JP2023046247A - 溶接品質評価装置、溶接品質評価プログラム、及び溶接品質評価方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】抵抗溶接における不具合の判定精度を高められる溶接品質評価装置を提供する。【解決手段】本開示の一態様は、第1電極及び第2電極によってワークを加圧しつつ、第1電極及び第2電極間の通電によりワークを溶接する抵抗溶接機に用いられる溶接品質評価装置である。溶接品質評価装置は、第1電極の第2電極に対する変位量を取得するように構成された変位量取得部と、第1電極と第2電極との間に流れる溶接電流の大きさを取得するように構成された電流取得部と、溶接電流の供給開始前、又は溶接電流の供給終了後における変位量の時系列データと、予め用意された基準データとの比較により、溶接の不具合の有無を判定するように構成された判定部と、を備える。【選択図】図1
Description
本開示は、溶接品質評価装置、溶接品質評価プログラム、及び溶接品質評価方法に関する。
ワーク(つまり被溶接材)を2つの電極により加圧しつつ電流を供給することで溶接する抵抗溶接では、外乱等の諸因によって溶接に不具合が発生し得る。そこで、電極の変位量(つまり、歪み又は加圧力)を監視することで、溶接品質を判定する方法がいくつか考案されている(特許文献1-4参照)。
上述の溶接品質の判定方法では、通電中(つまり溶接中)の変位量に基づいて不具合を判定している。しかしながら、抵抗溶接においては、通電中の変位量の監視からは抽出できない現象に基づく不具合も発生し得る。
本開示の一局面は、抵抗溶接における不具合の判定精度を高められる溶接品質評価装置を提供することを目的とする。
本開示の一態様は、第1電極及び第2電極によってワークを加圧しつつ、第1電極及び第2電極間の通電によりワークを溶接する抵抗溶接機に用いられる溶接品質評価装置である。
溶接品質評価装置は、第1電極の第2電極に対する変位量を取得するように構成された変位量取得部と、第1電極と第2電極との間に流れる溶接電流の大きさを取得するように構成された電流取得部と、溶接電流の供給開始前、又は溶接電流の供給終了後における変位量の時系列データと、予め用意された基準データとの比較により、溶接の不具合の有無を判定するように構成された判定部と、を備える。
このような構成によれば、通電前後の変位量の時系列データと基準データとの比較によって、通電中の変位量からは判定できない不具合(例えば、外乱、溶接不良等)を判定することができる。その結果、抵抗溶接における不具合の判定精度を高められる。
本開示の一態様では、判定部は、溶接電流の供給開始前における変位量の増加速度と基準データに含まれる基準速度との差に基づいて、ワークにおける隙間の有無を判定するように構成されてもよい。このような構成によれば、ワークを構成する板間の隙間の有無を検出することができる。その結果、ワークに起因する不具合を検知できる。
本開示の一態様では、判定部は、溶接電流の供給開始前における変位量の増加開始タイミングと基準データに含まれる変位量の増加開始タイミングとのずれに基づいて、ワークにおける隙間の大きさを判定するように構成されてもよい。このような構成によれば、ワークの隙間の検出に加えて、その大きさを判定することができる。
本開示の一態様では、判定部は、溶接電流の供給開始前における変位量の単位時間あたりの変化量と基準データに含まれる第1基準値との比較、及び溶接電流の供給開始時点における変位量と基準データに含まれる第2基準値との比較に基づいて、溶接開始時点における加圧力の適否を判定するように構成されてもよい。このような構成によれば、加圧力の不足及び不安定を検出することができる。その結果、抵抗溶接機に起因する不具合を検知できる。
本開示の一態様では、判定部は、溶接電流の供給停止後における変位量のリバウンド量と基準データに含まれる基準量との比較に基づいて、第1電極又は第2電極とワークとの張り付きの有無を判定するように構成されてもよい。このような構成によれば、過熱による過剰溶接を検出することができる。その結果、通電量等の設定不具合を検知できる。
本開示の一態様では、判定部は、溶接電流の供給中におけるワークへの荷重の時系列データと基準データとの比較に基づいて、スパッタの有無及び大きさを判定するように構成されてもよい。このような構成によれば、溶接中のスパッタ発生による不具合を検出することができる。その結果、溶接条件に起因する不具合を検知できる。
