JP4035930B2 - 電動発電機を備えた車両の制御装置 - Google Patents

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    • B60K6/00Arrangement or mounting of plural diverse prime-movers for mutual or common propulsion, e.g. hybrid propulsion systems comprising electric motors and internal combustion engines ; Control systems therefor, i.e. systems controlling two or more prime movers, or controlling one of these prime movers and any of the transmission, drive or drive units Informative references: mechanical gearings with secondary electric drive F16H3/72; arrangements for handling mechanical energy structurally associated with the dynamo-electric machine H02K7/00; machines comprising structurally interrelated motor and generator parts H02K51/00; dynamo-electric machines not otherwise provided for in H02K see H02K99/00
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    • B60K6/50Architecture of the driveline characterised by arrangement or kind of transmission units
    • B60K6/54Transmission for changing ratio
    • B60K6/543Transmission for changing ratio the transmission being a continuously variable transmission

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気エネルギが供給されることにより電動機として機能させられるとともに回転駆動されることにより発電機として機能させられる電動発電機を備えた車両の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電気エネルギが供給されることにより電動機として機能させられるとともに回転駆動されることにより発電機として機能させられる電動発電機を備えた車両が知られている。たとえば、特開平3−203502号公報に記載された車両がそれである。この電動発電機は車両の車輪に作動的に連結されたものであり、力行時すなわち電動機として機能させられるときには車両を駆動し、回生時すなわち発電機として機能させられるときにはその車両により回転駆動される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような電動発電機は、温度のような環境条件に従ってどのように駆動制限すなわち負荷制限したらよいかが不明であり、車両を駆動するときの駆動力不足、或いは車両により回転駆動されるときの回生不足を招くおそれがあった。
【0004】
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、車両に適した負荷制限を電動発電機に対して行うことにより車両の機能を好適に発揮できるようにした電動発電機を備えた車両の制御装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、駆動輪にそれぞれ連結され、電気エネルギが供給されることにより電動機として機能させられるとともに回転駆動されることにより発電機として機能させられる第1電動発電機および第2電動発電機を備えた車両の制御装置であって、(a) 前記第1電動発電機が電動機として機能させられるとき、環境状態に関連して予め設定された負荷制限値を用いてその第1電動発電機の駆動作動を制限する駆動時制限手段と、(b) 前記第1電動発電機が発電機として機能させられるとき、環境状態に関連して予め設定された負荷制限値を用いてその第1電動発電機の回生作動を制限する回生時制限手段と、(c) 前記第1電動発電機が電動機として機能させられる場合とその第1電動発電機が発電機として機能させられる場合とにおいて、その第1電動発電機に対して用いられる負荷制限値を異なる値に決定する負荷制限値決定手段と (d) 前記駆動時制限手段および回生時制限手段の制限を受けつつ前記第1電動発電機の駆動作動および回生作動を制御するとともに、前記回生時制限手段によるその第1電動発電機の回生作動の制限により制動力が低下した場合には、その制動力の低下分を補うように前記第2電動発電機の回生を実行させる電動発電機作動制御手段とを、含み、 (e) 前記負荷制限値決定手段は、前記第1電動発電機が発電機として機能させられる場合は、その第1電動発電機が電動機として機能させられる場合に比較して、前記負荷制限値を小さい値とするものであることにある。
【0006】
【発明の効果】
