JP2023047680A - 操舵機能付ハブユニット、操舵システムおよび車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】ばね下荷重の増加を抑えて乗り心地の悪化を防ぐと共に、タイヤの角度が不所望に変わることを防止し得る操舵機能付ハブユニット、操舵システムおよび車両を提供する。【解決手段】操舵機能付ハブユニット1は、車輪9を回転支持するハブベアリング15を有するハブユニット本体2と、足回りフレーム部品に設けられハブユニット本体2を上下方向に延びる転舵軸心A回りに回転自在に支持するユニット支持部材3と、ハブユニット本体2を転舵軸心A回りに回転駆動させる操舵用アクチュエータ5とを備える。操舵用アクチュエータ5は、モータ26と、モータ26の回転出力を出力ロッド25aの直進運動に変換する直動機構25とを有し、出力ロッド25aが直進方向に進退することで、ハブユニット本体2が転舵軸心A回りに回転駆動される。操舵用アクチュエータ5は、出力ロッド25aの位置を保持する直動位置保持手段7を有する。【選択図】図2
Description
本発明は、操舵機能付ハブユニット、操舵システムおよび車両に関し、走行状況に合わせ左右の車輪を適切な操舵角に制御することで、燃費の改善および走行安定性と安全性の向上を図る技術に関する。
一般的な車両の操舵装置は機械的に車輪と接続されているため、一般的には固定された単一のステアリングジオメトリしか採ることができず、アッカーマンジオメトリとパラレルジオメトリとの中間的なジオメトリに設定されることが多い。しかし、この場合、低速域では左右輪の舵角差が不足して外輪の舵角が過大となり、高速域では内輪の舵角が過大となる。このように内外輪の車輪横力配分に不要な偏りがあると、走行抵抗の悪化による燃費悪化及びタイヤの早期摩耗の原因となり、また、内外輪を効率的に利用できないので、コーナリングのスムーズさが損なわれるといった課題がある。
そこで補助的な操舵機能を備えた技術(特許文献1,2)が提案されている。
しかし特許文献1では、モータを2個使ってタイヤのトー角とキャンバー角を複雑に制御している。
特許文献2は、転舵軸に対しハブベアリングを片持ち支持しているため、剛性が低下し、過大な走行Gの発生によってステアリングジオメトリが変化してしまう可能性がある。
また、転舵軸上に減速機を設けた場合、モータを含めてサイズが大きくなる。全体のサイズが大きくなると、車輪の内周部に全体を配置することが困難となる。減速比の大きい減速機を設けた場合、応答性が悪化する。
しかし特許文献1では、モータを2個使ってタイヤのトー角とキャンバー角を複雑に制御している。
特許文献2は、転舵軸に対しハブベアリングを片持ち支持しているため、剛性が低下し、過大な走行Gの発生によってステアリングジオメトリが変化してしまう可能性がある。
また、転舵軸上に減速機を設けた場合、モータを含めてサイズが大きくなる。全体のサイズが大きくなると、車輪の内周部に全体を配置することが困難となる。減速比の大きい減速機を設けた場合、応答性が悪化する。
上記のように従来の補助的な操舵機能を備えた機構は、車両において車輪のトー角またはキャンバー角を任意に変更することを目的としているため、モータおよび減速機構が複数必要になり複雑な構成となっている。また、従来の機構は、剛性を確保することが困難であり、剛性を確保するためには大型とする必要があり重くなる。
また、キングピン軸と転舵軸が一致する場合は、構成要素部品がハブユニットの後方(車体側)に配置されるために、全体のサイズが大きくなり重くなる。
また、キングピン軸と転舵軸が一致する場合は、構成要素部品がハブユニットの後方(車体側)に配置されるために、全体のサイズが大きくなり重くなる。
特許文献1のように、モータを複数個使用する場合、モータ個数の増大によるコスト増が生じるだけでなく、制御が複雑になると共にエネルギーの消費が大きい。
特許文献2では、車輪の内周部に操舵用モータおよび車輪駆動用モータを設けているため、ばね下荷重が増加し乗り心地の悪化を招く。
特許文献2では、車輪の内周部に操舵用モータおよび車輪駆動用モータを設けているため、ばね下荷重が増加し乗り心地の悪化を招く。
特許文献3は、タイヤからの逆入力を防止することを目的として、セルフロック機能のある台形ねじを使用している。しかし特許文献3では、システムの電源がオフとなっている場合において、車両の走行中または移送中のタイヤからの振動により前記セルフロック機能が作動せず、タイヤの角度が不所望に変わってしまう恐れがある。さらに、操舵用のモータの回転中に電源に異常が発生した場合、モータを停止させる電流を流すことができなくなり、モータが惰性で回転してしまい、タイヤがドライバの意図しない角度で停止する恐れがある。
本発明の目的は、ばね下荷重の増加を抑えて乗り心地の悪化を防ぐと共に、タイヤの角度が不所望に変わることを防止し得る操舵機能付ハブユニット、操舵システムおよび車両を提供することである。
本発明の操舵機能付ハブユニットは、車輪を回転支持するハブベアリングを有するハブユニット本体と、懸架装置の足回りフレーム部品に設けられ前記ハブユニット本体を上下方向に延びる転舵軸心回りに回転自在に支持するユニット支持部材と、前記ハブユニット本体を前記転舵軸心回りに回転駆動させる操舵用アクチュエータと、を備え、
前記操舵用アクチュエータは、直動出力部の直進運動として出力する直動機構を有し、前記直動出力部が直進方向に進退することで、前記ハブユニット本体が前記転舵軸心回りに回転駆動される操舵機能付ハブユニットであって、
前記操舵用アクチュエータは、定められた条件を充足したとき、前記直動出力部の位置を保持する直動位置保持手段を有する。
前記「定められた条件を充足したとき」とは、操舵用アクチュエータの電源に異常が発生するか、前記電源がオフとなるか、または操舵用アクチュエータの制御系統に異常が発生することを意味する。
車両の主電源が投入された状態において、例えば、操舵用アクチュエータの電源に異常が発生した場合(上位側(車両側)のコントローラにより操舵用アクチュエータへの電力供給が遮断される、または電源ケーブルの断線など)操舵用アクチュエータへの電力供給が遮断され、直動位置保持手段である、例えば、電磁ブレーキのコイルへの通電も遮断される。
前記電磁ブレーキのコイルへの通電が遮断されると、ブレーキが作動し操舵用アクチュエータの駆動源である、例えば、モータの回転を機械的に制動する。
制御系統に異常が発生したか否かの判定基準につき、例えば、アクチュエータ指令値と、このアクチュエータ指令値に対応する直動出力部の位置または操舵用アクチュエータの駆動源であるモータの角度またはモータ電流等との関係に基づいて、制御系統に異常が発生したか否かが判定される。前記各関係は、試験およびシミュレーションのいずれか一方または両方等により予め定められる。
前記操舵用アクチュエータは、直動出力部の直進運動として出力する直動機構を有し、前記直動出力部が直進方向に進退することで、前記ハブユニット本体が前記転舵軸心回りに回転駆動される操舵機能付ハブユニットであって、
