JP2023057227A - 管理装置及び管理方法 - Google Patents

管理装置及び管理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2023057227A
JP2023057227A JP2021166609A JP2021166609A JP2023057227A JP 2023057227 A JP2023057227 A JP 2023057227A JP 2021166609 A JP2021166609 A JP 2021166609A JP 2021166609 A JP2021166609 A JP 2021166609A JP 2023057227 A JP2023057227 A JP 2023057227A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
event
arithmetic
management device
calculation
vehicle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021166609A
Other languages
English (en)
Inventor
誠一 伊藤
Seiichi Ito
雅 岡村
Masa Okamura
貴史 前田
Takashi Maeda
優史 古川
Yuji Furukawa
敬生 丸子
Takao Maruko
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP2021166609A priority Critical patent/JP2023057227A/ja
Publication of JP2023057227A publication Critical patent/JP2023057227A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)

Abstract

【課題】ユーザがイベントに参加している間に非稼働状態である車両の演算装置をグリッドコンピューティングに利用すると共に、イベント開催場所の駐車場内での交通渋滞の発生を抑制することが可能な管理装置及び管理方法を提供する。【解決手段】管理装置50は、グリッドコンピューティング処理のために、イベント開催場所で開催されるイベントに車両10で来場した複数のユーザの各車両10に搭載された演算装置105を利用し、複数のユーザの各々に対して予め設定されたイベントの終了後の退場順序を含む参加者情報D42を有しており、退場順序に基づいて、複数の演算装置105を演算グループG1~Gnに組み分けし、ユーザに対してイベント中に演算装置105による演算処理が実行されることを通知し、各演算グループG1~Gnを構成する複数の演算装置105に同一の演算ジョブD1を並列処理させる。【選択図】図1

Description

本発明は、管理装置及び管理方法に係り、特にグリッドコンピューティングの管理を行う管理装置及び管理方法に関する。
従来、複数の車両をグリッドコンピューティングに適用する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のシステムは、通信ネットワークに接続された管理サーバと複数の車両に搭載された演算装置とによって構成されている。このシステムでは、管理サーバは、通信ネットワークを介して複数の演算装置へ演算ジョブを分配して演算処理させることができる。
演算装置は、車両が非稼働状態(例えば、IGオフ)であるときに、安定した品質の演算能力を提供することができる。このため、特許文献1の管理サーバは、各車両の使用履歴に基づいて、各車両がグリッドコンピューティングに参加可能な期間を予測するようになっている。そして、管理サーバは、この予測に基づいて、演算ジョブを分配するのに適した演算装置を選択する。すなわち、管理サーバは、演算ジョブを実行する演算期間にわたって非稼働状態である可能性の高い車両の演算装置を選択することができる。
特開2020-160661号公報
ユーザがイベント開催場所(例えば、コンサート会場や野球場などの商業施設)へ車両で来場した場合、ユーザがイベントに参加している間、ユーザの車両は駐車場内で非稼働状態となる。しかしながら、このようなイベント開催場所への来場は使用履歴から予測し難いため、特許文献1に記載の技術では、この車両の演算装置を演算資源として選択することができないという問題があった。一方、イベント開催場所では、特定の時間帯(例えば、イベント終了時)に多くのユーザが帰宅を開始するので、駐車場内で渋滞が起き易いという別の問題があった。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、ユーザがイベントに参加している間に非稼働状態である車両の演算装置をグリッドコンピューティングに利用すると共に、イベント開催場所の駐車場内での交通渋滞の発生を抑制することが可能な管理装置及び管理方法を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明は、通信ネットワークを介して接続された複数の車両に搭載された演算装置に演算ジョブを演算処理させるグリッドコンピューティング処理のための管理装置であって、演算装置は、イベント開催場所で開催されるイベントに車両で来場した複数のユーザの各車両に搭載されたものであり、管理装置は、複数のユーザの各々に対して予め設定されたイベントの終了後の退場順序を含む参加者情報を有しており、複数のユーザの各々の退場順序に基づいて、複数のユーザの演算装置を複数の演算グループに組み分けし、管理装置は、演算ジョブの演算処理の実行前又は実行中に、複数のユーザに対してイベント中に演算装置による演算処理が実行されることを通知し、管理装置は、イベントの開催期間中の少なくとも一部の期間において、各演算グループを構成する複数の演算装置に同一の演算ジョブを並列処理させるように構成されていることを特徴としている。
このように構成された本発明によれば、管理装置は、複数のユーザがイベントに参加しており、これら複数のユーザの車両が非稼働状態であるときに、複数のユーザの車両の演算装置で形成した演算グループを用いてグリッドコンピューティング処理を実行することができる。また、これら複数の演算装置は、同じエリア内(イベント開催場所付近の駐車場)に存在する。これにより、本発明では、演算装置が車両のために実質的に使用されていない状態で、演算装置をグリッドコンピューティング処理に参加させることができるので、安定した品質の演算能力を確保することができる。
さらに、本発明では、イベント終了後のユーザの退場順序に基づいて、複数の演算装置からなる演算グループを形成するので、各演算グループの複数の演算装置を搭載する複数の車両が駐車場から退場可能な時刻を一致させることができる。また、本実施形態では、ユーザに対してイベント中にグリッドコンピューティング処理を実行する旨を通知するので、少なくともイベント中は車両10を出庫させることなく、さらに退場順序を守って車両10を駐車場から出庫させようとする動機付け(グリッドコンピューティングへの参加による社会的な貢献の意識など)をユーザに与えることができる。よって、本実施形態では、演算グループから一部の演算装置が演算終了前に離脱することを防止して、さらに安定した品質の演算能力を確保することが出来ると共に、イベント終了後の駐車場の渋滞を抑制することができる。
