JP2023046203A - 磁場検出装置 - Google Patents

磁場検出装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2023046203A
JP2023046203A JP2022009846A JP2022009846A JP2023046203A JP 2023046203 A JP2023046203 A JP 2023046203A JP 2022009846 A JP2022009846 A JP 2022009846A JP 2022009846 A JP2022009846 A JP 2022009846A JP 2023046203 A JP2023046203 A JP 2023046203A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
inclined surface
wiring
magnetic field
field detection
detection device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2022009846A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7488840B2 (ja
Inventor
圭祐 ▲高▼杉
Keisuke Takasugi
健三 牧野
Kenzo Makino
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP2022032603A priority Critical patent/JP2023046216A/ja
Priority to US17/946,817 priority patent/US20230092757A1/en
Priority to US17/946,838 priority patent/US20230091010A1/en
Priority to CN202211157092.5A priority patent/CN115902722A/zh
Priority to CN202211157122.2A priority patent/CN115902723A/zh
Publication of JP2023046203A publication Critical patent/JP2023046203A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7488840B2 publication Critical patent/JP7488840B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Hall/Mr Elements (AREA)
  • Measuring Magnetic Variables (AREA)

Abstract

Figure 2023046203000001
【課題】小型で高い動作信頼性を発現する磁場検出装置を提供する。
【解決手段】平坦面1Sを含む基板1と、平坦面に対して傾斜した第1の傾斜面4Aと、平坦面および第1の傾斜面の双方に対して傾斜した第2の傾斜面4Bとをそれぞれ含む複数の凸部4と、凸部4の第1の傾斜面に設けられた第1の磁気抵抗効果膜MR-Aと、第2の傾斜面に設けられた第2の磁気抵抗効果膜MR-Bとを有し、第1の凸部4の第1の傾斜面に設けられた第1の磁気抵抗効果膜と、第2の凸部の第1の傾斜面に設けられた第1の磁気抵抗効果膜とを繋ぐ第1の配線53と、第1の凸部の第2の傾斜面に設けられた第2の磁気抵抗効果膜と、第2の凸部の第2の傾斜面に設けられた第2の磁気抵抗効果膜とを繋ぐ第2の配線63とが、第1の傾斜面上および前記第2の傾斜面上のうちの少なくとも一方の位置XPで交差している。
【選択図】図3

Description

本発明は、磁気抵抗効果素子を備えた磁場検出装置に関する。
これまでに、磁気抵抗効果素子を用いた磁場検出装置がいくつか提案されている。例えば特許文献1には、導体における電流の流れる方向に沿った中心線の方向が、磁気抵抗効果素子における長手方向に沿った中心線の方向と異なるようにした磁界検出装置が開示されている(例えば特許文献1参照)。
特開2016-1118号公報
ところで、このような磁場検出装置に対しては、さらなる小型化が求められている。
したがって、高い信頼性を維持しつつ、小型化に適する磁場検出装置を提供することが望まれる。
本発明の一実施態様としての磁場検出装置は、基板と、第1の凸部および第2の凸部と、第1の磁気抵抗効果素子と、第2の磁気抵抗効果素子と、第1の配線と、第2の配線とを有する。基板は平坦面を含む。第1の凸部および第2の凸部は、平坦面に対して傾斜した第1の傾斜面と、平坦面および第1の傾斜面の双方に対して傾斜した第2の傾斜面とをそれぞれ含み、平坦面にそれぞれ設けられている。第1の磁気抵抗効果素子は、第1の傾斜面に設けられている。第2の磁気抵抗効果素子は、第2の傾斜面に設けられている。第1の配線は、第1の凸部の第1の傾斜面に設けられた第1の磁気抵抗効果素子と、第2の凸部の第1の傾斜面に設けられた第1の磁気抵抗効果素子とを繋いでいる。第2の配線は、第1の凸部の第2の傾斜面に設けられた第2の磁気抵抗効果素子と、第2の凸部の第2の傾斜面に設けられた第2の磁気抵抗効果素子とを繋いでいる。ここで、第1の配線と第2の配線とが、第1の傾斜面上および第2の傾斜面上のうちの少なくとも一方で交差している。
本発明の一実施態様としての磁場検出装置によれば、小型でありながら第1の配線と第2の配線との短絡を回避し、高い動作信頼性を発現することができる。
本発明の一実施の形態としての磁場検出装置の全体構成例を表す概略平面図である。 図1に示した磁場検出装置の回路図である。 図1に示した素子形成領域の平面構成を表す平面模式図である。 図1に示した素子形成領域の断面構成を表す断面模式図である。 図3に示した磁気抵抗効果膜の積層断面を表す断面模式図である。 図5に示した磁化固着層の磁化方向と磁化自由層の磁化方向との関係を説明するための平面模式図である。 図1に示した磁場検出装置の製造方法の一工程を表す断面模式図である。 図7Aに続く一工程を表す断面模式図である。 図7Bに続く一工程を表す断面模式図である。 図7Cに続く一工程を表す断面模式図である。 図7Dに続く一工程を表す断面模式図である。 図7Eに続く一工程を表す断面模式図である。 図7Fに続く一工程を表す断面模式図である。 図7Gに続く一工程を表す断面模式図である。 図7Hに続く一工程を表す断面模式図である。 図7Iに続く一工程を表す断面模式図である。 図7Jに続く一工程を表す断面模式図である。 参考例としての磁場検出装置の素子形成領域の平面構成を表す平面模式図である。 図8に示した素子形成領域の断面構成を表す断面模式図である。 図8に示した磁場検出装置の製造方法の一工程を表す断面模式図である。 本発明の第1の変形例としての磁場検出装置の一部の構成例を表す概略平面図である。 本発明の第2の変形例としての磁場検出装置の一部の構成例を表す概略平面図である。 本発明の第3の変形例としての磁場検出装置の一部の構成例を表す概略平面図である。 図12に示した第3の変形例としての磁場検出装置の一部の構成例を表す概略断面図である。 図12に示した第3の変形例としての磁場検出装置の作用効果を説明するための第1の説明図である。 図12に示した第3の変形例としての磁場検出装置の作用効果を説明するための第2の説明図である。 本発明の第4の変形例としての磁場検出装置の一部の構成例を表す概略平面図である。 図15に示した第4の変形例としての磁場検出装置の一部の構成例を表す概略断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.一実施の形態
第1の傾斜面に設けられた第1の磁気抵抗効果素子と第2の傾斜面に設けられた第2の磁気抵抗効果素子とを含むブリッジ回路を備えた磁場検出装置の例。
2.変形例
<1.一実施の形態>
[磁場検出装置100の構成]
最初に、図1から図6を参照して、本発明における一実施の形態としての磁場検出装置100の構成について説明する。
(磁場検出装置100の全体構成)
図1は、磁場検出装置100の全体構成例を表す概略平面図である。磁場検出装置100は、例えばY軸方向の磁場の変化およびZ軸方向の磁場の変化をそれぞれ検出することができる2軸磁気検出コンパスである。磁場検出装置100は、例えば地磁気を検出する電子コンパスとして用いることができる。
図1に示したように、磁場検出装置100は、例えば基板1と、磁場検出ユニット2A,2Bと、端子部3とを備えている。基板1は、X軸方向およびY軸方向に平行なXY面に沿って延在している。基板1の厚さ方向をZ軸方向とする。X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向は、互いに直交する。磁場検出ユニット2A,2Bは、基板1のXY面の中央領域に、互いに隣り合うように設けられている。端子部3は、基板1のうちの、磁場検出ユニット2A,2Bが設けられている中央領域以外の周辺領域に設けられている。端子部3は、磁場検出ユニット2A,2Bと導通している。端子部3は、磁場検出ユニット2A,2Bと外部装置との電気的接続を可能にする電極である。
磁場検出ユニット2Aは、素子形成領域YZ1および素子形成領域YZ4を有している。素子形成領域YZ1および素子形成領域YZ4は、例えば、それぞれY軸方向に延在すると共にX軸方向において互いに隣り合うように配置されている。素子形成領域YZ1および素子形成領域YZ4には、後述する磁気抵抗効果膜MR1,MR2が複数形成されている。磁場検出ユニット2Aは、さらに、素子形成領域YZ1とZ軸方向に重なり合うと共にY軸方向に延在する導線C1と、素子形成領域YZ4とZ軸方向に重なり合うと共にY軸方向に延在する導線C4とを有している。導線C1,C4には、+Y方向に流れるセット電流Is1,Is4がそれぞれ供給可能に構成されている。セット電流Is1,Is4は、磁気抵抗効果膜MR1,MR2にそれぞれ含まれる磁化自由層の磁化のセット動作を行うためのセット磁場を形成する。導線C1,C4には、さらに、-Y方向に流れるリセット電流Ir1,Ir4がそれぞれ供給可能に構成されている。リセット電流Ir1,Ir4は、磁気抵抗効果膜MR1,MR2にそれぞれ含まれる磁化自由層の磁化のリセット動作を行うためのリセット磁場を形成する。
