JP2023046318A - 撹拌構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 吐出効率が向上する撹拌構造体を提供する。【解決手段】 撹拌構造体は、撹拌槽内部に設置され、垂直上下方向に延びる撹拌軸102と、撹拌軸102に対して水平方向に且つ放射状に取り付けられる複数枚の羽根板135a~135cを有する軸流翼とを備える。羽根板135aの取付羽根板137は均一板厚の板材よりなり、被撹拌物への進入方向側で水平方向に延びる第1のストレート部144と、第1のストレート部144の後縁161に接続される上方向わん曲形状のカーブ部145と、進入方向に対して斜め後方且つ下方に延びるようにカーブ部145の後縁163に接続される第2のストレート部146とを有する。第1のストレート部144の後縁162の上面の傾きに、カーブ部145の前縁163の上面における接線の傾きが一致すると共に、カーブ部145の後縁164の上面における接線の傾きに、第2のストレート部146の上面の傾きが一致する。【選択図】 図15

Description

新規性喪失の例外適用申請有り
この発明は撹拌構造体に関し、特に撹拌槽内部に設置される、撹拌軸と軸流翼とを備える撹拌構造体に関するものである。
図11は、従来の傾斜パドル翼を用いた撹拌槽の内部構造を模式的に示す正面図であり、図12は、図11で示したパドル板の拡大平面図及び端面図である。
まず図11を参照して、水平断面円形の筒状容器である撹拌槽81は、その内部に撹拌装置71が上方から投入されて設置された状態で、図示しない上方で蓋が閉じられている。撹拌装置71は、撹拌の回転軸となる上下方向に延びる撹拌軸72と、撹拌軸72の下端に接続される傾斜パドル翼73と、撹拌軸72の上端に接続される図示しない外部モーターとから主に構成されている。
次に、図11及び図12を参照して、傾斜パドル翼73は、撹拌軸72の下端が挿入される円筒形状の羽根ボス74と、羽根ボス74の周方向において等間隔に配置され、羽根ボス74の側壁に接続する、矩形平板形状の3枚のパドル板75a、75b及び75cとを備える。パドル板75aは矩形平板形状であって、正面視において撹拌軸72の軸方向に対して45°の傾斜角をつけて羽根ボス74に接続している。パドル板75b及び75cも同様である。
撹拌槽81内部には、撹拌の対象となる流体80が所定量投入されている。
使用に際しては、図示しない外部モーターの駆動によって撹拌軸72が回転され、これに伴い傾斜パドル翼73が回転し、パドル板75a、75b及び75cが進入方向に移動すると共にパドル板75a、75b及び75cの斜め下方に流体80が吐出される。吐出された流体80は撹拌槽81内部で内壁76及び内壁76において90°毎に設置されている4枚の邪魔板77付近に沿った上昇流及び撹拌軸72付近に沿った下降流からなる循環流を発生させ、流体80の混合が促進される。
他の撹拌装置としては、例えば特許文献1に示すようなものがある。
特許文献1に示す撹拌装置は、撹拌対象物が投入される容器としての円筒状のタンクの略中央に回転軸が配置され、回転軸には、軸方向に間隔を隔てて2つの撹拌具が取着されているものである。撹拌具の各々は3つのプロペラタイプの撹拌翼を有する。タンクの側面胴壁部の内面側にはタンクの円周方向に間隔を隔てて、邪魔板を有するバッフル部が複数配置されている。
特開2004-329999号公報
上述のような従来の傾斜パドル翼73は、撹拌軸72に対して45°傾斜して取り付けられているため、流体80の撹拌において、傾斜パドル翼73のパドル板75a、75b及び75cは傾斜した状態で流体80に進入することになる。そのため、進入時におけるパドル板75a、75b及び75cにかかる抵抗が大きく、吐出効率が良いものとは言えなかった。
又、特許文献1に記載の撹拌装置で開示されている撹拌翼はプロペラタイプのものであり、回転軸に対して上下2段に取り付けられている。又、撹拌翼以外にバッフル部も回転自在に駆動させることで、吐出効率を向上させている。しかしながら、撹拌装置自体が大掛かりなものとなっており、より簡易な構造で吐出効率のよい、撹拌装置が望まれていた。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、吐出効率が向上する撹拌構造体を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、撹拌構造体であって、撹拌槽内部に設置され、撹拌時の回転軸となる上下方向に垂直に延びる撹拌軸と、撹拌軸に対して水平方向に且つ放射状に取り付けられる複数枚の羽根板を備える軸流翼とを備え、羽根板の各々は均一板厚の板材で形成され、回転に伴って流体よりなる被撹拌物に進入する進入方向側の第1のストレート部と、第1のストレート部の後縁に接続されるカーブ部と、カーブ部の後縁に接続される第2のストレート部とから構成され、第1のストレート部は、撹拌軸から撹拌槽の内壁側に向かって延びると共に、延びる方向に対して横断する断面が水平となる平板よりなり、カーブ部は、その前縁が第1のストレート部の後縁に接続され、撹拌軸から撹拌槽の内壁側に向かって延びると共に、延びる方向に対して横断する断面が一定曲率の上方向わん曲形状よりなる曲げ板よりなり、第2のストレート部は、進入方向に対して斜め後方且つ下方に延びるようにその前縁がカーブ部の後縁に接続される平板よりなり、第1のストレート部の後縁の上面における接線の傾きに、カーブ部の前縁の上面における接線の傾きが一致すると共に、カーブ部の後縁の上面における接線の傾きに、第2のストレート部の上面の傾きが一致するものである。
このように構成すると、羽根板の第1のストレート部の進入方向の長さ分だけ進入角度がゼロとなる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、第1のストレート部の進入方向断面における進入方向長さは、第2のストレート部の進行方向断面における進入方向長さを基準として決定され、カーブ部の範囲は、一定曲率の曲率中心を基準とし、第1のストレート部の後縁とカーブ部の前縁とからなる第1のストレート部とカーブ部との境界から所定角度までの範囲であり、第1のストレート部とカーブ部との境界は、進入方向断面の貫通方向において羽根板の全域にわたり、カーブ部の後縁と第2のストレート部の前縁とからなるカーブ部と第2のストレート部との境界は、進入方向断面の貫通方向において羽根板の全域にわたるものである。
このように構成すると、被撹拌物への羽根板の進入動作が安定する。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の構成において、第1のストレート部の前縁は進入方向に対して平面視凸状の曲線状の曲線状縁を有し、羽根板の進入方向断面の内、進入方向長さが最大となる断面の中立線において第1のストレート部の長さは、第2のストレート部の長さの4分の1から4分の3となるように設定され、カーブ部は、所定角度が45°となるように形成され、第2のストレート部は、撹拌軸に対する傾斜角度が45°となるものである。
このように構成すると、被撹拌物への羽根板の進入動作が安定すると共に、羽根板に侵入した被撹拌物が後方且つ下方に向かって羽根板の下面に沿って流れやすくなる。
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、第2のストレート部は、外周側に向かって先細る形状を有するものである。
このように構成すると、外周側で捉える流体量が減少する。
