JP2023049710A - 吸収性物品及び吸収性物品包装体 - Google Patents

吸収性物品及び吸収性物品包装体 Download PDF

Info

Publication number
JP2023049710A
JP2023049710A JP2021159620A JP2021159620A JP2023049710A JP 2023049710 A JP2023049710 A JP 2023049710A JP 2021159620 A JP2021159620 A JP 2021159620A JP 2021159620 A JP2021159620 A JP 2021159620A JP 2023049710 A JP2023049710 A JP 2023049710A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
absorbent article
adhesive
adhesive portion
width direction
rigidity region
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021159620A
Other languages
English (en)
Inventor
郁 佐久間
Kaoru Sakuma
翔士 ▲高▼阪
Shoshi Takasaka
純子 山本
Junko Yamamoto
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Unicharm Corp
Original Assignee
Unicharm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Unicharm Corp filed Critical Unicharm Corp
Priority to JP2021159620A priority Critical patent/JP2023049710A/ja
Priority to PCT/JP2022/028184 priority patent/WO2023053680A1/ja
Priority to CN202280059101.9A priority patent/CN117915875A/zh
Priority to KR1020247009222A priority patent/KR20240065090A/ko
Publication of JP2023049710A publication Critical patent/JP2023049710A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61FFILTERS IMPLANTABLE INTO BLOOD VESSELS; PROSTHESES; DEVICES PROVIDING PATENCY TO, OR PREVENTING COLLAPSING OF, TUBULAR STRUCTURES OF THE BODY, e.g. STENTS; ORTHOPAEDIC, NURSING OR CONTRACEPTIVE DEVICES; FOMENTATION; TREATMENT OR PROTECTION OF EYES OR EARS; BANDAGES, DRESSINGS OR ABSORBENT PADS; FIRST-AID KITS
    • A61F13/00Bandages or dressings; Absorbent pads
    • A61F13/15Absorbent pads, e.g. sanitary towels, swabs or tampons for external or internal application to the body; Supporting or fastening means therefor; Tampon applicators
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61FFILTERS IMPLANTABLE INTO BLOOD VESSELS; PROSTHESES; DEVICES PROVIDING PATENCY TO, OR PREVENTING COLLAPSING OF, TUBULAR STRUCTURES OF THE BODY, e.g. STENTS; ORTHOPAEDIC, NURSING OR CONTRACEPTIVE DEVICES; FOMENTATION; TREATMENT OR PROTECTION OF EYES OR EARS; BANDAGES, DRESSINGS OR ABSORBENT PADS; FIRST-AID KITS
    • A61F13/00Bandages or dressings; Absorbent pads
    • A61F13/15Absorbent pads, e.g. sanitary towels, swabs or tampons for external or internal application to the body; Supporting or fastening means therefor; Tampon applicators
    • A61F13/53Absorbent pads, e.g. sanitary towels, swabs or tampons for external or internal application to the body; Supporting or fastening means therefor; Tampon applicators characterised by the absorbing medium
    • A61F13/531Absorbent pads, e.g. sanitary towels, swabs or tampons for external or internal application to the body; Supporting or fastening means therefor; Tampon applicators characterised by the absorbing medium having a homogeneous composition through the thickness of the pad
    • A61F13/532Absorbent pads, e.g. sanitary towels, swabs or tampons for external or internal application to the body; Supporting or fastening means therefor; Tampon applicators characterised by the absorbing medium having a homogeneous composition through the thickness of the pad inhomogeneous in the plane of the pad
    • A61F13/533Absorbent pads, e.g. sanitary towels, swabs or tampons for external or internal application to the body; Supporting or fastening means therefor; Tampon applicators characterised by the absorbing medium having a homogeneous composition through the thickness of the pad inhomogeneous in the plane of the pad having discontinuous areas of compression
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61FFILTERS IMPLANTABLE INTO BLOOD VESSELS; PROSTHESES; DEVICES PROVIDING PATENCY TO, OR PREVENTING COLLAPSING OF, TUBULAR STRUCTURES OF THE BODY, e.g. STENTS; ORTHOPAEDIC, NURSING OR CONTRACEPTIVE DEVICES; FOMENTATION; TREATMENT OR PROTECTION OF EYES OR EARS; BANDAGES, DRESSINGS OR ABSORBENT PADS; FIRST-AID KITS
    • A61F13/00Bandages or dressings; Absorbent pads
    • A61F13/15Absorbent pads, e.g. sanitary towels, swabs or tampons for external or internal application to the body; Supporting or fastening means therefor; Tampon applicators
    • A61F13/56Supporting or fastening means

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Vascular Medicine (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Absorbent Articles And Supports Therefor (AREA)

Abstract

【課題】吸収性物品の着用中の着衣への追従性を向上させ、吸収性物品が変形した場合でも、変形を元に戻しやすくする。【解決手段】吸収体は高剛性領域(H)と低剛性領域(L)を備え、第1粘着領域(10)と第2粘着領域(20)を有し、第1粘着領域(10)は前側に第11粘着部(11)を備え、第2粘着領域(20)は前側で、幅方向における中央より一方側に第21粘着部(21)を備え、平面視で、第11粘着部(11)は高剛性領域(H)と重なる部分を有し、第21粘着部(21)は低剛性領域(L)と重なる部分を有し、高剛性領域(H)と重なる部分に非粘着部(31)が設けられ、非粘着部(31)は第11粘着部(11)と高剛性領域(H)とが重なる部分に幅方向の両側から挟まれ、幅方向の一方側で、第21粘着部(21)の幅方向の一方側の側端が、第11粘着部のうちの高剛性領域と重なる部分の幅方向の一方側の側端よりも外側である吸収性物品(1)である。【選択図】図5

