JP2023046472A - 車両の出庫支援装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】自動運転モードから手動運転モードへの切り替えに関し、ドライバの負担を効果的に軽減する。【解決手段】車両周囲情報を取得する情報取得部(40)と、車両(SV)を出庫させる際に、車両周囲情報に基づいて、車両(SV)を目標位置(Ptgt)まで移動させる移動経路(MP)を設定するとともに、移動経路(MP)に沿って車両(SV)を走行させる出庫支援制御を実施する制御部(90)とを備える。制御部(90)は、移動経路(MP)に沿って走行する車両(SV)が物体に最も接近する所定位置(Pfa,Psa)を通過することを終了許可条件とし、該終了許可条件が成立するまでの経路は、ドライバの終了要求を検知しても、出庫支援制御を実施する自動運転モードを継続し、終了許可条件の成立以降は、ドライバの終了要求を検知すると、手動運転モードに切り替えて出庫支援制御を終了する。【選択図】図1
Description
本発明は、車両の出庫支援装置に関する。
特許文献1は、車両に搭載された周囲センサの情報に基づいて駐車スペースから出庫完了位置までの移動経路を決定するとともに、車両を決定した移動経路に沿って自動走行させる出庫支援装置を開示する。特許文献1記載の装置は、出庫支援制御中にドライバのステアリング操作を検知すると、自動運転モードから手動運転モードに切り替えることにより出庫支援を終了する。
出庫支援中にドライバが自動運転モードを手動運転モードに切り替えるタイミングは、ドライバの運転技量や出庫時の周囲の状況によって様々に異なる。このため、装置が出庫支援を開始した時から、ドライバのステアリング操作により何時でも自動運転モードを手動運転モードに切り替えられるようにすると、例えば、車両が障害物に接近しながら走行する区間等、出庫支援制御に委ねる方が車両を安全に走行させられる区間であっても、ドライバのステアリング操作により自動運転モードが手動運転モードに切り替わってしまう。当該区間で手動運転モードに切り替わると、ドライバは障害物に注意を払いながら手動操作により車両を走行させなければならず、ドライバの負担を増大させるといった課題がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされた。即ち、本発明の目的の一つは、自動運転モードから手動運転モードへの切り替えに関し、ドライバの負担を効果的に軽減することができる出庫支援装置を提供することである。
本発明の出庫支援装置(10)は、
車両(SV)の周囲の物体についての情報を含む車両周囲情報を取得する情報取得部(40)と、
駐車領域(100)に並列駐車された前記車両(SV)を走行路領域(200)に出庫させる際に、前記車両周囲情報に基づいて、前記車両(SV)を前記駐車領域(100)から前記走行路領域(200)内の所定の目標位置(Ptgt)まで移動させる移動経路(MP)を設定するとともに、該移動経路(MP)に沿って前記車両(SV)を走行させるための制御量を設定し、該制御量に基づいて前記車両(SV)の走行を制御する出庫支援制御を実施する制御部(90)と、を備える。
車両(SV)の周囲の物体についての情報を含む車両周囲情報を取得する情報取得部(40)と、
駐車領域(100)に並列駐車された前記車両(SV)を走行路領域(200)に出庫させる際に、前記車両周囲情報に基づいて、前記車両(SV)を前記駐車領域(100)から前記走行路領域(200)内の所定の目標位置(Ptgt)まで移動させる移動経路(MP)を設定するとともに、該移動経路(MP)に沿って前記車両(SV)を走行させるための制御量を設定し、該制御量に基づいて前記車両(SV)の走行を制御する出庫支援制御を実施する制御部(90)と、を備える。
前記制御部(90)は、
前記移動経路(MP)に沿って走行する前記車両(SV)が前記物体に最も接近する所定位置(Pfa,Psa)を通過することを終了許可条件とし、前記出庫支援制御の開始から前記終了許可条件が成立するまでの経路を前記車両が走行している間に、ドライバの終了要求を検知しても、前記出庫支援制御を実施する自動運転モードを継続し、前記終了許可条件の成立以降の経路を前記車両が走行している間に、ドライバの終了要求を検知すると、自動運転モードを手動運転モードに切り替えて前記出庫支援制御を終了する。
前記移動経路(MP)に沿って走行する前記車両(SV)が前記物体に最も接近する所定位置(Pfa,Psa)を通過することを終了許可条件とし、前記出庫支援制御の開始から前記終了許可条件が成立するまでの経路を前記車両が走行している間に、ドライバの終了要求を検知しても、前記出庫支援制御を実施する自動運転モードを継続し、前記終了許可条件の成立以降の経路を前記車両が走行している間に、ドライバの終了要求を検知すると、自動運転モードを手動運転モードに切り替えて前記出庫支援制御を終了する。
以上の構成によれば、車両(SV)が物体に最も接近する所定位置(Pfa,Psa)を通過するまでは、ドライバが終了要求を行っても、出庫支援制御を継続する。これにより、ドライバは、車両(SV)の走行を出庫支援制御に委ねながら所定位置(Pfa,Psa)を確実に通過することができ、ドライバの負担を効果的に低減することができる。また、車両(SV)が所定位置(Pfa,Psa)を通過した後は、ドライバの運転技量や出庫時の周囲の状況に応じて、ドライバが望むタイミングで自動運転モードを手動運転モードに切り替えることができる。
本発明の他の態様において、出庫支援装置(10)は、
車両(SV)の周囲の物体についての情報を含む車両周囲情報を取得する情報取得部(40)と、
駐車領域(100)に縦列駐車された前記車両(SV)を走行路領域(200)に出庫させる際に、前記車両周囲情報に基づいて、前記車両(SV)を前記駐車領域(100)から前記走行路領域(200)内の所定の目標位置(Ptgt)まで移動させる移動経路(MP)を設定するとともに、該移動経路(MP)に沿って前記車両(SV)を走行させるための少なくとも目標操舵角を含む制御量を設定し、該制御量に基づいて前記車両(SV)の走行を制御する出庫支援制御を実施する制御部(90)と、を備える。
車両(SV)の周囲の物体についての情報を含む車両周囲情報を取得する情報取得部(40)と、
駐車領域(100)に縦列駐車された前記車両(SV)を走行路領域(200)に出庫させる際に、前記車両周囲情報に基づいて、前記車両(SV)を前記駐車領域(100)から前記走行路領域(200)内の所定の目標位置(Ptgt)まで移動させる移動経路(MP)を設定するとともに、該移動経路(MP)に沿って前記車両(SV)を走行させるための少なくとも目標操舵角を含む制御量を設定し、該制御量に基づいて前記車両(SV)の走行を制御する出庫支援制御を実施する制御部(90)と、を備える。
前記制御部(90)は、
前記移動経路(MP)に沿って走行する前記車両(SV)が、その時の前記目標操舵角を維持して前進すれば前記目標位置(Ptgt)まで移動することができる所定位置(Paf)に到達することを終了許可条件とし、前記出庫支援制御の開始から前記終了許可条件が成立するまでの経路を前記車両が走行している間に、ドライバの終了要求を検知しても、前記出庫支援制御を実施する自動運転モードを継続し、前記終了許可条件の成立以降の経路を前記車両が走行している間に、ドライバの終了要求を検知すると、自動運転モードを手動運転モードに切り替えて前記出庫支援制御を終了する。
前記移動経路(MP)に沿って走行する前記車両(SV)が、その時の前記目標操舵角を維持して前進すれば前記目標位置(Ptgt)まで移動することができる所定位置(Paf)に到達することを終了許可条件とし、前記出庫支援制御の開始から前記終了許可条件が成立するまでの経路を前記車両が走行している間に、ドライバの終了要求を検知しても、前記出庫支援制御を実施する自動運転モードを継続し、前記終了許可条件の成立以降の経路を前記車両が走行している間に、ドライバの終了要求を検知すると、自動運転モードを手動運転モードに切り替えて前記出庫支援制御を終了する。
本態様によれば、車両(SV)がその時の操舵角を維持したまま前進すれば目標位置(Ptgt)まで移動できる所定位置(Paf)に到達するまでは、ドライバが終了要求を行っても、出庫支援制御を継続する。これにより、ドライバは、車両(SV)の走行を出庫支援制御に委ねながら、車両(SV)を所定位置(Paf)まで確実に到達させることができ、ドライバの負担を効果的に低減することがきる。また、車両(SV)が所定位置(Paf)に到達した後は、ドライバの運転技量や出庫時の周囲の状況に応じて、ドライバが望むタイミングで自動運転モードを手動運転モードに切り替えることができる。
本発明の他の態様において、
前記制御部(90)は、
前記車両(SV)の変速装置(14)がドライブレンジ(D)とされ、且つ、前記終了許可条件が成立した以降にドライバの終了要求を検知すると、自動運転モードを手動運転モードに切り替えて前記出庫支援制御を終了する。
前記制御部(90)は、
前記車両(SV)の変速装置(14)がドライブレンジ(D)とされ、且つ、前記終了許可条件が成立した以降にドライバの終了要求を検知すると、自動運転モードを手動運転モードに切り替えて前記出庫支援制御を終了する。
本態様によれば、変速装置(14)が確実にドライブレンジ(D)にされた状態で、自動運転モードを手動運転モードに切り替えることで、ドライバが手動運転モードにより車両(SV)を走行させる際に、車両(SV)がドライバの意図しない後進方向に進むことを効果的に防止することができる。
本発明の他の態様において、
前記制御部(90)は、
