JP2023051476A - 照明装置、及び表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】少ない光源数で、照射面の近傍から照射面の全体を照射することのできる照明装置を提供する。【解決手段】照明装置は、光源と、前記光源から出射された光を略平行光に変換する第1の光学素子と、第1の方向に配列された複数の第2の光学素子と、を有し、前記複数の第2の光学素子の各々は光入射面を有し、前記第2の光学素子は、前記光入射面に入射する前記略平行光の少なくとも一部を、前記第1の方向と交差する第2の方向へ導き、他の部分を前記第1の方向に導く。【選択図】図2

Description

本開示は、照明装置、及び表示装置に関する。
立体表示技術として、ホログラム方式、アーク3D方式等の表示技術がある。どちらも特殊な加工が施されたガラス板やフィルム面に再生用の照明光を照射することで、空間に立体像を表示することができる。ガラス板の表面やフィルム面に刻まれた線画に光が入射し、線画のエッジで反射、屈折、散乱等された光が目に届くことで、空中に浮遊する立体像が視認される。
超高圧水銀ランプから出射された光をハーフミラーアレイによって分岐し、コヒーレント長以上の光路長差をもつ複数の光を合成してシンチレーションを低減する構成が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
特開2008-122949号公報
照明装置は、表示フィルム等の照射面の全体を均一に照射できることが望ましい。立体表示の用途に用いられる場合は、照明装置自体が小型で、照射面に近接して配置されるのが望ましい。単一の光源で照射面の全体を照射するためには、光源から照射面までの距離が必要となり、照度の低下とスペースの増大をまねく。一方、多数の光源を用いると、コストの増大をまねくだけでなく、光源同士の光の干渉によって表示像の品質が低下するおそれがある。本発明は、少ない光源数で、照射面の近傍から照射面の全体を照射することのできる照明装置を提供することを目的とする。
一実施形態において、照明装置は、光源と、前記光源から出射された光を略平行光に変換する第1の光学素子と、第1の方向に配列された複数の第2の光学素子と、を有し、
前記複数の第2の光学素子の各々は光入射面を有し、
前記第2の光学素子は、前記光入射面に入射する前記略平行光の少なくとも一部を、前記第1の方向と交差する第2の方向へ導き、他の部分を前記第1の方向に導く。
少ない光源数で、照射面の近傍から照射面の全体を照射することのできる照明装置が実現される。
実施形態の照明装置が適用される表示装置の模式図である。 第1実施形態の照明装置の模式図である。 第1実施形態の照明装置の変形例の模式図である。 図3の照明装置の照射状態を示す図である。 図3の照明装置の照射状態を示す図である。 図3の照明装置の照射状態を示す図である。 第2の光学素子の配置例を示す図である。 第2の光学素子の配置例を示す図である。 第2実施形態の照明装置の模式図である。 第2実施形態の照明装置の変形例の模式図である。 図8の照明装置の照射状態を示す図である。 第2実施形態の照明装置の別の変形例を示す図である。 第2実施形態の照明装置のさらに別の変形例を示す図である。 第3実施形態の照明装置の模式図である。 実施例1の光学特性を示す図である。 実施例2の光学特性を示す図である。 実施例3の光学特性を示す図である。 実施例4の光学特性を示す図である。 実施例5の光学特性を示す図である。 実施例6の光学特性を示す図である。 実施例7の光学特性を示す図である。 実施例8の光学特性を示す図である。 実施例1~8の仕様と性能をまとめた図である。
実施形態では、表示板、表示フィルムなどの照射面に近接して配置され、少ない光源数で照射面の全体をほぼ均一に照射することのできる照明装置を提供する。これを実現するために、光源と、光源から出射された光を略平行光に変換する第1の光学素子と、第1の方向に配列された複数の第2の光学素子と、を設ける。複数の第2の光学素子の各々は光入射面を有し、第2の光学素子は、光入射面に入射する前記略平行光の少なくとも一部を、第1の方向と交差する第2の方向へ導き、他の部分を第1の方向に導く。
図1は、実施形態の照明装置20が適用される表示装置1の模式図である。表示装置1は、例えば、表示板11と、立体表示シート12と、表示板11または立体表示シート12の一辺に沿って配置される照明装置20と、を有する。表示板11は、たとえば、1次元または2次元の画像を表示する既存の表示板である。立体表示シート12は、ホログラムシート、アーク3Dシートなど、立体表示用のシートである。立体表示シート12の照射面をX-Y面、表示板11の高さ方向をZ方向とする。照明装置20から出射された光で立体表示シート12を照射することで、立体表示シート12に線刻された描画の立体像15が、観察者の眼10と立体表示シート12の間の空間に表示される。
眼10の視野内に立体像15を鮮明に表示するには、隣接する反射光束間の干渉の少ない略平行な光で、立体表示シート12の照射面全体を照射できることが望ましい。表示装置1の小型化の観点からは、照明装置20が表示板11または立体表示シート12の近傍に配置されるのが望ましい。実施形態では、光源から出射された光を第1の光学素子で略平行光に変換し、X方向に配置される複数の第2の光学素子を用いて、第2の光学素子に入射する略平行光の少なくとも一部を、X方向と交差する方向(たとえばY方向または-Y方向)に導く。これにより、照射面である立体表示シート12の近傍から、照射面の全体を照射する。
<第1実施形態>
図2は、第1実施形態の照明装置20Aの模式図である。照明装置20Aは、光源25と、第1の光学素子27と、複数の第2の光学素子29-1~29-n(nは2以上の整数)を有する。第2の光学素子29-1~29-n(以下、適宜「第2の光学素子29」と総称することがある)の配列方向をX方向、照明装置20Aまたは第2の光学素子29の高さ方向をZ方向、X方向とZ方向に直交する方向をY方向とする。