Description

本発明は、吸収性物品及び吸収性物品包装体に関する。
尿などの排泄物を吸収する吸収性物品として生理用ナプキン、軽失禁パッド等が知られている。例えば、特許文献1には、吸収体を備えた吸収性物品の非使用面側に粘着剤を設けて、吸収性物品が位置ずれしないようにすることが記載されている。
特開2003-10245号公報
しかしながら、吸収性物品の装着時は、装着者の身体の動きに伴って、吸収体に過度な圧縮力や捻れが加えられ、吸収性物品の非使用面側の粘着剤同士が接着してしまう恐れがある。特に、吸収性物品の吸収体の剛性が高い部分に力が力や捻れが加えられると、吸収体に所謂折り癖がつきやすくなったり、非使用面側の粘着剤同士が接着した状態が維持されやすくなるため、吸収性物品の変形を元の形に戻しにくく、着用者に違和感を生じさせやすくなったり、排泄物が吸収性物品の外側に漏れてしまったりする恐れがあった。
そこで、本発明は、上記のような問題を鑑みてなされたものであって、吸収性物品の着用中の着衣への追従性を向上させ、吸収性物品が変形した場合でも、その変形を元に戻しやすくすることを目的とする。
上記目的を達成するための主たる発明は、前後方向と幅方向と厚さ方向とを有し、液体を吸収する吸収体、及び非肌側面に粘着部を有する吸収性物品であって、前記吸収体は、高剛性領域と、前記高剛性領域より剛性が低い低剛性領域を備え、前記粘着部は、第1粘着領域と第2粘着領域を有し、前記第1粘着領域は、前記前後方向における中央より前側に、第11粘着部を備え、前記第2粘着領域は、前記前後方向における中央より前側で、且つ、前記幅方向における中央より一方側に第21粘着部を備え、前記厚さ方向に前記吸収性物品を平面視したとき、前記第11粘着部は、前記高剛性領域と重なる部分を有し、前記第21粘着部は、前記低剛性領域と重なる部分を有し、前記高剛性領域と重なる部分に、前記粘着部が設けられていない非粘着部が設けられており、前記非粘着部は、前記第11粘着部と前記高剛性領域とが重なる部分に前記幅方向の両側から挟まれており、前記幅方向の一方側において、前記第21粘着部の前記幅方向の前記一方側における側端は、前記第11粘着部のうちの前記高剛性領域と重なる部分の、前記幅方向の前記一方側における側端よりも外側に設けられていることを特徴とする吸収性物品である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
本発明によれば、吸収性物品の着用中の着衣への追従性を向上させ、吸収性物品が変形した場合でも、その変形を元に戻しやすくすることができる。
伸長状態である軽失禁パッド1を肌側から見た平面図である。 伸長状態であるパッド1を非肌側から見た平面図である。 図1のC-Cにおけるパッド1のA-A矢視概略断面図である。 着用状態のパッド1を説明する模式図である。 図2の平面図に高剛性領域H及び低剛性領域Lを厚さ方向に重ねて示した図である。 図5中のパッド1の前側を拡大して示す図である。 展開状態の包装体100を説明する図である。 第1実施形態の変形例のパッド1Aを非肌側から見た平面図である。 第1実施形態の変形例のパッド1Bを非肌側から見た平面図である。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
前後方向と幅方向と厚さ方向とを有し、液体を吸収する吸収体、及び非肌側面に粘着部を有する吸収性物品であって、前記吸収体は、高剛性領域と、前記高剛性領域より剛性が低い低剛性領域を備え、前記粘着部は、第1粘着領域と第2粘着領域を有し、前記第1粘着領域は、前記前後方向における中央より前側に、第11粘着部を備え、前記第2粘着領域は、前記前後方向における中央より前側で、且つ、前記幅方向における中央より一方側に第21粘着部を備え、前記厚さ方向に前記吸収性物品を平面視したとき、前記第11粘着部は、前記高剛性領域と重なる部分を有し、前記第21粘着部は、前記低剛性領域と重なる部分を有し、前記高剛性領域と重なる部分に、前記粘着部が設けられていない非粘着部が設けられており、前記非粘着部は、前記第11粘着部と前記高剛性領域とが重なる部分に前記幅方向の両側から挟まれており、前記幅方向の一方側において、前記第21粘着部の前記幅方向の前記一方側における側端は、前記第11粘着部のうちの前記高剛性領域と重なる部分の、前記幅方向の前記一方側における側端よりも外側に設けられていることを特徴とする吸収性物品である。
このような吸収性物品によれば、第11粘着部を備える第1粘着領域と、第21粘着部を備える第2粘着領域を備えることで、吸収性物品の着衣への追従性を向上させつつ、着用中に、吸収性物品が変形しても、高剛性領域に設けられた非粘着部によって、第11粘着部同士が接着する恐れを軽減させたり、第11粘着部同士が接着した場合に着衣に接着した第21粘着部によって第11粘着部同士の接着を剥がしやすくしたり、吸収性物品の変形を元に戻しやすくなるため、着用中の吸収性物品の変形による着用者の違和感や、吸収性物品の変形による部分的な肌への刺激を軽減させやすくなる。
かかる吸収性物品であって、前記非粘着部は、前記幅方向における中央部に設けられ、前記第1粘着領域の前側の端から後側の端まで連続していることが好ましい。
このような吸収性物品によれば、着用状態において吸収性物品の中央部を肌側に突出させる変形を生じやすくしつつ、非粘着部によって、第1粘着領域同士が接着する恐れを軽減させたり、第1粘着領域同士が接着した部分が生じた場合でも第1粘着領域同士の接着を剥がしやすくなるため、着用中における着用者の違和感や、吸収性物品の変形による部分的な肌への刺激を軽減させやすくなる。
かかる吸収性物品であって、前記第21粘着部は、前記幅方向の長さよりも、前記前後方向の長さの方が長いことが好ましい。
このような吸収性物品によれば、吸収性物品の前端に近い部分に第21粘着部を設けやすくなり、吸収性物品を着衣に追従させやすくしつつ、第2粘着領域同士が幅方向に接着してしまう恐れを軽減させやすくなる。
かかる吸収性物品であって、前記第11粘着部の前端は、前記高剛性領域の前端より前記前側に設けられ、前記厚さ方向に前記吸収性物品を平面視したき、前記高剛性領域の前端より前記前側において、前記第11粘着部が、前記低剛性領域と重なる部分を有することが好ましい。
このような吸収性物品によれば、高剛性領域における第11粘着部同士が接着するような場合であっても、高剛性領域の前端より前側において低剛性領域と重なる第11粘着部が、着衣の変形に伴って高剛性領域を前側に引っ張りやすくなるため、高剛性領域における第11粘着部同士の接着を剥がしやすくなり、吸収性物品の変形を元に戻しやすくなるため、吸収性物品の変形による着用者の違和感を軽減させやすくなる。
かかる吸収性物品であって、前記第21粘着部の後端は、前記高剛性領域の前端より後側に設けられ、前記厚さ方向に前記吸収性物品を平面視したき、前記高剛性領域の前端より後側において、前記第21粘着部が、前記高剛性領域と重なる部分を有することが好ましい。
このような吸収性物品によれば、高剛性領域における第1粘着領域同士が接着するような場合であっても、高剛性領域の前端より後側において高剛性領域と重なる第21粘着部が、着衣の変形に伴って高剛性領域を前側に引っ張りやすくなるため、高剛性領域における第11粘着部同士の接着を剥がしやすくなり、吸収性物品の変形を元に戻しやすくなるため、吸収性物品の変形による着用者の違和感を軽減させやすくなる。
かかる吸収性物品であって、前記前後方向における中央より前記前側における前記吸収性物品の前記幅方向の長さが最も長い最長部に、前記第21粘着部が設けられていることが好ましい。
このような吸収性物品によれば、第21粘着部によって、吸収性物品の幅方向の長さが最も長い部分を着衣に固定することができるため、着用中の吸収性物品がズレたり変形したりする恐れを軽減させやすくなり、着用者に与える違和感を軽減させやすくなる。
かかる吸収性物品であって、前記吸収性物品の前記幅方向における長さが最も短い最狭部において、前記粘着部の前記幅方向の前記一方側の側端から前記吸収性物品の前記幅方向の前記一方側の側端との間が離間していることが好ましい。
このような吸収性物品によれば、着用中に吸収性物品の幅方向の中央部と側端部を肌側に突出させ、幅方向の中央部と側端部との間の部分を非肌側に突出させる変形を促しやすくなり、着用者の体にフィットさせやすくなる。
かかる吸収性物品であって、前記第11粘着部の前端より、前記第21粘着部の前端の方が前記前側に位置することが好ましい。
このような吸収性物品によれば、高剛性領域の変形の有無に関わらず第21粘着部を着衣に固定した状態を維持しやすくなるため、吸収性物品を着衣への固定を維持しつつ、第11粘着部と第21粘着部だけでなく、幅方向の他方側にも粘着部を備える場合には、第2粘着領域と他の粘着部が接着してしまう恐れを軽減させやすくなる。
かかる吸収性物品であって、前記厚さ方向に圧搾された圧搾部を有し、前記圧搾部は、前記前後方向に沿った前後圧搾部を備え、前記第2粘着領域の少なくとも一部が、前記前後圧搾部よりも前記幅方向の外側に設けられていることが好ましい。
このような吸収性物品によれば、前後圧搾部によって吸収性物品を所望の形への変形を促して、着用者の体にフィットさせやすくしつつ、前後圧搾部より幅方向の外側の第2粘着領域によって、一旦変形した吸収性物品を着衣が元に戻る動きに伴って、吸収性物品の変形を元の形状に戻しやすくすることができる。
かかる吸収性物品であって、前記厚さ方向に圧搾された圧搾部を有し、前記圧搾部は、前記前後方向に沿った前後圧搾部を備え、前記第11粘着部の前端は、前記前後圧搾部の前端より前記前側に設けられており、前記第21粘着部の前端は、前記前後圧搾部の前端より前記前側に設けられていることが好ましい。
このような吸収性物品によれば、前後圧搾部によって吸収性物品を所望の形への変形を促して、着用者の体にフィットさせつつ、前後圧搾部より前側に第11粘着部と第21粘着部の少なくとも一部を設けることで、変形した状態から着衣が元に戻るのに伴って、吸収性物品の変形を元に戻しやすくなるため、着用中の違和感を軽減させやすくなる。
かかる吸収性物品であって、前記厚さ方向に圧搾された圧搾部を有し、前記圧搾部は、前記幅方向に沿った幅圧搾部を備え、前記厚さ方向に前記吸収性物品を平面視したとき、前記幅圧搾部は、前記高剛性領域と重なり、且つ、前記非粘着部を跨いでいることが好ましい。
このような吸収性物品によれば、非粘着部に加えて、非粘着部をまたぐ幅圧搾部を備えることで、第11粘着部同士が接着する恐れを軽減させやすくなる。
かかる吸収性物品であって、前記吸収体は、第1吸収性コアと、前記厚さ方向において前記第1吸収性コアより非肌側に配置された第2吸収性コアを有し、前記厚さ方向に前記吸収体を平面視したとき、前記高剛性領域は、前記第1吸収性コアと前記第2吸収性コアとが重なる部分であり、前記低剛性領域は、前記第1吸収性コアと前記第2吸収性コアとが重ならない部分であり、前記第1吸収性コアは、前記第2吸収性コアよりも高吸収性ポリマーの坪量が多く、前記厚さ方向に前記吸収性物品を平面視したとき、前記第2粘着領域が、前記第1吸収性コアと重ならない部分を有することが好ましい。
このような吸収性物品によれば、着用中に、液体を吸収して第1吸収性コアの高吸収性ポリマーが膨潤し、高剛性領域の剛性が高くなることで着用者の身体に追従しづらくなり、平面視において高剛性領域と重なる部分における粘着部と着衣との接着がはがれやすい場合であっても、第1吸収体と重ならない第2粘着領域が着衣との接着を維持しやすくなるため、着衣と吸収性物品との固着を維持しやすくなる。
かかる吸収性物品であって、前記第11粘着部の前記幅方向における最も前記一方側の側端が、前記高剛性領域の前記幅方向の前記一方側の側端より前記一方側に設けられ、前記厚さ方向に前記吸収性物品を平面視したとき、前記幅方向における前記高剛性領域の前記一方側より外側において、前記第11粘着部が、前記低剛性領域と重なる部分を有することが好ましい。
このような吸収性物品によれば、着用時に着用者の脚によって、吸収性物品の幅方向の両側から力が加えられた場合でも、着用者の脚による力が緩められると、幅方向における高剛性領域の一方側より外側で幅方向に縮められた着衣が元に戻るのに伴い、低剛性領域と重なる第11粘着部が、高剛性領域の変形を元に戻しやすくなるため、吸収性物品の変形による着用者の違和感を軽減させやすくなる。
かかる吸収性物品であって、前記第21粘着部の前記幅方向の他方側の側端が、前記高剛性領域の前記幅方向の前記一方側の側端より前記他方側に設けられ、前記厚さ方向に前記吸収性物品を平面視したとき、前記幅方向における前記高剛性領域の前記一方側より内側において、前記第21粘着部が、前記低剛性領域と重なる部分を有することが好ましい。
このような吸収性物品によれば、着用時に着用者の脚によって、吸収性物品の幅方向の両側から力が加えられた場合でも、着用者の脚による力が緩められると、幅方向における高剛性領域の一方側より外側において、幅方向に縮められた着衣が元に戻るのに伴い、高剛性領域と重なる第21粘着部が、高剛性領域の変形を元に戻しやすくなるため、吸収性物品の変形による着用者の違和感を軽減させやすくなる。
かかる吸収性物品であって、前記幅方向の前記一方側において、前記第11粘着部と前記第21粘着部とは、所定距離だけ離間しており、前記非粘着部の前記幅方向の長さが、前記所定距離より長いことが好ましい。
このような吸収性物品によれば、非粘着部の幅方向の長さが、第11粘着部と第21粘着部との離間距離よりも長い場合よりも、第11粘着部及び第21粘着部の面積をより大きく設けやすくなったり、非粘着部によって第11粘着部同士の接着を防ぎやすくなるため、吸収性物品の変形を元に戻しやすくなり、着用時の着用者の違和感を軽減させやすくなる。
上述の吸収性物品が包装材に包装された吸収性物品包装体であって、展開状態において、前記吸収性物品は、前記幅方向に沿った複数の折り線部を有し、複数の折り線部は、最も前側に位置する前側折り線部を有し、前記厚さ方向に前記吸収性物品包装体を平面視したとき、前記前側折り線部は、前記高剛性領域と重なる部分を有し、前記第21粘着部の少なくとも一部は、前記前側折り線部よりも前側に設けられていることを特徴とする吸収性物品包装体である。
このような吸収性物品包装体によれば、高剛性領域の剛性によって、前側折り線部による折り癖を軽減させ、且つ、前側折り線部の折り癖が形成された場合でも、前側折り線部より前側に位置する第21粘着部を着衣に固定した状態を維持しやすくなるため、吸収性物品の変形を元に戻しやすくして、着用者の違和感を軽減させやすくなる。
