JP2023046474A - 液体吐出装置 - Google Patents

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草介 畔柳
Sosuke Azeyanagi
吉記 刑部
Yoshinori Osakabe
太一 白野
Taichi Shirano
史朗 中澤
Shiro Nakazawa
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Abstract

【課題】液体の吐出機能を維持しながら、ワイプを効果的に実行できる手段を提供する。【解決手段】複合機10のコントローラ130は、貯留部80に貯留されたインク99の液面が所定位置より高い場合には(S14:Yes)、キャップ70をヘッド38から離間させた後(S15)、ワイパ151によりノズル39に対してワイプを実行し(S16)、その後に画像記録のためにノズル39からインク99を吐出させる(S17)。コントローラ130は、液面が所定位置より高くない場合には(S14:No)、キャップ70をヘッド38から離間させた後(S19)、ワイプを実行することなく(S16不実行)、画像記録のためにノズル39からインク99を吐出させる(S17)。【選択図】図8

Description

本発明は、貯留部から供給された液体を吐出するヘッドを有する液体吐出装置に関する。
インクジェット方式のプリンタでは、インクを正しく吐出するために、ヘッドのノズルに形成されるメニスカスを維持する必要がある。典型的なプリンタでは、メニスカスを維持するために、インクの貯留部に背圧制御機構が設けられる。また、印刷を実行していないときにヘッドを保護するために、ヘッドのノズル面を覆う位置に移動可能なキャップが設けられる。
本願発明に関連して、特許文献1には、液体吐出手段の周囲の環境状況(例えば、温度や圧力など)に対応する情報に基づいて、液体吐出手段の回復処理(例えば、ワイピングや加圧回復など)を実行する液体吐出装置が記載されている。
特開2015-189158号公報
プリンタを小型化する方法として、インクの貯留部に背圧制御機構を設けない方法が考えられる。背圧制御機構を有しないプリンタでも、一定の条件を満たせば、ヘッドのノズルに形成されるメニスカスを維持できる。
背圧制御機構を有しないプリンタでは、貯留部に貯留されたインクの液面の高さに応じて、メニスカスに下向きに作用する水頭圧が変化する。このため、キャップに接続されたメンテナンスチューブが閉塞した場合、キャップがヘッドから離間するときに、ヘッドとキャップとで形成される密閉空間内の気体が膨張し、当該気体の圧力が減少するために、メニスカスが破壊される可能性がある。メニスカスが破壊されると、ヘッドのノズル面にインクがダマになって付着し、インクを吐出できなくなることがある。
この対策として、キャップがヘッドから離間するたびに、ヘッドに対してワイプを実行する方法が考えられる。しかしながら、この方法には、キャップがヘッドから離間してもメニスカスが破壊される可能性がない場合にも不要なワイプが実行されるという課題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、液体の吐出機能を維持しながら、ワイプを効果的に実行できる手段を提供することである。
(1) 本発明の液体吐出装置は、液体が液面を形成して貯留される貯留部と、上記貯留部に貯留された液体を吐出するノズルを有するヘッドと、上記貯留部及び上記ヘッドを搭載し、第1方向に移動するキャリッジと、キャップと、ワイパと、コントローラとを備えている。上記コントローラは、上記液面が所定位置より高い場合には、上記キャップを上記ヘッドから離間させた後、上記ワイパにより上記ノズルに対してワイプを実行し、その後に画像記録のために上記ノズルから液体を吐出させ、上記液面が上記所定位置より高くない場合には、上記キャップを上記ヘッドから離間させた後、上記ワイプを実行することなく、画像記録のために上記ノズルから液体を吐出させる。
上記の構成によれば、貯留部に貯留された液体の液面が所定位置より高い場合には、キャップをヘッドから離間すると、ヘッドのノズルに形成されたメニスカスが破壊される可能性があるので、コントローラはワイプを実行する。これにより、液体の吐出機能を維持できる。一方、貯留部に貯留された液体の液面が所定位置より高くない場合には、キャップをヘッドから離間してもメニスカスは維持されるので、コントローラはワイプを実行しない。これにより、不要なワイプを減らし、ワイプを効果的に実行できる。
(2) 好ましくは、上記コントローラは、上記ワイプを実行する前に、上記ノズルから上記ワイパに液体を吐出させてもよい。
上記の構成によれば、ワイプを実行する前に、ノズルからワイパに液体を吐出させることにより、ヘッドの乾拭きを減らせる。
(3) 好ましくは、上記コントローラは、上記ワイプを実行する場合には、上記ワイパが上記ヘッドのノズル面に当接可能な位置に上記ワイパ又は上記キャリッジを位置させて、上記キャリッジ及び上記ワイパのいずれか一方を移動してもよい。
(4) 好ましくは、上記コントローラは、上記ワイプを実行する前に、上記ヘッドのノズル面に当接しない位置に位置する上記ワイパに上記ノズルから液体を吐出させてもよい。
(5) 好ましくは、上記コントローラは、上記キャップが上記ヘッドのノズル面を覆う状態でパージを行い、上記パージを行った後の経過時間が所定時間を超えている場合には、上記液面の高さに基づいて、上記ワイプを実行するかを判断し、判断結果に従い上記ワイプを実行してもよい。
上記の構成によれば、キャップをヘッドから離間するときにワイプが実行されるのは、パージ処理後の経過時間が所定時間を超えているときに限られる。キャップをヘッドから離間してもメニスカスが維持される場合にはワイプを実行しないので、ワイプを効果的に実行できる。
(6) 好ましくは、上記コントローラは、上記経過時間を取得できない場合には、上記液面の高さに基づいて、上記ワイプを実行するかを判断し、判断結果に従い上記ワイプを実行してもよい。
パージ処理後の経過時間を取得できないときには、キャップをヘッドから離間するとメニスカスが破壊される可能性がある。上記の構成によれば、このときでも、必要なワイプを実行できる。
(7) 好ましくは、上記貯留部は、上記貯留部の内部空間と外部とを連通する大気連通孔を有し、上記コントローラは、上記大気連通孔が開放された状態で、上記キャップを上記ヘッドから離間させてもよい。
(8) 本発明の液体吐出装置は、液体が第1液面を形成して貯留される第1貯留部と、液体が第2液面を形成して貯留される第2貯留部と、上記第1貯留部に貯留された液体を吐出する第1ノズル、及び上記第2貯留部に貯留された液体を吐出する第2ノズルを有するヘッドと、上記第1貯留部、上記第2貯留部、及び上記ヘッドを搭載し、第1方向に移動するキャリッジと、キャップと、ワイパと、コントローラとを備えている。上記コントローラは、上記第1液面及び上記第2液面の少なくとも一方が所定位置より高い場合には、上記キャップを上記ヘッドから離間させた後、上記ワイパにより上記第1ノズル及び上記第2ノズルの少なくとも一方に対してワイプを実行し、その後に画像記録のために上記第1ノズル及び上記第2ノズルから液体を吐出させ、上記第1液面及び上記第2液面が上記所定位置より高くない場合には、上記キャップを上記ヘッドから離間させた後、上記ワイプを実行することなく、画像記録のために上記第1ノズル及び上記第2ノズルから液体を吐出させる。
上記の構成によれば、複数の貯留部を備えた液体吐出装置において、不要なワイプを減らし、ワイプを効果的に実行できる。
(9) 好ましくは、上記コントローラは、上記ワイプを実行する前に、上記第1ノズル及び上記第2ノズルの少なくとも一方から上記ワイパに液体を吐出させてもよい。
(10) 好ましくは、上記コントローラは、上記第1液面の高さ及び上記第2液面の高さに基づいて、上記第1ノズルから上記ワイパに液体を吐出させるか、及び上記第2ノズルから上記ワイパに液体を吐出させるかを切り換えてもよい。
上記の構成によれば、ワイプを実行する前に、キャップをヘッドから離間してもメニスカスが維持されるノズルからワイパに液体を吐出させることにより、ヘッドの乾拭きを減らせる。
(11) 好ましくは、上記コントローラは、上記第1液面の高さ及び上記第2液面の高さに基づいて、上記第1ノズルに対して上記ワイプを実行するか、及び上記第2ノズルに対して上記ワイプを実行するかを切り換えてもよい。
上記の構成によれば、複数の貯留部の中から選択された貯留部に接続されたノズルに対してワイプを実行することにより、ワイプを効果的に実行できる。
(12) 好ましくは、上記コントローラは、上記第1液面の高さ及び上記第2液面の高さに基づいて、上記ワイプの実行開始位置を切り換えてもよい。
上記の構成によれば、ワイプの実行開始位置を切り換えることにより、複数の貯留部の中から選択された貯留部に接続されたノズルに対してワイプを実行できる。
(13) 好ましくは、上記コントローラは、上記第1液面の高さ及び上記第2液面の高さに基づいて、上記ワイプの実行順序を切り換えてもよい。
上記の構成によれば、ワイプの実行順序を切り換えることにより、ワイプを効果的に実行できる。
(14) 好ましくは、上記コントローラは、上記ワイプを実行する場合には、上記ワイパが上記ヘッドのノズル面に当接可能な位置に上記ワイパ又は上記キャリッジを位置させて、上記キャリッジ及び上記ワイパのいずれか一方を移動してもよい。
(15) 好ましくは、上記コントローラは、上記ワイプを実行する前に、上記ヘッドのノズル面に当接しない位置に位置する上記ワイパに上記第1ノズル及び上記第2ノズルの少なくとも一方から液体を吐出させてもよい。
(16) 好ましくは、上記コントローラは、上記第1液面が上記所定位置より高くない場合には、上記第1ノズルから上記ワイパに液体を吐出させ、上記第2液面が上記所定位置より高くない場合には、上記第2ノズルから上記ワイパに液体を吐出させてもよい。
(17) 好ましくは、上記コントローラは、上記第1液面が上記所定位置より高い場合には、上記第1ノズルに対して上記ワイプを実行し、上記第2液面が上記所定位置より高い場合には、上記第2ノズルに対して上記ワイプを実行してもよい。
(18) 好ましくは、上記コントローラは、上記第1液面及び上記第2液面の少なくとも一方が上記所定位置より高い場合には、上記ワイパが上記ヘッドのノズル面に当接可能な第1位置に上記ワイパ又は上記キャリッジを位置させて、上記キャリッジ及び上記ワイパのいずれか一方を移動してもよい。上記第1液面が上記所定位置より高い場合に上記ワイパ又は上記キャリッジが上記第1位置に位置するのは、上記移動によって上記第1ノズルと上記ワイパとが平面視で重なるより前であってもく、上記第1液面が上記所定位置より高くなく、且つ上記第2液面が上記処理位置より高い場合に上記ワイパ又は上記キャリッジが上記第1位置に位置するのは、上記移動によって上記第1ノズルと上記ワイパとが平面視で重なった後、且つ上記第2ノズルと上記ワイパとが平面視で重なるより前であってもよい。
