JP2001042258A - 多眼3次元ディスプレイ - Google Patents

多眼3次元ディスプレイ

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JP2001042258A
JP2001042258A JP11218582A JP21858299A JP2001042258A JP 2001042258 A JP2001042258 A JP 2001042258A JP 11218582 A JP11218582 A JP 11218582A JP 21858299 A JP21858299 A JP 21858299A JP 2001042258 A JP2001042258 A JP 2001042258A
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light
pixel
pixels
dimensional display
view
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JP11218582A
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Inventor
Kazusane Matsumoto
和実 松本
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Original Assignee
HIT DESIGN KK
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Publication date
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  • Testing, Inspecting, Measuring Of Stereoscopic Televisions And Televisions (AREA)
  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】クロストークやフリッカーを抑えつつ広い視域
を確保できるとともに画像情報の表示効率が高く薄型化
が可能な多眼3次元ディスプレイを提供する。 【解決手段】水平方向に一列に並ぶ複数の空間領域の中
の互いに異なるものに向かってそれぞれ光を発する複数
の画素を縦横の行列状に並べた画素セットを複数個縦横
の行列状に並べることによって表示画面を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、垂直視差を放棄し
水平視差のみの立体像を表示する多眼3次元ディスプレ
イに関する。
【0002】
【従来の技術】垂直視差を放棄し水平視差のみを有する
立体像を表示する多眼3次元ディスプレイとしては、レ
ンチキュラー方式やパララクスバリア方式のように視差
毎の画像を空間分割的に表示する方法と、バックライト
指向性切り替え方式のように視差毎の画像を時間分割的
に表示する方法とが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、垂直視差を放
棄しかつ水平視差のみを有する立体像を空間分割で表示
する従来の多眼3次元ディスプレイでは、クロストーク
とよばれる多重像による画像障害があったり、観察者の
視点を狭い空間に限定したりするため、通常の2次元デ
ィスプレイに比べて観察者を著しく疲労させるという問
題があった。
【0004】また、それは、ドットマトリックスプリン
タやドットマトリックス式の液晶ディスプレイ(LC
D)のようなデジタル表示技術を利用する場合には、画
像情報の表示効率が極端に悪いという問題があった。
【0005】例えば、縦横の分解能が等しい通常のデジ
タルカメラやレンダリングソフトウェアにより作成した
視差毎の原画を、縦横の画素ピッチが等しい通常のドッ
トマトリックス式の液晶ディスプレイ(LCD)にレン
チキュラーシートを組み合わせたレンチキュラー方式の
多眼3次元ディスプレイで表示する場合を考える。この
とき、視差数分の原画の全ての画素(画像情報)を表示
するためには、視差数分の原画の全ての画素数をさらに
視差数倍した画素数をもつ液晶ディスプレイが必要にな
り、視差数が増加するにつれて極端に大きな画素数をも
つ液晶ディスプレイが必要になるという問題がある。
【0006】つまり、レンチキュラー方式では、ある視
差に対応する画素は、液晶ディスプレイ上の水平方向に
おいて視差数分の画素ごとの周期でしか現われない。し
たがって、原画の縦横比を維持するためには、垂直方向
に同一の画素を視差数分ずつ並べることになり、液晶デ
ィスプレイに必要な画素数が、視差数分の全原画の画素
数をさらに視差数倍した画素数に増加してしまう。
【0007】一方、垂直視差を放棄しかつ水平視差のみ
を有する立体像を時間分割で表示する従来の多眼3次元
ディスプレイでは、視差数が多ければ多いほど画像を高
速で切り替える必要があるので、フリッカーやクロスト
ークによる画像障害があったり、観察者の視点を狭い空
間に限定したりするため、空間分割方式と同様に通常の
2次元ディスプレイに比べて観察者を著しく疲労させる
という問題があった。
【0008】また、従来のものは、時間分割とはいうも
のの、指向性をもつ複数の光束を得るために空間的に離
れた複数の光源または光源の像を用いるので、実質的に
は空間分割的な要素を持っており、それがために装置の
薄型化に限界があった。なお、特開平11−17437
6号公報で開示されているもののように、空間分割方式
と時間分割方式とを折中した方式もあるが、それは前述
の双方の欠点を十分解決したものとはいえず、その一方
ディスプレイの駆動が複雑になるという別の問題を抱え
