JP2023047522A - 苗移植機 - Google Patents
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Abstract
【課題】歩行型の田植機は、田植作業時以外は納屋等に格納しており、1年をとおして使用する機械ではなく使用頻度が少なく、使用効率の悪いものであった。そこで、田植作業以外の作業にも使用できる使用効率を上げた苗移植機を提供する。【解決手段】エンジン2の出力軸2aに設けた駆動プーリ2bと主伝動ケース3の入力軸3aに設けた入力プーリ3bに伝動ベルト50を巻回して、エンジン2からの動力を主伝動ケース3に伝達し、機体に設けた予備苗フレーム41の上部に予備苗載台39を着脱自在に設けた苗移植機において、エンジン2の駆動プーリ2bと主伝動ケース3の入力プーリ3bの何れかを2段プーリとして、予備苗載台39を取り外した予備苗フレーム41に取り付けた圃場用作業機80の入力プーリ81との間に伝動ベルト85を巻回して、エンジン2の動力を圃場用作業機80の駆動部82に伝達する。【選択図】図1
Description
本発明は、歩行型の苗移植機に関する。
従来、機体後部に設けた操縦ハンドルを作業者が把持し、機体の前部に搭載したエンジンの駆動力にて駆動車輪を駆動回転して前進し圃場に苗を植付ける歩行型の田植機がある(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、歩行型の田植機は、田植作業時以外は納屋等に格納しており、1年をとおして使用する機械ではなく使用頻度が少なく、使用効率の悪いものであった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、田植作業以外の作業にも使用できる使用効率を上げた苗移植機を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、エンジン2の出力軸2aに設けた駆動プーリ2bと主伝動ケース3の入力軸3aに設けた入力プーリ3bに、伝動ベルト50を巻回して、エンジン2からの動力を主伝動ケース3に伝達し、該主伝動ケース3の動力で駆動回転する駆動車輪5にて進行する機体の後部に操縦ハンドル9を設けると共に、機体に設けた予備苗フレーム41の上部に予備苗載台39を着脱自在に設けた苗移植機において、エンジン2の駆動プーリ2bと主伝動ケース3の入力プーリ3bの何れかを2段プーリとして、予備苗載台39を取り外した予備苗フレーム41に取り付けた圃場用作業機80の入力プーリ81との間に伝動ベルト85を巻回して、エンジン2の動力を圃場用作業機80の駆動部82に伝達する苗移植機である。
請求項1記載の発明によれば、エンジン2の駆動プーリ2bと主伝動ケース3の入力プーリ3bの何れかを2段プーリとして、予備苗載台39を取り外した予備苗フレーム41に取り付けた圃場用作業機80の入力プーリ81との間に伝動ベルト85を巻回して、エンジン2の動力が圃場用作業機80の駆動部82に伝達されるので、田植作業以外の作業にも使用できる使用効率を上げた苗移植機を得ることができる。
請求項2記載の発明は、エンジン2を搭載するエンジンベース60に固着した前輪支持フレーム90に左右前輪支持軸90b,90bを設け、該左右前輪支持軸90b,90bに左右前輪92,92を遊転自在に設けた請求項1に記載の苗移植機である。
請求項3記載の発明は、前輪支持フレーム90に左右前輪支持軸90b,90bの上下方向の取付位置を変更して、左右前輪92,92の高さを調節する請求項2に記載の苗移植機である。
請求項4記載の発明は、駆動車輪5を機体左右両側に設けた左右駆動車輪5,5とし、左右前輪92,92のトレッドを左右駆動車輪5,5のトレッドと同じまたは略同じにした請求項2または請求項3に記載の苗移植機である。