(19) 好ましくは、上記コントローラは、上記第1液面が上記所定位置より高く、且つ上記第2液面が上記所定位置より高くない場合には、上記ワイパが上記ヘッドのノズル面に当接可能な第1位置に上記ワイパ又は上記キャリッジを位置させて、上記ワイパが上記第2ノズルより前に上記第1ノズルに当接する向きに上記キャリッジ及び上記ワイパのいずれか一方を移動し、上記第1液面が上記所定位置より高くなく、且つ上記第2液面が上記所定位置より高い場合には、上記第1位置に上記ワイパ又は上記キャリッジを位置させて、上記ワイパが上記第1ノズルより前に上記第2ノズルに当接する向きに上記キャリッジ及び上記ワイパのいずれか一方を移動してもよい。
(20) 本発明の液体吐出装置は、液体が第1液面を形成して貯留される第1貯留部と、液体が第2液面を形成して貯留される第2貯留部と、上記第1貯留部に貯留された液体を吐出する第1ノズル、及び上記第2貯留部に貯留された液体を吐出する第2ノズルを有するヘッドと、上記第1貯留部、上記第2貯留部、及び上記ヘッドを搭載し、第1方向に移動するキャリッジと、キャップと、上記第1ノズルをワイプ可能な第1ワイパと、上記第2ノズルをワイプ可能な第2ワイパと、コントローラとを備えている。上記コントローラは、上記第1液面及び上記第2液面の少なくとも一方が所定位置より高い場合には、上記キャップを上記ヘッドから離間させた後、上記第1ワイパ及び上記第2ワイパにより上記第1ノズル及び上記第2ノズルの少なくとも一方に対してワイプを実行し、その後に画像記録のために上記第1ノズル及び上記第2ノズルから液体を吐出させ、上記第1液面及び上記第2液面が上記所定位置より高くない場合には、上記キャップを上記ヘッドから離間させた後、上記ワイプを実行することなく、画像記録のために上記第1ノズル及び上記第2ノズルから液体を吐出させる。
上記の構成によれば、複数の貯留部と複数のワイパとを備えた液体吐出装置において、不要なワイプを減らし、ワイプを効果的に実行できる。複数のワイパを用いることにより、複数の貯留部の中から選択された貯留部に接続されたノズルに対してワイプを実行できる。
(21) 好ましくは、上記コントローラは、上記第1液面の高さに基づいて、上記第1ワイパにより上記第1ノズルに対して上記ワイプを実行するかを切り換え、上記第2液面の高さに基づいて、上記第2ワイパにより上記第2ノズルに対して上記ワイプを実行するかを切り換えてもよい。
(22) 好ましくは、上記コントローラは、上記第1液面が上記所定位置より高い場合には、上記第1ワイパが上記ヘッドのノズル面に当接可能な位置に上記第1ワイパ又は上記キャリッジを位置させて、上記キャリッジ及び上記第1ワイパのいずれか一方を移動し、上記第2液面が上記所定位置より高い場合には、上記第2ワイパが上記ヘッドのノズル面に当接可能な位置に上記第2ワイパ又は上記キャリッジを位置させて、上記キャリッジ及び上記第2ワイパのいずれか一方を移動してもよい。
(23) 好ましくは、上記コントローラは、上記キャップが上記ヘッドのノズル面を覆う状態でパージを行い、上記パージを行った後の経過時間が所定時間を超えている場合には、上記第1液面の高さ及び上記第2液面の高さに基づいて、上記ワイプを実行するかを判断し、判断結果に従い上記ワイプを実行してもよい。
(24) 好ましくは、上記コントローラは、上記経過時間を取得できない場合には、上記第1液面の高さ及び上記第2液面の高さに基づいて、上記ワイプを実行するかを判断し、判断結果に従い上記ワイプを実行してもよい。
(25) 好ましくは、上記第1貯留部は、上記第1貯留部の内部空間と外部とを連通する第1大気連通孔を有し、上記第2貯留部は、上記第2貯留部の内部空間と外部とを連通する第2大気連通孔を有し、上記コントローラは、上記第1大気連通孔及び上記第2大気連通孔が開放された状態で、上記キャップを上記ヘッドから離間させてもよい。
本発明によれば、液体の吐出機能を維持しながら、ワイプを効果的に実行できる。
図1は、本発明の実施形態に係る複合機10の斜視図である。 図2は、プリンタ部11の内部構造を模式的に示す縦断面図である。 図3は、プラテン42及び記録部24を前後方向8と直交する面で切った断面を示す縦断面図であり、キャリッジ40が待機位置に位置し且つキャップ70が被覆位置に位置する状態を示す。 図4は、プラテン42及び記録部24を前後方向8と直交する面で切った断面を示す縦断面図であり、キャリッジ40が待機位置に位置し且つキャップ70が離間位置に位置する状態を示す。 図5は、ワイプの実行位置でフラッシングを実行する方法を示す図であり、図5(A)から図5(E)は、フラッシング実行時のヘッド38及びワイパ151の移動を時系列順に示す。 図6は、複合機10の機能ブロック図である。 図7は、キャップ70が被覆位置から離間位置に移動するときにメニスカスが破壊される場合を説明するための図であり、図7(A)は、キャップ70が被覆位置に位置する状態を示し、図7(B)は、キャップ70が被覆位置から離間位置に移動する途中の状態を示し、図7(C)は、ノズル39に形成されるメニスカスを示す。 図8は、コントローラ130の動作を示すフローチャートである。 図9は、第1から第4変形例に係る複合機の記録部24を前後方向8と直交する面で切った断面を示す縦断面図である。 図10は、第2変形例に係る複合機においてワイプの実行開始位置を切り換える方法を示す図であり、図10(A)は、下から視たヘッド38を示し、図10(B)は、第1の場合のワイプの実行開始位置を示し、図10(C)は、第2の場合のワイプの実行開始位置を示す。 図11は、第3変形例に係る複合機における2個のワイパ152、153を用いたワイプを示す図であり、図11(A)は、第3の場合のワイパ152によるワイプを示し、図11(B)は、第2の場合のワイパ153によるワイプを示す。 図12は、第4変形例に係る複合機においてワイプの実行順序を切り換える方法を示す図であり、図12(A)は、第4の場合のワイプの実行順序を示し、図12(B)は、第5場合のワイプの実行順序を示す。 図13は、変形例に係る貯留部80の上壁82を示す斜視図であり、図13(A)は、大気連通孔85がラビリンス構造164を有する場合を示し、図13(B)は、大気連通孔85がラビリンス構造164と半透膜165とを有する場合を示す。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。また、以下の説明では、矢印の起点から終点に向かう進みが向きと表現され、矢印の起点と終点とを結ぶ線上の往来が方向と表現される。また、以下の説明では、複合機10が使用可能に設置された状態(図1の状態)を基準として上下方向7が定義され、開口13が設けられている面を前面23として前後方向8が定義され、複合機10を前方から視て左右方向9が定義される。上下方向7、前後方向8、及び左右方向9は互いに直交している。
[複合機10の全体構造]
図1に示されるように、複合機10(液体吐出装置の一例)は、概ね直方体形状の筐体14を有する。筐体14の下部に、プリンタ部11が設けられている。複合機10は、ファクシミリ機能及びプリント機能などの各種の機能を有している。複合機10は、プリント機能として、インクジェット方式で用紙12(図2参照)の片面に画像記録する機能を有している。なお、複合機10は、用紙12の両面に画像記録するものであってもよい。筐体14の上部に、操作部17が設けられている。操作部17は、画像記録の指示や各種設定のために操作されるボタンや、各種情報が表示される液晶ディスプレイなどによって構成されている。本実施形態において、操作部17は、ボタン及び液晶ディスプレイの双方の機能を有するタッチパネルによって構成されている。
図2に示されるように、プリンタ部11は、給送トレイ20、給送部16、外ガイド部材18、内ガイド部材19、搬送ローラ対59、排出ローラ対44、プラテン42、記録部24、エンコーダ35(図6参照)、ロータリエンコーダ65(図6参照)、コントローラ130(図6参照)、及びメモリ140(図6参照)を備えている。これらは、筐体14の内部に配置されている。筐体14の内部には、複合機10の状態を検知して、検知結果に応じた信号を出力する様々な状態センサ(不図示)が配置されている。
[給送トレイ20]
図1に示されるように、プリンタ部11の前面23に、開口13が形成されている。給送トレイ20は、前後方向8へ移動することによって、開口13を介して筐体14に対して挿入及び抜去可能である。給送トレイ20は、筐体14に装着された給送位置(図1及び図2に示される位置)と、筐体14から抜き出された非給送位置とに移動可能である。給送トレイ20は、筐体14に対して後方へ挿入されることによって給送位置へ移動し、筐体14に対して前方へ引き出されることによって非給送位置へ移動する。
給送トレイ20は、上方が開放された箱形状の部材であり、用紙12を収容する。図2に示されるように、給送トレイ20の底板22に、用紙12が重ねられた状態で支持される。給送トレイ20の前部の上方に、排出トレイ21が配置されている。記録部24によって画像記録されて排出された用紙12が、排出トレイ21の上面に支持される。給送トレイ20が給送位置にあるとき、給送トレイ20に支持された用紙12が搬送路64へ給送可能である。
[給送部16]
図2に示されるように、給送部16は、記録部24の下方かつ給送トレイ20の底板22の上方に配置されている。給送部16は、給送ローラ25、給送アーム26、駆動伝達機構27、及び軸28を備えている。給送ローラ25は、給送アーム26の先端部で回転可能に支持されている。給送アーム26は、基端部に設けられた軸28を中心として、矢印29の方向へ回動する。これにより、給送ローラ25は、給送トレイ20又は給送トレイ20に支持された用紙12に対して、当接及び離間が可能である。
給送ローラ25は、複数のギヤが噛合されてなる駆動伝達機構27によって、給送用モータ102(図6参照)の駆動力が伝達されて回転する。これにより、給送位置の給送トレイ20の底板22に支持された用紙12のうち、給送ローラ25と当接している最上の用紙12が、搬送路64へ給送される。なお、駆動伝達機構27は、複数のギヤが噛合されている形態に限らず、例えば軸28と給送ローラ25の軸とに架け渡されたベルトであってもよい。
[搬送路64]
図2に示されるように、給送トレイ20の後端部から搬送路64が延出されている。搬送路64は、湾曲部33と直線部34とを備える。湾曲部33は、上方へ向かいつつ後方から前方へUターンするように延びている。直線部34は、概ね前後方向8に沿って延びている。
湾曲部33は、所定の間隔を隔てて互いに対向する外ガイド部材18と内ガイド部材19とによって形成されている。外ガイド部材18及び内ガイド部材19は、左右方向9へ延設されている。直線部34は、記録部24が配置されている位置では所定の間隔を隔てて互いに対向する記録部24とプラテン42とによって形成されている。