また、本発明において、好ましくは、管理装置は、参加者情報に基づいて、退場順序が早い順に複数の演算グループを設定するように構成されている。このように構成された本発明によれば、退場順序が早い演算グループから退場順序が遅い演算グループをそれぞれ設定することができる。具体的には、本発明において、管理装置は、参加者情報に基づいて、退場順序が同じユーザの演算装置を同じ演算グループに設定するように構成されている。
また、本発明において、好ましくは、管理装置は、各演算グループの演算装置による演算処理の演算終了予定時刻を、退場順序に基づいて設定するように構成されている。このように構成された本発明によれば、退場順序が遅い演算グループに、より長く演算処理を実行させることが可能となる。
また、本発明において、好ましくは、管理装置は、退場順序がより遅い演算グループに属する演算装置ほど、より大きな演算量の演算処理を実行するように、又は、演算処理の演算終了予定時刻がより遅くなるように演算ジョブを割り当てるように構成されている。このように構成された本発明によれば、イベントに来場した複数の車両の演算装置の演算能力を、退場順序を考慮して効率的に利用することができる。
また、本発明において、好ましくは、管理装置は、ユーザの演算装置による演算処理の演算量に応じて、ユーザへ付与する報酬を算出するように構成されている。このように構成された本発明によれば、ユーザは演算装置による演算処理によって報酬が得られるので、少なくともイベント中は車両を駐車状態に維持させようとする動機付けをユーザに与えることができる。
また、本発明において、好ましくは、管理装置は、参加者情報をイベント管理者の通信装置から受信するように構成されている。このように構成された本発明によれば、管理装置は、外部から参加者情報を受信して、複数の演算グループを組み分けすることができる。
また、本発明において、好ましくは、管理装置は、車両の演算装置から、又は、イベント管理者の通信装置から、車両の位置情報を受信するように構成されている。このように構成された本発明によれば、管理装置は、車両の位置情報により、ユーザ(又は演算装置)がイベント開催場所に来場したことを確認することができる。
また、上記の目的を達成するために、本発明は、通信ネットワークを介して接続された複数の車両に搭載された演算装置に管理装置が演算ジョブを演算処理させるグリッドコンピューティングシステムにおける管理方法であって、演算装置は、イベント開催場所で開催されるイベントに車両で来場した複数のユーザの各車両に搭載されたものであり、管理装置が、複数のユーザの各々に対して予め設定されたイベントの終了後の退場順序を含む参加者情報を有しており、複数のユーザの各々の退場順序に基づいて、複数のユーザの演算装置を複数の演算グループに組み分けするステップと、管理装置が、演算ジョブの演算処理の実行前又は実行中に、複数のユーザに対してイベント中に演算装置による演算処理が実行されることを通知するステップと、管理装置が、イベントの開催期間中の少なくとも一部の期間において、各演算グループを構成する複数の演算装置に同一の演算ジョブを並列処理させるステップと、を含むことを特徴としている。
本発明の管理装置及び管理方法によれば、ユーザがイベントに参加している間に非稼働状態である車両の演算装置をグリッドコンピューティングに利用すると共に、イベント開催場所の駐車場内での交通渋滞の発生を抑制することが可能となる。
本発明の実施形態のシステムの構成図である。 本発明の実施形態のシステムにおけるグリッドコンピューティングの説明図である。 本発明の実施形態のシステムにおける車両の説明図である。 本発明の実施形態のシステムにおけるユーザ端末の説明図である。 本発明の実施形態のシステムにおけるクライアントサーバの説明図である。 本発明の実施形態のシステムにおけるイベントサーバの説明図である。 本発明の実施形態のシステムにおける管理サーバの説明図である。 本発明の実施形態のシステムにおけるイベントサーバの処理フローである。 本発明の実施形態のシステムにおけるイベントサーバが記憶する参加者情報の説明図である。 本発明の実施形態のシステムにおける管理サーバの処理フローである。 本発明の実施形態のシステムにおける管理サーバが記憶するイベント管理テーブルの説明図である。 本発明の実施形態のシステムにおける演算グループの説明図である。 本発明の実施形態のシステムにおける演算制御の処理フローである。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。なお、図中同一または相当部分には同一の符号を付し、説明は省略する。
図1は、本発明の実施形態のシステムの構成図である。システム1は、複数の車両10と、複数のユーザ端末20と、1又は複数のクライアントサーバ30と、1又は複数のイベント管理者のイベントサーバ40(通信装置40)と、管理サーバ50(管理装置50)とを備えるグリッドコンピューティングシステムである。これらの構成要素は、通信ネットワーク5を介して互いに通信可能である。複数の車両10の各々には、演算装置105が搭載される。
本実施形態では、ユーザが所望のイベントに参加している間に、イベント開催場所の駐車場に駐車された非稼働状態の車両10の演算装置105をグリッドコンピューティングに参加させるように構成されている。
図2は、本実施形態のシステムにおけるグリッドコンピューティングの説明図である。図2に示すように、システム1では、複数の演算装置105によりグリッドコンピューティングが構成され、複数の演算装置105のうち利用可能な演算装置105にジョブデータ(演算ジョブ)を処理させるグリッドコンピューティング処理が行われる。
なお、車両10において演算装置105の計算能力又は演算能力が必要となると、演算装置105が稼働状態となり、演算装置105の計算能力が利用される。例えば、車両10が走行している場合、車両10の走行制御のために演算装置105の計算能力が必要となり、演算装置105が稼働状態となる。
一方、車両10において演算装置105の計算能力が不要となると、演算装置105が停止状態となり、演算装置105の計算能力が利用されなくなる。例えば、車両10が停車して車両10の電源がオフ状態(IGオフ)になると、演算装置105の計算能力が不要となり、演算装置105が停止状態となる。したがって、車両10において演算装置105の計算能力が不要である場合に、演算装置105が、その計算能力をグリッドコンピューティング処理に提供することにより、演算装置105の計算能力(すなわち、演算資源)を有効に利用することが可能となる。
図3は、本実施形態のシステムにおける車両の説明図である。車両10は、ユーザが使用する自動車であり、例えば、電気自動車、プラグインハイブリッド自動車などである。車両10には、電池(図示省略)が搭載されており、電池の電力が、演算装置105などの車載機器に供給される。図3に示すように、車両10は、アクチュエータ11と、センサ12と、入力部101と、出力部102と、通信部103と、記憶部104と、演算装置105とを備える。
アクチュエータ11は、駆動系のアクチュエータ、操舵系のアクチュエータ、制動系のアクチュエータなどを含む。駆動系のアクチュエータの例としては、エンジン、トランスミッション、モータが挙げられる。制動系のアクチュエータの例としては、ブレーキが挙げられる。操舵系のアクチュエータの例としては、ステアリングが挙げられる。
センサ12は、車両10の制御に用いられる各種の情報を取得する。センサ12の例としては、車外を撮像する車外カメラ、車内を撮像する車内カメラ、車外の物体を検出するレーダ、車速センサ、加速度センサ、ヨーレートセンサ、アクセル開度センサ、ステアリングセンサ、ブレーキ油圧センサなどが挙げられる。
