JP2023049700A - 多孔性複合中空糸膜とその製造方法、および、芯鞘型複合繊維成形体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】コストを抑え、機械的強度に優れた多孔性複合中空糸膜を提供する。【解決手段】多孔性複合中空糸膜(1)は、高分子多孔質膜(3)と、高分子多孔質膜を支持する支持体(2)と、を備える。支持体(2)は、外径が1mm以上2.4mm以下の筒形状を有する。支持体(2)は、芯鞘型複合繊維(20)を有し、芯鞘型複合繊維(20)は、繊維径が7~20μmの芯繊維からなる芯成分(21)と、芯成分(21)の外周に配置され、芯成分(21)よりも融点が低い鞘成分(22)と、からなる。【選択図】図4
Description
本開示は、水処理用の多孔性複合中空糸膜とその製造方法、および、芯鞘型複合繊維成形体の製造方法に関する。
近年、環境汚染に対する関心の高まりと規制の強化とにより、分離の完全性やコンパクト性などに優れた濾過膜を用いた膜法による水処理が普及しつつある。このような水処理の用途において、濾過膜には優れた分離特性や透水性能、そして高い機械的強度が要求されている。
従来、透水性能に優れた濾過膜として、湿式または乾湿式紡糸法により製造される、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、セルロースアセテート、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニル製などの濾過膜が知られている。これらの濾過膜は、高分子溶液を相分離させた後、同高分子溶液を凝固させて製造するものであり、高空孔率で且つ非対称な構造を有する。
高い強度を有する膜として、支持体上に多孔質膜をコーティングした中空糸膜が近年、提案されている(特許文献1、2、3参照)。
特許文献1には、機械的強度を上げるための支持体として、中空状の組紐を用いた多孔質膜が提案されている。組紐は、通常、製紐機により平板上に立設した多数のボビンから各糸を引き出し、各糸を相互に交差させて組むことで製造される。製紐機によって製造される組紐は、生産性が低く、支持体のコスト上昇、およびその結果、前記支持体を用いる中空状多孔膜のコスト上昇が問題となる。
特許文献2、3には、上記問題を解決する方法の一つとして、中空状の編紐支持体が提案されている。編紐による支持体は、組紐による支持体と比較して、生産速度を上げることができる一方、支持体の設計を検討する際に編み方を検討しようとすると、都度、設備導入が必要となり、結果としてコストの増大や検討スケジュールが遅れる課題が生じる。
一方、分離膜の支持体として延伸ポリエステル繊維を含有し、バインダー繊維として、エチレン-ビニルエステル共重合体を鞘部とする芯鞘型複合繊維及び湿熱接着性繊維を熱処理した支持体や、融点の異なる芯鞘型複合繊維よりなる支持体が提案されている(特許文献4、5)。しかしこれらは、多孔性複合中空糸膜用の支持体として必要な要素についてなんら検討されていない。
芯鞘型複合繊維を用いて多孔性複合中空糸膜用の支持体を作製するには、平膜などのようなシート状の支持体と比べ、曲率による影響および、連続生産性を実現する製造方法について考慮する必要がある。
そこで、本発明は、コストを抑え、機械的強度に優れた多孔性複合中空糸膜を提供することを目的とする。
第1観点の多孔性複合中空糸膜は、高分子多孔質膜と、前記高分子多孔質層を支持する支持体と、を備える。前記支持体は、外径が1mm以上2.4mm以下の筒形状を有し、前記支持体は、芯鞘型複合繊維を有し、前記芯鞘型複合繊維は、繊維径が7~20μmの芯繊維からなる芯成分と、前記芯成分の外周に配置され、前記芯成分よりも融点が低い鞘成分と、からなる。
第2観点の多孔性複合中空糸膜は、第1観点の多孔性複合中空糸膜であって、前記鞘成分が、ポリエステルおよびポリエステル共重合体、エチレン-ビニルエステル共重合体からなる。
第3観点の多孔性複合中空糸膜は、第1観点または第2観点の多孔性複合中空糸膜であって、前記鞘成分の融点が110℃以上220℃以下であり、前記芯成分の融点が180℃以上300℃以下である。
第4観点の多孔性複合中空糸膜は、第1観点~第3観点のいずれかの多孔性複合中空糸膜であって、前記高分子多孔質膜の厚さが、100μm以上300μm以下である。
第5観点の多孔性複合中空糸膜は、第1観点~第4観点のいずれかの多孔性複合中空糸膜であって、前記高分子多孔質膜は、前記支持体の外周面に接して配置されている。
第6観点の芯鞘型複合繊維成形体の製造方法は、
(o)繊維径が7~20μmの芯繊維からなる芯成分と、前記芯成分の外周に配置され、前記芯成分よりも融点が低い鞘成分と、からなる、芯鞘型複合繊維を準備する工程と、
