JP2023047698A - 医療器具 - Google Patents

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Abstract

【課題】抗がん剤等の薬剤が注入針の針先から零れることを防止する。【解決手段】医療器具200は、注入針320および送液路f1を備え、医療デバイス100と接続可能な内側部310と、内部空間214、215、216、217と、注入針の先端部が配置された内部空間の一部を外部と隔離するシール部材230、240と、を備える外筒210と、を有し、外部と隔離可能な内部空間の一部は少なくとも注入針の先端部を配置した状態において吸気可能である。【選択図】図7

Description

本発明は、医療器具に関する。
肝臓に形成された腫瘍を処置する場合、局所的に治療を施してがん細胞を壊死させる経皮的エタノール注入療法(例えば、特許文献1を参照)を行う場合がある。術者は、腹部や胸部を切開し、肝臓に針カニューレを穿刺して、針先を肝臓がんの患部へ到達させる。そして、針先からエタノールを注入することによって、がん細胞を壊死させることができる。
特許第4588977号公報
上述した針カニューレ等による治療では投与される薬剤に抗がん剤等の比較的人体に副作用等を及ぼす可能性があるものが使用され得る。そのような薬剤は、手術前の準備の過程や手術中等に医療デバイスの針先から零れて暴露されると医療従事者や患者等に影響を及ぼす可能性がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、抗がん剤等の薬剤が注入針の針先から零れることを防止することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の一態様に係る医療器具は、内側部と、外筒と、を有する。内側部は、長尺状に構成され、薬剤を先端側の開口部から流出可能な注入針、および開口部に向けて薬剤が流通可能な送液路を備え、薬剤を供給する器具との接続を可能に構成している。外筒は、注入針の先端部を収容可能な内部空間と、内部空間に設けられ、注入針を挿通した状態で把持可能であって、把持された状態における注入針の先端部が配置された内部空間の一部を外部と隔離する隔離部と、を備える。外部と隔離可能な内部空間の一部は、少なくとも注入針の先端部を配置した状態において吸気可能である。
上記医療器具によれば、抗がん剤等の薬剤が注入針の針先から零れることを防止することができる。
本発明の第1実施形態に係る医療器具を示す概略図である。 図1に示す医療器具において内側部を構成する内筒を外筒の先端部に向けて押し込んだ状態を示す図である。 図1の医療器具を構成する外筒を示す図である。 図3に示す外筒の軸方向に沿う断面図である。 図1に示す医療器具を構成する内側部を示す斜視図である。 図5に示す内側部の軸方向に沿う断面図である。 プライミングを行う際を示す、医療器具を構成する外筒の内部空間を示す部分拡大図である。 医療器具を構成する外筒と内側部の内筒について示す長手方向に交差する断面図である。 図7の変形例を示す断面図である。 第1実施形態の変形例2を示す図である。 第1実施形態の変形例2を示す図である。 第1実施形態の変形例3に係る医療器具を示す軸方向に沿う断面図である。 図12の部分拡大図である。 第1実施形態の変形例4に係る医療器具において外筒に対して内側部を基端側に引いた状態を示す図である。 第1実施形態の変形例4に係る医療器具において外筒に対して内側部を先端側に押し込んだ状態を示す図である。 第1実施形態の変形例5に係る医療器具の外筒と内側部を示す、軸方向に沿う断面図である。 図16における医療器具の内側部を示す断面図である。 図16における医療器具の外筒を示す断面図である。 第1実施形態の変形例6に係る医療器具を示す図である。 図19に示す医療器具の軸方向に沿う断面図である。 第1実施形態の変形例6に係る医療器具において図2に対応する図である。 図21に示す医療器具の軸方向に沿う断面図である。 第1実施形態の変形例7に係る医療器具を示す概略図である。 第1実施形態の変形例8に係る医療器具の外筒と内側部の内筒について示す、図8に対応する断面図である。 第1実施形態の変形例9に係る医療器具を構成する注入針の変形例を示す図である。 第1実施形態に係る医療器具の注入針の先端部を示す拡大図である。 第1実施形態の変形例10に係る医療器具の注入針の先端部を示す拡大図である。 第2実施形態に係る医療器具であって、内側部を外筒に対して基端側に引いた状態を示す図である。 第2実施形態に係る医療器具であって、内側部を外筒に対して先端側に押し込んだ状態を示す図である。 第2実施形態に係る医療器具によって患部に穿刺する際を示す概略図である。 患部に穿刺した後に注入針の先端部を第2外筒に格納した際を示す概略図である。 第2実施形態の変形例1に係る医療器具を示す側面図である。 図32の平面図である。 第2実施形態の変形例2に係る医療器具を示す側面図である。 第2実施形態の変形例3に係る医療器具を示す平面図である。 第3実施形態に係る医療器具を示す断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ここで示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するために例示するものであって、本発明を限定するものではない。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者などにより考え得る実施可能な他の形態、実施例および運用技術などは全て本発明の範囲、要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
さらに、本明細書に添付する図面は、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺、縦横の寸法比、形状などについて、実物から変更し模式的に表現される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
また、以下の説明において、「第1」、「第2」のような序数詞を付して説明するが、特に言及しない限り、便宜上用いるものであって何らかの順序を規定するものではない。
(第1実施形態)
以下、図1から図8を参照して第1実施形態に係る医療器具200について説明する。図1、図2は第1実施形態に係る医療器具200を含む医療器具セット1を示す概略図である。図3、図4は医療器具200を構成する外筒210を示す図である。図5、図6は医療器具200を構成する内側部310を示す図である。図7は外筒210の内部空間214、215、216、217の一部を示す拡大断面図である。図8は医療器具200の外筒210と内側部310の内筒340を示す、長手方向に交差する断面図である。
なお、図面では座標系を表記する。Xは注入針320の長手方向を示し、長手方向Xと称する。YZは長手方向Xに交差(直交)する面であり、YZ面と称する。rは、注入針320等の中心からYZ面において径方向に向かい、径方向rと称する。θは注入針320等の長手方向Xと交差するYZ面において注入針320等の周方向(角度方向)に沿い、周方向θと称する。
本実施形態に係る医療器具セット1は、抗がん剤等の薬剤を患者に投与する際に利用することができる。
本実施形態に係る医療器具セット1は、図1および図2を参照して概説すれば、医療デバイス100と、医療器具200と、器具400と、を有する。以下、各構成について詳述する。
(医療デバイス)
医療デバイス100は、抗がん剤等の薬剤を投与可能に構成している。医療デバイス100は、図1に示すように筒部110と、押圧部120と、シール部材130と、接続部材140(中空部材に相当)と、を備える。
筒部110は、抗がん剤等の薬剤を収容する半閉空間を設けている。筒部110は、円筒等の筒形状に構成しており、筒形状の軸方向における両端に開口部を設けている。一方の開口部(基端側開口部とも呼ぶ)には押圧部120を移動可能に配置することができる。他方の開口部(先端側開口部とも呼ぶ)には、接続部材140を取り付けることができる。
押圧部120は、先端側を筒部110の半閉空間に収容し、基端側を筒部110の外部に配置するように構成している。押圧部120は、筒部110の軸方向において筒部110に対して相対的に移動することによって薬剤が収容される半閉空間の大きさを変える押し子を含む。押圧部120によって半閉空間の大きさが減少することによって、半閉空間に収容されていた薬剤は減少した分、注入針320の内腔に流通し、患者に投与され得る。
なお、押圧部120の押し子は、術者が手指等で把持することによって手動で動作させてもよいし、モータとギヤ等の機械要素を適宜組み合わせることによって押し子を動作させてもよい。
シール部材130は、押圧部120の軸方向における先端部に取り付けるように構成している。シール部材130は、筒部110の内壁と摺動可能に篏合することによって筒部110の半閉空間に収容された薬剤が注入針320以外から流通することを防止する。
接続部材140は、筒部110の先端側における開口部に取り付けられ、弾性変形可能に構成している。接続部材140は、内部に薬剤を流通できるように中空に構成している。接続部材140は、筒部110の先端部に取り付けられ、接続部材140の内腔は筒部110の半閉空間と連通するように構成している。
