JP2023054538A - ハブユニット軸受 - Google Patents

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将充 渡部
Masamitsu Watabe
達男 若林
Tatsuo Wakabayashi
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Abstract

Figure 2023054538000001
【課題】ハブ輪の軽量性及びを確保しつつ、安全性を向上したハブユニット軸受を提供できる。
【解決手段】内輪部材は、ハブ輪20と、ハブ輪20に固定された内輪30と、を有する。ハブ輪20は、中炭素鋼製の外殻40と、外殻40の径方向内側に配置されたセラミック製の内殻50と、を有する。外殻40のインボード側端部には、内輪30が固定される小径段部41が形成される。内殻50と外殻40との係止機構が設けられる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ハブユニット軸受に関する。
自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持するハブユニット軸受は、懸架装置を構成するバネよりも路面側に設けられる、いわゆるバネ下荷重であるので、操縦安定性や乗り心地の向上のため、軽量化の要望が高まっている。また、操縦安定性向上の為には剛性の向上も必要である。
特に、ハブ輪はハブユニット軸受の構成部品の中でも重く、ハブユニット軸受全体の質量の約50%を占めることもある。また、ハブ輪に設けられるハブフランジの直径が大きいため、ハブ輪の回転慣性が大きくなる。このような結果、自動車の燃費や加減速にも影響を及ぼす可能性がある。
ここで、特許文献1には、セラミック製のハブ輪を備えるハブユニット軸受が開示されている。ここで、特許文献1のハブ輪の材料となるセラミックは、βサイアロンを主成分とした焼結体からなり、その密度は、約3g/cmである。これに対し、ハブ輪の材料として通常用いられる中炭素鋼の密度は7.86g/cmである。したがって、ハブ輪をセラミック製にすると、大幅な軽量化が可能である。また、セラミックのヤング率は中炭素鋼の約1.5~2倍であり、ハブ輪をセラミック製にすることでハブフランジの剛性向上にも寄与する。
特開2010-001943号公報
しかしながら、セラミックは脆性材料であるため、ハブ輪の軸部に損傷(脆性破壊)が生じると、軸部が懸架装置から分離することにより突然の脱輪につながる虞がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、ハブ輪の軽量性及び剛性を確保しつつ、安全性を向上したハブユニット軸受を提供することを目的とする。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) 内周面に複列の外輪軌道を有する外輪部材と、
外周面に複列の内輪軌道を有し、アウトボード側に車輪を支持するためのフランジ部を有する内輪部材と、
前記複列の外輪軌道と前記複列の内輪軌道との間に、各列毎に複数個ずつ設けられた転動体と、
を備えるハブユニット軸受であって、
前記内輪部材は、ハブ輪と、前記ハブ輪に固定された内輪と、を有し、
前記ハブ輪は、中炭素鋼製の外殻と、前記外殻の径方向内側に配置されたセラミック製の内殻と、を有し、
前記外殻のインボード側端部には、前記内輪が固定される小径段部が形成され、
前記内殻と前記外殻との係止機構が設けられる、
ことを特徴とするハブユニット軸受。
(2) 前記内殻のアウトボード側端部には、径方向外側に突出する前記フランジ部が形成され、
前記フランジ部は、それぞれ、前記内殻のアウトボード側端部から径方向外側に突出し、互いに周方向に間隔を空けて配置された複数のフランジ片を有し、
前記内殻のアウトボード側端部には、径方向外側に突出し、周方向に隣り合うフランジ片の間に配置された突出部が形成され、
前記外殻のアウトボード側端部には、前記突出部よりもアウトボード側に延在して径方向内側に折り曲げられた爪部が設けられ、
前記爪部によって、前記外郭が前記突出部のアウトボード側側面に係止される、
(1)に記載のハブユニット軸受。
