JP2023053538A - 繊維体の製造方法 - Google Patents

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裕生 小口
Hiroo Oguchi
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利昭 山上
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Abstract

【課題】繊維体が千切れる可能性を小さくすることができる繊維体の製造方法を提供する。【解決手段】搬送ベルトを移動させながら、堆積部から前記搬送ベルト上に、第1坪量で繊維を堆積させる第1堆積工程と、前記搬送ベルトを移動させながら、前記堆積部から前記搬送ベルト上に、前記第1坪量よりも大きい第2坪量で繊維を堆積させる第2堆積工程と、前記搬送ベルトを移動させながら、前記搬送ベルト上に基材シートを供給し、前記堆積部から前記基材シート上に、前記第2坪量で繊維を堆積させる第3堆積工程とを含む、繊維体の製造方法。【選択図】図4

Description

本発明は、繊維体の製造方法に関する。
小型化、省エネルギーのために、乾式による繊維体の製造方法が提案されている。
例えば特許文献1には、ガラス繊維を、移動するコンベア上に落下させて堆積させ、この堆積物の一方の面に不織布を重ね、複合物とする複合ガラス繊維マットの製造方法が記載されている。
特開平5-132843号公報
上記のような繊維体の製造方法では、繊維と不織布との合わせ初めの部分において、繊維からなる部分と、繊維および不織布からなる部分と、の境界が生じる。繊維体をローラーで搬送させて製造する場合、上記の境界の前後では、繊維体の強度や延性が異なるために、繊維体が千切れてしまう場合がある。繊維体が千切れると、繊維体の品質が低下したり、千切れに対処するための装置の再起動に時間がかかったりする。
本発明に係る繊維体の製造方法の一態様は、
搬送ベルトを移動させながら、堆積部から前記搬送ベルト上に、第1坪量で繊維を堆積させる第1堆積工程と、
前記搬送ベルトを移動させながら、前記堆積部から前記搬送ベルト上に、前記第1坪量よりも大きい第2坪量で繊維を堆積させる第2堆積工程と、
前記搬送ベルトを移動させながら、前記搬送ベルト上に基材シートを供給し、前記堆積部から前記基材シート上に、前記第2坪量で繊維を堆積させる第3堆積工程と
を含む。
本実施形態に係る繊維体製造装置を模式的に示す図。 本実施形態に係る繊維体製造装置の基材シート供給部を模式的に示す図。 本実施形態に係る繊維体製造装置の基材シート供給部から供給される基材シートを模式的に示す側面図。 本実施形態に係る繊維体の製造方法を説明するためのフローチャート。 本実施形態に係る繊維体の製造工程を模式的に示す図。 本実施形態に係る繊維体の製造工程を模式的に示す図。 本実施形態に係る繊維体の製造工程を模式的に示す図。 本実施形態に係る繊維体の製造工程を模式的に示す図。 本実施形態に係る繊維体の製造工程を模式的に示す図。 本実施形態に係る繊維体の製造方法の変形例に用いられる基材シートを模式的に示す平面図。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1. 繊維体製造装置
1.1. 全体の構成
まず、本実施形態に係る繊維体製造装置について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る繊維体製造装置100を模式的に示す図である。
繊維体製造装置100は、図1に示すように、例えば、原料供給部11と、粗砕部12と、解繊部13と、選別部14と、第1ウェブ形成部15と、細分部16と、混合部17と、堆積部18と、第2ウェブ形成部19と、加熱加圧部20と、切断部21と、排出部22と、回収部27と、制御部28と、基材シート供給部30と、を含む。
原料供給部11、粗砕部12、解繊部13、選別部14、第1ウェブ形成部15、細分部16、混合部17、堆積部18、第2ウェブ形成部19、加熱加圧部20、切断部21、排出部22、回収部27、および基材シート供給部30は、制御部28と電気的に接続されており、制御部28によって作動が制御される。
繊維体製造装置100は、さらに、例えば、加湿部231と、加湿部232と、加湿部233と、加湿部234と、加湿部235と、加湿部236と、を含む。繊維体製造装置100は、さらに、例えば、ブロアー261と、ブロアー262と、ブロアー263と、を含む。加湿部231,232,233,234,235,236およびブロアー261,262,263は、制御部28と電気的に接続されており、制御部28によって制御される。
繊維体製造装置100では、例えば、原料供給工程と、粗砕工程と、解繊工程と、選別工程と、分断工程と、混合工程と、堆積工程と、加熱加圧工程と、切断工程と、排出工程とが、この順に実行される。
原料供給部11は、粗砕部12に原料M1を供給する原料供給工程を行なう部分である。原料M1は、セルロース繊維を含む繊維含有物からなるシート状材料である。なお、セルロース繊維とは、化合物としてのセルロースを主成分とし繊維状をなすものであればよく、セルロースの他に、ヘミセルロース、リグニンを含むものであってもよい。原料M1は、例えば、使用済みまたは不要となった古紙であってもよいし、古紙を解繊して再生、製造されたリサイクルペーパーであってもよいし、合成紙のユポ紙(登録商標)であってもよい。
粗砕部12は、原料供給部11から供給された原料M1を、大気中等の気中で粗砕する粗砕工程を行なう部分である。粗砕部12は、例えば、一対の粗砕刃121と、シュート122と、を有している。
一対の粗砕刃121は、それぞれ、回転軸回りに回転する。一対の粗砕刃121は、互いに反対方向に回転し、一対の粗砕刃121の間で原料M1を粗砕して粗砕片M2にする。粗砕片M2は、例えば、1辺の長さが100mm以下の小片であり、好ましくは10mm以上70mm以下の小片である。
シュート122は、一対の粗砕刃121の下方に設けられている。シュート122は、例えば、漏斗状の形状を有している。シュート122は、粗砕刃121によって粗砕され
て落下してきた粗砕片M2を受ける。