(a)複数の芯鞘型複合繊維を、互いに交差するように、支持棒に巻きつける工程と、
(b)前記支持棒に巻き付けた芯鞘型複合繊維を、前記鞘成分の融点以上、かつ、前記芯成分の融点以下の温度に加熱し、融着させる工程と、
(c)融着された芯鞘型複合繊維を冷却し、芯鞘型複合繊維を前記支持棒から取り外す工程と、を備える。
(o)繊維径が7~20μmの芯繊維からなる芯成分と、前記芯成分の外周に配置され、前記芯成分よりも融点が低い鞘成分と、からなる、芯鞘型複合繊維を準備する工程と、
(a)複数の芯鞘型複合繊維を、互いに交差するように、支持棒に巻きつける工程と、
(b)前記支持棒に巻き付けた芯鞘型複合繊維を、前記鞘成分の融点以上、かつ、前記芯成分の融点以下の温度に加熱し、融着させる工程と、
(c)融着された芯鞘型複合繊維を冷却し、芯鞘型複合繊維を前記支持棒から取り外す工程と、を備える。
第7観点の芯鞘型複合繊維成形体の製造方法は、第6観点の芯鞘型複合繊維成形体の製造方法であって、前記工程(b)における加熱温度は、180℃以上220℃以下である。
第8観点の芯鞘型複合繊維成形体の製造方法は、第6観点または第7観点の芯鞘型複合繊維成形体の製造方法であって、前記鞘成分が、ポリエステルおよびポリエステル共重合体、エチレン-ビニルエステル共重合体からなる。
第9観点の多孔性複合中空糸膜の製造方法は、高分子多孔質膜と、高分子多孔質膜を支持する支持体と、を備えた多孔性複合中空糸膜の製造方法であって、
筒形状を有し、芯鞘型複合繊維成形体からなる支持体を準備する工程と、
前記支持体の外周に高分子多孔質膜を形成する工程と、
を備え、
前記支持体を準備する工程は、
(o)繊維径が7~20μmの芯繊維からなる芯成分と、前記芯成分の外周に配置され、前記芯成分よりも融点が低い鞘成分と、からなる、芯鞘型複合繊維を準備する工程と、
(a)複数の芯鞘型複合繊維を、互いに交差するように、支持棒に巻きつける工程と、
(b)前記支持棒に巻き付けた芯鞘型複合繊維を、前記鞘成分の融点以上、かつ、前記芯成分の融点以下の温度に加熱し、融着させる工程と、
(c)融着された芯鞘型複合繊維を冷却し、芯鞘型複合繊維を前記支持棒から取り外す工程と、
を含む。
筒形状を有し、芯鞘型複合繊維成形体からなる支持体を準備する工程と、
前記支持体の外周に高分子多孔質膜を形成する工程と、
を備え、
前記支持体を準備する工程は、
(o)繊維径が7~20μmの芯繊維からなる芯成分と、前記芯成分の外周に配置され、前記芯成分よりも融点が低い鞘成分と、からなる、芯鞘型複合繊維を準備する工程と、
(a)複数の芯鞘型複合繊維を、互いに交差するように、支持棒に巻きつける工程と、
(b)前記支持棒に巻き付けた芯鞘型複合繊維を、前記鞘成分の融点以上、かつ、前記芯成分の融点以下の温度に加熱し、融着させる工程と、
(c)融着された芯鞘型複合繊維を冷却し、芯鞘型複合繊維を前記支持棒から取り外す工程と、
を含む。
本開示の多孔性複合中空糸膜は、高分子多孔質膜と、それを支持する支持体で構成される。本開示の多孔性複合中空糸膜は、簡単な方法で支持体を製造することができ、製造コストを低く抑えることができる。さらに、支持体の機械的強度が優れているため、機械的強度の優れた多孔性複合中空糸膜が実現できる。
(1)多孔性複合中空糸膜1
多孔性複合中空糸膜は、細長い中空糸状に形成されたろ過膜である。図1は、本実施形態に係る多孔性複合中空糸膜1の長さ方向に直交する方向の断面を模式的に示したものである。図1に示すように、多孔性複合中空糸膜1は、内周面2aによって中空部1aが画定される断面環状の支持体2と多孔質膜3とを備える。多孔性複合中空糸膜1は二層構造であり、支持体2の外周面に多孔質膜3が設けられる。外圧ろ過の観点から、外表面側に多孔質膜3を配置し、内表面側に中空状の支持体2を配置することが好ましい。
多孔性複合中空糸膜は、細長い中空糸状に形成されたろ過膜である。図1は、本実施形態に係る多孔性複合中空糸膜1の長さ方向に直交する方向の断面を模式的に示したものである。図1に示すように、多孔性複合中空糸膜1は、内周面2aによって中空部1aが画定される断面環状の支持体2と多孔質膜3とを備える。多孔性複合中空糸膜1は二層構造であり、支持体2の外周面に多孔質膜3が設けられる。外圧ろ過の観点から、外表面側に多孔質膜3を配置し、内表面側に中空状の支持体2を配置することが好ましい。
(膜素材)
