JP2023049762A - 硬化性組成物、接着剤、封止材、および成型体 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、硬化性組成物に関する。また、本発明は、該硬化性組成物を用いた接着剤、封止材および成型体に関する。
従来、硬化性組成物は、樹脂成型体等の材料として使用され、重用されてきた。樹脂成型体には、用途に応じて、耐熱性や難燃性が要求されており、難燃剤を用いることが一般的である。難燃剤としては、臭素化合物、塩素化合物、およびリン化合物等の有機系難燃剤や、金属水酸化物およびアンチモン化合物等の無機系難燃剤が知られている。
臭素化合物および塩素化合物のハロゲン系難燃剤は、火災時のハロゲン化水素の発生やハロゲン化ジベンゾダイオキシン(ジベンゾフラン)の生成等の問題が存在している。そのため、ハロゲン系難燃剤を使用することなく、難燃性の要求を満たす樹脂組成物が求められている。一方、無機系難燃剤の場合は、十分な性能を発揮しづらかったり、同様の性能を満たすためには添加量が多くなったりするという問題があった。
そのため、上記の問題を解決するために、難燃剤としてリン化合物の開発が進められてきた。例えば、9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド(以下、「HCA」という)のようなP-H結合を有する反応型リン化合物が提案されている(特許文献1参照)。さらに、HCAに2個のフェノール性水酸基を導入した多官能性リン系難燃剤が提案されており(特許文献2参照)、HCAに2個のカルボキシル基を導入した多官能性リン系難燃剤も提案されている(特許文献3参照)。
しかし、特許文献1に記載のリン化合物は、エポキシ樹脂等の反応性樹脂に添加された場合には、1官能性のために反応後は内部可塑剤として働くことから、結果として樹脂の耐熱性を低下させるという技術的課題が存在した。特許文献2および3に記載の多官能性リン系難燃剤は、水酸基やカルボキシル基といった水素結合性官能基に起因する溶解性の低さが原因となり、エポキシ樹脂等の反応性樹脂へ高濃度で配合ができず、難燃性に劣るという技術的課題が存在した。
また、硬化性組成物を用いた材料には、用途に応じて、透明性や屈折率等の性能も要求される。そのため、依然として、透明性、屈折率、および難燃性等の様々な性能を満たす硬化物が得られる硬化性組成物の開発が要望されている。
したがって、本発明の目的は、透明性、屈折率、および難燃性に優れる硬化物が得られる硬化性組成物を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、特定のリン含有化合物(A)、リン含有化合物(A)以外の特定の不飽和基含有化合物(B)、およびラジカル重合開始剤(C)を含む硬化性組成物を開発し、その硬化物は、透明性、屈折率、および難燃性に優れることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、以下の発明が提供される。
[1] 下記一般式(1):
(式(1)中、R1、R2は、それぞれ独立して、ハロゲン以外の置換基を表す。)
で表されるリン含有化合物(A)と、
前記リン含有化合物(A)以外の不飽和基含有化合物(B)と、
ラジカル重合開始剤(C)と、
を含み、
前記不飽和基含有化合物(B)が、ビニル基を1分子中に2個以上有する多官能性芳香族化合物(B1)を含む、硬化性組成物。
[2] 前記多官能性芳香族化合物(B1)が、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルフェノール、および3,3’-ジビニル-1,1’-ビフェニルからなる群から選択される少なくとも1種である、[1]に記載の硬化性組成物。
[3] 前記不飽和基含有化合物(B)が、(メタ)アクリロイル基を1分子中に2個以上含む化合物(B2)をさらに含む、[1]または[2]に記載の硬化性組成物。
[4] 前記不飽和基含有化合物(B)が、ビニル基を1分子中に1個有する化合物(B3)をさらに含む、[1]~[3]のいずれかに記載の硬化性組成物。
[5] 前記リン含有化合物(A)の含有量が、前記リン含有化合物(A)と前記不飽和基含有化合物(B)の合計100質量部に対して、20質量部以上60質量部以下である、[1]~[4]のいずれかに記載の硬化性組成物。
[6] 前記多官能性芳香族化合物(B1)の含有量が、前記リン含有化合物(A)と前記不飽和基含有化合物(B)の合計100質量部に対して、10質量部以上50質量部以下である、[1]~[5]のいずれかに記載の硬化性組成物。
[7] 前記ラジカル重合開始剤(C)が、または光ラジカル重合開始剤(C1)または熱ラジカル重合開始剤(C2)である、[1]~[6]のいずれかに記載の硬化性組成物。
[8] [1]~[7]のいずれかに記載の硬化性組成物を含む、接着剤。
[9] [1]~[7]のいずれかに記載の硬化性組成物を含む、封止材。
[10] [1]~[7]のいずれかに記載の硬化性組成物を硬化させてなる、成型体。
[11] 光学部材、電子材料、または建築内装部品である、[10]に記載の成型体。
[12] 前記光学部材が、光学レンズ、光学フィルム、またはディスプレイシートである、[11]に記載の成型体。
[1] 下記一般式(1):
で表されるリン含有化合物(A)と、
前記リン含有化合物(A)以外の不飽和基含有化合物(B)と、
ラジカル重合開始剤(C)と、
を含み、
前記不飽和基含有化合物(B)が、ビニル基を1分子中に2個以上有する多官能性芳香族化合物(B1)を含む、硬化性組成物。
[2] 前記多官能性芳香族化合物(B1)が、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルフェノール、および3,3’-ジビニル-1,1’-ビフェニルからなる群から選択される少なくとも1種である、[1]に記載の硬化性組成物。