シュート122の上方には、加湿部231が一対の粗砕刃121に隣り合って設けられている。加湿部231は、シュート122内の粗砕片M2を加湿する。加湿部231は、水分を含む図示しないフィルターを有している。加湿部231は、フィルターに空気を通過させることにより、湿度を高めた加湿空気を粗砕片M2に供給する温風気化式の加湿器で構成されている。加湿部231により、粗砕片M2が静電気によってシュート122に付着するのを抑制することができる。
シュート122は、管241を介して、解繊部13に接続されている。シュート122に集められた粗砕片M2は、管241を通過して、解繊部13に搬送される。
解繊部13は、粗砕片M2を、乾式で解繊する解繊工程を行なう部分である。具体的には、解繊部13は、粗砕片M2を、気中で解繊する。解繊部13での解繊処理により、粗砕片M2から解繊物M3が生成される。ここで「解繊する」とは、複数の繊維が結着されてなる粗砕片M2を、繊維1本1本に解きほぐすことをいう。そして、解きほぐされたものが解繊物M3となる。解繊物M3の形状は、線状や帯状である。解繊物M3同士は、絡み合って塊状となった状態、すなわち、いわゆる「ダマ」を形成している状態で存在してもよい。
解繊部13は、例えば、高速回転する回転刃と、回転刃の外周に位置するライナーと、を有するインペラーミルで構成されている。解繊部13に流入してきた粗砕片M2は、回転刃とライナーとの間に挟まれて解繊される。
解繊部13は、回転刃の回転により、粗砕部12から選別部14に向かう気流を発生させる。これにより、粗砕片M2を管241から解繊部13に吸引することができる。さらに、解繊処理後、解繊物M3を、管242を介して選別部14に送り出すことができる。
管242の途中には、ブロアー261が設けられている。ブロアー261は、選別部14に向かう気流を発生させる気流発生装置である。これにより、選別部14への解繊物M3の送り出しが促進される。
選別部14は、解繊物M3を、繊維の長さの大小によって選別する選別工程を行なう部分である。選別部14では、解繊物M3は、第1選別物M4-1と、第1選別物M4-1よりも大きい第2選別物M4-2と、に選別される。第1選別物M4-1の大きさは、シートSの製造に適した大きさである。第1選別物M4-1の平均長さは、例えば、1μm以上30μm以下である。一方、第2選別物M4-2は、例えば、解繊が不十分なものや、解繊された繊維同士が過剰に凝集したもの等が含まれる。
選別部14は、例えば、ドラム部141と、ドラム部141を収納するハウジング部142と、を有している。
ドラム部141は、円筒状をなす網体で構成され、その中心軸回りに回転する篩である。ドラム部141には、解繊物M3が流入する。そして、ドラム部141が回転することにより、網の目開きよりも小さい解繊物M3は、第1選別物M4-1として選別され、網の目開き以上の大きさの解繊物M3は、第2選別物M4-2として選別される。第1選別物M4-1は、ドラム部141から落下する。
一方、第2選別物M4-2は、ドラム部141に接続された管243に送り出される。管243は、管241に接続されている。管243を通過した第2選別物M4-2は、管
241内で粗砕片M2と合流して、粗砕片M2とともに解繊部13に流入する。これにより、第2選別物M4-2は、解繊部13に戻されて、粗砕片M2とともに解繊処理される。
ドラム部141から落下した第1選別物M4-1は、気中に分散しつつ落下して、ドラム部141の下方に位置する第1ウェブ形成部15に向かう。第1ウェブ形成部15は、例えば、搬送ベルト151と、3つの張架ローラー152と、吸引部153と、を有している。
搬送ベルト151には、第1選別物M4-1が堆積される。搬送ベルト151は、無端ベルトである。搬送ベルト151は、例えば、3つの張架ローラー152に掛け回されている。張架ローラー152の回転駆動により、搬送ベルト151上の第1選別物M4-1は、下流に搬送される。
搬送ベルト151は、メッシュベルトである。第1選別物M4-1の大きさは、搬送ベルト151の目開き以上の大きさである。これにより、第1選別物M4-1は、搬送ベルト151の通過が規制され、搬送ベルト151上に堆積される。第1選別物M4-1は、搬送ベルト151上に堆積されつつ、搬送ベルト151ごと下流に搬送される。これにより、層状の第1ウェブM5が形成される。
吸引部153は、搬送ベルト151の下方から空気を吸引するサクション機構である。これにより、搬送ベルト151を通過した塵や埃を空気ごと吸引することができる。塵や埃は、例えば、粗砕や解繊によって生じることがある。吸引部153は、管244を介して、回収部27に接続されている。吸引部153で吸引された塵や埃は、回収部27に回収される。
回収部27には、管245が接続されている。管245の途中には、ブロアー262が設けられている。ブロアー262の作動により、吸引部153で吸引力を生じさせることができる。これにより、搬送ベルト151上における第1ウェブM5の形成が促進される。第1ウェブM5は、塵や埃等が除去されたものとなる。塵や埃は、ブロアー262の作動により、管244を通過して、回収部27まで到達する。
ハウジング部142は、加湿部232と接続されている。加湿部232は、気化式または超音波式の加湿器で構成されている。加湿部232により、ハウジング部142内には、加湿空気が供給される。これにより、第1選別物M4-1を加湿することができ、第1選別物M4-1がハウジング部142の内壁に静電力によって付着することを抑制することができる。
選別部14の下流には、加湿部235が設けられている。加湿部235は、水を噴霧する超音波式加湿器で構成されている。加湿部235により、第1ウェブM5に水分を供給することができ、第1ウェブM5の水分量が調整される。これにより、静電力による第1ウェブM5の搬送ベルト151への吸着を抑制することができる。そのため、第1ウェブM5は、搬送ベルト151が張架ローラー152で折り返される位置で、搬送ベルト151から容易に剥離される。
加湿部235の下流には、細分部16が設けられている。細分部16は、搬送ベルト151から剥離した第1ウェブM5を分断する分断工程を行なう部分である。細分部16は、例えば、回転可能に支持されたプロペラ161と、プロペラ161を収納するハウジング部162と、を有している。プロペラ161は、回転して第1ウェブM5を分断する。分断された第1ウェブM5は、細分体M6となる。細分体M6は、ハウジング部162内
を下降する。