たものであった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来の技術が有する問題点に着眼してなされたもので、
クロストークやフリッカーを抑えつつ広い視域を確保で
きるとともに画像情報の表示効率が高く薄型化が可能な
多眼3次元ディスプレイを提供することを目的としてい
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めの本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存
する。 [1]垂直視差を放棄し水平視差のみの立体像を表示す
る多眼3次元ディスプレイにおいて、水平方向に一列に
並ぶ複数の空間領域(a1〜d1)の中の互いに異なる
ものに向かってそれぞれ光を発する複数の画素(a0〜
d0)を2次元に配列した画素セット(110)を多数
2次元に配列することによって表示画面(101)を構
成したことを特徴とする多眼3次元ディスプレイ。
【0011】[2]垂直視差を放棄し水平視差のみの立
体像を表示する多眼3次元ディスプレイにおいて、水平
方向に一列に並ぶ複数の空間領域(a1〜d1)の中の
互いに異なるものに向かってそれぞれ光を発する複数の
画素(a0〜d0)を縦横の行列状に並べた画素セット
(110)を複数個縦横の行列状に並べることによって
表示画面(101)を構成したことを特徴とする多眼3
次元ディスプレイ。
【0012】[3]前記各画素(a0〜d0)は、光の
三原色を構成する赤色、緑色、青色の光線を空間的ある
いは時間的な周期性をもって照射する機能を備えている
ことを特徴とする[1]または[2]に記載の多眼3次
元ディスプレイ。
【0013】[4]前記各画素(a0〜d0)は、それ
ぞれ独立に階調を少なくとも3段階以上に変化させ得る
ことを特徴とする[1]、[2]または[3]に記載の
多眼3次元ディスプレイ。
【0014】[5]前記各画素(a0〜d0)をそれぞ
れ独立した指向性光源(501)で構成したことを特徴
とする[1]、[2]、[3]または[4]に記載の多
眼3次元ディスプレイ。
【0015】[6]前記表示画面(101)を、その裏
面側から指向性を持った光を照射するバックライトと、
前記バックライトからの光が前記表示画面(101)の
表面側に透過する透過率を切り替えるシャッタ(60
2)であって前記各画素毎に設けたものと、前記シャッ
タ(602)を透過する光線を屈折させる光路変更素子
(603)であって前記各シャッタ(602)毎に設け
たものとから構成したことを特徴とする[1]、
[2]、[3]、[4]または[5]記載の多眼3次元
ディスプレイ。
【0016】[7]前記光路変更素子(603)をプリ
ズムで構成したことを特徴とする[6]に記載の多眼3
次元ディスプレイ。
【0017】[8]一の画素セット(900、110
1、1102)に含まれる複数のプリズムを、3次元に
配列したことを特徴とする[7]に記載の多眼3次元デ
ィスプレイ。
【0018】[9]前記バックライトは、光の三原色を
構成する赤色の光と緑色の光と青色の光とを周期的に順
次照射する機能を備えた光源(1201)であることを
特徴とする[6]、[7]または[8]に記載の多眼3
次元ディスプレイ。
【0019】[10]前記バックライトは、光の三原色
の中の赤色の光を発するレーザ発振器(1301a)
と、光の三原色の中の緑色の光を発するレーザ発振器
(1301b)と、光の三原色の中の青色の光を発する
レーザ発振器(1301c)と、これらのレーザ発振器
(1301a〜1301c)から出力されたレーザ光線
を2次元的に拡張するための2組みの1次元ビームスプ
リッタアレイ(1302、1303)とを備え、前記1
次元ビームスプリッタアレイ(1302、1303)を
構成する複数のビームスプリッタは、分離した後の各レ
ーザ光線の光強度が互いに等しくなるようにそれらの反
射率がレーザ光線の通過する順に大きく設定されている
ことを特徴とする[6]、[7]、[8]または[9]
に記載の多眼3次元ディスプレイ。
【0020】[11]前記表示画面(1401)と隣接
する位置に集光レンズ(1403)を配置するととも
に、前記集光レンズの光軸が前記表示画面(1401)
の中心位置における法線と一致するようにしたことを特
徴とする[6]、[7]、[8]、[9]または[1
0]に記載の多眼3次元ディスプレイ。
【0021】[12]前記表示画面(1401)と隣接
する位置に、垂直方向に偏った拡散性を持つディフュー
ザ(1402)を前記表示画面(1401)と平行に配
置したことを特徴とする[1]、[2]、[3]、
[4]、[5]、[6]、[7]、[8]、[9]、
[10]または[11]に記載の多眼3次元ディスプレ
イ。
【0022】前記本発明は次のように作用する。各画素
セット(110)は、水平方向に一列に並ぶ複数の空間
領域(a1〜d1)の中の互いに異なるものに向かって
それぞれ光を発する複数の画素(a0〜d0)を2次元
に配列したものであり、この画素セット(110)を多
数2次元に配列することによって表示画面(101)が
構成されている。すなわち、水平方向に並ぶ各空間領域
(a1〜d1)から1つの画素セット(110)を見た
とき、各空間領域(a1〜d1)ごとに異なる画像情報
が提供され、表示画面(101)全体としては、各画素
セットに含まれる画素数に相当する視差数の水平視差を
持った画像が表示される。
【0023】ここで、1つの画素セット(110)に含
まれる複数の画素(a0〜d0)が2次元に配列されて
いるので、視差数分の画素を水平方向に一列に並べた従
来のものに比べて、ある1つの視差に対する画素が次に
現われるまでの水平方向の周期が短くなる。その結果、
表示画面上の縦横の画素ピッチを近づけても、垂直視差
を放棄しかつ水平方向の視差数の多い3次元画像を高い
表示効率で表示することができる。
