JP2023050710A - 制御方法及び制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】目標経路に対する追従性の高い車両用の制御方法及び制御システムを提供すること。【解決手段】制御システム1は、車両2の走路100をなす路面に配設された磁気マーカ10を利用して車両を走行させるためのシステムであり、磁気マーカ10に対する横方向の偏差を特定する磁気センサアレイと、磁気マーカ10に対する横方向の偏差を目標の軌跡に対する制御点の横方向の偏差に変換すると共に、制御点の横方向の偏差をゼロに近づけるように車両2の舵角を制御する制御ユニットと、を含み、制御点は、車両2の速度に所定の時間を乗じた距離にオフセット距離を加えた距離の分だけ、車両の前後方向において磁気センサアレイよりも前方の位置に設定されている。【選択図】図1

Description

本発明は、車両を走行させるための制御方法及び制御システムに関する。
従来、工場や物流倉庫などにおいて、自動搬送車が広く活用されている。自動搬送車を自動走行させるためのシステムとしては、床面に敷設された磁気テープを利用するシステムが知られている(例えば特許文献1参照。)。このシステムでは、磁気テープに対する車両の横方向の偏差が検出され、この偏差を抑えるように車両が操舵される。
特開2011-008598号公報
しかしながら、前記従来のシステムでは、次のような問題がある。すなわち、磁気テープに追従する際の操舵の遅れが生じると車両が目標の軌跡から外れるおそれが生じ、このおそれを未然に回避するために車速を十分に抑える必要がある。
本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、目標経路に対する追従性を高めた車両用の制御方法及び制御システムを提供しようとするものである。
本発明の一態様は、車両の走路をなす路面に配設された目印を利用し、車両に対して設定された所定の制御点が目標の軌跡に沿うよう、車両を走行させるための制御方法であって、
車両は、前記目印に対する横方向の偏差を特定する装置を備えており、
前記目印に対する横方向の偏差を、前記目標の軌跡に対する前記制御点の横方向の偏差に変換する処理と、
前記制御点の横方向の偏差をゼロに近づけるように車両が備える操舵輪の舵角を制御する処理と、を含み、
前記制御点は、車両の速度に所定の時間を乗じた距離に所定のオフセット距離を加えた距離の分だけ、車両の前後方向において前記装置よりも前方の位置に設定されている車両用の制御方法にある。
本発明の一態様は、車両の走路をなす路面に配設された目印を利用し、車両に対して設定された所定の制御点が目標の軌跡に沿うよう、車両を走行させるための制御システムであって、
前記目印に対する横方向の偏差を特定する装置と、
前記目印に対する横方向の偏差を、前記目標の軌跡に対する前記制御点の横方向の偏差に変換する回路と、
前記制御点の横方向の偏差をゼロに近づけるように車両の操舵輪の舵角を制御する回路と、を含み、
前記制御点は、車両の速度に所定の時間を乗じた距離にオフセット距離を加えた距離の分だけ、車両の前後方向において前記装置よりも前方の位置に設定される車両用の制御システムにある。
本発明に係る車両用の制御方法および制御システムは、路面に配設された目印を利用して目標の軌跡に沿って車両を走行させるための方法あるいはシステムである。本発明に係る制御方法及び制御システムは、目印に対する横方向の偏差に基づいて目標の軌跡に対する制御点の横方向の偏差を特定し、当該制御点の横方向の偏差をゼロに近づけるように操舵輪の舵角を制御する。
本発明に係る制御方法および制御システムは、制御点の設定位置に技術的な特徴のひとつを有している。この制御方法及び制御システムでは、車両の速度に所定の時間を乗じた距離にオフセット距離を加えた距離の分だけ、装置よりも前方の位置に制御点が設定される。本発明によれば、車両の速度が高くなるほど制御点を前方に位置させることができる。車両の速度が高くなったときに制御点を前方に位置させれば、制御遅れを抑制でき目標の軌跡から車両が外れるおそれを抑制できる。
ここで、車両の速度に所定の時間を乗じた距離は、車両の速度がゼロになれば、当然にゼロとなる。一方、この距離にオフセット距離を加えた距離は、車両の速度に関わらずオフセット距離以上の距離となる。本発明によれば、車両の速度に関わらず、装置よりもオフセット距離以上、前方の位置に制御点を設定できる。それ故、本発明によれば、車両の速度がごく低速になった場合であっても、舵角の制御に遅れが生じるおそれが少ない。
以上の通り、本発明の制御方法及び制御システムでは、車両の速度に所定の時間を乗じた距離にオフセット距離を加えた距離の分だけ、目印に対する横方向の偏差を特定するための装置よりも前方の位置に制御点が設定される。本発明の制御方法及び制御システムは、このように制御点を装置の前方に位置させることにより、目標の軌跡に対する追従性を高めた優れた特性の制御方法あるいは制御システムである。
