JP2023056649A - 現金取扱装置、及び、扉同時開き防止構造 - Google Patents

現金取扱装置、及び、扉同時開き防止構造 Download PDF

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Takahiro Yanai
智之 金井
Tomoyuki Kanai
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Abstract

【課題】複数の扉のロックの同時解除を防止する。【解決手段】現金取扱装置100は、紙幣を取り扱う紙幣ユニット21と、硬貨を取り扱う硬貨ユニット26と、紙幣ユニットと硬貨ユニットとを引き出し可能に収納する筐体(紙幣装置本体1及び硬貨装置本体12)と、紙幣ユニットを封止する紙幣扉5と、硬貨ユニットを封止する硬貨扉15と、紙幣扉と硬貨扉とのいずれか一方又は双方を開放不能にロックするロック機構LKと、を備えている。ロック機構は、開錠時に、紙幣ユニットと硬貨ユニットとのうち、一方のユニットのロックを解除し、他方のユニットのロックを維持する。【選択図】図5

Description

本発明は、現金取扱装置、及び、扉同時開き防止構造に関する。
従来より、現金を取り扱う現金取扱装置として、現金が収納される、引き出し可能な複数のユニットを備える装置がある(例えば、特許文献1参照)。なお、特許文献1では、現金取扱装置を「現金処理装置(図8)」として説明している。この種の現金取扱装置は、ユニットを引き出したときにユニットの質量や装置本体に加わる外力によりユニットの引き出し方向に転倒しないように、床面との当接部分に転倒防止板を備えることがある。
特開2018-085000号公報(図8)
しかしながら、従来の現金取扱装置は、複数のユニットが複数の扉の内部に配置されており、複数の扉のロックが同時に解除することができた。そのため、従来の現金取扱装置は、複数のユニットを同時に引き出すことができた。このような従来の現金取扱装置は、複数のユニットを同時に引き出すと、重心が前方に移動し、引き出したユニットの質量の多くが転倒防止板にかかり、転倒防止板が変形してしまう場合がある、という課題があった。
また、従来の現金取扱装置では、転倒防止機能を確保するために転倒防止板の強度を向上させようとすると、転倒防止板のサイズが大きくなったり、厚さが厚くなったり、補強部材を追加して設置する必要が生じてしまう。これにより、従来の現金取扱装置では、設置性が悪化したり、コストが上昇したり、突起部等の好ましくない部位を発生させたりすることがある、という課題があった。
本発明は、前記した課題を解決するためになされたものであり、複数の扉のロックの同時解除を防止することができる現金取扱装置、及び、扉同時開き防止構造を提供することを主な目的とする。
前記目的を達成するため、本発明は、現金取扱装置であって、紙幣を取り扱う紙幣ユニットと、硬貨を取り扱う硬貨ユニットと、前記紙幣ユニットと前記硬貨ユニットとを引き出し可能に収納する筐体と、前記紙幣ユニットを封止する紙幣扉と、前記硬貨ユニットを封止する硬貨扉と、前記紙幣扉と前記硬貨扉とのいずれか一方又は双方を開放不能にロックするロック機構と、を備え、前記ロック機構は、開錠時に、前記紙幣扉と前記硬貨扉とのうち、一方の扉のロックを解除し、他方の扉のロックを維持する構成とする。
また、本発明は、現金取扱装置であって、紙幣を取り扱う紙幣ユニットと、硬貨を取り扱う硬貨ユニットと、前記紙幣ユニットと前記硬貨ユニットとを引き出し可能に収納する筐体と、前記紙幣ユニットと前記硬貨ユニットとのいずれか一方又は双方を引き出し不能にロックするロック機構と、を備え、前記ロック機構は、開錠時に、前記紙幣ユニットと前記硬貨ユニットとのうち、一方のユニットのロックを解除し、他方のユニットのロックを維持する構成とする。
また、本発明は、扉同時開き防止構造であって、第1ユニットと、第2ユニットと、前記第1ユニットと前記第2ユニットとを引き出し可能に収納する筐体と、前記第1ユニットを封止する第1扉と、前記第2ユニットを封止する第2扉と、前記第1扉と前記第2扉とのいずれか一方又は双方を開放不能にロックするロック機構と、を備え、前記ロック機構は、開錠時に、前記第1扉と前記第2扉とのうち、一方の扉のロックを解除し、他方の扉のロックを維持する構成とする。
また、本発明は、扉同時開き防止構造であって、紙幣を取り扱う紙幣ユニットと、硬貨を取り扱う硬貨ユニットと、前記紙幣ユニットと前記硬貨ユニットとを引き出し可能に収納する筐体と、前記紙幣ユニットと前記硬貨ユニットとのいずれか一方又は双方を引き出し不能にロックするロック機構と、を備え、前記ロック機構は、開錠時に、前記紙幣ユニットと前記硬貨ユニットとのうち、一方のユニットのロックを解除し、他方のユニットのロックを維持する構成とする。
本発明によれば、複数の扉のロックの同時解除を防止することができる。
実施形態1に係る現金取扱装置の前面斜視図である。 実施形態1に係る現金取扱装置の背面斜視図である。 実施形態1に係る現金取扱装置の紙幣ユニットの内部構成図である。 実施形態1に係る現金取扱装置の硬貨ユニットの内部構成図である。 実施形態1に係る現金取扱装置のロック機構の構成図である。 実施形態1に係る現金取扱装置のロック機構における紙幣扉のロックの開錠時の動作説明図である。 実施形態1に係る現金取扱装置のロック機構の細部構成図(1)である。 実施形態1に係る現金取扱装置のロック機構の細部構成図(2)である。 実施形態1に係る現金取扱装置のユニット引き出し時の動作説明図(1)である。 実施形態1に係る現金取扱装置のユニット引き出し時の動作説明図(2)である。 実施形態2に係る現金取扱装置のロック機構の構成図(1)である。 実施形態2に係る現金取扱装置のロック機構の構成図(2)である。 実施形態2に係る現金取扱装置のロック機構の細部構成図(1)である。 実施形態2に係る現金取扱装置のロック機構の細部構成図(2)である。 比較例の現金取扱装置のユニット引き出し時の動作説明図(1)である。 比較例の現金取扱装置のユニット引き出し時の動作説明図(2)である。 比較例の現金取扱装置のユニット引き出し時の動作説明図(3)である。 比較例の現金取扱装置のユニット引き出し時の動作説明図(4)である。 比較例の現金取扱装置のユニット引き出し時の動作説明図(5)である。 比較例の現金取扱装置のユニット引き出し時の動作説明図(6)である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」と称する)について詳細に説明する。なお、各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示しているに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
[実施形態1]
<現金取扱装置の全体構成>
以下、図1乃至図4を参照して、本実施形態1に係る現金取扱装置100の全体構成について説明する。図1は、本実施形態1に係る現金取扱装置100の前面斜視図である。図2は、現金取扱装置100の背面斜視図である。図3は、現金取扱装置100の紙幣ユニットの内部構成図である。図4は、現金取扱装置100の硬貨ユニットの内部構成図である。本実施形態では、現金取扱装置100が金融機関で用いられている窓口装置であるものとして説明する。ただし、本発明は、窓口装置だけでなく、金融機関や流通機関で用いられるATM(現金自動預け払い機)や両替機等の装置、交通機関や流通機関で用いられる発券機、その他の装置にも利用することができる。
図1に示すように、本実施形態1に係る現金取扱装置100は、紙幣を取り扱う紙幣装置本体1と、硬貨を取り扱う硬貨装置本体12と、装置の転倒を防止するための転倒防止板28a(図9及び図10)と、を備えている。ただし、現金取扱装置100は、転倒防止板28a(図9及び図10)を備えない構成であってもよい。
紙幣装置本体1の上部には、現金取扱装置100を操作する操作画面2が設けられている。また、紙幣装置本体1の上部には、紙幣パネル支軸4を中心に上下に回転移動して開閉する紙幣パネル3が設けられている。紙幣装置本体1の下部には、紙幣扉支軸6を中心に右水平方向に移動して開閉する紙幣扉5が設けられている。
紙幣パネル3には、QRコードを読み取るQRコード読取部7、取引時にガイダンス音声を発音するスピーカ部8、入金時及び出金時に紙幣を挿入したり排出したりする紙幣口9が設けられている。