給送トレイ20に支持された用紙12は、給送ローラ25によって湾曲部33を搬送されて、搬送ローラ対59に到達する。搬送ローラ対59に挟持された用紙12は、直線部34を記録部24へ向けて前方へ搬送される。記録部24の直下に到達した用紙12は、記録部24により画像記録される。画像記録された用紙12は、直線部34を前方へ搬送されて排出トレイ21に排出される。以上より、用紙12は、図2に一点鎖線の矢印で示される搬送向き15に沿って搬送される。
[搬送ローラ対59及び排出ローラ対44]
図2に示されるように、直線部34に、搬送ローラ対59が配置されている。直線部34における搬送ローラ対59よりも搬送向き15の下流に、排出ローラ対44が配置されている。
搬送ローラ対59は、搬送ローラ60と、搬送ローラ60の下方に搬送ローラ60と対向して配置されたピンチローラ61とを備えている。ピンチローラ61は、コイルバネなどの弾性部材(不図示)によって搬送ローラ60に押圧されている。搬送ローラ対59は、用紙12を挟持可能である。
排出ローラ対44は、排出ローラ62と、排出ローラ62の上方に排出ローラ62と対向して配置された拍車ローラ63とを備えている。拍車ローラ63は、コイルバネなどの弾性部材(不図示)によって排出ローラ62へ向けて押圧されている。排出ローラ対44は、用紙12を挟持可能である。
搬送ローラ60及び排出ローラ62は、搬送用モータ101(図6参照)から駆動力を付与されて回転する。搬送ローラ対59に用紙12が挟持されている状態で搬送ローラ60が回転すると、当該用紙12は、搬送ローラ対59によって搬送向き15へ搬送され、プラテン42上に搬送される。排出ローラ対44に用紙12が挟持されている状態で排出ローラ62が回転すると、当該用紙12は、排出ローラ対44によって搬送向き15へ搬送され、排出トレイ21上に排出される。なお、搬送用モータ101と給送用モータ102として、共通のモータが用いられてもよい。この場合、当該共通のモータから各ローラへの駆動伝達経路が切替可能に構成される。
なお、用紙12を搬送させるものは、上述したようなローラ対に限らない。例えば、搬送ローラ対59及び排出ローラ対44の代わりに、搬送ベルトが配置されていてもよい。
[プラテン42]
図2に示されるように、プラテン42は、搬送路64の直線部34に配置されている。プラテン42は、上下方向7において記録部24に対向している。プラテン42は、搬送路64を搬送される用紙12を下方から支持する。搬送路64を搬送される用紙12は、左右方向9において、プラテン42の右端及び左端の間の媒体通過領域36(図3及び図4参照)を通過する。
[記録部24]
図2に示されるように、記録部24は、プラテン42の上方にプラテン42と対向して配置されている。記録部24は、キャリッジ40と、ヘッド38と、貯留部80とを備えている。
キャリッジ40は、前後方向8に間隔を空けて配置された2つのガイドレール56、57によって搬送向き15と直交する左右方向9(第1方向の一例)に沿って移動可能に支持されている。キャリッジ40は、左右方向9において、媒体通過領域36よりも右方から媒体通過領域36よりも左方に亘って移動可能である。なお、キャリッジ40の移動方向は、左右方向9に限らず、搬送向き15と交差する方向であればよい。
ガイドレール56は、ヘッド38よりも搬送向き15の上流に配置されている。ガイドレール57は、ヘッド38よりも搬送向き15の下流に配置されている。ガイドレール56、57は、左右方向9において搬送路64の直線部34の外方に配置された一対のサイドフレーム(不図示)によって支持されている。キャリッジ40は、キャリッジ駆動用モータ103(図6参照)から駆動力を付与されることにより移動する。
ガイドレール56又はガイドレール57には、エンコーダ35(図6参照)が配置されている。エンコーダ35は、左右方向9に延びたエンコーダストリップと、キャリッジ40におけるエンコーダストリップに対向する箇所に設けられた光学センサとを備えている。エンコーダストリップには、光を透過させる透光部と光を遮断する遮光部とが、左右方向9に等ピッチで交互に配置されたパターンが記されている。光学センサによって透光部及び遮断部が検出されることによってパルス信号が検出される。パルス信号は、キャリッジ40の左右方向9の位置に応じた信号である。パルス信号は、コントローラ130(図6参照)に出力される。
ヘッド38は、キャリッジ40に搭載されている。ヘッド38の下面(以下、ノズル面と称される)68は、下方へ露出しており、プラテン42と対向している。ヘッド38は、複数のノズル39と、インク流路37と、圧電素子45(図6参照)とを備えている。
複数のノズル39は、ヘッド38のノズル面68に開口されている。インク流路37は、貯留部80と複数のノズル39とを繋ぐ。圧電素子45(図6参照)は、インク流路37の一部を変形させることでノズル39から下方へインク滴を吐出させる。圧電素子45は、コントローラ130(図6参照)により給電されることで動作する。このようにヘッド38は、インク(液体の一例)を吐出するノズル39を有する。
貯留部80は、ヘッド38と共にキャリッジ40に搭載されている。貯留部80は、内部空間81を有している。内部空間81には、インク99が貯留される。本実施形態では、記録部24は、一つの貯留部80を備えている。この一つの貯留部80には、黒色のインク99が貯留されている。なお、貯留部80に貯留されるインク99の色は黒色に限らない。
貯留部80は、ヘッド38より上方に位置している。なお、本実施形態では、貯留部80の全てがヘッド38より上方に位置しているが、貯留部80の一部がヘッド38より上方に位置しており、貯留部80の当該一部以外の部分がヘッド38以下の高さに位置していてもよい。貯留部80の内部空間81は、インク流路37を介して複数のノズル39と連通している。これにより、内部空間81からノズル39へインク99が供給される。このように、貯留部80にはインク99が液面を形成して貯留される。貯留部80に貯留可能な最大量の液面の高さは、ノズル39の開口よりも上方に位置する。
貯留部80の上壁82には、内部空間81と外部とを連通する大気連通孔85と、内部空間81へインク99を注入するための注入口(不図示)とが設けられている。インク99を注入しないときには、注入口は蓋(不図示)で閉じられている。インク99を注入するときには、蓋が注入口から外され、ボトル(不図示)から注入口を介して内部空間81へインク99が注入される。
[ロータリエンコーダ65]
図6に示されるロータリエンコーダ65は、搬送用モータ101(図6参照)の軸に設けられて搬送用モータ101と共に回転するエンコーダディスクと光学センサとからなる。エンコーダディスクには、光が透過される透過部と光が透過されない非透過部とが円周方向に等ピッチで交互に配置されたパターンが形成されている。エンコーダディスクが回転すると、光学センサによって透過部と非透過部とが検出される毎にパルス信号が生成される。生成されたパルス信号は、コントローラ130(図6参照)に出力される。コントローラ130は、当該パルス信号に基づいて、搬送用モータ101の回転量を算出する。なお、ロータリエンコーダ65は、搬送用モータ101以外、例えば給送用モータ102や搬送ローラ60に設けられていてもよい。
[回動部材90]
図3及び図4に示されるように、貯留部80の内部空間81には、回動部材90が配置されている。回動部材90は、フロート91と、軸92と、アーム93と、被検知部94とを備えている。フロート91は、回動部材90の下部に位置する。フロート91は、貯留部80に貯留されたインクよりも比重が小さい材料によって形成されている。軸92は、フロート91の前面及び後面から前後方向8に沿って突出している。軸92は、貯留部80の前壁88(図2参照)及び後壁89(図2参照)に形成された孔(不図示)に挿入されている。これにより、回動部材90は、軸92を中心として回動可能に支持される。
アーム93は、フロート91から略上方へ突出している。被検知部94は、アーム93の先端部に形成されている。被検知部94は、上下方向7及び左右方向9に延びた板状に構成されている。被検知部94は、後述する液面センサ95の発光部から出力された光を遮光する材料によって形成されている。
図3及び図4には、インク99の液面が上下方向7において所定位置より高くないときの回動部材90が記載されている。インク99の液面が上下方向7に所定位置より高いとき、回動部材90は、フロート91に作用する浮力によって、アーム93が略直立する位置に位置する(不図示)。一方、貯留部80に貯留されたインク99が消費されてインク99の液面が下がり、インク99の液面が上下方向7において所定位置より高くなくなると、回動部材90は、液面に追随して軸92を中心として回動し、アーム93が上下方向7から傾いた位置に位置する(図3及び図4参照)。
[液面センサ95]
液面センサ95は、回動部材90の状態変化を検知するものである。液面センサ95は、発光部及び受光部を備え、貯留部80の外部に設けられる。例えば、発光部は貯留部80の前壁88(図2参照)に設けられ、受光部は貯留部の後壁89(図2参照)に設けられる。発光部及び受光部の上下方向7及び左右方向9の位置は、アーム93が略直立したときの被検知部94の上下方向7及び左右方向9の位置とそれぞれ同じである。アーム93が略直立したとき(すなわち、インク99の液面が上下方向7において所定位置より高いとき)、液面センサ95の発光部と受光部との間には、回動部材90の被検知部94が介在する。
液面センサ95は、発光部から出力された光が受光部で受光されたか否かに応じて異なるレベルの信号を出力する。例えば、液面センサ95は、発光部から出力された光が受光部で受光できない(すなわち、受光強度が所定の強度未満である)ときには、ローレベル信号をコントローラ130へ出力する。一方、液面センサ95は、発光部から出力された光が受光部で受光できた(すなわち、受光強度が所定の強度以上である)ときには、ハイレベル信号をコントローラ130へ出力する。
アーム93が略直立しているとき、液面センサ95の発光部と受光部との間には被検知部94が介在する。このため、インク99の液面が上下方向7において所定位置より高いとき、発光部から出力された光が受光部で受光できないので、液面センサ95はローレベル信号をコントローラ130へ出力する。
一方、アーム93が上下方向7から傾いているとき、被検知部94は、液面センサ95の発光部と受光部との間から退避した位置にある(図3及び図4参照)。このため、インク99の液面が上下方向7において所定位置より高くないとき、発光部から出力された光が受光部で受光できるので、液面センサ95はハイレベル信号をコントローラ130へ出力する。コントローラ130は、液面センサ95の出力信号に基づき、貯留部80に貯留されたインク99の液面の高さを示す液面情報を取得する。