ハウジング部162は、加湿部233と接続されている。加湿部233は、気化式または超音波式の加湿器で構成されている。加湿部233により、ハウジング部162内には、加湿空気が供給される。これにより、細分体M6がプロペラ161やハウジング部162の内壁に静電力によって付着することを抑制することができる。
細分部16の下流には、混合部17が設けられている。混合部17は、細分体M6と樹脂P1とを混合する混合工程を行なう部分である。混合部17は、例えば、樹脂供給部171と、管172と、ブロアー173と、を有している。
管172は、細分部16のハウジング部162と、堆積部18のハウジング部182とを接続している。管172は、細分体M6と樹脂P1との混合物M7が通過する流路である。
管172の途中には、樹脂供給部171が接続されている。樹脂供給部171は、スクリューフィーダー174を有している。スクリューフィーダー174は、回転駆動して、樹脂P1を粉体または粒子として管172に供給することができる。管172に供給された樹脂P1は、細分体M6と混合されて混合物M7となる。
樹脂P1は、後の工程で繊維同士を結着させる。樹脂P1としては、例えば、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂等を用いることができるが、熱可塑性樹脂を用いるのが好ましい。熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリロニトリルスチレン(AS)樹脂、アクリルニトリルブタジエンスチレン(ABS)樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6-12、ナイロン6-66等のポリアミド(ナイロン)、ポリフェニレンエーテル、ポリアセタール、ポリエーテル、ポリフェニレンオキシド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルイミド、芳香族ポリエステル等の液晶ポリマー、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー等が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。好ましくは、熱可塑性樹脂としては、ポリエステルまたはポリエステルを含むものを用いる。
樹脂供給部171から供給されるものとしては、樹脂P1の他に、例えば、繊維を着色するための着色剤、繊維の凝集や樹脂P1の凝集を抑制するための凝集抑制剤、繊維等を燃え難くするための難燃剤、シートSの紙力を増強するための紙力増強剤等が含まれていてもよい。または、予めそれらを樹脂P1に含ませて複合化したものを樹脂供給部171から供給してもよい。
管172の途中には、樹脂供給部171よりも下流にブロアー173が設けられている。ブロアー173が有する羽根等の回転部の作用により、細分体M6と樹脂P1とが混合される。ブロアー173は、堆積部18に向かう気流を発生させる。発生された気流により、管172内で、細分体M6と樹脂P1とが撹拌される。これにより、混合物M7は、細分体M6と樹脂P1とが均一に分散した状態で、堆積部18に流入することができる。混合物M7中の細分体M6は、管172内を通過する過程でほぐされて、より細かい繊維
状となる。
堆積部18は、混合物M7における、互いに絡み合った繊維同士をほぐし、ほぐした繊維を第2ウェブ形成部19に堆積させる堆積工程を行なう部分である。堆積部18は、例えば、ドラム部181と、ドラム部181を収納するハウジング部182と、を有している。
ドラム部181は、円筒状をなす網体で構成され、その中心軸回りに回転する篩である。ドラム部181には、混合物M7が流入する。ドラム部181が回転することにより、混合物M7のうち、網の目開きよりも小さい繊維等が、ドラム部181を通過することができる。その際、混合物M7がほぐされる。
ハウジング部182は、加湿部234と接続されている。加湿部234は、気化式または超音波式の加湿器で構成されている。加湿部234により、ハウジング部182内には、加湿空気が供給される。これにより、ハウジング部182内を加湿することができ、混合物M7がハウジング部182の内壁に静電力によって付着することを抑制することができる。
ドラム部181でほぐされた混合物M7は、気中に分散しつつ落下して、ドラム部181の下方に位置する第2ウェブ形成部19に向かう。第2ウェブ形成部19は、例えば、搬送ベルト191と、張架ローラー192と、吸引部193と、を有している。
搬送ベルト191には、混合物M7が堆積される。搬送ベルト191は、無端ベルトである。搬送ベルト191は、例えば、4つの張架ローラー192に掛け回されている。張架ローラー192の回転駆動により、搬送ベルト191上の混合物M7は、下流に搬送される。
搬送ベルト191は、メッシュベルトである。搬送ベルト191上のほとんどの混合物M7は、搬送ベルト191の目開き以上の大きさである。これにより、混合物M7は、搬送ベルト191の通過が規制され、搬送ベルト191上に堆積される。混合物M7は、搬送ベルト191上に堆積されつつ、搬送ベルト191ごと下流に搬送される。これにより、層状の第2ウェブM8が形成される。
吸引部193は、搬送ベルト191の下方から空気を吸引するサクション機構である。これにより、搬送ベルト191上に混合物M7を吸引することができ、混合物M7の搬送ベルト191上への堆積が促進される。
吸引部193には、管246が接続されている。管246の途中には、ブロアー263が設けられている。ブロアー263の作動により、吸引部193で吸引力を生じさせることができる。ブロアー263は、制御部28と電気的に接続されており、その作動が制御される。
なお、上記では、搬送ベルト191がメッシュベルトである例について説明したが、搬送ベルト191は、例えば、孔が設けられていないベルトであってもよい。
基材シート供給部30は、搬送ベルト191上に基材シートBを供給する。これにより、混合物M7は、基材シートB上に堆積され、基材シートB上に第2ウェブM8を形成することができる。基材シート供給部30については、後述する。
堆積部18の下流には、加湿部236が設けられている。加湿部236は、加湿部23
5と同様の超音波式加湿器で構成されている。加湿部236により、第2ウェブM8に水分を供給することができ、第2ウェブM8の水分量が調整される。これにより、静電力による第2ウェブM8の搬送ベルト191への吸着を抑制することができる。そのため、第2ウェブM8は、搬送ベルト191が張架ローラー192で折り返される位置で、搬送ベルト191から容易に剥離される。