前記終了許可条件の成立後、前記車両(SV)が前記目標位置(Ptgt)に到達するよりも前にドライバの終了要求を検知したことにより前記出庫支援制御を終了する際に、ドライバがアクセルペダルを踏みこんでいる場合には、前記車両(SV)の制動力を即座に開放する一方、ドライバがアクセルペダルを踏み込んでいない場合には、前記制動力を徐々に開放する。
前記制御部(90)は、
前記終了許可条件の成立後、前記車両(SV)が前記目標位置(Ptgt)に到達するよりも前にドライバの終了要求を検知したことにより前記出庫支援制御を終了する際に、ドライバがアクセルペダルを踏みこんでいる場合には、前記車両(SV)の制動力を即座に開放する一方、ドライバがアクセルペダルを踏み込んでいない場合には、前記制動力を徐々に開放する。
本態様によれば、車両(SV)の走行中に出庫支援制御を終了する際に、ドライバがアクセルペダルを踏み込んでいれば、制動力を即座に開放することで、車両(SV)を停車させることなく速やかに加速走行させることができる。また、車両(SV)の走行中に出庫支援制御を終了する際に、ドライバがアクセルペダルを踏み込んでいなければ、制動力を徐々に開放することで、車両SVの挙動が不安定になることを効果的に防止することができる。
本発明の他の態様において、
前記制御部(90)は、
前記終了許可条件の成立後、前記車両(SV)が前記目標位置(Ptgt)に到達するまでの間にドライバの終了要求を検知しない場合には、前記車両(SV)を前記出庫支援制御により前記目標位置(Ptgt)まで移動させるとともに、前記車両(SV)を前記目標位置(Ptgt)で停車させた後に、自動運転モードを手動運転モードに切り替えて前記出庫支援制御を終了する。
前記制御部(90)は、
前記終了許可条件の成立後、前記車両(SV)が前記目標位置(Ptgt)に到達するまでの間にドライバの終了要求を検知しない場合には、前記車両(SV)を前記出庫支援制御により前記目標位置(Ptgt)まで移動させるとともに、前記車両(SV)を前記目標位置(Ptgt)で停車させた後に、自動運転モードを手動運転モードに切り替えて前記出庫支援制御を終了する。
本態様によれば、終了許可条件の成立後も、自動運転モードの継続を望むドライバに対しては、車両(SV)を出庫支援制御により目標位置(Ptgt)まで確実に移動させて停車させた後に、自動運転モードを手動運転モードに切り替える。これにより、ドライバの運転技量等に応じた最適なタイミングで、出庫支援制御を終了することができる。
上記説明においては、発明の理解を助けるために、実施形態に対応する発明の構成要件に対して、実施形態で用いた符号を括弧書きで添えているが、発明の各構成要件は、前記符号によって規定される実施形態に限定されるものではない。
以下、図面を参照して本実施形態に係る出庫支援装置を説明する。同一の部品には同一の符号を付してあり、それらの名称及び機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。なお、以下では出庫支援装置を「本実施装置」とも称する場合がある。
[全体構成]
図1は、本実施形態に係る出庫支援装置10を示す模式的な全体構成図である。図1に示す出庫支援装置10は、車両に適用される。
図1は、本実施形態に係る出庫支援装置10を示す模式的な全体構成図である。図1に示す出庫支援装置10は、車両に適用される。
図1に示すように、出庫支援装置10は、ECU90(制御部)を備えている。ECUは、Electronic Control Unitの略である。ECU90は、マイクロコンピュータを主要部として備える。マイクロコンピュータは、CPU、ROM、RAM、不揮発性メモリ及びインターフェース等を含む。CPUは、ROMに格納されたインストラクション又はプログラム又はルーチンを実行することにより、各種機能を実現するようになっている。
車両には、駆動装置11、操舵装置12、制動装置13及び、変速装置14が搭載されている。駆動装置11は、車両の駆動輪に伝達する駆動力を発生させる。駆動装置11としては、例えば、電動機、エンジンが挙げられる。本実施装置において、車両は、エンジン車、ハイブリッド車(HEV)、プラグインハブリッド車(PHEV)、燃料電池車(FCEV)、電気自動車(BEV)の何れであってもよい。
操舵装置12は、例えば、ステア・バイ・ワイヤ式のステアリング装置であって、車両の車輪に転舵力を付与する。なお、操舵装置12は、ラックピニオン式の電動パワーステアリング装置であってもよい。制動装置13は、例えば、ディスク式ブレーキ装置であって、車両の車輪に制動力を付与する。変速装置14は、例えば、シフトバイワイヤ式の自動変速機であって、駆動装置11と駆動輪との間の動力伝達経路に設けられている。変速装置14は、駆動輪の回転をロックするパーキングレンジP、車両を後進走行させるリバースレンジR、動力の伝達を遮断するニュートラルレンジN、車両を前進走行させるドライブレンジDに選択的に切り替え可能に構成されている。
駆動装置11、操舵装置12、制動装置13及び、変速装置14は、ECU90に電気的に接続されている。ECU90は、駆動装置11の作動を制御することにより、車両の駆動輪に与えられる駆動力を制御する。また、ECU90は、操舵装置12の不図示のアシストモータの作動を制御することにより、車両の操舵輪に与えられる操舵トルクを制御する。また、ECU90は、制動装置13の不図示のアクチュエータの作動を制御することにより、車両の車輪に与えられる制動力を制御する。また、ECU90は、変速装置14の不図示のシフトアクチュエータの作動を制御することにより、変速装置14を、パーキングレンジP、リバースレンジR、ニュートラルレンジN、ドライブレンジDに選択的に切り替える。
ECU90には、出庫支援スイッチ15、ディスプレイ16、スピーカ17、車両状態取得装置20及び、周囲認識装置40等が接続されている。
出庫支援スイッチ15は、ドライバによりON・OFF操作されるスイッチである。ドライバにより出庫支援スイッチ15がON操作されると、ECU90は出庫支援要求を受け付ける。ディスプレイ16は、例えば、ナビゲーション装置のディスプレイであって、ドライバが視認可能な車両の箇所に配設されている。スピーカ17は、ECU90からの指令を受信した場合に音声を発生させる。
車両状態取得装置20は、車両の状態を取得するセンサ類である。具体的には、車両状態取得装置20は、アクセルセンサ21、ブレーキセンサ22、操舵角センサ23、操舵トルクセンサ24、車速センサ25、シフトセンサ26等を備えている。
アクセルセンサ21は、車両の不図示のアクセルペダルの操作量を検出する。ブレーキセンサ22は、車両の不図示のブレーキペダルの操作量を検出する。操舵角センサ23は、車両の不図示のステアリングホイール(又は、ステアリングシャフト)の操舵角を検出する。操舵トルクセンサ24は、ステアリングホイールの操作により車両のステアリングシャフト(不図示)に作用する操舵トルクを検出する。車速センサ25は、車両の走行速度(車速)を検出する。シフトセンサ26は、不図示のシフトレバーにより選択されるシフトレンジ(パーキングレンジP、リバースレンジR、ニュートラルレンジN、ドライブレンジD)を検出する。車両状態取得装置20によって取得される車両の各種状態情報はECU90に送信される。
周囲認識装置40は、車両周囲の物標を認識するセンサ類である。車両周囲の物標情報は、車両の周囲に存在する立体物についての情報及び、車両の周囲の路面上の区画線についての情報を含む。立体物は、例えば、自動車、歩行者及び、自転車などの移動物、並びに、ガードレール及び、フェンスなどの固定物を表す。
周囲認識装置40は、レーダセンサ41、超音波センサ42及び、カメラ43を含む。なお、図示は省略されているが、レーダセンサ41は複数のレーダセンサを含み、超音波センサ42は複数の超音波センサを含み、カメラ43は複数のカメラを含む。車両は、周囲認識装置40として、レーダセンサ41、超音波センサ42及び、カメラ43の総てを備える必要はなく、レーダセンサ41、超音波センサ42及びカメラ43の少なくとも1つを備えればよい。
レーダセンサ41は、レーダ送受信部と信号処理部(図示略)とを備えている。レーダ送受信部が、ミリ波帯の電波(以下、ミリ波)を車両の周辺領域に放射し、放射範囲内に存在する立体物によって反射されたミリ波(即ち、反射波)を受信する。信号処理部は、送信したミリ波と受信した反射波との位相差、反射波の減衰レベル及びミリ波を送信してから反射波を受信するまでの時間等に基づいて、車両と立体物との距離、車両と立体物との相対速度、車両に対する立体物の相対位置(方向)等を表す情報を取得してECU90に出力するようになっている。
超音波センサ42は、超音波をパルス状に車両の周囲の所定の範囲に送信し、立体物によって反射された反射波を受信する。超音波センサ42は、超音波の送信から受信までの時間に基づいて、送信した超音波が反射された立体物上の点である反射点及び、超音波センサとの距離等を表す情報を取得する。超音波センサ42は、取得した情報をECU90に出力するようになっている。
カメラ43は、例えば、CCD(charge coupled device)或いはCIS(CMOS image sensor)の撮像素子を内蔵するデジタルカメラである。カメラ43は、所定のフレームレートで車両の周辺領域の画像データを出力する。カメラ43は、車両を出庫する際に確認すべき車両の周辺状況(立体物の位置及び形状、並びに、区画線の位置及び形状を含む。)を撮影し、画像データをECU90に出力するようになっている。具体的には、カメラ43は、車両の前方領域を撮像した画像データである前方画像データ、車両の後方領域を撮像した画像データである後方画像データ、車両の右側方領域を撮像した画像データである右側方画像データ、及び、車両の左側方領域を撮像した画像である左側方画像データをECU90に出力する。