[キャップ70]
図3及び図4に示されるように、左右方向9におけるプラテン42の外(本実施形態ではプラテン42の右方)に、キャップ70が設けられている。つまり、キャップ70は、左右方向9において、媒体通過領域36の外に位置している。キャリッジ40が媒体通過領域36よりも右方の待機位置(図3及び図4に示される位置)に位置しているとき、キャップ70は、キャリッジ40の下方に位置しており、キャリッジ40(具体的には、ヘッド38のノズル39)と対向している。
キャップ70は、上方が開放された箱形状の部材である。キャップ70は、ゴムなどの弾性材料からなる。キャップ70は、公知の可動機構71を介してフレーム46に支持されており、キャップ駆動用モータ104(図6参照)から駆動力を付与された可動機構71によって上下動可能である。フレーム46は、プラテン42より右方に位置しており、前後方向8及び左右方向9に拡がった板状の部材である。可動機構71は、例えばボールネジを用いた機構や、カムを用いた機構などである。キャップ70は、図3に示される被覆位置と、図4に示される離間位置との間で上下方向7に移動可能である。図3に示されるように、被覆位置のキャップ70は、その上端が下方からヘッド38のノズル面68に圧接される。これにより、キャップ70は、ノズル面68に開口された複数のノズル39を下方から覆った状態となる。離間位置は、被覆位置より下方の位置である。離間位置のキャップ70は、ヘッド38のノズル面68から離間している。
キャップ70の底面74には、貫通孔72が設けられている。貫通孔72には、メンテナンスチューブ73の一端が接続されている。メンテナンスチューブ73の他端は、ポンプ77を介して廃インクタンク79に接続されている(図7参照)。メンテナンスチューブ73は、可撓性を有する樹脂チューブである。キャップ70が被覆位置に位置してノズル面68を覆った状態において、ポンプ77が駆動されることにより、ノズル39内のインクや異物が吸引されてキャップ70へ吐出される。キャップ70は、当該インクや異物を受ける。キャップ70が受けたインクや異物は、メンテナンスチューブ73へ吸引され、メンテナンスチューブ73を通って廃インクタンク79へ排出される。上記の操作を行うことにより、インクや異物をノズル39から排出させる吸引パージを行える。
[ワイパ151]
図3及び図4に示されるように、左右方向9において、プラテン42の位置とキャリッジ40の待機位置との間に、ワイパ151が設けられている。ワイパ151は、ヘッド38のノズル面68に当接可能な当接位置と、ヘッド38のノズル面68に当接不可能な非当接位置との間で鉛直方向(上下方向7)に移動可能である。
複合機10では、ワイプの実行位置でフラッシングが実行される。図5が参照されて、ワイプの実行位置でフラッシングを実行する方法が説明される。図5(A)から図5(E)は、フラッシング実行時のヘッド38及びキャップ70の移動を時系列順に示す。なお、図面の簡略化のため、図5ではキャリッジ40は省略されている。
図5(A)に示されるように、ワイプ実行前の状態では、ワイパ151はヘッド38のノズル面68に当接不可能な非当接位置に位置し、ヘッド38を搭載したキャリッジ40は、非当接位置に位置するワイパ151の平面位置より右に位置する。
図5(A)に示される状態でワイプの実行が指示されると、ヘッド38を搭載したキャリッジ40は、図5(B)に示されるように、ノズル39が非当接位置に位置するワイパ151と平面視で重なる位置まで左へ移動する。その位置で、キャリッジ40を停止させた状態でノズル39からワイパ151にインクを吐出するフラッシングが実行される。なお、フラッシングは、キャリッジ40を移動しながら実行されてもよい。
次に、ヘッド38を搭載したキャリッジ40は、図5(C)に示されるように、フラッシングの実行位置から右へ移動する。次に、図5(D)に示されるように、ワイパ151は、非当接位置から、ヘッド38のノズル面68に当接可能な当接位置に上昇する。次に、図5(E)に示されるように、ヘッド38を搭載したキャリッジ40は、再び左へ移動する。このとき、ワイパ151は、ヘッド38のノズル面68に当接する。これにより、ヘッド38のノズル39に対してワイプが実行される。
このようにコントローラ130は、ワイプを実行する前に、ヘッド38のノズル面68に当接しない非当接位置に位置するワイパ151にインク99を吐出させるフラッシングを実行する。
[コントローラ130及びメモリ140]
以下、図6が参照されて、コントローラ130及びメモリ140の構成が説明される。コントローラ130は、複合機10の全体動作を制御するものである。コントローラ130は、CPU131及びASIC135を備えている。メモリ140は、ROM132、RAM133、及びEEPROM134を備えている。CPU131、ASIC135、ROM132、RAM133、及びEEPROM134は、内部バス137によって接続されている。
ROM132には、CPU131が各種動作を制御するためのプログラムなどが格納されている。RAM133は、CPU131が上記プログラムを実行する際に用いるデータや信号などを一時的に記録する記憶領域、或いはデータ処理の作業領域として使用される。EEPROM134には、電源オフ後も保持すべき設定やフラグなどが格納される。
ASIC135には、搬送用モータ101、給送用モータ102、キャリッジ駆動用モータ103、キャップ駆動用モータ104、及びワイパ駆動用モータ105が接続されている。ASIC135には、各モータを制御する駆動回路が組み込まれている。CPU131は、各モータを回転させるための駆動信号を各モータに対応する駆動回路に出力する。駆動回路は、CPU131から取得した駆動信号に応じた駆動電流を対応するモータへ出力する。これにより、対応するモータが回転する。つまり、コントローラ130は、給送用モータ102を制御して、給送部16に用紙12を給送させる。また、コントローラ130は、搬送用モータ101を制御して、搬送ローラ対59及び排出ローラ対44に用紙12を搬送させる。また、コントローラ130は、キャリッジ駆動用モータ103を制御して、キャリッジ40を移動する。また、コントローラ130は、キャップ駆動用モータ104を制御して、キャップ70を被覆位置と離間位置との間で移動する。また、コントローラ130は、ワイパ駆動用モータ105を制御して、ワイパ151を当接位置と非当接位置との間で鉛直方向に移動する。
また、ASIC135には、ロータリエンコーダ65の光学センサが接続されている。コントローラ130は、ロータリエンコーダ65の光学センサから受け取った電気信号に基づいて、搬送用モータ101の回転量を算出する。また、ASIC135には、エンコーダ35が接続されている。コントローラ130は、エンコーダ35から受け取ったパルス信号に基づいて、キャリッジ40の位置や移動の有無を認識する。
また、ASIC135には、圧電素子45が接続されている。圧電素子45は、不図示のドライブ回路を介してコントローラ130により給電されることで動作する。コントローラ130は、圧電素子45への給電を制御し、複数のノズル39から選択的にインク滴を吐出させる。また、ASIC135には、液面センサ95などの状態センサが接続されている。コントローラ130は、状態センサから受け取った信号に基づいて、以下に示す画像記録処理や異常処理などを行う。
また、ASIC135には、操作部17が接続されている。ASIC135は、操作部17からボタンが押されたことを示す信号を受け取る。ASIC135は、操作部17に対してディスプレイに表示すべき内容を示す表示データを出力する。
コントローラ130は、用紙12に画像記録する際、搬送処理と印刷処理とを交互に実行する。搬送処理は、搬送ローラ対59及び排出ローラ対44に所定の改行量だけ用紙12を搬送させる処理である。コントローラ130は、搬送用モータ101を制御することにより、搬送ローラ対59及び排出ローラ対44に搬送処理を実行させる。印刷処理は、キャリッジ40を左右方向9に沿って移動しながら、圧電素子45への給電を制御して、ヘッド38にノズル39からインク滴を吐出させる処理である。印刷処理の間、キャリッジ40は、媒体通過領域36に位置しており、プラテン42と対向している。
コントローラ130は、今回の搬送処理と次回の搬送処理との間、用紙12を一定期間停止させる。そして、用紙12が停止している間に印刷処理を実行する。つまり、コントローラ130は、印刷処理において、キャリッジ40を右向き又は左向きに移動しながら、ノズル39からインク滴を吐出させる1回のパスを実行する。これにより、用紙12に対して1パス分の画像記録が実行される。
コントローラ130は、搬送処理と印刷処理とを交互に繰り返し実行することによって、用紙12の画像記録可能な全領域に、画像記録することが可能である。つまり、コントローラ130は、複数回のパスで1枚の用紙12に画像記録させる。
なお、コントローラ130は、上記に限らず、CPU131のみが各種処理を行うものであってもよいし、ASIC135のみが各種処理を行うものであってもよいし、CPU131とASIC135とが協働して各種処理を行うものであってもよい。また、コントローラ130は、1つのCPU131が単独で処理を行うものであってもよいし、複数のCPU131が処理を分担して行うものであってもよい。また、コントローラ130は、1つのASIC135が単独で処理を行うものであってもよいし、複数のASIC135が処理を分担して行うものであってもよい。
[キャップ70の移動によるメニスカスの破壊]
複合機10において画像記録を正しく行うためには、ヘッド38のノズル39に形成されるメニスカスを維持する必要がある。しかしながら、キャップ70が被覆位置に位置している間にメンテナンスチューブ73が閉塞した場合、キャップ70が被覆位置から離間位置に移動するときに、ノズル39に形成されたメニスカスが破壊される可能性がある。
以下、キャップ70が被覆位置に位置している間に、メンテナンスチューブ73が図7(A)及び図7(B)に示される位置Zで閉塞した場合について説明される。図7(A)及び図7(B)に示されるように、メンテナンスチューブ73と廃インクタンク79との間には、切り替え弁76とポンプ77とが設けられる。切り替え弁76は、メンテナンスチューブ73をポンプ77に接続するか、大気連通口78に接続するかを切り替える。
図7(A)に示されるように、キャップ70が被覆位置に位置するとき、フレーム46の上面とキャップ70の下面との間の距離はL1である。この状態では、キャップ70の上部は、ノズル面68と当接して潰れている(高さが低くなっている)。この状態でメンテナンスチューブ73が位置Zで閉塞すると、ヘッド38とキャップ70とによって密閉空間75が形成される。密閉空間75内の気体の圧力は、大気圧に等しい。
