JP2023057582A - 四輪駆動車両 - Google Patents

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Ryohei Yuasa
航平 濱端
Kohei Hamahata
貴裕 近藤
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紘明 岡田
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Abstract

【課題】本明細書開示の四輪駆動車両は、主駆動軸と従駆動軸間の駆動力配分を制御することができる四輪駆動車両において、駆動力の断続を伴う変速期間における振動強度の高まりを抑制することを課題とする。【解決手段】四輪駆動車両は、駆動力源と、前記駆動力源から出力された駆動力を断続しつつ前記駆動力の伝達に供するギヤを変更可能であるとともに、前記駆動力を駆動力伝達軸へ出力する変速機と、前記駆動力伝達軸に出力された駆動力を、配分比に従って主駆動輪を駆動する主駆動軸と従駆動輪を駆動する従駆動軸へ配分する駆動力配分装置と、前記駆動力配分装置における前記主駆動軸と前記従駆動軸との間の前記駆動力の前記配分比を制御する駆動力配分制御部と、を備え、前記駆動力配分制御部は、前記変速機における変速期間中に前記従駆動軸に配分される駆動力が前記主駆動軸に配分される駆動力よりも小さくなるように前記配分比を制御する。【選択図】図3

Description

本発明は、四輪駆動車両に関する。
従来、四輪駆動車両の前後輪間の駆動力を制御する前後輪間駆動力配分制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、例えば、駆動力が断続される変速期間において、主駆動輪が大幅にスリップするような場合、主駆動輪に負荷されるべき駆動力を従駆動輪(副駆動輪)側にも配分し、スリップロスに係るエネルギ損の発生を抑制している。
特開平7-186758号公報
ところで、主駆動軸と従駆動軸間(前後輪間)の駆動力配分を制御することができる四輪駆動車両では、駆動力の断続を伴う変速期間に駆動系統の振動強度が高まり、その振動強度の高まりが変速ショックとして車両の乗員に不快感を与えることがある。特許文献1では、このように変速期間において振動強度が高まる現象に対して何らの対策も講じられていない。
そこで、本明細書開示の発明は、主駆動軸と従駆動軸間の駆動力配分を制御することができる四輪駆動車両において、駆動力の断続を伴う変速期間における振動強度の高まりを抑制することを課題とする。
本明細書開示の四輪駆動車両は、駆動力源と、前記駆動力源から出力された駆動力を断続しつつ前記駆動力の伝達に供するギヤを変更可能であるとともに、前記駆動力を駆動力伝達軸へ出力する変速機と、前記駆動力伝達軸に出力された駆動力を、配分比に従って主駆動輪を駆動する主駆動軸と従駆動輪を駆動する従駆動軸へ配分する駆動力配分装置と、前記駆動力配分装置における前記主駆動軸と前記従駆動軸との間の前記駆動力の前記配分比を制御する駆動力配分制御部と、を備え、前記駆動力配分制御部は、前記変速機における変速期間中に前記従駆動軸に配分される駆動力が前記主駆動軸に配分される駆動力よりも小さくなるように前記配分比を制御する。
上記構成の四輪駆動車両において、前記駆動力配分制御部は、前記駆動力源から出力された駆動力と前記変速機が備えるギヤのギヤ比とによって求められる前記駆動力伝達軸に出力される駆動力に応じて前記変速期間中に前記従駆動軸に配分される駆動力を低下させる態様とすることができる。
本明細書開示の四輪駆動車両によれば、主駆動軸と従駆動軸間の駆動力配分を制御することができる四輪駆動車両において、駆動力の断続を伴う変速期間における振動強度の高まりを抑制することができる。
図1は第1実施形態の車両の概略構成を示す模式図である。 図2は第1実施形態の車両における変速期間の駆動力配分制御の一例を示すフローチャートである。 図3は第1実施形態の車両における変速期間の各種数値の変化を示すタイムチャートの一例である。 図4は第1実施形態の車両における変速期間の主駆動軸のトルク及び従駆動軸のトルクの推移を示すグラフである。 図5は比較例の車両における変速期間の各種数値の変化を示すタイムチャートの一例である。 図6は比較例の車両における変速期間の主駆動軸のトルク及び従駆動軸のトルクの推移を示すグラフである。 図7は比較例における変速期間の振動強度と第1実施形態における変速期間の振動強度とを示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。ただし、図面中、各部の寸法、比率等は、実際のものと完全に一致するようには図示されていない場合がある。また、図面によっては細部が省略されて描かれている場合もある。
