JP2023050662A - 勾配磁界センサ、及び磁性物検出装置 - Google Patents

勾配磁界センサ、及び磁性物検出装置 Download PDF

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篤史 松田
Atsushi Matsuda
洋介 長久保
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Abstract

Figure 2023050662000001
【課題】不感帯が生じてしまうことを抑制しつつ、着磁された異物の通過位置に応じた感度の変動を抑制することができる勾配磁界センサを提供する。
【解決手段】直線形状の部分を有する第1磁気コアと、直線形状の部分を有する第2磁気コアと、前記第1磁気コアが有する直線形状の部分に順に配置されているN個の第1コイルと、前記第2磁気コアが有する直線形状の部分に順に配置されているN個の第2コイルと、前記第1磁気コアと前記第2磁気コアとが設けられる本体部と、を備え、前記N個の第1コイルのうち前記第1磁気コアの先端側からn番目の第1コイルは、前記N個の第2コイルのうち前記第2磁気コアの先端側からn番目の第2コイルと差動接続され、Nは、2以上の整数であり、nは、1以上N以下の範囲内の整数である、勾配磁界センサ。
【選択図】図2

Description

本発明は、勾配磁界センサ、及び磁性物検出装置に関する。
2つの異なる地点それぞれにおける磁界の強さの勾配を検出する勾配磁界センサについての研究、開発が行われている。ここで、当該勾配は、当該2つの異なる地点それぞれにおける磁界の強さの差分のことである。
勾配磁界センサは、2つの異なる地点それぞれにおける磁界の強さを検出するため、2つのセンサヘッドを備える。勾配磁界センサでは、これら2つのセンサヘッドのうちの一方が、これら2つの異なる地点のうちの一方における磁界の強さを検出する。また、勾配磁界センサでは、これら2つのセンサヘッドのうちの他方が、これら2つの異なる地点のうちの他方における磁界の強さを検出する。そして、勾配磁界センサは、これら2つのセンサヘッドから出力される信号に応じて、これら2つの異なる地点における磁界の強さの勾配を検出する。これら2つの異なる地点における磁界の強さの勾配は、磁界を変化させることが可能な物体(例えば、磁性体等)の有無によって変化する。これを利用し、勾配磁界センサは、このような物体を検出対象物とし、検出対象物を検出することができる。
しかしながら、勾配磁界センサが備える2つのセンサヘッドのそれぞれには、不感帯が存在し、検出対象物を検出することができないことがあった。
これに関し、直線形状を含む磁性体で形成され、且つ、当該磁性体に励磁用の交流電流及び直流電流が通電される第1磁気コアに、磁性体における直線形状の一部に磁気結合する第1検出コイルを配設して形成される第1センサヘッドと、直線形状を含む磁性体で形成され、且つ、当該磁性体に第1磁気コアに通電される励磁用の交流電流及び直流電流と共通の電流が通電され、第1磁気コアに対向して平行に配設される第2磁気コアに、磁性体における直線形状の一部であって第1検出コイルとは回転対称位置に差動結合で磁気結合する第2検出コイルを配設して形成される第2センサヘッドと、第1及び第2の各センサヘッドから出力される検出電圧に基づいて、勾配磁界を出力するセンサ回路とを備える勾配磁界センサが知られている(特許文献1参照)。
特開2020-165716号公報
ここで、特許文献1に記載された勾配磁界センサでは、第2検出コイルが第1検出コイルと回転対称位置に差動結合されるため、検出信号の波形は、検出対象物が磁気コアの長手方向の中心付近を通過した場合、2つの類似の山型のピークを有する双峰性の波形となる。しかしながら、当該勾配磁界センサでは、検出信号は、当該場合、第1検出コイルから出力される電圧の極性と、第2検出コイルから出力される電圧の極性とが同じ極性であるため、第1検出コイルと第2検出コイルとの差動結合の結果として、波高値が小さくなってしまうことがあった。更に、当該勾配磁界センサでは、検出信号の波形は、検出対象物が磁気コアの先端付近を通過した場合、極性及び大きさが異なる波高を有する単峰性の波形となってしまうことがあった。このように、当該勾配磁界センサでは、検出対象物の通過位置に応じて検出信号の波形が異なってしまうことがあった。これは、検出対象物の通過位置に応じて当該勾配磁界センサの感度が変わってしまうことを意味し、望ましいことではない。
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、不感帯が生じてしまうことを抑制しつつ、検出対象物の通過位置に応じた感度の変動を抑制することができる勾配磁界センサ、及び磁性物検出装置を提供することを課題とする。
本発明の一態様は、直線形状の部分を有する第1磁気コアと、直線形状の部分を有する第2磁気コアと、前記第1磁気コアが有する直線形状の部分に順に配置されているN個の第1コイルと、前記第2磁気コアが有する直線形状の部分に順に配置されているN個の第2コイルと、前記第1磁気コアと前記第2磁気コアとが設けられる本体部と、を備え、前記N個の第1コイルのうち前記第1磁気コアの先端側からn番目の第1コイルは、前記N個の第2コイルのうち前記第2磁気コアの先端側からn番目の第2コイルと差動接続され、Nは、2以上の整数であり、nは、1以上N以下の範囲内の整数である、勾配磁界センサである。
本発明によれば、不感帯が生じてしまうことを抑制しつつ、検出対象物の通過位置に応じた感度の変動を抑制することができる。
磁性物検出装置1の構成の一例を示す図である。 勾配磁界センサ12の回路構成の一例を示す図である。 検出回路DT1の構成の一例を示す図である。なお、検出回路DT1~検出回路DT4のうちの一部又は全部は、勾配磁界センサ12が有する機能を損なわない範囲内において、互いに異なる構成であってもよい。 信号処理部PRの回路構成の一例を示す図である。 第1センサヘッドS1及び第2センサヘッドS2のより詳細な構成の一例を示す図である。 勾配磁界センサ12に対する検出対象物の相対的な位置を変化させながら、検出コイルCL2nと差動接続された検出コイルCL1nから出力される差動信号の電圧をプロットしたグラフの一例を示す図である。 勾配磁界センサ12に対する検出対象物の相対的な位置を変化させながら、演算部O6から出力される検出信号の電圧をプロットしたグラフの一例を示す図である。 実施形態の変形例1に係る勾配磁界センサ12Aの構成の一例を示す図である。 一様勾配磁界が印加された領域内に配置された勾配磁界センサ12Aにより直交方向に移動する所定の磁気モーメントが検出された場合において検出回路DT1、検出回路DT2、差動アンプDFのそれぞれから出力される検出信号の一例を示す図である。 一様勾配磁界が印加された領域内に勾配磁界センサ12Aが配置されている場合において検出回路DT1、検出回路DT2、差動アンプDFのそれぞれから出力される検出信号の他の例を示す図である。 一様勾配磁界が印加された領域内に勾配磁界センサ12Aが配置されている場合において検出回路DT1、検出回路DT2、差動アンプDFのそれぞれから出力される検出信号の更に他の例を示す図である。 勾配磁界センサ12Bの回路構成の一例を示す図である。
<実施形態>
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
<磁性物検出装置の概要>
まず、本実施形態に係る磁性物検出装置の概要について説明する。
実施形態に係る磁性物検出装置は、実施形態に係る勾配磁界センサを備える。実施形態に係る勾配磁界センサは、第1磁気コアと、第2磁気コアと、N個の第1コイルと、N個の第2コイルと、本体部を備える。第1磁気コアは、直線形状の部分を有する。第2磁気コアは、直線形状の部分を有する。N個の第1コイルは、第1磁気コアが有する直線形状の部分に順に配置されている。N個の第2コイルは、第2磁気コアが有する直線形状の部分に順に配置されている。本体部は、第1磁気コアと第2磁気コアとが設けられる。そして、N個の第1コイルのうち第1磁気コアの先端側からn番目の第1コイルは、N個の第2コイルのうち第2磁気コアの先端側からn番目の第2コイルと差動接続される。ただし、Nは、2以上の整数である。そして、nは、1以上N以下の範囲内の整数である。
これにより、実施形態に係る勾配磁界センサ、及び実施形態に係る磁性物検出装置は、不感帯が生じてしまうことを抑制しつつ、検出対象物の通過位置に応じた感度の変動を抑制することができる。
以下では、実施形態に係る磁性物検出装置と、実施形態に係る勾配磁界センサとのそれぞれの構成について、詳しく説明する。
<磁性物検出装置の構成>
以下、磁性物検出装置の一例として磁性物検出装置1を例に挙げて、実施形態に係る磁性物検出装置の構成について説明する。ここで、実施形態では、直流電力に応じた電気信号、又は交流電力に応じた電気信号を伝送する導体のことを、伝送路と称して説明する。伝送路は、例えば、基板上にプリントされた導体であってもよく、導体が線状に形成された導線であってもよく、他の導体であってもよい。また、実施形態では、電圧と称した場合、所定の基準となる電位からの電位差を意味し、基準となる電位についての図示及び説明を省略する。ここで、基準となる電位は、如何なる電位であってもよい。実施形態では、一例として、基準となる電位がグラウンド電位である場合について説明する。また、実施形態では、グラウンドと称した場合、同一のグラウンドを示す。また、本明細書において、各回路図のコイルが有する2つの端子のうちドットが付されている方の端子を、ホット側の端子と称して説明する。また、本明細書において、各回路図のコイルが有する2つの端子のうちドットが付されていない方の端子を、コールド側の端子と称して説明する。
図1は、磁性物検出装置1の構成の一例を示す図である。
磁性物検出装置1は、検出対象物を磁界により検出する装置である。検出対象物は、磁界を変化させることが可能な物体のことである。検出対象物は、例えば、磁性体等のことである。
磁性物検出装置1は、例えば、枠体CSと、第1ローラRL1と、第2ローラRL2と、着磁装置11と、勾配磁界センサ12と、情報処理装置20を備える。そして、勾配磁界センサ12は、第1センサヘッドS1と第2センサヘッドS2との2つのセンサヘッドを備える。なお、図1では、図が煩雑になるのを防ぐため、磁性物検出装置1における情報処理装置20と他の部材とを接続するケーブルについては、省略している。また、磁性物検出装置1は、枠体CSと、第1ローラRL1と、第2ローラRL2と、着磁装置11と、情報処理装置20とのうちの一部又は全部を備えない構成であってもよい。また、磁性物検出装置1は、枠体CSと、第1ローラRL1と、第2ローラRL2と、着磁装置11と、情報処理装置20とのうちの一部又は全部に代えて、他の部材、他の装置等を、勾配磁界センサ12とともに備える構成であってもよい。また、磁性物検出装置1は、枠体CSと、第1ローラRL1と、第2ローラRL2と、着磁装置11と、情報処理装置20との全部に加えて、他の部材、他の装置等を、勾配磁界センサ12とともに備える構成であってもよい。
枠体CSには、磁性物検出装置1の各部材が取り付けられる。枠体CSは、主として、図示しない天板と、図示しない底板と、天板と底板とを接続する複数の支柱とから構成される。図1に示した例では、枠体CSの外形状は、ほぼ直方体形状である。なお、枠体CSの外形状は、如何なる形状であってもよい。
枠体CSの内部には、第1ローラRL1と、第2ローラRL2とが設けられている。
第1ローラRL1は、検出対象物の付着の有無を検査される対象となるシート部材STがロール状に巻かれたローラのことである。第2ローラRL2は、第1ローラRL1から引き出されたシート部材STを所定の経路に沿って搬送させながら巻き取るローラのことである。第2ローラRL2は、図示しないサーボモータ等により回転させられる。これにより、第2ローラRL2は、第1ローラRL1から引き出されたシート部材STを巻き取ることができる。すなわち、第2ローラRL2は、駆動ローラである。そして、第1ローラRL1は、第2ローラRL2の回転に応じてシート部材STが巻き取られながら回転する受動ローラである。なお、当該サーボモータは、例えば、後述する情報処理装置20により制御される。
シート部材STは、第1ローラRL1から引き出されて第2ローラRL2により巻き取られるまでの間に、着磁装置11により発生させられた磁界の中を搬送させられる。これにより、シート部材STに付着した検出対象物は、磁化する。シート部材STは、当該磁界の中を搬送させられた後、勾配磁界センサ12が検出対象物の有無を検出可能な所定の検出領域を搬送させられる。そして、シート部材STは、第2ローラRL2に巻き付けられる。
ここで、着磁装置11は、所定の磁化領域に所定の強さの磁界を発生させ、磁化領域内に入った磁性体を磁化する装置である。着磁装置11については、既知の装置であるため、これ以上の詳細な説明を省略する。
勾配磁界センサ12は、前述の検出領域における2つの異なる地点のそれぞれに配置されたセンサヘッド、すなわち、第1センサヘッドS1と第2センサヘッドS2とにより、当該2つの異なる地点における磁界の強さの勾配を検出する。これにより、勾配磁界センサ12から出力される検出信号を取得する情報処理装置20は、検出信号に基づいて、検出領域を搬送されたシート部材STに検出対象物が付着していたか否かを判定することができる。なお、以下では、説明の便宜上、第1センサヘッドS1が配置された地点と第2センサヘッドS2が配置された地点との2つの地点における磁界の強さの勾配を、単に勾配と称して説明する。
情報処理装置20は、勾配磁界センサ12と通信可能に接続される。そして、前述した通り、情報処理装置20は、勾配磁界センサ12から出力された検出信号に基づいて、検出領域を搬送されたシート部材STに検出対象物が付着していたか否かを判定する。
情報処理装置20は、例えば、検出領域を搬送されたシート部材STに検出対象物が付着していたと判定した場合、前述のサーボモータを制御して第2ローラRL2によるシート部材STの巻き取りを停止させるとともに、シート部材STに検出対象物が付着していたことを報知する報知処理を行う。報知処理は、例えば、情報処理装置20のディスプレイに、シート部材STに検出対象物が付着していたことを示す情報を表示させる処理である。これにより、磁性物検出装置1のユーザは、シート部材STから検出対象物を除去すること、シート部材STを不良品として特定すること等を行うことができる。なお、報知処理は、このような表示処理に代えて、当該情報を示す音声、振動、光等を出力する処理であってもよい。
情報処理装置20は、例えば、ノートPC(Personal Computer)、タブレットPC、デスクトップPC、ワークステーション、多機能携帯電話端末(スマートフォン)、携帯電話端末、PDA(Personal Digital Assistant)等である。なお、情報処理装置20は、マイコン等の他の情報処理装置であってもよい。
なお、磁性物検出装置1において、着磁装置11と、勾配磁界センサ12と、情報処理装置20とのうちの一部又は全部は、一体に構成されてもよい。
また、検出対象物の付着の検査を磁性物検出装置1が行う対象は、シート部材STに代えて、検出対象物の有無の検査を行うことが可能な他の物体であってもよい。例えば、勾配磁界センサ12を備えた磁性物探知機は、地中における磁性物の有無を検出する。この場合、当該磁性物探知機は、磁性物検出装置1の一例である。また、地中における磁性物は、当該場合における検出対象物の一例である。
<勾配磁界センサの回路構成>
以下、図2を参照し、勾配磁界センサ12の回路構成について説明する。図2は、勾配磁界センサ12の回路構成の一例を示す図である。
勾配磁界センサ12は、交流電源接続端子CT1と、第1センサヘッドS1と、第2センサヘッドS2と、第0移相回路PS0と、交流電流制御部CC1と、検出回路DT1と、検出回路DT2と、検出回路DT3と、検出回路DT4と、信号処理部PRと、検出信号出力端子CT2を備える。