ECU90は、所定時間が経過するたびに、レーダセンサ41及び、超音波センサ42のそれぞれから情報を受け取る。ECU90は、その情報(即ち、ミリ波が反射された点である反射点の位置、及び、超音波が反射された点である反射点の位置)を、二次元マップにプロットする。この二次元マップは、車両の位置を原点とし、車両の進行方向をX軸、車両の進行方向と直交する方向をY軸とした平面図である。なお、「車両の位置」とは、車両の平面視における所定の幾何学的中心位置である。ECU90は、二次元マップ上における反射点の一群がなす形状に基づいて、車両の周囲にある立体物を検出し、その立体物の車両に対する位置(距離及び方位)及び形状を特定する。
なお、上述した「車両の位置」は、車両上の他の特定位置(例えば、左前輪及び右前輪の平面視における中央位置及び平面視における左後輪及び右後輪の中央位置等)であってもよい。
さらに、ECU90は、所定時間が経過するたびに、カメラ43から画像データを取得する。ECU90は、カメラ43からの画像データを解析することによって車両の周囲にある立体物を検出し、その立体物の車両に対する位置(距離及び方位)及び形状を特定する。ECU90は、画像データに基づいて特定(検出)された立体物を上述した二次元マップに描く。従って、ECU90は、二次元マップ上に示された情報に基づいて、車両の周囲(車両の位置から所定距離範囲内)に存在する立体物を検出することができる。
ECU90は、二次元マップ上に示された情報に基づいて、車両の周囲であって「立体物が存在しない領域」を検出する。ECU90は、物体が存在しない領域が、車両が余裕をもって出庫することが可能な大きさ及び形状を有する領域である場合、その領域を出庫可能領域として決定する。
[出庫支援制御の内容]
ECU90は、例えば、変速装置14がパーキングレンジPにあるときに、出庫支援スイッチ15がON操作されると、ドライバからの出庫支援要求を受け付けて、出庫支援制御を実施する。なお、本明細書及び特許請求の範囲では、車両が出庫支援制御により走行する運転モードを「自動運転モード」といい、車両がドライバのペダル操作やステアリング操作により走行する運転モードを「手動運転モード」という。
ECU90は、例えば、変速装置14がパーキングレンジPにあるときに、出庫支援スイッチ15がON操作されると、ドライバからの出庫支援要求を受け付けて、出庫支援制御を実施する。なお、本明細書及び特許請求の範囲では、車両が出庫支援制御により走行する運転モードを「自動運転モード」といい、車両がドライバのペダル操作やステアリング操作により走行する運転モードを「手動運転モード」という。
本実施装置において、ECU90は、ドライバの選択操作に応じ、並列駐車後進出庫モード、並列駐車前進出庫モード、縦列駐車出庫モードの何れかのモードを選択することにより出庫支援制御を実施する。並列駐車後進出庫モードは、駐車領域に並列駐車された車両を後進させながら走行路に出庫するときに出庫支援制御を行うモードである。並列駐車前進出庫モードは、駐車領域に並列駐車された車両を前進させながら走行路に出庫するときに出庫支援制御を行うモードである。ここで、車両が駐車領域に並列駐車された状態とは、車両の前後方向と、左右に隣接する他車両の前後方向とが略平行となり、且つ、車両の前後方向が走行路の進行方向と略直交するように車両を駐車領域に駐車した状態をいう。縦列駐車出庫モードは、駐車領域に縦列駐車された車両を走行路に出庫するときに出庫支援制御を行うモードである。ここで、車両が駐車領域に縦列駐車された状態とは、車両の前後方向と、左右に隣接する他車両の前後方向とが略同一直線上となり、且つ、車両の前後方向が走行路の進行方向と略平行となるように車両を駐車領域に駐車した状態をいう。
ECU90は、ドライバからの出庫支援要求を受け付けると、走行路内の出庫可能領域内に目標領域を設定する。ここで、走行路とは、車両が走行する領域であり、例えば、公道、私道、駐車場内の駐車領域以外の領域等が該当する。目標領域とは、車両の出庫が完了したときに車両の車体が占有する領域である。さらに、ECU90は、車両がその目標領域に移動された場合における車両の位置を目標位置として設定する。ここでの目標位置とは、車両の平面視における前述した中心位置が到達すべき位置である。なお、本明細書及び特許請求の範囲では、「車両の中心位置を目標位置又は所定の位置へと移動させる」ことを、単に「車両を目標位置又は所定の位置へ移動させる」と表現する場合がある。
ECU90は、車両を現在位置から目標位置にまで移動させる移動経路を演算する。移動経路は、車両の車体が立体物(他車両、縁石及びガードレール等)に対して所定の間隔を確保しながら、車両の中心位置が現在位置から目標位置まで移動することができる経路である。なお、移動経路は、様々な既知の演算方法の一つ(例えば、特開2015-3565号公報に提案されている方法)により演算され得る。
なお、ECU90は、1つの移動経路では、車両を目標位置にまで移動させることができない場合、以下のように移動経路を演算する。具体的には、ECU90は、並列駐車後進出庫モードでは、車両を現在位置から進行方向切替位置(すなわち、変速装置14をリバースレンジRからドライブレンジDへ切替えるために車両が一時停止する位置)まで車両を後進走行させる第1移動経路と、進行方向切替位置から目標位置まで車両を前進走行させる第2移動経路とを演算する。また、ECU90は、縦列駐車出庫モードでは、車両を現在位置から進行方向切替位置(すなわち、変速装置14をリバースレンジRからドライブレンジDへ切替えるために車両が一時停止する位置)まで車両を後進走行させる第1移動経路と、進行方向切替位置から目標位置まで車両を前進走行させる第2移動経路とを演算する。
ECU90は、移動経路が決定されると、当該移動経路に沿って車両を移動させるための制御量として、シフトパターン、操舵角パターン及び、速度パターンをそれぞれ決定する。
シフトパターンは、決定した移動経路に基づいて車両を前進又は後進させる際の変速装置14のシフトレンジである。ECU90は、決定されたシフトパターンに基づいて、変速装置14のシフトアクチュエータを駆動することにより、変速装置14の作動を制御する(すなわち、シフト制御を実行する。)。操舵角パターンは、車両の中心位置が移動経路に沿って移動する際の操舵角の目標値(目標操舵角)である。ECU90は、決定された操舵角パターンに基づいて、操舵装置12のアシストモータを駆動することにより、実際の操舵角を目標操舵角に一致させる操舵角制御を実行する。
速度パターンは、車両の中心位置が移動経路に沿って移動する際の車速の目標値(目標車速)である。速度パターンは、車両の中心位置が目標位置に到達した時点で車速が所定の最終目標車速、好ましくは車速0(ゼロ)となるように設定される。ECU90は、決定された速度パターンに基づいて、駆動装置11を駆動させる駆動力制御を実行する。さらに、ECU90は、決定された速度パターンに基づいて、制動装置13の作動を制御する制動力制御を実行する。
[並列駐車後進出庫モード]
図2及び、図3は、並列駐車後進出庫モードの作動を説明する図である。図2(A)に示した状況において、車両SVは変速装置14をパーキングレンジPにして駐車領域100内で停止している(すなわち、車両SVの車速が0[km/h]である。)。ECU90は、この状態でドライバから並列駐車後進出庫モードによる出庫支援要求を受け付けると、走行路領域200内に出庫可能領域EAを検出するとともに、出庫可能領域EA内に目標領域Atgtを設定する。また、ECU90は、車両SVを目標領域Atgtに移動させた場合における車両SVの中心位置を目標位置Ptgtとして設定する。ここで、出庫可能領域EAは、走行路領域200の車両の進行方向に応じて、車両SVの右斜後方又は左斜後方の何れかに設定することができる。
図2及び、図3は、並列駐車後進出庫モードの作動を説明する図である。図2(A)に示した状況において、車両SVは変速装置14をパーキングレンジPにして駐車領域100内で停止している(すなわち、車両SVの車速が0[km/h]である。)。ECU90は、この状態でドライバから並列駐車後進出庫モードによる出庫支援要求を受け付けると、走行路領域200内に出庫可能領域EAを検出するとともに、出庫可能領域EA内に目標領域Atgtを設定する。また、ECU90は、車両SVを目標領域Atgtに移動させた場合における車両SVの中心位置を目標位置Ptgtとして設定する。ここで、出庫可能領域EAは、走行路領域200の車両の進行方向に応じて、車両SVの右斜後方又は左斜後方の何れかに設定することができる。
さらに、ECU90は、車両SVの中心位置を現在位置(開始位置)Pstから目標位置Ptgtまで移動させる移動経路MPを演算する。移動経路MPは、車両SVの車体が周囲の障害物(駐車領域100内で隣接する他車両等)に対して所定距離以上の間隔を確保しながら、車両SVの中心位置を開始位置Pstから目標位置Ptgtまで移動させることができる経路である。
図2に示す例において、駐車領域100内には車両SVの左右両隣に他車両が停車している。このため、周囲の障害物は、これら左右の他車両となるが、左右の何れか一方又は両方に他車両等の障害物が存在しない場合もある。このような場合、ECU90は、駐車領域100内に実際には存在しない仮想の障害物を設定し、該仮想の障害物に対して車両SVが所定距離以上の間隔を確保しながら走行できる移動経路MPを設定する。
