JP2023056822A - スライド扉のガイド機構、吊り戸、及びブース - Google Patents

スライド扉のガイド機構、吊り戸、及びブース Download PDF

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Abstract

Figure 2023056822000001
【課題】使い勝手がよく、開閉移動方向の任意の位置でスライド扉の動きを規制してスライド扉の振れを抑制できるスライド扉のガイド機構を提供する。
【解決手段】内部空間と外部空間とを連通する出入口開口Eを開閉するスライド扉4のガイド機構であって、スライド扉4の下方に設けられた基台60と、スライド扉の下部から基台60の外部空間側を通過して基台60の下側に延出するガイド保持部材61と、ガイド保持部材61の先端部61aに設けられたガイド部材62と、基台60に設けられ、ガイド部材62をスライド扉4の開閉移動方向に沿って移動可能に係合するガイド案内溝63と、を備えている。
【選択図】図5

Description

本発明は、スライド扉のガイド機構、吊り戸、及びブースに関するものである。
従来から、オフィス、展示場及び公共施設等において、執務等を行うためのブースが設置されることがある(例えば、特許文献1参照)。特に、近年、オフィスのフリーアドレス化や携帯端末やパソコン等のICT(情報通信技術)を活用したモバイルワークが進展している。そのため、各種の移動先で小スペースのブースを利用して執務等を行う機会が増加している。
このように近年では、ブースの需要が高まると共に、ブースの扉をよりコンパクトにした形態が求められている。例えば、開き扉のブースにおいては、扉の外側に扉が開くための空間が必要である。開き扉の代わりに横スライド扉を用いた場合には、扉の外側の空間は必要なくなるものの、扉を開ける際に扉が進入する空間が必要であり、そのために通常は扉と同じ幅の進入スペースが扉の横に必要となっている。
これに対して、旋回移動可能なスライド扉を用いることで、外側にも横側にも大きな空間を必要としないブースが、例えば特許文献1に開示されている。このような旋回移動可能なスライド扉では、ブース内部の床面にレールを設ける場合に、レールに物が挟まったり、さらにブースの利用者がレールに足を引っ掛けるおそれがある。そのため、上側にレールを設けた吊下式スライド扉としたものが、例えば特許文献2、3に記載されている。
特許文献2は、吊下式スライド扉において、扉の振れ止めを目的として磁力によって扉の下面を支持するガイド部材を扉の下側に位置する床面に設けたものである。この場合には、扉がそのガイド部材の位置に存在していないとき(開いているとき)に、利用者がガイド部材に足を引っ掛けないように、ガイド部材が上下に揺動可能に設けられた構成となっている。
また、特許文献3には、閉鎖位置にある吊り下げられた扉の下枠内にガイド部材が係合し続ける構造について記載されている。
特開2021-008783号公報 実用新案登録第3208851号公報 特開2020-066978号公報
しかしながら、上述した特許文献2の場合には、床面にガイド部材が設けられているので、ガイド部材にゴミや物が挟まるおそれがあった。
また、特許文献3の場合は、ガイド部材が存在する位置でしか振れ止めとしての機能を発揮することができず、ガイド部材が存在しない位置ではスライド扉の振れを十分に抑えることができないという問題があった。
そのため、床部にレールを設ける場合のように利用者の足が引っ掛かることや、レールやガイド部材に物が挟まるという不具合がない使い勝手のよいもので、さらに上述したようなスライド扉の振れを抑制できるものが求められており、その点で改善の余地があった。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、使い勝手がよく、開閉移動方向の任意の位置でスライド扉の動きを規制してスライド扉の振れを抑制できるスライド扉のガイド機構、吊り戸、及びブースを提供する。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用している。