紙幣扉5には、取引時に異物を返却する紙幣扉部返却口10が設けられている。また、紙幣扉5には、紙幣扉5を施錠及び開錠するための紙幣扉錠11が設けられている。
硬貨装置本体12の上部には、硬貨パネル支軸14を中心に上下に回転移動して開閉する硬貨パネル13が設けられている。硬貨装置本体12の下部には、硬貨扉支軸16を中心に左水平方向に移動して開閉する硬貨扉15が設けられている。
硬貨パネル13には、入金時及び出金時に硬貨を挿入したり排出したりする硬貨口17が設けられている。
硬貨扉15には、取引時に異物を返却する硬貨扉部返却口18が設けられている。また、硬貨扉15には、硬貨扉15を施錠及び開錠するための硬貨扉錠19が設けられている。
転倒防止板28a(図9及び図10)は、現金取扱装置100の底部に配置されており、締結ボルト29(図9及び図10)によって現金取扱装置100の筐体に固定されている。
図2に示すように、紙幣装置本体1と硬貨装置本体12は、装置背面に設けられた複数の連結プレート20aと装置内部に設けられた連結ネジ20bとにより締結されている。紙幣扉5と硬貨扉15は、観音開きに開くことが可能な構造となっている。ただし、本実施形態1に係る現金取扱装置100は、後記するロック機構LK(図5及び図6参照)により紙幣扉5と硬貨扉15とが同時には開くことができない構成になっている。
図3に示すように、紙幣装置本体1の内部には、紙幣を取り扱う紙幣ユニット21が設けられている。本実施形態では、紙幣ユニット21は、紙幣装置本体1内の上部に配置された上部紙幣ユニット22と、紙幣装置本体1内の下部に配置された下部紙幣ユニット24と、で構成されている。また、紙幣装置本体1の内部には、上部紙幣ユニット22を引き出し可能に保持する上部紙幣ユニット引き出し機構23と、下部紙幣ユニット24を引き出し可能に保持する下部紙幣ユニット引き出し機構25と、が設けられている。
現金取扱装置100は、紙幣パネル3と紙幣扉5を開くことで、上部紙幣ユニット引き出し機構23に保持された上部紙幣ユニット22と下部紙幣ユニット引き出し機構25に保持された下部紙幣ユニット24とのいずれか一方又は双方を手前側に引き出して保守することができる。
図4に示すように、硬貨装置本体12の内部には、硬貨を取り扱う硬貨ユニット26と、硬貨ユニット26を引き出し可能に保持する硬貨ユニット引き出し機構27と、が設けられている。
現金取扱装置100は、硬貨パネル13及び硬貨扉15を開くことで、硬貨ユニット引き出し機構27に保持された硬貨ユニット26を手前側に引き出して保守することができる。
<ロック機構の構成>
現金取扱装置100は、紙幣扉5と硬貨扉15とを開放不能にロックするロック機構LK(図5参照)と、を備えている。以下、図5を参照して、ロック機構LKの構成について説明する。図5は、ロック機構LKの構成図である。図5は、紙幣扉5の内部、硬貨扉15の内部、及び紙幣扉5と硬貨扉15の下方の筐体内部における、現金取扱装置100の前面側から見たロック機構LKの構成を示している。図5は、ロック機構LKが紙幣扉5と硬貨扉15の双方をロックしている状態を示している。
図5に示すように、ロック機構LKは、紙幣扉5の内部に設けられた紙幣側リンク機構LBと、硬貨扉15の内部に設けられた硬貨側リンク機構LCと、紙幣扉5と硬貨扉15の下方の筐体内部に設けられたストッパーブラケット49と、を備えている。紙幣側リンク機構LBは、紙幣扉5をロックする紙幣側リンク機構である。硬貨側リンク機構LCは、硬貨扉15をロックする硬貨側リンク機構である。ストッパーブラケット49は、紙幣側リンク機構LB又は硬貨側リンク機構LCの動きに応じてシーソーのように回転(揺動)するシーソー部材である。
ロック機構LKは、紙幣側リンク機構LBとして、紙幣扉5の内部に、紙幣扉錠11と、回転リンク30,31と、直動リンク32と、回転ブラケット33と、水平方向摺動ピン34と、鉛直方向摺動ピン35と、摺動ピンガイド42,42aと、紙幣扉積層板43と、を有している。
紙幣扉錠11は、紙幣扉5を閉じたり開いたりするためのキーシリンダ部である。
回転リンク30は、紙幣扉錠11に連結され、紙幣扉錠11の回転動作に連動する部材である。
回転リンク31は、回転リンク30に連結され、回転リンク30の回転動作に連動して移動する部材である。
直動リンク32は、回転リンク31に連結され、回転リンク31の移動動作に連動して鉛直方向に移動する部材である。
回転ブラケット33は、直動リンク32に連結され、直動リンク32の移動動作に連動して回転する部材である。
水平方向摺動ピン34は、回転ブラケット33に連結され、回転ブラケット33の回転動作に連動して水平方向に移動する部材である。
鉛直方向摺動ピン35は、回転ブラケット33に連結され、回転ブラケット33の回転動作に連動して鉛直方向に移動する部材である。鉛直方向摺動ピン35は、紙幣扉5のロックの開錠時に、ストッパーブラケット49(シーソー部材)を傾けた状態にする紙幣側部材として機能する。
摺動ピンガイド42,42aは、水平方向摺動ピン34の水平移動をガイドする部材である。
紙幣扉積層板43は、水平方向摺動ピン34を通すための貫通孔が設けられた板状の部材である。紙幣扉積層板43は、紙幣扉5(紙幣扉錠11)が施錠された状態では、水平方向摺動ピン34が閂となり、紙幣扉5を開くことができない構造になっている。
また、ロック機構LKは、硬貨側リンク機構LCとして、硬貨扉15の内部に、硬貨扉錠19と、回転リンク36,37と、直動リンク38と、回転ブラケット39と、水平方向摺動ピン40と、鉛直方向摺動ピン41と、摺動ピンガイド44,44aと、硬貨扉積層板45と、を有している。
硬貨扉錠19は、硬貨扉15を閉じたり開いたりするためのキーシリンダ部である。
回転リンク36は、硬貨扉錠19に連結され、硬貨扉錠19の回転動作に連動して回転する部材である。
回転リンク37は、回転リンク36に連結され、回転リンク36の回転動作に連動して移動する部材である。
直動リンク38は、回転リンク37に連結され、回転リンク37の移動動作に連動して鉛直方向に移動する部材である。
回転ブラケット39は、直動リンク38に連結され、直動リンク38の移動動作に連動して回転する部材である。
水平方向摺動ピン40は、回転ブラケット39に連結され、回転ブラケット39の回転動作に連動して水平方向に移動する部材である。
鉛直方向摺動ピン41は、回転ブラケット39に連結され、回転ブラケット39の回転動作に連動して鉛直方向に移動する部材である。鉛直方向摺動ピン41は、硬貨扉15のロックの開錠時に、ストッパーブラケット49(シーソー部材)を傾けた状態にする硬貨側部材として機能する。
摺動ピンガイド44,44aは、水平方向摺動ピン40の水平移動をガイドする部材である。
硬貨扉積層板45は、水平方向摺動ピン40を通すための貫通孔が設けられた板状の部材である。硬貨扉積層板45は、硬貨扉15(硬貨扉錠19)が施錠された状態では、水平方向摺動ピン40が閂となり、硬貨扉15を開くことができない構造になっている。
ストッパーブラケット49(シーソー部材)の紙幣側端部には、紙幣側リンク機構LBの鉛直方向摺動ピン35の下端部が当接する当接部49aが設けられている。また、ストッパーブラケット49(シーソー部材)の硬貨側端部には、硬貨側リンク機構LCの鉛直方向摺動ピン41の下端部が当接する当接部49bが設けられている。
なお、本実施形態では、紙幣側リンク機構LBの鉛直方向摺動ピン35と硬貨側リンク機構LCの鉛直方向摺動ピン41は、その下端部が位置Kから位置Lまでの範囲で鉛直方向に移動するものとして説明する。つまり、位置Kが紙幣側リンク機構LBの鉛直方向摺動ピン35と硬貨側リンク機構LCの鉛直方向摺動ピン41の移動の上死点であり、位置Lが紙幣側リンク機構LBの鉛直方向摺動ピン35と硬貨側リンク機構LCの鉛直方向摺動ピン41の移動の下死点であるものとして説明する。
また、現金取扱装置100は、ストッパーブラケット49(シーソー部材)の周囲に、ブラケット46と、支点ピン47と、Eリング48と、板バネ50,51と、ガイド部52,53と、を備えている。
ブラケット46は、紙幣扉5と硬貨扉15の下方に配置された、ストッパーブラケット49等を支持する部材である。ブラケット46は、紙幣装置本体1と硬貨装置本体12に図示せぬネジで固定されている。
支点ピン47は、ストッパーブラケット49を軸支する部材である。支点ピン47は、ブラケット46に溶接固定されている。ストッパーブラケット49は、支点ピン47を中心にして回動可能に配置されている。