このようにすれば、負荷制限値決定手段により、前記電動発電機が電動機として機能させられる場合とその電動発電機が発電機として機能させられる場合とにおいて、その電動発電機に対して用いられる負荷制限値が異なる値に決定されるので、車両に適した電動発電機に対する負荷制限が行われる。また、電動発電機作動制御手段により、前記回生時制限手段によるその第1電動発電機の回生作動の制限により制動力が低下した場合には、その制動力の低下分を補うように前記第2電動発電機の回生が実行されるので、車両の走行中における制動力の急激な変化が抑制されて良好な運転性が確保されるとともに、車両全体での回生量が十分に高い値に維持される。また、第1電動発電機の回生作動の制限により制動力が低下した場合にその制動力の低下分を補うように第2電動発電機の回生を実行させるとともに、第1電動発電機が発電機として機能させられる場合は、電動機として機能させられる場合に比較して負荷制限値を小さい値とされることから、第1電動発電機の回生制動時の発熱が抑制されるので、回生量が確保されるとともに、車両の走行状態が変化したときに第1電動発電機を確実に駆動作動に転じることができ、高い走破性が得られる。
【0007】
【発明の他の態様】
ここで、好適には、前記環境状態は、前記電動発電機またはその電動発電機に供給される電流を制御するインバータの温度状態である。このようにすれば、電動発電機またはその電動発電機に供給される電流を制御するインバータの温度状態に応じた適切な負荷制限値が用いられる。
【0010】
また、好適には、前記負荷制限値決定手段は、前記電動発電機の温度に対応する負荷制限値とその電動発電機に対する電流を制御するインバータの温度に対応する負荷制限値とのいずれか小さい方の値を、上記電動発電機の負荷制限値として決定するものである。このようにすれば、電動発電機およびインバータのうちの温度的に厳しい方の負荷制限値が採用されるので、確実に電動発電機の力行作動或いは回生作動が確保される利点がある。
【0011】
また、好適には、前記電動発電機は、前記車両の前輪または後輪に作動的に連結され、車両を駆動し或いはその車両により回転駆動されるものである。このようにすれば、車両において、力行優先或いは回生優先とすることが可能となる。
【0012】
また、好適には、前記電動発電機は、内燃機関と共に遊星歯車式合成分配機構を介して車両の駆動輪を駆動するものである。このようにすれば、所謂ハイブリッド車両に適した電動発電機に対する負荷制限が行われる。
【0013】
【発明の好適な実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明が適用された4輪駆動車両すなわち前後輪駆動車両の動力伝達装置の構成を説明する骨子図である。この前後輪駆動車両は、前輪系を第1原動機を備えた第1駆動装置すなわち主駆動装置10にて駆動し、後輪系を第2原動機を備えた第2駆動装置すなわち副駆動装置12にて駆動する形式の複数の駆動装置を有するものである。
【0015】
上記主駆動装置10は、空気および燃料の混合気が燃焼させられることにより作動させられる内燃機関であるエンジン14と、電気モータおよび発電機として選択的に機能するモータジェネレータ(以下、MGという)16と、ダブルピニオン型の遊星歯車装置18と、変速比が連続的に変化させられる無段変速機20とを同心に備えている。上記エンジン14は第1原動機すなわち主原動機として機能している。上記エンジン14は、その吸気配管の吸入空気量を制御するスロットル弁の開度θTHを変化させるためにそのスロットル弁を駆動するスロットルアクチュエータ21を備えている。
【0016】
上記遊星歯車装置18は、機械的に力を合成し或いは分配する合成分配機構であって、共通の軸心まわりに独立して回転可能に設けられた3つの回転要素、すなわち上記エンジン14にダンパ装置22を介して連結されたサンギヤ24と、第1クラッチC1を介して無段変速機20の入力軸26に連結され且つ上記MG16の出力軸が連結されたキャリヤ28と、第2クラッチC2を介して無段変速機20の入力軸26に連結され且つブレーキB1を介して非回転部材たとえばハウジング30に連結されるリングギヤ32とを備えている。上記キャリヤ28は、サンギヤ24およびリングギヤ32とかみ合い且つ相互にかみ合う1対のピニオン(遊星歯車)34および36を、それらの自転可能に支持している。上記第1クラッチC1、第2クラッチC2、ブレーキB1は、いずれも互いに重ねられた複数枚の摩擦板が油圧アクチュエータによって押圧されることにより係合させられたり、その押圧解除により解放されたりする油圧式摩擦係合装置である。
【0017】
上記遊星歯車装置18とそのキャリヤ28に連結されたMG16は、エンジン14の作動状態すなわちサンギヤ24の回転状態においてMG16の発電量を制御することすなわちMG16の回転駆動トルクである反力が逐次大きくなるようにキャリヤ28に発生させられることにより、リングギヤ32の回転数を滑らかに増加させて車両の滑らかな発進加速を可能とする電気トルコン(ETC)装置を構成している。このとき、遊星歯車装置18のギヤ比ρ(サンギヤ24の歯数/リングギヤ32の歯数)がたとえば一般的な値である0.5とすると、リングギヤ32のトルク:キャリヤ28のトルク:サンギヤ24のトルク=1/ρ:(1−ρ)/ρ:1の関係から、エンジン14のトルクが1/ρ倍たとえば2倍に増幅されて無段変速機20へ伝達されるので、トルク増幅モードと称される。
【0018】
また、上記無段変速機20は、入力軸26および出力軸38にそれぞれ設けられた有効径が可変の1対の可変プーリ40および42と、それ1対の可変プーリ40および42に巻き掛けられた無端環状の伝動ベルト44とを備えている。それら1対の可変プーリ40および42は、入力軸26および出力軸38にそれぞれ固定された固定回転体46および48と、その固定回転体46および48との間にV溝を形成するように入力軸26および出力軸38に対して軸心方向に移動可能且つ軸心まわりに相対回転不能に取付られた可動回転体50および52と、それら可動回転体50および52に推力を付与して可変プーリ40および42の掛かり径すなわち有効径を変化させることにより変速比γ(=入力軸回転速度/出力軸回転速度)を変更する1対の油圧シリンダ54および56とを備えている。
【0019】
上記無段変速機20の出力軸38から出力されたトルクは、減速装置58、差動歯車装置60、および1対の車軸62、64を介して1対の前輪66、68へ伝達されるようになっている。なお、本実施例では、前輪66、68の舵角を変更する操舵装置が省略されている。