走路を例示する説明図。 磁気マーカの説明図。 車両の説明図。 車両(先頭車両)のシステム構成図。 磁気センサアレイのシステム構成図。 磁気マーカの真上を通過する磁気センサによる進行方向の磁気計測値の時間変化を例示するグラフ。 磁気センサC1~C15による車幅方向の磁気計測値の分布を例示するグラフ。 先頭車両と台車の模式図。 車両の各点の軌跡を例示する説明図。 目標の軌跡を例示する説明図。 前方注視距離Lfと車速Vとの関係を示すグラフ。 直線路において車両(先頭車両)に設定される制御点の説明図。 曲線路において車両(先頭車両)に設定される制御点の説明図。 磁気マーカを検出した際の制御点CTの横偏差eyの説明図。 隣り合う磁気マーカの中間を走行中の制御点CTの横偏差eyの説明図。 オフセット距離Loをゼロとした場合の実証実験の結果を示すグラフ。 オフセット距離Loを設定した場合の実証実験の結果を示すグラフ。
本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例1)
本例は、走路100に沿って車両2を走行させるための制御方法及び制御システム1に関する例である。この内容について、図1~図17を用いて説明する。
車両2の走行環境は、例えば、工場や物流倉庫などの屋内環境や、工場などの敷地内の屋外環境など、である。車両2が走行する目標の軌跡としては、工場や物流倉庫などで設定された走路100(例えば図1)をはみ出すことなく走行するための軌跡が設定される。
走路100(図1)は、例えば、幅約2mの一方通行のオーバル形状の周回走路である。走路100は、直線路100Sと、曲線路100Cと、を組み合わせて構成されている。本例の構成では、走路100のほぼ中央に沿うように磁気マーカ10が配列されている。磁気発生源としての磁気マーカ10は、車両2が目標の軌跡に沿って走行するための目印の一例をなしている。隣り合う磁気マーカ10の間隔は、例えば2mなどの一定の間隔となっている。なお、磁気マーカ10の間隔が一定であることは必須の要件ではない。
磁気マーカ10は、図2のごとく、直径100mm、厚さ2mmのシート状をなす永久磁石である。磁気マーカ10は、走路の表面をなす路面に貼り付け可能である。個片状の磁気マーカ10は、磁気テープと比べて床面等への貼付けが容易である。特に、直線状の磁気テープは、曲線状の貼付けが難しく皺などを生じ易い一方、個片状の磁気マーカ10であれば、曲線路への敷設が容易である。磁気マーカ10であれば、貼り換えが容易であるので、ルート変更など走路100の形状変更への対応が容易である。
磁気マーカ10をなす磁石は、磁性材料である酸化鉄の磁粉を基材である高分子材料中に分散させたフェライトラバーマグネットである。なお、本例のシート状の磁気マーカ10に代えて、柱状の磁気マーカを採用しても良い。柱状の磁気マーカの場合、路面に穿設された孔に収容すると良い。
次に、本例の制御システム1を構成する車両2について説明する。車両2は、図3のごとく、駆動輪を備える先頭車両21と、この先頭車両21に牽引される四輪の台車22と、により構成されている。先頭車両21は、長さ2m、幅1mであり、台車22は、長さ2m、幅1mである。なお、本例では、前輪軸211Aと後輪軸212Aとの軸間距離をLwとし、磁気センサアレイ3と後輪軸212Aとの距離をLmとする。
先頭車両21は、操舵輪である左右一対の前輪211と、駆動輪である後輪212と、を有している。後輪212は、回転軸の軸方向が固定された固定輪である。先頭車両21の後部には、台車22を牽引するための牽引フック219が設けられている。また、先頭車両21の最後尾には、棒状の磁気センサアレイ3が車幅方向(横方向)に沿うように取り付けられている。
台車22は、先頭車両21あるいは先行する台車22に連結するための連結バー220を有すると共に、後続する台車22を連結するための連結フック229を備えている。台車22は、左右一対の従動輪221を前部に、左右一対の固定輪222を後部に備えている。先頭車両21には、複数台の台車22を連結可能である。
先頭車両21のシステム構成について図4を参照して説明する。先頭車両21は、磁気検出を行う磁気センサアレイ3(装置の一例。)、車両2の走行を制御する制御ユニット40、慣性航法を実現するためのIMU(Inertial Measurement Unit)42、後輪212を回転駆動するモータユニット44、操舵輪である前輪211を操舵する操舵ユニット46、などを含んで構成されている。
磁気センサアレイ3(図5)は、複数の磁気センサCnが一直線上に配列された棒状のユニットであり、先頭車両21の車幅方向に沿うように取り付けられる(図3参照。)。特に、本例の構成では、後輪軸212A(図3)よりも後ろ側に当たる先頭車両21の最後尾に磁気センサアレイ3が取り付けられている。走路100(図1)の床面を基準とした磁気センサアレイ3の取り付け高さは、100mmとなっている。
磁気センサアレイ3(図5)は、一直線上に配列された15個の磁気センサCn(nは1~15の整数)と、図示しないCPU等を内蔵した検出処理回路32と、を備えている。棒状の磁気センサアレイ3では、その長手方向に沿って15個の磁気センサCnが5cm間隔で配列されている。車幅方向に沿うように磁気センサアレイ3が先頭車両21に取り付けられたとき、15個の磁気センサCnが車幅方向(横方向)に沿って一直線上に配列されることになる。本例の構成では、磁気センサC1が車両2(先頭車両21)の左側に位置し、磁気センサC15が車両2の右側に位置している。
