JP2023056401A - 電磁波透過性部材の製造方法 - Google Patents

電磁波透過性部材の製造方法 Download PDF

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Shoki SANO
康則 水島
Yasunori Mizushima
真輔 大石
Shinsuke Oishi
恵利香 坂本
Erika Sakamoto
順一 上山
Junichi Kamiyama
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Abstract

【課題】高い耐候性、生産性を確保しつつ、エンブレムの外縁部までフィルム部材を配置することができ、エンブレムの意匠性を高めることができる電磁波透過性部材の製造方法を提供する。【解決手段】本開示の電磁波透過性部材100の製造方法は、第1基材10と、フィルム材20と、第2基材30とを積層した電磁波透過性部材100の製造方法であって、第1基材10を成形するコア側の半金型210にフィルム材20を配置するステップと、フィルム材20の外縁部(傾斜部20s)をクランパー220とコア側半金型210の外縁部(傾斜面210s)との間で挟持するステップと、金型を閉じて第1基材10を成形するステップと、第1基材10を成形した後に金型を開くとき、クランパー220をコア側の半金型210から離隔させて、第1基材10をコア側の半金型210から離型させるステップと、フィルム材20に関して第1基材10とは反対側に第2基材30を成形するステップとを含むことを特徴とする。【選択図】図7

Description

本開示は、電磁波透過性部材の製造方法に関する。
従来より、車両の外観を向上させるために、意匠性の高い装飾部材が車両に装着されている。特に近年は、前方の車両位置などを検知するためのレーダー装置から出射されるミリ波やマイクロ波などの電磁波の経路を塞がないように、高い意匠性に加えて電磁波透過性を有するカバー部品やエンブレム部品の開発が進められている(例えば、特許文献1など)。
特開2010-111010号公報
ところで、上述のようなカバー部品やエンブレム部品では、部品の意匠性を高めるために反射率を高めたフィルム部材を間に積層した構成が用いられることがある。このフィルム部材を用いた構成を採用するに際しては、フィルム部材をインサート成形する際の位置ずれを防止するために、フィルム部材の縁部を金型の合わせ面で挟持するなどしていたため、成形後に基材からはみ出たフィルム部材の縁部をカットする後工程が必要になったり、耐候性確保のためにはみ出たフィルム部材を樹脂で覆うことにより部品の外観を損ねる場合があったため、これらの点において改善の余地があった。
本開示は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、高い耐候性、生産性を確保しつつ、エンブレムの外縁部までフィルム部材を配置することができ、エンブレムの意匠性を高めることができる、電磁波透過性部材の製造方法を提供することにある。
本開示の電磁波透過性部材の製造方法は、
第1基材と、フィルム材と、第2基材とを積層した電磁波透過性部材の製造方法であって、
前記第1基材を成形する金型のコア側の半金型に前記フィルム材を配置するステップと、
前記フィルム材の外縁部をクランパーと前記金型のコア側の半金型の外縁部との間で挟持するステップと、
前記金型を閉じて前記第1基材を成形するステップと、
前記第1基材を成形した後に前記金型を開くとき、前記クランパーを前記金型のコア側の半金型から離隔させて、前記第1基材を前記金型のコア側の半金型から離型させるステップと、
前記フィルム材に関して前記第1基材とは反対側に前記第2基材を成形するステップと
を含むことを特徴とする。
また、本開示の電磁波透過性部材の製造方法は、上記構成において、前記第1基材は、可視光に対して透明又は半透明な樹脂で形成されていることが好ましい。
また、本開示の電磁波透過性部材の製造方法は、上記構成において、前記電磁波透過性部材の電磁波透過領域において、前記フィルム材は厚み方向に突出する凹凸形状を有し、前記第1基材及び前記第2基材における外面は、それぞれ略平面を有することが好ましい。
また、本開示の電磁波透過性部材の製造方法は、上記構成において、前記クランパーとの間で前記フィルム材の外縁部を挟持する前記金型のコア側の半金型の外縁部は、径方向外側に向かってキャビティ側の半金型から離隔する方向に傾斜する傾斜面を備えることが好ましい。
また、本開示の電磁波透過性部材の製造方法は、上記構成において、前記クランパーにおける前記金型のキャビティ側の半金型に対向する面は、前記キャビティ側の半金型内に前記第1基材を形成する溶融した樹脂を供給するゲートの一部を形成することが好ましい。
本開示によれば、高い耐候性、生産性を確保しつつ、エンブレムの外縁部までフィルム部材を配置することができ、エンブレムの意匠性を高めることができる、電磁波透過性部材の製造方法を提供することができる。