【0020】
前記副駆動装置12は、第2原動機すなわち副原動機として機能するリヤモータジェネレータ(以下、RMGという)70を備え、そのRMG70から出力されたトルクは、減速装置72、差動歯車装置74、および1対の車軸76、78を介して1対の後輪80、82へ伝達されるようになっている。
【0021】
図2は、前記主駆動装置10の遊星歯車装置18を種々の作動モードに切り換えるための油圧制御回路の構成を簡単に示す図である。運転者によりP、R、N、D、Bの各レンジ位置へ操作されるシフトレバー90に機械的に連結されたマニアル弁92は、シャトル弁93を利用しつつ、シフトレバー90の操作に応答して、Dレンジ、Bレンジ、Rレンジにおいて第1クラッチC1の係合圧を調圧する第1調圧弁94へ図示しないオイルポンプから出力された元圧を供給し、Dレンジ、BレンジにおいてクラッチC2の係合圧を調圧する第2調圧弁95へ元圧を供給し、Nレンジ、Pレンジ、RレンジにおいてブレーキB1の係合圧を調圧する第3調圧弁96へ元圧を供給する。上記第2調圧弁95、第3調圧弁96は、ハイブリッド制御装置104によって駆動されるリニヤソレイド弁97からの出力信号に従って第2クラッチC2およびブレーキB1の係合圧を制御し、第1調圧弁94は、ハイブリッド制御装置104によってデューティー駆動される三方弁である電磁開閉弁98からの出力信号に従って第1クラッチC1の係合圧を制御する。
【0022】
図3は、本実施例の前後輪駆動車両に設けられた制御装置の構成を説明する図である。エンジン制御装置100、変速制御装置102、ハイブリッド制御装置104、蓄電制御装置106、ブレーキ制御装置108は、CPU、RAM、ROM、入出力インターフェースを備えた所謂マイクロコンピュータであって、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って入力信号を処理し、種々の制御を実行する。また、上記の制御装置は、相互に通信可能に接続されており、所定の制御装置から必要な信号が要求されると、他の制御装置からその所定の制御装置へ適宜送信されるようになっている。
【0023】
エンジン制御装置100は、エンジン14のエンジン制御を実行する。例えば、燃料噴射量制御のために図示しない燃料噴射弁を制御し、点火時期制御のために図示しないイグナイタを制御し、トラクション制御ではスリップ中の前輪66、68が路面をグリップするようにエンジン14の出力を一時的に低下させるためにスロットルアクチュエータ21を制御する。
【0024】
上記変速制御装置102は、たとえば、無段変速機20の伝動ベルト44の張力が必要かつ十分な値となるように予め設定された関係から、実際の変速比γおよび伝達トルクすなわちエンジン14およびMG16の出力トルクに基づいて、ベルト張力圧を調圧する調圧弁を制御し、伝動ベルト44の張力を最適な値とするとともに、エンジン14が最小燃費率曲線或いは最適曲線に沿って作動するように予め記憶された関係から、実際の車速Vおよびエンジン負荷たとえばスロットル弁開度θTH或いはアクセルペダル操作量ACCに基づいて目標変速比γm を決定し、実際の変速比γがその目標変速比γm と一致するように無段変速機20の変速比γを制御する。
【0025】
また、上記エンジン制御装置100および変速制御装置102は、たとえば図4に示す最良燃費運転線に沿ってエンジン14の作動点すなわち運転点が移動するように、たとえば上記スロットルアクチュエータ21や燃料噴射量を制御するとともに無段変速機20の変速比γを変更する。また、ハイブリッド制御装置104からの指令に応じて、上記エンジン14の出力トルクTE または回転数NE を変更するために上記スロットルアクチュエータ21や変速比γを変更し、エンジン14の運転点を移動させる。
【0026】
上記ハイブリッド制御装置104は、電池などから成る蓄電装置112からMG16に供給される駆動電流或いはそのMG16から蓄電装置112へ出力される発電電流を制御するインバータ114を制御するための第1MG制御装置116と、蓄電装置112からRMG70に供給される駆動電流或いはそのRMG70から蓄電装置112へ出力される発電電流を制御するインバータ118を制御するための第2MG制御装置120とを含み、シフトレバー90の操作位置PSH、アクセルペダル122の操作量ACC、車速V、蓄電装置112の蓄電量SOCに基づいて、たとえば図5に示す複数の運転モードのうちからいずれか1つを選択を行うとともに、アクセルペダル122の操作量ACC、ブレーキペダル124の操作量BF に基づいて、MG16或いはRMG70の発電に必要なトルクにより制動力を発生させるトルク回生制動モード、或いはエンジン14の回転抵抗トルクにより制動力を発生させるエンジンブレーキモードを選択する。
【0027】
シフトレバー90がBレンジ或いはDレンジへ操作された場合、たとえば比較的低負荷の発進或いは定速走行ではモータ走行モードが選択され、第1クラッチC1が係合させられ且つ第2クラッチC2およびブレーキB1が共に解放されることにより、専らMG16により車両が駆動される。なお、このモータ走行モードにおいて、蓄電装置112の蓄電量SOCが予め設定された下限値を下回った不足状態となった場合や、駆動力をさらに必要とするためにエンジン14を始動させる場合には、後述するETCモード或いは直結モードへ切り換えられて、それまでの走行を維持しながらMG16或いはRMG70が駆動され、そのMG16或いはRMG70により蓄電装置112が充電される。
【0028】
また、比較的中負荷走行または高負荷走行では直結モードが選択され、第1クラッチC1および第2クラッチC2が共に係合させられ且つブレーキB1が解放されることにより遊星歯車装置18が一体的に回転させられ、専らエンジン14によりまたはそのエンジン14およびMG16により車両が駆動されたり、或いは専らエンジン14により車両が駆動されると同時にMG16により蓄電装置112の充電が行われる。この直結モードでは、サンギヤ24の回転数即ちエンジン回転数NE (rpm )とキャリヤ28の回転数すなわちMG16の回転数NMG(rpm )とリングギヤ32の回転数即ち無段変速機20の入力軸26の回転速度NIN(rpm )とは同じ値であるから、二次元平面内において3本の回転数軸(縦軸)すなわちサンギヤ回転数軸S、リングギヤ回転数R、およびキャリヤ回転数軸Cと変速比軸(横軸)とから描かれる図6の共線図では、たとえば1点鎖線に示されるものとなる。なお、図6において、上記サンギヤ回転数軸Sとキャリヤ回転数軸Cとの間隔は1に対応し、リングギヤ回転数Rとキャリヤ回転数軸Cとの間隔はダブルピニオン型遊星歯車装置18のギヤ比ρに対応している。