図2に示す例では、ECU90は、車両SVの右斜後方に目標位置Ptgtを設定している。この場合、ECU90は、車両SVを開始位置Pstから進行方向切替位置Psまで左旋回させながら後進走行させる第1移動経路MP1と、車両SVを進行方向切替位置Psから目標位置Ptgtまで右旋回させながら前進走行させる第2移動経路MP2とを設定する。なお、ECU90が車両SVの左斜後方に目標位置Ptgtを設定した場合は、車両SVの旋回方向が左右反転するのみであるため、以下では説明は省略する。
ECU90は、第1移動経路MP1及び、第2移動経路MP2を設定すると、図2(B)に示すように、変速装置14をパーキングレンジPからリバースレンジRに切り替え、駆動装置11、操舵装置12、制動装置13の作動を制御することにより車両SVを進行方向切替位置Psまで自動走行させる。
車両SVが進行方向切替位置Psに到達したならば、ECU90は、図3(A)に示すように、変速装置14をリバースレンジRからドライブレンジDに切り替え、駆動装置11、操舵装置12、制動装置13の作動を制御することにより、車両SVを目標位置Ptgtに向けて自動走行させる。なお、図3(A)は、第2移動経路MP2に沿って走行する車両SVの車体左前端が、障害物である他車両(他車両が存在しない場合は仮想の障害物)に最も接近する状態を示している(以下、この状態の車両SVの位置を前方障害物最接近位置Pfaと称する)。前方障害物最接近位置Pfaは、予めECU90により演算されている。例えば、ECU90は、設定した第2移動経路MP2上に微小間隔ごとに中間位置を設定し、各中間位置に車両SVが到達した場合の車両SVの姿勢を推定し、推定した車両SVの姿勢及び障害物の位置情報に基づいて、各中間位置における車両SVと障害物との間の最短距離を演算する。そして、演算した最短距離のうち最も短い最短距離に対応する中間位置を、前方障害物最接近位置Pfaに決定することができる。
図3(B)に示すように、車両SVが前方障害物最接近位置Pfaを通過して、目標位置Ptgtに到達すると、ECU90は、車両SVを停止させて出庫支援制御を終了する。これにより、駐車領域100から走行路領域200内の目標位置Ptgtへの車両SVの出庫が完了する。
[並列駐車前進出庫モード]
図4は、並列駐車前進出庫モードの作動を説明する図である。図4(A)は、車両SVが変速装置14をパーキングレンジPにして、駐車領域100内に停車している状態を示している。ECU90は、この状態でドライバから並列駐車前進出庫モードによる出庫支援要求を受け付けると、走行路領域200内に出庫可能領域EAを検出するとともに、出庫可能領域EA内に目標領域Atgtを設定する。また、ECU90は、車両SVを目標領域Atgtに移動させた場合における車両SVの中心位置を目標位置Ptgtとして設定する。ここで、出庫可能領域EAは、走行路領域200の車両の進行方向に応じて、車両SVの右斜前方又は左斜前方の何れかに設定することができる。
図4は、並列駐車前進出庫モードの作動を説明する図である。図4(A)は、車両SVが変速装置14をパーキングレンジPにして、駐車領域100内に停車している状態を示している。ECU90は、この状態でドライバから並列駐車前進出庫モードによる出庫支援要求を受け付けると、走行路領域200内に出庫可能領域EAを検出するとともに、出庫可能領域EA内に目標領域Atgtを設定する。また、ECU90は、車両SVを目標領域Atgtに移動させた場合における車両SVの中心位置を目標位置Ptgtとして設定する。ここで、出庫可能領域EAは、走行路領域200の車両の進行方向に応じて、車両SVの右斜前方又は左斜前方の何れかに設定することができる。
さらに、ECU90は、車両SVの車体が周囲の障害物に対して所定距離以上の間隔を確保しながら、車両SVの中心位置を現在位置(開始位置)Pstから目標位置Ptgtまで移動させる移動経路MPを演算する。図4に示す例において、駐車領域100内には車両SVの左右両隣に他車両が停車しているが、左右の何れか一方又は両方に他車両等の障害物が存在しない場合、ECU90は、仮想の障害物に対して車両SVが所定距離以上の間隔を確保しながら走行できる移動経路MPを設定する。
図4に示す例では、ECU90は、車両SVの左斜前方に目標位置Ptgtを設定している。この場合、ECU90は、車両SVを開始位置Pstから目標位置Ptgtまで左旋回させながら前進走行させる移動経路MPを設定する。なお、ECU90が車両SVの右斜前方に目標位置Ptgtを設定した場合は、車両SVの旋回方向が左右反転するのみであるため、以下では説明は省略する。
ECU90は、移動経路MPを設定すると、図4(B)に示すように、変速装置14をパーキングレンジPからドライブレンジDに切り替え、駆動装置11、操舵装置12、制動装置13の作動を制御することにより車両SVを目標位置Ptgtに向けて自動走行させる。なお、図4(B)は、移動経路MPに沿って走行する車両SVの車体左側部が、障害物である他車両(他車両が存在しない場合は仮想の障害物)に最も接近する状態を示している(以下、この状態の車両SVの位置を側方障害物最接近位置Psaと称する)。側方障害物最接近位置Psaは、予めECU90により演算されている。例えば、ECU90は、設定した移動経路MP上に微小間隔ごとに中間位置を設定し、各中間位置に車両SVが到達した場合の車両SVの姿勢を推定し、推定した車両SVの姿勢及び障害物の位置情報に基づいて、各中間位置における車両SVと障害物との間の最短距離を演算する。そして、演算した最短距離のうち最も短い最短距離に対応する中間位置を、側方障害物最接近位置Psaに決定することができる。
図4(C)に示すように、車両SVが側方障害物最接近位置Psaを通過して、目標位置Ptgtに到達すると、ECU90は、車両SVを停止させて出庫支援制御を終了する。これにより、駐車領域100から走行路領域200内の目標位置Ptgtへの車両SVの出庫が完了する。
[縦列駐車出庫モード]
図5は、縦列駐車出庫モードの作動を説明する図である。図5(A)は、車両SVが変速装置14をパーキングレンジPにして、駐車領域100内に停車している状態を示している。ECU90は、この状態でドライバから縦列駐車出庫モードによる出庫支援要求を受け付けると、走行路領域200内(駐車領域100の一部を含む)に出庫可能領域EAを検出するとともに、出庫可能領域EA内に目標領域Atgtを設定する。また、ECU90は、車両SVを目標領域Atgtに移動させた場合における車両SVの中心位置を目標位置Ptgtとして設定する。ここで、出庫可能領域EAは、走行路領域200が駐車領域100に対して右側にあれば、車両SVの右斜前方に設定され、走行路領域200が駐車領域100に対して左側にあれば、車両SVの左斜前方に設定される。
図5は、縦列駐車出庫モードの作動を説明する図である。図5(A)は、車両SVが変速装置14をパーキングレンジPにして、駐車領域100内に停車している状態を示している。ECU90は、この状態でドライバから縦列駐車出庫モードによる出庫支援要求を受け付けると、走行路領域200内(駐車領域100の一部を含む)に出庫可能領域EAを検出するとともに、出庫可能領域EA内に目標領域Atgtを設定する。また、ECU90は、車両SVを目標領域Atgtに移動させた場合における車両SVの中心位置を目標位置Ptgtとして設定する。ここで、出庫可能領域EAは、走行路領域200が駐車領域100に対して右側にあれば、車両SVの右斜前方に設定され、走行路領域200が駐車領域100に対して左側にあれば、車両SVの左斜前方に設定される。
さらに、ECU90は、車両SVの車体が周囲の障害物に対して所定距離以上の間隔を確保しながら、車両SVの中心位置を現在位置(開始位置)Pstから目標位置Ptgtまで移動させる移動経路MPを演算する。図5に示す例において、駐車領域100内には車両SVの前方に他車両が隣接して停車している。この場合、ECU90は、車両SVを現在位置Pstから進行方向切替位置Psまで後進走行させる第1移動経路MP1と、車両SVを進行方向切替位置Psから目標位置Ptgtまで右旋回させながら前進走行させる第2移動経路MP2とを設定する。
なお、車両SVの前方に他車両等の障害物がいない場合、或は、前方の障害物との間に十分な距離がある場合、ECU90は、車両SVを開始位置Pstから目標位置Ptgtまで右旋回させながら前進走行させる1つの移動経路を設定するが、車両SVを進行方向切替位置Psまで後進走行させる以外は、第1及び第2移動経路MP1,MP2を設定する場合と同様の処理となる。このため、以下では、第1及び第2移動経路MP1,MP2を設定する場合についてのみ説明する。
ECU90は、第1移動経路MP1及び、第2移動経路MP2を設定すると、図5(B)に示すように、変速装置14をパーキングレンジPからリバースレンジPに切り替え、駆動装置11、操舵装置12、制動装置13の作動を制御することにより車両SVを進行方向切替位置Psまで自動走行させる。
車両SVが進行方向切替位置Psに到達したならば、ECU90は、図5(C)に示すように、変速装置14をリバースレンジRからドライブレンジDに切り替え、駆動装置11、操舵装置12、制動装置13の作動を制御することにより、車両SVを目標位置Ptgtに向けて自動走行させる。なお、図5(C)は、第2移動経路MP2に沿って走行する車両SVが、その時の操舵角パターン(目標操舵角)を維持したまま前進すれば、走行路領域200内の目標位置Ptgtに到達できる状態を示している(以下、この状態の車両SVの位置を前進出庫可能位置Pafと称する)。前進出庫可能位置Pafは、予めECU90により演算されている。例えば、ECU90は、車両SVが目標位置Ptgtに到達するよりも前の特定位置に達した以降は、操舵角パターン(目標操舵角)が一定値となるように第2移動経路MP2を設定するとともに、該第2移動経路MP2上の特定位置を前進出庫可能位置Pafに決定することができる。