[3] 前記不飽和基含有化合物(B)が、(メタ)アクリロイル基を1分子中に2個以上含む化合物(B2)をさらに含む、[1]または[2]に記載の硬化性組成物。
[4] 前記不飽和基含有化合物(B)が、ビニル基を1分子中に1個有する化合物(B3)をさらに含む、[1]~[3]のいずれかに記載の硬化性組成物。
[5] 前記リン含有化合物(A)の含有量が、前記リン含有化合物(A)と前記不飽和基含有化合物(B)の合計100質量部に対して、20質量部以上60質量部以下である、[1]~[4]のいずれかに記載の硬化性組成物。
[6] 前記多官能性芳香族化合物(B1)の含有量が、前記リン含有化合物(A)と前記不飽和基含有化合物(B)の合計100質量部に対して、10質量部以上50質量部以下である、[1]~[5]のいずれかに記載の硬化性組成物。
[7] 前記ラジカル重合開始剤(C)が、または光ラジカル重合開始剤(C1)または熱ラジカル重合開始剤(C2)である、[1]~[6]のいずれかに記載の硬化性組成物。
[8] [1]~[7]のいずれかに記載の硬化性組成物を含む、接着剤。
[9] [1]~[7]のいずれかに記載の硬化性組成物を含む、封止材。
[10] [1]~[7]のいずれかに記載の硬化性組成物を硬化させてなる、成型体。
[11] 光学部材、電子材料、または建築内装部品である、[10]に記載の成型体。
[12] 前記光学部材が、光学レンズ、光学フィルム、またはディスプレイシートである、[11]に記載の成型体。
本発明によれば、透明性、屈折率、および難燃性に優れる硬化物が得られる硬化性組成物を提供することができる。
[硬化性組成物]
本発明の硬化性組成物は、特定のリン含有化合物(A)、特定の不飽和基含有化合物(B)、およびラジカル重合開始剤(C)を含み、その他の成分をさらに含んでもよい。このような硬化性組成物を硬化させた硬化物は、透明性、屈折率、および難燃性に優れる。このような硬化性組成物は、透明性、屈折率、および難燃性を必要とされる用途に好適に使用可能である。例えば、硬化性組成物は、接着剤や封止材として使用可能である。
本発明の硬化性組成物は、特定のリン含有化合物(A)、特定の不飽和基含有化合物(B)、およびラジカル重合開始剤(C)を含み、その他の成分をさらに含んでもよい。このような硬化性組成物を硬化させた硬化物は、透明性、屈折率、および難燃性に優れる。このような硬化性組成物は、透明性、屈折率、および難燃性を必要とされる用途に好適に使用可能である。例えば、硬化性組成物は、接着剤や封止材として使用可能である。
本発明において、下記の特定のリン含有化合物(A)および特定の不飽和基含有化合物(B)における「化合物」とは、モノマーだけでなく、該モノマーが少量重合したオリゴマー、すなわち硬化樹脂を形成する前のプレポリマーも含むものとする。以下、硬化性組成物を構成する各成分について詳細に説明する。
(リン含有化合物(A))
硬化性組成物を構成するリン含有化合物(A)は、下記一般式(1)で表されるものであり、ノンハロゲン系難燃剤として有用かつ安全である。
式(1)中、R1、R2は、それぞれ独立して、ハロゲン以外の置換基を表す。
硬化性組成物を構成するリン含有化合物(A)は、下記一般式(1)で表されるものであり、ノンハロゲン系難燃剤として有用かつ安全である。
式(1)中のR1およびR2は、ハロゲン以外の置換基であれば特に限定されないが、好ましくは水素原子または炭素数1~8の炭化水素基を表す。炭素数1~8の炭化水素基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、ペンチル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等が挙げられる。
上記式(2)で表わされるリン化合物は、例えば、下記式(3)の通り、クロロメチルスチレン(CMS)と9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド(HCA)との付加反応により得ることができる。なお、より詳細な合成条件等は、従来公知の方法(例えば、Adina Dumitrascu, Bob A. Howell / Polymer Degradation and Stability 97 (2012) 2611-2618に記載の方法)を参照することができる。
一般式(1)のリン含有化合物は、上記方法によって製造した合成品であってもよいし、市販品を用いてもよい。
リン含有化合物(A)の含有量は、リン含有化合物(A)と不飽和基含有化合物(B)の合計100質量部に対して、好ましくは20質量部以上60質量部以下であり、下限値はより好ましくは25質量部以上であり、さらに好ましくは30質量部以上であり、上限値はより好ましくは55質量部以下であり、さらに好ましくは50質量部以下である。リン含有化合物(A)の含有量が上記数値範囲内であれば、難燃性をより向上させることができる。
(不飽和基含有化合物(B))
硬化性組成物を構成する不飽和基含有化合物(B)(但し、リン含有化合物(A)を除く)は、少なくとも、ビニル基を1分子中に2個以上有する多官能性芳香族化合物(B1)を含み、(メタ)アクリロイル基を1分子中に2個以上含む化合物(B2)およびビニル基を1分子中に1個有する化合物(B3)の少なくとも1種をさらに含んでもよい。
硬化性組成物を構成する不飽和基含有化合物(B)(但し、リン含有化合物(A)を除く)は、少なくとも、ビニル基を1分子中に2個以上有する多官能性芳香族化合物(B1)を含み、(メタ)アクリロイル基を1分子中に2個以上含む化合物(B2)およびビニル基を1分子中に1個有する化合物(B3)の少なくとも1種をさらに含んでもよい。
硬化性組成物にビニル基を1分子中に2個以上有する多官能性芳香族化合物(B1)(以下、単に「化合物(B1)」と称することがある)を配合することで、従来の課題であった硬化物の透明性、屈折率に加え、柔軟性を向上させることができる。