入力部101は、情報やデータを入力するための装置である。入力部101の例としては、操作されることで操作に応じた情報を入力する操作部、情報を示す画像を入力するカメラ、情報を示す音声を入力するマイクロフォンなどが挙げられる。操作部の例としては、カーナビゲーション装置の操作ボタンやタッチセンサなどが挙げられる。入力部101に入力された情報やデータは、演算装置105に送られる。
出力部102は、情報やデータを出力するための装置である。出力部102の例としては、情報を示す画像を出力する表示部、情報を示す音声を出力するスピーカなどが挙げられる。表示部の例としては、カーナビゲーション装置のディスプレイが挙げられる。スピーカの例としては、カーナビゲーション装置のスピーカが挙げられる。
通信部103は、情報やデータを送受信するための装置である。通信部103により受信された情報やデータは、演算装置105に送られる。記憶部104は、情報やデータを記憶する記憶装置である。記憶部104は、演算装置105が備えていてもよい。
演算装置105は、車両10の各部を制御するための装置である。この例では、演算装置105は、センサ12により得られた各種の情報に応じてアクチュエータ11を制御する。演算装置105は、プロセッサ、メモリなどを有するコンピュータ装置である。プロセッサの例としては、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、MPU(Media Processing Unit)などが挙げられる。本例では、プロセッサは、CPUとGPUを含む。メモリは、プロセッサを動作させるためのプログラム、プロセッサの処理結果を示す情報やデータなどを記憶する。
なお、演算装置105に搭載されるプロセッサの数は、1つであってもよいし、複数のであってもよい。また、演算装置105に搭載されるプロセッサは、CPU、GPU、MPUのうちの1又は複数を含んでもよい。例えば、演算装置105は、1又は複数のECU(Electronic Control Unit)により構成される。
この例では、記憶部104は、車両情報D11と、車両状態情報D12と、走行履歴情報D13と、演算装置情報D14と、稼働履歴情報D15とを記憶する。
車両情報D11は、車両10に関する情報である。例えば、車両情報D11は、車両10に設定された車両ID、車両の性能を示す車両性能情報などを含む。車両IDは、車両10を識別する車両識別情報の一例である。ユーザIDは、ユーザを識別するユーザ識別情報の一例である。
車両状態情報D12は、車両10の状態を示す。例えば、車両状態情報D12は、車両位置情報、車両通信情報、車両電源情報、車両電池残量情報、車両充電情報などを含む。車両位置情報は、車両10の位置(緯度および経度)を示す。例えば、車両位置情報は、GPS(Global Positioning System)により取得可能である。車両通信情報は、車両10の通信状態を示す。車両電源情報は、車両10の電源の状態を示す。例えば、車両電源情報は、イグニッション電源のオンオフ、アクセサリ電源のオンオフなどを示す。車両電池残量情報は、車両10に搭載された電池(図示省略)の残量を示す。車両充電情報は、充電設備(図示省略)において車両10が充電中であるか否かを示す。
走行履歴情報D13は、車両10の走行履歴を示す情報である。例えば、走行履歴情報D13は、車両10の位置と時刻とを関連付けて示す。
演算装置情報D14は、演算装置105に関する情報である。例えば、演算装置情報D14は、演算装置105に設定された演算装置ID、演算装置105を搭載する車両10に設定された車両ID、演算装置105の性能を示す演算装置性能情報などを含む。演算装置IDは、演算装置105を識別する演算装置識別情報の一例である。演算装置性能情報に示される演算装置105の性能には、演算装置105の計算能力(具体的には最大計算能力)を示す計算能力、演算装置105におけるCPUとGPUとの比率などが含まれる。なお、演算装置105の計算能力は、演算装置105が単位時間当たりに計算することができるデータ量又は演算処理数(演算量)である。
稼働履歴情報D15は、演算装置105の稼働履歴を示す情報である。例えば、稼働履歴情報D15は、演算装置105の計算能力の利用率と時刻とを関連付けて示す。
図4は、本実施形態のシステムにおけるユーザ端末の説明図である。ユーザ端末20は、ユーザが使用する情報端末装置(コンピュータ装置)であり、例えば、スマートフォン、タブレット、ノート型パーソナルコンピュータなどである。ユーザ端末20は、携帯型装置であることが望ましい。図4に示すように、ユーザ端末20は、入力部201と、出力部202と、通信部203と、記憶部204と、制御部205とを備える。
入力部201は、情報やデータを入力するための構成要素である。入力部201の例としては、操作されることで操作に応じた情報を入力する操作部、情報を示す画像を入力するカメラ、情報を示す音声を入力するマイクロフォンなどが挙げられる。操作部の例としては、操作ボタン、タッチセンサなどが挙げられる。入力部101に入力された情報は、演算装置105に送られる。
出力部202は、情報やデータを出力するための構成要素である。出力部202の例としては、情報を示す画像を出力する表示部、情報を示す音声を出力するスピーカなどが挙げられる。
通信部203は、情報やデータを送受信するための構成要素である。通信部303により受信された情報やデータは、制御部205に送られる。記憶部204は、情報やデータを記憶する記憶装置である。
制御部205は、ユーザ端末20の各部を制御するための構成要素である。制御部205は、プロセッサ、メモリなどを有する。メモリは、プロセッサを動作させるためのプログラム、プロセッサの処理結果を示す情報やデータなどを記憶する。
この例では、記憶部204は、端末情報D21と、端末状態情報D22と、スケジュール情報D23とを記憶する。
端末情報D21は、ユーザ端末20に関する情報である。例えば、端末情報D21は、ユーザ端末20に設定されたユーザ端末ID、ユーザ端末20の性能を示すユーザ端末性能情報などを含む。ユーザ端末IDは、ユーザ端末20を識別するユーザ端末識別情報の一例である。
端末状態情報D22は、ユーザ端末20の状態を示す情報である。端末状態情報D22は、ユーザ端末20の位置を示すユーザ端末位置情報、ユーザ端末20の通信状態を示すユーザ端末通信状態情報などを含む。
スケジュール情報D23は、ユーザ端末20を所有するユーザの行動履歴および行動予定を示す。例えば、スケジュール情報D23は、ユーザの位置と滞在期間(または滞在予定期間)とを関連付けて示す。なお、スケジュール情報D23は、ユーザ端末20に搭載されたスケジュール機能により取得可能である。具体的には、ユーザがスケジュール機能を利用して自身の行動履歴および行動予定をユーザ端末20に入力することで、そのユーザの行動履歴および行動予定を示すスケジュール情報D23が得られる。
図5は、本実施形態のシステムにおけるクライアントサーバの説明図である。クライアントサーバ30は、クライアントが使用するサーバ装置又はコンピュータ装置である。クライアントは、例えば、企業、研究機関、教育機関などの事業体であり、プロジェクト又はタスクを実行する。プロジェクトは、計算機シミュレーションのような演算処理と、その他、資金調達、人材の確保、外部機関との折衝等の種々のタスクを含む。このうち、クライアントは、プロジェクトの実行に必要なジョブデータ又は演算ジョブの計算を管理サーバ50に依頼する。図5に示すように、クライアントサーバ30は、入力部301と、出力部302と、通信部303と、記憶部304と、制御部305とを備える。