図5(D)に示すように、車両SVが前進出庫可能位置Pafを通過して、目標位置Ptgtに到達すると、ECU90は、車両SVを停止させて出庫支援制御を終了する。これにより、駐車領域100から走行路領域200内の目標位置Ptgtへの車両SVの出庫が完了する。
[出庫支援制御の終了処理]
出庫支援制御中にドライバが自動運転モードから手動運転モードに切り替えるタイミングは、ドライバの運転技量や出庫時の周囲の状況に応じて様々に異なる。そのため、出庫支援制御中にドライバが所定の終了操作(終了要求)を行った場合には、自動運転モードを手動運転モードに切り替えられるようにすることが考えられる。ここで、ドライバが自動運転モードを手動運転モードに切り替えるための所定の終了操作としては、ステアリング操作、ブレーキ操作、アクセル操作、出庫支援スイッチ15のOFF操作等が挙げられる。しかしながら、ドライバによる所定の終了操作を、ステアリング操作以外のブレーキ操作、アクセル操作、出庫支援スイッチ15のOFF操作とすると以下のような問題が生じる。
出庫支援制御中にドライバが自動運転モードから手動運転モードに切り替えるタイミングは、ドライバの運転技量や出庫時の周囲の状況に応じて様々に異なる。そのため、出庫支援制御中にドライバが所定の終了操作(終了要求)を行った場合には、自動運転モードを手動運転モードに切り替えられるようにすることが考えられる。ここで、ドライバが自動運転モードを手動運転モードに切り替えるための所定の終了操作としては、ステアリング操作、ブレーキ操作、アクセル操作、出庫支援スイッチ15のOFF操作等が挙げられる。しかしながら、ドライバによる所定の終了操作を、ステアリング操作以外のブレーキ操作、アクセル操作、出庫支援スイッチ15のOFF操作とすると以下のような問題が生じる。
(1)終了操作をブレーキ操作とすると、ドライバが装置では検知できない障害物等に対して回避行動としてブレーキ操作を行った場合、その後にドライバが実際は自動運転モードの継続を望んでいたとしても、ドライバの意思に反して自動運転モードが手動運転モードに切り替わってしまう。また、終了操作をアクセル操作とすると、安全性に影響する可能性がある。
(2)終了操作を出庫支援スイッチ15のOFF操作とすると、ドライバが車両SVの走行中に自動運転モードを手動運転モードに切り替える際に、ドライバの視線が出庫支援スイッチ15に向けられる等、安全性に影響する可能性がある。
(2)終了操作を出庫支援スイッチ15のOFF操作とすると、ドライバが車両SVの走行中に自動運転モードを手動運転モードに切り替える際に、ドライバの視線が出庫支援スイッチ15に向けられる等、安全性に影響する可能性がある。
そこで、本実施装置では、出庫支援制御の実施中にドライバがステアリング操作を行うと、自動運転モードを手動運転モードに切り替えられるようにした。
一方、ECU90が出庫支援制御を開始した時から、ドライバのステアリング操作によって何時でも自動運転モードを手動運転モードに切り替えられるようにすると、以下のような問題が生じる。
(1)並列駐車後進出庫モードにおいて、車両SVが前方障害物最接近位置Pfaを通過するよりも前に、ドライバが誤ってステアリング操作を行った場合、ドライバは自動運転モードの継続を望んでいたとしても手動運転モードに切り替わってしまい、ドライバに煩わしさを与えることになる。また、手動運転モードに切り替わると、ドライバは手動操作により前方障害物最接近位置Pfaを通過しなければならず、ドライバの負担を増大させることになる。
(2)並列駐車前進出庫モードにおいて、車両SVが側方障害物最接近位置Psaを通過するよりも前に、ドライバが誤ってステアリング操作を行った場合、ドライバは自動運転モードの継続を望んでいたとしても手動運転モードに切り替わってしまい、ドライバに煩わしさを与えることになる。また、手動運転モードに切り替わると、ドライバは手動操作により前方障害物最接近位置Psaを通過しなければならず、ドライバの負担を増大させることになる。
(3)縦列駐車出庫モードにおいて、車両SVが前進出庫可能位置Pafに到達するよりも前に、ドライバが誤ってステアリング操作を行った場合、ドライバは自動運転モードの継続を望んでいたとしても手動運転モードに切り替わってしまい、ドライバに煩わしさを与えることになる。また、手動運転モードに切り替わると、ドライバは手動操作により前進出庫可能位置Pafを通過しなければならず、ドライバの負担を増大させることになる。
(4)並列駐車後進出庫モード及び、縦列駐車出庫モードにおいて、ECU90が車両SVを後進走行させるために変速装置14をリバースレンジRとしている状態で、ドライバがステアリング操作により自動運転モードを手動運転モードに切り替えることが想定される。この場合、変速装置14はリバースレンジRであるにもかかわらず、ドライバはドライブレンジDの状態で手動運転モードに切り替わったものと思い込んでいる可能性がある。このため、ドライバが車両SVを手動運転モードにより発進させると、車両SVがドライバの意図する前進方向とは反対の後進方向に発進することとなり、安全性の低下を招く虞がある。
(2)並列駐車前進出庫モードにおいて、車両SVが側方障害物最接近位置Psaを通過するよりも前に、ドライバが誤ってステアリング操作を行った場合、ドライバは自動運転モードの継続を望んでいたとしても手動運転モードに切り替わってしまい、ドライバに煩わしさを与えることになる。また、手動運転モードに切り替わると、ドライバは手動操作により前方障害物最接近位置Psaを通過しなければならず、ドライバの負担を増大させることになる。
(3)縦列駐車出庫モードにおいて、車両SVが前進出庫可能位置Pafに到達するよりも前に、ドライバが誤ってステアリング操作を行った場合、ドライバは自動運転モードの継続を望んでいたとしても手動運転モードに切り替わってしまい、ドライバに煩わしさを与えることになる。また、手動運転モードに切り替わると、ドライバは手動操作により前進出庫可能位置Pafを通過しなければならず、ドライバの負担を増大させることになる。
(4)並列駐車後進出庫モード及び、縦列駐車出庫モードにおいて、ECU90が車両SVを後進走行させるために変速装置14をリバースレンジRとしている状態で、ドライバがステアリング操作により自動運転モードを手動運転モードに切り替えることが想定される。この場合、変速装置14はリバースレンジRであるにもかかわらず、ドライバはドライブレンジDの状態で手動運転モードに切り替わったものと思い込んでいる可能性がある。このため、ドライバが車両SVを手動運転モードにより発進させると、車両SVがドライバの意図する前進方向とは反対の後進方向に発進することとなり、安全性の低下を招く虞がある。
そこで、本実施装置は、並列駐車後進出庫モードでは、変速装置14がドライブレンジDとされ、且つ、車両SVが前方障害物最接近位置Pfaを通過する終了許可条件が成立した以降に、ドライバのステアリング操作を検知した場合に、自動運転モードを手動運転モードに切り替えるようにした。また、並列駐車前進出庫モードでは、車両SVが側方障害物最接近位置Psaを通過する終了許可条件が成立した以降に、ドライバのステアリング操作を検知した場合に、自動運転モードを手動運転モードに切り替えるようにした。また、縦列駐車出庫モードでは、変速装置14がドライブレンジDとされ、且つ、車両SVが前進出庫可能位置Pafに到達する終了許可条件が成立した以降に、ドライバのステアリング操作を検知した場合に、自動運転モードを手動運転モードに切り替えるようにした。以下、本実施装置のECU90による出庫支援制御の具体的な処理の流れについて説明する。
[出庫支援制御の処理の流れ]
まず、図6に示す出庫支援制御の開始ルーチンから説明する。開始ルーチンは、並列駐車後進出庫モード、並列駐車前進出庫モード及び、縦列駐車出庫モードの何れのモードにおいても基本的には同様の処理内容となる。このため、以下ではこれを纏めて説明する。この開始ルーチンは、車両SVのスタートスイッチ(イグニッションスイッチ)のONにより開始する。
まず、図6に示す出庫支援制御の開始ルーチンから説明する。開始ルーチンは、並列駐車後進出庫モード、並列駐車前進出庫モード及び、縦列駐車出庫モードの何れのモードにおいても基本的には同様の処理内容となる。このため、以下ではこれを纏めて説明する。この開始ルーチンは、車両SVのスタートスイッチ(イグニッションスイッチ)のONにより開始する。
ステップS100では、ECU90は、車両SVが変速装置14をパーキングレンジPにして停車しているか否かを判定する。車両SVが変速装置14をパーキングレンジPにして停車している場合(Yes)、ECU90は、その処理をステップS110に進める。一方、車両SVが変速装置14をパーキングレンジPにして停車していない場合(No)、ECU90は、本ルーチンを一旦終了(リターン)する。
ステップS110では、ECU90は、出庫支援スイッチ15がON操作されたか否かを判定する。出庫支援スイッチ15がON操作された場合(Yes)、ECU90は、ドライバからの出庫支援要求を受け付けて、その処理をステップS120に進める。一方、出庫支援スイッチ15がON操作されていない場合(No)、すわわち、出庫支援スイッチ15がOFFの場合、ECU90は、本ルーチンを一旦終了(リターン)する。