図7(B)には、キャップ70が被覆位置から離間位置に移動する途中で、キャップ70がノズル面68からちょうど離れるときの状態が示されている。このとき、フレーム46の上面とキャップ70の下面との間の距離はL2(<L1)である。この状態では、キャップ70の上部は、ヘッド38のノズル面68とわずかに当接し、ほとんどつぶれていない。このため、図7(B)に示される状態では、図7(A)に示される状態と比べて、密閉空間75の体積は、キャップ70が潰れていた分の高さ分だけ大きくなる(図7(B)に示される斜線部の分だけ大きくなる)。したがって、図7(A)に示される状態から図7(B)に示される状態に遷移する途中で、密閉空間75内の気体の圧力は減少し、密閉空間75内に負の内圧が発生する。
図7(C)に示されるように、ノズル39の先端部分のインク(斜線部)には、下向きの水頭圧Pと、下向きの内圧Pと、上向きのメニスカス耐圧Pとが作用する。水頭圧Pと内圧Pとの和がメニスカス耐圧P以下のときには、ノズル39に形成されるメニスカスは維持される。一方、水頭圧Pと内圧Pとの和がメニスカス耐圧Pより大きいときには、ノズル39に形成されるメニスカスは破壊される。メニスカスが維持される条件は次式(1)で与えられ、メニスカスが破壊される条件は次式(2)で与えられる。
+P≦P …(1)
+P>P …(2)
内圧Pとメニスカス耐圧Pとは、複合機10の構成やインク99の特性などによって定まり、複合機10の動作中は一定である。一方、水頭圧Pは、貯留部80に貯留されたインク99の液面の高さに応じて変化し、インク99の液面の高さが高いほど大きくなる。したがって、貯留部80に貯留されたインク99の液面の高さが高いほど、キャップ70が被覆位置から離間位置に移動したときに、ノズル39に形成されるメニスカスは破壊されやすい。
そこで、複合機10のコントローラ130は、貯留部80に貯留されたインク99の液面が所定位置より高い場合には、キャップ70をヘッド38から離間させた後、ワイパ151によりノズル39に対してワイプを実行し、その後に画像記録のためにノズル39からインク99を吐出させる。コントローラ130は、貯留部80に貯留されたインク99の液面が所定位置より高くない場合には、キャップ70をヘッド38から離間させた後、ワイプを実行することなく、画像記録のためにノズル39からインク99を吐出させる。具体的には、コントローラ130は、キャップ70を被覆位置から離間位置に移動する指示を受けたことに応じて、貯留部80に貯留されたインク99の液面の高さを示す液面情報に基づいて、ワイプを実行するかを判断し、ワイプを実行すると判断したことに応じて、ワイパ151を当接位置に位置させてキャリッジ40を移動する。
[コントローラ130の動作]
以下、図8に示されるフローチャートを参照しながら、コントローラ130の動作が説明される。初期状態では、キャリッジ40は、左右方向9において媒体通過領域36の右の待機位置に位置しており、プラテン42と対向していない。キャップ70は、被覆位置に位置する。
複合機10の操作部17(図1参照)や複合機10と接続された外部機器などから、印刷指示がコントローラ130へ送られる。また、コントローラ130は、印刷指示以外に、パージを伴わないフラッシング指示、及びパージを伴うフラッシング指示を受け取る。パージを伴わないフラッシングとは、パージを実行せずにフラッシングを実行することをいい、「パージなしフラッシング」と称される。パージなしフラッシングには、例えば、定期的に実行されるフラッシングや、印刷前のフラッシングなどが含まれる。パージを伴うフラッシングとは、パージとフラッシングの両方を実行することをいい、「パージありフラッシング」と称される。コントローラ130は、印刷指示、パージなしフラッシング指示、或いはパージありフラッシング指示を受け取ると、キャップ70を被覆位置から離間位置に移動し、キャリッジ40を移動して指示された動作を実行し、キャリッジ40を待機位置に移動してキャップ70を離間位置から被覆位置に移動する。
図8に示されるように、コントローラ130は、指示を受け取ると(S1)、受け取った指示の種類に応じてS10又はS20へ進む(S2)。具体的には、コントローラ130は、受け取った指示が印刷指示又はパージなしフラッシング指示であることに応じてS10へ進み、受け取った指示がパージありフラッシング指示であることに応じてS20へ進む。
S10において、コントローラ130は、パージ後の経過時間を取得する。パージ後の経過時間とは、前回パージを実行してからの経過時間をいう。コントローラ130は、S10において、例えば、前回パージを行った後にS21で起動されるタイマから、パージ後の経過時間を示すタイマ値を取得する。タイマ値は、経過時間情報の一例である。
次に、コントローラ130は、S10でパージ後の経過時間を取得できたかを判断する(S11)。コントローラ130は、パージ後の経過時間を取得できたと判断したことに応じて(S11:Yes)、S12へ進む。コントローラ130は、パージ後の経過時間を取得できなかったと判断したことに応じて(S11:No)、S13へ進む。
S12において、コントローラ130は、パージ後の経過時間が所定時間を超えているかを判断する。コントローラ130は、パージ後の経過時間が所定時間を超えていると判断したことに応じて(S12:Yes)、S13へ進む。コントローラ130は、パージ後の経過時間が所定時間を超えていないと判断したことに応じて(S12:No)、S19へ進む。
S13において、コントローラ130は、液面センサ95の出力信号を液面情報として取得する(S13)。次に、コントローラ130は、S13で取得した液面情報に基づいて、貯留部80に貯留されたインク99の液面が所定位置より高いかを判断する(S14)。コントローラ130は、液面が所定位置より高いと判断したことに応じて(S14:Yes)、S15へ進む。コントローラ130は、液面が所定位置を高くないと判断したことに応じて(S14:No)、S19へ進む。
コントローラ130は、(1)パージ後の経過時間が所定時間を超えており、且つ貯留部80に貯留されたインク99の液面が所定位置より高い場合、又は(2)パージ後の経過時間を取得できず、且つ貯留部80に貯留されたインク99の液面が所定位置より高い場合に、S15に到達する。パージ後の経過時間が所定時間を超えている場合には、メンテナンスチューブ73が閉塞している可能性がある。パージ後の経過時間を取得できない場合にも、パージ後の経過時間が実際には長く、メンテナンスチューブ73が閉塞している可能性がある。貯留部80に貯留されたインク99の液面の高さが所定位置より高い場合には、ノズル39の先端部分のインクに下向きに作用する水頭圧Pは大きい。したがって、コントローラ130がS15に到達した場合、キャップ70が被覆位置から離間位置に移動したときに、ノズル39に形成されたメニスカスが破壊される可能性があると考えられる。
そこで、コントローラ130は、S15に到達した場合には、キャップ70を被覆位置から離間位置に移動し(S15)、次にワイパ151によりノズル39に対してワイプを実行する(S16)。次に、コントローラ130は、S1で受け取った指示に従い、印刷又はフラッシングを実行する(S17)。具体的には、コントローラ130は、S1で印刷指示を受け取ったことに応じて印刷を実行し、S1でパージなしフラッシング指示を受け取ったことに応じてフラッシングを実行する。次に、コントローラ130は、キャップ70を離間位置から被覆位置に移動する(S18)。コントローラ130は、S18を実行した後、S1に進む。
コントローラ130は、(1)パージ後の経過時間を取得でき、且つパージ後の経過時間が所定時間を超えていない場合、又は(2)貯留部80に貯留されたインク99の液面が所定位置より高くない場合に、S19に到達する。パージ後の経過時間が所定時間を超えていない場合には、メンテナンスチューブ73が閉塞している可能性はほとんどない。貯留部80に貯留されたインク99の液面が所定位置より高くない場合には、ノズル39の先端部分のインクに下向きに作用する水頭圧Pは小さい。したがって、コントローラ130がS19に到達した場合、キャップ70が被覆位置から離間位置に移動したときに、ノズル39に形成されたメニスカスが破壊される可能性はないと考えられる。
そこで、コントローラ130は、S19に到達した場合には、キャップ70を被覆位置から離間位置に移動し(S19)、ノズル39に対してワイプを実行することなく(S16不実行)、S1で受け取った指示に従い、印刷又はフラッシングを実行する(S17)。次に、コントローラ130は、キャップ70を離間位置から被覆位置に移動する(S18)。コントローラ130は、S18を実行した後、S1に進む。
S20において、コントローラ130は、キャップ70が被覆位置に位置する状態で、パージを実行する。次に、コントローラ130は、パージ後の経過時間を測定するタイマを起動する(S21)。次に、コントローラ130は、キャップ70を被覆位置から離間位置に移動する(S22)。次に、コントローラ130は、ワイパ151によりノズル39に対してワイプを実行する(S23)。次に、コントローラ130は、フラッシングを実行する(S24)。次に、コントローラ130は、キャップ70を離間位置から被覆位置に移動する(S25)。コントローラ130は、S25を実行した後、S1へ進む。
コントローラ130は、S15、S19、及びS22において、大気連通孔85が開放された状態で、キャップ70を被覆位置から離間位置に移動する。コントローラ130は、S16及びS23において、ワイパ151を当接位置に位置させてキャリッジ40を移動することにより、ワイプを実行する。コントローラ130は、S17において印刷を実行するときには、1枚の用紙に画像記録を実行する処理を繰り返す。1枚の用紙に画像記録を実行する処理において、コントローラ130は、キャリッジ40を移動しながら画像記録のためにノズル39からインク99を吐出させる処理、及び、キャリッジ40を停止して用紙12を搬送向き15に搬送する処理などを行う。コントローラ130は、S17及びS24においてフラッシングを実行するときには、図5に示される方法を用いて、ワイプの実行位置でフラッシングを実行する。
なお、ここでは、コントローラ130が正常に画像記録を行う場合について説明したが、コントローラ130は、画像記録を行いながら、異常を検出する処理と、異常を検出した時の処理(いずれも不図示)とを実行してもよい。また、ここでは、コントローラ130は、S21においてタイマを起動し、S10においてS21で起動したタイマのタイマ値を経過時間情報として取得することとした。これに代えて、コントローラ130は、S21においてその時点の時刻をメモリ140に記憶させ、S10においてその時点の時刻とメモリ140に記憶された時刻との差を経過時間情報として取得してもよい。
[実施形態の効果]