磁場検出ユニット2Bは、素子形成領域YZ2および素子形成領域YZ3を有している。素子形成領域YZ2および素子形成領域YZ3は、例えば、それぞれY軸方向に延在すると共にX軸方向において互いに隣り合うように配置されている。素子形成領域YZ2および素子形成領域YZ3には、後述する磁気抵抗効果膜MR3,MR4が複数形成されている。磁場検出ユニット2Bは、さらに、素子形成領域YZ2とZ軸方向に重なり合うと共にY軸方向に延在する導線C2と、素子形成領域YZ3とZ軸方向に重なり合うと共にY軸方向に延在する導線C3とを有している。導線C2,C3には、-Y方向に流れるセット電流Is2,Is3がそれぞれ供給可能に構成されている。セット電流Is2,Is3は、磁気抵抗効果膜MR3,MR4にそれぞれ含まれる磁化自由層の磁化のセット動作を行うためのセット磁場を形成する。導線C2,C3には、さらに、+Y方向に流れるリセット電流Ir2,Ir3がそれぞれ供給可能に構成されている。リセット電流Ir2,Ir3は、磁気抵抗効果膜MR3,MR4にそれぞれ含まれる磁化自由層の磁化のリセット動作を行うためのリセット磁場を形成する。
図2は、磁場検出装置100の回路構成例を表す回路図である。
(磁場検出装置100の回路構成)
図2に示したように、磁場検出装置100は、ブリッジ回路7L,7Rと、差分検出器8L,8Rと、演算回路9とを有している。磁場検出装置100では、それら2つのブリッジ回路7L,7Rを用いることにより、Y軸方向およびZ軸方向の磁場の変化を検出することができるようになっている。
ブリッジ回路7Lは、4つの磁気抵抗効果素子11~14を含んでいる。ブリッジ回路7Lは、直列接続された磁気抵抗効果素子11および磁気抵抗効果素子12と、直列接続された磁気抵抗効果素子13および磁気抵抗効果素子14とが、互いに並列接続されてなるものである。より具体的には、ブリッジ回路7Lは、磁気抵抗効果素子11の一端と磁気抵抗効果素子12の一端とが接続点P1において接続され、磁気抵抗効果素子13の一端と磁気抵抗効果素子14の一端とが接続点P2において接続され、磁気抵抗効果素子11の他端と磁気抵抗効果素子14の他端とが接続点P3において接続され、磁気抵抗効果素子12の他端と磁気抵抗効果素子13の他端とが接続点P4において接続されている。ここで、接続点P3は電源Vccと接続されており、接続点P4は接地端子GNDと接続されている。接続点P1および接続点P2は、それぞれ、例えば差分検出器8Lの入力側端子と接続されている。
磁気抵抗効果素子11~14は、それぞれ、検出対象である信号磁場の変化を検出可能である。例えば磁気抵抗効果素子11,13は、+Y方向の信号磁場または+Z方向の信号磁場の印加により抵抗値が減少し、-Y方向の信号磁場または-Z方向の信号磁場の印加により抵抗値が増加する。一方、磁気抵抗効果素子12,14は、+Y方向の信号磁場または+Z方向の信号磁場の印加により抵抗値が増加し、-Y方向の信号磁場または-Z方向の信号磁場の印加により抵抗値が減少する。したがって、磁気抵抗効果素子11,13と磁気抵抗効果素子12,14とは、信号磁場の変化に応じて互いに例えば180°位相の異なる信号を出力する。ブリッジ回路7Lから取り出された信号は差分検出器8Lに流入する。差分検出器8Lは、接続点P3と接続点P4との間に電圧が印加されたときの接続点P1と接続点P2との間の電位差、すなわち、磁気抵抗効果素子11および磁気抵抗効果素子14のそれぞれに生ずる電圧降下の差分を検出し、差分信号SLとして演算回路9へ向けて出力する。
ブリッジ回路7Rは、4つの磁気抵抗効果素子21~24を含んでいる。ブリッジ回路7Rは、直列接続された磁気抵抗効果素子21および磁気抵抗効果素子22と、直列接続された磁気抵抗効果素子23および磁気抵抗効果素子24とが、互いに並列接続されてなるものである。より具体的には、ブリッジ回路7Rは、磁気抵抗効果素子21の一端と磁気抵抗効果素子22の一端とが接続点P5において接続され、磁気抵抗効果素子23の一端と磁気抵抗効果素子24の一端とが接続点P6において接続され、磁気抵抗効果素子21の他端と磁気抵抗効果素子24の他端とが接続点P7において接続され、磁気抵抗効果素子22の他端と磁気抵抗効果素子23の他端とが接続点P8において接続されている。ここで、接続点P7は電源Vccと接続されており、接続点P8は接地端子GNDと接続されている。接続点P5および接続点P6は、それぞれ、例えば差分検出器8Rの入力側端子と接続されている。
磁気抵抗効果素子21~24は、それぞれ、検出対象である信号磁場の変化を検出可能である。例えば磁気抵抗効果素子21,23は、+Y方向の信号磁場または+Z方向の信号磁場の印加により抵抗値が減少し、-Y方向の信号磁場または-Z方向の信号磁場の印加により抵抗値が増加する。一方、磁気抵抗効果素子22,24は、+Y方向の信号磁場または+Z方向の信号磁場の印加により抵抗値が増加し、-Y方向の信号磁場または-Z方向の信号磁場の印加により抵抗値が減少する。したがって、磁気抵抗効果素子21,23と磁気抵抗効果素子22,24とは、信号磁場の変化に応じて互いに例えば180°位相の異なる信号を出力する。ブリッジ回路7Rから取り出された信号は差分検出器8Rに流入する。差分検出器8Rは、接続点P7と接続点P8との間に電圧が印加されたときの接続点P5と接続点P6との間の電位差、すなわち、磁気抵抗効果素子21および磁気抵抗効果素子24のそれぞれに生ずる電圧降下の差分を検出し、差分信号SRとして演算回路9へ向けて出力する。
(素子形成領域YZ1~YZ4の構成)
図3は、素子形成領域YZ1~YZ4の一部を拡大して表す平面模式図である。図4は、素子形成領域YZ1~YZ4の一部を拡大して表す断面模式図である。図4は、図3に示したIV-IV線に沿った矢視方向の断面を表している。
図3および図4に示したように、素子形成領域YZ1~YZ4は、基板1と、複数の凸部4と、複数の磁気抵抗効果膜MR-Aと、複数の磁気抵抗効果膜MR-Bと、下層配線群5と、上層配線群6とを有している。下層配線群5および上層配線群6により、複数の磁気抵抗効果膜MR-Aは互いに直列接続されている。下層配線群5および上層配線群6により、複数の磁気抵抗効果膜MR-Bは互いに直列接続されている。
基板1は、XY平面に沿って延在する平坦面1Sを有している。基板1は例えばAl23,SiO2,SiNなどにより形成することができる。
複数の凸部4は、平坦面1S上に設けられており、平坦面1Sから上方、すなわち+Z方向に突出している。複数の凸部4は、例えば酸化珪素(SiOx)などの絶縁材料により形成することができる。複数の凸部4は、例えばV軸方向にそれぞれ延在しており、W軸方向に隣り合うように配列されている。なお、図3および図4に示した例では、複数の凸部4は平坦面1S上において互いに離間して配置されている。このため、W軸方向に隣り合う2つの凸部4同士の間には、基板1の平坦面1Sが露出している。なお、V軸方向およびW軸方向は、XY面に平行であるが、X軸方向およびY軸方向の双方と非平行である。具体的には、V軸方向およびW軸方向は、例えばX軸方向およびY軸方向の双方に対して45°をなしている。さらに、V軸方向とW軸方向とは、互いに直交している。
複数の凸部4は、それぞれ傾斜面4Aおよび傾斜面4Bを有している。傾斜面4Aおよび傾斜面4Bは、平坦面1Sと非平行な面である。すなわち、傾斜面4Aおよび傾斜面4Bは、平坦面1Sに対して傾斜している。傾斜面4Aおよび傾斜面4Bは、V軸方向に延在する頭頂部4Tを形成し、頭頂部4Tから互いに遠ざかるにしたがって平坦面1Sに近づくように傾斜している。したがって、傾斜面4Aおよび傾斜面4Bは、互いに非平行であり、互いに傾斜しているともいえる。
なお、傾斜面4Aは本発明の「第1の傾斜面」に対応する一具体例であり、傾斜面4Bは本発明の「第2の傾斜面」に対応する一具体例である。
複数の磁気抵抗効果膜MR-Aは、各凸部4の傾斜面4Aに設けられている。複数の磁気抵抗効果膜MR-Aは、傾斜面4Aの長手方向であるV軸方向に沿って配列されている。複数の磁気抵抗効果膜MR-Aは、それぞれ、V軸方向を長手方向とするように延在している。同様に、複数の磁気抵抗効果膜MR-Bは、各凸部4の傾斜面4Bに設けられている。複数の磁気抵抗効果膜MR-Bは、傾斜面4Bの長手方向であるV軸方向に沿って配列されている。複数の磁気抵抗効果膜MR-Bは、それぞれ、V軸方向を長手方向とするように延在している。
なお、磁気抵抗効果膜MR-Aは本発明の「第1の磁気抵抗効果膜」に対応する一具体例であり、磁気抵抗効果膜MR-Bは本発明の「第2の磁気抵抗効果膜」に対応する一具体例である。
下層配線群5は、磁気抵抗効果膜MR-A,MR-Bの下層、すなわち、磁気抵抗効果膜MR-Aと傾斜面4Aとの間、および磁気抵抗効果膜MR-Bと傾斜面4Bとの間にそれぞれ設けられている。下層配線群5には、下層配線51~53が複数含まれている。複数の下層配線51は、それぞれ、同じ凸部4の傾斜面4Aにおいて互いに隣り合うように設けられた2つの磁気抵抗効果膜MR-Aの下面同士を接続している。複数の下層配線52は、それぞれ、同じ凸部4の傾斜面4Bにおいて互いに隣り合うように設けられた2つの磁気抵抗効果膜MR-Bの下面同士を接続している。複数の下層配線53は、それぞれ、互いに異なる凸部4の傾斜面4Aに設けられた2つの磁気抵抗効果膜MR-Aの下面同士を接続している。
上層配線群6は、磁気抵抗効果膜MR-A,MR-Bの上層、すなわち、磁気抵抗効果膜MR-Aから見て傾斜面4Aと反対側、および磁気抵抗効果膜MR-Bから見て傾斜面4Bと反対側にそれぞれ設けられている。上層配線群6には、上層配線61~63が複数含まれている。複数の上層配線61は、それぞれ、同じ凸部4の傾斜面4Aにおいて互いに隣り合うように設けられた2つの磁気抵抗効果膜MR-Aの上面同士を接続している。複数の上層配線62は、それぞれ、同じ凸部4の傾斜面4Bにおいて互いに隣り合うように設けられた2つの磁気抵抗効果膜MR-Bの上面同士を接続している。複数の上層配線63は、それぞれ、互いに異なる凸部4の傾斜面4Bに設けられた2つの磁気抵抗効果膜MR-Bの上面同士を接続している。
このように、傾斜面4Aに設けられた複数の磁気抵抗効果膜MR-Aは、下部配線53と、上部配線61と、下部配線51とによって直列接続されて1つの磁気抵抗効果膜アレイを形成している。すなわち、磁気抵抗効果膜MR-Aは上部配線61と下部配線51との間、または、上部配線61と下部配線53との間に挟まれている。なお、複数の磁気抵抗効果膜MR-Aを含む磁気抵抗効果膜アレイの始端の下部配線53Sおよび終端の下部配線53Eは、互いに異なる端子部3にそれぞれ接続されている。
