JP2023047785A - 振動型アクチュエータ、光学機器及び駆動装置 - Google Patents

振動型アクチュエータ、光学機器及び駆動装置 Download PDF

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Abstract

Figure 2023047785000001
【課題】振動型アクチュエータの連結機構を大型化させずに高剛性化し、可動部の倒れを抑制する。
【解決手段】振動体111と連結された可動案内部材115が摩擦部材121と連結された固定案内部材123に対して駆動方向D1に移動可能に構成され、可動案内部材115と駆動対象物を連結する連結部材131が付勢部材132により駆動方向D1で可動案内部材115に付勢された振動型アクチュエータ1において、可動案内部材115の加速により可動案内部材115が受ける第1のモーメントM1の方向と、可動案内部材115の当接面115bと連結部材131の当接体131aとの当接部に生じる摩擦力によって可動案内部材115が受ける第2のモーメントの方向とが逆方向となる構成とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、振動型アクチュエータ、振動型アクチュエータを備えた光学機器及び駆動装置に関する。
振動体に設けられた突起の先端を被駆動体に接触させた状態で、振動体に所定の振動を励起して突起の先端に楕円運動を生じさせることにより、振動体と被駆動体を相対移動させる振動型アクチュエータが知られている。このような振動型アクチュエータは、静音駆動が可能なこと、無通電時に保持力が得られること、並進駆動と回転駆動の両駆動に対応可能なこと等の特徴を有していることから、例えば、カメラのレンズ鏡筒におけるレンズ等の光学部材の駆動に用いられている。
レンズ鏡筒において振動型アクチュエータを用いて光学部材を駆動する場合、光学部材を高速に駆動すると共に光軸方向における位置決めを高い精度で行うことが常に求められる。このような要求に対して特許文献1は、振動型アクチュエータの可動部と光学部材をそれぞれ個別のガイド機構により駆動方向に移動可能に案内し、光学部材に回動可能に保持された連結部材を振動型アクチュエータの可動部に付勢した駆動装置を開示している。
特許文献1に記載された駆動装置では、振動型アクチュエータの可動部と光学部材の間の微小な位置変動を連結部材の回動により吸収することで、振動型アクチュエータの可動部と光学部材はガタなく(がたつきなく)連結される。これにより、振動型アクチュエータを高速駆動した場合でも、可動部に連結された光学部材を高い精度で位置決めすることができる。
特許5955347号公報
振動型アクチュエータで大質量の光学部材を駆動する場合、光学部材の重力や慣性力により振動型アクチュエータと光学部材を連結する連結機構に大きな力が作用するため、連結機構の高剛性化が必要となる。そして、上記特許文献1に記載された駆動装置のように、回動する部材を介した連結機構において、回動する部材及び連結機構の大型化を回避しつつ剛性を高めることは容易ではない。
この問題を解決する構成の1つとして、回動する部材を介さずに振動型アクチュエータの可動部と光学部材を連結する構成が考えられ、一例として、可動部と光学部材を駆動方向で直接当接させ、駆動方向に付勢することでガタなく連結する構成が挙げられる。このような構成では、駆動方向と直交する方向においての振動型アクチュエータの可動部と光学部材の間に生じる微小な位置変動は互いの当接部が滑ることによって吸収される。
しかし、振動型アクチュエータの可動部と光学部材の当接部同士が滑る際には、滑りによる摩擦力が振動型アクチュエータの可動部と光学部材に作用し、その摩擦力により振動型アクチュエータの可動部に倒れが生じてしまうおそれがある。なお、可動部の倒れとは、固定部に対する可動部の姿勢(角度)が可動部の移動方向において理想的な状態(角度)から傾くことを指す。振動型アクチュエータにおいて可動部に倒れが生じると固定部に対してガタが生じてしまい、光学部材の駆動精度が低下してしまう。
本発明は、連結機構を大型化させることなく高剛性化すると共に、可動部の倒れを抑制することが可能な振動型アクチュエータを提供することを目的とする。