【0029】
また、たとえば発進加速走行では、ETCモードすなわちトルク増幅モードが選択され、第2クラッチC2が係合させられ且つ第1クラッチC1およびブレーキB1が共に解放された状態でMG16の発電量(回生量)すなわちそのMG16の反力(MG16を回転させる駆動トルク)が徐々に増加させられることにより、エンジン14が所定の回転数に維持された状態で車両が滑らかに零発進させられる。このようにエンジン14によって車両およびMG16が駆動される場合には、エンジン14のトルクが1/ρ倍たとえばρ=0.5とすると2倍に増幅されて無段変速機20へ伝達される。すなわち、MG16の回転数NMGが図6のA点(負の回転速度すなわち発電状態)である場合には、無段変速機20の入力軸回転数NINは零であるため車両は停止しているが、図6の破線に示すように、そのMG16の発電量が増加させられてその回転数NMGがその正側のB点へ変化させられることに伴って無段変速機20の入力軸回転数NINが増加させられて、車両が発進させられるのである。
【0030】
シフトレバー90がNレンジ或いはPレンジへ操作された場合、基本的にはニュートラルモード1または2が選択され、第1クラッチC1、第2クラッチC2、およびブレーキB1が共に解放され、遊星歯車装置18において動力伝達経路が解放される。この状態において、蓄電装置112の蓄電量SOCが予め設定された下限値を下回った不足状態となった場合などにおいては、充電・エンジン始動モードとされ、ブレーキB1が係合させられた状態で、MG16によりエンジン14が始動させられる。シフトレバー90がRレンジへ操作された場合、たとえば軽負荷後進走行ではモータ走行モードが選択され、第1クラッチC1が係合させられるとともに第2クラッチC2およびブレーキB1が共に解放されることにより、専らMG16により車両が後進走行させられる。しかし、たとえば中負荷或いは高負荷後進走行ではフリクション走行モードが選択され、第1クラッチC1が係合させられ且つ第2クラッチC2が解放されるとともに、ブレーキB1がスリップ係合させられる。これにより、車両を後進させる駆動力としてMG16の出力トルクにエンジン14の出力トルクが加えられる。
【0031】
また、前記ハイブリッド制御装置104は、前輪66、68の駆動力に従った車両の発進時或いは急加速時において、車両の駆動力を一時的に高めるために、所定の駆動力配分比に従ってRMG70を作動させ、後輪80、82からも駆動力を発生させる高μ路アシスト制御や、凍結路、圧雪路のような低摩擦係数路(低μ路)における発進走行時において、車両の発進能力を高めるために、RMG70により後輪80、82を駆動させると同時に、たとえば無段変速機20の変速比γを低くさせて前輪66、68の駆動力を低下させる低μ路アシスト制御を実行する。
【0032】
蓄電制御装置106は、電池、コンデンサなどの蓄電装置112の蓄電量SOCが予め設定された下限値SOCD を下回った場合には、MG16或いはRMG70により発電された電気エネルギで蓄電装置112を充電あるいは蓄電するが、蓄電量SOCが予め設定された上限値SOCU を上まわった場合には、そのMG16或いはRMG70からの電気エネルギで充電することを禁止する。また、上記蓄電に際して、実際の電力見込み値(=消費電力+充電電力)Pb が、蓄電装置112の温度TB の関数である電力或いは電気エネルギの受入制限値WINと持出制限値WOUT との範囲を越えた場合には、その受入れ或いは持ち出しを禁止する。
【0033】
ブレーキ制御装置108は、たとえばTRC制御、ABS制御、VSC制御などを実行し、低μ路などにおける発進走行時、制動時、旋回時の車両の安定性を高めたり或いは牽引力を高めるために、油圧ブレーキ制御回路を介して各車輪66、68、80、82に設けられたホイールブレーキ66WB、68WB、80WB、82WBを制御する。たとえば、各車輪に設けられた回転センサからの信号に基づいて、車輪車速(車輪回転速度に基づいて換算される車体速度)たとえば右前輪車輪車速VFR、左前輪車輪車速VFL、右後輪車輪車速VRR、左後輪車輪車速VRL、前輪車速〔=(VFR+VFL)/2〕、後輪車速〔=(VRR+VRL)/2〕、および車体車速(VFR、VFL、VRR、VRLのうちの最も遅い速度)Vを算出する一方で、たとえば主駆動輪である前輪車速と非駆動輪である後輪車速との差であるスリップ速度ΔVが予め設定された制御開始判断基準値ΔV1 を越えると、前輪にスリップ判定をし、且つスリップ率RS 〔=(ΔV/VF )×100%〕が予め設定された目標スリップ率RS1内に入るようにスロットルアクチュエータ21、ホイールブレーキ66WB、68WBなどを用いて前輪66、68の駆動力を低下させる。また、制動操作時において、各車輪のスリップ率が所定の目標スリップ範囲内になるように、ホイールブレーキ66WB、68WB、80WB、82WBを用いて前輪66、68、後輪80、82の制動力を維持し、車両の方向安定性を高める。また、車両の旋回走行時において、図示しない舵角センサからの舵角、ヨーレートセンサからのヨーレート、2軸Gセンサからの前後左右加速度等に基づいて車両のオーバステア傾向或いはアンダステア傾向を判定し、そのオーバステア或いはアンダステアを抑制するように、ホイールブレーキ66WB、68WB、80WB、82WBの何れか、およびスロットルアクチュエータ21を制御する。
【0034】
