」は「アクリル」及び「メタクリル」の総称である。「(メタ)アクリレート」は「アクリレート」及び「メタクリレート」の総称である。「(メタ)アクリロイル基」は「アクリロイル基」及び「メタクリロイル基」の総称であり、CH=C(R)-C(=O)-(Rは水素原子又はメチル基)で表される基である。「マクロモノマー」とは、ラジカル重合性基又は付加反応性の官能基を有する重合物を意味する。「ビニル系ラジカル重合性単量体」とは、マクロモノマーではないエチレン性不飽和結合を有する単量体を意味する。
本発明の潤滑油用添加剤は、(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aを含む。
前記(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aは、構成単位の少なくとも一部が(メタ)アクリル系単量体由来の構成単位であるグラフト共重合体である。(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aは、(メタ)アクリル系単量体以外の単量体(たとえばスチレン等)由来の構成単位をさらに含んでいてもよい。
前記(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aは、主鎖ポリマー構造と、主鎖ポリマー構造(幹ポリマー構造)に化学結合する側鎖ポリマー構造(枝ポリマー構造)で構成されたグラフト共重合体である。
本明細書において、グラフト共重合体とは、主鎖ポリマー構造に、側鎖ポリマー構造として接続された1種以上のブロックを持つ高分子である。主鎖ポリマーと側鎖ポリマーの構造は、異なってもよいし、同じであってもよい。グラフト共重合体の製造方法としては特に限定されないが、末端にラジカル重合性二重結合を有するマクロモノマーを側鎖ポリマー構造として製造した後に、主鎖ポリマーの構成単位となるモノマーとラジカル重合する方法や、反応点を有する主鎖ポリマーと反応点を有するマクロモノマーを予め製造した後、それらを反応させる方法、主鎖ポリマーの製造後に水素引き抜き能を有する開始剤を使用して主鎖ポリマー上にラジカルを発生させ、側鎖ポリマーの構成単位となるモノマーを反応させて側鎖ポリマー構造を製造する方法等が挙げられる。
前記(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aは、以下の条件でGPECを測定した場合に、下記式(1)の値が0.10~0.50である。
[(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aのピーク高さ]/[(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aのピーク面積]・・・・(1)
[GPEC測定条件]
高速液体クロマトグラフィーシステムにおいて、装置としてサーモフィッシャーサイエンティフィック社製 Ultimate3000、検出器としてサーモフィッシャーサイエンティフィック社製 Corona Veo RS、及び逆相カラムとして東ソー社製 TSKgel ODS-100V(内径4.6mm、長さ150mm、粒子径5μm)を用い、カラム温度を40℃とし、(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aを0.035質量%含有するTHF(ただし安定剤を含まない。)溶液を調製し、これをサンプルとして10μl注入し、移動相としてアセトニトリル/テトラヒドロフランの体積比が100/0から開始し、10分後に50/50、15分後に50/50、25分後に0/100、30分後に0/100となるようにグラジエントをかけ、流量を1.0ml/minとして測定を行う。
本発明におけるGPEC(Gradient Polymer Elution Chromatography)とは、HPLC測定方法の1つであり、GPEC条件では分子量に依存せずに極性のみに依存して共重合体を分離できる。
「ピーク高さ」および「ピーク面積」は、JISK0124:2011高速液体クロマトグラフィー通則に定義されているものとする。「ピーク高さ」は、ピークの頂点の信号値からピーク頂点の保持時間と同一の保持時間におけるベースラインの信号値を差し引いたものを表す。また、「ピーク面積」は、ピークの始まりから終わりにわたってピークの信号値とベースラインの信号値の差を積分したものを表す。
摩擦低減効果を高くできる点から、前記式(1)の値が0.20~0.45であることが好ましい。
前記(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aは、直鎖状または分岐状のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(a)由来の構成単位を含有することが好ましい。
(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aの総質量に対して、(a)成分由来の構成単位の含有量は、70質量%以上、100質量%以下であることが好ましく、75質量%以上、100質量%以下であることがより好ましく、80質量%以上、100質量%以下であることがさらに好ましい。
前記(a)成分としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、n-ペンチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、n-ヘプチル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、n-ノニル(メタ)アクリレート、n-デシル(メタ)アクリレート、n-ウンデシル(メタ)アクリレート、n-ドデシル(メタ)アクリレート、n-トリデシル(メタ)アクリレート、n-テトラデシル(メタ)アクリレート、n-ペンタデシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、n-ヘプタデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート等の直鎖状のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート;i-プロピル(メタ)アクリレート、i-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、i-ノニル(メタ)アクリレート、i-デシル(メタ)アクリレート、i-ウンデシル(メタ)アクリレート、i-ドデシル(メタ)アクリレート、i-トリデシル(メタ)アクリレート、i-テトラデシル(メタ)アクリレート、i-ペンタデシル(メタ)アクリレート、i-ヘキサデシル(メタ)アクリレート、i-ヘプタデシル(メタ)アクリレート、i-オクタデシル(メタ)アクリレート、i-ドコシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の分岐状のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは2種以上を併用してもよい。
ベースオイルへの(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aの溶解性を高くできる点から、(a)成分としては、アルキル基の炭素数が1~20のアルキル(メタ)アクリレートが好ましく、アルキル基の炭素数が1~18のアルキル(メタ)アクリレートがより好ましく、アルキル基の炭素数が1~14のアルキル(メタ)アクリレートがさらに好ましい。
ベースオイルへの(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aの溶解性を高くできる点から、(a)成分は、アルキル基の炭素数が1~10のアルキル(メタ)アクリレート(a1)と、アルキル基の炭素数が11~30のアルキル(メタ)アクリレート(a2)とを含むことが好ましい。