膜モジュールに用いられる中空糸膜は、膜モジュールを構成し得るどのような材料で形成されていてもよい。なかでも、樹脂が好ましい。このような樹脂としては、当該分野で用いられているものであればよい。例えば、塩化ビニル系重合体、フッ化ビニリデン系重合体、ポリオレフィン系重合体(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、スルホン系重合体、酢酸セルロース系重合体、アクリロニトリル系重合体、ビニルアルコール系重合体、イミド系重合体等の種々の高分子材料が挙げられる。なかでも、耐薬品性と強度の観点から塩化ビニル系重合体、フッ化ビニリデン系重合体、ポリオレフィン系重合体(ポリエチレン、ポリプロピレン等)等が好ましく、塩化ビニル系重合体がより好ましい。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
膜モジュールに用いられる中空糸膜は、膜モジュールを構成し得るどのような材料で形成されていてもよい。なかでも、樹脂が好ましい。このような樹脂としては、当該分野で用いられているものであればよい。例えば、塩化ビニル系重合体、フッ化ビニリデン系重合体、ポリオレフィン系重合体(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、スルホン系重合体、酢酸セルロース系重合体、アクリロニトリル系重合体、ビニルアルコール系重合体、イミド系重合体等の種々の高分子材料が挙げられる。なかでも、耐薬品性と強度の観点から塩化ビニル系重合体、フッ化ビニリデン系重合体、ポリオレフィン系重合体(ポリエチレン、ポリプロピレン等)等が好ましく、塩化ビニル系重合体がより好ましい。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
(多孔性複合中空糸膜の外径)
多孔性複合中空糸膜の外径は1mm~3mmであることが好ましく、1.5~2.5mmがより好ましく、1.5~2.3mmがさらに好ましい。このような多孔性複合中空糸膜を用いることにより、必要な強度を維持しつつ占有体積あたりの膜面積を最大化させることができる。
多孔性複合中空糸膜の外径は1mm~3mmであることが好ましく、1.5~2.5mmがより好ましく、1.5~2.3mmがさらに好ましい。このような多孔性複合中空糸膜を用いることにより、必要な強度を維持しつつ占有体積あたりの膜面積を最大化させることができる。
(多孔性複合中空糸膜の肉厚)
多孔性複合中空糸膜1の厚さは、好ましくは100μm以上300μm以下であり、より好ましくは200μm以上300μm以下である。厚さが100μm以上であると圧縮に対する強度がより高くなり、他方、300μm以下であると膜抵抗による圧損をより小さくすることができる。
多孔性複合中空糸膜1の厚さは、好ましくは100μm以上300μm以下であり、より好ましくは200μm以上300μm以下である。厚さが100μm以上であると圧縮に対する強度がより高くなり、他方、300μm以下であると膜抵抗による圧損をより小さくすることができる。
(純水透過水量)
本発明の多孔中空糸膜は、膜間差圧100kPaにおける純水の透過水量が250L/(m2・h)以上、1300L/(m2・h)以下であることが適している。400L/(m2・h)以上、1000L/(m2・h)以下であることがより好ましい。630L/(m2・h)以上、900L/(m2・h)以下であることが、さらに好ましい。純水透過水量が低すぎると、処理量に対し、多くの膜面積が必要になるために設置面積の増大やコスト増大の懸念があり、純水透過水量が高すぎると処理対象物質の阻止性能が下がり、処理水質が下がる懸念がある。
本発明の多孔中空糸膜は、膜間差圧100kPaにおける純水の透過水量が250L/(m2・h)以上、1300L/(m2・h)以下であることが適している。400L/(m2・h)以上、1000L/(m2・h)以下であることがより好ましい。630L/(m2・h)以上、900L/(m2・h)以下であることが、さらに好ましい。純水透過水量が低すぎると、処理量に対し、多くの膜面積が必要になるために設置面積の増大やコスト増大の懸念があり、純水透過水量が高すぎると処理対象物質の阻止性能が下がり、処理水質が下がる懸念がある。
(2)多孔性複合中空糸膜1の製造方法
多孔性複合中空糸膜1を製造するする工程は、図2に示すように、
(i)筒形状を有し、芯鞘型複合繊維成形体からなる支持体2を準備する工程と、
(ii)支持体2の外周に高分子多孔質膜3を形成する工程と、
を備える。
多孔性複合中空糸膜1を製造するする工程は、図2に示すように、
(i)筒形状を有し、芯鞘型複合繊維成形体からなる支持体2を準備する工程と、
(ii)支持体2の外周に高分子多孔質膜3を形成する工程と、
を備える。
先に、工程(ii)について説明する。
多孔性複合中空糸膜1は、熱誘起相分離法(TIPS)、非溶媒誘起相分離法(NIPS)、延伸法など、当該分野で公知の方法のいずれを利用して製造してもよい。なかでも、NIPS法によって製造することは、支持体と複合化させる際に支持体の熱融解を避ける点で好ましい。