請求項5記載の発明は、撹拌構造体であって、撹拌槽内部に設置され、撹拌時の回転軸となる上下方向に垂直に延びる撹拌軸と、撹拌軸に対して水平方向に且つ放射状に取り付けられる複数枚の羽根板を備える軸流翼とを備え、羽根板の各々は均一板厚の板材で形成され、回転に伴って流体よりなる被撹拌物に進入する進入方向側のカーブ部と、カーブ部の後縁に接続されるストレート部とから構成され、カーブ部は、撹拌軸から撹拌槽の内壁側に向かって延びると共に、延びる方向に対して横断する断面が一定曲率の上方向わん曲形状よりなり、その後縁が直線状の曲げ板よりなり、ストレート部は、進入方向に対して斜め後方且つ下方に延びるようにその前縁がカーブ部の後縁に接続される平板よりなり、カーブ部の後縁の上面における接線の傾きに、ストレート部の上面の傾きが一致し、カーブ部の前縁は進入方向に対して平面視凸状の曲線状の曲線状縁を有し、カーブ部の後縁に直交する平面において規定されるカーブ部の断面の中で最大の弧長を含む断面における先端位置の上面での接線の傾きが水平となるものである。
このように構成すると、羽根板の先端での進入角度がゼロとなる。又、流入した流体がストレート部に沿って羽根板の後方且つ下方に流れる。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明の構成において、カーブ部の範囲は、一定曲率の曲率中心を基準とし、カーブ部の前縁から所定角度までの範囲であり、カーブ部の後縁とストレート部の前縁とからなるカーブ部とストレート部との境界は、進入方向断面の貫通方向において羽根板の全域にわたるものである。
このように構成すると、被撹拌物への羽根板の進入動作が安定する。
請求項7記載の発明は、請求項6記載の発明の構成において、カーブ部は、所定角度が45°となるように形成され、ストレート部は、撹拌軸に対する傾斜角度が45°となるものである。
このように構成すると、羽根板に進入した被撹拌物が後方且つ下方に向かって流れやすくなる。
請求項8記載の発明は、請求項5記載の発明の構成において、ストレート部は、外周側に向かって先細る形状を有するものである。
このように構成すると、外周側で捉える流体量が減少する。
以上説明したように、請求項1記載の発明は、羽根板の第1のストレート部の進入方向の長さ分だけ進入角度がゼロと小さくなるので、羽根板の第1のストレート部の形状により進入時の抵抗が減少し、吐出効率が向上する。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、被撹拌物への羽根板の進入動作が安定するので、吐出効率が安定する。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の効果に加えて、被撹拌物への羽根板の進入動作が安定すると共に、羽根板に侵入した被撹拌物が後方且つ下方に向かって羽根板の下面に沿って流れやすくなるので、吐出効率が更に安定する。
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、外周側で捉える流体量が減少するので、羽根板全体への抵抗が更に減少し、吐出効率が更に向上する。
請求項5記載の発明は、羽根板の先端での進入角度がゼロとなるので、カーブ部の前縁における抵抗が減少し、吐出効率が向上する。又、流入した流体がストレート部に沿って羽根板の後方且つ下方に流れるので、羽根板全体への抵抗が減少し、吐出効率がより向上する。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明の効果に加えて、被撹拌物への羽根板の進入動作が安定するので、吐出効率が安定する。
請求項7記載の発明は、請求項6記載の発明の効果に加えて、羽根板に進入した被撹拌物が後方且つ下方に向かって流れやすくなるので、吐出効率が更に安定する。
請求項8記載の発明は、請求項5記載の発明の効果に加えて、外周側で捉える流体量が減少するので、羽根板全体への抵抗が更に減少し、吐出効率が更に向上する。
この発明の第1の実施の形態による撹拌構造体の撹拌槽の内部構造を模式的に示す正面図である。 図1で示した軸流翼のII-IIラインの拡大平面図である。 図2で示した“X”部分の拡大図である。 図3で示したIV(1)-IV(1)ライン及びIV(2)-IV(2)ラインの端面図である。 図3で示した取付羽根板の平面幅寸法を示す模式図である。 図5で示した取付羽根板の展開寸法及び後退後寸法を示す模式図である。 図6で示した取付羽根板の取付状態を示す模式図である。 試験1-1の結果を示す図である。 試験1-2の結果を示す図である。 試験2の結果を示す図である。 従来の傾斜パドル翼を用いた撹拌槽の内部構造を模式的に示す正面図である。 図11で示したパドル板の拡大平面図及び端面図である。 この発明の第2の実施の形態による撹拌構造体の撹拌槽の内部構造を模式的に示す正面図である。 図13で示した軸流翼のXIV-XIVラインの拡大平面図である。 図14で示した“XV”部分の拡大図である。 図15で示したXVI(1)-XVI(1)ライン及びXVI(2)-XVI(2)ラインの端面図である。 図15で示した取付羽根板の平面幅寸法を示す模式図である。 図17で示した取付羽根板の展開寸法及び後退後寸法を示す模式図である。 図18で示した取付羽根板の取付状態を示す模式図である。
図1は、この発明の第1の実施の形態による撹拌構造体の撹拌槽の内部構造を模式的に示す正面図であり、図2は、図1で示した軸流翼のII-IIラインの拡大平面図である。
尚、この第1の実施の形態は、本出願の出願当初の特許請求の範囲における請求項5から請求項8の記載に対応したものである。
まず、図1を参照して、この実施の形態における撹拌構造体10の水平断面円形の筒状容器である撹拌槽51は、基本的に上述した従来の撹拌槽81と同様の構成であって、内壁56に4枚の邪魔板57を90°毎に設置したものであって、使用時にその内部に被撹拌物として流体50(本発明にあっては、流動性を有する連続体を言い、低粘度~高粘度の液体、気体、粉粒体、ペースト体や、気体と液体、異種の液体、又は、固体と液体の混合物等を含む。)が投入されるものである。
撹拌槽51は、水平断面円形の筒状容器であって、その内部に撹拌装置1が上方から投入されて設置された状態で、図示しない上方で蓋が閉じられている。撹拌装置1は、撹拌の回転軸となる上下方向に垂直に延びる撹拌軸2と、撹拌軸2の下端に接続される軸流翼3と、撹拌軸2の上端に接続される図示しない外部モーターとから主に構成されている。尚、軸流翼3は、撹拌槽51のボトムセンターから250mm上方の位置にて接続されている。
撹拌槽51内部には、撹拌の対象となる流体50が所定量投入され、使用に際しては、図示しない外部モーターの駆動によって撹拌軸2が回転され、これに伴い軸流翼3が撹拌槽51内部にて回転する。
次に、図1及び図2を参照して、軸流翼3は、撹拌軸2の下端が挿入される円筒形状の羽根ボス34と、羽根ボス34の側壁に撹拌軸2に対して水平方向且つ放射状に取り付けられる3枚の羽根板35a、35b及び35cとを備える。羽根板35a、35b及び35cの構成については後述する。
図3は、図2で示した“X”部分の拡大図であり、図4は、図3で示したIV(1)-IV(1)ライン及びIV(2)-IV(2)ラインの端面図である。
図1から図4の各々を参照して、羽根板35aは、羽根ボス34の側壁に溶接にて接続される矩形平板形状のボス側羽根板36と、ボス側羽根板36の下面に配置され、ボルト及びナットにてボス側羽根板36と一体的に連結する取付羽根板37とを備える。尚、ボス側羽根板36は、正面視において撹拌軸2の軸方向に対して45°の傾斜角をつけて羽根ボス34に接続しており、取付羽根板37もボス側羽根板36に準じて傾斜している。又、流体50に対する羽根板35aの進入方向は、図3の矢印にて示した方向である。