【0024】特に、画素を縦横の行列状に並べた画素セ
ット(110)を複数個縦横の行列状に並べることによ
って表示画面(101)を構成したものでは、ドットマ
トリックスプリンタやドットマトリックス式の液晶ディ
スプレイ(LCD)など現行のディジタル表示技術との
相性が良く、垂直視差を放棄しかつ水平方向の視差数が
多い3次元画像を高い表示効率で表示することができ
る。
【0025】さらに各画素を、光の三原色を構成する赤
色、緑色、青色の光線を空間的あるいは時間的な周期性
をもって照射するものにする。このように空間分割や時
間分割で色毎の画像を提供しても、その周期を人間の眼
の空間的あるいは時間的な解像限界以上にすれば、フル
カラーの画像を高精細に表示することができる。たとえ
ば赤色、緑色、青色の光線を時間的な周期性をもって切
り替える時間分割方式の場合には、残像効果によってこ
れら色ごとの画像が観察者には合成されて認識されるの
で、色ごとに個別のサブ画素を設ける必要がない。
【0026】また各画素がそれぞれ独立に階調を少なく
とも3段階以上に変化させ得るものでは、3次元画像を
多階調に表示することができる。
【0027】各画素をそれぞれ独立した指向性光源(5
01)で構成したものでは、指向性光源の配置や数量を
変えることにより簡単に画素数や視差数を増減したり画
面の大きさを変更することができる。また各画素が独立
した指向性光源なので、レンチキュラー方式のように収
差の影響を受けず、広い視域角を確保しかつクロストー
クの少ない画像を得ることができる。
【0028】一方、表示画面(101)を、その裏面側
から指向性を持った光を照射するバックライトと、バッ
クライトからの光が表示画面(101)の表面側に透過
する透過率を切り替えるシャッタ(602)であって各
画素毎に設けたものと、シャッタを透過する光線を屈折
させる光路変更素子(603)であって各シャッタ毎に
設けたものとから構成したものでは、各画素を指向性光
源で構成する場合に比べて画素密度を高めることがで
き、高精細な多眼3次元画像を得ることができる。
【0029】光路変更素子(603)をプリズムで構成
したものでは、たとえばプリズムをシート状に配列する
ことにより、簡易な構成によって高精細の多眼3次元画
像を得ることができる。
【0030】さらに一の画素セット(900、110
1、1102)に含まれる複数のプリズムを3次元に配
列したものでは、画素ごとに光の屈折方向が異なる1画
素セット分の光路変更素子およびこれを多数2次元に配
列した多層のプリズムシート等を比較的容易に加工し製
造することができる。
【0031】バックライト(1201)として、光の三
原色を構成する赤色の光と緑色の光と青色の光とを周期
的に順次照射する機能を有するものを用いたものでは、
光線の切り替えと同期をとって各シャッタのモノクロー
ムパターンを変化させれば、残像効果によって3色の画
面が合成され、三原色の各色ごとにサブ画素を設けなく
てもフルカラーの表示を実現でき、もって高精細な多眼
3次元画像を得ることができる。
【0032】赤色の光を発するレーザ発振器(1301
a)と、緑色の光を発するレーザ発振器(1301b)
と、青色の光を発するレーザ発振器(1301c)と、
これらのレーザ発振器(1301a〜1301c)から
出力されたレーザ光線を2次元的に拡張するための2組
みの1次元ビームスプリッタアレイ(1302、130
3)とによって三原色のバックライトを構成し、さらに
1次元ビームスプリッタアレイを構成する複数のビーム
スプリッタを、分離した後の各レーザ光線の光強度が互
いに等しくなるように反射率がレーザ光線の通過する順
に大きく設定したものでは、多眼3次元ディスプレイの
薄型化を図ることができる。
【0033】表示画面(1401)と隣接する位置に集
光レンズ(1403)を配置するとともに、この集光レ
ンズ(1403)の光軸が表示画面(1401)の中心
位置における法線と一致するようにしたものでは、広い
観察領域にわたって全画面が明るく見える。また表示画
面(1401)と隣接する位置に、垂直方向に偏った拡
散性を持つディフューザ(1403)を表示画面(14
01)と平行に配置したものでは、広い垂直方向の視野
を得ることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の各種
実施の形態を説明する。図1は、本発明にかかる多眼3
次元ディスプレイ100の基本原理を示す概念図として
4眼3次元ディスプレイ101を表している。a0,b
0,c0,d0の4つの画素は、それぞれ水平方向に並
ぶ4つの空間領域a1,b1,c1,d1に向かって光
を発する画素セット110を構成している。空間領域a
1は、画素a0からの光が到達する空間領域であり、逆
に言えば、空間領域a1は、画素a0を見ることのでき
る視点の範囲(画素a0に対する視域)である。b0と
b1、c0とc1、d0とd1の関係も同様である。
【0035】上述の画素セット110と同様の画素セッ
トを複数縦横の行列状に並べることにより表示画面10
1が構成されている。
【0036】図2は、水平方向に移動させた4つの異な
る視点から見た4枚の原画(縦4画素×横4画素の行列
状の原画201〜204)を、垂直視差を放棄しかつ視
差数が「4」の水平視差を有する画像に合成した様子
を、従来のレンチキュラー方式と本発明にかかる指向性
画素方式の双方について示したものである。
【0037】レンチキュラー方式では、垂直視差を放棄
しかつ水平視差のみを備えた3次元画像を表示する場
合、シリンドリカルレンズを縦縞状に配置し、各シリン
ドリカルレンズの幅の中に視差数分の原画を水平方向に
並べて配置する。したがって、ある原画に含まれる画素
は、3次元表示のための合成画像の水平方向において
は、視差数分の画素周期でとびとびに現われる。
【0038】図2の例では、水平方向の視差数が「4」