本開示の一実施形態である電磁波透過性部材の製造方法によって製造される電磁波透過性部材の断面図である。 本開示の一実施形態である電磁波透過性部材の製造方法によって製造される電磁波透過性部材の層構成の詳細を示す図である。 本開示の一実施形態である電磁波透過性部材の製造方法の実施の手順を示すフローチャートである。 本開示の一実施形態である電磁波透過性部材の製造方法において、第1基材をインサート成形する手順を詳細に示すフローチャートである。 図4において、コア側の半金型にフィルム材を配置する工程を示す図である。 図4において、フィルム材をクランパーとコア側の半金型との間で挟持する工程を示す図である。 図4における、第1基材(PC)を成形する工程を示す図である。 図4において、第1基材をコア側の半金型から離型する工程を示す図である。 本開示の一実施形態である電磁波透過性部材の製造方法において、第2基材(ABS)をインサート成形する工程を示す図である。
以下、図面を参照して、本開示をより具体的に例示説明する。
図1に示す本開示の一実施形態である電磁波透過性部材の製造方法によって製造される電磁波透過性部材100は、電磁波透過性部材100に意匠性を付与するための凹凸形状20vを有するフィルム材20と、フィルム材20の一方の面(表面)を覆う第1基材10と、フィルム材20の他方の面(裏面)を覆う第2基材30とを備えている。本実施形態に係る電磁波透過性部材100は、例えば車両の前部に装着されるエンブレムなどとして用いられることを想定しており、エンブレムの後方に装着されたレーダー装置から発信されるミリ波やマイクロ波などの電磁波を透過させることができる。したがって、これらの電磁波が透過する領域に金属が用いられていないことが望ましい。なお、電磁波透過性とは全ての電磁波を透過させる性質を意味するものではなく、レーダー装置から発信される電磁波を透過させることができればよく、例えば可視光を反射又は吸収させるものであってもよい。
本明細書、特許請求の範囲、及び図面においては、図1に示すように第1基材10側を表側、第2基材30側を裏側とする。凹凸形状20vは、表側に突出しているものを凸部、裏側に突出しているものを凹部とする。また、径方向外側とは、図1における左側であり、径方向内側とは、図1における右側である。
第1基材10は、本実施形態では、可視光に対して透明なポリカーボネート(PC)を主材とする材料で構成されている。電磁波透過性部材100は、表側から視認されることが想定されており、第1基材10側が前側になるように車両の前部に装着される。すなわち、透明なPCを通してフィルム材20の凹凸形状20vが視認されることによって、電磁波透過性部材100の意匠性を向上させている。
第1基材10は、第1基材10を通してフィルム材20が視認可能であればよく、構成材料はPCに限定されない。第1基材10には、透明度が高いアクリル樹脂(例えばポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)など)、透明なアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)又は半透明の合成樹脂材料などを用いてもよい。
本実施形態において、第1基材10は、フィルム材20をインサート材としてインサート成形することによって形成することができる。第1基材10は、フィルム材20の表面に塗布された後述する無色インク20b及び黒色インク20aによって、フィルム材20に熱による硬化反応によって接着されている。ここで接着とは物理的か化学的かを問わず、複数の物体が接合・固定される現象をすべて含む。なお、後述するように、第1基材10における表面には、電磁波透過性部材100を傷、紫外線又は風雨などから保護するハードコート11が塗布されている(図2参照)。
第2基材30は、本実施形態では、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS)を主材とする材料で構成されている。第2基材30は必ずしも透明性を備えている必要は無い。また、ABSに代えて耐候性に優れたアクリルニトリル・スチレン・アクリレート樹脂(ASA)、アクリロニトリル・エチレン・スチレン共重合合成樹脂(AES)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などを用いてもよいし、第1基材10と同様にPCを用いてもよい。
第2基材30は、フィルム材20を積層した第1基材10をインサート材としてインサート成形することによって形成することができる。第2基材30は、フィルム材20の裏面に塗布された後述するグレー色インク20dによって、フィルム材20に熱による硬化反応によって接着されている。