ステップS120では、ECU90は、出庫可能領域EAの検出処理を実行する。次いで、ステップS130では、ECU90は、出庫可能領域EAを検出できたか否かを判定する。出庫可能領域EAを検出できない場合(No)、ECU90は、本ルーチンを一旦終了(リターン)する。なお、この場合、ECU90は、出庫支援制御を実行できない旨をドライバに通知する。通知の手法は、ディスプレイ16への表示又はスピーカ17による音声の何れか一方又は両方であってもよい。一方、出庫可能領域EAを検出できた場合、ECU90は、その処理をステップS140に進める。
ステップS140では、ECU90は、検出されている出庫可能領域EA内に目標領域Atgtを設定するとともに、車両SVを目標領域Atgtに移動させた場合における車両SVの中心位置を目標位置Ptgtとして設定する。さらに、ECU90は、ステップS140にて、車両SVの中心位置を現在位置(開始位置)Pstから目標位置Ptgtまで移動させる移動経路MPを設定する。
ステップS140で設定する移動経路MPは、各モードによって異なる。並列駐車後進出庫モードの場合、ECU90は、車両SVを現在位置Pstから進行方向切替位置Psまで左旋回させながら後進走行させる第1移動経路MP1と、車両SVを進行方向切替位置Psから目標位置Ptgtまで右旋回させながら前進走行させる第2移動経路MP2とを設定する(図2,3参照)。また、並列駐車前進出庫モードの場合、ECU90は、車両SVを現在位置Pstから目標位置Ptgtまで左旋回させながら前進走行させる移動経路MPを設定する(図4参照)。また、縦列駐車出庫モードの場合、ECU90は、車両SVを現在位置Pstから進行方向切替位置Psまで後進走行させる第1移動経路MP1と、車両SVを進行方向切替位置Psから目標位置Ptgtまで右旋回させながら前進走行させる第2移動経路MP2とを設定する(図5参照)。
これら移動経路MPは、車両SVの車体が物体(他車両等の障害物)に対して所定距離以上の間隔を確保しながら、車両SVの中心位置を開始位置Pstから目標位置Ptgtまで移動させることができる経路である。状況によっては、複数の移動経路が演算できる場合が生じる。この場合、ECU90は、それらの移動経路のうち、最も距離が短い移動経路を最終的な移動経路MPとして設定する。
ステップS150では、ECU90は、移動経路MPが演算できたか否かを判定する。状況によっては、一つも移動経路が演算できない場合が生じる。この場合、ECU90は、本ルーチンを一旦終了(リターン)する。なお、この場合、ECU90は、出庫支援制御を実行できない旨をドライバに通知する。通知の手法は、ディスプレイ16への表示又はスピーカ17による音声の何れか一方又は両方であってもよい。ステップS150にて、移動経路MPを演算できた場合、ECU90は、その処理をステップS160に進める。
ステップS160では、ECU90は、移動経路MPに沿って車両SVを移動させるための制御量として、シフトパターン、操舵角パターン及び、速度パターンをそれぞれ決定する。シフトパターン、操舵角パターン及び、速度パターンを決定したならば、ECU90は、これら決定したパターンに基づいて、駆動装置11、操舵装置12、制動装置13及び、変速装置14の作動を制御する出庫支援制御(自動運転モード)を開始する。
[並列駐車後進出庫モードにおける出庫支援制御の終了処理]
図7は、並列駐車後進出庫モードにおいて、図6に示すステップS100~S160の各処理を経て開始した出庫支援制御の終了処理を説明するフローチャートである。
図7は、並列駐車後進出庫モードにおいて、図6に示すステップS100~S160の各処理を経て開始した出庫支援制御の終了処理を説明するフローチャートである。
ステップS200では、ECU90は、第1移動経路MP1に沿って自動走行した車両SVが進行方向切替位置Psに到達することにより、変速装置14がドライブレンジDに切り替えられたか否かを判定する。変速装置14がドライブレンジDに切り替えられている場合(Yes)、ECU90は、その処理をステップS210に進める。一方、変速装置14がドライブレンジDに切り替えられていない場合(No)、ECU90はその処理をステップS200に戻す。
ステップS210では、ECU90は、第2移動経路MP2に沿って自動走行する車両SVが、前方障害物最接近位置Pfa(図3(A)参照)を通過したか否かを判定する。車両SVが前方障害物最接近位置Pfaを通過した場合(Yes)、ECU90は、終了許可条件が成立したものとして、その処理をステップS220に進める。一方、車両SVが前方障害物最接近位置Pfaを通過していない場合(No)、ECU90はその処理をステップS200に戻す。ここで、前方障害物最接近位置Pfaは、予めECU90により演算されている。例えば、ECU90は、設定した第2移動経路MP2上に微小間隔ごとに中間位置を設定し、各中間位置に車両SVが到達した場合の車両SVの姿勢を推定し、推定した車両SVの姿勢及び障害物の位置情報に基づいて、各中間位置における車両SVと障害物との間の最短距離を演算する。そして、演算した最短距離のうち最も短い最短距離に対応する中間位置を、前方障害物最接近位置Pfaに決定することができる。
ステップS220では、ECU90は、ドライバに対して、ステアリング操作により出庫支援制御を終了できる旨、すなわち、自動運転モードから手動運転モードに切り替えることができる旨を通知する。通知の手法は、ディスプレイ16への表示又はスピーカ17による音声の何れか一方又は両方であってもよい。
ステップS230では、ECU90は、ドライバによるステアリング操作を検知したか否かを判定する。ドライバによるステアリング操作を検知したか否かは、例えば、操舵トルクセンサ24が検出する操舵トルクが所定の閾値以上であるか否かにより、判定することができる。ドライバによるステアリング操作を検知した場合(Yes)、ECU90は、その処理をステップS240に進める。一方、ドライバによるステアリング操作を検知しない場合(No)、ECU90はその処理をステップS270に進める。
ステップS270では、ECU90は、車両SVが目標位置Ptgtに到達したか否かを判定する。車両SVが目標位置Ptgtに到達していない場合(No)、ECU90は、その処理をステップS230に戻す。一方、車両SVが目標位置Ptgtに到達した場合(Yes)、ECU90は、その処理をステップS280に進める。
ステップS280では、ECU90は車両SVを目標位置Ptgtに停車させる。次いで、ステップS290では、ドライバに対して、所定の終了操作により出庫支援制御を終了できる旨、すなわち、自動運転モードから手動運転モードへの切り替えができる旨を通知する。通知の手法は、ディスプレイ16への表示又はスピーカ17による音声の何れか一方又は両方であってもよい。ここで、所定の終了操作としては、アクセルペダルの踏み込み操作、ブレーキペダルの踏み込み操作、ステアリング操作、出庫支援スイッチ15のOFF操作等が挙げられる。ステップS295にて、ECU90は、ドライバによる所定の終了操作を検知すると、ステップS298に進み、出庫支援制御を終了、すなわち、自動運転モードを手動運転モードに切り替える。
ステップS230にて、ドライバによるステアリング操作を検知した場合、ECU90は、その処理をステップS240に進め、ドライバがアクセルペダルを踏み込んだか否かを判定する。ドライバがアクセルペダルを踏み込んだ場合(Yes)、ECU90は、その処理をステップS250に進め、出庫支援制御を終了、すなわち、自動運転モードを手動運転モードに切り替えるとともに、制動装置13による制動力を即座に開放する。このように、車両SVの走行中に出庫支援制御を終了する際に、ドライバがアクセルペダルを踏み込んだ場合には、制動力を即座に開放することで、ドライバは車両SVを停車させることなく速やかに加速走行させることができる。
一方、ステップS240の判定にて、ドライバがアクセルペダルを踏み込んでいない場合(No)、ECU90は、その処理をステップS260に進める。ステップS260では、ECU90は、出庫支援制御を終了、すなわち、自動運転モードを手動運転モードに切り替えるとともに、制動装置13による制動力を徐々に開放する。このように、車両SVの走行中に出庫支援制御を終了する際に、ドライバがアクセルペダルを踏み込んでいない場合には、制動力を徐々に開放することで、車両SVの挙動が不安定になることを効果的に防止することができる。
以上が並列駐車後進出庫モードにおける出庫支援制御の具体的な終了処理の流れである。本実施装置によれば、並列駐車後進出庫モードにおいて、変速装置14がドライブレンジDとされ、且つ、車両SVが前方障害物最接近位置Pfaを通過した後に、ドライバのステアリング操作を検知すると、自動運転モードを手動運転モードに切り替えて出庫支援制御を終了する。
すなわち、変速装置14が確実にドライブレンジDにされた状態で、自動運転モードを手動運転モードに切り替えるように構成されている。これにより、自動運転モードの終了後、ドライバが手動運転モードにより車両SVを走行させる場合に、車両SVがドライバの意図しない後進方向に進むことを効果的に防止できるようになり、安全性を確実に向上することが可能になる。
また、車両SVが前方障害物最接近位置Pfaを通過するまでは、ドライバがステアリング操作を行っても出庫支援制御を継続するように構成されている。これにより、ドライバが誤ってステアリング操作を行っても、ドライバの意思に反して自動運転モードが手動運転モードに切り替わることを効果的に防止することができる。また、車両SVが前方障害物最接近位置Pfaを通過するまでは、出庫支援制御を継続することで、ドライバは車両VSの走行を出庫支援制御に委ねながら前方障害物最接近位置Pfaを通過することができ、ドライバの負担を確実に軽減することも可能になる。