請求項5記載の発明は、圃場用作業機80が噴霧器、散布機または潅水機である請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の苗移植機である。
この発明の苗移植機の一実施形態である田植機について図面に基づき説明する。尚、以下の実施の形態は、あくまで実施の一形態であって、特許請求の範囲を拘束するものではない。本明細書では、田植機の前進方向に向かって左右をそれぞれ左側と右側といい、前進方向を前側、後進方向を後側という。
図1及び図2は、田植機1の側面図及び正面図である。この田植機1は、機体の前端部に設けた原動機となるエンジン2と、該エンジン2の後側に設けた主伝動ケース3と、該主伝動ケース3の左右に各々設けた走行支持部材となる走行伝動ケース4と、該走行伝動ケース4からの動力で駆動する左右各々の走行体となる駆動車輪5と、主伝動ケース3の後側面から後方に延びる主フレーム6と、主フレーム6の後端に固着された植付伝動ケース7と、該植付伝動ケース7の後側面から湾曲して斜め後上方に延びる後部フレーム8と、該後部フレーム8の後端に取り付けた操縦ハンドル9を備えている。尚、操縦ハンドル9は、後部フレーム8の上端部に固定されている。
植付伝動ケース7の下部には4個の苗植付装置10を取り付け、後部フレーム8の前側には該後部フレーム8に左右移動可能に支持される苗載台11を設けている。従って、この田植機1は、圃場に同時に4条分の苗を植付ける4条植えの構成となっている。
また、機体の下部には圃場面に接地する3個の整地フロート12を設けており、機体の走行により該整地フロート12が圃場面を滑走して整地する。整地フロート12のうち、機体の左右中央のセンター整地フロート12aは左右内側の2条の苗植付装置10の植付け位置を整地し、機体の左右両外側のサイド整地フロート12bは左右外側の各々1条の苗植付装置10の植付け位置を整地する。
センター整地フロート12aは、前端がサイド整地フロート12bの前端より前側に位置し、サイド整地フロート12bより前後長が長く、サイド整地フロート12bより左右幅が広く、サイド整地フロート12bより接地面積が広い。尚、センター整地フロート12a及びサイド整地フロート12bは、側面視で同じ位置に配置された各々の左右方向の回動支点軸13回りに上下に回動自在に支持され、前部が圃場面の凹凸に追従して上下動する構成となっている。
尚、左右の駆動車輪5は、各々左右内側の苗植付装置10の植付け位置と左右外側の苗植付装置10の植付け位置との間の条間の左右中央位置に配置されている。従って、左右の駆動車輪5の間にセンター整地フロート12aを配置し、左右の駆動車輪5の左右外側にサイド整地フロート12bを配置した構成となっている。
エンジン2の出力軸2aに駆動プーリ2bを設け、主伝動ケース3の入力軸3aに入力プーリ3bを設け、駆動プーリ2bと入力プーリ3bに伝動ベルト50を巻回して、エンジン2からの動力が主伝動ケース3内に伝達される。
主伝動ケース3内には、駆動車輪5、苗植付装置10及び苗載台11への全ての伝動を断つことができる主クラッチと、該主クラッチからの動力を駆動車輪5への伝動経路と苗植付装置10及び苗載台11への伝動経路とに分岐する動力分岐部と、前記苗植付装置10及び苗載台11への伝動経路上において該苗植付装置10及び苗載台11への伝動を断つことができる植付クラッチと、前記駆動車輪5への伝動経路上において噛み合うギヤの切替により路上走行用の前進高速状態、植付作業用の前進低速状態、ギヤが噛み合わずに非伝動となる中立状態及び後進状態の4状態に切り替えて変速できる変速部51と、該変速部の伝動下手側で左右の駆動車輪5への伝動を非伝動状態に切り替えできる左右各々のサイドクラッチ52,52とを設けている。
