JP2023053933A - コロナウイルス誘発性神経障害性疼痛の治療に使用するための少なくともアミトリプチリンを含むゲル状局所医薬組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】SARS-CoV-2などのコロナウイルスによって誘発される神経障害性疼痛の治療に利用できる薬剤又は治療法を提供する。【解決手段】コロナウイルス誘発性神経障害性疼痛の局所治療に使用するための、少なくともアミトリプチリン及び/又はその薬学的に許容される塩の1つを含む水性ゲル状の医薬組成物であって、アミトリプチリン及び/又はその薬学的に許容される塩の1つの総含有量が、前記組成物の総質量に対して10~30質量%である、組成物とする。【選択図】なし
Description
本発明は、コロナウイルス誘発性神経障害性疼痛の局所治療に使用するための、アミトリプチリンを含む水性ゲル状の局所医薬組成物に関する。
末梢神経障害性疼痛は、末梢神経終末又は侵害受容器などの神経構造の損傷に起因し、このため刺激に対して極度に敏感になり、刺激がない状態でもパルスが発生することがある。
この損傷は、外傷、疾患、例えば糖尿病、帯状疱疹、及び進行がん、化学熱傷、又は化学療法治療など様々な原因によって生じる可能性がある。より具体的には、化学療法治療に特有の毒性が軸索に直接害を与え、神経脱髄を生じさせることがある。
特許文献1(Algotherapeutixが出願し、特許文献2としても公開されている)及び非特許文献1は、化学療法後の末梢神経障害性疼痛を治療するための高濃度アミトリプチリン含有クリーム状局部組成物の使用について説明している。
最近、いくつかの科学出版物、例えば非特許文献2~4で、SARS-CoV-2(COVID-19を引き起こすコロナウイルス)感染と神経学的後遺症、特に末梢神経学的後遺症又はギラン・バレー症候群(免疫系が自己の末梢神経を攻撃する希少疾患)の発症との間に相関関係があることが言及されている。
更に非特許文献5の科学論文では、SARS-CoV-2が何種かの神経系自己免疫疾患の原因である可能性についても示唆されている。
この損傷は、外傷、疾患、例えば糖尿病、帯状疱疹、及び進行がん、化学熱傷、又は化学療法治療など様々な原因によって生じる可能性がある。より具体的には、化学療法治療に特有の毒性が軸索に直接害を与え、神経脱髄を生じさせることがある。
特許文献1(Algotherapeutixが出願し、特許文献2としても公開されている)及び非特許文献1は、化学療法後の末梢神経障害性疼痛を治療するための高濃度アミトリプチリン含有クリーム状局部組成物の使用について説明している。
最近、いくつかの科学出版物、例えば非特許文献2~4で、SARS-CoV-2(COVID-19を引き起こすコロナウイルス)感染と神経学的後遺症、特に末梢神経学的後遺症又はギラン・バレー症候群(免疫系が自己の末梢神経を攻撃する希少疾患)の発症との間に相関関係があることが言及されている。
更に非特許文献5の科学論文では、SARS-CoV-2が何種かの神経系自己免疫疾患の原因である可能性についても示唆されている。
Rossignol,J.et al.,"High concentration of topical amitriptyline for treating chemotherapy-induced neuropathies".Support Care Cancer 27,3053-3059(2019)
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Abdelnour L.et al."COVID-19 infection presenting as a motor peripheral neuropathy".Journal of the Formosan Medical Association(2020)119,1119-1120
Alberti P.et al."Guillain-Barre syndrome related to COVID-19 infection".Neurol Neuroimmunol Neuroinflamm.2020;7:e741
Dalakas M.C.,"Guillain-Barre syndrome: The first documented COVID-19-triggered autoimmune neurologic disease" Neurol Neuroimmunol Neuroinflamm.2020;7:e781
しかしながら、我々の知る限り、SARS-CoV-2などのコロナウイルスによって誘発される神経障害性疼痛の特別な治療に現時点で利用できる薬剤又は治療法は知られていない。
従って、例えばSARS-CoV-2などのコロナ型ウイルスによって誘発される神経障害性疼痛、特に末梢神経障害性疼痛の治療に有効な医薬組成物の開発が本当に必要とされている。
驚くことに、アミトリプチリンをベースとする組成物を局所に適用すると、例えばSARS-CoV-2などのコロナ型ウイルスによって誘発される神経障害性疼痛を効果的に治療できることが発見された。
コロナウイルス誘発性神経障害性疼痛と化学療法誘発性神経障害性疼痛の原因が同じだとは思われないため、この発見は尚更驚きである。
実際、上述のように、化学療法誘発性疼痛は主に化学療法に使用する薬剤固有の化学毒性によるものであり、これが軸索に直接害を与え、神経脱髄を生じさせることがある。
一方、コロナウイルス誘発性神経障害性疼痛は、感染に対する体の免疫反応の結果とみられる。
従って、例えばSARS-CoV-2などのコロナ型ウイルスによって誘発される神経障害性疼痛、特に末梢神経障害性疼痛の治療に有効な医薬組成物の開発が本当に必要とされている。
驚くことに、アミトリプチリンをベースとする組成物を局所に適用すると、例えばSARS-CoV-2などのコロナ型ウイルスによって誘発される神経障害性疼痛を効果的に治療できることが発見された。
コロナウイルス誘発性神経障害性疼痛と化学療法誘発性神経障害性疼痛の原因が同じだとは思われないため、この発見は尚更驚きである。
実際、上述のように、化学療法誘発性疼痛は主に化学療法に使用する薬剤固有の化学毒性によるものであり、これが軸索に直接害を与え、神経脱髄を生じさせることがある。
一方、コロナウイルス誘発性神経障害性疼痛は、感染に対する体の免疫反応の結果とみられる。
しかしながら、特許文献1及び非特許文献1に記載のクリーム状組成物は、経時安定性の点で十分に満足できるものではない。
確かに、クリームは一般に経皮透過性に優れ、薬剤全体の可溶性が良好であるため、活性物質の局所投与に日常的に使用されている剤形である。しかしながら、特許文献1による、クリーム状、より具体的には水中油型エマルション形態の組成物の物理化学的安定性は、特に医薬品として使用するには十分でない。
塩酸アミトリプチリンは両親媒性物質であり、塩の形態で水溶性である。しかしながら、これらの電解質の存在が、おそらく油球の表面帯電をマスクし、油/水界面の平衡を乱すことによって、水中油型エマルションを不安定化していることが予想外に見出された。この不安定化はエマルションの相分離を引き起こし、最終的には油と水が完全に分離する。同時に化学反応が起こり、最初は白色だったエマルションが黄変する。この相分離と黄変は、特に医薬品として組成物を販売する際に問題となる。
従って、例えばSARS-CoV-2などのコロナ型ウイルスによって誘発される神経障害性疼痛、特に末梢神経障害性疼痛の治療に有効であり、且つ特に経時的にも温度変化に対しても安定している医薬組成物の開発が本当に必要とされている。
より具体的には、アミトリプチリンが高濃度であっても(即ち、組成物の総質量に対するアミトリプチリン濃度が10質量%以上であっても)良好な物理化学的安定性を有する医薬組成物に関心が持たれている。
使用の質が良好な組成物にも関心が持たれている。
しかしながら、驚くことに、少なくともアミトリプチリン及び/又はその薬学的に許容される塩の1つを含む水性ゲル状の局所医薬組成物は、アミトリプチリン及び/又はその薬学的に許容される塩の1つの総含有量が組成物の総質量に対して10~30質量%であると、例えばSARS-CoV-2などのコロナ型ウイルスによって誘発される神経障害性疼痛を効果的に治療でき、且つ良好な物理化学的経時安定性を有することが見出された。
確かに、クリームは一般に経皮透過性に優れ、薬剤全体の可溶性が良好であるため、活性物質の局所投与に日常的に使用されている剤形である。しかしながら、特許文献1による、クリーム状、より具体的には水中油型エマルション形態の組成物の物理化学的安定性は、特に医薬品として使用するには十分でない。
塩酸アミトリプチリンは両親媒性物質であり、塩の形態で水溶性である。しかしながら、これらの電解質の存在が、おそらく油球の表面帯電をマスクし、油/水界面の平衡を乱すことによって、水中油型エマルションを不安定化していることが予想外に見出された。この不安定化はエマルションの相分離を引き起こし、最終的には油と水が完全に分離する。同時に化学反応が起こり、最初は白色だったエマルションが黄変する。この相分離と黄変は、特に医薬品として組成物を販売する際に問題となる。
従って、例えばSARS-CoV-2などのコロナ型ウイルスによって誘発される神経障害性疼痛、特に末梢神経障害性疼痛の治療に有効であり、且つ特に経時的にも温度変化に対しても安定している医薬組成物の開発が本当に必要とされている。
より具体的には、アミトリプチリンが高濃度であっても(即ち、組成物の総質量に対するアミトリプチリン濃度が10質量%以上であっても)良好な物理化学的安定性を有する医薬組成物に関心が持たれている。
使用の質が良好な組成物にも関心が持たれている。
しかしながら、驚くことに、少なくともアミトリプチリン及び/又はその薬学的に許容される塩の1つを含む水性ゲル状の局所医薬組成物は、アミトリプチリン及び/又はその薬学的に許容される塩の1つの総含有量が組成物の総質量に対して10~30質量%であると、例えばSARS-CoV-2などのコロナ型ウイルスによって誘発される神経障害性疼痛を効果的に治療でき、且つ良好な物理化学的経時安定性を有することが見出された。