本発明に係る振動型アクチュエータは、振動体と、前記振動体と接触する被駆動体と、前記振動体を前記被駆動体に対して所定の加圧力で加圧する加圧部材と、前記振動体と前記被駆動体の一方を保持する固定案内部材と、前記振動体と前記被駆動体の他方を保持し、前記振動体が生じる駆動力により所定の駆動方向に移動可能に配置された可動案内部材と、前記可動案内部材と駆動対象物を連結する連結部材と、前記駆動方向において前記連結部材を前記可動案内部材に対して付勢する付勢部材と、を備え、前記加圧力の少なくとも一部を前記可動案内部材と前記固定案内部材を付勢するガイド付勢力として用いる振動型アクチュエータであって、前記可動案内部材と前記連結部材は、一方が前記駆動方向と略直交する当接面を有し、他方が前記当接面と当接する当接体を有し、前記当接面と前記当接体は、前記駆動方向において前記ガイド付勢力の合力中心から所定の距離だけ離れた位置で前記付勢部材の付勢力を受けて接触し、前記当接体と前記当接面の当接部で生じる摩擦力が前記ガイド付勢力を打ち消す駆動条件において、前記可動案内部材の加速により前記可動案内部材が受ける第1のモーメントの方向と前記当接部に生じる摩擦力によって前記可動案内部材が受ける第2のモーメントの方向とが逆方向であることを特徴とする。
本発明によれば、連結機構を大型化させることなく高剛性化すると共に、可動部の倒れを抑制することが可能な振動型アクチュエータを実現することができる。
実施形態に係る振動型アクチュエータの構成を示す図である。 振動型アクチュエータの分解斜視図である。 振動型アクチュエータの斜視図及び正面図、連結機構の斜視図、可動部に作用する力を説明する図である。 振動型アクチュエータの構造を示す断面図である。 撮像装置の概略構成を示す断面図とレンズ駆動装置の概略構成を示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、実施形態に係る振動型アクチュエータ1の構成を示す図である。より詳しくは、図1(a)は振動型アクチュエータ1の上面図であり、図1(b)は振動型アクチュエータ1の側面図(駆動方向D1方向から見た図)であり、図1(c)は図1(a)中の矢視A-Aでの断面図である。図2は、振動型アクチュエータ1の分解斜視図であり、図2(a)と図2(b)とでは振動型アクチュエータ1を見る方向が異なっている。
なお、図1に示すように、説明の便宜上、振動型アクチュエータ1に対して、駆動方向D1、加圧方向D2及び幅方向D3で構成される三次元直交座標系を規定する。なお、各方向の詳細については後述する。
振動型アクチュエータ1は、固定部12と、固定部12に対して駆動方向D1に移動可能に配置される可動部11と、可動部11と駆動対象物(不図示)とを連結する連結機構13を備える。
可動部11は、電圧が印加されることにより駆動力を生じる振動体111と、振動体111の保持機構と、振動体111を摩擦部材121に所定の加圧力F1で加圧する加圧機構を備える。固定部12は、振動体111と摩擦接触する摩擦部材121と、摩擦部材121の保持機構を備える。
振動体111の保持機構は、振動体保持枠112、接続板113、可動枠114及び可動案内部材115を有する。振動体111を摩擦部材121に加圧する加圧機構は、加圧部材116、加圧板117及び緩衝部材118を有する。摩擦部材121の保持機構は、固定枠122と固定案内部材123を有する。
なお、図1に示した駆動方向D1は、可動部11の移動方向(駆動方向)である。加圧方向D2は、振動体111を摩擦部材121に押し当てる加圧力F1が作用する方向であり、振動型アクチュエータ1の厚さ方向である。幅方向D3は、振動型アクチュエータ1の幅方向として規定される。
振動体111は、2つの突起111cを有する弾性部材111bに圧電素子111aが接着(接合)された構造体である。圧電素子111aはPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等の圧電セラミックスからなる板材であり、弾性部材111bは金属板金であり、突起111cは絞り加工により弾性部材111b上に形成されたエンボス形状部である。圧電素子111aに所定の交流電圧を印加することで、突起111cの先端に楕円運動を発生させることができる。なお、このような振動体111の励振方法は公知であるため、詳細な説明は省略する。また、振動体111に設けられる突起の数は2つに限定されず、1つであっても構わない。