前記操舵用アクチュエータは、定められた条件を充足したとき、前記直動出力部の位置を保持する直動位置保持手段を有する。
前記「定められた条件を充足したとき」とは、操舵用アクチュエータの電源に異常が発生するか、前記電源がオフとなるか、または操舵用アクチュエータの制御系統に異常が発生することを意味する。
車両の主電源が投入された状態において、例えば、操舵用アクチュエータの電源に異常が発生した場合(上位側(車両側)のコントローラにより操舵用アクチュエータへの電力供給が遮断される、または電源ケーブルの断線など)操舵用アクチュエータへの電力供給が遮断され、直動位置保持手段である、例えば、電磁ブレーキのコイルへの通電も遮断される。
前記電磁ブレーキのコイルへの通電が遮断されると、ブレーキが作動し操舵用アクチュエータの駆動源である、例えば、モータの回転を機械的に制動する。
制御系統に異常が発生したか否かの判定基準につき、例えば、アクチュエータ指令値と、このアクチュエータ指令値に対応する直動出力部の位置または操舵用アクチュエータの駆動源であるモータの角度またはモータ電流等との関係に基づいて、制御系統に異常が発生したか否かが判定される。前記各関係は、試験およびシミュレーションのいずれか一方または両方等により予め定められる。
この構成によると、操舵用アクチュエータによりハブユニット本体を回転駆動している場合において、操舵用アクチュエータの電源等に異常が発生する等定められた条件を充足したとき、直動位置保持手段は、直動機構の直動出力部の位置を保持する。このように異常の発生時に直動出力部の位置を保持することで、操舵用アクチュエータの惰性運動により車輪の操舵角がオーバーシュートすることを防止することができる。また電源等の異常の発生時に直動出力部の位置を保持することで、走行中または移送中のタイヤからの振動により、タイヤの角度が不所望に変わることを防止し得る。この操舵機能付ハブユニットによれば、複数のモータを用いることなくハブユニット本体を回転駆動させることができるため、ばね下荷重の増加を抑えて乗り心地の悪化を防ぐことが可能となる。
前記操舵用アクチュエータは、モータと、このモータの回転出力を前記直動出力部の直進運動に変換する前記直動機構とを有し、前記直動位置保持手段は、前記モータに設けられこのモータの回転を制動するブレーキ機構であり、このブレーキ機構は、前記モータの回転を制動することで、前記直動出力部の位置を保持してもよい。このようにモータに設けられたブレーキ機構により、モータつまりモータロータの回転を機械的に制動する。したがって、直動出力部の位置を応答性よく保持することでタイヤの角度を迅速に保持することが可能となる。
前記ブレーキ機構は電磁ブレーキであってもよい。この場合、モータのハウジング内に電磁ブレーキをコンパクトに収めることができる。よって、操舵機能付ハブユニットの小型化および軽量化を図れる。
前記ハブユニット本体は、前記ハブベアリングの固定輪またはこの固定輪に設けられた円環部の外周から上下にそれぞれ突出する転舵軸部を有し、前記上下の転舵軸部が前記転舵軸心回りに回転自在に支持され、且つ前記上下の転舵軸部が前記車輪のホイール内に位置してもよい。この場合、上下の転舵軸部がホイール外で例えば車体側に配置される構造よりも、転舵軸部の中心つまり転舵軸心から車輪の接地面中心までの距離を確実に短縮でき、車輪を操舵させる力を低減することができる。したがって、ハブユニット全体の小型化および重量低減を図ることができる。これにより車両の運動性能を高めることができる。
前記直動機構はボールねじを備え、このボールねじは、前記ユニット支持部材に回転自在に支持されたナット部と、このナット部の内周にボールを介して支持されるねじ軸である前記直動出力部とを有してもよい。前記ボールねじを備えた直動機構は、台形ねじ等を備えた直動機構に比べて、ねじの効率が高く消費電力を低減することができると共に、モータサイズの小型化を図ることができる。したがって、ばね下荷重の増加を確実に抑えて乗り心地の悪化を防ぐことができる。
本発明の操舵システムは、本発明の上記いずれかの構成の操舵機能付ハブユニットと、この操舵機能付ハブユニットの操舵用アクチュエータを制御する制御装置とを備えた操舵システムであって、前記制御装置は、与えられた操舵角指令信号に応じた電流指令信号を出力する操舵制御部と、この操舵制御部から入力された電流指令信号に応じた電流を出力して前記操舵用アクチュエータを駆動制御するアクチュエータ駆動制御部とを有する。
この構成によると、操舵制御部は、与えられた操舵角指令信号に応じた電流指令信号を出力する。アクチュエータ駆動制御部は、操舵制御部から入力された電流指令信号に応じた電流を出力して操舵用アクチュエータを駆動制御する。したがって、運転者のハンドル操作による操舵に付加して車輪角度を任意に変更することができる。
本発明の車両は、本発明の上記いずれかの構成の操舵機能付ハブユニットを用いて前輪および後輪のいずれか一方または両方が支持される。このため、本発明の操舵機能付ハブユニットにつき前述した各効果が得られる。前輪は一般的に操舵輪とされるが、操舵輪に、本発明の操舵機能付ハブユニットを適用した場合は、走行中におけるトー角調整に効果的である。後輪は一般的に非操舵輪とされるが、非操舵輪に適用した場合は、非操舵輪の若干の操舵によって低速走行時における最小回転半径の低減および高速走行時における車両安定性の向上を図ることができる。
本発明の操舵機能付ハブユニットによると、操舵用アクチュエータは、定められた条件を充足したとき、前記直動出力部の位置を保持する直動位置保持手段を有するため、ばね下荷重の増加を抑えて乗り心地の悪化を防ぐと共に、タイヤの角度が不所望に変わることを防止し得る。
[第1の実施形態]
本発明の実施形態に係る操舵機能付ハブユニットを図1ないし図8および図10と共に説明する。図1に示すように、操舵機能付ハブユニット1は、ハブユニット本体2と、ユニット支持部材3と、操舵用アクチュエータ5とを備える。足回りフレーム部品であるナックル6に一体にユニット支持部材3が設けられている。
本発明の実施形態に係る操舵機能付ハブユニットを図1ないし図8および図10と共に説明する。図1に示すように、操舵機能付ハブユニット1は、ハブユニット本体2と、ユニット支持部材3と、操舵用アクチュエータ5とを備える。足回りフレーム部品であるナックル6に一体にユニット支持部材3が設けられている。
このユニット支持部材3のインボード側に、操舵用アクチュエータ5が設けられ、ユニット支持部材3のアウトボード側に、ハブユニット本体2が設けられる。ハブユニット本体2と操舵用アクチュエータ5とはジョイント部8により連結されている。通常、このジョイント部8は、防水、防塵のために図示外のブーツが取り付けられている。
操舵機能付ハブユニット1を車両に搭載した状態で、車両の車幅方向外側をアウトボード側といい、車両の車幅方向中央側をインボード側という。なお、操舵機能付ハブユニット1を単に、ハブユニット1と言う場合がある。
操舵機能付ハブユニット1を車両に搭載した状態で、車両の車幅方向外側をアウトボード側といい、車両の車幅方向中央側をインボード側という。なお、操舵機能付ハブユニット1を単に、ハブユニット1と言う場合がある。