なので、同図bに示すレンチキュラー方式では水平方向
に4画素周期で同じ視差の原画に属する画素が現われ
る。たとえば、レンチキュラー方式での合成画像の一列
目には、原画201の(v1、H1)画素、原画202
の(v1、H1)画素、原画203の(v1、H1)画
素、原画204の(v1、H1)画素が配置され、これ
に続いて原画201の(v1、H2)画素、原画202
の(v1、H2)画素、原画203の(v1、H2)画
素、原画204の(v1、H2)画素が配置される。
【0039】さらに原画201の(v1、H3)画素、
原画202の(v1、H3)画素、原画203の(v
1、H3)画素、原画204の(v1、H3)画素が配
置され、最後に原画201の(v1、H4)画素、原画
202の(v1、H4)画素、原画203の(v1、H
4)画素、原画204の(v1、H4)画素が配置され
る。
【0040】このように、ある視差の原画に含まれる画
素が合成画像上では水平方向に4画素周期で現われるの
で、縦横の画素ピッチの等しい表示装置で原画の縦横比
を維持して表示するためには、縦方向に同じ画素を4回
ずつ繰り返し表示することになる。その結果、合成画像
を表示するために必要な画素数が、全原画の画素数の視
差数倍になってしまう。図2の例では、原画201〜2
04の画素の合計が64画素であるのに対して、同図b
に示すレンチキュラー方式では、縦16画素×横16画
素の256画素を要している。
【0041】これに対し本発明にかかる指向性画素方式
では、図2cに示すように、レンチキュラー方式で水平
方向に一列に並べていた4つの画素を、縦2×横2の行
列状に配置する。したがって、ある視差の原画に含まれ
る画素が現われる水平方向の周期と垂直方向の周期とが
共に2画素になり、冗長な画素を設けることなく縦横比
を維持することができる。すなわち、図2cに示すよう
に、4つの原画201〜204の全ての画素(64画
素)を、縦8×横8の行列を構成する64画素で表すこ
とができる。
【0042】また、図3は、縦4×横4画素の4つの原
画201〜204をレンチキュラー方式で縦8×横8画
素の領域に表示する場合の例を示している。水平方向に
おいては、原画の4画素を2画素に圧縮し、垂直方向で
は、原画の1画素を2画素分に伸長している。たとえ
ば、水平方向の圧縮は、隣り合う画素(H1とH2ある
いはH3、H4)の平均をとったり、間引き等によって
行う。
【0043】図3bのレンチキュラー方式による画像
と、図3cの本発明にかかる指向性画素方式による画像
の品質を比較すると、水平情報密度は、レンチキュラー
方式:指向性画素方式=1:2になる。垂直情報密度は
1:1で等しい。さらに後に説明する深度情報密度で
は、レンチキュラー方式:指向性画素方式≒1:2にな
るので、結局立体像を構成するための3次元情報量の比
はレンチキュラー方向:指向性画素方式≒1:4にな
る。
【0044】このように、本発明の指向性画素方式で
は、1つの画素セットに含まれる複数の画素が縦横の行
列状に並んでいるため、レンチキュラー方式やパララク
スバリア方式のように1つの画素セットに含まれる全て
の画素が水平方向に1列に並んでいるものに比べて画像
情報の表示効率が格段に高い。具体的には、視差数(眼
数)が4,9,16…といった平方数の多眼三次元画像
を縦横の画素ピッチが等しいドットマトリックス表示体
を用いて表示した場合、本発明では、レンチキュラー方
式やバララクスバリア方式に比べて表示体の画素数を4
分の1,9分の1,16分の1というように小さくで
き、格段に効率的な表示が可能となる。
【0045】図4は、レンチキュラー方式を例にとり、
画素の粗さと深度情報密度との関係を示している。シリ
ンドリカルレンズを用いた従来のレンチキュラー方式で
は、1本のシリンドリカルレンズ内に収められている各
視差毎の画素が、シリンドリカルレンズの幅全体に広が
って見える。これを標本化効果という。たとえば、図2
bに示したものでは、水平方向に略4画素分の幅を持っ
たシリンドリカルレンズを用いるので、1つの画素が水
平方向に4画素分に広がって見える。
【0046】図4において視点1を観察者の左目位置、
視点2を同じ観察者の右目位置であるとすると、幅の狭
い画素401の場合には、矢印411で示すように深度
方向解像限界(分解しうる2点間の距離)が比較的小さ
く、深度情報密度は高いが、画素401よりも幅広の画
素402の場合には、矢印412で示すように深度方向
解像限界が大きくなって深度情報密度が低下する。
【0047】したがって、図2cのように水平方向に2
画素の周期で同じ原画の画素が現われる場合には、標本
化効果が現われたとしても、各画素の広がりが2画素分
に収まるので、図2bのように標本化効果で各画素が水
平方向に4画素分に広がる場合に比べて、高い深度情報
密度を得ることができる。
【0048】図5は、本発明の第1の実施の形態にかか
る多眼3次元ディスプレイを構成する一の画素セット5
10を示している。画素セット510の各画素は、指向
性を備えたLED501(発光ダイオード)で構成され
ている。図5aは、水平方向の視差数が「9」の9眼3
次元ディスプレイで用いる画素セット502を示してい
る。同図bは水平方向の視差数が「16」の16眼3次
元ディスプレイで用いる画素セット520の一例を示し
ている。
【0049】LED501の指向性は、水平方向にはそ
の広がりを数度程度と鋭くし、垂直方向には数十度程度
に発散させるのが好適である。また各画素用の指向性L
ED501は規格化できるので、その配置や数量を変え
ることにより簡単に画素数や視差数を増減したり画面の
大きさを変更することができる。さらに、カラー表示を
する場合は、図5の各画素のLED501を同じ指向性
を持つ赤、緑、青の各色を発する合計3本のLEDに置
き換え、それぞれの点灯状態を調整して表示すればよ