(3) 前記内殻のアウトボード側端部には、アウトボード側に突出する円筒状のパイロット部と、前記パイロット部よりも径方向内側に配置され、前記内殻を軸方向に貫通する係止孔と、が形成され、
前記外殻のアウトボード側端部には、アウトボード側に突出するピン部が、前記外殻と一体的に設けられ、
前記ピン部は、前記係止孔に挿入され、
前記ピン部のアウトボード側端部は、前記内殻に固定される加締め部を有する
(1)又は(2)に記載のハブユニット軸受。
(4) 前記内殻のアウトボード側端部には、アウトボード側に突出する円筒状のパイロット部と、前記パイロット部よりも径方向内側に配置され、前記内殻を軸方向に貫通する係止孔と、が形成され、
前記外殻のアウトボード側端部には、前記係止孔と軸方向に対向する位置に、固定穴が凹設され、
前記係止孔と前記固定穴とに挿入された係止部材によって、前記内殻と前記外殻とが係止される、
(1)又は(2)に記載のハブユニット軸受。
(5) 前記係止部材は、前記外殻の前記固定穴に固定されたピンであり、
前記ピンは、前記係止孔に挿入され、
前記ピンのアウトボード側端部は、前記内殻に固定される加締め部を有する、
(4)に記載のハブユニット軸受。
(6) 前記係止部材は、ボルトであり、
前記係止孔及び前記固定穴には雌ネジ溝が形成され、
前記ボルトが前記係止孔及び前記固定穴に螺合される
(4)に記載のハブユニット軸受。
(7) 前記フランジ部は、前記フランジ部を軸方向に貫通し、ボルト孔部材を固定するための孔を有し、
前記孔は、インボード側端部及びアウトボード側に大径溝を有し、
前記ボルト孔部材は、前記孔に挿入される円筒形状であり、
前記ボルト孔部材のインボード側端部には、前記孔のインボード側端部の前記大径溝に係合するフランジ状の凸部が設けられ、
前記ボルト孔部材のアウトボード側端部には、前記孔のアウトボード側端部の前記大径溝に固定される加締め部が設けられる、
(1)~(6)のいずれか1つに記載のハブユニット軸受。
(8) 前記内殻は、その中心に軸方向に貫通する中心孔を有する中空形状であり、
前記中心孔には、相対回転防止機構により前記中心孔との相対回転が防止された状態で、円筒状のスプライン部材が配置され、
前記スプライン部材の内周面は、等速ジョイントのスプライン軸が係合可能な雌スプラインを有する
(1)~(7)のいずれか1つに記載のハブユニット軸受。
本発明によれば、ハブ輪の軽量性及びを確保しつつ、安全性を向上したハブユニット軸受を提供できる。
図1は、第一実施形態に係るハブユニット軸受の断面図である。 図2は、第二実施形態に係るハブユニット軸受の断面図である。 図3は、第2実施形態の変形例に係るハブユニット軸受の断面図である。 図4は、第2実施形態の変形例に係るハブユニット軸受の断面図である。
[第一実施形態]
図1は、本発明の第一実施形態に係るハブユニット軸受1の断面図である。
なお、本明細書において、「インボード側」とは、車体に取り付けた際のハブユニット軸受1の車体側を表し、図1中の右側である。「アウトボード側」とは、車体に取り付けた際のハブユニット軸受1の車輪側を表し、図1中の左側である。「軸方向」とは、回転軸Oが延びる方向を表し、図1中の左右方向である。「径方向外側」とは、回転軸Oから遠ざかる方向を表す。「径方向内側」とは、回転軸Oに近づく方向を表す。「周方向」とは、回転軸Oを中心に旋回する方向を表す。
図1に示すように、ハブユニット軸受1は、内周面13に複列の外輪軌道11,11が形成された外輪部材10と、外周面23,33に複列の内輪軌道21,31が形成され、アウトボード側に車輪を支持するためのフランジ部53を有する内輪部材(ハブ輪20及び内輪30)と、複列の外輪軌道11,11と複列の内輪軌道21,31との間に各列毎に複数個ずつ配置される複数の転動体3と、を備える。
外輪部材10の内周面13に形成された複列の外輪軌道11,11は、互いに軸方向に離間している。外輪部材10の外周面には、懸架装置を構成する図示しないナックルに結合固定されるフランジ部15が形成される。
内輪部材は、ハブ輪20と、ハブ輪20に固定された内輪30と、を有する。ハブ輪20の外周面23及び内輪30の外周面33には、それぞれ内輪軌道21,31が形成されている。ハブ輪20及び内輪30の内輪軌道21,31はそれぞれ、外輪部材10の外輪軌道11,11と径方向に対向している。