本開示の一態様では、判定部は、溶接電流の供給中におけるワークへの荷重の時系列データと基準データとの比較に基づいて、通電不良を判定するように構成されてもよい。このような構成によれば、溶接中の通電不良による不具合を検出することができる。その結果、抵抗溶接機に起因する不具合を検知できる。
本開示の別の態様は、第1電極及び第2電極によってワークを加圧しつつ、第1電極及び第2電極間の通電によりワークを溶接する抵抗溶接に用いられる溶接品質評価プログラムである。
溶接品質評価プログラムは、第1電極の第2電極に対する変位量と、第1電極と第2電極との間に流れる溶接電流の大きさとを取得することと、溶接電流の供給開始前、又は溶接電流の供給終了後における変位量の時系列データと、予め用意された基準データとの比較により、溶接の不具合の有無を判定することと、をコンピュータに実行させる。
本開示の別の態様は、第1電極及び第2電極によってワークを加圧しつつ、第1電極及び第2電極間の通電によりワークを溶接する抵抗溶接における溶接品質評価方法である。溶接品質評価方法は、第1電極の第2電極に対する変位量と、第1電極と第2電極との間に流れる溶接電流の大きさとを取得する工程と、溶接電流の供給開始前、又は溶接電流の供給終了後における変位量の時系列データと、予め用意された基準データとの比較により、溶接の不具合の有無を判定する工程と、を備える。
このような構成によれば、抵抗溶接における不具合の判定精度を高められる。
以下、本開示が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
[1.第1実施形態]
[1-1.構成]
図1に示す溶接制御装置1は、抵抗溶接機10の制御に用いられる。
[1.第1実施形態]
[1-1.構成]
図1に示す溶接制御装置1は、抵抗溶接機10の制御に用いられる。
<抵抗溶接機>
図2に示すように、抵抗溶接機10は、ワークWとして配置された第1板P1と第2板P2とを厚み方向に抵抗溶接する。ワークWは、第1板P1と、第1板P1が上方から重ね合わされた第2板P2とを有する。
図2に示すように、抵抗溶接機10は、ワークWとして配置された第1板P1と第2板P2とを厚み方向に抵抗溶接する。ワークWは、第1板P1と、第1板P1が上方から重ね合わされた第2板P2とを有する。
抵抗溶接機10は、第1電極11と、第2電極12と、支持部13と、モータ14と、伝達体15と、歪センサ16と、エンコーダ17とを備える。第1電極11、第2電極12及び支持部13は、溶接ガン18を構成している。
第1電極11は、ワークWの上方に配置されている。第2電極12は、ワークWの下方において、第1電極11と共にワークWを厚み方向に挟むように配置されている。第1電極11及び第2電極12は、それぞれ、溶接時にワークWに当接する。
第1電極11と第2電極12との間には、溶接制御装置1から供給された溶接電流がワークWを介して流れる。抵抗溶接機10は、第1電極11及び第2電極12によってワークWを加圧しつつ、第1電極11及び第2電極12間の通電によりワークWを溶接する。
支持部13は、第2電極12を支持するガンヨークである。第2電極12は、支持部13の先端部から上方に突出している。支持部13によって、第2電極12は、一定の位置(つまり高さ)に保持される。
モータ14は、伝達体15を回転させることで、第1電極11を第2電極12に対して上下方向に移動させる。つまり、モータ14は、第1電極11を上下方向に移動させることで、第1電極11と第2電極12との電極間距離を変化させる。
また、モータ14は、第1電極11と第2電極12との電極間距離を変化させることによって、第1電極11及び第2電極12によるワークWへの加圧力(つまり、抵抗溶接機10の溶接圧力)を調整する。
伝達体15は、モータ14の回転運動を第1電極11の上下方向の直線運動に変換する。伝達体15としては、例えば、ボールねじが使用される。
歪みセンサ16は、支持部13に取り付けられている。歪みセンサ16は、溶接ガン18の加圧時に支持部13に生じる歪みを測定するように構成されている。歪みセンサ16としては、例えば、圧電センサ、歪みゲージ等が使用できる。
歪みセンサ16は、支持部13に取り付けられている。歪みセンサ16は、溶接ガン18の加圧時に支持部13に生じる歪みを測定するように構成されている。歪みセンサ16としては、例えば、圧電センサ、歪みゲージ等が使用できる。
エンコーダ17は、モータ14の回転量を出力する。具体的には、エンコーダ17は、モータ14の回転量をパルス数として溶接制御装置1に出力する。エンコーダ17は、直接、溶接制御装置1にモータ14の回転量を出力してもよいし、抵抗溶接機10が備えるロボットコントローラ(図示省略)を介して、溶接制御装置1にモータ14の回転量を出力してもよい。