アルキル基の炭素数が1~10のアルキル(メタ)アクリレート(a1)としては、アルキル基の炭素数が1~8のアルキル(メタ)アクリレートが好ましく、アルキル基の炭素数が1~6のアルキル(メタ)アクリレートがより好ましく、アルキル基の炭素数が1~4のアルキル(メタ)アクリレートがさらに好ましい。
(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aの総質量に対して、(a1)成分由来の構成単位の含有量は、45質量%以上であることが好ましく、48質量%以上であることがより好ましく、50質量%以上であることがさらに好ましい。(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aの総質量に対して、(a1)成分由来の構成単位の含有量は、75質量%以下であることが好ましく、70質量%以下であることがより好ましく、65質量%以下であることがさらに好ましい。
アルキル基の炭素数が11~30のアルキル(メタ)アクリレート(a2)としては、アルキル基の炭素数が12~25のアルキル(メタ)アクリレートが好ましく、アルキル基の炭素数が12~20のアルキル(メタ)アクリレートがより好ましく、アルキル基の炭素数が12~18のアルキル(メタ)アクリレートがさらに好ましい。
(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aの総質量に対して、(a2)成分由来の構成単位の含有量は、25質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましく、45質量%以上であることがさらに好ましい。(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aの総質量に対して、(a2)成分由来の構成単位の含有量は、55質量%以下であることが好ましく、52質量%以下であることがより好ましく、50質量%以下であることがさらに好ましい。
前記(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aは、(a)成分以外のその他のラジカル重合性ビニル系化合物(以下、「(b)成分」ともいう。)由来の構成単位を含有しても良い。その他のラジカル重合性ビニル系化合物としては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、p-t-ブチルスチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、並びに(a)成分以外の(メタ)アクリレート化合物が挙げられる。
(a)成分以外の(メタ)アクリレート化合物としては、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテノキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート等の環状のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート;2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸、コハク酸2-(メタ)アクリロイルオキシエチル、マレイン酸2-(メタ)アクリロイルオキシエチル、フタル酸2-(メタ)アクリロイルオキシエチル、ヘキサヒドロフタル酸2-(メタ)アクリロイルオキシエチル等のカルボキシ基を含有する(メタ)アクリレート;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ビフェニル(メタ)アクリレート、フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシベンジル(メタ)アクリレート、フェニルベンジル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、(1-ナフチル)メチル(メタ)アクリレート等の芳香環構造を有する(メタ)アクリレート;テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルフォリン等のヘテロ環構造を有する(メタ)アクリレート;メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;3-(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、(メタ)アクリル酸2-(ホスホノオキシ)エチル、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。これらは2種以上を併用してもよい。
摩擦低減効果を高くできる点から、(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aの総質量に対して、(b)成分由来の構成単位の含有量は、0~30質量%であることが好ましく、0~25質量%であることより好ましく、0~20質量%であることがさらに好ましい。
前記(a)および(b)成分由来の構成単位の合計量は前記(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aの総質量に対して、100質量%を超えない。
前記(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aは、ビニル系ラジカル重合性単量体(m1)(以下、「(m1)成分」ともいう。)由来の構成単位と、マクロモノマー(M)(以下、「(M)成分」ともいう。)由来の構成単位と、を含んでもよい。
前記(m1)成分としては、スチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、n-ペンチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、n-ヘプチル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、n-ノニル(メタ)アクリレート、n-デシル(メタ)アクリレート、n-ウンデシル(メタ)アクリレート、n-ドデシル(メタ)アクリレート、n-トリデシル(メタ)アクリレート、n-テトラデシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート等の直鎖状のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート;i-プロピル(メタ)アクリレート、i-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、s-ブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、i-ノニル(メタ)アクリレート、i-デシル(メタ)アクリレート、3-i-プロピルヘプチル(メタ)アクリレート、i-ウンデシル(メタ)アクリレート、2-t-ブチルヘプチル(メタ)アクリレート、i-ドデシル(メタ)アクリレート、i-トリデシル(メタ)アクリレート、i-テトラデシル(メタ)アクリレート、i-ドコシル(メタ)アクリレート等の分岐状のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート;シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテノキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート等の環状のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート;2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の水酸基を有するアルキル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸、コハク酸2-(メタ)アクリロイルオキシエチル、マレイン酸2-(メタ)アクリロイルオキシエチル、フタル酸2-(メタ)アクリロイルオキシエチル、ヘキサヒドロフタル酸2-(メタ)アクリロイルオキシエチル等のカルボキシ基を含有するアルキル(メタ)アクリレート;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ビフェニル(メタ)アクリレート、フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシベンジル(メタ)アクリレート、フェニルベンジル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、(1-ナフチル)メチル(メタ)アクリレート等の芳香環構造を有するアルキル(メタ)アクリレート;テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルフォリン等のヘテロ環構造を有するアルキル(メタ)アクリレート;メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;アリル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、3-(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、(メタ)アクリル酸2-(ホスホノオキシ)エチル、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。これらは2種以上を併用してもよい。
ラジカル重合性に優れる点から(m1)成分として、(メタ)アクリレート化合物を含有することが好ましい。
摩擦低減効果を高くできる点から、(m1)成分として、アルキル基の炭素数が1~20のアルキル(メタ)アクリレートを含有することが好ましく、アルキル基の炭素数が1~20のアルキルアクリレートがより好ましく、アルキル基の炭素数が2~18のアルキルアクリレートが特に好ましく、アルキル基の炭素数が4~14のアルキルアクリレートが特に好ましい。
前記(M)成分は、ラジカル重合性基および繰り返し構造を有する化合物であれば特に限定はされず、例えば、ポリイソブチレンや水素化ポリブタジエンの末端をビニル系ラジカル重合性基で変性した化合物や、ビニル系ラジカル重合性基を有する単量体(m2)(以下、「(m2)成分」ともいう。)由来の構成単位を2以上含み、末端にラジカル重合性基を有する化合物等が挙げられる。ベースオイルへの溶解性に対する設計度の高さから、(m2)成分の構成単位を2以上含み、末端にラジカル重合性基を有する化合物であることが好ましい。マクロモノマー(M)は2種以上を併用してもよい。
(m2)成分としては、前記(m1)成分として挙げた化合物が挙げられる。ラジカル重合性に優れる点から(m2)成分として、(メタ)アクリレート化合物を含有することが好ましい。また、ベースオイルへの(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aの溶解性を高くできる点から、(m2)成分として、アルキル基の炭素数が1~20のアルキル(メタ)アクリレートを含有することが好ましく、アルキル基の炭素数が1~20のアルキルメタクリレートがより好ましく、アルキル基の炭素数が2~18のアルキルメタクリレートが特に好ましく、アルキル基の炭素数が4~14のアルキルメタクリレートが特に好ましい。(m2)成分としては、前記(a)成分を含有することが好ましく、前記(a1)成分及び前記(a2)成分を含むことがより好ましい。
さらに前記(M)成分は、ラジカル重合性の点から、以下の式(2)で示される構造を有することが好ましい。
Figure 2024061337000002
(式中、X~Xn-1は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基又はCHOHを示し、Y~Yは、それぞれ独立して、前記マクロモノマー(M)のモノマー構成単位であるビニル系ラジカル重合性単量体(m2)のビニル基に結合するX~Xn-1以外の置換基を示す。Zは末端基を表し、nは2~10000の整数を表す。)
~Xn-1及びY~Yは、それぞれ独立して、(m2)成分のビニル基に結合する置換基である。Y~Yは、例えば、OR、ハロゲン原子、COR、COOR、CN、CONR、NHCOR、又はRを示し、R~Rはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基等を示す。
なお末端基のZは、公知のラジカル重合で得られるポリマーの末端基と同様に、水素原子およびラジカル重合開始剤に由来する基が挙げられる。
また、ベースオイルへの(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aの溶解性を高くできる点および、摩擦低減効果を高くできる点から、(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aの総質量に対して、前記(M)成分由来の構成単位の含有量は、1~70質量%が好ましく、2~60質量%がより好ましく、5~50質量%がさらに好ましい。
ベースオイルへの(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aの溶解性を高くできる点から、(M)成分の総質量に対して、前記(a2)成分由来の構成単位を50質量%以上含有することが好ましく、60質量%以上含有することがより好ましく、70質量%以上含有することがさらに好ましく、80質量%以上含有することが特に好ましい。
ベースオイルへの(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aの溶解性を高くできる点から、(M)成分の総質量に対して、前記(a1)成分由来の構成単位を50質量%以下含有することが好ましく、40質量%以下含有することがより好ましく、30質量%以下含有することがさらに好ましく、20質量%以下含有することが特に好ましい。
ベースオイルへの(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aの溶解性を高くできる点および、摩擦低減効果を高くできる点から、前記マクロモノマー(M)のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した質量平均分子量(Mw)は、1000以上50000以下が好ましく、2000以上40000以下であることがより好ましく、3000以上30000以下であることがさらに好ましい。
ベースオイルへの(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aの溶解性を高くできる点および、摩擦低減効果を高くできる点から、前記(M)成分のゲル浸透クロマトグラフィーで測定した数平均分子量(Mn)は、500~30000が好ましく、1000~25000がより好ましく、2000~20000が特に好ましい。
ベースオイルへの(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aの溶解性を高くできる点および、摩擦低減効果を高くできる点から、前記マクロモノマー(M)のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した分子量分布(Mw/Mn)は、1.0以上10以下が好ましく、1.2以上8以下であることがより好ましく、1.5以上5以下であることがさらに好ましい。
前記(M)成分は、公知の方法で製造したものを用いてもよく、市販のものを用いてもよい。前記(M)成分の製造方法としては、例えば、コバルト連鎖移動剤を用いて製造する方法(米国特許第4680352号明細書)、α-ブロモメチルスチレン等のα置換不飽和化合物を連鎖移動剤として用いる方法(国際公開88/04304号)、重合性基を化学的に結合させる方法(特開昭60-133007号公報および米国特許第5147952号明細書)及び熱分解による方法(特開平11-240854号公報)が挙げられる。