取付羽根板37は、均一の板厚の金属板を切断及び折り曲げ形成したものよりなる。
取付羽根板37は、軸流翼3の回転に伴って流体50に進入する羽根板35aの進入方向側のカーブ部45と、カーブ部45の後縁47に接続されるストレート部46とに分かれる。
取付羽根板37は、羽根径d1が、羽根径d1/撹拌槽径が0.3~0.6の比率、且つ、羽根幅w1が、羽根幅w1/羽根径d1が0.1~0.3の比率になるようにそれぞれ設定されており、その輪郭は平面視にて、直線状に延びる羽根ボス側縁38と、羽根ボス側縁38と鈍角を形成して羽根ボス側縁38の一方端部から連続して外周側に直線状に延びる第1直線状縁39と、第1直線状縁39と鈍角を形成して第1直線状縁39から連続して進入方向側に直線状に延びる第2直線状縁40と、第2直線状縁40から連続してカーブを描きながら羽根ボス側縁38の側に延びる曲線状縁41と、曲線状縁41から連続して羽根ボス側縁38の他方端部まで直線状に延びる第3直線状縁42とを備える。取付羽根板37の輪郭の内、曲線状縁41及び第3直線状縁42を合わせた部分をカーブ部45の前縁43とし、第1直線状縁39及び第2直線状縁40を合わせた部分をストレート部46の後縁44とする。
取付羽根板37のカーブ部45は、撹拌軸2から撹拌槽51の内壁56側に向かって延びる曲げ板よりなり、延びる方向に対して横断する断面が一定曲率の上方向わん曲形状となっている。カーブ部45の前縁43は、上述した曲線状縁41によって、羽根板35aの進入方向に対して平面視凸状の曲線状となっている。又、カーブ部45の後縁47は直線状となっている。カーブ部45の範囲は、一定曲率の曲率中心Oとカーブ部45の前縁43とを結ぶ直線を基準とした角度θまでの範囲であり、この実施の形態における角度θは45°である。
取付羽根板37のストレート部46は、羽根板35aの進入方向に対して斜め後方且つ下方に延びる平板よりなり、その前縁48がカーブ部45の後縁47に接続されている。このカーブ部45の後縁47とストレート部46の前縁48とからなるカーブ部45とストレート部46との境界、すなわち曲げ位置20は、進入方向断面の貫通方向において取付羽根板37の全域(図3に示す一点鎖線の位置)にわたっている。尚、曲げ位置20は第1直線状縁39と並行する。又、カーブ部45とストレート部46とは連続して下方に延びるように接続されており、カーブ部45の後縁47の上面における接線27の傾きに、ストレート部46の上面の傾きが一致する。更に、ストレート部46は撹拌軸2に対する傾斜角度が45°となっている。更に、ストレート部46は、第1直線状縁39及び第2直線状縁40の形状により、外周側に向かって先細る形状を有する。ボス側羽根板36との連結箇所はストレート部46の羽根ボス側縁38近辺に設定される。
再度図3及び図4を参照して、図3のIV(1)-IV(1)のラインの断面は、カーブ部45の後縁47に直交する平面において規定されるカーブ部45の断面の中で最大の弧長を含む断面である。この断面においては、図4の(1)で示すように、カーブ部45の前縁43上にある先端位置25aの上面での接線26aの傾きが水平となっている。
一方で、図3のIV(2)-IV(2)のラインの断面は、カーブ部45の後縁47に直交する平面において規定されるカーブ部45の断面の中で最大の弧長を含まない断面である。この断面においては、図4の(2)で示すように、カーブ部45の前縁43上にある先端位置25bの上面での接線26bの傾きは水平とはならない。
撹拌構造体10をこのように構成した効果については後述する。
尚、図2に記載の羽根板35b及び35cの構成は、羽根板35aと同様であるため、ここでの説明は省略する。
使用に際し、撹拌軸2の回転に伴って軸流翼3が回転すると、羽根板35a、35b及び35cの各々の取付羽根板が進入方向に移動する。尚、各取付羽根板は共通の動きを生ずるため、ここでは羽根板35aの取付羽根板37についてのみ説明する。
まず、取付羽根板37のカーブ部45の前縁43の内、先端位置25aが最先で流体50に進入する。上述したように、この先端位置25aでの上面での接線26aの傾きは水平であるため、流体50に対する取付羽根板37の先端での進入角度がゼロとなる。その結果、カーブ部45の前縁43における抵抗が減少し、撹拌構造体10の吐出効率が向上する。
次に、取付羽根板37に流入した流体50は、カーブ部45を経由し、ストレート部46に流れ込む。すると、カーブ部45及びストレート部46の構成は上述の通りであるから、取付羽根板37に流入した流体50はその勢いを妨げられることなくストレート部46に沿って取付羽根板37の後方且つ下方に逃げるように流れる。その結果、取付羽根板37全体への抵抗が減少し、撹拌構造体10の吐出効率がより向上する。
又、カーブ部45の範囲やカーブ部45とストレート部46との境界20の構成は上述の通りであるから、取付羽根板37は必ずカーブ部45の前縁43から流体50に進入することになる。これにより、流体50への取付羽根板37の進入動作が安定するので、撹拌構造体10の吐出効率が安定する。
更に、上述した通り、一定曲率の曲率中心Oとカーブ部45の前縁43とを結ぶ直線を基準として45°の範囲をカーブ部45の範囲とし、ストレート部46の撹拌軸2に対する傾斜角度を45°とすることによって、カーブ部45とストレート部46とは後方且つ下方に向かってなめらかに連続することになる。これにより、取付羽根板37に進入した流体50が後方且つ下方に向かって流れやすくなるので、撹拌構造体10の吐出効率が更に安定する。
加えて、上述した通りストレート部46は先細り形状であり、第2直線状縁40の周辺から流体50が逃げやすくなっている。すなわち、取付羽根板37の外周側で捉える流体50の量は、内周側で捉える流体50の量よりも減少する。その結果、取付羽根板37全体への抵抗が更に減少し、撹拌構造体10の吐出効率が更に向上する。
図5は、図3で示した取付羽根板の平面幅寸法を示す模式図であり、図6は、図5で示した取付羽根板の展開寸法及び後退後寸法を示す模式図であり、図7は、図6で示した取付羽根板の取付状態を示す模式図である。
図5の(1)及び図2の各々を参照して、取付羽根板37の製造にあたってはまず、取付羽根板37の平面幅bを決定する。ここで、取付羽根板37は、板厚tの中立線での半径をRとした円弧として設定される。
次に、図5の(2)を参照して、取付羽根板37の曲げ加工後の寸法を決定する。カーブ部45を形成するための取付羽根板37の曲げ加工は、曲率中心Oとカーブ部45の前縁43とを結ぶ直線を基準とした任意の角度までの範囲にて行うところ、板厚tの中立線でのカーブ部45の弧長はLと、板厚tの中立線におけるカーブ部45の平面幅はLとなり、ストレート部46の平面幅Lは、b-Lに設定され、曲げ加工後の取付羽根板37の平面幅Lは、L+Lとなる。尚、ここではL=L且つ、L1>Lに設定されている。更に、取付羽根板37の内側の曲げ径Rは、R-0.5tとなる。
次に、図5及び図6の(1)の各々を参照して、取付羽根板37の羽根ボス34に対する展開寸法を決定する。まず、取付羽根板37の羽根幅展開寸法Wは、L+Lとなる。曲線状縁41は、図の破線で示す2種類の半楕円を組み合わせた形状にカットされて形成される。カーブ部45の内周側は一部がカットされ、第3直線状縁42が形成されている。又、ストレート部46の外周側も一部がカットされ、第2直線状縁40が形成されている。