従って本発明は、少なくともアミトリプチリン及び/又はその薬学的に許容される塩の1つを含む水性ゲル状医薬組成物であって、アミトリプチリン及び/又はその薬学的に許容される塩の1つの総含有量が組成物の総質量に対して10~30質量%である、コロナウイルス誘発性神経障害性疼痛の局所治療に使用するための医薬組成物に関する。
本発明による組成物は、SARS-CoV-2(重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2)、MERS-CoV(中東呼吸器症候群コロナウイルス)、又はSARS-CoV-1(重症急性呼吸器症候群コロナウイルス1)などのコロナ型ウイルスによって誘発される神経障害性疼痛の治療に特に有効であることが観察された。
より具体的には、本発明による組成物は、SARS-CoV-2ウイルスによって誘発される神経障害性疼痛、特に末梢神経障害性疼痛の治療に極めて有効である。
同様に、本発明による組成物は、COVID-19に罹患した人々の神経障害性疼痛、特に末梢神経障害性疼痛の治療に極めて有効である。
また、本発明による医薬組成物は、皮膚からのアミトリプチリンの浸透を促し、全身移行性が低く、従って良好な治療効果が得られることが観察された。
更に本発明による組成物は、好ましくはアミトリプチリン及び/又はその薬学的に許容される塩の1つの濃度が組成物の総質量に対して10~25質量%、及び特に10~20質量%の時に高いバイオアベイラビリティを有する。実際、高濃度ではアミトリプチリンは再編成され、バイオアベイラビリティを制限する可能性のある凝集物の形成を引き起こす傾向がある。
本発明による組成物は、SARS-CoV-2(重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2)、MERS-CoV(中東呼吸器症候群コロナウイルス)、又はSARS-CoV-1(重症急性呼吸器症候群コロナウイルス1)などのコロナ型ウイルスによって誘発される神経障害性疼痛の治療に特に有効であることが観察された。
より具体的には、本発明による組成物は、SARS-CoV-2ウイルスによって誘発される神経障害性疼痛、特に末梢神経障害性疼痛の治療に極めて有効である。
同様に、本発明による組成物は、COVID-19に罹患した人々の神経障害性疼痛、特に末梢神経障害性疼痛の治療に極めて有効である。
また、本発明による医薬組成物は、皮膚からのアミトリプチリンの浸透を促し、全身移行性が低く、従って良好な治療効果が得られることが観察された。
更に本発明による組成物は、好ましくはアミトリプチリン及び/又はその薬学的に許容される塩の1つの濃度が組成物の総質量に対して10~25質量%、及び特に10~20質量%の時に高いバイオアベイラビリティを有する。実際、高濃度ではアミトリプチリンは再編成され、バイオアベイラビリティを制限する可能性のある凝集物の形成を引き起こす傾向がある。
更に本発明による組成物は、環境温度で、但しより高い保管温度でも、経時的に特に安定している。本発明による組成物で、環境温度(25℃)の条件下で少なくとも24ヵ月間、及び高温(40℃)の条件下で6ヵ月間の安定性試験を実施した。これらの試験後、本発明による組成物は、物理的(粘度)にも化学的(pH、活性物質及び分解生成物のアッセイ)にも外観に変化がなかった。
また本発明による組成物は、強酸性、強アルカリ性、熱、光、及び酸化条件下で強制分解を行った。観察された分解生成物は、国際標準ICH Q3B(医薬品規制調和国際会議)の許容範囲内に留まっていた。
更に、本発明による組成物は賦形剤をわずかしか含まないため、組成物の局所忍容性を向上させる(アレルギーや刺激のリスクが低い)。本発明による組成物の局所投与には、副作用が殆ど又は全くない。
本発明による組成物は良好な使用特性も有する。即ち、本発明の組成物は、半透明、無臭で、手触りが良い(べとべとしない)。
加えて本発明による組成物は、ポンプボトルを用いて極めて容易に投与できる。こうしたポンプボトルは、活性物質の投与量を高い精度で良好に再現する上で特に有用である。
その上、本発明による組成物は、痛みを緩和し、皮膚の健康と潤いを回復させることを可能にし得る。
本発明の更なる特徴、態様、及び利点は、以下の説明及び実施例を読むことにより、より明確となろう。
また本発明による組成物は、強酸性、強アルカリ性、熱、光、及び酸化条件下で強制分解を行った。観察された分解生成物は、国際標準ICH Q3B(医薬品規制調和国際会議)の許容範囲内に留まっていた。
更に、本発明による組成物は賦形剤をわずかしか含まないため、組成物の局所忍容性を向上させる(アレルギーや刺激のリスクが低い)。本発明による組成物の局所投与には、副作用が殆ど又は全くない。
本発明による組成物は良好な使用特性も有する。即ち、本発明の組成物は、半透明、無臭で、手触りが良い(べとべとしない)。
加えて本発明による組成物は、ポンプボトルを用いて極めて容易に投与できる。こうしたポンプボトルは、活性物質の投与量を高い精度で良好に再現する上で特に有用である。
その上、本発明による組成物は、痛みを緩和し、皮膚の健康と潤いを回復させることを可能にし得る。
本発明の更なる特徴、態様、及び利点は、以下の説明及び実施例を読むことにより、より明確となろう。
本明細書では、別段の定めがない限り、
- 語句「少なくとも1つの」は、語句「1つ又は複数の」と等しく、互いに代替可能であり、
- 語句「○~○」は、語句「○~○の範囲」と等しく、互いに代替可能であり、境界値が含まれることを意味し、
- 語句「脂肪アルコール」は、9~40個の炭素原子を含むアルコールを示し、
- 語句「脂肪酸」は、9~40個の炭素原子を含む酸を示し、
- 語句「脂肪エーテル」は、9~40個の炭素原子を含むエーテルを示し、
- 語句「脂肪エステル」は、9~40個の炭素原子を含むエステルを示し、
- 語句「ポリオキシアルキレン化」は、本発明では、単位-(O-アルキル)n-に相当し、式中、nは、2~200、好ましくは2~40、より好ましくは2~20までの幅がある整数であり、アルキルは、好ましくはエチル又はプロピルを表し、
- 語句「ポリオキシエチレン化」は、本発明では、単位-(O-CH2CH2)n-に相当し、式中、nは、2~200、好ましくは2~40、より好ましくは2~20までの幅がある整数である。
- 語句「少なくとも1つの」は、語句「1つ又は複数の」と等しく、互いに代替可能であり、
- 語句「○~○」は、語句「○~○の範囲」と等しく、互いに代替可能であり、境界値が含まれることを意味し、
- 語句「脂肪アルコール」は、9~40個の炭素原子を含むアルコールを示し、
- 語句「脂肪酸」は、9~40個の炭素原子を含む酸を示し、
- 語句「脂肪エーテル」は、9~40個の炭素原子を含むエーテルを示し、
- 語句「脂肪エステル」は、9~40個の炭素原子を含むエステルを示し、
- 語句「ポリオキシアルキレン化」は、本発明では、単位-(O-アルキル)n-に相当し、式中、nは、2~200、好ましくは2~40、より好ましくは2~20までの幅がある整数であり、アルキルは、好ましくはエチル又はプロピルを表し、
- 語句「ポリオキシエチレン化」は、本発明では、単位-(O-CH2CH2)n-に相当し、式中、nは、2~200、好ましくは2~40、より好ましくは2~20までの幅がある整数である。
本発明による医薬組成物は、SARS-CoV-2ウイルスなどのコロナ型ウイルスによって誘発される神経障害性疼痛の局所治療に使用する。
有利には、本発明による医薬組成物は、SARS-CoV-2ウイルスなどのコロナ型ウイルスによって誘発される末梢神経障害性疼痛の局所治療に使用する。
より具体的には、本発明による医薬組成物は、SARS-CoV-2によって誘発される末梢神経障害性疼痛の局所治療に使用する。同様に、本発明による医薬組成物は、COVID-19によって誘発される神経障害性疼痛、特に末梢神経障害性疼痛の局所治療に使用する。
有利には、本発明による医薬組成物は、好ましくは皮膚経路で使用する。つまり、医薬組成物は、好ましくは特に手や脚の皮膚に適用する。
有利には、医薬組成物は、予防目的(コロナウイルスに感染したものの、まだ神経障害性疼痛を経験していない人)にも治療目的(コロナウイルスに感染し、既に神経障害性疼痛を経験している人)にも同じように良好に使用できる。
有利には、本発明による医薬組成物は、SARS-CoV-2ウイルスなどのコロナ型ウイルスによって誘発される末梢神経障害性疼痛の局所治療に使用する。
より具体的には、本発明による医薬組成物は、SARS-CoV-2によって誘発される末梢神経障害性疼痛の局所治療に使用する。同様に、本発明による医薬組成物は、COVID-19によって誘発される神経障害性疼痛、特に末梢神経障害性疼痛の局所治療に使用する。
有利には、本発明による医薬組成物は、好ましくは皮膚経路で使用する。つまり、医薬組成物は、好ましくは特に手や脚の皮膚に適用する。
有利には、医薬組成物は、予防目的(コロナウイルスに感染したものの、まだ神経障害性疼痛を経験していない人)にも治療目的(コロナウイルスに感染し、既に神経障害性疼痛を経験している人)にも同じように良好に使用できる。
アミトリプチリン
本発明による組成物は、少なくともアミトリプチリン及び/又はその薬学的に許容される塩の1つを含む。
本発明に従って、アミトリプチリン及び/又はその薬学的に許容される塩の1つの総含有量は、組成物の総質量に対して10~30質量%である。
アミトリプチリンは以下の式(I)を有する。
本発明の範囲内において、用語「薬学的に許容されるアミトリプチリンの塩」は、医薬組成物と適合性のある塩、即ち、ヒトに投与することを目的とした塩を示す。特に、薬学的に許容されるアミトリプチリンの塩という用語は、アミトリプチリンの水和物、溶媒化合物、酸性塩、例えば塩酸塩、及び包接化合物を示す。
とりわけ好ましいアミトリプチリンの塩として、塩酸アミトリプチリンが使用できる。
好ましくは、アミトリプチリン及び/又はその薬学的に許容される塩の1つの総含有量は、組成物の総質量に対して10~25質量%、より好ましくは10~20質量%、更により好ましくは10~15質量%である。