磁気センサCnは、アモルファスワイヤなどの感磁体のインピーダンスが外部磁界に応じて敏感に変化するという公知のMI効果(Magnet Impedance Effect)を利用して磁気を検出するセンサである。磁気センサCnは、直線状のアモルファスワイヤの長手方向に磁気的な感度を有している。
各磁気センサCnでは、直線状のアモルファスワイヤなどの2本の感磁体(図示略)が、互いに直交する2軸方向に沿って配置されている。各磁気センサCnは、感磁体の軸方向に沿って作用する磁気成分の検出が可能である。磁気センサアレイ3では、各磁気センサCnが備える2本の感磁体の軸方向が、それぞれ、各磁気センサCnの間で一致するように磁気センサCnが組み込まれている。磁気センサアレイ3は、各磁気センサCnが進行方向及び車幅方向の磁気成分を検出できるよう、先頭車両21に取り付けられる。なお、進行方向とは、車両2(先頭車両21)の前後方向に一致する方向である。
磁気センサアレイ3の検出処理回路32(図5)は、磁気マーカ10を検出するためのマーカ検出処理を実行する演算回路である。検出処理回路32は、図示は省略するが、各種の演算を実行するCPU(central processing unit)のほか、ROM(read only memory)やRAM(random access memory)などのメモリ素子等を利用して構成されている。
検出処理回路32は、各磁気センサCnが出力するセンサ信号を3kHzの周波数で取得してマーカ検出処理を実行する。検出処理回路32は、マーカ検出処理の検出結果を制御ユニット40に入力する。詳しくは後述するが、このマーカ検出処理では、磁気マーカ10の検出に加えて、目印の一例をなす磁気マーカ10に対する相対位置の一例である横方向(車幅方向)の偏差が計測されて特定される。
IMU42(図4)は、慣性航法により先頭車両21の相対位置や車両方位などを推定するユニットである。IMU42は、図示は省略するが、方位を計測する電子コンパスである2軸磁気センサ、加速度を計測する2軸加速度センサ、yaw軸回りの角速度を計測する2軸ジャイロセンサ等、を備えている。ここで、yaw軸は、鉛直方向の軸である。
IMU42は、計測加速度の二重積分により変位量を演算すると共に、計測角速度の積分により先頭車両21の相対方位を演算する。IMU42は、この相対方位を基準方位(絶対方位)に加算することで、時々刻々の車両方位を推定する。なお、基準方位としては、例えば、所定の駐車位置に車両2が駐車されたときの絶対方位を利用できる。IMU42は、時々刻々の車両方位に沿って変位量を積算することにより、相対位置(変位位置)を推定する。なお、新たな磁気マーカ10の検出に応じて車両位置(絶対位置)が特定される毎に、その車両位置によって基準位置が更新されると共に、相対位置がゼロリセットされる。
制御ユニット40は、先頭車両21の走行を制御するユニットである。制御ユニット40は、操舵ユニット46やモータユニット44を介して前輪211の舵角や後輪212の回転角速度を制御する。制御ユニット40は、各種の演算を実行するCPUのほか、ROMやRAMなどのメモリ素子等を含めて構成された電子回路(図示略)を備えている。ROMの記憶領域には、磁気センサアレイ3と後輪軸212Aとの間の前後方向の距離Lmや、前輪軸211Aと後輪軸212Aとの軸間距離Lw、等の車両スペック情報が格納されている。
制御ユニット40には、磁気センサアレイ3、操舵ユニット46、モータユニット44、に加えて、地図データベース48、後輪212の回転に応じてパルスを出力する車輪速ユニット442が接続されている。制御ユニット40は、車輪速ユニット442が出力するパルスを利用して車速を特定する。
地図データベース48は、走路100の形状を表すマップデータを記憶するデータベースである。マップデータには、走路100に配設された磁気マーカ10がひも付けられているほか、目標の軌跡を割り付け可能である。目標の軌跡は、車両2を通過させる経路に応じて適宜、設定されマップデータに割り付けられる。マップデータを参照すれば、走路100の進行方向における各位置において、目標の軌跡を特定可能である。
なお、本例では、直線路100Sおよび曲線路100Cの両方について、車両2を通過させる経路として、磁気センサアレイ3の中央に位置する磁気センサC8が磁気マーカ10の真上を通過する経路が設定されている。それ故、本例では、磁気マーカ10を滑らかに結ぶ線が目標の軌跡として設定されている。なお、これに代えて、磁気マーカ10に対して、例えば、右側にずれて車両2を走行させたい場合には、磁気マーカ10を滑らかに結ぶ線に対して右側にずれている目標の軌跡を設定すれば良い。あるいは直線路100Sでは、磁気マーカ10の真上を通過させる一方、曲線路100Cでは、磁気マーカ10を滑らかに結ぶ線よりも大回りで車両2を走行させたい場合には、直線路100Sと曲線路100Cとで、磁気マーカ10を滑らかに結ぶ線に対する目標の軌跡の位置的な関係を異ならせると良い。すなわち、直線路100Sでは、磁気マーカ10を滑らかに結ぶ線に一致する目標の軌跡を設定する一方、曲線路100Cでは、磁気マーカ10を滑らかに結ぶ線よりもカーブの外側に膨らむように目標の軌跡を設定すると良い。このように、磁気マーカ10と目標の軌跡との関係は一義的なものではなく、車両2を走行させたい経路に応じて適宜、変更すると良い。