図1において、領域EMは、レーダー装置から発信されるミリ波やマイクロ波などの電磁波が透過する電磁波透過領域である。本実施形態では、電磁波透過領域EMにおける第1基材10の表面及び第2基材30の裏面は、略平面とされている。このような構成によって、電磁波透過領域EMを通過する電磁波が分散されてしまいレーダー装置による検出結果に影響を及ぼすことを回避することができる。
なお、電磁波が凹凸形状20vを通過する際の分散を抑制するために、当該電磁波の波長における第1基材10と第2基材30の屈折率の差異がなるべく小さいことが好ましい。
フィルム材20は、図2に示すように、金属を用いずに金属調の光沢を発現させた積層フィルム20cと、積層フィルム20cの表面に塗布した無色インク20b及び黒色インク20aと、積層フィルム20cの裏面に塗布したグレー色インク20dとを備えている。無色インク20b、黒色インク20a及びグレー色インク20dは、バインダーとしての機能を備えており、後述する第1基材10及び第2基材30を熱硬化により接着させる機能を備えている。
なお、無色インク20b、黒色インク20a及びグレー色インク20dの一部又は全ては用いなくてもよいし、異なる色のインクを用いてもよい。また、熱硬化に依らず、接着層を間に設けることにより第1基材10又は第2基材30との接着性を向上させてもよい。また、積層フィルム20c、第1基材10及び第2基材30の少なくともいずれかの樹脂がインサート成形時の熱により軟化して、他の樹脂と熱融着により接着するようにしてもよい。
次に、図3から図9を用いて、本開示の一実施形態に係る電磁波透過性部材100の製造方法について説明する。
電磁波透過性部材100を製造するに際しては、まず金属調の光沢を発現させた積層フィルム20cを準備する(図3のステップS101)。本実施形態において、積層フィルム20cの厚みは約150μmである。積層フィルム20cは、電磁波透過性を十分に確保するために、金属を用いていないことが好ましい。
次に、積層フィルム20cの裏面に、グレー色インク20dを例えば合成樹脂板への印刷に適したスクリーン印刷によって塗布する(図3のステップS102)。このグレー色インク20dは、光がフィルム材20の裏面まで透過したときの意匠性を向上させるために塗布している。グレー色インク20dは、後述するように第1基材10(PC)とフィルム材20とをインサート成形時に熱硬化により接着させる機能も備えている。
次に、積層フィルム20cの表面に無色インク20b、黒色インク20aを例えばスクリーン印刷によって塗布する(図3のステップS103)。黒色インク20aを積層フィルム20cの表面に部分的に塗布することによって、表面から視認した場合に、金属調の光沢色部分と黒色部分とを形成することができる。無色インク20b及び黒色インク20aは、後述するように第1基材10(PC)とフィルム材20とをインサート成形時に熱硬化により接着させる機能も備えている。
次に、ステップS102及びS103により表面及び裏面に印刷を施したフィルム材20に対して高圧成形によるプレフォーミングを行う(図3のステップS104)。本実施形態では、平板状のフィルム材20に対してプレフォーミングを行うことによって、図5に示す凹凸形状20vを形成する。ステップS104で用いる高圧成形は、高い空気圧下で成形を行うことによって熱によるフィルムの膨張や変形が少なく比較的高い寸法精度の立体成形を行うことができる。なお、プレフォーミングには、上述の高圧成形のほか、フィルム材20と型の間を真空引きすることによってフィルム材20を型に密着させて成形する真空成形や、油圧式などのベンディング機によって形状付与するようにしてもよい。
次に、ステップS104によって凹凸形状20vを形成したフィルム材20を、プレス型抜きによって所定の形状へとトリミングを行う(図3のステップS105)。ここでいう所定の形状とは、フィルム材20の外縁部が図5に示す金型のコア側の半金型210の外縁部よりも僅かに径方向内側に位置するような形状である。なお、フィルム材20の外縁部がコア側の半金型210の外縁部の位置と一致するようにトリミングしてもよい。
次に、金型内で第1基材10のインサート成形を行う(図3のステップS106)。なお、ステップS106は、更に複数のステップからなるため、図4を用いて詳細に示す。
第1基材10のインサート成形を行うに際しては、まず、金型のうちのコア側の半金型210(図5参照)にインサート材としてのフィルム材20を配置する(図4のステップS201)。コア側の半金型210へのフィルム材20の配置に際しては、まずフィルム材20の凹凸形状20vをコア側の半金型210の凹凸型部210vに嵌合させた状態でフィルム材20の外縁部をコア側の半金型210の外縁部に対して位置合わせを行う。位置合わせされたフィルム材20は、コア側の半金型210により吸引されて仮固定される。このフィルム材20の配置の段階では、クランパー220のフィンガー部220aは、図5に示すように、フィルム材20の表側方向に(図5の上方に)離隔した状態に位置決めされている。