すなわち、本発明に係るスライド扉のガイド機構は、第一空間と第二空間とを連通する出入口開口を開閉するスライド扉のガイド機構であって、前記スライド扉の下方に設けられた基台と、前記スライド扉の下部から前記基台の前記第二空間側を通過して前記基台の下側に延出するガイド保持部材と、前記ガイド保持部材の先端部に設けられたガイド部材と、前記基台に設けられ、前記ガイド部材を前記スライド扉の開閉移動方向に沿って移動可能に係合するガイド案内部と、を備えている。
本発明に係るスライド扉のガイド機構では、スライド扉の下部に設けられるガイド保持部材の下方に位置する先端部にガイド部材が設けられ、スライド扉の開閉移動とともにガイド部材が基台の下方に配置されるガイド案内部に係合された状態でガイド案内部に案内されて移動する。すなわち、開閉移動時のスライド扉は、ガイド部材を介してガイド案内部に支持されてスライド扉の下部における動きが規制された状態となり、ガイド案内部の延在領域から外れることを防止できる。そのため、スライド扉が開閉移動させた場合、あるいは任意の開閉位置で停止させた場合において、スライド扉の振れを抑制することができる。
また、本発明では、ガイド部材に係合するガイド案内部が基台の下部に位置し、基台の上面には従来のようなスライド扉を案内するレール等が床部に配置されていない構成となる。そのため、本発明のガイド機構によれば、床部にレールを設ける場合のようにレールに利用者の足が引っ掛かることや、レールに物が挟まるという不具合がなく、使い勝手が良好となる。
また、本発明に係るスライド扉のガイド機構では、前記基台の前記第二空間側を向く側面には、前記開閉移動方向に沿って延在する開口部が設けられ、前記ガイド案内部は、前記開口部の内側に設けられ、前記開閉移動方向に延びるガイド案内溝であることを特徴としてもよい。
このように構成されたスライド扉のガイド機構では、基台に設けられる開口部の内側に、ガイド部材が係合するガイド案内溝が設けられているので、ガイド案内溝が第二空間に露出することがなく、そのガイド案内部に物が挟まったり、利用者の足が引っ掛かる等の不具合をより確実に低減することができる。しかも、ガイド案内溝が基台の内側に位置しているので、意匠性を向上させることができる。
また、本発明に係るスライド扉のガイド機構では、前記ガイド案内溝は、下向きに開口し、前記ガイド保持部材は、前記開口部から内側に向けて屈折して、前記ガイド案内溝の下方まで延び、前記ガイド部材は、前記ガイド保持部材の前記先端部から上方に突出し、前記ガイド案内溝に係合する突起部であることを特徴としてもよい。
この場合には、ガイド案内溝の開口が下向きであるので、ガイド案内部に物が挟まったり、塵が入り込むことにより、ガイド部材の移動が阻害されることを防止できる。そのため、スライド扉を安定した姿勢で開閉移動させることができ、スライド扉の振れを確実に抑制できる。
また、本発明では、ガイド保持部材の先端が開口の内側まで延び、さらにガイド部材である突起部がガイド案内溝の溝内に係合されるので、ガイド部材が第二空間側から見えにくく、露出していないので、使い勝手がよく意匠性の観点でも良好となる。
また、本発明に係るスライド扉のガイド機構では、前記ガイド案内溝の開口孔部に連通し、前記第二空間側に切り欠かれた切欠凹部が設けられ、前記切欠凹部は、前記開口孔部に対して、前記開口孔部における前記ガイド部材を前記スライド扉に固定した後に前記ガイド部材が移動できない部分で連通しており、前記ガイド保持部材に設けられた前記突起部が進入可能に設けられていることを特徴としてもよい。
本発明では、ガイド保持部材とともにガイド部材をガイド案内溝に取り付ける際に、ガイド部材を切欠凹部に進入した後、そのガイド部材を切欠凹部からガイド案内溝の開口孔部のうちガイド部材における該ガイド部材をスライド扉に固定した後に移動可能な範囲に移動させることで、ガイド部材をガイド案内溝内で移動可能に配置することができる。そして、ガイド部材を開口孔部に取り付けた状態でガイド保持部材にスライド扉を固定することで、スライド扉を設置できる。そのため、切欠凹部は、スライド扉の開閉移動時においてガイド案内溝内を移動するガイド部材が到達しない位置となる。したがって、スライド扉の開閉移動時において、ガイド部材がガイド案内溝内から不意に脱落することを防止することができる。