(医療器具)
医療器具200は、図1を参照して概説すれば外筒210と、内側部310と、を備える。以下、各構成について詳述する。
(内側部)
内側部310は、図2、図6等に示すように注入針320、送液路f1、接続部330および内筒340を備える。
送液路f1は、本実施形態において内筒340と注入針320の内部に設けられ、接続部330の内部から内筒340の内部を通り、先端開口部321に向けて薬剤を流通可能に構成している。送液路f1は、接続部330において略径方向rに沿って設けており、内筒340および注入針320において軸方向(長手方向X)に沿って設けている。
注入針320は長尺状に構成され、薬剤を先端開口部321から流出可能に構成している。先端開口部321は、本実施形態において図5に示すように円筒形状の底面に対して傾斜させた部位に設けるように構成している。注入針320は、本実施形態において外力を付与しない状態において直線状に延在するように構成している。
接続部330は、薬剤を供給する医療デバイス100を医療器具200に接続して送液路f1に薬剤を供給可能に構成している。接続部330は、送液路f1の上流側に設けており、本実施形態では内筒340に設けるように構成している。接続部330は、本実施形態において図5等に示すように円筒形状の内筒340の側面に設けているが、注入針320の先端に薬剤を流通できれば上記に限定されず、円筒形状の底面(図5の上面)に設けてもよい。
内筒340は、送液路f1の少なくとも一部を包囲し、注入針320よりも大きい外壁面を備えるように構成している。内筒340は、本実施形態において大きさの異なる2つの筒形状を組み合わせて構成し、基端側の筒形状の側面に医療デバイス100との接続部330を設けるように構成している。注入針320は、長手方向Xにおいて接続部330を設ける基端側と逆側の先端側において内筒340と接続するように構成している。
(外筒)
外筒210は、図3、図4に示すように基端側開口部211と、先端側開口部212と、接続部213と、内部空間214、215、216、217と、シール部材230、240(隔離部に相当)と、を備える。外筒210は、内筒340と同様に筒形状を備えるように構成している。シール部材230は本明細書において第1弁部材に相当し、シール部材240は第2弁部材に相当する。
外筒210は、内筒340とともに筒形状で構成し、本実施形態において内筒340と外筒210の長手方向Xに交差する断面は図8に示すように円形状となるように構成している。
基端側開口部211は、内側部310を挿入させる外筒210の基端側の開口部として設けている。先端側開口部212は、注入針320を挿通させる外筒210の先端側の開口部であり、本実施形態では注入針320が外部に臨む部位として構成している。
接続部213は、内部空間215に注入針320の先端部を配置した状態で注入針320の内部に流通した薬剤を注入針320の先端側に流通させるために、内部空間215を吸気する器具400の接続部材440との接続を可能に構成している。内部空間215に注入針320の先端部を配置したことがわかるように、内部空間215に対応する外筒210の外表面に相当する部位p1(図4参照)は透明に構成することができる。
シール部材230、240は内部空間214、216に設けられ、注入針320を挿通した状態で把持可能に構成している。シール部材230、240は、注入針320の先端開口部321が配置された状態の内部空間215を外部と隔離して薬剤が内部空間215より外部に漏れることを防止する。シール部材230、240は、注入針320の挿入状態または挿通状態において内部空間214、215、216において注入針320の長手方向Xに間隔をあけて配置している。
シール部材230、240は、後述する弾性変形可能な材料で構成するとともに、挿通箇所を設けている。シール部材230、240は、このように構成することによって、挿通箇所を材料の弾性(復元力)により、外力が付与されていない状態で挿通箇所を閉じるように構成している。
注入針320の先端開口部321をシール部材230、240に挿通させて外筒210の外部に露出させれば、送液路f1に流通した薬剤を患者の患部に投与可能な状態とすることができる。一方、注入針320の先端開口部321をシール部材230に挿通させ、シール部材240の手前に配置すれば、送液路f1に流れる薬剤が流通する内部空間215をシール部材230、240によって外部と隔離できる。これにより、プライミング時に薬剤が意図せず外部に飛散することを防止できる。
また、接続部213には内部空間215と連通する内部空間217を設けており、接続部213には内部空間215、217を吸気可能な器具400を接続するように構成している。このように構成することで注入針320の先端開口部321をシール部材230に挿通し、シール部材240の手前に配置した際に器具400の吸引によって医療デバイス100からの薬剤を注入針320の先端側に円滑に送液でき、プライミングを実施できる。
内部空間214、215、216は、注入針320の先端部を収容可能に構成している。内部空間214、215、216は、図7に示すように外筒210の軸方向(長手方向X)に沿うように延在する一方で、内部空間217は内部空間215の途中に位置する分岐部bにおいて軸方向と交差する方向に延在する。内部空間214と内部空間215はシール部材230によって隔てられ、内部空間215と内部空間216はシール部材240によって隔てられる。
内部空間214、215、216は、注入針320のシール部材230、240への挿通によって長手方向Xに連通する。内部空間214、215、216、217のうち、内部空間215は、注入針320の先端部を配置し、器具400を接続部213に接続した状態において吸気可能に構成している。
(器具)
器具400は、医療器具200と接続した状態で使用者の操作により外筒210の内部空間215を負圧にするように構成している。器具400は、図1に示すように筒部410と、押圧部材420と、シール部材430と、接続部材440と、を備える。
筒部410は、医療デバイス100の筒部110と同様であり、押圧部材420は押圧部120の押し子と同様であり、シール部材430はシール部材130と同様であるため、説明を省略する。
接続部材440は、気体等の流体を流通可能なチューブ等の中空部材を備えるように構成している。術者は接続部材440の一方を筒部410に取り付け、他方を医療器具200の接続部213に取り付けた状態で筒部410の半閉空間が増加するように押圧部材420を移動させる操作を行う。これにより、医療器具200における内部空間215を負圧にすることができる。
また、医療器具セット1の各部品を構成する材料は特に限定されないが、以下に例示する。筒部110、押圧部120の押し子、接続部材140、外筒210、内筒340、筒部410、押圧部材420、接続部材440はポリエチレンやポリプロピレンなどのプラスチックを含むように構成できる。シール部材130、230、240、430は、ゴム材料または熱可塑性エラストマー等によって構成できる。注入針320はステンレス鋼等によって構成できる。
(使用例)
次に本実施形態に係る医療器具セット1の使用例について説明する。
まず、医師等の術者は、内側部310の内筒340を外筒210に対して引き上げるように移動させて、医療器具200の注入針320をシール部材230に挿通させ、シール部材240の手前に位置させる(図7参照)。なお、上記操作は外筒210に対して内筒340が最も押し込まれた状態を初期状態とした場合の説明である。外筒210に対して内筒340が組付けられていない状態を初期状態とした場合、術者は内筒340を外筒210に組付ける。そして、術者は、内筒340を外筒210に押し込む(押し下げる)ように移動させて注入針320の先端部をシール部材230に挿通させ、シール部材240の手前に位置させる。次に、術者は医療デバイス100の接続部材140を医療器具200の内側部310の接続部330に接続する。次に、術者は器具400の接続部材440を医療器具200の接続部213に接続して内部空間215を空の筒部410と連通させる。
次に、術者は器具400の筒部410の内部空間が広がるように押圧部材420を筒部410に対して軸方向に相対的に移動させる操作を行う。これにより、医療器具200の外筒210の内部空間215、217が負圧になる。なお、押圧部材420の上記動作に代えて、または上記動作とともに筒部110の内部空間が減少するように医療デバイス100の押圧部120を移動させる動作を行ってもよい。
その結果、医療デバイス100の筒部110の内部空間(半閉空間)に収容された薬剤の少なくとも一部が筒部110の内部空間から注入針320の内腔に移動し、筒部410の内部空間に移動し得る。外筒210は、内部空間215、217の外側面の部位p1が透明であることによって薬剤が注入針320の先端開口部321から内部空間215、217に放出されたことを目視にて確認できる(プライミング)。
