JP2023055390A - 非常開放対応ロック装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】扉の室外側から解錠操作をすることなく、非常時に扉を外方向に開放して、患者を安全に室外に運び出すことができる非常開放対応ロック装置を提供する。【解決手段】内開き扉Dの室内側に取り付けられるスライドラッチ1と、扉枠Fの室内側に取り付けられる受具2とから成り、スライドラッチ1は、台座6に対しスライドするラッチ部材7を備えたロック装置において、受具2には、施錠状態でラッチ部材7の先端部が達する位置から扉枠Fの端縁部へ接近する方向へ傾斜した摺接ガイド面13が形成されているものとする。そして、施錠状態での非常時に、戸当りによる扉Dの外方向への開放の規制を解除し、扉Dを外方向に引くと、ラッチ部材7の先端部が摺接ガイド面13に案内され、ラッチ部材7が後退する方向へスライドし、ラッチ部材7と扉Dとの干渉が回避されて、扉Dが外方向へ開放可能になるものとする。【選択図】図1
Description
この発明は、トイレ等の内開き扉を施解錠するロック装置であって、非常開放機能を備えたものに関する。
一般に、商業施設や公共施設、医療施設等の共用トイレにおいて、個室の内開き扉に設けられるロック装置は、扉の室内側に取り付けられるスライドラッチと、扉枠の室内側に取り付けられる受具とから成り、スライドラッチのラッチ部材が扉に固定される台座に対してスライドし、受具に係脱して施解錠される構成となっている。
また、扉の室外側の面には、施解錠状態に基づき各個室の使用状況を示す表示器が取り付けられ、この表示器には、個室内で使用者が倒れた場合などの非常時に、室外側から解錠するための鍵穴を備えているものがある。
ところで、ホテル等の共用スペースに設けられる複数の個室を備えたトイレでは、美観上の要請から、各個室の扉の室外側の面に使用状況を示す表示器を取り付けることなく、内開きの扉をグレビティヒンジにより未使用時には開放状態となるように吊り込み、表示器がなくても使用状況が判別できる仕様が採用される場合がある。
このような仕様の場合、非常時に解錠するための鍵穴を表示器に設けることができないため、扉を非常開放するための構成を別途考慮する必要があり、下記特許文献1においては、表示器のない内開き扉を非常開放するための構成が提案されている。
特許文献1に記載された非常開放手段は、通常時に内開きとされる扉Dにスライドラッチが設けられるのではなく、図16に示すように、扉枠Fの室内側にスライドラッチ51が設けられている。スライドラッチ51は、扉枠Fに固定された台座に対しラッチ部材52が扉枠Fの端縁から突出した位置と退入した位置との間でスライドするものである。
また、扉Dの室内側の戸先寄り下部には、戸当り53が設けられている。この戸当り53は、通常時に扉Dが外方向へ開かないように規制しているが、非常時には、扉Dの下端と床面との隙間を利用した室外側からの操作により、室内側へ揺動して、扉Dを外方向へ開放できるようにするものである。
しかしながら、特許文献1に記載された非常開放手段では、扉Dを外開きにした状態において、ラッチ部材52が扉枠Fの端縁から個室の出入口に突出したままの状態となることから、室内で倒れた患者を救助する際、患者や救助者がラッチ部材52に引っ掛かって怪我をする恐れがある。
また、通常時に扉Dを閉じる際、扉Dを閉じる手とは反対の手でラッチ部材52をスライドさせなければならず、施錠時の操作性がよくないという問題があるほか、扉枠Fの幅が狭い場合、ラッチ部材52を短くせざるを得ず、既存品と共用することができない。
そこで、この発明は、扉の室外側から解錠操作をすることなく、非常時に扉を外方向に開放して、患者を安全に室外に運び出すことができ、施錠時の操作性の低下やコストの上昇を招くこともない非常開放対応ロック装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、この発明は、通常時には外方向への開放が規制され、非常時には外方向への開放の規制が解除される扉に用いられ、