制御ユニット40は、操舵ユニット46やモータユニット44に対し、制御目標値を入力する。操舵ユニット46に対する制御目標値は、前輪211の舵角の制御目標である指示舵角である。モータユニット44に対する制御目標値は、後輪212の回転角速度の制御目標である指示回転角速度である。
制御ユニット40は、以下の各回路としての機能を備えている。
(1)制御点を設定する回路:前方注視距離の分だけ、磁気センサアレイ3よりも前方の位置に制御点を設定する。
(2)目標の軌跡を設定する回路:制御点が通過するべき目標の軌跡を演算により求め、設定する。なお、上記のごとく本例では、磁気マーカ10を滑らかに結ぶ線が、目標の軌跡として設定され、マップデータに割り付けられている。
(3)車両位置を推定する回路:マーカ検出結果あるいはIMU42が推定する相対位置等を利用して車両位置を推定する。
(4)制御点の横方向の偏差を特定する回路:磁気マーカ10に対する横方向の偏差を、目標の軌跡に対する制御点の横方向の偏差に変換する。
(5)制御目標値を演算する回路:制御点の横方向の偏差に基づいて指示舵角などの制御目標値を演算する。
以下、本例の車両用の制御システム1における(a)マーカ検出処理、(b)目標の軌跡の設定、(c)制御方法、(d)制御点の設定、(e)制御点の横方向の偏差の特定、(f)制御結果、について順番に説明する。
(a)マーカ検出処理
マーカ検出処理は、装置の一例をなす磁気センサアレイ3が実行する処理である。上記の通り、磁気センサアレイ3は、3kHzの周波数でマーカ検出処理を実行する。磁気センサCnは、車両2(先頭車両21)の進行方向及び車幅方向の磁気成分を計測可能である。例えばこの磁気センサCnが、進行方向に移動して磁気マーカ10の真上を通過するとき、進行方向の磁気計測値は、図6のごとく磁気マーカ10の前後で正負が反転すると共に、磁気マーカ10の真上の位置でゼロを交差するように時間的に変化する。車両2の走行中では、いずれかの磁気センサCnが検出する進行方向の磁気計測値について、その正負が反転するゼロクロスZc1が生じたとき、磁気センサアレイ3が磁気マーカ10の真上に位置すると判断できる。検出処理回路32は、このように磁気センサアレイ3が磁気マーカ10の真上に位置し進行方向の磁気計測値のゼロクロスZc1が生じたとき、磁気マーカ10を検出したと判断する。
また例えば、磁気センサCnと同じ仕様の磁気センサについて、磁気マーカ10の真上を通過する車幅方向の直線に沿う移動を想定する。この場合、車幅方向の磁気計測値は、磁気マーカ10を挟んだ両側で正負が反転すると共に、磁気マーカ10の真上の位置でゼロを交差するように変化する。したがって、15個の磁気センサCnを車幅方向に配列した磁気センサアレイ3では、磁気マーカ10を介してどちらの側にあるかによって磁気センサCnが検出する車幅方向の磁気計測値の正負が異なってくる(図7)。
各磁気センサCnの車幅方向の磁気計測値を例示する図7の分布では、車幅方向の磁気計測値の正負が反転するゼロクロスZc2が、磁気マーカ10の真上に現れる。同図の分布中のゼロクロスZc2の位置は、磁気マーカ10の車幅方向の位置を表している。磁気マーカ10の車幅方向の位置は、例えば、ゼロクロスZc2を挟んで隣り合う2つの磁気センサCnの中間の位置として特定可能である。
検出処理回路32は、磁気マーカ10に対する車両2(先頭車両21)の横方向(車幅方向)の偏差を計測する。本例では、磁気センサアレイ3の中央の磁気センサC8が、車両2(先頭車両21)の中心軸上にある。例えば図7の場合、磁気マーカ10に対応するゼロクロスZc2の位置がC9とC10との中間辺りのC9.5に相当する位置となっている。上記のように磁気センサC9とC10の間隔は5cmであるから、磁気マーカ10に対する車両2(先頭車両21)の横方向の偏差(相対位置)は(9.5-8)×5cm=7.5cmとなる。同図の例は、走路100の中で車両2(先頭車両21)が左寄りとなった場合の例である。なお、横方向の偏差の正負は、磁気マーカ10に対して車両の対象点が左に寄った場合を正、右に寄った場合を負としている。
(b)目標の軌跡の設定
目標の軌跡は、次の2条件が満たされるよう、車両2に設定された制御点を通過させる制御目標の軌跡である。第1の条件は、先頭車両21のみならず、先頭車両21に連結された全ての台車22が、走路100内を走行するという条件である。第2の条件は、磁気センサアレイ3が磁気マーカ10上を通過し、目印の一例をなす磁気マーカ10を検出できるという条件である。
ここで、車両2の各点が通過する軌跡の違いについて、図8及び図9を参照して説明する。図8は、先頭車両21と台車22とを含む車両2の各点の配置を説明する図である。図9は、先頭車両21に台車22が連結された車両2について、図8の各点が通過する軌跡を例示する図である。