光源25、第1の光学素子27、及び複数の第2の光学素子29-1~29-nは、筐体23Aに保持されている。図2では、図示の便宜上、筐体23Aの上部カバーを省略しているが、後述するように、筐体23Aは上部カバーを設けてもよい。光源25は、たとえば実装基板26に実装された発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)、レーザダイオード(LD:Laser Diode)、スーパールミネセントダイオード(SLD:Super Luminescent Diode)などの微細な光デバイスである。実装基板26には、光源25を駆動する定電流回路や配線が形成されていてもよい。
光源25が、LED、SLDなどの低コヒーレンスの光デバイスの場合、第1の光学素子27はコリメートレンズであり、光源25から出射される光を略平行光に変換する。コリメートレンズは、光源25から出射される発散光を略平行な光に変換できれば、どのようなレンズでもよく、ガラス、アクリル、ポリカーボネート等で形成された球面レンズ、シリンドリカルレンズ等であってもよい。
光源25がLDの場合、第1の光学素子27はビーム径を第2の光学素子29の光入射面に適したサイズに広げ、あるいは楕円ビームを円形ビームに変換するビームエクスパンダであってもよい。
第1実施形態では、光源25と第1の光学素子27を含むアセンブリ28Aは、筐体23Aの側面22の内側で、第2の光学素子29-1~29-nと同じく、X方向に沿って配置されている。以下の記載では、+X方向と-X方向を含めて、「X方向」と称する。第2の光学素子29-1~29-nは、所定の間隔で筐体23Aの下面21に固定されている。第2の光学素子29-1~29-nは、X軸に対して40°~50°、より好ましくは42°~48°、さらに好ましくは44°~46°の角度で傾斜して配置される。
第2の光学素子29-1~29-nは、それぞれ光入射面290を有する。光源25から出射され、第1の光学素子27で略平行光に変換された光は、光源25の最も近くに位置する第2の光学素子29-1の光入射面290に入射する。光入射面290に入射した光の一部はY方向に反射され、他の部分はX方向に透過される。第2の光学素子29-1を透過した略平行光は、次段の第2の光学素子29-2の光入射面290に入射し、その一部がY方向に反射され、他の部分はX方向に透過される。以下、順次、第2の光学素子29-3から29-nによって入射光の少なくとも一部がY方向に投射される。
光損失を抑制する観点から、光源25から最も遠い第2の光学素子29-nの光入射面290は、光入射面290に入射した光の50%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上を反射する反射率を有していてもよい。第2の光学素子29-1~29-nは、所定の反射率を有するビームスプリッタ、ミラー、ガラス板等で形成されている。第2の光学素子29-1~29-nは、ガラス、アクリル、ポリカーボネート等の光学プレートの光入射面に誘電体ミラー、金属反射膜等が成膜されたものであってもよいし、所定の反射率に設計された回折格子が形成されたものであってもよい。第2の光学素子29-1~29-nは、図示されるプレート型の光学素子に替えて、キューブ型、あるいはプリズム型のビームスプリッタまたはミラーであってもよい。あるいは、後述するように、第2の光学素子29-1~29-nの一部または全部が素ガラスであってもよいし、光入射面290の裏面に反射防止膜が形成されたガラス板であってもよい。
照明装置20Aは、図2の構成を有することで、単一の光源25を用いて、略平行光で照射面を隙間なく照射することができる。また、光源25、第1の光学素子27、及び第2の光学素子29-1~29-nのすべてがX方向にコンパクトに配置され、表示板11または立体表示シート12の一辺に沿って、照明装置20Aを照射面に近接して設けることができる。
図3は、第1実施形態の照明装置の変形例の模式図である。照明装置20Bは、光源25、第1の光学素子27、及び第2の光学素子29-1~29-nを含む第1ユニット30B-1と第2ユニット30B-2を有する。この例では、第1ユニット30B-1と第2ユニット30B-2が、X方向に沿って、筐体23Bの下面21の長手方向(X方向)の中心に対して対称に配置されている。第1ユニット30B-1と第2ユニット30B-2は、適宜「ユニット30B」と総称されてもよい。
第1ユニット30B-1と第2ユニット30B-2において、光源25と第1の光学素子27を含むアセンブリ28B-1と28B-2が、X方向の両端に配置されている。第1ユニット30B-1と第2ユニット30B-2のそれぞれで、光源25から出射され、第1の光学素子27で略平行光に変換された光は、X方向の外側から中心に向かって導光しながら第2の光学素子29でY方向に投射される。
図3の構成は、大面積の立体表示シート12を照射するときに有効である。照明装置20Bの各ユニット30Bで、光源25、第1の光学素子27、及び第2の光学素子29-1~29-nのすべてがX方向にコンパクトに配置され、表示板11または立体表示シート12の一辺に沿って、照明装置20Bを照射面に近接して設けることができる。X方向の両端に設けられる光源25の数は2個だけであり、中央部に位置する第2の光学素子29-nで両側から導光してきた入射光のほぼすべてはY方向に反射され、光の損失と隣接する反射光束間の干渉が抑制される。また、略平行光の発散が大きくなる前に、第2の光学素子29-1~29-nで光がY方向に投射されるので、隣接する反射光束間の干渉も抑制される。
第1ユニット30B-1と第2ユニット30B-2で、用いる光源25の波長は同じであっても、異なっていてもよい。立体表示シート12に線刻されている描画によっては、照射面の半分を白色光で照射し、他の半分を緑色光で照射して、カラーの立体像15を空中に表示してもよい。上述のように、照明装置20Bでは、隣接する反射光束間の干渉が少ないので異なる波長の光源25を用いる場合であっても混色がほとんど生じず、照射面を2色に分けて照射することができる。