次に、術者は図2に示すように外筒210に対して内側部310の内筒340を押し込む操作を行い、注入針320の先端開口部321を外筒210の先端側外部に露出させる。次に、術者は患者の腹部の周辺に小切開部を形成する。そして、術者は、超音波エコー下で注入針320を経皮的に穿刺し、腫瘍手前あるいは腫瘍内部までアクセスする。
そして、術者は、筒部110の内部空間が減少するように押圧部120を筒部110に対して軸方向に相対的に移動させて注入針320より薬剤を患者の患部に投与する。薬剤の投与が終了したら、注入針320を患部から抜去し、医療器具200を体内から抜去する。
以上説明したように本実施形態に係る医療器具セット1を構成する医療器具200は、内側部310と、外筒210と、を備える。内側部310は、長尺状に構成され、薬剤を先端開口部321から流出可能な注入針320、および先端開口部321に向けて薬剤が流通可能な送液路f1を備え、薬剤を供給する器具400との接続を可能に構成している。外筒210は、内部空間214、215、216、217と、シール部材230、240と、を備える。
内部空間214、215、216は、注入針320の先端開口部321を収容可能に構成している。シール部材230、240は、内部空間214、215、216に設けられ注入針320を挿通した状態で把持可能であって、把持された状態における注入針320の先端開口部321が配置された内部空間215を外部と隔離する。外部と隔離可能な内部空間215は、少なくとも注入針320の先端開口部321を配置した状態において吸気可能に構成している。
このように注入針320の先端開口部321を外部と隔離した状態で吸引操作を行うことで薬剤を注入針320の送液路f1に流通させ、薬剤を意図しない場所に飛散させずにプライミングを実施することができる。これにより、医療従事者や患者等への薬剤の飛散および医療デバイス100の周辺の床や医療機器が薬剤によって汚染されることを防止できる。
また、内側部310は送液路f1の少なくとも一部を包囲し、注入針320よりも大きい外壁面を備えた内筒340を備えるように構成している。このように構成することによって、上記と同様に薬剤がプライミングの際に意図しない場所に飛散することを防止することができる。
また、医療器具200は、隔離部としてシール部材230、240を備える。シール部材230、240は、注入針320の挿入状態または挿通状態において内部空間214、215、216の長手方向Xに間隔をあけて配置され、注入針320を挿通可能な挿通箇所が設けられ、挿通箇所が材料の弾性により閉じるように構成している。このように構成することによって内部空間215、217を外部と隔離して、プライミングの際に薬剤が意図しない場所に飛散することを防止することができる。
また、外筒210は外部と隔離可能な内部空間215、217を吸気する器具400との接続を可能に構成している。このように構成することによって、注入針320の先端開口部321が内部空間215に配置された状態で薬剤を送液路f1に流通させる吸引操作を行うことができる。
また、外筒210は内部空間215に対応する外側面の部位p1を透明に構成している。このように構成することによって、注入針320の先端開口部321が内部空間215に位置する際に薬剤が先端開口部321から放出されることを目視にて確認することができる。これにより、プライミングの際に薬剤を必要以上に使用せずにすみ、使用する薬剤の量を節約できる。
(第1実施形態の変形例1)
図9は第1実施形態の変形例1を示し、外筒210の内部空間217等を示す拡大図である。第1実施形態では内部空間215、217に配置した注入針320の先端開口部321から流出する薬剤が器具400によって吸引されると説明したが、外筒の内部空間には以下のような部材を設けることができる。
本変形例に係る医療器具セットは、医療デバイス100と、医療器具200aと、器具400と、を有する。医療デバイス100と器具400は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。また、医療器具200aを構成する内側部310は第1実施形態と同様であり、外筒210に含まれる内部空間214、215、216、217、およびシール部材230、240は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
外筒210の内部空間214、215、216、217のうち、内部空間217には膜状部材250を設けるように構成している。膜状部材250は、気体の排出を許容し、かつ、液体の排出を阻害するように構成している。膜状部材250は、一例としてPTFE(Polytetrafluoroethylene)多孔質膜等を含むことができる。
本変形例に係る医療器具セットの使用例について、器具400による吸引操作の際に膜状部材250によって薬剤は内部空間215に流通しても内部空間217の膜状部材250より下流側および器具400の筒部410の内部空間にまでは流通しない。その他は第1実施形態の医療器具セット1の使用例と同様であるため、説明を省略する。
以上説明したように本変形例では外筒210の内部空間217に気体の排出を許容し、かつ、液体の排出を阻害する膜状部材250を設置するように構成している。このように構成することによって、プライミングの際に注入針320の先端開口部321から漏れ出た薬剤が器具400に流通することを防止できる。また、術者は、器具400を使用せずとも、薬剤が充填された医療デバイス100の押圧部120を、筒部110の半閉空間の大きさが減少する方向へ筒部110に対して相対的に移動させることによってプライミングを行うことができる。
(第1実施形態の変形例2)
図10、図11は第1実施形態の変形例2に係る医療器具200bと器具400との接続を示す図である。医療器具200を構成する外筒210は器具400との接続部213を設けると説明したが、外筒の接続部については以下のように構成することもできる。
本変形例に係る医療器具セットは、医療デバイス100と、医療器具200bと、器具400と、を有する。医療デバイス100および器具400は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。また、医療器具200bを構成する内側部310は第1実施形態と同様であり、外筒210bに含まれる内部空間214、215、216、217およびシール部材230、240は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
外筒210bの接続部213bは、シール部材230、240によって外部と隔離された内部空間215、217を閉鎖可能に構成している。接続部213bには、図10、図11に示すように器具400との接続部位に二方活栓等の閉鎖部材260を取り付けて内部空間215、217を閉鎖することができる。また、接続部213bは、二方活栓以外に器具400を取り外した状態において接続部213bの開口部にキャップを取り付けることによって、内部空間215、217を外部から閉鎖することができる。
(使用例)
次に本変形例に係る医療器具セットの使用例について説明する。まず、術者は、第1実施形態と同様に内側部310を操作して、注入針320の先端部を内部空間215に配置する。次に、術者は医療デバイス100の接続部材140を医療器具200の内側部310の接続部330に接続する。次に、術者は接続部213bの二方活栓を開いて器具400の接続部材440を接続部213に接続する。
そこからプライミングの操作までは第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。プライミング後に、術者は器具400を医療器具200bの接続部213bから取り外し、接続部213bの二方活栓を閉じる。あるいは術者は、接続部213bの二方活栓を閉じてから器具400を取り外しても良い。以降の操作は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
以上説明したように本変形例では外筒210bが、器具400との接続部213bにおいて隔離された内部空間215、217を閉鎖可能に構成している。このように構成することによって、上述のようにプライミング後に器具400を医療器具200から取り外すことができ、その分ユーザビリティを向上させることができる。
(第1実施形態の変形例3)
図12は第1実施形態の変形例3を示し、医療器具200cの外筒210cの内部を示す断面図、図13は図12の部分拡大図である。第1実施形態では外筒210に器具400との接続部213を設けると説明したが、外筒には以下の部位を設けることもできる。
なお、本変形例では医療器具200cの外筒210cのみが第1実施形態と異なり、その他は第1実施形態と同様であるため、共通する構成の説明を省略する。また、外筒210cを構成する内部空間214、216、217、およびシール部材230、240についても第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
外筒210cは、図12、図13に示すように接続部213に加えて接続部213cを備える。接続部213cは、外部と隔離可能な内部空間215c、217に対して薬剤以外の流体を流入させる器具との接続を可能に構成している。接続部213cは薬剤以外の流体を流入可能な内部空間218を接続部213cの外表面に通じさせるように設けている。内部空間218は、内部空間215cと連通するように構成している。