上述の吸収性物品が包装材に包装された吸収性物品包装体であって、前記粘着部と前記包装材との間に剥離シートを有し、前記剥離シートは、前記粘着部と分離可能に固定されており、展開状態において、前記厚さ方向に前記吸収性物品包装体を平面視したとき、前記高剛性領域と前記低剛性領域との境界の少なくとも一部が、前記剥離シートと重なることを特徴とする吸収性物品包装体ことが好ましい。
このような吸収性物品包装体によれば、吸収性物品の高剛性領域と低剛性領域との境界は、剛性差によって変形しやすい部分であるため、高剛性領域と低剛性領域との境界と剥離シートとを重ねることで、変形の恐れを軽減させやすくなる。
===第1実施形態===
以下、本実施形態に係る吸収性物品の一例として、軽失禁パッドを例に挙げて説明する。ただし、吸収性物品は軽失禁パッドに限定されず、他の吸収性物品として、例えば、生理用ナプキンやパンティライナ等の着用者の着衣に固定して着用する吸収性物品が挙げられる。
===軽失禁パッド1の基本構成===
図1は、伸長状態である軽失禁パッド1(以下、「パッド1」ともいう。)を肌側から見た平面図である。図2は、伸長状態であるパッド1を非肌側から見た平面図である。図3は、図1のC-Cにおけるパッド1のA-A矢視概略断面図である。なお、パッド1の伸長状態とは、パッド1を皺なく伸長させた状態である。具体的には、パッド1を構成する各資材の寸法が、パッド1が有する弾性部材の影響を受けない状態で、その資材単体の寸法と一致又はそれに近い長さになるまで、パッド1を伸長させた状態である。
パッド1は、前後方向と幅方向と厚さ方向を有する。厚さ方向において着用者の肌に当接する側が肌側であり、その反対側が非肌側であり、前後方向において、着用者の腹側に設けられる側が前側であり、着用者の背側に設けられる側が後側である。本実施形態のパッド1は前後方向に対称な構成となっている。なお、図1等におけるC-Cは、前後方向における中央線であり、X-Xは、幅方向における中央線である。
また、パッド1は、吸収体2を有する。吸収体2は、図3に示すように、第1吸収性コア41を備える第1吸収体40と、第2吸収性コア51を備え、厚さ方向において第1吸収体40よりも非肌側に配置された第2吸収体50と、を備えた多層吸収体である。各資材はホットメルト等の接着剤A1~A11で接合されている。
「多層吸収体」とは、厚さ方向に複数の吸収体が重ねられたものをいう。パッド1の吸収体2は、第1吸収体40と、厚さ方向において第1吸収体40よりも非肌側に配置された第2吸収体50を有する多層吸収体である。吸収体2は、まず、肌側に配置された第1吸収体40が排泄液を吸収し、第1吸収体40が吸収した排泄液を、第1吸収体より非肌側に配置された第2吸収体50が吸収することで、より多くの排泄液を吸収することができるとともに、第1吸収体40で吸収した排泄液を第2吸収体50に移動させるため、第1吸収体40に残存する排泄液を減少させ、着用時の肌触りを向上させることができる。
第1吸収体40は、第1吸収性コア41と、第1吸収性コア41の肌側面を覆う第1肌側コアラップ42と、第1吸収性コア41の非肌側面を覆う第1非肌側コアラップ43とを有する。
第1吸収性コア41は、高吸収性ポリマー(以下「SAP」とも呼ぶ)で構成されている。本実施形態の第1吸収性コア41はパルプ繊維等の液体吸収性繊維を有さず、SAPのみで構成される。第1吸収性コア41の液体吸収性繊維(パルプ繊維)の坪量が少なくする、又はゼロとすることで、第1吸収性コア41の厚みを薄くすることができる。また、液体吸収性繊維を少なくするほど、成形された液体吸収性繊維が着用者の動きや排泄液の吸収によって崩れにくく、第1吸収体40がヨレ難くなる。第1肌側コアラップ42及び第1非肌側コアラップ43は、液透過性のシートであり、不織布等を採用できる。
第1肌側コアラップ42の幅方向の両端部は、第1吸収性コア41及び第1非肌側コアラップ43の幅方向の両端縁を巻き込むようにして、第1非肌側コアラップ43の非肌側面上の一部に折り返されている。その第1肌側コアラップ42の折返し部と、第1非肌側コアラップ43との間には、香料47が配置されている。香料47によって、排泄液の臭いをマスキングしたり、パッド1を使用することへの着用者の不安な気持ちや憂鬱さを緩和したりすることができる。
第2吸収体50は、第2吸収性コア51と、第2吸収性コア51の肌側面を覆う第2肌側コアラップ52と、第2吸収性コア51の非肌側面を覆う第2非肌側コアラップ53とを有する。
第2吸収性コア51は、パルプ繊維やセルロース系吸収性繊維等の液体吸収性繊維が所定の形状に成形されたものである。液体吸収性繊維に、高吸収性ポリマー(SAP)が加えられていてもよいし、加えられていなくてもよい。第1肌側コアラップ52及び第2非肌側コアラップ53は、液透過性のシートであり、例えば、ティッシュや不織布等を採用できる。
第1肌側コアラップ42よりも肌側に配置された表面シート44と、表面シート44と第1肌側コアラップ42の間に配置された中間シート45と、表面シート44の幅方向の両端部に配置された一対のサイドシート61と、を有する。また、第2非肌側コアラップ53よりも非肌側に配置されたバックシート54を有する。
吸収体2は、高剛性領域H(後述)と、高剛性領域Hより剛性が低い低剛性領域L(低剛性)を備える。多層吸収体である吸収体2のうち、吸収体2を厚さ方向に平面視したとき、第1吸収性コア41と第2吸収性コア51とが重なる領域が高剛性領域Hであり、第1吸収性コア41と第2吸収性コア51とが重ならない領域が低剛性領域Lである。
なお、吸収体2の高剛性領域Hと低剛性領域Lは、必ずしも吸収体の重なり(多層吸収体)によるものでなくてもよい。例えば、吸収性コアを構成する素材による剛性の差であってもよく、吸収性コアが備える液体吸収性繊維の坪量の差による剛性の差であってもよい。
「剛性」とは、第1吸収性コア41及び第2吸収性コア51がそれぞれ外力を受けた場合の変形のしやすさのことを言う。剛性の高低を比較するための剛性値としては、例えば、ガーレー剛軟度によって測定された値をサンプル片の長さで割った値を例示できる。ガーレー剛軟度の測定は、(株)安田精機製作所製のNo311のガーレー式柔軟度試験機を用いて、JIS-L1096に準拠して測定することが可能である。その他、第1吸収性コア41と第2吸収性コア51を構成する部材や目付の違いを目視で比較したり、第1吸収性コア41と第2吸収性コア51を切り出して質量を測定し、その質量を面積で除した値(g/cm2)で比較したりしてもよい。
パッド1のように、吸収性物品を軽失禁用として用いる場合には、吸収体2が吸収することができる液体の最大重量(保水量)が、着用前(パッド1を後述の包装材101から取り出した状態)のパッド1の重量の5倍以上であることが好ましい。新しいパッド1を着用した直後には、パッド1の重量をほとんど実感できないくらいに軽いことで、パッド1を長時間使用した場合でも、着用者に対しストレスや違和感を与えにくくなる。一方、着用前のパッド1の重量の5倍以上の液体を吸収できる吸収体2を備えることで、吸収体2が確実に排泄物を吸収することができ、パッド1から排泄物(尿等の液体)が漏れる恐れを軽減させることができる。また、より多くの排泄物を保水した状態でパッド1の重量が重くなっても、粘着部3(粘着部)によって、着衣に固定した状態を維持することができる。
吸収体2が吸収することができる液体の最大重量の測定は、周知の方法で行うことができる。例えば、まず、着用前(パッド1を包装材101から取り出した状態)の吸収体2の重量を直示天秤(例えば、研精工業株式会社製 電子天秤HF-300)で測定し、吸収前の吸収体2の重量を得る。次に、吸収体2をプレート状の容器に注いだ生理食塩水(0.9%NaCl溶液)に30分間浸す。30分経過後、吸収体2の両側を竿に固定したクリップに留めて吊持した状態のまま10分間放置する。そして、脱水機(150G)の中に吸収体2を入れて90秒間脱水した後の重量を測定し、(脱水後の重量(g)-着用前の吸収体2の重量(g))の算式によって保水量を求めることができる。
表面シート44、及び中間シート45は、液透過性のシートとする。液透過性のシートには、不織布(例えばエアスルー不織布やスパンボンド不織布等)や、貫通孔を有する合成樹脂フィルム等を採用できる。バックシート54は、液不透過性のシートとする。液不透過性のシートには、ポリエチレン(PE)やポリポロピレン(PP)等の合成樹脂フィルムや、合成樹脂フィルム及び不織布の複合シート等を採用できる。
サイドシート61は、液不透過性のシートであり、レッグサイドギャザー60を構成する。一対のレッグサイドギャザー60は、脚繰りの隙間からの液漏れを防ぐための立体ギャザーである。レッグサイドギャザー60には、前後方向に伸長可能な糸ゴム(弾性部材)62が、所定箇所で折られたサイドシート61に挟まれた状態で、且つ、前後方向に伸長した状態で固定されている。レッグサイドギャザー60は、パッド1の前側の端から後側の端に亘って、前後方向に沿って形成されている。パッド1の着用時には、糸ゴム62よりも幅方向の内側の領域が、糸ゴム62の収縮により接着剤A9で接合された部分を基点として肌側に立ち上がり、排泄物等の横漏れを抑制する。なお、糸ゴム62(糸状の弾性部材)の代わりに、伸縮性フィルム等のシート状の弾性部材を配置してもよい。また、糸ゴム62の数は任意の数とすることができる。また、図1及び図2には、糸ゴム62のうち、伸縮性が発現される伸縮部62a~62bのみを示す。
パッド1は、パッド1が厚さ方向に凹んだ圧搾部70を有する。本実施形態の圧搾部70は、厚さ方向において表面シート44から第2吸収体50にかけて肌側から圧搾されている。圧搾部70では、周囲に比べてパッド1の繊維密度が高まる。そのため、パッド1に圧搾部70が設けられることで、パッド1は型崩れし難くなり、ヨレ難くなる。
圧搾部70は、前後方向に沿い、かつ、幅方向に間隔をあけて配置された一対の前後圧搾部71と、一対の前後圧搾部71の間において幅方向に沿い、かつ、前後方向に間隔をあけて配置された一対の幅圧搾部72と、を有する。前後圧搾部71は、吸収した排泄物を前後方向に促しつつ、パッド1の前後方向に沿った変形を促しやすい。幅圧搾部72は、吸収した排泄物を幅方向に促しつつ、パッド1の幅方向に沿った変形を促しやすい。前後圧搾部71は、パッド1の前後方向の中央部において(つまり着用者の股下部に当接する領域において)、幅方向の内側に凸に湾曲した形状を成す。幅圧搾部72は、前後方向の外側に凸に湾曲した形状を成す。
ただし、図1に例示する圧搾部70の形状や数や配置位置は一例であり、これに限定されるものではない。また、前後方向や幅方向に延びた線状の圧搾部70(71,72)は、各方向に連続してパッド1が凹んだ溝状の圧搾部であってもよいし、複数の点状の圧搾部が線状に並んだ圧搾部であってもよい。さらに、圧搾部70は、第1吸収体40と第2吸収体50を個別に圧搾するものであってもよく、第1吸収体40と第2吸収体50を個別に圧搾する圧搾部と、第1吸収体40から第2吸収体50に亘る圧搾部の両方がパッド1に設けられていてもよい。また、パッド1が圧搾部70を有していなくてもよい。
バックシート54の非肌側面(パッド1の非肌側面)には、ホットメルト接着剤が塗布される等による粘着部3が設けられている。粘着部3は、所謂「ズレ止め」であり、着用者の下着等の着衣の肌側面に貼付され、パッド1は着衣に固定された状態で使用される。図2等に示すように、粘着部3は、幅方向に間隔をあけて配置された一対の中央粘着領域(第1粘着領域)10と、中央粘着領域10よりも幅方向の外側に配置されたサイド粘着領域(第2粘着領域)20と、を有する。
中央粘着領域10は、前後方向に長辺を有する長方形状であり、パッド1の前後方向の一端部から他端部に亘り前後方向に連続して配置されている。中央粘着領域10は、前後方向における中央C-Cより前側に第11粘着部11を備え、前後方向における中央C-Cより後側に第12粘着部12を備える。また、第11粘着部11は、幅方向において、中央X-Xより一方側に一方側第11粘着部11a、中央X-Xより他方側に他方側第11粘着部11bを備え、第12粘着部12は、幅方向おいて、中央X-Xより一方側に一方側第12粘着部12a、中央X-Xより他方側に他方側第12粘着部12bを備える。本実施形態のパッド1の中央粘着領域10は、幅方向の一方側に位置する一方側第11粘着部11aと一方側第12粘着部12aが連続し、幅方向の他方側に位置する他方側第11粘着部11bと他方側第12粘着部12bが連続しており、一対の矩形形状からなる粘着領域である。
サイド粘着領域20は、前後方向に長辺を有する長方形状であり、中央粘着領域10に比べて前後方向の長さが短い4個の粘着部からなる。サイド粘着領域20のうち2個は、パッド1の前側に配置され、別の2個は、パッド1の後側に配置されている。換言すると、中央粘着領域10の幅方向の外側では、一対のサイド粘着領域20が前後方向に間隔をあけて配置されている。具体的には、サイド粘着領域20は、前後方向における中央C-Cより前側で、且つ、幅方向における中央X-Xより一方側に第21粘着部21と、前後方向における中央C-Cより前側で、且つ、幅方向における中央X-Xより他方側に第22粘着部22と、前後方向における中央C-Cより後側で、且つ、幅方向における中央X-Xより一方側に第23粘着部23と、前後方向における中央C-Cより後側で、且つ、幅方向における中央X-Xより他方側に第24粘着部24を備える。本実施形態の第21粘着部21、第22粘着部22、第23粘着部23、第24粘着部24は、同じ形状で、同じ大きさの粘着部であるが、それぞれ異なる形状で、異なる大きさであってもよい。
以上、パッド1の基本構成を説明したが、上記のパッド1の構成は一例であり、これに限定されるものではない。例えば、パッド1の平面形状が前後方向に非対称な形状であってもよいし、パッド1が中間シート45や香料47を有していなくてもよい。また、第1吸収性コア41や第2吸収性コア51がそれぞれ1枚のコアラップで包まれていてもよい。
===吸収体2の剛性と粘着部3について===
図4は、着用状態のパッド1を説明する模式図である。図4Aは、着用状態で、且つ、パッド1の幅方向の外側から内側に向かって力が加えられていない状態を示しており、図4Bは、着用状態で、且つ、パッド1の幅方向の外側から内側に向かって力が加えられた状態を示している。図4A及び図4Bは、着用時におけるパッド1の前後方向における中央C-Cにおける断面を模式的に示した図である。