第1センサヘッドS1は、直線形状の部分を有する第1磁気コアCR1と、検出コイルCL11~検出コイルCL1NのN個の検出コイルCL1とを備える。そして、これらN個の検出コイルCL1は、第1磁気コアCR1が有する直線形状の部分に順に配置されている。換言すると、これらN個の検出コイルCL1は、第1磁気コアCR1が有する直線形状の部分に、第1磁気コアCR1の先端側から順に巻回される。この場合、N個の検出コイルCL1のそれぞれは、第1磁気コアCR1と磁気結合する。そして、第1センサヘッドS1に磁界が印加された場合、N個の検出コイルCL1のそれぞれに鎖交する磁束は、互いに等しくなる(又は、互いにほぼ等しくなる)。これは、これらN個の検出コイルCL1のそれぞれが、磁性体である第1磁気コアCR1の周りに巻回されており、且つ、磁性体の磁気抵抗が空気の磁気抵抗よりも低いためである。なお、第1磁気コアCR1は、例えば、アモルファスリボン製であるが、これに限られない。また、第1磁気コアCR1の直線形状の部分には、これらN個の検出コイルCL1に加えて、1個以上の他のコイルが配置されている構成であってもよい。この場合、第1磁気コアCR1の直線形状の部分において、これら1個以上の他のコイルは、N個の検出コイルCL1よりも第1磁気コアCR1の先端側又は第1磁気コアCR1の基端側に配置される。
第2センサヘッドS2は、直線形状の部分を有する第2磁気コアCR2と、検出コイルCL21~検出コイルCL2NのN個の検出コイルCL2とを備える。すなわち、第2センサヘッドS2は、第1センサヘッドS1が備える検出コイルCL1の数と同じ数の検出コイルCL2を備える。そして、これらN個の検出コイルCL2は、第2磁気コアCR2が有する直線形状の部分に順に配置されている。換言すると、これらN個の検出コイルCL2は、第2磁気コアCR2が有する直線形状の部分に、第2磁気コアCR2の先端側から順に巻回される。この場合、N個の検出コイルCL2のそれぞれは、第2磁気コアCR2と磁気結合する。そして、第2センサヘッドS2に磁界が印加された場合、N個の検出コイルCL2のそれぞれに鎖交する磁束は、互いに等しくなる(又は、互いにほぼ等しくなる)。これは、これらN個の検出コイルCL2のそれぞれが、磁性体である第2磁気コアCR2の周りに巻回されており、且つ、磁性体の磁気抵抗が空気の磁気抵抗よりも低いためである。なお、第2磁気コアCR2は、例えば、アモルファスリボン製であるが、これに限られない。また、第2磁気コアCR2の直線形状の部分には、これらN個の検出コイルCL2に加えて、1個以上の他のコイルが配置されている構成であってもよい。この場合、第2磁気コアCR2の直線形状の部分において、これら1個以上の他のコイルは、N個の検出コイルCL2よりも第2磁気コアCR2の先端側又は第2磁気コアCR2の基端側に配置される。
ここで、Nは、2以上の整数であれば、如何なる整数であってもよい。以下では、一例として、Nが4である場合について説明する。この場合、第1センサヘッドS1は、図2に示したように、第1磁気コアCR1と、検出コイルCL11~検出コイルCL14の4個の検出コイルとを備える。また、この場合、第2センサヘッドS2は、第2磁気コアCR2と、検出コイルCL21~検出コイルCL24の4個の検出コイルとを備える。
第0移相回路PS0は、入力端子PS01と、出力端子PS02との2つの端子を有する。
交流電流制御部CC1は、入力端子CC11と、入力端子CC12と、出力端子CC13と、出力端子CC14を有する。また、交流電流制御部CC1は、第1移相回路PS1と、第1可変抵抗VR11と、第1コンデンサC1、第2移相回路PS2と、第2可変抵抗VR12と、第2コンデンサC2を備える。
検出回路DT1は、入力端子DT11と、入力端子DT12と、出力端子DT13との3つの端子を有する。
検出回路DT2は、入力端子DT21と、入力端子DT22と、出力端子DT23との3つの端子を有する。
検出回路DT3は、入力端子DT31と、入力端子DT32と、出力端子DT33との3つの端子を有する。
検出回路DT4は、入力端子DT41と、入力端子DT42と、出力端子DT43との3つの端子を有する。
信号処理部PRは、入力端子PR1と、入力端子PR2と、入力端子PR3と、入力端子PR4と、出力端子PR5との5つの端子を有する。
また、勾配磁界センサ12は、伝送路を介して、交流電源P1と接続される。より具体的には、勾配磁界センサ12の交流電源接続端子CT1は、伝送路を介して、交流電源P1が有する2つの電源端子のうちの一方である第1電源端子P11と接続される。そして、交流電源P1が有する2つの電源端子のうちの他方である第2電源端子P12は、伝送路を介して、グラウンドに接地される。ここで、交流電源P1は、如何なる交流電源であってもよい。なお、交流電源接続端子CT1と第1電源端子P11との間には、勾配磁界センサ12が有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。また、第2電源端子P12とグラウンドとの間には、勾配磁界センサ12が有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。
また、勾配磁界センサ12は、伝送路を介して、情報処理装置20と接続される。より具体的には、勾配磁界センサ12の検出信号出力端子CT2は、伝送路を介して、情報処理装置20と接続される。なお、検出信号出力端子CT2と情報処理装置20との間には、勾配磁界センサ12が有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。
また、交流電源接続端子CT1は、伝送路を介して、第0移相回路PS0が有する入力端子PS01と、検出回路DT1が有する入力端子DT11と、検出回路DT2が有する入力端子DT21と、検出回路DT3が有する入力端子DT31と、検出回路DT4が有する入力端子DT41とのそれぞれと接続される。そして、第0移相回路PS0が有する出力端子PS02は、伝送路を介して、交流電流制御部CC1が有する入力端子CC11と、交流電流制御部CC1が有する入力端子CC12とのそれぞれと接続される。なお、交流電源接続端子CT1と入力端子PS01との間には、勾配磁界センサ12が有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。また、交流電源接続端子CT1と入力端子DT11との間には、勾配磁界センサ12が有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。また、交流電源接続端子CT1と入力端子DT21との間には、勾配磁界センサ12が有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。また、交流電源接続端子CT1と入力端子DT31との間には、勾配磁界センサ12が有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。また、交流電源接続端子CT1と入力端子DT41との間には、勾配磁界センサ12が有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。また、出力端子PS02と入力端子CC11との間には、勾配磁界センサ12が有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。また、出力端子PS02と入力端子CC12との間には、勾配磁界センサ12が有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。
また、交流電流制御部CC1において、入力端子CC11と出力端子CC13との間には、伝送路を介して、第1移相回路PS1と、第1可変抵抗VR11と、第1コンデンサC1とが直列に接続される。また、交流電流制御部CC1において、入力端子CC12と出力端子CC14との間には、伝送路を介して、第2移相回路PS2と、第2可変抵抗VR12と、第2コンデンサC2とが直列に接続される。なお、入力端子CC11と出力端子CC13との間には、勾配磁界センサ12が有する機能を損なわない範囲内において、第1移相回路PS1と、第1可変抵抗VR11と、第1コンデンサC1とともに、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。また、入力端子CC11と出力端子CC13との間において、第1移相回路PS1と、第1可変抵抗VR11と、第1コンデンサC1とは、如何なる順で直列に接続される構成であってもよい。また、入力端子CC12と出力端子CC14との間には、勾配磁界センサ12が有する機能を損なわない範囲内において、第2移相回路PS2と、第2可変抵抗VR12と、第2コンデンサC2とともに、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。また、入力端子CC12と出力端子CC14との間において、第2移相回路PS2と、第2可変抵抗VR12と、第2コンデンサC2とは、如何なる順で直列に接続される構成であってもよい。
また、交流電流制御部CC1が有する出力端子CC13とグラウンドとの間には、伝送路を介して、第1センサヘッドS1の第1磁気コアCR1が接続される。また、交流電流制御部CC1の出力端子CC14とグラウンドとの間には、伝送路を介して、第2センサヘッドS2の第2磁気コアCR2が接続される。以下では、説明の便宜上、出力端子CC13から第1磁気コアCR1に流れる交流電流を、図2の矢印によって示されるように、第1交流励磁電流AC1と称して説明する。また、以下では、説明の便宜上、出力端子CC14から第2磁気コアCR2に流れる交流電流を、図2の矢印によって示されるように、第2交流励磁電流AC2と称して説明する。なお、交流電流制御部CC1が有する出力端子CC13とグラウンドとの間には、勾配磁界センサ12が有する機能を損なわない範囲内において、第1磁気コアCR1とともに、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。また、交流電流制御部CC1が有する出力端子CC14とグラウンドとの間には、勾配磁界センサ12が有する機能を損なわない範囲内において、第2磁気コアCR2とともに、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。
また、検出回路DT1が有する入力端子DT12は、伝送路を介して、検出コイルCL11が有する2つの端子のうちのホット側の端子と接続される。また、検出コイルCL11が有する2つの端子のうちのコールド側の端子は、伝送路を介して、検出コイルCL21が有する2つの端子のうちのコールド側の端子と接続される。そして、検出コイルCL21が有する2つの端子のうちのホット側の端子は、伝送路を介して、グラウンドに接地される。すなわち、検出コイルCL11と検出コイルCL21とは、差動接続される。なお、入力端子DT12と検出コイルCL11との間には、勾配磁界センサ12が有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。また、検出コイルCL11と検出コイルCL21との間には、勾配磁界センサ12が有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。また、検出コイルCL21とグラウンドとの間には、勾配磁界センサ12が有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。
ここで、検出コイルCL11の自己インダクタンスは、検出コイルCL21の自己インダクタンスと同じ(又は略同じ)である。これにより、勾配磁界センサ12は、検出コイルCL11と検出コイルCL21とのそれぞれの一様磁界に対する感度を一致させることができる。換言すると、この場合、第1センサヘッドS1に所定の大きさX1の磁界を印加したことによって検出コイルCL11から出力される電圧を、第2センサヘッドS2に所定の大きさX1の磁界を印加したことによって検出コイルCL21から出力される電圧と、極性が反対の電圧、且つ、大きさが同じ電圧にすることができる。その結果、勾配磁界センサ12は、検出コイルCL11と検出コイルCL21との組み合わせによって一様磁界を検出してしまうことを抑制することができる。なお、一様磁界は、本明細書において、一様磁界以外の磁界が印加されていない領域内において強さが位置に依らず一様に変化する磁界のことであり、例えば、地磁気、遠方外乱磁界等のことである。また、検出コイルCL11の自己インダクタンスは、検出コイルCL21の自己インダクタンスと異なる構成であってもよい。この場合、勾配磁界センサ12は、例えば、第1センサヘッドS1に所定の大きさX1の磁界を印加した場合において検出コイルCL11から出力される電圧の大きさと、第2センサヘッドS2に所定の大きさX1の磁界を印加した場合において検出コイルCL21から出力される電圧の大きさとを一致させるような信号処理を行うことにより、一様磁界を検出してしまうことを抑制する。
また、検出回路DT2が有する入力端子DT22は、伝送路を介して、検出コイルCL12が有する2つの端子のうちのホット側の端子と接続される。また、検出コイルCL12が有する2つの端子のうちのコールド側の端子は、伝送路を介して、検出コイルCL22が有する2つの端子のうちのコールド側の端子と接続される。そして、検出コイルCL22が有する2つの端子のうちのホット側の端子は、伝送路を介して、グラウンドに接地される。すなわち、検出コイルCL12と検出コイルCL22とは、差動接続される。なお、入力端子DT22と検出コイルCL12との間には、勾配磁界センサ12が有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。また、検出コイルCL12と検出コイルCL22との間には、勾配磁界センサ12が有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。また、検出コイルCL22とグラウンドとの間には、勾配磁界センサ12が有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。
ここで、検出コイルCL12の自己インダクタンスは、検出コイルCL22の自己インダクタンスと同じ(又は略同じ)である。これにより、勾配磁界センサ12は、検出コイルCL12と検出コイルCL22とのそれぞれの一様磁界に対する感度を一致させることができる。換言すると、この場合、第1センサヘッドS1に所定の大きさX1の磁界を印加したことによって検出コイルCL12から出力される電圧を、第2センサヘッドS2に所定の大きさX1の磁界を印加したことによって検出コイルCL22から出力される電圧と、極性が反対の電圧、且つ、大きさが同じ電圧にすることができる。その結果、勾配磁界センサ12は、検出コイルCL12と検出コイルCL22との組み合わせによって一様磁界を検出してしまうことを抑制することができる。なお、検出コイルCL12の自己インダクタンスは、検出コイルCL22の自己インダクタンスと異なる構成であってもよい。この場合、勾配磁界センサ12は、例えば、第1センサヘッドS1に所定の大きさX1の磁界を印加した場合において検出コイルCL12から出力される電圧の大きさと、第2センサヘッドS2に所定の大きさX1の磁界を印加した場合において検出コイルCL22から出力される電圧の大きさとを一致させるような信号処理を行うことにより、一様磁界を検出してしまうことを抑制する。
また、検出回路DT3が有する入力端子DT32は、伝送路を介して、検出コイルCL13が有する2つの端子のうちのホット側の端子と接続される。また、検出コイルCL13が有する2つの端子のうちのコールド側の端子は、伝送路を介して、検出コイルCL23が有する2つの端子のうちのコールド側の端子と接続される。そして、検出コイルCL23が有する2つの端子のうちのホット側の端子は、伝送路を介して、グラウンドに接地される。すなわち、検出コイルCL13と検出コイルCL23とは、差動接続される。なお、入力端子DT32と検出コイルCL13との間には、勾配磁界センサ12が有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。また、検出コイルCL13と検出コイルCL23との間には、勾配磁界センサ12が有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。また、検出コイルCL23とグラウンドとの間には、勾配磁界センサ12が有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。