図4Aと図4Bは、図3の照明装置20Bの照射状態を示す。図4Aで、照明装置20Bの全体が筐体23Bの内部に収容されている。筐体23Bは、下面21と側面22に加えて、第2の光学素子29(図3参照)の全体を覆う上面24を有する。第1ユニット30B-1と第2ユニット30B-2のそれぞれで、略平行光がX方向の端部から中央に向かって透過されながら、少なくとも一部の光が順次Y方向に投射される。筐体23Bの開口面、すなわち光が取り出される面には、カバーを配置していてもよい。
例えば、図4Bに示すように、照明装置20Bの光出射側にカバー241が設けられてもよい。カバー241の配置をわかりやすく示すため、図4Bでは上面24を非表示としている。照明装置20BからY方向に投射される光35が、X方向とY方向で決まるX-Y面よりも下方に導かれるように、カバー241には、第2の光学素子29-1~29-n(図3参照)でY方向に投射される光35を目的の照射面に向かって、斜め下方に導く光学加工が施されていてもよい。第2の光学素子29-1~29-nによってY方向に投射される光35が、立体表示シート12の表面と平行な方向に投射されて、表面を照射しないと、立体表示シート12に形成されている像を照射できないので、立体表示を実現できないからである。光出射側に設けられるカバー241は、図2の照明装置20Aに用いられてもよい。
図5は、図3の照明装置の照射状態を示す図であり、具体的には、照明装置20Aまたは20B(以下、適宜、「照明装置20」と総称することがある)によりY方向に投射される光の模式図である。照明装置20からY方向に投射される光は、照射面のサイズにもよるが、X-Y面に対して1度~数度、たとえば1.5°~2.5°の傾きを持って投射される。これにより、照明装置20から投射される略平行光で、立体表示シート12の表面近傍から、立体表示シート12の表面全体を、まんべんなく照射することができる。
第2の光学素子29-1~29-nは、Y方向に投射される略平行光の重なり合いを最小限にし、かつ、照射面上での暗線の発生が抑制されるように配置されている。これを実現するために、第2の光学素子29-1~29-nの各々は、光源25から離れるにしたがって光の投射側と反対方向(光の投射方向が上述したようにY方向の場合は-Y方向)にオフセットして配置される。あるいは、第2の光学素子29-1~29-nのY方向の幅を、光源25から離れるにしたがって長くする。
図6Aと図6Bは、第2の光学素子29-1~29-3の配置例を示す。図6Aと図6Bで、第2の光学素子29-1~29-3の配列方向をX方向、第2の光学素子29の高さ方向をZ方向、第2の光学素子29による投射方向をY方向とする。
図6Aのように、一定幅の第2の光学素子29-1~29-3を、X方向に延びる基準線Rxに沿って、オフセットなしに配置する構成を考える。ここでは、第2の光学素子29-1~29-3の光入射面290で入射光が反射されるものとするが、後述するように、光入射面290と反対側の裏面で反射される構成であってもよい。第1の光学素子27で略平行光に変換された光のビーム径をD1とする。第2の光学素子29-1から29-3まで使用できるビーム径は、D1よりも小さいD2となる。最も光源25に近い第2の光学素子29-1でY方向に反射される光のビーム径はφ1である。第2の光学素子29-1を透過した光の一部が、次段の第2の光学素子29-2の側面31に入射すると、Y方向に反射されずにケラレ、すなわち損失LLOSTが発生する。第2の光学素子29-2を透過した光の一部が、次の第2の光学素子29-3の側面31に入射すると、さらに損失LLOSTが大きくなる。
この結果、第2の光学素子29-2、29-3と光源25から離れるほど、Y方向に投射される光のビーム径はφ2、φ3と細くなり、隣接する反射光束との間に暗線33aが発生し得る。暗線33aは、立体表示される画像上で暗点として認識される場合がある。光源25にLDを用いる場合は、比較的細いビームが第2の光学素子29の中央部に入射するので、暗線33aの影響は少ない。これに対し、光源25にLEDやSLDを用いる場合、光源25からの出射光を略平行光にコリメートしても、第2の光学素子29の中央部のみに入射する程度に絞り込むのが難しい場合がある。
実施形態では、暗線33aの発生を抑制し、照射面をまんべんなく照射できるように、第2の光学素子29-1~29-nを設計する。図6Bでは、第2の光学素子29-1~29-3は、光源25から離れるほど、基準線Rxから-Y方向(投射方向と反対側)にオフセットするように配置されている。
たとえば、光源25に最も近い第2の光学素子29-1を基準線Rxに揃える。次の第2の光学素子29-2は、基準線Rxから-Y方向へΔd1だけオフセットさせる。3番目の第2の光学素子29-3の-Y方向へのオフセット量Δd2は、Δd1よりも大きくする。これにより、コリメートレンズで変換された略平行光は、径D1を保ったまま第2の光学素子29-1~29-3を透過することができる。次段の第2の光学素子29の側面31でケラレる光線を最小にし、第2の光学素子29-1~29-3によってY方向に投射される略平行光のビーム径φ1を、ほぼ一定にすることができる。次段の第2の光学素子29の側面31でケラレる光線がわずかに発生しても、ケラレによる暗線33bは第2の光学素子29の厚み程度であり、観察者の眼10にとって暗点として認識されることはほとんどない。
光源25から遠ざかるほど第2の光学素子29-1~29-nの位置を-Y方向にオフセットさせる替わりに、第2の光学素子29の幅を、光源25から離れるほど、長く設定してもよい。第2の光学素子29の幅を少しずつ長くすることで、図6Bと同様に、次段の第2の光学素子29の側面31でケラレる光線を最小にして、Y方向に投射される略平行光のビーム径φ1をほぼ一定にすることができる。次段の第2の光学素子29の側面31でケラレる光線がわずかに発生しても、ケラレによる暗線は第2の光学素子29の厚み程度であり、観察者の眼10にとって暗点として認識されることはほとんどない。