また、本発明に係るスライド扉のガイド機構では、前記基台の下面には、高さ調整可能なアジャスタが設けられ、前記アジャスタは、前記開口部からアクセス可能な位置に設けられていることを特徴としてもよい。
このように構成されたスライド扉のガイド機構では、ガイド保持部材が配置される基台下方の開口部を基台の不陸調整用のために必要な空間として利用することができる。そのため、開口部から基台の下面に設けられるアジャスタにアクセスし、アジャスタを操作して基台の高さを調整することができる。
また、本発明に係るスライド扉のガイド機構では、前記ガイド保持部材は、前記スライド扉の戸先部に設けられていることが好ましい。
このように構成されたスライド扉のガイド機構では、スライド扉の戸先側がガイド部材によってガイド案内部に支持されるので、スライド扉を安定させることができる。
また、ガイド保持部材やガイド部材がスライド扉の戸先側のみに配置されるので、スライド扉を全開にした際、ガイド保持部材やガイド部材が出入口開口近傍に位置することになる。そのため、これらガイド保持部材やガイド部材が通過するために確保する収容領域を低減、あるいは不要にすることができ、第一空間のスペース効率を向上させることができる。
また、本発明に係るスライド扉のガイド機構では、前記スライド扉の開閉移動方向は、前記第一空間に位置する旋回軸心を中心とする円弧状に湾曲し、前記スライド扉は、前記旋回軸心を中心に旋回して開いた状態で前記第一空間に進入することを特徴としてもよい。
このように構成されたスライド扉のガイド機構では、旋回式のスライド扉を採用する場合に、開いたスライド扉が第一空間に進入するが、その第一空間や第二空間に開いたスライド扉を収容するための溝状の収容部を別途設ける必要がない。そのうえ、スライド扉が旋回式であってもガイド部材がガイド案内部によって開閉移動可能に係合した状態で支持されているので、安定した姿勢でスライド扉を開閉移動させることができ、スライド扉の振れも抑制することができる。
また、本発明に係るスライド扉のガイド機構では、前記スライド扉は、吊り戸であることを特徴としてもよい。
このように構成されたスライド扉のガイド機構では、上述したように開閉移動方向の任意の位置でスライド扉の動きを規制してスライド扉の振れを抑制できる、優れた吊り戸を提供することができる。
また、本発明に係る吊り戸では、上述したスライド扉のガイド機構を備えている。
本発明では、上述したように開閉移動方向の任意の位置でスライド扉の動きを規制してスライド扉の振れを抑制できる、優れた吊り戸を提供することができる。
また、本発明に係るブースでは、上述したスライド扉のガイド機構を備えた。
本発明では、上述したように開閉移動方向の任意の位置でスライド扉の動きを規制してスライド扉の振れを抑制できる、優れたブースを提供することができる。
本発明に係るスライド扉のガイド機構、吊り戸、及びブースによれば、開閉移動方向の任意の位置でスライド扉の動きを規制してスライド扉の振れを抑制できる。
本発明の一実施形態によるブースを斜め前方から見た斜視図である。 ブースを下方から見た平面図である。 図1に示すA-A線矢視図であって、床部を上方から見た平面図である。 下部ガイド機構を斜め上方から見た斜視図である。 下部ガイド機構を斜め下方から見た斜視図である。 図4に示す下部ガイド機構の要部拡大図であって、一部破断した図である。 ガイド機構のガイド部材を開閉移動方向から見た縦断面図である。
以下、図1から図6を参照して、本発明の一実施形態に係るスライド扉のガイド機構、吊り戸、及びブースについて説明する。
本実施形態のブース1は、オフィスや公共機関等の床面上に設置され、外部空間から離隔された執務等を行う内部空間K1(第一空間)を形成するものである。そして、本実施形態のブース1は、内部空間K1と外部空間K2(第二空間)とを連通する出入口開口Eを開閉する吊り戸からなるスライド扉4の下部ガイド機構6を備えている。
ここで、以下の説明においては、図1~図3に示すように、ブース1の内部空間K1で作業を行う利用者が外部空間K2と内部空間K1との間で出入りする側を「前」、ブース1に対して前側から正対する利用者の右手側を「右」、左手側を「左」、ブース1に対して前側から正対する利用者から見てブース1の裏側を「後」とする。すなわち、外部空間K2と内部空間K1とを出入りする方向を前後方向とし、上から見て前後方向に直交する方向を左右方向、または幅方向とする。