従って、前記変速部51及びサイドクラッチ52,52を介して主伝動ケース3から左右に突出する左右各々の走行出力軸14に伝動される。尚、走行出力軸14は、走行伝動ケース4を上下に回動させる回動軸心となる。走行伝動ケース4の上下方向への回動により、走行伝動ケース4の後端部に設けた車軸15を上下に移動させて駆動車輪5を上下動させる構成となっている。
走行出力軸14は、走行伝動ケース4内に突入しており、走行伝動ケース4内のチェーン伝動機構にて車軸15に駆動回転動力を伝達する。
また、植付クラッチの伝動により、主伝動ケース3から後側に延びる植付伝動軸を介して植付伝動ケース7内へ伝動される。尚、エンジン2及び主伝動ケース3を左右の駆動車輪5の各々の車軸15よりも前側に配置し、植付伝動ケース7、複数の苗植付装置10及び苗載台11を備える植付部を左右の駆動車輪5の各々の車軸15よりも後側に配置している。
主伝動ケース3前部の右側部には油圧ポンプ53を固着し、主伝動ケース3の後部には油圧バルブユニット54を固着し、該油圧バルブユニット54の後側に単動式の油圧昇降シリンダ17を固着している。
この油圧昇降シリンダ17は、前後方向に移動する移動部材となるシリンダロッド17aを後部に備え、主フレーム6の上方に配置される。
従って、油圧バルブユニット54の切替により油圧ポンプ53からの油圧を油圧昇降シリンダ17へ供給すると、シリンダロッド17aが後方へ移動する。また、油圧昇降シリンダ17内の油圧を油圧タンクとなる主伝動ケース3内へ戻す状態に切り替えると、機体の自重によりシリンダロッド17aが前方へ移動する。従って、油圧昇降シリンダ17及びシリンダロッド17aが、アクチュエータとなる。
シリンダロッド17aの後端部には上下方向の支点軸を介して中継部材となる中継リンク部材18を回動自在に連結している。中継リンク部材18は、左右中央で上下方向の支点軸に連結され、左右対称な形状となっている。尚、中継リンク部材18の左右中央部にはスプリング受け部を設け、シリンダロッド17aに設けた圧縮スプリング19がスプリング受け部に接触している。従って、圧縮スプリング19により、中継リンク部材18の支点軸回りの回動抵抗を与え、無負荷状態では中継リンク部材18が中立位置に回動して復帰する構成となっている。
中継リンク部材18の左右両端部には、左右各々の上下方向の連結軸を介して左右各々の連結ロッド20の後端部を連結している。連結ロッド20の前端は走行伝動ケース4の上側に固着された左右各々のアーム21に連結されている。従って、駆動車輪5の接地荷重を、走行伝動ケース4、アーム21及び連結ロッド20を介して中継リンク部材18が受けている。
従って、油圧ポンプ53からの油圧を油圧昇降シリンダ17内へ供給するべく油圧バルブユニット54を切り替えると、シリンダロッド17aが後方へ移動し、中継リンク部材18が後側へ移動し、該中継リンク部材18が連結軸を介して左右の連結ロッド20を後側に引き、左右のアーム21を後側に回動させることにより左右の走行伝動ケース4が下側に回動し、左右の駆動車輪5が下動して圃場に対して機体が上昇する。逆に、油圧昇降シリンダ17内の油圧を主伝動ケース3内へ戻すべく油圧バルブユニット54を切り替えると、左右の駆動車輪5の接地荷重により左右のアーム21、左右の連結ロッド20及び中継リンク部材18等を介してシリンダロッド17aが前方へ戻され、左右の駆動車輪5が上動して圃場に対して機体が下降する。
圃場の耕盤の左右傾斜や圃場の耕盤の凹凸に左右の駆動車輪5が追従するべく、中継リンク部材18が圧縮スプリング19に抗して支点軸を中心に一時的に回動しようとするが、圧縮スプリング19により中継リンク部材18を中立位置へ復帰させるべく回動し、機体の左右ローリング姿勢を維持し、機体の左右傾斜姿勢が不安定になるようなことを防止している。
図3、図4に示すように、主伝動ケース3は、前部の幅LAが後部の幅LBよりも狭く構成され、該幅の狭い部分に入力軸3aが配置されている。
そして、主伝動ケース3前部の該幅の狭い部分の左側に突出した入力軸3aに入力プーリ3bが設けられ、主伝動ケース3前部の該幅の狭い部分の右側の凹部に取付けスペーサ55を介して油圧ポンプ53が取り付けられて入力軸3a右側で駆動される。
入力プーリ3bは、内側小径プーリ56と外側大径プーリ57よりなる2段プーリである。駆動プーリ2bと内側小径プーリ56に伝動ベルト50を巻回して、エンジン2からの動力が入力軸3aに伝達される。
外側大径プーリ57は、後述の圃場用作業機としての汎用動力噴霧器80の駆動プーリとなる。
苗植付装置10及び苗載台11は、植付伝動ケース7からの動力で作動する。
苗載台11は、植付伝動ケース7の左右に突出して左右移動する左右移動軸22の左右両端から左右各々の連結部材23を介して支持され、苗受板24に沿って左右往復移動し、苗受板24に設けた各条の苗取口に一株分ずつ苗を供給する。
尚、苗載台11の上部には左右移動用レール25を固着して設けており、該左右移動用レール25が後部フレーム8の上部から支持される支持ローラ26に案内されて左右移動可能に支持されている。
従って、苗載台11は、下部で苗受板24に左右移動可能に支持され、上部で支持ローラ26に左右移動可能に支持され、植付伝動ケース7からの動力で左右移動軸22を介して左右に往復移動する構成となっている。
また、苗載台11には、左右移動端で苗取口側(下側)に苗を移送する各条の苗送りベルト27を備えている。この苗送りベルト27は、植付伝動ケース7からの動力で作動し、苗載台11の左右移動端でマット苗を一株分移送して苗を苗取口へ供給する。
苗植付装置10は、植付伝動ケース7の下部に取り付けられ、該植付伝動ケース7からの動力で作動するクランク式であり、分離爪10aが苗取口上の苗を掻き取り、掻き取った苗を押出具10bが圃場面に向かって押し出して圃場に苗を植付ける。
操縦ハンドル9の前側で且つ苗載台11の後側には、駆動車輪5、苗植付装置10及び苗載台11への伝動を断つことができる主クラッチレバー28と、苗植付装置10及び苗載台11への伝動を断ったり油圧昇降シリンダ17を作動させるべく油圧バルブユニット54の油路を切り替えたりする植付昇降レバー29とを設けている。
主クラッチレバー28は、入位置と切位置との2つの操作位置に操作できる構成となっており、主伝動ケース3内の主クラッチを操作して伝動状態と非伝動状態とに切り替える。
植付昇降レバー29は、植付け位置、下降位置、中立位置及び上昇位置の4つの操作位置に操作できる構成となっており、主伝動ケース3内の植付クラッチを操作して植付伝動軸を駆動状態と非駆動状態とに切り替えると共に、油圧昇降シリンダ17を作動させて左右の駆動車輪5を上下動させる。すなわち、前記植付け位置に操作すると、植付クラッチを伝動状態にして苗植付装置10及び苗載台11を作動させると共に、機体の自重で左右の駆動車輪5が接地荷重を受けることにより油圧昇降シリンダ17内の油圧を主伝動ケース3内に戻して左右の駆動車輪5を上動させ、機体を下降させて整地フロート12が接地状態となる。前記下降位置に操作すると、上述のように機体を下降させた状態で、植付クラッチを非伝動状態にして苗植付装置10及び苗載台11の作動を停止させる。前記中立位置に操作すると、上述のように苗植付装置10及び苗載台11の作動を停止させた状態で、油圧昇降シリンダ17への油路を遮断して油圧昇降シリンダ17の作動を固定し、左右の駆動車輪5を任意の上下位置で固定して機体の昇降を停止させる。前記上昇位置に操作すると、上述のように苗植付装置10及び苗載台11の作動を停止させた状態で、油圧昇降シリンダ17内へ油圧を供給して左右の駆動車輪5を下動させ、機体を上昇させて整地フロート12が非接地状態となる。
また、センター整地フロート12aの上下動で該センター整地フロート12aの前部に連結されるロッドを介して油圧バルブユニット54の油路を切り替える構成となっており、センター整地フロート12aの前部が上動すると油圧昇降シリンダ17内へ油圧を供給して左右の駆動車輪5を下動させる構成となっている。