より好ましくは、塩酸アミトリプチリンの総含有量は、組成物の総質量に対して10~25質量%、より好ましくは10~20質量%、更により好ましくは10~15質量%である。
とりわけ、アミトリプチリン及び/又はその薬学的に許容される塩の1つ、例えば塩酸アミトリプチリンの総含有量が、本発明による組成物の総質量に対して10~25質量%、より好ましくは10~20質量%である場合、驚くことに、本発明による組成物のアミトリプチリンのバイオアベイラビリティが著しく向上することが観察された。
実際、高濃度ではアミトリプチリンは再編成され、バイオアベイラビリティを制限する可能性のある凝集物の形成を引き起こす傾向があることが観察されている。
好ましくは、本発明による組成物は、上記の割合のアミトリプチリン及び/又はその薬学的に許容される塩の1つを、疼痛を治療する単独の薬剤として含有する。
本発明による組成物は、少なくともアミトリプチリン及び/又はその薬学的に許容される塩の1つを含む。
本発明に従って、アミトリプチリン及び/又はその薬学的に許容される塩の1つの総含有量は、組成物の総質量に対して10~30質量%である。
アミトリプチリンは以下の式(I)を有する。
とりわけ好ましいアミトリプチリンの塩として、塩酸アミトリプチリンが使用できる。
好ましくは、アミトリプチリン及び/又はその薬学的に許容される塩の1つの総含有量は、組成物の総質量に対して10~25質量%、より好ましくは10~20質量%、更により好ましくは10~15質量%である。
より好ましくは、塩酸アミトリプチリンの総含有量は、組成物の総質量に対して10~25質量%、より好ましくは10~20質量%、更により好ましくは10~15質量%である。
とりわけ、アミトリプチリン及び/又はその薬学的に許容される塩の1つ、例えば塩酸アミトリプチリンの総含有量が、本発明による組成物の総質量に対して10~25質量%、より好ましくは10~20質量%である場合、驚くことに、本発明による組成物のアミトリプチリンのバイオアベイラビリティが著しく向上することが観察された。
実際、高濃度ではアミトリプチリンは再編成され、バイオアベイラビリティを制限する可能性のある凝集物の形成を引き起こす傾向があることが観察されている。
好ましくは、本発明による組成物は、上記の割合のアミトリプチリン及び/又はその薬学的に許容される塩の1つを、疼痛を治療する単独の薬剤として含有する。
本発明による医薬組成物は水性ゲル状である。
Clinical Data Interchange Standards Consortium(CDISC)に従って、薬用ゲルは、溶液又はコロイド分散系に硬さを与えるゲル化剤を含有する半固形剤型である。ゲルは懸濁粒子を含有できる。
本発明に従って、本発明による水性ゲル状組成物は、粘度が400~2500mPa・s(20℃及び大気圧で)である粘性水系組成物を含むと理解される。
好ましくは、本発明による水性ゲル状組成物の粘度は、20℃及び大気圧で、400~2500mPa・s;より好ましくは600~2000mPa・s;及び更により好ましくは800~1500mPa・sである。
例として、本発明による水性ゲル状組成物の粘度は、Brookfield LV粘度計で、63番スピンドルを用いて、回転数50rpm(毎分回転数)、温度20.0±2.0℃、高さ40mm及び直径35mmの30mL容器で測定する。粘度計の校正は、スピンドルを瓶の底から1cmのところまでゲル中に沈めて行う。粘度は測定が安定した時点で読み取る。
本発明による組成物は、例えば水中油型エマルション又は油中水型エマルションなどのエマルション形態ではない。つまり、本発明による組成物は油相を含まない。
有利には、本発明による組成物は脂肪物質を含まない。
本発明に従って、用語「脂肪物質」は、25℃及び大気圧(760mmHg又は1.013.105Pa)で水に不溶性の、即ち、水への溶解度が5%未満、及び好ましくは1%未満、更により好ましくは0.1%未満の有機化合物を示す。脂肪物質の例として、ワックス、炭化水素、9~40個の炭素原子を含む脂肪アルコール、9~40個の炭素原子を含む脂肪酸、9~40個の炭素原子を含む脂肪エステル、好ましくは9~40個の炭素原子を含む脂肪エーテル、シリコーン、及びこれらの混合物が挙げられる。
本発明による組成物は水を含む。
好ましくは、総含水量は、本発明による組成物の総質量に対して65質量%以上、より好ましくは65~90質量%;更により好ましくは70~90質量%、更により好ましくは75~85質量%である。
Clinical Data Interchange Standards Consortium(CDISC)に従って、薬用ゲルは、溶液又はコロイド分散系に硬さを与えるゲル化剤を含有する半固形剤型である。ゲルは懸濁粒子を含有できる。
本発明に従って、本発明による水性ゲル状組成物は、粘度が400~2500mPa・s(20℃及び大気圧で)である粘性水系組成物を含むと理解される。
好ましくは、本発明による水性ゲル状組成物の粘度は、20℃及び大気圧で、400~2500mPa・s;より好ましくは600~2000mPa・s;及び更により好ましくは800~1500mPa・sである。
例として、本発明による水性ゲル状組成物の粘度は、Brookfield LV粘度計で、63番スピンドルを用いて、回転数50rpm(毎分回転数)、温度20.0±2.0℃、高さ40mm及び直径35mmの30mL容器で測定する。粘度計の校正は、スピンドルを瓶の底から1cmのところまでゲル中に沈めて行う。粘度は測定が安定した時点で読み取る。
本発明による組成物は、例えば水中油型エマルション又は油中水型エマルションなどのエマルション形態ではない。つまり、本発明による組成物は油相を含まない。
有利には、本発明による組成物は脂肪物質を含まない。
本発明に従って、用語「脂肪物質」は、25℃及び大気圧(760mmHg又は1.013.105Pa)で水に不溶性の、即ち、水への溶解度が5%未満、及び好ましくは1%未満、更により好ましくは0.1%未満の有機化合物を示す。脂肪物質の例として、ワックス、炭化水素、9~40個の炭素原子を含む脂肪アルコール、9~40個の炭素原子を含む脂肪酸、9~40個の炭素原子を含む脂肪エステル、好ましくは9~40個の炭素原子を含む脂肪エーテル、シリコーン、及びこれらの混合物が挙げられる。
本発明による組成物は水を含む。
好ましくは、総含水量は、本発明による組成物の総質量に対して65質量%以上、より好ましくは65~90質量%;更により好ましくは70~90質量%、更により好ましくは75~85質量%である。
好ましくは、本発明による組成物は、少なくとも1つのセルロースポリマーを含む。
用語「セルロース」ポリマーは、本発明に従って、非置換セルロースに加えて、任意に置換され、それらの鎖構造中にβ-1,4結合で結合したグルコース残基を有する任意の多糖類化合物を示し、セルロース誘導体はアニオン性、カチオン性、両性、又は非イオン性であり得る。
よって、本発明に従って使用できるセルロースポリマーは、微結晶形態を含む非置換セルロース及び置換セルロースから選択できる。
より好ましくは、使用できるセルロースポリマーは、それらの構造にC10-C30脂肪側鎖を含まない。
好ましくは、使用できるセルロースポリマー(複数可)は平均分子量が5000~1,500,000、より好ましくは50,000~800,000、更により好ましくは400,000~800,000である。
本発明に従って使用できるセルロースポリマーのうち、セルロースエーテル、セルロースエステル、及びセルロースエーテルエステルが区別できる。
セルロースエステルには、無機セルロースエステル(硝酸セルロース、硫酸セルロース、又はリン酸セルロース等)、有機セルロースエステル(モノ酢酸セルロース、トリ酢酸セルロース、アミドプロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、又は酢酸トリメリット酸セルロース等)、並びに混合有機/無機セルロースエステル、例えば酢酸酪酸硫酸セルロース及び酢酸プロピオン酸硫酸セルロースがある。セルロースエーテルエステルのうち、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタラート及びエチルセルローススルファートが挙げられる。
非イオン性セルロースエーテルのうち、(C1-C4)アルキルセルロース、例えばメチルセルロース及びエチルセルロース(例えばDOW CHEMICALのEthocel standard100 Premium);(ポリ)ヒドロキシ(C1-C4)アルキルセルロース、例えばヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(例えばAQUALONのNatrosol250 HHR)、並びにヒドロキシプロピルセルロース(例えばAQUALONのKlucel EF);混合セルロースの(ポリ)ヒドロキシ(C1-C4)アルキル-(C1-C4)アルキルセルロース(mixed (poly)hydroxy(C1-C4)alkyl-(C1-C4)alkylcellulose celluloses)、例えばヒドロキシプロピル-メチルセルロース(例えばDOW CHEMICALのMethocel E4M)、ヒドロキシエチル-メチルセルロース、ヒドロキシエチル-エチルセルロース(例えばAKZO NOBELのBermocoll E481FQ)、並びにヒドロキシブチル-メチルセルロースが挙げられる。
アニオン性セルロースエーテルのうち、(ポリ)カルボキシ(C1-C4)アルキルセルロース及びこれらの塩が挙げられる。例として、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルメチルセルロース(例えばAQUALONのBlanose 7M)、及びカルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、並びにこれらのナトリウム塩が挙げられる。