入力部301は、情報やデータを入力するための装置である。入力部301の例としては、操作されることで操作に応じた情報を入力する操作部、情報を示す画像を入力するカメラ、情報を示す音声を入力するマイクロフォンなどが挙げられる。操作部の例としては、操作ボタン、タッチセンサ、キーボード、マウスなどが挙げられる。入力部301に入力された情報やデータは、制御部305に送られる。
出力部302は、情報やデータを出力するための装置である。出力部302の例としては、情報を示す画像を出力する表示部、情報を示す音声を出力するスピーカなどが挙げられる。通信部303は、情報やデータを送受信するための装置である。通信部303により受信された情報やデータは、制御部305に送られる。記憶部304は、情報やデータを記憶する記憶装置である。
制御部305は、クライアントサーバ30の各部を制御するための装置である。制御部305は、プロセッサ、メモリなどを有する。メモリは、プロセッサを動作させるためのプログラム、プロセッサの処理結果を示す情報やデータなどを記憶する。
この例では、記憶部304は、クライアント情報D31と、ジョブ情報D32と、ジョブデータD1とを記憶する。
クライアント情報D31は、クライアントに関する情報である。クライアント情報D31は、クライアントに設定されたクライアントID、クライアントに所有されるクライアントサーバ30に設定されたクライアントサーバID、担当者名、住所、電話番号などを含む。クライアントIDは、クライアントを識別するクライアント識別情報の一例である。クライアントサーバIDは、クライアントサーバ30を識別するクライアントサーバ識別情報の一例である。
ジョブ情報D32は、ジョブの名称を示すジョブ名称情報、ジョブの内容を説明するジョブ内容情報、ジョブに対応するジョブデータに関するジョブデータ情報、ジョブの納期を示すジョブ納期情報などを含む。ジョブデータ情報は、ジョブデータの計算タイプ、処理条件、必要計算能力などを示す。
ジョブデータD1は、演算処理データ(演算ジョブ)であり、例えば、シミュレーション計算等のデータである。ジョブデータD1は、計算タイプにより分類可能である。計算タイプの例としては、CPU系の計算タイプ、GPU系の計算タイプなどが挙げられる。CPU系の計算タイプのジョブデータD1では、シミュレーション計算など、条件分岐の多い複雑な計算が要求される傾向にある。GPU系の計算タイプのジョブデータD1では、画像処理や機械学習など、膨大な量の単純計算が要求される傾向にある。また、ジョブデータD1は、処理条件により分類可能である。処理条件の例としては、常時通信が要求される処理条件、常時通信が要求されない処理条件などが挙げられる。
図6は、本実施形態のシステムにおけるイベントサーバの説明図である。イベントサーバ40は、イベントを開催するイベント管理者により使用されるサーバ装置又はコンピュータ装置である。ユーザは、イベントへの参加予約又は参加登録を行うことができる。このようなイベントの例としては、室内又は野外音楽コンサート、スポーツ競技(例えば、野球)、演劇、映画などが挙げられる。
図6に示すように、イベントサーバ40は、入力部401と、出力部402と、通信部403と、記憶部404と、制御部405とを備える。イベントサーバ40の入力部401、出力部402、通信部403、記憶部404、制御部405の構成は、クライアントサーバ30の入力部301、出力部302、通信部303、記憶部304、制御部305の構成と同様である。
この例では、記憶部404は、イベント情報D41と、イベント参加者情報D42とを記憶する。イベント情報D41は、イベントに関する情報である。イベント情報D41は、イベントに設定されたイベントID、イベントの名称、イベントの種類、イベント開催日時、イベント開催場所、イベント参加人数、規制退場情報などを含む。イベントIDは、イベントを識別するイベント識別情報の一例である。規制退場情報は、規制退場を行う場合の、各座席の規制退場順序、退場遅れ時間の長さ設定などを含む。
参加者情報D42は、イベントの参加者に関する情報である。ユーザは、イベントへ参加申請する際に参加者情報D42の一部を特定する。参加者情報D42には、イベント毎に、イベントID、参加する各ユーザの個人情報、座席、規制退場順序、退場予定時刻などが含まれる。ユーザの個人情報には、ユーザの住所、連絡先(イベント参加者のユーザ端末20の通信アドレス、車両10の通信アドレスなど)などが含まれる。なお、参加者情報D42は、後述するユーザテーブルD51のユーザID及び車両IDを含んでもよい。
図7は、本実施形態のシステムにおける管理サーバの説明図である。管理サーバ50(又は管理装置50)は、グリッドコンピューティングを実行するシステム1の運営を管理するサーバ装置又はコンピュータ装置である。図7に示すように、管理サーバ50は、入力部501と、出力部502と、通信部503と、記憶部504と、制御部505とを備える。管理サーバ50の入力部501、出力部502、通信部503、記憶部504、制御部505の構成は、クライアントサーバ30の入力部301、出力部302、通信部303、記憶部304、制御部305の構成と同様である。
この例では、記憶部504は、ユーザテーブルD51と、演算装置テーブルD52と、クライアントテーブルD53と、ジョブテーブルD54と、リソーステーブルD55と、イベント管理テーブルD56と、ジョブデータD1と、計算結果データD2とを記憶する。
ユーザテーブルD51は、ユーザを管理するためのテーブルである。ユーザテーブルD51には、ユーザ毎に、そのユーザに設定されたユーザID、そのユーザに所有される車両10に設定された車両ID、そのユーザに所有される演算装置105に設定された演算装置ID、そのユーザに所有されるユーザ端末20に設定されたユーザ端末IDなどが登録される。また、ユーザテーブルD51には、ユーザの個人情報(名前、住所、ユーザの連絡先(ユーザ端末20の通信アドレス、車両10の通信アドレスなど))が登録される。
演算装置テーブルD52は、演算装置105を管理するためのテーブルである。演算装置テーブルD52には、演算装置105毎に、その演算装置105に設定された演算装置ID、その演算装置105を所有するユーザに設定されたユーザID、その演算装置105が搭載される車両10に設定された車両IDなどが登録される。
また、演算装置テーブルD52には、演算装置105毎に、その演算装置105の性能(計算能力やCPUとGPUの比率など)、その演算装置105の稼働状況(稼働履歴および稼働予定)などが登録される。言い換えると、演算装置テーブルD52は、複数の演算装置105の各々の稼働状況を示す稼働状況情報D5と、複数の演算装置105の各々の性能を示す性能情報D6とを含む。性能情報D6は、複数の演算装置105の各々の計算能力を示す計算能力情報D7を含む。
クライアントテーブルD53は、クライアントを管理するためのテーブルである。クライアントテーブルD53には、クライアント毎に、そのクライアントに設定されたクライアントID、クライアントに所有されるクライアントサーバ30に設定されたクライアントサーバID、そのクライアントの担当者名、住所、電話番号などが登録される。
ジョブテーブルD54は、クライアントから依頼されたジョブを管理するためのテーブルである。ジョブテーブルD54には、ジョブ毎に、そのジョブに設定された受付番号、そのジョブを依頼したクライアントに設定されたクライアントID、そのジョブの名称および内容などが登録される。また、ジョブテーブルD54には、ジョブ毎に、そのジョブに対応するジョブデータの計算タイプおよび処理条件、そのジョブデータの計算に必要となる計算能力である必要計算能力、そのジョブに設定された納期などが登録される。