化合物(B1)において、ビニル基の個数は、2個以上であればよく、2個~3個であることが好ましい。化合物(B1)としては、例えば、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルフェノール、および3,3’-ジビニル-1,1’-ビフェニル等が挙げられる。これらの中でもジビニルベンゼンが好ましい。
(メタ)アクリロイル基を1分子中に2個以上含む化合物(B2)(以下、単に「化合物(B2)」と称することがある)において、「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基およびメタクリロイル基を表す。(メタ)アクリロイル基の個数は、2個以上であればよく、2個~6個であることが好ましい。化合物(B2)の中でもモノマーとしては、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート等が挙げられる。化合物(B2)の中でもオリゴマーとしては、ノボラック型やビスフェノール型エポキシ樹脂をアクリレート変性したエポキシアクリレート、ポリイソシアネートとポリオールを反応させて得られるウレタン化合物のアクリレート変性物であるウレタンアクリレート、ポリエステル樹脂をアクリレート変性したポリエステルアクリレート等が挙げられる。
化合物(B2)の中でも、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2-ビス[(4-(メタ)アクリロキシポリアルキレンオキシ)フェニル]プロパン、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、トリス(2-(メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ε-カプロラクトン変性トリス-(2-(メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート、環状ホスファゼンヘキサ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイル基を2~20個含むウレタン(メタ)アクリレート等を好適に利用できる。
上記の「2,2-ビス[(4-(メタ)アクリロキシポリアルキレンオキシ)フェニル]プロパン」は、下記式(4):
(式(4)中、Rはアルキレン基(好ましくはエチレン基)を示し、Xはそれぞれ独立して、メタ(アクリロイル基)(好ましくはアクリロイル基)を示し、nとmはそれぞれ0~50の整数であって、かつ、n+mが3~50(好ましくは4)という条件を満たす。)
で表される化合物である。このような2,2-ビス[(4-(メタ)アクリロキシポリアルキレンオキシ)フェニル]プロパンとしては、市販品(例えば、新中村化学社製の商品名「ABE-300」、「A-BPE-10」、A-BPE-20」)を適宜利用してもよい。
で表される化合物である。このような2,2-ビス[(4-(メタ)アクリロキシポリアルキレンオキシ)フェニル]プロパンとしては、市販品(例えば、新中村化学社製の商品名「ABE-300」、「A-BPE-10」、A-BPE-20」)を適宜利用してもよい。
上記の「ε-カプロラクトン変性トリス-(2-(メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート」は、下記式(5):
(式(5)中、Xはそれぞれ独立して、メタ(アクリロイル基)(好ましくはアクリロイル基)を示し、CLは式:C(=O)C5H10Oで表される基を示し、nとmとlはそれぞれ0~10の整数であって、かつ、n+m+lが1~5(好ましくは1)という条件を満たす。)
で表される化合物である。このようなε-カプロラクトン変性トリス-(2-(メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレートとしては、市販品(例えば、新中村化学社製の商品名「A-9300-1CL」)を適宜利用してもよい。
で表される化合物である。このようなε-カプロラクトン変性トリス-(2-(メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレートとしては、市販品(例えば、新中村化学社製の商品名「A-9300-1CL」)を適宜利用してもよい。
(式(6)中、Xはそれぞれ独立して、メタ(アクリロイル基)(好ましくはアクリロイル基)を示す。)
で表される化合物である。このような環状ホスファゼンヘキサ(メタ)アクリレートとしては、市販品(例えば、共栄社化学社製の商品名「PPZ」)を適宜利用してもよい。
で表される化合物である。このような環状ホスファゼンヘキサ(メタ)アクリレートとしては、市販品(例えば、共栄社化学社製の商品名「PPZ」)を適宜利用してもよい。
上記の(メタ)アクリロイル基を2~20個含むウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、新中村化学工業、東亜合成、共栄社化学、日本化薬、日本合成化学工業、根上工業、ダイセルオルネクス等の各社から販売されている市販品を用いてもよい。このようなウレタン(メタ)アクリレートの重量平均分子量は300~10,000であることが好ましい。
ビニル基を1分子中に1個有する化合物(B3)(以下、単に「化合物(B3)」と称することがある)としては、例えば、N-ビニルピロリドン、N-ビニルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド、N-メチル-N-ビニルアセトアミド、およびN-メチル-N-ビニルホルムアミド等が挙げられる。これらの中でもN-ビニルピロリドンが好ましい。