同様に、傾斜面4Bに設けられた複数の磁気抵抗効果膜MR-Bは、上部配線63と、下部配線52と、上部配線62とによって直列接続されて1つの磁気抵抗効果膜アレイを形成している。すなわち、磁気抵抗効果膜MR-Bは上部配線63と下部配線52との間、または、上部配線62と下部配線52との間に挟まれている。なお、複数の磁気抵抗効果膜MR-Bを含む磁気抵抗効果膜アレイの始端の上部配線63Sおよび終端の上部配線63Eは、互いに異なる端子部3にそれぞれ接続されている。
ここで、下層配線53と上層配線63とは、傾斜面4A上および傾斜面4B上のうちの少なくとも一方で交差しており、クロスポイントXPを形成している。クロスポイントXPでは、下層配線53と上層配線63とが実質的に直交していてもよい。なお、図3に示した例では、傾斜面4Aおよび傾斜面4Bの双方にクロスポイントXPが設けられている。その一方で、下層配線53と上層配線63とは、基板1の平坦面1S上では互いに交差しないようになっている。ここでいう交差する、とは、積層方向であるZ軸方向に眺めた状態において、上部配線63が下部配線53を横切るような位置関係であることをいう。さらに、交差する、とは、下部配線53の幅方向の両端縁のうちの少なくとも一方とZ軸方向に重なり合う位置に上部配線63が設けられていることも包含する。すなわち、本実施の形態では、上部配線63と下部配線53とが並走する場合であっても、下部配線53の幅方向の端縁が、Z軸方向において上部配線63と重なり合う位置にある場合、下層配線53と上層配線63とが交差していることとなる。
下部配線51~53および上部配線61~63は、例えばAl(アルミニウム),Cu(銅),Ag(銀)およびAu(金)、ならびにそれらを含む合金などの、高導電性非磁性金属により形成可能である。また、下部配線51~53および上部配線61~63は、いずれも、単層構造であってもよいし複数層からなる多層構造であってもよい。さらに、下部配線51~53および上部配線61~63の各々の構成材料は、互いに同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。
素子形成領域YZ1に形成された複数の磁気抵抗効果膜MR-Aは、互いに直列接続されることにより、ブリッジ回路7Lの磁気抵抗効果素子11を構成している。また、素子形成領域YZ1に形成された複数の磁気抵抗効果膜MR-Bは、互いに直列接続されることによりブリッジ回路7Rの磁気抵抗効果素子21を構成している。
素子形成領域YZ2に形成された複数の磁気抵抗効果膜MR-Aは、互いに直列接続されることにより、ブリッジ回路7Lの磁気抵抗効果素子12を構成している。また、素子形成領域YZ2に形成された複数の磁気抵抗効果膜MR-Bは、互いに直列接続されることによりブリッジ回路7Rの磁気抵抗効果素子22を構成している。
素子形成領域YZ3に形成された複数の磁気抵抗効果膜MR-Aは、互いに直列接続されることにより、ブリッジ回路7Lの磁気抵抗効果素子13を構成している。また、素子形成領域YZ3に形成された複数の磁気抵抗効果膜MR-Bは、互いに直列接続されることによりブリッジ回路7Rの磁気抵抗効果素子23を構成している。
素子形成領域YZ4に形成された複数の磁気抵抗効果膜MR-Aは、互いに直列接続されることにより、ブリッジ回路7Lの磁気抵抗効果素子14を構成している。また、素子形成領域YZ4に形成された複数の磁気抵抗効果膜MR-Bは、互いに直列接続されることによりブリッジ回路7Rの磁気抵抗効果素子24を構成している。
なお、上述の磁場検出装置100と、X軸方向の磁場の変化を検出可能な磁場検出ユニット(便宜上、磁場検出ユニット2Cという。)とを組み合わせることにより、3軸方向の磁場の変化を検出する3軸磁気検出コンパスを実現できる。ここでいう磁場検出ユニット2Cは、例えば平坦面1Sに平行な面に複数の磁気抵抗効果膜が形成されることを除き、上記の磁場検出装置100と実質的に同じ構造を有するものを適用可能である。
ここで、磁気抵抗効果素子11を構成する磁気抵抗効果膜MR-Aおよび磁気抵抗効果素子21を構成する磁気抵抗効果膜MR-B、すなわち素子形成領域YZ1に形成された磁気抵抗効果膜MR-Aおよび磁気抵抗効果膜MR-Bを包括的に磁気抵抗効果膜MR1と呼ぶこととする。また、磁気抵抗効果素子12を構成する磁気抵抗効果膜MR-Aおよび磁気抵抗効果素子22を構成する磁気抵抗効果膜MR-B、すなわち素子形成領域YZ2に形成された磁気抵抗効果膜MR-Aおよび磁気抵抗効果膜MR-Bを包括的に磁気抵抗効果膜MR2と呼ぶ。また、磁気抵抗効果素子13を構成する磁気抵抗効果膜MR-Aおよび磁気抵抗効果素子23を構成する磁気抵抗効果膜MR-B、すなわち素子形成領域YZ3に形成された磁気抵抗効果膜MR-Aおよび磁気抵抗効果膜MR-Bを包括的に磁気抵抗効果膜MR3と呼ぶ。さらに、磁気抵抗効果素子14を構成する磁気抵抗効果膜MR-Aおよび磁気抵抗効果素子24を構成する磁気抵抗効果膜MR-B、すなわち素子形成領域YZ4に形成された磁気抵抗効果膜MR-Aおよび磁気抵抗効果膜MR-Bを包括的に磁気抵抗効果膜MR4と呼ぶ。図5に、磁気抵抗効果膜MR1~MR4の積層構造の断面を模式的に表す。
図5に示したように、磁気抵抗効果膜MR1~MR4は、磁性層を含む複数の機能膜が積層されたスピンバルブ構造を有している。具体的には、磁気抵抗効果膜MR1~MR4は、磁化固着層31と中間層32と磁化自由層33とが順に積層された積層構造を有する。磁化固着層31は、所定の方向に固着された磁化J31を有する。中間層32は非磁性体である。磁化自由層33は、信号磁場の磁束の向きに応じて磁化J33の向きが変化するようになっている。磁化固着層31、中間層32および磁化自由層33は、いずれも傾斜面4Aまたは傾斜面4Bに沿って広がる薄膜である。磁化自由層33の磁化J33の向きは、傾斜面4Aまたは傾斜面4Bに沿った面内において回転可能となっている。なお、上述したように、磁気抵抗効果膜MR1~MR4は、いずれもV軸方向に延在している。したがって、磁気抵抗効果膜MR1~MR4は、それぞれV軸方向の形状異方性を示す。このため、初期状態の磁化自由層33の磁化J33の向きは、V軸方向とほぼ平行となる。
また、磁気抵抗効果膜MR1~MR4における各々の磁化J31の固着方向は、例えば図6にそれぞれ示したように設定される。図6は、磁気抵抗効果膜MR1~MR4のそれぞれについて、磁化固着層31の磁化J31の方向と、初期状態の磁化自由層33の磁化J33の方向との関係を説明するための平面模式図である。図6の(A)に示したように、磁気抵抗効果膜MR1では、例えば磁化J31の向きが+W方向であると共に磁化J33の向きが+V方向である。また、図6の(B)に示したように、磁気抵抗効果膜MR2では、例えば磁化J31の向きが-W方向であると共に磁化J33の向きが-V方向である。また、図6の(C)に示したように、磁気抵抗効果膜MR3では、例えば磁化J31の向きが+W方向であると共に磁化J33の向きが-V方向である。さらに、図6の(D)に示したように、磁気抵抗効果膜MR4では、例えば磁化J31の向きが-W方向であると共に磁化J33の向きが+V方向である。
このように、磁気抵抗効果膜MR1~MR4における各々の磁化J31の固着方向は、V軸方向と直交するW軸方向とほぼ平行である。したがって、磁気抵抗効果膜MR1~MR4が信号磁場に対して高い感度を示す感度方向はW軸方向である。しかしながら、磁気抵抗効果膜MR1,MR3における磁化固着層31は+W方向に固着された磁化J31をそれぞれ有するのに対し、磁気抵抗効果膜MR2,MR4における磁化固着層31は-W方向に固着された磁化J31をそれぞれ有する。そのため、信号磁場の印加により磁気抵抗効果膜MR1,MR3の各々の抵抗値が増大する際には、磁気抵抗効果膜MR2,MR4の各々の抵抗値は減少することとなる。反対に、信号磁場の印加により磁気抵抗効果膜MR1,MR3の各々の抵抗値が減少する際には、磁気抵抗効果膜MR2,MR4の各々の抵抗値は増大する。
なお、磁気抵抗効果膜MR1~MR4をそれぞれ構成する磁化固着層31、中間層32および磁化自由層33は、いずれも単層構造であってもよいし、複数層からなる多層構造であってもよい。
磁化固着層31は、例えばCo(コバルト)やCoFe(コバルト鉄合金)、CoFeB(コバルト鉄ボロン合金)などの強磁性材料からなる。なお、磁気抵抗効果膜MR1~MR4において、磁化固着層31とそれぞれ隣接するように、中間層32と反対側に反強磁性層(図示せず)を設けるようにしてもよい。そのような反強磁性層は、白金マンガン合金(PtMn)やイリジウムマンガン合金(IrMn)などの反強磁性材料により構成されるものである。反強磁性層は、磁気抵抗効果膜MR1~MR4においては、+W方向のスピン磁気モーメントと-W方向のスピン磁気モーメントとが完全に打ち消し合った状態にあり、隣接する磁化固着層31の磁化J31の向きを+W方向へ固定し、あるいは-W方向へ固定するように作用する。
中間層32は、スピンバルブ構造が磁気トンネル接合(MTJ:Magnetic Tunnel Junction)膜として機能するものである場合、例えば酸化マグネシウム(MgO)からなる非磁性のトンネルバリア層であり、量子力学に基づくトンネル電流が通過可能な程度に厚みの薄いものである。なお、中間層32は、例えばルテニウム(Ru)や金(Au)などの白金族元素や銅(Cu)などの非磁性金属により構成されていてもよい。その場合、スピンバルブ構造は巨大磁気抵抗効果(GMR:Giant Magneto Resistive effect)膜として機能する。
磁化自由層33は軟質強磁性層であり、互いに実質的に同一の材料により形成されている。磁化自由層33は、例えばCoFe、NiFeあるいはCoFeBなどによって構成される。
[磁場検出装置100の動作および作用]
本実施の形態の磁場検出装置100では、差分信号SLおよび差分信号SRに基づき、磁場検出装置100に印加される信号磁場の変化を演算回路9において検出することができる。
(セット・リセット動作)
ところで、磁場検出装置100では、信号磁場の検出動作を行う前に、各磁気抵抗効果素子における磁化自由層の磁化を所定の方向に一旦揃えることが望ましい。より正確な信号磁場の検出動作を行うためである。具体的には、既知の大きさの外部磁場を所定の方向と、それと反対の方向とに交互に印加する。これを磁化自由層33の磁化J33のセット・リセット動作という。