製造工程数が少なく、連鎖移動定数の高い触媒を使用する点でコバルト連鎖移動剤を用いて製造する方法が好ましい。コバルト連鎖移動剤は連鎖移動定数が高いため、少量の添加で分子量が制御されたマクロモノマーを得ることができる。
コバルト連鎖移動剤としては、公知のコバルト錯体が使用できる。前記コバルト連鎖移動剤の量は、前記(m2)成分100質量部に対して、0.00001~0.1質量部が好ましく、0.00005~0.05質量部であることがより好ましく、0.0001~0.02質量部であることが特に好ましい。
また本発明の潤滑油用添加剤に含まれる(メタ)アクリル系グラフト共重合体AのGPCで測定した質量平均分子量(Mw)は、10000以上300000以下である。ベースオイルへの(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aの溶解性を高くできる点および、摩擦低減効果を高くできる点から、12000以上250000以下が好ましく、15000以上200000以下であることがより好ましく、17000以上150000以下であることがさらに好ましく、20000以上100000以下であることが特に好ましい。
また本発明の潤滑油用添加剤に含まれる(メタ)アクリル系共重合体Aのゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した数平均分子量(Mn)は、ベースオイルへの(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aの溶解性を高くできる点および、摩擦低減効果を高くできる点から、5000以上150000以下が好ましく、8000以上100000以下であることがより好ましく、10000以上80000以下であることがさらに好ましく、15000以上50000以下が特に好ましい。
また本発明の潤滑油用添加剤に含まれる(メタ)アクリル系共重合体Aのゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した分子量分布(Mw/Mn)は、ベースオイルへの(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aの溶解性を高くできる点および、摩擦低減効果を高くできる点から、1.0以上30以下が好ましく、2.0以上25以下であることがより好ましく、3.0以上10以下であることがさらに好ましい。
次に本発明の潤滑油用添加剤の製造方法の一例を示す。
本発明の潤滑油用添加剤は、ベースオイル中で、前記(m1)成分、前記(M)成分を含む単量体混合物を、公知の方法で重合することで製造できる。また、重合は公知の条件で行えばよいが、重合時の発熱抑制効果に特に優れることから、連鎖移動剤としてα-メチルスチレンダイマーを用いることが好ましい。
前記ベースオイルとしては、特に限定はされないが、SKルブリカンツ社製のYUBASE3等のAPI規格GroupIIIのベースオイル、SKルブリカンツ社製のYUBASE4等のAPI規格GroupIIIプラスのベースオイル、ポリアルファオレフィン等のAPI規格GroupIVのベースオイル等が挙げられる。
また、前記(M)成分は、前記ベースオイル中で、コバルト連鎖移動剤を用いて、ビニル系ラジカル重合性単量体を含む単量体混合物を重合したマクロモノマーが好ましい。コバルト連鎖移動剤は連鎖移動定数が高いため、少量の添加で分子量が制御されたマクロモノマーを得ることができる。
本発明の(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aを含む潤滑油用添加剤は、自動車や船舶等のモビリティや、産業機械、ロボット等で使用される、エンジン油、駆動系油(ギヤ油、変速機油)、作動油、金属加工油等に配合される潤滑油用添加剤として使用できる。
潤滑油用添加剤としては、例えば、油性向上剤、極圧剤、摩耗防止剤、摩擦調整剤等の摩擦低減効果を目的とした摩擦低減剤や、酸化防止剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、清浄分散剤、腐食防止剤、さび止め剤、消泡剤、乳化剤、防かび剤、抗乳化剤等が挙げられる。
本発明の潤滑油用添加剤は、摩擦低減効果に優れるため、潤滑油用摩擦低減剤として使用することが特に好ましい。
前記潤滑油のベースオイルとしては、原油から精製された鉱物系基油や、化学的に合成された合成油が挙げられ、例えば、SKルブリカンツ社製のYUBASE3等のAPI規格GroupIIIのベースオイル、SKルブリカンツ社製のYUBASE4等のAPI規格GroupIIIプラスのベースオイル、ポリアルファオレフィン等のAPI規格GroupIVのベースオイル等が挙げられる。
本発明の潤滑油組成物は、本発明の潤滑油用添加剤をベースオイルに配合したものである。本発明の潤滑油組成物は、本発明の潤滑油用添加剤以外の、他の添加剤を含有していてもよい。他の添加剤としては、酸化防止剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、清浄分散剤、腐食防止剤、さび止め剤、消泡剤、乳化剤、防かび剤、抗乳化剤等が挙げられる。また、本発明以外の摩擦低減剤として、長鎖脂肪酸エステル及び脂肪酸アミド等の油性向上剤や、リン酸エステル及びジチオリン酸亜鉛等の摩耗防止剤、有機硫黄化合物及び有機ハロゲン化合物等の極圧剤、有機モリブデン化合物等の摩擦調整剤等を含有してもよい。
また、本発明の潤滑油組成物は、増ちょう剤を含有したグリースであってもよい。増ちょう剤としては、例えば、石けん系(リチウム石けん、カルシウム石けん、ナトリウム石けん、アルミニウム石けん等)や、無機物系(ベントナイト、シリカゲル等)、有機物系(ポリウレア、ポリウレタン等)等が挙げられる。
前記潤滑油組成物に含まれる本発明の潤滑油用添加剤の含有量は、潤滑油組成物100質量%に対して、0.01~30質量%が好ましく、0.05~25質量%がより好ましく、0.1~20質量%がさらに好ましい。潤滑油用添加剤の含有量を0.01質量%以上とすることで摩擦低減効果を高くできる。30質量%以下とすることで、潤滑油組成物の粘度を低くできる。
実施例に記載の方法で測定される40℃の動粘度は、22.50cSt以下であることが好ましく、22.30cSt以下であることがより好ましく、22.10cSt以下であることがさらに好ましく、22.00cSt以下であることが特に好ましい。
実施例に記載の方法で測定される潤滑油組成物の40℃の摩擦係数は、0.133以下であることが好ましく、0.130以下であることがより好ましく、0.125以下であることがさらに好ましい。
以下、本発明を実施例及び比較例によりさらに詳しく説明する。なお、実施例中の「部」は「質量部」を表す。また、表1~3中、各単量体に由来する構成単位の含有量を質量%で示す。各構成単位の含有量は、重合反応において使用した単量体の総質量に対する、単量体の質量から算出した。以下の方法によって評価した。
<マクロモノマー(M)の分子量>
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)(東ソー株式会社製 HLC-8320)を用いて測定した。マクロモノマー(M)のテトラヒドロフラン溶液0.2質量%を調製後、東ソー株式会社製カラム[TSKgel SuperHZM-M(内径4.6mm、長さ15cm)、HZM-M(内径4.6mm、長さ15cm)、HZ-2000(内径4.6mm、長さ15cm)、及びTSKguardcolumn SuperHZ-L(内径4.6mm、長さ3.5cm)]がこの順で装着された装置に上記の溶液10μlを注入し、流量:0.35ml/分、溶離液:テトラヒドロフラン(安定剤BHT)、カラム温度:40℃の条件で測定し、標準ポリスチレン換算にて質量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、及び分子量分布(Mw/Mn)を算出した。
<(メタ)アクリル系グラフト共重合体A、及び(メタ)アクリル系共重合体の分子量>