以下、非溶媒誘起相分離法を採用する場合の多孔性複合中空糸膜1の製造方法を、図3を用いて説明する。ステップ(ii)は、(A)製膜原液10を準備する工程と、(B)製膜原液10を多重構造の紡糸ノズル12に供給する工程と、(C)紡糸ノズル12から製膜原液10と支持体2とを押し出すことによって多孔性複合中空糸膜1を得る工程とを備える。なお、内側のノズルは支持体2を通し、外側のノズルは製膜原液10を供給し、支持体2外表面上に多孔質膜3を作製するためのものである。
製膜原液10は、膜を構成する材料(樹脂)及びその良溶媒、製孔剤のような任意の添加物からなる樹脂溶液を調製する。この場合の良溶媒は特に限定されるものではなく、材料(樹脂)の種類等によって適宜選択することができる。例えば、ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン等が挙げられる。 添加物としては、リチウムクロライド、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
製膜原液10は、ポンプ11により、ノズル12に供給される。別途、支持体2に供給される。上述したように製膜原液10をノズル12から吐出する吐出工程により中空糸状に多孔質膜3を形成することができる。また、上記のノズル12はノズル12の中央部に支持体2を通し、支持体2の外周面側から製膜原液10をサイドフィードして吐出する方法が、好ましい。この吐出積層工程を経た製膜原液10は、後述する凝固工程により、製膜される。
凝固工程は、凝固水槽14内の凝固液13と製膜原液10の塗膜とを接触させ、製膜原液10を凝固させて、多孔質膜3を形成し、多孔性複合中空糸膜1を得る。凝固液13としては、製膜原液10の溶剤と同じ溶剤を含む水溶液または、清水が好ましい。
(3)支持体2
図4は、支持体2の一例を示す側面図である。支持体2は、1本の糸を中空糸状に熱加工(融着)した中空状成型体からなる。図4に示すように、中空状成型体からなる支持体2の網目が外周面から内周面に通じる複数の空孔20aを構成している。多孔性複合中空糸膜1の製造に使用する支持体、すなわち、多孔質膜3を外表面に設ける前の支持体2において、複数の空孔20aの最大直径は、0.005mm~0.2mmの範囲が好ましい。この範囲にすることで、多孔質膜3を形成させる際の製膜原液(高分子溶液)を塗布し複合化させる際に製膜原液10が空孔20aへ染み込み、中空部1aを閉塞させることを抑えることができる。
図4は、支持体2の一例を示す側面図である。支持体2は、1本の糸を中空糸状に熱加工(融着)した中空状成型体からなる。図4に示すように、中空状成型体からなる支持体2の網目が外周面から内周面に通じる複数の空孔20aを構成している。多孔性複合中空糸膜1の製造に使用する支持体、すなわち、多孔質膜3を外表面に設ける前の支持体2において、複数の空孔20aの最大直径は、0.005mm~0.2mmの範囲が好ましい。この範囲にすることで、多孔質膜3を形成させる際の製膜原液(高分子溶液)を塗布し複合化させる際に製膜原液10が空孔20aへ染み込み、中空部1aを閉塞させることを抑えることができる。
直径の測定は、光学顕微鏡や電子顕微鏡などで撮影した画像によって測定する。その画像は少なくとも3枚は取得し、各画像最低10個の空孔測定(合計30個の空孔)の最大直径を測定し、その平均値を採用する。
支持体2の外径は、1~2.4mmであることが好ましく、より好ましくは、1.5~2.4mmである。1mm未満の外径は、支持体2作製時に巻き付けた金属製支持棒30から連続的に取り出すことが困難になる。2.5mm以上になると、多孔質膜3と複合化後の多孔性複合中空糸膜1の外径が大きくなり、膜使用時の占有体積あたりの膜面積の比率が下がる。
支持体2の側面の単位面積に占める空孔20aの割合を示す空孔率は、20%以上、80%以下が好ましい。20%以下の場合は、多孔質膜3と複合化後の多孔性複合中空糸膜1のろ過水が透過する実質の面積が下がるため膜性能を下げる恐れがある。80%以上の場合は、支持体2の強度不足になる恐れがある。
支持体2を構成する芯鞘型複合繊維20は、モノフィラメントでもマルチフィラメントどちらを用いてもよい。
(支持体の構成繊維)