振動体保持枠112は、樹脂製の枠体であり、振動体111が直接接着されることで振動体111を保持する。接続板113は薄い金属板であり、可動枠114は樹脂の枠体である。接続板113は、平面方向には剛性が大きく、屈曲方向には剛性が小さい。そのため、接続板113により振動体保持枠112と可動枠114を接続することにより、振動体111と振動体保持枠112は、可動枠114に対して加圧方向D2に移動(変位)可能であり、且つ、駆動方向D1ではガタなく保持される。可動案内部材115は、金属板金であり、駆動方向D1に延在する案内溝115aと、曲げ加工により形成されて駆動方向D1と略直交する当接面115bと、フック115cを有する。可動枠114と可動案内部材115は、ビス締結により一体化(結合)される。
摩擦部材121は、金属製の梁(矩形の棒状体(板状の直方体))であり、摺動面121aにおいて振動体111の突起111cと接触して振動体111から摩擦駆動力(推力)を受ける被駆動体である。固定案内部材123は、金属板金であり、駆動方向D1に延在する案内溝123aと案内面123b(平面)を有する。摩擦部材121と固定案内部材123は、固定枠122に対してビス締結により一体化(結合)される。固定枠122は、振動型アクチュエータ1が装備される電子機器等の筐体(不図示)に固定される。
加圧部材116としては、引張コイルバネが用いられている。加圧板117は、金属板金であり、フック117aを有する。加圧部材116は、その片端が可動案内部材115のフック115cに、他端が加圧板117のフック117aにそれぞれ引っ掛けられて弾性変形することにより、振動体111を摩擦部材121に対して加圧する加圧力F1を発生させる。緩衝部材118は、樹脂板118aにフェルト118bを接着した構造体である。加圧部材116の加圧力F1は、加圧板117と緩衝部材118を介して振動体111へ伝達される。振動体111と振動体保持枠112は、加圧方向D2において移動可能に保持されているため、加圧力F1は振動体111の保持機構に阻害されることはない。こうして、振動体111の突起111cは加圧力F1で摩擦部材121の摺動面121aに押し付けられる。
可動案内部材115において案内溝115aは、固定案内部材123の案内溝123a及び案内面123bと加圧方向D2において対面する位置に設けられている。案内溝115aと案内溝123a及び案内面123bとの間には転動ボール14が配置されている。
加圧部材116の加圧力F1は、加圧板117のフック117aと可動案内部材115のフック115cに互いに逆方向の力として作用する。そこで、可動案内部材115のフック115cに作用する力(以下「ガイド付勢力F2」と称呼する)を用いて、可動部11の可動案内部材115を固定部12の固定案内部材123に対して加圧方向D2に付勢する。これにより、転動ボール14はガイド付勢力F2によって可動案内部材115と固定案内部材123に挟持される。
案内溝123a及び案内面123bと案内溝115aとに挟持された転動ボール14が転動することで、可動案内部材115は固定案内部材123に対して駆動方向D1に移動可能に保持される。また、可動案内部材115と固定案内部材123の間で十分なガイド付勢力F2で転動ボール14が挟持される限りは、可動案内部材115は駆動方向D1以外の方向には移動することはできず、また、いずれの方向へも回転することができない状態に保持される。こうして、可動部11は、固定部12に対し駆動方向D1にのみ移動可能に保持される。
なお、振動型アクチュエータ1を構成する各部品について上記の通りに例示した材料(素材)や構造物はあくまで一例であって、同等の機能を有し、且つ、振動型アクチュエータ1を構成可能なものであれば、別の材料や構造物を選択してもよい。
次に、振動型アクチュエータ1と駆動対象物の連結機構について説明する。図3(a)は、振動型アクチュエータ1の斜視図である。図3(b)は、連結機構13の斜視図である。図3(c)は、振動型アクチュエータ1の正面図(幅方向D3から見た図)である。図3(d)は、可動部11に作用する力の一部を説明する図である。
振動型アクチュエータ1と駆動対象物(不図示)を連結する連結機構13は、連結部材131と付勢部材132を有する。例えば、連結部材131は樹脂製の構造体であり、付勢部材132は圧縮コイルバネである。