パッド1のように、着用者の着衣に固定して着用する吸収性物品では、着用者の身体の動きと着衣のずれにより、吸収性物品が変形することがある。図4Aに示すように、新しいパッド1を着用した直後は、パッド1が略水平な状態であるが、着用者の脚で着衣及びパッド1に幅方向の外側から内側に力が加えられると、着衣が幅方向に縮められて、パッド1の幅方向の中央部及び端部が肌側に突出し、幅方向の中央部と端部との間の部分が非肌側に突出すると、図4Bに示すように、前後方向に沿って見たパッド1がW形状になるように変形して、パッド1の幅方向の中央部を、着用者が排泄物を排泄する排泄口により近づけて、着用者の身体にフィットしやすくなる。そして、このパッド1のW形状は、幅方向の外側からの力が緩められて、着衣が変形前の位置及び形状に戻るのに伴って、パッド1を幅方向の外側に向かって引っ張ることで、図4Aに示すような変形前のパッド1の形状となることが好ましい。
しかしながら、人間の動きは複雑であり、着用状態のパッド1には、あらゆる方向から力を加えられるため、パッド1の変形は、幅方向に向かって縮められるだけでなく、パッド1が捻れてしまったり、不規則に折れ曲がったりする。そのため、パッド1の非肌側面に設けられた粘着部3同士が接着し、一旦、粘着部3同士が接着してしまうと、その接着を剥がすのが難しく、パッド1の変形が元に戻りづらくなってしまう恐れがある。
特に、パッド1のように、高剛性領域を備える吸収体2は、高剛性領域によって、吸収体2(パッド1)の変形を抑制しているものの、一旦、吸収体2(パッド1)が折れ曲がる等の変形が生じると、所謂折り癖となり、その変形を維持しやすくなってしまう。さらに、パッド1の変形によって、非肌側面の粘着部3同士がくっついてしまうと、パッド1の変形を元の形状に戻すことが困難となり、変形した状態のパッド1は、着用者に違和感を与えてしまったり、変形し折れ曲がることで生じたパッド1の角が着用者の肌に対して部分的な刺激を与えてしまったり、変形によって、排泄物等をパッド1で適切に受け止められず、排泄物がパッド1から漏れてしまったりする恐れがあった。
これに対し、パッド1は、図5及び図6に示すように、厚さ方向にパッド1を平面視したとき、第11粘着部11が、高剛性領域Hと重なる部分を有し、第21粘着部21が、低剛性領域Lと重なる部分を有し、高剛性領域Hと重なる部分に、粘着部3が設けられていない非粘着部31が設けられ、非粘着部31は、第11粘着部11と高剛性領域Hとが重なる部分に、幅方向の両側から挟まれており、パッド1の幅方向の一方側において、第21粘着部21の幅方向の一方側における側端は、第11粘着部11のうちの高剛性領域Hと重なる部分の、幅方向の一方側における側端よりも外側に設けられている。
図5は、図2の平面図に高剛性領域Hと低剛性領域Lを厚さ方向に重ねて示した図である。図6は、図5中のパッド1の前側を拡大して示す図である。図5及び図6は、パッド1を非肌側から見た平面図に、高剛性領域Hを左斜め下がりの斜線で示し、低剛性領域Lを右斜め下がりの斜線で示している。
具体的には、パッド1は、上述の通り、吸収体2を厚さ方向に平面視したとき、高剛性領域Hは、第1吸収性コア41と第2吸収性コア51とが重なる領域であり、低剛性領域Lは、第1吸収性コア41と第2吸収性コア51とが重ならない領域であり、第1吸収性コア41より外側の第2吸収性コア51の領域である。図5等に示すように、パッド1の吸収体2を平面視したとき、第1吸収性コア41が第2吸収性コア51の内側に納まる大きさであるため、高剛性領域Hの前端Hfは第1吸収性コア41の前端の位置であり、高剛性領域Hの後端Hbは第1吸収性コア41の後端の位置である。
厚さ方向にパッド1を平面視したとき、中央粘着領域10のうち、前後方向における中央C-Cより前側に位置する第11粘着部11は、高剛性領域Hと重なる部分を有しており、より具体的には、厚さ方向にパッド1を平面視したとき、一方側第11粘着部11aと他方側第11粘着部11bについて、それぞれ一方側第11粘着部11aの後側の部分と他方側第11粘着部11bの後側の部分が高剛性領域Hと重なる。
厚さ方向にパッド1を平面視したときに、高剛性領域Hと重なる部分を有する位置に第11粘着部11を設けることで、吸収体2のうち、排泄物をより多く吸収可能な部分を着用者の着衣に固定しやすくなるため、吸収体2が排泄物を吸収しやすくなる。
また、パッド1には、厚さ方向にパッド1を平面視したとき、高剛性領域Hと重なる部分に、粘着部3が設けられていない非粘着部31が設けられている。この非粘着部31は、第11粘着部11と高剛性領域Hとが重なる部分に、幅方向の両側から挟まれている。本実施形態では、図5等に示すように、パッド1の前後方向における中央C-Cより前側において、非粘着部31は、幅方向において、一方側第11粘着部11aと他方側第11粘着部11bとの間に設けられており、一方側第11粘着部11aと高剛性領域Hとが重なる部分と、他方側第11粘着部11bと高剛性領域Hとが重なる部分に、幅方向の両側から挟まれている。
着用中に、着用者の動き等によって、パッド1の非肌側面に設けられた粘着部3同士が接着した場合でも、粘着部3と非粘着部31とが当接する部分を生じやすくなり、粘着部3と非粘着部31とが当接する部分が、粘着部3同士が接着してしまった部分を引きはがすための起点となり得るため、非粘着部31を有さない場合よりも粘着部3同士の接着を剥がしやすくなる。
厚さ方向にパッド1を平面視したとき、サイド粘着領域20のうち、前後方向における中央C-Cより前側で、且つ、幅方向における中央X-Xより一方側に位置する第21粘着部21は、低剛性領域Lと重なる部分を有している。本実施形態のパッド1では、厚さ方向にパッド1を平面視したとき、第21粘着部21の前側の部分が低剛性領域Lと重なる。さらに、パッド1の幅方向の一方側において、第21粘着部21の幅方向の一方側における側端は、一方側第11粘着部11aのうちの高剛性領域Hと重なる部分の、幅方向の一方側における側端11aeよりも外側に設けられている。なお、図5及び図6の側端11aeは、一方側第11粘着部11aの側端であり、平面視で、一方側第11粘着部11aと高剛性領域Hとが重なる部分の幅方向の一方側における側端でもある。
低剛性領域Lは、高剛性領域Hよりも剛性が低い領域であるため、厚さ方向にパッド1を平面視したとき、低剛性領域Lと重なる部分に設けられた第21粘着部21の着衣への接着による追従性は、高剛性領域Hと重なる部分に設けられた粘着部3の着衣への接着による追従性よりも高い。具体的には、図5及び図6に示すように、幅方向の一方側において、第21粘着部21のうち、高剛性領域Hと重ならない部分における追従性は、平面視で高剛性領域Hと重なる位置に設けられた一方側第11粘着部11aにおける追従性よりも高い。そのため、パッド1の前後方向の中央C-Cより前側で、且つ幅方向の一方側において、平面視で、第21粘着部21が低剛性領域Lと重なる部分は、一方側第11粘着部11aと重なる高剛性領域Hの部分が変形した場合でも、高剛性領域Hの変形の有無に関わらず、着衣への接着を維持し、着衣に追従する状態を維持しやすい。パッド1及び着衣が変形してしまった場合に、着衣に対して変形前の位置及び変形前の形状に戻す力(以下、「着衣の復元力」ともいう。)が加えられると、まず、追従性の高い第21粘着部21が変形前の状態に戻りやすくなる。そして、着衣の復元力によって、第21粘着部21が幅方向の一方側に向かって一方側第11粘着部11aのうちの高剛性領域Hと重なる部分を引っ張ることで、変形前の状態に戻りやすくなる。このように、パッド1のように、吸収体2が高剛性領域Hを有し、変形したり、高剛性領域Hに折り癖が生じたり、パッド1の非肌側面の粘着部3同士が接着してしまった場合でも、着衣の復元力が加えられると、平面視で低剛性領域Lと重なる部分に設けられた第21粘着部21が変形前の位置及び形状に戻ることに伴って、一方側第粘着部11aと重なる部分を有する高剛性領域Hを変形前の元の位置に戻りやすくしたり、粘着部3同士の接着を剥離させやすくすることができ、パッド1の前側で、且つ、幅方向の一方側を変形前の元の形状に復元しやすくなる。
このように、パッド1は、着用中における、パッド1の前側且つ幅方向の一方側の着衣へのパッド1の追従性を向上させ、パッド1の非肌側面の粘着部3同士が接着した場合でも、パッド1の変形を元に戻しやすくすることで、着用者の違和感を緩和させたり、着用者の肌へのパッド1の変形による部分的な刺激を軽減させたり、排泄物がパッド1の外側に漏れてしまったりする恐れを軽減させることができる。なお、本実施形態のパッド1のサイド粘着部20は、第21粘着部21だけでなく、第22粘着部22、第23粘着部23、第24粘着部24を備えたが、必ずしも4個の粘着部を備えていなくてもよい。少なくとも第21粘着部21を備えることで、パッド1の前側で、且つ、幅方向の一方側を変形前の元の形状に復元しやすくなる。
第11粘着部11と同様に、厚さ方向にパッド1を平面視したとき、中央粘着領域10のうち、第12粘着部12が、高剛性領域Hと重なる部分を有することが好ましく、本実施形態では、厚さ方向にパッド1を平面視したとき、一方側第12粘着部12aと他方側第12粘着部12bについて、それぞれ一方側第12粘着部12aの前側の部分と他方側第12粘着部12bの前側の部分が高剛性領域Hと重なる。これによって、パッド1の前側だけでなく、後側についても、パッド1を変形前の元の形状に戻しやすくなる。
同様に、厚さ方向にパッド1を平面視したとき、前後方向における中央C-Cより前側で、且つ、幅方向における中央X-Xより他方側に位置する第22粘着部22が低剛性領域Lと重なる部分を有することが好ましい。本実施形態では、厚さ方向にパッド1を平面視したとき、第22粘着部22の前側の部分が低剛性領域Lと重なる。また、パッド1の幅方向の他方側において、第22粘着部22の幅方向の他方側における側端が、他方側第11粘着部11bのうちの高剛性領域Hと重なる部分の、幅方向の他方側における側端11beよりも外側に設けられていることが好ましい。これによって、パッド1の幅方向における一方側だけでなく、他方側についても、パッド1を変形前の元の形状に戻しやすくなる。なお、図5及び図6の側端11beは、他方側第11粘着部11bの側端であり、平面視で、他方側第11粘着部11bと高剛性領域Hとが重なる部分の幅方向の他方側における側端でもある。
さらに、第2粘着領域20が、4つの粘着部(第21粘着部21、第22粘着部22、第23粘着部23、第24粘着部24)を備え、前後方向における中央C-Cより後側に位置する第23粘着部23及び第24粘着部24も低剛性領域Lと重なる部分を有することがより好ましい。本実施形態では、厚さ方向にパッド1を平面視したとき、第23粘着部23及び第24粘着部24の後側の部分が低剛性領域Lと重なる。パッド1の幅方向の一方側において、第23粘着部23の幅方向の一方側における側端が、第12粘着部12aのうち高剛性領域Hと重なる部分の、幅方向の一方側における側端12aeよりも外側に設けられ、パッド1の幅方向の他方側において、第24粘着部24の幅方向の他方側における側端は、第12粘着部12bのうちの高剛性領域Hと重なる部分の、幅方向の他方側における側端12beよりも外側に設けられていることが好ましい。これによって、パッド1の前側だけでなく、後側についても、パッド1を変形前の元の形状に戻しやすくなる。
また、非粘着部31が、幅方向における中央部に設けられ、第11粘着部11の前側の端から後側の端まで連続していることが好ましく、図5に示すように、非粘着部31が、幅方向の中央粘着領域10の前側の端から後側の端まで連続していることが好ましい。
着用状態において、第11粘着部11が着衣に固定される一方で、幅方向において第11粘着部11(11a、11b)から挟まれた非粘着部31は、着衣に固定されていない部分となるため、図4Bに示すように、幅方向の中央部を肌側に突出させる変形を生じやすい。また、パッド1が、幅方向の中央部を肌側に過度に突出したり、着用者による捻れ等の変則的な動きによって、中央粘着領域10同士が接着してしまう部分が生じた場合であっても、中央粘着領域10の前側の端から後側の端まで連続していることで、中央粘着領域10と非粘着部31とが接触する部分を設けやすくなり、中央粘着領域10同士の接着を剥がしやすくなる。そのため、着用中の着用者の違和感や、パッド1の変形による部分的な肌への刺激を軽減させやすくなる。
中央粘着領域10について、第11粘着部11の前端が、高剛性領域Hの前端Hfより前側に設けられ、厚さ方向にパッド1を平面視したとき、高剛性領域Hの前端Hfより前側において、第11粘着部11が、低剛性領域Lと重なる部分を有することが好ましい。具体的には、パッド1は、図5及び図6に示すように、一方側第11粘着部11aの前端、及び他方側第11粘着部11bの前端が、高剛性領域Hの前端Hfより前側に設けられている。そして、厚さ方向にパッド1を平面視したとき、高剛性領域の前端Hfより前側において、一方側第11粘着部11aの前側の端部が低剛性領域Lと重なり、他方側第11粘着部11bの前側の端部が低剛性領域Lと重なる。つまり、パッド1の前側において、第11粘着部11は、低剛性領域Lから高剛性領域Hに亘って設けられている。
低剛性領域Lから高剛性領域Hに亘って設けられた第11粘着部11によって、着用状態において、着衣及びパッド1が変形したり、第11粘着部11同士が接着してしまった場合でも、着衣を前側に向かって引っ張り、元の位置に戻すと、高剛性領域Hの前端Hfより前側における、着衣に追従しやすい低剛性領域Lと重なる第11粘着部11は、高剛性領域Hと重なる部分と連続しているため、低剛性領域Lだけでなく、高剛性領域Hと重なる部分にも前側に引っ張りやすくなり、高剛性領域Hにおけるパッド1の変形を元の形状に戻しやすく、第11粘着部11同士の接着を剥がしやすく、着用中の着用者の違和感を軽減させやすくなる。
サイド粘着領域20について、図6に示すように、第21粘着部21の幅方向の長さW20より前後方向の長さT20の方が長いことが好ましい(W20<T20)。これによって、パッド1の前端に近い部分に第21粘着部21を設けやすくなり、パッド1の着衣への追従性を向上させつつ、第21粘着部21の幅方向の長さW20が前後方向の長さT20より長い場合よりも、サイド粘着領域20同士(第21粘着部21同士、又は第21粘着部21と第22粘着部22)が幅方向に接着してしまう恐れを軽減させやすくなる。