クランパー220は、上部において径方向内側に突出するフィンガー部220aを備えている。フィンガー部220aの上面はクランパー220の上端面220tから略水平方向に延在する一方、下面は径方向内側に向けて上方に傾斜する傾斜面220sを備えており、コア側の半金型210の外縁部に設けられたコア側半金型210の傾斜面210sと概ね同一角度の傾斜を有している。クランパー220のフィンガー部220aが裏側方向(図5の下方向)に移動した状態(図6参照)において、クランパー220の傾斜面220sとコア側半金型210の傾斜面210sとの間でフィルム材20の外縁部(傾斜部20s)を挟持することができる。
クランパー220は、図5に示すように、コア側の半金型210の径方向外側に配置されており、表側と裏側とを行き来する方向(図5の上下方向)に移動可能に設けられている。本実施形態において、クランパー220は、コア側の半金型210の外縁部に沿って周方向にコア側の半金型210を取り囲むように設けられている。なお、クランパー220は、コア側の半金型210の全周に亘って設けられている必要は無く、フィルム材20が位置ずれすることなく保持できる程度の領域に設けられていればよい。クランパー220は、例えばコア側の半金型210の周方向の2か所において合計で約半周分となるように設けることができる。
クランパー220は、本実施形態においてコア側の半金型210に元々設けられているエジェクター突き出し機構によって制御されている。このような構成によって、別途クランパー220の駆動機構を設けることなくクランパー220を所定方向(表裏方向)に駆動することができる。なお、クランパー220の駆動手段はエジェクター突き出し機構に限定されず、クランパー220の駆動用に別途油圧アクチュエータ、駆動ばね又はサーボモータなどを用いるようにしてもよい。
ステップS201においてフィルム材20をコア側の半金型210に配置した後、図6に示すようにクランパー220を裏側方向(図6の下方向)に駆動し、フィルム材20をクランパー220のフィンガー部220aの傾斜面220sとコア側半金型210の傾斜面210sとの間で挟持する(図4のステップS202)。なお、傾斜面220s,210sは必ずしも設ける必要は無いが、傾斜面220s,210sを設けた方が、後述する第2基材30を形成したときに、フィンガー部220aを挿入した領域を容易に第2基材30で埋めることができるため、好ましい。
次に、図7に示すように、可動側金型であるコア側の半金型210を表方向(図7の上方向)に移動させて固定側金型であるキャビティ側の半金型230に当接させて金型を閉じる。そして、射出成形機から図7におけるスプール230s、ランナー230r及びゲート230g経由でキャビティ側の半金型230内に溶融したPCである第1基材10を供給し、第1基材10を成形する(図4のステップS203)。ゲート230gは、通常ランナー230rよりも小さな断面積を有し、スプール230s及びランナー230r経由で供給された第1基材10がキャビティ内に流れ込む速度を制御している。本実施形態では、図7及び図8に示すように、ランナー230rからゲート230gに向けて断面積を徐々に小さくすることによって溶融樹脂の不連続な流れを抑制している。ステップS203において金型を閉じたとき、クランパー220におけるキャビティ側の半金型230と対向する上端面220tは、裏側方向(図7の下方向)に開口するゲート230gの開口部を閉塞し、ゲート230gの一部を形成している。このように、溶融した第1基材10の樹脂がクランパー220の上端面220t上を流れるように構成することで、フィルム材20における傾斜部20sに溶融樹脂が触れることを抑制することができる。したがって、コア側の半金型210に対して位置決めされたフィルム材20が樹脂圧によって押し流されてしまうことを効果的に抑制することができる。なお、図5から図9において、コア側の半金型210における入子型以外の金型本体は、図示を省略している。
次に、成形した第1基材10をコア側の半金型210から離型させる(図4におけるステップS204)。第1基材10の離型は、第1基材10とフィルム材20との積層体を急冷させないように金型内部で徐冷した後、図8に示すように、可動側金型であるコア側の半金型210を裏側方向(図8の下方向)に移動させるとともにクランパー220をコア側の半金型210に対して表側方向(図8の上方向)に移動させてキャビティ側の半金型230に追従させる。これによって、第1基材10の下面における外縁部10fがクランパー220のフィンガー部220aによってコア側の半金型210から上方に引き離されるため、第1基材10は、フィルム材20を積層した状態でコア側の半金型210から離型する。その後、成形品を大気雰囲気下で冷却する。