ここで、検出コイルCL13の自己インダクタンスは、検出コイルCL23の自己インダクタンスと同じ(又は略同じ)である。これにより、勾配磁界センサ12は、検出コイルCL13と検出コイルCL23とのそれぞれの一様磁界に対する感度を一致させることができる。換言すると、この場合、第1センサヘッドS1に所定の大きさX1の磁界を印加したことによって検出コイルCL13から出力される電圧を、第2センサヘッドS2に所定の大きさX1の磁界を印加したことによって検出コイルCL23から出力される電圧と、極性が反対の電圧、且つ、大きさが同じ電圧にすることができる。その結果、勾配磁界センサ12は、検出コイルCL13と検出コイルCL23との組み合わせによって一様磁界を検出してしまうことを抑制することができる。なお、検出コイルCL13の自己インダクタンスは、検出コイルCL23の自己インダクタンスと異なる構成であってもよい。この場合、勾配磁界センサ12は、例えば、第1センサヘッドS1に所定の大きさX1の磁界を印加した場合において検出コイルCL13から出力される電圧の大きさと、第2センサヘッドS2に所定の大きさX1の磁界を印加した場合において検出コイルCL23から出力される電圧の大きさとを一致させるような信号処理を行うことにより、一様磁界を検出してしまうことを抑制する。
また、検出回路DT4が有する入力端子DT42は、伝送路を介して、検出コイルCL14が有する2つの端子のうちのホット側の端子と接続される。また、検出コイルCL14が有する2つの端子のうちのコールド側の端子は、伝送路を介して、検出コイルCL24が有する2つの端子のうちのコールド側の端子と接続される。そして、検出コイルCL24が有する2つの端子のうちのホット側の端子は、伝送路を介して、グラウンドに接地される。すなわち、検出コイルCL14と検出コイルCL24とは、差動接続される。なお、入力端子DT42と検出コイルCL14との間には、勾配磁界センサ12が有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。また、検出コイルCL14と検出コイルCL24との間には、勾配磁界センサ12が有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。また、検出コイルCL24とグラウンドとの間には、勾配磁界センサ12が有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。
ここで、検出コイルCL14の自己インダクタンスは、検出コイルCL24の自己インダクタンスと同じ(又は略同じ)である。これにより、勾配磁界センサ12は、検出コイルCL14と検出コイルCL24とのそれぞれの一様磁界に対する感度を一致させることができる。換言すると、この場合、第1センサヘッドS1に所定の大きさX1の磁界を印加したことによって検出コイルCL14から出力される電圧を、第2センサヘッドS2に所定の大きさX1の磁界を印加したことによって検出コイルCL24から出力される電圧と、極性が反対の電圧、且つ、大きさが同じ電圧にすることができる。その結果、勾配磁界センサ12は、検出コイルCL14と検出コイルCL24との組み合わせによって一様磁界を検出してしまうことを抑制することができる。なお、検出コイルCL14の自己インダクタンスは、検出コイルCL24の自己インダクタンスと異なる構成であってもよい。この場合、勾配磁界センサ12は、例えば、第1センサヘッドS1に所定の大きさX1の磁界を印加した場合において検出コイルCL14から出力される電圧の大きさと、第2センサヘッドS2に所定の大きさX1の磁界を印加した場合において検出コイルCL24から出力される電圧の大きさとを一致させるような信号処理を行うことにより、一様磁界を検出してしまうことを抑制する。
なお、検出コイルCL11と検出コイルCL21とのそれぞれの自己インダクタンスと、検出コイルCL12と検出コイルCL22とのそれぞれの自己インダクタンスと、検出コイルCL13と検出コイルCL23とのそれぞれの自己インダクタンスと、検出コイルCL14と検出コイルCL24とのそれぞれの自己インダクタンスとの一部又は全部は、互いに同じ自己インダクタンスであってもよく、互いに異なる自己インダクタンスであってもよい。ただし、検出コイルCL11と検出コイルCL21とのそれぞれの自己インダクタンスと、検出コイルCL12と検出コイルCL22とのそれぞれの自己インダクタンスと、検出コイルCL13と検出コイルCL23とのそれぞれの自己インダクタンスと、検出コイルCL14と検出コイルCL24とのそれぞれの自己インダクタンスとの全部が、互いに同じ自己インダクタンスであった場合、勾配磁界センサ12は、検出コイルCL11と検出コイルCL21との組み合わせの感度と、検出コイルCL12と検出コイルCL22との組み合わせの感度と、検出コイルCL13と検出コイルCL23との組み合わせの感度と、検出コイルCL14と検出コイルCL24との組み合わせの感度とを一致させることができる。その結果、勾配磁界センサ12は、一様磁界を検出してしまうことを抑制することができるとともに、後述するように、勾配磁界コイル等によって生じるような一様勾配磁界を検出してしまうことを抑制することができる。ある一様勾配磁界が印加された領域内では、当該領域内の各位置における磁界の強さが均一な磁界であり、且つ、当該領域内の各位置において一様に強度が周期的に変化する磁界のことである。一様勾配磁界が発生する要因としては、例えば、製造ラインを駆動するモータ等による振動等が挙げられる。例えば、製造ラインに設けられた勾配磁界センサ12は、磁気シールド等の磁性体によって覆われた状態で使用されることがある。この場合、製造ラインの振動に応じてこの磁性体も振動し、変動磁界が発生する。このような変動磁界は、勾配磁界センサ12によって一様勾配磁界として検出されることがある。このようにして発生する一様勾配磁界は、磁気ノイズとして振る舞うため、勾配磁界センサ12による検出対象物の検出を妨げてしまうことがある。勾配磁界センサ12は、このような一様勾配磁界を検出してしまうことを抑制することができる。
ここで、検出コイルCL1nのインダクタンスと検出コイルCL2nのインダクタンスとは、例えば、検出コイルCL1nの単位長さあたりの巻き数と、検出コイルCL2nの単位長さあたりの巻き数とを一致させ、且つ、検出コイルCL1nの中心軸方向における長さと、検出コイルCL2nの中心軸方向における長さとを一致させることにより、一致させることができる。なお、検出コイルCL1nのインダクタンスと検出コイルCL2nのインダクタンスとを一致させる方法は、他の方法であってもよい。
また、信号処理部PRが有する入力端子PR1は、伝送路を介して、検出回路DT1が有する出力端子DT13と接続される。また、信号処理部PRが有する入力端子PR2は、伝送路を介して、検出回路DT2が有する出力端子DT23と接続される。また、信号処理部PRが有する入力端子PR3は、伝送路を介して、検出回路DT3が有する出力端子DT33と接続される。また、信号処理部PRが有する入力端子PR4は、伝送路を介して、検出回路DT4が有する出力端子DT43と接続される。また、信号処理部PRが有する出力端子PR5は、伝送路を介して、検出信号出力端子CT2と接続される。なお、入力端子PR1と出力端子DT13との間には、勾配磁界センサ12が有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。また、入力端子PR2と出力端子DT23との間には、勾配磁界センサ12が有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。また、入力端子PR3と出力端子DT33との間には、勾配磁界センサ12が有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。また、入力端子PR4と出力端子DT43との間には、勾配磁界センサ12が有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。また、出力端子PR5と検出信号出力端子CT2との間には、勾配磁界センサ12が有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。
次に、図3を参照し、検出回路DT1~検出回路DT4それぞれの回路構成について説明する。以下では、一例として、検出回路DT1~検出回路DT4のそれぞれが、互いに同じ構成である場合について説明する。このため、以下では、検出回路DT1の構成を例に挙げて検出回路DT1~検出回路DT4それぞれの構成を説明し、検出回路DT2~検出回路DT4それぞれの構成についての説明を省略する。図3は、検出回路DT1の構成の一例を示す図である。なお、検出回路DT1~検出回路DT4のうちの一部又は全部は、勾配磁界センサ12が有する機能を損なわない範囲内において、互いに異なる構成であってもよい。
検出回路DT1は、位相検波回路PDと、ローパスフィルタLFと、誤差アンプEAと、抵抗R1とを備える。そして、位相検波回路PDは、入力端子PD1と、入力端子PD2と、出力端子PD3との3つの端子を有する。
検出回路DT1において、入力端子DT11は、伝送路を介して、位相検波回路PDが有する入力端子PD1と接続される。また、位相検波回路PDが有する出力端子PD3は、伝送路を介して、ローパスフィルタLFが有する入力端子と接続される。また、ローパスフィルタLFが有する出力端子は、伝送路を介して、誤差アンプEAが有する反転入力端子と接続される。また、誤差アンプEAが有する非反転入力端子は、伝送路を介して、グラウンドに接地される。また、誤差アンプEAが有する出力端子は、伝送路を介して、検出回路DT1が有する出力端子DT13と、抵抗R1が有する2つの端子のうちの一方とのそれぞれと接続される。また、抵抗R1が有する2つの端子のうちの他方は、伝送路を介して、位相検波回路PDが有する入力端子DT12と、第3コンデンサC3が有する2つの端子のうちの一方と接続される。また、第3コンデンサC3が有する2つの端子のうちの他方は、伝送路を介して、位相検波回路PDが有する入力端子PD2と接続される。このように、検出回路DT1は、PSD(Phase Sensitive Detector)回路である。なお、入力端子DT11と位相検波回路PDとの間には、検出回路DT1が有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。また、位相検波回路PDとローパスフィルタLFとの間には、検出回路DT1が有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。また、ローパスフィルタLFと誤差アンプEAとの間には、検出回路DT1が有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。また、誤差アンプEAとグラウンドとの間には、検出回路DT1が有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。また、誤差アンプEAと出力端子DT13との間には、検出回路DT1が有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。また、誤差アンプEAと抵抗R1との間には、検出回路DT1が有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。また、抵抗R1と第3コンデンサC3との間には、検出回路DT1が有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。また、第3コンデンサC3と位相検波回路PDとの間には、検出回路DT1が有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。また、抵抗R1と第3コンデンサC3とを接続する伝送路と入力端子DT12との間には、検出回路DT1が有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。
次に、図4を参照し、信号処理部PRの回路構成について説明する。図4は、信号処理部PRの回路構成の一例を示す図である。
信号処理部PRは、バッファB1~バッファB4の4つのバッファと、増幅部A1~増幅部A4の4つの増幅部と、演算部O1~演算部O6の6つの演算部と、差動アンプDAと、ハイパスフィルタHF1~ハイパスフィルタHF4の4つのハイパスフィルタと、全波整流器FR1~全波整流器FR3の3つの全波整流器と、ヒステリシスコンパレータHCと、インバータIVを備える。
バッファB1~バッファB4の4つのバッファのそれぞれは、例えば、ボルテージフォロワ等であるが、これに限られない。
増幅部A1~増幅部A4の4つの増幅部のそれぞれは、例えば、オペアンプ等であるが、これに限られない。
演算部O1~演算部O6の6つの演算部のそれぞれは、例えば、加算器であるが、これに限られない。
信号処理部PRにおいて、バッファB1が有する入力端子は、伝送路を介して、信号処理部PRの入力端子PR1と接続される。また、バッファB1が有する出力端子は、伝送路を介して、増幅部A1が有する入力端子と接続される。また、増幅部A1が有する出力端子は、伝送路を介して、演算部O1が有する2つの入力端子のうちの一方と、演算部O4が有する2つの入力端子のうちの一方とのそれぞれと接続される。また、バッファB2が有する入力端子は、伝送路を介して、信号処理部PRの入力端子PR2と接続される。また、バッファB2が有する出力端子は、伝送路を介して、増幅部A2が有する入力端子と接続される。また、増幅部A2が有する出力端子は、伝送路を介して、演算部O1が有する2つの入力端子のうちの他方と、演算部O2が有する2つの入力端子のうちの一方とのそれぞれと接続される。また、バッファB3が有する入力端子は、伝送路を介して、信号処理部PRの入力端子PR3と接続される。また、バッファB3が有する出力端子は、伝送路を介して、増幅部A3が有する入力端子と接続される。また、増幅部A3が有する出力端子は、伝送路を介して、演算部O2が有する2つの入力端子のうちの他方と、演算部O3が有する2つの入力端子のうちの一方とのそれぞれと接続される。また、バッファB4が有する出力端子は、伝送路を介して、増幅部A4が有する入力端子と接続される。また、増幅部A4が有する出力端子は、伝送路を介して、演算部O3が有する2つの入力端子のうちの他方と、演算部O4が有する2つの入力端子のうちの他方とのそれぞれと接続される。なお、入力端子PR1とバッファB1との間には、信号処理部PRが有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。また、バッファB1と増幅部A1との間には、信号処理部PRが有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。また、増幅部A1と演算部O1との間には、信号処理部PRが有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。また、増幅部A1と演算部O4との間には、信号処理部PRが有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。また、入力端子PR2とバッファB2との間には、信号処理部PRが有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。また、バッファB2と増幅部A2との間には、信号処理部PRが有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。また、増幅部A2と演算部O1との間には、信号処理部PRが有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。また、増幅部A2と演算部O2との間には、信号処理部PRが有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。また、入力端子PR3とバッファB3との間には、信号処理部PRが有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。また、バッファB3と増幅部A3との間には、信号処理部PRが有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。また、増幅部A3と演算部O2との間には、信号処理部PRが有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。また、増幅部A3と演算部O3との間には、信号処理部PRが有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。また、入力端子PR4とバッファB4との間には、信号処理部PRが有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。また、バッファB4と増幅部A4との間には、信号処理部PRが有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。また、増幅部A4と演算部O3との間には、信号処理部PRが有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。また、増幅部A4と演算部O4との間には、信号処理部PRが有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。