次に、図6の(1)及び(2)の各々を参照して、図6の(1)で作成した取付羽根板37の輪郭のうち羽根ボス側縁38以外を、基準点Pを基準として反時計回りに回転させる。すると、羽根ボス側縁38と第1直線状縁39及び第3直線状縁42との各々の連続位置がずれるので、回転後の位置においてもこれらが連続するように、羽根ボス側縁38の第1直線状縁39側は延長、第3直線状縁42側は切断し、第1直線状縁39の羽根ボス側縁38側を切断し、第3直線状縁42の羽根ボス側縁38側を延長して、取付羽根板37の形状を整える。このようにして、取付羽根板37の展開を終了する。
最後に、図6の(2)、図5の(2)及び図7の各々を参照して、図6の(2)で作成した取付羽根板37を、図5の(2)で示したようにカーブ部45の弧長Lの範囲のみ曲げ径Rで曲げて、図7に示すように基準点Pを基準に後退させて羽根ボス34に取り付ける。このようにして、取付羽根板37の各々の製造及び取付が行われ、図2に示した軸流翼3が製造される。
尚、上記の第1の実施の形態では、取付羽根板はカーブ部とストレート部とを備えるものであったが、ストレート部を無くして全域にわたって上方向わん曲形状を有するものであってもよい。
又、上記の第1の実施の形態では、カーブ部の範囲は特定角度までの範囲であったが、他の角度までの範囲としてもよい。
更に、上記の第1の実施の形態では、カーブ部は一定の曲率にてわん曲するものであったが、曲率が一定でなくてもよい。
更に、上記の第1の実施の形態では、ストレート部は外周側に向かって先細る形状を有するものであったが、内周側から外周側にかけて等幅であってもよい。
更に、上記の第1の実施の形態では、取付羽根板は特定形状の輪郭を有するものであったが、輪郭が他の形状であってもよい。例えば、曲線状縁のようなカーブ形状が無くてもよく、第3直線状縁による内周側への先細り形状が無くてもよい。
更に、上記の第1の実施の形態では、ボス側羽根板は特定角度にて取り付けられていたが、他の角度で取り付けられてもよい。又、取付位置を後退させて羽根板を後退翼としてもよい。更に、取付方法は溶接でなくてもよい。
更に、上記の第1の実施の形態では、羽根板はボス側羽根板と取付羽根板とに分かれるものであったが、これらを一体化形成したものであってもよい。
更に、上記の第1の実施の形態では、羽根板は3枚であったが、2枚や4枚等、他の枚数であってもよい。
更に、上記の第1の実施の形態では、軸流翼は1段構成であったが、2段等、多段構成であってもよい。
更に、上記の第1の実施の形態では、軸流翼は特定位置にて撹拌軸に接続していたが、他の位置にて接続していてもよい。尚、接続位置が上方になると撹拌軸を短く、又、細くすることができるため、コストダウンが望める。
更に、上記の第1の実施の形態では、軸流翼は特定寸法の範囲内及び特定形状にて形成されていたが、特定寸法の範囲外の他の寸法、及び、他の形状にて形成されてもよい。
更に、上記の第1の実施の形態では、撹拌装置は外部モーターを含むものであったが、無くてもよい。
更に、上記の第1の実施の形態では、ストレート部の平面幅Lはb-Lとされ、L=L且つ、L1>Lに設定されていたが、LとLとが異なるように、又、L1≦Lに設定されてもよい。
更に、上記の第1の実施の形態では、カーブ部及びストレート部について前縁及び後縁をという語を用いたが、これは部位を特定するために便宜上用いたものであり、カーブ部及びストレート部の各々は別体によるものではなく、一体で連続して形成されているものである。
更に、上記の第1の実施の形態では、取付羽根板は均一板厚の板材を切断及び折り曲げ形成したものよりなるが、同一厚さはもとより異なる板厚の板材からなるカーブ部とストレート部とを溶接等することによって形成してもよい。その際、カーブ部の上面及び下面と、ストレート部の上面及び下面との各々の位置関係については様々な状態のものが形成され得るが、カーブ部の下面とストレート部の下面とが面一になっているものが流体の流れの観点から最も好ましい。
[実施例-1]
以下、本発明について具体的な実施例を挙げて説明する。尚、この実施例-1は第1の実施の形態に対応するものである。又、本発明は以下に示す実施例-1に限定されるものではない。
<試験1-1>(混合実験)
1.試験条件
以下の器具を使用して、着脱色試験を行った。流体の均一混合の達成は、流体の混合により脱色が進み、脱色が完了した時点とした。
・撹拌槽…内径D400mm、高さH800mm、液深500mm、投入動力0.1kW/m
・試験流体…水(粘性係数0.001Pa・s)
・薬品…1規定ヨウ素溶液による着色法、1規定チオ硫酸ナトリウム水溶液による脱色法
・撹拌装置…実施例として、上述した第1の実施の形態によるもの、すなわち、カーブ部とストレート部とを備える羽根板を3枚備える軸流翼を用いた。羽根板の取付羽根板は、SUS304よりなる板厚4mmの金属板を切断及び折り曲げ形成したものよりなり、羽根径が0.2m、羽根幅が60mmに設定されている。取付羽根板は、板厚の中立線での半径を0.3×羽根径/√2とした1/4円弧をベースにカーブ部とストレート部とを形成したものよりなり、カーブ部の範囲は曲率中心と進入方向端部とを結ぶ直線を基準として、0°から45°の範囲に設定され、カーブ部の弧長はストレート部の平面幅よりも長く設定されている。曲線状縁は、(0.5×羽根径)×(0.5×羽根幅)の半楕円と、(1.5×羽根径)×(0.5×羽根幅)の半楕円とを組み合わせた形状に形成されている。第3直線状縁は、羽根ボス側縁の延長線との角度が30°となるように、第2直線状縁は、外周側における、羽根径/4の箇所と、第1直線状縁側における、羽根幅/4の箇所とを辺とする三角形の残りの一辺となるように、それぞれ形成されている。取付羽根板は10°後退して羽根ボスに取り付けられている。尚、実施例の軸流翼は1液深BC+250mmの位置に配置した。
比較例としては、2段の傾斜パドル翼を用いた。傾斜パドル翼の各々は、羽根ボスの周方向において等間隔に配置され、撹拌軸の軸方向に対して45°の傾斜角を付けて羽根ボスの側壁に接続する、矩形平板形状のパドル板を3枚ずつ備える。パドル板の各々は、羽根径は実施例1と同様に、羽根幅は25mmにそれぞれ設定されているものである。下段のパドル板は液深TLの位置に配置され、上段のパドル板は液深290mmの位置に配置されている。
2.試験結果
図8は試験1-1の結果を示す図である。
図を参照して、混合開始から8秒後に、実施例及び比較例のいずれもで均一混合が達成されることが確認された。すなわち、1段構成の実施例が2段構成の比較例と同等の混合性能を示したと言える。これは、実施例は比較例よりも回転に要する動力が少なく、同一の投入動力下における時間あたりの回転数は実施例が比較例よりも多数となること、及び、実施例は動力に対する吐出流量が大きい(吐出効率が良い)ことに起因する。
<試験1-2>混合実験
1.試験条件
以下のものを除き、使用器具及び試験条件は試験1-1と同様である。
・撹拌槽…投入動力0.3kW/m
2.試験結果
図9は試験1-2の結果を示す図である。
図を参照して、混合開始から6秒後に、実施例及び比較例のいずれも均一混合が達成されることが確認され、実施例が比較例と同等の混合性能を示した。これも、試験1-1にて記載した実施例と比較例との差異に起因する。
<試験2>(分散性能)
1.試験条件
以下の器具を使用して、イオン交換樹脂による分散実験を行った。分散状態の確認は、回転数毎に液面を掬って拡散物質の濃度を調べることにより行った。
尚、以下のものを除き、使用器具及び試験条件は試験1-1と同様である。
・試験流体…水(粘性係数0.001Pa・s)
・拡散物質…樹脂の粒の径0.5~1.0mm、比重1.3、容積は試験流体と同値
2.試験結果
図10は試験2の結果を示す図である。