<第2実施形態>
図7は、第2実施形態の照明装置20Cの模式図である。照明装置20Cは、第1実施形態と同様に、X方向に配置される複数の第2の光学素子29-1~29-n(nは2以上の整数)を有する。第2の光学素子29-1~29-nは、適宜「第2の光学素子29」と総称される。
第2実施形態では、光源25と第1の光学素子27を含むアセンブリ28Cを、第2の光学素子29-1~29-nの配列方向(X方向)と交差する方向(たとえば-Y方向)に設ける。第1実施形態の配置をI字型配置とすると、第2実施形態の配置を、L字型配置と呼んでもよい。
実装基板26に実装された光源25は、第1実施形態と同様に、LED、LD、SLD等である。用いる光源25の種類に応じて、第1の光学素子27として、コリメートレンズ、ビームエクスパンダ等を用いることができる。
光源25、第1の光学素子27、及び複数の第2の光学素子29は、筐体23Cに保持されている。筐体23Cは、照明装置20CのL字型配置に合わせて、L字型の下面21Cを有していてもよい。第2の光学素子29-1~29-nは、筐体23Cの側面22の内側で、所定の間隔で下面21Cに固定されている。第2の光学素子29-1~29-nはX軸に対して40°~50°、より好ましくは42°~48°、さらに好ましくは44°~46°の角度で傾斜して配置される。
光源25から出射し、第1の光学素子27で略平行光に変換された光は、光源25の最も近くに位置する第2の光学素子29-1の光入射面290に入射し、その一部はY方向に透過し、他の部分はX方向に反射される。第2の光学素子29-1で反射された略平行光は、次段の第2の光学素子29-2の光入射面290に入射し、その一部がY方向に反射され、他の部分はX方向に透過される。以下、順次、第2の光学素子29-3から29-nによって入射光の少なくとも一部がY方向に投射される。光源25から最も近い第2の光学素子29-1の光入射面290は、50%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上の反射率を有していてもよい。この場合、入射光の大部分をX方向に反射して均一に光を分配することができる。
光源25から最も遠い第2の光学素子29-nの光入射面290は、50%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上の反射率を有していてもよい。この場合、入射光のほとんどをY方向に反射して光損失を抑制することができる。第2の光学素子29-1~29-nは、所定の反射率を有するビームスプリッタ、ミラー、ガラス板等で形成されている。第2の光学素子29-1~29-nは、ガラス、アクリル、ポリカーボネート等の光学プレートの光入射面に誘電体ミラー、金属反射膜等が成膜されたものであってもよいし、所定の反射率に設計された回折格子が形成されたものであってもよい。第2の光学素子29-1~29-nは、図示されるプレート型の光学素子に替えて、キューブ型、あるいはプリズム型のビームスプリッタまたはミラーであってもよい。あるいは、後述するように、第2の光学素子29-1~29-nの一部または全部が素ガラスであってもよいし、光入射面290の裏面に反射防止膜が形成されたガラス板であってもよい。
照明装置20Cは、第1実施形態と同様に、単一の光源25を用いて、X-Y面の近傍から、X-Y面の全体を略平行光で照射することができる。具体的には、X-Y面を略平行光で隙間なく、換言すると、まんべんなく照射することができる。光源25と第1の光学素子27を含むアセンブリ28Cを、第2の光学素子29-1~29-nの配列に対してL字型に配置することで、照明装置20CをX方向に3つ以上並べて使用することができる。また、筐体23Cを表示板11または立体表示シート12の一辺に沿って、近接して設けることができる。
図8は、第2実施形態の照明装置の変形例の模式図である。照明装置20Dは、光源25、第1の光学素子27、及び第2の光学素子29-1~29-nを含む第1ユニット30D-1と第2ユニット30D-2を有する。各ユニットを適宜「ユニット30D」と総称してもよい。この例では、第1ユニット30D-1のアセンブリ28D-1と、第2ユニット30D-2のアセンブリ28D-2が、X方向の中央部に配置され、第1の光学素子27で変換された略平行光が、X方向の中央から両側に向かって導光されながら、Y方向に投射される。
図8の構成は、大面積の立体表示シート12を照射するときに有効である。X方向の中央に設けられた光源25の数は2個だけであり、中央部から両側に導光する光が順次Y方向に投射されるので、光源25間の光の干渉は抑制される。比較的短い光路長で、略平行光の発散の影響が大きくなる前にほぼすべての光をY方向に投射できるので、隣接する反射光束間の干渉も抑制される。
第1ユニット30D-1と第2ユニット30D-2で、用いる光源25の波長は同じであっても、異なっていてもよい。立体表示シート12に線刻されている描画によっては、照射面の半分を白色光で照射し、他の半分を緑色光で照射して、カラーの立体像15を空中に表示してもよい。図8の構成では、隣接する反射光束間の干渉が抑制されているので異なる波長の光源25を組み合わせることが可能である。
図9は、図8の照明装置20Dの照射状態を示す。図8で、照明装置20Dは、第1ユニット30D-1と第2ユニット30D-2を収容する筐体23Dを有していてもよい。筐体23Dは、下面21Dと側面22に加えて、上面24Dを有する。第1ユニット30D-1と第2ユニット30D-2のそれぞれで、略平行光がX方向の中央から両端に向かって導光されながら少なくとも一部の光が順次Y方向に投射される。