なお、加湿部231から加湿部236までに繊維体に加えられる合計水分量は、例えば、加湿前の材料100質量部に対して0.5質量部以上20質量部以下である。
第2ウェブ形成部19の下流には、加熱加圧部20が設けられている。加熱加圧部20は、第2ウェブM8からシートSを形成する加熱加圧工程を行なう部分である。加熱加圧部20は、例えば、加圧部201と、加熱部202と、を有している。
加圧部201は、一対のカレンダーローラー203を有している。加圧部201は、一対のカレンダーローラー203の間で第2ウェブM8を加熱せずに加圧する。これにより、第2ウェブM8の密度が高められる。なお、加圧部201による加圧の程度としては、例えば、樹脂P1を溶融させない程度である。第2ウェブM8は、加熱部202に向けて搬送される。なお、一対のカレンダーローラー203のうちの一方は、図示しないモーターの作動により駆動する主動ローラーであり、他方は、従動ローラーである。
加熱部202は、一対の加熱ローラー204を有している。加熱部202は、一対の加熱ローラー204の間で第2ウェブM8を加熱しつつ、加圧する。加熱部202の加熱加圧により、第2ウェブM8内では、樹脂P1が溶融し、溶融した樹脂P1を介して繊維同士が結着する。これにより、シートSが形成される。シートSは、繊維体である。シートSは、切断部21に向けて搬送される。なお、一対の加熱ローラー204の一方は、図示しないモーターの作動により駆動する主動ローラーであり、他方は、従動ローラーである。
加熱加圧部20の下流には、切断部21が設けられている。切断部21は、シートSを切断する切断工程を行なう部分である。切断部21は、例えば、第1切断部211と、第2切断部212と、を有している。
第1切断部211は、シートSの搬送方向と直交する方向にシートSを切断する。第2切断部212は、第1切断部211の下流で、シートSの搬送方向に平行な方向にシートSを切断する。
制御部28は、CPU(Central Processing Unit)281と、記憶部282と、を有している。CPU281は、例えば、各種の判断や各種の命令等を行なうことができる。記憶部282は、例えば、シートSを製造するプログラム等の各種プログラム等が記憶されている。
制御部28は、繊維体製造装置100に内蔵されていてもよいし、外部のコンピューター等の外部機器に設けられていてもよい。制御部28が外部機器に設けられている場合、外部機器と繊維体製造装置100との接続は、有線であってもよく、無線であってもよく、インターネット等のようなネットワークを介して接続されていてもよい。
CPU281と、記憶部282とは、例えば、一体化されて、1つのユニットとして構成されていてもよいし、CPU281が繊維体製造装置100に内蔵され、記憶部282が外部のコンピューター等の外部機器に設けられていてもよいし、記憶部282が繊維体製造装置100に内蔵され、CPU281が外部のコンピューター等の外部機器に設けら
れていてもよい。
1.2. 基材シート供給部
図2は、基材シート供給部30を模式的に示す図である。図3は、基材シート供給部30から供給される基材シートBを模式的に示す側面図である。
基材シート供給部30は、図2に示すように、例えば、筐体301と、筐体301内に設けられ、基材シートBの原反が装填される装填部302と、を有している。なお、便宜上、図1では、基材シート供給部30を簡略化して図示している。
筐体301には、基材シートBを搬送ベルト191上に供給する供給口304が設けられている。筐体301には、図示しない開閉口が設けられており、該開閉口を介して基材シートBの原反を装填したり離脱させたりすることができる。基材シート供給部30は、図示せぬ被設置部に対して、着脱可能に構成されている。
装填部302は、例えば、ロール状に巻回された基材シートBの原反の中心部を挿通する棒状部材で構成されている。装填部302は、例えば、図示しないモーターの駆動により回転して基材シートBを巻き出すことができる。
基材シートBは、図3に示すように、例えば、基材層200と、基材層200の一方の面に設けられた機能材300と、を有している。機能材300の一方の面には、第2ウェブM8が形成される。機能材300は、基材層200と第2ウェブM8との間に設けられている。
基材層200は、例えば、不織布である。基材層200を構成する不織布は、堆積部18から放出される繊維と、同じ分子構造を有する繊維で構成されていることが好ましい。基材シートBに含まれる繊維としては、例えば、セルロース繊維、レーヨン、綿、リンター、カボック、亜麻、大麻、ラミー等が挙げられる。繊維としては、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。基材層200に含まれる繊維としては、セルロース繊維を用いることが好ましい。セルロース繊維は、入手が容易で、成形性に優れる。セルロース繊維としては、木質系パルプに由来するものが好ましい。木質系パルプとしては、バージンパルプ、クラフトパルプ、晒ケミサーモメカニカルパルプ、合成パルプ、古紙や再生紙に由来するパルプ等が挙げられる。木質系パルプとしては、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
基材層200は、通気性を有している。「通気性」とは、複数の気孔を通して空気が通過する性質のことをいう。基材層200は、ガーレー試験機法において、透気度を表すガーレー秒数が、30秒未満であることが好ましく、15秒未満であることがより好ましい。これにより、吸引部193が吸引した際、基材シートBを介して混合物M7を良好に吸引することができる。その結果、基材シートB上に良好な第2ウェブM8を形成することができる。
基材層200の厚さは、特に限定されないが、例えば、50μm以上200μm以下であり、好ましくは90μm以上150μm以下である。
機能材300としては、例えば、磁性体を用いる。これにより、シートSを、セキュリティーペーパーとして用いることができる。セキュリティーペーパーとは、励磁コイルと検知コイルとを備える検知システムによって検出可能な紙である。励磁コイルに交番電流を流して数kHzの交番磁界を発生させ、発生された交番磁界中にシートSを置くと、磁化反転時に、シートSの存在を検知することができる。そのため、人や車両が通行可能な