これらの図を参照して、回転数が270rmpに達した時点で、実施例及び比較例のいずれもで均一分散が達成されることが確認された。すなわち、1段構成の実施例が2段構成の比較例と同等の分散性能を示したと言える。これも、試験1-1にて記載した実施例と比較例との差異に起因する。
<シミュレーション結果>
実施例と比較例との吐出効率を、シミュレーションにて比較する。
尚、シミュレーションにおいて、吐出効率は動力あたりの吐出量と定義する。又、回転数をn、羽根径をd、流体密度をp、動力をP、吐出流量をQとして、吐出流量係数NqはQ/ndと、動力数NpはP/pnと、吐出効率はNq/Np1/3として定義する。
シミュレーション結果を下記の表に表す。
Figure 2023046318000002
上述するように同じ回転数で要する動力数は、実施例は比較例の50%程度に減少している。一方で吐出流量は、実施例は比較例の90%程度を達成しており、動力数の減少に比して吐出流量が減少していない。すなわち、動力あたりの吐出量が増加していると言える。そして吐出効率は、実施例が0.8であるのに対し比較例が0.74であり、実施例が比較例を上回るものとなっている。
よって、実施例の構成が比較例の構成と比較してより有利な効果が認められることが分かる。
図13は、この発明の第2の実施の形態による撹拌構造体の撹拌槽の内部構造を模式的に示す正面図であり、図14は、図13で示した軸流翼のXIV-XIVラインの拡大平面図であり、図15は、図2で示した“XV”部分の拡大図である。
尚、この第2の実施の形態は、本出願の出願当初の特許請求の範囲における請求項1から請求項4の記載に対応したものである。
又、この実施の形態による撹拌構造体110の構成は、基本的には第1の実施の形態と共通部分が多くあるため、ここではその相違点を中心に説明する。
まず、図13及び図14を参照して、この実施の形態における撹拌構造体110の撹拌槽151、撹拌装置101の撹拌軸102、邪魔板157の各々は、第1の実施の形態のものと同様の構成である。又、撹拌構造体110の撹拌装置101の軸流翼103は、第1の実施の形態と同様に撹拌軸102の下端に羽根ボス134を介して撹拌軸102に対して水平方向且つ放射状に取り付けられる3枚の羽根板135a、135b及び135cとを備える。羽根板135a、135b及び135cの構成については後述する。更に、撹拌槽151内部には、被撹拌物である流体150が所定量投入され、使用に際しては、撹拌軸102の上部に接続される図示しない外部モーターの駆動によって撹拌軸102が回転され、これに伴い軸流翼103が撹拌槽151内部にて回転する。
図15は、図2で示した“XV”部分の拡大図であり、図16は、図15で示したIVI(1)-IVI(1)ライン及びIVI(2)-IVI(2)ラインの端面図である。
図13から図16の各々を参照して、羽根板135aは、ボス側羽根板136と取付羽根板137とからなる。ボス側羽根板136の形状とボス側羽根板136と取付羽根板137の取付状態については、第1の実施の形態のものと同様であるのでここでの説明は繰り返さない。
流体150に対する羽根板135aの進入方向は、図16の矢印にて示した方向である。
取付羽根板137は、均一の板厚の金属板を切断及び折り曲げ形成したものよりなる。
取付羽根板137は、軸流翼103の回転に伴って流体150に進入する羽根板135aの進入方向側の第1のストレート部144と、第1のストレート部144の後縁162に接続されるカーブ部145と、カーブ部145の後縁164に接続される第2のストレート部146とに分かれる。
取付羽根板137は、羽根径d2が、羽根径d2/撹拌槽径が0.3~0.6の比率、且つ、羽根幅w2が、羽根幅w2/羽根径d2が0.1~0.3の比率になるようにそれぞれ設定されており、その輪郭は平面視にて、直線状に延びる羽根ボス側縁138と、羽根ボス側縁138と鈍角を形成して羽根ボス側縁138の一方端部から連続して外周側に直線状に延びる第1直線状縁139と、第1直線状縁139と鈍角を形成して第1直線状縁139から連続して進入方向側に直線状に延びる第2直線状縁140と、第2直線状縁140から連続してカーブを描きながら羽根ボス側縁138の側に延びる曲線状縁141と、曲線状縁141から連続して羽根ボス側縁138の他方端部まで直線状に延びる第3直線状縁142とを備える。取付羽根板137の輪郭の内、曲線状縁141及び第3直線状縁142を合わせた部分を第1のストレート部144の前縁161とし、第1直線状縁139及び第2直線状縁140を合わせた部分を第2のストレート部146の後縁166とする。
取付羽根板137の第1のストレート部144は、撹拌軸102から撹拌槽151の内壁156側に向かって延びる平板よりなり、延びる方向に対して横断する断面が水平となっている。第1のストレート部144の前縁161は曲線状縁141によって、羽根板135aの進入方向に対して平面視凸状の曲線状となっている。又、第1のストレート部144の後縁162は直線状となっている。
図17は、図15で示した取付羽根板の平面幅寸法を示す模式図である。
図13から図16に加えて、図17の(2)を更に参照して、更に、第1のストレート部144の進入方向断面における進入方向長さLは、後述する第2のストレート部146の進入方向断面における進入方向長さLを基準として決定される。この実施の形態では、進入方向長さが最大となる断面の中立線において、第1のストレート部144の長さは第2のストレート部146の半分の長さとなっている(L=L/2)。
再度、図13から図16の各々を参照して、取付羽根板137のカーブ部145は、撹拌軸102から撹拌槽151の内壁156側に向かって延びる曲げ板よりなり、延びる方向に対して横断する断面が一定曲率の上方向わん曲形状となっており、その前縁163が第1のストレート部144の後縁162に接続されている。この第1のストレート部144の後縁162とカーブ部145の前縁163とからなる第1のストレート部144とカーブ部145との境界、すなわち第1の曲げ位置120は、進入方向断面の貫通方向において取付羽根板137の全域(図15に示す左側一点鎖線の位置)にわたっている。尚、第1の曲げ位置120は第1直線状縁139と並行する。又、第1のストレート部144とカーブ部145とは連続して下方に延びるように接続されており、第1のストレート部144の後縁162の上面の傾きにカーブ部145の前縁163の上面における接線127の傾きが一致する。更に、カーブ部145の後縁164は、直線状になっている。更に、カーブ部145の範囲は、一定曲率の曲率中心O´とカーブ部145の前縁163とを結ぶ直線を基準とした角度θまでの範囲であり、この実施の形態における角度θは45°である。
取付羽根板137の第2のストレート部146は、羽根板135aの進入方向に対して斜め後方且つ下方に延びる平板よりなり、その前縁165がカーブ部145の後縁164に接続されている。このカーブ部145の後縁164と第2のストレート部146の前縁165とからなるカーブ部145と第2のストレート部146との境界、すなわち第2の曲げ位置121は、進入方向断面の貫通方向において取付羽根板137の全域(図15に示す右側一点鎖線の位置)にわたっている。尚、第2の曲げ位置121は第1直線状縁139と並行する。又、カーブ部145と第2のストレート部146とは連続して下方に延びるように接続されており、カーブ部145の前縁163の上面における接線128の傾きに第2のストレート部146の上面の傾きが一致する。更に、第2のストレート部146は撹拌軸102に対する傾斜角度が45°となっている。更に、第2のストレート部146は、第1直線状縁139及び第2直線状縁140の形状により、外周側に向かって先細る形状を有する。ボス側羽根板136との連結箇所は第2のストレート部146の羽根ボス側縁138近辺に設定される。