接続部213cは、外筒210cの長手方向Xにおいて接続部213と略同位置であって外筒210cの周方向θにおいて接続部213と逆側等の接続部213と異なる位置に配置している。接続部213cには、注入針320の先端部を内部空間215cに配置した際にプライミングができるように二方活栓などの活栓vを設けることができる。また、接続部213cに活栓vを設ける代わりに、接続部213cには二方活栓を設け生理食塩水等を充填したシリンジ(図示省略)を取り付けることができる。
(使用例)
次に本変形例に係る医療器具セットの使用例について説明する。なお、接続部213c以外の部位に対するプライミングまでの操作は第1実施形態と同様である。接続部213cに活栓vを設けている場合、術者は活栓vを閉じた状態でプライミングを行う。プライミング後に術者は接続部213cに生理食塩水等が充填された医療デバイス100と同様の器具等を接続し、活栓vを開く。そして、術者は、接続部213cから生理食塩水等の流体を流通させ、内部空間218を通じて注入針320の先端開口部321が配置された内部空間215cに供給する。また、接続部213cに活栓vを設けていない場合、注入針320の先端部を内部空間215cに配置したら、術者は二方活栓が設けられ生理食塩水等の流体を充填したシリンジを接続部213cに取り付けて二方活栓を閉じる。そして、術者はプライミングの操作を行い、プライミング後にシリンジに設けた二方活栓を開いて接続部213cから生理食塩水等の流体を内部空間215cに供給する。
これにより、注入針320の外表面を洗浄できる。接続部213cから生理食塩水等を供給したら、術者は生理食塩水等を収容した器具を接続部213cから取り外す。その後の操作は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
以上説明したように本変形例では外筒210cが、外部と隔離可能な内部空間215cに対して生理食塩水等の薬剤以外の流体を流入させる器具を接続可能に構成している。これにより、プライミングを行う内部空間215cおよび注入針320の外表面に残った薬剤を洗浄して注入針320の外表面に付着した薬剤が患者等の体に触れる危険性を低減することができる。
(第1実施形態の変形例4)
図14、図15は第1実施形態の変形例4に係る医療器具200dの内筒340d等を示す図である。第1実施形態において説明した医療器具200の内筒340は以下のように構成することもできる。なお、本変形例において医療器具セットは医療器具200dの内筒340dのみが第1実施形態と異なり、その他は第1実施形態と同様である。そのため、第1実施形態と共通する構成の説明を省略する。
内側部310dの内筒340dは、図14、図15に示すように、外表面、特に外筒210の内部空間214に挿入される外表面341に注入針320の先端部の位置を示す目盛りを設けるように構成している。目盛りの具体的態様としては、一例として1mm毎に目印を設け、5mm毎に目印とともに数字による表記を付与することができるが、使用者によって認識できれば目盛りの具体的態様は上記に限定されない。
また、目盛りは一例としてプライミングを行う内部空間の範囲や注入針320の穿刺長を表示するように構成できる。
なお、本変形例にかかる医療器具セットの使用例は、注入針320の先端部を外筒210の内部空間214等のような外部から視認できない位置で移動させる際に、術者は目盛りを参照しながら注入針320の挿入または挿通の程度を調節する。その他は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
以上説明したように、本変形例において内側部310dの内筒340dは、外表面341に内部空間214等に配置された注入針320の先端部の位置を示す目盛りを備えるように構成している。これにより、注入針320の先端部がプライミングを行う内部空間215にあるかどうかを判断するなど、注入針320をどの程度挿入または挿通しているかを把握できる、または把握しやすくできる。
(第1実施形態の変形例5)
図16は医療器具200eの中心軸を通り、注入針320の挿入方向に沿う断面図、図17は図16における内側部310eを示す断面図、図18は図16における外筒210eを示す断面図である。第1実施形態において説明した外筒210に対する内側部310の挿入の程度は以下のように構成することもできる。
なお、本変形例において医療器具セットを構成する医療デバイス100および器具400は第1実施形態と同様である。また、医療器具200を構成する外筒210eの接続部213、内部空間215、216、217、シール部材230、240、内側部310eの送液路f1および注入針320は第1実施形態と同様である。そのため、第1実施形態と共通する構成の説明を省略する。
内側部310eを構成する内筒340eは、外表面、特に外筒210eの内部空間214eに挿入される外表面に注入針320の長手方向Xと交差する径方向rの外方に突出した突出部342を備える(図17参照)。突出部342は、内筒340の外側面から長手方向Xと交差する側方に延在する円筒形状を含むように構成できる。ただし、突出部342は、外筒210eに対する内側部310eの長手方向Xにおける移動範囲を制限できれば具体的な形状は円筒に限定されず、上記以外にも多角柱などの柱体を含むように構成してもよい。
外筒210eは、図18等に示すように溝部222と、当接部223、224を備える。溝部222は、外筒210eの内部空間214eにおいて長手方向Xに延在し、内筒340eの突出部342を長手方向Xに移動可能に配置している。当接部223、224は長手方向Xにおいて溝部222の端部に設け、突出部342の移動終了位置として突出部342と当接可能に設けている。
本変形例に係る医療器具セットの使用例は基本的に第1実施形態と同様であるが、術者が注入針320の先端部を内部空間215に配置する際に術者は外筒210eに対して内筒340eを誤って引き上げ過ぎてしまうおそれがある。
これに対して、本変形例では外筒210eに対する内筒340eの可動範囲を当接部223から当接部224までの溝部222の範囲のみに制限することによって上記のような操作が誤って行われることを防止できる。
以上説明したように本変形例では内筒340eが注入針320の外筒210eに対する挿入時において注入針320の長手方向Xと交差する方向において外方に突出した突出部342を備える。外筒210eは、内筒340eの突出部342を注入針320の長手方向Xに沿って移動可能な溝部222と、溝部222の両端部に設けられ、注入針320の長手方向Xにおいて突出部342が当接可能な当接部223、224と、を備える。
これにより、内筒340eは溝部222の端部であって突出部342が当接する当接部223から当接部224までの範囲しか移動しないようにでき、外筒210eに対して内筒340eを引き上げすぎることで薬剤が外部へ誤って漏れることを防止できる。
(第1実施形態の変形例6)
図19、図20、図21、図22は第1実施形態の変形例6に係る医療器具200fにおいて外筒210fに対して内側部310fの内筒340fを進退移動させる様子を示す図である。第1実施形態では外筒210に対して内筒340を長手方向Xに押し引きすることによって外筒210に対して内筒340を進退移動させると説明した。ただし、外筒に対する内筒の進退移動は以下のように構成することができる。
医療器具200fの外筒210fを構成する接続部213、内部空間214、215、216、217、シール部材230、240は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。なお、図19から図22では便宜上、接続部213、330の図示を省略している。
外筒210fは、図20、図22に示すように歯車270、280を回転可能に取り付けるように構成している。歯車270、280は、注入針320の外筒210に対する挿入時において外筒210に対して内筒340を注入針320の長手方向Xに進退移動させる。歯車270、280は、互いにかみ合うように構成している。
歯車270は、歯車270の軸方向(紙面奥行方向)において並んで配置され、使用者の手指などによって操作可能な円筒形状などのダイヤルのような操作部(図示省略)を設けるように構成している。これにより、使用者が操作部を把持して回転操作を行うと、歯車270は回転し、歯車280は、歯車270の回転に従動して回転する。
内側部310fを構成する注入針320、送液路f1は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。内側部310fを構成する内筒340fは、図19、図20等に示すように外筒210fに設けられる歯車280とかみ合う凹凸部343を外側面341fに設けるように構成している。
凹凸部343は、注入針320の長手方向Xに沿って複数設けている。凹凸部343は、歯車280とかみ合い、歯車270の回転に連動して内筒340fおよび注入針320を長手方向Xに進退移動させるように構成している。歯車は歯車270、280のように2つあることで使用者の操作方向と内筒340fの移動方向を一致させることができる。