不飽和基含有化合物(B)の含有量は、リン含有化合物(A)と不飽和基含有化合物(B)の合計100質量部に対して、好ましくは40質量部以上80質量部以下であり、下限値はより好ましくは45質量部以上であり、さらに好ましくは50質量部以上であり、上限値はより好ましくは75質量部以下であり、さらに好ましくは70質量部以下である。
化合物(B1)の含有量は、リン含有化合物(A)と不飽和基含有化合物(B)の合計100質量部に対して、好ましくは10質量部以上50質量部以下であり、下限値はより好ましくは15質量部以上であり、さらに好ましくは20質量部以上であり、上限値はより好ましくは40質量部以下であり、さらに好ましくは30質量部以下である。
不飽和基含有化合物(B)や化合物(B1)の含有量が上記数値範囲内であれば、透明性や屈折率をより良好にすることができる。
化合物(B1)の含有量は、リン含有化合物(A)と不飽和基含有化合物(B)の合計100質量部に対して、好ましくは10質量部以上50質量部以下であり、下限値はより好ましくは15質量部以上であり、さらに好ましくは20質量部以上であり、上限値はより好ましくは40質量部以下であり、さらに好ましくは30質量部以下である。
不飽和基含有化合物(B)や化合物(B1)の含有量が上記数値範囲内であれば、透明性や屈折率をより良好にすることができる。
化合物(B2)および化合物(B3)の含有量は、不飽和基含有化合物(B)や化合物(B1)の含有量に応じて適宜調節することができる。
(ラジカル重合開始剤(C))
硬化性組成物を構成するラジカル重合開始剤(C)は、光ラジカル重合開始剤(C1)および熱ラジカル重合開始剤(C2)のいずれであってもよい。
硬化性組成物を構成するラジカル重合開始剤(C)は、光ラジカル重合開始剤(C1)および熱ラジカル重合開始剤(C2)のいずれであってもよい。
光ラジカル重合開始剤(C1)としては、例えば、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニルケトン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル]フェニル}-2-メチル-プロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン等のヒドロキシアセトフェノン類;ベンゾイン、ベンジル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインn-プロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインn-ブチルエーテル等のベンゾイン類;ベンゾインアルキルエーテル類;ベンゾフェノン、p-メチルベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、メチルベンゾフェノン、4,4’-ジクロロベンゾフェノン、4,4’-ビスジエチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;アセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2,2-ジエトキシ-2-フェニルアセトフェノン、1,1-ジクロロアセトフェノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノ-1-プロパノン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル)-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン、N,N-ジメチルアミノアセトフェノン等のアセトフェノン類;チオキサントン、2-エチルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、2,4-ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類;アントラキノン、クロロアントラキノン、2-メチルアントラキノン、2-エチルアントラキノン、2-tert-ブチルアントラキノン、1-クロロアントラキノン、2-アミルアントラキノン、2-アミノアントラキノン等のアントラキノン類等が挙げられる。これらの中でも、ヒドロキシアセトフェノン類が好ましく、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニルケトンがより好ましい。
熱ラジカル重合開始剤(C2)としては、例えば、過酸化ベンゾイル、メチルエチルケトンパーオキシド、t-ブチルハイドロパーオキシド、t-ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキシド、クメンハイドロキシパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキシド等の有機過酸化物、2,2’‐アゾビスイソブチロニトリル、2,2’‐アゾビス(4‐メトキシ‐2,4‐ジメチルバレロニトリル)、2,2’‐アゾビス(2,4‐ジメチルバレロニトリル)、2,2’‐アゾビス(4‐メトキシ‐2,4‐ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’‐アゾビス(2‐メチルプロピオネート)、2,2’‐アゾビス(2‐メチルブチロニトリル)、1,1’‐アゾビス(シクロヘキサン‐1‐カーボニトリル)、2,2’‐アゾビス(N‐ブチル‐2‐メチルプロピオンアミド)、ジメチル1,1’‐アゾビス(1‐シクロヘキサンカルボキシレート)、1,1’‐アゾビス(1‐アセトキシ‐フェニルエタン)等のアゾ系化合物等が挙げられる。これらの中でも有機過酸化物が好ましく、過酸化ベンゾイルがより好ましい。