図7は、上記ハイブリッド制御装置104の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。図7において、負荷制限率決定手段126は、RMG70およびインバータ118の近傍にそれぞれ設けられた温度センサ128、130によって検出された各々の温度thm 、thmiに基づき、RMG70の駆動時負荷制限率klmminおよび回生時負荷制限率klmminrgをそれぞれ決定する。前者の駆動時負荷制限率klmminは、RMG70が電動機として機能させられることにより車両を駆動する力行時において、許容される出力トルク或いは駆動電流の上限を最大定格に対する割合で表したものである。また、後者の回生時負荷制限率klmminrgは、RMG70が後輪80、82によって回転させられることにより発電機として機能させられる回生時において、許容される出力トルク或いは発電電流の上限を最大定格に対する割合で表したものである。これら駆動時負荷制限率klmminおよび回生時負荷制限率klmminrgは相互に異なる値、例えば前者の方が大きい値となるように設定されている。なお、本実施例において、負荷制限率を設定するために参照される環境状態は、RMG70或いはインバータ118の温度である。
【0035】
また、駆動時制限手段132は、上記の駆動時負荷制限率klmminを用いてRMG70の駆動時における出力トルク或いは駆動電流を制限、すなわちその制限率klmminから算出される許容出力トルク許容駆動電流を用いてその駆動作動を制限する。また、回生時制限手段134は、上記の回生時負荷制限率klmminrgを用いて回生時におけるRMG70の出力トルク或いは発電電流を制限、すなわちその制限率klmminrgから算出される許容出力トルク或いは許容発電電流を用いてその回生作動を制限する。そして、電動発電機作動制御手段136は、それら制限手段132、134による制限を受けつつ、インバータ118を介してRMG70の駆動(力行)作動或いは回生(発電)作動を制御する。すなわち、上記許容出力トルク或いは許容電流値を上回ることの無いように、蓄電装置112からRMG70に供給される駆動電流或いはそのRMG70から蓄電装置112へ出力される発電電流を制御する。この結果、RMG70の出力トルク或いは電流値は、駆動時および回生時の何れにおいても、それぞれに対して決定された負荷制限率klmmin、klmminrgを最大定格にそれぞれ乗じた値に制限される。
【0036】
図8は、前記ハイブリッド制御装置104の制御作動の要部を説明するフローチャートであって、RMG70の作動制限ルーチンを示している。図8において、本ルーチンの実行時には、車両はモータ走行モードにおける高μ路アシスト制御や低μ路アシスト制御で走行させられ、蓄電制御装置106の要請によってモータ走行モードからETCモードまたは直結モードに切り換えられ、アクセルペダル122およびブレーキペダル124が共に踏み込まれず、或いは、ブレーキ制御装置108が作動して制動させられることにより、RMG70の駆動或いは回生状態にある。ステップS1においては、前記の温度センサ128、130によってRMG70の温度thm 、およびインバータ118の温度thmiが検出される。ステップS2においては、その検出温度thm およびthmiから力行時負荷制限率klm およびklmiがそれぞれ算出される。
【0037】
これら力行時負荷制限率klm およびklmiは、RMG70の定格に基づいて温度thm およびthmiが高くなるほど小さい値になるように予め記憶された関係(式或いはマップ等)から、それらの温度thm およびthmiに対応する値が求められる。図9および図10に示される実線θ1a、θ1bは、上記関係の一例を示したものである。これらの曲線上において上記温度thm およびthmiにそれぞれ対応する値θ1a(thm) 、θ1b(thmi)が、上記の力行時負荷制限率klm およびklmiに相当する。
【0038】
図9において、θ1aはRMG70の温度thm を基準とした力行時負荷制限率klm を表すものであり、例えばthm =150 (℃) 程度の温度までは100 (%) の値に維持されて実質的に出力トルクおよび駆動電流は制限されない。しかしながら、thm =150 (℃) 以上になると、温度上昇するに従って負荷制限率klm が直線的に低下し、例えばthm =170 (℃) 以上の温度範囲では負荷制限率klm は0 (%) になる。すなわち、図9の場合では、温度thm が170 (℃) 以上の範囲においてRMG70の駆動が禁止される。この負荷制限率klm は、モータコイルの断線や焼きつき、或いは絶縁被膜の損傷による短絡等が生じ得ない温度範囲にRMG70の温度thm を留め、且つRMG70の継続的な使用が可能となるように、温度がthm が高くなるほど負荷が小さくなるように設定されているのである。
【0039】
また、図10において、θ1bはインバータ118の温度thmiを基準とした力行時負荷制限率klmiを表すものであり、例えばthmi=100 (℃) 程度の温度までは100 (%) の値に維持されて実質的に出力トルクおよび駆動電流は制限されない。しかしながら、thmi=100 (℃) 以上になると温度上昇するに従って負荷制限率klmiが直線的に低下し、例えばthmi=120 (℃) 以上の温度範囲では負荷制限率klmiは0 (%) になる。すなわち、図10の場合では、温度thmiが120 (℃) 以上の範囲においてRMG70の駆動が禁止される。この負荷制限率klmiは、インバータ118の温度thmiを、そのパワートランジスタの機能延いてはインバータ118の機能が維持される温度範囲に留め、且つこれによって制御されるRMG70の継続的な使用が可能となるように、そのRMG70と同様に温度がthmiが高くなるほど負荷が小さくなるように設定されているのである。
【0040】
図8に戻って、ステップS3では、算出された2つの力行時負荷制限率klm およびklmiのうちの小さい方を実際にRMG70の制御に用いられる力行時負荷制限率klmminとして決定する。上述したようにRMG70はインバータ118の機能が損なわれても作動し得ないことから、両者の温度thm 、thmiが何れも上述した許容範囲(作動可能な温度範囲)を越えないように、相対的に低い方の値を採用するのである。