図1に示すように、本実施形態によるブース1は、床部2(基台)と、外壁部3と、スライド扉4(吊り戸)と、上部ガイド機構5と、下部ガイド機構6(ガイド機構)と、ブース設備7と、を備えている。
床部2は、本実施形態のブース1が設置される床面F上に直接的に載置され、外壁部3を下方から支持している。床部2の下面2aには、図2に示すように、平面視で適宜な位置に複数のキャスタ21や、高さ調整可能な複数のアジャスタ22を備えている。キャスタ21は、床面Fに接地可能に設けられ、転動することによりブース1全体を容易に移動させることが可能である。また、ブース1を設置する際においては、アジャスタ22を床面Fに接地させることにより、キャスタ21が床面Fから離間してブース1の移動が規制される。
図3に示すように、床部2の前端部の一部には、出入口開口Eの下方にブース1の出入口部23を有している。出入口部23は、スライド扉4の円弧面を有する扉面形状に沿った円弧形状であり、外側に凸となる凸曲面を形成している。出入口部23には、後述する下部ガイド機構6の円弧状の基台60が取り付けられている。
外壁部3は、支柱31と、側壁32と、天井壁33と、を備えている。
支柱31は、床部2上に立設された柱部材である。支柱31は、平面視において、床部2の4つの隅部の各々に配置されている。これらの4本の支柱31は、同一の高さ寸法とされている。なお、これらの支柱31の高さ寸法が異なっていても良い。また、支柱31の数も変更可能である。
側壁32は、支柱31同士の間の各々に配置されている。図1及び図3に示すように、側壁32は、ブース1の前側に配置された前壁部32Aと、ブース1の右側に配置された右壁部32Bと、ブース1の左側に配置された左壁部32Cと、ブース1の後側に配置された後壁部32Dと、を有する。
外壁部3の前側に設けられる一対の支柱31、31同士の間は、左側の支柱31に固定される前壁部32Aと、前壁部32Aと右側の支柱31との間においてスライド扉4が開閉可能に配置され、利用者の出入口を形成する出入口開口Eと、が配置される。前壁部32Aは床部2の上面に立設され、前壁部32Aの下部と右側の支柱31の下部とが床部2の出入口部23によって接続されている。
右壁部32B、左壁部32C、及び後壁部32Dは、それぞれ床部2の上面に立設され両端部が支柱31に接続されている。
図1に示すように、これら前壁部32A、右壁部32B、左壁部32C、及び後壁部32Dによって囲まれる内部空間K1の後側には、デスクとして使用される天板71が設けられている。つまり、天板71は、不図示の椅子を挟んで出入口開口Eと対向する位置にある。天板71は、後壁部32Dの内壁面に当接して取り付けられ、後壁部32Dから前方に向けて延出するように設けられている。天板71の右縁は右壁部32Bに固定され、左縁は左壁部32Cに固定されている。天板71の高さは、不図示の椅子に着座した利用者が利用できる高さに設定されている。なお、ブース1内における天板71の位置は、本実施形態のように出入口開口Eと対向する位置であることに限定されることはく、他の位置、向きであってもよい。
天井壁33は、支柱31及び側壁32に下方から支持されることによって、内部空間K1を上方から閉塞している。この天井壁33は、不図示の天井フレームと、天井パネル33Aと、を備えている。天井フレームは、天井パネル33Aを水平方向から囲むと共に天井パネル33Aの周縁に接続された枠状の部材であり、支柱31及び側壁32の上端に固定されている。天井パネル33Aは天井フレームに支持されて平面視で天井フレームの内側に配置された板状の部材である。
なお、本実施形態では、天井パネル33Aの上にブース設備7の一部が収容される設備収容部72が設けられている。
図1に示すように、スライド扉4は、上部ガイド機構5によって開閉移動可能に吊り支持された吊り戸である。
スライド扉4は、図3に示す旋回軸心Cを中心とする円弧状に湾曲された扉体であり、上部ガイド機構5によって出入口開口Eを開閉可能とされている。スライド扉4は、ガラスパネル41と、上縁フレーム42と、下縁フレーム43と、側縁フレーム44と、を備えている(図4及び図5参照)。スライド扉4は、旋回軸心Cを中心に旋回して開いた状態で内部空間K1に進入する。
