JP2019187196A - 振動波モータ及び振動波モータを備えた駆動装置 - Google Patents

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真介 吉田
Shinsuke Yoshida
真介 吉田
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Abstract

【課題】 駆動効率の向上と装置の小型化の両立が可能な振動波モータを提供する。【解決手段】 振動波モータ3は、第1の振動子13Aと、第2の振動子13Bと、第1の振動子13A及び第2の振動子13Bと摩擦接触する摩擦部材18と、第1の振動子13Aを保持する第1の保持部材14Aと、第2の振動子13Bを保持する第2の保持部材14Bと、第1の保持部材14A及び第2の保持部材14Bを保持する第3の保持部材17と、第1の保持部材14A及び第2の保持部材14Bを第3の保持部材17に対して付勢する付勢部材19と、を備え、第1の振動子13A及び第2の振動子13Bと摩擦部材18とは相対的に移動し、該付勢部材19は、移動の方向において第1の保持部材14Aと第2の保持部材14Bを互いに異なる方向に付勢する。【選択図】 図3

Description

本発明は、振動波モータと、振動波モータを備えた駆動装置に関する。
従来から、高トルク出力、高い位置決め精度、静粛性などの特徴を活かして、例えばカメラやレンズの駆動源として、振動波モータが広く採用されている。近年では、高画質化、動画機能の拡充への対応と、比較的簡単な構造で小型に構成することの両立が求められるとともに、重いレンズを動かすことができる高出力なモータが必要とされている。例えば、特許文献1には、振動子が固定される基台と振動子支持部材との間を、加圧方向には移動自在にし、移動方向にはガタなく連結する連結手段を備えたことで駆動効率を向上させる技術が開示されている。
特開2015−126692号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、駆動効率を向上させることはできているが、上記の連結手段を構成する板バネのバネ力を十分に得ることのできる空間がない場合、加減速など負荷により板バネが負けてしまい、駆動効率の低下が生じる。
そこで、本発明の目的は、駆動効率の向上と装置の小型化の両立が可能となる振動波モータを提供することである。
上記の目的を達成するために、本発明の振動波モータは、第1の振動子と、第2の振動子と、第1の振動子及び第2の振動子と摩擦接触する摩擦部材と、第1の振動子を保持する第1の保持部材と、第2の振動子を保持する第2の保持部材と、第1の保持部材及び第2の保持部材を保持する第3の保持部材と、第1の保持部材及び第2の保持部材を第3の保持部材に対して付勢する付勢部材と、を備え、第1の振動子及び第2の振動子と摩擦部材とは相対的に移動し、該付勢部材は、移動の方向において第1の保持部材と第2の保持部材とを互いに異なる方向に付勢することを特徴とする。
本発明によれば、駆動効率の向上と小型化の両立が可能となる振動波モータを提供することができる。
本発明の振動波モータ3の斜視図である。 (A)第1の駆動部10Aの構成を示す分解斜視図である。(B)第1の振動子13A、第2の振動子13Bの斜視図である。 (A)本発明の振動波モータ3の正面図である。(B)本発明の振動波モータ3の断面図である。 本発明の振動波モータ3の側面図である。 本発明の振動波モータ3の変形例の正面図である。 本発明の振動波モータ3を備えた撮像装置の断面図である。
以下に、本発明の好ましい実施形態を添付の図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態の振動波モータ3(超音波モータ)の斜視図を示している。図2(A)は、第1の駆動部10Aの構成を示す分解斜視図である。図2(B)は、第1の振動子13A、第2の振動子13Bの斜視図である。図3(A)は、振動波モータ3の正面図であり、図3(B)は振動波モータ3の断面図である。尚、各図面において、振動波モータ3の駆動部の駆動方向(移動方向)をX方向、後述の加圧方向をZ方向、X方向とZ方向のそれぞれに直交する方向をY方向と定義する。