図8の各点は、先頭車両21の前輪軸211Aの中央の点ST1、後輪軸212Aの中央の点B1、先頭車両21と台車22との連結箇所に当たる点C1、及び台車22の固定輪222の軸である車輪軸222Aの中央の点B2、である。なお、図8では、理解が容易となるよう、車輪軸211A、212A、222Aの中央に、それぞれ、仮想輪211R、212R、222Rを示してある。
例えば、直角に左折する曲がり角を車両2が通過する際の各点の軌跡は、図9に示すようになる。点B1及び点C1は、ほぼ同様の軌跡を通過する一方、点ST1は、大回りの軌跡を示し、点B2は、小回りの軌跡を示す。このように、直角の曲がり角を車両2が通過する際の軌跡は各点で異なってくる。
一方、目標の軌跡については、制御点の位置に関わらず一定であって良く、本例では、磁気マーカ10を滑らかに結ぶ線に一致するように目標の軌跡を設定している。例えば、図1で示したオーバル形状の周回走路である走路100を車両2が走行する際の目標の軌跡TLは、図10中の実線で示すようになる。例えば前輪軸211Aの中央の点ST1が制御点である場合、直線路100Sでは、目標の軌跡TLに対して、同図中破線で示す点ST1の実際の軌跡がほぼ一致する。一方、曲線路100Cでの点ST1の軌跡(破線)は、目標の軌跡TLよりも外側を通過する大回りの軌跡となる。実線で示す目標の軌跡TLに対する破線で示す点ST1の軌跡の偏差に応じて、車両2の舵角が制御されることになる。
本例の制御システム1は、目標の軌跡TLに対する制御点の横方向の偏差を抑制するように操舵輪(前輪211)の舵角が制御されるシステムである。本例では、目標の軌跡TLが、地図データベース48に格納されたマップデータに割り付けられている。制御ユニット40は、地図データベース48から読み出したマップデータを参照し、目標の軌跡TLを読み出す。そのときの車両位置や車両方位が分かれば、目標の軌跡TLとの横方向の偏差や、目標の軌跡TLの方位(絶対方位)を特定可能となる。
なお、制御ユニット40による演算により目標の軌跡TLを随時、決定して設定することも良い。例えば、車両2の速度や走路100の曲率に応じて、磁気マーカ10に対する磁気センサアレイ3の中央の位置の偏差を変更した方が良い場合がある。このような場合、制御ユニット40は、車両2の速度や走路100の曲率に応じて、随時、目標の軌跡TLを演算により決定すると良い。その際、演算により決定された目標の軌跡TLを随時、マップデータに割り付けると良い。さらに、内輪差など車両の仕様や、車速に応じて、複数種類の目標の軌跡TLを予め用意しておき、その複数種類の目標の軌跡TLを、マップデータに割り付けておくことも良い。制御ユニット40は、車両の仕様や車速に応じて、いずれかの目標の軌跡TLを選択的に読み出すことができる。
(c)制御方法
本例の制御システム1による制御方法は、フィードフォワード制御とフィードバック制御とを組み合わせた2自由度制御による制御方法である。フィードフォワード制御は、目標の軌跡TLの曲率に応じて指示舵角δを算出する制御である。フィードバック制御は、目標の軌跡TLに対する制御点CTの横方向の偏差(横偏差)に基づいて指示舵角δを算出する制御である。指示舵角δは、次の制御式により求められる。
(数1)
指示舵角δ=フィードバック項δfb+フィードフォワード項δff
=フィードバックゲインKy×横偏差ey+フィードフォワード項δff
数式1において、フィードバックゲインKyは、直線路100Sを走行中の直進安定性と、横方向の偏差の収束性と、を両立できるように決定される。フィードフォワード項δffは、曲線路100Cでの制御遅れを補償するために、曲率に応じた舵角を与えるための項である。フィードフォワード項δffには、横断勾配が生じたときに車両2の傾きをIMU42により検出し、重力の横方向成分とつり合う横力を発生させることにより横断勾配を補償する舵角を加算できる。
(d)制御点の設定
本例の制御システム1では、車両2(先頭車両21)の磁気センサアレイ3の位置ではなく、磁気センサアレイ3よりも前方の位置に制御点CTを設定することで、車両2の応答遅れを補償している。さらに、本例の構成では、制御点CTの設定位置の工夫により、直線路100Sでの安定性と、曲線路100Cでの追従性と、を両立させている。
本例では、車両2(先頭車両21)の前後方向における磁気センサアレイ(装置の一例)3の位置を基準として、制御点CTに至るまでの距離である前方注視距離Lfを、次式のように定義している。図11は、車速Vに対する前方注視距離Lfのグラフである。同図では、横軸に車速Vが規定され、縦軸に前方注視距離Lfが規定されている。
(数2)
前方注視距離Lf=車両速度V×前方注視時間tf+オフセット距離Lo
前方注視距離Lfの演算式のうちの車両速度V×前方注視時間tfの項は、速度が高くなるほど制御点CTをより前方に設定することで、目標の軌跡TLに対する追従性を高めるための項である。前方注視時間tfは、何秒先の前方を注視して舵角を制御するか、という制御上の意味を有する。前方注視時間tfは、図11のグラフで例示する直線の傾きとして現れている。