支持体2の構成繊維は、図4の拡大図に示すように、鞘成分22と芯成分21との芯鞘型複合繊維20である。鞘成分22は、融点110~220℃のポリエステルおよびポリエステル共重合体、エチレン-ビニルエステル共重合体である。芯成分21は、融点180~300℃の熱可塑性樹脂である。鞘成分が、ポリエステルおよびポリエステル共重合体、エチレン-ビニルエステル共重合体である理由は、膜使用時の耐薬品性の観点からである。鞘成分22の融点が110℃未満の場合、室温や製造時の機械による発熱などにより鞘成分22が軟化し、取扱性が下がる。一方、鞘成分22の融点が221℃以上の場合は、鞘成分22を融解させる際に芯成分21も同時に軟化する可能性が高くなり、支持体2を連続的に形成することが困難になる。
支持体2の構成繊維は、図4の拡大図に示すように、鞘成分22と芯成分21との芯鞘型複合繊維20である。鞘成分22は、融点110~220℃のポリエステルおよびポリエステル共重合体、エチレン-ビニルエステル共重合体である。芯成分21は、融点180~300℃の熱可塑性樹脂である。鞘成分が、ポリエステルおよびポリエステル共重合体、エチレン-ビニルエステル共重合体である理由は、膜使用時の耐薬品性の観点からである。鞘成分22の融点が110℃未満の場合、室温や製造時の機械による発熱などにより鞘成分22が軟化し、取扱性が下がる。一方、鞘成分22の融点が221℃以上の場合は、鞘成分22を融解させる際に芯成分21も同時に軟化する可能性が高くなり、支持体2を連続的に形成することが困難になる。
芯成分21の融点が180℃未満の場合は、製造時の鞘成分22を融解する際に芯成分21も同時に軟化し、支持体2を連続的に形成することが困難になる。この観点からは、芯成分21の融点は、201℃以上が望ましく、さらに望ましくは、220℃以上がより好ましい。この構成により、支持体製造時のコストを抑えつつ、中空状の支持体を得ることができる。
なお、本発明における芯鞘型複合繊維20の融点は、示差走査熱量計を用いて、昇温速度10℃/分で測定した際に得られるDSC曲線において、低温側に現れる融解ピークのピーク温度を鞘部の融点、高温側に現れる融解ピークを芯部の融点とする。
芯繊維の外径は、7~20μmが好ましく、10~20μmがより好ましい。繊維径が7μm未満の繊維を使用した場合には、支持体成形時に強度不足による糸切れが発生する場合がある。一方、繊維径が20μmを超える繊維を使用した場合には、中空状に成形する際に繊維同士の重なりによる空孔の空孔率が下がる恐れがある。
芯鞘型複合繊維20の芯成分21のポリマーは、特に限定されない。例えば、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等のオレフィン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらの内、本発明においては、耐薬品性および融点の観点から、オレフィン系繊維、又はポリエステル系繊維であることが好ましい。
(4)支持体2の製造
以下、中空状支持体2の製造方法を、図面を用いて説明する。図5は、芯鞘型複合繊維成形体の製造プロセスを示すフローチャートである。図6は、芯鞘型複合繊維成形体の製造プロセスを模式的に示す図である。支持体の成形プロセスは、工程(a)~(c)を備える。工程(a)では、逆方向にそれぞれ1本以上の芯鞘型複合繊維を金属製支持棒に巻き付ける。工程(b)では、金属製支持棒に巻き付けた芯鞘型複合繊維を加熱・融着させる。工程(c)では、融着させた芯鞘型複合繊維を冷却し、連続的に引き取る。
以下、中空状支持体2の製造方法を、図面を用いて説明する。図5は、芯鞘型複合繊維成形体の製造プロセスを示すフローチャートである。図6は、芯鞘型複合繊維成形体の製造プロセスを模式的に示す図である。支持体の成形プロセスは、工程(a)~(c)を備える。工程(a)では、逆方向にそれぞれ1本以上の芯鞘型複合繊維を金属製支持棒に巻き付ける。工程(b)では、金属製支持棒に巻き付けた芯鞘型複合繊維を加熱・融着させる。工程(c)では、融着させた芯鞘型複合繊維を冷却し、連続的に引き取る。
(a)工程
図6に示すように、金属製支持棒30に芯鞘型複合繊維20を金属製支持棒30に巻き付ける。次に、既に巻き付けた芯鞘型複合繊維20と交差するように、芯鞘型複合繊維20を逆方向に回転させ、金属製支持棒30に巻き付ける。芯鞘型複合繊維20を交差させて金属製支持棒30に巻き付けることにより、後の工程で融着・一体化が可能になる。金属製支持棒30に巻き付ける芯鞘型複合繊維20は、2本以上でもよく、空孔の制御と生産性向上の観点から4~8本が好ましい。9本以上の場合は、製造立上げ時の煩雑さから好ましくない。
図6に示すように、金属製支持棒30に芯鞘型複合繊維20を金属製支持棒30に巻き付ける。次に、既に巻き付けた芯鞘型複合繊維20と交差するように、芯鞘型複合繊維20を逆方向に回転させ、金属製支持棒30に巻き付ける。芯鞘型複合繊維20を交差させて金属製支持棒30に巻き付けることにより、後の工程で融着・一体化が可能になる。金属製支持棒30に巻き付ける芯鞘型複合繊維20は、2本以上でもよく、空孔の制御と生産性向上の観点から4~8本が好ましい。9本以上の場合は、製造立上げ時の煩雑さから好ましくない。