ハブユニット本体2は、上下方向に延びる転舵軸心A回りに回転自在なように、上下二箇所で図5の回転許容支持部品4,4を介してユニット支持部材3に支持されている。転舵軸心Aは、車輪9(図2)の回転軸心Oとは異なる軸心であり、主な操舵を行うキングピン軸とも異なっている。通常の車両は、車両走行の直進安定性の向上を目的としてキングピン角度が10~20度で設定されているが、この実施形態の操舵機能付ハブユニット1は、前記キングピン角度とは別の角度(軸)の転舵軸を有する。
<操舵機能付ハブユニット1の設置箇所>
この操舵機能付ハブユニット1は、この実施形態では操舵輪、具体的には図10に示すように、車両10の前輪9Fのステアリング装置11による操舵に付加して左右輪個別に微小な角度(約±5deg)を操舵させる機構として、懸架装置12のナックル6に一体に設けられる。但し、操舵輪の操舵機能付ハブユニット1において、車両制御の要求によっては、前記微小な角度に限らず例えば10°~20°等の比較的大きな角度を左右輪個別に採ることもある。後述する図11、図12に示す操舵機能付ハブユニット1についても同様である。
この操舵機能付ハブユニット1は、この実施形態では操舵輪、具体的には図10に示すように、車両10の前輪9Fのステアリング装置11による操舵に付加して左右輪個別に微小な角度(約±5deg)を操舵させる機構として、懸架装置12のナックル6に一体に設けられる。但し、操舵輪の操舵機能付ハブユニット1において、車両制御の要求によっては、前記微小な角度に限らず例えば10°~20°等の比較的大きな角度を左右輪個別に採ることもある。後述する図11、図12に示す操舵機能付ハブユニット1についても同様である。
図10に示すように、ステアリング装置11は、車体に取り付けられ、運転者のハンドル11aの操作、または図示外の自動運転装置、運転支援装置の指令等によって動作し、その進退する図2に示すタイロッド14が、ユニット支持部材3のステアリング結合部6d(後述する)に連結されている。ステアリング装置11は、ラック・ピニオン式等とされるが、どのタイプのステアリング装置でも構わない。図10の懸架装置12は、例えば、ショックアブソーバをナックル6に直接固定するストラット式サスペンション機構を適用しているが、ダブルウィッシュボーン式サスペンション機構、マルチリンク式サスペンション機構、その他のサスペンション機構を適用してもよい。
<ハブユニット本体2>
図2に示すように、ハブユニット本体2は、車輪9の支持用のハブベアリング15と、転舵軸部付き円環部であるアウターリング16と、操舵力受け部であるアーム部17と、図3に示すブレーキキャリパ取付部22とを備える。
図5に示すように、ハブベアリング15は、内輪18と、外輪19と、これら内外輪18,19間に介在したボール等の転動体20とを有し、車体側の部材と車輪とを繋ぐ役目をしている。
図2に示すように、ハブユニット本体2は、車輪9の支持用のハブベアリング15と、転舵軸部付き円環部であるアウターリング16と、操舵力受け部であるアーム部17と、図3に示すブレーキキャリパ取付部22とを備える。
図5に示すように、ハブベアリング15は、内輪18と、外輪19と、これら内外輪18,19間に介在したボール等の転動体20とを有し、車体側の部材と車輪とを繋ぐ役目をしている。
このハブベアリング15は、図示の例では、外輪19が固定輪、内輪18が回転輪となり、転動体20が複列とされたアンギュラ玉軸受とされている。内輪18は、ハブフランジ18aaを有しアウトボード側の軌道面を構成するハブ輪部18aと、インボード側の軌道面を構成する内輪部18bとを有する。図2に示すように、ハブフランジ18aaに車輪9のホイール9aがブレーキロータ21aと重なり状態でボルト固定されている。内輪18は、回転軸心O回りに回転する。
図5に示すように、アウターリング(転舵軸部付き円環部)16は、外輪19の外周面に嵌合された円環部16aと、この円環部16aの外周から上下に突出して設けられたトラニオン軸状の転舵軸部16b,16bとを有する。上下の取付軸部である各転舵軸部16bは、転舵軸心Aに同軸に設けられる。なお、上下の転舵軸部16b,16bは、外輪19の外周から上下に突出して設けられたトラニオン軸状であってもよい。
図2に示すアーム部17は、ハブベアリング15の外輪19に補助的な操舵力を与える作用点となる部位であり、アウターリング16または外輪19の外周の一部に一体に突出する。アーム部17は、ジョイント部8を介して、操舵用アクチュエータ5の直動出力部となる出力ロッド25aに回転自在に連結されている。これにより、操舵用アクチュエータ5の出力ロッド25aが進退(直進運動)することで、ハブユニット本体2が転舵軸心A回りに回転、つまり補助操舵させられる。
図4のブレーキキャリパ取付部22は、図2に示すように、外輪19に一体にアーム状に突出して形成されている。ブレーキのブレーキキャリパ21bは、図3に示す上下二箇所のブレーキキャリパ取付部22に取り付けられる。よって、図2に示すハブベアリング15、アウターリング16、アーム部17およびブレーキキャリパ取付部22は一体に操舵する。
<ユニット支持部材等>
図5に示すように、各回転許容支持部品4は転がり軸受から成る。この例では、転がり軸受として、円すいころ軸受が適用されている。転がり軸受は、転舵軸部16bの外周に嵌合された内輪4aと、ユニット支持部材3に嵌合された外輪4bと、内外輪4a,4b間に介在する複数の転動体4cとを有する。これにより上下の転舵軸部16b,16bが転舵軸心A回りに回転自在に支持される。また上下の転舵軸部16b,16bは、図2に示す車輪9のホイール9a内に位置する。この例では、各転舵軸部16b(図5)がホイール9a内の幅方向中間付近に配置される。したがって、転舵軸心Aは、車輪9の回転軸心Oに直交し、且つホイール9a内の幅方向中間付近に位置する。
図5に示すように、各回転許容支持部品4は転がり軸受から成る。この例では、転がり軸受として、円すいころ軸受が適用されている。転がり軸受は、転舵軸部16bの外周に嵌合された内輪4aと、ユニット支持部材3に嵌合された外輪4bと、内外輪4a,4b間に介在する複数の転動体4cとを有する。これにより上下の転舵軸部16b,16bが転舵軸心A回りに回転自在に支持される。また上下の転舵軸部16b,16bは、図2に示す車輪9のホイール9a内に位置する。この例では、各転舵軸部16b(図5)がホイール9a内の幅方向中間付近に配置される。したがって、転舵軸心Aは、車輪9の回転軸心Oに直交し、且つホイール9a内の幅方向中間付近に位置する。
図5のユニット支持部材3は、ユニット支持部材本体3Aと、ユニット支持部材結合体3Bとを有する。図1において、ユニット支持部材3を一点鎖線で表す。
ユニット支持部材本体3Aのアウトボード側端に、略リング形状のユニット支持部材結合体3Bが着脱自在に固定されている。ユニット支持部材結合体3Bのインボード側側面のうち上下の部分には、部分的な凹球面状の嵌合孔形成部がそれぞれ形成されている。