ラジカル重合開始剤(C)の含有量は、リン含有化合物(A)と不飽和基含有化合物(B)の合計100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上、さらに好ましくは0.2質量部以上、さらにより好ましくは0.5質量部以上、また、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。ラジカル重合開始剤(C)の含有量が上記数値範囲内であれば、効率的に硬化反応を進行させることができ、硬化物の耐熱性を向上させることができる。
(その他の成分)
本発明の硬化性組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、(A)~(C)成分以外の他の添加剤を配合していてもよい。他の添加剤としては、例えば、有機溶媒、離型剤、着色剤、粘度調整剤、重合禁止剤、硬化促進剤、消泡剤、分散剤、熱安定剤、界面活性剤、滑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、ブルーイング剤、無機充填材、熱可塑性樹脂等が挙げられる。これらの添加剤は、硬化性組成物に一般的に使用されるものを使用することができる。
本発明の硬化性組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、(A)~(C)成分以外の他の添加剤を配合していてもよい。他の添加剤としては、例えば、有機溶媒、離型剤、着色剤、粘度調整剤、重合禁止剤、硬化促進剤、消泡剤、分散剤、熱安定剤、界面活性剤、滑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、ブルーイング剤、無機充填材、熱可塑性樹脂等が挙げられる。これらの添加剤は、硬化性組成物に一般的に使用されるものを使用することができる。
有機溶媒としては、例えば、芳香族炭化水素類、ケトン類、アルコール類等が挙げられる。
離型剤としては、例えば、シリコーンオイル、ステアリン酸エステル、カルナバワックス等が挙げられる。
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、ベンガラ、および酸化チタン等が挙げられる。
離型剤としては、例えば、シリコーンオイル、ステアリン酸エステル、カルナバワックス等が挙げられる。
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、ベンガラ、および酸化チタン等が挙げられる。
その他の成分の配合割合は、用途に応じて適宜調節することができるが、例えば、リン含有化合物(A)と不飽和基含有化合物(B)の合計100質量部に対して、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。
[硬化性組成物の製造方法]
本発明の硬化性組成物の製造方法は特に限定されるものではないが、製造方法の一例について以下で説明する。
リン含有化合物(A)、不飽和基含有化合物(B)、ラジカル重合開始剤(C)および必要に応じてその他の成分を適宜追加して混練または混合装置によって混合することにより、本発明の硬化性組成物を製造することができる。
混練または混合方法は、特に限定されず、例えば、プラネタリーミキサー、2軸押出機、熱ロールまたはニーダー等の混練機等を用いて混合することができる。また、(A)成分、(B)成分が室温で高粘度の液状または固体状である場合、必要に応じて加熱して混練したり、さらに、加圧または減圧条件下で混練したりしても良い。加熱温度としては40~100℃が好ましい。
本発明の硬化性組成物の製造方法は特に限定されるものではないが、製造方法の一例について以下で説明する。
リン含有化合物(A)、不飽和基含有化合物(B)、ラジカル重合開始剤(C)および必要に応じてその他の成分を適宜追加して混練または混合装置によって混合することにより、本発明の硬化性組成物を製造することができる。
混練または混合方法は、特に限定されず、例えば、プラネタリーミキサー、2軸押出機、熱ロールまたはニーダー等の混練機等を用いて混合することができる。また、(A)成分、(B)成分が室温で高粘度の液状または固体状である場合、必要に応じて加熱して混練したり、さらに、加圧または減圧条件下で混練したりしても良い。加熱温度としては40~100℃が好ましい。
[成型体]
本発明の成型体は、上記の硬化性組成物を硬化し、成型することで製造することができる。このような成型体は、透明性、屈折率、および難燃性に優れるものであり、さらに、耐熱性にも優れる。また、このような成型体は高難燃性を示すため、シリカやアルミナ等の無機酸化物の添加が不要となる。そのため、成型体の透明性を高くでき、透明性、屈折率、および難燃性を要求される様々な用途、例えば、光学レンズ、光学フィルム、およびディスプレイシートなどの光学部材、電子材料や、照明部材、窓部材、および装飾部材などの建築用内装部品等が挙げられる。
本発明の成型体は、上記の硬化性組成物を硬化し、成型することで製造することができる。このような成型体は、透明性、屈折率、および難燃性に優れるものであり、さらに、耐熱性にも優れる。また、このような成型体は高難燃性を示すため、シリカやアルミナ等の無機酸化物の添加が不要となる。そのため、成型体の透明性を高くでき、透明性、屈折率、および難燃性を要求される様々な用途、例えば、光学レンズ、光学フィルム、およびディスプレイシートなどの光学部材、電子材料や、照明部材、窓部材、および装飾部材などの建築用内装部品等が挙げられる。
[硬化物の製造方法]
本発明の硬化物の製造方法は特に限定されるものではないが、製造方法の一例について以下で説明する。
本発明の硬化物の製造方法は特に限定されるものではないが、製造方法の一例について以下で説明する。