い。なお、図5およびそれ以降の図中で記号x,yを付
けた矢印はそれぞれ画面の水平方向と垂直方向とを指示
している。
【0050】このように指向性を持ったLEDなどを指
向性光源として用いることにより、従来のレンチキュラ
ー方式やパララクスバリア方式のように、異なる画素か
ら出た光が同じレンズやスリットを通らないのでクロス
トークの発生を抑えつつ、広い視域を確保することが可
能である。
【0051】次に、本発明の第2の実施の形態について
説明する。第1の実施の形態では、各画素を指向性を持
った光源で構成したが、第2の実施の形態では、共通の
バックライトからの光を、各画素毎に設けたプリズムな
どの光路変更素子によって各画素ごとに異なる方向へそ
の指向性を変えるようになっている。
【0052】図6は、第2の実施の形態にかかる多眼3
次元ディスプレイで使用する一の画素セット604を示
している。第2の実施の形態にかかる多眼3次元ディス
プレイは、各画素に共通する図示省略したバックライト
と、このバックライトからの光の表面側への透過率を切
り替える多数のシャッタ素子(画素)602をアレイ状
態に配置したドットマトリックス型液晶表示画面(LC
D)601と 各シャッタ素子(画素)602に1対1
に対応して設けられ、対応する画素を透過した後の光線
をそれぞれ異なる方向に向けて屈折させる光路変更素子
603とから構成されている。バックライトからの光
は、所定の指向性を持っている。たとえばドットマトリ
ックス型液晶表示画面(LCD)601の裏面に垂直あ
るいは一定の角度をもって入射する平行光などである。
また、ここでは光路変更素子603としてプリズムを用
いている。
【0053】上述のように構成すれば、LEDを用いる
場合に比べて容易に画素を高密化できるドットマトリッ
クス型液晶表示画面(LCD)601を使用できるの
で、高精細な多眼3次元画像(図6では16眼3次元画
像)を得ることができる。
【0054】3次元画像のカラー表示は、通常のカラー
LCDのように、カラーフィルタとサブ画素を用いる空
間分割による方法と、時間分割による方法(フィールド
シーケンシャル方式)とのいずれによっても可能であ
る。空間分割法では、たとえば、図6のシャッタ素子
(画素)602をさらに3つのサブ画素に分け、そのう
ちの1つのサブ画素に赤色のフィルタを、他の1つのサ
ブ画素に緑色のフィルタを、残る1つのサブ画素に青色
のフィルタを取り付ける。そして、各サブ画素における
光の透過率を調整することで多眼3次元のカラー画像を
得ることができる。なお、時間分割法については後で説
明する。
【0055】ところで、図6の光路変更素子603は、
通常のプリズムを利用しているが、それ以外にも、屈折
率分布型プリズム、液晶プリズム、ホログラフィックプ
リズム等の特殊なプリズムを使用してもよい。また、プ
リズムにレンズ作用や拡散作用を持たせて射出光線の指
向性に広がりを与えれば、各視差領域を切れ目なく構成
できる。なお、このようなレンズ作用は、図7aに示す
ように凸レンズ701によるだけでなく、同図bに示す
ように凹レンズ702によってもよい。
【0056】図8は、光路変更素子としての複雑なプリ
ズムを表示画面の全面に渡って縦横の行列状に多数配置
したプリズムシート800を示している。このようにプ
リズムシート800の一方の面だけに凹凸を付けてプリ
ズムの稜を形成する場合には、その加工・製造が難しく
高価格にならざるを得ない。そこで、図9に示すもので
は、複数のプリズムで構成される1画素セット分のプリ
ズム900を、表裏面が平行な透明板のうち表面のみに
角度を付けたプリズムが複数隣接する部分910と、透
明板の裏面のみに角度を付けたプリズムが複数隣接する
部分920と、透明板の表面と裏面の双方に角度を付け
たプリズムが複数隣接する部分930とに分けて構成し
ている。図9aは、1画素セット分のプリズム900の
斜視図を、図9bは、1画素セット分のプリズム900
の六面図である。ただし、この図では、横4×縦3の1
2画素で1つの画素セットを構成している。
【0057】図9の構成によれば、図10に示すよう
に、プリズムシートの金型を1次元的な切削の組み合わ
せによって形成できるので、図8の場合に比べて加工コ
ストを大幅に低減できる。図10aは、プリズムの1次
元アレイの型を切削した段階の金型である。次に図10
bは、同図aのプリズムの1次元アレイの型と直交する
ように平らな溝の1次元アレイを切削した加工完了段階
の金型である。以上の加工法により、前面用と後面用の
金型を作成し組み合わせることで、図8のプリズム90
0を縦横に並べたプリズムシートの金型が完成する。
【0058】図11は、プリズムシート(透明板)を2
層重ねにすることで、一の画素セットに含まれる複数の
プリズムを3次元に配列したものの一例を示している。
各画素セット分のプリズムは、表示画面のY方向(垂直
方向)に4つの領域に分けて構成されている。図11a
の領域では、光源側に位置する下層の透明体1101の
入射面側にだけ角度を付けてプリズムを構成してある。
同図bの領域では、下層の透明体1101の出射面側に
だけ角度を付けてプリズムを構成してある。図11cの
領域では、上層の透明体1102の入射面側にだけ角度
を付けてプリズムを構成し、同図dの領域では、下層の
透明体1101の出射面側と上層の透明体1102の入
射面側にだけ角度を付けてプリズムを構成してある。
【0059】図11に示すものでは同図a、b、c、d
の各領域ごとに4つの視差を得ることができるので、1
つの画素セットで16の視差を持つことができる。な
お、各層1101、1102に対応するプリズムシート
は、図10で示した製造工程を適用して作成することが
できる。また、重ねる層の数を増やせばさらにより多く
の視差数を持つ画素セット用の光路変更素子を容易に形
成することができる。さらに、図11で示すように観察