(第1実施形態)
<四輪駆動車両>
まず、図1を参照して、第1実施形態の四輪駆動車両(以下、単に「車両」という)1の概略構成について説明する。車両1は、フロントエンジン・フロントドライブ形式(FF駆動方式)をベースとした四輪駆動方式を採用している。
車両1は、エンジン10、変速機11、フロントディファレンシャル装置(以下、単に「フロントデフ」という)12を含むトランスアクスル13、トランスファ装置14を備える。車両1は、さらに、左右の主駆動輪15L、15R、左右の主駆動軸16L、16R、プロペラシャフト17、電子制御カップリング18、リヤディファレンシャル装置(以下、単に「リヤデフ」という)19を備える。車両1は、さらに、左右の従駆動輪20L、20R、左右の従駆動軸21L、21R、ECU(Electronic Control Unit)23を備えている。
エンジン10は、駆動力源に相当する。本実施形態におけるエンジン10は、ガソリンを燃料とする直列4気筒エンジンであるが、気筒数や気筒配列方式は、これに限定されるものではない。例えば、気筒数は、3気筒、6気筒、8気筒など、適宜選定することができる。また、気筒配列方式も、例えば、V型など、従来公知の気筒配列方式を適宜選定することができる。また、燃料も、ガソリンに代えて、軽油等の炭化水素系の燃料、エタノール等のアルコールとガソリンとを混合したアルコール燃料等、従来、内燃機関の燃料として採用されている燃料を適宜選定することができる。さらに、内燃機関単独ではなく、内燃機関にモータジェネレータを組み合わせて駆動力源としてもよい。エンジン10の駆動力(トルク)はクランクシャフト10aを介して出力され、取り出される。なお、車両は、駆動力源をエンジン10とするものに限定されない。いわゆるハイブリッド車(HEV:Hybrid Electric Vehicle)やプラグインハイブリッド車(PHEV:Plug-in Hybrid Electric Vehicle)、燃料電池車(FCEV:Fuel Cell Electric Vehicle)、さらに、電気自動車(BEV:Battery Electric Vehicle)にも適用することができる。要は、のちに詳細に説明する変速機11と組み合わせて使用することができる駆動力源を搭載することができる車両であれば、対象とすることができる。
変速機11は、エンジン10とフロントデフ12との間に設けられている。変速機11は、トルクコンバータ30と、複数段の前進用変速ギヤと後進用ギヤを備えたギヤユニット31と、出力軸32とを備えている。変速機11は、トルクコンバータ30を介して入力されたクランクシャフト10aの回転を選択されたギヤのギヤ比に応じた回転数とトルクに変換し、出力軸32に出力する。出力軸32は、駆動力伝達軸に相当する。
なお、本実施形態における変速機11は、後に説明する変速制御部23aによって変速動作が制御される自動変速機である。本実施形態の変速機11は、遊星ギヤ式の変速機構によりギヤユニット31に組み込まれたギヤの組み合わせを変更して変速するが、アクチュエータで作動するクラッチを備えた形式のトランスミッションとしてもよい。変速期間中に変速前のギヤ段が係合している状態と、変速後のギヤ段が係合している状態とが徐々に入れ替わる遷移時期が表れる変速機構を有する変速機であれば、本実施形態の車両1に適用することができる。
出力軸32の一端には、出力ギヤ33が一体回転可能に取り付けられており、出力ギヤ33を介して出力軸32の回転が、フロントデフ12に伝達される。
フロントデフ12は、デフケース40を備える。デフケース40は、軸受(不図示)を介してトランスアクスル13のハウジング13aに回転自在に支持されている。デフケース40の外周部には、出力ギヤ33と噛み合うリングギヤ41が設けられており、デフケース40の内部には、対向配置された一対のデフピニオンギヤ42が設けられている。