本実施形態に係る複合機10では、貯留部80に貯留されたインク99の液面が所定位置より高い場合には、キャップ70をヘッド38から離間すると、ヘッド38のノズル39に形成されたメニスカスが破壊される可能性があるので、コントローラ130はワイプを実行する。これにより、インク99の吐出機能を維持できる。一方、貯留部80に貯留されたインク99の液面が所定位置より高くない場合には、キャップ70をヘッド38から離間してもメニスカスは維持されるので、コントローラ130はワイプを実行しない。これにより、不要なワイプを減らし、ワイプを効果的に実行できる。
コントローラ130は、ワイプを実行する前に、ワイプを実行する前に、ヘッド38のノズル面68に当接しない非当接位置に位置するワイパ151にインク99を吐出させるフラッシングを実行する。これにより、ヘッド38の乾拭きを減らせる。
コントローラ130は、キャップ70がヘッド38のノズル面68を覆う状態でパージを行い、パージ後の経過時間が所定時間を超えている場合には、貯留部80に貯留されたインク99の液面の高さに基づいて、ワイプを実行するかを判断し、判断結果に従いワイプを実行する。このため、キャップ70をヘッド38から離間するときにワイプが実行されるのは、パージ処理後の経過時間が所定時間を超えているときに限られる。キャップ70をヘッド38から離間してもメニスカスが維持される場合にはワイプを実行しないので、ワイプを効果的に実行できる。
コントローラ130は、パージ後の経過時間を取得できない場合には、貯留部80に貯留されたインク99の液面の高さに基づいて、ワイプを実行するかを判断し、判断結果に従いワイプを実行する。パージ処理後の経過時間を取得できないときには、キャップ70をヘッド38から離間すると、ヘッド38のノズル39に形成されたメニスカスが破壊される可能性がある。このときでも、必要なワイプを実行できる。
[第1から第4変形例]
上記実施形態に係る複合機10については、各種の変形例を構成することができる。上記実施形態では、記録部24には貯留部80が1つだけ設けられているが、第1から第4変形例に係る複合機では、図9に示されるように、記録部24には4つの貯留部80M、80C、80Y、80Bが設けられている。
貯留部80Mには、マゼンタのインク(不図示)が貯留されている。貯留部80Cには、シアンのインク(不図示)が貯留されている。貯留部80Yには、イエローのインク(不図示)が貯留されている。貯留部80Bには、ブラックのインク(不図示)が貯留されている。貯留部80M、80C、80Y、80Bは、左右方向9に並んで配置されている。大気連通孔85は、貯留部80M、80C、80Y、80Bのそれぞれに設けられている。なお、貯留部80M、80C、80Y、80Bは、左右方向9以外、例えば前後方向8に並んで配置されていてもよい。また、貯留部80M、80C、80Y、80Bの配列順序は、図9に示された順序に限らない。また、各貯留部80M、80C、80Y、80Bの大きさは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
ヘッド38は、貯留部80Mに接続されたノズル39M、貯留部80Cに接続されたノズル39C、貯留部80Yに接続されたノズル39Y、及び貯留部80Bに接続されたノズル39Bを有する。ヘッド38を下から視た場合、図10(A)に示されるように、ノズル39Mが前後方向8に並ぶ列、ノズル39Cが前後方向8に並ぶ列、ノズル39Yが前後方向8に並ぶ列、及びノズル39Bが前後方向8に並ぶ列が、左右方向9に並ぶ。
貯留部80M、80C、80Y、80Bのそれぞれには、回動部材90及び液面センサ95(図示せず)が設けられる。コントローラ130は、4つの液面センサ95から、貯留部80M、80C、80Y、80Bに貯留されたインク99の液面の高さを示す4つの液面情報をそれぞれ取得する。メモリ140は、インク99の液面の高さに関する閾値を記憶している。
第1変形例に係る複合機では、コントローラ130は、キャップ70を被覆位置から離間位置に移動する指示を受けたことに応じて、4つの液面情報とメモリ140に記憶された閾値とに基づいて、ノズル39M、39C、39Y、39Bについてフラッシングを実行するかを決定する。コントローラ130は、液面情報が示す液面の高さが所定位置より高くなく、キャップ70をヘッド38から離間しても、メニスカスが維持されるノズル39についてフラッシングを実行すると決定する。コントローラ130は、フラッシングを実行すると決定したノズル39からワイパ151にインク99を吐出させる。このようにしてコントローラ130は、ノズル39M、39C、39Y、39Bからワイパ151にインクを吐出させるフラッシングを実行するかを切り換える。
以下、貯留部80M、80C、80Y、80Bの一部を第1貯留部とし、残りの貯留部の全部又は一部を第2貯留部とし、ノズル39M、39C、39Y、39Bのうち第1貯留部に接続されたノズルを第1ノズルとし、第2貯留部に接続されたノズルを第2ノズルとし、4つの液面のうち第1貯留部の液面を第1液面とし、第2貯留部の液面を第2液面とする。
第1変形例に係る複合機では、コントローラ130は、第1液面及び第2液面の少なくとも一方が所定位置より高い場合には、キャップ70をヘッド38から離間させた後、ワイパ151により第1ノズル及び第2ノズルの少なくとも一方に対してワイプを実行し、その後に画像記録のために第1ノズル及び第2ノズルからインクを吐出させる。コントローラ130は、第1液面及び第2液面が所定位置より高くない場合には、キャップ70をヘッド38から離間させた後、ワイプを実行することなく、画像記録のために第1ノズル及び第2ノズルからインクを吐出させる。また、コントローラ130は、ワイプを実行する前に、ヘッド38のノズル面68に当接しない位置に位置するワイパ151に第1ノズル及び第2ノズルからインクを吐出させる。コントローラ130は、第1液面が所定位置より高くない場合には、第1ノズルからワイパ151にインクを吐出させ、第2液面が所定位置より高くない場合には、第2ノズルからワイパ151にインクを吐出させる。
したがって、複数の貯留部を備えた液体吐出装置において、不要なワイプを減らし、ワイプを効果的に実行できる。また、ワイプを実行する前に、キャップ70をヘッド38から離間しても、メニスカスが維持されるノズル39からワイパ151にインク99を吐出させるフラッシングを実行することにより、ヘッド38の乾拭きを減らせる。
なお、コントローラ130は、第1液面の高さ及び第2液面の高さに基づいて、第1ノズルからワイパ151に液体を吐出させるかを切り換えると共に、第2ノズルからワイパ151に液体を吐出させるかを切り換えてもよい。
第2変形例に係る複合機では、コントローラ130は、ワイプの実行開始位置を切り換えることにより、ノズル39M、39C、39Y、39Bに対してワイプを実行するかを切り替える。
コントローラ130は、キャップ70を被覆位置から離間位置に移動する指示を受けたことに応じて、4つの液面情報に基づいて、ノズル39M、39C、39Y、39Bに対してワイプを実行するかを判断する。このとき、ノズル39M、39C、39Y、39Bに対してワイプを実行すると判断される場合(以下、第1の場合と称される)や、ノズル39M、39C、39Yに対してワイプを実行し、ノズル39Bに対してワイプを実行しないと判断される場合(以下、第2の場合と称される)などがある。
第1の場合、コントローラ130は、ノズル39Bが非当接位置に位置するワイパ151と平面視で重なるより前に(ワイパ151がヘッド38を基準として図10(B)に実線で示される位置に位置するときに)、ワイパ151を非当接位置から当接位置に鉛直方向に移動する。コントローラ130は、ノズル39Mが当接位置に位置するワイパ151と平面視で重なった後に(ワイパ151がヘッド38を基準として図10(B)に破線で示される位置に位置するときに)、ワイパ151を当接位置から非当接位置に鉛直方向に移動する。ワイパ151が当接位置にある間にキャリッジ40が左向きに移動すると、ワイパ151はノズル39B、39Y、39C、39Mに順に当接する。したがって、ノズル39B、39Y、39C、39Mに対してワイプがこの順に実行される。
第2の場合、コントローラ130は、ノズル39Bが非当接位置に位置するワイパ151と平面視で重なった後で、且つノズル39Yが非当接位置に位置するワイパ151と平面視で重なる前に(ワイパ151がヘッド38を基準として図10(C)に実線で示される位置に位置するときに)、ワイパ151を非当接位置から当接位置に鉛直方向に移動する。コントローラ130は、ノズル39Mが当接位置に位置するワイパ151と平面視で重なった後に(ワイパ151がヘッド38を基準として図10(C)に破線で示される位置に位置するときに)、ワイパ151を当接位置から非当接位置に鉛直方向に移動する。ワイパ151が当接位置にある間にキャリッジ40が左向きに移動すると、ワイパ151は、ノズル39Y、39C、39Mに順に当接する。したがって、ノズル39Y、39C、39Mに対してワイプがこの順に実行され、ノズル39Bに対してワイプは実行されない。
第2変形例に係る複合機では、コントローラ130は、第1液面の高さ及び第2液面の高さに基づいて、ワイプの実行開始位置を切り換える。コントローラ130は、第1液面及び第2液面の少なくとも一方が所定位置より高い場合には、ヘッド38のノズル面68に当接可能な当接位置にワイパ151を位置させて、キャリッジ40を移動する。第1液面が所定位置より高い場合にワイパ151が当接位置に位置するのは、キャリッジ40の移動によって第1ノズルとワイパ151とが平面視で重なるより前である。第1液面が所定位置より高くなく、且つ第2液面が所定位置より高い場合にワイパ151が当接位置に位置するのは、キャリッジ40の移動によって第1ノズルとワイパ152とが平面視で重なった後、且つ第2ノズルとワイパ151とが平面視で重なるより前である。
第2変形例に係る複合機によれば、ワイプの実行開始位置を切り換えることにより、複数の貯留部80M、80C、80Y、80Bの中から選択された貯留部80に接続されたノズル39に対してワイプを実行し、ワイプを効果的に実行できる。
なお、コントローラ130は、4つの液面情報に基づいて、ワイプの実行開始位置に加えて、ワイプの実行終了位置を切り換えてもよい。コントローラ130は、4つの液面情報に基づいて、ワイプの実行終了位置だけを切り換えてもよい。コントローラ130は、4つの液面情報に基づいて、複数のワイプの実行開始位置を切り換えてもよく、複数のワイプの実行終了位置を切り換えてもよい。ワイプの実行開始位置とワイプの実行終了位置を切り換えることにより、ノズル39M、39C、39Y、39Bに対してワイプを実行するかを切り替え可能である。コントローラ130は、第1液面の高さ及び第2液面の高さに基づいて、第1ノズルに対してワイプを実行するかを切り換えると共に、第2ノズルに対してワイプを実行するかを切り換えてもよい。