同様に、第22粘着部22の幅方向の長さより前後方向の長さが長いことが好ましい。パッド1において、幅方向における一方側だけでなく他方側についても、パッド1への着衣への追従性を向上させつつ、サイド粘着領域20同士が幅方向に接着する恐れを軽減させることができる。さらに、第23粘着部23の幅方向の長さより前後方向の長さが長いことが好ましく、第24粘着部24の幅方向の長さより前後方向の長さが長いことが好ましい。パッド1における後側においても、着衣への追従性を向上させつつ、サイド粘着領域20同士の接着を軽減させやすくなる。
図6に示すように、非粘着部31の幅方向の長さW31が、第22粘着部22の幅方向W20の長さよりも長いことが好ましい(W31>W20)。非粘着部31の幅方向の長さW31が、第22粘着部22の幅方向の長さW20の長さより短い場合よりも、第11粘着部11(11a、11b)同士の間隔を広くすることができるため、第11粘着部11同士が接着する恐れを軽減させやすくなる。
また、第21粘着部21の後端は、高剛性領域Hの前端Hfより後側に設けられ、厚さ方向にパッド1を平面視したとき、高剛性領域Hの前端Hfより後側において、第21粘着部21が、高剛性領域Hと重なる部分を有することが好ましい。つまり、パッド1は、図5及び図6に示すように、パッド1の前側において、第21粘着部21が、低剛性領域Lから高剛性領域Hに亘って設けられていることが好ましい。
これによって、着衣及びパッド1が前後方向に縮められるように変形したり、平面視で高剛性領域Hと重なる中央粘着領域10同士が接着するような場合であっても、高剛性領域Hの前端Hfより後側において、高剛性領域Hと重なる第21粘着部21は、低剛性領域Lと重なる部分に連続しているため、着衣の復元力により、着衣に追従して、高剛性領域Hを前側に引っ張りやすくなるため、高剛性領域Hの変形を、変形前の幅方向の外側に広がった、水平な形状に戻しやすくなり、中央粘着領域10同士の接着もはがしやすくなるため、着用者に与える違和感を軽減させやすくなる。
図5及び図6に示すように、第11粘着部11の前端より、第21粘着部21の前端の方が前側に位置することが好ましい。具体的には、パッド1の幅方向の一方側において、一方側第11粘着部11aの前端より第21粘着部21の前端の方が前側に位置しており、第21粘着部21が一方側第11粘着部11aより前側に突出している。
平面視で高剛性領域Hと重なる部分を有する第11粘着部11よりも前側に第21粘着部21を設けることで、高剛性領域Hの変形の有無に関わらず第21粘着部21を着衣に固定した状態を維持しやすくなるため、パッド1を着衣に固定及び追従させた状態を維持しやすくなる。また、図5等に示すように、第11粘着部11と第21粘着部21だけでなく、第22粘着部22等の他の粘着部を備える場合であっても、幅方向において、第21粘着部21と第22粘着部22とを離間させた状態とすることができ、第21粘着部21が第11粘着部11や第22粘着部22と接着する恐れを軽減させやすくなる。
図6に、パッド1の前後方向における中央より前側におけるパッド1の幅方向の長さが最も長い最長部M-Mを示し、パッド1の幅方向における長さが最も短い最狭部N-Nを示している。本実施形態のパッド1の最長部M-Mは、高剛性領域Hより前側に設けられており、最狭部N-Nは、前後方向における中央部である。
この最長部M-Mには、第21粘着部21が設けられていることが好ましい。パッド1の前側において、最長部M-Mに第21粘着部21を設けることで、幅方向の長さが最も長い部分を着衣に固定し、着衣に追従させることができるため、着用状態でパッド1が着衣からずれてしまったり、変形したりする恐れを軽減させやすくなり、着用者に与える違和感を軽減させやすくなる。
また、最狭部N-Nにおいて、粘着部3の幅方向の一方側の側端からパッド1の幅方向の一方側の側端との間が離間していることが好ましい。本実施形態のパッド1は、最狭部N-Nには、粘着部3として第11粘着部11が設けられている。そして、最狭部N-Nにおいて、一方側第11粘着部11aの一方側の側端と、パッド1の幅方向の一方側の側端との間が離間しており、最狭部N-Nでは、一方側第11粘着部11aより幅方向の外側は、粘着部3が設けられていない。これによって、着用状態において、パッド1を図4Bに示すように、幅方向における一方側第11粘着部11aより一方側の部分を、着衣に固定せずに、肌側に向かって突出する変形が生じやすくなるため、パッド1に幅方向の外側から肌側に向かって力が加えられた場合でも、パッド1を着用者の身体に沿った形状(W形状)に変形させやすくなり、着用者の身体にフィットさせやすくなる。
サイド粘着領域20について、サイド粘着領域20の少なくとも一部が、前後圧搾部71よりも幅方向の外側に設けられていることが好ましい。前後圧搾部71によって、パッド1を、前後方向に沿って折れ曲がるような所望の形への変形を促して、パッド1を着用者の身体にフィットさせやすくしつつ、前後圧搾部71より幅方向の外側に設けられたサイド粘着領域20によって着衣に追従させやすくすることで、着用状態において、一旦、変形が生じた着衣とパッド1について、着衣を元の位置に戻した場合に、前後圧搾部71が変形しても、着衣の復元力によって、前後圧搾部71より幅方向の外側の部分を幅方向の外側に引っ張り、パッド1の変形を変形前の状態に戻しやすくなる。パッド1を変形前の状態に近い状態とすることで、着用者の違和感を軽減させやすくなる。
さらに、第11粘着部11の前端が、前後圧搾部71の前端より前側に設けられ、且つ、第21粘着部21の前端が、前後圧搾部71の前端より前側に設けられていることが好ましい。本実施形態のパッド1は、図5及び図6に示すように、一方側第11粘着部11aの前端及び他方側第11粘着部11bの前端が、前後圧搾部71の前端より前側に設けられ、且つ、第21粘着部21の前端が、前後圧搾部71の前端よりも前側に設けられている。つまり、パッド1を平面視したとき、前後圧搾部71より前側の部分で、前後圧搾部71と重ならない第11粘着部11の部分と第21粘着部21の部分を有している。
これによって、前後圧搾部71によって、パッド1を所望の形に変形させやすくして、着用者の身体にフィットさせやすくしつつ、前後圧搾部71より前側に、第11粘着部11と第21粘着部のそれぞれ少なくとも一部を設けることで、着用状態において、パッドが変形したとしても、着衣の復元力が加えられると、前後圧搾部71より前側が、第11粘着部11と第21粘着部21によって、パッド1の変形と位置を変形前の状態に戻しやすくなる。そして、パッド1を変形前の状態に近い状態とすることで、着用者の違和感を軽減させやすくなる。
圧搾部70のうち幅圧搾部72について、図5及び図6に示すように、厚さ方向にパッド1を平面視したとき、幅圧搾部72が、高剛性領域Hと重なり、且つ、非粘着部31を跨いでいることが好ましい。幅圧搾部72は、幅方向に沿って折れ曲がりやすい部分である一方で、幅方向に略直交する前後方向に沿うようには折れ曲がりにくい。そのため、パッド1は、非粘着部31を備えるだけでなく、非粘着部31を跨ぐ幅圧搾部72を備えることで、パッド1の前後方向に沿うように折れ曲がって、第11粘着部11同士(11a、11b)が接着する恐れをより軽減させることができる。
吸収体2について、上述のとおり、パッド1は、第1吸収体40と第2吸収体50とが厚さ方向に重ねられた多層吸収体を備え、吸収体2は、第1吸収体40の第1吸収性コア41と、第1吸収性コア41より非肌側に配置された第2吸収体50の第2吸収性コア51を有し、厚さ方向に吸収体2を平面視したとき、高剛性領域Hは、第1吸収性コア41と第2吸収性コア51とが重なる領域であり、低剛性領域Lは、第1吸収性コア41と第2吸収性コア51とが重ならない領域である。このような多層吸収体を備えたパッド1において、第1吸収性コア41が、第2吸収性コア51よりも高吸収性ポリマー(SAP)の坪量(g/m)が多いことが好ましく、厚さ方向にパッド1を平面視したとき、サイド粘着領域20が、第1吸収性コア41と重ならない部分を有することが好ましい。
第1吸収性コア41が、第2吸収性コア51よりも高吸収性ポリマー(SAP)の坪量(g/m)が多いことで、第1吸収性コア41の厚みを薄くすることができ、且つ、高吸収性ポリマー(SAP)は、パルプ繊維等の液体吸収性繊維よりも吸収速度が遅い傾向があるため、高剛性領域Hにおいて、まず、肌側の第1吸収性コア41で受け止めた排泄物を、第1吸収性コア41より非肌側に位置する第2吸収性コア51に移行しやすくなる。しかし、着用状態に排泄物(液体)を吸収して、肌側に配置された第1吸収性コア41の高吸収性ポリマー(SAP)が膨潤して、高剛性領域Hの剛性がさらに高くなると、着用者の身体に追従しづらくなってしまう。特に、パッド1のように、尿を吸収する軽失禁パッド1の場合には、大量の液体(尿)を吸収する場合があり、高剛性領域Hの剛性がより高くなってしまい、高剛性領域Hが硬くなり、着用者の身体に追従しづらくなり、平面視で高剛性領域Hと重なる部分Hと着衣との接着がはがれやすくなる恐れがある。これに対し、厚さ方向にパッド1を平面視したとき、サイド粘着領域20が、第1吸収性コア41と重ならない部分を有することで、少なくとも平面視で高剛性領域Hと重なるサイド粘着領域20と着衣との接着を維持しやすくなり、着衣に対してパッド1を固定した状態を維持しやすくなる。
高吸収性ポリマー(SAP)の坪量の比較は周知の方法で行うことができる。例えば、目視や電子顕微鏡で撮影した画像に基づいて行うことができる。また、第1吸収性コア41と第2吸収性コア51からサンプルを切り出して、所定面積当たりのSAPの量を取得して坪量を算出してもよい。第1吸収性コア41がSAPのみで構成される場合には、サンプルの質量がSAPの質量となる。
また、前後方向において、粘着部3が、糸ゴム62の伸縮部62a~62bよりも外側に配置されていることが好ましい。パッド1では、図2に示すように、第11粘着部11(中央粘着領域10)、第21粘着部21(サイド粘着領域20)、第22粘着部(サイド粘着領域20)が、伸縮部62a~62bよりも前側に位置する部分を有し、第12粘着部12(中央粘着領域10)、第23粘着部23(サイド粘着領域20)、第24粘着部24(サイド粘着領域20)が、伸縮部62a~62bよりも後側に位置する部分を有している。つまり、パッド1の前後方向の両端部において粘着部3が設けられていない部分まで糸ゴム62の伸縮部62a~62bが前後方向に延びていないことが好ましい。そうすることで、糸ゴム62によって、過度にパッド1が前後方向に縮められる恐れを軽減させて、パッド1の前後方向に縮められすぎることによって生じる着衣に対するパッド1の位置ズレやパッド1が変形してしまう恐れを軽減させることができる。
なお、パッド1は、レッグサイドギャザー60を起立させる糸ゴム62として、前後方向に伸縮する弾性部材を配置したがこれに限られない。例えば、レッグサイドギャザー60を構成せずに、サイドシート61が、表面シート44、中間シート45、及び第1吸収体40を包み、サイドシート61に、前後方向に伸縮する糸ゴム62を固定した構成であってもよい。このような構成によって、第1吸収体40を肌側に向かって起立させて、パッド1を前後方向に沿ってみたときの第1吸収体40の断面形状を受皿形状とすることができる。受皿形状の第1吸収体40によって、排泄物がパッド1の幅方向の外側に漏れることを抑制しやすくなる。同様に、サイドシート61が、表面シート44、中間シート45、第1吸収体40、及び第2吸収体50を包み、サイドシート61に、前後方向に伸縮する糸ゴム62が固定した構成であってもよい。第1吸収体40及び第2吸収体50を肌側に向かって起立させて、パッド1を前後方向に沿ってみたときの第1吸収体40及び第2吸収体50の断面形状を受皿形状とすることで、排泄物がパッド1の幅方向の外側に漏れることを抑制しやすくなる。
===包装体100について===
パッド1は、個別に包装された包装状態(不図示)で流通され、着用者に提供されるとよい。パッド1の包装体100としては、図7に示すように包装材101の上に、剥離シート102を介してパッド1が載置されて、パッド1が幅方向に沿う2つの折り線部F1、F2にて包装材101とともに折り畳まれて、止着テープ103で固定されるものを例示できる。図7は、展開状態の包装体100を説明する図である。
包装材101は、パッド1を個別に包装するシート状の包装部材であり、パッド1の使用時には取り外される部材である。包装材101の材料としては、例えば、プラスチックフィルム、ナイロンフィルム等の各種フィルムや、不織布、不織布をラミネート加工したフィルム等を用いることができる。
剥離シート102は、パッド1の非肌側面の粘着部3と包装材101との間に設けられた略矩形状のシート部材である。剥離シート102は、包装材101と対向する面が包装材101と剥離不能に固定されており、粘着部3(パッド1の非肌側面)と対向する面にシリコン樹脂等による剥離加工が施されて、ナプキン10の粘着部3に対して剥離可能に貼付されている。包装状態では、粘着部3と分離可能に固定され、パッド1の使用時には、包装材101と同様に、取り外される部材である。
「展開状態」の包装体100とは、図7に示すように、包装状態の包装体100を開封して、包装材101及びパッド1の折り畳まれた部分のうち展開可能な部分を展開した状態をいう。「包装状態」の包装体100とは、展開状態の包装体100の所定箇所を、具体的には、第1折り線部F1及び第2折り線部F2で肌側シートを内側にして折り畳み、包装材101の幅方向における両端部を溶着等で接合することによって封をした状態をいう。
本実施形態の展開状態の包装体100では、図7に示すように、複数の折り線部F1、F2のうち、第1折り線部F1が最も前側に位置する前側折り線部であり、第2折り線部F2が、最も後側に位置する後側折り線部である。
なお、パッド1は厚みがあるため、折り線部F1,F2は前後方向に幅を持った領域となる。山型に折り曲げられた折り線部F1,F2の頂点となる位置を折り線部F1,F2の中央線とする。具体的には、折り畳まれた状態の包装体100の平面よりも大きい板を介して、包装体100の平面上に重り(例えば200g)を載せた状態において、包装体100が最も突出する位置が折り線部F1,F2の中央線として得られる。そして、折り線部F1,F2における包装体100(パッド1+包装材101)の最大厚みtとする。その場合、折り線部F1,F2の中央線からパッド1の前後方向の両側にそれぞれπt/2離れた領域を折り線部F1,F2とする。