Eリング48は、支点ピン47からストッパーブラケット49が抜けることを防止するストッパーブラケット49の抜け止め部材である。Eリング48は、支点ピン47に取り付けられている。
板バネ50は、紙幣扉5とストッパーブラケット49との間に配置された弾性部材である。板バネ50は、紙幣扉5のロックの開錠時に、ストッパーブラケット49の動きを規制する紙幣側バネ部材として機能する。
板バネ51は、硬貨扉15とストッパーブラケット49との間に配置された弾性部材である。板バネ51は、硬貨扉15のロックの開錠時に、ストッパーブラケット49の動きを規制する硬貨側バネ部材として機能する。
ガイド部52は、板バネ50の自由端において上方に突出すように設けられた突出部Mをガイドする部材である。
ガイド部53は、ガイド部52と同様に、板バネ51の自由端において上方に突出すように設けられた突出部Ma(図示せず)をガイドする部材である。
ガイド部52,53は、図示せぬネジでブラケット46に取り付けられている。
板バネ50は、水平方向に配置されており、紙幣扉5の縁部に近い側の端部が固定端となっており、紙幣扉5の縁部から遠い側の端部が自由端となっている。板バネ50の固定端は、図示せぬネジでブラケット46に取り付けられている。板バネ50の自由端には、上方に突出するように設けられた突出部M(図7及び図8参照)が設けられている。板バネ50の突出部Mは、中央部分がガイド部52の内部に収納され、上部がガイド部52の上端よりも上方に突出している。板バネ50の突出部Mの上部は、紙幣扉5に当接する位置に配置されている。板バネ50の突出部Mは、紙幣扉5の開閉動作に応じて前後方向に動き、その突出部Mの動作に合わせて、板バネ50の自由端全体が前後方向に動く。具体的には、作業員によって紙幣扉5が開放されると、紙幣扉5が板バネ50の突出部Mを押さなくなる。そのため、板バネ50の突出部Mは前方向に動き、その突出部Mの動作に合わせて、板バネ50の自由端全体が前方向に動く。このとき、板バネ50の自由端がストッパーブラケット49の紙幣側端部付近の上に乗り上げる。これにより、ロック機構LKは、ストッパーブラケット49の動きを規制して硬貨扉15を開放不能にロックする。また、作業員によって紙幣扉5が閉鎖されると、紙幣扉5が板バネ50の突出部Mを押す。そのため、板バネ50の突出部Mは後方向に動き、その突出部Mの動作に合わせて、板バネ50の自由端全体が後方向に動く。このとき、板バネ50の自由端がストッパーブラケット49の紙幣側端部付近の上から外れて、ストッパーブラケット49の動きの規制を解除する。
板バネ51は、水平方向に配置されており、硬貨扉15の縁部に近い側の端部が固定端となっており、硬貨扉15の縁部から遠い側の端部が自由端となっている。板バネ51の固定端は、図示せぬネジでブラケット46に取り付けられている。板バネ51の自由端には、板バネ50と同様に、上方に突出するように設けられた突出部Ma(図示せず)が設けられている。板バネ51の突出部Ma、中央部分がガイド部53の内部に収納され、上部がガイド部53の上端よりも上方に突出している。板バネ51の突出部Maの上部は、硬貨扉15に当接する位置に配置されている。板バネ51の突出部Maは、硬貨扉15の開閉動作に応じて前後方向に動き、その突出部Maの動作に合わせて、板バネ51の自由端全体が前後方向に動く。具体的には、作業員によって硬貨扉15が開放されると、硬貨扉15が板バネ51の突出部Maを押さなくなる。そのため、板バネ51の突出部Maは前方向に動き、その突出部Maの動作に合わせて、板バネ51の自由端全体が前方向に動く。このとき、板バネ51の自由端がストッパーブラケット49の硬貨側端部付近の上に乗り上げる。これにより、ロック機構LKは、ストッパーブラケット49の動きを規制して紙幣扉5を開放不能にロックする。また、作業員によって硬貨扉15が閉鎖されると、硬貨扉15が板バネ51の突出部Maを押す。そのため、板バネ51の突出部Maは後方向に動き、その突出部Maの動作に合わせて、板バネ51の自由端全体が後方向に動く。このとき、板バネ51の自由端がストッパーブラケット49の硬貨側端部付近の上から外れて、ストッパーブラケット49の動きの規制を解除する。
<ロック機構の動作>
以下、図5乃至図8を参照して、ロック機構LKの動作について説明する。図5は、ロック機構LKが紙幣扉5と硬貨扉15の双方をロックしている状態を示している。図6は、ロック機構LKにおける紙幣扉5のロックの開錠時の動作説明図である。図7及び図8は、ロック機構LKの細部構成図である。図7及び図8は、ストッパーブラケット49(シーソー部材)の紙幣側端部付近の構成を示している。図7は、ロック機構LKが紙幣扉5のロックを解除している状態を示している。図8は、ロック機構LKが紙幣扉5のロックを維持している状態を示している。
図5に示すように、紙幣扉5と硬貨扉15のロックの施錠時において、紙幣側リンク機構LBでは、水平方向摺動ピン34が紙幣扉積層板43と嵌合しており、紙幣扉5がロックされて開放不能な状態になっている。また、硬貨側リンク機構LCでは、水平方向摺動ピン40が硬貨扉積層板45と嵌合しており、硬貨扉15がロックされて開放不能な状態になっている。また、ストッパーブラケット49(シーソー部材)は、支点ピン47を中心にして回転可能な状態になっている。
紙幣扉5のロックの開錠時において、ロック機構LKは、紙幣側リンク機構LBと硬貨側リンク機構LCとが図6に示す動作例のように動作する。すなわち、図6に示すように、紙幣扉5のロックの開錠時において、硬貨側リンク機構LCでは、水平方向摺動ピン40が硬貨扉積層板45と嵌合しており、硬貨扉15がロックされて開放不能な状態になっている。一方、紙幣側リンク機構LBでは、紙幣扉5を開くために、作業員によって紙幣扉錠11が位置Eから位置Eaに回転されると、紙幣扉錠11の回転動作に連動して、回転リンク30が回転し、回転リンク31が移動する。このとき、回転リンク31の移動動作に連動して、直動リンク32が鉛直方向に移動し、回転ブラケット33が回転する。すると、回転ブラケット33の回転動作に連動して、水平方向摺動ピン34が位置Gから位置Hに水平方向に移動して、水平方向摺動ピン34が紙幣扉積層板43から外れる。これにより、ロック機構LKは、紙幣扉5のロックを解除する。つまり、このとき、ロック機構LKは、水平方向摺動ピン34と紙幣扉積層板43との嵌合が外れて紙幣扉5を開くことが可能な状態になる。
また、図7に示すように、回転ブラケット33の回転動作に連動して、鉛直方向摺動ピン35が位置Kから位置Lに鉛直方向(下方向)に移動してストッパーブラケット49の紙幣側部分を押し下げる。これにより、支点ピン47を中心にストッパーブラケット49が回転する。その結果、ストッパーブラケット49の紙幣側部分が下降し、ストッパーブラケット49の硬貨側部分が上昇するように、鉛直方向摺動ピン35がストッパーブラケット49を傾けた状態にする。ストッパーブラケット49は、硬貨側部分が上昇することで、硬貨側リンク機構LCの鉛直方向摺動ピン41を下降し難くする。
ここで、作業員によって紙幣扉5が開放されたとする。すると、紙幣扉5が板バネ50の突出部M(図7参照)を後方向に押さなくなる。このとき、ストッパーブラケット49の当接部49aが位置Lまで押し下げられていて、ストッパーブラケット49の紙幣側端部が下がっているため、板バネ50の反力が解放され、板バネ50の自由端がストッパーブラケット49の紙幣側端部にオーバーラップした位置に戻る。そのため、図7に示すように、板バネ50の自由端が前方向に動いてストッパーブラケット49の紙幣側部分の上に乗り上げる。これにより、ロック機構LKは、ストッパーブラケット49の動きを規制する。その結果、仮に作業員が硬貨扉15のロックを開錠させようとしても、ロック機構LKは、ストッパーブラケット49で硬貨側リンク機構LCの動きを規制して、硬貨扉15のロックを維持する。
つまり、仮に作業員が硬貨扉錠19を図6に示す位置Fから位置Faに回転させようとしても、ストッパーブラケット49は、紙幣側端部が位置Lに押し下げられた状態で規制される。そのため、硬貨側リンク機構LCの鉛直方向摺動ピン41は、位置Kから位置Lに鉛直方向(下方向)に移動することができない。さらに、硬貨側リンク機構LCの鉛直方向摺動ピン41は、回転ブラケット39、直動リンク38、回転リンク37,36を介して、硬貨扉錠19に直結されている。そのため、ロック機構LKは、紙幣扉5のロックの開錠時において、作業員によって位置Fから位置Faに硬貨扉錠19が回転されることを規制して、水平方向摺動ピン40が硬貨扉積層板45から外れないようにすることができる。これにより、ロック機構LKは、紙幣扉5のロックの開錠時において、硬貨扉15が開放されることを防止することができる。