また、信号処理部PRにおいて、演算部O1が有する出力端子は、伝送路を介して、差動アンプDAが有する2つの入力端子のうちの一方と接続される。また、演算部O3が有する出力端子は、伝送路を介して、差動アンプDAが有する2つの入力端子のうちの他方と接続される。差動アンプDAが有する出力端子は、伝送路を介して、ハイパスフィルタHF1が有する入力端子と接続される。また、ハイパスフィルタHF1が有する出力端子は、伝送路を介して、全波整流器FR1が有する入力端子と接続される。なお、演算部O1と差動アンプDAとの間には、信号処理部PRが有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。また、演算部O3と差動アンプDAとの間には、信号処理部PRが有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。また、差動アンプDAとハイパスフィルタHF1との間には、信号処理部PRが有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。また、ハイパスフィルタHF1と全波整流器FR1との間には、信号処理部PRが有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。
また、信号処理部PRにおいて、演算部O2が有する出力端子は、伝送路を介して、ハイパスフィルタHF2が有する入力端子と接続される。また、ハイパスフィルタHF2が有する出力端子は、伝送路を介して、全波整流器FR2が有する入力端子と接続される。なお、演算部O2とハイパスフィルタHF2との間には、信号処理部PRが有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。また、ハイパスフィルタHF2と全波整流器FR2との間には、信号処理部PRが有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。
また、信号処理部PRにおいて、全波整流器FR1が有する出力端子は、伝送路を介して、演算部O5が有する2つの入力端子のうちの一方と接続される。また、全波整流器FR2が有する出力端子は、伝送路を介して、演算部O5が有する2つの入力端子のうちの他方と接続される。なお、全波整流器FR1と演算部O5との間には、信号処理部PRが有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。また、全波整流器FR2と演算部O5との間には、信号処理部PRが有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。
また、信号処理部PRにおいて、演算部O4が有する出力端子は、伝送路を介して、ハイパスフィルタHF3が有する入力端子と接続される。また、ハイパスフィルタHF3が有する出力端子は、伝送路を介して全波整流器FR3が有する入力端子と接続される。なお、演算部O4とハイパスフィルタHF3との間には、信号処理部PRが有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。また、ハイパスフィルタHF3と全波整流器FR3との間には、信号処理部PRが有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。
また、信号処理部PRにおいて、演算部O5が有する出力端子は、伝送路を介して、演算部O6が有する2つの入力端子のうちの一方と接続される。また、全波整流器FR3が有する出力端子は、伝送路を介して、演算部O6が有する2つの入力端子のうちの他方と接続される。また、演算部O6が有する出力端子は、伝送路を介して、ハイパスフィルタHF4が有する入力端子と接続される。また、ハイパスフィルタHF4が有する出力端子は、伝送路を介して、ヒステリシスコンパレータHCが有する入力端子と接続される。ヒステリシスコンパレータHCが有する出力端子は、伝送路を介して、インバータIVが有する入力端子と接続される。また、インバータIVが有する出力端子は、伝送路を介して、信号処理部PRの出力端子PR5と接続される。なお、演算部O5と演算部O6との間には、信号処理部PRが有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。また、全波整流器FR3と演算部O6との間には、信号処理部PRが有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。また、演算部O6とハイパスフィルタHF4との間には、信号処理部PRが有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。また、ハイパスフィルタHF4とヒステリシスコンパレータHCとの間には、信号処理部PRが有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。また、ヒステリシスコンパレータHCとインバータIVとの間には、信号処理部PRが有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。また、インバータIVと出力端子PR5との間には、信号処理部PRが有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。
以上のような構成により、勾配磁界センサ12は、第1センサヘッドS1及び第2センサヘッドS2を用いた検出対象物の有無の検出を行うことができる。より具体的には、勾配磁界センサ12は、第1センサヘッドS1の4個の検出コイルCL1のそれぞれから出力される電圧と、第2センサヘッドS2の4個の検出コイルCL2から出力される電圧とに応じて、検出対象物の有無を検出することができる。
ここで、図5を参照し、第1センサヘッドS1及び第2センサヘッドS2のより詳細な構成について説明する。図5は、第1センサヘッドS1及び第2センサヘッドS2のより詳細な構成の一例を示す図である。また、図5は、第1磁気コアCR1の中心軸AX1と、第2磁気コアCR2の中心軸AX2との両方を含む平面において勾配磁界センサ12を切断した場合における勾配磁界センサ12の断面図でもある。
図5に示したように、勾配磁界センサ12は、第1センサヘッドS1と、第2センサヘッドS2と、本体部MBを備える。ここで、本体部MBは、第1磁気コアCR1と第2磁気コアCR2とが設けられる筐体である。本体部MBには、交流電源接続端子CT1と、第0移相回路PS0と、交流電流制御部CC1と、検出回路DT1と、検出回路DT2と、検出回路DT3と、検出回路DT4と、信号処理部PRと、検出信号出力端子CT2とのうちの少なくとも一部が備えられる。以下では、一例として、本体部MBには、交流電源接続端子CT1と、第0移相回路PS0と、交流電流制御部CC1と、検出回路DT1と、検出回路DT2と、検出回路DT3と、検出回路DT4と、信号処理部PRと、検出信号出力端子CT2との全部が備えられる場合について説明する。ただし、図5では、図を簡略化するため、本体部MBの内部の構成については、省略されている。
第1磁気コアCR1の直線形状の部分は、第2磁気コアCR2の直線形状の部分と平行(又は略平行)である。図5に示した例では、第1磁気コアCR1は、全体が中心軸AX1とともに延伸する直線形状である。また、当該例では、第2磁気コアCR2は、全体が中心軸AX2とともに延伸する直線形状である。すなわち、当該例では、全体が直線形状の第1磁気コアCR1は、全体が直線形状の第2磁気コアCR2と平行(又は略平行)である。なお、第1磁気コアCR1の直線形状の部分は、第2磁気コアCR2の直線形状の部分と非平行であってもよい。
また、図5に示した例では、第1磁気コアCR1と第2磁気コアCR2とのそれぞれは、互いの直線形状の部分が略平行となるように本体部MBから予め決められた方向に突出している。予め決められた方向は、図5の紙面左方であるが、これに限られない。なお、第1磁気コアCR1の直線形状の部分と、第2磁気コアCR2の直線形状の部分とは、同軸上(又は略同軸上)に位置する構成であってもよい。
また、図5に示した例では、第1磁気コアCR1の直線形状の部分は、第1磁気コアCR1の直線形状の部分及び第2磁気コアCR2の直線形状の部分とのそれぞれと直交する直交方向(すなわち、中心軸AX1及び中心軸AX2のそれぞれと直交する方向であり、且つ、中心軸AX1及び中心軸AX2を含む平面に沿った方向)から見た場合、第2磁気コアCR2の直線形状の部分とすべて(又は略すべて)重なっている。なお、第1磁気コアCR1の直線形状の部分は、当該場合、第2磁気コアCR2の直線形状の部分と一部が重なっている構成であってもよい。
また、図5に示した例では、N個の検出コイルCL1のうちのn番目の検出コイルCL1nは、直交方向から見た場合、N個の検出コイルCL2のうちのn番目の検出コイルCL2nとすべて(又は略すべて)重なっている。このため、当該例では、勾配磁界センサ12において、第1センサヘッドS1の形状(構造)は、第2センサヘッドS2の形状(構造)と同じ(又は略同じ)形状(構造)である。換言すると、勾配磁界センサ12において、4個の検出コイルCL1が巻回された第1磁気コアCR1と、4個の検出コイルCL2が巻回された第2磁気コアCR2とは、線対称に配置されている。これにより、勾配磁界センサ12は、第1センサヘッドS1の形状と、第2センサヘッドS2の形状との差異に起因した勾配磁界センサ12の感度の変動の発生を抑制することができる。換言すると、これにより、勾配磁界センサ12は、第1センサヘッドS1の感度分布と、第2センサヘッドS2の感度分布との対称性を担保することができる。
ここで、N個の検出コイルCL1のうちのn番目の検出コイルCL1nの予め決められた方向に対する巻回方向は、N個の検出コイルCL2のうちのn番目の検出コイルCL2nの予め決められた方向に対する巻回方向と逆方向である。そして、検出コイルCL1nが有する2つの端子のうちのコールド側の端子は、検出コイルCL2nが有する2つの端子のうちのコールド側の端子と接続される。これにより、検出コイルCL1nは、前述した通り、検出コイルCL2nと差動接続される。その結果、検出コイルCL1nから出力される電圧の極性は、検出コイルCL2nから出力される電圧の極性と反対である。なお、検出コイルCL1nと検出コイルCL2nとの差動接続は、他の方法により実現されてもよい。例えば、検出コイルCL1nと検出コイルCL2nとは、電圧の極性を反転させる素子(例えば、インバータ等)を介して差動接続される構成であってもよい。この場合、検出コイルCL1nの予め決められた方向に対する巻回方向と、検出コイルCL2nの予め決められた方向に対する巻回方向とを同じ方向であり、検出コイルCL1nのコールド側の端子は、電圧の極性を反転させる素子を介して、検出コイルCL2nのホット側の端子と接続される。その結果、この場合、検出コイルCL1nから出力される電圧の極性は、検出コイルCL2nから出力される電圧の極性と同じである。また、電圧の極性を反転させることは、例えば、検出回路DT1~検出回路DT4のそれぞれ、信号処理部PR等により行われてもよい。
また、図5に示した例では、N個の検出コイルCL1において互いに隣り合う2個の検出コイルCL1同士は、絶縁され、且つ、接触している。また、当該例では、N個の検出コイルCL2において互いに隣り合う2個の検出コイルCL2同士は、絶縁され、且つ、接触している。換言すると、勾配磁界センサ12では、N個の検出コイルCL1において互いに隣り合う2個の検出コイルCL1同士は、互いの間に隙間がないように第1磁気コアCR1に巻回されている。また、勾配磁界センサ12では、N個の検出コイルCL2において互いに隣り合う2個の検出コイルCL2同士は、互いの間に隙間がないように第2磁気コアCR2に巻回されている。これにより、勾配磁界センサ12は、検出対象物から発生している磁束を第1磁気コアCR1及び第2磁気コアCR2へ効率的に取り込ませることができ、その結果、検出対象物の検出精度を向上させることができる。また、これにより、勾配磁界センサ12は、第1センサヘッドS1における4個の検出コイルCL1それぞれの磁気モーメントに対する感度の分布の周期を、これら4個の検出コイルCL1の配置間隔の周期と一致させることができる。また、勾配磁界センサ12は、第2センサヘッドS2における4個の検出コイルCL2それぞれの磁気モーメントに対する感度の分布の周期を、これら4個の検出コイルCL2の配置間隔の周期と一致させることができる。その結果、勾配磁界センサ12は、ノイズの影響を精度よく除去することができる。
<実施形態に係る勾配磁界センサの動作>
次に、勾配磁界センサ12の動作について説明する。
上記のような回路構成の勾配磁界センサ12において、交流電源P1は、交流電源接続端子CT1に交流電流を入力する。交流電源接続端子CT1に入力された交流電流は、2つに分岐される。2つに分岐された交流電流の一方は、交流励磁電流として第0移相回路PS0に入力される。また、2つの分岐された交流電流の他方は、参照信号として、検出回路DT1が有する入力端子DT11と、検出回路DT2が有する入力端子DT21と、検出回路DT3が有する入力端子DT31と、検出回路DT4が有する入力端子DT41とのそれぞれに入力される。
第0移相回路PS0に入力された交流励磁電流は、第0移相回路PS0により移相された後、第1交流励磁電流AC1と第2交流励磁電流AC2との2つの交流励磁電流に分岐される。
第1交流励磁電流AC1は、第1移相回路PS1、第1可変抵抗VR11、第1コンデンサC1を介して第1磁気コアCR1に流れる。このため、第1交流励磁電流AC1は、第1移相回路PS1により移相され、第1可変抵抗VR11により振幅が調整される。これにより、4個の検出コイルCL1のうちのn番目の検出コイルCL1nには、第1磁気コアCR1に流れた第1交流励磁電流AC1と、検出コイルCL1nに印加された磁界の強さとに応じた電圧が誘起される。すなわち、これにより、検出コイルCL1nからは、当該電圧が出力される。そして、当該電圧は、外部から検出コイルCL1nに印加された磁界の強さに応じて変化する。以下では、説明の便宜上、検出コイルCL1nに誘起される電圧を、第1誘起電圧と称して説明する。なお、第1コンデンサC1は、AC(Alternating Current)カップリングのためのコンデンサである。第1コンデンサC1の存在により、勾配磁界センサ12では、直流電流が出力端子CC13から入力端子CC11へ流れてしまうことを抑制することができる。
第2交流励磁電流AC2は、第2移相回路PS2、第2可変抵抗VR12、第2コンデンサC2を介して第2磁気コアCR2に流れる。このため、第2交流励磁電流AC2は、第2移相回路PS2により移相され、第2可変抵抗VR12により振幅が調整される。これにより、4個の検出コイルCL2のうちのn番目の検出コイルCL2nには、第2磁気コアCR2に流れた第2交流励磁電流AC2と、検出コイルCL2nに印加された磁界の強さとに応じた電圧が誘起される。すなわち、これにより、検出コイルCL2nからは、当該電圧が出力される。そして、当該電圧は、外部から検出コイルCL2nに印加された磁界の強さに応じて変化する。以下では、説明の便宜上、検出コイルCL2nに誘起される電圧を、第2誘起電圧と称して説明する。なお、第2コンデンサC2は、ACカップリングのためのコンデンサである。第2コンデンサC2の存在により、勾配磁界センサ12では、直流電流が出力端子CC14から入力端子CC12へ流れてしまうことを抑制することができる。