一対のデフピニオンギヤ42は、デフケース40と共に公転可能であり、かつデフケース40に対して自転可能に設けられている。一対のデフピニオンギヤ42には、対向配置された一対のサイドギヤ43が噛み合っている。一対のサイドギヤ43は、主駆動軸16L、16Rを介して主駆動輪15L、15Rにそれぞれ連結されている。フロントデフ12は、エンジン10から変速機11を介して出力された駆動力の一部を主駆動輪15L、15Rに分配して伝達する。フロントデフ12は、主駆動輪15L、15R間の回転速度差を許容する。なお、主駆動輪15L、15Rは操舵輪となる。
トランスファ装置14は、フロントデフ12の回転軸が延びる方向に位置するように設けられている。フロントデフ12の回転軸が延びる方向は、デフケース40及び主駆動軸16L、16Rの回転軸が延びる方向と同一方向である。
デフケース40の端部には、トランスファ装置14内に突出した円筒状のボス40aが設けられている。トランスファ装置14は、ボス40aの端部に設けられたベベルギヤ50と、このベベルギヤ50と噛み合う出力ピニオン51を備えている。
プロペラシャフト17は、トランスファ装置14と電子制御カップリング18との間に設けられている。プロペラシャフト17のトランスファ装置14側の端部には、トランスファ装置14に含まれる出力ピニオン51が設けられている。電子制御カップリング18の前端側はプロペラシャフト17に連結され、後端側でリヤデフ19に連結されている。
電子制御カップリング18は、駆動力分配装置に相当する。電子制御カップリング18は、後に説明する駆動力配分制御部23bから出力される制御信号によって作動する。電子制御カップリング18は、変速機11から延びる出力軸32に出力された駆動力を、主駆動輪15L、15Rを駆動する主駆動軸16L、16Rと従駆動輪20L、20Rを駆動する従駆動軸21L、21Rへ配分する。
リヤデフ19は、デフケース60を備えている。リヤデフ19は、デフケース60の外周に電子制御カップリング18のドライブピニオンギヤ18aと噛み合うリングギヤ61を備えている。デフケース60の内部には、対向配置された一対のデフピニオンギヤ62が設けられている。
一対のデフピニオンギヤ62は、デフケース60と共に公転可能であり、かつ、デフケース60に対して自転可能に設けられている。一対のデフピニオンギヤ62には、対向配置された一対のサイドギヤ63が噛み合わされている。一対のサイドギヤ63は、従駆動軸21L、21Rを介して従駆動輪20L、20Rにそれぞれ連結されている。リヤデフ19は、電子制御カップリング18を介して伝達された駆動力を従駆動輪20L、20Rに分配して伝達する。リヤデフ19は、従駆動輪20L、20R間の回転速度差を許容する。
ECU23は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、バックアップRAM及びその他の記憶装置を備える。ECU23は、CPU、ROMやその他の記憶装置に記憶されたプログラムやマップに基づいて演算処理や各種制御を実行する。RAMは、CPUによる演算結果や各種センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAMはエンジン10の停止時などにおいて保存すべきデータ等を記憶する不揮発性のメモリである。
ECU23は、内部に記憶されたプログラムやマップに基づく演算処理を行うことで変速制御部23a及び駆動力配分制御部23bとして機能する。ECU23には、アクセル開度センサ71、車速センサ72及びエンジン回転数センサ73が電気的に接続されており、変速制御部23aは、これらのセンサから取得された値に基づいて、変速機11の変速制御を行う。アクセル開度センサ71はアクセル踏み込み量を検出し、車速センサ72は車速を検出する。エンジン回転数センサ73はエンジン回転数を検出する。駆動力配分制御部23bは、変速制御部23aが変速機11に対し変速動作を実行させている変速期間において、エンジン10及び変速機11の状態に基づいて電子制御カップリング18によって従駆動軸21L、21Rに配分される駆動力を制御する。
なお、ECU23は、エンジン10の吸気量調整をするスロットルバルブ(不図示)の開度制御、吸気弁や排気弁(いずれも不図示)の開閉制御等、エンジン10の稼働にかかわる各種制御を実行する。このため、ECU23には変速機11及び電子制御カップリング18の制御以外の各種制御を行うためのセンサ類が接続され、各種プログラム、各種マップが格納されているが、ここでは、その説明は省略する。