外輪軌道11,11及び内輪軌道21,31で構成される複列の軌道には、複数の転動体3が周方向に等間隔で配置されている。複数の転動体3は、保持器5によって転動可能に保持される。
複数の転動体3は、互いに所定の接触角をなして外輪軌道11,11及び内輪軌道21,31に接触して、背面組み合わせ型(DB)軸受が構成される。これにより、ハブ輪20及び内輪30は、外輪部材10に対して回転可能となる。
ハブ輪20は、中炭素鋼製の外殻40と、外殻40の径方向内側に配置されたセラミック製の内殻50と、を有し、全体として略円柱形状である。
外殻40は、軸方向に延びる中心孔43を有し、全体として環状である。外殻40のインボード側端部には、小径段部41が形成されている。小径段部41に内輪30が外嵌された後、小径段部41のインボード側端部が径方向外側に加締め加工されることにより、内輪30が外殻40(ハブ輪20)に固定される。また、加締め加工によって内輪30が押圧されることで、適正な予圧が付与される。
外殻40のアウトボード側端部45は、外輪部材10よりもアウトボード側に延出すると共に、後述する内殻50のフランジ部53の根元部53aや突出部57の根元部57aに沿って径方向外側に延出する。外殻40のアウトボード側端部45の径方向外側端部45aは、シール7の最大のリップ摺接径よりも僅かに径方向外側に位置する。外殻40のアウトボード側端部45には、径方向外側端部45aからアウトボード側に延在し、内殻50の突出部57に係止される爪部47が設けられる。爪部47と突出部57とが、内殻50と外殻40とを係止する係止機構を構成するのであるが、これらについては後述する。
外殻40のアウトボード側端部45と内輪軌道21との軸方向における間には、シール7が設けられる。シール7は、外輪部材10と内輪部材(ハブ輪20、内輪30)との間の軸受内部空間9のアウトボード側を塞ぐ。一方、外輪部材10の内周面13のインボード側端部には、軸受内部空間9のインボード側を塞ぐ軸受キャップ8が設けられる。軸受キャップ8は、例えば、冷間圧延鋼板に絞り加工等の塑性加工を施した後、塗装する事により形成される。このようにして、軸受内部空間9が密封される。
内殻50は、外殻40の中心孔43を埋めるように軸方向に延びる軸部51を有する。なお、本実施形態のハブユニット軸受1は、従動輪用のハブユニット軸受であるため、ハブ輪20の中心となる軸部51は孔の無い中実である。しかしながら、本実施形態のハブユニット軸受1は、駆動輪用のハブユニット軸受としても適用可能であり、その場合、図2に示す第2実施形態のように中空形状となる。
内殻50のアウトボード側端部には、径方向外側に突出するフランジ部53が形成される。フランジ部53は、それぞれ、内殻50のアウトボード側端部から径方向外側に突出し、互いに周方向に間隔を空けて配置された複数のフランジ片54を有する。なお、図1には、複数のフランジ片54のうち一つのみが示されているが、実際には、複数のフランジ片54が周方向等間隔で放射状に設けられる。これにより、本実施形態のフランジ部53は、十字フランジ形状(フランジ片54が4箇所に設けられる形状)や星形フランジ形状(フランジ片54が5箇所に設けられる形状)とされる。
それぞれのフランジ片54の径方向中間部には、ハブボルトを挿通させるためのボルト孔59aを有する金属製のボルト孔部材59が固定される。フランジ片54は、フランジ片54を軸方向に貫通し、ボルト孔部材59を固定するための孔56を有する。孔56は、インボード側端部及びアウトボード側に大径溝56a,56bを有する。ボルト孔部材59は、インボード側端部にフランジ状の凸部59bを有する円筒形状である。そして、ボルト孔部材59を孔56にインボード側から挿入し、ボルト孔部材59のインボード側端部の凸部59bを孔56のインボード側端部の大径溝56aに係合させ、ボルト孔部材59のアウトボード側端部を孔56のアウトボード側端部の大径溝56bに加締め固定する。このように、ボルト孔部材50のアウトボード側端部には、孔56のアウトボード側端部の大径溝56bに固定される加締め部が設けられる。そして、ボルト孔部材59のボルト孔59aにハブボルトがセレーション嵌合又は螺合する。