勾配磁界センサ12では、検出コイルCL11に誘起された第1誘起電圧と、検出コイルCL21に誘起された第2誘起電圧とに応じた信号が、差動信号Vout1として検出回路DT1が有する入力端子DT12に入力する。また、勾配磁界センサ12では、検出コイルCL12に誘起された第1誘起電圧と、検出コイルCL22に誘起された第2誘起電圧とに応じた信号が、差動信号Vout2として検出回路DT2が有する入力端子DT22に入力する。また、勾配磁界センサ12では、検出コイルCL13に誘起された第1誘起電圧と、検出コイルCL23に誘起された第2誘起電圧とに応じた信号が、差動信号Vout3として検出回路DT3が有する入力端子DT32に入力する。また、勾配磁界センサ12では、検出コイルCL14に誘起された第1誘起電圧と、検出コイルCL24に誘起された第2誘起電圧とに応じた信号が、差動信号Vout4として検出回路DT4が有する入力端子DT42に入力する。
ここで、検出回路DT1~検出回路DT4のそれぞれは、入力される差動信号が異なるだけで、互いに同じ動作を行う。このため、以下では、検出回路DT1の動作を例に挙げて、検出回路DT1~検出回路DT4それぞれの動作について説明する。そして、本実施形態では、検出回路DT2~検出回路DT4それぞれの動作については、説明を省略する。
検出回路DT1の位相検波回路PDは、入力された差動信号Vout1と、交流電源P1から入力された参照信号とのずれに応じた信号を、検波信号としてローパスフィルタLFに入力する。ローパスフィルタLFは、位相検波回路PDから入力された検波信号から所定の第1周波数以上の成分を除去した出力信号を誤差アンプEAの反転入力端子に出力する。誤差アンプEAは、誤差アンプEAの反転入力端子に入力された出力信号の電位とグラウンド電位との電位差に応じた信号を検出信号として、検出信号出力端子CT2と抵抗R1とのそれぞれに出力する。なお、第3コンデンサC3は、ACカップリングのためのコンデンサである。また、第3コンデンサC3が有する端子のうち位相検波回路PDと接続された端子と反対側の端子には、バッファ回路(例えば、ボルテージフォロワ等)が接続される。このバッファ回路については、図を簡略化するため、図示を省略している。
抵抗R1に入力された検出信号は、図示しないバッファ回路の存在により、第3コンデンサC3へ入力されることなく、帰還電流として入力端子DT12から検出コイルCL11に向かって流れていく。
このような動作を行う検出回路DT1には、調整を行うことにより、差動信号Vout1の信号レベルが0[V]である場合、信号レベルが0[V]の検出信号を検出信号出力端子CT2から出力させ、差動信号Vout1の信号レベルが0[V]ではない場合、信号レベルが0[V]ではない検出信号を検出信号出力端子CT2から出力させることができる。なお、検出回路DT1の調整については、既知であるため、これ以上の詳細な説明を省略する。
このようにして、検出回路DT1~検出回路DT4のそれぞれは、出力端子から検出信号を出力する。すなわち、検出回路DT1は、差動信号Vout1に応じた検出信号を信号処理部PRに出力する。また、検出回路DT2は、差動信号Vout2に応じた検出信号を信号処理部PRに出力する。検出回路DT3は、差動信号Vout3に応じた検出信号を信号処理部PRに出力する。また、検出回路DT4は、差動信号Vout4に応じた検出信号を信号処理部PRに出力する。ここで、この際、検出回路DT1~検出回路DT4のそれぞれは、検出信号の出力タイミングを同期させる。出力タイミングを同期させる方法は、既知の方法であってもよく、これから開発される方法であってもよい。
信号処理部PRは、検出回路DT1~検出回路DT4のそれぞれから入力された検出信号に対して、各種の信号処理を行う。信号処理部PRが有する機能のうちの一部又は全部は、ハードウェアにより実現されてもよく、ソフトウェアにより実現されてもよい。ただし、信号処理部PRが有する機能のうちの一部又は全部がソフトウェアにより実現される場合、信号処理部PRに入力される各検出信号は、A(Analog)/D(Digital)変換器によりデジタルデータに変換される。以下では、一例として、信号処理部PRの全部がハードウェアにより実現されている場合について説明する。
具体的には、信号処理部PRでは、例えば、検出回路DT1から入力された検出信号が、バッファB1により一時的に記憶される。図4に示した例では、当該検出信号は、○の中に1が入った記号によって示されている。以下では、説明の便宜上、当該記号を、○1によって示す。バッファB1に当該検出信号が記憶された後、増幅部A1は、バッファB1に記憶された当該検出信号を読み出し、読み出した当該検出信号を、予め決められたゲインに基づいて増幅する。増幅部A1により増幅された当該検出信号は、演算部O1と演算部O4とのそれぞれに入力される。なお、信号処理部PRは、バッファB1を備えない構成であってもよい。この場合、信号処理部PRでは、検出回路DT1から入力された検出信号は、増幅部A1に入力される。
また、信号処理部PRでは、例えば、検出回路DT2から入力された検出信号が、バッファB2により一時的に記憶される。図4に示した例では、当該検出信号は、○の中に2が入った記号によって示されている。以下では、説明の便宜上、当該記号を、○2によって示す。バッファB2に当該検出信号が記憶された後、増幅部A2は、バッファB2に記憶された当該検出信号を読み出し、読み出した当該検出信号を、予め決められたゲインに基づいて増幅する。増幅部A2により増幅された当該検出信号は、演算部O1と演算部O2とのそれぞれに入力される。なお、信号処理部PRは、バッファB2を備えない構成であってもよい。この場合、信号処理部PRでは、検出回路DT2から入力された検出信号は、増幅部A2に入力される。
また、信号処理部PRでは、例えば、検出回路DT3から入力された検出信号が、バッファB3により一時的に記憶される。図4に示した例では、当該検出信号は、○の中に3が入った記号によって示されている。以下では、説明の便宜上、当該記号を、○3によって示す。バッファB3に当該検出信号が記憶された後、増幅部A3は、バッファB3に記憶された当該検出信号を読み出し、読み出した当該検出信号を、予め決められたゲインに基づいて増幅する。増幅部A3により増幅された当該検出信号は、演算部O2と演算部O3とのそれぞれに入力される。なお、信号処理部PRは、バッファB3を備えない構成であってもよい。この場合、信号処理部PRでは、検出回路DT3から入力された検出信号は、増幅部A3に入力される。
また、信号処理部PRでは、例えば、検出回路DT4から入力された検出信号が、バッファB4により一時的に記憶される。図4に示した例では、当該検出信号は、○の中に4が入った記号によって示されている。以下では、説明の便宜上、当該記号を、○4によって示す。バッファB4に当該検出信号が記憶された後、増幅部A4は、バッファB4に記憶された当該検出信号を読み出し、読み出した当該検出信号を、予め決められたゲインに基づいて増幅する。増幅部A4により増幅された当該検出信号は、演算部O3と演算部O4とのそれぞれに入力される。なお、信号処理部PRは、バッファB4を備えない構成であってもよい。この場合、信号処理部PRでは、検出回路DT4から入力された検出信号は、増幅部A4に入力される。
また、信号処理部PRでは、演算部O1は、例えば、増幅部A1により増幅された検出信号と、増幅部A2により増幅された検出信号とを加算する。演算部O1は、加算した後の検出信号を差動アンプDAに入力する。図4に示した例では、当該検出信号を、「○1+○2」によって示されている。
また、信号処理部PRでは、演算部O2は、例えば、増幅部A2により増幅された検出信号と、増幅部A3により増幅された検出信号とを加算する。演算部O2は、加算した後の検出信号をハイパスフィルタHF2に入力する。図4に示した例では、当該検出信号を、「○2+○3」によって示されている。
また、信号処理部PRでは、演算部O3は、例えば、増幅部A3により増幅された検出信号と、増幅部A4により増幅された検出信号とを加算する。演算部O3は、加算した後の検出信号を差動アンプDAに入力する。図4に示した例では、当該検出信号を、「○3+○4」によって示されている。
また、信号処理部PRでは、演算部O4は、例えば、増幅部A1により増幅された検出信号と、増幅部A4により増幅された検出信号とを加算する。演算部O4は、加算した後の検出信号をハイパスフィルタHF3に入力する。図4に示した例では、当該検出信号を、「○1+○4」によって示されている。
また、信号処理部PRでは、差動アンプDAは、例えば、演算部O1から入力された検出信号と、演算部O3から入力された検出信号との差動信号を新たな検出信号として生成し、生成した検出信号をハイパスフィルタHF1に入力する。これにより、ハイパスフィルタHF1は、当該検出信号から、直流成分を除去する。すなわち、ハイパスフィルタHF1は、当該検出信号から所定の第1周波数以下の成分を除去した信号を、新たな検出信号として全波整流器FR1に入力する。
また、信号処理部PRでは、全波整流器FR1は、ハイパスフィルタHF1から入力された検出信号を全波整流し、全波整流した後の信号を新たな検出信号として演算部O5に入力する。
また、信号処理部PRでは、ハイパスフィルタHF2は、演算部O2から入力された検出信号から、直流成分を除去する。すなわち、ハイパスフィルタHF2は、当該検出信号から第1周波数以下の成分を除去した信号を、新たな検出信号として全波整流器FR2に入力する。
また、信号処理部PRでは、全波整流器FR2は、ハイパスフィルタHF2から入力された検出信号を全波整流し、全波整流した後の信号を新たな検出信号として演算部O5に入力する。
また、信号処理部PRでは、演算部O5は、全波整流器FR1から入力された検出信号と、全波整流器FR2から入力された検出信号とを加算する。演算部O5は、加算した後の検出信号を演算部O6に入力する。
また、信号処理部PRでは、ハイパスフィルタHF3は、演算部O4から入力された検出信号から、直流成分を除去する。すなわち、ハイパスフィルタHF3は、当該検出信号から第1周波数以下の成分を除去した信号を、新たな検出信号として全波整流器FR3に入力する。
また、信号処理部PRでは、全波整流器FR3は、ハイパスフィルタHF3から入力された検出信号を全波整流し、全波整流した後の信号を新たな検出信号として演算部O6に入力する。
また、信号処理部PRでは、演算部O6は、演算部O5から入力された検出信号と、全波整流器FR3から入力された検出信号とを加算する。演算部O6は、加算した後の検出信号をハイパスフィルタHF4に入力する。
また、信号処理部PRでは、ハイパスフィルタHF4は、演算部O6から入力された検出信号から、直流成分を除去する。すなわち、ハイパスフィルタHF4は、当該検出信号から第1周波数以下の成分を除去した信号を、新たな検出信号としてヒステリシスコンパレータHCに入力する。
また、ヒステリシスコンパレータHCは、第1閾値と、第1閾値よりも低い第2閾値との2つの閾値を有する。信号処理部PRでは、ヒステリシスコンパレータHCは、ハイパスフィルタHF4から入力された検出信号の信号レベルが、第1閾値を超えて大きい場合、又は、第2閾値を超えて小さい場合、シグナルであると判定し、Lレベルの信号をインバータIVに入力する。一方、ヒステリシスコンパレータHCは、ハイパスフィルタHF4から入力された検出信号の信号レベルが、第1閾値と第2閾値との間の範囲内である場合、ノイズであると判定し、Hレベルの信号をインバータIVに入力する。これにより、勾配磁界センサ12は、当該検出信号がノイズであるか否かを判定することができ、その結果、検出対象物を精度よく検出することができる。
また、信号処理部PRでは、インバータIVは、ヒステリシスコンパレータHCからHレベルの信号が入力された場合、Lレベルの信号を出力端子PR5から非検出信号として出力する。一方、インバータIVは、ヒステリシスコンパレータHCからLレベルの信号が入力された場合、Hレベルの信号を検出信号として出力端子PR5から出力する。従って、勾配磁界センサ12は、検出対象物を検出した場合、Hレベルの信号を検出信号として出力する。なお、インバータIVは、情報処理装置20への検出信号としてHレベルの信号を出力した方が情報処理装置20側で扱いやすいと考えられるため、勾配磁界センサ12に備えられている。このため、勾配磁界センサ12は、インバータIVを備えない構成であってもよい。この場合、勾配磁界センサ12は、Lレベルの信号を検出信号として出力する。
なお、信号処理部PRでは、ヒステリシスコンパレータHCは、ハイパスフィルタHF4から入力された検出信号の信号レベルが、第1閾値を超えて大きい場合、又は、第2閾値を超えて小さい場合、シグナルであると判定し、Hレベルの信号を出力端子PR5から検出信号として出力する構成であってもよい。この場合、ヒステリシスコンパレータHCは、ハイパスフィルタHF4から入力された検出信号の信号レベルが、第1閾値と第2閾値との間の範囲内である場合、ノイズであると判定し、Lレベルの信号を出力端子PR5から非検出信号として出力する。そして、この場合、信号処理部PRは、インバータIVを備えない。
また、信号処理部PRでは、ヒステリシスコンパレータHCは、ハイパスフィルタHF4から入力された検出信号の信号レベルが、第1閾値を超えて大きい場合、又は、第2閾値を超えて小さい場合、シグナルであると判定し、Hレベルの信号をインバータIVに入力する構成であってもよい。この場合、ヒステリシスコンパレータHCは、ハイパスフィルタHF4から入力された検出信号の信号レベルが、第1閾値と第2閾値との間の範囲内である場合、ノイズであると判定し、Lレベルの信号をインバータIVに入力する。そして、この場合、インバータIVは、ヒステリシスコンパレータHCからLレベルの信号が入力された場合、Hレベルの信号を出力端子PR5から非検出信号として出力し、ヒステリシスコンパレータHCからHレベルの信号が入力された場合、Lレベルの信号を検出信号として出力端子PR5から出力する。
また、信号処理部PRでは、ヒステリシスコンパレータHCは、ハイパスフィルタHF4から入力された検出信号の信号レベルが、第1閾値を超えて大きい場合、又は、第2閾値を超えて小さい場合、シグナルであると判定し、Lレベルの信号を出力端子PR5から検出信号として出力する構成であってもよい。この場合、ヒステリシスコンパレータHCは、ハイパスフィルタHF4から入力された検出信号の信号レベルが、第1閾値と第2閾値との間の範囲内である場合、ノイズであると判定し、Hレベルの信号を出力端子PR5から非検出信号として出力する。そして、この場合、信号処理部PRは、インバータIVを備えない。
ここで、検出コイルCL2nと差動接続された検出コイルCL1nから出力される差動信号の電圧と、勾配磁界センサ12の不感帯との関係について説明する。図6は、勾配磁界センサ12に対する検出対象物の相対的な位置を変化させながら、検出コイルCL2nと差動接続された検出コイルCL1nから出力される差動信号の電圧をプロットしたグラフの一例を示す図である。図6に示したグラフの横軸は、直交方向から第1センサヘッドS1及び第2センサヘッドS2を見た場合における検出コイルCL12と検出コイルCL13との境界を横軸の原点とし、横軸の原点からの正負それぞれの方向への距離を示す。また、当該グラフの縦軸は、検出コイルCL21と差動接続された検出コイルCL11、検出コイルCL22と差動接続された検出コイルCL12、検出コイルCL23と差動接続された検出コイルCL13、検出コイルCL24と差動接続された検出コイルCL14のそれぞれから出力される差動信号の電圧を示す。ただし、これらの差動信号の電圧の極性は、Peak to Peakで定義されている。具体的には、この一例では、検出コイルCL1nの誘起電圧の極性が正の場合におけるこれら差動信号の電圧の極性が、正として定義されている。また、当該グラフにおける曲線F1は、第1センサヘッドS1及び第2センサヘッドS2のそれぞれと検出対象物との間の距離を一定に保ちながら、第1センサヘッドS1及び第2センサヘッドS2の先端側から第1センサヘッドS1及び第2センサヘッドS2の基端側まで検出対象物を移動させた場合において、検出コイルCL21と差動接続された検出コイルCL11から出力される差動信号の電圧をプロットした各点を順に繋いだ曲線である。また、当該グラフにおける曲線F2は、当該場合において、検出コイルCL22と差動接続された検出コイルCL12から出力される差動信号の電圧をプロットした各点を順に繋いだ曲線である。また、当該グラフにおける曲線F3は、当該場合において、検出コイルCL23と差動接続された検出コイルCL13から出力される差動信号の電圧をプロットした各点を順に繋いだ曲線である。また、当該グラフにおける曲線F4は、当該場合において、検出コイルCL24と差動接続された検出コイルCL14から出力される差動信号の電圧をプロットした各点を順に繋いだ曲線である。