振動波モータ3は、第1の駆動部10Aと第2の駆動部10Bの2つの駆動部を備える。また、第1の駆動部10A及び第2の駆動部10Bは、同じ構成で示されているが、異なる構成の駆動部であっても構わない。尚、本明細書においては、説明を簡単にするため主に第1の駆動部10Aの構成について説明し、第2の駆動部10Bについては、第1の駆動部10Aと同様であるのでその説明を省略し、必要がある場合、括弧をつけて記載する。
第1の駆動部10A及び第2の駆動部10Bは、摩擦部材18を介してZ方向に対向して配置されている。第1の振動子13Aは、後述の第1の加圧部材16Aの加圧力によって、また第2の振動子13Bは、後述の第2の加圧部材16Bの加圧力によって摩擦部材18に対して付勢されるとともに、摩擦接触している。
第1の駆動部10A及び第2の駆動部10Bは、第3の保持部材17によって保持されている。第3の保持部材17は不図示の連結部を備え、被駆動部材(後述の合焦レンズ4)と連結している。摩擦部材18は不図示の固定部により固定されている。振動波モータ3において、第1の駆動部10A及び第2の駆動部10Bの駆動力は、第3の保持部材17が移動することによって出力される。すなわち、摩擦部材18に対する第1の駆動部10A及び第2の駆動部10Bの駆動力は、第3の保持部材17を介して出力され、第3の保持部材17が移動することによって、被駆動部材は移動方向と略平行な方向に移動可能となる。
図2(A)を参照すると、第1の駆動部10Aは、第1の振動子13Aを備えており、第1の振動子13Aは、弾性体としての第1の振動板11Aと第1の圧電素子12Aにより構成されている。第1の振動板11Aには、第1の圧電素子12Aが公知の接着材等により固定されており、第1の圧電素子12Aに高周波電圧を印加することにより超音波振動(超音波領域の周波数の振動)を励振する。
第1の振動子13Aは、第1の保持部材14Aに公知の接着剤等により固定されることにより第1の保持部材14Aに保持されているが、固定されればその方法は限定されない。第1の保持部材14Aは更に、後述する付勢部材19の固定部19aと公知の接着剤等により固定されているが、固定されればその方法は限定されない。第1の圧電素子12AのZ方向(第1の振動板11Aに固定されている側の反対側の方向)には、第1の弾性部材15Aが配置されている。第1の弾性部材15AのZ方向には、第1の加圧部材16Aが配置されている。すなわち、第1の弾性部材15Aは第1の圧電素子12Aと第1の加圧部材16Aとの間に配置されている。第1の弾性部材15Aは、第1の加圧部材16Aと第1の圧電素子12Aとの直接接触を防ぎ、第1の圧電素子12Aの損傷を防止している。第1の加圧部材16Aは、第1の振動子13Aを摩擦部材18に摩擦接触させる加圧力を付与している。
図2(B)は、第1の振動子13Aと第2の振動子13Bの斜視図である。第1の振動板11A(11B)は、それぞれ接触部11cを2つ備えている。そして、図3(B)を参照すると、接触部11cは摩擦部材18に第1の加圧部材16A(16B)の加圧力により加圧された状態で接触している。第1の振動板11Aと第1の圧電素子12Aが接着された状態(及び第2の振動板11Bと第2の圧電素子12Bが接着された状態)において、第1の圧電素子12A(12B)に超音波振動を励振させることで、第1の振動子13A(13B)が共振する。このとき第1の振動子13A(13B)には2種の定在波が発生し、接触部11cに略楕円運動が発生する。この略楕円運動により第1の駆動部10A(10B)と摩擦部材18は相対移動し、高出力な駆動力が得られる。
第3の保持部材17は、2つの係合穴17hを備えており、それぞれの係合穴17hは、摩擦部材18を挟むように対向して位置している。そして、係合穴17hには第1の弾性部材15A(15B)が有する係合突起15pが係合し、第1の加圧部材16A(16B)の加圧力による加圧反力が第3の保持部材17によって受けられる。
ここで、第1の駆動部10Aと第2の駆動部10Bの駆動力を効率的に出力するには、第1の保持部材14A及び第2の保持部材14Bと、第3の保持部材17は、駆動方向つまりX方向に隙間なく連結されることが望ましい。もし隙間があると、その隙間の分だけ動作追従に遅れが生じ、駆動効率の低下が生じてしまう。しかしながら、駆動方法、加減速テーブルにもよるが、被駆動部が重くなると、加減速時の慣性の影響が大きくなってくるため、駆動部には被駆動部の質量の数倍程度の慣性力がかかる場合がある。