また、本実施装置によれば、並列駐車後進出庫モードにおいて、車両SVが前方障害物最接近位置Pfaを通過した後に、ドライバがステアリング操作を行えば出庫支援制御を終了し、ドライバがステアリング操作を行わなければ、車両SVが目標位置Ptgtに到達した後、ドライバが所定の終了操作を行うことにより出庫支援制御を終了する。
すなわち、車両SVが前方障害物最接近位置Pfaを通過した後は、ドライバによる任意のタイミングで自動運転モードを手動運転モードに切り替えられるように構成されている。これにより、ドライバの運転技量や出庫時の周囲の状況に応じて、ドライバが望む最適なタイミングで自動運転モードを手動運転モードに切り替えられるようになり、利便性を確実に向上することが可能になる。
[並列駐車前進出庫モードにおける出庫支援制御の終了処理]
図8は、並列駐車前進出庫モードにおいて、図6に示すステップS100~S160の各処理を経て開始した出庫支援制御の終了処理を説明するフローチャートである。
図8は、並列駐車前進出庫モードにおいて、図6に示すステップS100~S160の各処理を経て開始した出庫支援制御の終了処理を説明するフローチャートである。
ステップS300では、ECU90は、移動経路MPに沿って自動走行する車両SVが、側方障害物最接近位置Psa(図4(B)参照)を通過したか否かを判定する。車両SVが側方障害物最接近位置を通過した場合(Yes)、ECU90は、終了許可条件が成立したものとして、その処理をステップS310に進める。一方、車両SVが側方障害物最接近位置Psaを通過していない場合(No)、ECU90はその処理をステップS300に戻す。側方障害物最接近位置Psaは、予めECU90により演算されている。例えば、ECU90は、設定した移動経路MP上に微小間隔ごとに中間位置を設定し、各中間位置に車両SVが到達した場合の車両SVの姿勢を推定し、推定した車両SVの姿勢及び障害物の位置情報に基づいて、各中間位置における車両SVと障害物との間の最短距離を演算する。そして、演算した最短距離のうち最も短い最短距離に対応する中間位置を、側方障害物最接近位置Psaに決定することができる。
ステップS310では、ECU90は、ドライバに対して、ステアリング操作により出庫支援制御を終了できる旨、すなわち、自動運転モードから手動運転モードに切り替えることができる旨を通知する。通知の手法は、ディスプレイ16への表示又はスピーカ17による音声の何れか一方又は両方であってもよい。
ステップS320では、ECU90は、ドライバによるステアリング操作を検知したか否かを判定する。ドライバによるステアリング操作を検知した場合(Yes)、ECU90は、その処理をステップS330に進める。一方、ドライバによるステアリング操作を検知しない場合(No)、ECU90はその処理をステップS360に進める。
ステップS360では、ECU90は、車両SVが目標位置Ptgtに到達したか否かを判定する。車両SVが目標位置Ptgtに到達していない場合(No)、ECU90は、その処理をステップS320に戻す。一方、車両SVが目標位置Ptgtに到達した場合(Yes)、ECU90は、その処理をステップS370に進める。
ステップS370では、ECU90は車両SVを目標位置Ptgtに停車させる。次いで、ステップS380では、ドライバに対して、所定の終了操作により出庫支援制御を終了できる旨、すなわち、自動運転モードから手動運転モードへの切り替えができる旨を通知する。通知の手法は、ディスプレイ16への表示又はスピーカ17による音声の何れか一方又は両方であってもよい。ここで、所定の終了操作としては、アクセルペダルの踏み込み操作、ブレーキペダルの踏み込み操作、ステアリング操作、出庫支援スイッチ15のOFF操作等が挙げられる。ステップS385にて、ECU90は、ドライバによる所定の終了操作を検知すると、ステップS388に進み、出庫支援制御を終了、すなわち、自動運転モードを手動運転モードに切り替える。
ステップS320にて、ドライバによるステアリング操作を検知した場合、ECU90は、その処理をステップS330に進め、ドライバがアクセルペダルを踏み込んだか否かを判定する。ドライバがアクセルペダルを踏み込んだ場合(Yes)、ECU90は、その処理をステップS340に進め、出庫支援制御を終了、すなわち、自動運転モードを手動運転モードに切り替えるとともに、制動装置13による制動力を即座に開放する。このように、車両SVの走行中に出庫支援制御を終了する際に、ドライバがアクセルペダルを踏み込んだ場合には、制動力を即座に開放することで、ドライバは車両SVを停車させることなく速やかに加速走行させることができる。
一方、ステップS330の判定にて、ドライバがアクセルペダルを踏み込んでいない場合(No)、ECU90は、その処理をステップS350に進める。ステップS350では、ECU90は、出庫支援制御を終了、すなわち、自動運転モードを手動運転モードに切り替えるとともに、制動装置13による制動力を徐々に開放する。このように、車両SVの走行中に出庫支援制御を終了する際に、ドライバがアクセルペダルを踏み込んでいない場合には、制動力を徐々に開放することで、車両SVの挙動が不安定になることを効果的に防止することができる。
以上が並列駐車前進出庫モードにおける出庫支援制御の具体的な終了処理の流れである。本実施装置によれば、並列駐車前進出庫モードにおいて、車両SVが側方障害物最接近位置Psaを通過した後に、ドライバのステアリング操作を検知すると、自動運転モードを手動運転モードに切り替えて出庫支援制御を終了する。
すなわち、車両SVが側方障害物最接近位置Psaを通過するまでは、ドライバがステアリング操作を行っても出庫支援制御を継続するように構成されている。これにより、ドライバが誤ってステアリング操作を行っても、ドライバの意思に反して自動運転モードが手動運転モードに切り替わることを効果的に防止することができる。また、車両SVが側方障害物最接近位置Psaを通過するまでは、出庫支援制御を継続することで、ドライバは車両VSの走行を出庫支援制御に委ねながら側方障害物最接近位置Psaを通過することができ、ドライバの負担を確実に軽減することも可能になる。
また、本実施装置によれば、並列駐車前進出庫モードにおいて、車両SVが側方障害物最接近位置Psaを通過した後に、ドライバがステアリング操作を行えば出庫支援制御を終了し、ドライバがステアリング操作を行わなければ、車両SVが目標位置Ptgtに到達した後、ドライバが所定の終了操作を行うことにより出庫支援制御を終了する。
すなわち、車両SVが側方障害物最接近位置Psaを通過した後は、ドライバによる任意のタイミングで自動運転モードを手動運転モードに切り替えられるように構成されている。これにより、ドライバの運転技量や出庫時の周囲の状況に応じて、ドライバが望む最適なタイミングで自動運転モードを手動運転モードに切り替えられるようになり、利便性を確実に向上することが可能になる。
[縦列駐車出庫モードにおける出庫支援制御の終了処理]
図9は、縦列駐車出庫モードにおいて、図6に示すステップS100~S160の各処理を経て開始した出庫支援制御の終了処理を説明するフローチャートである。
図9は、縦列駐車出庫モードにおいて、図6に示すステップS100~S160の各処理を経て開始した出庫支援制御の終了処理を説明するフローチャートである。
ステップS400では、ECU90は、第1移動経路MP1に沿って自動走行した車両SVが進行方向切替位置Psに到達することにより、変速装置14がドライブレンジDに切り替えられたか否かを判定する。変速装置14がドライブレンジDに切り替えられている場合(Yes)、ECU90は、その処理をステップS410に進める。一方、変速装置14がドライブレンジDに切り替えられていない場合(No)、ECU90はその処理をステップS400に戻す。
ステップS410では、ECU90は、第2移動経路MP2に沿って自動走行する車両SVが、前進出庫可能位置Paf(図5(C)参照)に到達したか否かを判定する。車両SVが前進出庫可能位置Pafに到達した場合(Yes)、ECU90は、終了許可条件が成立したものとして、その処理をステップS420に進める。一方、車両SVが前進出庫可能位置Pafに到達していない場合(No)、ECU90はその処理をステップS400に戻す。
ステップS420では、ECU90は、ドライバに対して、ステアリング操作により出庫支援制御を終了できる旨、すなわち、自動運転モードから手動運転モードに切り替えることができる旨を通知する。通知の手法は、ディスプレイ16への表示又はスピーカ17による音声の何れか一方又は両方であってもよい。
ステップS430では、ECU90は、ドライバによるステアリング操作を検知したか否かを判定する。ドライバによるステアリング操作を検知した場合(Yes)、ECU90は、その処理をステップS440に進める。一方、ドライバによるステアリング操作を検知しない場合(No)、ECU90はその処理をステップS470に進める。
ステップS470では、ECU90は、車両SVが目標位置Ptgtに到達したか否かを判定する。車両SVが目標位置Ptgtに到達していない場合(No)、ECU90は、その処理をステップS430に戻す。一方、車両SVが目標位置Ptgtに到達した場合(Yes)、ECU90は、その処理をステップS480に進める。
ステップS480では、ECU90は車両SVを目標位置Ptgtに停車させる。次いで、ステップS490では、ドライバに対して、所定の終了操作により出庫支援制御を終了できる旨、すなわち、自動運転モードから手動運転モードへの切り替えができる旨を通知する。通知の手法は、ディスプレイ16への表示又はスピーカ17による音声の何れか一方又は両方であってもよい。ここで、所定の終了操作としては、アクセルペダルの踏み込み操作、ブレーキペダルの踏み込み操作、ステアリング操作、出庫支援スイッチ15のOFF操作等が挙げられる。ステップS495にて、ECU90は、ドライバによる所定の終了操作を検知すると、ステップS498に進み、出庫支援制御を終了、すなわち、自動運転モードを手動運転モードに切り替える。