なお、図8に示すように、作業員によって紙幣扉5が閉鎖されると、紙幣扉5が板バネ50の突出部Mを押す。そのため、板バネ50の突出部Mは後方向に動き、その突出部Mの動作に合わせて、板バネ50の自由端全体が後方向に動く。このとき、板バネ50の自由端とストッパーブラケット49とのオーバーラップがなくなり、板バネ50の自由端がストッパーブラケット49の紙幣側端部付近の上から外れて、ストッパーブラケット49の動きの規制を解除する。これにより、ロック機構LKは、紙幣扉5と硬貨扉15とのいずれか一方のロックの解除が可能な状態になる。なお、この状態で、紙幣扉錠11をロックすると、紙幣扉錠11及び硬貨扉錠19は、紙幣扉5と硬貨扉15との双方を開放不能にロックする。
また、硬貨扉15のロックの開錠時において、ロック機構LKは、紙幣側リンク機構LBと硬貨側リンク機構LCとが図6に示す動作例とは逆に動作する。すなわち、硬貨扉15のロックの開錠時において、紙幣側リンク機構LBでは、水平方向摺動ピン34が紙幣扉積層板43と嵌合しており、紙幣扉5がロックされて開放不能な状態になっている。一方、硬貨側リンク機構LCでは、硬貨扉15を開くために、作業員によって硬貨扉錠19が位置Fから位置Faに回転されると、硬貨扉錠19の回転動作に連動して、回転リンク36が回転し、回転リンク37が移動する。このとき、回転リンク37の移動動作に連動して、直動リンク38が鉛直方向に移動し、回転ブラケット39が回転する。すると、回転ブラケット39の回転動作に連動して、水平方向摺動ピン40が位置Iから位置Jに水平方向に移動して、水平方向摺動ピン40が硬貨扉積層板45から外れる。これにより、ロック機構LKは、硬貨扉15のロックを解除する。つまり、このとき、ロック機構LKは、水平方向摺動ピン40と硬貨扉積層板45との嵌合が外れて硬貨扉15を開くことが可能な状態になる。
また、回転ブラケット39の回転動作に連動して、鉛直方向摺動ピン41が位置Kから位置Lに鉛直方向(下方向)に移動してストッパーブラケット49の硬貨側部分を押し下げる。これにより、支点ピン47を中心にストッパーブラケット49が回転する。その結果、ストッパーブラケット49の硬貨側部分が下降し、ストッパーブラケット49の紙幣側部分が上昇するように、鉛直方向摺動ピン41がストッパーブラケット49を傾けた状態にする。ストッパーブラケット49は、紙幣側部分が上昇することで、紙幣側リンク機構LBの鉛直方向摺動ピン35を下降し難くする。
ここで、作業員によって硬貨扉15が開放されたとする。すると、硬貨扉15が板バネ51の突出部Ma(図示せず)を押さなくなる。このとき、ストッパーブラケット49の当接部49bが位置Lまで押し下げられていて、ストッパーブラケット49の硬貨側端部が下がっているため、板バネ51の反力が解放され、板バネ51の自由端がストッパーブラケット49の硬貨側端部にオーバーラップした位置に戻る。そのため、板バネ51の自由端が前方向に動いてストッパーブラケット49の硬貨側部分の上に乗り上げる。これにより、ロック機構LKは、ストッパーブラケット49の動きを規制する。その結果、仮に作業員が紙幣扉5のロックを開錠させようとしても、ロック機構LKは、ストッパーブラケット49で紙幣側リンク機構LBの動きを規制して、紙幣扉5のロックを維持する。
つまり、仮に作業員が紙幣扉錠11を図6に示す位置Eから位置Eaに回転させようとしても、ストッパーブラケット49は、硬貨側端部が位置Lに押し下げられた状態で規制される。そのため、紙幣側リンク機構LB(硬貨側リンク機構)の鉛直方向摺動ピン35は、位置Kから位置Lに鉛直方向(下方向)に移動することができない。さらに、紙幣側リンク機構LB(硬貨側リンク機構)の鉛直方向摺動ピン35は、回転ブラケット33、直動リンク32、回転リンク31,30を介して、紙幣扉錠11に直結されている。そのため、ロック機構LKは、硬貨扉15のロックの開錠時において、作業員によって位置Eから位置Eaに紙幣扉錠11が回転されることを規制して、水平方向摺動ピン34が紙幣扉積層板43から外れないようにすることができる。これにより、ロック機構LKは、硬貨扉15のロックの開錠時において、紙幣扉5が開放されることを防止することができる。
なお、作業員によって硬貨扉15が閉鎖されると、硬貨扉15が板バネ51の突出部Maを押す。そのため、板バネ51の突出部Maは後方向に動き、その突出部Maの動作に合わせて、板バネ51の自由端全体が後方向に動く。このとき、板バネ51の自由端とストッパーブラケット49とのオーバーラップがなくなり、板バネ51の自由端がストッパーブラケット49の硬貨側端部付近の上から外れて、ストッパーブラケット49の動きの規制を解除する。これにより、ロック機構LKは、紙幣扉5と硬貨扉15とのいずれか一方のロックの解除が可能な状態になる。なお、この状態で、硬貨扉錠19をロックすると、紙幣扉錠11及び硬貨扉錠19は、紙幣扉5と硬貨扉15との双方を開放不能にロックする。
<現金取扱装置のユニット引き出し時の動作>
以下、本実施形態に係る現金取扱装置100のユニット引き出し時の動作(図9及び図10参照)について、比較例の現金取扱装置100comのユニット引き出し時の動作(図15乃至図20参照)と比較して説明する。
まず、図15乃至図20を参照して、比較例の現金取扱装置100comのユニット引き出し時の動作について説明する。図15乃至図20は、比較例の現金取扱装置100comのユニット引き出し時の動作説明図である。
比較例の現金取扱装置100comは、従来の現金取扱装置に相当する装置である。比較例の現金取扱装置100comは、本実施形態に係る現金取扱装置100と比較すると、ロック機構LK(図5乃至図8参照)を備えていない点と、転倒防止板28a(図9及び図10参照)の代わりに、転倒防止板28を備える点で相違する。
比較例の現金取扱装置100comは、本実施形態に係る現金取扱装置100と同様に、図15乃至図18に示す紙幣装置本体1と、図19及び図20に示す硬貨装置本体12と、装置の転倒を防止するための転倒防止板28(図15乃至図20参照)と、を備えている。紙幣装置本体1(図15参照)と硬貨装置本体12(図19参照)は、装置背面に設けられた複数の連結プレート20a(図2参照)と装置内部に設けられた連結ネジ20b(図2参照)とにより締結されている。
図16に示すように、比較例の現金取扱装置100comは、紙幣パネル3と紙幣扉5とを開放して、上部紙幣ユニット引き出し機構23により上部紙幣ユニット22を前方向に引き出すことができる。また、図17に示すように、比較例の現金取扱装置100comは、紙幣パネル3と紙幣扉5とを開放して、下部紙幣ユニット引き出し機構25により下部紙幣ユニット24を前方向に引き出すことができる。なお、図18に示すように、比較例の現金取扱装置100comは、上部紙幣ユニット22と下部紙幣ユニット24を前方向に同時に引き出すことができる。また、図20に示すように、比較例の現金取扱装置100comは、硬貨パネル13と硬貨扉15とを開放して、硬貨ユニット引き出し機構27とにより硬貨ユニット26を前方向に引き出すことができる。
比較例の現金取扱装置100comは、本実施形態に係る現金取扱装置100と異なり、ロック機構LK(図5乃至図8参照)を備えていない。そのため、比較例の現金取扱装置100comは、紙幣扉5と硬貨扉15のロックを同時に解除することができる。したがって、比較例の現金取扱装置100comは、上部紙幣ユニット22と下部紙幣ユニット24と硬貨ユニット26との全てのユニットを前方向に同時に引き出すことができる。
このような比較例の現金取扱装置100comは、上部紙幣ユニット22と下部紙幣ユニット24と硬貨ユニット26とを前方向に同時に引き出した状態にした場合、装置全体の重心が側面視で前足61の近傍(複数(2つ)の前足61を結んだ線の近傍)、さらには前足61よりも前方向(複数(2つ)の前足61を結んだ線よりも前方向)に移動する。さらに、装置の上部後端部に外力Cが意図せずに加わると、方向Dのトルク(転倒トルク)が発生し、装置が前方向に転倒しようとする。そこで、比較例の現金取扱装置100comは、転倒防止板28の前端部の位置(装置前面位置B)を支点として突っ張ることで転倒しない構造になっている。転倒防止板28は、上部紙幣ユニット22と下部紙幣ユニット24と硬貨ユニット26の全質量に加え、外力Cが装置に加わっても装置が転倒しないように、前端部が筐体の前面よりも前方に突出した構成になっている。つまり、転倒防止板28は、装置前面位置Bが筐体の前面よりも前方に設定された構成になっている。これにより、比較例の現金取扱装置100comは、装置の転倒を防止することができる。