本実施の形態の磁場検出装置100では、図1に示したように導線C1~C4にそれぞれセット電流Is1~Is4を供給することでセット動作がなされる。導線C1~C4へのセット電流Is1~Is4の供給により、導線C1~C4の周囲にセット磁場がそれぞれ生成される。その結果、磁場検出ユニット2Aでは、-X方向のセット磁場を、磁気抵抗効果素子11,21の磁気抵抗効果膜MR1および磁気抵抗効果素子14,24の磁気抵抗効果膜MR4にそれぞれ印加することができる。これにより、磁気抵抗効果膜MR1,MR4における磁化自由層33の磁化J33は-X方向に向くこととなり、セット動作がなされる。一方、磁場検出ユニット2Bでは、+X方向のセット磁場を、磁気抵抗効果素子12,22の磁気抵抗効果膜MR2および磁気抵抗効果素子13,23の磁気抵抗効果膜MR3にそれぞれ印加することができる。これにより、磁気抵抗効果膜MR2,MR3における磁化自由層33の磁化J33は+X方向に向くこととなり、セット動作がなされる。
また、導線C1~C4にそれぞれリセット電流Ir1~Ir4を供給することでリセット動作がなされる。導線C1~C4へのリセット電流Ir1~Ir4の供給により、導線C1~C4の周囲にリセット磁場がそれぞれ生成される。その結果、磁場検出ユニット2Aでは、+X方向のリセット磁場を磁気抵抗効果膜MR1,MR4にそれぞれ印加することができる。これにより、磁気抵抗効果膜MR1,MR4における磁化自由層33は+X方向に向くこととなり、リセット動作がなされる。一方、磁場検出ユニット2Bでは、-X方向のリセット磁場を磁気抵抗効果膜MR2,MR3に印加することができる。これにより、磁気抵抗効果膜MR2,MR3における磁化自由層33は-X方向に向くこととなりリセット動作がなされる。
[磁場検出装置100の製造方法]
次に、図7A~7Iを参照して、磁場検出装置100の製造方法について説明する。図7A~7Iは、磁場検出装置100のうち、特に下部配線群5、磁気抵抗効果膜MR-A,MR-B、および上部配線群6の製造方法の各工程を表す断面模式図である。
最初に、基板1を用意したのち、図7Aに示したように、平坦面1Sの上に、それぞれV軸方向に延在する複数の凸部4をW軸方向に並べるように形成する。そののち、基板1および複数の凸部4の全体を覆うように、導電材料膜5Zを形成する。
次に、図7Bに示したように、導電材料膜5Zを覆うように、磁気抵抗効果膜MRZを形成する。
次に、図7Cに示したように、フォトリソグラフィ法などを用いて磁気抵抗効果膜MRZを選択的にエッチングすることにより、所定形状の磁気抵抗効果膜MR-A,MR-Bを形成する。そののち、磁気抵抗効果膜MR-A,MR-Bの周囲を埋めるように絶縁膜Z1を形成する。
次に、図7Dに示したように、磁気抵抗効果膜MR-A,MR-Bおよび絶縁膜Z1を覆うように、第1レジスト層RS1と第2レジスト層RS2とを順次積層形成することにより2層レジストRSを形成する。
次に、図7Eに示したように、2層レジストRSを選択的に露光したのち、2層レジストRSのうち例えば露光されていない部分を洗浄により除去する。これにより、導電材料膜5Zを選択的に覆う2層レジストパターンRPを形成する。2層レジストパターンRPは、第1レジストパターンRP1と、第2レジストパターンRP2との2層構造からなる。
次に、図7Fに示したように、2層レジストパターンRPをマスクとして用い、絶縁膜Z1および導電材料膜5Zを選択的にエッチングする。すなわち、絶縁膜Z1および導電材料膜5Zのうち、2層レジストパターンRPにより覆われていない部分を除去する。これにより、各凸部4の傾斜面4A,4Bに下部配線群5が形成される。なお、図7Fに示した断面では、各凸部4の傾斜面4Aに下部配線51がそれぞれ形成されると共に各凸部4の傾斜面4Bに下部配線52がそれぞれ形成される。そののち、絶縁膜Z1および導電材料膜5Zが除去された部分を埋めるように絶縁膜Z2を形成し、2層レジストパターンRPをリフトオフする。
次に、図7Gに示したように、磁気抵抗効果膜MR-A,MR-Bの上に、2層レジストパターンRP-2を形成する。その際、2層レジストパターンRP-2のW軸方向の幅は、下部配線51,52のW軸方向の幅よりもそれぞれ狭くなるようにする。
次に、図7Hに示したように、2層レジストパターンRP-2、絶縁膜Z1、および絶縁膜Z2の全体を覆うように絶縁膜Z3を形成する。
次に、2層レジストパターンRP-2を除去することにより、図7Iに示したように、絶縁膜Z3に形成された複数の開口Z3Kが表れる。複数の開口Z3Kには、磁気抵抗効果膜MR-A,MR-Bの上面が露出することとなる。
そののち、図7Jに示したように、絶縁膜Z3に設けられた複数の開口Z3Kを埋めるように上部配線群6(図7Iでは、上部配線群6のうちの上部配線61,62を示す)を形成する。最後に、図7Kに示したように、絶縁膜Z3および上部配線群6の全体を覆うように絶縁膜Z4を形成するなどして、磁場検出装置100の製造が終了する。
[磁場検出装置100の効果]
このように、本実施の形態の磁場検出装置100では、下部配線53と上部配線63とが傾斜面4A上および傾斜面4B上のうちの少なくとも一方で交差しており、平坦面1S上では下部配線53と上部配線63とが交差していない。すなわち、図3に示したように、クロスポイントXPが傾斜面4A上または傾斜面4B上のいずれかにあり、クロスポイントXPは平坦面1S上には存在しない。このため、下部配線53と上部配線63との短絡が生じる可能性を低減できる。これは以下に説明するように、平坦面1S上に形成される下部配線53にはバリが発生しやすいのに対し、傾斜面4A上または傾斜面4B上に形成される下部配線53にはバリが発生しにくいからである。よって、上部配線63を平坦面1S上に形成される下部配線53と交差させることなく、傾斜面4A上または傾斜面4B上に形成される下部配線53と上部配線63とが交差するようにすることで、下部配線53のバリが介在して下部配線53と上部配線63とが意図せずに導通してしまうのを回避できる。
図8は、参考例としての磁場検出装置1000の素子形成領域を模式的に表した平面図であり、本実施の形態の図3に対応する図である。図8に示したように、参考例としての磁場検出装置1000は、基板1の平坦面1S上に形成されたクロスポイントXP1~XP3を有している。図9Aは、図8に示したIX-IX切断線に沿った矢視方向の断面を表す断面模式図である。図9Aに示したように、クロスポイントXP1では、バリBRを介した短絡部分SHが形成されている。バリBRは、下部配線52,53のうちの、平坦面1S上の端部に発生している。このバリBRは、下部配線52,53のパターニングの際に生じるものである。図9Bは、磁場検出装置1000の製造方法の一工程を表す断面模式図であり、特に下部配線52,53の選択的エッチングを実施した直後の状態を表している。参考例の磁場検出装置1000の下部配線52,53は、本実施の形態の磁場検出装置100の下部配線群5と同様、2層レジストパターンRPを用いて導電材料膜を選択的にエッチングすることによりパターニングされる。しかしながら、参考例の磁場検出装置1000では、下部配線52,53の一部が傾斜面4A,4Bだけではなく平坦面1S上の一部をも覆うように延在している。一般に、傾斜面上に付着するレジストパターンの厚さよりも、平坦面上に付着するレジストパターンの厚さのほうが厚くなることが多い。したがって、図9Bに示したように、平坦面1S上に形成された第1レジストパターンRP1の厚さは、傾斜面4A,4B上に形成された第1レジストパターンRP1の厚さよりも厚くなることが多い。このような第1レジストパターンRP1を含む2層レジストパターンRPを用いて導電材料膜を選択的にエッチングすると、図9Bに示したように、第1レジストパターンRP1の端面に除去された導電材料膜が再付着してしまい、下部配線52,53の端面と接触したバリBRを形成することとなる。バリBRは、2層レジストパターンRPをリフトオフしたあとも残渣として平坦面1S上に残ることが多い。そののち、上部配線63を形成すると、バリBRと上部配線63とが接触した状態となる。バリBRは下部配線52,53の端面にも接触しているので、結果として上部配線63と下部配線52,53とが導通することとなってしまう。
これに対し、本実施の形態の磁場検出装置100では、平坦面1S上にクロスポイントXPは存在しないようにしている。このため、仮にバリBRが形成されてしまったとしても、バリBRとZ軸方向に重なり合う位置に上部配線群6が設けられることはない。よって、下部配線群5と上部配線群6との短絡を回避することができる。
以上の理由から、磁場検出装置100では、短絡の発生を抑制しつつ、単位面積当たりの磁気抵抗効果素子の存在密度を向上させることができる。したがって、本実施の形態の磁場検出装置100は、動作信頼性を損なうことなく、寸法の小型化を図ることができる。
<2.変形例>
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態では、センサ部として4つの磁気検出素子を用いてフルブリッジ回路を形成するようにしたが、本発明では、例えば2つの磁気検出素子を用いてハーフブリッジ回路を形成するようにしてもよい。また、複数の磁気抵抗効果膜の形状および寸法は、互いに同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、各構成要素の寸法や各構成要素のレイアウトなどは例示であってこれに限定されるものではない。
(第1の変形例)
上記実施の形態では、例えば図3に示したように、上部配線群6と下部配線群5とがZ軸方向に重なり合う領域を、凸部4の傾斜面4A,4Bのみに設けるようにした。しかしながら、本発明は、例えば図10に示した第1の変形例としての磁場検出装置100Aをも含む概念である。図10は、本発明の第1の変形例としての磁場検出装置100Aの一部を表す概略平面図である。図10の磁場検出装置100Aでは、上部配線63と下部配線53とがZ軸方向に重なり合う領域を、凸部4が形成されていない平坦面1S上に設けるようにしている。ただし、磁場検出装置100Aでは、平坦面1S上では、上部配線63と下部配線53とが互いに交差することなく実質的に同じ方向(例えばW軸方向)へ並走するようになっている。すなわち、上部配線63は、平坦面1S上に設けられ、W軸方向に延在する平坦部63Sを含み、下部配線53は、平坦面1S上に設けられ、W軸方向に延在する平坦部53Sを含んでいる。図10に示した磁場検出装置100Aでは、平坦部53Sが、下部配線53のうちの傾斜面4Aに設けられた部分53Aと平面視で略L字状に接続されている。同様に、平坦部63Sが、上部配線63のうちの傾斜面4Bに設けられた部分63Bと平面視で略L字状に接続されている。下部配線53の平坦部53Sは、Z軸方向に重なり合うように、上部配線63の平坦部63Sと平坦面1Sとの間に設けられている。さらに、平坦面1S上に設けられた下部配線53SのV軸方向の幅W53は、それとZ軸方向に重なり合う上部配線63SのV軸方向の幅W63よりも広く、上部配線63SのV軸方向の両端縁は、下部配線53SのV軸方向の両端縁よりも内側に位置する。したがって、上部配線63は、下部配線53の両端縁とZ軸方向に重なり合う位置には存在しない。このため、仮にバリが下部配線53の平坦部53Sの両端縁に生成されたとしても、そのようなバリを介した上部配線63と下部配線53との短絡は回避できる。よって、本発明の効果が得られる。また、磁場検出装置100Aでは、傾斜面4A,4Bは、いずれも、平坦面1S上に設けられた下部配線63の平坦部63Sおよび上部配線53の平坦部53Sが延在するW軸方向に傾斜している。このため、下部配線63の平坦部63Sおよび上部配線53の平坦部53Sが斜め方向、例えばW軸方向およびV軸方向の双方と異なる方向に延在するよりも、限られた面積を効率的に利用して下部配線53および上部配線63をレイアウトすることができ、磁場検出装置100Aの小型化に寄与する。また、下部配線53および上部配線63の効率的なレイアウトにより、結果として下部配線53および上部配線63の各々の長さを短縮できる可能性がある。さらに、V軸方向に延在する傾斜面4A,4B上の下部配線51~53を形成する際のエッチング処理時の再付着物の付着を低減できる。なお、W軸方向が本発明の「第1の方向」に対応する一具体例であり、V軸方向が本発明の「第2の方向」に対応する一具体例である。さらに、平坦部53Sが本発明の「第1の平坦部」に対応する一具体例であり、平坦部63Sが本発明の「第2の平坦部」に対応する一具体例である。
(第2の変形例)
なお、図10に示した第1の変形例としての磁場検出装置100Aでは、平坦部53Sと平坦部63Sとが互いに重なり合うようにしたが、本開示はこれに限定されるものではない。例えば図11に示した第2の変形例としての磁場検出装置100Bのように、平坦面1S上に設けられた平坦部53Sおよび平坦部63Sが、互いに重なり合うことのない位置でそれぞれW軸方向に延在していてもよい。また、図10に示した磁場検出装置100Aでは、平坦部53Sが、下部配線53のうちの傾斜面4Aに設けられた部分53Aと平面視で略L字状に接続されているが、本発明はこれに限定されるものではない。図11に示したように、平坦部53Sが、下部配線53のうちの傾斜面4Aに設けられた部分53Aと平面視で略T字状に接続されていてもよい。同様に、図10に示した磁場検出装置100Aでは、平坦部63Sが、上部配線63のうちの傾斜面4Bに設けられた部分63Bと平面視で略L字状に接続されているが、本発明はこれに限定されるものではない。図11に示したように、平坦部63Sが、上部配線63のうちの傾斜面4Bに設けられた部分63Bと平面視で略T字状に接続されていてもよい。なお、図11は、本発明の第2の変形例としての磁場検出装置100Bの一部を表す概略平面図である。図11の磁場検出装置100Bによれば、上記の構成を有することにより、下部配線53および上部配線63の効率的なレイアウトが可能となり、結果として下部配線53および上部配線63の各々の長さを短縮できる可能性がある。特に、図10に示した磁場検出装置100Aと異なり、図11の磁場検出装置100Bによれば、平坦部53Sを傾斜面4Aに設けられた部分53Aにおける延在方向(V軸方向)の端部以外の中途部分と接続できる。また、図11の磁場検出装置100Bによれば、平坦部63Sを、傾斜面4Bに設けられた部分63Bにおける延在方向(V軸方向)の端部以外の中途部分と接続できる。よって、図10に示した磁場検出装置100Aと比較して、下部配線群5および上部配線群6のレイアウトの自由度がより向上するうえ、配線抵抗の低減にも有利である。さらに、図11の磁場検出装置100Bによれば、V軸方向に延在する傾斜面4A,4B上の下部配線51~53を形成する際のエッチング処理時の再付着物の付着を低減できる。ここで、平坦部53Sの延在方向が部分53Aの延在方向に対して実質的に直交するようにするとよい。部分53Aの延在方向に対して平坦部53Sの延在方向が傾斜している場合(0°よりも大きく90°未満の場合)と比較して、再付着物の付着量をより低減できるからである。よって、下部配線53と上部配線63とが意図せずに導通してしまう可能性をより十分に低減できる。
(第3の変形例)
また、図3に示した一実施の形態の磁場検出装置100では、傾斜面4A,4Bにそれぞれ設けられた下部配線群5および上部配線群6が、複数の磁気抵抗効果膜MR-A,MR-Bを電気的に接続する導体となっている。しかしながら、本開示はこれに限定されるものではない。例えば図12および図13に示した第3の変形例としての磁場検出装置100Cのように、傾斜面4Bに、1以上のダミーパターンDBを設けるようにしてもよい。図12は、本発明の第3の変形例としての磁場検出装置100Cの一部を表す概略平面図である。また、図13は、図12に示したXIII-XIII線に沿った矢視方向の断面図である。図12および図13に示したように、傾斜面4Bに1以上のダミーパターンDBを設けることにより、W軸方向において平坦面1Sを挟んで隣り合って対向する傾斜面4Aに下部配線51,53を形成する際、下部配線51,53の端縁にバリが発生するのを抑制し、あるいは、バリが発生したとしても、その大きさを小さくすることができる。
ここで、図14Aおよび図14Bに参考例として示した態様のように、W軸方向において平坦面1Sを挟んで隣り合って対向する傾斜面4Aおよび傾斜面4Bのうち、傾斜面4Aに下部配線53を形成する一方で傾斜面4Bに下部配線やダミーパターンを形成しない場合について説明する。より具体的には、図14Aおよび図14Bに示したように、W軸方向に隣り合う2つの凸部4Lおよび凸部4Rのうち、紙面左側の凸部4Lの傾斜面4Aに下部配線53および磁気抵抗効果膜MR-Aを形成し、紙面右側の凸部4Rの傾斜面4Bには下部配線および磁気抵抗効果膜を形成しない場合について説明する。この場合、まず、基板1および複数の凸部4の全体を覆う導電材料膜5Zと、磁気抵抗効果膜MR-A,MR-Bおよび絶縁膜Z1とを形成したのち、図14Aに示したように、導電材料膜5Zを選択的に覆う2層レジストパターンRPを形成する。2層レジストパターンRPは、凸部4Lの傾斜面4A,4Bに設けられる。次に、図14Bに示したように、2層レジストパターンRPをマスクとして用い、絶縁膜Z1および導電材料膜5Zを選択的にエッチングする。すなわち、絶縁膜Z1および導電材料膜5Zのうち、2層レジストパターンRPにより覆われていない部分を除去する。これにより、凸部4Lの傾斜面4Aおよび傾斜面4Bに、下部配線53および下部配線52がそれぞれ形成される。このとき、傾斜面4Aに設けられた2層レジストパターンRPの端面などには、再付着物RDが堆積する。再付着物RDは、主に、対向する凸部4Rの傾斜面4Bに形成されていた絶縁膜Z1および導電材料膜5Zがエッチングされて飛散したものである。このような再付着物は、2層レジストパターンRPをリフトオフした後であっても、凸部4Lの傾斜面4Aに形成される下部配線53の端縁にバリとして残存することがある。そのようなバリは、下部配線53の上層として形成される上部配線群6の形成を阻害したり、下部配線53と上部配線群6との意図しない短絡を発生させたりする原因となる場合がある。そこで、本変形例としての磁場検出装置100Cのように傾斜面4BにダミーパターンDBを設けることにより、ダミーパターンDBを設けた傾斜面4Bに対向する傾斜面4Aに形成される下部配線53でのバリの発生を効果的に抑制するようにしている。
なお、図13に示したように、平坦面1Sに直交する高さ方向(Z軸方向)において、例えば平坦面1Sを基準としたダミーパターンDBの上端位置DBHは、平坦面1Sを基準とした下部配線53の上端位置53Hと実質的に等しいとよい。Z軸方向において、上端位置DBHと上端位置53Hとが異なる場合と比較して、下部配線53にバリが発生するのをより効果的に抑制することができるからである。
ダミーパターンDBは、例えば磁気抵抗効果膜MR-A,MR-Bなどの電子デバイスや下部配線群5および上部配線群6などの通信や電力供給を行う配線とは繋がっていない構造物である。すなわち、例えばダミーパターンDBは導電性材料によって構成されてもよいが、ダミーパターンDBは下部配線群5および上部配線群6の双方と絶縁されている。なお、ダミーパターンDBの構成材料は、例えば下部配線群5の構成材料および上部配線群6の構成材料と同じであるとよい。ダミーパターンDBを下部配線群5または上部配線群6と同時に形成可能となり、製造容易性が向上するからである。また、本変形例では、傾斜面4Bに1以上のダミーパターンDBを設けるようにしたが、本発明では実配線として利用可能な1以上のパターンを傾斜面4Bに設けるようにしてもよい。なお、その実配線として利用可能な1以上のパターンは、下部配線群5および上部配線群6の双方と絶縁された第3の配線である。すなわち、本発明の「パターン」は、実配線として利用しないダミーパターンと、実配線として利用可能なパターンとの双方を含む概念である。
(第4の変形例)
さらに、本発明では、対向する2つの傾斜面の双方にダミーパターンを形成するようにしてもよい。例えば図15および図16に示した第4の変形例としての磁場検出装置100Dのように、傾斜面4Bに1以上のダミーパターンDBを設けると共に、傾斜面4Aにも1以上のダミーパターンDAを設けるようにしてもよい。図15は、本発明の第4の変形例としての磁場検出装置100Dの一部を表す概略平面図である。また、図16は、図15に示したXVI-XVI線に沿った矢視方向の断面図である。この場合、平坦面1Sに直交する高さ方向(Z軸方向)において、例えば平坦面1Sを基準としたダミーパターンDAの上端位置DAHは、平坦面1Sを基準としたダミーパターンDBの上端位置DBHと実質的に等しいとよい。