第1実施形態と同様に、照明装置20Dの光出射側にカバー241が設けられていてもよい。Y方向に投射される光35でX-Y面の全体が照射されるように、カバー241に、第2の光学素子29-1~29-nの各々でY方向に投射される光35を斜め下方に導く光学加工が施されていてもよい。また、X方向に配置される第2の光学素子29-1~29-nを、光源25から離れるほど、-Y方向に少しずつオフセットさせて配置してもよい(図6B参照)。あるいは、第2の光学素子29-1~29-nの幅を、光源25から離れるほど、少しずつ増大させてもよい。
図10Aと図10Bは、第2実施形態の照明装置のさらに別の変形例を示す。図10Aで、照明装置20Eは、L字型の第1ユニット30E-1、第2ユニット30E-2、第3ユニット30E-3を同じ向きでX方向に繰り返し配置する。L字の突起部分に、光源25と第1の光学素子27を含むアセンブリ28E-1、28E-2、28E-3がそれぞれ収容されている。
図10Aの構成は、大面積の立体表示シート12を照射するのに適している。ユニット数は3つに限定されず、4つ以上繰り返し配置することで、一方向(X方向)に長い表示媒体を適切に照射することができる。
図10Bで、照明装置20Fは、L字型の第1ユニット30F-1と第2ユニット30F-2を、X方向に沿って互いに逆向きで配置する。光源25と第1の光学素子27を含むアセンブリ28F-1と28F-2は、X方向の両端に配置される。光源25から出射され第1の光学素子27で略平行光に変換された光は、X方向の両端から中央に向かって導光しながら、Y方向に順次投射される。X方向の中央部に位置する第2の光学素子29の反射率を高く設定することで、光の損失と干渉を抑制することができる。
図10Bの構成も、大面積の立体表示シート12を照射するのに適している。ユニット数は2つに限定されず、3つ、4つと繰り返し配置することで、一方向(X方向)に長い表示媒体を適切に照射することができる。
図10Aまたは図10Bの構成を採用する場合も、照明装置20E、20Fの光出射側に、カバー241(図9参照)が設けられていてもよい。Y方向に投射される略平行光でX-Y面が照射されるように、カバー241に、Y方向に投射される光を斜め下方に導く光学加工が施されていてもよい。また、X方向に配置される第2の光学素子29-1~29-nを、光源25から離れるほど、-Y方向に少しずつオフセットさせて配置する、あるいは第2の光学素子29-1~29-nの幅を、光源25から離れるほど、少しずつ増大させてもよい。これにより、暗線の発生を抑制して、照射面をまんべんなく照射することができる。
<第3実施形態>
図11は、第3実施形態の照明装置20Gの模式図である。照明装置20Gは、単一の光源25と単一の第1の光学素子27Gを用い、第2の光学素子29-1~29-nの配列を、2セット、並列に設ける。一方の第2の光学素子29-1~29-nの配列を第1の配列295R、他方の第2の光学素子29-1~29-nの配列を第2の配列295Lとする。第1の配列295Rと第2の配列295Lは、適宜「配列295」と総称されてもよい。第1の配列295Rと第2の配列295Lのそれぞれで、複数の第2の光学素子29-1~29-nは、X方向に並べられているが、第1の配列295Rに含まれる第2の光学素子29-1~29-nの光入射面290のX軸に対する傾きの方向と、第2の配列295Lに含まれる第2の光学素子29-1~29-nの光入射面290のX軸に対する傾きの方向は、互いに逆向きである。
第2の光学素子29-1~29-nを含む第1の配列295Rと第2の配列295Lのそれぞれで、アセンブリ28Gから遠ざかるほど、第2の光学素子29-1~29-nを光の投射方向に沿って互いに逆向きに(すなわち-Y方向と+Y方向)にオフセットさせてもよい。あるいは、アセンブリ28Gから遠ざかるほど、第2の光学素子29-1~29-nの幅を増大させてもよい。並列に配置される第1の配列295Rと第2の配列295Lのそれぞれの光出射側にカバーを設けてもよい。カバーに、光源25からみて右側の第1の配列295Rで反射される光を右斜め下方に導き、左側の第2の配列295Lで反射される光を左斜め下方に導く光学加工が施されていてもよい。
照明装置20Gは、光源25と第1の光学素子27Gを含むアセンブリ28Gを一つだけ用いて、光35Rと35Lを互いに逆方向に、すなわち+Y方向と-Y方向に投射することができる。照明装置20Gは、たとえば、券売機や広告板など、複数の立体表示シートが一方向(Y方向)に配置されている構成に、好適に適用される。ひとつの照明装置20Gを用いて、隣り合う2つの表示面の立体画像を表示することができる。
<第2の光学素子の光学特性>
以下で、照明装置20の設計パラメータを種々に変えたときの、第2の光学素子29-1~29-nの光学特性を示す。下記の実施例1~8を通して、光源25としてLEDを用い、第1の光学素子27としてコリメートレンズを用いる。光源25、第1の光学素子27、及び第2の光学素子29-1~29-nで構成されるユニット30の数と、第2の光学素子29の種類と反射率を種々に変えて、光学特性を計算する。
図12は、実施例1の第2の光学素子29-1~29-nの反射特性を示す。実施例1は、図3のI字型の照明装置20Bの構成を採用する。光源25、第1の光学素子27、及び第2の光学素子29-1~29-nを含むユニット30Bを2セット用い、光源25と第1の光学素子27を含むアセンブリ28Bを、X方向の両端に配置する。各ユニット30Bは6枚の第2の光学素子29-1~29-6を有し、合計12枚の第2の光学素子29をX方向の中心に対して対称に配置する。
図12の横軸は、第2の光学素子29の連続番号、縦軸は、第2の光学素子29の正規化された出射光量である。第2の光学素子の連続番号を「ミラー番号」と呼ぶ。複数の第2の光学素子29から出射される光量のうち、最も高い出射光量を100%に正規化している。
12枚の第2の光学素子29は、プレート型のビームスプリッタ(BS)である。ミラー番号1~6は、第1ユニット30B-1の第2の光学素子29-1から29-6に対応し、ミラー番号7~12は、第2ユニット30B-2の第2の光学素子29-6から29-1に対応する。ミラー番号と反射率の関係は、以下のとおりである。
ミラー番号 反射率
1 25.0%