硬化性組成物が光ラジカル重合開始剤(C1)を含む紫外線硬化性組成物の場合、上記方法によって得られた紫外線硬化性組成物を所定の基材等の表面に塗布した後に、その塗工膜(未硬化)に対して紫外線を照射することにより、紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物を得ることができる。紫外線を照射する際に利用する光源は特に限定されず、紫外線を照射することが可能な公知の光源(例えば、キセノンランプ、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等)を適宜利用してもよい。紫外線の照射条件は特に限定されず、例えば、照射強度1~100mW/cm2で積算光量(積算照度)が500~5000mJ/cm2である。
硬化性組成物が熱ラジカル重合開始剤(C2)を含む熱硬化性組成物の場合、上記方法によって得られた熱硬化性組成物を金型に注入し、加熱プレス機で80~300℃、1分間~10時間程度加熱することで硬化物を得ることができる。
また、硬化物として薄膜状成形物を得る場合には、まず、硬化性組成物に有機溶媒を配合して、薄膜形成に好適な溶液粘度を有する組成物とする。続いて、得られた硬化性組成物を基材等に塗布後、有機溶媒を揮発させたのち、熱硬化を行うことで硬化物を得ることができる。
以下に実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
具体的には、50mLのテトラヒドロフラン(THF)溶媒中の水素化ナトリウム(鉱油中60%分散液として2.0g、0.051mol)を、0~5℃、窒素下で0.5時間撹拌した。続いて、150mLのTHF溶媒に溶解した9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド(HCA、10g、0.046mol)を滴下し、反応混合物を室温で2時間撹拌した後、4-(クロロメチル)スチレン(7.76g、0.051mol)および4-tert-ブチルカテコール(TBC、1.2mmol)のTHF(50mL)溶液をゆっくり添加した。
得られた混合物を窒素下、溶媒還流下で48時間撹拌した。反応中に形成された白色の塩をセライト濾過によって除去し、溶媒(約100mL)の一部をロータリーエバポレーターによって除去した。残った溶液にヘキサン100mLを添加し、生成した白色結晶を濾別した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:酢酸エチル/ヘキサン=70/30(v/v))により精製して、融点127.6℃(DSC)の白色結晶9.8g(63.7%収率)を得た。なお、得られたリン含有化合物(HCA変性スチレン)は、1H-NMR、13C-NMR、31P-NMRの各測定を行い、非特許文献2に記載の値(各スペクトルデータ)に一致することを確認した。
得られた混合物を窒素下、溶媒還流下で48時間撹拌した。反応中に形成された白色の塩をセライト濾過によって除去し、溶媒(約100mL)の一部をロータリーエバポレーターによって除去した。残った溶液にヘキサン100mLを添加し、生成した白色結晶を濾別した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:酢酸エチル/ヘキサン=70/30(v/v))により精製して、融点127.6℃(DSC)の白色結晶9.8g(63.7%収率)を得た。なお、得られたリン含有化合物(HCA変性スチレン)は、1H-NMR、13C-NMR、31P-NMRの各測定を行い、非特許文献2に記載の値(各スペクトルデータ)に一致することを確認した。
<不飽和基含有化合物(B)>
不飽和基含有化合物(B)として、下記の化合物(B1)~(B3)を使用した。
化合物(B1):ジビニルベンゼン(DVB、東京化成工業(株)製)
化合物(B2):2,2-ビス[(4-アクリロキシポリアルキレンオキシ)フェニル]プロパン(ABE、上記式(3)で表され、Xがアクリロイル基であり、Rがエチレン基であり、m+n≒4となる化合物、新中村化学(株)製、ABE-300)
化合物(B3):N-ビニルピロリドン(NVP、東京化成工業(株)製)
不飽和基含有化合物(B)として、下記の化合物(B1)~(B3)を使用した。
化合物(B1):ジビニルベンゼン(DVB、東京化成工業(株)製)
化合物(B2):2,2-ビス[(4-アクリロキシポリアルキレンオキシ)フェニル]プロパン(ABE、上記式(3)で表され、Xがアクリロイル基であり、Rがエチレン基であり、m+n≒4となる化合物、新中村化学(株)製、ABE-300)
化合物(B3):N-ビニルピロリドン(NVP、東京化成工業(株)製)
<ラジカル重合開始剤(C)>
ラジカル重合開始剤(C)として下記の光ラジカル重合開始剤(C1)および熱ラジカル重合開始剤(C2)を使用した。
光ラジカル重合開始剤(C1):1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニルケトン(BASF((株))製、イルガキュアー184)
熱ラジカル重合開始剤(C2):過酸化ベンゾイル(日油(株)製、ナイパーBO)
ラジカル重合開始剤(C)として下記の光ラジカル重合開始剤(C1)および熱ラジカル重合開始剤(C2)を使用した。
光ラジカル重合開始剤(C1):1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニルケトン(BASF((株))製、イルガキュアー184)
熱ラジカル重合開始剤(C2):過酸化ベンゾイル(日油(株)製、ナイパーBO)
<硬化性組成物の製造例1>
(実施例1、比較例1)
表1に記載の組成でリン含有化合物(A)および不飽和基含有化合物(B)(化合物(B1)~(B3))を混合し、80℃で均一になるように撹拌して混合溶液を得た。続いて、光ラジカル重合開始剤(C1)を添加し、混合撹拌することで紫外線硬化性組成物を製造した。
(実施例1、比較例1)