前記扉と扉枠のいずれか一方の室内側に取り付けられる受具と、
前記扉と前記扉枠のいずれか他方の室内側に台座を介して取り付けられ、前記台座に対してスライド又は揺動し、前記受具に係脱する係脱部材とを備え、
前記係脱部材が前記受具に係合した状態で、前記扉を内方向に引くことを規制する係止部が設けられた非常開放対応ロック装置において、
非常時に、前記係脱部材が前記受具に係合した状態で前記扉を外方向に引いたとき、前記係脱部材と前記受具の互いに当接する部位間の相互作用により、前記係脱部材が前記受具から離脱する方向に前記台座に対してスライド又は揺動するものとしたのである。
前記扉と扉枠のいずれか一方の室内側に取り付けられる受具と、
前記扉と前記扉枠のいずれか他方の室内側に台座を介して取り付けられ、前記台座に対してスライド又は揺動し、前記受具に係脱する係脱部材とを備え、
前記係脱部材が前記受具に係合した状態で、前記扉を内方向に引くことを規制する係止部が設けられた非常開放対応ロック装置において、
非常時に、前記係脱部材が前記受具に係合した状態で前記扉を外方向に引いたとき、前記係脱部材と前記受具の互いに当接する部位間の相互作用により、前記係脱部材が前記受具から離脱する方向に前記台座に対してスライド又は揺動するものとしたのである。
具体的には、前記係脱部材と前記受具とが互いに当接する部位の少なくともいずれか一方には、摺接ガイド面が形成され、
前記摺接ガイド面とその当接する相手面との摺動に伴い、前記扉が外方向へ開放可能となるものとしたのである。
前記摺接ガイド面とその当接する相手面との摺動に伴い、前記扉が外方向へ開放可能となるものとしたのである。
或いは、前記係脱部材と前記受具とが互いに当接する部位の少なくともいずれか一方には、回転自在のローラーが設けられ、
前記ローラーがその相手側に接触回転することにより、前記扉が外方向へ開放可能となるものとしたのである。
前記ローラーがその相手側に接触回転することにより、前記扉が外方向へ開放可能となるものとしたのである。
この発明に係る非常開放対応ロック装置では、個室内で使用者が倒れた場合などの非常時に、係脱部材が受具に係合した状態で扉を外方向に引いたとき、係脱部材と受具の互いに当接する部位間の相互作用により、係脱部材が受具から離脱する方向に台座に対してスライド又は揺動する構成となっている。
このため、非常時において、戸当り等による外方向への開放の規制を解除して、扉を外方向に引くだけで、係脱部材が受具に対する当接面に案内されて受具から離脱する方向へスライド又は揺動し、扉の室外側から鍵等を用いて解錠操作をすることなく、扉を外方向へ開放することができる。
また、扉を外方向へ開放した状態で、扉の戸先や扉枠の端縁から係脱部材等が突出することもないので、患者や救助者が係脱部材等に引っ掛かることがなく、患者を安全に室外に運び出すことができ、救助者が負傷することもない。
また、係脱部材を扉側に取り付けることができ、通常時に扉を閉じる際、扉を閉じる手で係脱部材をスライド又は揺動させることができるので、施錠時の操作性が低下することがなく、違和感を覚えることもない。
以下、この発明に係る非常開放対応ロック装置の実施形態を、それぞれ添付図面に基づいて説明する。
<第1実施形態>
この発明の第1実施形態は、図1乃至図6に示すように、共用トイレ等の個室に設けられた扉Dの戸先寄り室内側に取り付けられるスライドラッチ1と、扉Dの戸先側が臨む扉枠Fの室内側に取り付けられる受具2とから成る。
この発明の第1実施形態は、図1乃至図6に示すように、共用トイレ等の個室に設けられた扉Dの戸先寄り室内側に取り付けられるスライドラッチ1と、扉Dの戸先側が臨む扉枠Fの室内側に取り付けられる受具2とから成る。