再度図15及び図16を参照して、図15のXVI(1)-XVI(1)ラインは、第1の実施の形態における図3のIV(1)-IV(1)ラインに相当するものであり、取付羽根板137の進入方向の長さが最も長くなる位置である。又、図15のXVI(2)-XVI(2)ラインは、第1の実施の形態における図3のIV(2)-IV(2)ラインに相当するものであり、第1のストレート部144とカーブ部145との境界近くの位置である。図16で示すように、第1のストレート部144の進入方向断面における長さは(1)より(2)の方が短いものとなるが、第1のストレート部144の前縁161上にある先端位置125a、125bの上面での接線126a、126bの傾きはいずれも水平となっている。つまり、第1のストレート部144は水平方向に延びる平板であるから、第1のストレート部144の進入方向断面における長さ分だけ、接線126a、126bは水平となる。
撹拌構造体110をこのように構成した効果については後述する。
尚、図14に記載の羽根板135b及び135cの構成は、羽根板135aと同様であるため、ここでの説明は省略する。
使用に際し、撹拌軸102の回転に伴って軸流翼103が回転すると、羽根板135a、135b及び135cの各々の取付羽根板が進入方向に移動する。尚、各取付羽根板は共通の動きを生ずるため、ここでは羽根板135aの取付羽根板137についてのみ説明する。
まず、取付羽根板137の第1のストレート部144の前縁161の内、先端位置125aが最先で流体150に進入する。上述したように、この先端位置125aでの上面の接線126aの傾きは水平である。次に、第1のストレート部144の流体150への進入を継続すると、流体150が第1のストレート部144に沿って流れる。この実施の形態では第1のストレート部144の構成は上述した通りであり、第1のストレート部144の傾きは撹拌軸102に対して水平であるから、流体150に対する取付羽根板137の第1ストレート部144の進入方向の長さ分だけ進入角度がゼロとなる。その結果、取付羽根板137の第1のストレート部144の形状により進入時の抵抗が減少し、撹拌構造体110の吐出効率が向上する。
次に、取付羽根板137に流入した流体150は、カーブ部145を経由し、第2のストレート部146に流れ込む。すると、カーブ部145及び第2のストレート部146の構成は上述の通りであるから、取付羽根板137に流入した流体150はその勢いを妨げられることなく第2のストレート部146に沿って取付羽根板137の後方且つ下方に逃げるように流れる。その結果、取付羽根板137全体への抵抗が減少し、撹拌構造体110の吐出効率がより向上する。
又、第1のストレート部144とカーブ部145との境界(第1の曲げ位置120)及びカーブ部145と第2のストレート部146との境界(第2の曲げ位置121)の構成は上述の通りであるから、取付羽根板137は必ず第1のストレート部144の前縁161から流体150に進入することになる。これにより、流体150への取付羽根板137の進入動作が安定するので、撹拌構造体110の吐出効率が安定する。
更に、上述した通り、一定曲率の曲率中心O´とカーブ部145の前縁163とを結ぶ直線を基準として45°の範囲をカーブ部145の範囲とし、第2のストレート部146の撹拌軸102に対する傾斜角度が45°とすることによって、カーブ部145と第2のストレート部146とは後方且つ下方に向かってなめらかに連続することになる。又、取付羽根板137の進入方向断面の内、第1のストレート部144の進入方向長さと第2のストレート部146の進入方向長さの関係は上述の通りである。これにより、流体150への取付羽根板137の進入動作が安定すると共に、取付羽根板137に進入した流体150が後方且つ下方に向かって取付羽根板137の下面に沿って流れやすくなるので、撹拌構造体110の吐出効率が更に安定する。
加えて、上述した通り第2のストレート部146は先細り形状であり、第2直線状縁140の周辺から流体150が逃げやすくなっている。すなわち、取付羽根板137の外周側で捉える流体150の量は、内周側で捉える流体150の量よりも減少する。その結果、取付羽根板137全体への抵抗が更に減少し、撹拌構造体110の吐出効率が更に向上する。
図18は、図15で示した取付羽根板の展開寸法及び後退後寸法を示す模式図であり、図19は、図18で示した取付羽根板の取付状態を示す模式図である。
図17(1)の(2)及び図15の各々を参照して、取付羽根板137の製造にあたり、まず取付羽根板137の取付羽根板137のカーブ部145及び第2のストレート部146の平面幅bを決定する。ここで、取付羽根板137のカーブ部145と第2のストレート部146は、板厚tの中立線での半径をRとした円弧として設定される。
次に、取付羽根板137の曲げ加工後の寸法を決定する。カーブ部145を形成するための取付羽根板137の曲げ加工は、曲率中心O´とカーブ部145の前縁163とを結ぶ直線を基準とした任意の角度までの範囲にて行うところ、板厚tの中立線でのカーブ部145の弧長はLと、板厚tの中立線におけるカーブ部145の平面幅はLとなり、第2のストレート部146の平面幅Lは、b-Lに設定され、曲げ加工後の取付羽根板137の平面幅Lは、L+Lとなる。尚、ここではL=L且つ、L>Lに設定されている。更に、取付羽根板137の内側の曲げ径Rは、R-0.5tとなる。更に、第1のストレート部144の平面幅LはL/2に設定されている。
次に、図17及び図18の(1)の各々を参照して、取付羽根板137の羽根ボス134に対する展開寸法を決定する。まず、取付羽根板137の羽根幅展開寸法w2は、L+L+Lとなる。曲線状縁141は、図の破線で示す2種類の半楕円を組み合わせた形状にカットされて形成される。第1のストレート部144及びカーブ部145の内周側は一部がカットされ、第3直線状縁142が形成されている。又、第2のストレート部146の外周側も一部がカットされ、第2直線状縁140が形成されている。
次に、図18の(1)及び(2)の各々を参照して、図18の(1)で作成した取付羽根板137の輪郭のうち羽根ボス側縁138以外を、第1の実施の形態と同様に、基準点Pを基準として反時計回りに回転させた後、回転後の位置においても、羽根ボス側縁138と第1直線状縁139及び第3直線状縁142との各々の連続位置が連続するように、羽根ボス側縁138の第1直線状縁139側は延長、第3直線状縁142側は切断し、第1直線状縁139の羽根ボス側縁138側を切断し、第3直線状縁142の羽根ボス側縁138側を延長して、取付羽根板137の形状を整える。このようにして、取付羽根板137の展開を終了する。
最後に、図18の(2)、図17の(2)及び図19の各々を参照して、図18の(2)で作成した取付羽根板137を、図17の(2)で示したようにカーブ部145の弧長Lの範囲のみ曲げ径Rで曲げて、図19に示すように基準点Pを基準に後退させて羽根ボス134に取り付ける。このようにして、取付羽根板137の各々の製造及び取付が行われ、図2に示した軸流翼103が製造される。
尚、上記の第2の実施の形態では、羽根板の進入方向断面の内、進入方向長さが最大となる断面の中立線において、第1のストレート部の長さは第2のストレート部の長さの半分に設定されるものであったが(L=L/2)、他の長さであってもよい。特に、第2のストレート部の長さの4分の1から4分の3の長さまでの範囲が好ましい。