しかしながら、上部紙幣ユニット22と下部紙幣ユニット24と硬貨ユニット26の全質量が重いため、上部紙幣ユニット22と下部紙幣ユニット24と硬貨ユニット26の全質量が転倒防止板28にかかることで、転倒防止板28が変形してしまう可能性がある。
また、転倒防止機能を確保するために転倒防止板28の強度を大きく向上させようとすると、転倒防止板28のサイズが大きくなったり、厚さが厚くなったり、補強部材を追加して設置する必要が生じたりして、設置性が悪化したり、コストが上昇したり、突起部等の好ましくない部位を発生させたりする可能性がある。
次に、図9及び図10を参照して、本実施形態に係る現金取扱装置100のユニット引き出し時の動作について説明する。図9及び図10は、現金取扱装置100のユニット引き出し時の動作説明図である。
本実施形態に係る現金取扱装置100は、図9に示す紙幣装置本体1と、図10に示す硬貨装置本体12と、装置の転倒を防止するための転倒防止板28a(図9及び図10参照)と、を備えている。
図9に示すように、本実施形態に係る現金取扱装置100は、紙幣パネル3と紙幣扉5とを開放して、上部紙幣ユニット引き出し機構23により上部紙幣ユニット22を前方向に引き出したり、下部紙幣ユニット引き出し機構25により下部紙幣ユニット24を前方向に引き出したりすることができる。また、図10に示すように、本実施形態に係る現金取扱装置100は、硬貨パネル13と硬貨扉15とを開放して、硬貨ユニット引き出し機構27とにより硬貨ユニット26を前方向に引き出すことができる。
本実施形態に係る現金取扱装置100は、比較例の現金取扱装置100comと異なり、ロック機構LK(図5乃至図8参照)を備えている。そのため、本実施形態に係る現金取扱装置100は、紙幣扉5と硬貨扉15のロックを同時に解除することができない。したがって、本実施形態に係る現金取扱装置100は、紙幣ユニット21(上部紙幣ユニット22及び下部紙幣ユニット24)と硬貨ユニット26とを前方向に同時に引き出すことができない。
このような本実施形態に係る現金取扱装置100は、紙幣ユニット21と硬貨ユニット26のいずれか一方のユニットを前方向に引き出した状態にすると、引き出したユニットの質量や装置に意図せずに加わる外力Cによって装置が方向D(前方向)に転倒しようとする。そこで、本実施形態に係る現金取扱装置100は、転倒防止板28aの前端部の位置(装置前面位置Ba)を支点(支軸)として突っ張ることで転倒しない構造になっている。現金取扱装置100は、比較例の現金取扱装置100comと比較して、引き出したユニットの分しか重心が前方向に移動しないので、転倒防止板28aに印加されるトルクが少ない。そのため、転倒防止板28aは、比較例の現金取扱装置100comの転倒防止板28(図15乃至図20参照)と比較して、印加される力が少ない。
つまり、本実施形態に係る現金取扱装置100は、引き出したユニットの質量が上部紙幣ユニット22と下部紙幣ユニット24と硬貨ユニット26の全質量よりも軽いため、引き出したユニットの質量が転倒防止板28aにかかっても、転倒防止板28aを変形させないようにすることができる。
また、本実施形態に係る現金取扱装置100は、転倒防止機能を確保するために転倒防止板28aの強度を大きく向上させなくてもよい。そのため、転倒防止板28aのサイズを大きくしたり、厚さを厚くしたり、補強部材を追加して設置したりしなくてもよい。このような本実施形態に係る現金取扱装置100は、設置性が悪化したり、コストが上昇したり、突起部等の好ましくない部位を発生させたりしないようにすることができる。
係る構成において本実施形態に係る現金取扱装置100では、図6に示すように、一方の扉、例えば紙幣扉5が開いた状態になると、紙幣側リンク機構LBがストッパーブラケット49の紙幣側端部を位置Lまで押し下げて、ストッパーブラケット49を傾けた状態にし、板バネ50がその状態でストッパーブラケット49の動きを規制する。本実施形態に係る現金取扱装置100は、紙幣側端部を押し下げた状態でストッパーブラケット49の動きを規制すると、硬貨扉錠19を位置FからFaに回せないため、硬貨扉15を開くことができない。したがって、内部の硬貨ユニット26を引き出せないため、紙幣ユニット21と硬貨ユニット26を同時に引き出すことができなくすることができる。
このような本実施形態に係る現金取扱装置100は、ユニットを引き出した際に、転倒防止板28aに加わる質量を減らすことができる。そのため、図9及び図10に示すように、本実施形態に係る現金取扱装置100は、装置前面位置Baが筐体の前面から出っ張らないように転倒防止板28aのサイズを小さくしたり、転倒防止板28aの板厚を厚くしないようにしたり、補強部材を追加せずに転倒し難い構造にしたりすることができる。
<現金取扱装置の主な特徴>
(1)図5に示すように、本実施形態に係る現金取扱装置100は、紙幣を取り扱う紙幣ユニット21(図3参照)と、硬貨を取り扱う硬貨ユニット26(図4参照)と、紙幣ユニット21と硬貨ユニット26とを引き出し可能に収納する筐体(紙幣装置本体1及び硬貨装置本体12)と、紙幣ユニット21を封止する紙幣扉5と、硬貨ユニット26を封止する硬貨扉15と、紙幣扉5と硬貨扉15とを開放不能にロックするロック機構LKと、を備えている。ロック機構LKは、開錠時に、紙幣扉5と硬貨扉15とのうち、一方の扉のロックを解除し、他方の扉のロックを維持する構成になっている。
このような本実施形態に係る現金取扱装置100は、開錠時に、一方の扉のロックを解除し、他方の扉のロックを維持する。このような本実施形態に係る現金取扱装置100は、複数の扉(紙幣扉5と硬貨扉15)のロックの同時解除を防止することができる。そのため、複数の扉内に配置された複数のユニットが同時に引き出されることを防止することができる。
(2)図5に示すように、本実施形態に係る現金取扱装置100では、ロック機構LKは、紙幣扉5をロックする紙幣側リンク機構LBと、硬貨扉15をロックする硬貨側リンク機構LCと、を備えている。紙幣側リンク機構LBと硬貨側リンク機構LCとは、開錠時に、一方のリンク機構がロックを解除した状態になり、他方のリンク機構がロックを維持した状態になるとよい。
このような本実施形態に係る現金取扱装置100は、開錠時に、紙幣側リンク機構LBと硬貨側リンク機構LCとの一方のリンク機構がロックを解除した状態になり、他方のリンク機構がロックを維持した状態になる。そのため、複数の扉内に配置された複数のユニットが同時に引き出されることを防止することができる。
(3)図7及び図8に示すように、本実施形態に係る現金取扱装置100では、ロック機構LKは、ストッパーブラケット49(シーソー部材)を備えている。紙幣側リンク機構LBは、ストッパーブラケット49を傾けた状態にする紙幣側部材(鉛直方向摺動ピン35)と、ストッパーブラケット49の動きを規制する紙幣側バネ部材(板バネ50)と、を有している。硬貨側リンク機構LCは、ストッパーブラケット49を傾けた状態にする硬貨側部材(鉛直方向摺動ピン41)と、ストッパーブラケット49の動きを規制する硬貨側バネ部材(板バネ51)と、を有している。ロック機構LKは、紙幣扉5のロックの開錠時に、紙幣側部材(鉛直方向摺動ピン35)がストッパーブラケット49を傾けた状態にし、紙幣側バネ部材(板バネ50)がストッパーブラケット49の動きを規制することで、ストッパーブラケット49が硬貨側リンク機構LCの動きを規制して、硬貨扉15のロックを維持し、硬貨扉15のロックの開錠時に、硬貨側部材(鉛直方向摺動ピン41)がストッパーブラケット49を傾けた状態にし、硬貨側バネ部材(板バネ51)がストッパーブラケット49の動きを規制することで、ストッパーブラケット49が紙幣側リンク機構LBの動きを規制して、紙幣扉5のロックを維持する構成になっているとよい。