可動案内部材115は、駆動方向D1と略直交する当接面115b(適宜、図2参照)を有し、連結部材131は当接面115bと当接する球面状の当接体131aを有する。また、図3(c)に示されるように、当接面115bと当接体131aは駆動方向D1においてガイド付勢力F2の合力中心C1から所定の距離L1だけ離れた当接位置で接触する。これにより、当接体131aは、付勢部材132による付勢力F3で、当接面115bに対して駆動方向D1方向に付勢される。連結部材131は、駆動対象物(不図示)にビス等で固定されている。振動型アクチュエータ1を駆動すると、可動部11と一体的に連結部材131が駆動方向D1に移動する。このとき、連結部材131に連結された駆動対象物は、案内機構(不図示)により、駆動方向D1と略平行な方向にのみ移動可能に案内される。駆動対象物及び連結部材131は駆動方向D1にのみ移動可能であり、また、いずれの方向にも回転不可能に保持される。
こうして、連結機構13は、振動型アクチュエータ1の可動部11と駆動対象物をガタなく連結している。なお、連結部材131は、当接体131aが当接面115bに対して滑ることにより、駆動方向D1と直交する方向に移動可能となっている。よって、可動部11と駆動対象物との間で駆動方向D1と直交する方向に微小な位置変動があった場合でも、位置変動を吸収することができる。
振動型アクチュエータ1では加圧部材116により生じる加圧力F1によって振動体111が摩擦部材121に押し当てられる一方で、加圧力F1の反力をガイド付勢力F2として用いることにより可動案内部材115を固定案内部材123に対して付勢している。これにより、可動部11は固定部12に対して倒れることなく駆動方向D1にのみ移動可能に保持される。また、可動案内部材115と連結部材131は、駆動方向D1に付勢力F3で付勢されて連結され、可動部11と駆動対象物の間の駆動方向D1と直交する面内方向での位置変動は当接面115bと当接体131aの滑りによって吸収される。この構成により、振動型アクチュエータ1は、連結機構13を大型化させることなく、高剛性化を実現している。
しかしながら、所定の条件では可動部11が固定部12に対して倒れるおそれがあり、この問題に対する対策が必要となる。固定部12に対する可動部11の倒れ防止対策について説明する前に、どのような条件下で可動部11が固定部12に対して倒れやすくなるのかについて説明する。
当接体131aが当接面115bに対して滑ると説明したが、当接体131aが当接面115b上を滑る際には、摩擦力F4が当接面115bに作用する。そして、摩擦力F4は、駆動方向D1と直交する平面内のいずれの方向にも生じ得る。図3(b)に示す摩擦力F4a,F4b,F4c,F4dは例示であって、所定の方向の摩擦力を成分として有する合力としての摩擦力F4が生じ得る。
図3(d)には、摩擦力F4が図3(b)に示した摩擦力F4aの場合の、摩擦力F4a、加圧力F1及びガイド付勢力F2の関係が示されている。摩擦力F4aはガイド付勢力F2に対して逆方向に生じるため、摩擦力F4aが発生すると、結果としてガイド付勢力F2が小さくなってしまう。また、摩擦力F4の大きさは、当接面115bと当接体131aの当接力F5に比例する。例えば、図3(c)に矢印V1で示す方向に可動部11が加速したときには、当接体131aに当接面115bが強く押し当てられて、当接力F5が大きくなる。これに対して、図3(c)に矢印V2で示す方向に可動部11が加速したときには、当接体131aから当接面115bが離れようとするため、当接力F5は小さくなる。つまり、当接面115bと当接体131aの当接力F5が大きくなる方向に可動部11が加速する場合に、摩擦力F4は大きくなる。
このように、摩擦力F4が図3(d)に示されるようにガイド付勢力F2を小さくする方向に作用すると同時に当接力F5が大きくなる方向に可動部11が加速した場合、摩擦力F4がガイド付勢力F2を著しく小さくしてしまい、可動部11が倒れ易くなる。そして、後述するように、可動部11には複数のモーメントが作用しており、ガイド付勢力F2が小さくなった状態で可動部11が所定の方向にモーメントを受けると、可動部11が倒れてしまうおそれがある。