扉Dの戸先及びこれに臨む扉枠Fの端縁には、それぞれエッジ部材15,16が付設され、扉Dのエッジ部材15は、扉Dの厚さ方向中央部が突き出すように凸状に湾曲し、扉枠Fのエッジ部材16は、室外寄りの部分が突き出すように凹状に湾曲している。これにより、扉Dの開閉時における戸先部と扉枠Fとの干渉が防止され、また、室外側からの視線が遮られるようになっている。
図2に示すように、扉Dは、グレビティヒンジhにより吊り込まれ、未使用時には開放状態となる内開きのものである。扉Dの室内側上部には戸当り3が取り付けられ、通常時には、扉Dの外方向への開放が戸当り3により規制されている。
戸当り3は、扉Dの上端と笠木4との間に突出しており、室外側からでも扉Dの上端と笠木4との間から手を差し込んで押し下げると、ロックが外れて扉Dの外方向への開放規制が解除される。
扉Dの室外側の面には、ロック装置の施解錠状態に基づき各個室の使用状況を示す表示器5が取り付けられている。表示器5は、非常時に室外側から扉Dを外開きするための取手部5aを備えている。
ここで、図1に示すように、スライドラッチ1は、扉Dに固定される台座6と、台座6に対しスライドする角棒状のラッチ部材7とから構成される。ラッチ部材7は、受具2に対し係合又は離脱する係脱部材であり、台座6のピニオン(図示省略)に噛合するラックを備えた桿体8の先端部に、エンドキャップ9を嵌め込んだものである。台座6と扉Dとの間にはスペーサー10が介在している。スペーサー10は、省略されることもある。
ラッチ部材7の桿体8の先端部を受具2に係合させると、桿体8の先端部は内挿部材12の壁面によって係止され、扉Dが内方向に回動しないように施錠する。すなわち、内挿部材12の壁面は、扉Dを内方向に引くことを規制する係止部Sとして作用する。
図3に示すように、受具2は、本体11に内挿部材12が嵌められた構成とされ、内挿部材12の高さ方向中央部のリブには、施錠状態でラッチ部材7の先端部が達する位置から扉枠Fの端縁部へ接近する方向へ傾斜した摺接ガイド面13が形成されている。
図4に示すように、ラッチ部材7のエンドキャップ9には、受具2の摺接ガイド面13に対応するように傾斜した摺接ガイド面14が形成されている。なお、既存のラッチ部材についても、先端部の一部品を摺接ガイド面14を有するエンドキャップ9に交換するだけで、この非常開放対応ロック装置の構成部材として使用することができる。
上記のようなロック装置では、図2に示すように、扉Dを閉じて、ラッチ部材7を受具2に係合する位置まで前進させると、扉Dの開閉が阻止される施錠状態となる。そして、通常時には、ラッチ部材7を受具2から離脱する位置まで後退させると、扉Dが内方向へ開放可能な解錠状態となる。
また、施錠状態で個室内にいる使用者が倒れた場合などの非常時においては、図5に示すように、戸当り3を内方向へ揺動させて、戸当り3による扉Dの外方向への開放の規制を解除し、表示器5の取手部5aに手を掛けて扉Dを外方向に引く。
これに伴い、図1及び図6(a)に示すように、受具2の摺接ガイド面13とラッチ部材7の摺接ガイド面14とが摺動し、ラッチ部材7の先端部が受具2の摺接ガイド面13に案内されて、ラッチ部材7が受具2から離脱する方向(図示B方向)へスライドし、図6(b)に示すように、ラッチ部材7と扉Dとの干渉が回避されて、扉Dが外方向へ開放可能となる。
すなわち、ラッチ部材7が受具2に係合した状態で扉Dを外方向に引くと、摺接ガイド面13,14が互いに摺動する相互作用により、扉Dが外方向に開放されるに従い、ラッチ部材7が受具2から離脱する方向に台座6に対してスライドする構成とされている。
このように、上記スライドラッチ錠では、非常時において、戸当り3による規制を解除して、扉Dを外方向に引くだけで、ラッチ部材7が受具2から離脱する方向に後退して解錠されるので、扉Dの室外側から鍵等を用いて解錠操作をすることなく、扉Dを外方向へ開放することができる。