ユニット支持部材本体3Aのアウトボード側端に、略リング形状のユニット支持部材結合体3Bが着脱自在に固定されている。ユニット支持部材結合体3Bのインボード側側面のうち上下の部分には、部分的な凹球面状の嵌合孔形成部がそれぞれ形成されている。
ユニット支持部材本体3Aのアウトボード側端のうち上下の部分には、部分的な凹球面状の嵌合孔形成部がそれぞれ形成されている。ユニット支持部材本体3Aのアウトボード側端にユニット支持部材結合体3Bが固定され、各上下の部分につき、嵌合孔形成部が互いに組み合わされることにより、全周に連なる嵌合孔が形成される。この嵌合孔に外輪4b(図5)が嵌合されている。
図5に示すように、各転舵軸部16bは、中空軸とされて内周孔内に雌ねじ部が形成され、この雌ねじ部に螺合するボルト23が設けられている。内輪4aの端面に円板状の押圧部材24を介在させ、前記雌ねじ部に螺合するボルト23により、内輪4aの端面に押圧力を付与することで、各回転許容支持部品4にそれぞれ予圧を与えている。すなわち、車両の重量などの外力がハブユニット1に作用した場合でも予圧が抜けないように初期予圧が設定されている。これにより各回転許容支持部品4の剛性を高め得る。
回転許容支持部品4は、円すいころ軸受に限るものではなく、最大負荷等の使用条件によってはアンギュラ玉軸受、球面滑り軸受等の他の形式の軸受を用いることも可能である。その場合も、上記と同様に予圧を与えることができる。
回転許容支持部品4は、円すいころ軸受に限るものではなく、最大負荷等の使用条件によってはアンギュラ玉軸受、球面滑り軸受等の他の形式の軸受を用いることも可能である。その場合も、上記と同様に予圧を与えることができる。
<操舵用アクチュエータ5>
図2に示すように、操舵用アクチュエータ5は、ハブユニット本体2を転舵軸心A回りに回転駆動させる機能を有する。操舵用アクチュエータ5は、回転駆動源であるモータ26と、モータ26の回転を減速する減速機27と、この減速機27の正逆の回転出力を出力ロッド25aの往復の直進運動に変換する直動機構25とを備える。
図2に示すように、操舵用アクチュエータ5は、ハブユニット本体2を転舵軸心A回りに回転駆動させる機能を有する。操舵用アクチュエータ5は、回転駆動源であるモータ26と、モータ26の回転を減速する減速機27と、この減速機27の正逆の回転出力を出力ロッド25aの往復の直進運動に変換する直動機構25とを備える。
<モータ26>
図5のモータ26は、例えば永久磁石型同期モータとされるが、直流モータであっても、誘導モータであってもよい。図2に示すように、モータ26は、定められた条件を充足したとき、直動出力部である出力ロッド25aの位置を保持する直動位置保持手段7を有する。この直動位置保持手段7は、図6に示すように、モータ26のモータケース26b内に設けられ、このモータ26の回転を制動するブレーキ機構7Aである。このブレーキ機構7Aは、モータ26の回転を制動することで、出力ロッド25a(図2)の位置を保持する。
図5のモータ26は、例えば永久磁石型同期モータとされるが、直流モータであっても、誘導モータであってもよい。図2に示すように、モータ26は、定められた条件を充足したとき、直動出力部である出力ロッド25aの位置を保持する直動位置保持手段7を有する。この直動位置保持手段7は、図6に示すように、モータ26のモータケース26b内に設けられ、このモータ26の回転を制動するブレーキ機構7Aである。このブレーキ機構7Aは、モータ26の回転を制動することで、出力ロッド25a(図2)の位置を保持する。
前記「定められた条件を充足したとき」は、図1の操舵用アクチュエータ5の電源に異常が発生するか、前記電源がオフとなるか、または操舵用アクチュエータ5の制御系統に異常が発生したときである。
車両の主電源が投入された状態において、例えば、操舵用アクチュエータ5の電源に異常が発生する例として、車両全般を制御する電気制御ユニットである上位制御部32から出力されるべき操舵角指令信号が不所望に途絶える等により操舵用アクチュエータ5への電力供給が遮断される、または前記電源と操舵用アクチュエータ5とを繋ぐ電源ケーブル等の断線等により操舵用アクチュエータ5への電力供給が遮断される、場合等が挙げられる。
このように操舵用アクチュエータ5への電力供給が遮断されることで、後述する電磁ブレーキのコイルへの通電も遮断される。前記電磁ブレーキのコイルへの通電が遮断されると、ブレーキが作動し操舵用アクチュエータ5の駆動源であるモータ26の回転を機械的に制動する。
車両の主電源が投入された状態において、例えば、操舵用アクチュエータ5の電源に異常が発生する例として、車両全般を制御する電気制御ユニットである上位制御部32から出力されるべき操舵角指令信号が不所望に途絶える等により操舵用アクチュエータ5への電力供給が遮断される、または前記電源と操舵用アクチュエータ5とを繋ぐ電源ケーブル等の断線等により操舵用アクチュエータ5への電力供給が遮断される、場合等が挙げられる。
このように操舵用アクチュエータ5への電力供給が遮断されることで、後述する電磁ブレーキのコイルへの通電も遮断される。前記電磁ブレーキのコイルへの通電が遮断されると、ブレーキが作動し操舵用アクチュエータ5の駆動源であるモータ26の回転を機械的に制動する。
<直動位置保持手段(ブレーキ機構)について>
この例のブレーキ機構7Aとしては、例えば、非通電時にブレーキが作動する無励磁動作ブレーキで摩擦式の電磁ブレーキが適用されている。なおブレーキ機構を単に「ブレーキ」という場合がある。ブレーキ機構7Aは、電磁コイル33を備えたステータ34と、このステータ34に支持された第1,第2のプレート35,36と、ロータハブ37に支持され第1,第2のプレート35,36間に設けられるブレーキディスク39と、複数の圧縮コイルばね40aを含む付勢手段40と、第2のプレート36に支持され各圧縮コイルばね40aにそれぞれ装備される可動鉄心41とを有する。ステータ34、第1,第2のプレート35,36、ロータハブ37およびブレーキディスク39は、それぞれモータ軸心A1に同心に設けられている。
この例のブレーキ機構7Aとしては、例えば、非通電時にブレーキが作動する無励磁動作ブレーキで摩擦式の電磁ブレーキが適用されている。なおブレーキ機構を単に「ブレーキ」という場合がある。ブレーキ機構7Aは、電磁コイル33を備えたステータ34と、このステータ34に支持された第1,第2のプレート35,36と、ロータハブ37に支持され第1,第2のプレート35,36間に設けられるブレーキディスク39と、複数の圧縮コイルばね40aを含む付勢手段40と、第2のプレート36に支持され各圧縮コイルばね40aにそれぞれ装備される可動鉄心41とを有する。ステータ34、第1,第2のプレート35,36、ロータハブ37およびブレーキディスク39は、それぞれモータ軸心A1に同心に設けられている。
モータケース26bのインボード側部分にモータ軸心A1に垂直な隔壁26baが設けられ、この隔壁26baのインボード側面に、環状のステータ34が固定されている。環状のステータ34の外周部に、複数のプレート支持部材42が円周等配に支持され、各プレート支持部材42の長手方向先端部がモータケース26b内でインボード側に所定距離突出するように設けられている。