本変形例に係る医療器具セットの使用例は外筒210fに対して内筒340fを進退移動させる際に歯車270を操作する点が第1実施形態と異なり、その他は第1実施形態と同様である。そのため、使用例の説明を省略する。
以上説明したように、本変形例において外筒210fは注入針320の外筒210fに対する挿入時において外筒210fに対して内筒340fを注入針320の長手方向Xに進退移動させる歯車270、280を備える。歯車270は、上述のように使用者によって把持可能な操作部を備える。内筒340fは、歯車280とかみ合う複数の凹凸部343を備えるように構成している。
そのため、歯車270と一体の外筒210fの操作部を把持することによって使用者は内筒340fの進退移動を行うことができる。また、使用者は外筒210fを把持した状態で内筒340fの進退移動を行うことができ、これにより使用者は医療器具200fを持ち直す必要をなくすことができ、医療器具200fの操作性を向上させることができる。
(第1実施形態の変形例7)
図23は、第1実施形態の変形例7に係る医療器具200gを示す概略図である。第1実施形態では内側部310の送液路f1を通じて注入針320に薬剤を流通させると説明したが、送液路は以下のように構成することができる。なお、本変形例において医療デバイス100、器具400および医療器具200gの外筒210は第1実施形態と同様であり、内側部310gを構成する注入針320は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
内側部310gを構成し、内筒340gに設けられる送液路f1gには、送液路f1gを流通する薬剤の圧力を測定する検出部350に係るセンサを配置するように構成している。検出部350に係るセンサは、送液路f1gを流通する薬剤による圧力を測定できれば具体的な構成は特に限定されないが、一例としてダイヤフラム式のセンサを挙げることができる。
検出部350に係るセンサは配線等と接続され、当該配線は内側部310gの基端側から外部に導出され、検出部350によって検出された圧力値を表示等によって報知可能な報知部500と電気的に接続することができる。報知部500は、検出部350に係るセンサによる圧力値を使用者に報知できれば具体的な構成は限定されないが、一例として数値やグラフなどによって圧力値を映像により表示する液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等を含むことができる。
また、医療器具200gには検出部350と報知部500を含み、電気的に接続された部品を制御する制御部を含むことができる。制御部は、CPU、GPUなどのプロセッサ、RAM等の主記憶、ROM、HDDやSSD等の補助記憶を含むように構成している。制御部は報知部500の筐体の内部等に収容できる。
次に本変形例に係る医療器具200gを含む医療器具セットの使用例について説明する。なお、注入針320の内部空間215への配置、医療器具200gと医療デバイス100との接続、医療器具200gと器具400との接続、プライミングの操作は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
次に、術者は不図示の電源をオンにして、制御部が検出部350および報知部500と電気的に接続された状態にする。そして、第1実施形態と同様に患者の腹部周辺に小切開部を形成し、超音波エコー下で注入針320の経皮的穿刺を行い、先端部を腫瘍手前または腫瘍内部まで進める。
次に、術者は押圧部120を操作して注入針320を通じて筒部110の薬剤を患者の患部に投与する。ここで内側部310gの送液路f1gには検出部350に係るセンサが配置され、報知部500と接続されている。これにより、術者が薬剤を投与すると同時に薬剤の注入圧力を報知部500より認識することができる。その他は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
以上説明したように、本変形例では内筒340gが送液路f1gの圧力を検出可能な検出部350を備え、検出部350によって検出された圧力は報知部500によって報知可能に構成している。これにより、術者は注入中の薬剤漏れなどを検知することができ、意図しない部位への薬剤投与といった医療事故を減らすことに寄与することができる。
(第1実施形態の変形例8)
図24は第1実施形態の変形例8に係る医療器具200hを構成する外筒210hと内側部310hを構成する内筒340hの長手方向Xに交差する断面形状を示す図である。第1実施形態では外筒210と内側部310の内筒340の長手方向Xに交差する断面形状が図8に示すようにともに円形状であると説明した。
ただし、注入針320のシール部材230、240に対する挿入状態および挿通状態において外筒210hの内側面と内筒340hの外側面の長手方向Xに交差する断面形状は円形状以外にも図24に示すように四角形等の多角形を含むように構成してもよい。このように構成することによって、薬剤投与中の内筒340hの意図しない回転を防止することができる。これにより、薬剤が意図しない部位へ投与されることの防止に寄与することができる。
なお、内側部310hの内筒340h以外の構成および外筒210h以外の構成は長手方向Xに交差する各々の構成の断面形状が円形と多角形とで異なる。ただし、各々の構成が達成する機能は第1実施形態と同様であり、医療器具200hを用いた処置方法も第1実施形態と同様である。そのため、詳細な説明を省略する。
(第1実施形態の変形例9)
図25は第1実施形態の変形例9に係る医療器具200kの注入針320kを示す図である。第1実施形態において注入針320は直線のように延在する長尺状の部材であると説明した。ただし、薬剤を患者の患部に投与できれば、注入針の具体的な構成は上記に限定されない。なお、医療デバイス100、器具400、医療器具200kを構成する外筒の構成、および内側部の注入針以外の構成は第1実施形態と同様であるため、共通する構成の説明を省略する。
本変形例において注入針320kは、図25に示すように外筒210の外部に露出するまで移動する直線方向(長手方向X)に対して円弧状に湾曲するように形状づけを行っている。注入針320kの特に先端部は無負荷状態で湾曲するように形状づけされた形状記憶合金または形状記憶樹脂などを含むことができる。
このような注入針320kは、外筒210の内部空間215などに挿入された状態において略直線状に矯正され、先端部が外部に露出するまで直線的に移動する。注入針320kは、外筒210の先端側から外部に露出することによって湾曲した形状に復元する。
(使用例)
本変形例に係る医療器具200kを含む医療器具セットの使用例は、注入針320kを内部空間214、215、216に挿通させる際や薬剤を患部に投与する際が第1実施形態と異なる。その他は第1実施形態と同様であるため、共通する説明を省略する。
術者が注入針320kの先端部をシール部材230、240に挿通させる際に、術者は注入針320の湾曲の程度を考慮しつつ、注入針320kをシール部材230、240に挿通させる。また、注入針320kを外筒210から外部に露出し、薬剤を患部に投与する際に術者は超音波エコー画像等によって注入針320kの向きに留意して穿刺を行う。そして、術者は注入針320kの長手方向Xを軸として回転させながら薬剤を投与することができる。
以上説明したように本変形例では注入針320kが外筒210の先端側から外部に露出するまで直線的に移動し、外筒210の先端側から外部に露出した以降において先端部は湾曲するように形状付けしている。このように構成することによって、長手方向Xを軸として注入針320kを回転させることによって薬剤の投与方向を変えて、一回の穿刺で様々な部位に薬剤を投与することができる。
(第1実施形態の変形例10)
図26は第1実施形態に係る医療器具200の注入針320の先端部を示す拡大図、図27は第1実施形態の変形例10に係る注入針320mの先端部について示す図である。第1実施形態では図26に示すように注入針320における先端開口部321が注入針320の長手方向Xにおいて先端側を向くように開口すると説明した。
ただし、上記以外にも図27に示すように長尺状の注入針320mの先端部を中実にし、先端部の筒形状の外側面に薬剤を排出し、径方向rに沿う開口部321mを周方向θに複数設けるように構成してもよい。
開口部321mの仕様について例示すれば、形状は径がφ0.2mmの円形、数は周方向θに3個であり、かつ長手方向Xに3個、長手方向Xにおける開口部同士の間隔は4mm、周方向θにおける開口部同士の間隔は角度にして120°に構成できる。
なお、本変形例では注入針320mの構成のみが第1実施形態と異なり、その他の医療デバイス100、器具400、医療器具200mの構成および医療器具200mの使用例は第1実施形態と同様であるため、共通する構成の説明を省略する。
以上説明したように、本変形例において医療器具200mの開口部321mは、注入針320mの長手方向Xにおける先端部が中実であって、先端部に隣接する外側面において長手方向Xと交差する径方向rに沿って開口部321mを設けるように構成している。このように構成することによって、薬剤の排出効率や薬剤の拡散効率を向上させることができる。
(第2実施形態)