者側の出射面に角度を付けることなく平面としたままプ
リズムを形成できるので、観察者側の出射面に図14に
示すような集光性あるいは拡散性を得るためのレンズあ
るいはディフューザを形成することも容易になる。
【0060】次に、図6や図9のようにLCDを使用す
る場合におけるカラー表示方法について説明する。カラ
ー表示方法には、通常のカラーLCDのようにカラーフ
ィルタとサブ画素を用いる空間分割による方法と、以下
に述べる時間分割による方法(フィールドシーケンシャ
ル方式)とがある。ここでは、図12に示すように、光
の三原色である赤色、緑色、青色の光を周期的に順次照
射する光源1201を用いることにより、時間分割によ
るカラー表示を実現している。
【0061】具体的には、赤(R)、緑(G)、青
(B)の三原色の光線の切り替えに同期をとって液晶表
示画面1102のモノクロームパターンを変化させる。
すなわち、赤色の光源を点灯しているときには、赤色の
光で表示すべき画像パターンを液晶表示画面に形成し、
緑色の光源が点灯しているときには緑色の光で表示すべ
き画像パターンを液晶表示画面に形成し、青色の光源が
点灯しているときには青色の光で表示すべき画像パター
ンを液晶表示画面に形成する。色の切替を人間の眼の残
像効果が働く程度に速くすると、この残存効果により、
色ごとの異なる3つの画面が合成されたカラー画像を観
察者が認識することになる。その結果、RGB三原色の
サブ画素を必要としないフルカラー表示を実現すること
ができる。なお、図12のように三原色分計3個の光源
を用いるかわりに、白色光源1個と、時間分割で順次切
り替わる赤、緑、青の各フィルタを組み合わせてもよ
い。
【0062】この時間分割によるカラー表示では、RG
B三原色のサブ画素を必要としないので、その分、LC
Dの画素密度を高くでき、高精細な多眼3次元ディスプ
レイが可能となる。一般に、時間分割による方法は、フ
リッカーやクロストークをともなうが、三原色表示の場
合は1単位の時分割数が「3」という少ない数なので、
画面切替えに要する時間が数ms程度の液晶を使えば3
次元動画表示を行ったとしてもフリッカーやクロストー
クは無視できる程度に抑えられる。
【0063】ところで、近い将来、2次元ディスプレイ
はLCDやPDP(プラズマディスプレイ)の様な薄型
のディスプレイが主流になると予想されている。従っ
て、3次元ディスプレイを薄型に構成することは、その
普及という観点から重要である。図13は、薄型のカラ
ー3次元ディスプレイの構成の一例を示している。それ
はRGB三原色の光を発する3本のレーザ発振器130
1a〜1301cと、これらのレーザ発振器の出力する
光束を2次元的に拡張するための2組の1次元ビームス
ブリッタアレイ1302、1303とを備えている。
【0064】1次元ビームスプリッタアレイの各ビーム
スブリッタは、光線が通過する順に反射率が増大するよ
うに設定されており、画面1304を透過する直前の箇
所では、レーザ発振器からの距離にかかわらず、全てが
空間的に均一な光強度になるように各ビームスプリッタ
の反射率が選択されている。なお、図13ではRGB三
原色のレーザ光線の経路を一致させるためにダイクロイ
ックミラー1305を用いている。
【0065】上述の構成にすることで、薄型の多眼3次
元ディスプレイを得ることができる。また、各レーザ発
振器1301a〜1301cにシャッタ1306を取り
付ければ、時間分割方式のカラー表示ができ、これによ
り薄型で高精細なカラー多眼3次元ディスプレイが可能
となる。
【0066】本発明は、指向性をもった光束を水平方向
に分配することにより多眼3次元画像を得るものである
が、単に水平に分配するだけでは光束の垂直方向の拡散
性が無いため画面全体を明るく観察することができな
い。図14は、垂直方向に光を拡散させた多眼3次元デ
ィスプレイの一例を示し、図14aは上方から見た様子
を、図14bは側方から見た様子をそれぞれ表してい
る。図示するように画面1401と隣接した位置に、垂
直方向に偏った拡散性を持つディフューザ1402を画
面1401と平行に配置して点状光源1404とレンズ
1405とで構成されるバックライトからの光束を垂直
方向に拡散させる。これにより、広い垂直方向の視野を
得ることができる。なお、画面1401には、レンズ1
405を通じて平行光がほぼ垂直に入射するようになっ
ている。
【0067】なお、図示したディフューザ1402はコ
ントラストを高くするためにブラックストライプを付け
たレンチキュラーシートで構成したが、ブラックストラ
イプのないレンチキュラーシートや水平方向にヘアライ
ン加工を施した透明板等、垂直方向に偏った拡散性をも
つディフューザであれば、何を使用してもよい。ただ
し、ディフューザに施される凹凸のピッチは、サブ画素
(フィールドシーケンシャル方式の場合は画素)ピッチ
以下に設定するのがよい。
【0068】このようにして水平方向の視差や垂直方向
の拡散性が得られたとしても、画像情報や光線を観察者
に効率的に伝達する工夫が要請される。この問題は、図
14に示すように画面1401と隣接した位置に集光レ
ンズ1403を設けることによって解決される。つま
り、集光レンズ1403を、その光軸が表示画面の中心
位置における法線と一致するように配置する。なお、図
14では、光源に白色の点光源1404を使用している
が、既述したようにRGB三原色のLEDやレーザ発振
器を光源としてもよい。
【0069】以上説明した各実施の形態では、各画素セ
ットが、複数の画素を縦横の行列状に配置したものであ
ったが、水平方向の視差数分の画素を2次元に配列する
ものであれば、その配列が行列形式に限定されるもので
はない。ただし、画素および画素セットを行列状に配置
すれば、縦横の画素ピッチが等しい通常のドットマトリ
ックス型LCDを利用し、その画面上に図8に示すよう
なプリズムシートを取り付けることで、比較的容易に多