第1基材10がフィルム材20と積層した状態でコア側の半金型210から離型した後、クランパー220を再度裏側方向(図8の下方向)に移動させる。フィルム材20の傾斜部20sは容易に屈曲可能な状態でクランパー220の傾斜面220sに沿って延びているため、クランパー220の裏側方向への移動によってフィンガー部220aがフィルム材20の傾斜部20sを変形させながら容易に乗り越えて裏側方向に移動することができる。離型した第1基材10とフィルム材20の積層体からゲート部をカットする。
以上述べたとおり、図4のステップS201からS204の手順の実行により、図3のステップS106が完了する。
次に、フィルム材20の裏側に第2基材30(ABS)をインサート成形する(図3のステップS107)。第2基材30の成形は、ステップS204においてコア側の半金型210から離型させた第1基材10及びフィルム材20の積層体を、インサート材として図9に示す第1基材10側の半金型330内にセットした状態で吸引して仮固定する。次に、第1基材10側の半金型330と第2基材30側の半金型310とを合わせて金型を閉じ、溶融した第2基材30の樹脂を第2基材30側の半金型310のキャビティ内に射出する。なお、図9において溶融した第2基材30の樹脂を供給するゲートは図示を省略している。ステップS202からS204においてクランパー220の傾斜面220sに倣って屈曲していたフィルム材20の傾斜部20sは、第2基材30の樹脂圧に押されて第1基材10の下面の外縁部10fに当接した状態で第2基材30が成形される。このように、第2基材30の成形時にフィルム材20の傾斜部20sが第1基材10に沿うように変形しつつ成形されることによって、フィルム材20の傾斜部20sの痕跡を無くして、電磁波透過性部材100の意匠性を高めることができる。
ステップS107において第2基材30の成形を行った後に急冷させないように金型内部で徐冷し、その後金型から離型させ、成形品を大気雰囲気下で冷却する。
次に、冷却された成形品における第1基材10の表面にUV硬化性の透明塗料であるハードコート11(図2参照)を塗布する(図3におけるステップS108)。このハードコート11は、電磁波透過性部材100の表面を傷、紫外線又は風雨などから保護する役割を果たしている。ハードコート11を塗布するに際しては、UV硬化前に予備乾燥を行って塗料内の溶剤を揮発させながらレベリングさせることによって、均一な塗装面へと仕上げることができる。
以上述べたように、本実施形態は、第1基材10と、フィルム材20と、第2基材30とを積層した電磁波透過性部材100の製造方法であって、第1基材10を成形する金型のコア側の半金型210にフィルム材20を配置するステップと、フィルム材20の外縁部(傾斜部20s)をクランパー220と金型のコア側半金型210の外縁部(傾斜面210s)との間で挟持するステップと、金型を閉じて第1基材10を成形するステップと、第1基材10を成形した後に金型を開くとき、クランパー220を金型のコア側の半金型210から離隔させて、第1基材10を金型のコア側の半金型210から離型させるステップと、フィルム材20に関して第1基材10とは反対側に第2基材30を成形するステップとを含むように構成した。このような構成の採用によって、インサート成形時にフィルム材20を金型同士の間に挟み込んで固定する必要が無く、したがってフィルム材20を第1基材10及び第2基材30から径方向外側にはみ出させる必要が無い。そのため、はみ出したフィルム材20をその後に成形する基材で覆う必要が無くなるので、多様な外観要求への対応がし易くなる。また、はみ出したフィルム材20をトリミングにより除去する必要も無いため、トリミング工程を削減することができる。更に、はみ出したフィルム材20の端面が露出し、露出部から雨水などが侵入したり傷が発生するなどの耐候性の問題を生じにくくすることができる。特に本実施形態では、クランパー220を用いてフィルム材20を金型に固定する力を増大させているため、フィルム材20の位置ずれに起因する製造不良を抑制して生産性を向上させることができる。すなわち、耐候性に優れた電磁波透過性部材の生産性を向上させることができる。
また、本実施形態では、第1基材10は、可視光に対して透明又は半透明な樹脂で形成されるように構成した。このような構成の採用によって、フィルム材20を外部から積極的に視認させて電磁波透過性部材100の意匠性を向上させることができる。
また、本実施形態では、電磁波透過性部材100の電磁波透過領域EMにおいて、フィルム材20は厚み方向に突出する凹凸形状20v(凹部又は凸部の少なくともいずれか)を有し、第1基材10及び第2基材30における外面は、それぞれ略平面を有するように構成した。このような構成の採用によって、電磁波透過領域EMを通過する電磁波が凹凸形状20vを通過する際に分散されてしまいレーダー装置による検出結果に影響を及ぼすことを回避することができる。