又、上記の第2の実施の形態では、第1のストレート部の進入方向長さは第2のストレート部の進入方向長さを基準に決定されていたが、別の方法で決定されるものであってもよい。
更に、上記の第2の実施の形態では、取付羽根板はカーブ部と第2のストレート部とを備えるものであったが、第2のストレート部を無くして全域にわたって上方向わん曲形状を有するものであってもよい。
更に、上記の第2の実施の形態では、カーブ部の範囲は特定角度までの範囲であったが、他の角度までの範囲としてもよい。
更に、上記の第2の実施の形態では、カーブ部は一定の曲率にてわん曲するものであったが、曲率が一定でなくてもよい。
更に、上記の第2の実施の形態では、ストレート部は外周側に向かって先細る形状を有するものであったが、内周側から外周側にかけて等幅であってもよい。
更に、上記の第2の実施の形態では、取付羽根板は特定形状の輪郭を有するものであったが、輪郭が他の形状であってもよい。例えば、曲線状縁のようなカーブ形状が無くてもよく、第3直線状縁による内周側への先細り形状が無くてもよい。
更に、上記の第2の実施の形態では、ボス側羽根板は特定角度にて取り付けられていたが、他の角度で取り付けられてもよい。又、取付位置を後退させて羽根板を後退翼としてもよい。更に、取付方法は溶接でなくてもよい。
更に、上記の第2の実施の形態では、羽根板はボス側羽根板と取付羽根板とに分かれるものであったが、これらを一体化形成したものであってもよい。
更に、上記の第2の実施の形態では、羽根板は3枚であったが、2枚や4枚等、他の枚数であってもよい。
更に、上記の第2の実施の形態では、軸流翼は1段構成であったが、2段等、多段構成であってもよい。
更に、上記の第2の実施の形態では、軸流翼は特定位置にて撹拌軸に接続していたが、他の位置にて接続していてもよい。尚、接続位置が上方になると撹拌軸を短く、又、細くすることができるため、コストダウンが望める。
更に、上記の第2の実施の形態では、軸流翼は特定寸法の範囲内及び特定形状にて形成されていたが、特定寸法の範囲外の他の寸法、及び、他の形状にて形成されてもよい。
更に、上記の第2の実施の形態では、撹拌装置は外部モーターを含むものであったが、無くてもよい。
更に、上記の第2の実施の形態では、第2のストレート部の平面幅Lはb-Lとされ、L=L且つ、L>Lに設定されていたが、LとLとが異なるように、又、L≦Lに設定されてもよい。
更に、上記の第2の実施の形態では、第1のストレート部、カーブ部及び第2のストレート部について前縁及び後縁をという語を用いたが、これは部位を特定するために便宜上用いたものであり、第1のストレート部、カーブ及び第2のストレート部の各々は別体によるものではなく、一体で連続して形成されているものである。
更に、上記の第2の実施の形態では、取付羽根板は均一板厚の板材を切断及び折り曲げ形成したものよりなるが、同一厚さはもとより異なる板厚の板材からなる第1のストレート部、カーブ部及び第2のストレート部とを溶接等することによって形成してもよい。その際、第1のストレート部の上面及び下面と、カーブ部の上面及び下面と、第2のストレート部の上面及び下面との各々の位置関係については様々な状態のものが形成され得るが、第1のストレート部の下面、カーブ部の下面及び第2のストレート部の下面の各々が面一になっているものが流体の流れの観点から最も好ましい。
[実施例-2]
以下、本発明について具体的な実施例を挙げて説明する。尚、この実施例-2は第2の実施の形態に対応するものである。又、本発明は以下に示す実施例-2に限定されるものではない。
<試験3-1>(混合実験)
1.試験条件
以下の器具を使用して、着脱色試験を行った。流体の均一混合の達成は、流体の混合により脱色が進み、脱色が完了した時点とした。
・撹拌槽…内径D400mm、高さH800mm、液深500mm、投入動力0.1kW/m
・試験流体…水(粘性係数0.001Pa・s)
・薬品…1規定ヨウ素溶液による着色法、1規定チオ硫酸ナトリウム水溶液による脱色法
・撹拌装置…実施例2として、上述した第2の実施の形態によるもの、すなわち、第1のストレート部とカーブ部と第2のストレート部とを備える羽根板を3枚備える軸流翼を用いた。羽根板の取付羽根板は、SUS304よりなる板厚4mmの金属板を切断及び折り曲げ形成したものよりなり、羽根径が0.2m、羽根幅が60mmに設定されている。取付羽根板は、板厚の中立線での半径を0.3×羽根径/√2とした1/4円弧をベースにカーブ部と第2のストレート部とを形成したものよりなり、カーブ部の範囲は曲率中心と進入方向端部とを結ぶ直線を基準として、0°から45°の範囲に設定され、カーブ部の弧長は第2のストレート部の平面幅よりも長く設定されている。第1のストレート部の平面幅は第2のストレート部の平面幅の半分に設定されている。第1のストレート部の曲線状縁は、(0.5×羽根径)×(0.5×羽根幅)の半楕円と、(0.5羽根径)×(1.5×羽根幅)の半楕円とを組み合わせた形状に形成されている。第3直線状縁は、羽根ボス側縁の延長線との角度が25°となるように、第2直線状縁は、外周側における、羽根径/4の箇所と、第1直線状縁側における、羽根幅/4の箇所とを辺とする三角形の残りの一辺となるように、それぞれ形成されている。取付羽根板は10°後退して羽根ボスに取り付けられている。尚、実施例の軸流翼は1液深BC+250mmの位置に配置した。
又、上記と同様の条件で、第1のストレート部の平面幅が第2ストレート部の平面幅の4分の1となるもの及び4分の3となるものをそれぞれ実施例3及び実施例4とする。
比較例としては、2段の傾斜パドル翼を用いた。傾斜パドル翼の各々は、羽根ボスの周方向において等間隔に配置され、撹拌軸の軸方向に対して45°の傾斜角を付けて羽根ボスの側壁に接続する、矩形平板形状のパドル板を3枚ずつ備える。パドル板の各々は、羽根径は実施例1と同様に、羽根幅は25mmにそれぞれ設定されているものである。下段のパドル板は液深TLの位置に配置され、上段のパドル板は液深290mmの位置に配置されている。
2.試験結果
試験3-1の結果を示す図は、目視上は図8と変わらないためここでは省略し、以下の説明は図8を参照するものとする。
図8を参照して、混合開始から8秒後に、実施例2から4の各々及び比較例のいずれもで均一混合が達成されることが確認された。すなわち、1段構成の各実施例が2段構成の比較例と同等の混合性能を示したと言える。これは、各実施例は比較例よりも回転に要する動力が少なく、同一の投入動力下における時間あたりの回転数は各実施例が比較例よりも多数となること、及び、各実施例は動力に対する吐出流量が大きい(吐出効率が良い)ことに起因する。
<試験3-2>混合実験
1.試験条件
以下のものを除き、使用器具及び試験条件は試験3-1と同様である。
・撹拌槽…投入動力0.3kW/m
2.試験結果
試験3-2の結果を示す図は、目視上は図9と変わらないためここでは省略し、以下の説明は図9を参照するものとする。
図9を参照して、混合開始から6秒後に、実施例2から4の各々及び比較例のいずれもで均一混合が達成されることが確認され、各実施例が比較例と同等の混合性能を示した。これも、試験3-1にて記載した各実施例と比較例との差異に起因する。
<試験4>(分散性能)
1.試験条件
以下の器具を使用して、イオン交換樹脂による分散実験を行った。分散状態の確認は、回転数毎に液面を掬って拡散物質の濃度を調べることにより行った。
尚、以下のものを除き、使用器具及び試験条件は試験1-1と同様である。
・試験流体…水(粘性係数0.001Pa・s)
・拡散物質…樹脂の粒の径0.5~1.0mm、比重1.3、容積は試験流体と同値
2.試験結果