(b)工程
金属製支持棒30に巻き付けた芯鞘型複合繊維20を加熱・融着させる温度は、鞘成分22の融点より高く、芯成分21の融点より低くすることが必要である。このようにすることで、金属製支持棒30に巻き付けられた形状を芯鞘型複合繊維20の芯部で維持しながら、鞘部で融着一体化し、支持体を製造することができる。
金属製支持棒30に巻き付けた芯鞘型複合繊維20を加熱・融着させる温度は、鞘成分22の融点より高く、芯成分21の融点より低くすることが必要である。このようにすることで、金属製支持棒30に巻き付けられた形状を芯鞘型複合繊維20の芯部で維持しながら、鞘部で融着一体化し、支持体を製造することができる。
(c)工程
金属製支持棒30に巻き付けられ、加熱により各繊維の交差部が一体化した支持体2は、冷却することで引き取ることができるようになる。冷却温度は、鞘成分の融点以下にする必要があり、より安定に引き取るためには、融点より50℃以上低い温度まで冷却することが好ましい。
金属製支持棒30に巻き付けられ、加熱により各繊維の交差部が一体化した支持体2は、冷却することで引き取ることができるようになる。冷却温度は、鞘成分の融点以下にする必要があり、より安定に引き取るためには、融点より50℃以上低い温度まで冷却することが好ましい。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明は本実施例により限定されるものではない。
(中空糸膜外径の測定)
中空糸膜外径の測定は、サンプルを割断して膜の断面を電子顕微鏡や光学顕微鏡で観察し、測定した。割断には、ダイヤモンドナイフ等鋭利な刃物を用いた。測定には、多孔性複合中空糸膜断面の外径を円周方向に3点測定し、測定した外径の平均値を採用した。
中空糸膜外径の測定は、サンプルを割断して膜の断面を電子顕微鏡や光学顕微鏡で観察し、測定した。割断には、ダイヤモンドナイフ等鋭利な刃物を用いた。測定には、多孔性複合中空糸膜断面の外径を円周方向に3点測定し、測定した外径の平均値を採用した。
(多孔質層厚みの測定)
多孔質層厚みの測定は、サンプルを割断して膜の断面を電子顕微鏡や光学顕微鏡で観察し、測定した。割断には、ダイヤモンドナイフ等鋭利な刃物を用いた。測定には、多孔性複合中空糸膜の長さ方向について0.5mm間隔で連続する10か所の断面を観察し、厚みの測定は円周方向にランダムに選定し測定した。測定した上記厚みの平均値を採用した。
多孔質層厚みの測定は、サンプルを割断して膜の断面を電子顕微鏡や光学顕微鏡で観察し、測定した。割断には、ダイヤモンドナイフ等鋭利な刃物を用いた。測定には、多孔性複合中空糸膜の長さ方向について0.5mm間隔で連続する10か所の断面を観察し、厚みの測定は円周方向にランダムに選定し測定した。測定した上記厚みの平均値を採用した。
また、多孔性複合中空糸膜1の製造は、すべて以下の方法で行った。
膜基材樹脂として塩化ビニル系共重合樹脂(積水化学工業株式会社製)と、溶剤としてジメチルアセトアミド(三菱ガス化学株式会社製、DMAc)を重量比で20:80の割合となるように樹脂溶液を調製した。支持体2を二重管ノズルの中央(Φ2.8mm)に通過させ、40℃の樹脂溶液を二重管ノズルの外側に連続的に4g/分の滴下量で吐出させ、相分離により多孔質の複合中空糸膜1を得た。引取速度は、2.5m/分、空走距離は50mmで行った。凝固水は、36℃の清水を用いた。
(実施例1)
実施例1の芯鞘型複合繊維20は、芯成分21と鞘成分22とを備える、芯鞘フィラメントである。芯成分21は、融点が260℃、繊維径が7μmのポリエチレンテレフタレートである。鞘成分22は、融点が180℃のポリエステル共重合体からなる。芯鞘型複合繊維20を1本、直径2mmのSUS製の支持棒30に連続的に1000rpmの速さで巻き付けた。さらに、別の1本の芯鞘型複合繊維20を支持棒に1000rpmの速さで逆回転させ、先の1本の芯鞘型複合繊維20と交差するように、支持棒30に巻き付けた。次に、芯鞘型複合繊維20をヒートガンにて約190℃に加熱し、芯鞘フィラメントを熱融着させた。芯鞘型複合繊維20を、室温にて約50℃まで冷却し、支持棒から連続的に取り外した。以上の工程で、支持体2を連続的に作製した。支持体2は、連続生産時に糸切れなどを起こすことなく、連続的に作製することができた。得られた支持体2の外径は、2.2mmであった。さらに、支持体2の外表面に高分子多孔質膜3を形成した。複合化した中空糸膜の多孔質膜3の厚みは、252μmであった。