2 25.0%
3 30.0%
4 40.0%
5 50.0%
6 100.0%
7 100.0%
8 50.0%
9 40.0%
10 30.0%
11 25.0%
12 25.0%
第1ユニット30B-1と第2ユニット30B-2のそれぞれの光源25から最も遠い6番目と7番目のビームスプリッタの反射率は100%であり、その光入射面に入射した光のすべてが反射され、光の利用効率は最大である。
実施例1では、外側のビームスプリッタから中央のビームスプリッタに向かって、出射光量は徐々に減少し、中央に位置するビームスプリッタの正規化出射光量は約50%になる。照射面内の光量差は50%程度である。出射光量が連続的に変化する場合、正規化出射光量が30%まで低下しても、人間の眼はその変化を認識しない。したがって、実施例1における照射面内の光量差は良好である。X方向の両側から6枚のミラーでほぼすべての光がY方向に反射されるので、反射光の発散が小さく、反射光束間の干渉も無視できる程度に小さい。
図13は、実施例2の第2の光学素子29-1~29-nの反射特性を示す。実施例2は、実施例1と同様に図3のI型の照明装置20Bの構成を採用し、第2の光学素子29として、合計12個のビームスプリッタ(ミラー番号1~12)を用いる。ただし、ビームスプリッタの反射率は15.0%と25.0%の2種類のみである。ミラー番号と反射率の関係は、以下のとおりである。
ミラー番号 反射率
1 15.0%
2 15.0%
3 15.0%
4 25.0%
5 25.0%
6 25.0%
7 25.0%
8 25.0%
9 25.0%
10 15.0%
11 15.0%
12 15.0%
実施例2では、外側の3つのビームスプリッタで出射光量は徐々に減少するが、中央のビームスプリッタの反射率を大きくしているため、4番目と9番目のビームスプリッタで正規化出射光量が増大し、その後中央に向かって正規化出射光量が減少する。最も中央のビームスプリッタで正規化出射光量は50%以上に維持されており、照射面内の光量差は良好である。中央のミラーで入射光の一部が反射されずに、若干の光損失が生じるが、透過方向の最後のミラーであり、入射光量自体が少なく光損失は無視できる程度に小さい。X方向の両側から6枚のミラーでほとんどの光が反射されるので、反射光の発散が小さく、反射光束間の干渉も無視できる程度に小さい。
図14は、実施例3の第2の光学素子29-1~29-nの反射特性を示す。実施例3は、実施例1、及び実施例2と同様に、図3のI型の照明装置20Bの構成を採用し、第2の光学素子29として、合計12個のビームスプリッタ(ミラー番号1~12)を用いる。ただし、ビームスプリッタの反射率は15.0%の1種類のみである。すなわち、ミラー番号1~12のすべてで、反射率は15.0%である。
実施例3では、外側から内側のビームスプリッタに向かって出射光量は徐々に減少し、最も中央のビームスプリッタで正規化出射光量は50%をわずかに下回るが、正規化出射光量30%を大きく上回る。照射面内の光量差は50%弱と、良好である。中央のミラーで入射光の85%が反射されずに若干の光損失が生じるが、光利用効率は許容範囲内である。X方向の両側から6枚のミラーでほとんどの光がY方向に反射されるので、反射光の発散が小さく、反射光束間の干渉も無視できる程度に小さい。
図15は、実施例4の第2の光学素子29-1~29-nの反射特性を示す。実施例4は、図2の照明装置20Aの構成を採用し、単一のLED光源25と、第1の光学素子27として単一のコリメートレンズを用いる。第2の光学素子29として、連続する12個のビームスプリッタ(ミラー番号1~12)を用いる。ビームスプリッタの反射率は、8.0%と、15.0%の2種類である。ミラー番号と反射率の関係は、以下のとおりである。
ミラー番号 反射率
1 8.0%
2 8.0%
3 8.0%
4 8.0%
5 8.0%
6 8.0%
7 15.0%
8 15.0%
9 15.0%
10 15.0%
11 15.0%
12 15.0%
実施例4では、単一の光源25から出射される光を、12個のビームスプリッタを用いてY方向に投射する。そのため、7番目以降のビームスプリッタの反射率を、1~6番目のビームスプリッタの反射率よりも高く設定する。1番目から6番目のビームスプリッタで出射光量は徐々に減少する。7番目のビームスプリッタで、いったん正規化出射光量が最大になり、8番目以降のビームスプリッタで正規化出射光量は単純減少する。1番目から11番目のビームスプリッタで正規化出射光量は50%以上に維持されており、最後のビームスプリッタでも50%をわずかに下回るだけである。照射面内の光量差は、約50%と良好である。最後のビームスプリッタで一部の光が反射されずに、若干の光損失が生じるが、入射光量自体が少なく、光損失は無視できる程度に小さい。光利用効率は許容範囲内である。第1の光学素子27で略平行光が生成されるが、光路長が長いため、発散の影響が現れ、11番目と12番目のビームスプリッタで光束の発散と干渉が生じ得る。光路長がさらに長くなると、最後の2つのビームスプリッタで反射された光束間の干渉が大きくなり、立体表示画像で、ひとつの表示像が複数になって見える場合があり得るが、実施例4の構成では、立体表示として許容範囲内である。
図16は、実施例5の第2の光学素子29-1~29-nの反射特性を示す。実施例5は、図2の照明装置20Aの構成を採用し、単一のLED光源25と、第1の光学素子27として単一のコリメートレンズを用いる。第2の光学素子29として、連続する12個の素ガラス(ミラー番号1~12)を用いる。素ガラスに反射コーティングはされていないが、屈折率の異なる媒質の界面に光が入射するときに生じるフレネル反射により、すべての素ガラスが17.5%の反射率をもつ。この素ガラスの厚さは1.0mmである。素ガラスの表面で反射された光の出射点と、裏面で反射された光の出射点の間隔は0.74mmである。