以上が本実施形態の車両1の概略構成である。本実施形態の車両1は、上述のようにFF駆動方式をベースとした四輪駆動方式を採用しているが、フロントエンジン・リヤドライブ形式(FR駆動方式)のような他の駆動形式をベースとした四輪駆動方式を採用してもよい。車両がFR駆動方式をベースとした四輪駆動方式を採用している場合、車両の前側に配置されている車軸と車輪がそれぞれ従駆動軸及び従駆動輪となり、車両の後側に配置されている車輪と車軸がそれぞれ主駆動軸及び主駆動輪となる。
<変速期間における駆動力配分制御>
つぎに、図2から図7を参照して、本実施形態における変速期間における主駆動軸16L、16Rと従駆動軸21L、21Rとの間の駆動力配分制御について説明する。以下の説明では、まず、図2から図4を参照して本実施形態における制御について説明し、その後、図5及び図6を参照して比較例における駆動力配分制御について説明する。そして、図7を参照して本実施形態の効果を比較例と対比しつつ説明する。
まず、ステップS1において、変速制御部23aは、車両1の走行状態に基づいて変速要求があるか否か、より具体的には、低速側のギヤから高速側のギヤへの変更を行うシフトアップの要求があるか否かを判定する。変速制御部23aは、車速センサ72及びエンジン回転数センサ73から取得された値に基づいて、変速機11の変速制御を行う。
ここで、図3を参照して、変速期間において、車両1の駆動力配分制御に関わる各種数値について説明する。なお、1速ギヤから2速ギヤにシフトアップする場合、2速ギヤから3速ギヤにシフトアップする場合、3速ギヤから4速ギヤにシフトアップする場合等、いずれの場合も、その基本的な制御の方針は共通するため、ここでは、1速ギヤから2速ギヤにシフトアップする場合について説明する。
図3を参照すると、時刻t1から時刻t4までが変速期間であり、1速ギヤから2速ギヤへの変更は、時刻t1から開始される。時刻t1は変速制御部23aが備える変速プログラムがアクセル踏み込み量、車速及びエンジン回転数をパラメータとするマップに基づいて、要求ギヤ段が1速から2速となったか否かを判定するタイミングである。変速制御部23aは、要求ギヤ段が1速から2速へ変更されたと判定した場合、ステップS2へ進む(図2)。
図3に示す解放油圧は、変速前に選択されているギヤを係合状態とするための油圧の変化を示している。変速される場合、この解放油圧を低下させることで変速前に選択されているギヤ、つまり、1速ギヤの係合状態が徐々に解除される。一方、係合油圧は、変速後に選択されるギヤを係合状態とするための油圧の変化を示している。変速される場合、この係合油圧を上昇させることで変速後に選択されるギヤ、つまり、2速ギヤが徐々に係合状態とされる。これらの油圧は、変速制御部23aが油圧制御部(不図示)を制御することによって行われる。なお、2速ギヤが係合し始めるのは、時刻t3からであり、2速ギヤの係合は、時刻t4において完了する。図3における係合移行フラグは、2速ギヤが係合し始めているか否かを示すものであり、時刻t3において、フラグONの状態とされる。
図3に示すエンジン回転数は、エンジン10の回転数を示しており、トルコンタービン回転数は、トルクコンバータ30(図1参照)が備えるタービンの回転数を示している。エンジン回転数及びトルコンタービン回転数は、時刻t3より僅かに先行して低下している。これは、変速制御部23aが2速ギヤの係合に備えて、エンジン回転数を僅かに低下させるためである。図3に示すエンジントルクは、クランクシャフト10aの駆動力を示している。変速制御部23aがエンジン回転数を低下させたことに伴い、エンジントルクは、時刻t3後に一瞬低下している。
図3に示すギヤ比は、時刻t1後に解放油圧が低下し始めるとともに、係合油圧が上昇し始めることによって、概ね時刻t2から1速ギヤのギヤ比から2速ギヤのギヤ比に徐々に遷移していることを示している。車両1のギヤ比は、時刻t1では1速ギヤのギヤ比であり、時刻t4において完全に2速ギヤのギヤ比に切り替わる。
図3に示す総トルクは、エンジントルクとギヤ比とによって求められる値であり、出力軸32(図1参照)に出力される駆動力である。この総トルクが、電子制御カップリング18によって主駆動軸16L、16Rと従駆動軸21L、21Rに配分される。総トルクは、エンジントルクとギヤ比の影響を受けるため、変速期間内で変化し、低下する。