第3変形例に係る複合機では、コントローラ130は、複数のワイパ152、153を用いることにより、ノズル39M、39C、39Y、39Bに対してワイプを実行するかを切り替える。
図11に示される例では、ワイパ152、153は、独立して、当接位置と非当接位置との間で鉛直方向に移動すると共に、前後方向8にも移動する。ワイパ152は、ノズル39Bをワイプ可能なものである。ワイパ153は、ワイパ152とは独立して、ノズル39M、39C、39Yをワイプ可能なものである。コントローラ130は、ワイプを実行する前に、当接位置に位置するワイパ152がノズル39Bに当接し、且つ当接位置に位置するワイパ153がノズル39Y、39C、39Mに当接する位置(以下、ワイプ実行可能位置と称される)にキャリッジ40を位置させる。キャリッジ40がワイプ実行可能位置に位置するとき、非当接位置に位置するワイパ152、153は、ヘッド38の後方に位置する。
コントローラ130は、キャップ70を被覆位置から離間位置に移動する指示を受けたことに応じて、4つの液面情報に基づいて、ノズル39M、39C、39Y、39Bに対してワイプを実行するかを判断する。このとき、ノズル39Bに対してのみワイプを実行すると判断される場合(以下、第3の場合と称される)や、ノズル39M、39C、39Yに対してワイプを実行し、ノズル39Bに対してワイプを実行しないと判断される場合(第2の場合)などがある。
第3の場合、コントローラ130は、キャリッジ40をワイプ実行可能位置に位置させて、ワイパ152を非当接位置から当接位置に鉛直方向に移動し、ワイパ152をヘッド38の後方からヘッド38の前方へ(図11(A)に実線で示される位置から図11(A)に破線で示される位置へ)移動する。このとき、当接位置に位置するワイパ152は、ノズル39Bに当接する。したがって、ノズル39Bに対してワイプが実行される。
第2の場合、コントローラ130は、キャリッジ40をワイプ実行可能位置に位置させて、ワイパ153を当接位置から非当接位置に鉛直方向に移動し、ワイパ153をヘッド38の後方からヘッド38の前方へ(図11(B)に実線で示される位置から図11(B)に破線で示される位置へ)移動する。このとき、当接位置に位置するワイパ153は、ノズル39M、39C、39Yに当接する。したがって、ノズル39M、39C、39Yに対してワイプが実行される。
第3変形例に係る複合機では、コントローラ130は、第1液面の高さに基づいて、ワイパ152により第1ノズルに対してワイプを実行するかを切り換えると共に、第2液面の高さに基づいて、ワイパ153により第2ノズルに対してワイプを実行するかを切り換える。コントローラ130は、第1液面が所定位置より高い場合には、ヘッド38のノズル面68に当接可能な位置にワイパ152を位置させて、ワイパ152を移動し、第2液面が所定位置より高い場合には、ヘッド38のノズル面68に当接可能な位置にワイパ153を位置させて、ワイパ153を移動する。
第3変形例に係る複合機によれば、複数のワイパを用いることにより、複数の貯留部80M、80C、80Y、80Bの中から選択された貯留部80に接続されたノズル39に対してワイプを実行し、ワイプを効果的に実行できる。
なお、複合機は、独立して、ノズル39M、39C、39Y、39Bに対してワイプを実行可能な4つのワイパを有していてもよい。複数のワイパを用いることにより、ノズル39M、39C、39Y、39Bに対してワイプを実行するかを切り替え可能である。
第4変形例に係る複合機では、コントローラ130は、4つの液面情報に基づいて、ワイプの実行順序を切り換える。コントローラ130は、貯留部80Mに貯留されたインク99の液面の高さを示す液面情報と、貯留部80Bに貯留されたインク99の液面の高さを示す液面情報とに基づいて、ノズル39M、39Bに形成されたメニスカスが破壊される可能性があるかを判断する。このとき、ノズル39Bに形成されたメニスカスが破壊される可能性があると判断される場合(以下、第4の場合と称される)や、ノズル39Mに形成されたメニスカスが破壊される可能性があると判断される場合(以下、第5の場合と称される)などがある。
第4の場合、コントローラ130は、ノズル39M、39C、39Y、39Bに対して右から左の順序(ノズル39B、39Y、39C、39Mの順序)でワイプを実行する。この場合、コントローラ130は、ワイプ実行時にキャリッジ40を左向きに移動する。コントローラ130は、ノズル39Bが非当接位置に位置するワイパ151と平面視で重なるより前に(ワイパ151がヘッド38を基準として図12(A)に実線で示される位置に位置するときに)、ワイパ151を非当接位置から当接位置に鉛直方向に移動する。コントローラ130は、ノズル39Mが当接位置に位置するワイパ151と平面視で重なった後に(ワイパ151がヘッド38を基準として図12(A)に破線で示される位置に位置するときに)、ワイパ151を当接位置から非当接位置に鉛直方向に移動する。ワイパ151が当接位置にある間にキャリッジ40が左向きに移動すると、ワイパ151はノズル39B、39Y、39C、39Mにこの順序で当接する。したがって、ワイプは、ノズル39B、39Y、39C、39Mの順序で実行される。
第5の場合、コントローラ130は、ノズル39M、39C、39Y、39Bに対して左から右の順序(ノズル39M、39C、39Y、39Bの順序)でワイプを実行する。この場合、コントローラ130は、ワイプ実行時にキャリッジ40を右向きに移動する。コントローラ130は、ノズル39Mが非当接位置に位置するワイパ151と平面視で重なるより前に(ワイパ151がヘッド38を基準として図12(B)に実線で示される位置に位置するときに)、ワイパ151を非当接位置から当接位置に鉛直方向に移動する。コントローラ130は、ノズル39Bが当接位置に位置するワイパ151と平面視で重なった後に(ワイパ151がヘッド38を基準として図12(B)に破線で示される位置に位置するときに)、ワイパ151を当接位置から非当接位置に鉛直方向に移動する。ワイパ151が当接位置にある間にキャリッジ40が右向きに移動すると、ワイパ151は、ノズル39M、39C、39Y、39Bにこの順序で当接する。したがって、ワイプは、ノズル39M、39C、39Y、39Bの順序で実行される。
第4変形例に係る複合機では、コントローラ130は、第1液面の高さ及び第2液面の高さに基づいて、ワイプの実行順序を切り換える。コントローラ130は、第1液面が所定位置より高く、且つ第2液面が所定位置より高くない場合には、ヘッド38のノズル面68に当接可能な当接位置にワイパ151を位置させて、ワイパ151が第2ノズルより前に第1ノズルに当接する向き(左向き)にキャリッジ40を移動し、第1液面が所定位置より高くなく、且つ第2液面が所定位置より高い場合には、当接位置にワイパ151を位置させて、ワイパ151が第1ノズルより前に第2ノズルに当接する向き(右向き)にキャリッジ40を移動する。
第4変形例に係る複合機によれば、ワイプの実行順序を切り換えることにより、ワイプを効果的に実行できる。
上記実施形態、並びに第1、第2、及び第4変形例では、コントローラ130は、ワイプを実行する場合に、ワイパ151を当接位置に位置させて、キャリッジ40を左右方向9に移動することとした。第3変形例では、コントローラ130は、ワイプを実行する場合に、ワイパ152、153を当接位置に位置させて、ワイパ152、153を前後方向8に移動することとした。コントローラ130は、ワイプを実行する場合に、ワイパに代えてキャリッジ40を、ワイパがヘッド38のノズル面68に当接する位置に位置させてもよい。また、コントローラ130は、ワイプを実行する場合に、キャリッジ40に代えてワイパを移動させてもよい。コントローラ130は、ワイプを実行する場合に、ワイパがヘッド38のノズル面68に当接可能な位置にワイパ又はキャリッジ40を位置させて、キャリッジ40及びワイパのいずれか一方を移動すればよい。
[他の変形例]
上記実施形態では、貯留部80は、キャリッジ40に据え付けられており、注入口83からインクが注入されることによってインクが補充されていた。しかし、貯留部80は、このような構成に限らない。例えば、貯留部80は、キャリッジ40に着脱可能なカートリッジであってもよい。この場合、カートリッジに貯留されたインクが少なくなる、或いはなくなると、新しいカートリッジと取り換えられる。
上記実施形態では、液面センサ95は、回動部材90の状態変化を検知することとしたが、液面センサは、貯留部80内に設けられたプリズムで反射した光を検知するものでもよく、貯留部80内に設けられた2つの電極の間に流れる電流を検知するものでもよい。
上記実施形態では、貯留部80の上壁82には大気連通孔85だけが設けられているが、図13(A)および(B)に示されるように、大気連通孔85にはラビリンス構造や半透膜が設けられていてもよい。
図13(A)に示される例では、大気連通孔85は、貯留部80の上壁82に溝状に形成されており、上側がフィルム162によって閉塞されている。大気連通孔85の一端は、開口163を介して貯留部80の内部空間81に連通している。大気連通孔85の他端は、上壁82に形成された大気連通口161を介して外部に連通している。大気連通孔85は、前後方向8のUターンを繰り返しつつ左右方向9に沿って延びるラビリンス構造164を有している。
図13(B)に示される例では、大気連通孔85の他端に連通する大気連通口161には、大気連通口161を閉塞する半透膜165が貼付されている。半透膜165は、インクの通過を遮断しかつ気体の通過を許容する微小な孔を有する多孔質膜である。例えば、半透膜165は、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン-エチレン共重合体などのフッ素樹脂からなる。これにより、貯留部80の内部空間81に貯留されたインク99は、半透膜165によって阻まれて、大気連通孔85及び大気連通口161を介して貯留部80の外部へ流出しない。一方、空気は、貯留部80の内部空間81と外部との間を自由に移動できる。
大気連通孔85は、大気連通口161を閉塞する半透膜165を有しているが、ラビリンス構造164を有していなくてもよい。このように大気連通孔85は、ラビリンス構造164又は半透膜165の少なくともいずれか一方を有するものであってもよい。
上記実施形態では、大気連通孔85にバルブユニットは設けられていないが、大気連通孔85にバルブユニットが設けられていてもよい。このバルブユニットは、貯留部80の内部空間と外部とを連通状態と閉塞状態とに切り換える。コントローラ130は、バブルユニットを連通状態にした上で、キャップ70を被覆位置から離間位置に移動する。また、上記実施形態および上記変形例の特徴をその性質に反しない限り任意に組合せて、各種の複合機(液体吐出装置)を構成してもよい。
8・・・前後方向