カチオン性セルロースエーテルのうち、カチオン性セルロース誘導体、例えばセルロースコポリマー、及び水溶性の第4級アンモニウムモノマーでグラフトしたセルロース誘導体、並びに特に特許文献3に記載されているもの、例えば(ポリ)ヒドロキシ(C1-C4)アルキルセルロース、例えば特にメタクリロイルエチル-トリメチルアンモニウム、メタクリルアミドプロピル-トリメチルアンモニウム、ジメチル-ジアリルアンモニウム塩でグラフトしたヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、又はヒドロキシプロピルセルロースが挙げられる。この定義に一致する市販品は、より具体的には、「Celquat(登録商標)L200」及び「Celquat(登録商標)H100」という商品名でNational Starchから販売されている製品である。
用語「セルロース」ポリマーは、本発明に従って、非置換セルロースに加えて、任意に置換され、それらの鎖構造中にβ-1,4結合で結合したグルコース残基を有する任意の多糖類化合物を示し、セルロース誘導体はアニオン性、カチオン性、両性、又は非イオン性であり得る。
よって、本発明に従って使用できるセルロースポリマーは、微結晶形態を含む非置換セルロース及び置換セルロースから選択できる。
より好ましくは、使用できるセルロースポリマーは、それらの構造にC10-C30脂肪側鎖を含まない。
好ましくは、使用できるセルロースポリマー(複数可)は平均分子量が5000~1,500,000、より好ましくは50,000~800,000、更により好ましくは400,000~800,000である。
本発明に従って使用できるセルロースポリマーのうち、セルロースエーテル、セルロースエステル、及びセルロースエーテルエステルが区別できる。
セルロースエステルには、無機セルロースエステル(硝酸セルロース、硫酸セルロース、又はリン酸セルロース等)、有機セルロースエステル(モノ酢酸セルロース、トリ酢酸セルロース、アミドプロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、又は酢酸トリメリット酸セルロース等)、並びに混合有機/無機セルロースエステル、例えば酢酸酪酸硫酸セルロース及び酢酸プロピオン酸硫酸セルロースがある。セルロースエーテルエステルのうち、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタラート及びエチルセルローススルファートが挙げられる。
非イオン性セルロースエーテルのうち、(C1-C4)アルキルセルロース、例えばメチルセルロース及びエチルセルロース(例えばDOW CHEMICALのEthocel standard100 Premium);(ポリ)ヒドロキシ(C1-C4)アルキルセルロース、例えばヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(例えばAQUALONのNatrosol250 HHR)、並びにヒドロキシプロピルセルロース(例えばAQUALONのKlucel EF);混合セルロースの(ポリ)ヒドロキシ(C1-C4)アルキル-(C1-C4)アルキルセルロース(mixed (poly)hydroxy(C1-C4)alkyl-(C1-C4)alkylcellulose celluloses)、例えばヒドロキシプロピル-メチルセルロース(例えばDOW CHEMICALのMethocel E4M)、ヒドロキシエチル-メチルセルロース、ヒドロキシエチル-エチルセルロース(例えばAKZO NOBELのBermocoll E481FQ)、並びにヒドロキシブチル-メチルセルロースが挙げられる。
アニオン性セルロースエーテルのうち、(ポリ)カルボキシ(C1-C4)アルキルセルロース及びこれらの塩が挙げられる。例として、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルメチルセルロース(例えばAQUALONのBlanose 7M)、及びカルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、並びにこれらのナトリウム塩が挙げられる。
カチオン性セルロースエーテルのうち、カチオン性セルロース誘導体、例えばセルロースコポリマー、及び水溶性の第4級アンモニウムモノマーでグラフトしたセルロース誘導体、並びに特に特許文献3に記載されているもの、例えば(ポリ)ヒドロキシ(C1-C4)アルキルセルロース、例えば特にメタクリロイルエチル-トリメチルアンモニウム、メタクリルアミドプロピル-トリメチルアンモニウム、ジメチル-ジアリルアンモニウム塩でグラフトしたヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、又はヒドロキシプロピルセルロースが挙げられる。この定義に一致する市販品は、より具体的には、「Celquat(登録商標)L200」及び「Celquat(登録商標)H100」という商品名でNational Starchから販売されている製品である。
好ましくは、セルロースポリマー(複数可)は、それらの構造にC10-C30脂肪側鎖を含まないセルロースポリマーから;より好ましくはセルロースエーテルから;更により好ましくは非イオン性セルロースエーテルから;更により好ましくは(a)(C1-C4)アルキルセルロース、例えばメチルセルロース及びエチルセルロース、(b)(ポリ)ヒドロキシ(C1-C4)アルキルセルロース、例えばヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、及びヒドロキシプロピルセルロース、(c)混合セルロースの(ポリ)ヒドロキシ(C1-C4)アルキル-(C1-C4)アルキルセルロース、例えばヒドロキシプロピル-メチルセルロース、ヒドロキシプロピル-エチルセルロース、ヒドロキシエチル-メチルセルロース、ヒドロキシエチル-エチルセルロース、及びヒドロキシブチル-メチルセルロース、並びに(d)これらの混合物から選択する。
より好ましくは、本発明による組成物は、少なくとも1つの(ポリ)ヒドロキシ(C1-C4)アルキルセルロース、例えばヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、及びヒドロキシプロピルセルロース;より好ましくは、少なくともヒドロキシエチルセルロースを含む。
好ましくは、本発明による組成物が少なくとも1つのセルロースポリマーを含む場合、セルロースポリマー(複数可)の総含有量は、本発明による組成物の総質量に対して0.1~10質量%、より好ましくは0.5~5質量%、更により好ましくは1~2.5質量%である。好ましくは、本発明による組成物が少なくとも1つのセルロースポリマーを含む場合、(ポリ)ヒドロキシ(C1-C4)アルキルセルロース(複数可)の総含有量は、本発明による組成物の総質量に対して0.1~10質量%、より好ましくは0.5~5質量%、更により好ましくは1~2.5質量%である。
好ましくは、本発明による組成物が少なくとも1つのセルロースポリマーを含む場合、ヒドロキシエチルセルロースの総含有量は、本発明による組成物の総質量に対して0.1~10質量%、より好ましくは0.5~5質量%、更により好ましくは1~2.5質量%である。
より好ましくは、本発明による組成物は、少なくとも1つの(ポリ)ヒドロキシ(C1-C4)アルキルセルロース、例えばヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、及びヒドロキシプロピルセルロース;より好ましくは、少なくともヒドロキシエチルセルロースを含む。
好ましくは、本発明による組成物が少なくとも1つのセルロースポリマーを含む場合、セルロースポリマー(複数可)の総含有量は、本発明による組成物の総質量に対して0.1~10質量%、より好ましくは0.5~5質量%、更により好ましくは1~2.5質量%である。好ましくは、本発明による組成物が少なくとも1つのセルロースポリマーを含む場合、(ポリ)ヒドロキシ(C1-C4)アルキルセルロース(複数可)の総含有量は、本発明による組成物の総質量に対して0.1~10質量%、より好ましくは0.5~5質量%、更により好ましくは1~2.5質量%である。
好ましくは、本発明による組成物が少なくとも1つのセルロースポリマーを含む場合、ヒドロキシエチルセルロースの総含有量は、本発明による組成物の総質量に対して0.1~10質量%、より好ましくは0.5~5質量%、更により好ましくは1~2.5質量%である。
好ましくは、本発明による組成物は少なくとも1つのC2-C8ポリオールを含む。
本発明による用語「C2-C8ポリオール」は、任意に1つ又は複数の酸素原子で中断され、且つ異なる炭素原子に担持された少なくとも2個の遊離ヒドロキシル基(-OH)を持つC2-C8炭化水素鎖からなる有機化合物を示し、この化合物は、液体状態で、環境温度(25℃)及び大気圧(即ち1.013.105Pa)で、任意に環式又は非環式、直鎖又は分岐である。
好ましくは、使用できるC2-C8ポリオール(複数可)は非環式で非芳香性である。
使用できるC2-C8ポリオールは、それらの構造中に、2~8個の炭素原子、好ましく2~6個の炭素原子、より好ましくは2~5個の炭素原子を含む。
より具体的には、使用できるポリオール(複数可)は、2~10個のヒドロキシ基、より好ましくは2~5個のヒドロキシ基、より好ましくは2~3個のヒドロキシ基を含む。
好ましくは、使用できる本発明の、又は前記C2-C8ポリオール(複数可)は、C3-C6ポリオール、エチレングリコール、及びこれらの混合物から選択する。
より好ましくは、本発明に従って使用できる本発明の、又は前記C2-C8ポリオール(複数可)は、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブチレングリコール、ペンタン-1,2-ジオール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ペンチレングリコール、グリセロール、エチレングリコール、及びこれらの化合物の混合物から選択し;より好ましくは、組成物は少なくともプロピレングリコールを含む。
好ましくは、本発明による組成物が少なくとも1つのC2-C8ポリオールを含む場合、C2-C8ポリオール(複数可)の総含有量は、本発明による組成物の総質量に対して0.1~15質量%、より好ましくは0.5~10質量%、更により好ましくは1~6質量%、及び更により好ましくは3~6質量%である。