また、この状態で、扉Dの戸先や扉枠Fの端縁からラッチ部材7等が突出することもないので、患者や救助者がラッチ部材7に引っ掛かることがなく、患者を安全に室外に運び出すことができ、救助者が負傷することもない。
また、通常時に扉Dを閉じる際、扉Dを閉じる手でラッチ部材7をスライドさせることができるので、施錠時の操作性が低下することがなく、違和感を覚えることもない。
<第2実施形態>
図1乃至図6に示す第1実施形態では、角棒状のラッチ部材7が受具2の内部に進入して施錠状態となるものを例示したが、第2実施形態として図7(a)、(b)、(c)に示すように、ラッチ部材7が受具2を抱持するように被さって施錠状態となるものにおいても、同様の非常開放対応構造とすることができる。
図1乃至図6に示す第1実施形態では、角棒状のラッチ部材7が受具2の内部に進入して施錠状態となるものを例示したが、第2実施形態として図7(a)、(b)、(c)に示すように、ラッチ部材7が受具2を抱持するように被さって施錠状態となるものにおいても、同様の非常開放対応構造とすることができる。
この第2実施形態では、ラッチ部材7は、図7(b)に示すように、対向する噛合壁7aに断面コ字状のラッチカバー7bが連設された形状とされ、図7(c)に示すように、受具2には、係止部Sと摺接ガイド面13及び噛合壁7aが挿入される一対の挿入溝2aが形成され、受具2を、図7(a)に示すように、ラッチ部材7で抱持することにより施錠される。
そして、ラッチ部材7の先端部となるラッチカバー7bの端縁部には、略円弧状の摺接ガイド面14が形成されており、ラッチ部材7を受具2に係合した状態で、扉Dを外方向に開くと、摺接ガイド面13,14の互いに当接する部位間の相互作用により、扉Dが外方向に開放されるに従い、ラッチ部材7が受具2から離脱する方向(図示B方向)に台座6に対してスライドするように構成されている。
<第3実施形態>
図1乃至図6に示す第1実施形態では、ラッチ部材7のエンドキャップ9に摺接ガイド面14を形成したものを例示したが、第3実施形態として図8に示すように、ラッチ部材7のエンドキャップ9には、受具2の摺接ガイド面13に対応する回転自在のローラー17を設け、受具2の摺接ガイド面13に沿ってローラー17が回転し、扉Dが外方向へ開放可能となるようにしてもよい。
図1乃至図6に示す第1実施形態では、ラッチ部材7のエンドキャップ9に摺接ガイド面14を形成したものを例示したが、第3実施形態として図8に示すように、ラッチ部材7のエンドキャップ9には、受具2の摺接ガイド面13に対応する回転自在のローラー17を設け、受具2の摺接ガイド面13に沿ってローラー17が回転し、扉Dが外方向へ開放可能となるようにしてもよい。
<第4、第5実施形態>
図1乃至図6に示す第1実施形態では、受具2とラッチ部材7のそれぞれに、略同一方向を向いて傾斜している摺接ガイド面13、14を形成したが、第4実施形態として図9(a)に示すように、受具2には、略一定角度をなす摺接ガイド面13を設け、ラッチ部材7側の摺接ガイド面14は、小径の接触半径を有する微小曲面としてもよい。また、第5実施形態として図9(b)に示すように、ラッチ部材7には、略一定角度をなすように傾斜した摺接ガイド面14を設け、受具2側の摺接ガイド面13は、小径の接触半径を有する微小曲面としてもよい。この場合、扉Dを外方向に引くと、ラッチ部材7は、図中一点鎖線で示すように、受具2から離脱する方向(図示B方向)へと、台座6に対してスライドするように動作する。
図1乃至図6に示す第1実施形態では、受具2とラッチ部材7のそれぞれに、略同一方向を向いて傾斜している摺接ガイド面13、14を形成したが、第4実施形態として図9(a)に示すように、受具2には、略一定角度をなす摺接ガイド面13を設け、ラッチ部材7側の摺接ガイド面14は、小径の接触半径を有する微小曲面としてもよい。また、第5実施形態として図9(b)に示すように、ラッチ部材7には、略一定角度をなすように傾斜した摺接ガイド面14を設け、受具2側の摺接ガイド面13は、小径の接触半径を有する微小曲面としてもよい。この場合、扉Dを外方向に引くと、ラッチ部材7は、図中一点鎖線で示すように、受具2から離脱する方向(図示B方向)へと、台座6に対してスライドするように動作する。