ガラスパネル41は、ガラスによって形成されたパネル体であり、前後方向から見て矩形状とされている。なお、スライド扉4の透光性を確保するためにガラスパネル41を採用しているが、透光性が不要である場合には他の材質のパネル体を用いることも可能である。
上縁フレーム42は、ガラスパネル41の上端縁に接合されたフレーム部材である。下縁フレーム43は、ガラスパネル41の下端縁に接合されたフレーム部材である。側縁フレーム44は、ガラスパネル41の右端縁と左端縁との各々に対して接合されたフレーム部材あり、上縁フレーム42及び下縁フレーム43の端部に対して不図示のボルトによって固定されている。このような側縁フレーム44は、本実施形態において2つ設けられている。これらの上縁フレーム42、下縁フレーム43及び側縁フレーム44は、例えばアルミニウム合金によって形成されている。
スライド扉4は、平面視にて中央部が外部空間K2に向けて膨出するように湾曲された形状とされている。このスライド扉4の中央部は、図3に示すように、出入口開口Eを閉鎖する位置である閉鎖位置にスライド扉4が配置された状態にて、平面視にて前壁部32Aの外壁面よりも外部空間K2側に突出されている。つまり、図2に示すように、スライド扉4を閉鎖した状態で、スライド扉4の中央部は、前方に向けて前壁部32Aの外壁面よりも突出している。このようなスライド扉4は、鉛直方向に沿った旋回軸心Cを中心として出入口開口Eを開閉可能に旋回移動可能とされている。
図1に示すように、上部ガイド機構5は、天井壁33の前側に吊下げ支持されており、前壁部32Aに設けられた出入口開口Eの上部に配置されている。上部ガイド機構5は、スライド扉4を鉛直方向に沿った図3に示す旋回軸心Cを中心とした周方向にスライド可能に支持する機構である。すなわち、スライド扉4の上縁フレーム42が上部ガイド機構5によって支持されている。例えば、上部ガイド機構5は、不図示のリニアモータ等を備えていても良い。このように上部ガイド機構5がリニアモータを備えている場合には、スライド扉4が自動的に移動される。
図4乃至図7に示すように、下部ガイド機構6は、スライド扉4の下方に設けられた基台60と、スライド扉4の下部から基台60の外部空間K2側を通過して基台60の下側に延出するガイド保持部材61と、ガイド保持部材61の先端部61aに設けられたガイド部材62と、基台60に設けられ、ガイド部材62をスライド扉4の開閉移動方向Sに沿って移動可能に係合するガイド案内溝63(ガイド案内部)と、を備えている。
基台60の外部空間K2側を向く外側面60a(側面)には、開閉移動方向Sに沿って延在する開口部65が設けられている。床部2の下面2aに設けられるアジャスタ22は、開口部65からアクセス可能な位置に設けられている。
ガイド案内溝63は、開口部65の内側で、基台60の下面60bに配置されている。ガイド案内溝63は、閉鎖された状態のスライド扉4と上面視で重なる位置に設けられ、スライド扉4の開閉移動方向Sと一致して延在している。すなわち、ガイド案内溝63は、内部空間K1に位置する旋回軸心Cを中心とする円弧状に湾曲している。
ガイド案内溝63は、下向きに開口した開口孔部63aを有している。
図2、図5及び図6に示すように、基台60の下面60bには、ガイド案内溝63の開口孔部63aに連通し、外部空間K2側に切り欠かれた切欠凹部63cが設けられている。切欠凹部63cは、開口孔部63aに対して、開口孔部63aにおけるガイド部材62をスライド扉4に固定した後に移動できない部分で連通していて、ガイド保持部材61に設けられたガイドローラー621が進入可能に設けられている。
ガイド保持部材61は、スライド扉4の下縁フレーム43における戸先部4aに設けられている。ガイド保持部材61は、帯状の板材からなり、スライド扉4の下部から外側に延びる第一部材611と、第一部材611の外端から基台60の外部空間K2側の外側面60aを通過して基台60の下側に延出する第二部材612と、第二部材612の下端からさらに開口部65の内側に向けて屈折して、ガイド案内溝63の下方まで延びる第三部材613と、を有している。第三部材613の先端に、先端部61aが位置する。第三部材613の長さは、第一部材611の長さより長い寸法に設定されている。第三部材613の先端部分(すなわち、ガイドローラー621が取り付けられる部位)は、上面視して第一部材611よりも内部空間K1側に突出している。