複数のプレート支持部材42の突出部における先端部分に薄板状の第1のプレート35が支持され、且つ、前記突出部における基端部分に、薄板状の第2のプレート36が軸方向に移動自在に支持されている。プレート支持部材42としてボルト等を適用し得る。各プレート支持部材42の外周における、第1,第2のプレート35,36間には、ブレーキ機構7Aの非動作時に第1,第2のプレート35,36を互いに離隔するためのばね部材(図示せず)が設けられている。第2のプレート36のアウトボード側面に、各可動鉄心41がアウトボード側にそれぞれ突出するように固定されている。
モータ軸26aの先端部にロータハブ37が固定され、このロータハブ37の外周部にブレーキディスク39が支持されている。但し、ブレーキディスク39は、ロータハブ37およびモータ軸26aに対し相対回転不能に支持されている。
ステータ34のインボード側面には、図7に示す有底円筒孔状の複数のばね収容孔34aが円周等配に形成されている。各ばね収容孔34aに、図6の第2のプレート36をブレーキディスク39に付勢する圧縮コイルばね40a、および可動鉄心41が収容されている。
ステータ34のインボード側面には、図7に示す有底円筒孔状の複数のばね収容孔34aが円周等配に形成されている。各ばね収容孔34aに、図6の第2のプレート36をブレーキディスク39に付勢する圧縮コイルばね40a、および可動鉄心41が収容されている。
電磁コイル33に電圧を印加した状態では、第2のプレート36および複数の可動鉄心41は、複数の圧縮コイルばね40aによる付勢力に抗して、ステータ34に吸引されることで、ブレーキディスク39に対し第1,第2のプレート35,36が互いに離隔する。これにより、ブレーキディスク39およびモータ軸26aは回転可能となる。
電源異常等に起因して電磁コイル33への電圧が切れる(定められた条件を充足する)と、第1,第2のプレート35,36は、複数の圧縮コイルばね40aによる付勢力によりブレーキディスク39にそれぞれ当接する。つまりブレーキディスク39は、第1,第2のプレート35,36に挟み込まれることで、モータ軸26aの回転を制動する制動力が発生する。このようにブレーキ機構7Aは、モータ26の回転を制動することで、出力ロッド25a(図2)の位置を保持する。
ブレーキ機構7Aは、摩擦式の電磁ブレーキだけでなく、歯形式またはローラ方式等で構成することも可能であり、電磁コイルへの電圧が切れたときに制動力が発生し、電磁コイルに電圧を印加したときに制動が解除されるものであってもよい。
ブレーキ機構7Aは、摩擦式の電磁ブレーキだけでなく、歯形式またはローラ方式等で構成することも可能であり、電磁コイルへの電圧が切れたときに制動力が発生し、電磁コイルに電圧を印加したときに制動が解除されるものであってもよい。
<電源異常時の動作比較>
図8は、電源異常時の動作をブレーキ有無で比較した例を示す図である。
同図8の縦軸における、ブレーキ有無のタイヤ角度(4),(3)は、例えば、後述する位置センサ52(図2)または角度センサ53(図2)により求められる。アクチュエータ指令値(1)は、運転者のハンドル操作等による操舵(指令値)に付加されたタイヤ角度指令位置に相当する。
タイヤ角度指令位置(1)へ移動中に、後述する操舵システムの異常により電源に異常が発生した場合(2)、モータの回転を止める電流が流れない。この場合にブレーキを配置していないモータは惰性で回転し、異常発生時のタイヤ角度(2)から(3)のタイヤ角度まで大きくオーバーシュートしてしまう。
図8は、電源異常時の動作をブレーキ有無で比較した例を示す図である。
同図8の縦軸における、ブレーキ有無のタイヤ角度(4),(3)は、例えば、後述する位置センサ52(図2)または角度センサ53(図2)により求められる。アクチュエータ指令値(1)は、運転者のハンドル操作等による操舵(指令値)に付加されたタイヤ角度指令位置に相当する。
タイヤ角度指令位置(1)へ移動中に、後述する操舵システムの異常により電源に異常が発生した場合(2)、モータの回転を止める電流が流れない。この場合にブレーキを配置していないモータは惰性で回転し、異常発生時のタイヤ角度(2)から(3)のタイヤ角度まで大きくオーバーシュートしてしまう。
一方、ブレーキを配置したモータであれば、モータの回転を止める電流が流れなくても、自らのブレーキを動作させて、モータを機械的に停止させることが可能となり、異常発生時のタイヤ角度(2)から(4)のタイヤ角度で停止する。このように、ブレーキ付きモータを採用することで、予期しない電源異常時においても操舵システムの安全性の向上を図ることが可能となる。
<減速機27>
図2に示すように、減速機27は、ベルト伝達機構等の巻き掛け式伝達機構または歯車列等を用いることができ、同図の例ではベルト伝達機構が用いられている。減速機27は、ドライブプーリ27a,ドリブンプーリ27bと、これらプーリ27a,27bに掛け渡されたベルト27cとを有する平行軸式の減速機である。モータ26のモータ軸26aにドライブプーリ27aが結合され、直動機構25のナット部(後述する)25cにドリブンプーリ27bが設けられている。このドリブンプーリ27bは、前記モータ軸に平行に配置されている。モータ26の駆動力は、ドライブプーリ27aからベルト27cを介してドリブンプーリ27bに伝達される。
図2に示すように、減速機27は、ベルト伝達機構等の巻き掛け式伝達機構または歯車列等を用いることができ、同図の例ではベルト伝達機構が用いられている。減速機27は、ドライブプーリ27a,ドリブンプーリ27bと、これらプーリ27a,27bに掛け渡されたベルト27cとを有する平行軸式の減速機である。モータ26のモータ軸26aにドライブプーリ27aが結合され、直動機構25のナット部(後述する)25cにドリブンプーリ27bが設けられている。このドリブンプーリ27bは、前記モータ軸に平行に配置されている。モータ26の駆動力は、ドライブプーリ27aからベルト27cを介してドリブンプーリ27bに伝達される。
<直動機構25>
直動機構25は、ボールねじ38、回転支持部29およびこれらの構成部品を覆うカバーであるアクチュエータケース46を備える。
ボールねじ38は、ナット部25cと、複数のボール25bと、出力ロッド(直動出力部)25aと、すべり軸受47とを有する。ユニット支持部材3にナット部25cが回転自在に支持されている。このナット部25cの内周に形成された螺旋状の溝に、複数のボール25bを介して、ねじ軸である出力ロッド25aが支持されている。
直動機構25は、ボールねじ38、回転支持部29およびこれらの構成部品を覆うカバーであるアクチュエータケース46を備える。
ボールねじ38は、ナット部25cと、複数のボール25bと、出力ロッド(直動出力部)25aと、すべり軸受47とを有する。ユニット支持部材3にナット部25cが回転自在に支持されている。このナット部25cの内周に形成された螺旋状の溝に、複数のボール25bを介して、ねじ軸である出力ロッド25aが支持されている。