このような本実施形態に係る現金取扱装置100は、紙幣側リンク機構LBと硬貨側リンク機構LCの一方のリンク機構がストッパーブラケット49を傾けた状態にするとともに、ストッパーブラケット49が他方のリンク機構の動きを規制する。このような本実施形態に係る現金取扱装置100は、複数の扉(紙幣扉5と硬貨扉15)のロックの同時解除を防止することができる。そのため、簡易な構成で複数の扉内に配置された複数のユニットが同時に引き出されることを防止することができる。
(4)図5に示すように、本実施形態に係る現金取扱装置100では、紙幣側リンク機構LBの紙幣側部材(鉛直方向摺動ピン35)は、紙幣扉5を開くための紙幣扉錠11の動きに連動して動き、硬貨側リンク機構LCの硬貨側部材(鉛直方向摺動ピン41)は、硬貨扉15を開くための硬貨扉錠19の動きに連動して動く構成になっているとよい。
このような本実施形態に係る現金取扱装置100は、紙幣扉5と硬貨扉15の一方の扉が開放されているときに、他方の扉の扉錠が動かないように、扉錠の動きを規制することができる。
(5)図1に示すように、本実施形態に係る現金取扱装置100では、紙幣扉5と硬貨扉15は、筐体(紙幣装置本体1及び硬貨装置本体12)の同一面に配置されているとよい。
このような本実施形態に係る現金取扱装置100は、紙幣ユニット21と硬貨ユニット26とを同一面の方向に引き出す構成になっているものの、ロック機構LKで紙幣ユニット21と硬貨ユニット26とが同時に引き出されることを防止することができる。
(6)図9及び図10に示すように、本実施形態に係る現金取扱装置100は、床面に敷設される転倒防止板28aを備えている。紙幣ユニット21と硬貨ユニット26との双方を仮想的に引き出した場合の装置全体の重心位置は、側面視で、転倒防止板28aの前端部(装置前面位置Ba)の近傍又は転倒防止板28aの前端部(装置前面位置Ba)よりも前方であってもよい。なお、転倒防止板28aを有していない現金取扱装置の場合では、紙幣ユニット21と硬貨ユニット26との双方を仮想的に引き出した場合の装置全体の重心位置は、側面視で、前足61(図9,10)の近傍(複数(2つ)の前足61を結んだ線の近傍)又は前足61よりも前方(複数(2つ)の前足61を結んだ線よりも前方向)であってもよい。
このような本実施形態に係る現金取扱装置100は、紙幣ユニット21と硬貨ユニット26との双方を仮想的に引き出した場合の装置全体の重心位置が側面視で転倒防止板28aの前端部(装置前面位置Ba)の近傍又は転倒防止板28aの前端部(装置前面位置Ba)よりも前方であっても、ロック機構LKで紙幣ユニット21と硬貨ユニット26とが同時に引き出されることを防止して、装置の転倒を防止することができる。このような本実施形態に係る現金取扱装置100は、転倒防止板28aの前後方向のサイズを短くすることができる。
以上の通り、本実施形態1に係る現金取扱装置100によれば、複数の扉(紙幣扉5と硬貨扉15)のロックの同時解除を防止することができる。その結果、複数の扉内に配置された複数のユニットが同時に引き出されることを防止することができる。
[実施形態2]
実施形態1に係る現金取扱装置100は、板バネ50,51を用いてストッパーブラケット49(シーソー部材)の動きを規制する構成になっている(図7及び図8参照)。
これに対し、本実施形態2では、ポップアップピン(突き出しピン102,107)を用いてストッパーブラケット49(シーソー部材)の動きを規制する現金取扱装置100Aを提供する(図11~図14参照)。
以下、図11~図14を参照して、本実施形態2に係る現金取扱装置100Aの構成について説明する。図11及び図12は、本実施形態2に係る現金取扱装置100Aのロック機構LKaの構成図である。図13及び図14は、ロック機構LKaの細部構成図であり、図11に示す部位Sの概略的な構成を示している。
図11乃至図14に示すように、本実施形態2に係る現金取扱装置100Aは、実施形態1に係る現金取扱装置100と比較すると、ロック機構LK(図5乃至図8参照)の代わりに、ロック機構LKaを備える点で相違する。ロック機構LKaは、ロック機構LK(図5乃至図8参照)と比較すると、板バネ50(図5乃至図8参照)の代わりに、突き出しピン102(図11乃至図13参照)を有するとともに、板バネ51(図5参照)の代わりに、突き出しピン107(図14参照)を有する点で相違する。
突き出しピン102(図11乃至図13参照)は、前端部が紙幣扉5(図1参照)に当接するように設けられ、紙幣扉5の開閉動作に連動して、前後方向に移動するポップアップピンである。突き出しピン107(図14参照)は、前端部が硬貨扉15(図1参照)に当接するように設けられ、硬貨扉15の開閉動作に連動して、前後方向に移動するポップアップピンである。
図11乃至図13に示すように、紙幣扉5側の突き出しピン102は、突き出しピンブラケット101に取り付けられ、Eリング104とワッシャー105で支持されている。図13に示すように、突き出しピンブラケット101は、ネジ111で紙幣装置本体1の底面に固定されている。突き出しピン102は、スプリング103によって前方向に付勢されている。
本実施形態では、突き出しピン102は、位置Qから位置Pまでの範囲で前後方向に移動するものとして説明する。つまり、位置Qが突き出しピン102の前進時の位置であり、位置Pが突き出しピン102の後退時の位置であるものとして説明する。位置Qは、突き出しピン102の前端部がストッパーブラケット49の上に乗り上げる位置であり、位置Pは、突き出しピン102の前端部がストッパーブラケット49の上から外れる位置である。
図14に示すように、硬貨扉15側の突き出しピン107は、突き出しピンブラケット106に取り付けられ、Eリング109とワッシャー110で支持されている。突き出しピンブラケット106は、ネジ111で硬貨装置本体12の底面に固定されている。突き出しピン107は、スプリング108によって前方向に付勢されている。
本実施形態では、硬貨扉15側の突き出しピン107は、紙幣扉5側の突き出しピン102と同様に、位置Qから位置Pまでの範囲で前後方向に移動するものとして説明する。つまり、位置Qが突き出しピン107の前進時の位置であり、位置Pが突き出しピン107の後退時の位置であるものとして説明する。位置Qは、突き出しピン107の前端部がストッパーブラケット49の上に乗り上げる位置であり、位置Pは、突き出しピン107の前端部がストッパーブラケット49の上から外れる位置である。
ロック機構LKaは、実施形態1のロック機構LK(図5乃至図8参照)の紙幣側リンク機構LB及び硬貨側リンク機構LCと同様に、紙幣側リンク機構LBa(図示せず)と硬貨側リンク機構LCa(図示せず)とを備えている。ロック機構LKaの紙幣側リンク機構LBaと硬貨側リンク機構LCaは、実施形態1のロック機構LKの紙幣側リンク機構LBと硬貨側リンク機構LCと同様に動作する。
例えば、図6に示すように、紙幣扉5のロックの開錠時において、硬貨側リンク機構LCでは、水平方向摺動ピン40が硬貨扉積層板45と嵌合しており、硬貨扉15がロックされて開放不能な状態になっている。一方、紙幣側リンク機構LBでは、紙幣扉5を開くために、作業員によって紙幣扉錠11が位置Eから位置Eaに回転されると、紙幣扉錠11の回転動作に連動して、回転リンク30が回転し、回転リンク31が移動する。このとき、回転リンク31の移動動作に連動して、直動リンク32が鉛直方向に移動し、回転ブラケット33が回転する。すると、回転ブラケット33の回転動作に連動して、水平方向摺動ピン34が位置Gから位置Hに水平方向に移動して、水平方向摺動ピン34が紙幣扉積層板43から外れる。これにより、ロック機構LKaは、紙幣扉5のロックを解除する。つまり、このとき、ロック機構LKaは、水平方向摺動ピン34と紙幣扉積層板43との嵌合が外れて紙幣扉5を開くことが可能な状態になる。
また、図7に示すように、回転ブラケット33(図6)の回転動作に連動して、鉛直方向摺動ピン35が位置Kから位置Lに鉛直方向(下方向)に移動してストッパーブラケット49の紙幣側部分を押し下げる。これにより、支点ピン47を中心にストッパーブラケット49が回転する。その結果、ストッパーブラケット49の紙幣側部分が下降し、ストッパーブラケット49の硬貨側部分が上昇するように、鉛直方向摺動ピン35がストッパーブラケット49を傾けた状態にする。ストッパーブラケット49は、硬貨側部分が上昇することで、硬貨側リンク機構LCの鉛直方向摺動ピン41を下降し難くする。