モータ14の回転量と第1電極11の上下方向の位置(つまり高さ)とは相関する。特に、伝達体15がボールねじの場合は、モータ14の回転量と第1電極11の変位量とは線形関係にある。
<溶接制御装置>
図1に示す溶接制御装置1は、抵抗溶接機10と電気的に接続され、抵抗溶接機10を制御するように構成されている。
図1に示す溶接制御装置1は、抵抗溶接機10と電気的に接続され、抵抗溶接機10を制御するように構成されている。
溶接制御装置1は、例えば、プロセッサと、RAM、ROM等の記憶媒体と、入出力部とを備えるコンピュータにより構成される。溶接制御装置1は、制御部2と、溶接品質評価装置3とを備える。
溶接制御装置1を構成するコンピュータは、記憶媒体に記憶された溶接品質評価プログラムによって溶接品質評価装置3の機能を実行する。つまり、溶接品質評価プログラムは、コンピュータに、変位量及び溶接電流の大きさを取得すること、並びに溶接不具合の有無を判定することを実行させる。
(制御部)
制御部2は、抵抗溶接機10の溶接ガン18に供給される電流を調整する。具体的には、制御部2は、第1電極11と第2電極12との間に供給される溶接電流の大きさ、供給開始時刻及び供給終了時刻を制御するタイマーである。
制御部2は、抵抗溶接機10の溶接ガン18に供給される電流を調整する。具体的には、制御部2は、第1電極11と第2電極12との間に供給される溶接電流の大きさ、供給開始時刻及び供給終了時刻を制御するタイマーである。
(溶接品質評価装置)
溶接品質評価装置3は、変位量取得部31と、電流取得部32と、判定部33と、出力部34とを有する。
溶接品質評価装置3は、変位量取得部31と、電流取得部32と、判定部33と、出力部34とを有する。
(変位量取得部)
変位量取得部31は、第1電極11の第2電極12に対する変位量を取得するように構成されている。
変位量取得部31は、第1電極11の第2電極12に対する変位量を取得するように構成されている。
具体的には、変位量取得部31は、モータ14の回転位置と、歪みセンサ16が出力する支持部13の歪みとに基づいて、第1電極11と第2電極12との電極間距離の変位量を検出する。
モータ14の回転位置は、抵抗溶接機10のエンコーダ17から直接、又はロボットコントローラを介して出力される。第1電極11が上下方向に移動すると、伝達体15を介してモータ14が回転する。変位量取得部31は、モータ14の回転量をエンコーダ17から取得し、モータ14の回転量と第1電極11との位置との関数を使用することで、第1電極11の位置の変位量を算出する。
また、ワークWの膨張等によって第2電極12が押し下げられると、支持部13に歪みが生じる。変位量取得部31は、支持部13の歪みを歪みセンサ16から取得し、支持部13の歪みと第2電極12との位置との関数を使用することで、第2電極12の位置の変位量を算出する。
なお、支持部13の歪み検出手段として、歪みセンサ16に変えて、又は歪みセンサ16に加えて、機械式変位計、レーザ変位計、AE(アコースティックエミッション)センサ、超音波センサ等が用いられてもよい。
変位量取得部31は、第1電極11の位置の変位量と、第2電極12の位置の変位量とを足し合わせることで、第1電極11と第2電極12との電極間距離を検出する。また、変位量取得部31は、溶接の開始から終了まで継続的に電極間距離を検出する。
変位量取得部31は、溶接の開始前(つまり、溶接電流の供給開始前)から溶接の終了後(つまり、溶接電流の供給終了後)までの間、第1電極11の第2電極12に対する変位量を取得する。このように、変位量取得部31は、溶接中の変位量に加えて、溶接電流が流れていない状態での変位量も取得する。
変位量取得部31は、例えば1秒に1回のリフレッシュレートで、2秒間ずつ変位量を記録する。また、変位量取得部31は、変位量と同時に、第1電極11及び第2電極12がワークWに加えている荷重を抵抗溶接機10から取得する。
(電流取得部)
電流取得部32は、第1電極11と第2電極12との間に流れる溶接電流の大きさを取得するように構成されている。電流取得部32は、例えば、抵抗溶接機10に接続された電圧検出線を介して、溶接電流を検出する。
電流取得部32は、第1電極11と第2電極12との間に流れる溶接電流の大きさを取得するように構成されている。電流取得部32は、例えば、抵抗溶接機10に接続された電圧検出線を介して、溶接電流を検出する。
(判定部)