また、本実施形態では、クランパー220との間でフィルム材20の外縁部(傾斜部20s)を挟持する金型のコア側の半金型210の外縁部は、径方向外側に向かってキャビティ側の半金型230から離隔する方向に傾斜する傾斜面(コア側半金型210の傾斜面210s)を備えるように構成した。このような構成の採用によって、コア側の半金型210とキャビティ側の半金型230との間に傾斜面220sを有するクランパー220のフィンガー部220aを挿入してフィルム材20の外縁部を挟持することができる。また、コア側半金型210の傾斜面210sに沿って延在していたフィルム材20の傾斜部20sは、第2基材30の成形によって第1基材10の下面に沿った状態で成形されるため、フィルム材20の傾斜部20sの痕跡を無くして、電磁波透過性部材100の意匠性を高めることができる。
また、本実施形態では、クランパー220における金型のキャビティ側の半金型230に対向する面は、キャビティ側の半金型230内に第1基材10を形成する溶融した樹脂を供給するゲート230gの一部を形成するように構成した。このような構成の採用によって、溶融した第1基材10の樹脂がクランパー220の上端面220t上を流れるため、フィルム材20における傾斜部20sに溶融樹脂が触れることを抑制することができる。したがって、コア側の半金型210に対して位置決めされたフィルム材20が樹脂圧によって押し流されてしまうことを効果的に抑制することができる。
本開示を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。したがって、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部に含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。本発明の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。
例えば、本実施形態では、第1基材10をインサート成形するに際してコア側の半金型210を可動側金型とし、キャビティ側の半金型230を固定側金型としたが、この態様には限定されない。コア側の半金型210を固定側金型とし、キャビティ側の半金型230を可動側金型としてもよい。その場合、例えば第1基材10(PC)成形後の離型は、キャビティ側の半金型230がコア側の半金型210から離れる方向(表側方向)に移動した後、クランパー220がコア側の半金型210に対して表側方向に移動することによって第1基材10の成形品がコア側の半金型210から離型するように構成してもよい。
10 第1基材
10f 外縁部
11 ハードコート
20 フィルム材
20a 黒色インク
20b 無色インク
20c 積層フィルム
20d グレー色インク
20s 傾斜部
20v 凹凸形状
30 第2基材
100 電磁波透過性部材
210 コア側の半金型
210s コア側半金型の傾斜面
210v 凹凸型部
220 クランパー
220a フィンガー部
220s クランパーの傾斜面
220t 上端面
230 キャビティ側の半金型
230g ゲート
230r ランナー
230s スプール
310 第2基材側の半金型
330 第1基材側の半金型
EM 電磁波透過領域

Claims (5)

  1. 第1基材と、フィルム材と、第2基材とを積層した電磁波透過性部材の製造方法であって、
    前記第1基材を成形する金型のコア側の半金型に前記フィルム材を配置するステップと、
    前記フィルム材の外縁部をクランパーと前記金型のコア側の半金型の外縁部との間で挟持するステップと、
    前記金型を閉じて前記第1基材を成形するステップと、
    前記第1基材を成形した後に前記金型を開くとき、前記クランパーを前記金型のコア側の半金型から離隔させて、前記第1基材を前記金型のコア側の半金型から離型させるステップと、
    前記フィルム材に関して前記第1基材とは反対側に前記第2基材を成形するステップと
    を含むことを特徴とする電磁波透過性部材の製造方法。
  2. 前記第1基材は、可視光に対して透明又は半透明な樹脂で形成されている、請求項1に記載の電磁波透過性部材の製造方法。
  3. 前記電磁波透過性部材の電磁波透過領域において、
    前記フィルム材は厚み方向に突出する凹凸形状を有し、
    前記第1基材及び前記第2基材における外面は、それぞれ略平面を有する、請求項1又は2に記載の電磁波透過性部材の製造方法。
  4. 前記クランパーとの間で前記フィルム材の外縁部を挟持する前記金型のコア側の半金型の外縁部は、径方向外側に向かってキャビティ側の半金型から離隔する方向に傾斜する傾斜面を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の電磁波透過性部材の製造方法。
  5. 前記クランパーにおける前記金型のキャビティ側の半金型に対向する面は、前記キャビティ側の半金型内に前記第1基材を形成する溶融した樹脂を供給するゲートの一部を形成する、請求項1から4のいずれか一項に記載の電磁波透過性部材の製造方法。
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