好ましくは、本発明による組成物が少なくとも1つのC2-C8ポリオールを含む場合、プロピレングリコールの総含有量は、本発明による組成物の総質量に対して0.1~15質量%、より好ましくは0.5~10質量%、更により好ましくは1~6質量%、及び更により好ましくは3~6質量%である。
好ましくは、本発明による組成物が、少なくとも1つのセルロースポリマー及び少なくとも1つのC2-C8ポリオールを含む場合、一方のC2-C8ポリオール(複数可)の総含有量の、他方のセルロースポリマー(複数可)の総含有量に対する質量比は、0.01~150、より好ましくは0.1~20、更により好ましくは0.4~6、より好ましくは1~6、又は1.2~6の範囲である。
有利には、本発明による組成物が、少なくとも1つのセルロースポリマー及び少なくとも1つのC2-C8ポリオールを含む場合、セルロースポリマー(複数可)の質量による総含有量はC2-C8ポリオール(複数可)の質量による総含有量よりも真に少ない。
本発明による用語「C2-C8ポリオール」は、任意に1つ又は複数の酸素原子で中断され、且つ異なる炭素原子に担持された少なくとも2個の遊離ヒドロキシル基(-OH)を持つC2-C8炭化水素鎖からなる有機化合物を示し、この化合物は、液体状態で、環境温度(25℃)及び大気圧(即ち1.013.105Pa)で、任意に環式又は非環式、直鎖又は分岐である。
好ましくは、使用できるC2-C8ポリオール(複数可)は非環式で非芳香性である。
使用できるC2-C8ポリオールは、それらの構造中に、2~8個の炭素原子、好ましく2~6個の炭素原子、より好ましくは2~5個の炭素原子を含む。
より具体的には、使用できるポリオール(複数可)は、2~10個のヒドロキシ基、より好ましくは2~5個のヒドロキシ基、より好ましくは2~3個のヒドロキシ基を含む。
好ましくは、使用できる本発明の、又は前記C2-C8ポリオール(複数可)は、C3-C6ポリオール、エチレングリコール、及びこれらの混合物から選択する。
より好ましくは、本発明に従って使用できる本発明の、又は前記C2-C8ポリオール(複数可)は、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブチレングリコール、ペンタン-1,2-ジオール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ペンチレングリコール、グリセロール、エチレングリコール、及びこれらの化合物の混合物から選択し;より好ましくは、組成物は少なくともプロピレングリコールを含む。
好ましくは、本発明による組成物が少なくとも1つのC2-C8ポリオールを含む場合、C2-C8ポリオール(複数可)の総含有量は、本発明による組成物の総質量に対して0.1~15質量%、より好ましくは0.5~10質量%、更により好ましくは1~6質量%、及び更により好ましくは3~6質量%である。
好ましくは、本発明による組成物が少なくとも1つのC2-C8ポリオールを含む場合、プロピレングリコールの総含有量は、本発明による組成物の総質量に対して0.1~15質量%、より好ましくは0.5~10質量%、更により好ましくは1~6質量%、及び更により好ましくは3~6質量%である。
好ましくは、本発明による組成物が、少なくとも1つのセルロースポリマー及び少なくとも1つのC2-C8ポリオールを含む場合、一方のC2-C8ポリオール(複数可)の総含有量の、他方のセルロースポリマー(複数可)の総含有量に対する質量比は、0.01~150、より好ましくは0.1~20、更により好ましくは0.4~6、より好ましくは1~6、又は1.2~6の範囲である。
有利には、本発明による組成物が、少なくとも1つのセルロースポリマー及び少なくとも1つのC2-C8ポリオールを含む場合、セルロースポリマー(複数可)の質量による総含有量はC2-C8ポリオール(複数可)の質量による総含有量よりも真に少ない。
好ましくは、本発明による組成物は界面活性剤を含まない。
本発明の特定の実施形態に従って、組成物は、任意に、少なくとも1つの界面活性剤を更に含むことができる。
本発明に従って使用できる界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性及び/又は双性イオン界面活性剤、非イオン性界面活性剤、並びにこれらの混合物から選択できる。
より好ましくは、本発明に従って使用できる界面活性剤(複数可)は、非イオン性界面活性剤から選択する。
使用できる非イオン性界面活性剤は、アルキルポリグルコシド(APG)、オキシアルキレン化グリセロールエステル、任意にオキシアルキレン化した脂肪酸及びソルビタンエステル、任意に脂肪酸及びグリセロールエステルと関連したポリオキシアルキレン化(特にポリオキシエチレン化及び/又はポリオキシプロピレン化)脂肪酸エステル、例えばICIからArlacel165の商品名で市販されているステアリン酸PEG-100とステアリン酸グリセリルの混合物、オキシアルキレン化糖エステル、並びにこれらの混合物から選択できる。
アルキルポリグルコシドとして、6~30個の炭素原子及び好ましくは8~16個の炭素原子を含むアルキル基を有し、並びに好ましくは1.2~3のグルコシド単位を含むグルコシド基を有するものが挙げられる。アルキルポリグルコシドは、例えば、デシルグルコシド(アルキル-C9/C11-ポリグルコシド(1.4))、例えばKao ChemicalsからMydol 10(登録商標)という商品名で市販されている製品又はCognisからPlantacare 2000UP(登録商標)という商品名で市販されている製品;カプリリル/カプリルグルコシド、例えばCognisからPlantacare KE3711(登録商標)という商品名で市販されている製品;ラウリルグルコシド、例えばCognisからPlantacare 1200UP(登録商標)という商品名で市販されている製品;ココグルコシド、例えばCognisからPlantacare 818UP(登録商標)という商品名で市販されている製品;カプリリルグルコシド、例えばCognisからPlantacare 810UP(登録商標)という商品名で市販されている製品;及びこれらの混合物から選択できる。
オキシアルキレン化グリセロールエステルは、具体的には、グリセリル及び脂肪酸エステルのポリオキシエチレン化誘導体、並びにこれらの水素化誘導体である。これらのオキシアルキレン化グリセロールエステルは、例えば、水素化及びオキシエチレン化したグリセリル及び脂肪酸エステル、例えばGoldschmidtからRewoderm LI-S80という商品名で市販されている水添パーム油脂肪酸PEG-200グリセリル;オキシエチレン化ヤシ油脂肪酸グリセリル、例えばGoldschmidtからTegosoft GCという商品名で市販されているヤシ油脂肪酸PEG-7グリセリル及びGoldschmidtからRewoderm LI-63という商品名で市販されているヤシ油脂肪酸PEG-30グリセリル;オキシエチレン化ステアリン酸グリセリル;並びにこれらの混合物から選択できる。
オキシアルキレン化糖エステルは、具体的には、脂肪酸及び糖エステルのポリエチレングリコールエーテルである。これらのオキシアルキレン化糖エステルは、例えばオキシエチレン化グルコースエステル、例えばAmercholからGlucamate DOE120という商品名で市販されているジオレイン酸PEG-120メチルグルコースから選択できる。
本発明の特定の実施形態に従って、組成物は、任意に、少なくとも1つの界面活性剤を更に含むことができる。
本発明に従って使用できる界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性及び/又は双性イオン界面活性剤、非イオン性界面活性剤、並びにこれらの混合物から選択できる。
より好ましくは、本発明に従って使用できる界面活性剤(複数可)は、非イオン性界面活性剤から選択する。
使用できる非イオン性界面活性剤は、アルキルポリグルコシド(APG)、オキシアルキレン化グリセロールエステル、任意にオキシアルキレン化した脂肪酸及びソルビタンエステル、任意に脂肪酸及びグリセロールエステルと関連したポリオキシアルキレン化(特にポリオキシエチレン化及び/又はポリオキシプロピレン化)脂肪酸エステル、例えばICIからArlacel165の商品名で市販されているステアリン酸PEG-100とステアリン酸グリセリルの混合物、オキシアルキレン化糖エステル、並びにこれらの混合物から選択できる。
アルキルポリグルコシドとして、6~30個の炭素原子及び好ましくは8~16個の炭素原子を含むアルキル基を有し、並びに好ましくは1.2~3のグルコシド単位を含むグルコシド基を有するものが挙げられる。アルキルポリグルコシドは、例えば、デシルグルコシド(アルキル-C9/C11-ポリグルコシド(1.4))、例えばKao ChemicalsからMydol 10(登録商標)という商品名で市販されている製品又はCognisからPlantacare 2000UP(登録商標)という商品名で市販されている製品;カプリリル/カプリルグルコシド、例えばCognisからPlantacare KE3711(登録商標)という商品名で市販されている製品;ラウリルグルコシド、例えばCognisからPlantacare 1200UP(登録商標)という商品名で市販されている製品;ココグルコシド、例えばCognisからPlantacare 818UP(登録商標)という商品名で市販されている製品;カプリリルグルコシド、例えばCognisからPlantacare 810UP(登録商標)という商品名で市販されている製品;及びこれらの混合物から選択できる。
オキシアルキレン化グリセロールエステルは、具体的には、グリセリル及び脂肪酸エステルのポリオキシエチレン化誘導体、並びにこれらの水素化誘導体である。これらのオキシアルキレン化グリセロールエステルは、例えば、水素化及びオキシエチレン化したグリセリル及び脂肪酸エステル、例えばGoldschmidtからRewoderm LI-S80という商品名で市販されている水添パーム油脂肪酸PEG-200グリセリル;オキシエチレン化ヤシ油脂肪酸グリセリル、例えばGoldschmidtからTegosoft GCという商品名で市販されているヤシ油脂肪酸PEG-7グリセリル及びGoldschmidtからRewoderm LI-63という商品名で市販されているヤシ油脂肪酸PEG-30グリセリル;オキシエチレン化ステアリン酸グリセリル;並びにこれらの混合物から選択できる。