図3に示す主従トルク配分比は、総トルクを電子制御カップリング18によって主駆動軸16L、16Rと従駆動軸21L、21Rとに配分する比率を示している。本実施形態では、総トルクの落ち込みに合わせて、主従トルク配分比を変更している。具体的に、従駆動軸側へ配分する比率を低下させ、これにより、従駆動軸トルク指示値を低下させている。仮に主従トルク配分比を一定とし場合、従駆動軸トルク指示値は、図3において点線で示すように総トルクの変化を示す曲線と相似形の変化を示す。本実施形態の従駆動軸トルク指示値は、図3において一点鎖線で示すように総トルクの変化を示す曲線と相似形である曲線が示す値を下回るように設定されている。この際、従駆動軸トルク指示値の下限値は、車両1のスリップを回避することができる範囲で設定することが望ましい。なお、変速期間に入る以前の主従トルク配分比は、時刻t1以前における車両1の走行状態によって制御されているが、ここでは、その詳細な説明については省略する。
図3に示す車輪速は、車両1の前後輪の回転速度を示している。図3中、4WD車両前輪と示されているのは、主駆動輪15L、15Rの平均速度であり、4WD車両後輪と示されているのは、従駆動輪20L、20Rの平均速度である。図3には、四輪駆動車両である車両1における変速期間における車両挙動の変化を評価するために、同一条件におけるFF車両の前輪及び後輪の車輪速も示されている。
FF車両の車輪速は、前輪側が後輪側より僅かに速く、この関係は、変速期間中、一貫して維持されている。一方、本実施形態の車両1についても、FF車両と同様に、主駆動輪15L、15Rが従駆動輪20L、20Rよりも僅かに速く、この関係は、変速期間中、一貫して維持されている。ここで、前後輪の車輪速を示しているのは、前後輪の車輪速の関係が振動強度Gに影響を及ぼすと考えられるからである。仮に、前後輪の車輪速が逆転する状態が出現すると、これに伴って、振動強度Gが高まると考えられる。この点については、比較例を示しながら後に説明する。
図3には、車両1(4WD車両)における振動強度Gと、とFF車両における振動強度Gが示されている。図3に示すX1のタイミングで、両者ともに振動強度Gの振幅の変動がみられるが、両者間でその振幅量に大きな差は見られない。
ここで、図2に示すフローチャートに基づく説明に戻る。変速制御部23aは、ステップS1で肯定判定(Yes判定)をした場合、ステップS2へ進む。一方、ステップS1で否定判定(No判定)をした場合、ステップS1の処理を繰り返す。
ステップS2では、駆動力配分制御部23bが図3に示されている従駆動軸トルク指示値を取得する。そして、駆動力配分制御部23bは、ステップS3へ進む。駆動力配分制御部23bは、ステップS3において、従駆動軸21L、21Rに配分される駆動力が、ステップS2において取得した従駆動軸トルク指示値となるように、電子制御カップリング18を作動させる。なお、従駆動軸トルク指示値は、予めシミュレーションによる適合作業によって定められ、駆動力配分制御部23bにマップとして記憶されており、駆動力配分制御部23bは、このマップを読みだして、電子制御カップリング18を制御する。以上で、一回のシフトアップにおける制御は終了し、処理はリターンとなる。ECU23は、シフトアップを行う毎に、このような制御を行う。
図4に、本実施形態の変速期間における主駆動軸16L、16Rと従駆動軸21L、21Rのトルクの推移を示す。両者ともに、一旦は僅かに落ち込むものの、両者が逆転することはない。仮に、両者の逆転現象が発生すると、これに起因して振動強度Gが高まると考えられるが、本実施形態であれば、このような逆転現象は生じておらず、振動強度Gの高まりも抑制されている
ここで、主駆動軸16L、16Rと従駆動軸21L、21Rのトルクが逆転する現象について、比較例の車両1´における駆動力配分制御の内容と共に説明する。比較例の車両1´のハードウェア構成は、第1実施形態の車両1のハードウェア構成と共通するが、車両1´のECU23´は、第1実施形態の車両1が備えるECU23が実行するプログラムと異なるプログラムを実行する。
図5を参照すると、車両1´におけるギヤ比は、実線で示すように時刻t1から時刻t4まで一定とされている。つまり、実際のギヤ比は、変速期間中、点線で示すように1速ギヤのギヤ比から2速ギヤのギヤ比に徐々に遷移しているにも関わらず、比較例では、この点を考慮することなく、時刻t4において、初めてギヤ比が切り替わるものとしている。また、比較例では、総トルクについても、変速が完了する時刻t4において変化するものとしている。つまり、比較例では、変速期間中におけるエンジントルクの変化やギヤ比の変化を考慮することなく、総トルクを見積もっている。さらに、比較例では、変速期間中、主従トルク配分比が変化することはなく、その値は一定に設定されている。