内殻50のアウトボード側端部には、フランジ部53の根元部53aや突出部57の根元部57a付近からアウトボード側に突出する円筒状のパイロット部55が形成される。パイロット部55の外周面には、ブレーキロータやホイールが配置される。
内殻50のアウトボード側端部には、径方向外側に突出し、周方向に隣り合うフランジ片54の間に配置された突出部57が形成される。突出部57の外周面57bはフランジ部53の外周面53bよりも径方向内側に位置している。したがって、突出部57の径方向幅はフランジ部53よりも小さい。また、突出部57のインボード側側面57cはフランジ部53のインボード側側面53cと軸方向において略同一位置に配置され、突出部57のアウトボード側側面57dはフランジ部53のアウトボード側側面53dよりもインボード側に配置される。したがって、突出部57の軸方向幅はフランジ部53よりも小さい。
外殻40のアウトボード側端部45には、内殻50の突出部57と周方向同位相に、突出部57よりもアウトボード側に延在する爪部47が設けられる。爪部47は、アウトボード側端部45の径方向外側端部45aからアウトボード側に延びて突出部57の外周面57bを覆う基部47aと、基部47aのアウトボード側端部が径方向内側に折り曲げられることにより、突出部57のアウトボード側側面57dに係止された係止部47bと、を有する。なお、図1には、基部47aが折り曲げられる前の状態が一点鎖線で示されている。このように、突出部57と爪部47とによって、内殻50と外殻40とを係止する係止機構が構成される。なお、係止部47bのアウトボード側側面は、フランジ部53のアウトボード側側面53dよりもインボード側に配置されており、フランジ部53のアウトボード側側面53dに配置されたブレーキロータやホイールが係止部47bに干渉しないようになっている。
このようなハブユニット軸受1を組み立てる際には、先ず外殻40の中心孔43に内殻50が圧入される。ここで、外殻40の内周面は、高周波焼入れによって硬化層を形成後、仕上げ加工されており、軸部51の外周面が仕上げ加工された内殻50と嵌合可能とされている。なお、外殻40は、外周面のうち、内輪30が外嵌される部分(小径段部41)、内輪軌道21が設けられる部分、及びシール7が摺接する部分に硬化層が形成されている。
外殻40の径方向内側に内殻50を圧入後、外殻40の爪部47は、径方向内側に折り曲げられることにより、突出部57のアウトボード側側面57dに係止される。このように爪部47によって、外殻40が突出部57のアウトボード側側面57dに係止される。そして、外殻40の外周面のうち、内輪30が外嵌される部分(小径段部41)、内輪軌道21が設けられる部分、及びシール7が摺接する部分が、さらに仕上げ加工される。
そして、外殻40の径方向外側に転動体3、保持器5、シール7、外輪部材10を配置した状態で、小径段部41に内輪30が圧入された後、外殻40のインボード側端部が加締め加工される。
以上のように構成されたハブユニット軸受1によれば、ハブ輪20は、中炭素鋼製の外殻40と、外殻40の径方向内側に配置されたセラミック製の内殻50と、を有し、外殻40が、内殻50に圧縮応力を与える(圧縮応力下におく)ことで、内殻50の割れを防止すると共に、万が一、内殻50の割れが発生した場合にも、外殻40が内殻50の軸方向分離を防ぎ、突然の脱輪を防止することができ、安全性を向上できる。外殻40のインボード側端部には、内輪30が固定される小径段部41が形成され、内殻50と外殻40との係止機構(爪部47及び突出部57)が設けられる。したがって、ハブ輪20を軽量化し、剛性を高めることができる。また、万が一、ハブ輪20の軸部に損傷が発生しても、爪部47と突出部57とが係止されているので突然の脱輪を防止することができ、ハブ輪20の一部をセラミック製とした場合の安全性を向上できる。また、なお、フランジ部53は、ブレーキロータやホイールとハブボルトによって複数箇所で固定されているので、万が一、フランジ部53の一部に損傷(脆性破壊)が発生しても、突然の脱輪につながることはない。
また、内殻50のアウトボード側端部には、径方向外側に突出するフランジ部53が形成され、フランジ部53には、ハブボルトを挿通させるためのボルト孔59aを有する金属製のボルト孔部材59が固定される。ボルト孔部材59を別に設けるのは、ボルトの雄ネジ部またはセレーション部が直接セラミック製のフランジ部53の孔56と係合すると、内殻50の変形が少ないことから、ボルトとの真実接触面積が小さくなり、接触部に大きな応力が発生して、割れの起点となることを避ける為である。