オフセット距離Loは、車両2の速度が低いときにも、前方注視距離Lfを適切に確保するための項である。オフセット距離Loを規定することで、車両2が低速のときも、制御点CTをある程度、前方の位置に設定でき、追従性や応答性の確保が可能になっている。特に本例では、次に説明する通り、直線走行時と曲線走行時とでオフセット距離Loの設定を変更することで、直線走行時での車両2の直進安定性と、曲線走行時の目標の軌跡TLに対する追従性と、を両立している。オフセット距離Loは、図11のグラフで例示する直線の切片として現れている。
直線走行時のオフセット距離Loの設定方法について、図12を参照して説明する。目標の軌跡TLが真っすぐである場合の直線走行時では、直進安定性を向上するため、前輪軸211Aよりも制御点CTが前方に位置するように、前輪軸211Aと磁気センサアレイ3との間の距離(Lw+Lm)以上のオフセット距離Loが設定される。なお、同図では、左右一対の後輪212を代表する仮想輪212Rを図示し、左右一対の前輪211を代表する仮想輪211Rを図示している。目標の軌跡TLに対する制御点CTの横方向の偏差は、寸法eyで示している。
車両2が低速で走行する際の前輪211の横すべり角が十分に小さい状況では、前輪操舵の車両2は、前輪211が向いている方向に進行する。仮に制御点CTが前輪軸211Aよりも後方に位置する場合、前輪軸211Aの中心位置が目標の軌跡TLを越えた後で操舵が開始されることになり、目標の軌跡TLに対して前輪211が常に行き過ぎることになり、蛇行が生じる。前輪軸211Aの位置あるいは前輪軸211Aよりも前方の位置に、制御点CTが位置するように前方注視距離Lfを設定すれば、目標の軌跡TLに対して前輪211が行き過ぎる前に操舵を開始でき、目標の軌跡TLに対して車両2が行き過ぎないような制御が可能になる。
次に、曲線走行時のオフセット距離Loの設定方法について、図13を参照して説明する。この設定方法は、車両2が低速で走行しており、各輪に横すべり角が発生しないという前提に基づく方法である。各輪に横すべり角が発生しなければ、前輪211の舵角に応じて車両2の向き(車両方位)が一意に定まる。
図13中の軌跡3Cは、磁気センサアレイ3の中央(磁気センサC8の位置)が通過する軌跡である半径Rmの円弧である。軌跡212Cは、仮想輪212Rが通過する軌跡である半径Roの円弧である。なお、同図中では、仮想輪211Rが通過する軌跡を半径Rfの円弧により表している。
曲線走行時では、目標の軌跡TLへの追従性を重視してオフセット距離Loを定めている。まず、本例の構成では、磁気マーカ10を通る経路を、目標の軌跡TLとして定めている。これにより、磁気センサアレイ3の中央を通過させるべき目標の軌跡TLである軌跡3Cの半径Rmを決定できる。このとき、オフセット距離Loは、軌跡3Cをなす円弧の半径Rmに応じて変化する。
前輪211に対応する仮想輪211Rが通過する軌跡の半径Rfは、次の数式3、数式4により求めることができる。
Figure 2023050710000002
Figure 2023050710000003
車両2が十分に低速で走行しているときには、上記の数式1の制御式は、次の数式5のようになる。
Figure 2023050710000004
Figure 2023050710000005
数式5を展開すれば、制御点CTの偏差eyに関する次式を導出できる。
Figure 2023050710000006
制御点CTの横偏差eyを利用すれば、前方注視距離Lfを次式のように表すことができる。
Figure 2023050710000007
オフセット距離Loは、直線走行時および曲線走行時において、以上のように決定できる。制御点CTは、車両2の前後方向において、オフセット距離Loを含む前方注視距離Lfの分だけ磁気センサアレイ3の前方にずらした位置に設定される。なお、本例の制御システム1では、曲線走行時のオフセット距離Loに範囲が設けられている。範囲の下限は、Lmの2倍の距離であり、上限は、直線走行時に設定されるオフセット距離である。オフセット距離Loの下限であるLmの2倍の距離は、上記の数式7において、ey=ゼロとしたときのオフセット距離Loである。
(e)制御点の横方向の偏差の特定
制御ユニット40が、目標の軌跡TLに対する制御点CTの横方向の偏差を特定する方法は、磁気マーカ10が検出された場合と、隣り合う磁気マーカ10の中間に車両2が位置する場合と、で相違している。それぞれの場合について、制御点CTの横方向の偏差eyを特定する処理の内容について説明する。
磁気マーカ10が検出された場合、制御ユニット40は、図14のごとく、マーカ検出処理により計測された横方向の偏差emを取得する。この横方向の偏差emは、磁気マーカ10に対する相対位置の一例である。また、制御ユニット40は、IMU42が推定する車両方位(絶対方位)及び相対位置を取得する。制御ユニット40は、基準位置を基準として相対位置の分だけ車幅方向にずらした位置を、慣性航法により推定される車両位置として特定する。なお、基準位置は、1回前の磁気マーカ10の検出時に特定された車両位置であり、IMU42が推定する相対位置の起点となる位置である。