図28は第2実施形態に係る医療器具200nを示す図、図29は図28に係る医療器具200nの内側部310nを先端側に移動させた際を示す図である。第1実施形態では外筒210の先端部から注入針320を外部に露出させることによって薬剤が患部に投与できる状態になるが、注入針と外筒の関係は上記に限定されない。
医療器具200nは、図28、図29等に示すように外筒210に加えて外筒210の先端側に第2外筒290を隣接するように配置することができる。第2外筒290は、注入針320のシール部材230、240に対する挿通状態において注入針320の長手方向Xにおける外筒210の先端側に配置可能であって外筒210より外部に露出された注入針320の先端部を包囲可能に構成している。外筒210と第2外筒290とは一体に連結することができる。
第2外筒290は、注入針320を収容可能な中空の筒状部材を含むように構成できる。第2外筒290の長手方向Xに交差する断面形状は外筒210と同様に中空の環形状に形成できるが、注入針320を収容できれば、環形状に限定されない。また、第2外筒290の先端は、図28等において長手方向に直交するように構成しているが、これに限定されず、鋭利な形状であっても良い。
なお、医療器具200nを構成する第2外筒290以外の構成は、注入針320と内筒340の長手方向Xの長さが第1実施形態と異なる程度であり、医療デバイス100、器具400および医療器具200nのその他の構成は第1実施形態と同様である。そのため、共通する構成の説明を省略する。なお、本実施形態のように長手方向Xにおいて内側部310の内筒340が外筒210の基端側に移動可能に配置される場合、外筒210の先端から内筒340の基端までの距離は外筒210に対する内筒340の位置に応じて長手方向Xにおいて増減する。
(使用例)
次に本実施形態に係る医療器具200nの使用例を説明する。図30、図31は本実施形態に係る医療器具200nの使用例の説明に供する図である。なお、注入針320の内部空間215への配置、医療器具200nと医療デバイス100との接続、医療器具200nと器具400との接続、およびプライミング操作は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
次に術者は、注入針320の先端開口部321を外筒210の先端部を超えて第2外筒290の先端部より外部に露出させる。あるいは第2外筒290の先端が鋭利な場合は、術者は注入針320の先端開口部321を第2外筒290の先端部より外部に露出させなくても良い。そこから薬剤の患部への投与までは第1実施形態と同様であるが、術者は第2外筒290の先端を患部の直前まで進行したところで止める。図30に示すように注入針320を患部に穿刺し、薬剤の患部への投与が終了したら、術者は注入針320の先端開口部321を図31に示すように第2外筒290の内部ルーメンに収容する。術者は、この状態で医療器具200nを患者の体内から抜去する。
以上説明したように、本実施形態において医療器具200nは第2外筒290を備える。第2外筒290は、注入針320のシール部材230、240に対する挿通状態において注入針320の長手方向Xにおける外筒210の先端側に配置可能であって外筒210より外部に露出された注入針320の先端部を包囲できるよう中空に構成している。
このように構成することによって、上述した使用例のように薬剤を患部に投与した後には注入針320の先端部を第2外筒290に格納することで腫瘍に触れた注入針320が患部から体表までの経路に触れないようにすることができる。これにより、腫瘍播種や薬剤漏れを防ぐことができる。
(第2実施形態の変形例1)
図32、図33は第2実施形態の変形例1に係る医療器具200pを示す図である。第2実施形態では外筒210に対する内筒340の位置関係によって外筒210の先端から内筒340の基端までのいわゆるハンドル部分の長さが変わると説明した。ただし、内筒と外筒は以下のように構成することができる。
本変形例において内側部310pは、注入針320pよりも径方向rに大きい外壁面を備える内筒340を備えておらず、図32に示すように注入針320pを第1実施形態において内筒340のある位置まで設けるように構成している。送液路f1pは、注入針320pの内部に設けている。
また、内側部310pの接続部330pは、注入針320pの基端部であって、外筒210pの内部空間214において移動可能に設けられる。内側部310pは、外筒210pより長手方向Xの基端側に形状が露出しないように構成している。内側部310pは、本実施形態において内筒を設けず、注入針320pのみで構成している。ただし、外筒210pより基端側に内側部の構成が露出しなければ、注入針のみで構成する以外にも注入針320pの基端側に送液路を設けた筒状部材を別部品として設けてもよい。
内側部310pは、注入針320pと一体に構成され、使用者によって把持可能なつまみ部335を備える。つまみ部335は、図32、図33に示すように注入針320pの長手方向Xと交差する径方向rの外方に突出するように形成している。つまみ部335は、本変形例において注入針320pを側面視した際の形状を矩形形状に構成している。ただし、使用者によって把持できれば、つまみ部335の形状は矩形形状に限定されず、他の多角形または円形状等であってもよい。また、つまみ部は、筒状部材を設ける場合、注入針以外にも注入針と連結した筒状部材に設けてもよい。
外筒210pは、図33に示すように切り欠き部225を備える。切り欠き部225は、注入針320pの長手方向Xに沿って形成される。切り欠き部225は、注入針320pの少なくとも一部を外筒210pの内部に配置した状態においてつまみ部335を外筒210pの内部から外部に露出させる。
このように構成することによって、内側部310pは、つまみ部335を切り欠き部225に沿って移動させることで外筒210pに対して相対的に進退移動することができる。なお、医療デバイス100の接続部材140は、外筒210pの基端部において内側の接続部330pと接続され、注入針320pの長手方向Xにおける位置に応じて外筒210pの基端部から出し入れされる。
なお、本変形例に係る医療器具200pの使用例は、外筒210pに対して内筒340に対応する内側部310pを進退移動させる際に内筒340を把持する代わりにつまみ部335を術者の片手で把持し、外筒210pを他方の手で把持した状態で進退移動を行う。その他は第2実施形態と同様であるため、説明を省略する。
以上説明したように、本変形例では送液路f1pが注入針320p(または筒状部材)に形成される。そして、内側部310pは、注入針320p(または筒状部材)と一体に構成され、使用者によって把持可能なつまみ部335を備える。
外筒210pは、切り欠き部225を備える。切り欠き部225は、注入針320の外筒210pに対する挿入時において注入針320pの長手方向Xに沿って形成される。切り欠き部225は、注入針320p(または筒状部材)の少なくとも一部を外筒210pの内部に配置した状態においてつまみ部335を外筒210pの内部から外部に露出させる。
このように構成することによって、長手方向Xにおいて外筒210pの基端側に内筒340のような部材を配置しないようにできる。そのため、術者等の使用者が把持するデバイスのハンドル(持ち手)に相当する部分の長さを一定にでき、これによりユーザビリティを向上させることができる。
(第2実施形態の変形例2)
図34は、第2実施形態の変形例2に係る医療器具200qを示す図である。第2実施形態の変形例1では医療器具200pの内側部310pにおいて接続部330pが外筒210pの内部空間214に形成され、医療デバイス100の接続部材140と接続されると説明した。ただし、医療デバイス100との接続関係は以下のように構成することができる。
なお、医療デバイス100、器具400は第1実施形態と同様であり、外筒210pは第2実施形態の変形例1と同様であるため、説明を省略する。
内側部310qは、図34に示すように注入針320pと、送液路f1qと、つまみ部335qと、を備える。注入針320pは第2実施形態の変形例1と同様であるため、説明を省略する。
つまみ部335qは、第2実施形態の変形例1と同様に、注入針320pの基端側において長手方向Xに交差する径方向rの外方に向かって延在するように設けている。つまみ部335qは、注入針320pと一体に構成され、使用者によって把持可能に構成している。つまみ部335qは、本変形例において図34に示すように医療デバイス100の接続部材140との接続部を構成する。つまみ部335qは、外筒210pの外部に移動可能に配置している。
送液路f1qは、注入針320pとつまみ部335qを通るように設けている。送液路f1qは、つまみ部335qの外表面から略径方向rに沿って延在するとともに、注入針320pに設けられた長手方向Xに沿って延在するように構成している。つまみ部335qは、接続部材140との接続状態において接続部材140から流通する薬剤を送液路f1qに流通できるように、送液路f1qをつまみ部335qの外表面に設けている。
なお、本変形例における外筒は第2実施形態の変形例1と同様に基端側の底面に開口部が設けられているものを使用しているが、基端側の底面は中実に構成してもよい。