また、図1では、転動体3が玉である例を示したが、転動体3は円すいころであってもよい。また、外輪部材10及び転動体3は、鋼製でもよいが、ハブユニット軸受1の軽量化のため、内殻50と同様のセラミック製としてもよい。
[第二実施形態]
図2は、本発明の第二実施形態に係るハブユニット軸受1の断面図である。
図2に示すように、本実施形態のハブユニット軸受1は、駆動輪用のハブユニット軸受であり、中心軸Oに沿って貫通孔を有する中空形状である。すなわち、内殻50は、中空形状であり、その中心に軸方向に貫通する中心孔58を有する。
中心孔58には、相対回転防止機構により当該中心孔58との相対回転が防止された状態で、円筒状のスプライン部材60が配置される。中心孔58は、軸方向に一定の形状を有する貫通孔であり、スプライン部材60との相対回転を防止する相対回転防止機構58aとしての雌スプラインやキー溝等の相対回転防止機構が形成される。
スプライン部材60は、軸方向に延びる円筒形状である。スプライン部材60の軸方向幅は、内殻50の中心孔58の軸方向幅と略同じか僅かに短い。スプライン部材60の外周面には、中心孔58の相対回転防止機構58aの雌スプラインやキー溝に嵌合する嵌合部61として、雄スプラインやキーが設けられる。スプライン部材60の内周面は、等速ジョイントのスプライン軸が係合可能な雌スプライン63を有する。なお、スプライン部材60は、等速ジョイントのナットと、等速ジョイントの肩部又はスプライン歯端に挟持されることによって軸方向位置が決めされているので、軸方向に一定の形状を持つ貫通孔という単純な形状とすることができる。
また、ハブユニット軸受1は駆動輪用であるので、外輪部材10の内周面13のインボード側端部には、軸受キャップ8(図1)ではなく、軸受内部空間9のインボード側を密閉するシール6が設けられる。
フランジ部53は、全体として丸形のフランジとされている。そして、フランジ部53には、周方向に所定間隔で複数の孔56が形成され、それぞれの孔56にボルト孔部材59が固定される。なお、フランジ部53は、第一実施形態のように、十字フランジ形状(フランジ片54が4箇所に設けられる形状)や星形フランジ形状(フランジ片54が5箇所に設けられる形状)等であってもよい。
内殻50のアウトボード側端部には、パイロット部55よりも径方向内側に配置され、内殻50を軸方向に貫通する係止孔52aが形成される。より詳細には、内殻50のアウトボード側端部には、パイロット部55と軸部51とを接続するように径方向に延びる接続部52を有し、当該接続部52に係止孔52aが形成される。なお、係止孔52aは、少なくとも一つ設けられる。係止孔52aが複数設けられる場合は、互いに周方向に間隔を空けて配置される。
外殻40のアウトボード側端部には、アウトボード側に突出して、係止孔52aに挿入されるピン部49が、外殻40と一体的に設けられる。ピン部49は、係止孔52aと同数設けられる。また、ピン部49は、係止孔52aに挿入可能な位置、すなわち、係止孔52aと周方向位置及び径方向位置が一致する位置に設けられている。
上記のようなハブユニット軸受1を組み立てる際には、係止孔52aとピン部49の位相を合わせた状態で外殻40の径方向内側に内殻50を圧入後、ピン部49のアウトボード側端部が加締め加工されて内殻50に係止される。すなわち、ピン部49のアウトボード側端部は、内殻50に加締め固定される加締め部を有する。図2には、加締め加工前のピン部49のアウトボード側端部が一点鎖線で示されている。なお、ピン部49は、等速ジョイントのナットと干渉しないように、加締め加工される。このように、ピン部49と係止孔52aとによって、内殻50と外殻40とを係止する係止機構が構成される。
ここで、外殻40の内周面及び内殻50の軸部51の外周面は仕上げ加工されており、外殻40と内殻50とが嵌合可能とされている。また、外殻40の外周面のうち、内輪30が外嵌される部分(小径段部41)、内輪軌道21が設けられる部分、及びシール7が摺接する部分には、高周波焼入れによって硬化層が形成されている。