制御ユニット40は、地図データベース48から読み出したマップデータ上で、慣性航法により推定された車両位置に対して最も近くに位置する磁気マーカ10(直近の磁気マーカ10)を特定する。そして、制御ユニット40は、直近の磁気マーカ10の配設位置を基準として、磁気マーカ10に対する横方向の偏差emの分だけずらした位置を、車両位置として特定する。なお、車両位置は、磁気センサアレイ3の中央の磁気センサC8の位置である。新たに特定された車両位置は、IMU42が相対位置を推定する際の新たな基準位置となり、IMU42が積算する相対位置がゼロリセットされる。
制御ユニット40は、地図データベース48から読み出したマップデータに基づき目標の軌跡TLの位置(絶対位置)や方位(絶対方位)を特定する。そして制御ユニット40は、IMU42が推定する車両方位(絶対方位)につき、目標の軌跡TLの方位(絶対方位)からのずれ角θを特定する(図14)。制御ユニット40は、このずれ角θを利用し、磁気センサアレイ3よりも前方注視距離Lfの分、前方に位置する制御点CTについて、目標の軌跡TLに対する横偏差eyを求める。制御点CTの横偏差eyは、図14中のe1とe2との合算となり、ずれ角θを含む次式により求められる。
(数8)
ey=e1+e2
=Lf×sinθ+em×cosθ
一方、隣り合う磁気マーカ10の中間に車両2が位置する場合には、制御ユニット40は、IMU42が推定する相対位置の分だけ基準位置からずらした位置を車両位置として特定(推定)する。なお、この車両位置は、磁気センサアレイ3の中央の位置である。基準位置は、直前の磁気マーカ10の検出時に特定された車両位置である。制御ユニット40は、地図データベース48から読み出したマップデータを参照し、特定された車両位置について、目標の軌跡TLに対する横方向の偏差を特定する。このとき、図15中のe3が横方向の偏差として特定される。
横方向の偏差e3を特定するに当たって、制御ユニット40は、まず、車両位置に対応する目標の軌跡TLの位置(絶対位置)及び方位(絶対方位)を特定する。そして、制御ユニット40は、磁気マーカ10が検出された場合と同様、IMU42が推定する車両方位(絶対方位)について、目標の軌跡TLの方位からのずれ角θを特定する(図15)。磁気センサアレイ3に対して前方注視距離Lfの分、前方に位置する制御点CTにおける横偏差eyは、図15中のe1とe3との合算となる。制御点CTにおける横方向の偏差eyは、ずれ角θを含む次式により算出できる。
(数9)
ey=e1+e3
=Lf×sinθ+e3
(f)制御結果
以上のような構成の本例の制御システム1による車両2の制御結果について、図16及び図17を参照して説明する。図16及び図17は、磁気センサアレイ3から制御点CTまでの距離である前方注視距離Lfが、車両2の直進安定性に与える影響を調べた実証実験の結果を示している。図16は、上記の数式2による前方注視距離Lfの算出式において、オフセット距離Loをゼロに設定したときの結果である。図17は、上述の(d)制御点の設定の項目において説明したようにオフセット距離Loを設定したときの結果である。これらの図の座標軸は共通である。横軸は、時間あるいは距離を示し、縦軸は、車両2の横偏差eyを示している。車両2の横偏差eyは、磁気センサアレイ3の中央の目標の軌跡TLに対する横方向の偏差である。
実証実験の対象の走路は直線路100S(図1参照。)である。時点Mにて磁気マーカ10を通過した際、マーカ検出処理により特定された磁気マーカ10に対する横方向の偏差em(図14参照。)に基づき、目標の軌跡TLに対する制御点CTの横偏差eyが特定される。時点Mにおいて、制御点CTの横偏差ey=ey1が顕在化し、横偏差eyを抑制するための制御が開始されている。なお、車両2の速度は、時速7.0kmの一定速である。
オフセット距離Loがゼロである図16の場合、制御点CTの横偏差eyが振動するハンチング状態となっている。同図の場合、横偏差eyが収束せず、発振により次第に拡大する傾向が見受けられる。一方、オフセット距離Loが適切に設定された図17の場合には、時点Mにおける制御点CTの横偏差ey=ey1が早期に収束している。同図の場合、負側の横偏差ey1が発生した後、横偏差eyが正側にオーバーシュートすることなく、そのままゼロ値に収束している。
図17の場合、前輪軸211Aと磁気センサアレイ3との間の距離(Lm+Lw)以上のオフセット距離Loが設定され、磁気センサアレイ3から制御点CTまでの前方注視距離Lfが長く設定されている。図17の場合には、このように前方注視距離Lfを設定することで、車両2の直進安定性が向上している。このように、制御点CTまでの前方注視距離Lfを長く設定することは、直進時の直進安定性の向上に効果的である。
以上の通り、本例の制御方法及び制御システム1では、磁気マーカ10を検出する磁気センサアレイ3よりも前方の位置に制御点を設定し、目標の軌跡に対する制御点の横偏差を抑制するように車両2を制御している。このような制御によれば、曲線路における追従性を損なうことなく、直線路における直進安定性を向上できる。
本例の構成では、磁気センサアレイ3が計測する横方向の偏差ではなく、磁気センサアレイ3よりも前方の制御点における横偏差を制御対象とすることで、車両2の応答遅れを補償することが可能になっている。特に本例では、磁気センサアレイ3と制御点との間の距離である前方注視距離Lfの設定により、直線路での走行安定性と、曲線路での追従性と、を高い次元で両立させている。