従って、植付昇降レバー29が前記植付け位置及び下降位置のとき、センター整地フロート12aが圃場面に接地して上下動することにより該センター整地フロート12aが所望の前後姿勢になるよう左右の駆動車輪5が上下動し、機体が所定の対地高さとなるよう昇降制御される構成となっている。
操縦ハンドル9及び苗載台11の前側には、主伝動ケース3内の変速部を操作するための変速レバー30と、エンジン2を始動するためのリコイルノブ31とを設けている。尚、機体の前端部にあるエンジン2とリコイルノブ31とは、リコイルロープ40により連結されている。
操縦ハンドル9の左右のハンドルグリップ9aの下方には左右各々のサイドクラッチレバー32を設けており、該サイドクラッチレバー32により主伝動ケース3内の左右各々のサイドクラッチ52を操作する構成となっている。
操縦ハンドル9の斜め前下側で後部フレーム8の左側には植付深さ調節レバー33を設けており、該植付深さ調節レバー33の操作により該植付深さ調節レバー33と一体回動する左右方向の植付深さ調節軸34を回動し、植付深さ調節軸34と一体回動する各々の植付深さ調節アーム35を介して各整地フロート12の回動支点軸13の機体に対する上下位置を変更して、苗植付装置10による苗の植付深さを変更して調節できる構成となっている。尚、回動支点軸13は、植付深さ調節アーム35に溶接され固着されている。
操縦ハンドル9の斜め前下側で後部フレーム8の右側には苗取量調節レバー36を設けており、該苗取量調節レバー36の操作により苗受板24の苗植付装置10に対する上下位置を変更して、苗植付装置10による一株当たりの苗取り量を変更して調節できる構成となっている。
エンジン2及び主伝動ケース3の上方には、ボンネットカバー37を設けている。また、エンジン2の上方には、燃料タンク38を設けている。
エンジン2の後方で燃料タンク38の下方位置には、マフラー56が配設され、エンジン2の排気口と排気管57にて連通し、排気ガスを機外に排出する。
燃料タンク38の下方には、排気管57及びマフラー56の上方を覆うカバー58が設けられ、燃料タンク38に給油する時等にこぼれた燃料が排気管57及びマフラー56にかかるのを防止する。カバー58と排気管57及びマフラー56の間には、間隔が設けられ、排気管57及びマフラー56の熱が直接カバー58に伝わらないようにしている。
尚、カバー58の後端部は、上方に向けて折り曲げられて、立ち上がり壁部58aが形成され、該立ち上がり壁部58aの折り曲げ部は機体右外側方に向けて低くなるように傾斜しており、カバー58上に落ちた燃料は、機体右外側方に流れ落ちるようになっている。
また、カバー58の前部には、上方に向けて遮熱材より形成された筒状のケーブルガイド59が設けられており、エンジン2のアクセルケーブル等のケーブルを該ケーブルガイド59に通すことにより、ケーブルの保持と遮熱が行える。
主伝動ケース3前部には、エンジンベース60を固定し、該エンジンベース60の上面に設けた前後方向の長孔61にボルト62を挿通してエンジン2を固定している。
そして、エンジンベース60の上面の後端には、上方に向けて折り曲げて立ち上がり面60aを形成している。
従って、ボルト62を少し緩めて、エンジン2と立ち上がり面60aの間にドライバー等を差し込んでエンジン2を前方に移動させて伝動ベルト50の張り量を調節して、ボルト62を締めれば、伝動ベルト50の張り量調節が容易に行える。また、立ち上がり面60aがリブの機能をはたして、エンジンベース60の剛性向上が図れる。
エンジンベース60は、左右側壁で形成された内部空間があり、該内部空間にウエイト63を入れて、左右側壁からボルト64にて固定している。湿田や深田で機体を旋回操作する時に、機体前部を下げる為に操縦ハンドル9の左右のハンドルグリップ9aを持って機体後部を持ち上げる操作が容易に行える。