本発明では、この慣性力に対応するため図3(A)及び図4に示されるように、Z方向に延伸させた付勢部材19を採用している。そして、付勢部材19を介して第1の保持部材14Aが第2の保持部材14Bを第3の保持部材17に対して付勢すると同時に、その付勢力Fの付勢反力F’によって第1の保持部材14Aが第3の保持部材17に対して付勢される構成としている。
第1の保持部材14AのX方向の両端部には突起部a1、a2が備えられており、同様に第2の保持部材14BのX方向の両端部には突起部b1、b2が備えられている。第1の保持部材14Aの+X方向の端面には、付勢部材19の一方の端部である固定部19aが固定されている。また、付勢部材19の他方の端部である当接部19bが第2の保持部材14Bの+X方向の端面に当接し、付勢部材19が付勢力Fで第2の保持部材14Bを−X方向に付勢している。そして、付勢部材19の付勢力Fの付勢反力F’によって第1の保持部材14Aが+X方向に付勢されている。それぞれの付勢力F、付勢反力F’は第3の保持部材17によって受けられている。
付勢部材19は、第2の保持部材14BのZ方向の移動を阻害しないように第2の保持部材14Bと接触している。また、第2の保持部材14Bは、突起部b2を介してZ方向の移動を阻害しないように第3の保持部材17と接触しており、Z方向には移動自在である。そして、第1の保持部材14Aは、第2の保持部材14Bを第3の保持部材17に付勢する付勢反力F’を受ける。その付勢反力F’によって突起部a1を介して第1の保持部材14AのZ方向の移動を阻害しないように第3の保持部材17と接触し、Z方向には移動自在に付勢される。以上のような構成によって、第1の保持部材14A及び第2の保持部材14BはZ方向には移動自在に、かつ、X方向には隙間なく第3の保持部材17と連結することが可能となる。
特許文献1の図2に示される従来例では、基台と振動子支持部材との間に板バネが設けられているが、板バネの付勢する力が被駆動部材の慣性力による負荷に勝っていなければ、駆動した瞬間に基台と振動子支持部材との間に隙間が生じてしまう。隙間が生じると、加減速を伴う駆動をする場合に追従が遅れ、駆動効率が低下してしまう。従来例では、板バネがY方向に延伸しており、付勢する力を十分得るためには、板バネの長さを大きくする必要がある。
一方、本実施形態においては、第1の駆動部10Aと第2の駆動部10Bとが、摩擦部材18を介して対向配置されている。そのため、図4のようにYZ平面において、Y方向における摩擦部材18の両脇がデッドスペースとなっている。一方、付勢部材19が発生する付勢力Fは、とても大きな力が必要となる。しかしながら、付勢部材19は、Y方向において摩擦部材18の両脇を挟むように第1の付勢部19c及び第2の付勢部19dを備えており、この構成によって、付勢部材19のバネ力を増加することが可能になるとともに、バネ定数を低く抑えることができる。バネ定数を低く抑えることによって、形状誤差による付勢力Fへの影響を小さくすることが可能になる。更に、摩擦部材18の両脇のデッドスペースを有効に活用することができる。
更に、本実施形態では、付勢部材19の固定部19aは第1の保持部材14Aに固定され、付勢力Fを発生させている。しかしながら、図5に示される本実施形態の変形例のように、第1の保持部材14Aだけでなく、第2の保持部材14Bの各々が付勢部材19を備えていてもよい。そのように構成することによって、各々の付勢部材19に求められるバネ力は小さくなり、形状の自由度が高くなる。また、バネ定数を低く抑えることが可能になり、形状誤差による付勢力Fのばらつきを低減させることができる。
尚、上記の説明では、摩擦部材18を介して、2つの駆動部が対向配置されている場合を中心に説明してきたが、対向配置でなくても構わない。たとえば、1つの摩擦部材18に対して第1の駆動部10Aと第2の駆動部10Bが略並列に配置されていた場合においても本発明を適用することが可能である。その場合には、第1の保持部材14A及び第2の保持部材14Bが、Y方向に延伸した付勢部材19によって第3の保持部材17に付勢される構成となる。尚、1つの摩擦部材18を共有せず、別々の摩擦部材18に対して相対的に移動する構成でも構わない。