実施例5では、7番目の素ガラスまでは正規化出射光量が30%以上であるが、8番目以降の素ガラスで正規化出射光量が30%未満に低下する。照射面内の光量差は最大で80%程度になるが、正規化出射光量が連続的に変化しているため、立体表示画像において光量差は認識されにくい。照射面内の光量差は、許容範囲内である。12番目の素ガラスで反射されない光によりわずかの光損失が生じるが、無視できる程度に小さく、光利用効率が非常に良好である。素ガラスの表面で反射された光と、裏面で反射された光の間に干渉が生じ得るが、許容範囲内である。実施例5の構成は、コスト面で非常に有効である。
図17は、実施例6の第2の光学素子29-1~29-nの反射特性を示す。実施例6は、図2の照明装置20Aの構成を採用し、単一のLED光源25と、第1の光学素子27として単一のコリメートレンズを用いる。第2の光学素子29として、連続する12個の素ガラス(ミラー番号1~12)を用いる。素ガラスの裏面に反射防止(AR:Anti-Reflection)コーティングが施されている。ARコート付きの素ガラスの反射率は、一律9.7%である。素ガラスの裏面にARコーティングが施されているので、裏面での反射が抑制され、素ガラスの表面での反射光と、裏面での反射光の干渉が抑制される。ARコート付きの素ガラスの厚さは1.0mm、ARコート付き素ガラスの表面と裏面で反射された光の出射点の間隔は0.74mmである。
実施例6では、12番目のARコート付き素ガラスまで、30%以上の正規化出射光量が維持されている。したがって、連続する正規化出射光量の変化は、人間の眼には認識されず、照射面内の光量差は許容範囲内である。12番目の素ガラスで反射されない光により光損失が生じるが、光利用効率は許容範囲内である。光路長が長いため、ミラー番号11、12で反射光束の干渉が生じ得るが、こちらも許容範囲内である。実施例6の構成はコスト面で非常に有利であり、立体表示画像の品質は、実施例5よりも良好である。
図18は、実施例7の第2の光学素子29-1~29-nの反射特性を示す。実施例7は、図2の照明装置20Aの構成を採用し、単一のLED光源25、及び、第1の光学素子27として単一のコリメートレンズを用いる。第2の光学素子29として連続する12枚の素ガラスのみを用いる。ミラー番号1~6の素ガラスには、裏面にARコートが施されている。ARコート付きの素ガラスの反射率は9.7%である。ミラー番号7~12の素ガラスは、コーティングが施されていない。コーティングなしの素ガラスの反射率は、17.5である。ミラー番号1~12を通して、素ガラスの厚さは1.0mm、素ガラスの表面と裏面で反射された光の出射点の間隔は0.74mmである。
ミラー番号1~6まで、正規化出射光量は単調減少するが、ミラー番号7で、正規化出射光量がいったん増大し、ミラー番号8以降で再び単純減少する。実施例7では、ミラー番号10まで50%以上の正規化出射光量が維持され、ミラー番号11、12でも40%程度の正規化出射光量が維持され、照射面内の光量差は許容範囲内である。光損失は、実施例6よりも少なく、光利用効率は良好である。実施例5、6と同様に、光路長が長いため、ミラー番号11、12で反射光束が干渉する場合があるが、許容範囲内である。実施例7の構成も、コスト面で非常に有利であり、立体表示画像の品質は、実施例5よりも良好である。
図19は、実施例8の第2の光学素子29-1~29-nの反射特性を示す。実施例8は、実施例1~3と同様に、図3の照明装置20Bの構成を採用し、LED光源25、第1の光学素子27、及び第2の光学素子29-1~29-nで構成されるユニット30を2セット用いる。第2の光学素子として、コーティングされていない素ガラスを用いる。1つのユニット30に含まれる素ガラスの数は6枚であり、トータルで12枚の素ガラスを用いる。素ガラスの厚さは0.5mm、素ガラスの表面と裏面で反射された光の出射点の間隔は0.37mmである。
ミラー番号1~12を通して、40%以上の正規化出射光量が維持され、照射面内の光量差は許容範囲内である。光損失は、実施例6よりも少なく、光利用効率は十分に許容範囲内である。素ガラスの厚さを薄くした分、素ガラスの表裏で反射された光の出射点の間隔が狭くなり、反射光の干渉が低減されている。ひとつのユニットの光路長が実施例4~7の半分なので、隣接する反射光束間の干渉が低減される。実施例8の構成は、コスト面で非常に有利である。
図20は、実施例1~8の仕様と性能をまとめた図である。LED、コリメートレンズ、及び複数の第2の光学素子29で構成されるユニットの数(図中で、セット数として記載されている)と、第2の光学素子(ミラー)の種類を異ならせ、光利用効率、照射面内の光量差、コスト、光束干渉性を評価する。光束の干渉には、光路長の増大によるビーム発散による干渉と、第2の光学素子の表面と裏面での反射光束の干渉がある。非常に良い評価結果を二重丸で示す。良好な評価結果を一重丸で示す。許容範囲内の評価結果を三角形で示す。
実施例1~8を通して、光利用効率はすべて許容範囲内かそれを超える高評価である。特に、実施例1と実施例5の光損失が少なく、光利用効率が非常に良い。照射面内の光量差は、実施例1~8を通して許容範囲内、または良好な評価が得られている。特に実施例1~4で、照射面内の光量差が50%程度の範囲内に収まっており、良好である。コスト面では、異なる反射率をもつビームスプリッタを用いる実施例1、2、4で、コストが高くなる傾向があるが、許容範囲内である。1種類の反射率のビームスプリッタを用いる実施例3は、実施例1、2、4と比較して、コスト面で有利である。素ガラスを用いる実施例5~8はコスト面で優れている。光束の干渉は、2セットのユニットを用いる実施例1-3、8で光路長を短くして、光の発散を十分に抑制できる。素子の表裏での反射光の干渉は、ビームスプリッタを用いる実施例1~3と、薄い素ガラスを用いる実施例8で、十分に抑制されている。何を優先するかによって、実施例1~8の構成のいずれかを適切に選択することができる。光路長に応じて、光源25としてLEDに替えて、LDを用い、第1の光学素子27としてビームエクスパンダを用いてもよい。