<第6、第7実施形態>
また、図7に示す第2実施形態では、受具2には略一定角度をなす摺接ガイド面13を設け、ラッチカバー7b側の摺接ガイド面14は大径の接触半径を有する曲面としたが、第6実施形態として図10(a)に示すように、受具2には略一定角度をなす摺接ガイド面13を設け、ラッチカバー7b側の摺接ガイド面14は、小径の接触半径を有する微小曲面としてもよい。また、第7実施形態として図10(b)に示すように、ラッチカバー7bには略一定角度をなす摺接ガイド面14を設け、受具2側の摺接ガイド面13は小径の接触半径を有する微小曲面としてもよい。この場合も、扉Dを外方向に引くと、ラッチ部材7は、図中一点鎖線で示すように、受具2から離脱する方向(図示B方向)へと、台座6に対してスライドするように動作する。
また、図7に示す第2実施形態では、受具2には略一定角度をなす摺接ガイド面13を設け、ラッチカバー7b側の摺接ガイド面14は大径の接触半径を有する曲面としたが、第6実施形態として図10(a)に示すように、受具2には略一定角度をなす摺接ガイド面13を設け、ラッチカバー7b側の摺接ガイド面14は、小径の接触半径を有する微小曲面としてもよい。また、第7実施形態として図10(b)に示すように、ラッチカバー7bには略一定角度をなす摺接ガイド面14を設け、受具2側の摺接ガイド面13は小径の接触半径を有する微小曲面としてもよい。この場合も、扉Dを外方向に引くと、ラッチ部材7は、図中一点鎖線で示すように、受具2から離脱する方向(図示B方向)へと、台座6に対してスライドするように動作する。
<第8、第9実施形態>
さらに、図1乃至図10に示す第1乃至第7実施形態では、ラッチ部材7を扉D側に取り付けて、受具2を扉枠F側に取り付けているが、第8、第9実施形態としてそれぞれ図11(a)、(b)に示すように、ラッチ部材7を扉枠F側に取り付けて、受具2を扉D側に取り付けてもよい。ここで、第8実施形態は、図11(a)に示すように、受具2には略一定角度をなす摺接ガイド面13を設け、ラッチ部材7側の摺接ガイド面14は小径の接触半径を有する微小曲面としたものである。また、第9実施形態は、図11(b)に示すように、ラッチ部材7には略一定角度をなす摺接ガイド面14を設け、受具2側の摺接ガイド面13は小径の接触半径を有する微小曲面としたものである。これらの場合も、扉Dを外方向に引くと、ラッチ部材7は図中一点鎖線で示すように、受具2から離脱する方向(図示B方向)へと、台座6に対してスライドするように動作する。
さらに、図1乃至図10に示す第1乃至第7実施形態では、ラッチ部材7を扉D側に取り付けて、受具2を扉枠F側に取り付けているが、第8、第9実施形態としてそれぞれ図11(a)、(b)に示すように、ラッチ部材7を扉枠F側に取り付けて、受具2を扉D側に取り付けてもよい。ここで、第8実施形態は、図11(a)に示すように、受具2には略一定角度をなす摺接ガイド面13を設け、ラッチ部材7側の摺接ガイド面14は小径の接触半径を有する微小曲面としたものである。また、第9実施形態は、図11(b)に示すように、ラッチ部材7には略一定角度をなす摺接ガイド面14を設け、受具2側の摺接ガイド面13は小径の接触半径を有する微小曲面としたものである。これらの場合も、扉Dを外方向に引くと、ラッチ部材7は図中一点鎖線で示すように、受具2から離脱する方向(図示B方向)へと、台座6に対してスライドするように動作する。
<第10、第11実施形態>