眼3次元ディスプレイを形成することができる。
【0070】なお、1つの画素セット内での各画素の位
置の配列と指向性(方向)の配列との対応関係が、全て
の画素セットで共通していることが、画素密度のバラツ
キをなくす点で望ましい。
【0071】
【発明の効果】本発明にかかる多眼3次元ディスプレイ
によれば、水平方向に一列に並ぶ複数の空間領域の中の
互いに異なるものに向かってそれぞれ光を発する複数の
画素を行列形式などで2次元に配列して画素セットを構
成したので、視差数分の画素を水平方向に一列に並べて
画素セットを構成する場合に比べて、垂直視差を放棄し
かつ水平視差のみを有する立体像を高い表示効率で表示
することができる。
【0072】特に、画素を縦横の行列状に並べた画素セ
ットを複数個縦横の行列状に並べることによって表示画
面を構成したものでは、ドットマトリックスプリンタや
ドットマトリックス式の液晶ディスプレイ(LCD)な
ど現行のディジタル表示技術との相性が良く、垂直視差
を放棄しかつ水平方向の視差数が多い3次元画像を高い
表示効率で表示することができる。
【0073】また各画素が、光の三原色を構成する赤
色、緑色、青色の光線を空間的あるいは時間的な周期性
をもって照射するものでは、フルカラーの画像を表示す
ることができる。さらに各画素がそれぞれ独立に階調を
少なくとも3段階以上に変化させ得るものでは、多階調
の画像を高精細に表示することができる。
【0074】各画素をそれぞれ独立した指向性光源で構
成したものでは、指向性光源の配置や数量を変えること
により簡単に画素数や視差数を増減したり画面の大きさ
を変更することができる。また各画素が独立した指向性
光源なので、レンチキュラー方式のように収差の影響を
受けず、広い視域角を確保しかつクロストークの少ない
画像を得ることができる。
【0075】表示画面を、その裏面側から指向性を持っ
た光を照射するバックライトと、バックライトからの光
が表示画面の表面側へ透過する透過率を切り替えるシャ
ッタであって各画素毎に設けたものと、シャッタを透過
する光線を屈折させる光路変更素子であって各シャッタ
毎に設けたものとから構成したものでは、各画素を指向
性光源で構成する場合に比べて画素密度を高めることが
でき、高精細な多眼3次元画像を得ることができる。
【0076】光路変更素子をプリズムで構成したもので
は、プリズムをシート状に配列することにより、簡易な
構成によって高精細の多眼3次元画像を得ることができ
る。また指向性バックライトを用いていることから、プ
リズムにレンズ作用を付加してもクロストークの少ない
画像を得ることができる。
【0077】さらに一の画素セットに含まれる複数のプ
リズムを、3次元に配列したものでは、画素ごとに光の
屈折方向が異なる1画素セット分の光路変更素子および
これを多数2次元に配列した多層のプリズムシート等を
比較的容易に加工し製造することができる。
【0078】バックライトとして、光の三原色を構成す
る赤色の光と緑色の光と青色の光とを周期的に順次照射
する機能を有するものを用いたものでは、光線の切り替
えと同期をとって各シャッタのモノクロームパターンを
変化させれば、残像効果によって3色の画面が合成さ
れ、三原色の各色ごとにサブ画素を設けなくてもフルカ
ラーの表示を実現でき、もって高精細な多眼3次元画像
を得ることができる。
【0079】赤、緑、青の各色の光を発する3つのレー
ザ発振器と、これらの出力するレーザ光線を2次元的に
拡張するための2組みの1次元ビームスプリッタアレイ
とによって三原色のバックライトを構成し、さらに先の
1次元ビームスプリッタアレイを構成する複数のビーム
スプリッタを、分離した後の各レーザ光線の光強度が互
いに等しくなるように反射率がレーザ光線の通過する順
に大きく設定したものでは、多眼3次元ディスプレイの
薄型化を図ることができる。
【0080】表示画面と隣接する位置に集光レンズを配
置するとともに、この集光レンズの光軸が表示画面の中
心位置における法線と一致するようにしたものでは、広
い観察領域にわたって全画面が明るく見える。また表示
画面と隣接する位置に、垂直方向に偏った拡散性を持つ
ディフューザを表示画面と平行に配置したものでは、広
い垂直方向の視野を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の各実施の形態に係る多眼3次元ディス
プレイの基本原理を示す説明図である。
【図2】水平方向に移動させた4つの異なる視点から見
た4枚の原画を、垂直視差を放棄しかつ視差数4の水平
視差を有する画像に合成した様子を従来のレンチキュラ
ー方式と本発明にかかる指向性画素方式の双方について
示した説明図である。
【図3】縦4×横4画素の4つの原画をレンチキュラー
方式で縦8×横8の画素を用いて表示する場合の一例を
示す説明図である。
【図4】画素の粗さと深度情報密度との関係を示す説明
図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態にかかる多眼3次元
ディスプレイを構成する一の画素セットを示す説明図で
ある。
【図6】本発明の第2の実施の形態にかかる多眼3次元
ディスプレイで使用する一の画素セットを示す説明図で
ある。
【図7】画素セットを構成するプリズムにレンズ作用を
持たせる場合の各種の例を示す説明図である。
【図8】光路変更素子としての複雑なプリズムを表示画
面の全面に渡って縦横の行列状に多数配置して形成した
プリズムシートの一部分を示す斜視図である。
【図9】複数のプリズムで構成される1画素セット分の
プリズムを透明板の表裏面の双方を用いて形成したもの
の一例を示す説明図である。
【図10】図9に示すプリズムを作成する際に用いる金
型の製造過程を示す説明図である。
【図11】プリズムシート(透明板)を2層重ねにする