ここで、図7に示すように、ガイド保持部材61を取り付ける際には、ガイド保持部材61の上側が手前側になるように倒した状態にして、下からガイドローラー621を切欠凹部63cに挿入する。続いて、ガイド保持部材61を立てるように回動移動させるとき、第二部材612の長さ(第一部材611と第三部材613との間の距離)が基台60の高さ方向の長さよりわずかに長いため、切欠凹部63cが手前側(外部空間K2側)にあることにより、第三部材613の長さが第一部材611の長さより長い寸法であっても、ガイド保持部材61を取り付けることが可能となる。
ガイド部材62は、ガイド保持部材61の先端部61aから上方に突出し、ガイド案内溝63に係合する突起部である。ガイド部材62には、上下方向を回転軸としたガイドローラー621を有している。ガイドローラー621は、スライド扉4が開閉移動したときに、ガイド案内溝63の溝内面との接触により回転可能に設けられている。
このようにガイド案内溝63に切欠凹部63cを設け、さらにガイド保持部材61の第二部材612の長さを基台60の高さ寸法よりも大きくすることで、ガイドローラー621を切欠凹部63cに容易に挿入することができる。そのため、ガイド保持部材61とともにガイド部材62をガイド案内溝63に取り付ける際には、ガイドローラー621を切欠凹部63cに挿入した後、ガイドローラー621を切欠凹部63cからガイド案内溝63の開口孔部63aに移動させることで、ガイド部材62を開口孔部63aにおける移動範囲内に位置させることができる。
このような本実施形態のブース1を利用する場合には、スライド扉4が自動あるいは手動によって、旋回軸心Cを中心として旋回する方向で開放する方向に移動され、出入口開口Eが開放される。出入口開口Eが開放された状態で、利用者は、内部空間K1に入ってスライド扉4が自動あるいは手動にて閉じられる。
このように構成されたブース1に備えられる下部ガイド機構6では、スライド扉4の下部に設けられるガイド保持部材61の下方に位置する先端部61aにガイド部材62が設けられ、スライド扉4の開閉移動とともにガイド部材62が基台の下方に配置されるガイド案内溝63に係合された状態でガイド案内溝63に案内されて移動する。
すなわち、開閉移動時のスライド扉4は、ガイド部材62を介してガイド案内溝63に支持されてスライド扉4の下部における動きが規制された状態となり、ガイド案内溝63の延在領域から外れることを防止できる。そのため、スライド扉4が開閉移動させた場合、あるいは任意の開閉位置で停止させた場合において、スライド扉4の振れを抑制することができる。
また、本実施形態では、ガイド部材62に係合するガイド案内溝63が基台60の下部に位置し、基台60の上面には従来のようなスライド扉4を案内するレール等が床部2に配置されていない構成となる。そのため、本実施形態の下部ガイド機構6によれば、床部にレールを設ける場合のようにレールに利用者の足が引っ掛かることや、レールに物が挟まるという不具合がなく、使い勝手が良好となる。
また、本実施形態では、基台60に設けられる開口部65の内側に、ガイド部材62が係合するガイド案内溝63が設けられているので、ガイド案内溝63が外部空間K2に露出することがなく、そのガイド案内溝63に物が挟まったり、利用者の足が引っ掛かる等の不具合をより確実に低減することができる。しかも、ガイド案内溝63が基台の内側に位置しているので、意匠性を向上させることができる。
また、本実施形態の場合には、ガイド案内溝63の開口が下向きであるので、ガイド案内溝63に物が挟まったり、塵が入り込むことにより、ガイド部材62の移動が阻害されることを防止できる。そのため、スライド扉4を安定した姿勢で開閉移動させることができ、スライド扉4の振れを確実に抑制できる。
また、本実施形態では、ガイド保持部材61の先端部61aが開口部65の内側まで延び、さらにガイド部材62であるガイドローラー621がガイド案内溝63の溝内に係合されるので、ガイド部材62が外部空間K2側から見えにくく、露出していないので、使い勝手がよく意匠性の観点でも良好となる。