ここで、作業員によって紙幣扉5が開放されたとする。このとき、実施形態1のロック機構LKでは、紙幣扉5が板バネ50の突出部M(図7参照)を後方向に押さなくなることで、板バネ50の自由端が前方向に動いてストッパーブラケット49の紙幣側部分の上に乗り上げる。これにより、ロック機構LKは、ストッパーブラケット49の動きを規制する。
これに対して、本実施形態2のロック機構LKaでは、紙幣扉5が突き出しピン102の前端部を後方向(方向R参照)に押さなくなることで、突き出しピン102が前方向に動いて、突き出しピン102の前端部がストッパーブラケット49の紙幣側部分の上に乗り上げる。これにより、実施形態2のロック機構LKaは、ストッパーブラケット49の動きを規制する。
この後、作業員によって紙幣扉5が閉鎖されたとする。このとき、実施形態1のロック機構LKでは、紙幣扉5が板バネ50の突出部M(図8参照)を後方向に押すことで、板バネ50の自由端が後方向に動いてストッパーブラケット49の紙幣側端部付近の上から外れる。これにより、ロック機構LKは、ストッパーブラケット49の動きの規制を解除する。
これに対して、本実施形態2のロック機構LKaでは、紙幣扉5が突き出しピン102の前端部を後方向(方向R参照)に押すことで、突き出しピン102が後方向(方向R参照)に動いて、突き出しピン102の前端部がストッパーブラケット49の紙幣側部分の上から外れる。これにより、実施形態2のロック機構LKaは、ストッパーブラケット49の動きの規制を解除する。
以上の通り、本実施形態2に係る現金取扱装置100Aによれば、実施形態1に係る現金取扱装置100と同様に、複数の扉(紙幣扉5と硬貨扉15)のロックの同時解除を防止することができる。その結果、複数のユニットを同時に引き出すことを防止することができる。
なお、本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更や変形を行うことができる。
例えば、前記した実施形態は、本発明の要旨を分かり易く説明するために詳細に説明したものである。そのため、本発明は、必ずしも説明した全ての構成要素を備えるものに限定されるものではない。また、本発明は、ある構成要素に他の構成要素を追加したり、一部の構成要素を他の構成要素に変更したりすることができる。また、本発明は、一部の構成要素を削除することもできる。
例えば、前記した実施形態では、現金取扱装置100が金融機関で用いられる窓口装置であるものとして説明した。しかしながら、本発明は、窓口装置だけでなく、金融機関や流通機関で用いられるATM(現金自動預け払い機)や両替機等の装置、交通機関や流通機関で用いられる発券機、その他の装置にも利用することができる。
また、例えば、転倒防止板28aは装置本体に対して取り付け及び取り外しが自在な構成になっていてもよい。
また、前記した実施形態では、ロック機構LKがメカニカルな構成になっているが、ロック機構LKは電気的な可動機構(ソレノイドや電動機等のアクチュエータ)であってもよい。つまり、この現金取扱装置は、紙幣扉5をロックする紙幣側アクチュエータ(図示せず)と、硬貨扉15をロックする硬貨側アクチュエータ(図示せず)とからなる電気的ロック機構と、この紙幣側アクチュエータ及び硬貨側アクチュエータを電気的に制御する制御部とを備えている。
また、例えば、前記した実施形態1に係る現金取扱装置100は、以下の構成の扉同時開き防止構造を有する装置であってもよい。すなわち、実施形態1に係る現金取扱装置100は、第1ユニット(紙幣ユニット21)と、第2ユニット(硬貨ユニット26)と、第1ユニット(紙幣ユニット21)と第2ユニット(硬貨ユニット26)とを引き出し可能に収納する筐体(紙幣装置本体1及び硬貨装置本体12)と、第1ユニット(紙幣ユニット21)を封止する第1扉(紙幣扉5)と、第2ユニット(硬貨ユニット26)を封止する第2扉(硬貨扉15)と、第1扉(紙幣扉5)と第2扉(硬貨扉15)とを開放不能にロックするロック機構LKと、を備え、ロック機構LKは、開錠時に、第1扉(紙幣扉5)と第2扉(硬貨扉15)とのうち、一方の扉のロックを解除し、他方の扉のロックを維持する扉同時開き防止構造を有する装置であってもよい。
この扉同時開き防止構造のロック機構LKは、第1扉(紙幣扉5)をロックする第1扉側リンク機構(紙幣側リンク機構LB)と、第2扉(硬貨扉15)をロックする第2扉側リンク機構(硬貨側リンク機構LC)と、を備え、第1扉側リンク機構(紙幣側リンク機構LB)と第2扉側リンク機構(硬貨側リンク機構LC)とは、開錠時に、一方のリンク機構がロックを解除した状態になり、他方のリンク機構がロックを維持した状態になる構成であるとよい。
前記各実施形態の現金取扱装置では、紙幣扉5及び硬貨扉15と、上部紙幣ユニット引き出し機構23、下部紙幣ユニット引き出し機構25及び硬貨ユニット引き出し機構27とを備えたが、上部紙幣ユニット引き出し機構23、下部紙幣ユニット引き出し機構25及び硬貨ユニット引き出し機構27のみを備えても構わない。
この場合の現金取扱装置は、上部紙幣ユニット引き出し機構23、下部紙幣ユニット引き出し機構25及び硬貨ユニット引き出し機構27の組合せの引き出しをロックするロック機構を備える。例えば、上部紙幣ユニット引き出し機構23及び下部紙幣ユニット引き出し機構25の引き出しをロックしたときに、硬貨ユニット引き出し機構27の引き出しのロックを解除し、硬貨ユニット引き出し機構27の引き出しをロックしたとき、上部紙幣ユニット引き出し機構23及び下部紙幣ユニット引き出し機構25の引き出しを解除するロック機構を備える。なお、このロック機構は、電気的ロック機構であっても構わない。また、2枚の扉(紙幣扉5及び硬貨扉15)を設けても構わないが、単一の扉を設けても構わない。
また、例えば、前記した実施形態1に係る現金取扱装置100のロック機構LK及び実施形態2に係る現金取扱装置100Aのロック機構LKaは、紙幣ユニット21と硬貨ユニット26とのいずれか一方又は双方を引き出し不能にロックする構成にすることができる。この場合に、ロック機構LK,LKaは、ユニットを引き出し不能にする構成に加え、紙幣扉5と硬貨扉15とのいずれか一方又は双方を開放不能にロックする構成を有する構成にしてもよい。また、この場合に、現金取扱装置100,100Aは、紙幣ユニット21と硬貨ユニット26との双方を仮想的に引き出した場合の装置全体の重心位置が、側面視で、転倒防止板28aの前端部(装置前面位置Ba)の近傍又は転倒防止板28aの前端部(装置前面位置Ba)よりも前方であるとよい。なお、転倒防止板28aを有していない現金取扱装置の場合では、現金取扱装置100,100Aは、紙幣ユニット21と硬貨ユニット26との双方を仮想的に引き出した場合の装置全体の重心位置が、側面視で、前足61(図9,10)の近傍(複数(2つ)の前足61を結んだ線の近傍)又は前足61よりも前方(複数(2つ)の前足61を結んだ線よりも前方向)であるとよい。
1 紙幣装置本体(筐体)
2 操作画面
3 紙幣パネル
4 紙幣パネル支軸
5 紙幣扉(第1扉)
6 紙幣扉支軸
7 QRコード読取部
8 スピーカ部
9 紙幣口
10 紙幣扉部返却口
11 紙幣扉錠
12 硬貨装置本体(筐体)
13 硬貨パネル
14 硬貨パネル支軸
15 硬貨扉(第2扉)
16 硬貨扉支軸
17 硬貨口
18 硬貨扉部返却口
19 硬貨扉錠
20a 連結プレート
20b 連結ネジ
21 紙幣ユニット(第1ユニット)
22 上部紙幣ユニット
23 上部紙幣ユニット引き出し機構
24 下部紙幣ユニット
25 下部紙幣ユニット引き出し機構
26 硬貨ユニット(第2ユニット)
27 硬貨ユニット引き出し機構
28,28a 転倒防止板
29 締結ボルト
30,31,36,37 回転リンク
32,38 直動リンク
33,39 回転ブラケット
34,40 水平方向摺動ピン
35 鉛直方向摺動ピン(紙幣側部材)
41 鉛直方向摺動ピン(硬貨側部材)
42,42a,44,44a 摺動ピンガイド
43 紙幣扉積層板
45 硬貨扉積層板
46 ブラケット
47 支点ピン
48 Eリング
49 ストッパーブラケット(シーソー部材)
49a,49b 当接部
50 板バネ(紙幣側バネ部材)
51 板バネ(硬貨側バネ部材)
52,52 ガイド部
61 前足
62 後足
100,100A,100com 現金取扱装置
101,106 突き出しピンブラケット
102,107 突き出しピン
103,108 スプリング
104,109 Eリング
105,110 ワッシャー
111 ネジ
B,Ba 装置前面位置
C 外力
D,R 方向