また、図12(a)に示す第10実施形態は、図9(a)に示す第4実施形態における受具2の摺接ガイド面13に替えて、ローラー17を設けたものである。さらに、図12(b)に示す第11実施形態は、図9(b)に示す第5実施形態におけるラッチ部材7の摺接ガイド面14に替えて、ローラー17を設けたものである。このように、摺接ガイド面13,14とローラー17とは、任意の組み合わせとすることができる。
また、図12(a)に示す第10実施形態は、図9(a)に示す第4実施形態における受具2の摺接ガイド面13に替えて、ローラー17を設けたものである。さらに、図12(b)に示す第11実施形態は、図9(b)に示す第5実施形態におけるラッチ部材7の摺接ガイド面14に替えて、ローラー17を設けたものである。このように、摺接ガイド面13,14とローラー17とは、任意の組み合わせとすることができる。
<第12実施形態>
さらに、図1乃至図12に示す第1乃至第11実施形態では、係脱部材が直線的にスライドするラッチ部材7であるスライドラッチ錠を示したが、この発明は、第12実施形態として図13乃至図15に示すように、回転体ベース21と一体的に形成されたレバー20が、台座6に対して揺動し、受具2に対する係脱部材となる打掛錠にも適用できる。
さらに、図1乃至図12に示す第1乃至第11実施形態では、係脱部材が直線的にスライドするラッチ部材7であるスライドラッチ錠を示したが、この発明は、第12実施形態として図13乃至図15に示すように、回転体ベース21と一体的に形成されたレバー20が、台座6に対して揺動し、受具2に対する係脱部材となる打掛錠にも適用できる。
この実施形態では、図13(a)に示すように、扉Dの室内側には、台座6を介してレバー20が揺動自在に支承されている。また、扉枠Fの室内側には、受具2が固定されている。そして、上記各実施形態と同様に、扉Dは、通常時には内方向に開くが外方向への開放は規制され、非常時には外方向への規制が解除される。
施解錠動作に関しては、通常時は、扉Dを閉じてレバー20を反時計方向に揺動させ、図13(b)に示すように、レバー20の先端部が受具2の係止部Sに係止されるようにすると、扉Dを内方向に引くことが規制され、施錠することができる。一方、解錠する際には、レバー20を時計方向に揺動し、レバー20と受具2の係合を解除すれば、扉Dは内方向に開放可能になる。
そして、受具2には摺接ガイド面13が形成されている。この摺接ガイド面13は、扉D側(図13乃至図15では、扉Dを室内側の正面から見て右側)に近接するに従って、かつ、上方に向かうに従って、扉枠Fの受具2が取り付けられている室内面に対して、接近する方向へ傾斜するように形成されている。
このように摺接ガイド面13を形成したことにより、非常時においては、図示しない戸当りなどによる規制を解除して、扉Dの外方向への開放が解除された状態で、扉Dを外方向に引くと、図14(a),(b)に示すように、レバー20の先端部に形成された摺接ガイド面14と、受具2に形成された摺接ガイド面13とが当接して摺動し、レバー20の先端部の摺接ガイド面14が受具2の摺接ガイド面13に案内されて、レバー20が受具2から離脱する方向(図示C1方向)へ揺動し、図15(a)に示すように、レバー20と扉Dとの干渉が回避されて、扉Dが外方向へ開放可能となる。
すなわち、レバー20が受具2に係合した状態で扉Dを外方向に引くと、摺接ガイド面13,14が互いに摺動する相互作用により、扉Dが外方向に開放されるに従い、レバー20が受具2から離脱する方向に台座6に対して揺動する構成とされている。
なお、レバー20が時計方向に所定角度まで揺動すると、磁気吸引力やバネ付勢力等により、図15(b)において一点鎖線で示すように、レバー20は、先端側が自動的に上向き姿勢となるまで、さらに退避するように揺動するものとしてもよい。
また、レバー20が受具2から離脱するまで扉Dが開放された状態では、図15(b)において二点鎖線で示すように、レバー20は、図示C2方向に揺動して、先端側が下向き姿勢となるように揺動するものとしてもよい。