機体の前後バランスを向上ずる為に、エンジン2の前部がセンター整地フロート12a前部よりも前方に張り出した構成としているが、エンジン2の底面を主伝動ケース3の入力軸3aよりも上位に配置して、機体前部が下降して圃場に接地してもセンター整地フロート12a前部が主伝動ケース3に接当して、エンジン2及びエンジンベース60に衝撃荷重がかからないようにしている。
駆動プーリ2b、入力プーリ3b及び伝動ベルト50は、ベルトカバー65により外側方及び周囲が覆われており、圃場面から飛散する泥土や水がかからないようになっている。
油圧ポンプ53は、主伝動ケース3内に設けたサクションフィルタ66を通してオイルを吸って油圧バルブユニット54に圧油を送る。
油路構成を更に詳述すると、主伝動ケース3の左外側面には、給油口67が設けられており、該給油口67から主伝動ケース3内にオイルが入れられて閉鎖ボルト68にて給油口67が閉鎖される。従って、機体を水平状態にした時の主伝動ケース3内のオイルの油面は、給油口67下部となる。
主伝動ケース3の右外側面には、オイル油面の少し上方位置(給油口67の少し上方位置)に吸油口69を設けている。該給油口69とサクションフィルタ66は、主伝動ケース3壁面に形成した油路70を介して連通し、該給油口69と油圧ポンプ53は、サクションホース71を介して連通している。
油圧ポンプ53と油圧バルブユニット54は、送油管72を介して連通している。
そして、油路70の内径とサクションホース71の内径は、送油管72の内径よりも大きい。
従って、油圧ポンプ53は、主伝動ケース3内のオイルをサクションフィルタ66、油路70及びサクションホース71にて吸って、送油管72にて油圧バルブユニット54に圧油を適切に送る。
ボンネットカバー37の後部の上方から植付伝動ケース7の前部の上方にわたる位置には、予備のマット状土付き苗を機体左右方向に4つ並列して載置する予備苗載台39を設けている。
即ち、予備苗載台39は、側面視でアーチ状の左右予備苗フレーム41,41の上部にボルトにて着脱自在に設けている。
左右予備苗フレーム41,41は、その前部が主フレーム6前端部に設けた支持フレーム42の上部に固定され、後部が植付伝動ケース7上部に固定されている。
この田植機1において、作業者が操縦ハンドル9の左右のハンドルグリップ9aを把持し、植付昇降レバー29を植付け位置に操作して機体を下降させると共に植付部を作動可能な状態にし、主クラッチレバー28を入位置に操作して機体を走行させながら植付部を作動させることにより、圃場に同時に4条分の苗を植付けていく。
圃場の畦際に到達すると、植付昇降レバー29を上昇位置に操作して植付部の作動を停止させると共に左右駆動車輪5,5を下降させて機体を上昇させ、旋回内側のサイドクラッチレバー32を操作して旋回内側の駆動車輪5のサイドクラッチを断ち、機体を旋回させる。
以下、同様に植付昇降レバー29を植付け位置に操作して次行程の植付作業を行い、圃場に苗の植付を行っていく。尚、路上走行時等は、機体を上昇させ、変速レバー30を適宜操作して走行させる。
この田植機1は、田植作業の他に防除作業や潅水作業等が行えるので、以下にその構成を詳述する。
従来、田植機は田植作業時以外は納屋等に格納しており、1年をとおして使用する機械ではなく使用頻度が少なかった。そこで、本実施形態の田植機1は、田植作業以外にも使用でき、更には、水田でも畑でも使用できて農作業機の使用効率を上げたものである。
即ち、予備苗載台39を左右予備苗フレーム41,41の上部からボルトを外して機体から取り外し、代わりに汎用動力噴霧器80をボルトで取り付ける。
汎用動力噴霧器80は、機体左右方向の中央位置で左右駆動車輪5,5間の上方位置に設けられ、機体バランスが良い。