ナット部25cの軸方向一端には、出力ロッド25aが摺動可能に貫通する前記すべり軸受47が設けられている。すべり軸受47は、出力ロッド25aの軸方向の移動を案内すると共に、タイヤ9b側からの外力が出力ロッド25aに入力された場合に、ナット部25c、ボール25bおよび出力ロッド25aにラジアル方向およびモーメント方向の力が負荷されることを防止する。
出力ロッド25aは、図示外の回り止め部品によってユニット支持部材3に対して回り止めされている。ナット部25cは、外周部にドリブンプーリ27bが例えば嵌合により固定されて、軸方向両側の回転支持部29,29により、ユニット支持部材3に一体のアクチュエータケース46に回転自在に支持されている。回転支持部29として、この例では、二個の円すいころ軸受が、ドリブンプーリ27bを介して、正面合わせで組み合わされている。これら円すいころ軸受の配置は、背面合わせ、正面合わせのどちらでもよいが、組付け性やシム等による予圧調整の容易さより、正面合わせの配置が好ましい。なお、回転支持部29をアンギュラ玉軸受としてもよい。この場合にも、回転支持部29,29の配置は、背面合わせ、正面合わせのどちらでもよい。
<センサ等>
車輪9の操舵角度をより正確に制御するために、アクチュエータケース46には、直動機構25の出力ロッド25aの位置を検出する位置センサ52が設けられている。位置センサ52は、直動出力部25aの軸方向の移動量を検出し位置センサ値として出力可能である。位置センサ52は、磁気式、光学式、静電容量式等の各種のセンサを用いることができるが、この実施形態では、磁気センサが用いられている。
車輪9の操舵角度をより正確に制御するために、アクチュエータケース46には、直動機構25の出力ロッド25aの位置を検出する位置センサ52が設けられている。位置センサ52は、直動出力部25aの軸方向の移動量を検出し位置センサ値として出力可能である。位置センサ52は、磁気式、光学式、静電容量式等の各種のセンサを用いることができるが、この実施形態では、磁気センサが用いられている。
図6に示すモータ26には、回転角度を検出する角度センサ53が設けられている。この角度センサ53は、モータ軸26に嵌合固定された被検出部53aと、この被検出部53aの半径方向外方でモータケース26bに固定されて被検出部53aを検出するセンサ部53bとを有する。この角度センサ53として例えばレゾルバが適用される。
<その他の機構的構成>
図1のユニット支持部材本体3Aは、ショックアブソーバの取り付け部となるショックアブソーバ取り付け部6c、およびステアリング装置11(図2)の結合部となるステアリング装置結合部6dを有する。ショックアブソーバ取り付け部6cおよびステアリング装置結合部6dは、ユニット支持部材本体3Aに一体に形成されている。ユニット支持部材本体3Aの外表面部における上部に、ショックアブソーバ取り付け部6cが突出するように形成されている。ユニット支持部材本体3Aの外表面部における側面部には、ステアリング装置結合部6dが突出するように形成されている。
図1のユニット支持部材本体3Aは、ショックアブソーバの取り付け部となるショックアブソーバ取り付け部6c、およびステアリング装置11(図2)の結合部となるステアリング装置結合部6dを有する。ショックアブソーバ取り付け部6cおよびステアリング装置結合部6dは、ユニット支持部材本体3Aに一体に形成されている。ユニット支持部材本体3Aの外表面部における上部に、ショックアブソーバ取り付け部6cが突出するように形成されている。ユニット支持部材本体3Aの外表面部における側面部には、ステアリング装置結合部6dが突出するように形成されている。
<作用効果>
以上説明した図2の操舵機能付ハブユニット1によれば、車輪9を回転支持するハブベアリング15を含むハブユニット本体2を、操舵用アクチュエータ5の駆動により、転舵軸心A回りに自由に回転させることができる。ハブユニット本体2は、操舵用アクチュエータ5の出力ロッド25aをモータ26の駆動により進退させることで、出力ロッド25aに連結されたアーム部17を介して回転させられる。
以上説明した図2の操舵機能付ハブユニット1によれば、車輪9を回転支持するハブベアリング15を含むハブユニット本体2を、操舵用アクチュエータ5の駆動により、転舵軸心A回りに自由に回転させることができる。ハブユニット本体2は、操舵用アクチュエータ5の出力ロッド25aをモータ26の駆動により進退させることで、出力ロッド25aに連結されたアーム部17を介して回転させられる。
操舵用アクチュエータ5によりハブベアリング15を転舵軸心A回りに一定の範囲で自由に回転させることができ、車両の走行状況に応じて、例えば、車輪9のトー角を任意に変更することができる。
この操舵機能付ハブユニット1の構成を前輪に適用した場合、ステアリング装置11(図10)により運転者のハンドル11a(図10)の操作で、車輪9はナックル6(図10)およびユニット支持部材3と共に操舵されるが、この操舵に付加する形で転舵軸心A回りに僅かな角度の補助操舵を車輪毎に独立して行える。補助操舵の角度については、車両の運動性能の向上、走行の安定・安全性向上を図るにつき、僅かな角度で足り、補助操舵可能角度が±5度以下であっても十分に足りる。補助操舵の角度は操舵用アクチュエータ5の制御により行う。
この操舵機能付ハブユニット1の構成を前輪に適用した場合、ステアリング装置11(図10)により運転者のハンドル11a(図10)の操作で、車輪9はナックル6(図10)およびユニット支持部材3と共に操舵されるが、この操舵に付加する形で転舵軸心A回りに僅かな角度の補助操舵を車輪毎に独立して行える。補助操舵の角度については、車両の運動性能の向上、走行の安定・安全性向上を図るにつき、僅かな角度で足り、補助操舵可能角度が±5度以下であっても十分に足りる。補助操舵の角度は操舵用アクチュエータ5の制御により行う。
また、旋回走行時に、走行速度に応じて左右輪の舵角差を変えることができる。例えば、高速域の旋回走行においてはパラレルジオメトリとし、低速域の旋回走行においてはアッカーマンジオメトリとする等、走行中にステアリングジオメトリを変化させることができる。このように走行中に車輪角度を任意に変更することができるため、車両の運動性能を向上させ、安定・安全に走行することが可能となる。さらに、左右輪の操舵角度を適切に変えることで、旋回走行における車両の旋回半径を小さくし、小回り性能を向上させることもできる。
さらに直線走行時にも、それぞれの場面に合わせてトー角を調整することで、低速時には燃費を悪化させることなく、高速時には走行安定性を確保する等調整が可能である。
さらに直線走行時にも、それぞれの場面に合わせてトー角を調整することで、低速時には燃費を悪化させることなく、高速時には走行安定性を確保する等調整が可能である。
この操舵機能付ハブユニット1の構成を後輪に適用した場合は、ハブユニット全体は操舵しないが、操舵機能により、前輪と同様に僅かな角度の操舵を車輪毎に独立して行える。後輪の舵角を前輪と同じ位相にすると、操舵時に発生するヨーを抑え、車両の安定性を高めることができる。さらに直線走行時にも左右独立でトー角を調整することで、燃費の向上および走行安定性を確保することができる。