リソーステーブルD55は、グリッドコンピューティング処理における計算能力を管理するためのテーブルである。具体的には、リソーステーブルD55は、後述する予測処理の結果を管理するためのテーブルである。リソーステーブルD55には、演算装置105毎に、その演算装置105に設定された演算装置ID、その演算装置105のグリッドコンピューティング処理において利用可能な計算能力の時間的変化の予測結果などが登録される。
イベント管理テーブルD56は、イベント毎に、イベント中に実行されるジョブ、ジョブの演算処理日時、及び演算グループを記憶するテーブルである。演算グループは、複数の演算装置105で構成される。イベント管理テーブルD56には、各イベントを識別するイベントID、そのイベントで演算処理される1又は複数のジョブに設定された受付番号、1又は複数のジョブに対応するジョブデータ、各ジョブデータに対して割り当てられた演算グループ、各演算グループを構成する複数の演算装置105の演算装置ID、各ジョブデータの演算処理日時などが登録される。
記憶部504に記憶されるジョブデータD1は、ジョブ受付処理により受け付けられたジョブデータD1である。
記憶部504に記憶される計算結果データD2は、後述するグリッドコンピューティング処理により計算されたジョブデータであり、その計算の結果を示す。
次に、ユーザテーブルD51の更新について説明する。ユーザテーブルD51は、管理サーバ50の制御部505により更新される。例えば、新規のユーザがシステム1に加入すると、制御部505は、その新規のユーザに関連する情報(上記個人情報を含む)をユーザテーブルD51に登録することで、ユーザテーブルD51を更新する。
具体的には、制御部505は、新規のユーザに対してユーザIDを新たに設定し、新規のユーザに設定された「ユーザID」と、そのユーザに所有される車両10に設定された「車両ID」と、その車両10に搭載された演算装置105に設定された「演算装置ID」と、新規のユーザに所有されるユーザ端末20に設定された「ユーザ端末ID」とを関連付けて、ユーザテーブルD51に登録する。
なお、新規のユーザに所有される車両10と管理サーバ50との通信により、新規のユーザに関連する「車両ID」と「演算装置ID」とを得ることが可能である。また、新規のユーザに所有されるユーザ端末20と管理サーバ50との通信により、新規のユーザに関連する「ユーザ端末ID」を得ることが可能である。
次に、演算装置テーブルD52の更新について説明する。演算装置テーブルD52は、管理サーバ50の制御部505により更新される。例えば、新規の演算装置105がシステム1に加入すると、制御部505は、その新規の演算装置105に関連する情報を演算装置テーブルD52に登録することで、演算装置テーブルD52を更新する。
具体的には、制御部505は、新規の演算装置105に設定された「演算装置ID」と、その演算装置105を所有するユーザに設定された「ユーザID」と、その演算装置105を搭載する車両10に設定された「車両ID」と、その演算装置105の「性能」および「稼働状況」とを関連付けて、演算装置テーブルD52に登録する。
なお、新規の演算装置105を搭載する車両10と管理サーバ50との通信により、新規の演算装置105に関連する「演算装置ID」と「車両ID」と「性能」と「稼働状況」とを得ることが可能である。また、ユーザテーブルD51を参照することにより、新規の演算装置105に関連する「ユーザID」を得ることが可能である。
次に、クライアントテーブルD53の更新について説明する。クライアントテーブルD53は、管理サーバ50の制御部505により更新される。例えば、新規のクライアントがシステム1に加入すると、制御部505は、その新規のクライアントに関連する情報をクライアントテーブルD53に登録することで、クライアントテーブルD53を更新する。
具体的には、制御部505は、新規のクライアントに対してクライアントIDを新たに設定し、新規のクライアントに設定された「クライアントID」と、新規のクライアントに所有されるクライアントサーバ30に設定された「クライアントサーバID」と、新規のクライアントの「担当者」と「住所」と「電話番号」とを関連付けて、クライアントテーブルD53に登録する。なお、クライアントサーバ30と管理サーバ50との通信により、新規のクライアントに関する「クライアントサーバID」と「担当者」と「住所」と「電話番号」とを得ることが可能である。
次に、図8~図13を参照して、本実施形態のシステム1におけるグリッドコンピューティング処理の流れについて説明する。図8はイベントサーバの処理フロー、図9はイベントサーバが記憶する参加者情報の説明図、図10は管理サーバの処理フロー、図11は管理サーバが記憶するイベント管理テーブルの説明図、図12は演算グループの説明図、図13は演算制御の処理フローである。
ユーザは、管理サーバ50のユーザテーブルD51に登録されており、ユーザの車両10の演算装置105も演算装置テーブルD52に登録されている。したがって、管理サーバ50は、ユーザから車両10の演算装置105を特定して、適宜に(例えば、ユーザがイベント参加中に)、そのユーザの演算装置105をグリッドコンピューティングに参加させることができる。
まず、図8~図9を参照して、ユーザによるイベントへの参加申請に応答して実行されるイベントサーバ40の処理について説明する。イベント参加申請期間に、複数のユーザは、イベントサーバ40が提供する所定のイベント参加用ウェブサイトにおいて、インターネットを通じて参加申請を行う。これにより、イベントサーバ40は、複数のユーザからイベント参加申請情報を受信する(S11)。イベント参加申請情報には、イベント名、ユーザの個人情報(住所、連絡先)などが含まれ、好ましくは、ユーザID及び車両IDが含まれる。なお、代替的に、イベント参加者管理サーバがイベント参加用ウェブサイトを提供し、イベントサーバ40は、イベント参加者管理サーバからイベント参加申請情報を受信してもよい。
イベントサーバ40は、イベント参加申請情報を受信すると、イベント参加申請情報に基づいて参加者情報D42を作成し(S12)、参加者情報D42を管理サーバ50へ送信する(S13)。図9に示すように、参加者情報D42は、対象となるイベントについて、参加者であるユーザの名前(又はユーザID)、座席、退場順序、退場予定時刻などを含む。
参加者情報D42を作成するため、イベントサーバ40は、イベント開催場所における各参加者(ユーザ)の座席(又は入場許可エリア)を指定する。本実施形態では、イベント開催場所において、ユーザの座席(又は複数のエリアのうち入場が許可された指定エリア)が指定され、イベント終了後に規制退場が実施される。すなわち、本実施形態では、イベント終了後の混雑を防止して、参加者(観客)全員をスムーズにイベント開催場所から退出させるため、座席毎又はエリア毎に退場順序が指定される。このため、イベントサーバ40は、さらに座席の位置又はエリアの位置に基づいて、各ユーザの退場順序及び退場予定時刻を自動的に設定する。退場順序が最も早いユーザと最も退場順序が遅いユーザでは、例えば、退場時刻に1時間の退場時間遅れ(時間差)が生じ得る。
次に、図10~図13を参照して、イベントにおいてグリッドコンピューティング処理を実行するための管理サーバ50の処理について説明する。まず、管理サーバ50(制御部505)は、好ましくはイベント開始時刻よりも前の所定時に、イベントサーバ40から参加者情報D42を受信する(S21)。管理サーバ50は、参加者情報D42に基づいて、ユーザテーブルD51を参照して、参加者であるユーザを特定することができる。すなわち、参加者情報D42に登録されているユーザ特定情報(ユーザID又はユーザの個人情報)を、ユーザテーブルD51に登録されているユーザ特定情報を用いて認証することにより、ユーザが特定される。すなわち、両者が一致する場合に、ユーザが特定される。