(適用例)
図6は、本発明を適用した適用例としての撮像装置の構成を表している。尚、本説明において、振動波モータ3が撮像装置に搭載された場合について説明するが、本発明を限定するものではない。また、後述の撮像レンズ部1とカメラボディ2が一体となっている撮像装置について説明をするが、撮像レンズ部1は交換可能なレンズであっても構わない。
図6において、撮像レンズ部1とカメラボディ2によって撮像装置の本体が形成されている。撮像レンズ部1の内部において、被駆動部材である合焦レンズ4は振動波モータ3の第3の保持部材17の連結部(不図示)と連結されており、摩擦部材18は不図示の固定部を備え、撮像レンズ部1内に固定されている。そして、振動波モータ3を構成する第1の振動子13A、第2の振動子13Bが移動することにより、合焦レンズ4は光軸6と略平行な方向に移動可能となる。撮像時には合焦レンズ4が光軸6と略平行な方向に移動し、被写体像は撮像素子5の位置で結像し、合焦した像を生成することが可能となる。
以上により、本発明によれば、駆動効率の向上と小型化の両立が可能となる振動波モータ3、及び振動波モータ3を備えた駆動装置を提供することができる。以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
3 振動波モータ
13A 第1の振動子
13B 第2の振動子
14A 第1の保持部材
14B 第2の保持部材
17 第3の保持部材
18 摩擦部材
19 付勢部材
19a 固定部(一方の端部)
19b 当接部(他方の端部)
19c 第1の付勢部
19d 第2の付勢部

Claims (8)

  1. 第1の振動子と、
    第2の振動子と、
    前記第1の振動子及び前記第2の振動子と摩擦接触する摩擦部材と、
    前記第1の振動子を保持する第1の保持部材と、
    前記第2の振動子を保持する第2の保持部材と、
    前記第1の保持部材及び前記第2の保持部材を保持する第3の保持部材と、
    前記第1の保持部材及び前記第2の保持部材を前記第3の保持部材に対して付勢する付勢部材と、を備え、
    前記第1の振動子及び前記第2の振動子と前記摩擦部材とは相対的に移動し、
    該付勢部材は、前記移動の方向において前記第1の保持部材と前記第2の保持部材とを互いに異なる方向に付勢することを特徴とする振動波モータ。
  2. 前記付勢部材は、前記第1の保持部材又は前記第2の保持部材の少なくともどちらか一方に備えられていることを特徴とする請求項1に記載の振動波モータ。
  3. 前記付勢部材は、第1の付勢部と第2の付勢部とで構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の振動波モータ。
  4. 前記付勢部材の一方の端部は、前記第1の保持部材に固定され、前記付勢部材の他方の端部は、前記第2の保持部材に当接することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の振動波モータ。
  5. 前記第1の振動子及び前記第2の振動子は、前記摩擦部材を介して対向配置されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の振動波モータ。
  6. 前記第1の振動子及び前記第2の振動子は、前記摩擦部材を介して略並列に配置されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の振動波モータ。
  7. 前記第1の振動子及び前記第2の振動子は、超音波領域の周波数の振動を発生することを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の振動波モータ。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の振動波モータを備えた駆動装置。
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