図6に示したように、勾配磁界センサ12では、従来において横軸の原点の位置に存在した不感帯が存在しない。例えば、横軸の原点から-25[mm]の位置では、曲線F1が示すように、検出コイルCL21と差動接続された検出コイルCL11から出力される差動信号の電圧は、0[mVpp]である。しかしながら、当該位置において、検出コイルCL22と差動接続された検出コイルCL12、検出コイルCL23と差動接続された検出コイルCL13、検出コイルCL24と差動接続された検出コイルCL14のそれぞれから出力される差動信号の電圧は、0[mVpp]ではない。すなわち、これは、勾配磁界センサ12において、当該位置が不感帯ではないことを示している。また、例えば、横軸の原点から-10[mm]の位置では、曲線F2が示すように、検出コイルCL22と差動接続された検出コイルCL12から出力される差動信号の電圧は、0[mVpp]である。しかしながら、当該位置において、検出コイルCL21と差動接続された検出コイルCL11、検出コイルCL23と差動接続された検出コイルCL13、検出コイルCL24と差動接続された検出コイルCL14のそれぞれから出力される差動信号の電圧は、0[mVpp]ではない。すなわち、これは、勾配磁界センサ12において、当該位置も不感帯ではないことを示している。また、例えば、横軸の原点から+5[mm]の位置では、曲線F3が示すように、検出コイルCL23と差動接続された検出コイルCL13から出力される差動信号の電圧は、0[mVpp]である。しかしながら、当該位置において、検出コイルCL21と差動接続された検出コイルCL11、検出コイルCL22と差動接続された検出コイルCL12、検出コイルCL24と差動接続された検出コイルCL14のそれぞれから出力される差動信号の電圧は、0[mVpp]ではない。すなわち、これは、勾配磁界センサ12において、当該位置も不感帯ではないことを示している。また、例えば、横軸の原点から+20[mm]の位置では、曲線F4が示すように、検出コイルCL24と差動接続された検出コイルCL14から出力される差動信号の電圧は、0[mVpp]である。しかしながら、当該位置において、検出コイルCL21と差動接続された検出コイルCL11、検出コイルCL22と差動接続された検出コイルCL12、検出コイルCL23と差動接続された検出コイルCL13のそれぞれから出力される差動信号の電圧は、0[mVpp]ではない。すなわち、これは、勾配磁界センサ12において、当該位置も不感帯ではないことを示している。
このように、勾配磁界センサ12では、4つの差動信号のうちの1つの電圧が0[mVpp]になることがあったとしても、4つの差動信号のうちの残りの3つの電圧が0[mVpp]にならない。このため、勾配磁界センサ12では、不感帯が存在しない。また、勾配磁界センサ12では、第1センサヘッドS1の形状と第2センサヘッドS2の形状とが同じであるため、第1センサヘッドS1の感度分布は、第2センサヘッドS2の感度分布と一致する。これらは、この一例のようにNが4である場合に特有のことではなく、Nが2、3等であっても同様であり、Nが5以上であっても同様である。
また、図7は、勾配磁界センサ12に対する検出対象物の相対的な位置を変化させながら、演算部O6から出力される検出信号の電圧をプロットしたグラフの一例を示す図である。図7に示したグラフの横軸は、直交方向から第1センサヘッドS1及び第2センサヘッドS2を見た場合における検出コイルCL12と検出コイルCL13との境界を横軸の原点とし、横軸の原点からの正負それぞれの方向への距離を示す。また、当該グラフの縦軸は、演算部O6から出力される検出信号の電圧を示す。また、当該グラフにおける曲線F5は、第1センサヘッドS1及び第2センサヘッドS2のそれぞれと検出対象物との間の距離を一定に保ちながら、第1センサヘッドS1及び第2センサヘッドS2の先端側から第1センサヘッドS1及び第2センサヘッドS2の基端側まで検出対象物を移動させた場合において、演算部O6から出力される検出信号の電圧をプロットした各点を順に繋いだ曲線である。換言すると、曲線F5は、勾配磁界センサ12の感度分布を示す。一方、当該グラフにプロットされた曲線F6は、従来の勾配磁界センサの感度分布を示す。
図7に示したように、曲線F6が示す電圧は、第1センサヘッドS1及び第2センサヘッドS2の先端から第1センサヘッドS1及び第2センサヘッドS2の基端までの範囲(すなわち、-30[mm]~+30[mm]の範囲)に亘って、曲線F6が示す電圧の最大値の半分の値以上となっている。これは、曲線F6が示す従来の勾配磁界センサの感度分布と異なり、勾配磁界センサ12の感度分布に不感帯が存在しないことを意味する。また、曲線F6が示す感度分布は、勾配磁界センサ12に対する検出対象物の通過位置に応じた不感帯が存在していないことを示す。換言すると、当該感度分布では、勾配磁界センサ12に対する検出対象物の通過位置に応じた感度の落ち込みが抑制されており、勾配磁界センサ12に対する検出対象物の通過位置の違いによる感度の違いが、従来の勾配磁界センサの感度分布と比較して、小さくなっている(従来の勾配磁界センサの感度分布と比較して、均一な感度分布に近づいている)。すなわち、勾配磁界センサ12は、不感帯が生じてしまうことを抑制しつつ、検出対象物の通過位置に応じた感度の変動を抑制することができる。また、勾配磁界センサ12がこのような特徴を有するため、複数の勾配磁界センサ12は、互いのセンサヘッド同士を直交方向において重ならないように配置することで、アレイ化することもできる。
なお、この一例では、勾配磁界センサ12の信号処理部PRは、検出回路DT1から出力された検出信号○1と、検出回路DT2から出力された検出信号○2と、検出回路DT3から出力された検出信号○3と、検出回路DT4から出力された検出信号○4とに基づいて、○1+○2、○2+○3、○3+○4、○1+○4の4つの信号を作り、その後、|(○1+○2)-(○3+○4)|と、|○2+○3|と、|○1+○4|との3つの信号を加算する信号処理を行っていた。この信号処理は、トライアンドエラーにより得られた信号処理であり、他の信号処理と比べて、勾配磁界センサ12の感度がよくなることに加えて、勾配磁界センサ12に対する検出対象物の通過位置に応じた感度の変動も小さい。しかしながら、信号処理部PRは、他の信号処理を行う構成であってもよい。この他の信号処理には、○1、○2、○3、○4のそれぞれが示す信号のうちの一部又は全部の減算が含まれてもよい。この場合、信号処理部PRは、減算器を備える。例えば、この場合、信号処理部PRが備える演算部O1~演算部O6のうちの一部又は全部は、減算器であってもよい。
ここで、演算部O1~演算部O6のような加算器又は減算器を勾配磁界センサ12が備えることにより、勾配磁界センサ12は、擬似的にNの値を小さくすることができる。すなわち、この場合、勾配磁界センサ12は、検出コイルCL1及び検出コイルCL2それぞれの数を、擬似的に少なくすることができる。その結果、勾配磁界センサ12は、ユーザが所望する形状の感度分布で検出対象物の検出を行うことができる。
また、増幅部A1~増幅部A4を勾配磁界センサ12が備えることにより、勾配磁界センサ12は、検出回路DT1~検出回路DT4のそれぞれから出力される検出信号の平衡調整を行うことが出来る。
また、全波整流器FR1~全波整流器FR3を勾配磁界センサ12が備えることにより、勾配磁界センサ12は、極性の違いによって検出信号同士が打ち消し合ってしまうことを抑制することができる。
<実施形態の変形例1>
以下、実施形態の変形例1について説明する。なお、実施形態の変形例1では、実施形態と同様な構成部に対して同じ符号を付して説明を省略する。実施形態の変形例1では、勾配磁界センサ12は、信号処理部PRに代えて、差動アンプDFを備える。また、当該変形例1では、一例として、N=2である場合について説明する。すなわち、当該変形例1では、勾配磁界センサ12は、検出コイルCL11~検出コイルCL14のうちの検出コイルCL13及び検出コイルCL14を備えず、検出コイルCL21~検出コイルCL24のうちの検出コイルCL23及び検出コイルCL24を備えず、検出回路DT1~検出回路DT4のうちの検出回路DT3及び検出回路DT4を備えない。図8は、実施形態の変形例1に係る勾配磁界センサ12の構成の一例を示す図である。以下では、説明の便宜上、当該変形例1に係る勾配磁界センサ12を、勾配磁界センサ12Aと称して説明する。
図8に示したように、実施形態の変形例1では、検出回路DT1の出力端子DT13は、伝送路を介して、差動アンプDFが有する入力端子DF1と接続される。また、検出回路DT2の出力端子DT23は、伝送路を介して、差動アンプDFが有する入力端子DF2と接続される。そして、差動アンプDFが有する出力端子DF3は、伝送路を介して、検出信号出力端子CT2と接続される。なお、検出回路DT1と差動アンプDFとの間には、勾配磁界センサ12Aが有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。また、検出回路DT2と差動アンプDFとの間には、勾配磁界センサ12Aが有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。
このような構成の勾配磁界センサ12Aにおいて、検出回路DT1は、入力された差動信号Vout1に応じた検出信号を差動アンプDFに入力する。
また、勾配磁界センサ12Aにおいて、検出回路DT2は、入力された差動信号Vout2に応じた検出信号を差動アンプDFに入力する。
差動アンプDFは、検出回路DT1から入力された検出信号と、検出回路DT2から入力された検出信号との差動信号を新たな検出信号として、検出信号出力端子CT2に出力する。
このような動作によって、勾配磁界センサ12Aは、実施形態に係る勾配磁界センサ12と同様に、不感帯が生じてしまうことを抑制しつつ、検出対象物の通過位置に応じた感度の変動を抑制することができる。また、勾配磁界センサ12Aは、実施形態に係る勾配磁界センサ12と同様に、勾配磁界コイル等によって生じるような一様勾配磁界を検出してしまうことを抑制することができる。
図9は、一様勾配磁界が印加された領域内に配置された勾配磁界センサ12により直交方向に移動する所定の磁気モーメントが検出された場合において検出回路DT1、検出回路DT2、差動アンプDFのそれぞれから出力される検出信号の一例を示す図である。ただし、図9は、シミュレーションによって得られた検出信号を示している。図9に示したグラフの横軸は、経過時間を示す。ただし、当該グラフの横軸の原点は、第1センサヘッドS1と第2センサヘッドS2との両方から等距離になる位置を磁気モーメントが通過したタイミングを示す。当該グラフの縦軸は、検出回路DT1、検出回路DT2、差動アンプDFのそれぞれから出力される検出信号の電圧を示す。また、当該グラフにプロットされた曲線F7は、検出回路DT1から出力される検出信号の電圧の変化を示す。また、当該グラフにプロットされた曲線F8は、検出回路DT2から出力される検出信号の電圧の変化を示す。また、当該グラフにプロットされた曲線F9は、差動アンプDFから出力される検出信号の変化を示す。図9に示したように、当該グラフの横軸の原点周り以外では、曲線F7及び曲線F8は、ほぼ重なっている。そして、当該グラフの横軸の原点周り以外では、曲線F7及び曲線F8は、正弦波状の曲線となっている。これは、検出コイルCL11、検出コイルCL12、検出コイルCL21、検出コイルCL22のそれぞれが、一様勾配磁界を検出しているためである。一方、当該グラフの横軸の原点周りでは、曲線F7及び曲線F8は、磁気モーメントの検出に応じて、ピークを形作っている。ここで、差動アンプDFは、曲線F7が示す検出信号と、曲線F8が示す検出信号との差動信号を出力する。このため、曲線F9は、曲線F7と曲線F8との差分になっている。その結果、曲線F9では、当該グラフの横軸の原点周り以外では、電圧が0[V]になっている。これは、勾配磁界センサ12Aが一様勾配磁界を検出せず、磁気モーメントのみを検出していることを示している。
図10は、一様勾配磁界が印加された領域内に勾配磁界センサ12が配置されている場合において検出回路DT1、検出回路DT2、差動アンプDFのそれぞれから出力される検出信号の他の例を示す図である。ただし、図10に示した例では、検出回路DT1及び検出回路DT2から、一様勾配磁界において発生すると推定される正弦波の信号を試験的な検出信号として出力させている。図10に示したグラフの横軸は、経過時間を示す。また、当該グラフの縦軸は、検出回路DT1、検出回路DT2、差動アンプDFのそれぞれから出力される検出信号の電圧を示す。また、当該グラフにプロットされた曲線F10は、検出回路DT1から出力される検出信号の電圧の変化を示す。また、当該グラフにプロットされた曲線F11は、検出回路DT2から出力される検出信号の電圧の変化を示す。また、当該グラフにプロットされた曲線F12は、差動アンプDFから出力される検出信号の変化を示す。この場合も、当該グラフに示したように、差動アンプDFから出力される検出信号の変化を示す曲線である曲線F12は、曲線F10と曲線F11との差分となっている。その結果、曲線F12では、図10において見えている全範囲において、電圧が0[V]になっている。
図11は、一様勾配磁界が印加された領域内に勾配磁界センサ12が配置されている場合において検出回路DT1、検出回路DT2、差動アンプDFのそれぞれから出力される検出信号の更に他の例を示す図である。ただし、図11に示した例では、実際に第1センサヘッドS1及び第2センサヘッドS2により一様勾配磁界が検出された場合において検出回路DT1、検出回路DT2、差動アンプDFのそれぞれから出力される検出信号を示している。図11に示したグラフの横軸は、経過時間を示す。また、当該グラフの縦軸は、検出回路DT1、検出回路DT2、差動アンプDFのそれぞれから出力される検出信号の電圧を示す。また、当該グラフにプロットされた曲線F13は、検出回路DT1から出力される検出信号の電圧の変化を示す。また、当該グラフにプロットされた曲線F14は、検出回路DT2から出力される検出信号の電圧の変化を示す。また、当該グラフにプロットされた曲線F15は、差動アンプDFから出力される検出信号の変化を示す。この場合も、当該グラフに示したように、差動アンプDFから出力される検出信号の変化を示す曲線である曲線F15は、曲線F13と曲線F14との差分となっている。その結果、曲線F15では、図11において見えている全範囲において、電圧が0[V]になっている。これは、実際の勾配磁界センサ12Aでも一様勾配磁界を検出しないことを示している。
以上のように、勾配磁界センサ12Aは、勾配磁界コイル等によって生じるような一様勾配磁界を検出してしまうことを抑制することができる。
ここで、勾配磁界センサ12Aにおいて一様勾配磁界が検出されてしまうことが抑制される原理について説明する。なお、この原理は、実施形態に係る勾配磁界センサ12において一様勾配磁界が検出されてしまうことが抑制される原理と同じである。
<勾配磁界センサ12において一様勾配磁界が検出されてしまうことが抑制される原理>
以下では、一例として、一様磁界及び一様勾配磁界が勾配磁界センサ12Aに印加されているとともに、所定の磁気モーメントが勾配磁界センサ12Aの検出領域内を搬送される場合を考える。また、以下では、説明の便宜上、時刻tにおいて磁気モーメントから第1センサヘッドS1に印加される磁界の強さをB(t)、時刻tにおいて磁気モーメントから第2センサヘッドS2に印加される磁界の強さをB(t)、時刻tにおいて第1センサヘッドS1及び第2センサヘッドS2に印加される一様磁界の強さをB(t)、時刻tにおける第1センサヘッドS1に印加される一様勾配磁界の強さをBg1(t)、時刻tにおいて第2センサヘッドS2に印加される一様勾配磁界の強さをBg2(t)によって表す。