表1に記載の組成でリン含有化合物(A)および不飽和基含有化合物(B)(化合物(B1)~(B3))を混合し、80℃で均一になるように撹拌して混合溶液を得た。続いて、光ラジカル重合開始剤(C1)を添加し、混合撹拌することで紫外線硬化性組成物を製造した。
<成型体の製造例1>
上記で得られた紫外線硬化性組成物を用いて、100mm角のガラス板の表面上にアプリケータを用いて約1mmの塗膜(未硬化)を形成した。次いで、該塗膜に対して、紫外線照射装置(メタルハライドランプUV照射装置、パナソニックデバイスSUNX竜野株式会社製のANUP4154)を使用して、光源として該装置を用いてi線(波長365nm)を主波長とする紫外線を照射強度:30mW/cm2の条件で積算光量が1500mJ/cm2となるように照射(露光:約30秒照射)して、塗膜を硬化させ、成型体1を製造した。
上記で得られた紫外線硬化性組成物を用いて、100mm角のガラス板の表面上にアプリケータを用いて約1mmの塗膜(未硬化)を形成した。次いで、該塗膜に対して、紫外線照射装置(メタルハライドランプUV照射装置、パナソニックデバイスSUNX竜野株式会社製のANUP4154)を使用して、光源として該装置を用いてi線(波長365nm)を主波長とする紫外線を照射強度:30mW/cm2の条件で積算光量が1500mJ/cm2となるように照射(露光:約30秒照射)して、塗膜を硬化させ、成型体1を製造した。
<物性評価1>
(1)透明性評価
上記で得られた成型体について、濁度計(日本電色工業株式会社製、NDH-2000)を用いて、JIS K7361-1(1997年発行)に準拠して、全光線透過率(%)を測定した。なお、測定に際して、光源としてD65(CIE標準光源D65)を利用し、測定径を直径20mmとした。全光線透過率が80%以上であれば、透明性が高く、合格である。測定結果を表2に示した。
(1)透明性評価
上記で得られた成型体について、濁度計(日本電色工業株式会社製、NDH-2000)を用いて、JIS K7361-1(1997年発行)に準拠して、全光線透過率(%)を測定した。なお、測定に際して、光源としてD65(CIE標準光源D65)を利用し、測定径を直径20mmとした。全光線透過率が80%以上であれば、透明性が高く、合格である。測定結果を表2に示した。
(2)屈折率評価
上記で得られた成型体について、屈折計(株式会社アタゴ製、アッベ屈折計2T)を用いて、屈折率を測定した。屈折率が1.60以上であれば、光学部材として好適であり、合格である。測定結果を表2に示した。
上記で得られた成型体について、屈折計(株式会社アタゴ製、アッベ屈折計2T)を用いて、屈折率を測定した。屈折率が1.60以上であれば、光学部材として好適であり、合格である。測定結果を表2に示した。
<成型体の製造例2>
上記で得られた紫外線硬化性組成物を用いて、PETフィルムの表面上にアプリケータを用いて約0.5mmの塗膜(未硬化)を形成した。次いで、該塗膜に対して、紫外線照射装置(メタルハライドランプUV照射装置、パナソニックデバイスSUNX竜野株式会社製のANUP4154)を使用して、光源として該装置を用いてi線(波長365nm)を主波長とする紫外線を照射強度:30mW/cm2の条件で積算光量が1500mJ/cm2となるように照射(露光:約30秒照射)して、塗膜を硬化させ、上記PETフィルムから剥離した成型体2を製造した。
(3)難燃性評価
上記で得られた成型体2を用いて、試験片(長さ110mm、幅13mm、厚さ0.5mm)を作成し、UL94規格の垂直燃焼試験(V試験)を行った。炎の大きさは20mmとした。なお、接炎時間は10秒間とし、火が消えると同時に2回目の接炎を10秒間行って、接炎後に燃焼を継続する時間を測定した。下記の評価基準により難燃性を評価した。評価結果を表2に示した。
[評価基準]
○:難燃性に優れており、UL94規格の「V-2」に適合した。
×:難燃性に劣っており、UL94規格の「V-2」に適合しなかった。
上記で得られた紫外線硬化性組成物を用いて、PETフィルムの表面上にアプリケータを用いて約0.5mmの塗膜(未硬化)を形成した。次いで、該塗膜に対して、紫外線照射装置(メタルハライドランプUV照射装置、パナソニックデバイスSUNX竜野株式会社製のANUP4154)を使用して、光源として該装置を用いてi線(波長365nm)を主波長とする紫外線を照射強度:30mW/cm2の条件で積算光量が1500mJ/cm2となるように照射(露光:約30秒照射)して、塗膜を硬化させ、上記PETフィルムから剥離した成型体2を製造した。
(3)難燃性評価
上記で得られた成型体2を用いて、試験片(長さ110mm、幅13mm、厚さ0.5mm)を作成し、UL94規格の垂直燃焼試験(V試験)を行った。炎の大きさは20mmとした。なお、接炎時間は10秒間とし、火が消えると同時に2回目の接炎を10秒間行って、接炎後に燃焼を継続する時間を測定した。下記の評価基準により難燃性を評価した。評価結果を表2に示した。
[評価基準]
○:難燃性に優れており、UL94規格の「V-2」に適合した。
×:難燃性に劣っており、UL94規格の「V-2」に適合しなかった。
(4)耐熱性評価
上記で得られた成型体2を、示差走査熱量測定機((株)リガク製、機種名:TG8122)を用いて、10℃/minの昇温条件で加熱して、成型体の質量が5%減少した温度(℃)を測定した。当該温度が高い程、耐熱性に優れている。測定結果を表2に示した。
上記で得られた成型体2を、示差走査熱量測定機((株)リガク製、機種名:TG8122)を用いて、10℃/minの昇温条件で加熱して、成型体の質量が5%減少した温度(℃)を測定した。当該温度が高い程、耐熱性に優れている。測定結果を表2に示した。
(5)屈曲試験
上記で得られた成型体1を、塗膜屈曲性試験機(株式会社上島製作所製、HD-5110)を用いて、120°と180°における屈曲性を下記の基準により評価した。評価結果を表2に示した。