ただし、これに限定されず、例えば、パッド1と包装材101とが別に折り畳まれていてもよく、幅方向に沿う折り線の数が3つ以上であってもよく、幅方向に沿う折り線と前後方向に沿う折り線でパッド1が折り畳まれていてもよい。また、必ずしも剥離シート102を備えていなくてもよい。
包装体100は、展開状態において、厚さ方向に包装体100を平面視したとき、第1折り線部F1は、高剛性領域Hと重なる部分を有することが好ましく、第21粘着部21の少なくとも一部が、第1折り線部F1よりも前側に設けられていることが好ましい。本実施形態の包装体100は、図7に示すように、厚さ方向に包装体100を平面視したとき、第1折り線部F1は、高剛性領域Hと重なっており、第21粘着部21とも重なっており、第21粘着部21の前側の部分が第1折り線部F1より前側に設けられている。
パッド1のうち、包装状態において第1折り線部F1で折り畳まれていたとしても、高剛性領域Hは剛性が高い部分であるため、展開状態や着用状態のパッド1の高剛性領域Hとしては平坦な面を維持しやすいため、折り癖によるパッド1の変形を軽減させやすい。パッド1に第1折り線部F1による折り癖が形成され、着用状態でパッド1の変形が生じた場合でも、着用状態では、第1折り線部F1より前側に位置する第21粘着部21を着衣に固定した状態を維持しやすくなるため、着衣の復元力に伴って、パッド1の変形を元に戻しやすくなり、着用者の違和感を軽減させやすくなる。
また、展開状態において、厚さ方向に包装体100を平面視したとき、高剛性領域Hと低剛性領域Lとの境界の少なくとも一部が、剥離シート102と重なることが好ましい。高剛性領域Hと低剛性領域Lとの境界は、剛性差によって変形しやすい部分である。そのため、高剛性領域Hと低剛性領域Lとの境界と、剥離シート102とを重ねることで、包装状態及び展開状態の包装体100の高剛性領域Hと低剛性領域Lとの境界における変形を軽減させやすくなる。本実施形態の包装体100は、図7に示すように、平面視において、低剛性領域Lが高剛性領域Hより大きく、高剛性領域Hの全域が低剛性領域Lと重なることから、高剛性領域Hの外端が高剛性領域Hと低剛性領域Lとの境界となる。そして、包装体100を平面視したとき、高剛性領域Hの前端における幅方向の中央部が剥離シート102と重なり、高剛性領域Hの後端における幅方向の中央部が剥離シート102と重なる。そのため、包装状態及び展開状態の包装体100の前側の高剛性領域Hと低剛性領域Lとの境界に生じる幅方向に沿う変形、包装体100の後側の高剛性領域Hと低剛性領域Lとの境界に生じる幅方向に沿う変形が生じる恐れを軽減させることができる。
===第1実施形態の変形例===
図8は、第1実施形態の変形例のパッド1Aを非肌側から見た平面図であり、図9は、図9は、第1実施形態の変形例のパッド1Bを非肌側から見た平面図である。以下、軽失禁パッド1A、1B(以下、「パッド1A」、「パッド1B」ともいう。)について、主に第1実施形態と異なる部分を、図8及び図9を参照して説明し、第1実施形態の構成と共通する部分は、符号等を同じとし、基本構成の詳細な説明は省略する。
<<<軽失禁パッド1A>>>
上述のパッド1は、幅方向の中央部に非粘着部31を有し、非粘着部31の両側に一対の第11粘着部11(一方側第11粘着部11a、他方側第11粘着部11b)を備えた中央粘着領域10を有していたが、これに限られない。図8に示すように、パッド1Aが、1つの中央粘着領域(第1粘着領域)10が、1つの第11粘着部11を備え、第11粘着部11(中央粘着領域10)の内側に、粘着部3が設けられていない非粘着部31を配置する構成であってもよい。
パッド1Aについても、厚さ方向にパッド1Aを平面視したとき、中央粘着領域10のうち、前後方向における中央C-Cより前側に位置する第11粘着部11が高剛性領域Hと重なる部分を有し、高剛性領域Hと重なる部分に設けられた非粘着部31が、第11粘着部11と高剛性領域Hとが重なる部分に、幅方向の両側から挟まれており、厚さ方向にパッド1Aを平面視したとき、サイド粘着領域20のうち、前後方向における中央C-Cより前側で、且つ、幅方向における中央X-Xより一方側に位置する第21粘着部21は、低剛性領域Lと重なる部分を有し、パッド1Aの幅方向の一方側において、第21粘着部21の幅方向の一方側における側端が、第11粘着部11のうちの高剛性領域Hと重なる部分の、幅方向の一方側における側端11aeよりも外側に設けられている。これによって、着用状態においてパッド1の非肌側面の粘着部3同士が接着しても、非粘着部31を有さない場合よりも粘着部3同士の接着を剥がしやすくしつつ、低剛性領域Lと重なる第21粘着部21の着衣との接着によってパッド1Aの着衣への追従性を向上させて、着衣及びパッド1Aが変形した場合でも、着衣の復元力を利用して、高剛性領域と重なる第11粘着部11の部分の変形を元に戻しやすくして、パッド1Aの前側及び幅方向の一方側の変形を復元しやすくすることができ、着用者に与える違和感や排泄物の漏れの恐れを軽減させやすくなる。
パッド1Aのように、中央粘着領域10及び第11粘着部11の形状や数は、任意に変更可能である。また、パッド1及びパッド1Aにおいて、非粘着部31は、矩形形状であり、前後方向における中央部で、且つ幅方向における中央部に配置したが、これに限られない。非粘着部31を任意の形状として、任意の位置に配置してもよい。ただし、非粘着部31を前後方向における中央部で、且つ幅方向における中央部に配置することで、より第11粘着部11同士の接着の恐れを軽減させ、第11粘着部11同士が接着した場合でも、その接着を引き剥がしやすくすることができる。
<<<軽失禁パッド1B>>>
上述のパッド1は、それぞれ分離した状態の中央粘着領域10とサイド粘着領域20とを有したが、これに限られない。中央粘着領域(第1粘着領域)10とサイド粘着領域(第2粘着領域)20が一体の粘着部3として配置されていてもよい。例えば、図9に示すように、パッド1Bが、幅方向の両側に、一対の矩形状の粘着領域からなる粘着部3を備えてもよい。
パッド1Bについても、厚さ方向にパッド1Bを平面視したとき、中央粘着領域10のうち、前後方向における中央C-Cより前側に位置する第11粘着部11(一方側第11粘着部11a、他方側第11粘着部11b)が高剛性領域Hと重なる部分を有し、高剛性領域Hと重なる部分に設けられた非粘着部31が、第11粘着部11と高剛性領域Hとが重なる部分に幅方向の両側から挟まれており、厚さ方向にパッド1Bを平面視したとき、サイド粘着領域20のうち、前後方向における中央C-Cより前側で、且つ、幅方向における中央X-Xより一方側に位置する第21粘着部21は、低剛性領域Lと重なる部分を有し、パッド1Bの幅方向の一方側において、第21粘着部21の幅方向の一方側における側端が、第11粘着部11のうちの高剛性領域Hと重なる部分の、幅方向の一方側における側端11aeよりも外側に設けられている。これによって、着用状態においてパッド1の非肌側面の粘着部3同士が接着しても、非粘着部31を有さない場合よりも粘着部3同士の接着を剥がしやすくしつつ、低剛性領域Lと重なる第21粘着部21の着衣との接着によってパッド1Aの着衣への追従性を向上させて、着衣及びパッド1Aが変形した場合でも、着衣の復元力を利用して、高剛性領域と重なる第11粘着部11の部分の変形を元に戻しやすくして、パッド1Aの前側及び幅方向の一方側の変形を復元しやすくすることができ、着用者に与える違和感や排泄物の漏れの恐れを軽減させやすくなる。
なお、パッド1Bのように、中央粘着領域10とサイド粘着領域20とが分離していない場合では、厚さ方向にパッド1Bを平面視したとき、パッド1Bの前後方向における中央C-Cより前側において、粘着部3のうち、高剛性領域Hと重なる部分Da、Dbが、第11粘着部11(一方側第11粘着部11a、他方側第11粘着部11b)であり、幅方向の一方側における高剛性領域Hの幅方向の一方側の側端よりも外側で、低剛性領域Lと重なる部分E、Fは、第21粘着部21である。なお、一方側粘着部11aに幅方向において連続する領域である部分Fは、第21粘着部21であり、且つ第11粘着部11でもある。一方側粘着部11aに前後方向において連続する領域であり、且つ、第21粘着部21に幅方向において連続する部分Gは、第11粘着部11であり、且つ第21粘着部21でもある。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更や改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれるのは言うまでもない。
上述の実施形態では、第1吸収体40が高吸収性ポリマー(SAP)からなる第1吸収性コア41を備え、第2吸収体50がパルプ繊維(液体吸収性繊維)と高吸収性ポリマー(SAP)とからなる第2吸収性コア51を備えたが、これに限られない。例えば、第1吸収性コア41が液体吸収性繊維を含んだり、液体吸収性繊維のみから構成されていてもよく、第2吸収性コア51が、パルプ繊維を有し、高吸収性ポリマー(SAP)を有していなくてもよく、高吸収性ポリマー(SAP)のみで構成されていてもよい。
上述の実施形態では、吸収体2を多層吸収体としたが、これに限られない。吸収体2が、厚さ方向に複数の吸収性コアが重ねられておらず、1つの吸収性コアを備える構成であってもよい。吸収体2が1つの吸収性コアを備える場合、吸収性コアのうち、剛性が高い部分が高剛性領域Hであり、高剛性領域Hよりも剛性が低い領域が低剛性領域Lである。例えば、吸収性コアが、液体吸収性繊維を備え、吸収性コアのうち、幅方向における中央部で、且つ、前後方向における中央部を高剛性領域Hとし、幅方向における中央部より外側で、且つ、前後方向における中央部より外側を低剛性領域Lとした場合、低剛性領域Lにおける液体吸収性繊維の坪量を、高剛性領域Hにおける液体吸収性繊維の坪量より少なくすることで、低剛性領域Lの剛性を高剛性領域Hの剛性より低くしてもよい。
また、上述の実施形態では、吸収体2を多層吸収体とし、第1吸収体40(第1吸収性コア41)と第2吸収体50(第2吸収性コア51)とを備えたが、これに限られない。吸収体が、厚さ方向に3つ以上の吸収体が重ねられた多層吸収体であってもよい。例えば、パッドが、第1吸収体と第2吸収体と、厚さ方向にさらに重ねた第3吸収体を備えている場合、厚さ方向にパッドを平面視したとき、2つ以上の吸収性コアが重なる領域を高剛性領域Hといい、吸収性コア同士の重なりが存在しない領域を低剛性領域Lという。
上述の第1実施形態のパッド1では、一方側第11粘着部11aの幅方向の一方側の側端が、高剛性領域Hの幅方向の一方側の側端より他方側に設け、幅方向において、一方側第11粘着部11aを高剛性領域Hの内側に設けたが、これに限られない。第11粘着部11の幅方向における最も一方側の側端を、高剛性領域Hの幅方向の一方側の側端より一方側に設け、厚さ方向にパッドを平面視したとき、幅方向における高剛性領域Hの一方側より外側において、第11粘着部11が低剛性領域Lと重なる部分を有するパッドであってもよい。
このようなパッドは、着用状態において、着用者の脚によって、パッドに幅方向の両側から力が加えられた場合でも、その後に、着用者の脚による力が緩められると、高剛性領域Hより幅方向の外側で低剛性領域Lと重なる第11粘着部11が着衣に接着していることで、幅方向に縮められた着衣が元の位置及び元の形状に戻る復元力によって、低剛性領域Lと重なる第11粘着部11は、高剛性領域Hと重なる部分にも連続するため、高剛性領域Hを幅方向の外側に向かう力を加えやすくなり、高剛性領域Hの変形を元に戻しやすくなる。その結果、パッドの変形による着用者の違和感を軽減させやすくなる。
また、第21粘着部21の幅方向の他方側の側端を、高剛性領域Hの幅方向の一方側の側端より他方側に設け、厚さ方向にパッド1を平面視したとき、幅方向における高剛性領域Hの一方側より内側において、第21粘着部が、低剛性領域Lと重なる部分を有する構成であってもよい。
これによって、着用状態において、着用者の脚によって、パッドに幅方向の両側から力が加えられた場合でも、その後に、着用者の脚による力が緩められると、高剛性領域Hより幅方向の外側で低剛性領域Lと重なる第21粘着部21が着衣に接着していることで、幅方向に縮められた着衣が元の位置及び元の形状に戻る復元力によって、高剛性領域Hと重なる第21粘着部21は、低剛性領域Lと重なる部分にも連続するため、高剛性領域Hを幅方向の外側に向かう力を加えやすくなり、高剛性領域Hの変形を元に戻しやすくなる。その結果、パッドの変形による着用者の違和感を軽減させやすくなる。
さらに、上述の第1実施形態のパッド1では、第21粘着部21の幅方向の他方側の側端が、高剛性領域Hの幅方向の一方側の側端より他方側に設け、平面視において、高剛性領域Hと第21粘着部21とが重なる領域を設けたが、これに限られない。第21粘着部21の幅方向の他方側の側端が、高剛性領域Hの一方側の側端より一方側に設けてもよい。つまり、幅方向において、第21粘着部21を高剛性領域Hより外側に設けてもよい。高剛性領域Hより幅方向の外側に第21粘着部21を設けることで、第21粘着部21と着衣との追従性を向上させやすくなる。
1、1A、1B パッド(軽失禁パッド、吸収性物品)、
2 吸収体、
3 粘着部、
40 第1吸収体、41 第1吸収性コア、
42 第1肌側コアラップ、43 第1非肌側コアラップ、
44 表面シート、45 中間シート、47 香料、
50 第2吸収体、51 第2吸収性コア、
52 第2肌側コアラップ、53 第2非肌側コアラップ、
54 バックシート、
10 中央粘着領域(第1粘着領域)、
11 第11粘着部、
11a 一方側第11粘着部、11b 他方側第11粘着部、
12 第12粘着部、
12a 一方側第12粘着部、12b 他方側第12粘着部、
20 サイド粘着領域(第2粘着領域)、
21 第21粘着部、22 第22粘着部、
23 第23粘着部、24 第24粘着部、
31 非粘着部、
60 レッグサイドギャザー、61 サイドシート、62 糸ゴム、
70 圧搾部、71 前後圧搾部(圧搾部)、72 幅圧搾部(圧搾部)、
100 包装体、101 包装材、102 剥離シート、
F1 第1折り線部(前側折り線部)、F2 第2折り線部、
H 高剛性領域、
L 低剛性領域