磁場検出装置100Dのように、互いに対向する傾斜面4Aおよび傾斜面4Bの双方にダミーパターンDAおよびダミーパターンDBをそれぞれ設けるようにすることで、下部配線群5を形成する際に平坦面1Sおよび凸部4を覆うように形成されるレジストパターンの分布密度を均質化することができる。すなわち、平坦面1Sおよび凸部4を覆うレジストパターンが高密度で形成される領域と、平坦面1Sおよび凸部4を覆うレジストパターンが低密度で形成される領域との密度差を低減することができる。その結果、露光や現像を行う際のレジストパターンの寸法や形状をより高い精度で制御できる。よって、そのレジストパターンを用いて形成される下部配線群5の寸法のばらつきを低減できる。また、隣り合う2つの凸部4の間に挟まれた領域の平坦面1Sを横断するように形成される下部配線53を形成する場合に、傾斜面4Aもしくは傾斜面4Bから受ける露光ハレーションの影響を低減することができる。そのような傾斜面4Aもしくは傾斜面4Bからの露光ハレーションがあると、下部配線53をパターニングするためのレジストパターンの形状が崩れる場合があり、その場合、下部配線53の寸法精度が低下する可能性がある。よって、磁場検出装置100Dのように、互いに対向する傾斜面4Aおよび傾斜面4Bの双方にダミーパターンDAおよびダミーパターンDBをそれぞれ設けることで、露光時のハレーションを低減させ、下部配線53の寸法精度の低下を防ぐことができる。また、本変形例では、傾斜面4Aに1以上のダミーパターンDAを設けると共に傾斜面4Bに1以上のダミーパターンDBを設けるようにしたが、本発明では実配線として利用可能な1以上のパターンを傾斜面4A,4Bにそれぞれ設けるようにしてもよい。なお、その実配線として利用可能な1以上のパターンは、下部配線群5および上部配線群6の双方と絶縁された第3の配線である。すなわち、本発明の「パターン」は、実配線として利用しないダミーパターンと、実配線として利用可能なパターンとの双方を含む概念である。
また、図3に示した平面模式図では、各凸部4の平面形状がV軸方向を長手方向とする矩形状となっているが、本実施の形態の凸部4の平面形状はこれに限定されるものではない。凸部4は、例えば長手方向の両端部がそれぞれ半円形状であるレーストラック形状の輪郭を有していてもよい。また、図4では、傾斜面4A,4Bがいずれも平面である場合を例示したが、傾斜面4A,4Bはいずれも湾曲した面であってもよい。また、図4に示した例では、頭頂部4Tが傾斜面4Aと傾斜面4Bとが交差する角の頂点となっているが、頭頂部4Tはラウンド形状の断面を有するものであってもよい。
100…磁場検出装置、1…基板、2A,2B…磁場検出ユニット、3…端子部、4…凸部、40…頭頂部、41,42…傾斜面、5…下部配線群、51~53…下部配線、6…上部配線群、61~63…上部配線、31…磁化固着層、32…中間層、33…磁化自由層、7L,7R…ブリッジ回路、8L,8R…差分検出器、9…演算回路、DA,DB…ダミーパターン、Is1~Is4…セット電流、Ir1~Ir4…リセット電流、MR1~MR4…磁気抵抗効果膜、YZ1~YZ4…素子形成領域。
本発明の一実施態様としての磁場検出装置は、基板と、第1の凸部および第2の凸部と、第1の磁気抵抗効果と、第2の磁気抵抗効果と、第1の配線と、第2の配線とを有する。基板は平坦面を含む。第1の凸部および第2の凸部は、平坦面に対して傾斜した第1の傾斜面と、平坦面および第1の傾斜面の双方に対して傾斜した第2の傾斜面とをそれぞれ含み、平坦面にそれぞれ設けられている。第1の磁気抵抗効果は、第1の傾斜面に設けられている。第2の磁気抵抗効果は、第2の傾斜面に設けられている。第1の配線は、第1の凸部の第1の傾斜面に設けられた第1の磁気抵抗効果と、第2の凸部の第1の傾斜面に設けられた第1の磁気抵抗効果とを繋いでいる。第2の配線は、第1の凸部の第2の傾斜面に設けられた第2の磁気抵抗効果と、第2の凸部の第2の傾斜面に設けられた第2の磁気抵抗効果とを繋いでいる。ここで、第1の配線と第2の配線とが、第1の傾斜面上および第2の傾斜面上のうちの少なくとも一方で交差している。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.一実施の形態
第1の傾斜面に設けられた第1の磁気抵抗効果と第2の傾斜面に設けられた第2の磁気抵抗効果とを含むブリッジ回路を備えた磁場検出装置の例。
2.変形例
磁場検出ユニット2Aは、素子形成領域YZ1および素子形成領域YZ4を有している。素子形成領域YZ1および素子形成領域YZ4は、例えば、それぞれY軸方向に延在すると共にX軸方向において互いに隣り合うように配置されている。素子形成領域YZ1および素子形成領域YZ4には、後述する磁気抵抗効果膜MR1,MRが複数形成されている。磁場検出ユニット2Aは、さらに、素子形成領域YZ1とZ軸方向に重なり合うと共にY軸方向に延在する導線C1と、素子形成領域YZ4とZ軸方向に重なり合うと共にY軸方向に延在する導線C4とを有している。導線C1,C4には、+Y方向に流れるセット電流Is1,Is4がそれぞれ供給可能に構成されている。セット電流Is1,Is4は、磁気抵抗効果膜MR1,MRにそれぞれ含まれる磁化自由層の磁化のセット動作を行うためのセット磁場を形成する。導線C1,C4には、さらに、-Y方向に流れるリセット電流Ir1,Ir4がそれぞれ供給可能に構成されている。リセット電流Ir1,Ir4は、磁気抵抗効果膜MR1,MRにそれぞれ含まれる磁化自由層の磁化のリセット動作を行うためのリセット磁場を形成する。
磁場検出ユニット2Bは、素子形成領域YZ2および素子形成領域YZ3を有している。素子形成領域YZ2および素子形成領域YZ3は、例えば、それぞれY軸方向に延在すると共にX軸方向において互いに隣り合うように配置されている。素子形成領域YZ2および素子形成領域YZ3には、後述する磁気抵抗効果膜MR2,MR3が複数形成されている。磁場検出ユニット2Bは、さらに、素子形成領域YZ2とZ軸方向に重なり合うと共にY軸方向に延在する導線C2と、素子形成領域YZ3とZ軸方向に重なり合うと共にY軸方向に延在する導線C3とを有している。導線C2,C3には、-Y方向に流れるセット電流Is2,Is3がそれぞれ供給可能に構成されている。セット電流Is2,Is3は、磁気抵抗効果膜MR2,MR3にそれぞれ含まれる磁化自由層の磁化のセット動作を行うためのセット磁場を形成する。導線C2,C3には、さらに、+Y方向に流れるリセット電流Ir2,Ir3がそれぞれ供給可能に構成されている。リセット電流Ir2,Ir3は、磁気抵抗効果膜MR2,MR3にそれぞれ含まれる磁化自由層の磁化のリセット動作を行うためのリセット磁場を形成する。
このように、傾斜面4Aに設けられた複数の磁気抵抗効果膜MR-Aは、下配線53と、上配線61と、下配線51とによって直列接続されて1つの磁気抵抗効果膜アレイを形成している。すなわち、磁気抵抗効果膜MR-Aは上配線61と下配線51との間、または、上配線61と下配線53との間に挟まれている。なお、複数の磁気抵抗効果膜MR-Aを含む磁気抵抗効果膜アレイの始端の下配線53Sおよび終端の下配線53Eは、互いに異なる端子部3にそれぞれ接続されている。
同様に、傾斜面4Bに設けられた複数の磁気抵抗効果膜MR-Bは、上配線63と、下配線52と、上配線62とによって直列接続されて1つの磁気抵抗効果膜アレイを形成している。すなわち、磁気抵抗効果膜MR-Bは上配線63と下配線52との間、または、上配線62と下配線52との間に挟まれている。なお、複数の磁気抵抗効果膜MR-Bを含む磁気抵抗効果膜アレイの始端の上配線63Sおよび終端の上配線63Eは、互いに異なる端子部3にそれぞれ接続されている。
ここで、下層配線53と上層配線63とは、傾斜面4A上および傾斜面4B上のうちの少なくとも一方で交差しており、クロスポイントXPを形成している。クロスポイントXPでは、下層配線53と上層配線63とが実質的に直交していてもよい。なお、図3に示した例では、傾斜面4Aおよび傾斜面4Bの双方にクロスポイントXPが設けられている。その一方で、下層配線53と上層配線63とは、基板1の平坦面1S上では互いに交差しないようになっている。ここでいう交差する、とは、積層方向であるZ軸方向に眺めた状態において、上配線63が下配線53を横切るような位置関係であることをいう。さらに、交差する、とは、下配線53の幅方向の両端縁のうちの少なくとも一方とZ軸方向に重なり合う位置に上配線63が設けられていることも包含する。すなわち、本実施の形態では、上配線63と下配線53とが並走する場合であっても、下配線53の幅方向の端縁が、Z軸方向において上配線63と重なり合う位置にある場合、下層配線53と上層配線63とが交差していることとなる。
配線51~53および上配線61~63は、例えばAl(アルミニウム),Cu(銅),Ag(銀)およびAu(金)、ならびにそれらを含む合金などの、高導電性非磁性金属により形成可能である。また、下配線51~53および上配線61~63は、いずれも、単層構造であってもよいし複数層からなる多層構造であってもよい。さらに、下配線51~53および上配線61~63の各々の構成材料は、互いに同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。
また、導線C1~C4にそれぞれリセット電流Ir1~Ir4を供給することでリセット動作がなされる。導線C1~C4へのリセット電流Ir1~Ir4の供給により、導線C1~C4の周囲にリセット磁場がそれぞれ生成される。その結果、磁場検出ユニット2Aでは、+X方向のリセット磁場を磁気抵抗効果膜MR1,MR4にそれぞれ印加することができる。これにより、磁気抵抗効果膜MR1,MR4における磁化自由層33の磁化J33は+X方向に向くこととなり、リセット動作がなされる。一方、磁場検出ユニット2Bでは、-X方向のリセット磁場を磁気抵抗効果膜MR2,MR3に印加することができる。これにより、磁気抵抗効果膜MR2,MR3における磁化自由層33の磁化J33は-X方向に向くこととなりリセット動作がなされる。
[磁場検出装置100の製造方法]
次に、図7A~7Iを参照して、磁場検出装置100の製造方法について説明する。図7A~7Iは、磁場検出装置100のうち、特に下配線群5、磁気抵抗効果膜MR-A,MR-B、および上配線群6の製造方法の各工程を表す断面模式図である。
次に、図7Fに示したように、2層レジストパターンRPをマスクとして用い、絶縁膜Z1および導電材料膜5Zを選択的にエッチングする。すなわち、絶縁膜Z1および導電材料膜5Zのうち、2層レジストパターンRPにより覆われていない部分を除去する。これにより、各凸部4の傾斜面4A,4Bに下配線群5が形成される。なお、図7Fに示した断面では、各凸部4の傾斜面4Aに下配線51がそれぞれ形成されると共に各凸部4の傾斜面4Bに下配線52がそれぞれ形成される。そののち、絶縁膜Z1および導電材料膜5Zが除去された部分を埋めるように絶縁膜Z2を形成し、2層レジストパターンRPをリフトオフする。
次に、図7Gに示したように、磁気抵抗効果膜MR-A,MR-Bの上に、2層レジストパターンRP-2を形成する。その際、2層レジストパターンRP-2のW軸方向の幅は、下配線51,52のW軸方向の幅よりもそれぞれ狭くなるようにする。
そののち、図7Jに示したように、絶縁膜Z3に設けられた複数の開口Z3Kを埋めるように上配線群6(図7Iでは、上配線群6のうちの上配線61,62を示す)を形成する。最後に、図7Kに示したように、絶縁膜Z3および上配線群6の全体を覆うように絶縁膜Z4を形成するなどして、磁場検出装置100の製造が終了する。