判定部33は、溶接電流の供給開始前、又は溶接電流の供給終了後における変位量の時系列データ(つまり変位量の波形データ)と、予め用意された基準データとの比較により、溶接の不具合の有無を判定するように構成されている。
判定部33は、溶接電流の供給開始前、又は溶接電流の供給終了後における変位量の時系列データ(つまり変位量の波形データ)と、予め用意された基準データとの比較により、溶接の不具合の有無を判定するように構成されている。
変位量の時系列データは、変位量取得部31が取得した変位量から生成されたデータである。「溶接電流の供給開始前」及び「溶接電流の供給終了後」は、電流取得部32が取得した溶接電流の大きさから判定される。
すなわち、図3に示すように、変位量の時系列データのうち、制御部2が設定した溶接電流Iが流れる前の時間領域が供給開始前領域Bであり、溶接電流Iが流れた後の時間領域が供給終了後領域Aである。
判定部33は、溶接の不具合の判定を行うための基準データを記憶している。基準データには、正常な溶接が行われたときの変位量及び荷重の時系列データ、各種判定を行うための閾値(つまり基準値)等が含まれる。
判定部33は、基準データを用いて、少なくとも、隙間判定処理と、加圧判定処理と、張り付き判定処理とを実行する。これらの処理は、ワークWの溶接前後の不具合を判定する。
隙間判定処理では、判定部33は、溶接電流の供給開始前における変位量の増加速度と基準データSに含まれる基準速度との差に基づいて、ワークWにおける隙間の有無を判定する。この隙間は、熱投入が遅れ、溶接部の接合不良が発生する要因となる。
具体的には、図3に示すように、判定部33は、供給開始前領域Bにおける変位量の立ち上がり部分Rにおいて、取得した変位量の増加速度(つまり傾き)と、基準データSの基準速度とを比較する。
図3の例では、基準データSに加えて、第1データA1、第2データA2及び第3データA3の3つの取得データが図示されている。基準データSは、第1データA1等を取得したときと同じ条件で、正常な溶接が行われたときの変位量の時系列データである。
第1データA1の立ち上がり部分Rにおける傾きは、基準データSの傾きよりも小さい。そのため、判定部33は、第1データA1を取得した溶接において、ワークWを構成する第1板P1と第2板P2との間に隙間が存在していたと判定する。
同様に、判定部33は、第2データA2及び第3データA3についても、ワークWに隙間が存在したと判定する。また、第2データA2は、第1データA1よりも変位量の立ち上がりのタイミングが早い。そのため、判定部33は、第2データA2は、第1データA1よりも隙間が大きいと判定する。
隙間判定処理では、判定部33は、さらに、溶接電流の供給開始前における変位量の増加開始タイミング(つまり、変位量の立ち上がりの開始時刻)と、基準データに含まれる変位量の増加開始タイミングとのずれに基づいて、ワークWにおける隙間の大きさを判定する。
具体的には、判定部33は、テーブル又は判定式を用いて、隙間の大きさを判定する。判定に用いられるテーブル又は判定式は、基準データに対する、判定対象のデータの変位量の増加開始タイミングの時差(例えば10mのオーダー)と、ワークWの隙間の大きさとの関係を予め定めたものであり、過去のデータから構築される。
加圧判定処理では、判定部33は、溶接電流の供給開始前における変位量の単位時間あたりの変化量と基準データに含まれる第1基準値との第1比較、及び溶接電流の供給開始時点における変位量と基準データに含まれる第2基準値との第2比較に基づいて、溶接開始時点における加圧力の適否を判定する。この加圧力が不適切であると、溶接不良が発生する。
具体的には、図4に示すように、判定部33は、第1比較において、供給開始前領域Bにおける変位量の最大変化量Cを、閾値としての第1基準値と比較する。また、判定部33は、第2比較において、溶接電流の供給開始時点Tにおける変位量を、閾値としての第2基準値と比較する。なお、図4では、第4データA4、第5データA5、及び第6データA6の3つの変位量の時系列データが例示されている。
第1比較及び第2比較の結果に基づいて、判定部33は、加圧力の適否を判定する。例えば、第4データA4の最大変化量Cが第1基準値よりも大きい場合、判定部33は、第4データA4の取得時の溶接において、加圧が不安定であったと判定する。
第1基準値は、例えば、基準データに予め記録されている加圧安定時の変位量D1に対する±10%の変化量である。つまり、判定部33は、最大変化量Cが、C>(D1×1.1-D1×0.9)を満たす場合に、加圧不安定と判定する。