この問題に対して採用されている振動型アクチュエータ1の特徴について以下に詳細に説明する。図4(a)は、振動型アクチュエータ1の断面図であり、図1(c)中に破線で示される枠内を拡大した図である。図4(b),(c)は、振動型アクチュエータ1の断面図であり、図3(b)を部分的に拡大した図である。図4(a)と図4(b),(c)とは、断面を示す切断位置は異なるが、いずれも幅方向D3から振動型アクチュエータ1を見た図である。
可動部11が倒れ易い条件において可動部11の可動案内部材115を倒そうとするモーメントは2つある。1つは、図4(b)に示す、加速により可動案内部材115が受ける第1のモーメントM1である。別の1つは、図4(c)に示す、摩擦力F4により可動案内部材115が受ける第2のモーメントM2である。
先ず、第1のモーメントM1について説明する。可動部11が図4(a)に示す矢印V1の方向に加速する際、振動体111が突起111cの先端に推力F6を発生させている。推力F6は、振動体保持枠112と接続板113を介して可動枠114へ伝達される。図4(a),(b)において、P0点は接続板113と振動体保持枠112の接着点を、P1点は接続板113と可動枠114の接着点(第1の点)を表している。推力F6は接続板113上をP0点からP1点へ伝達され、P1点において可動枠114と可動案内部材115に推力F6´(図4(b))として作用する。接続板113は前述したように薄い金属板であり、推力F6´のみを伝達する。そのため、可動枠114と可動案内部材115に対して振動体111から伝達される推力F6´の作用点はP1点となる。
また、当接面115bと当接体131aが当接するP2点(第2の点)において、当接面115bには当接体131aから受ける駆動負荷F7が作用する。駆動負荷F7は駆動対象物の慣性力や摺動負荷を含み、駆動負荷F7の大きさは、力のつり合いにより、推力F6´と一致する。そして、推力F6´と駆動負荷F7の軸ずれによって可動枠114と可動案内部材115に第1のモーメントM1が作用する。加圧方向D1におけるP1点とP2点の距離を‘L2’とすると、第1のモーメントM1の大きさは下記式1で表される。
Figure 2023047785000002
次に、第2のモーメントM2について説明する。図4(c)に示すように、駆動方向D1において、当接面115bと当接体131aは、ガイド付勢力F2の合力中心C1から距離L1だけ離れた位置に設けられている。そのため、可動枠114と可動案内部材115に、下記式2で表される第2のモーメントM2が作用する。距離L1の向きや大きさを調整することによって、第2のモーメントM2の方向や大きさを調整することができる。
Figure 2023047785000003
当接面115bと当接体131aは、駆動方向D1においてガイド付勢力F2の合力中心C1から距離L1だけ離れた位置において、駆動方向D1に付勢される。これにより、当接面115bに作用する摩擦力F4によって可動案内部材115が受ける第2のモーメントM2を意図的に生じさせることができる。また、第2のモーメントM2の方向を、加速により可動案内部材115が受ける第1のモーメントM1とは逆の方向とすることにより第1のモーメントM1を打ち消し或いは低減させることができる。
つまり、振動型アクチュエータ1では、前述の通りに連結機構13を高剛性化しつつ、可動部11が倒れ易い上述の条件下では可動案内部材115を倒そうとする2つのモーメントを打ち消し合わせることにより、可動部11の倒れを抑制する効果を得ている。換言すれば、第1のモーメントM1と第2のモーメントM2を互いに逆方向に生じさせることで可動部11の倒れを抑制する効果は、摩擦力F4が著しくガイド付勢力F2を低減させてしまう駆動条件下で特に顕著に得られる。このような駆動条件は、摩擦力F4がガイド付勢力F2を打ち消す方向に作用した場合(図3(d)参照)と、当接力F5が増大する矢印V1の方向に可動部11が加速した場合(図3(c)参照)である。
なお、振動型アクチュエータ1では、可動部11はいずれの方向にも回転不可能に保持され、連結部材131は不図示の光学部材(駆動対象物)に連結され、光学部材は不図示の案内機構によりいずれの方向にも回転不可能に保持されている。このような構成条件に限らず、可動部11の倒れを摩擦力F4により抑制する効果は、可動部11や連結部材131に回動可能な部材が含まれ、回動可能な部材を介して連結される構成においても得ることができる。但し、この場合に連結機構13を高剛性化しようとすると、回動する部品やその保持機構の大型化を回避することが容易でなくなる。換言すれば、可動部11や連結部材131に回動可能な部材が含まれる場合、連結機構13を高剛性化しつつ可動部11の倒れを摩擦力F4を利用して抑制するためには、可動部11及び連結部材131はいずれの方向にも回転不可能に保持されることが望ましい。