さらに、管理サーバ50は、参加者情報D42を用いて、イベント管理テーブルD56を更新する(S22)。具体的には、管理サーバ50は、参加者情報D42の退場順序が早い順に、複数のユーザを複数の演算グループに組み分け、各演算グループを所定の演算ジョブに割り当てる処理を行う。各演算グループは複数のユーザの演算装置105を含み、各演算グループに属する複数の演算装置105は、同じ演算ジョブを並列処理する。すなわち、同じ演算グループの複数の演算装置105の各々は、同じ演算ジョブを複数に分割した演算単位ブロック(タスク又はサブタスク)の演算処理を実行する。
図11に示すように、管理サーバ50は、イベント管理テーブルD56において、各ユーザに対して、退場順序と退場予定時刻を登録すると共に、演算グループを設定する。この例では、退場順序が同じである複数のユーザが同じ演算グループに設定されている。なお、同じ退場順序のユーザが多数存在する場合は、同じ退場順序の複数のユーザにより、2つ以上の演算グループを設定してもよい。また、同一の退場順序に限らず、近い退場順序の複数のユーザを同じ演算グループに設定してもよい。
また、図12に示すように、管理サーバ50は、各演算グループについて、演算開始時刻及び演算終了予定時刻を設定する。演算開始時刻は、いずれの演算グループも同じ時刻を設定することができる。演算開始時刻Tsは、例えば、イベントの開始予定時刻(例えば、コンサートの開演予定時刻、野球の試合の開始予定時刻)に、所定の余裕時間(-30分~+30分等)を加算した時刻である。また、演算終了予定時刻は、演算グループによって異なるように設定することができる。演算終了予定時刻Tekは、例えば、イベントの終了予定時刻に、退場順序を考慮した所定の付加時間tk(≧0分)を加算した時刻である。退場順序が早い演算グループの付加時間(例えば、0分)よりも、退場順序が遅い演算グループの付加時間(例えば、60分)の方が長く設定される。よって、退場順序が遅い演算グループは、より長く演算処理を確保することができるので、より大きな演算量の演算処理を実行可能である。
図12の例では、複数のn個の演算グループG1~Gnが形成されている。各演算グループは複数の演算装置105によって構成される。演算グループG1~Gnの演算開始時刻Tsは同じ時刻である。一方、最も退場順序が早い演算グループG1の演算終了予定時刻Te1が最も早い時刻に設定され、最も退場順序が遅い演算グループGnの演算終了予定時刻Tenが最も遅い時刻に設定される。すなわち、演算グループG1~Gnの付加時間t1~tnは、退場順序が遅いほど大きく設定される(t1<t2<t3<・・・<tn)。したがって、演算グループG1の演算装置105よりも演算グループGnの演算装置105には、より大きな演算量の演算ジョブ(サブタスク)を割り当てることが可能である。
次に、管理サーバ50は、ユーザの車両10の車両位置情報に基づいて、ユーザの車両10がイベント開催場所の駐車場に駐車されているか否かを判定する(S23)。すなわち、管理サーバ50は、車両10から車両位置情報を受信し、車両10がイベント開催場所の駐車場に位置するか否かを判定する。この処理は、任意であり、参加申請を行ったユーザが実際にイベントに参加していない場合は、ステップS22に戻って、演算グループを再度組み分けすることができる。なお、管理サーバ50は、車両10から車両位置情報を使用する代わりに、イベント管理者(例えば、イベントサーバ40)から、車両10がイベント開催場所の駐車場に駐車したことを示す情報や、ユーザがイベント開催場所に入場したことを示す情報を取得及び使用してもよい。
さらに、管理サーバ50は、所定時にユーザに対して、イベント中に演算装置105を用いてグリッドコンピューティング処理が実行されることを通知する(S24)。好ましくは、その通知は、ユーザが設定された退場順序を守って退場待ちをしている間にグリッドコンピューティングが実行されることを含む。さらに好ましくは、その通知は、演算終了予定時刻Tekを含んでいてもよい。具体的には、管理サーバ50は、演算処理の実行前に、ユーザのユーザ端末20又は車両10に対して上記の通知を行う。なお、代替的に、管理サーバ50は、演算処理の実行中に上記の通知を行ってもよい。次に、管理サーバ50は、演算制御を実行し(S25)、処理を終了する。管理サーバ50は、演算制御により、各演算グループに割り当てた演算ジョブを各演算グループに実行させる。
図13を参照して、演算制御についてさらに説明する。まず、制御部505は、イベント管理テーブルD56を参照し、グリッドコンピューティング処理の対象となる1又は複数のジョブデータD1を、各ジョブデータD1に割り当てられた演算グループの演算装置105に分配する(S31)。具体的には、制御部505は、各ジョブデータD1に割り当てられた演算グループの演算装置105の各々に、そのジョブデータD1の一部を送信する。これにより、各ジョブデータD1は、そのジョブデータD1に割り当てられた演算グループの複数の演算装置105により並列処理される。
図12を参照すると、演算グループG1~Gnの各々は、それぞれ割り当てられた演算ジョブ1~n(ジョブデータD1、又はジョブデータD1をさらに分割したタスク)の演算処理を実行する。また、各演算グループに割り当てられた演算ジョブは、複数の演算単位ブロック(サブタスク)に分割される。各演算グループの複数の演算装置105の各々は、割り当てられたサブタスクの演算処理を実行する。
次に、各演算グループの演算装置105の各々は、その演算装置105に送信されたデータ(ジョブデータD1の一部)の計算が完了すると、その計算により得られた部分計算結果データを管理サーバ50に送信する。管理サーバ50の制御部505は、演算装置105から送信された部分計算結果データを受信し、その部分計算結果データを記憶部504に記憶する(S32)。また、管理サーバ50は、各演算装置105から部分計算結果を受信すると、ジョブテーブルD54に、各演算装置105に割り当てた演算量を記憶する。
制御部505は、ステップS31においてジョブデータD1が分配された演算装置105の全てが計算を完了したか否かを判定する(S33)。演算装置105の全てが計算を完了している場合には、ステップS34の処理が行われ、そうでない場合には、ステップS32の処理が行われる。
演算装置105の全てが計算を完了すると、制御部505は、記憶部504に記憶された部分計算結果データを結合することで、グリッドコンピューティング処理の対象となるジョブデータD1に対応する計算結果データD2(ジョブデータD1の計算の結果を示す計算結果データD2)を生成する。そして、制御部505は、グリッドコンピューティング処理の対象となるジョブデータD1に対応する計算結果データD2を、そのジョブデータD1の計算を依頼したクライアントのクライアントサーバ30に送信する(S34)。
次に、制御部505は、演算装置105による計算能力を提供したユーザに対して、システム1を運営する事業者から報酬を付与するための処理を実行する(S35)。ユーザに付与される報酬の例としては、システム1において利用可能なポイント、仮想通貨、商品の割引特典などが挙げられる。
また、報酬額は、各演算装置105が対象のジョブデータD1の演算処理で実行した演算量(演算単位ブロック数)に応じて算出される。例えば、報酬額は、演算量に報酬係数を乗算して算出することができる。演算装置105は、より長い演算時間を提供することにより、より多くの演算量(演算単位ブロック数)を実行することができる。また、代替的に、演算量に代えて、演算開始から演算終了までの演算時間に応じて報酬額を算出してもよい。報酬額を含む報酬情報は、各ユーザのユーザIDに関連付けてユーザテーブルD51に登録される。