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)(東ソー株式会社製 HLC-8320)を用いて測定した。(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aまたは(メタ)アクリル系共重合体のテトラヒドロフラン溶液0.2質量%を調製後、東ソー社製カラム[TSKgelSuperHZM-H 2本(内径6.0mm、長さ15cm)、及びTSKguardcolumn SuperHZ-H(内径4.6mm、長さ3.5cm)]がこの順で装着された装置に上記の溶液10μlを注入し、流量0.5ml/分、溶離液:テトラヒドロフラン(安定剤BHT)、カラム温度:40℃の条件で測定し、標準ポリスチレン換算にて質量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、及び分子量分布(Mw/Mn)を算出した。
<GPECによる測定>
得られた(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aまたは(メタ)アクリル系共重合体を35質量%含有するYUBASE4溶液をテトラヒドロフラン(安定剤不含)で0.1質量%に希釈し、(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aまたは(メタ)アクリル系共重合体を0.035質量%含有する測定サンプルとした。得られたサンプルを室温で一晩静置した後、PTFE製の0.2μmフィルターでろ過し、以下の条件で測定した。
・装置:サーモフィッシャーサイエンティフィック社製 Ultimate3000。
・検出器:サーモフィッシャーサイエンティフィック社製Corona Veo RS。
・カラム:TSKgel ODS-100V(内径4.6mm、長さ150mm、粒子径5μm)。
・カラム温度:40℃。
・移動相:アセトニトリル/テトラヒドロフラン=100/0(0min)→50/50(10min)→50/50(15min)→0/100(25min)→0/100(30min)。
・流量:1.0ml/min。
・サンプル注入量:10μl。
得られたGPECの測定結果に基づき、分析用ソフトウェア(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製、商品名:Chromeleon7.2)を用いて(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aのピーク高さ(単位:pA)、及び(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aのピーク面積(単位:pA×分)を算出し、得られた値から下記式(1)の値を算出した。なお、ベースラインは、共重合体由来成分の溶出開始時をベーススタート、溶出終了時をベースエンドとして直線を引いた範囲とし、ピーク頂点はベースラインを引いた範囲内で最もピーク高さが高い地点とした。
[(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aのピーク高さ]/[(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aのピーク面積]・・・・(1)
<40℃の動粘度>
得られた(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aまたは(メタ)アクリル系共重合体を2質量%含有するYUBASE4溶液を調製し、ASTM D7279(D445)法に準拠し、全自動簡易動粘度計(Cannon社製、商品名:Simple-VIS型)を用いて、40℃における動粘度を評価した。
<40℃の摩擦係数>
得られた(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aまたは(メタ)アクリル系共重合体を2質量%含有するYUBASE4溶液を調製し、SRV5試験機(Optimol Instruments Pruftechnik GmbH社製)を用いて、40℃における摩擦係数を測定した。測定条件は以下の通りとし、測定開始60分後の摩擦係数を評価した。
・試験方法:ボールオンディスク(ボールの直径:10mm、ボールとディスクの材質:SUJ2)
・試験モード:往復(50Hz、ストローク1mm)
・荷重:200N
[製造例1]
(Co錯体(コバルト連鎖移動剤)の合成)
撹拌装置を備えた合成装置中に、窒素雰囲気下で、酢酸コバルト(II)四水和物(和光純薬社製、和光特級)2.00g(8.03mmol)及びジフェニルグリオキシム(東京化成社製、EPグレード)3.86g(16.1mmol)及び予め窒素バブリングにより脱酸素したジエチルエーテル100mlを入れ、25℃で2時間撹拌した。
次いで、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(東京化成社製、EPグレード)20mlを加え、更に6時間撹拌した。得られたものを濾過し、固体をジエチルエーテルで洗浄し、100MPa以下で、20℃において12時間乾燥し、茶褐色固体のCo錯体5.02g(7.93mmol、収率99質量%)を得た。
[製造例2]
(マクロモノマーM1の合成)
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を58部、アクリエステルSL(三菱ケミカル社製、商品名:アクリエステルSL、アルキル基の炭素数が12であるアルキルメタクリレートと、アルキル基の炭素数が13であるアルキルメタクリレートの混合物)を98部、メチルメタクリレート(MMA)を2部、製造例1で作製したCo錯体を0.005部加え、液温を40℃に昇温し攪拌しながら窒素を2時間バブリングして溶存酸素を除いた。YUBASE4(2部)と重合開始剤であるt-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート(アルケマ吉富社製、商品名:ルペロックス26)0.1部からなる混合液を投入して液温を90℃に昇温し、2.5時間攪拌した後、YUBASE4(10部)とルペロックス26(0.7部)からなる混合液を1時間かけて滴下した。滴下後105℃に昇温し、1.5時間保持した後、YUBASE4を20部添加して冷却し、マクロモノマーM1を52.6質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られたマクロモノマーM1のGPCの結果を表1に示す。
[製造例3]
(マクロモノマーM2の合成)
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を58部、アクリエステルSLを98部、MMAを2部、製造例1で作製したCo錯体を0.005部加え、液温を40℃に昇温し攪拌しながら窒素を2時間バブリングして溶存酸素を除いた。YUBASE4(2部)と重合開始剤としてt-アミルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート(アルケマ吉富社製、商品名:ルペロックス575)0.1部からなる混合液を投入して液温を90℃に昇温し、2.5時間攪拌した後、YUBASE4(10部)とルペロックス26(0.7部)からなる混合液を1時間かけて滴下した。滴下後105℃に昇温し、1.5時間保持した後、YUBASE4を20部添加して冷却し、マクロモノマーM2を52.6質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られたマクロモノマーM2のGPCの結果を表1に示す。
[製造例4]
(マクロモノマーM3の合成)