さて、振動型アクチュエータ1では、可動部11の可動案内部材115に、駆動方向D1に延在する案内溝115aが設けられている。また、固定部12の固定案内部材123には、加圧方向D2において案内溝115aに対向する位置に、駆動方向D1に延在する案内溝123a及び案内面123bが設けられている。そして、案内溝115aと案内溝123a及び案内面123bとの間には転動ボール14が配置され、ガイド付勢力F2により可動案内部材115と固定案内部材123で転動ボール14を挟持している。このように、振動体111の加圧機構を利用して案内機構を付勢して、転動ボール14の転動により可動部11をスムーズに駆動方向D1のみ移動可能な構成が実現されている。
一方で、振動型アクチュエータ1の駆動中に転動ボール14の駆動方向D1での位置は変動し、ガイド付勢力F2は振動体の加圧力F1以上の値にすることは容易ではない。よって、振動型アクチュエータ1の構造は、可動部11の倒れが起こり構造とは言い難い。換言すれば、可動部11が倒れ易い構成の振動型アクチュエータ1では、可動部11の倒れを摩擦力F4により抑制する効果をより顕著に得ることができる。
次に、第1のモーメントM1と第2のモーメントM2の大きさを略一致させて相殺させることで、可動部11の倒れをより効果的に抑制する構成について説明する。振動型アクチュエータ1では、上述したように、摩擦力F4により可動案内部材115が受ける第2のモーメントM2と、加速により可動案内部材115が受ける第1のモーメントM1を逆方向に発生させて打ち消し合わせる構成としている。
第1のモーメントM1と第2のモーメントM2の大きさを略一致させるための条件は次の通りである。即ち、当接面115bと当接体131aの当接力F5(図4(c))は、付勢部材132が生じる付勢力F3と駆動負荷F7の合力であるため、下記式3により表される。また、付勢力F3は、矢印V1の方向(図4(c))の逆方向に駆動負荷F7が生じても、当接面115bと当接体131aを付勢し続けるため、駆動負荷F7に対して1以上の安全率を乗じた値とすることが一般的である。ここで、その安全率を1以上2以下とすると、下記式4が成り立つ。そして、下記式3,4より、当接力F5の大きさ範囲は、下記式5で表される。ここで、摩擦力F4は、当接力F5に摩擦係数μを乗じた値である。摩擦係数μは一般的に0.1~0.5の値を取ることから、下記式5より、摩擦力F4は下記式6で表される範囲の値を取り得る。更に、上記式2と下記式6により、摩擦力F4により可動案内部材115が受ける第2のモーメントM2の大きさは、下記式7で表される範囲の値を取り得る。
Figure 2023047785000004
第1のモーメントM1と第2のモーメントM2の大きさを略一致させようとすると、上記式7より、第1のモーメントM1の大きさを下記式8の範囲内とすることが好ましい。下記式8に上記式1を代入すると、距離L1,L2の間に下記式9の関係が成り立つ。よって、可動案内部材115に作用する第1のモーメントM1と第2のモーメントM2を相殺させる(極力、打ち消す)ためには、距離L1,L2が下記式10の関係を満たすことが望ましいことがわかる。
Figure 2023047785000005
なお、振動型アクチュエータ1では、可動部11が振動体111を有し、固定部12が摩擦部材121を有する構造となっているが、逆に可動部11が摩擦部材を有し、固定部12が振動体を有する構成の振動型アクチュエータであっても本発明の効果は得られる。また、振動型アクチュエータ1では、可動部11の可動案内部材115が当接面115bを有し、連結部材131が当接体131aを有する構造であるが、逆に可動部11が当接部を有し、連結部材131が当接面を有する構成であっても本発明の効果は得られる。