【0041】
続くステップS4では、前記の温度thm およびthmiから回生時負荷制限率klmrg およびklmirgがそれぞれ算出される。これら回生時負荷制限率klmrg およびklmirgも、前述した力行時負荷制限率klm およびklmiと同様に、RMG70の定格に基づいて温度thm およびthmiが高くなるほど小さい値になるように予め記憶された関係(式或いはマップ等)から、それらの温度thm およびthmiに対応する値が求められる。但し、この回生時負荷制限率klmrg およびklmirgは、同一温度thm およびthmiに対する力行時負荷制限率klm およびklmiと異なる値であって、それよりも小さい値になる。
【0042】
図9および図10に示される破線θ2a、θ2bは、上記の温度thm 、thmiと負荷制限率klmrg 、klmirgとの関係の一例を示している。これらの曲線上において上記温度thm およびthmiにそれぞれ対応する値θ2a(thm) 、θ2b(thmi)が、上記の回生時負荷制限率klmrg およびklmirgに相当する。図9において、θ2aは、例えばthm =120 (℃) 程度の温度までは100 (%) の値に維持されて実質的に出力トルクおよび駆動電流は制限されない。しかしながら、thm =120 (℃) 以上になると、温度上昇するに従って負荷制限率klmrg が直線的に低下し、例えばthm =140 (℃) 以上の温度範囲では負荷制限率klmrg は0 (%) になる。また、図10において、θ2bは、例えばthmi=70 (℃) 程度の温度までは100 (%) の値に維持されて実質的に出力トルクおよび駆動電流は制限されない。しかしながら、thmi=70 (℃) 以上になると温度上昇するに従って負荷制限率klmirgが直線的に低下し、例えばthmi=90 (℃) 以上の温度範囲では負荷制限率klmirgは0 (%) になる。
【0043】
すなわち、回生時負荷制限率klmrg 、klmirgは、一定温度以上の温度範囲において力行時負荷制限率klm およびklmiと同様に直線的に低下させられるが、その低下の開始する温度thm 、thmiは、図9、10に示される例では30 (℃) 程度だけ力行時の場合よりも低く設定されている。なお、図9、10では図示の都合上実線と破線とを上下にずらして描いているが、θ1a、θ1bは120 (℃) 以下および170 (℃) 以上の範囲で、θ2a、θ2bは70 (℃) 以下および100 (℃) 以上の範囲でそれぞれ同じ値(100或いは0)をとる。
【0044】
図8に戻って、ステップS5においては、ステップS3の場合と同様に、算出された2つの回生時負荷制限率klmrg およびklmirgのうちの小さい方を、実際にRMG70の制御に用いられる回生時負荷制限率klmminrgとして決定する。本実施例においては、ステップS2乃至S5が、負荷制限率決定手段126に対応する。
【0045】
そして、ステップS6において、RMG70が力行状態であるか否か、すなわちRMG70が電動機として機能させられているか、発電機として機能させられているかが判断される。車両がRMG70の駆動状態にあるときは、この判断が肯定されるので駆動時制限手段132に対応するステップS7に進み、RMG70の出力トルク或いは駆動電流値が最大定格に力行時負荷制限率klmminを乗じた値となるように、電動発電機作動制御手段136の制御作動が制限される。しかしながら、車両がRMG70の回生状態にあるときは、上記の判断が否定されるので回生時制限手段134に対応するステップS8に進み、RMG70の出力トルク或いは駆動電流値が最大定格に回生時負荷制限率klmminrgを乗じた値となるように、電動発電機作動制御手段136の制御作動が制限される。すなわち、RMG70が駆動状態であるか回生状態であるかの別により、その回生状態である場合の方が低くなるように温度thm 、thmiに応じてそれぞれ設定された負荷制限率klmminおよびklmminrgのうちのその状態に対応する値によって、RMG70の駆動作動或いは回生作動が制限される。
【0046】
そのため、回生作動時の方が負荷制限率klmminrgを低く設定されていることから、そのときのRMG70およびインバータ118の発熱が制限され、それらの温度thm 、thmiは、駆動作動時の負荷制限が実質的に開始される温度、すなわちthm =150 (℃) 、thmi=100 (℃) よりも、何れも十分に低い値に留められる。したがって、車両の走行状態等の変化に応じてRMG70が回生作動から駆動作動に転じたとき、駆動作動可能状態の温度範囲が確保されているため、直ちにRMG70を高い負荷制限率klmminすなわち高いモータ出力トルクで駆動して高い走破性(良好な運転性)を確保することができる。
【0047】
なお、回生作動時には、図9、10から明らかなように比較的低い温度でもモータ出力トルクが低い値に制限されることになるため、回生時負荷制限率klmminrgの低下分だけエネルギの回生量および制動力が低下する。しかしながら、このようなRMG70の制動力の低下が生じた場合にも、MG16の発電電流(或いは出力トルク)をRMG70による制動力の低下に相当する量だけ増加させることにより、車両の走行中における制動力の急激な変化を抑制して良好な運転性を確保することができる。また、この結果、MG16による回生量が増大させられるため、車両全体での回生量も十分に高い値に維持される。したがって、回生作動時の負荷制限率klmminrgを駆動作動時の負荷制限率klmminよりも低くしても、それに起因するエネルギの損失および制動力の低下は殆ど問題にならない。
【0048】