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を58部、n-ステアリルメタクリレート(共栄社化学社製、商品名:ライトエステルS)を98部、メチルメタクリレート(MMA)を2部、製造例1で作製したCo錯体を0.005部加え、液温を40℃に昇温し攪拌しながら窒素を2時間バブリングして溶存酸素を除いた。YUBASE4(2部)と重合開始剤であるルペロックス26(0.2部)からなる混合液を投入して液温を90℃に昇温し、2.5時間攪拌した後、YUBASE4(10部)とルペロックス26(0.7部)からなる混合液を1時間かけて滴下した。滴下後105℃に昇温し、1.5時間保持した後、YUBASE4を20部添加して冷却し、マクロモノマーM4を52.6質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られたマクロモノマーM3のGPCの結果を表1に示す。
<実施例1>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を50部、製造例2で得られたマクロモノマーM1のYUBASE4溶液を47.6部、n-ブチルアクリレート(三菱ケミカル社製)を56部、ラウリルアクリレート(大阪有機化学社製、商品名:LA)を19部、重合開始剤としてルペロックス26を0.03部、連鎖移動剤としてα-メチルスチレンダイマー(日油社製、商品名:ノフマーMSD)を0.2部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、3.5時間保持した後にYUBASE4(42部)とルペロックス26(0.015部)からなる混合液を2時間かけて滴下した。さらに、85℃で1時間保持した後、YUBASE4(30部)と1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート(日油社製、商品名:パーオクタO)(0.5部)からなる混合液を1時間かけて滴下した。その後110℃に昇温して1時間保持した後、YUBASE4を41.1部添加して冷却し、(メタ)アクリルグラフト系共重合体Aを35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた潤滑油用摩擦低減剤の評価結果を表2に示す。表2~3中、モノマー組成は、マクロモノマー(M)中の構成単位も含む。
<実施例2>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を50部、製造例2で得られたマクロモノマーM1のYUBASE4溶液を47.6部、n-ブチルアクリレートを56部、ラウリルアクリレートを19部、重合開始剤としてルペロックス26を0.03部、連鎖移動剤としてα-メチルスチレンダイマーを0.4部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、3.5時間保持した後にYUBASE4(42部)とルペロックス26(0.015部)からなる混合液を2時間かけて滴下した。さらに、85℃で1時間保持した後、YUBASE4(30部)とパーオクタO(0.5部)からなる混合液を1時間かけて滴下した。その後110℃に昇温して1時間保持した後、YUBASE4を41.1部添加して冷却し、(メタ)アクリルグラフト系共重合体Aを35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aの評価結果を表2に示す。
<実施例3>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を30部、製造例2で得られたマクロモノマーM1のYUBASE4溶液を47.6部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、YUBASE4を25部、n-ブチルアクリレートを56部、ラウリルアクリレートを19部、重合開始剤としてルペロックス575を0.1部、連鎖移動剤としてノフマーMSD(0.9部)からなる混合液を4時間かけて滴下した。85℃で1時間保持した後にYUBASE4(50部)とルペロックス575(0.5部)の混合液を1.5時間かけて滴下した。110℃に昇温して1時間保持した後、YUBASE4(58.1部)を添加して冷却し、(メタ)アクリルグラフト系共重合体Aを35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aの評価結果を表2に示す。
<実施例4>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を30部、製造例3で得られたマクロモノマーM2のYUBASE4溶液を47.6部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、YUBASE4を25部、n-ブチルアクリレートを56部、ラウリルアクリレートを19部、重合開始剤としてルペロックス575を0.1部、連鎖移動剤としてノフマーMSD(0.9部)からなる混合液を4時間かけて滴下した。85℃で1時間保持した後にYUBASE4(50部)とルペロックス575(0.5部)の混合液を1.5時間かけて滴下した。110℃に昇温して1時間保持した後、YUBASE4(58.1部)を添加して冷却し、(メタ)アクリルグラフト系共重合体Aを35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aの評価結果を表2に示す。
図1は、実施例4のGPECの測定結果である。図1中、YUBASE4のピーク1、及び(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aのピーク2が示されている。低極性の移動相により溶解しやすいYUBASE4のピーク1の方が、(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aのピーク2よりも早い保持時間において検出される。「ピーク高さ」および「ピーク面積」は、JISK0124:2011高速液体クロマトグラフィー通則に定義されている通りとした。具体的には、「ピーク高さ」は、ピークの頂点の信号値からピーク頂点の保持時間と同一の保持時間におけるベースラインの信号値を差し引いたものとし、「ピーク面積」は、ピークの始まりから終わりにわたってピークの信号値とベースラインの信号値の差を積分したものとした。
<実施例5>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を40部、製造例3で得られたマクロモノマーM2のYUBASE4溶液を66.7部、n-ブチルアクリレートを49部、ラウリルアクリレートを16部、重合開始剤としてルペロックス26を0.03部、連鎖移動剤としてα-メチルスチレンダイマーを0.7部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、3.5時間保持した後にYUBASE4(42部)とルペロックス26(0.015部)からなる混合液を2時間かけて滴下した。さらに、85℃で1時間保持した後、YUBASE4(30部)とパーオクタO(0.5部)からなる混合液を1時間かけて滴下した。その後110℃に昇温して1時間保持した後、YUBASE4を42部添加して冷却し、(メタ)アクリル系グラフト共重合体を35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aの評価結果を表2に示す。
<実施例6>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を30部、製造例3で得られたマクロモノマーM2のYUBASE4溶液を95.2部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、YUBASE4を25部、n-ブチルアクリレートを50部、重合開始剤としてルペロックス575を0.1部、連鎖移動剤としてノフマーMSD(0.9部)からなる混合液を4時間かけて滴下した。85℃で1時間保持した後にYUBASE4(50部)とルペロックス575(0.5部)の混合液を1.5時間かけて滴下した。110℃に昇温して1時間保持した後、YUBASE4(35.4部)を添加して冷却し、(メタ)アクリルグラフト系共重合体Aを35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aの評価結果を表2に示す。