ゲートに励磁コイルと検知コイルとを配置することにより、ゲートを通過するシートSを検知することができる。したがって、シートSの持ち出しを検知することができる。例えば、シートSに機密情報等が印刷されている場合に、機密情報の漏洩を防止することができる。
機能材300は、大バルクハウゼン効果を有することが好ましい。具体的には、機能材300の材質は、FeCr系、FeCo系、FeNi系、FeSiB系、FeCoCrSiB系合金である。これらの材料は、後加工によってひずみを加えなくても大バルクハウゼン効果を発現するので、好適に用いられる。
なお、後加工によってひずみを加えることにより大バルクハウゼン効果を与えてもよい。また、機能材300は、アモルファスリボンが切断されたワイヤーであってもよいし、同金属を溶融状態からガラスと一緒に引いて冷却されたガラス被覆ワイヤーであってもよい。
機能材300の形状は、ワイヤー状やリボン状など、縦長の線状であることが好ましい。断面積に対して所定の長さがあることよって、大バルクハウゼン効果を発現し易くすることができる。
なお、機能材300は、磁性体でなくてもよい。機能材300は、金属検知機で検知される金属線であってもよいし、REID(Radio Frequency Identification)リーダーで検知されるRF(Radio Frequency)タグでもよいし、IC(Integrated Circuit)チップでもよい。
2. 繊維体の製造方法
2.1. 全体の流れ
次に、本実施形態に係る繊維体の製造方法について、図面を参照しながら説明する。
本実施形態に係る繊維体の製造方法は、例えば、繊維体製造装置100を用いて行われる。本実施形態に係る繊維体の製造方法は、上述の「1. 繊維体製造装置」で説明したように、例えば、原料供給工程と、粗砕工程と、解繊工程と、選別工程と、分断工程と、混合工程と、堆積工程と、加熱加圧工程と、切断工程と、排出工程と、を含む。
ここで、図4は、堆積工程を説明するためのフローチャートである。図5~図9は、堆積工程を模式的に示す図である。なお、図5~図9では、互い直交する3軸として、X軸、Y軸、およびZ軸を図示している。X軸およびY軸は、例えば、水平方向である。Z軸は、例えば、鉛直方向である。また、便宜上、図5~図9では、堆積部18および第2ウェブ形成部19を簡略化して図示している。また、図6~図9では、基材シート供給部30を簡略化して図示している。
堆積工程は、図4に示すように、第1堆積工程(ステップS1)と、第2堆積工程(ステップS2)と、第3堆積工程(ステップS3)と、第4堆積工程(ステップS4)と、を含む。第1~第4堆積工程は、例えば、制御部28に制御されて行われる。図示せぬ操作部から信号が入力されると、制御部28は、第1堆積工程のため処理を開始する。操作部は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネルなどで構成される。以下、各工程について説明する。
2.2. 第1堆積工程(ステップS1)
第1堆積工程では、制御部28は、図5に示すように、搬送ベルト191を移動させながら、堆積部18から搬送ベルト191上に、第1坪量で繊維を堆積させる。これにより
、搬送ベルト191上に、第1坪量の第2ウェブM8が形成される。第1坪量の第2ウェブM8は、厚さT1を有している。図示の例では、第2ウェブM8は、+X軸方向に搬送される。繊維は、堆積部18から-Z軸方向に向けて放出される。
第1坪量は、例えば、40g/m以上150g/m以下であり、好ましくは50g/m以上120g/m以下であり、より好ましくは64g/m以上100g/m以下である。第1坪量は、堆積部18よりも下流の坪量である。「下流」とは、シートSを構成する繊維の経路において、排出部22に近い側をいう。
具体的には、制御部28は、張架ローラー192および堆積部18を制御し、搬送ベルト191を第1速度で移動させながら、堆積部18から搬送ベルト191上に、第1坪量で繊維を堆積させる。
制御部28は、張架ローラー192bおよびカレンダーローラー203を制御し、カレンダーローラー203による搬送速度を、張架ローラー192aによる搬送速度よりも大きくする。これにより、第2ウェブM8が弛むことを抑制することができる。「搬送速度」とは、第2ウェブM8の移動速度である。張架ローラー192aは、複数の張架ローラー192のうち最もカレンダーローラー203に近い張架ローラー192である。張架ローラー192aおよびカレンダーローラー203は、基材シートBを移動させるローラーである。カレンダーローラー203は、張架ローラー192aよりも下流に位置している。図示の例では、張架ローラー192bの大きさおよび形状と、カレンダーローラー203の大きさおよび形状とは、同じである。制御部28は、カレンダーローラー203の回転速度を、張架ローラー192bの回転速度よりも大きくする。
図示の例では、基材シート供給部30は、被設置部306に設置されていない。基材シート供給部30は、被設置部306から取り外されている。なお、図5では、被設置部306を破線で示している。
図6に示すように、基材シート供給部30を被設置部306に設置する。次に、張架ローラー310を介して、基材シートBの先端Baを張架ローラー192bまで持っていく。張架ローラー192bは、複数の張架ローラー192のうち最も張架ローラー310に近い張架ローラー192である。「先端Ba」とは、基材シートBの移動方向の端である。図示の例では、先端Baは、基材シートBの+X軸方向の端である。
張架ローラー192bには、センサー312が設けられている。センサー312は、基材シートBの先端Baを検知する。具体的には、センサー312は、張架ローラー192bの近傍に基材シートBの先端Baが存在しているか否かを検知する。センサー312の検知方法としては、例えば、反射型または透過型の光学式、重量を検出する感圧式、静電容量式、磁気式、通電式などの方式が挙げられる。センサー312は、制御部28と電気的に接続されている。なお、便宜上、図1では、張架ローラー310およびセンサー312の図示を省略している。
基材シートBの先端Baが検知された場合、制御部28は、第2堆積工程を行う。具体的には、基材シートBの先端Baがセンサー312によって検知され、センサー312からの信号が制御部28に入力されると、制御部28は、基材シート合流処理を開始して、第2堆積工程を開始する。
2.3. 第2堆積工程(ステップS2)