試験4の結果を示す図は、目視上は図10と変わらないためここでは省略し、以下の説明は図10を参照するものとする。
図10を参照して、回転数が270rmpに達した時点で、実施例2から4の各々及び比較例のいずれもで均一分散が達成されることが確認された。すなわち、1段構成の、各実施例が2段構成の比較例と同等の分散性能を示したと言える。これも、試験3-1にて記載した各実施例と比較例との差異に起因する。
<シミュレーション結果>
実施例2から4の各々と比較例との吐出効率を、シミュレーションにて比較する。
尚、シミュレーションにおいて、吐出効率は動力あたりの吐出量と定義する。又、回転数をn、羽根径をd、流体密度をp、動力をP、吐出流量をQとして、吐出流量係数NqはQ/ndと、動力数NpはP/pnと、吐出効率はNq/Np1/3として定義する。
シミュレーション結果を下記の表に表す。
Figure 2023046318000003
上述するように同じ回転数で要する動力数は、実施例2は比較例の51%程度、実施例3は比較例の49%、実施例4は比較例の51%に減少している。一方で吐出流量は、実施例2は比較例の90%程度、実施例3は比較例の90%程度、実施例4は比較例の91%程度を達成しており、動力数の減少に比して吐出流量が減少していない。すなわち、動力あたりの吐出量が増加していると言える。そして吐出効率は、実施例2、実施例3及び実施例4の全てにおいて0.84であるのに対し比較例が0.74であり、全ての実施例が比較例を上回るものとなっている。
よって、実施例2から実施例4の各々の構成が比較例の構成と比較してより有利な効果が認められることが分かる。
1、101…撹拌装置
2、102…撹拌軸
3、103…軸流翼
10、110…撹拌構造体
20…曲げ位置(カーブ部とストレート部との境界)
25a、25b…先端位置
26a、26b…接線
27…接線
35a、35b、35c、135a、135b、135c…羽根板
37、137…取付羽根板
39、139…第1直線状縁
40、140…第2直線状縁
41、141…曲線状縁
42、142…第3直線状縁
43…カーブ部の前縁
44…ストレート部の後縁
45…カーブ部
46…ストレート部
47…カーブ部の後縁
48…ストレート部の前縁
50、150…流体(被撹拌物)
51、151…撹拌槽
56、156…撹拌槽の内壁
120…第1の曲げ位置(第1のストレート部とカーブ部との境界)
121…第2の曲げ位置(カーブ部と第2のストレート部との境界)
125a、125b…先端位置
126a、126b…接線
127…接線
128…接線
144…第1のストレート部
145…カーブ部
146…第2のストレート部
161…第1のストレート部の前縁
162…第1のストレート部の後縁
163…カーブ部の前縁
164…カーブ部の後縁
165…第2のストレート部の前縁
166…第2のストレート部の後縁
尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (8)

  1. 撹拌構造体であって、
    撹拌槽内部に設置され、撹拌時の回転軸となる上下方向に垂直に延びる撹拌軸と、
    前記撹拌軸に対して水平方向に且つ放射状に取り付けられる複数枚の羽根板を備える軸流翼とを備え、
    前記羽根板の各々は均一板厚の板材で形成され、回転に伴って流体よりなる被撹拌物に進入する進入方向側の第1のストレート部と、前記第1のストレート部の後縁に接続されるカーブ部と、前記カーブ部の後縁に接続される第2のストレート部とから構成され、
    前記第1のストレート部は、前記撹拌軸から前記撹拌槽の内壁側に向かって延びると共に、延びる方向に対して横断する断面が水平となる平板よりなり、
    前記カーブ部は、その前縁が前記第1のストレート部の後縁に接続され、前記撹拌軸から前記撹拌槽の内壁側に向かって延びると共に、延びる方向に対して横断する断面が一定曲率の上方向わん曲形状よりなる曲げ板よりなり、
    前記第2のストレート部は、前記進入方向に対して斜め後方且つ下方に延びるようにその前縁が前記カーブ部の後縁に接続される平板よりなり、
    前記第1のストレート部の後縁の上面における接線の傾きに、前記カーブ部の前縁の上面における接線の傾きが一致すると共に、前記カーブ部の後縁の上面における接線の傾きに、前記第2のストレート部の上面の傾きが一致する、撹拌構造体。
  2. 前記第1のストレート部の進入方向断面における進入方向長さは、前記第2のストレート部の進行方向断面における進入方向長さを基準として決定され、
    前記カーブ部の範囲は、前記一定曲率の曲率中心を基準とし、前記第1のストレート部の後縁と前記カーブ部の前縁とからなる前記第1のストレート部と前記カーブ部との境界から所定角度までの範囲であり、
    前記第1のストレート部と前記カーブ部との境界は、前記進入方向断面の貫通方向において前記羽根板の全域にわたり、
    前記カーブ部の後縁と前記第2のストレート部の前縁とからなる前記カーブ部と前記第2のストレート部との境界は、前記進入方向断面の貫通方向において前記羽根板の全域にわたる、請求項1記載の撹拌構造体。
  3. 前記第1のストレート部の前縁は進入方向に対して平面視凸状の曲線状の曲線状縁を有し、前記羽根板の進入方向断面の内、進入方向長さが最大となる断面の中立線において前記第1のストレート部の長さは、前記第2のストレート部の長さの4分の1から4分の3となるように設定され、前記カーブ部は、前記所定角度が45°となるように形成され、前記第2のストレート部は、前記撹拌軸に対する傾斜角度が45°となる、請求項2記載の撹拌構造体。
  4. 前記第2のストレート部は、外周側に向かって先細る形状を有する、請求項1記載の撹拌構造体。
  5. 撹拌構造体であって、
    撹拌槽内部に設置され、撹拌時の回転軸となる上下方向に垂直に延びる撹拌軸と、
    前記撹拌軸に対して水平方向に且つ放射状に取り付けられる複数枚の羽根板を備える軸流翼とを備え、
    前記羽根板の各々は均一板厚の板材で形成され、回転に伴って流体よりなる被撹拌物に進入する進入方向側のカーブ部と、前記カーブ部の後縁に接続されるストレート部とから構成され、
    前記カーブ部は、前記撹拌軸から前記撹拌槽の内壁側に向かって延びると共に、延びる方向に対して横断する断面が一定曲率の上方向わん曲形状よりなり、その後縁が直線状の曲げ板よりなり、
    前記ストレート部は、前記進入方向に対して斜め後方且つ下方に延びるようにその前縁が前記カーブ部の後縁に接続される平板よりなり、
    前記カーブ部の後縁の上面における接線の傾きに、前記ストレート部の上面の傾きが一致し、
    前記カーブ部の前縁は進入方向に対して平面視凸状の曲線状の曲線状縁を有し、前記カーブ部の後縁に直交する平面において規定される前記カーブ部の断面の中で最大の弧長を含む断面における先端位置の上面での接線の傾きが水平となる、撹拌構造体。
  6. 前記カーブ部の範囲は、前記一定曲率の曲率中心を基準とし、前記カーブ部の前縁から所定角度までの範囲であり、前記カーブ部の前記後縁と前記ストレート部の前記前縁とからなる前記カーブ部と前記ストレート部との境界は、前記進入方向断面の貫通方向において前記羽根板の全域にわたる、請求項5記載の撹拌構造体。
  7. 前記カーブ部は、前記所定角度が45°となるように形成され、前記ストレート部は、前記撹拌軸に対する傾斜角度が45°となる、請求項6記載の撹拌構造体。
  8. 前記ストレート部は、外周側に向かって先細る形状を有する、請求項5記載の撹拌構造体。
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