但し、MG16は、前輪66、68に無段変速機20を介して接続されているため、その無段変速機20のエネルギ伝達効率が高くないことに起因して、RMG70よりも回生効率が低い。そのため、厳密にいえば、上記のようにRMG70の出力トルク制限による制動力の低下をMG16で補う場合には、車両全体としての回生量は低下する。しかしながら、長降坂等で制動が継続するような場合にRMG70をその熱負荷限界まで回生作動させると、車両の走行状態等が変化したときにRMG70を駆動作動に転じようとしても過熱していて使用不能となることもあり得る。すなわち、4輪駆動で走行しようとしても、後輪80、82を駆動し得ず前輪駆動になることが起こり得る。このような場合に、本実施例では、RMG70の回生作動時にはその発熱が抑制されることから、無段変速機20のエネルギ伝達効率に応じた僅かな回生量の低下はあるものの、RMG70を確実に駆動作動に転じることができるため、高い走破性が得られる利点がある。また、このようにRMG70による制動力の低下がMG16側で補うように構成されることにより、RMG70の過熱や故障が生じた場合等にも、車両の走行性やエネルギ回収率を維持できる。
【0049】
上述のように、本実施例によれば、負荷制限値決定手段126(ステップS2〜S5)により、RMG70が電動機として機能させられる場合とそのRMG70が発電機として機能させられる場合とにおいて、そのRMG70に対して用いられる負荷制限率klmmin、klmminrgが異なる値に決定されるので、車両に適したRMG70に対する負荷制限が行われる。
【0050】
また、本実施例によれば、RMG70およびインバータ118の温度thm 、thmiが負荷制限率klmmin、klmminrgを設定するために参照される環境状態として用いられているため、それらの温度状態に応じた適切な負荷制限率klmmin、klmminrgが用いられる利点がある。
【0051】
また、本実施例においては、負荷制限値決定手段126によって、回生時負荷制限率klmminrgの方が力行時負荷制限率klmminよりも小さい値に設定される、すなわち負荷制限程度が大きく(強く)されて相対的に低い温度から実質的な制限を開始することから、RMG70が発電機として機能する時すなわち回生時の方が電動機として機能する時すなわち力行時よりも出力トルクおよび電流値の上限値が小さくされるので、回生時の発熱が制限され、力行可能状態の範囲が確保される利点がある。
【0052】
また、本実施例においては、RMG70およびインバータ118のうちの温度的に厳しい方の負荷制限率、すなわち力行時においては駆動時負荷制限率klm およびklmiのうちの小さい方が、回生時においては回生時負荷制限率はklmrg およびklmirgのうちの小さい方が、それぞれ制御のために実際に用いられる負荷制限率klmmin、klmminrgとして決定されるので、RMG70およびインバータ118の何れの過熱に起因するRMG70の作動不良も確実に抑制される利点がある。特に、回生時においてRMG70の作動不良が抑制される結果、回生作動から力行作動に確実に転じ得る利点がある。
【0053】
また、本実施例においては、RMG70は、車両の後輪80、82に作動的に連結され、車両を駆動し或いはその車両により回転駆動されるため、前述したように回生作動時の負荷制限率を力行作動時の負荷制限率に比較して低く設定することによって、車両において力行優先とすることが可能となっている。
【0054】
以上、本発明の一実施例を図面に基づいて説明したが、本発明は他の態様においても適用される。
【0055】
たとえば、前述の実施例の車両では、前輪66、68をエンジン14およびMG16を備えた主駆動装置10が駆動し、後輪80、82をRMG70を備えた副駆動装置12が駆動する形式であったが、後輪80、82を主駆動装置10が駆動し、前輪66、68を副駆動装置12が駆動する形式であってもよい。
【0056】
また、前述の実施例の車両は、エンジン14の出力エネルギがMG16により電気エネルギに変換され、後輪80、82を駆動するRMG70がその電気エネルギにより作動させられていたが、エンジン14の出力エネルギが油圧ポンプにより油圧エネルギに変換され、後輪80、82を駆動する油圧モータがその油圧エネルギにより作動させられる形式の車両であっても差し支えない。
【0057】
また、前述の実施例では、温度センサ128、130によってRMG70およびインバータ118の温度thm 、thmiを検出してこれらに基づいて負荷制限率klmmin、klmminrgを決定していたが、請求の範囲にいう「環境状態」としては、実施例で示したRMG70(電動発電機)およびインバータ118(電流制御装置)の温度の他に、電動発電機の近傍における種々の熱的状態を用い得る。例えば、主駆動装置10側においては、潤滑油の油温、前輪側の変速機(無段変速機20)の油温、内燃機関(エンジン14)の冷却水温、電動発電機の冷却装置の作動状態(水或いは油等の冷却媒体の温度、異常状態等)等も用いられ得る。また、副駆動装置12においては、後輪側の差動装置(差動歯車装置74)の油温等も用い得る。
【0058】
また、実施例の車両では、RMG70およびインバータ118の温度thm 、thmiすなわち2つの環境状態から算出した2つの負荷制限率、力行時においてはklm およびklmi、回生時においてはklmrg およびklmirgのうちの小さい方を実際に制御に用いる負荷制限率klmmin、klmminrgとして決定していたが、負荷制限率を決定するに当たって参照される環境状態は、最小の負荷制限率を与える環境状態が1つに特定される場合や、1つの環境状態に基づいて決定してもRMG70の作動不良等が生じないように余裕を以て制御できる場合等には1つだけでもよい。例えば、実施例の場合では、RMG70の温度thm から算出される負荷制限率klm 、klmrg 、およびインバータ118の温度thmiから算出される負荷制限率klmi、klmirgの一方が常に相対的に低い値となるのであれば、その一方だけを算出してそれをそのまま制御に用いる値として決定することができる。
【0059】
また、実施例においては、駆動時制御手段132、回生時制御手段134は、最大定格に対する割合を表す負荷制限率klmmin、klmminrgを用いてRMG70の作動を制限していたが、出力トルクや電流値等の絶対値を用いてそのRMG70の作動を制限してもよい。すなわち、請求の範囲にいう負荷制限値は、割合等の相対値或いは上記のような絶対値の何れであっても差し支えない。
【0060】