[磁場検出装置100の効果]
このように、本実施の形態の磁場検出装置100では、下配線53と上配線63とが傾斜面4A上および傾斜面4B上のうちの少なくとも一方で交差しており、平坦面1S上では下配線53と上配線63とが交差していない。すなわち、図3に示したように、クロスポイントXPが傾斜面4A上または傾斜面4B上のいずれかにあり、クロスポイントXPは平坦面1S上には存在しない。このため、下配線53と上配線63との短絡が生じる可能性を低減できる。これは以下に説明するように、平坦面1S上に形成される下配線53にはバリが発生しやすいのに対し、傾斜面4A上または傾斜面4B上に形成される下配線53にはバリが発生しにくいからである。よって、上配線63を平坦面1S上に形成される下配線53と交差させることなく、傾斜面4A上または傾斜面4B上に形成される下配線53と上配線63とが交差するようにすることで、下配線53のバリが介在して下配線53と上配線63とが意図せずに導通してしまうのを回避できる。
図8は、参考例としての磁場検出装置1000の素子形成領域を模式的に表した平面図であり、本実施の形態の図3に対応する図である。図8に示したように、参考例としての磁場検出装置1000は、基板1の平坦面1S上に形成されたクロスポイントXP1およびXP2を有している。図9Aは、図8に示したIX-IX切断線に沿った矢視方向の断面を表す断面模式図である。図9Aに示したように、クロスポイントXP1では、バリBRを介した短絡部分SHが形成されている。バリBRは、下配線52,53のうちの、平坦面1S上の端部に発生している。このバリBRは、下配線52,53のパターニングの際に生じるものである。図9Bは、磁場検出装置1000の製造方法の一工程を表す断面模式図であり、特に下配線52,53の選択的エッチングを実施した直後の状態を表している。参考例の磁場検出装置1000の下配線52,53は、本実施の形態の磁場検出装置100の下配線群5と同様、2層レジストパターンRPを用いて導電材料膜を選択的にエッチングすることによりパターニングされる。しかしながら、参考例の磁場検出装置1000では、下配線52,53の一部が傾斜面4A,4Bだけではなく平坦面1S上の一部をも覆うように延在している。一般に、傾斜面上に付着するレジストパターンの厚さよりも、平坦面上に付着するレジストパターンの厚さのほうが厚くなることが多い。したがって、図9Bに示したように、平坦面1S上に形成された第1レジストパターンRP1の厚さは、傾斜面4A,4B上に形成された第1レジストパターンRP1の厚さよりも厚くなることが多い。このような第1レジストパターンRP1を含む2層レジストパターンRPを用いて導電材料膜を選択的にエッチングすると、図9Bに示したように、第1レジストパターンRP1の端面に除去された導電材料膜が再付着してしまい、下配線52,53の端面と接触したバリBRを形成することとなる。バリBRは、2層レジストパターンRPをリフトオフしたあとも残渣として平坦面1S上に残ることが多い。そののち、上配線63を形成すると、バリBRと上配線63とが接触した状態となる。バリBRは下配線52,53の端面にも接触しているので、結果として上配線63と下配線52,53とが導通することとなってしまう。
これに対し、本実施の形態の磁場検出装置100では、平坦面1S上にクロスポイントXPは存在しないようにしている。このため、仮にバリBRが形成されてしまったとしても、バリBRとZ軸方向に重なり合う位置に上配線群6が設けられることはない。よって、下配線群5と上配線群6との短絡を回避することができる。
<2.変形例>
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態では、4つの磁気抵抗効果素子を用いてフルブリッジ回路を形成するようにしたが、本発明では、例えば2つの磁気抵抗効果素子を用いてハーフブリッジ回路を形成するようにしてもよい。また、複数の磁気抵抗効果膜の形状および寸法は、互いに同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、各構成要素の寸法や各構成要素のレイアウトなどは例示であってこれに限定されるものではない。
(第1の変形例)
上記実施の形態では、例えば図3に示したように、上配線群6と下配線群5とがZ軸方向に重なり合う領域を、凸部4の傾斜面4A,4Bのみに設けるようにした。しかしながら、本発明は、例えば図10に示した第1の変形例としての磁場検出装置100Aをも含む概念である。図10は、本発明の第1の変形例としての磁場検出装置100Aの一部を表す概略平面図である。図10の磁場検出装置100Aでは、上配線63と下配線53とがZ軸方向に重なり合う領域を、凸部4が形成されていない平坦面1S上に設けるようにしている。ただし、磁場検出装置100Aでは、平坦面1S上では、上配線63と下配線53とが互いに交差することなく実質的に同じ方向(例えばW軸方向)へ並走するようになっている。すなわち、上配線63は、平坦面1S上に設けられ、W軸方向に延在する平坦部63Sを含み、下配線53は、平坦面1S上に設けられ、W軸方向に延在する平坦部53Sを含んでいる。図10に示した磁場検出装置100Aでは、平坦部53Sが、下配線53のうちの傾斜面4Aに設けられた部分53Aと平面視で略L字状に接続されている。同様に、平坦部63Sが、上配線63のうちの傾斜面4Bに設けられた部分63Bと平面視で略L字状に接続されている。下配線53の平坦部53Sは、Z軸方向に重なり合うように、上配線63の平坦部63Sと平坦面1Sとの間に設けられている。さらに、平坦面1S上に設けられた下配線53SのV軸方向の幅W53は、それとZ軸方向に重なり合う上配線63SのV軸方向の幅W63よりも広く、上配線63SのV軸方向の両端縁は、下配線53SのV軸方向の両端縁よりも内側に位置する。したがって、上配線63は、下配線53の両端縁とZ軸方向に重なり合う位置には存在しない。このため、仮にバリが下配線53の平坦部53Sの両端縁に生成されたとしても、そのようなバリを介した上配線63と下配線53との短絡は回避できる。よって、本発明の効果が得られる。また、磁場検出装置100Aでは、傾斜面4A,4Bは、いずれも、平坦面1S上に設けられた下配線63の平坦部63Sおよび上配線53の平坦部53Sが延在するW軸方向に傾斜している。このため、下配線63の平坦部63Sおよび上配線53の平坦部53Sが斜め方向、例えばW軸方向およびV軸方向の双方と異なる方向に延在するよりも、限られた面積を効率的に利用して下配線53および上配線63をレイアウトすることができ、磁場検出装置100Aの小型化に寄与する。また、下配線53および上配線63の効率的なレイアウトにより、結果として下配線53および上配線63の各々の長さを短縮できる可能性がある。さらに、V軸方向に延在する傾斜面4A,4B上の下配線51~53を形成する際のエッチング処理時の再付着物の付着を低減できる。なお、W軸方向が本発明の「第1の方向」に対応する一具体例であり、V軸方向が本発明の「第2の方向」に対応する一具体例である。さらに、平坦部53Sが本発明の「第1の平坦部」に対応する一具体例であり、平坦部63Sが本発明の「第2の平坦部」に対応する一具体例である。また、部分53Aが本発明の「第1の傾斜部」に対応する一具体例である。
(第2の変形例)
なお、図10に示した第1の変形例としての磁場検出装置100Aでは、平坦部53Sと平坦部63Sとが互いに重なり合うようにしたが、本開示はこれに限定されるものではない。例えば図11に示した第2の変形例としての磁場検出装置100Bのように、平坦面1S上に設けられた平坦部53Sおよび平坦部63Sが、互いに重なり合うことのない位置でそれぞれW軸方向に延在していてもよい。また、図10に示した磁場検出装置100Aでは、平坦部53Sが、下配線53のうちの傾斜面4Aに設けられた部分53Aと平面視で略L字状に接続されているが、本発明はこれに限定されるものではない。図11に示したように、平坦部53Sが、下配線53のうちの傾斜面4Aに設けられた部分53Aと平面視で略T字状に接続されていてもよい。同様に、図10に示した磁場検出装置100Aでは、平坦部63Sが、上配線63のうちの傾斜面4Bに設けられた部分63Bと平面視で略L字状に接続されているが、本発明はこれに限定されるものではない。図11に示したように、平坦部63Sが、上配線63のうちの傾斜面4Bに設けられた部分63Bと平面視で略T字状に接続されていてもよい。なお、図11は、本発明の第2の変形例としての磁場検出装置100Bの一部を表す概略平面図である。図11の磁場検出装置100Bによれば、上記の構成を有することにより、下配線53および上配線63の効率的なレイアウトが可能となり、結果として下配線53および上配線63の各々の長さを短縮できる可能性がある。特に、図10に示した磁場検出装置100Aと異なり、図11の磁場検出装置100Bによれば、平坦部53Sを傾斜面4Aに設けられた部分53Aにおける延在方向(V軸方向)の端部以外の中途部分と接続できる。また、図11の磁場検出装置100Bによれば、平坦部63Sを、傾斜面4Bに設けられた部分63Bにおける延在方向(V軸方向)の端部以外の中途部分と接続できる。よって、図10に示した磁場検出装置100Aと比較して、下配線群5および上配線群6のレイアウトの自由度がより向上するうえ、配線抵抗の低減にも有利である。さらに、図11の磁場検出装置100Bによれば、V軸方向に延在する傾斜面4A,4B上の下配線51~53を形成する際のエッチング処理時の再付着物の付着を低減できる。ここで、平坦部53Sの延在方向が部分53Aの延在方向に対して実質的に直交するようにするとよい。部分53Aの延在方向に対して平坦部53Sの延在方向が傾斜している場合(0°よりも大きく90°未満の場合)と比較して、再付着物の付着量をより低減できるからである。よって、下配線53と上配線63とが意図せずに導通してしまう可能性をより十分に低減できる。
(第3の変形例)
また、図3に示した一実施の形態の磁場検出装置100では、傾斜面4A,4Bにそれぞれ設けられた下配線群5および上配線群6が、複数の磁気抵抗効果膜MR-A,MR-Bを電気的に接続する導体となっている。しかしながら、本開示はこれに限定されるものではない。例えば図12および図13に示した第3の変形例としての磁場検出装置100Cのように、傾斜面4Bに、1以上のダミーパターンDBを設けるようにしてもよい。図12は、本発明の第3の変形例としての磁場検出装置100Cの一部を表す概略平面図である。また、図13は、図12に示したXIII-XIII線に沿った矢視方向の断面図である。図12および図13に示したように、傾斜面4Bに1以上のダミーパターンDBを設けることにより、W軸方向において平坦面1Sを挟んで隣り合って対向する傾斜面4Aに下配線51,53を形成する際、下配線51,53の端縁にバリが発生するのを抑制し、あるいは、バリが発生したとしても、その大きさを小さくすることができる。