実施例1の芯鞘型複合繊維20は、芯成分21と鞘成分22とを備える、芯鞘フィラメントである。芯成分21は、融点が260℃、繊維径が7μmのポリエチレンテレフタレートである。鞘成分22は、融点が180℃のポリエステル共重合体からなる。芯鞘型複合繊維20を1本、直径2mmのSUS製の支持棒30に連続的に1000rpmの速さで巻き付けた。さらに、別の1本の芯鞘型複合繊維20を支持棒に1000rpmの速さで逆回転させ、先の1本の芯鞘型複合繊維20と交差するように、支持棒30に巻き付けた。次に、芯鞘型複合繊維20をヒートガンにて約190℃に加熱し、芯鞘フィラメントを熱融着させた。芯鞘型複合繊維20を、室温にて約50℃まで冷却し、支持棒から連続的に取り外した。以上の工程で、支持体2を連続的に作製した。支持体2は、連続生産時に糸切れなどを起こすことなく、連続的に作製することができた。得られた支持体2の外径は、2.2mmであった。さらに、支持体2の外表面に高分子多孔質膜3を形成した。複合化した中空糸膜の多孔質膜3の厚みは、252μmであった。
(実施例2)
実施例2の芯鞘型複合繊維20は、芯成分21の繊維径が20μmのポリエチレンテレフタレートを用いていることを除いて、実施例1と同様である。実施例2においては、支持体は、連測生産時に糸切れなどを起こすことなく、連続的に作製することができた。得られた支持体の外径は、2.3mmであった。さらに、支持体2の外表面に高分子多孔質膜3を形成した。また、複合化した中空糸膜の多孔質膜3の厚みは、204μmであった。
実施例2の芯鞘型複合繊維20は、芯成分21の繊維径が20μmのポリエチレンテレフタレートを用いていることを除いて、実施例1と同様である。実施例2においては、支持体は、連測生産時に糸切れなどを起こすことなく、連続的に作製することができた。得られた支持体の外径は、2.3mmであった。さらに、支持体2の外表面に高分子多孔質膜3を形成した。また、複合化した中空糸膜の多孔質膜3の厚みは、204μmであった。
(比較例1)
比較例1では、融点が240℃のポリエチレンテレフタレートからなるマルチフィラメントを用いる。マルチフィラメントをそれぞれ1本づつ(合計2本)、直径2mmのSUS製の支持棒に交差するように、連続的に1000rpmの速さで巻き付けた。ヒートガンにてマルチフィラメントを約260℃に加熱し熱融着させた。マルチフィラメントを室温にて約50℃まで冷却し、一体化した支持体を連続的に作製することを検討した。熱で溶解したマルチフィラメントは、引取力により糸切れを起こし、連続的に作製することができなかった。
比較例1では、融点が240℃のポリエチレンテレフタレートからなるマルチフィラメントを用いる。マルチフィラメントをそれぞれ1本づつ(合計2本)、直径2mmのSUS製の支持棒に交差するように、連続的に1000rpmの速さで巻き付けた。ヒートガンにてマルチフィラメントを約260℃に加熱し熱融着させた。マルチフィラメントを室温にて約50℃まで冷却し、一体化した支持体を連続的に作製することを検討した。熱で溶解したマルチフィラメントは、引取力により糸切れを起こし、連続的に作製することができなかった。
(比較例2)
比較例2の芯鞘型複合繊維は、芯成分と鞘成分とを備える、芯鞘フィラメントである。芯成分は、融点が260℃、繊維径が5μmのポリエチレンテレフタレートである。鞘成分は、融点が180℃のポリエステル共重合体からなる。芯鞘型複合繊維20をそれぞれ1(合計2本)本、直径2mmのSUS製の支持棒30に交差するように、連続的に1000rpmの速さで巻き付けた。次に、芯鞘型複合繊維20をヒートガンにて約190℃に加熱し、芯鞘フィラメントを熱融着させた。芯鞘フィラメントを、室温にて約50℃まで冷却し、一体化した支持体を連続的に作製した。支持体は、連測生産時に糸切れを起こし、連続的に作製することができなかった。回転数を500rpmに下げて検討を行っても、糸切れは発生し、連続的に作製することはできなかった。
比較例2の芯鞘型複合繊維は、芯成分と鞘成分とを備える、芯鞘フィラメントである。芯成分は、融点が260℃、繊維径が5μmのポリエチレンテレフタレートである。鞘成分は、融点が180℃のポリエステル共重合体からなる。芯鞘型複合繊維20をそれぞれ1(合計2本)本、直径2mmのSUS製の支持棒30に交差するように、連続的に1000rpmの速さで巻き付けた。次に、芯鞘型複合繊維20をヒートガンにて約190℃に加熱し、芯鞘フィラメントを熱融着させた。芯鞘フィラメントを、室温にて約50℃まで冷却し、一体化した支持体を連続的に作製した。支持体は、連測生産時に糸切れを起こし、連続的に作製することができなかった。回転数を500rpmに下げて検討を行っても、糸切れは発生し、連続的に作製することはできなかった。