Claims (17)

  1. 前後方向と幅方向と厚さ方向とを有し、
    液体を吸収する吸収体、及び非肌側面に粘着部を有する吸収性物品であって、
    前記吸収体は、高剛性領域と、前記高剛性領域より剛性が低い低剛性領域を備え、
    前記粘着部は、第1粘着領域と第2粘着領域を有し、
    前記第1粘着領域は、前記前後方向における中央より前側に、第11粘着部を備え、
    前記第2粘着領域は、前記前後方向における中央より前側で、且つ、前記幅方向における中央より一方側に第21粘着部を備え、
    前記厚さ方向に前記吸収性物品を平面視したとき、
    前記第11粘着部は、前記高剛性領域と重なる部分を有し、
    前記第21粘着部は、前記低剛性領域と重なる部分を有し、
    前記高剛性領域と重なる部分に、前記粘着部が設けられていない非粘着部が設けられており、
    前記非粘着部は、前記第11粘着部と前記高剛性領域とが重なる部分に前記幅方向の両側から挟まれており、
    前記幅方向の一方側において、前記第21粘着部の前記幅方向の前記一方側における側端は、前記第11粘着部のうちの前記高剛性領域と重なる部分の、前記幅方向の前記一方側における側端よりも外側に設けられている
    ことを特徴とする吸収性物品。
  2. 請求項1に記載の吸収性物品であって、
    前記非粘着部は、前記幅方向における中央部に設けられ、前記第1粘着領域の前側の端から後側の端まで連続していることを特徴とする吸収性物品。
  3. 請求項1又は2に記載の吸収性物品であって、
    前記第21粘着部は、前記幅方向の長さよりも、前記前後方向の長さの方が長いことを特徴とする吸収性物品。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の吸収性物品であって、
    前記第11粘着部の前端は、前記高剛性領域の前端より前記前側に設けられ、
    前記厚さ方向に前記吸収性物品を平面視したき、前記高剛性領域の前端より前記前側において、前記第11粘着部が、前記低剛性領域と重なる部分を有することを特徴とする吸収性物品。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の吸収性物品であって、
    前記第21粘着部の後端は、前記高剛性領域の前端より後側に設けられ、
    前記厚さ方向に前記吸収性物品を平面視したき、前記高剛性領域の前端より後側において、前記第21粘着部が、前記高剛性領域と重なる部分を有することを特徴とする吸収性物品。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の吸収性物品であって、
    前記前後方向における中央より前記前側における前記吸収性物品の前記幅方向の長さが最も長い最長部に、前記第21粘着部が設けられていることを特徴とする吸収性物品。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の吸収性物品であって、
    前記吸収性物品の前記幅方向における長さが最も短い最狭部において、
    前記粘着部の前記幅方向の前記一方側の側端から前記吸収性物品の前記幅方向の前記一方側の側端との間が離間していることを特徴とする吸収性物品。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の吸収性物品であって、
    前記第11粘着部の前端より、前記第21粘着部の前端の方が前記前側に位置することを特徴とする吸収性物品。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載の吸収性物品であって、
    前記厚さ方向に圧搾された圧搾部を有し、
    前記圧搾部は、前記前後方向に沿った前後圧搾部を備え、
    前記第2粘着領域の少なくとも一部が、前記前後圧搾部よりも前記幅方向の外側に設けられていることを特徴とする吸収性物品。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載の吸収性物品であって、
    前記厚さ方向に圧搾された圧搾部を有し、
    前記圧搾部は、前記前後方向に沿った前後圧搾部を備え、
    前記第11粘着部の前端は、前記前後圧搾部の前端より前記前側に設けられており、
    前記第21粘着部の前端は、前記前後圧搾部の前端より前記前側に設けられていることを特徴とする吸収性物品。
  11. 請求項1から10のいずれか1項に記載の吸収性物品であって、
    前記厚さ方向に圧搾された圧搾部を有し、
    前記圧搾部は、前記幅方向に沿った幅圧搾部を備え、
    前記厚さ方向に前記吸収性物品を平面視したとき、前記幅圧搾部は、前記高剛性領域と重なり、且つ、前記非粘着部を跨いでいることを特徴とする吸収性物品。
  12. 請求項1から11のいずれか1項に記載の吸収性物品であって、
    前記吸収体は、第1吸収性コアと、前記厚さ方向において前記第1吸収性コアより非肌側に配置された第2吸収性コアを有し、
    前記厚さ方向に前記吸収体を平面視したとき、
    前記高剛性領域は、前記第1吸収性コアと前記第2吸収性コアとが重なる部分であり、
    前記低剛性領域は、前記第1吸収性コアと前記第2吸収性コアとが重ならない部分であり、
    前記第1吸収性コアは、前記第2吸収性コアよりも高吸収性ポリマーの坪量が多く、
    前記厚さ方向に前記吸収性物品を平面視したとき、前記第2粘着領域が、前記第1吸収性コアと重ならない部分を有することを特徴とする吸収性物品。
  13. 請求項1から12のいずれか1項に記載の吸収性物品であって、
    前記第11粘着部の前記幅方向における最も前記一方側の側端が、前記高剛性領域の前記幅方向の前記一方側の側端より前記一方側に設けられ、
    前記厚さ方向に前記吸収性物品を平面視したとき、前記幅方向における前記高剛性領域の前記一方側より外側において、前記第11粘着部が、前記低剛性領域と重なる部分を有することを特徴とする吸収性物品。
  14. 請求項1から13のいずれか1項に記載の吸収性物品であって、
    前記第21粘着部の前記幅方向の他方側の側端が、前記高剛性領域の前記幅方向の前記一方側の側端より前記他方側に設けられ、
    前記厚さ方向に前記吸収性物品を平面視したとき、前記幅方向における前記高剛性領域の前記一方側より内側において、前記第21粘着部が、前記低剛性領域と重なる部分を有することを特徴とする吸収性物品。
  15. 請求項1から14のいずれか1項に記載の吸収性物品であって、
    前記幅方向の前記一方側において、
    前記第11粘着部と前記第21粘着部とは、所定距離だけ離間しており、
    前記非粘着部の前記幅方向の長さが、前記所定距離より長いことを特徴とする吸収性物品。
  16. 請求項1から15のいずれか1項に記載の吸収性物品が包装材に包装された吸収性物品包装体であって、
    展開状態において、
    前記吸収性物品は、前記幅方向に沿った複数の折り線部を有し、
    複数の折り線部は、最も前側に位置する前側折り線部を有し、
    前記厚さ方向に前記吸収性物品包装体を平面視したとき、前記前側折り線部は、前記高剛性領域と重なる部分を有し、
    前記第21粘着部の少なくとも一部は、前記前側折り線部よりも前側に設けられていることを特徴とする吸収性物品包装体。
  17. 請求項1から15のいずれか1項に記載の吸収性物品が包装材に包装された吸収性物品包装体であって、
    前記粘着部と前記包装材との間に剥離シートを有し、
    前記剥離シートは、前記粘着部と分離可能に固定されており、
    展開状態において、前記厚さ方向に前記吸収性物品包装体を平面視したとき、
    前記高剛性領域と前記低剛性領域との境界の少なくとも一部が、前記剥離シートと重なることを特徴とする吸収性物品包装体。
JP2021159620A 2021-09-29 2021-09-29 吸収性物品及び吸収性物品包装体 Pending JP2023049710A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021159620A JP2023049710A (ja) 2021-09-29 2021-09-29 吸収性物品及び吸収性物品包装体
PCT/JP2022/028184 WO2023053680A1 (ja) 2021-09-29 2022-07-20 吸収性物品及び吸収性物品包装体
CN202280059101.9A CN117915875A (zh) 2021-09-29 2022-07-20 吸收性物品和吸收性物品包装体
KR1020247009222A KR20240065090A (ko) 2021-09-29 2022-07-20 흡수성 물품 및 흡수성 물품 포장체