以上、特定の構成例に基づいて照明装置20とその適用例を説明したが、本発明は上記の構成例に限定されない。照明装置の各要素の配置、数等は実施例1~8に限定されず、用いる光源25の種類に応じて、1ユニットに含まれる第2の光学素子29の数を適切に設定することができる。光源25に一番遠い第2の光学素子29を反射率90%以上のミラーまたはビームスプリッタとし、それ以外の第2の光学素子29に素ガラス、またはARコート付きの素ガラスを用いてもよい。図2の照明装置20Aの筐体23A、図7の照明装置20Cの筐体23Cは上面24を有していてもよい。大面積の立体表示シート12を照射する場合に、図10Aまたは図10Bで3以上のユニット30を繰り返し配置してもよい。いずれの場合も、略平行光で、広い範囲にわたって照射面を隙間なく、すなわちまんべんなく照射することができる。
実施形態の照明装置20を用いた表示装置1にセンサを組み合わせることで、空中にタッチパネルの立体画像を表示して、非接触の入力装置を実現してもよい。実施形態の照明装置20は、街頭広告照明、プロジェクタなど、略平行光が必要な用途全般に適用可能である。また、照射面を均一に照射する照明装置として利用可能なので、例えばUV光源を用いた殺菌装置を実現してもよい。机などの面を照射面としてもよいし、空間に見えない殺菌面を作るようにUV光を照射してもよい。光源25をZ方向に複数配置し、照射面をZ方向に2つ並べるようにしてもよく、一方をUV、他方を可視光とすることで、殺菌面に近い位置を可視化してもよい。
1 表示装置
20、20A~20G 照明装置
11 表示板
12 立体表示シート
21 筐体の下面
22 筐体の側面
23、23A~23D 筐体
25 光源
27 第1の光学素子
28A、28B-1、28B-2、28C、28D-1、28D-2、28E-1、28E-2、28E-3、28F-1、28F-2、28G アセンブリ
29、29-1~29-n 第2の光学素子
30、30B、30D ユニット
30B-1、30D-1、30E-1、30F-1 第1ユニット
30B-2、30D-2、30E-2、30F-2 第2ユニット
30E-3 第3ユニット
33a、33b 暗線
290 光入射面
295R 第1の配列
295L 第2の配列

Claims (12)

  1. 光源と、
    前記光源から出射された光を略平行光に変換する第1の光学素子と、
    第1の方向に配列された複数の第2の光学素子と、
    を有し、
    前記複数の第2の光学素子の各々は光入射面を有し、
    前記第2の光学素子は、前記光入射面に入射する前記略平行光の少なくとも一部を、前記第1の方向と交差する第2の方向へ導き、他の部分を前記第1の方向に導く、
    照明装置。
  2. 前記複数の第2の光学素子の各々は、前記光源から離れるにしたがって前記第2の方向と反対方向にオフセットするように配置されている、
    請求項1に記載の照明装置。
  3. 前記複数の第2の光学素子の各々は、前記光源から離れるにしたがって前記光入射面の幅が広くなるように形成されている、
    請求項1に記載の照明装置。
  4. 前記光源と前記第1の光学素子は、前記第1の方向に沿って設けられ、
    前記複数の第2の光学素子の各々は、前記光入射面に入射する前記略平行光の少なくとも一部を前記第2の方向へ反射し、他の部分を前記第1の方向に透過する、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の照明装置。
  5. 前記光源と前記第1の光学素子は、前記第2の方向に沿って設けられ、
    前記光源に最も近い位置に設けられた前記第2の光学素子は、前記光入射面に入射する前記略平行光の少なくとも一部を前記第2の方向に透過し、他の部分を前記第1の方向に反射し、前記第1の方向に反射された光が入射する前記第2の光学素子は、前記略平行光の少なくとも一部を前記第2の方向に反射し、他の部分を前記第1の方向に透過させる、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の照明装置。
  6. 前記複数の第2の光学素子の光出射側を覆うカバー、
    をさらに有し、前記カバーは、前記第2の方向へ導かれる前記略平行光を前記第1の方向と前記第2の方向で決まる面よりも下方に向ける光学加工を有する、
    請求項1から5のいずれか1項に記載の照明装置。
  7. 前記光源、前記第1の光学素子、及び前記第2の光学素子で形成されるユニットを複数有し、
    複数の前記ユニットが前記第1の方向に沿って配置される、
    請求項1から6のいずれか1項に記載の照明装置。
  8. 前記複数の光入射面は前記第1の方向に対して40°~50°の角度で傾斜している、
    請求項1~7のいずれか1項に記載の照明装置。
  9. 前記第1の方向に配列された前記複数の第2の光学素子の第1の配列と、前記第1の配列と並列に設けられ前記複数の第2の光学素子を含む第2の配列とを有し、
    前記第1の配列と前記第2の配列は、前記光入射面に入射する略平行光を、前記第2の方向に沿って互いに逆方向に投射する、
    請求項1に記載の照明装置。
  10. 前記第1の配列と前記第2の配列で、前記複数の第2の光学素子の各々は、前記光源から離れるほど互いに逆方向にオフセットするように配置されている、
    請求項9に記載の照明装置。
  11. 前記第1の配列の前記複数の第2の光学素子の前記光入射面と、前記第2の配列の前記複数の第2の光学素子の前記光入射面は、前記第1の方向に対して互いに逆向きに傾斜している、
    請求項9または10に記載の照明装置。
  12. 表示板と、
    前記表示板の上に配置される立体表示シートと、
    前記表示板の上で前記表示板の一辺に沿って配置される請求項1から11のいずれか1項に記載の照明装置と、
    を有する、
    表示装置。
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