<実施例7>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を50部、製造例2で得られたマクロモノマーM1のYUBASE4溶液を47.6部、n-ブチルアクリレートを45部、ラウリルアクリレートを30部、重合開始剤としてルペロックス26を0.03部、連鎖移動剤としてα-メチルスチレンダイマーを0.9部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、3.5時間保持した後にYUBASE4(42部)とルペロックス26(0.015部)からなる混合液を2時間かけて滴下した。さらに、85℃で1時間保持した後、YUBASE4(30部)とパーオクタO(0.5部)からなる混合液を1時間かけて滴下した。その後110℃に昇温して1時間保持した後、YUBASE4を41.1部添加して冷却し、(メタ)アクリルグラフト系共重合体Aを35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aの評価結果を表2に示す。
<実施例8>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を50部、製造例4で得られたマクロモノマーM3のYUBASE4溶液を47.6部、n-ブチルアクリレートを56部、ラウリルアクリレートを19部、重合開始剤としてルペロックス26を0.03部、連鎖移動剤としてα-メチルスチレンダイマーを0.9部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、3.5時間保持した後にYUBASE4(42部)とルペロックス26(0.015部)からなる混合液を2時間かけて滴下した。さらに、85℃で1時間保持した後、YUBASE4(30部)とパーオクタO(0.5部)からなる混合液を1時間かけて滴下した。その後110℃に昇温して1時間保持した後、YUBASE4を41.1部添加して冷却し、(メタ)アクリルグラフト系共重合体Aを35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aの評価結果を表2に示す。
<実施例9>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を6.9部、製造例2で得られたマクロモノマーM1のYUBASE4溶液を47.6部、アクリエステルB(三菱ケミカル社製、商品名:アクリエステルB、n-ブチルメタクリレート)を56部、ラウリルアクリレートを19部、重合開始剤としてルペロックス26を0.15部、連鎖移動剤としてα-メチルスチレンダイマーを0.025部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、3.5時間保持した後にYUBASE4(42部)とルペロックス26(0.015部)からなる混合液を2時間かけて滴下した。さらに、85℃で1時間保持した後、YUBASE4(67.5部)とパーオクタO(0.5部)からなる混合液を1時間かけて滴下した。その後110℃に昇温して1時間保持した後、YUBASE4を46.7部添加して冷却し、(メタ)アクリルグラフト系共重合体Aを35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aの評価結果を表2に示す。
<比較例1>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を50部、製造例2で得られたマクロモノマーM1のYUBASE4溶液を47.6部、n-ブチルアクリレートを56部、ラウリルアクリレートを19部、重合開始剤としてルペロックス26を0.03部、連鎖移動剤としてα-メチルスチレンダイマーを0.1部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、3.5時間保持した後にYUBASE4(42部)とルペロックス26(0.015部)からなる混合液を2時間かけて滴下した。さらに、85℃で1時間保持した後、YUBASE4(30部)と1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート(日油社製、商品名:パーオクタO)(0.5部)からなる混合液を1時間かけて滴下した。その後110℃に昇温して1時間保持した後、YUBASE4を41.1部添加して冷却し、(メタ)アクリル系共重合体を35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた(メタ)アクリル系共重合体の評価結果を表3に示す。
<比較例2>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を30部、製造例2で得られたマクロモノマーM1のYUBASE4溶液を47.6部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、YUBASE4を25部、n-ブチルアクリレートを13部、ラウリルアクリレートを62部、重合開始剤としてルペロックス575を0.1部、連鎖移動剤としてノフマーMSD(0.9部)からなる混合液を4時間かけて滴下した。85℃で1時間保持した後にYUBASE4(50部)とルペロックス575(0.5部)の混合液を1.5時間かけて滴下した。110℃に昇温して1時間保持した後、YUBASE4(58.1部)を添加して冷却し、(メタ)アクリル系共重合体を35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた(メタ)アクリル系共重合体の評価結果を表3に示す。
<比較例3>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を72.6部、n-ブチルアクリレートを45部、ラウリルアクリレートを30部、アクリエステルSLを24.5部、MMAを0.5部、重合開始剤としてルペロックス26を0.03部、連鎖移動剤としてα-メチルスチレンダイマーを0.15部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、3.5時間保持した後にYUBASE4(42部)とルペロックス26(0.015部)からなる混合液を2時間かけて滴下した。さらに、85℃で1時間保持した後、YUBASE4(60部)と1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート(日油社製、商品名:パーオクタO)(0.5部)からなる混合液を1時間かけて滴下した。その後110℃に昇温して1時間保持した後、YUBASE4を11.1部添加して冷却し、(メタ)アクリル系共重合体を35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた(メタ)アクリル系共重合体の評価結果を表3に示す。
<比較例4>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を6.9部、製造例2で得られたマクロモノマーM1のYUBASE4溶液を47.6部、アクリエステルBを35部、ラウリルアクリレートを40部、重合開始剤としてルペロックス26を0.15部、連鎖移動剤としてα-メチルスチレンダイマーを0.025部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、3.5時間保持した後にYUBASE4(42部)とルペロックス26(0.015部)からなる混合液を2時間かけて滴下した。さらに、85℃で1時間保持した後、YUBASE4(67.5部)とパーオクタO(0.5部)からなる混合液を1時間かけて滴下した。その後110℃に昇温して1時間保持した後、YUBASE4を46.7部添加して冷却し、(メタ)アクリル系共重合体を35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた(メタ)アクリル系共重合体の評価結果を表3に示す。