汎用動力噴霧器80は、一般的な殺虫剤や殺菌剤等の薬液を圃場に噴霧するもので、入力プーリ81からの動力で駆動する駆動部82と、駆動部82の駆動力にてタンク83内に貯留された薬液を噴霧する噴霧部84から構成される。
汎用動力噴霧器80の入力プーリ81と前記主伝動ケース3の入力軸3aに設けた入力プーリ3bの外側大径プーリ57に伝動ベルト85を巻回して、エンジン2からの動力が汎用動力噴霧器80の駆動部82に伝達される。
この時、主伝動ケース3の入力軸3aに設けた2段プーリである入力プーリ3bの外側の外側大径プーリ57を用いることにより、入力プーリ81と外側大径プーリ57に伝動ベルト85を容易に巻回することができる。
なお、汎用動力噴霧器80の入力プーリ81の有効径は、外側大径プーリ57の有効径よりも小さく、駆動部82は高速回転駆動が容易に出力できる。
エンジンベース60の左右側板に設けた取付穴に左右前輪支持フレーム90,90の基部をボルト91にて固着する。
左右前輪支持フレーム90,90の先端には、機体左右内方に向けて傾斜して左右前輪支持パイプ90a,90aを溶接固定している。
左右前輪支持パイプ90a,90aには、左右前輪支持軸90b,90bの上部を固定している。
左右前輪支持軸90b,90bの下端に各々設けた前輪軸90c,90cにゴム車輪よりなる左右前輪92,92を遊転自在に設けている。
左右前輪支持軸90b,90bの上部には、複数の取付け孔が上下方向に設けてあり、該複数の取付け孔を選択して左右前輪支持パイプ90a,90aに固定することにより、左右前輪92,92の高さを自由に設定できる。
左右前輪92,92は、ポジティブキャンバーにしており、機体旋回時の負荷を抑制している。
左右前輪92,92は、左右駆動車輪5,5のトレッドと同じで、左右駆動車輪5,5の前方に接地し、圃場で作物の畝間を左右前輪92,92及び左右駆動車輪5,5が走行できる。
圃場で噴霧作業をする際には、植付昇降レバー29を上昇位置に操作して植付部の作動を停止させると共に左右駆動車輪5,5を下降させて機体を上昇させ、左右前輪92,92と左右駆動車輪5,5で機体が水平状態になるようにして、圃場の畝間に左右前輪92,92と左右駆動車輪5,5を位置させて左右駆動車輪5,5を前進駆動すると、左右前輪92,92と左右駆動車輪5,5は畝間を回転して畝を崩すことなく水平な姿勢を維持して機体が安定姿勢で前進し、エンジン2の動力が汎用動力噴霧器80の駆動部82に伝達されて噴霧作業が行われる。
上記の実施形態では、主伝動ケース3の入力軸3aに設けた入力プーリ3bを2段プーリとして、汎用動力噴霧器80の入力プーリ81に駆動力を伝達する例を示したが、エンジン2の出力軸2aに設けた駆動プーリ2bを2段プーリとして外側に外側大径プーリ57を設け、エンジン2の出力軸2aに設けた駆動プーリ2bの外側の外側大径プーリ57と入力プーリ81に伝動ベルト85を巻回して、汎用動力噴霧器80の駆動部82に駆動力を伝達するようにしても良い。
上記の実施形態では、汎用動力噴霧器80を装着した例を示したが、他に、圃場に除草剤や殺虫剤等の粉粒状の薬剤を散布する汎用動力散布機や圃場に水を潅水する汎用動力潅水機等の如何なる作業機を装着しても良い。尚、上例と同様に、主伝動ケース3の入力軸3aに設けた2段プーリである入力プーリ3bの外側大径プーリ57またはエンジン2の出力軸2aに設けた駆動プーリ2bの外側大径プーリ57から伝動ベルト85にて駆動力を伝達する。
2 エンジン
2a 出力軸
2b 駆動プーリ
3 主伝動ケース
3a 入力軸
3b 入力プーリ
5 駆動車輪
9 操縦ハンドル
39 予備苗載台
41 予備苗フレーム
50 伝動ベルト
60 エンジンベース
80 圃場用作業機(汎用動力噴霧器)
81 入力プーリ
82 駆動部
85 伝動ベルト
90 前輪支持フレーム
90b 前輪支持軸
92 前輪