9・・・左右方向(第1方向)
10・・・複合機(液体吐出装置)
38・・・ヘッド
39・・・ノズル
40・・・キャリッジ
68・・・ノズル面
70・・・キャップ
78、161・・・大気連通口
80・・・貯留部
85・・・大気連通孔
99・・・インク(液体)
130・・・コントローラ
151~153・・・ワイパ

Claims (25)

  1. 液体が液面を形成して貯留される貯留部と、
    上記貯留部に貯留された液体を吐出するノズルを有するヘッドと、
    上記貯留部及び上記ヘッドを搭載し、第1方向に移動するキャリッジと、
    キャップと、
    ワイパと、
    コントローラとを備え、
    上記コントローラは、
    上記液面が所定位置より高い場合には、上記キャップを上記ヘッドから離間させた後、上記ワイパにより上記ノズルに対してワイプを実行し、その後に画像記録のために上記ノズルから液体を吐出させ、
    上記液面が上記所定位置より高くない場合には、上記キャップを上記ヘッドから離間させた後、上記ワイプを実行することなく、画像記録のために上記ノズルから液体を吐出させる液体吐出装置。
  2. 上記コントローラは、上記ワイプを実行する前に、上記ノズルから上記ワイパに液体を吐出させる請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 上記コントローラは、上記ワイプを実行する場合には、上記ワイパが上記ヘッドのノズル面に当接可能な位置に上記ワイパ又は上記キャリッジを位置させて、上記キャリッジ及び上記ワイパのいずれか一方を移動する請求項1に記載の液体吐出装置。
  4. 上記コントローラは、上記ワイプを実行する前に、上記ヘッドのノズル面に当接しない位置に位置する上記ワイパに上記ノズルから液体を吐出させる請求項2に記載の液体吐出装置。
  5. 上記コントローラは、
    上記キャップが上記ヘッドのノズル面を覆う状態でパージを行い、
    上記パージを行った後の経過時間が所定時間を超えている場合には、上記液面の高さに基づいて、上記ワイプを実行するかを判断し、判断結果に従い上記ワイプを実行する請求項1から4のいずれかに記載の液体吐出装置。
  6. 上記コントローラは、上記経過時間を取得できない場合には、上記液面の高さに基づいて、上記ワイプを実行するかを判断し、判断結果に従い上記ワイプを実行する請求項5に記載の液体吐出装置。
  7. 上記貯留部は、上記貯留部の内部空間と外部とを連通する大気連通孔を有し、
    上記コントローラは、上記大気連通孔が開放された状態で、上記キャップを上記ヘッドから離間させる請求項1から6のいずれかに記載の液体吐出装置。
  8. 液体が第1液面を形成して貯留される第1貯留部と、
    液体が第2液面を形成して貯留される第2貯留部と、
    上記第1貯留部に貯留された液体を吐出する第1ノズル、及び上記第2貯留部に貯留された液体を吐出する第2ノズルを有するヘッドと、
    上記第1貯留部、上記第2貯留部、及び上記ヘッドを搭載し、第1方向に移動するキャリッジと、
    キャップと、
    ワイパと、
    コントローラとを備え、
    上記コントローラは、
    上記第1液面及び上記第2液面の少なくとも一方が所定位置より高い場合には、上記キャップを上記ヘッドから離間させた後、上記ワイパにより上記第1ノズル及び上記第2ノズルの少なくとも一方に対してワイプを実行し、その後に画像記録のために上記第1ノズル及び上記第2ノズルから液体を吐出させ、
    上記第1液面及び上記第2液面が上記所定位置より高くない場合には、上記キャップを上記ヘッドから離間させた後、上記ワイプを実行することなく、画像記録のために上記第1ノズル及び上記第2ノズルから液体を吐出させる液体吐出装置。
  9. 上記コントローラは、上記ワイプを実行する前に、上記第1ノズル及び上記第2ノズルの少なくとも一方から上記ワイパに液体を吐出させる請求項8に記載の液体吐出装置。
  10. 上記コントローラは、上記第1液面の高さ及び上記第2液面の高さに基づいて、上記第1ノズルから上記ワイパに液体を吐出させるか、及び上記第2ノズルから上記ワイパに液体を吐出させるかを切り換える請求項9に記載の液体吐出装置。
  11. 上記コントローラは、上記第1液面の高さ及び上記第2液面の高さに基づいて、上記第1ノズルに対して上記ワイプを実行するか、及び上記第2ノズルに対して上記ワイプを実行するかを切り換える請求項8から10のいずれかに記載の液体吐出装置。
  12. 上記コントローラは、上記第1液面の高さ及び上記第2液面の高さに基づいて、上記ワイプの実行開始位置を切り換える請求項11に記載の液体吐出装置。
  13. 上記コントローラは、上記第1液面の高さ及び上記第2液面の高さに基づいて、上記ワイプの実行順序を切り換える請求項8から10のいずれかに記載の液体吐出装置。
  14. 上記コントローラは、上記ワイプを実行する場合には、上記ワイパが上記ヘッドのノズル面に当接可能な位置に上記ワイパ又は上記キャリッジを位置させて、上記キャリッジ及び上記ワイパのいずれか一方を移動する請求項8に記載の液体吐出装置。
  15. 上記コントローラは、上記ワイプを実行する前に、上記ヘッドのノズル面に当接しない位置に位置する上記ワイパに上記第1ノズル及び上記第2ノズルの少なくとも一方から液体を吐出させる請求項9に記載の液体吐出装置。
  16. 上記コントローラは、
    上記第1液面が上記所定位置より高くない場合には、上記第1ノズルから上記ワイパに液体を吐出させ、
    上記第2液面が上記所定位置より高くない場合には、上記第2ノズルから上記ワイパに液体を吐出させる請求項10に記載の液体吐出装置。
  17. 上記コントローラは、
    上記第1液面が上記所定位置より高い場合には、上記第1ノズルに対して上記ワイプを実行し、
    上記第2液面が上記所定位置より高い場合には、上記第2ノズルに対して上記ワイプを実行する請求項11に記載の液体吐出装置。
  18. 上記コントローラは、上記第1液面及び上記第2液面の少なくとも一方が上記所定位置より高い場合には、上記ワイパが上記ヘッドのノズル面に当接可能な第1位置に上記ワイパ又は上記キャリッジを位置させて、上記キャリッジ及び上記ワイパのいずれか一方を移動し、
    上記第1液面が上記所定位置より高い場合に上記ワイパ又は上記キャリッジが上記第1位置に位置するのは、上記移動によって上記第1ノズルと上記ワイパとが平面視で重なるより前であり、
    上記第1液面が上記所定位置より高くなく、且つ上記第2液面が上記所定位置より高い場合に上記ワイパ又は上記キャリッジが上記第1位置に位置するのは、上記移動によって上記第1ノズルと上記ワイパとが平面視で重なった後、且つ上記第2ノズルと上記ワイパとが平面視で重なるより前である請求項12に記載の液体吐出装置。
  19. 上記コントローラは、
    上記第1液面が上記所定位置より高く、且つ上記第2液面が上記所定位置より高くない場合には、上記ワイパが上記ヘッドのノズル面に当接可能な第1位置に上記ワイパ又は上記キャリッジを位置させて、上記ワイパが上記第2ノズルより前に上記第1ノズルに当接する向きに上記キャリッジ及び上記ワイパのいずれか一方を移動し、
    上記第1液面が上記所定位置より高くなく、且つ上記第2液面が上記所定位置より高い場合には、上記第1位置に上記ワイパ又は上記キャリッジを位置させて、上記ワイパが上記第1ノズルより前に上記第2ノズルに当接する向きに上記キャリッジ及び上記ワイパのいずれか一方を移動する請求項13に記載の液体吐出装置。
  20. 液体が第1液面を形成して貯留される第1貯留部と、
    液体が第2液面を形成して貯留される第2貯留部と、
    上記第1貯留部に貯留された液体を吐出する第1ノズル、及び上記第2貯留部に貯留された液体を吐出する第2ノズルを有するヘッドと、
    上記第1貯留部、上記第2貯留部、及び上記ヘッドを搭載し、第1方向に移動するキャリッジと、
    キャップと、
    上記第1ノズルをワイプ可能な第1ワイパと、
    上記第2ノズルをワイプ可能な第2ワイパと、
    コントローラとを備え、
    上記コントローラは、
    上記第1液面及び上記第2液面の少なくとも一方が所定位置より高い場合には、上記キャップを上記ヘッドから離間させた後、上記第1ワイパ及び上記第2ワイパにより上記第1ノズル及び上記第2ノズルの少なくとも一方に対してワイプを実行し、その後に画像記録のために上記第1ノズル及び上記第2ノズルから液体を吐出させ、
    上記第1液面及び上記第2液面が上記所定位置より高くない場合には、上記キャップを上記ヘッドから離間させた後、上記ワイプを実行することなく、画像記録のために上記第1ノズル及び上記第2ノズルから液体を吐出させる液体吐出装置。
  21. 上記コントローラは、
    上記第1液面の高さに基づいて、上記第1ワイパにより上記第1ノズルに対して上記ワイプを実行するかを切り換え、
    上記第2液面の高さに基づいて、上記第2ワイパにより上記第2ノズルに対して上記ワイプを実行するかを切り換える請求項20に記載の液体吐出装置。
  22. 上記コントローラは、
    上記第1液面が上記所定位置より高い場合には、上記第1ワイパが上記ヘッドのノズル面に当接可能な位置に上記第1ワイパ又は上記キャリッジを位置させて、上記キャリッジ及び上記第1ワイパのいずれか一方を移動し、
    上記第2液面が上記所定位置より高い場合には、上記第2ワイパが上記ヘッドのノズル面に当接可能な位置に上記第2ワイパ又は上記キャリッジを位置させて、上記キャリッジ及び上記第2ワイパのいずれか一方を移動する請求項21に記載の液体吐出装置。
  23. 上記コントローラは、
    上記キャップが上記ヘッドのノズル面を覆う状態でパージを行い、
    上記パージを行った後の経過時間が所定時間を超えている場合には、上記第1液面の高さ及び上記第2液面の高さに基づいて、上記ワイプを実行するかを判断し、判断結果に従い上記ワイプを実行する請求項8から22のいずれかに記載の液体吐出装置。
  24. 上記コントローラは、上記経過時間を取得できない場合には、上記第1液面の高さ及び上記第2液面の高さに基づいて、上記ワイプを実行するかを判断し、判断結果に従い上記ワイプを実行する請求項23に記載の液体吐出装置。
  25. 上記第1貯留部は、上記第1貯留部の内部空間と外部とを連通する第1大気連通孔を有し、
    上記第2貯留部は、上記第2貯留部の内部空間と外部とを連通する第2大気連通孔を有し、
    上記コントローラは、上記第1大気連通孔及び上記第2大気連通孔が開放された状態で、上記キャップを上記ヘッドから離間させる請求項8から24のいずれかに記載の液体吐出装置。
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