この結果、比較例における主駆動軸トルク指示値は、図5において一点鎖線で示した第1実施形態における主駆動軸トルク指示値とは異なり、実線で示すように、変速期間中、一定である。このように、主駆動軸トルク指示値を一定のままにしておくと、図5に示すX2のタイミングで前後の車輪速が逆転し、その結果、振動強度Gが大きくなっている。図5には、図3と同様に、FF車両に関する車輪速と、振動強度Gも示しているが、比較例の振動強度Gは、FF車両の振動強度Gよりもその振幅が大きくなっている。
図6に、比較例の変速期間における主駆動軸16L、16Rと従駆動軸21L、21Rのトルクの推移を示す。両者ともに、比較例では、一瞬、後輪側のトルクが前輪側のトルクを上回り、この現象が、図5のX2のタイミングにおける前後の車輪速の逆転に繋がっていると考えられる。このような前後の車輪速の逆転が振動強度Gの振幅を増大させていると考えられる。
図6に示すように従駆動軸21L、21Rが主駆動軸16L、16Rのトルクを上回るのは、変速期間中に実際に生じているエンジントルクの変化やギヤ比の変化を無視して従駆動軸トルク指示値を算出しているためである。
本実施形態では、変速機11における変速期間中に従駆動軸21L、21Rに配分される駆動力が主駆動軸16L、16Rに配分される駆動力よりも小さくなるように制御されている。
この結果、図7に示すように、変速期間中の振動強度Gの最大振幅Acomを比較例の変速期間中の振動強度Gの最大振幅Aembと比較して小さくすることができている。これにより、車両1の乗員は、変速期間中に、不快な変速ショックを感じることがない。
本実施形態の車両1によれば、駆動力配分制御部23bが、変速機11における変速期間中に従駆動軸21L、21Rに配分される駆動力が主駆動軸16L、16Rに配分される駆動力よりも小さくなるようにしている。これにより、変速期間における振動強度Gの高まりを抑制することができる。
また、この際、出力軸32に伝達される駆動力(総トルク)に応じて変速期間中に従駆動軸21L、21Rに配分される駆動力を低下させる。このため、実際に出力軸32が発揮するトルクに応じて適切に従駆動軸21L、21Rに配分される駆動力を制御することができる。この結果、より効果的に振動強度Gの高まりを抑制することができる。
また、従駆動軸に配分される配分比を低下させることで、従駆動軸21L、21Rに配分される駆動力を、主駆動軸16L、16Rに配分される駆動力に対して余裕をもって低下させることができる。
上記実施形態は本発明を実施するための例にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、これらの実施例を種々変形することは本発明の範囲内であり、更に本発明の範囲内において、他の様々な実施例が可能であることは上記記載から自明である。
1 車両
10 エンジン
10a クランクシャフト
11 変速機
12 フロントディファレンシャル装置
13 トランスアクスル
13a ハウジング
14 トランスファ装置
15L、15R 主駆動輪
16R、16L 主駆動軸
17 プロペラシャフト
18 電子制御カップリング
19 リヤディファレンシャル装置
20L、20R 従駆動輪
21L、21R 従駆動軸
23a 変速制御部
23b 駆動力配分制御部
30 トルクコンバータ
31 ギヤユニット
32 出力軸
33 出力ギヤ
40 デフケース
42 デフピニオンギヤ
43 サイドギヤ

Claims (2)

  1. 駆動力源と、
    前記駆動力源から出力された駆動力を断続しつつ前記駆動力の伝達に供するギヤを変更可能であるとともに、前記駆動力を駆動力伝達軸へ出力する変速機と、
    前記駆動力伝達軸に出力された駆動力を、配分比に従って主駆動輪を駆動する主駆動軸と従駆動輪を駆動する従駆動軸へ配分する駆動力配分装置と、
    前記駆動力配分装置における前記主駆動軸と前記従駆動軸との間の前記駆動力の前記配分比を制御する駆動力配分制御部と、を備え、
    前記駆動力配分制御部は、前記変速機における変速期間中に前記従駆動軸に配分される駆動力が前記主駆動軸に配分される駆動力よりも小さくなるように前記配分比を制御する、
    四輪駆動車両。
  2. 前記駆動力配分制御部は、前記駆動力源から出力された駆動力と前記変速機が備えるギヤのギヤ比とによって求められる前記駆動力伝達軸に出力される駆動力に応じて前記変速期間中に前記従駆動軸に配分される駆動力を低下させる、
    請求項1に記載の四輪駆動車両。
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