また、報酬額は、演算量に応じた報酬分に加えて、ユーザが退場順序を守ったことに対して付加的な報酬分を含んでもよい。例えば、ユーザがイベント後に車両10を稼働状態にしたとき(すなわち、車両10の電源をオン状態(IGオン)にしたとき)、車両10から管理サーバ50へIGオン信号を送信することができる。管理サーバ50は、そのユーザの退場予定時刻以降にIGオン信号を受信した場合に、付加的な報酬分を加算することができる。
次に、本実施形態の管理装置及び管理方法の作用について説明する。
本実施形態の管理装置50は、通信ネットワーク5を介して接続された複数の車両10に搭載された演算装置105に演算ジョブD1を演算処理させるグリッドコンピューティング処理のための管理装置50であって、演算装置105は、イベント開催場所で開催されるイベントに車両10で来場した複数のユーザの各車両10に搭載されたものであり、管理装置50は、複数のユーザの各々に対して予め設定されたイベントの終了後の退場順序を含む参加者情報D42を有しており、複数のユーザの各々の退場順序に基づいて、複数のユーザの演算装置105を複数の演算グループG1~Gnに組み分けし、演算装置105は、演算ジョブD1の演算処理の実行前又は実行中に、複数のユーザに対してイベント中に演算装置105による演算処理が実行されることを通知し、管理装置50は、イベントの開催期間中の少なくとも一部の期間において、各演算グループG1~Gnを構成する複数の演算装置105に同一の演算ジョブD1を並列処理させるように構成されている。
このように構成された本実施形態では、管理装置50は、複数のユーザがイベントに参加しており、これにより複数のユーザの車両10が非稼働状態であるときに、複数のユーザの車両10の演算装置105で形成した演算グループを用いてグリッドコンピューティング処理を実行することができる。また、これら複数の演算装置105は、同じエリア内(イベント開催場所付近の駐車場)に存在する。これにより、本実施形態では、演算装置105が車両10のために実質的に使用されていない状態で、演算装置105をグリッドコンピューティング処理に参加させることができるので、安定した品質の演算能力を確保することができる。
さらに、本実施形態では、イベント終了後のユーザの退場順序に基づいて、複数の演算装置105からなる演算グループG1~Gnを形成するので、各演算グループG1~Gnの複数の演算装置105を搭載する複数の車両10が駐車場から退場可能な時刻を一致させることができる。また、本実施形態では、ユーザに対してイベント中に、好ましくは退場待ちの間に、グリッドコンピューティング処理を実行する旨を通知するので、少なくともイベント中は車両10を出庫させることなく、さらに退場順序を守って車両10を駐車場から出庫させようとする動機付け(グリッドコンピューティングへの参加による社会的な貢献の意識など)をユーザに与えることができる。よって、本実施形態では、演算グループG1~Gnから一部の演算装置105が演算終了前に離脱することを防止して、さらに安定した品質の演算能力を確保することが出来ると共に、イベント終了後の駐車場の渋滞を抑制することができる。
また、本実施形態では、管理装置50は、参加者情報D42に基づいて、退場順序が早い順に複数の演算グループG1~Gnを設定するように構成されている。このように構成された本実施形態では、退場順序が早い演算グループから退場順序が遅い演算グループをそれぞれ設定することができる。具体的には、本実施形態では、管理装置50は、参加者情報D42に基づいて、退場順序が同じユーザの演算装置105を同じ演算グループに設定するように構成されている。
また、本実施形態では、管理装置50は、各演算グループG1~Gnの演算装置105による演算処理の演算終了予定時刻Te1~Tenを、退場順序に基づいて設定するように構成されている。このように構成された本実施形態では、退場順序が遅い演算グループに、より長く演算処理を実行させることが可能となる。
また、本実施形態では、管理装置50は、退場順序がより遅い演算グループ(例えば、Gn)に属する演算装置105ほど、より大きな演算量の演算処理を実行するように、又は、演算処理の演算終了予定時刻がより遅くなるように演算ジョブを割り当てるように構成されている。このように構成された本実施形態では、イベントに来場した複数の車両10の演算装置105の演算能力を、退場順序を考慮して効率的に利用することができる。
また、本実施形態では、管理装置50は、ユーザの演算装置105による演算処理の演算量に応じて、ユーザへ付与する報酬を算出するように構成されている。このように構成された本実施形態では、ユーザは演算装置105による演算処理によって報酬が得られるので、少なくともイベント中は車両10を駐車状態に維持させようとする動機付けをユーザに与えることができる。
また、本実施形態では、管理装置50は、参加者情報D42をイベント管理者の通信装置(イベントサーバ40)から受信するように構成されている。このように構成された本実施形態では、管理装置50は、外部から参加者情報D42を受信して、複数の演算グループG1~Gnを組み分けすることができる。
また、本実施形態では、管理装置50は、車両10の演算装置105から、又は、イベント管理者の通信装置(イベントサーバ40)から、車両10の位置情報を受信するように構成されている。このように構成された本実施形態では、管理装置50は、車両10の位置情報により、ユーザ(又は演算装置105)がイベント開催場所に来場したことを確認することができる。
また、本実施形態の管理方法は、通信ネットワーク5を介して接続された複数の車両10に搭載された演算装置105に管理装置50が演算ジョブD1を演算処理させるグリッドコンピューティングシステムにおける管理方法であって、演算装置105は、イベント開催場所で開催されるイベントに車両10で来場した複数のユーザの各車両10に搭載されたものであり、管理装置50が、複数のユーザの各々に対して予め設定されたイベントの終了後の退場順序を含む参加者情報D42を有しており(S21)、複数のユーザの各々の退場順序に基づいて、複数のユーザの演算装置105を複数の演算グループG1~Gnに組み分けするステップ(S22)と、演算装置105が、演算ジョブD1の演算処理の実行前又は実行中に、複数のユーザに対してイベント中に演算装置105による演算処理が実行されることを通知するステップ(S24)と、管理装置50が、イベントの開催期間中の少なくとも一部の期間において、各演算グループを構成する複数の演算装置105に同一の演算ジョブD1を並列処理させるステップ(S25)と、を含む。
1 システム
10 車両
105 演算装置
20 ユーザ端末
30 クライアントサーバ
40 イベントサーバ(通信装置)
50 管理サーバ(管理装置)
D1 ジョブデータ(演算ジョブ)
D2 計算結果データ

Claims (9)

  1. 通信ネットワークを介して接続された複数の車両に搭載された演算装置に演算ジョブを演算処理させるグリッドコンピューティング処理のための管理装置であって、
    前記演算装置は、イベント開催場所で開催されるイベントに車両で来場した複数のユーザの各車両に搭載されたものであり、
    前記管理装置は、前記複数のユーザの各々に対して予め設定された前記イベントの終了後の退場順序を含む参加者情報を有しており、前記複数のユーザの各々の退場順序に基づいて、前記複数のユーザの演算装置を複数の演算グループに組み分けし、