第2堆積工程では、制御部28は、図7に示すように、搬送ベルト191を移動させながら、堆積部18から搬送ベルト191上に、第1坪量よりも大きい第2坪量で繊維を堆
積させる。これにより、搬送ベルト191上に、第2坪量の第2ウェブM8が形成される。第2坪量の第2ウェブM8は、厚さT2を有している。厚さT2は、厚さT1よりも大きい。
第2坪量は、例えば、150g/m以上400g/m以下であり、好ましくは180g/m以上350g/m以下であり、より好ましくは200g/m以上300g/m以下である。第2坪量は、堆積部18よりも下流の坪量である。
具体的には、制御部28は、基材シート合流処理を開始して、張架ローラー192および堆積部18を制御し、搬送ベルト191を第2速度で移動させながら、搬送ベルト191上に第2坪量の繊維を堆積させる。第2速度は、第1速度よりも小さい速度である。制御部28は、第1堆積工程および第2堆積工程において、堆積部18から搬送ベルト191に向けて放出させる単位時間当たりの繊維の量を一定とし、かつ、第2堆積工程において、搬送ベルト191の移動速度を第1速度から第2速度に変化させることにより、第1坪量よりも大きい第2坪量の第2ウェブM8を形成させる。
なお、制御部28は、センサー312からの信号ではなく、ユーザーの操作によって図示せぬ操作部から信号が入力された場合に、基材シート合流処理を開始してもよい。
制御部28は、第2堆積工程が開始されて所定時間経過後に、搬送ベルト191上に基材シートBを供給し、第3堆積工程を開始する。
2.4. 第3堆積工程(ステップS3)
第3堆積工程では、制御部28は、図8に示すように、搬送ベルト191を移動させながら、搬送ベルト191上に基材シートBを供給し、堆積部18から基材シートB上に、第2坪量で繊維を堆積させる。これにより、基材シートB上に、第2坪量の第2ウェブM8が形成される。
具体的には、制御部28は、張架ローラー192,310および堆積部18を制御して、搬送ベルト191および基材シートBを第2速度で移動させながら、搬送ベルト191上に基材シートBを供給し、堆積部18から基材シートB上に、第2坪量で繊維を堆積させる。
制御部28は、張架ローラー192bおよびカレンダーローラー203を制御し、第3堆積工程におけるカレンダーローラー203による搬送速度と張架ローラー192bによる搬送速度との差を、第1堆積工程におけるカレンダーローラー203による搬送速度と張架ローラー192bによる搬送速度との差よりも小さくする。図示の例では、制御部28は、第3堆積工程におけるカレンダーローラー203の回転速度と張架ローラー192bの回転速度との差を、第1堆積工程におけるカレンダーローラー203の回転速度と張架ローラー192bの回転速度との差よりも小さくする。
制御部28は、例えば、図1に示すブロアー263を制御し、第3堆積工程における吸引部193の吸引力を、第1堆積工程における吸引部193の吸引力よりも強める。これにより、搬送ベルト191上に基材シートBが供給された状態であっても、繊維の搬送ベルト191上への堆積を促進させることができる。
制御部28は、第3堆積工程を開始してから所定時間経過した後、第4堆積工程を開始する。
ここで、上記の「所定時間」とは、基材シートBの先端Baが堆積部18の直下を通過
するまでの時間より長い時間である。好ましくは、「所定時間」とは、第2坪量の第2ウェブM8の長さが、堆積部18よりも下流において隣り合うローラー間のうち、間隔が最も長いローラー間よりも長くなるような時間である。換言すると、第3堆積工程では、第2坪量の第2ウェブM8の長さが、堆積部18よりも下流において隣り合うローラー間のうち、間隔が最も長いローラー間よりも長くなるように繊維を堆積させる。
図1に示す例では、堆積部18よりも下流には、張架ローラー192b、カレンダーローラー203、および加熱ローラー204の3つのローラーが設けられている。カレンダーローラー203と加熱ローラー204との間隔D1は、張架ローラー192bとカレンダーローラー203との間隔D2よりも長い。したがって、3つのローラーのうち隣り合うカレンダーローラー203および加熱ローラー204は、3つのローラーのうちの隣り合うローラーにおいて、最も間隔が大きい。第3堆積工程では、第2坪量の第2ウェブM8の長さが、カレンダーローラー203と加熱ローラー204との間隔D1よりも大きくなるように、繊維を堆積させる。「第2ウェブM8の長さ」とは、第2ウェブM8の搬送方向の大きさである。
なお、上記では、第3堆積工程を開始してから所定時間経過した後、第4堆積工程が開始される例について説明したが、制御部28は、図示はしないセンサーから信号が入力された場合に、第4堆積工程を開始してもよい。
2.5. 第4堆積工程(ステップS4)
第4堆積工程では、制御部28は、図9に示すように、搬送ベルト191を移動させながら、堆積部18から基材シートB上に、第2坪量よりも小さい第3坪量で繊維を堆積させる。これにより、搬送ベルト191上に、第3坪量の第2ウェブM8が形成される。第3坪量は、例えば、第1坪量と同じである。第3坪量は、堆積部18よりも下流の坪量である。
具体的には、制御部28は、張架ローラー192および堆積部18を制御して、搬送ベルト191を第1速度で移動させながら、堆積部18から基材シートB上に、第1坪量で繊維を堆積させる。制御部28は、第3堆積工程および第4堆積工程において、堆積部18から搬送ベルト191に向けて放出させる単位時間当たりの繊維の量を一定とし、かつ、第4堆積工程において、搬送ベルト191の移動速度を第2速度から第1速度に変化させることにより、第2坪量よりも小さい第1坪量の第2ウェブM8を形成させる。
制御部28は、例えば、ブロアー263を制御し、第4堆積工程における吸引部193の吸引力を、第1堆積工程における吸引部193の吸引力と同じにする。これにより、吸引力が強すぎて搬送ベルト191上の繊維が乱れることを抑制することができる。
制御部28は、第4堆積工程が終了した後、基材シート合流処理を終了する。
2.6. 作用効果
本実施形態に係る繊維体の製造方法では、第1堆積工程と、第2堆積工程と、第3堆積工程と、を含む。第1堆積工程では、搬送ベルト191を移動させながら、堆積部18から搬送ベルト191上に、第1坪量で繊維を堆積させる。第2堆積工程では、搬送ベルト191を移動させながら、堆積部18から搬送ベルト191上に、第1坪量よりも大きい第2坪量で繊維を堆積させる。第3堆積工程では、搬送ベルト191を移動させながら、搬送ベルト191上に基材シートBを供給し、堆積部18から基材シートB上に、第2坪量で繊維を堆積させる。