また、本実施形態では、スライド扉4を開閉移動させる際に、ガイド案内溝63の内側でガイドローラー621が回転するため、スムーズにスライド扉4を開閉させることができる。すなわち、ガイドローラー621からなるガイド部材62の移動が阻害されることが抑制されるため、スライド扉4を安定した姿勢で開閉移動させることができ、スライド扉4の振れを確実に抑制できる。
また、本実施形態では、ガイド案内溝63の開口孔部63aに連通し、外部空間K2側に切り欠かれた切欠凹部63cが設けられている。そして、切欠凹部63cは、開口孔部63aに対して、開口孔部63aにおける該ガイド部材62をスライド扉4に固定した後に移動できない部分で連通し、ガイド保持部材61に設けられたガイドローラー621が進入可能に設けられた構成になっている。
これにより、ガイド保持部材61とともにガイド部材62をガイド案内溝63に取り付ける際に、ガイド部材62を切欠凹部63cに進入した後、そのガイド部材62を切欠凹部63cからガイド案内溝63の開口孔部63aのうちガイド部材62における該ガイド部材62をスライド扉4に固定した後に移動可能な範囲に移動させることで、ガイド部材62をガイド案内溝63内に移動可能に配置することができる。そして、ガイド部材62を開口孔部63aに取り付けた状態でガイド保持部材61にスライド扉4を固定することで、スライド扉4を設置できる。そのため、切欠凹部63cは、スライド扉4の開閉移動時においてガイド案内溝63内を移動するガイド部材62が到達しない位置となる。したがって、スライド扉4の開閉移動時において、ガイド部材62がガイド案内溝63内から不意に脱落することを防止することができる。
また、本実施形態では、ガイド保持部材61が配置される基台60下方の開口部65を基台60の不陸調整用のために必要な空間として利用することができる。そのため、開口部65から基台60の下面60bに設けられるアジャスタ22にアクセスし、アジャスタ22を操作して基台60の高さを調整することができる。
さらに、本実施形態では、スライド扉4の戸先側がガイド部材62によってガイド案内溝63に支持されるので、スライド扉4を安定させることができる。
また、ガイド保持部材61やガイド部材62がスライド扉4の戸先側のみに配置されるので、スライド扉4を全開にした際、ガイド保持部材61やガイド部材62が出入口開口E近傍に位置することになる。そのため、これらガイド保持部材61やガイド部材62が通過するために確保する収容領域を低減、あるいは不要にすることができ、内部空間K1のスペース効率を向上させることができる。
また、本実施形態のように旋回式のスライド扉4を採用する場合に、開いたスライド扉4が内部空間K1に進入するが、その内部空間K1や外部空間K2に開いたスライド扉4を収容するための溝状の収容部を別途設ける必要がない。そのうえ、スライド扉4が旋回式であってもガイド部材62がガイド案内溝63によって開閉移動可能に係合した状態で支持されているので、安定した姿勢でスライド扉4を開閉移動させることができ、スライド扉4の振れも抑制することができる。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記に示す実施形態では、ガイド機構の適用対象としてブース1を一例として、ブース内側を内部空間(第一空間)、ブース外側を外部空間(第二空間)としているが、ガイド機構はブース1とは異なって内外の空間が明らかでない出入口開口の仕切りに設けられるスライド扉に適用することも可能である。例えば、室内の隣接する室間の仕切りに設けられるスライド扉の場合には、一方の室の内部空間が第一空間であり、他方の室の内部空間が第二空間となる。
また、本実施形態ではガイド機構の適用対象として旋回式のスライド扉4を一例としているが、旋回式であることに限定されることはない。例えば、幅方向に直線的に開閉移動可能なスライド扉にガイド機構を適用することも可能である。
また、本実施形態では下部ガイド機構6の基台60と床部2とが別体になっているが、基台60に床部2が一体で設けられたものが基台とすることも可能である。
さらに、基台60の下方に設けられる開口部65は省略することも可能である。