オキシアルキレン化糖エステルは、具体的には、脂肪酸及び糖エステルのポリエチレングリコールエーテルである。これらのオキシアルキレン化糖エステルは、例えばオキシエチレン化グルコースエステル、例えばAmercholからGlucamate DOE120という商品名で市販されているジオレイン酸PEG-120メチルグルコースから選択できる。
好ましくは、本発明に従って使用できる非イオン性界面活性剤のアルキレンオキシドのモル数は、2~400;より好ましくは4~250まで変化する。
本発明の代替的な実施形態に従って、組成物は、少なくとも1つの非イオン性界面活性剤;より好ましくは、ポリオキシアルキレン化グリセロールエステルから選択される非イオン性界面活性剤;更により好ましくは、水素化及びポリオキシエチレン化グリセリル及び脂肪酸エステル、例えば水添パーム油脂肪酸PEG-200グリセリル、ポリオキシエチレン化ヤシ油脂肪酸グリセリル、例えばヤシ油脂肪酸PEG-7グリセリル及びヤシ油脂肪酸PEG-30グリセリル、ポリオキシエチレン化ステアリン酸グリセリル、並びにこれらの混合物から選択される少なくとも1つの非イオン性界面活性剤を含む。この代替的な実施形態に従って更により好ましくは、組成物は少なくとも1つのポリオキシエチレン化ヤシ油脂肪酸グリセリルを含む。
好ましくは、本発明による組成物が少なくとも1つの界面活性剤を含む場合、界面活性剤(複数可)の総含有量は、本発明による組成物の総質量に対して0.1~10質量%、より好ましくは0.5~5質量%、更により好ましくは1~4質量%である。
好ましくは、本発明による組成物が少なくとも1つの界面活性剤を含む場合、非イオン性界面活性剤(複数可)の総含有量が、本発明による組成物の総質量に対して0.1~10質量%、より好ましくは0.5~5質量%、更により好ましくは1~4質量%である。
好ましくは、本発明による組成物が少なくとも1つの界面活性剤を含む場合、(ポリ)オキシアルキレン化グリセロールエステル(複数可)の総含有量は、本発明による組成物の総質量に対して0.1~10質量%、より好ましくは0.5~5質量%、更により好ましくは1~4質量%である。
本発明の代替的な実施形態に従って、組成物は、少なくとも1つの非イオン性界面活性剤;より好ましくは、ポリオキシアルキレン化グリセロールエステルから選択される非イオン性界面活性剤;更により好ましくは、水素化及びポリオキシエチレン化グリセリル及び脂肪酸エステル、例えば水添パーム油脂肪酸PEG-200グリセリル、ポリオキシエチレン化ヤシ油脂肪酸グリセリル、例えばヤシ油脂肪酸PEG-7グリセリル及びヤシ油脂肪酸PEG-30グリセリル、ポリオキシエチレン化ステアリン酸グリセリル、並びにこれらの混合物から選択される少なくとも1つの非イオン性界面活性剤を含む。この代替的な実施形態に従って更により好ましくは、組成物は少なくとも1つのポリオキシエチレン化ヤシ油脂肪酸グリセリルを含む。
好ましくは、本発明による組成物が少なくとも1つの界面活性剤を含む場合、界面活性剤(複数可)の総含有量は、本発明による組成物の総質量に対して0.1~10質量%、より好ましくは0.5~5質量%、更により好ましくは1~4質量%である。
好ましくは、本発明による組成物が少なくとも1つの界面活性剤を含む場合、非イオン性界面活性剤(複数可)の総含有量が、本発明による組成物の総質量に対して0.1~10質量%、より好ましくは0.5~5質量%、更により好ましくは1~4質量%である。
好ましくは、本発明による組成物が少なくとも1つの界面活性剤を含む場合、(ポリ)オキシアルキレン化グリセロールエステル(複数可)の総含有量は、本発明による組成物の総質量に対して0.1~10質量%、より好ましくは0.5~5質量%、更により好ましくは1~4質量%である。
好ましくは、本発明による組成物は抗酸化剤を含まない。
本発明の代替的な実施形態に従って、組成物は少なくとも1つの抗酸化剤;より好ましくは、トコフェロール及びこれらのエステル、例えば酢酸トコフェロール、没食子酸プロピル、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、及びこれらの混合物から選択される抗酸化剤を更に含む。
好ましくは、本発明による組成物は金属イオン封鎖剤を含まない。
本発明の代替的な実施形態に従って、組成物は少なくとも1つの金属イオン封鎖剤;より好ましくは(a)エチレンジアミン四酢酸(EDTA)及びこれらの塩、例えばエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩(二ナトリウムEDTA)、(b)ホスホン誘導体及びこれらの塩、例えばヘキサメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン)酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン)酸、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン)酸、ジエチレン-トリアミンペンタ(メチレンホスホン)酸、(c)ポリアミンポリマー、例えばポリアルキレンポリアミン及びこれらの誘導体、特にポリエチレンイミン、(d)キレート作用を有するデンドリマー、(e)タンパク質、例えばスペルミン、スペルミジン、トランスフェリン、フェリチン、(f)カルボン酸、例えばフィチン酸、クエン酸、リンゴ酸、ニトリロ酢酸、フマル酸、酒石酸、コハク酸、シュウ酸、(g)メシル酸デフェロキサミン、及びこれらの混合物から選択される金属イオン封鎖剤を更に含む。
「金属イオン封鎖剤」(「キレート剤」としても知られる)の定義は当業者にはよく知られており、金属イオンとキレートを形成できる化合物又は化合物の混合物を指す。キレートは無機錯体であり、化合物(金属イオン封鎖剤又はキレート剤)は金属イオンに配位しており、即ち、金属イオンと1つ又は複数の結合を形成する(金属イオンを含む環の形成)。
金属イオン封鎖剤(又はキレート剤)は、一般に、金属イオンとの結合を形成できる少なくとも2個の電子供与原子を含む。
本発明の代替的な実施形態に従って、組成物は少なくとも1つの抗酸化剤;より好ましくは、トコフェロール及びこれらのエステル、例えば酢酸トコフェロール、没食子酸プロピル、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、及びこれらの混合物から選択される抗酸化剤を更に含む。
好ましくは、本発明による組成物は金属イオン封鎖剤を含まない。
本発明の代替的な実施形態に従って、組成物は少なくとも1つの金属イオン封鎖剤;より好ましくは(a)エチレンジアミン四酢酸(EDTA)及びこれらの塩、例えばエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩(二ナトリウムEDTA)、(b)ホスホン誘導体及びこれらの塩、例えばヘキサメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン)酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン)酸、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン)酸、ジエチレン-トリアミンペンタ(メチレンホスホン)酸、(c)ポリアミンポリマー、例えばポリアルキレンポリアミン及びこれらの誘導体、特にポリエチレンイミン、(d)キレート作用を有するデンドリマー、(e)タンパク質、例えばスペルミン、スペルミジン、トランスフェリン、フェリチン、(f)カルボン酸、例えばフィチン酸、クエン酸、リンゴ酸、ニトリロ酢酸、フマル酸、酒石酸、コハク酸、シュウ酸、(g)メシル酸デフェロキサミン、及びこれらの混合物から選択される金属イオン封鎖剤を更に含む。
「金属イオン封鎖剤」(「キレート剤」としても知られる)の定義は当業者にはよく知られており、金属イオンとキレートを形成できる化合物又は化合物の混合物を指す。キレートは無機錯体であり、化合物(金属イオン封鎖剤又はキレート剤)は金属イオンに配位しており、即ち、金属イオンと1つ又は複数の結合を形成する(金属イオンを含む環の形成)。
金属イオン封鎖剤(又はキレート剤)は、一般に、金属イオンとの結合を形成できる少なくとも2個の電子供与原子を含む。
本発明の更に代替的な実施形態に従って、組成物は、少なくとも1つの金属イオン封鎖剤及び少なくとも1つの抗酸化剤を含む。
本発明の更に代替的な実施形態に従って、組成物は、脂肪物質、金属イオン封鎖剤、及び/又は抗酸化剤を含まない。
好ましくは、本発明による組成物のpHは、3~8、より好ましくは4~7、及びより好ましくは5~6である。
これらの組成物のpHは、一般に使用するアルカリ化剤及び/又は酸性化剤を用いて所望の値に調整できる。アルカリ化剤のうち、例として、アンモニア、アルカノールアミン、無機又は有機水酸化物が挙げられる。酸性化剤のうち、例として、無機酸又は有機酸、例えば塩酸、オルトリン酸、カルボン酸、例えば酢酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、スルホン酸が挙げられる。
更に本発明による組成物は、医薬品で一般的に使用される添加剤又は賦形剤、例えば1つ又は複数の香料、緩衝剤、色素、抗菌剤、及び/又は抗真菌剤を含有することができる。
抗菌剤として、好ましくはパラベン、及びより好ましくはメチルパラベンを使用する。
これらの添加剤又は賦形剤は、本発明による組成物中に、組成物の総質量に対して0~20%の量で存在し得る。
当業者は、これらの任意選択の添加剤又は賦形剤及びこれらの量を、本発明による組成物の特性を損なわないよう注意して選択できる。
本発明の更に代替的な実施形態に従って、組成物は、脂肪物質、金属イオン封鎖剤、及び/又は抗酸化剤を含まない。