更に、振動型アクチュエータ1では、可動枠114と可動案内部材115に対し振動体111から伝達される推力F6´の作用点は、接続板113と可動枠114の接着部であるP1点である。しかし、可動案内部材115に対して振動体111からの推力F6が伝達される作用点は、必ずしも接続板113と可動枠114の接着点である必要はない。つまり、推力F6が伝達される作用点は、可動案内部材115に対して振動体111の推力F6がモーメントを生じずに伝達される点であると定義される。よって、例えば、複数の経路を介して推力F6が伝達される場合、推力F6が伝達される作用点は、複数の経路から伝達される推力の合力が作用する点であり、それは仮想の点であってもよい。
次に、振動型アクチュエータ1により光学部材を駆動する光学機器の一例としての撮像装置について説明する。図5(a)は、撮像装置本体22及びレンズ鏡筒21からなる撮像装置の概略構成を示す断面図である。図5(b)は、レンズ鏡筒21に組み込まれたレンズ駆動装置の概略構成を示す斜視図である。
撮像装置本体22の内部には、撮像素子22aが配置されている。また、撮像装置本体22は、レンズ鏡筒21が着脱されるマウント221を備えており、マウント221はレンズ鏡筒21を撮像装置本体22に着脱可能とするためのバヨネット部を有している。
レンズ鏡筒21は、マウント221に取り付けられた際にマウント221のフランジ部と当接する固定筒211を有する。レンズ鏡筒21はまた、固定筒211に対して固定される前鏡筒212と後鏡筒213を有し、前鏡筒212はレンズG1を保持し、後鏡筒213はレンズG3を保持している。更にレンズ鏡筒21の内部には、レンズG2と、レンズG2を保持するレンズ保持枠214が配置されている。レンズ保持枠214は、前鏡筒212と後鏡筒213に保持されたガイドバー215(案内部材)よって駆動方向D1に移動可能に保持されている。
振動型アクチュエータ1は、後鏡筒213にビス(不図示)等で固定される。振動型アクチュエータ1の可動部11を構成する可動案内部材115は、連結部材131と当接している。可動案内部材115の当接面115bと連結部材131は、上述したように、駆動方向D1に付勢されている。連結部材131は、ビス締結によりレンズ保持枠214に結合される。
よって、振動型アクチュエータ1を駆動すると、振動型アクチュエータ1の駆動力は、可動案内部材115と連結部材131を介してレンズ保持枠214に伝達され、レンズ保持枠214はガイドバー215によって駆動方向D1に案内されて直線的に移動する。
その際、振動型アクチュエータ1の可動案内部材115は、固定案内部材123によって案内され、レンズ保持枠214はガイドバー215により案内される。そのため、振動型アクチュエータ1の駆動時には、駆動方向D1と直交する方向において、可動部11とレンズ保持枠214の間に微小な位置変動が生じるが、この位置変動は、可動案内部材115と連結部材131の滑りによって吸収される。
レンズ鏡筒21では、振動型アクチュエータ1と連結機構13を用いることにより連結機構13を高剛性化しつつ可動部11の倒れを抑制することができるため、レンズG2が大質量であっても高い精度でレンズG2を駆動することが可能になる。
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。例えば、振動型アクチュエータ1を構成する各部品の形状や材質は、本発明の効果が得られる限りにおいて、上述したものに限定されない。また、上記実施形態では、振動体111が摩擦部材121に対して駆動方向D1へ移動する構成としているが、摩擦部材121が振動体111に対して駆動方向D1へ移動する構成であってもよい。つまり、振動体111及びこれに連結された部材と摩擦部材121及びこれに連結された部材の一方を可動部とし、他方を固定部とすることができる。連結部材131が移動可能な部材に連結されることは言うまでもない。また、駆動対象物がレンズ鏡筒のレンズである例を説明したが、駆動対象物を直進駆動させる駆動装置であれば本発明を適用できる。例えば、駆動対象物を撮像素子とした撮像装置や、駆動対象物を視度調整用レンズや表示パネルとしたヘッドマウントディスプレイ等の表示装置、駆動対象物をステージとした顕微鏡にも本発明を適用できる。
1 振動型アクチュエータ
14 転動ボール
21 レンズ鏡筒
111 振動体
115 可動案内部材
115a 案内溝
115b 当接面
116 加圧部材
121 摩擦部材
123 固定案内部材
123a 案内溝
123b 案内面
131 連結部材
131a 当接体
132 付勢部材