前方注視距離Lfは、前出の数式2の通り、車速に比例する距離と、定数であるオフセット距離Loと、を合算した距離である。本例では、直線路と曲線路とで、オフセット距離の設定を切り替えている。直線路では、前輪軸211Aと磁気センサアレイ3との間の距離(Lm+Lw)以上のオフセット距離が設定される。一方、曲線路では、後輪軸212Aと磁気センサアレイ3との間の距離の2倍以上であって、直線路でのオフセット距離以下であるオフセット距離Loが設定される。
なお、本例は、磁気テープに代えて走路100の床面に貼付された磁気マーカ10を、車両2の走行制御に利用する例である。工場や施設などでよく利用される磁気テープは、敷設に職人的な技術を要する。特に、曲線に沿って敷設することは特に難しく、皺なく貼り付けることは困難である。一方、個片状の磁気マーカであれば、曲線への対応が容易である。特に内輪差が大きい本例の車両2では、曲線状の走路において磁気テープの敷設位置を定めることが難しく、何度も貼り替えたりといった試行錯誤を要していたという実情がある。磁気マーカ10であれば、貼り替えが容易であり、走路形状の変更等に容易に対応できる。
以上、実施例のごとく本発明の具体例を詳細に説明したが、これらの具体例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、具体例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して前記具体例を多様に変形、変更あるいは適宜組み合わせた技術を包含している。
1 制御システム
10 磁気マーカ(目印)
100 走路
100S 直線路
100C 曲線路
2 車両
21 先頭車両
211 前輪(操舵輪)
211A 前輪軸
212 後輪
212A 後輪軸
22 台車
3 磁気センサアレイ(装置)
40 制御ユニット(回路)
42 IMU
44 モータユニット
46 操舵ユニット
48 地図データベース
Cn 磁気センサ
CT 制御点
TL 目標の軌跡

Claims (8)

  1. 車両の走路をなす路面に配設された目印を利用し、車両に対して設定された所定の制御点が目標の軌跡に沿うよう、車両を走行させるための制御方法であって、
    車両は、前記目印に対する横方向の偏差を特定する装置を備えており、
    前記目印に対する横方向の偏差を、前記目標の軌跡に対する前記制御点の横方向の偏差に変換する処理と、
    前記制御点の横方向の偏差をゼロに近づけるように車両が備える操舵輪の舵角を制御する処理と、を含み、
    前記制御点は、車両の速度に所定の時間を乗じた距離に所定のオフセット距離を加えた距離の分だけ、車両の前後方向において前記装置よりも前方の位置に設定されている車両用の制御方法。
  2. 請求項1において、車両は、前記操舵輪である前輪と、固定輪である後輪と、を有すると共に、前記装置が後輪よりも後ろ側に配置されている車両であり、
    前記目標の軌跡が直線の場合の直線走行時のオフセット距離は、前記装置と前記前輪との間の前記前後方向における距離以上の距離である一方、
    前記目標の軌跡が曲線の場合の曲線走行時のオフセット距離は、前記装置と前記後輪との間の前記前後方向における距離の2倍以上の距離である車両用の制御方法。
  3. 請求項2において、前記曲線走行時のオフセット距離は、前記直線走行時のオフセット距離が上限値である車両用の制御方法。
  4. 請求項1~3のいずれか1項において、車両の向きである車両方位を推定する処理を含み、前記制御点の横方向の偏差に変換する処理は、車両方位を利用し、前記目印に対する横方向の偏差を、前記制御点の横方向の偏差に変換する処理である車両用の制御方法。
  5. 請求項1~4のいずれか1項において、前記舵角の制御目標である指示舵角は、前記目標の軌跡の曲率を反映するフィードフォワード項と、前記制御点の横方向の偏差を反映するフィードバック項と、を含む制御式により演算される車両用の制御方法。
  6. 請求項1~5のいずれか1項において、前記目印は、磁気発生源である磁気マーカであって、前記装置は、複数の磁気センサが車幅方向に配列された装置である車両用の制御方法。
  7. 車両の走路をなす路面に配設された目印を利用し、車両に対して設定された所定の制御点が目標の軌跡に沿うよう、車両を走行させるための制御システムであって、
    前記目印に対する横方向の偏差を特定する装置と、
    前記目印に対する横方向の偏差を、前記目標の軌跡に対する前記制御点の横方向の偏差に変換する回路と、
    前記制御点の横方向の偏差をゼロに近づけるように車両の操舵輪の舵角を制御する回路と、を含み、
    前記制御点は、車両の速度に所定の時間を乗じた距離にオフセット距離を加えた距離の分だけ、車両の前後方向において前記装置よりも前方の位置に設定される車両用の制御システム。
  8. 請求項7において、前記目印は、磁気発生源である磁気マーカであって、前記装置は、複数の磁気センサが車幅方向に配列された装置である車両用の制御システム。
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