また、本実施形態では、ガイド案内溝63が基台60の下面60bに開口する下向き開口となっているが、このような構成に限定されることはない。例えば、ガイド案内溝63の開口が基台60の外側面60aに位置する構成であってもよい。
さらに、本実施形態では、ガイド部材62として、ガイド保持部材61の先端部61aから上に突出するガイドローラー621を有しているが、ガイドローラー621であることに限定されることはない。例えば、ガイド保持部材61の先端部61aから単に上方に突出する突起部材であってもかまわない。
また、実施形態では、内部空間K1に1人のみの利用者が入れるブース1について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、複数人が内部空間K1に入ることができるブースに適用することも可能である。
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
1 ブース
2 床部
3 外壁部
4 スライド扉
5 上部ガイド機構
6 下部ガイド機構
60 基台
61 ガイド保持部材
61a 先端部
62 ガイド部材(突出部)
63 ガイド案内溝(ガイド案内部)
63a 開口孔部
63c 切欠凹部
65 開口部
621 ガイドローラー
E 出入口開口
K1 内部空間(第一空間)
K2 外部空間(第二空間)
S 開閉移動方向

Claims (10)

  1. 第一空間と第二空間とを連通する出入口開口を開閉するスライド扉のガイド機構であって、
    前記スライド扉の下方に設けられた基台と、
    前記スライド扉の下部から前記基台の前記第二空間側を通過して前記基台の下側に延出するガイド保持部材と、
    前記ガイド保持部材の先端部に設けられたガイド部材と、
    前記基台に設けられ、前記ガイド部材を前記スライド扉の開閉移動方向に沿って移動可能に係合するガイド案内部と、
    を備えているスライド扉のガイド機構。
  2. 前記基台の前記第二空間側を向く側面には、前記開閉移動方向に沿って延在する開口部が設けられ、
    前記ガイド案内部は、前記開口部の内側に設けられ、前記開閉移動方向に延びるガイド案内溝である請求項1に記載のスライド扉のガイド機構。
  3. 前記ガイド案内溝は、下向きに開口し、
    前記ガイド保持部材は、前記開口部から内側に向けて屈折して、前記ガイド案内溝の下方まで延び、
    前記ガイド部材は、前記ガイド保持部材の前記先端部から上方に突出し、前記ガイド案内溝に係合する突起部である請求項2に記載のスライド扉のガイド機構。
  4. 前記ガイド案内溝の開口孔部に連通し、前記第二空間側に切り欠かれた切欠凹部が設けられ、
    前記切欠凹部は、前記開口孔部に対して、前記開口孔部における前記ガイド部材を前記スライド扉に固定した後に前記ガイド部材が移動できない部分で連通しており、前記ガイド保持部材に設けられた前記突起部が進入可能に設けられている、請求項3に記載のスライド扉のガイド機構。
  5. 前記基台の下面には、高さ調整可能なアジャスタが設けられ、
    前記アジャスタは、前記開口部からアクセス可能な位置に設けられている請求項2乃至4のいずれか1項に記載のスライド扉のガイド機構。
  6. 前記ガイド保持部材は、前記スライド扉の戸先部に設けられている請求項1乃至5のいずれか1項に記載のスライド扉のガイド機構。
  7. 前記スライド扉の開閉移動方向は、前記第一空間に位置する旋回軸心を中心とする円弧状に湾曲し、
    前記スライド扉は、前記旋回軸心を中心に旋回して開いた状態で前記第一空間に進入する請求項1乃至6のいずれか1項に記載のスライド扉のガイド機構。
  8. 前記スライド扉は、吊り戸である請求項1乃至7のいずれか1項に記載のスライド扉のガイド機構。
  9. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載のスライド扉のガイド機構を備えている吊り戸。
  10. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載のスライド扉のガイド機構を備えたブース。
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