    前記管理装置は、前記演算ジョブの演算処理の実行前又は実行中に、前記複数のユーザに対して前記イベント中に前記演算装置による演算処理が実行されることを通知し、
    前記管理装置は、前記イベントの開催期間中の少なくとも一部の期間において、各演算グループを構成する複数の演算装置に同一の演算ジョブを並列処理させるように構成されている、管理装置。
  2. 前記管理装置は、前記参加者情報に基づいて、前記退場順序が早い順に前記複数の演算グループを設定するように構成されている、請求項1に記載の管理装置。
  3. 前記管理装置は、前記参加者情報に基づいて、前記退場順序が同じユーザの演算装置を同じ演算グループに設定するように構成されている、請求項1又は2に記載の管理装置。
  4. 前記管理装置は、各演算グループの演算装置による演算処理の演算終了予定時刻を、前記退場順序に基づいて設定するように構成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の管理装置。
  5. 前記管理装置は、前記退場順序がより遅い演算グループに属する演算装置ほど、より大きな演算量の演算処理を実行するように、又は、前記演算処理の演算終了予定時刻がより遅くなるように前記演算ジョブを割り当てるように構成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の管理装置。
  6. 前記管理装置は、前記ユーザの演算装置による前記演算処理の演算量に応じて、前記ユーザへ付与する報酬を算出するように構成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の管理装置。
  7. 前記管理装置は、前記参加者情報をイベント管理者の通信装置から受信するように構成されている、請求項1~6のいずれか一項に記載の管理装置。
  8. 前記管理装置は、前記車両の演算装置から、又は、イベント管理者の通信装置から、前記車両の位置情報を受信するように構成されている、請求項1~7のいずれか一項に記載の管理装置。
  9. 通信ネットワークを介して接続された複数の車両に搭載された演算装置に管理装置が演算ジョブを演算処理させるグリッドコンピューティングシステムにおける管理方法であって、
    前記演算装置は、イベント開催場所で開催されるイベントに車両で来場した複数のユーザの各車両に搭載されたものであり、
    前記管理装置が、前記複数のユーザの各々に対して予め設定された前記イベントの終了後の退場順序を含む参加者情報を有しており、前記複数のユーザの各々の退場順序に基づいて、前記複数のユーザの演算装置を複数の演算グループに組み分けするステップと、
    前記管理装置が、前記演算ジョブの演算処理の実行前又は実行中に、前記複数のユーザに対して前記イベント中に前記演算装置による演算処理が実行されることを通知するステップと、
    前記管理装置が、前記イベントの開催期間中の少なくとも一部の期間において、各演算グループを構成する複数の演算装置に同一の演算ジョブを並列処理させるステップと、を含む管理方法。
JP2021166609A 2021-10-11 2021-10-11 管理装置及び管理方法 Pending JP2023057227A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021166609A JP2023057227A (ja) 2021-10-11 2021-10-11 管理装置及び管理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021166609A JP2023057227A (ja) 2021-10-11 2021-10-11 管理装置及び管理方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023057227A true JP2023057227A (ja) 2023-04-21

Family

ID=86006248

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021166609A Pending JP2023057227A (ja) 2021-10-11 2021-10-11 管理装置及び管理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023057227A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Karimi et al. Task offloading in vehicular edge computing networks via deep reinforcement learning
JP6906373B2 (ja) 車両の走行計画を管理するためのシステム、方法、及びプログラム
US20220044570A1 (en) Dispatching provider devices utilizing multi-outcome transportation-value metrics and dynamic provider device modes
US20220044569A1 (en) Dispatching provider devices utilizing multi-outcome transportation-value metrics and dynamic provider device modes
JP2023057227A (ja) 管理装置及び管理方法
WO2022230644A1 (ja) 管理システム及び管理方法
US20230076582A1 (en) Transmitting digital transportation requests across modes to limited-eligibility provider devices to improve network coverage and system efficiency
JP2023057228A (ja) 管理装置及び管理方法
WO2022230633A1 (ja) 管理システムおよび管理方法
WO2023032563A1 (ja) グリッドコンピューティングの管理装置及び管理方法
WO2023032749A1 (ja) 管理装置及び管理方法
WO2022230624A1 (ja) グリッドコンピューティング管理システム及びその管理方法
CN113077309A (zh) 订单分配方法、装置、计算机设备及可读存储介质
WO2023032750A1 (ja) 管理装置及び管理方法
WO2022230634A1 (ja) 管理システムおよび管理方法
US20240193004A1 (en) Management system, and management method
JP2023034422A (ja) グリッドコンピューティングの管理装置及び管理方法
JP2023057230A (ja) 管理システム及び管理方法
JP2023034411A (ja) 管理装置及び管理方法
JP2023092076A (ja) 管理システム、管理装置、管理方法
JP2023034412A (ja) 管理装置及び管理方法
JP7416302B1 (ja) ビルシステム、利用者管理装置、情報処理装置、サービス提供方法、及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体
JP2023034413A (ja) 管理装置及び管理方法
JP2023057229A (ja) 管理システム及び管理方法
JP2023057224A (ja) グリッドコンピューティングの管理装置及び管理方法