<比較例5>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を30部、製造例2で得られたマクロモノマーM1のYUBASE4溶液を47.6部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、YUBASE4を25部、n-ブチルアクリレートを20部、ラウリルアクリレートを55部、重合開始剤としてルペロックス575を0.1部、連鎖移動剤としてノフマーMSD(0.4部)からなる混合液を4時間かけて滴下した。85℃で1時間保持した後にYUBASE4(50部)とルペロックス575(0.5部)の混合液を1.5時間かけて滴下した。110℃に昇温して1時間保持した後、YUBASE4(58.1部)を添加して冷却し、(メタ)アクリル系共重合体を35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた(メタ)アクリル系共重合体の評価結果を表3に示す。
<比較例6>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を30部、製造例2で得られたマクロモノマーM1のYUBASE4溶液を47.6部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、YUBASE4を25部、n-ブチルアクリレートを30部、ラウリルアクリレートを45部、重合開始剤としてルペロックス575を0.1部、連鎖移動剤としてノフマーMSD(0.4部)からなる混合液を4時間かけて滴下した。85℃で1時間保持した後にYUBASE4(50部)とルペロックス575(0.5部)の混合液を1.5時間かけて滴下した。110℃に昇温して1時間保持した後、YUBASE4(58.1部)を添加して冷却し、(メタ)アクリル系共重合体を35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた(メタ)アクリル系共重合体の評価結果を表3に示す。
Figure 2024061337000003
Figure 2024061337000004
Figure 2024061337000005
表1~3中の略語は下記の通りである。
・SLMA:アルキル基の炭素数が12であるアルキルメタクリレートと、アルキル基の炭素数が13であるアルキルメタクリレートの混合物(三菱ケミカル社製、商品名:アクリエステルSL)
・SMA:n-ステアリルメタクリレート(共栄社化学社製、商品名:ライトエステルS)
・MMA:メチルメタクリレート(三菱ケミカル社製、商品名:アクリエステルM)
・M1:製造例2で合成したマクロモノマー
・M2:製造例3で合成したマクロモノマー
・M3:製造例4で合成したマクロモノマー
・BA:n-ブチルアクリレート(三菱ケミカル社製)
・BMA:n-ブチルメタクリレート(三菱ケミカル社製、商品名:アクリエステルB)
・LA:ラウリルアクリレート(大阪有機化学工業社製、商品名:LA)
表2~3から明らかなように、各実施例で得られた(メタ)アクリルグラフト系共重合体Aは、動粘度が低く、かつ摩擦係数の低減効果が高かった。一方、各比較例で得られた(メタ)アクリル系共重合体は、動粘度が高く、摩擦係数の低減効果が低かった。
1 YUBASE4のピーク
2 実施例4で製造した(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aのピーク
3 実施例4で製造した(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aのピーク高さ
4 YUBASE4のピーク
5 実施例6で製造した(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aのピーク
6 実施例6で製造した(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aのピーク高さ
7 YUBASE4のピーク
8 比較例2で製造した(メタ)アクリル系共重合体のピーク
9 比較例2で製造した(メタ)アクリル系共重合体のピーク高さ
10 YUBASE4のピーク
11 比較例3で製造した(メタ)アクリル系共重合体のピーク
12 比較例3で製造した(メタ)アクリル系共重合体のピーク高さ

Claims (9)

  1. 下記条件でGPECを測定したときの下記式(1)の値が0.10~0.50であり、質量平均分子量が1万~30万である(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aを含有する潤滑油用添加剤。
    [(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aのピーク高さ]/[(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aのピーク面積]・・・・(1)
    [GPEC測定条件]
    高速液体クロマトグラフィーシステムにおいて、装置としてサーモフィッシャーサイエンティフィック社製 Ultimate3000、検出器としてサーモフィッシャーサイエンティフィック社製 Corona Veo RS、及び逆相カラムとして東ソー社製 TSKgel ODS-100V(内径4.6mm、長さ150mm、粒子径5μm)を用い、カラム温度を40℃とし、(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aを0.035質量%含有するTHF(ただし安定剤を含まない。)溶液を調製し、これをサンプルとして10μl注入し、移動相としてアセトニトリル/テトラヒドロフランの体積比が100/0から開始し、10分後に50/50、15分後に50/50、25分後に0/100、30分後に0/100となるようにグラジエントをかけ、流量を1.0ml/minとして測定を行う。
  2. 前記(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aの前記式(1)の値が0.20~0.45である、請求項1に記載の潤滑油用添加剤。
  3. 前記(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aの質量平均分子量が1.5万~20万である、請求項1に記載の潤滑油用添加剤。
  4. 前記(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aが、直鎖状または分岐状のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(a)由来の構成単位を含有する、請求項1に記載の潤滑油用添加剤。
  5. 前記(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aが、ビニル系ラジカル重合性単量体(m1)由来の構成単位と、マクロモノマー(M)由来の構成単位を含む、請求項1に記載の潤滑油用添加剤。
  6. 前記マクロモノマー(M)が、ビニル系ラジカル重合性単量体(m2)由来の構成単位を含む、請求項5に記載の潤滑油用添加剤。
  7. 前記マクロモノマー(M)が、下記式(2)の構造を有する、請求項5に記載の潤滑油用添加剤。
    Figure 2024061337000006
    (式中、X~Xn-1は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基又はCHOHを示し、Y~Yは、それぞれ独立して、前記マクロモノマー(M)の構成単位であるビニル系ラジカル重合性単量体(m2)のビニル基に結合するX~Xn-1以外の置換基を示す。Zは末端基を表し、nは2~10000の整数を表す。)
  8. 潤滑油用摩擦低減剤である、請求項1に記載の潤滑油用添加剤。
  9. 請求項1~8のいずれか1項に記載の潤滑油用添加剤を含む、潤滑油組成物。
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