本変形例に係る医療器具200qの使用例は、外筒210pに対して内側部310qを進退移動させる際に、つまみ部335qを術者が把持してつまみ部335qを長手方向Xに移動させる。この際に医療デバイス100の接続部材140は、外筒210の内部空間214ではなく、外筒210pの外部に移動可能に配置されたつまみ部335qに接続された状態で上記進退移動が行われる。その他は第2実施形態の変形例1と同様であるため、説明を省略する。
以上説明したように、医療デバイス100は弾性変形可能な接続部材140を含む。送液路f1qは、つまみ部335qを通るように設けられる。接続部材140はつまみ部335qに接続可能であって、つまみ部335qとの接続状態において接続部材140から薬剤が送液路f1qに流通する。このように構成することによって、接続部材140は、第2実施形態の変形例1のように外筒210pの基端部において注入針320pの移動に応じて外筒210pの基端部から出し入れされない。
ここで、接続部材140は第2実施形態の変形例1のように外筒210pの基端部から出し入れされることで、接続部材140が外筒210pの内部空間214を進退移動する部位では進退移動に応じて外筒210pとの引っ掛かりが生じ得る。これに対して、本変形例では接続部材140をつまみ部335qに接続させることによって、外筒210pの内部空間214を形成する壁面と接続部材140との接触による引っ掛かりを生じさせずにすむ。これにより、外筒210pに対する内側部310qの移動を円滑に行うことができる。
(第2実施形態の変形例3)
図35は第2実施形態の変形例3に係る医療器具200rを示す平面図である。第2実施形態の変形例1ではつまみ部335を操作することによって、外筒210pに対して内側部310pを相対的に移動させて注入針320pが第2外筒290の先端部から外部に露出すると説明した。ただし、注入針320pの進退移動については以下のように構成してもよい。
なお、本変形例に係る医療器具セットは第2実施形態の変形例1に対して外筒の仕様が異なり、その他は第2実施形態の変形例1と同様であるため、共通する構成の説明を省略する。また、外筒210rは外表面219rに目盛りを設け、外筒210rにロック機構226、227を設けている点で外筒210pと異なり、その他は第2実施形態の変形例1に係る外筒210pと同様であるため、共通する構成の説明を省略する。
外筒210rは、図35に示すように内部空間214、215、216に配置された注入針320pの先端部の位置を示す目盛りを備えるように構成している。外筒210rの目盛りは切り欠き部225に沿って外表面219rに設けており、その他の仕様は第1実施形態の変形例4の内筒340dの外表面341に設けた目盛りと同様であるため、説明を省略する。
外筒210rのロック機構226、227は、外筒210rに対する内側部310pの相対的な移動をロックするように構成している。第2実施形態の変形例1で説明したように内側部310pは外筒210rに対して切り欠き部225に沿って進退移動する。ロック機構226、227は、本変形例において切り欠き部225から長手方向Xと交差する周方向θに延びるように形成した切り欠きを含む。内側部310pはロック機構として、外筒210rのロック機構226、227に引っ掛かるつまみ部335を備える。
ロック機構226をロック機構227よりも長手方向Xの基端側とすると、ロック機構226は一例として、注入針320pの先端部がプライミングを行う内部空間215に位置するように設定することができる。ロック機構227は、ロック機構227よりも長手方向Xにおける先端側に設けられ、注入針320pの先端部が第2外筒290の先端部から外部に露出する直前の位置に設定することができる。
(使用例)
次に本変形例に係る医療器具200rの使用例について説明する。まず、術者はつまみ部335を把持して外筒210rに対して内側部310pを移動させて注入針320pの先端部を内部空間215に位置させる。そして、術者は、その位置でつまみ部335を周方向に回転させてロック機構226に引っ掛けることでつまみ部335が長手方向Xに移動しないようにロックする。
なお、医療器具200rと医療デバイス100との接続、医療器具200rと器具400との接続、およびプライミングの操作は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
次に、術者は、つまみ部335を周方向θに回転させてロック機構226に対する引っ掛けを解除し、つまみ部335を切り欠き部225の長手方向Xに移動させる。そして、注入針320pを第2外筒290の先端部を超えて外部に露出させる。以降の薬剤の投与は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
薬剤の投与が終了したら、術者はつまみ部335を操作して注入針320pの先端部を第2外筒290の内部ルーメンに格納し、つまみ部335を周方向θに回転させてロック機構227に引っ掛ける。これにより、つまみ部335の位置が不用意に長手方向Xに動くことを防止できる。術者はこの状態で医療器具200rを体内から抜去する。
以上説明したように本変形例において外筒210rは、内部空間214、215、216、217に配置された注入針320の先端部の位置を示す目盛りを外表面219rに設けるように構成している。このように構成することによって、第1実施形態の変形例4と同様に注入針320の先端部がどの位置にあるかについての情報を使用者に提供することができる。
また、外筒210rは、外筒210sに対する内側部310rの相対的な移動をロックするロック機構226、227を備え、内側部310rはロック機構226、227に引っ掛かるつまみ部335を備えるように構成している。このように構成することによって、注入針320が意図しないタイミングでプライミングを行う内部空間215や第2外筒290の内部空間から移動してしまうことを防止できる。
(第3実施形態)
図36は第3実施形態に係る医療器具200sを示す断面図である。第1実施形態では図1等に示すように外筒210の長手方向Xの長さを内側部310の内筒340と同程度の長さに構成しているが、外筒は以下のように構成することもできる。なお、医療デバイス100および器具400は第1実施形態と同様に構成しているため、説明を省略する。
本実施形態において医療器具200sを構成する外筒210sは、内側部310sに内筒340を設けない分、図36に示すように外筒210sの注入針320の長手方向Xにおける長さを注入針320sよりも短く構成している。外筒210sは、図36に示すように内部空間214s、215、216、217およびシール部材230、240を備える。内部空間215、216、217およびシール部材230、240は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
内部空間214sは、第1実施形態のように内側部に内筒を設けない分、内筒を収容する空間を設けず、長手方向Xにおける長さを第1実施形態の外筒210よりも短く構成している。
内側部310sは、図36に示すように送液路f1s、注入針320s、および接続部330sを備える。
送液路f1sは、第1実施形態のように内筒340を設けない分、第2実施形態の変形例1と同様に注入針320sにのみ設けるように構成している。注入針320sは、第1実施形態のように内筒340を設けない分、長手方向Xにおいて外筒210sから露出するように延在させることができる。接続部330sは、内筒340を設けない分、第2実施形態の変形例1と同様に注入針320sの基端部に設けるように構成している。
注入針320sには、位置決め部322、323を設けている。位置決め部322、323は、注入針320sのシール部材230、240に対する挿入状態および挿通状態において、外筒210sに対して内側部310sを位置決めする。位置決め部322、323は、本実施形態において注入針320sの外表面に形成した目印またはマーキング等を含むように構成している。
位置決め部323は、一例として外筒210sの基端部と長手方向Xにおける位置が一致した際に、注入針320sの先端部がシール部材230を挿通し、シール部材240の手前である内部空間215sに位置するように設定できる。位置決め部322は、外筒210sの基端部と一致した際に、注入針320sの先端部が第2外筒290の先端部から外部に露出する直前の位置となるように設定できる。また、注入針320sを含む内側部310sは、クリップのような部材で注入針320sと外筒210sを共に挟持することによって外筒210sに対する位置を固定できる。
(使用例)
次に本実施形態に係る医療器具セットの使用例について説明する。まず、術者は位置決め部322に位置合わせするように内側部310sを外筒210sに対して基端側に引っ張る操作を行い、注入針320sの先端部を内部空間215に配置する。なお、医療器具200sと器具400との接続、医療器具200sと医療デバイス100との接続およびプライミングの操作は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