次に、外殻40の外周面のうち、内輪30が外嵌される部分(小径段部41)、内輪軌道21が設けられる部分、及びシール7が摺接する部分が、仕上げ加工される。そして、外殻40の径方向外側に転動体3、保持器5、シール6,7、外輪部材10を配置した状態で、小径段部41に内輪30が圧入される。なお、内輪30は、等速ジョイントの端面又は駆動軸の端部に形成した段部等が突き当たり、内輪30が小径段部41から抜け出ることが防止される。
以上のように構成されたハブユニット軸受1によれば、ハブ輪20は、中炭素鋼製の外殻40と、外殻40の径方向内側に配置されたセラミック製の内殻50と、を有し、外殻40のインボード側端部には、内輪30が固定される小径段部41が形成され、内殻50のアウトボード側端部には、径方向外側に突出するフランジ部53が形成され、フランジ部53には、ハブボルトを挿通させるためのボルト孔59aを有する金属製のボルト孔部材59が固定され、内殻50と外殻40との係止機構(ピン部49と係止孔52a)が設けられる。したがって、ハブ輪20を軽量化し、剛性を高めることができる。さらに、万が一、ハブ輪20の軸部に損傷が発生しても、突然の脱輪を防止することができ、ハブ輪20の一部をセラミック製とした場合の安全性を向上できる。
なお、第二実施形態のハブユニット軸受1は、第一実施形態のような中実構造としてもよく、その場合、内殻50は中心孔58を有さず、スプライン部材60は設けられない。また、外輪部材10の内周面13のインボード側端部には、シール6に代わって、軸受内部空間9のインボ-ド側を密閉する軸受キャップ8(図1参照)が設けられる。
また、図2では、転動体3が玉である例を示したが、転動体3は円すいころであってもよい。また、外輪部材10及び転動体3は、鋼製でもよいが、ハブユニット軸受1の軽量化のため、内殻50と同様のセラミック製としてもよい。
図3及び図4は、第2実施形態の変形例に係るハブユニット軸受1の断面図である。外殻40にピン部49を一体的に設けることが難しい場合は、図3及び図4に示すように、外殻40とは別体の係止部材(図3のピン70、図4のボルト80)によって、内殻50と外殻40とを係止してもよい。
図3及び図4に示すハブユニット軸受1においては、外殻40のアウトボード側端部には、係止孔52aと軸方向に対向する位置に、すなわち、係止孔52aと周方向位置及び径方向位置が一致する位置に、固定穴48が凹設される。
そして、図3の例においては、外殻40とは別体の係止部材としてのピン70が、固定穴48に挿入されて摩擦接合等で取り付けられる。そして、ピン70を係止孔52aに挿入しつつ、外殻40の径方向内側に内殻50を圧入後、ピン70のアウトボード側端部が加締め加工されて内殻50に係止される。すなわち、ピン70のアウトボード側端部は、内殻50に加締め固定される加締め部を有する。なお、図3には、加締められる前のピン70のアウトボード側端部が一点鎖線で示されている。
図4の例においては、係止孔52a及び固定穴48に雌ネジ溝が形成されており、外殻40とは別体の係止部材としてのボルトが、係止孔52a及び固定穴48に螺合される。このように、係止孔52a及び固定穴48に挿入された係止部材(図3のピン70、図4のボルト80)によって、内殻50と外殻40とを係止する係止機構が構成される。
1 ハブユニット軸受
3 転動体
5 保持器
6 シール
7 シール
8 軸受キャップ
9 軸受内部空間
10 外輪部材
11 外輪軌道
13 内周面
20 ハブ輪(内輪部材)
21 内輪軌道
23 外周面
30 内輪(内輪部材)
31 内輪軌道
33 外周面
40 外殻
41 小径段部
43 中心孔
45 アウトボード側端部
45a 径方向外側端部
47 爪部(係止機構)
47a 基部
47b 係止部
48 固定穴(係止機構)
49 ピン部(係止機構)
50 内殻
51 軸部
52 接続部
52a 係止孔(係止機構)
53 フランジ部
53a 根元部
53b 外周面
53c インボード側側面
53d アウトボード側側面
54 フランジ片
55 パイロット部
56 孔
56a,56b 大径溝
57 突出部(係止機構)
57a 根元部
57b 外周面
57c インボード側側面
57d アウトボード側側面
58 中心孔
58a 相対回転防止機構
59 ボルト孔部材
59a ボルト孔
59b 凸部
60 スプライン部材