このように、上記のような打掛錠においても、非常時において、戸当りなどによる規制を解除して、扉Dを外方向に引くだけで、レバー20が受具2から離脱する方向に揺動して解錠されるので、扉Dの室外側から鍵等を用いて解錠操作をすることなく、扉Dを外方向へ開放することができる。
また、扉Dを外方向へ開放した状態で、扉Dの戸先や扉枠Fの端縁から係脱部材であるレバー20の先端部等が突出することもないので、患者を安全に室外に運び出すことができ、救助者が負傷することもない。
また、通常時に扉Dを閉じる際、扉Dを閉じる手でレバー20を揺動させることができるので、施錠時の操作性が低下することがなく、違和感を覚えることもない。
さらに、レバー20の先端部は、摺接ガイド面14に代えて、レバー20の長手方向に向く回転軸上で回転自在に支承されたコロ状のローラーを配置したものとしてもよい。このように構成することにより、レバー20は、扉Dを外方向に引いたとき、容易に受具2の摺接ガイド面13上を揺動することが可能になる。
また、受具2の摺接ガイド面13に代えて、複数のローラーを受具2上に連続して配置したものとしてもよい。この場合も、レバー20は、扉Dを外方向に引いたとき、容易に受具2上を揺動することが可能になる。
なお、この実施形態では、レバー20が回転体ベース21に対して一体的に形成され、台座6に対して揺動のみ行うものを例示したが、レバー20は、これに限定されるものではない。例えば他の変形例として、回転体ベース21に対してレバー20がその長手方向に出没する構成とし、受具2は、例えば扉枠Fの受具2が取り付けられている室内面に対して平面視で略一定角度をなす摺接ガイド面13を有する構成としてもよい。
このように構成した場合、非常時に扉Dを外方向に引くと、レバー20は台座6に対して水平方向に直線的にスライドし、受具2から離脱する。このとき、扉Dの開放途中において、回転体ベース21は台座6に対して揺動しないが、レバー20は回転体ベース21に没入するため、扉枠Fに干渉することがなく、扉Dを外方向に開放することができる。また、この構成において、レバー20が受具2から離脱して扉Dが開放された時点で、上向き又は下向き姿勢まで自動的に揺動するようにしてもよい。
<その他>
また、上記各実施形態では、例えば図2(b)に示すように、扉Dの室外側に表示器5や取手部5aを設けたものを例示したが、ホテルの共用トイレ等において、美観上の要請がある場合には、表示器5や取手部5aを省略し、扉Dの室外側の面や戸先部分に、目立たない態様で取手を設けることにより、扉Dの室外側の面と扉枠Fの室外側の面とが連続的な美観を呈するようにしてもよい。この場合、非常時に扉Dを外方向に開くには、扉Dの上端と笠木4の間、又は扉Dの下端と床面との間の隙間に手を差し込んで外方向に引けばよい。
また、上記各実施形態では、例えば図2(b)に示すように、扉Dの室外側に表示器5や取手部5aを設けたものを例示したが、ホテルの共用トイレ等において、美観上の要請がある場合には、表示器5や取手部5aを省略し、扉Dの室外側の面や戸先部分に、目立たない態様で取手を設けることにより、扉Dの室外側の面と扉枠Fの室外側の面とが連続的な美観を呈するようにしてもよい。この場合、非常時に扉Dを外方向に開くには、扉Dの上端と笠木4の間、又は扉Dの下端と床面との間の隙間に手を差し込んで外方向に引けばよい。
また、上記各実施形態では、受具2とラッチ部材7とに、それぞれ摺接ガイド面13,14が設けられ、又はローラー17が設けられたものを例示したが、ラッチ部材7と受具2の互いに当接する部位間にラッチ部材7のスライドを誘発するための相互作用を生じさせる手段は、受具2とラッチ部材7の少なくともいずれか一方に設ければよく、他方の接触する部位は、角張ったコーナー部の稜線等であってもよい。
今回開示された実施形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。従って、本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 スライドラッチ