このように車両の挙動を制御するためには、正確に車輪の舵角を制御する必要があると共に、電源等の異常時にはタイヤの角度を保持して、安全に制御を停止させる必要がある。
本実施形態では、特に、操舵用アクチュエータ5において、直動機構25にボールねじ38、モータ26にブレーキ付きモータを採用する。
本実施形態では、特に、操舵用アクチュエータ5において、直動機構25にボールねじ38、モータ26にブレーキ付きモータを採用する。
操舵用アクチュエータ5によりハブユニット本体2を回転駆動している場合において、操舵用アクチュエータ5の電源等に異常が発生する等定められた条件を充足したとき、ブレーキ付きモータのブレーキ機構7Aは、モータ26の回転を制動することで、直動出力部である出力ロッド25aの位置を保持する。これにより、モータ26の惰性運動により車輪9の操舵角がオーバーシュートすることを防止することができる。また電源等の異常の発生時に出力ロッド25aの位置を保持することで、走行中または移送中のタイヤ9bからの振動により、タイヤ9bの角度が不所望に変わることを防止し得る。
この操舵機能付ハブユニット1によれば、複数のモータを用いることなくハブユニット本体2を回転駆動させることができるため、ばね下荷重の増加を抑えて乗り心地の悪化を防ぐことが可能となる。モータ26に設けられたブレーキ機構7Aにより、モータ26つまりモータロータの回転を機械的に制動する。よって、直動出力部である出力ロッド25aの位置を応答性よく保持することでタイヤ9bの角度を迅速に保持することが可能となる。ボールねじ38を備えた直動機構25は、台形ねじ等を備えた直動機構に比べて、ねじの効率が高く消費電力を低減することができると共に、モータサイズの小型化を図ることができる。したがって、ばね下荷重の増加を確実に抑えて乗り心地の悪化を防ぐことができる。
<他の実施形態について>
以下の説明においては、各実施形態で先行して説明している事項に対応している部分には同一の参照符号を付し、重複する説明を略する。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、特に記載のない限り先行して説明している形態と同様とする。同一の構成は同一の作用効果を奏する。各実施形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施形態同士を部分的に組合せることも可能である。
以下の説明においては、各実施形態で先行して説明している事項に対応している部分には同一の参照符号を付し、重複する説明を略する。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、特に記載のない限り先行して説明している形態と同様とする。同一の構成は同一の作用効果を奏する。各実施形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施形態同士を部分的に組合せることも可能である。
[第2の実施形態]
図9に示すように、直動機構25は、前述のボールねじに代えて、台形ねじまたは三角ねじ等の滑りねじ式の送りねじ機構38Aを用いてもよい。その他、直動機構25には、図示しないがラックアンドピニオン機構等、回転運動を直動運動に変換可能な機構が使用できる。これら滑りねじ式の送りねじ機構38A、ラックアンドピニオン機構等を適用した場合においても、電源等の異常の発生時にブレーキ付きモータ26により直動出力部である出力ロッド25aの位置を確実に保持し得る。
図9に示すように、直動機構25は、前述のボールねじに代えて、台形ねじまたは三角ねじ等の滑りねじ式の送りねじ機構38Aを用いてもよい。その他、直動機構25には、図示しないがラックアンドピニオン機構等、回転運動を直動運動に変換可能な機構が使用できる。これら滑りねじ式の送りねじ機構38A、ラックアンドピニオン機構等を適用した場合においても、電源等の異常の発生時にブレーキ付きモータ26により直動出力部である出力ロッド25aの位置を確実に保持し得る。
<非操舵輪への適用について>
操舵機能付ハブユニット1は、非操舵輪に対して用いてもよい。例えば、図11に示すように、前輪操舵の車両において、後輪9Rを支持する懸架装置12Rの車輪用軸受設置部となる足回りフレーム部品6Rに設定し、後輪操舵に用いてもよい。非操舵輪の操舵機能付ハブユニット1において、車両制御の要求によっては、前述の微小な操舵角度に限らず例えば10°~20°等の比較的大きな角度を左右輪個別に採ることもある。
その他図12に示すように、操舵機能付ハブユニット1を、操舵輪である左右の前輪9F,9Fおよび非操舵輪である左右の後輪9R,9Rにそれぞれ用いてもよい。
操舵機能付ハブユニット1は、非操舵輪に対して用いてもよい。例えば、図11に示すように、前輪操舵の車両において、後輪9Rを支持する懸架装置12Rの車輪用軸受設置部となる足回りフレーム部品6Rに設定し、後輪操舵に用いてもよい。非操舵輪の操舵機能付ハブユニット1において、車両制御の要求によっては、前述の微小な操舵角度に限らず例えば10°~20°等の比較的大きな角度を左右輪個別に採ることもある。
その他図12に示すように、操舵機能付ハブユニット1を、操舵輪である左右の前輪9F,9Fおよび非操舵輪である左右の後輪9R,9Rにそれぞれ用いてもよい。
<操舵システムについて>
図1に示すように、この操舵システムは、いずれかの実施形態に係る操舵機能付ハブユニット1と、この操舵機能付ハブユニット1の操舵用アクチュエータ5を制御する制御装置29とを備える。制御装置29は、操舵制御部30と、アクチュエータ駆動制御部31とを有する。操舵制御部30は、上位制御部32から与えられた補助操舵角指令信号(操舵角指令信号)に応じた電流指令信号を出力する。
図1に示すように、この操舵システムは、いずれかの実施形態に係る操舵機能付ハブユニット1と、この操舵機能付ハブユニット1の操舵用アクチュエータ5を制御する制御装置29とを備える。制御装置29は、操舵制御部30と、アクチュエータ駆動制御部31とを有する。操舵制御部30は、上位制御部32から与えられた補助操舵角指令信号(操舵角指令信号)に応じた電流指令信号を出力する。
上位制御部32は操舵制御部30の上位の制御手段であり、この上位制御部32として、例えば、車両全般を制御する電気制御ユニット(Vehicle Control Unit,略称VCU)が適用される。アクチュエータ駆動制御部31は、操舵制御部30から入力された電流指令信号に応じた電流を出力して操舵用アクチュエータ5を駆動制御する。アクチュエータ駆動制御部31は、モータ26のコイルに供給する電力を制御する。このアクチュエータ駆動制御部31は、例えば、図示外のスイッチ素子を用いたハーフブリッジ回路を構成し、前記スイッチ素子のON-OFFデューティ比によりモータ印加電圧を決定するPWM制御を行う。これにより、運転者のハンドル操作による操舵に付加して、車輪を微小に角度変化することができる。直線走行時にも、それぞれの場面に合わせてトー角の量を調整し得る。