2a 出力軸
2b 駆動プーリ
3 主伝動ケース
3a 入力軸
3b 入力プーリ
5 駆動車輪
9 操縦ハンドル
39 予備苗載台
41 予備苗フレーム
50 伝動ベルト
60 エンジンベース
80 圃場用作業機(汎用動力噴霧器)
81 入力プーリ
82 駆動部
85 伝動ベルト
90 前輪支持フレーム
90b 前輪支持軸
92 前輪
Claims (5)
- エンジン(2)の出力軸(2a)に設けた駆動プーリ(2b)と主伝動ケース(3)の入力軸(3a)に設けた入力プーリ(3b)に、伝動ベルト(50)を巻回して、エンジン(2)からの動力を主伝動ケース(3)に伝達し、該主伝動ケース(3)の動力で駆動回転する駆動車輪(5)にて進行する機体の後部に操縦ハンドル(9)を設けると共に、機体に設けた予備苗フレーム(41)の上部に予備苗載台(39)を着脱自在に設けた苗移植機において、エンジン(2)の駆動プーリ(2b)と主伝動ケース(3)の入力プーリ(3b)の何れかを2段プーリとして、予備苗載台(39)を取り外した予備苗フレーム(41)に取り付けた圃場用作業機(80)の入力プーリ(81)との間に伝動ベルト(85)を巻回して、エンジン(2)の動力を圃場用作業機(80)の駆動部(82)に伝達することを特徴とする苗移植機。
- エンジン(2)を搭載するエンジンベース(60)に固着した前輪支持フレーム(90)に左右前輪支持軸(90b,90b)を設け、該左右前輪支持軸(90b,90b)に左右前輪(92,92)を遊転自在に設けたことを特徴とする請求項1に記載の苗移植機。
- 前輪支持フレーム(90)に左右前輪支持軸(90b,90b)の上下方向の取付位置を変更して、左右前輪(92,92)の高さを調節することを特徴とする請求項2に記載の苗移植機。
- 駆動車輪(5)を機体左右両側に設けた左右駆動車輪(5,5)とし、左右前輪(92,92)のトレッドを左右駆動車輪(5,5)のトレッドと同じまたは略同じにしたことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の苗移植機。
- 圃場用作業機(80)が噴霧器、散布機または潅水機であることを特徴とする請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の苗移植機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021156486A JP2023047522A (ja) | 2021-09-27 | 2021-09-27 | 苗移植機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2021156486A JP2023047522A (ja) | 2021-09-27 | 2021-09-27 | 苗移植機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2023047522A true JP2023047522A (ja) | 2023-04-06 |
Family
ID=85779489
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2021156486A Pending JP2023047522A (ja) | 2021-09-27 | 2021-09-27 | 苗移植機 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2023047522A (ja) |
-
2021
- 2021-09-27 JP JP2021156486A patent/JP2023047522A/ja active Pending
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