そのため、本実施形態に係る繊維体の製造方法では、第2堆積工程および第3堆積工程
において第1坪量のまま繊維を堆積させる場合に比べて、基材シートBの先端Baの前後で、第2ウェブM8の厚さを大きくすることができる。これにより、第2ウェブM8が千切れる可能性を小さくすることができる。その結果、安定して繊維と基材シートBとを合流させることができ、シートSの品質の低下を抑制することができる。
本実施形態に係る繊維体の製造方法では、搬送ベルト191を移動させながら、堆積部18から基材シートB上に、第2坪量よりも小さい第3坪量で繊維を堆積させる第4堆積工程を含む。そのため、第2坪量のまま繊維を堆積させる場合に比べて、シートSの使い勝手を向上させることができる。
本実施形態に係る繊維体の製造方法では、第1堆積工程では、搬送ベルト191を第1速度で移動させ、第2堆積工程および第3堆積工程では、搬送ベルト191を第1速度よりも小さい第2速度で移動させる。そのため、堆積部18から放出される繊維の単位時間当たりの量を変更させることなく、第2坪量を第1坪量よりも大きくすることができる。例えば堆積部から放出される繊維の単位時間当たりの量を変更させて、第2坪量を第1坪量よりも大きくする場合には、大量の原料を繊維体製造装置に投入する必要があり、装置が大型になってしまう。
本実施形態に係る繊維体の製造方法では、第3堆積工程では、基材シートBを第2速度で移動させて搬送ベルト191上に供給する。そのため、基材シートBを第2速度とは異なる速度で移動させる場合に比べて、スムーズに基材シートBを搬送ベルト191上に供給することができる。
本実施形態に係る繊維体の製造方法では、第1ローラーとしての張架ローラー192aおよび第2ローラーとしてのカレンダーローラー203は、基材シートBを移動させるローラーであり、カレンダーローラー203は、張架ローラー192aよりも下流に位置している。第1堆積工程では、カレンダーローラー203による搬送速度を、張架ローラー192aによる搬送速度よりも大きくし、第3堆積工程におけるカレンダーローラー203による搬送速度と張架ローラー192aによる搬送速度との差を、第1堆積工程におけるカレンダーローラー203による搬送速度と張架ローラー192aによる搬送速度との差よりも小さくする。そのため、第1体制工程および第3堆積工程においてカレンダーローラーによる搬送速度と張架ローラーによる搬送速度との差が同じ場合に比べて、第2ウェブM8に穴が発生する可能性を小さくすることができる。
ここで、不織布を含む基材シートBは、第2ウェブM8に比べて、基材シートBの搬送方向に伸び易い。そのため、第3堆積工程においてカレンダーローラーによる搬送速度と張架ローラーによる搬送速度との差が大きいと、基材シートBが伸びて、第2ウェブM8が伸びないため、第2ウェブM8が欠けて穴が生じる場合がある。本実施形態に係る繊維体の製造方法では、このような問題を回避することができる。第3堆積工程におけるカレンダーローラー203による搬送速度と張架ローラー192aによる搬送速度との差は、ゼロであってもよい。
本実施形態に係る繊維体の製造方法では、基材シートBの先端Baが検知された場合に、第2堆積工程を開始し、第3堆積工程では、第2堆積工程が開始されて所定時間経過後に、搬送ベルト191上に基材シートBを供給する。そのため、より確実に、基材シートBの先端Baにおいて、第2ウェブM8の厚さを大きくすることができる。その結果、より確実に、繊維体が千切れる可能性を小さくすることができる。
本実施形態に係る繊維体の製造方法では、基材シートBは、不織布を含む。本実施形態に係る繊維体の製造方法では、上記のように、第1堆積工程、第2堆積工程、および第3
堆積工程を含むため、基材シートBが不織布を含んでも、第2ウェブM8が千切れる可能性を小さくすることができる。
3. 変形例
次に、本実施形態の製造方法の変形例に用いられる基材シートBについて、図面を参照しながら説明する。図10は、本実施形態の製造方法の変形例に用いられる基材シートBを模式的に示す平面図である。図10では、基材シートBの搬送方向を矢印で示している。
本実施形態の製造方法の変形例に用いられる基材シートBでは、図10に示すように、面積変化部Bbを有する点において、上述した本実施形態の製造方法に用いられる基材シートBと異なる。
基材シートBの面積変化部Bbでは、基材シートBの先端Baから、基材シートBの搬送方向と反対方向に向かうにつれて、面積が大きくなる。基材シートBの先端Baは、鋸の刃のような形状を有し、該形状によって面積変化部Bbが構成されている。
本実施形態の製造方法の変形例に用いられる基材シートBは、基材シートBの先端Baから、基材シートBの搬送方向と反対方向に向かうにつれて、面積が大きくなる面積変化部Bbを有する。そのため、例えば一対のカレンダーローラー203を基材シートBの先端Baが通過する際に、一対のカレンダーローラー203に挟まれることによって基材シートBが伸びる量を、面積変化部Bbにおいて徐々に変化させることができる。
上述した実施形態および変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば、各実施形態および各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成、例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
上述した実施形態および変形例から以下の内容が導き出される。
繊維体の製造方法の一態様は、
搬送ベルトを移動させながら、堆積部から前記搬送ベルト上に、第1坪量で繊維を堆積させる第1堆積工程と、
前記搬送ベルトを移動させながら、前記堆積部から前記搬送ベルト上に、前記第1坪量よりも大きい第2坪量で繊維を堆積させる第2堆積工程と、
前記搬送ベルトを移動させながら、前記搬送ベルト上に基材シートを供給し、前記堆積部から前記基材シート上に、前記第2坪量で繊維を堆積させる第3堆積工程と
を含む。
この繊維体の製造方法によれば、繊維体が千切れる可能性を小さくすることができる。
繊維体の製造方法の一態様において、
前記搬送ベルトを移動させながら、前記堆積部から前記基材シート上に、前記第2坪量よりも小さい第3坪量で繊維を堆積させる第4堆積工程を含んでもよい。