モータ26の電流を検出する電流センサを備え、制御装置29は、アクチュエータ指令値とモータ電流との関係から、操舵用アクチュエータ5の制御系統に異常が発生したか否かを判定してもよい。例えば、制御装置29は、アクチュエータ指令値に対応するモータ電流が正常時よりも閾値以上乖離すると制御系統に異常が発生したと判定することができる。その他、アクチュエータ指令値と、このアクチュエータ指令値に対応する直動出力部の位置またはモータ角度との関係から、制御系統に異常が発生したか否かを判定してもよい。
制御系統に異常が発生した場合において、制御装置29を制御主体としてブレーキ機構によりモータ26の回転を制動する制御を行うことで、直動出力部の位置を保持する。これによりタイヤの角度が不所望に変わることを防止し得る。
制御系統に異常が発生した場合において、制御装置29を制御主体としてブレーキ機構によりモータ26の回転を制動する制御を行うことで、直動出力部の位置を保持する。これによりタイヤの角度が不所望に変わることを防止し得る。
直動出力部の位置を保持する直動位置保持手段が、減速機または直動機構に設けられてもよい。
操舵用アクチュエータは、モータを備えていない構成としてもよい。具体的には、操舵用アクチュエータは、例えば、油圧、空圧等により駆動するアクチュエータを採用し得る。
操舵用アクチュエータは、モータを備えていない構成としてもよい。具体的には、操舵用アクチュエータは、例えば、油圧、空圧等により駆動するアクチュエータを採用し得る。
操舵システムは、運転者のハンドル操作に代えて、図示外の自動運転装置、運転支援装置の指令等によって操舵用アクチュエータ5,5を動作させてもよい。
以上、実施形態に基づいて本発明を実施するための形態を説明したが、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
以上、実施形態に基づいて本発明を実施するための形態を説明したが、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1…操舵機能付ハブユニット、2…ハブユニット本体、3…ユニット支持部材、5…操舵用アクチュエータ、6…ナックル(足回りフレーム部品)、6R…足回りフレーム部品、7…直動位置保持手段、7A…ブレーキ機構、9…車輪、9a…ホイール、9F…前輪、9R…後輪、12,12R…懸架装置、15…ハブベアリング、16b…転舵軸部、19…外輪(固定輪)、25…直動機構、25a…出力ロッド(直動出力部、ねじ軸)、25b…ボール、25c…ナット部、29…制御装置、30…操舵制御部、31…アクチュエータ駆動制御部、38…ボールねじ
Claims (7)
- 車輪を回転支持するハブベアリングを有するハブユニット本体と、懸架装置の足回りフレーム部品に設けられ前記ハブユニット本体を上下方向に延びる転舵軸心回りに回転自在に支持するユニット支持部材と、前記ハブユニット本体を前記転舵軸心回りに回転駆動させる操舵用アクチュエータと、を備え、
前記操舵用アクチュエータは、直動出力部の直進運動として出力する直動機構を有し、前記直動出力部が直進方向に進退することで、前記ハブユニット本体が前記転舵軸心回りに回転駆動される操舵機能付ハブユニットであって、
前記操舵用アクチュエータは、定められた条件を充足したとき、前記直動出力部の位置を保持する直動位置保持手段を有する操舵機能付ハブユニット。 - 請求項1に記載の操舵機能付ハブユニットにおいて、前記操舵用アクチュエータは、モータと、このモータの回転出力を前記直動出力部の直進運動に変換する前記直動機構とを有し、前記直動位置保持手段は、前記モータに設けられこのモータの回転を制動するブレーキ機構であり、このブレーキ機構は、前記モータの回転を制動することで、前記直動出力部の位置を保持する操舵機能付ハブユニット。
- 請求項2に記載の操舵機能付ハブユニットにおいて、前記ブレーキ機構は、電磁ブレーキである操舵機能付ハブユニット。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の操舵機能付ハブユニットにおいて、前記ハブユニット本体は、前記ハブベアリングの固定輪またはこの固定輪に設けられた円環部の外周から上下にそれぞれ突出する転舵軸部を有し、前記上下の転舵軸部が前記転舵軸心回りに回転自在に支持され、且つ前記上下の転舵軸部が前記車輪のホイール内に位置する操舵機能付ハブユニット。
- 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の操舵機能付ハブユニットにおいて、前記直動機構はボールねじを備え、このボールねじは、前記ユニット支持部材に回転自在に支持されたナット部と、このナット部の内周にボールを介して支持されるねじ軸である前記直動出力部とを有する操舵機能付ハブユニット。
- 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の操舵機能付ハブユニットと、この操舵機能付ハブユニットの操舵用アクチュエータを制御する制御装置とを備えた操舵システムであって、前記制御装置は、与えられた操舵角指令信号に応じた電流指令信号を出力する操舵制御部と、この操舵制御部から入力された電流指令信号に応じた電流を出力して前記操舵用アクチュエータを駆動制御するアクチュエータ駆動制御部とを有する操舵システム。
- 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の操舵機能付ハブユニットを用いて前輪および後輪のいずれか一方または両方が支持された車両。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021156734A JP2023047680A (ja) | 2021-09-27 | 2021-09-27 | 操舵機能付ハブユニット、操舵システムおよび車両 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2021156734A JP2023047680A (ja) | 2021-09-27 | 2021-09-27 | 操舵機能付ハブユニット、操舵システムおよび車両 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2023047680A true JP2023047680A (ja) | 2023-04-06 |
Family
ID=85779137
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2021156734A Pending JP2023047680A (ja) | 2021-09-27 | 2021-09-27 | 操舵機能付ハブユニット、操舵システムおよび車両 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2023047680A (ja) |
-
2021
- 2021-09-27 JP JP2021156734A patent/JP2023047680A/ja active Pending
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