215 ガイドバー

Claims (9)

  1. 振動体と、
    前記振動体と接触する被駆動体と、
    前記振動体を前記被駆動体に対して所定の加圧力で加圧する加圧部材と、
    前記振動体と前記被駆動体の一方を保持する固定案内部材と、
    前記振動体と前記被駆動体の他方を保持し、前記振動体が生じる駆動力により所定の駆動方向に移動可能に配置された可動案内部材と、
    前記可動案内部材と駆動対象物を連結する連結部材と、
    前記駆動方向において前記連結部材を前記可動案内部材に対して付勢する付勢部材と、を備え、
    前記加圧力の少なくとも一部を前記可動案内部材と前記固定案内部材を付勢するガイド付勢力として用いる振動型アクチュエータであって、
    前記可動案内部材と前記連結部材は、一方が前記駆動方向と略直交する当接面を有し、他方が前記当接面と当接する当接体を有し、
    前記当接面と前記当接体は、前記駆動方向において前記ガイド付勢力の合力中心から所定の距離だけ離れた位置で前記付勢部材の付勢力を受けて接触し、
    前記当接体と前記当接面の当接部で生じる摩擦力が前記ガイド付勢力を打ち消す駆動条件において、前記可動案内部材の加速により前記可動案内部材が受ける第1のモーメントの方向と前記当接部に生じる摩擦力によって前記可動案内部材が受ける第2のモーメントの方向とが逆方向であることを特徴とする振動型アクチュエータ。
  2. 前記駆動条件は、前記可動案内部材に作用している前記ガイド付勢力を打ち消す成分を有する摩擦力が前記当接部に作用するように前記当接部において生じる駆動条件であることを特徴とする請求項1に記載の振動型アクチュエータ。
  3. 前記駆動条件は、前記可動案内部材が前記当接面と前記当接体の当接力が増大する方向へ加速される駆動条件であることを特徴とする請求項2に記載の振動型アクチュエータ。
  4. 前記可動案内部材と前記連結部材は共にいずれの方向にも回転不可能に保持する保持手段を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の振動型アクチュエータ。
  5. 前記可動案内部材は、前記駆動方向に延在する溝からなる第1の案内部を有し、
    前記固定案内部材は、前記加圧力の加圧方向において前記第1の案内部と対向する位置に前記駆動方向に延在する溝または平面からなる第2の案内部を有し、
    前記第1の案内部と前記第2の案内部の間に転動ボールが配置され、前記転動ボールが前記ガイド付勢力により前記第1の案内部と前記第2の案内部で挟持されて、前記可動案内部材は前記固定案内部材に対して前記駆動方向にのみ移動可能に保持されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の振動型アクチュエータ。
  6. 前記駆動方向と前記加圧力の加圧方向とに直交する方向から見て、前記振動体から前記可動案内部材に伝達される推力の作用点を第1の点とし、前記当接面と前記当接体が当接する点を第2の点とし、前記駆動方向における前記ガイド付勢力の合力中心と前記第2の点との間の距離をL1とし、前記加圧方向における前記第1の点と前記第2の点のとの間の距離をL2とした場合に、0.66×L2≦L1≦5×L2、の関係が満たされることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の振動型アクチュエータ。
  7. 前記当接体は、球面状であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の振動型アクチュエータ。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の振動型アクチュエータと、
    前記連結部材と連結された光学部材と、
    前記光学部材を前記振動型アクチュエータでの前記駆動方向に案内する案内部材と、を備えることを特徴とする光学機器。
  9. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の振動型アクチュエータと、
    前記連結部材と連結された駆動対象物と、を備えることを特徴とする駆動装置。
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