好ましくは、本発明による組成物のpHは、3~8、より好ましくは4~7、及びより好ましくは5~6である。
これらの組成物のpHは、一般に使用するアルカリ化剤及び/又は酸性化剤を用いて所望の値に調整できる。アルカリ化剤のうち、例として、アンモニア、アルカノールアミン、無機又は有機水酸化物が挙げられる。酸性化剤のうち、例として、無機酸又は有機酸、例えば塩酸、オルトリン酸、カルボン酸、例えば酢酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、スルホン酸が挙げられる。
更に本発明による組成物は、医薬品で一般的に使用される添加剤又は賦形剤、例えば1つ又は複数の香料、緩衝剤、色素、抗菌剤、及び/又は抗真菌剤を含有することができる。
抗菌剤として、好ましくはパラベン、及びより好ましくはメチルパラベンを使用する。
これらの添加剤又は賦形剤は、本発明による組成物中に、組成物の総質量に対して0~20%の量で存在し得る。
当業者は、これらの任意選択の添加剤又は賦形剤及びこれらの量を、本発明による組成物の特性を損なわないよう注意して選択できる。
特に好ましくは、本発明による局所投与用の水性ゲル状医薬組成物は以下の組成物CP1であって、
- 組成物の総質量に対して10~30質量%、好ましくは10~25質量%、より好ましくは10~20質量%、更により好ましくは10~15質量%のアミトリプチリン又はその薬学的に許容される塩の1つ
- 組成物の総質量に対して0.1~10質量%、好ましくは0.5~5質量%、より好ましくは1~2.5質量%の上述の少なくとも1つのセルロースポリマー
- 組成物の総質量に対して0.1~15質量%、好ましくは0.5~10質量%、より好ましくは1~6質量%、及び更により好ましくは3~6質量%の上述の少なくとも1つのC2-C8ポリオール
- 任意に、組成物の総質量に対して0.1~10質量%、好ましくは0.5~5質量%、より好ましくは1~4質量%の上述の少なくとも1つの非イオン性界面活性剤
- 任意に、0~3質量%の上述の少なくとも1つの金属イオン封鎖剤及び/又は上述の少なくとも1つの抗酸化剤
- 任意に、0.01~0.5質量%の少なくとも1つの抗菌剤、好ましくはメチルパラベン
- 任意に、pHを3~8、好ましくは4~7、より好ましくは5~6に保持するために、0~1質量%の上述の1つ又は複数のpH調整剤
- 総含有量が組成物の総質量に対して65質量%以上、好ましくは65~90質量%;より好ましくは70~90質量%、更により好ましくは75~85質量%の水
を含む。
この組成物CP1の代替的な実施形態に従って、組成物CP1は、脂肪物質、界面活性剤、金属イオン封鎖剤、及び/又は抗酸化剤を含まない。
- 組成物の総質量に対して10~30質量%、好ましくは10~25質量%、より好ましくは10~20質量%、更により好ましくは10~15質量%のアミトリプチリン又はその薬学的に許容される塩の1つ
- 組成物の総質量に対して0.1~10質量%、好ましくは0.5~5質量%、より好ましくは1~2.5質量%の上述の少なくとも1つのセルロースポリマー
- 組成物の総質量に対して0.1~15質量%、好ましくは0.5~10質量%、より好ましくは1~6質量%、及び更により好ましくは3~6質量%の上述の少なくとも1つのC2-C8ポリオール
- 任意に、組成物の総質量に対して0.1~10質量%、好ましくは0.5~5質量%、より好ましくは1~4質量%の上述の少なくとも1つの非イオン性界面活性剤
- 任意に、0~3質量%の上述の少なくとも1つの金属イオン封鎖剤及び/又は上述の少なくとも1つの抗酸化剤
- 任意に、0.01~0.5質量%の少なくとも1つの抗菌剤、好ましくはメチルパラベン
- 任意に、pHを3~8、好ましくは4~7、より好ましくは5~6に保持するために、0~1質量%の上述の1つ又は複数のpH調整剤
- 総含有量が組成物の総質量に対して65質量%以上、好ましくは65~90質量%;より好ましくは70~90質量%、更により好ましくは75~85質量%の水
を含む。
この組成物CP1の代替的な実施形態に従って、組成物CP1は、脂肪物質、界面活性剤、金属イオン封鎖剤、及び/又は抗酸化剤を含まない。
特に好ましくは、本発明による局所投与用の水性ゲル状医薬組成物は以下の組成物CP2であって、
- 組成物の総質量に対して10~30質量%、好ましくは10~25質量%、より好ましくは10~20質量%、更により好ましくは10~15質量%のアミトリプチリン又はその薬学的に許容される塩の1つ
- 組成物の総質量に対して0.1~10質量%、好ましくは0.5~5質量%、より好ましくは1~2.5質量%の、好ましくは平均分子量が50,000~800,000の上述の少なくとも1つの非イオン性セルロースエーテル
- 組成物の総質量に対して0.1~15質量%、好ましくは0.5~10質量%、更により好ましくは1~6質量%、及びより好ましくは3~6質量%の、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブチレングリコール、ペンタン-1,2-ジオール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ペンチレングリコール、グリセロール、エチレングリコール、及びこれらの化合物の混合物から選択される少なくとも1つのC2-C8ポリオール
- 任意に、組成物の総質量に対して0.1~10質量%、好ましくは0.5~5質量%、より好ましくは1~4質量%の上述の少なくとも1つのオキシアルキレン化グリセロールエステル
- 任意に、0~3質量%の上述の少なくとも1つの金属イオン封鎖剤及び/又は少なくとも1つの抗酸化剤
- 任意に、0.01~0.5質量%の少なくとも1つの抗菌剤、好ましくはメチルパラベン
- 任意に、pHを3~8、好ましくは4~7、より好ましくは5~6に保持するために、0~1質量%の上述の1つ又は複数のpH調整剤
- 総含有量が組成物の総質量に対して65質量%以上、好ましくは65~90質量%;より好ましくは70~90質量%、更により好ましくは75~85質量%の水
を含む。
この組成物CP2の代替的な実施形態に従って、組成物CP2は、脂肪物質、界面活性剤、金属イオン封鎖剤、及び/又は抗酸化剤を含まない。
- 組成物の総質量に対して10~30質量%、好ましくは10~25質量%、より好ましくは10~20質量%、更により好ましくは10~15質量%のアミトリプチリン又はその薬学的に許容される塩の1つ
- 組成物の総質量に対して0.1~10質量%、好ましくは0.5~5質量%、より好ましくは1~2.5質量%の、好ましくは平均分子量が50,000~800,000の上述の少なくとも1つの非イオン性セルロースエーテル
- 組成物の総質量に対して0.1~15質量%、好ましくは0.5~10質量%、更により好ましくは1~6質量%、及びより好ましくは3~6質量%の、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブチレングリコール、ペンタン-1,2-ジオール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ペンチレングリコール、グリセロール、エチレングリコール、及びこれらの化合物の混合物から選択される少なくとも1つのC2-C8ポリオール
- 任意に、組成物の総質量に対して0.1~10質量%、好ましくは0.5~5質量%、より好ましくは1~4質量%の上述の少なくとも1つのオキシアルキレン化グリセロールエステル
- 任意に、0~3質量%の上述の少なくとも1つの金属イオン封鎖剤及び/又は少なくとも1つの抗酸化剤
- 任意に、0.01~0.5質量%の少なくとも1つの抗菌剤、好ましくはメチルパラベン
- 任意に、pHを3~8、好ましくは4~7、より好ましくは5~6に保持するために、0~1質量%の上述の1つ又は複数のpH調整剤
- 総含有量が組成物の総質量に対して65質量%以上、好ましくは65~90質量%;より好ましくは70~90質量%、更により好ましくは75~85質量%の水
を含む。
この組成物CP2の代替的な実施形態に従って、組成物CP2は、脂肪物質、界面活性剤、金属イオン封鎖剤、及び/又は抗酸化剤を含まない。
組成物CP1及びCP2は、SARS-CoV-2誘発性末梢神経障害性疼痛の治療に特に有効である。
本発明は、本発明による上述の組成物の1つ又は複数の局所投与を含む、局所経路、好ましくは皮膚経路による、コロナウイルス、好ましくはSARS-CoV-2によって誘発される神経障害性疼痛、特に末梢神経障害性疼痛の治療方法にも関する。
有利には、医薬組成物は、予防目的(コロナウイルスに感染したものの、まだ神経障害性疼痛を経験していない人)にも治療目的(コロナウイルスに感染し、既に神経障害性疼痛を経験している人)にも同じように良好に投与できる。
以下の実施例で、本発明による組成物及びこれらの組成物の利点を説明する。これらは、決して本発明を限定するものではない。
本発明は、本発明による上述の組成物の1つ又は複数の局所投与を含む、局所経路、好ましくは皮膚経路による、コロナウイルス、好ましくはSARS-CoV-2によって誘発される神経障害性疼痛、特に末梢神経障害性疼痛の治療方法にも関する。
有利には、医薬組成物は、予防目的(コロナウイルスに感染したものの、まだ神経障害性疼痛を経験していない人)にも治療目的(コロナウイルスに感染し、既に神経障害性疼痛を経験している人)にも同じように良好に投与できる。
以下の実施例で、本発明による組成物及びこれらの組成物の利点を説明する。これらは、決して本発明を限定するものではない。
実施例1
水性ゲル状の製剤A(本発明)及びクリーム状の製剤B(対照)に含まれるアミトリプチリンの経皮吸収のex vivo比較試験。
以下の水性ゲル(組成物A)を以下の表に記載する成分から調製した。成分の量は質量%として表す。
水性ゲル状の製剤A(本発明)及びクリーム状の製剤B(対照)に含まれるアミトリプチリンの経皮吸収のex vivo比較試験。
以下の水性ゲル(組成物A)を以下の表に記載する成分から調製した。成分の量は質量%として表す。
組成物B(クリーム)は、組成物Bの総質量に対して10質量%の塩酸アミトリプチリン、及び90質量%のGaldermaから市販されているExcipial Hydrocreme(登録商標)クリームを含む。