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021159620A JP2023049710A (ja) 2021-09-29 2021-09-29 吸収性物品及び吸収性物品包装体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023049710A true JP2023049710A (ja) 2023-04-10

Family

ID=85782277

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021159620A Pending JP2023049710A (ja) 2021-09-29 2021-09-29 吸収性物品及び吸収性物品包装体

Country Status (4)

Country Link
JP (1) JP2023049710A (ja)
KR (1) KR20240065090A (ja)
CN (1) CN117915875A (ja)
WO (1) WO2023053680A1 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4522021B2 (ja) 2001-06-27 2010-08-11 大王製紙株式会社 吸収性物品
JP6725451B2 (ja) * 2017-04-18 2020-07-22 ユニ・チャーム株式会社 吸収性物品
JP7133990B2 (ja) * 2018-06-05 2022-09-09 ユニ・チャーム株式会社 吸収性物品の包装体
JP7254455B2 (ja) * 2018-06-29 2023-04-10 ユニ・チャーム株式会社 生理用ナプキン
JP6634478B2 (ja) * 2018-07-06 2020-01-22 ユニ・チャーム株式会社 吸収性物品
JP6869310B1 (ja) * 2019-11-08 2021-05-12 ユニ・チャーム株式会社 吸収性物品

Also Published As

Publication number Publication date
CN117915875A (zh) 2024-04-19
WO2023053680A1 (ja) 2023-04-06
KR20240065090A (ko) 2024-05-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7621899B2 (en) Sanitary napkin
RU2532727C2 (ru) Поглощающее изделие
JP3859419B2 (ja) 吸収性物品
JP4554275B2 (ja) 生理用ナプキン
WO2006104024A1 (ja) 吸収性物品
JP2001522695A (ja) 衛生ナプキン、失禁プロテクター、パンティライナー又はそれらの類似物品の如き吸収物品
KR20020077282A (ko) 동적 착용감이 좋은 복합 생리대
KR20100126299A (ko) 개선된 신체 접촉을 갖는 복합 흡수 용품
AU2015412754B2 (en) Absorbent article with channels and shaping elastic members
JPWO2013077360A1 (ja) 使い捨ておむつ
JP2012179242A (ja) 吸収性物品の包装体
RU2305527C2 (ru) Адсорбирующее изделие с улучшенной прилегаемостью
JP2015058326A (ja) 男性用尿取りパッドの包装体
JP4567670B2 (ja) 改良された適合性を有するパンツ形状衣料
JP3971162B2 (ja) 生理用ナプキン
JP5237229B2 (ja) 吸収性物品、及び吸収性包装体
WO2023053680A1 (ja) 吸収性物品及び吸収性物品包装体
WO2021241056A1 (ja) 吸収性物品
JP6901854B2 (ja) 男性用吸収性物品
JP2009136600A (ja) 吸収性物品
RU2420252C1 (ru) Впитывающее изделие
JP7286533B2 (ja) 吸収性物品
JP4408792B2 (ja) 収尿袋
JP6118109B2 (ja) 吸収性物品
JP5722011B2 (ja) 吸収性物品