ことで、一の画素セットに含まれる複数のプリズムを3
次元に配列したものの一例を示す説明図である。
【図12】光の三原色である赤色、緑色、青色の光を周
期的に順次照射する光源を用いることで時間分割による
カラー表示を実現する多眼3次元ディスプレイを示す説
明図である。
【図13】薄型のカラー多眼3次元ディスプレイの構成
の一例を示す説明図である。
【図14】垂直方向に光を拡散させた多眼3次元ディス
プレイの一例を示す説明図である。
【符号の説明】
a0〜d0…画素 a1〜d1…空間領域 100…多眼3次元ディスプレイ 101…表示画面 110、510、520、604…画素セット 201〜204…視差毎の原画 501…指向性LED 601、1204…ドットマトリックス型液晶表示画面
(LCD) 602…シャッタ素子(画素) 603…光路変更素子 800…プリズムシート 900…1画素セット分のプリズム 910…透明板の表面のみに角度を付けたプリズムが複
数隣接する部分 920…透明板の裏面のみに角度を付けたプリズムが複
数隣接する部分 930…透明板の表裏面の双方に角度を付けたプリズム
が複数隣接する部分 1101…下層の透明板(プリズムシート) 1102…上層の透明板(プリズムシート) 1201…三原色を周期的に順次照射する光源 1301a〜1301c…赤、緑、青のレーザ発振器 1302、1303…1次元ビームスプリッタアレイ 1305…ダイクロイックミラー 1306…シャッタ 1402…垂直方向に偏った拡散性を持つディフューザ 1403…集光レンズ 1404…バックライトを構成する点光源 1405…バックライトを構成するレンズ

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】垂直視差を放棄し水平視差のみの立体像を
    表示する多眼3次元ディスプレイにおいて、 水平方向に一列に並ぶ複数の空間領域の中の互いに異な
    るものに向かってそれぞれ光を発する複数の画素を2次
    元に配列した画素セットを多数2次元に配列することに
    よって表示画面を構成したことを特徴とする多眼3次元
    ディスプレイ。
  2. 【請求項2】垂直視差を放棄し水平視差のみの立体像を
    表示する多眼3次元ディスプレイにおいて、 水平方向に一列に並ぶ複数の空間領域の中の互いに異な
    るものに向かってそれぞれ光を発する複数の画素を縦横
    の行列状に並べた画素セットを複数個縦横の行列状に並
    べることによって表示画面を構成したことを特徴とする
    多眼3次元ディスプレイ。
  3. 【請求項3】前記各画素は、光の三原色を構成する赤
    色、緑色、青色の光線を空間的あるいは時間的な周期性
    をもって照射する機能を備えていることを特徴とする請
    求項1または2に記載の多眼3次元ディスプレイ。
  4. 【請求項4】前記各画素は、それぞれ独立に階調を少な
    くとも3段階以上に変化させ得ることを特徴とする請求
    項1、2または3に記載の多眼3次元ディスプレイ。
  5. 【請求項5】前記各画素をそれぞれ独立した指向性光源
    で構成したことを特徴とする請求項1、2、3または4
    に記載の多眼3次元ディスプレイ。
  6. 【請求項6】前記表示画面を、その裏面側から指向性を
    持った光を照射するバックライトと、前記バックライト
    からの光が前記表示画面の表面側に透過する透過率を切
    り替えるシャッタであって前記各画素毎に設けたもの
    と、前記シャッタを透過する光線を屈折させる光路変更
    素子であって前記各シャッタ毎に設けたものとから構成
    したことを特徴とする請求項1、2、3、4または5記
    載の多眼3次元ディスプレイ。
  7. 【請求項7】前記光路変更素子をプリズムで構成したこ
    とを特徴とする請求項6に記載の多眼3次元ディスプレ
    イ。
  8. 【請求項8】一の画素セットに含まれる複数のプリズム
    を、3次元に配列したことを特徴とする請求項7に記載
    の多眼3次元ディスプレイ。
  9. 【請求項9】前記バックライトは、光の三原色を構成す
    る赤色の光と緑色の光と青色の光とを周期的に順次照射
    する機能を備えた光源であることを特徴とする請求項
    6、7または8に記載の多眼3次元ディスプレイ。
  10. 【請求項10】前記バックライトは、光の三原色の中の
    赤色の光を発するレーザ発振器と、光の三原色の中の緑
    色の光を発するレーザ発振器と、光の三原色の中の青色
    の光を発するレーザ発振器と、これらのレーザ発振器か
    ら出力されたレーザ光線を2次元的に拡張するための2
    組みの1次元ビームスプリッタアレイとを備え、 前記1次元ビームスプリッタアレイを構成する複数のビ
    ームスプリッタは、分離した後の各レーザ光線の光強度
    が互いに等しくなるようにそれらの反射率がレーザ光線
    の通過する順に大きく設定されていることを特徴とする
    請求項6、7、8または9に記載の多眼3次元ディスプ
    レイ。
  11. 【請求項11】前記表示画面と隣接する位置に集光レン
    ズを配置するとともに、前記集光レンズの光軸が前記表
    示画面の中心位置における法線と一致するようにしたこ
    とを特徴とする請求項6、7、8、9または10に記載
    の多眼3次元ディスプレイ。
  12. 【請求項12】前記表示画面と隣接する位置に、垂直方
    向に偏った拡散性を持つディフューザを前記表示画面と
    平行に配置したことを特徴とする請求項1、2、3、
    4、5、6、7、8、9、10または11に記載の多眼
    3次元ディスプレイ。
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