また、第4データA4の供給開始時点Tにおける変位量が第2基準値よりも一定値以上小さい場合、判定部33は、第4データA4の取得時の溶接において加圧力が不足していたと判定する。
第2基準値は、例えば、基準データに予め記録されている加圧安定時の変位量D1である。判定部33は、供給開始時点Tにおける変位量D2が第2基準値を3%減じたものよりも小さい場合、つまり、D2<D1×0.97が満たされる場合に、加圧不足と判定する。
さらに、第4データA4の供給開始時点Tにおける変位量が第2基準値よりも一定値以上大きい場合、判定部33は、第4データA4の取得時の溶接において加圧力が過大であったと判定する。判定部33は、供給開始時点Tにおける変位量D2が第2基準値を3%増したものよりも大きい場合、つまり、D2>D1×1.03が満たされる場合に、加圧過大と判定する。
なお、判定部33は、加圧不足又は加圧過大を判定した際に、ワークWを保持する治具に不具合が発生したと判定してもよい。
張り付き判定処理では、判定部33は、溶接電流の供給停止後における変位量のリバウンド量と基準データに含まれる基準量との比較に基づいて、第1電極11又は第2電極12とワークWとの張り付きの有無を判定する。
具体的には、図5に示すように、判定部33は、供給終了後領域Aにおいて、変位量の立ち下がり部分Fの後に、変位量がゼロから再び上昇するリバウンドRBを検出する。判定部33は、リバウンドRBにおける変位量の最大値をリバウンド量とし、このリバウンド量を閾値としての基準量と比較する。
リバウンド量が基準量よりも大きい場合、判定部33は、第1電極11又は第2電極12がワークWに張り付いたと判定する。
基準量は、例えば、予め記録されている張り付きがない時の供給終了後領域Aにおける変位量D3に3%加えた値である。つまり、判定部33は、リバウンド量D4が、D4>D3×1.03を満たす場合に、張り付き発生と判定する。
基準量は、例えば、予め記録されている張り付きがない時の供給終了後領域Aにおける変位量D3に3%加えた値である。つまり、判定部33は、リバウンド量D4が、D4>D3×1.03を満たす場合に、張り付き発生と判定する。
上述の判定処理に加えて、判定部33は、ワークWの溶接中の不具合を判定する処理として、スパッタ判定処理と、通電不良判定処理とを実行する。
スパッタ判定処理では、判定部33は、溶接電流の供給中におけるワークWへの荷重の時系列データと基準データとの比較に基づいて、スパッタの有無及び大きさを判定する。具体的には、判定部33は、ワークWへの荷重の基準データに対する差が±3%以上の場合に、スパッタが発生したと判定する。スパッタが発生した箇所は、図5に示すように、溶接中(つまり通電中)の変位量の変化量Cが大きい落ち込み部分となる。
さらに、判定部33は、テーブル又は判定式を用いて、スパッタの大きさを判定する。判定に用いられるテーブル又は判定式は、基準データに対する、判定対象のデータの荷重差(例えば100Nのオーダー)と、スパッタの大きさとの関係を予め定めたものであり、過去のデータから構築される。
通電不良判定処理では、判定部33は、溶接電流の供給中におけるワークWへの荷重の時系列データと基準データとの比較に基づいて、通電不良を判定する。具体的には、判定部33は、ワークWへの荷重が基準データの50%以下の場合に、通電不良が発生したと判定する。
通電不良の原因としては、例えば、溶接トランスのダイオード不良、分流の異常、ワークWのセット不良、ワークWの過圧、異物の侵入、電極の不良(つまり先端径の異常)等が挙げられる。
(出力部)
図1に示す出力部34は、変位量取得部31が取得した変位量と、電流取得部32が取得した溶接電流の大きさと、判定部33が判定した結果(つまり溶接の不具合の有無)とを出力するように構成されている。
図1に示す出力部34は、変位量取得部31が取得した変位量と、電流取得部32が取得した溶接電流の大きさと、判定部33が判定した結果(つまり溶接の不具合の有無)とを出力するように構成されている。
出力部34は、上述したデータ等を表示するディスプレイであってもよい。また、出力部34は、上述したデータ等を、溶接制御装置1の外部の記憶媒体、制御機器、コンピュータ等に送信する送信機であってもよい。
[1-2.溶接品質評価方法]
図6に示す溶接品質評価方法は、溶接品質評価装置3により実行される。本実施形態の溶接品質評価方法は、取得工程S10と、判定工程S20とを備える。
図6に示す溶接品質評価方法は、溶接品質評価装置3により実行される。本実施形態の溶接品質評価方法は、取得工程S10と、判定工程S20とを備える。