E,Ea,F,Fa,G,H,I,J,K,L,P,Q 位置
M,Ma 突出部
LK,LKa ロック機構
LB,LBa 紙幣側リンク機構(第1扉側リンク機構)
LC,LCa 硬貨側リンク機構(第2扉側リンク機構)
S 部位

Claims (15)

  1. 紙幣を取り扱う紙幣ユニットと、
    硬貨を取り扱う硬貨ユニットと、
    前記紙幣ユニットと前記硬貨ユニットとを引き出し可能に収納する筐体と、
    前記紙幣ユニットを封止する紙幣扉と、
    前記硬貨ユニットを封止する硬貨扉と、
    前記紙幣扉と前記硬貨扉とのいずれか一方又は双方を開放不能にロックするロック機構と、を備え、
    前記ロック機構は、開錠時に、前記紙幣扉と前記硬貨扉とのうち、一方の扉のロックを解除し、他方の扉のロックを維持する
    ことを特徴とする現金取扱装置。
  2. 請求項1に記載の現金取扱装置において、
    前記ロック機構は、前記紙幣扉をロックする紙幣側リンク機構と、前記硬貨扉をロックする硬貨側リンク機構と、を備え、
    前記紙幣側リンク機構と前記硬貨側リンク機構とは、開錠時に、一方のリンク機構がロックを解除した状態になり、他方のリンク機構がロックを維持した状態になる
    ことを特徴とする現金取扱装置。
  3. 請求項2に記載の現金取扱装置において、
    前記ロック機構は、シーソー部材をさらに備え、
    前記紙幣側リンク機構は、前記シーソー部材を傾けた状態にする紙幣側部材と、前記シーソー部材の動きを規制する紙幣側バネ部材と、を有し、
    前記硬貨側リンク機構は、前記シーソー部材を傾けた状態にする硬貨側部材と、前記シーソー部材の動きを規制する硬貨側バネ部材と、を有し、
    前記ロック機構は、
    前記紙幣扉のロックの開錠時に、前記紙幣側部材が前記シーソー部材を傾けた状態にし、前記紙幣側バネ部材が前記シーソー部材の動きを規制することで、前記シーソー部材が前記硬貨側リンク機構の動きを規制して、前記硬貨扉のロックを維持し、
    前記硬貨扉のロックの開錠時に、前記硬貨側部材が前記シーソー部材を傾けた状態にし、前記硬貨側バネ部材が前記シーソー部材の動きを規制することで、前記シーソー部材が前記紙幣側リンク機構の動きを規制して、前記紙幣扉のロックを維持する
    ことを特徴とする現金取扱装置。
  4. 請求項3に記載の現金取扱装置において、
    前記紙幣側リンク機構の前記紙幣側部材は、前記紙幣扉を開くための紙幣扉錠の動きに連動して動き、
    前記硬貨側リンク機構の前記硬貨側部材は、前記硬貨扉を開くための硬貨扉錠の動きに連動して動く
    ことを特徴とする現金取扱装置。
  5. 請求項2に記載の現金取扱装置において、
    前記ロック機構は、シーソー部材をさらに備え、
    前記紙幣側リンク機構は、前記シーソー部材を傾けた状態にする紙幣側部材と、前記紙幣扉をポップアップさせるとともに前記シーソー部材の動きを規制する突き出しピンと、を有し、
    前記硬貨側リンク機構は、前記シーソー部材を傾けた状態にする硬貨側部材と、前記硬貨扉をポップアップさせるとともに前記シーソー部材の動きを規制する突き出しピンと、を有し、
    前記ロック機構は、
    前記紙幣扉のロックの開錠時に、前記紙幣側部材が前記シーソー部材を傾けた状態にし、前記突き出しピンが前記シーソー部材の動きを規制することで、前記シーソー部材が前記硬貨側リンク機構の動きを規制して、前記硬貨扉のロックを維持し、
    前記硬貨扉のロックの開錠時に、前記硬貨側部材が前記シーソー部材を傾けた状態にし、前記突き出しピンが前記シーソー部材の動きを規制することで、前記シーソー部材が前記紙幣側リンク機構の動きを規制して、前記紙幣扉のロックを維持する
    ことを特徴とする現金取扱装置。
  6. 請求項5に記載の現金取扱装置において、
    前記紙幣側リンク機構の前記紙幣側部材は、前記紙幣扉を開くための紙幣扉錠の動きに連動して動き、
    前記硬貨側リンク機構の前記硬貨側部材は、前記硬貨扉を開くための硬貨扉錠の動きに連動して動く
    ことを特徴とする現金取扱装置。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の現金取扱装置において、
    前記紙幣扉と前記硬貨扉は、前記筐体の同一面に配置されている
    ことを特徴とする現金取扱装置。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の現金取扱装置において、
    筐体を床面に載置する前足及び後足をさらに備え、
    前記紙幣ユニットと前記硬貨ユニットとの双方を仮想的に引き出した場合の装置全体の重心位置は、側面視で、前記前足の近傍又は前記前足よりも前方である
    ことを特徴とする現金取扱装置。
  9. 請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の現金取扱装置において、
    筐体に固定され、床面に敷設される転倒防止板を備え、
    前記紙幣ユニットと前記硬貨ユニットとの双方を仮想的に引き出した場合の装置全体の重心位置は、側面視で、前記転倒防止板の前端部の近傍又は前記転倒防止板の前端部よりも前方である
    ことを特徴とする現金取扱装置。
  10. 請求項1又は請求項2に記載の現金取扱装置において、
    前記ロック機構は、前記紙幣扉をロックする紙幣側アクチュエータと、前記硬貨扉をロックする硬貨側アクチュエータとを備え、
    前記紙幣側アクチュエータ及び前記硬貨側アクチュエータを制御する制御部をさらに備える
    ことを特徴とする現金取扱装置。
  11. 紙幣を取り扱う紙幣ユニットと、
    硬貨を取り扱う硬貨ユニットと、
    前記紙幣ユニットと前記硬貨ユニットとを引き出し可能に収納する筐体と、
    前記紙幣ユニットと前記硬貨ユニットとのいずれか一方又は双方を引き出し不能にロックするロック機構と、を備え、
    前記ロック機構は、開錠時に、前記紙幣ユニットと前記硬貨ユニットとのうち、一方のユニットのロックを解除し、他方のユニットのロックを維持する
    ことを特徴とする現金取扱装置。
  12. 第1ユニットと、
    第2ユニットと、
    前記第1ユニットと前記第2ユニットとを引き出し可能に収納する筐体と、
    前記第1ユニットを封止する第1扉と、
    前記第2ユニットを封止する第2扉と、
    前記第1扉と前記第2扉とのいずれか一方又は双方を開放不能にロックするロック機構と、を備え、
    前記ロック機構は、開錠時に、前記第1扉と前記第2扉とのうち、一方の扉のロックを解除し、他方の扉のロックを維持する
    ことを特徴とする扉同時開き防止構造。
  13. 請求項12に記載の扉同時開き防止構造において、
    前記ロック機構は、前記第1扉をロックする第1扉側リンク機構と、前記第2扉をロックする第2扉側リンク機構と、を備え、
    前記第1扉側リンク機構と前記第2扉側リンク機構とは、開錠時に、一方のリンク機構がロックを解除した状態になり、他方のリンク機構がロックを維持した状態になる
    ことを特徴とする扉同時開き防止構造。
  14. 紙幣を取り扱う紙幣ユニットと、
    硬貨を取り扱う硬貨ユニットと、
    前記紙幣ユニットと前記硬貨ユニットとを引き出し可能に収納する筐体と、
    前記紙幣ユニットと前記硬貨ユニットとのいずれか一方又は双方を引き出し不能にロックするロック機構と、を備え、
    前記ロック機構は、開錠時に、前記紙幣ユニットと前記硬貨ユニットとのうち、一方のユニットのロックを解除し、他方のユニットのロックを維持する
    ことを特徴とする扉同時開き防止構造。
  15. 請求項14に記載の扉同時開き防止構造において、
    前記ロック機構は、
    前記紙幣ユニットと前記紙幣ユニットを封止する紙幣扉とのいずれか一方又は双方をロックする紙幣側リンク機構と、
    前記硬貨ユニットと前記硬貨ユニットを封止する硬貨扉とのいずれか一方又は双方をロックする硬貨側リンク機構と、を備え、
    前記紙幣側リンク機構と前記硬貨側リンク機構とは、開錠時に、一方のリンク機構がロックを解除した状態になり、他方のリンク機構がロックを維持した状態になる
    ことを特徴とする扉同時開き防止構造。
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