また、実施例においては、力行時負荷制限率klmminおよび回生時負荷制限率klmminrgをそれぞれ決定した後、RMG70が力行状態であるか否かを判断し、その作動状態に応じた方の負荷制限率を用いてRMG70の出力トルクを制限していたが、これらの順序は反対であってもよい。すなわち、図8のステップS1において温度を検出した後、直ちにステップS6の力行状態であるか否かの判断を実施し、ステップS2、3およびステップS4、5を択一的に実施して、RMG70の作動状態に応じて用いられる一方の負荷制限率だけを算出・決定してもよい。
【0061】
また、実施例においては、図9に示されるように回生時負荷制限率klmminrgが駆動時負荷制限率klmminよりも小さい値に設定されていたが、反対に回生時負荷制限率klmminrgの方が大きい値になるように設定することもできる。このようにする場合には、RMG70の駆動時における温度上昇が抑制されることから、駆動作動から回生作動に転じた場合に確実に回生作動をさせ得るため、燃費が改善される利点がある。
【0062】
また、実施例においては、本発明がRMG70の作動制御に適用された場合について説明したが、MG16の作動制御にも同様に適用できる。
【0063】
また、実施例で示した図9、図10の温度と負荷制限率との関係、特に、負荷制限が実質的に開始される温度やその時の傾き等は、負荷制限を実施しようとするRMG70等の定格、温度特性、熱容量等の種々の条件に応じて適宜変更される。また、負荷制限率を算出および決定するに際しては、外気温度等で補正してもよい。例えば、電動発電機を空冷する場合等には、外気温度がRMG70およびインバータ118の放熱特性等に影響を与える要因となり得るため、補正する効果が顕著に得られる。
【0064】
また、実施例の車両では、前輪66、68および後輪80、82が共に駆動輪として機能し得る4輪駆動車両に本発明が適用された場合について説明したが、2輪駆動車両においてその駆動輪を駆動するための電動発電機にも本発明は同様に適用され得る。
【0065】
また、実施例においては、エンジン14およびMG16を備えたハイブリッド車両において、アシスト用にRMG70を更に備えたハイブリッド4輪駆動車両に本発明が適用された場合について説明したが、MG16およびRMG70の如き電動発電機だけを備えた4輪駆動車両や、一方の駆動輪がエンジン14だけで駆動されると共に他方の駆動輪が電動発電機で駆動されるような4輪駆動車両、或いは、前輪66、68また後輪80、82の一方だけに電動発電機だけを備えたような2輪駆動車両(2輪駆動の電気自動車)等にも本発明は同様に適用できる。
【0066】
また、実施例においては、エンジン14およびMG16と前輪66、68との間に無段変速機20が備えられていたが、有段変速機がこれに代えて設けられていてもよい。
【0067】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のダブルピニオン型遊星歯車装置を備えた4輪駆動車両の動力伝達装置の構成を説明する骨子図である。
【図2】図1の遊星歯車装置を制御する油圧制御回路の要部を説明する図である。
【図3】図1の4輪駆動車両に設けられた制御装置を説明する図である。
【図4】エンジン制御装置および変速制御装置の制御作動を説明する最良燃費運転線である。
【図5】図3のハイブリッド制御装置により選択される制御モードを示す図表である。
【図6】遊星歯車装置の各要素の回転数を説明する共線図である。
【図7】図3のハイブリッド制御装置等の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。
【図8】図3のハイブリッド制御装置等によるRMGの負荷制限ルーチンである。
【図9】図8の負荷制限ルーチンで利用されるRMGの温度と負荷制限率との関係を示した図である。
【図10】図8の負荷制限ルーチンで利用されるインバータの温度と負荷制限率との関係を示した図である。
【符号の説明】
70:RMG(電動発電機)
126:負荷制限値決定手段
132:駆動時制限手段
134:回生時制限手段

Claims (3)

  1. 駆動輪にそれぞれ連結され、電気エネルギが供給されることにより電動機として機能させられるとともに回転駆動されることにより発電機として機能させられる第1電動発電機および第2電動発電機を備えた車両の制御装置であって、
    前記第1電動発電機が電動機として機能させられるとき、環境状態に関連して予め設定された負荷制限値を用いて該第1電動発電機の駆動作動を制限する駆動時制限手段と、
    前記第1電動発電機が発電機として機能させられるとき、環境状態に関連して予め設定された負荷制限値を用いて該第1電動発電機の回生作動を制限する回生時制限手段と、
    前記第1電動発電機が電動機として機能させられる場合と該第1電動発電機が発電機として機能させられる場合とにおいて、該第1電動発電機に対して用いられる負荷制限値を異なる値に決定する負荷制限値決定手段と
    前記駆動時制限手段および回生時制限手段の制限を受けつつ前記第1電動発電機の駆動作動および回生作動を制御するとともに、前記回生時制限手段による該第1電動発電機の回生作動の制限により制動力が低下した場合には、該制動力の低下分を補うように前記第2電動発電機の回生を実行させる電動発電機作動制御手段とを、含み
    前記負荷制限値決定手段は、前記第1電動発電機が発電機として機能させられる場合は、該第1電動発電機が電動機として機能させられる場合に比較して、前記負荷制限値を小さい値とするものであることを特徴とする電動発電機を備えた車両の制御装置。
  2. 前記環境状態は、前記第1電動発電機または該第1電動発電機に供給される電流を制御するインバータの温度である請求項1の電動発電機を備えた車両の制御装置。
  3. 前記第1電動発電機は、前記車両の前輪または後輪に作動的に連結されたものであり、該車両を駆動し或いは該車両により回転駆動されるものである請求項1または2の電動発電機を備えた車両の制御装置。
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