[評価基準]
○:120°あるいは180°の屈曲時に割れなかった。
×:120°あるいは180°の屈曲時に割れた。
上記で得られた成型体1を、塗膜屈曲性試験機(株式会社上島製作所製、HD-5110)を用いて、120°と180°における屈曲性を下記の基準により評価した。評価結果を表2に示した。
[評価基準]
○:120°あるいは180°の屈曲時に割れなかった。
×:120°あるいは180°の屈曲時に割れた。
<硬化性組成物の製造例2>
(実施例2、比較例2)
表3に記載の組成でリン含有化合物(A)および不飽和基含有化合物(B)(化合物(B1)~(B3))を混合し、80℃で均一になるように撹拌して混合溶液を得た。続いて、熱ラジカル重合開始剤(C2)を添加し、混合撹拌することで熱硬化性組成物を製造した。
(実施例2、比較例2)
表3に記載の組成でリン含有化合物(A)および不飽和基含有化合物(B)(化合物(B1)~(B3))を混合し、80℃で均一になるように撹拌して混合溶液を得た。続いて、熱ラジカル重合開始剤(C2)を添加し、混合撹拌することで熱硬化性組成物を製造した。
<成型体の製造例3>
上記で得られた熱硬化性組成物を用いて、セロハン張りのガラス板2枚で、厚さ2mmあるいは5mmになるようにスペーサーで挟み込んだ空間内に、上記で製造した熱硬化性組成物をゆっくりと注入した。この注型物を熱風オーブン内で、100℃で1時間加熱させ、その後120℃で1時間加熱させ、更に150℃で3時間加熱させて、熱硬化性組成物を硬化反応させた成型体3を製造した。
上記で得られた熱硬化性組成物を用いて、セロハン張りのガラス板2枚で、厚さ2mmあるいは5mmになるようにスペーサーで挟み込んだ空間内に、上記で製造した熱硬化性組成物をゆっくりと注入した。この注型物を熱風オーブン内で、100℃で1時間加熱させ、その後120℃で1時間加熱させ、更に150℃で3時間加熱させて、熱硬化性組成物を硬化反応させた成型体3を製造した。
<物性評価2>
上記で得られた成型体3について、<物性評価1>と同様にして、(1)透明性評価、(2)屈折率評価、および(4)耐熱性評価を行った。また、(3)難燃性評価について、下記の通り評価を行った。評価結果を表4に示した。
(3)難燃性評価
上記で得られた成型体3を用いて、試験片(長さ110mm、幅13mm、厚さ5mm)を作成し、UL94規格の垂直燃焼試験(V試験)を行った。炎の大きさは20mmとした。なお、接炎時間は10秒間とし、火が消えると同時に2回目の接炎を10秒間行って、接炎後に燃焼を継続する時間を測定した。下記の評価基準により難燃性を評価した。
[評価基準]
○:難燃性に優れており、UL94規格の「V-0」に適合した。
×:難燃性に劣っており、UL94規格の「V-0」に適合しなかった。
上記で得られた成型体3について、<物性評価1>と同様にして、(1)透明性評価、(2)屈折率評価、および(4)耐熱性評価を行った。また、(3)難燃性評価について、下記の通り評価を行った。評価結果を表4に示した。
(3)難燃性評価
上記で得られた成型体3を用いて、試験片(長さ110mm、幅13mm、厚さ5mm)を作成し、UL94規格の垂直燃焼試験(V試験)を行った。炎の大きさは20mmとした。なお、接炎時間は10秒間とし、火が消えると同時に2回目の接炎を10秒間行って、接炎後に燃焼を継続する時間を測定した。下記の評価基準により難燃性を評価した。
[評価基準]
○:難燃性に優れており、UL94規格の「V-0」に適合した。
×:難燃性に劣っており、UL94規格の「V-0」に適合しなかった。
Claims (12)
- 前記多官能性芳香族化合物(B1)が、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルフェノール、および3,3’-ジビニル-1,1’-ビフェニルからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の硬化性組成物。
- 前記不飽和基含有化合物(B)が、(メタ)アクリロイル基を1分子中に2個以上含む化合物(B2)をさらに含む、請求項1または2に記載の硬化性組成物。
- 前記不飽和基含有化合物(B)が、ビニル基を1分子中に1個有する化合物(B3)をさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
- 前記リン含有化合物(A)の含有量が、前記リン含有化合物(A)と前記不飽和基含有化合物(B)の合計100質量部に対して、20質量部以上60質量部以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
- 前記多官能性芳香族化合物(B1)の含有量が、前記リン含有化合物(A)と前記不飽和基含有化合物(B)の合計100質量部に対して、10質量部以上50質量部以下である、請求項1~5のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
- 前記ラジカル重合開始剤(C)が、光ラジカル重合開始剤(C1)または熱ラジカル重合開始剤(C2)またはである、請求項1~6のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
- 請求項1~7のいずれか一項に記載の硬化性組成物を含む、接着剤。
- 請求項1~7のいずれか一項に記載の硬化性組成物を含む、封止材。
- 請求項1~7のいずれか一項に記載の硬化性組成物を硬化させてなる、成型体。
- 光学部材、電子材料、または建築内装部品である、請求項10に記載の成型体。
- 前記光学部材が、光学レンズ、光学フィルム、またはディスプレイシートである、請求項11に記載の成型体。
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