2 受具
2a 挿入溝
3 戸当り
4 笠木
5 表示器
5a 取手部
6 台座
7 ラッチ部材(係脱部材)
7a 噛合壁
7b ラッチカバー
8 桿体
9 エンドキャップ
10 スペーサー
11 本体
12 内挿部材
13,14 摺接ガイド面
15,16 エッジ部材
17 ローラー
20 レバー(係脱部材)
21 回転体ベース
D 扉
F 扉枠
h グレビティヒンジ
S 係止部
2 受具
2a 挿入溝
3 戸当り
4 笠木
5 表示器
5a 取手部
6 台座
7 ラッチ部材(係脱部材)
7a 噛合壁
7b ラッチカバー
8 桿体
9 エンドキャップ
10 スペーサー
11 本体
12 内挿部材
13,14 摺接ガイド面
15,16 エッジ部材
17 ローラー
20 レバー(係脱部材)
21 回転体ベース
D 扉
F 扉枠
h グレビティヒンジ
S 係止部
Claims (3)
- 通常時には外方向への開放が規制され、非常時には外方向への開放の規制が解除される扉に用いられ、
前記扉と扉枠のいずれか一方の室内側に取り付けられる受具と、
前記扉と前記扉枠のいずれか他方の室内側に台座を介して取り付けられ、前記台座に対してスライド又は揺動し、前記受具に係脱する係脱部材とを備え、
前記係脱部材が前記受具に係合した状態で、前記扉を内方向に引くことを規制する係止部が設けられた非常開放対応ロック装置において、
非常時に、前記係脱部材が前記受具に係合した状態で前記扉を外方向に引いたとき、前記係脱部材と前記受具の互いに当接する部位間の相互作用により、前記係脱部材が前記受具から離脱する方向に前記台座に対してスライド又は揺動することを特徴とする非常開放対応ロック装置。 - 前記係脱部材と前記受具とが互いに当接する部位の少なくともいずれか一方には、摺接ガイド面が形成され、
前記摺接ガイド面とその当接する相手面との摺動に伴い、前記扉が外方向へ開放可能となることを特徴とする請求項1に記載の非常開放対応ロック装置。 - 前記係脱部材と前記受具とが互いに当接する部位の少なくともいずれか一方には、回転自在のローラーが設けられ、
前記ローラーがその相手側に接触回転することにより、前記扉が外方向へ開放可能となることを特徴とする請求項1に記載の非常開放対応ロック装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021164734A JP2023055390A (ja) | 2021-10-06 | 2021-10-06 | 非常開放対応ロック装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021164734A JP2023055390A (ja) | 2021-10-06 | 2021-10-06 | 非常開放対応ロック装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2023055390A true JP2023055390A (ja) | 2023-04-18 |
Family
ID=86004419
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021164734A Pending JP2023055390A (ja) | 2021-10-06 | 2021-10-06 | 非常開放対応ロック装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2023055390A (ja) |
-
2021
- 2021-10-06 JP JP2021164734A patent/JP2023055390A/ja active Pending
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