この繊維体の製造方法によれば、繊維体の使い勝手を向上させることができる。
繊維体の製造方法の一態様において、
前記第1堆積工程では、前記搬送ベルトを第1速度で移動させ、
前記第2堆積工程および前記第3堆積工程では、前記搬送ベルトを前記第1速度よりも小さい第2速度で移動させてもよい。
この繊維体の製造方法によれば、堆積部から放出される繊維の単位時間当たりの量を変更させることなく、第2坪量を第1坪量よりも大きくすることができる。
繊維体の製造方法の一態様において、
前記第3堆積工程では、前記基材シートを前記第2速度で移動させて前記搬送ベルト上に供給してもよい。
この繊維体の製造方法によれば、スムーズに基材シートを搬送ベルト上に供給することができる。
繊維体の製造方法の一態様において、
第1ローラーおよび第2ローラーは、前記基材シートを移動させるローラーであり、
前記第2ローラーは、前記第1ローラーよりも下流に位置し、
前記第1堆積工程では、前記第2ローラーによる搬送速度を、前記第1ローラーによる搬送速度よりも大きくし、
前記第3堆積工程における前記第2ローラーによる搬送速度と前記第1ローラーによる搬送速度との差を、前記第1堆積工程における前記第2ローラーによる搬送速度と前記第1ローラーによる搬送速度との差よりも小さくしてもよい。
この繊維体の製造方法によれば、繊維体に穴が発生する可能性を小さくすることができる。
繊維体の製造方法の一態様において、
前記基材シートの先端が検知された場合に、前記第2堆積工程を開始し、
前記第3堆積工程では、前記第2堆積工程が開始されて所定時間経過後に、前記搬送ベルト上に前記基材シートを供給してもよい。
この繊維体の製造方法によれば、より確実に、繊維体が千切れる可能性を小さくすることができる。
繊維体の製造方法の一態様において、
前記基材シートは、前記基材シートの先端から、前記基材シートの搬送方向と反対方向に向かうにつれて、面積が大きくなる面積変化部を有してもよい。
この繊維体の製造方法によれば、例えば、一対のカレンダーローラーに挟まれることによって基材シートが伸びる量を、面積変化部において徐々に変化させることができる。
繊維体の製造方法の一態様において、
前記基材シートは、不織布を含んでもよい。
この繊維体の製造方法によれば、基材シートが不織布を含んでも、繊維体が千切れる可能性を小さくすることができる。
11…原料供給部、12…粗砕部、13…解繊部、14…選別部、15…第1ウェブ形成部、16…細分部、17…混合部、18…堆積部、19…第2ウェブ形成部、20…加熱加圧部、21…切断部、22…排出部、27…回収部、28…制御部、30…基材シート供給部、100…繊維体製造装置、121…粗砕刃、122…シュート、141…ドラム部、142…ハウジング部、151…搬送ベルト、152…張架ローラー、153…吸引部、161…プロペラ、162…ハウジング部、171…樹脂供給部、172…管、173…ブロアー、174…スクリューフィーダー、181…ドラム部、182…ハウジング部、191…搬送ベルト、192,192a,192b…張架ローラー、193…吸引部、200…基材層、201…加圧部、202…加熱部、203…カレンダーローラー、204…加熱ローラー、211…第1切断部、212…第2切断部、281…CPU、282…記憶部、231,232,233,234,235,236…加湿部、241,242,243,244,245,246…管、261,262,263…ブロアー、300…機能材、301…筐体、302…装填部、304…供給口、306…被設置部、310…張架ローラー、312…センサー

Claims (8)

  1. 搬送ベルトを移動させながら、堆積部から前記搬送ベルト上に、第1坪量で繊維を堆積させる第1堆積工程と、
    前記搬送ベルトを移動させながら、前記堆積部から前記搬送ベルト上に、前記第1坪量よりも大きい第2坪量で繊維を堆積させる第2堆積工程と、
    前記搬送ベルトを移動させながら、前記搬送ベルト上に基材シートを供給し、前記堆積部から前記基材シート上に、前記第2坪量で繊維を堆積させる第3堆積工程と
    を含む、繊維体の製造方法。
  2. 請求項1において、
    前記搬送ベルトを移動させながら、前記堆積部から前記基材シート上に、前記第2坪量よりも小さい第3坪量で繊維を堆積させる第4堆積工程を含む、繊維体の製造方法。
  3. 請求項1または2において、
    前記第1堆積工程では、前記搬送ベルトを第1速度で移動させ、
    前記第2堆積工程および前記第3堆積工程では、前記搬送ベルトを前記第1速度よりも小さい第2速度で移動させる、繊維体の製造方法。
  4. 請求項3において、
    前記第3堆積工程では、前記基材シートを前記第2速度で移動させて前記搬送ベルト上に供給する、繊維体の製造方法。
  5. 請求項3または4において、
    第1ローラーおよび第2ローラーは、前記基材シートを移動させるローラーであり、
    前記第2ローラーは、前記第1ローラーよりも下流に位置し、
    前記第1堆積工程では、前記第2ローラーによる搬送速度を、前記第1ローラーによる搬送速度よりも大きくし、
    前記第3堆積工程における前記第2ローラーによる搬送速度と前記第1ローラーによる搬送速度との差を、前記第1堆積工程における前記第2ローラーによる搬送速度と前記第1ローラーによる搬送速度との差よりも小さくする、繊維体の製造方法。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項において、
    前記基材シートの先端が検知された場合に、前記第2堆積工程を開始し、
    前記第3堆積工程では、前記第2堆積工程が開始されて所定時間経過後に、前記搬送ベルト上に前記基材シートを供給する、繊維体の製造方法。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項において、
    前記基材シートは、前記基材シートの先端から、前記基材シートの搬送方向と反対方向に向かうにつれて、面積が大きくなる面積変化部を有する、繊維体の製造方法。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項において、
    前記基材シートは、不織布を含む、繊維体の製造方法。
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