61 嵌合部
63 雌スプライン
70 ピン(係止機構、係止部材)
80 ボルト(係止機構、係止部材)

Claims (8)

  1. 内周面に複列の外輪軌道を有する外輪部材と、
    外周面に複列の内輪軌道を有し、アウトボード側に車輪を支持するためのフランジ部を有する内輪部材と、
    前記複列の外輪軌道と前記複列の内輪軌道との間に、各列毎に複数個ずつ設けられた転動体と、
    を備えるハブユニット軸受であって、
    前記内輪部材は、ハブ輪と、前記ハブ輪に固定された内輪と、を有し、
    前記ハブ輪は、中炭素鋼製の外殻と、前記外殻の径方向内側に配置されたセラミック製の内殻と、を有し、
    前記外殻のインボード側端部には、前記内輪が固定される小径段部が形成され、
    前記内殻と前記外殻との係止機構が設けられる、
    ことを特徴とするハブユニット軸受。
  2. 前記内殻のアウトボード側端部には、径方向外側に突出する前記フランジ部が形成され、
    前記フランジ部は、それぞれ、前記内殻のアウトボード側端部から径方向外側に突出し、互いに周方向に間隔を空けて配置された複数のフランジ片を有し、
    前記内殻のアウトボード側端部には、径方向外側に突出し、周方向に隣り合うフランジ片の間に配置された突出部が形成され、
    前記外殻のアウトボード側端部には、前記突出部よりもアウトボード側に延在して径方向内側に折り曲げられた爪部が設けられ、
    前記爪部によって、前記外郭が前記突出部のアウトボード側側面に係止される、
    請求項1に記載のハブユニット軸受。
  3. 前記内殻のアウトボード側端部には、アウトボード側に突出する円筒状のパイロット部と、前記パイロット部よりも径方向内側に配置され、前記内殻を軸方向に貫通する係止孔と、が形成され、
    前記外殻のアウトボード側端部には、アウトボード側に突出するピン部が、前記外殻と一体的に設けられ、
    前記ピン部は、前記係止孔に挿入され、
    前記ピン部のアウトボード側端部は、前記内殻に固定される加締め部を有する
    請求項1又は2に記載のハブユニット軸受。
  4. 前記内殻のアウトボード側端部には、アウトボード側に突出する円筒状のパイロット部と、前記パイロット部よりも径方向内側に配置され、前記内殻を軸方向に貫通する係止孔と、が形成され、
    前記外殻のアウトボード側端部には、前記係止孔と軸方向に対向する位置に、固定穴が凹設され、
    前記係止孔と前記固定穴とに挿入された係止部材によって、前記内殻と前記外殻とが係止される、
    請求項1又は2に記載のハブユニット軸受。
  5. 前記係止部材は、前記外殻の前記固定穴に固定されたピンであり、
    前記ピンは、前記係止孔に挿入され、
    前記ピンのアウトボード側端部は、前記内殻に固定される加締め部を有する、
    請求項4に記載のハブユニット軸受。
  6. 前記係止部材は、ボルトであり、
    前記係止孔及び前記固定穴には雌ネジ溝が形成され、
    前記ボルトが前記係止孔及び前記固定穴に螺合される
    請求項4に記載のハブユニット軸受。
  7. 前記フランジ部は、前記フランジ部を軸方向に貫通し、ボルト孔部材を固定するための孔を有し、
    前記孔は、インボード側端部及びアウトボード側に大径溝を有し、
    前記ボルト孔部材は、前記孔に挿入される円筒形状であり、
    前記ボルト孔部材のインボード側端部には、前記孔のインボード側端部の前記大径溝に係合するフランジ状の凸部が設けられ、
    前記ボルト孔部材のアウトボード側端部には、前記孔のアウトボード側端部の前記大径溝に固定される加締め部が設けられる、
    請求項1~6のいずれか1項に記載のハブユニット軸受。
  8. 前記内殻は、その中心に軸方向に貫通する中心孔を有する中空形状であり、
    前記中心孔には、相対回転防止機構により前記中心孔との相対回転が防止された状態で、円筒状のスプライン部材が配置され、
    前記スプライン部材の内周面は、等速ジョイントのスプライン軸が係合可能な雌スプラインを有する
    請求項1~7のいずれか1項に記載のハブユニット軸受。
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