組成物A及びBはそれぞれ別々のヒト皮膚試料に塗布した。組成物ごとに、3人の異なるドナーから得た3つの皮膚試料、即ち9つの試料を用いて実験を3回くり返した。
皮膚試料はフランツセルにセットし、表面温度32℃±1℃に加熱する。
スパチュラを使って1セル当たり10mg(皮膚1cm2当たり5mg相当)の組成物A又はBを各皮膚試料の上に均一に塗布する。
皮膚試料は塗布の16時間後に洗い流す。
ピンセットで各皮膚試料をペーパータオル上に置いた(真皮を下向きに)。
接着ストリップを用いて角質層を除去する。
角質層を除去後、試料に穴を空ける。次いで、真皮から表皮を分離し、それぞれを別々のビンに入れる。
続いて、様々な試料の抽出を行った。
この浸透プロファイルは、非特許文献1に記載の試験において臨床有効性を示している。
これらの抽出の結果を以下の表にまとめる。
組成物A及びBはそれぞれ別々のヒト皮膚試料に塗布した。組成物ごとに、3人の異なるドナーから得た3つの皮膚試料、即ち9つの試料を用いて実験を3回くり返した。
皮膚試料はフランツセルにセットし、表面温度32℃±1℃に加熱する。
スパチュラを使って1セル当たり10mg(皮膚1cm2当たり5mg相当)の組成物A又はBを各皮膚試料の上に均一に塗布する。
皮膚試料は塗布の16時間後に洗い流す。
ピンセットで各皮膚試料をペーパータオル上に置いた(真皮を下向きに)。
接着ストリップを用いて角質層を除去する。
角質層を除去後、試料に穴を空ける。次いで、真皮から表皮を分離し、それぞれを別々のビンに入れる。
続いて、様々な試料の抽出を行った。
この浸透プロファイルは、非特許文献1に記載の試験において臨床有効性を示している。
これらの抽出の結果を以下の表にまとめる。
アミトリプチリンの全身移行が投与量の0.1%未満であることも観察された。その結果、アミトリプチリンの全身移行は無視できる。
本発明による水性ゲルAは、対照クリームBで得られたアミトリプチリンの皮膚浸透プロファイルと同様に、アミトリプチリンの十分な皮膚浸透プロファイルを有していることがわかる。
組成物Aと組成物Bで得られるバイオアベイラビリティが同程度であることもわかる。
組成物AがSARS-CoV-2誘発性末梢神経障害性疼痛の治療に特に有効であることも観察された。
本発明による水性ゲルAは、対照クリームBで得られたアミトリプチリンの皮膚浸透プロファイルと同様に、アミトリプチリンの十分な皮膚浸透プロファイルを有していることがわかる。
組成物Aと組成物Bで得られるバイオアベイラビリティが同程度であることもわかる。
組成物AがSARS-CoV-2誘発性末梢神経障害性疼痛の治療に特に有効であることも観察された。
本発明による組成物A’は、十分なアミトリプチリンの皮膚浸透プロファイル及びアミトリプチリンのバイオアベイラビリティを有していることが観察された。
組成物A’がSARS-CoV-2誘発性末梢神経障害性疼痛の治療に特に有効であることも観察された。
組成物A’がSARS-CoV-2誘発性末梢神経障害性疼痛の治療に特に有効であることも観察された。
組成物B(クリーム)は、組成物Bの総質量に対して10質量%の塩酸アミトリプチリン、及び90質量%のGaldermaから市販されているExcipial Hydrocreme(登録商標)クリームを含む。
組成物B及びCをそれぞれ40℃のオーブンに設置した。次いで、組成物の安定性を経時的に目視で評価した(オーブンに入れた時点のT0、オーブンに入れて24時間後のT24、オーブンに入れて3ヵ月後のT3ヵ月)。
これらの抽出の結果を以下の表にまとめる。
組成物B及びCをそれぞれ40℃のオーブンに設置した。次いで、組成物の安定性を経時的に目視で評価した(オーブンに入れた時点のT0、オーブンに入れて24時間後のT24、オーブンに入れて3ヵ月後のT3ヵ月)。
これらの抽出の結果を以下の表にまとめる。
本発明による水性ゲル状組成物Cでは、40℃で3ヵ月後でもシネレシスが観察されなかった。
また、水中油型エマルション形態の対照組成物Bでは、40℃でわずか24時間後に相分離が観察されている。
更に、本発明による組成物Cで、40℃で6ヵ月間の完全な安定性試験を実施した。
結果を以下の表6及び7にまとめる。
また、水中油型エマルション形態の対照組成物Bでは、40℃でわずか24時間後に相分離が観察されている。
更に、本発明による組成物Cで、40℃で6ヵ月間の完全な安定性試験を実施した。
結果を以下の表6及び7にまとめる。
本発明による水性ゲル状組成物Cでは、40℃で6ヵ月後でもシネレシスが観察されなかった。
実施した各試験で大きな変動は観察されなかった。
従って、本発明による水性ゲル状組成物の物理化学的安定性が良好であることがわかる。
本発明による水性ゲル状組成物CがSARS-CoV-2誘発性末梢神経障害性疼痛の治療に特に有効であることも観察された。
実施した各試験で大きな変動は観察されなかった。
従って、本発明による水性ゲル状組成物の物理化学的安定性が良好であることがわかる。
本発明による水性ゲル状組成物CがSARS-CoV-2誘発性末梢神経障害性疼痛の治療に特に有効であることも観察された。
Claims (11)
- コロナウイルス誘発性神経障害性疼痛の局所治療に使用するための、少なくともアミトリプチリン及び/又はその薬学的に許容される塩の1つを含む水性ゲル状の医薬組成物であって、アミトリプチリン及び/又はその薬学的に許容される塩の1つの総含有量が、前記組成物の総質量に対して10~30質量%である、組成物。
- コロナウイルス誘発性末梢神経障害性疼痛の局所治療に使用するための、請求項1に記載の組成物。
- コロナウイルス誘発性神経障害性疼痛の皮膚治療に使用するための、請求項1又は2に記載の組成物。
- 前記神経障害性疼痛が、SARS-CoV-2ウイルスによって誘発されたものであることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
- アミトリプチリン及び/又はその薬学的に許容される塩の1つの総含有量が、前記組成物の総質量に対して10~25質量%、好ましくは10~20質量%、より好ましくは10~15質量%であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記組成物が、少なくとも1つのセルロースポリマー;好ましくはセルロースエーテルから;より好ましくは非イオン性セルロースエーテルから;更により好ましくは(a)(C1-C4)アルキルセルロース、例えばメチルセルロース及びエチルセルロース、(b)(ポリ)ヒドロキシ(C1-C4)アルキルセルロース、例えばヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、及びヒドロキシプロピルセルロース、(c)混合セルロースの(ポリ)ヒドロキシ(C1-C4)アルキル-(C1-C4)アルキルセルロース、例えばヒドロキシプロピル-メチルセルロース、ヒドロキシエチル-メチルセルロース、ヒドロキシプロピル-エチルセルロース、ヒドロキシエチル-エチルセルロース、及びヒドロキシブチル-メチルセルロース、並びに(d)これらの混合物から選択される少なくとも1つのセルロースポリマーを含み;より好ましくは、前記組成物が、少なくとも1つの(ポリ)ヒドロキシ(C1-C4)アルキルセルロース、例えばヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、及びヒドロキシプロピルセルロースを含み;更により好ましくは、前記組成物が、少なくともヒドロキシエチルセルロースを含むことを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記組成物が、少なくとも1つのC2-C8ポリオール;好ましくはC3-C6ポリオール、エチレングリコール、及びこれらの混合物から;より好ましくはプロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブチレングリコール、ペンタン-1,2-ジオール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ペンチレングリコール、グリセロール、エチレングリコール、及びこれらの化合物の混合物から選択される少なくとも1つのC2-C8ポリオールを含み;より好ましくは、前記組成物が、少なくともプロピレングリコールを含むことを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
- 粘度が、20℃及び大気圧で、400~2500mPa・s;好ましくは600~2000mPa・s;及びより好ましくは800~1500mPa・sであることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
- 含水量が、前記組成物の総質量に対して65質量%以上、好ましくは65~90質量%;より好ましくは70~90質量%、更により好ましくは75~85質量%であることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
- 脂肪物質を含まないことを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物。
- (i)前記組成物の総質量に対して10~30質量%、好ましくは10~20質量%、より好ましくは10~15質量%のアミトリプチリン又はその薬学的に許容される塩の1つ;
(ii)前記組成物の総質量に対して0.1~10質量%の少なくとも1つのセルロースポリマー;
(iii)前記組成物の総質量に対して0.1~15質量%の少なくとも1つのC2-C8ポリオール;並びに
(iv)水、好ましくは前記組成物の総質量に対して65~90質量%の範囲の含有量の水
を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物。
Applications Claiming Priority (2)
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