(取得工程)
本工程では、第1電極11の第2電極12に対する変位量と、第1電極11と第2電極12との間に流れる溶接電流の大きさとを取得する。
本工程では、第1電極11の第2電極12に対する変位量と、第1電極11と第2電極12との間に流れる溶接電流の大きさとを取得する。
(判定工程)
本工程では、取得工程S10の後に、溶接電流の供給開始前、又は溶接電流の供給終了後における変位量の時系列データと、予め用意された基準データとの比較により、溶接の不具合の有無を判定する。
本工程では、取得工程S10の後に、溶接電流の供給開始前、又は溶接電流の供給終了後における変位量の時系列データと、予め用意された基準データとの比較により、溶接の不具合の有無を判定する。
[1-3.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1a)通電前後の変位量の時系列データと基準データとの比較によって、通電中の変位量からは判定できない不具合(例えば、外乱、溶接不良等)を判定することができる。その結果、抵抗溶接における不具合の判定精度を高められる。
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1a)通電前後の変位量の時系列データと基準データとの比較によって、通電中の変位量からは判定できない不具合(例えば、外乱、溶接不良等)を判定することができる。その結果、抵抗溶接における不具合の判定精度を高められる。
(1b)隙間判定処理により、ワークWを構成する板間の隙間の有無を検出することができる。その結果、ワークWに起因する不具合を検知できる。また、ワークWの隙間の検出に加えて、その大きさを判定することができる。
(1c)加圧判定処理により、加圧力の不足及び不安定を検出することができる。その結果、抵抗溶接機10に起因する不具合を検知できる。
(1d)張り付き判定処理により、過熱による過剰溶接を検出することができる。その結果、通電量等の設定不具合を検知できる。
(1d)張り付き判定処理により、過熱による過剰溶接を検出することができる。その結果、通電量等の設定不具合を検知できる。
(1e)スパッタ判定処理により、溶接中のスパッタ発生による不具合を検出することができる。その結果、溶接条件に起因する不具合を検知できる。
(1f)通電不良判定処理により、溶接中の通電不良による不具合を検出することができる。その結果、抵抗溶接機10に起因する不具合を検知できる。
(1f)通電不良判定処理により、溶接中の通電不良による不具合を検出することができる。その結果、抵抗溶接機10に起因する不具合を検知できる。
[2.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
(2a)上記実施形態の溶接品質評価装置は、必ずしも溶接制御装置に組み込まれなくてもよい。例えば、溶接品質評価装置は、溶接制御装置とは独立して抵抗溶接機に接続されてもよい。
(2b)上記実施形態の溶接品質評価装置は、水平方向にワークを加圧する(つまり、第1板と第2板とが水平方向に重ねあわされた状態で溶接を行う)抵抗溶接機にも使用可能である。
(2c)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
1…溶接制御装置、2…制御部、3…溶接品質評価装置、10…抵抗溶接機、
11…第1電極、12…第2電極、13…支持部、14…モータ、15…伝達体、
16…歪センサ、17…エンコーダ、18…溶接ガン、31…変位量取得部、
32…電流取得部、33…判定部、34…出力部。
11…第1電極、12…第2電極、13…支持部、14…モータ、15…伝達体、
16…歪センサ、17…エンコーダ、18…溶接ガン、31…変位量取得部、
32…電流取得部、33…判定部、34…出力部。
Claims (9)
- 第1電極及び第2電極によってワークを加圧しつつ、前記第1電極及び前記第2電極間の通電により前記ワークを溶接する抵抗溶接機に用いられる溶接品質評価装置であって、
前記第1電極の前記第2電極に対する変位量を取得するように構成された変位量取得部と、
前記第1電極と前記第2電極との間に流れる溶接電流の大きさを取得するように構成された電流取得部と、
前記溶接電流の供給開始前、又は前記溶接電流の供給終了後における前記変位量の時系列データと、予め用意された基準データとの比較により、溶接の不具合の有無を判定するように構成された判定部と、
を備える、溶接品質評価装置。 - 請求項1に記載の溶接品質評価装置であって、