以上、本開示の複数の実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
本開示の多孔性中空糸膜は、汚水の浄化に利用できる。
1 多孔性複合中空糸膜
2 支持体
3 高分子多孔質膜
10 製造原液
11 ポンプ
12 ノズル
13 凝固液
14 凝固水槽
20 芯鞘型複合繊維
21 芯成分
22 鞘成分
30 支持棒
2 支持体
3 高分子多孔質膜
10 製造原液
11 ポンプ
12 ノズル
13 凝固液
14 凝固水槽
20 芯鞘型複合繊維
21 芯成分
22 鞘成分
30 支持棒
Claims (9)
- 高分子多孔質膜と、前記高分子多孔質膜を支持する支持体と、を備えた多孔性複合中空糸膜であって、
前記支持体は、外径が1mm以上2.4mm以下の筒形状を有し、
前記支持体は、芯鞘型複合繊維を有し、前記芯鞘型複合繊維は、繊維径が7~20μmの芯繊維からなる芯成分と、前記芯成分の外周に配置され、前記芯成分よりも融点が低い鞘成分と、からなる、
多孔性複合中空糸膜。 - 前記鞘成分が、ポリエステルおよびポリエステル共重合体、エチレン-ビニルエステル共重合体からなる、
請求項1に記載の多孔性複合中空糸膜。 - 前記鞘成分の融点が110℃以上220℃以下であり、前記芯成分の融点が180℃以上300℃以下である、
請求項1または2に記載の多孔性複合中空糸膜。 - 前記高分子多孔質膜の厚さが、100μm以上300μm以下である、
請求項1~3のいずれか一項に記載の多孔性複合中空糸膜。 - 前記高分子多孔質膜は、前記支持体の外周面に接して配置されている、
請求項1~4のいずれか一項に記載の多孔性複合中空糸膜。 - 芯鞘型複合繊維成形体の製造方法であって、
(o)繊維径が7~20μmの芯繊維からなる芯成分と、前記芯成分の外周に配置され、前記芯成分よりも融点が低い鞘成分と、からなる、芯鞘型複合繊維を準備する工程と、
(a)複数の芯鞘型複合繊維を、互いに交差するように、支持棒に巻きつける工程と、
(b)前記支持棒に巻き付けた芯鞘型複合繊維を、前記鞘成分の融点以上、かつ、前記芯成分の融点以下の温度に加熱し、融着させる工程と、
(c)融着された芯鞘型複合繊維を冷却し、芯鞘型複合繊維を前記支持棒から取り外す工程と、
を備えた、芯鞘型複合繊維成形体の製造方法。 - 前記工程(b)における加熱温度は、180℃以上220℃以下である、
請求項6に記載の芯鞘型複合繊維成形体の製造方法。 - 前記鞘成分が、ポリエステルおよびポリエステル共重合体、エチレン-ビニルエステル共重合体からなる、
請求項6または7に記載の芯鞘型複合繊維成形体の製造方法。 - 高分子多孔質膜と、高分子多孔質膜を支持する支持体と、を備えた多孔性複合中空糸膜の製造方法であって、
筒形状を有し、芯鞘型複合繊維成形体からなる支持体を準備する工程と、
前記支持体の外周に高分子多孔質膜を形成する工程と、
を備え、
前記支持体を準備する工程は、
(o)繊維径が7~20μmの芯繊維からなる芯成分と、前記芯成分の外周に配置され、前記芯成分よりも融点が低い鞘成分と、からなる、芯鞘型複合繊維を準備する工程と、
(a)複数の芯鞘型複合繊維を、互いに交差するように、支持棒に巻きつける工程と、
(b)前記支持棒に巻き付けた芯鞘型複合繊維を、前記鞘成分の融点以上、かつ、前記芯成分の融点以下の温度に加熱し、融着させる工程と、
(c)融着された芯鞘型複合繊維を冷却し、芯鞘型複合繊維を前記支持棒から取り外す工程と、
を含む、多孔性複合中空糸膜の製造方法。
Priority Applications (1)
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JP2021159603A JP2023049700A (ja) | 2021-09-29 | 2021-09-29 | 多孔性複合中空糸膜とその製造方法、および、芯鞘型複合繊維成形体の製造方法 |
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JP2021159603A Pending JP2023049700A (ja) | 2021-09-29 | 2021-09-29 | 多孔性複合中空糸膜とその製造方法、および、芯鞘型複合繊維成形体の製造方法 |
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2021
- 2021-09-29 JP JP2021159603A patent/JP2023049700A/ja active Pending
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