この場合、時刻tにおいて検出コイルCL11に誘起された第1誘起電圧V11(t)、及び、時刻tにおいて検出コイルCL12に誘起された第1誘起電圧V12(t)は、以下の式(1)によって表される。時刻tにおいて検出コイルCL21に誘起された第2誘起電圧V21(t)、及び、時刻tにおいて検出コイルCL22に誘起された第2誘起電圧V22(t)は、以下の式(2)によって表される。
Figure 2023050662000002
Figure 2023050662000003
ここで、上記の式(1)及び式(2)におけるκは、磁界の強さを電圧に変換する比例定数を示す。また、上記の式(1)及び式(2)におけるNは、検出コイルCL11、検出コイルCL12、検出コイルCL21、検出コイルCL22それぞれの巻き数を示す。また、上記の式(1)及び式(2)におけるSは、検出コイルCL11、検出コイルCL12、検出コイルCL21、検出コイルCL22それぞれのコイル面の断面積を示す。あるコイルのコイル面は、当該コイルとして巻回された導体と、当該コイルが有する開口部とを含む厚みを持った仮想的な平面のことである。そして、当該コイル面の断面積は、当該平面の上面又は下面の面積のことである。
検出対象物の通過位置xに応じた検出コイルCL11による磁気モーメントの検出感度をα11、検出対象物の通過位置xに応じた検出コイルCL12による磁気モーメントの検出感度をα12、検出対象物の通過位置xに応じた検出コイルCL21による磁気モーメントの検出感度をα21、検出対象物の通過位置xに応じた検出コイルCL22による磁気モーメントの検出感度をα22によって表すと、検出コイルCL11、検出コイルCL12、検出コイルCL21、検出コイルCL22それぞれの検出感度が等しい場合、以下の式(3)が成り立つ。なお、α11、α12、α21、α22のそれぞれは、検出対象物の通過位置xの関数である。
Figure 2023050662000004
この場合、時刻tにおいて検出コイルCL11に誘起された第1誘起電圧と、時刻tにおいて検出コイルCL21に誘起された第2誘起電圧との差動信号V(t)は、以下の式(4)のように表される。また、この場合、時刻tにおいて検出コイルCL12に誘起された第1誘起電圧と、時刻tにおいて検出コイルCL22に誘起された第2誘起電圧との差動信号V(t)は、以下の式(5)のように表される。
Figure 2023050662000005
Figure 2023050662000006
式(4)に示すように、時刻tにおける差動信号V(t)は、時刻tにおいて検出コイルCL11に誘起される第1誘起電圧V11(t)と、時刻tにおいて検出コイルCL21に誘起される第2誘起電圧V21(t)との差により得られる。このため、差動信号V(t)では、一様磁界の強さB(t)の成分がキャンセルアウトしている。また、式(5)に示すように、時刻tにおける差動信号V(t)は、時刻tにおいて検出コイルCL12に誘起される第1誘起電圧V12(t)と、時刻tにおいて検出コイルCL22に誘起される第2誘起電圧V22(t)との差により得られる。このため、差動信号V(t)でも、一様磁界の強さB(t)の成分がキャンセルアウトしている。
そして、時刻tにおいて差動アンプDFから出力される検出信号V(t)は、以下の式(6)に示したように、式(4)に示した差動信号V(t)と、式(5)に示した差動信号V(t)との差により得られる。
Figure 2023050662000007
上記の式(6)に示すように、検出信号V(t)では、一様勾配磁界の強さBg1(t)と、一様勾配磁界の強さBg2(t)との両方がキャンセルアウトしている。これは、勾配磁界センサ12Aでは、一様磁界が検出されてしまうことが抑制されているとともに、一様勾配磁界が検出されてしまうことが抑制されていることを示している。以上のような原理により、勾配磁界センサ12Aは、一様磁界を検出してしまうことを抑制することができるとともに、一様勾配磁界を検出してしまうことを抑制することができる。
<実施形態の変形例2>
以下、実施形態の変形例2について説明する。なお、実施形態の変形例2では、実施形態と同様な構成部に対して同じ符号を付して説明を省略する。また、以下では、説明の便宜上、実施形態の変形例2に係る勾配磁界センサ12を、勾配磁界センサ12Bと称して説明する。また、実施形態の変形例2において説明する事項は、実施形態のみならず、実施形態の変形例1に適用されてもよい。
図12は、勾配磁界センサ12Bの回路構成の一例を示す図である。
勾配磁界センサ12Bは、交流電源接続端子CT1と、第1センサヘッドS1と、第2センサヘッドS2と、第0移相回路PS0と、交流電流制御部CC1と、検出回路DT1と、検出回路DT2と、検出回路DT3と、検出回路DT4と、信号処理部PRと、検出信号出力端子CT2とに加えて、直流電源接続端子CT3と、直流電流制御部CC2を備える。また、直流電流制御部CC2は、入力端子CC21と、出力端子CC22と、出力端子CC23を有する。また、直流電流制御部CC2は、第1可変抵抗VR21と、第1インダクタL1と、第2可変抵抗VR22と、第2インダクタL2を備える。
また、勾配磁界センサ12Bは、伝送路を介して、交流電源P1に加えて、直流電源P2とも接続される。より具体的には、勾配磁界センサ12Bが有する直流電源接続端子CT3は、伝送路を介して、直流電源P2が有する正極電源端子と接続される。そして、直流電源P2が有する負極電源端子は、伝送路を介して、グラウンドに接地される。ここで、直流電源P2は、如何なる直流電源であってもよい。なお、直流電源接続端子CT3と当該正極電源端子との間には、勾配磁界センサ12Bが有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。また、当該負極電源端子とグラウンドとの間には、勾配磁界センサ12Bが有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。
また、直流電源接続端子CT3は、伝送路を介して、直流電流制御部CC2が有する入力端子CC21と接続される。なお、直流電源接続端子CT3と直流電流制御部CC2との間には、勾配磁界センサ12Aが有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。
また、直流電流制御部CC2において、入力端子CC21と出力端子CC22との間には、伝送路を介して、第1可変抵抗VR21と、第1インダクタL1とが直列に接続される。また、直流電流制御部CC2において、入力端子CC21と出力端子CC23との間には、伝送路を介して、第2可変抵抗VR22と、第2インダクタL2とが直列に接続される。なお、入力端子CC21と出力端子CC22との間には、勾配磁界センサ12Aが有する機能を損なわない範囲内において、第1可変抵抗VR21と、第1インダクタL1とともに、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。また、入力端子CC21と出力端子CC22との間において、第1可変抵抗VR21と、第1インダクタL1とは、如何なる順で直列に接続される構成であってもよい。また、入力端子CC21と出力端子CC23との間には、勾配磁界センサ12Aが有する機能を損なわない範囲内において、第2可変抵抗VR22と、第2インダクタL2とともに、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。また、入力端子CC21と出力端子CC23との間において、第2可変抵抗VR22と、第2インダクタL2とは、如何なる順で直列に接続される構成であってもよい。
また、直流電流制御部CC2の出力端子CC22は、交流電流制御部CC1が有する出力端子CC13と第1磁気コアCR1とを接続する伝送路と、他の伝送路を介して接続されている。なお、出力端子CC22と、交流電流制御部CC1が有する出力端子CC13と第1磁気コアCR1とを接続する伝送路との間には、勾配磁界センサ12Aが有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。
また、直流電流制御部CC2の出力端子CC23は、交流電流制御部CC1が有する出力端子CC14と第2磁気コアCR2とを接続する伝送路と、他の伝送路を介して接続されている。なお、出力端子CC23と、交流電流制御部CC1が有する出力端子CC14と第2磁気コアCR2とを接続する伝送路との間には、勾配磁界センサ12が有する機能を損なわない範囲内において、他の回路素子、他の装置等が接続される構成であってもよい。
次に、勾配磁界センサ12Bの動作について説明する。
上記のような回路構成の勾配磁界センサ12Bにおいて、直流電源P2は、直流電源接続端子CT3に直流電流を入力する。直流電源接続端子CT3に入力された直流電流は、直流励磁電流として直流電流制御部CC2に入力される。
直流電流制御部CC2に入力された直流励磁電流は、第1直流励磁電流DC1と第2直流励磁電流DC2との2つの直流励磁電流に分岐される。
直流電流制御部CC2において、第1直流励磁電流DC1は、第1可変抵抗VR21により大きさが調整される。そして、第1直流励磁電流DC1は、出力端子CC22から第1磁気コアCR1に入力する。これにより、4個の検出コイルCL1のうちのn番目の検出コイルCL1nには、第1磁気コアCR1に流れた第1交流励磁電流AC1と、第1磁気コアCR1に流れた第1直流励磁電流DC1と、検出コイルCL1nに印加された磁界の強さとに応じた電圧が誘起される。すなわち、勾配磁界センサ12Bにおいても、当該電圧は、外部から検出コイルCL1nに印加された磁界の強さに応じて変化する。以下では、説明の便宜上、当該電圧を、第3誘起電圧と称して説明する。なお、第1インダクタL1は、DC(Direct Current)カップリングのためのインダクタである。第1インダクタL1の存在により、勾配磁界センサ12Bでは、交流電流が出力端子CC22から入力端子CC21へ流れてしまうことを抑制することができる。
一方、直流電流制御部CC2において、第2直流励磁電流DC2は、第2可変抵抗VR22により大きさが調整される。そして、第2直流励磁電流DC2は、出力端子CC23から第2磁気コアCR2に入力する。これにより、4個の検出コイルCL2のうちのn番目の検出コイルCL2nには、第2磁気コアCR2に流れた第2交流励磁電流AC2と、第2磁気コアCR2に流れた第2直流励磁電流DC2と、検出コイルCL2nに印加された磁界の強さとに応じた電圧が誘起される。すなわち、勾配磁界センサ12Bにおいても、当該電圧は、外部から検出コイルCL2nに印加された磁界の強さに応じて変化する。以下では、説明の便宜上、当該電圧を、第4誘起電圧と称して説明する。なお、第2インダクタL2は、DCカップリングのためのインダクタである。第2インダクタL2の存在により、勾配磁界センサ12Bでは、交流電流が出力端子CC23から入力端子CC21へ流れてしまうことを抑制することができる。
勾配磁界センサ12Bでは、検出コイルCL11に誘起された第3誘起電圧と、検出コイルCL21に誘起された第4誘起電圧とに応じた信号が、差動信号Vout1として検出回路DT1が有する入力端子DT12に入力する。また、勾配磁界センサ12Bでは、検出コイルCL12に誘起された第3誘起電圧と、検出コイルCL22に誘起された第4誘起電圧とに応じた信号が、差動信号Vout2として検出回路DT2が有する入力端子DT22に入力する。また、勾配磁界センサ12Bでは、検出コイルCL13に誘起された第3誘起電圧と、検出コイルCL23に誘起された第4誘起電圧とに応じた信号が、差動信号Vout3として検出回路DT3が有する入力端子DT32に入力する。また、勾配磁界センサ12Bでは、検出コイルCL14に誘起された第3誘起電圧と、検出コイルCL24に誘起された第4誘起電圧とに応じた信号が、差動信号Vout4として検出回路DT4が有する入力端子DT42に入力する。
なお、検出回路DT1、検出回路DT2、検出回路DT3、検出回路DT4、信号処理部PRのそれぞれの動作については、実施形態において説明した動作と同様の動作である。このため、以下では、これらの動作について、詳細な説明を省略する。
以上のような構成であっても、勾配磁界センサ12Bは、実施形態に係る勾配磁界センサ12と同様に、不感帯が生じてしまうことを抑制しつつ、着磁された異物の通過位置に応じた感度の変動を抑制することができる。
なお、実施形態に係る勾配磁界センサ12、実施形態の変形例1に係る勾配磁界センサ12A、実施形態の変形例2に係る勾配磁界センサ12Bのそれぞれは、第0移相回路PS0を備えない構成であってもよい。
また、実施形態に係る勾配磁界センサ12、実施形態の変形例1に係る勾配磁界センサ12A、実施形態の変形例2に係る勾配磁界センサ12Bのそれぞれは、第1移相回路PS1と第2移相回路PS2とのいずれか一方を備えない構成であってもよい。
また、実施形態に係る勾配磁界センサ12、実施形態の変形例1に係る勾配磁界センサ12A、実施形態の変形例2に係る勾配磁界センサ12Bのそれぞれは、第1可変抵抗VR11と第2可変抵抗VR12とのいずれか一方を備えない構成であってもよい。
また、実施形態に係る勾配磁界センサ12、実施形態の変形例1に係る勾配磁界センサ12A、実施形態の変形例2に係る勾配磁界センサ12Bのそれぞれは、第1コンデンサC1と第2コンデンサC2との少なくとも一方を備えない構成であってもよい。ただし、前述した通り、これらはACカップリングのためのコンデンサである。このため、当該勾配磁界センサ12は、第1コンデンサC1と第2コンデンサC2との両方を備えている方が望ましい。
また、実施形態に係る勾配磁界センサ12、実施形態の変形例1に係る勾配磁界センサ12A、実施形態の変形例2に係る勾配磁界センサ12Bのそれぞれでは、交流電流制御部CC1は、第1可変抵抗VR11に代えて、又は、第1可変抵抗VR11に加えて、第1交流励磁電流AC1の振幅を増幅する第1増幅回路を備える構成であってもよい。
また、実施形態に係る勾配磁界センサ12、実施形態の変形例1に係る勾配磁界センサ12A、実施形態の変形例2に係る勾配磁界センサ12Bのそれぞれでは、交流電流制御部CC1は、第2可変抵抗VR12に代えて、又は、第2可変抵抗VR12に加えて、第2交流励磁電流AC2の振幅を増幅する第2増幅回路を備える構成であってもよい。
また、実施形態に係る勾配磁界センサ12、実施形態の変形例1に係る勾配磁界センサ12A、実施形態の変形例2に係る勾配磁界センサ12Bのそれぞれは、交流電流制御部CC1の第1移相回路PS1の移相量、第1可変抵抗VR11の抵抗値、第2移相回路PS2の移相量、第2可変抵抗VR12の抵抗値のそれぞれを調整することにより、第1センサヘッドS1の感度と第2センサヘッドS2の感度とを近づけることができる。すなわち、これにより、実施形態に係る勾配磁界センサ12、実施形態の変形例1に係る勾配磁界センサ12A、実施形態の変形例2に係る勾配磁界センサ12Bのそれぞれは、第1センサヘッドS1の感度と第2センサヘッドS2の感度とを平衡させ、検出対象物を検出する精度を向上させることができる。
また、上記において説明した第1磁気コアCR1は、直列に接続された2以上の磁性体を含む構成であってもよい。この場合、第1磁気コアCR1は、これら2以上の磁性体のうちの一部又は全部は、非磁性の導体によって直列に接続される構成であってもよい。ここで、例えば、磁性体CR1Aと磁性体CR1Bとの2つの磁性体を第1磁気コアCR1が含んでいる場合、第1磁気コアCR1では、磁性体CR1Aと磁性体CR1Bとは、非磁性の導体によって接続される。そして、磁性体CR1Aが有する端部のうち導体と接続されている端部と反対側の端部には、交流電流制御部CC1の出力端子CC13と接続される端子が設けられる。また、磁性体CR1Bが有する端部のうち導体CR1Cと接続されている端部と反対側の端部には、グラウンドに接地される端子が設けられる。