次に、術者は外筒210sと注入針320sを把持して、外筒210sに対して内側部310sを押し込む操作を行い、注入針320sの先端部を外筒210sの先端側外部に露出させる。次に、術者は腹部の周辺に小切開部を形成する。次に、術者は超音波エコー下で注入針320sを把持して外筒210sを経皮的に穿刺し、腫瘍手前あるいは腫瘍内部までアクセスする。医療デバイス100の操作による薬剤の投与は第1実施形態と同様である。
薬剤の投与が収容したら、術者は位置決め部323に位置合わせするように内側部310sを外筒210sに対して引っ張る操作を行い、注入針320sを第2外筒290の内部ルーメンに収容する。そして、術者は、医療器具200sを体内から抜去する。
以上説明したように本実施形態では外筒210sは、注入針320sの長手方向Xにおいて注入針320sよりも短く形成している。内側部310sは、注入針320sのシール部材230、240に対する挿入状態および挿通状態において外筒210sに対して内側部310sを位置決めする位置決め部322、323を備える。
このように外筒210sを比較的小さく構成することによって薬剤の投与中などに術者は医療器具200sから手を離すことができ、医療器具200sの操作性を向上させることができる。
なお、本発明は上述した実施形態にのみ限定されず、特許請求の範囲において種々の変更が可能である。第1実施形態などでは隔離部が例示的にシール部材230、240を含むと説明した。ただし、プライミングの際に外部に薬剤が流通する送液路を閉じることができ、薬剤の投与の際に薬剤を注入針の先端から患部に投与できれば、隔離部の具体的な構成はシール部材230、240に限定されない。
上記以外にも隔離部は、シール部材230、240のように外筒の内部空間においてプライミングを行う内部空間215を設けつつ、シール部材230、240を一部品となるように連結した部品を使用してもよい。
また、上記では医療器具セット1が医療デバイス100と医療器具200と器具400とを有すると説明したが、上記以外にも医療デバイス100と医療器具200とによってセットを構成してもよい。
また、医療器具セット1は、医療器具200の内部空間215においてプライミングを行うために接続部213に負圧にする器具400を接続すると説明した。ただし、内部空間215に対して吸引(脱気)の操作を行うことができれば、接続部213には器具400以外の器具を接続してもよく、器具400のような器具を接続しなくてもよい。
100 医療デバイス(薬剤を供給する器具)、
140 接続部材(中空部材)、
210 外筒、
213 接続部(内部空間を負圧にする器具との接続部)、
213b 接続部(内部空間の一部に対して薬剤以外の流体を流入させる器具との接続部)
214、215、216、217 内部空間、
222 溝部、
223、224 当接部、
225 切り欠き部、
226 ロック機構、
230 シール部材(隔離部、第1弁部材)、
240 シール部材(隔離部、第2弁部材)、
250 膜状部材、
260 閉鎖部材、
270 歯車(操作部と一体に動作する)、
280 歯車、
290 第2外筒、
310 内側部、
320 注入針、
330 接続部(送液路に薬剤を導入する医療デバイスとの接続部)、
335 つまみ部、
335q つまみ部(接続部)、
340 内筒、
342 突出部、
343 凹凸部、
350 検出部、
400 器具、
500 報知部、
f1 送液路、
p1 部位(透明な部位)。

Claims (20)

  1. 長尺状に構成され、薬剤を先端側の開口部から流出可能な注入針、および前記開口部に向けて薬剤が流通可能な送液路を備え、薬剤を供給する器具との接続が可能な内側部と、
    前記注入針の先端部を収容可能な内部空間と、前記内部空間に設けられ、前記注入針を挿通した状態で把持可能であって、把持された状態における前記注入針の前記先端部が配置された前記内部空間の一部を外部と隔離する隔離部と、を備える外筒と、を有し、
    外部と隔離可能な前記内部空間の一部は、少なくとも前記注入針の前記先端部を配置した状態において吸気可能である医療器具。
  2. 前記内側部は、前記送液路の少なくとも一部を包囲し、前記注入針よりも大きい外壁面を備えた内筒を含む請求項1に記載の医療器具。
  3. 前記隔離部は、前記注入針の挿入状態または挿通状態において前記内部空間における前記注入針の長手方向に間隔をあけて配置され、前記注入針を挿通可能な挿通箇所が設けられ、前記挿通箇所が材料の弾性により閉じるように構成された第1弁部材および第2弁部材を備える請求項1または請求項2に記載の医療器具。
  4. 前記外筒は、外部と隔離可能な前記内部空間の一部を吸気する器具との接続が可能である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の医療器具。
  5. 前記外筒は、外部と隔離可能な前記内部空間の一部において気体の排出を許容し、かつ、液体の排出を阻害する膜状部材を備える請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の医療器具。
  6. 前記外筒は、吸気される前記内部空間の一部が外部から見えるように少なくとも一部が透明である請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の医療器具。
  7. 前記外筒は、前記内部空間の一部を吸気する器具との接続部位において隔離された前記内部空間の一部を閉鎖可能である請求項4に記載の医療器具。
  8. 前記外筒は、外部と隔離可能な前記内部空間の一部に対して薬剤以外の流体を流入させる器具との接続が可能である請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の医療器具。
  9. 前記外筒または前記内筒は、前記内部空間に配置された前記注入針の前記先端部の位置を示す目盛りを備える請求項2に記載の医療器具。
  10. 前記内筒は、前記注入針の前記外筒に対する挿入時において前記注入針の長手方向と交差する方向において外方に突出した突出部を備え、
    前記外筒は、前記内筒の前記突出部を前記注入針の長手方向に沿って移動可能な溝部と、前記溝部の両端部に設けられ、前記注入針の長手方向において前記突出部が当接可能な当接部と、を備える請求項2に記載の医療器具。
  11. 前記外筒は、前記注入針の前記外筒に対する挿入時において前記外筒に対して前記内筒を前記注入針の長手方向に進退移動させる歯車と、
    使用者によって前記歯車を回転操作可能な操作部と、を備え、
    前記内筒は、前記歯車とかみ合う複数の凹凸部を備える請求項2に記載の医療器具。
  12. 前記内筒は、前記送液路の圧力を検出可能な検出部を備え、
    前記検出部にて検出された圧力を報知可能な報知部をさらに有する請求項2に記載の医療器具。
  13. 前記注入針の前記隔離部に対する挿通状態において前記注入針の長手方向における前記外筒の先端側に配置可能であって前記外筒より外部に露出された前記注入針の前記先端部を包囲可能な中空の第2外筒をさらに有する請求項1に記載の医療器具。
  14. 前記送液路は、前記注入針または前記注入針と一体に構成された筒状部材に形成され、
    前記内側部は、前記注入針または前記筒状部材と一体に構成され、使用者によって把持可能なつまみ部を備え、
    前記外筒は、前記注入針の長手方向に沿って形成され、前記注入針または前記筒状部材の少なくとも一部を前記外筒の内部に配置した状態において前記つまみ部を前記外筒の内部から外部に露出させる切り欠き部を備える請求項13に記載の医療器具。
  15. 前記薬剤を供給する器具は、弾性変形可能な中空部材を含み、
    前記送液路は、前記つまみ部を通るように設けられ、
    前記中空部材は前記つまみ部に接続可能であって、かつ、前記つまみ部との接続状態において前記中空部材からの前記薬剤が前記送液路に流通可能である請求項14に記載の医療器具。
  16. 前記内筒および前記外筒は、前記外筒に対する前記内側部の相対的な移動をロックするロック機構を備える請求項14または請求項15に記載の医療器具。
  17. 前記外筒は、前記注入針の長手方向において前記注入針よりも短く形成され、
    前記注入針の前記隔離部に対する挿入状態および挿通状態において、前記外筒に対して前記内側部を位置決めする位置決め部をさらに有する請求項1に記載の医療器具。
  18. 前記外筒の内側面および前記内筒の外側面は、前記注入針の前記隔離部に対する挿入状態および挿通状態における前記注入針の長手方向に交差する断面が多角形に形成される請求項2に記載の医療器具。
  19. 前記注入針は、前記先端部が前記外筒の先端側から少なくとも外部に露出するまで直線的に移動し、
    前記注入針は、前記外筒の先端側から外部に露出した以降において、前記先端部が外部に露出するまでに移動する直線方向に対して前記先端部が湾曲するように形状づけされている請求項1から請求項18のいずれか1項に記載の医療器具。
  20. 前記注入針は、前記注入針の長手方向における前記先端部が中実であって、かつ、前記先端部に隣接する外側面において前記注入針の長手方向と交差する径方向に沿って前記開口部が設けられる請求項1から請求項19のいずれか1項に記載の医療器具。
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