前記判定部は、前記溶接電流の供給開始前における前記変位量の増加速度と前記基準データに含まれる基準速度との差に基づいて、前記ワークにおける隙間の有無を判定するように構成される、溶接品質評価装置。 - 請求項2に記載の溶接品質評価装置であって、
前記判定部は、前記溶接電流の供給開始前における前記変位量の増加開始タイミングと前記基準データに含まれる前記変位量の増加開始タイミングとのずれに基づいて、前記ワークにおける隙間の大きさを判定するように構成される、溶接品質評価装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の溶接品質評価装置であって、
前記判定部は、前記溶接電流の供給開始前における前記変位量の単位時間あたりの変化量と前記基準データに含まれる第1基準値との比較、及び前記溶接電流の供給開始時点における前記変位量と前記基準データに含まれる第2基準値との比較に基づいて、溶接開始時点における加圧力の適否を判定するように構成される、溶接品質評価装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の溶接品質評価装置であって、
前記判定部は、前記溶接電流の供給停止後における前記変位量のリバウンド量と前記基準データに含まれる基準量との比較に基づいて、前記第1電極又は前記第2電極と前記ワークとの張り付きの有無を判定するように構成される、溶接品質評価装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の溶接品質評価装置であって、
前記判定部は、前記溶接電流の供給中における前記ワークへの荷重の時系列データと前記基準データとの比較に基づいて、スパッタの有無及び大きさを判定するように構成される、溶接品質評価装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の溶接品質評価装置であって、
前記判定部は、前記溶接電流の供給中における前記ワークへの荷重の時系列データと前記基準データとの比較に基づいて、通電不良を判定するように構成される、溶接品質評価装置。 - 第1電極及び第2電極によってワークを加圧しつつ、前記第1電極及び前記第2電極間の通電により前記ワークを溶接する抵抗溶接に用いられる溶接品質評価プログラムであって、
前記第1電極の前記第2電極に対する変位量と、前記第1電極と前記第2電極との間に流れる溶接電流の大きさとを取得することと、
前記溶接電流の供給開始前、又は前記溶接電流の供給終了後における前記変位量の時系列データと、予め用意された基準データとの比較により、溶接の不具合の有無を判定することと、
をコンピュータに実行させる、溶接品質評価プログラム。 - 第1電極及び第2電極によってワークを加圧しつつ、前記第1電極及び前記第2電極間の通電により前記ワークを溶接する抵抗溶接における溶接品質評価方法であって、
前記第1電極の前記第2電極に対する変位量と、前記第1電極と前記第2電極との間に流れる溶接電流の大きさとを取得する工程と、
前記溶接電流の供給開始前、又は前記溶接電流の供給終了後における前記変位量の時系列データと、予め用意された基準データとの比較により、溶接の不具合の有無を判定する工程と、
を備える、溶接品質評価方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021154699 | 2021-09-22 | ||
JP2021154699 | 2021-09-22 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2023046247A true JP2023046247A (ja) | 2023-04-03 |
Family
ID=85777196
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022107234A Pending JP2023046247A (ja) | 2021-09-22 | 2022-07-01 | 溶接品質評価装置、溶接品質評価プログラム、及び溶接品質評価方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2023046247A (ja) |
-
2022
- 2022-07-01 JP JP2022107234A patent/JP2023046247A/ja active Pending
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