また、上記において説明した第2磁気コアCR2は、直列に接続された2以上の磁性体を含む構成であってもよい。この場合、第2磁気コアCR2は、これら2以上の磁性体のうちの一部又は全部は、非磁性の導体によって直列に接続される構成であってもよい。なお、複数の磁性体を含む第2磁気コアCR2の構成については、複数の磁性体を含む第1磁気コアCR1の構成と同様の構成であるため、詳細な説明を省略する。
また、上記において説明した第1センサヘッドS1では、第1磁気コアCR1に所定の磁界が印加された場合において検出コイルCL1nから出力される電圧の極性は、第1磁気コアCR1に所定の磁界が印加された場合において、検出コイルCL1n+1から出力される電圧の極性と同じであった。このため、上記において説明した第2センサヘッドS2でも、第2磁気コアCR2に所定の磁界が印加された場合において検出コイルCL2nから出力される電圧の極性は、第2磁気コアCR2に所定の磁界が印加された場合において、検出コイルCL2n+1から出力される電圧の極性と同じであった。これは、図4に示した回路図に応じた信号処理を信号処理部PRが効率よく行えるため、都合がよかったからである。このような事情から、上記において説明した第1センサヘッドS1では、第1磁気コアCR1に所定の磁界が印加された場合において、N個の検出コイルCL1のうちの一部から出力される電圧の極性は、信号処理部PRが行う信号処理の構成に応じて、第1磁気コアCR1に所定の磁界が印加された場合において、N個の検出コイルCL1のうちの残り全部から出力される電圧の極性と異なる構成であってもよい。この場合、上記において説明した第2センサヘッドS2では、第2磁気コアCR2に所定の磁界が印加された場合において、N個の検出コイルCL2のうちの一部から出力される電圧の極性も、信号処理部PRが行う信号処理の構成に応じて、第2磁気コアCR2に所定の磁界が印加された場合において、N個の検出コイルCL2のうちの残り全部から出力される電圧の極性と異なる。例えば、上記において説明した第1センサヘッドS1では、第1磁気コアCR1に所定の磁界が印加された場合において検出コイルCL12から出力される電圧の極性は、信号処理部PRが行う信号処理の構成に応じて、第1磁気コアCR1に所定の磁界が印加された場合において、検出コイルCL11、検出コイルCL13、検出コイルCL14のそれぞれから出力される電圧の極性と異なる構成であってもよい。この場合、上記において説明した第2センサヘッドS2でも、第2磁気コアCR2に所定の磁界が印加された場合において検出コイルCL22から出力される電圧の極性は、第2磁気コアCR2に所定の磁界が印加された場合において、検出コイルCL21、検出コイルCL23、検出コイルCL24のそれぞれから出力される電圧の極性と異なる。また、例えば、上記において説明した第1センサヘッドS1では、第1磁気コアCR1に所定の磁界が印加された場合において検出コイルCL1nから出力される電圧の極性は、信号処理部PRが行う信号処理の構成に応じて、第1磁気コアCR1に所定の磁界が印加された場合において、検出コイルCL1n+1から出力される電圧の極性と異なる構成であってもよい。この場合、上記において説明した第2センサヘッドS2でも、第2磁気コアCR2に所定の磁界が印加された場合において検出コイルCL2nから出力される電圧の極性は、第2磁気コアCR2に所定の磁界が印加された場合において、検出コイルCL2n+1から出力される電圧の極性と異なる。これらにより、実施形態に係る勾配磁界センサ12、実施形態の変形例1に係る勾配磁界センサ12A、実施形態の変形例2に係る勾配磁界センサ12Bのそれぞれは、信号処理部PRの信号処理の効率を向上させることができる。
以上のように、実施形態に係る勾配磁界センサ(上記において説明した例では、勾配磁界センサ12、勾配磁界センサ12A、勾配磁界センサ12B)は、直線形状の部分を有する第1磁気コア(上記において説明した例では、第1磁気コアCR1)と、直線形状の部分を有する第2磁気コア(上記において説明した例では、第2磁気コアCR2)と、第1磁気コアが有する直線形状の部分に順に配置されているN個の第1コイル(上記において説明した例では、4個の検出コイルCL1)と、第2磁気コアが有する直線形状の部分に順に配置されているN個の第2コイル(上記において説明した例では、4個の検出コイルCL2)と、第1磁気コアと第2磁気コアとが設けられる本体部(上記において説明した例では、本体部MB)と、を備え、N個の第1コイルのうち第1磁気コアの先端側からn番目の第1コイル(上記において説明した例では、検出コイルCL1n)は、N個の第2コイルのうち第2磁気コアの先端側からn番目の第2コイル(上記において説明した例では、検出コイルCL2n)と差動接続され、Nは、2以上の整数であり、nは、1以上N以下の範囲内の整数である。これにより、勾配磁界センサは、不感帯が生じてしまうことを抑制しつつ、着磁された異物の通過位置に応じた感度の変動を抑制することができる。
また、勾配磁界センサでは、第1磁気コアの直線形状の部分は、第2磁気コアの直線形状の部分と略平行である、構成が用いられてもよい。
また、勾配磁界センサでは、第1磁気コアの直線形状の部分と、第2磁気コアの直線形状の部分とは、略同軸上に位置している、構成が用いられてもよい。
また、勾配磁界センサでは、第1磁気コアと第2磁気コアとのそれぞれは、互いの直線形状の部分が略平行となるように本体部から予め決められた方向に突出している、構成が用いられてもよい。
また、勾配磁界センサでは、第1磁気コアの直線形状の部分は、第1磁気コアの直線形状の部分及び第2磁気コアの直線形状の部分のそれぞれと直交する直交方向から見た場合、第2磁気コアの直線形状の部分の少なくとも一部と重なっている、構成が用いられてもよい。
また、勾配磁界センサでは、第1磁気コアの直線形状の部分は、直交方向から見た場合、第2磁気コアの直線形状の部分と略すべて重なっている、構成が用いられてもよい。
また、勾配磁界センサでは、n番目の第1コイルは、直交方向から見た場合、n番目の第2コイルと略すべて重なっている、構成が用いられてもよい。
また、勾配磁界センサでは、N個の第1コイルにおいて互いに隣り合う2個の第1コイル同士は、絶縁され、且つ、接触しており、N個の第2コイルにおいて互いに隣り合う2個の第2コイル同士は、絶縁され、且つ、接触している、構成が用いられてもよい。
また、勾配磁界センサでは、n番目の第1コイルの自己インダクタンスは、n番目の第2コイルの自己インダクタンスと略同じである、構成が用いられてもよい。
また、勾配磁界センサでは、N個の第1コイルそれぞれの自己インダクタンスの合計は、N個の第2コイルそれぞれの自己インダクタンスの合計と略同じである、構成が用いられてもよい。
また、勾配磁界センサでは、N個の第1コイルが巻回された第1磁気コアと、N個の第2コイルが巻回された第2磁気コアとは、線対称に配置されている、構成が用いられてもよい。
また、勾配磁界センサでは、第1磁気コアに所定の磁界が印加された場合においてn番目の第1コイルから出力される電圧の極性は、第1磁気コアに所定の磁界が印加された場合において、N個の第1コイルのうち第1磁気コアの先端側からn+1番目の第1コイルから出力される電圧の極性と同じであり、第2磁気コアに所定の磁界が印加された場合においてn番目の第2コイルから出力される電圧の極性は、第2磁気コアに所定の磁界が印加された場合において、N個の第2コイルのうち第2磁気コアの先端側からn+1番目の第2コイルから出力される電圧の極性と同じである、構成が用いられてもよい。
また、勾配磁界センサでは、第1磁気コアに所定の磁界が印加された場合においてN個の第1コイルのうちの一部から出力される電圧の極性は、第1磁気コアに所定の磁界が印加された場合において、N個の第1コイルのうちの残り全部から出力される電圧の極性と反対であり、第2磁気コアに所定の磁界が印加された場合においてN個の第2コイルのうちの一部から出力される電圧の極性は、第2磁気コアに所定の磁界が印加された場合において、N個の第2コイルのうちの残り全部から出力される電圧の極性と反対である、構成が用いられてもよい。
また、勾配磁界センサは、n番目の第1コイルから出力される電圧と、n番目の第2コイルから出力される電圧との差分に応じた電圧が電圧信号として入力される信号処理部(上記において説明した例では、信号処理部PR)を更に備える、構成が用いられてもよい。
また、勾配磁界センサでは、信号処理部は、電圧信号の加算又は減算を行う演算部(上記において説明した例では、演算部O1~演算部O6のそれぞれ)を備える、構成が用いられてもよい。
また、勾配磁界センサでは、信号処理部は、電圧信号を増幅する増幅部(上記において説明した例では、増幅部A1~増幅部A4)を備える、構成が用いられてもよい。
また、勾配磁界センサでは、信号処理部は、電圧信号の絶対値を出力する絶対値出力部(上記において説明した例では、全波整流器FR1~全波整流器FR3のそれぞれ)を備える、構成が用いられてもよい。
また、勾配磁界センサでは、信号処理部は、シグナルとノイズとを弁別する弁別部(上記において説明した例では、ヒステリシスコンパレータHC)を備える、構成が用いられてもよい。
また、実施形態に係る磁性物検出装置(上記において説明した例では、磁性物検出装置1)は、上記に記載の勾配磁界センサを備える。これにより、磁性物検出装置は、不感帯が生じてしまうことを抑制しつつ、着磁された異物の通過位置に応じた感度の変動を抑制することができる。
以上、この発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない限り、変更、置換、削除等されてもよい。
1…磁性物検出装置、11…着磁装置、12、12A、12B…勾配磁界センサ、20…情報処理装置、A1、A2、A3、A4…増幅部、B1、B2、B3、B4…バッファ、C1…第1コンデンサ、C2…第2コンデンサ、C3…第3コンデンサ、CC1…交流電流制御部、CC2…直流電流制御部、CL1、CL1n、CL1N、CL2、CL2n、CL2N、CL11、CL12、CL13、CL14、CL21、CL22、CL23、CL24…検出コイル、CR1…第1磁気コア、CR2…第2磁気コア、CS…枠体、CT1…交流電源接続端子、CT2…検出信号出力端子、CT3…直流電源接続端子、DA、DF…差動アンプ、DT1、DT2、DT3、DT4…検出回路、EA…誤差アンプ、FR1、FR2、FR3…全波整流器、HC…ヒステリシスコンパレータ、HF1、HF2、HF3、HF4…ハイパスフィルタ、IV…インバータ、L1…第1インダクタ、L2…第2インダクタ、LF…ローパスフィルタ、MB…本体部、O1、O2、O3、O4、O5、O6…演算部、P1…交流電源、P2…直流電源、PD…位相検波回路、PR…信号処理部、PS0…第0移相回路、PS1…第1移相回路、PS2…第2移相回路、R1…抵抗、RL1…第1ローラ、RL2…第2ローラ、S1…第1センサヘッド、S2…第2センサヘッド、ST…シート部材、VR11…第1可変抵抗、VR12…第2可変抵抗、VR21…第1可変抵抗、VR22…第2可変抵抗

Claims (19)

  1. 直線形状の部分を有する第1磁気コアと、
    直線形状の部分を有する第2磁気コアと、
    前記第1磁気コアが有する直線形状の部分に順に配置されているN個の第1コイルと、
    前記第2磁気コアが有する直線形状の部分に順に配置されているN個の第2コイルと、
    前記第1磁気コアと前記第2磁気コアとが設けられる本体部と、
    を備え、
    前記N個の第1コイルのうち前記第1磁気コアの先端側からn番目の第1コイルは、前記N個の第2コイルのうち前記第2磁気コアの先端側からn番目の第2コイルと差動接続され、
    Nは、2以上の整数であり、
    nは、1以上N以下の範囲内の整数である、
    勾配磁界センサ。
  2. 前記第1磁気コアの直線形状の部分は、前記第2磁気コアの直線形状の部分と略平行である、
    請求項1に記載の勾配磁界センサ。
  3. 前記第1磁気コアの直線形状の部分と、前記第2磁気コアの直線形状の部分とは、略同軸上に位置している、
    請求項2に記載の勾配磁界センサ。
  4. 前記第1磁気コアと前記第2磁気コアとのそれぞれは、互いの直線形状の部分が略平行となるように前記本体部から予め決められた方向に突出している、
    請求項2に記載の勾配磁界センサ。
  5. 前記第1磁気コアの直線形状の部分は、前記第1磁気コアの直線形状の部分及び前記第2磁気コアの直線形状の部分のそれぞれと直交する直交方向から見た場合、前記第2磁気コアの直線形状の部分の少なくとも一部と重なっている、
    請求項4に記載の勾配磁界センサ。
  6. 前記第1磁気コアの直線形状の部分は、前記直交方向から見た場合、前記第2磁気コアの直線形状の部分と略すべて重なっている、
    請求項5に記載の勾配磁界センサ。
  7. 前記n番目の第1コイルは、前記直交方向から見た場合、前記n番目の第2コイルと略すべて重なっている、
    請求項5又は6に記載の勾配磁界センサ。
  8. 前記N個の第1コイルにおいて互いに隣り合う2個の第1コイル同士は、絶縁され、且つ、接触しており、
    前記N個の第2コイルにおいて互いに隣り合う2個の第2コイル同士は、絶縁され、且つ、接触している、
    請求項1から7のうちいずれか一項に記載の勾配磁界センサ。
  9. 前記n番目の第1コイルの自己インダクタンスは、前記n番目の第2コイルの自己インダクタンスと略同じである、
    請求項1から8のうちいずれか一項に記載の勾配磁界センサ。
  10. 前記N個の第1コイルそれぞれの自己インダクタンスの合計は、前記N個の第2コイルそれぞれの自己インダクタンスの合計と略同じである、
    請求項1から9のうちいずれか一項に記載の勾配磁界センサ。
  11. 前記N個の第1コイルが巻回された前記第1磁気コアと、前記N個の第2コイルが巻回された前記第2磁気コアとは、線対称に配置されている、
    請求項1から10のうちいずれか一項に記載の勾配磁界センサ。
  12. 前記第1磁気コアに所定の磁界が印加された場合において前記n番目の第1コイルから出力される電圧の極性は、前記第1磁気コアに前記所定の磁界が印加された場合において、前記N個の第1コイルのうち前記第1磁気コアの先端側からn+1番目の第1コイルから出力される電圧の極性と同じであり、
    前記第2磁気コアに前記所定の磁界が印加された場合において前記n番目の第2コイルから出力される電圧の極性は、前記第2磁気コアに前記所定の磁界が印加された場合において、前記N個の第2コイルのうち前記第2磁気コアの先端側からn+1番目の第2コイルから出力される電圧の極性と同じである、
    請求項1から11のうちいずれか一項に記載の勾配磁界センサ。
  13. 前記第1磁気コアに所定の磁界が印加された場合において前記N個の第1コイルのうちの一部から出力される電圧の極性は、前記第1磁気コアに前記所定の磁界が印加された場合において、前記N個の第1コイルのうちの残り全部から出力される電圧の極性と反対であり、
    前記第2磁気コアに前記所定の磁界が印加された場合において前記N個の第2コイルのうちの一部から出力される電圧の極性は、前記第2磁気コアに前記所定の磁界が印加された場合において、前記N個の第2コイルのうちの残り全部から出力される電圧の極性と反対である、
    請求項1から11のうちいずれか一項に記載の勾配磁界センサ。
  14. 前記勾配磁界センサは、前記n番目の第1コイルから出力される電圧と、前記n番目の第2コイルから出力される電圧との差分に応じた電圧が電圧信号として入力される信号処理部を更に備える、
    請求項1から13のうちいずれか一項に記載の勾配磁界センサ。
  15. 前記信号処理部は、電圧信号の加算又は減算を行う演算部を備える、
    請求項14に記載の勾配磁界センサ。
  16. 前記信号処理部は、電圧信号を増幅する増幅部を備える、
    請求項14又は15に記載の勾配磁界センサ。
  17. 前記信号処理部は、電圧信号の絶対値を出力する絶対値出力部を備える、
    請求項14から16のうちいずれか一項に記載の勾配磁界センサ。
  18. 前記信号処理部は、シグナルとノイズとを弁別する弁別部を備える、
    請求項14から17のうちいずれか一項に記載の勾配磁界センサ。
  19. 請求項1から18のうちいずれか一項に記載の勾配磁界センサを備える、
    磁性物検出装置。
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