ステップS430にて、ドライバによるステアリング操作を検知した場合、ECU90は、その処理をステップS440に進め、ドライバがアクセルペダルを踏み込んだか否かを判定する。ドライバがアクセルペダルを踏み込んだ場合(Yes)、ECU90は、その処理をステップS450に進め、出庫支援制御を終了、すなわち、自動運転モードを手動運転モードに切り替えるとともに、制動装置13による制動力を即座に開放する。このように、車両SVの走行中に出庫支援制御を終了する際に、ドライバがアクセルペダルを踏み込んだ場合には、制動力を即座に開放することで、ドライバは車両SVを停車させることなく速やかに加速走行させることができる。
一方、ステップS440の判定にて、ドライバがアクセルペダルを踏み込んでいない場合(No)、ECU90は、その処理をステップS460に進める。ステップS460では、ECU90は、出庫支援制御を終了、すなわち、自動運転モードを手動運転モードに切り替えるとともに、制動装置13による制動力を徐々に開放する。このように、車両SVの走行中に出庫支援制御を終了する際に、ドライバがアクセルペダルを踏み込んでいない場合には、制動力を徐々に開放することで、車両SVの挙動が不安定になることを効果的に防止することができる。
以上が縦列駐車出庫モードにおける出庫支援制御の具体的な終了処理の流れである。本実施装置によれば、縦列駐車出庫モードにおいて、変速装置14がドライブレンジDとされ、且つ、車両SVが前進出庫可能位置Pafに到達した後に、ドライバのステアリング操作を検知すると、自動運転モードを手動運転モードに切り替えて出庫支援制御を終了する。
すなわち、変速装置14が確実にドライブレンジDにされた状態で、自動運転モードを手動運転モードに切り替えるように構成されている。これにより、自動運転モードの終了後、ドライバが手動運転モードにより車両SVを走行させる場合に、車両SVがドライバの意図しない後進方向に進むことを効果的に防止できるようになり、安全性を確実に向上することが可能になる。
また、車両SVが前進出庫可能位置Pafに到達するまでは、ドライバがステアリング操作を行っても出庫支援制御を継続するように構成されている。これにより、ドライバが誤ってステアリング操作を行っても、ドライバの意思に反して自動運転モードが手動運転モードに切り替わることを効果的に防止することができる。また、車両SVが前進出庫可能位置Pafに到達するまでは、出庫支援制御を継続することで、ドライバは車両VSの走行を出庫支援制御に委ねながら前進出庫可能位置Pafに到達することができ、ドライバの負担を確実に軽減することも可能になる。
また、本実施装置によれば、縦列駐車出庫モードにおいて、車両SVが前進出庫可能位置Pafに到達した後に、ドライバがステアリング操作を行えば出庫支援制御を終了し、ドライバがステアリング操作を行わなければ、車両SVが目標位置Ptgtに到達した後、ドライバが所定の終了操作を行うことにより出庫支援制御を終了する。
すなわち、車両SVが前進出庫可能位置Pafに到達した後は、ドライバによる任意のタイミングで自動運転モードを手動運転モードに切り替えられるように構成されている。これにより、ドライバの運転技量や出庫時の周囲の状況に応じて、ドライバが望む最適なタイミングで自動運転モードを手動運転モードに切り替えられるようになり、利便性を確実に向上することが可能になる。
尚、本発明は、上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。
例えば、上記実施形態において、ECU90は、出庫支援制御として、シフトパターン、操舵角パターン及び、速度パターンをそれぞれ決定するものとして説明したが、少なくとも操舵角パターンを決定し、シフトパターン、及び、速度パターンについては、ドライバの手動操作に委ねるように構成することも可能である。
10…出庫支援装置、11…駆動装置、12…操舵装置、13…制動装置、14…変速装置、15…出庫支援スイッチ、16…ディスプレイ、17…スピーカ、20…車両状態取得装置、40…周囲認識装置、90…ECU、100…駐車領域、200…走行路領域、SV…車両
Claims (5)
- 車両の周囲の物体についての情報を含む車両周囲情報を取得する情報取得部と、
駐車領域に並列駐車された前記車両を走行路領域に出庫させる際に、前記車両周囲情報に基づいて、前記車両を前記駐車領域から前記走行路領域内の所定の目標位置まで移動させる移動経路を設定するとともに、該移動経路に沿って前記車両を走行させるための制御量を設定し、該制御量に基づいて前記車両の走行を制御する出庫支援制御を実施する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記移動経路に沿って走行する前記車両が前記物体に最も接近する所定位置を通過することを終了許可条件とし、前記出庫支援制御の開始から前記終了許可条件が成立するまでの経路を前記車両が走行している間に、ドライバの終了要求を検知しても、前記出庫支援制御を実施する自動運転モードを継続し、前記終了許可条件の成立以降の経路を前記車両が走行している間に、ドライバの終了要求を検知すると、自動運転モードを手動運転モードに切り替えて前記出庫支援制御を終了する
出庫支援装置。 - 車両の周囲の物体についての情報を含む車両周囲情報を取得する情報取得部と、
駐車領域に縦列駐車された前記車両を走行路領域に出庫させる際に、前記車両周囲情報に基づいて、前記車両を前記駐車領域から前記走行路領域内の所定の目標位置まで移動させる移動経路を設定するとともに、該移動経路に沿って前記車両を走行させるための少なくとも目標操舵角を含む制御量を設定し、該制御量に基づいて前記車両の走行を制御する出庫支援制御を実施する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記移動経路に沿って走行する前記車両が、その時の前記目標操舵角を維持して前進すれば前記目標位置まで移動することができる所定位置に到達することを終了許可条件とし、前記出庫支援制御の開始から前記終了許可条件が成立するまでの経路を前記車両が走行している間に、ドライバの終了要求を検知しても、前記出庫支援制御を実施する自動運転モードを継続し、前記終了許可条件の成立以降の経路を前記車両が走行している間に、ドライバの終了要求を検知すると、自動運転モードを手動運転モードに切り替えて前記出庫支援制御を終了する
出庫支援装置。 - 請求項1又は2に記載の出庫支援装置であって、
前記制御部は、
前記車両の変速装置がドライブレンジとされ、且つ、前記終了許可条件が成立した以降にドライバの終了要求を検知すると、自動運転モードを手動運転モードに切り替えて前記出庫支援制御を終了する
出庫支援装置。 - 請求項1から3の何れか一項に記載の出庫支援装置であって、
前記制御部は、
前記終了許可条件の成立後、前記車両が前記目標位置に到達するよりも前にドライバの終了要求を検知したことにより前記出庫支援制御を終了する際に、ドライバがアクセルペダルを踏みこんでいる場合には、前記車両の制動力を即座に開放する一方、ドライバがアクセルペダルを踏み込んでいない場合には、前記制動力を徐々に開放する
出庫支援装置。 - 請求項1から4の何れか一項に記載の出庫支援装置であって、
前記制御部は、
前記終了許可条件の成立後、前記車両が前記目標位置に到達するまでの間にドライバの終了要求を検知しない場合には、前記車両を前記出庫支援制御により前記目標位置まで移動させるとともに、前記車両を前記目標位置で停車させた後に、自動運転モードを手動運転モードに切り替えて前記出庫支援制御を終了する
出庫支援装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021155084A JP2023046472A (ja) | 2021-09-24 | 2021-09-24 | 車両の出庫支援装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021155084A JP2023046472A (ja) | 2021-09-24 | 2021-09-24 | 車両の出庫支援装置 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2023046472A true JP2023046472A (ja) | 2023-04-05 |
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ID=85778295
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021155084A Pending JP2023046472A (ja) | 2021-09-24 | 2021-09-24 | 車両の出庫支援装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2023046472A (ja) |
-
2021
- 2021-09-24 JP JP2021155084A patent/JP2023046472A/ja active Pending
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