ここで、図14Aおよび図14Bに参考例として示した態様のように、W軸方向において平坦面1Sを挟んで隣り合って対向する傾斜面4Aおよび傾斜面4Bのうち、傾斜面4Aに下配線53を形成する一方で傾斜面4Bに下配線やダミーパターンを形成しない場合について説明する。より具体的には、図14Aおよび図14Bに示したように、W軸方向に隣り合う2つの凸部4Lおよび凸部4Rのうち、紙面左側の凸部4Lの傾斜面4Aに下配線53および磁気抵抗効果膜MR-Aを形成し、紙面右側の凸部4Rの傾斜面4Bには下配線および磁気抵抗効果膜を形成しない場合について説明する。この場合、まず、基板1および複数の凸部4の全体を覆う導電材料膜5Zと、磁気抵抗効果膜MR-A,MR-Bおよび絶縁膜Z1とを形成したのち、図14Aに示したように、導電材料膜5Zを選択的に覆う2層レジストパターンRPを形成する。2層レジストパターンRPは、凸部4Lの傾斜面4A,4Bに設けられる。次に、図14Bに示したように、2層レジストパターンRPをマスクとして用い、絶縁膜Z1および導電材料膜5Zを選択的にエッチングする。すなわち、絶縁膜Z1および導電材料膜5Zのうち、2層レジストパターンRPにより覆われていない部分を除去する。これにより、凸部4Lの傾斜面4Aおよび傾斜面4Bに、下配線53および下配線52がそれぞれ形成される。このとき、傾斜面4Aに設けられた2層レジストパターンRPの端面などには、再付着物RDが堆積する。再付着物RDは、主に、対向する凸部4Rの傾斜面4Bに形成されていた絶縁膜Z1および導電材料膜5Zがエッチングされて飛散したものである。このような再付着物は、2層レジストパターンRPをリフトオフした後であっても、凸部4Lの傾斜面4Aに形成される下配線53の端縁にバリとして残存することがある。そのようなバリは、下配線53の上層として形成される上配線群6の形成を阻害したり、下配線53と上配線群6との意図しない短絡を発生させたりする原因となる場合がある。そこで、本変形例としての磁場検出装置100Cのように傾斜面4BにダミーパターンDBを設けることにより、ダミーパターンDBを設けた傾斜面4Bに対向する傾斜面4Aに形成される下配線53でのバリの発生を効果的に抑制するようにしている。
なお、図13に示したように、平坦面1Sに直交する高さ方向(Z軸方向)において、例えば平坦面1Sを基準としたダミーパターンDBの上端位置DBHは、平坦面1Sを基準とした下配線53の上端位置53Hと実質的に等しいとよい。Z軸方向において、上端位置DBHと上端位置53Hとが異なる場合と比較して、下配線53にバリが発生するのをより効果的に抑制することができるからである。
ダミーパターンDBは、例えば磁気抵抗効果膜MR-A,MR-Bなどの電子デバイスや下配線群5および上配線群6などの通信や電力供給を行う配線とは繋がっていない構造物である。すなわち、例えばダミーパターンDBは導電性材料によって構成されてもよいが、ダミーパターンDBは下配線群5および上配線群6の双方と絶縁されている。なお、ダミーパターンDBの構成材料は、例えば下配線群5の構成材料および上配線群6の構成材料と同じであるとよい。ダミーパターンDBを下配線群5または上配線群6と同時に形成可能となり、製造容易性が向上するからである。また、本変形例では、傾斜面4Bに1以上のダミーパターンDBを設けるようにしたが、本発明では実配線として利用可能な1以上のパターンを傾斜面4Bに設けるようにしてもよい。なお、その実配線として利用可能な1以上のパターンは、下配線群5および上配線群6の双方と絶縁された第3の配線である。すなわち、本発明の「パターン」は、実配線として利用しないダミーパターンと、実配線として利用可能なパターンとの双方を含む概念である。
磁場検出装置100Dのように、互いに対向する傾斜面4Aおよび傾斜面4Bの双方にダミーパターンDAおよびダミーパターンDBをそれぞれ設けるようにすることで、下配線群5を形成する際に平坦面1Sおよび凸部4を覆うように形成されるレジストパターンの分布密度を均質化することができる。すなわち、平坦面1Sおよび凸部4を覆うレジストパターンが高密度で形成される領域と、平坦面1Sおよび凸部4を覆うレジストパターンが低密度で形成される領域との密度差を低減することができる。その結果、露光や現像を行う際のレジストパターンの寸法や形状をより高い精度で制御できる。よって、そのレジストパターンを用いて形成される下配線群5の寸法のばらつきを低減できる。また、隣り合う2つの凸部4の間に挟まれた領域の平坦面1Sを横断するように形成される下配線53を形成する場合に、傾斜面4Aもしくは傾斜面4Bから受ける露光ハレーションの影響を低減することができる。そのような傾斜面4Aもしくは傾斜面4Bからの露光ハレーションがあると、下配線53をパターニングするためのレジストパターンの形状が崩れる場合があり、その場合、下配線53の寸法精度が低下する可能性がある。よって、磁場検出装置100Dのように、互いに対向する傾斜面4Aおよび傾斜面4Bの双方にダミーパターンDAおよびダミーパターンDBをそれぞれ設けることで、露光時のハレーションを低減させ、下配線53の寸法精度の低下を防ぐことができる。また、本変形例では、傾斜面4Aに1以上のダミーパターンDAを設けると共に傾斜面4Bに1以上のダミーパターンDBを設けるようにしたが、本発明では実配線として利用可能な1以上のパターンを傾斜面4A,4Bにそれぞれ設けるようにしてもよい。なお、その実配線として利用可能な1以上のパターンは、下配線群5および上配線群6の双方と絶縁された第3の配線である。すなわち、本発明の「パターン」は、実配線として利用しないダミーパターンと、実配線として利用可能なパターンとの双方を含む概念である。

Claims (19)

  1. 平坦面を含む基板と、
    前記平坦面に対して傾斜した第1の傾斜面と、前記平坦面および前記第1の傾斜面の双方に対して傾斜した第2の傾斜面とをそれぞれ含み、前記平坦面にそれぞれ設けられた第1の凸部および第2の凸部と、
    前記第1の傾斜面に設けられた第1の磁気抵抗効果膜と、
    前記第2の傾斜面に設けられた第2の磁気抵抗効果膜と、
    前記第1の凸部の前記第1の傾斜面に設けられた前記第1の磁気抵抗効果膜と、前記第2の凸部の前記第1の傾斜面に設けられた前記第1の磁気抵抗効果膜とを繋ぐ第1の配線と、
    前記第1の凸部の前記第2の傾斜面に設けられた前記第2の磁気抵抗効果膜と、前記第2の凸部の前記第2の傾斜面に設けられた前記第2の磁気抵抗効果膜とを繋ぐ第2の配線と
    を有し、
    前記第1の配線と前記第2の配線とが、前記第1の傾斜面上および前記第2の傾斜面上のうちの少なくとも一方で交差している
    磁場検出装置。
  2. 前記平坦面上において前記第1の凸部と前記第2の凸部とが互いに離間して配置されており、
    前記第1の配線と前記第2の配線とが、前記平坦面上で交差することなく、前記第1の傾斜面上および前記第2の傾斜面上のうちの少なくとも一方で交差している
    請求項1記載の磁場検出装置。
  3. 前記第1の配線と前記第2の配線とが実質的に直交している
    請求項1または請求項2記載の磁場検出装置。
  4. 前記第1の配線は、前記平坦面に設けられた第1の方向に延在する第1の平坦部を含み、
    前記第2の配線は、前記平坦面に設けられて前記第1の方向に延在する第2の平坦部を含み、
    前記第1の平坦部は、前記第2の平坦部と前記平坦面との間に設けられ、
    前記第1の方向と直交すると共に前記平坦面に平行な第2の方向において、前記第1の平坦部の幅は前記第2の平坦部の幅よりも広く、
    前記第2の平坦部における前記第2の方向の両端縁は、前記第1の平坦部における前記第2の方向の両端縁よりも内側に位置する
    請求項1または請求項2記載の磁場検出装置。
  5. 前記第1の斜面および前記第2の斜面は、いずれも、前記第1の方向に傾斜している
    請求項4記載の磁場検出装置。
  6. 前記第1の平坦部は、前記第2の方向の両端縁の近傍に、前記平坦面に直交する厚み方向に立設する突起部を含む
    請求項5記載の磁場検出装置。
  7. 前記第1の配線は、前記第1の凸部の前記第1の傾斜面に設けられた前記第1の磁気抵抗効果膜の下面と、前記第2の凸部の前記第1の傾斜面に設けられた前記第1の磁気抵抗効果膜の下面とを繋ぎ、
    前記第2の配線は、前記第1の凸部の前記第2の傾斜面に設けられた前記第2の磁気抵抗効果膜の上面と、前記第2の凸部の前記第2の傾斜面に設けられた前記第2の磁気抵抗効果膜の上面とを繋いでいる
    請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の磁場検出装置。
  8. 前記第1の配線は、前記平坦面に設けられた第1の方向に延在する第1の平坦部と、前記第1の傾斜面または前記第2の傾斜面に設けられて第2の方向に延在する第1の傾斜部とを含み、
    前記第1の平坦部は、前記第2の方向における前記第1の傾斜部の中途部分と接続されている
    請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の磁場検出装置。
  9. 前記第1の方向と前記第2の方向とは、実質的に直交している
    請求項8記載の磁場検出装置。
  10. 平坦面を含む基板と、
    前記平坦面に対して傾斜した第1の傾斜面と、前記平坦面および前記第1の傾斜面の双方に対して傾斜した第2の傾斜面とをそれぞれ含み、前記平坦面にそれぞれ設けられた第1の凸部および第2の凸部と、
    前記第1の傾斜面に設けられた第1の磁気抵抗効果膜と、
    前記第2の傾斜面に設けられた第2の磁気抵抗効果膜と、
    前記第1の凸部の前記第1の傾斜面に設けられた前記第1の磁気抵抗効果膜と、前記第2の凸部の前記第1の傾斜面に設けられた前記第1の磁気抵抗効果膜とを繋ぐ第1の配線と、
    前記第1の凸部の前記第2の傾斜面に設けられた前記第2の磁気抵抗効果膜と、前記第2の凸部の前記第2の傾斜面に設けられた前記第2の磁気抵抗効果膜とを繋ぐ第2の配線と、
    1以上のパターンと
    を有し、
    前記第1の凸部の前記第1の傾斜面と前記第2の凸部の前記第2の傾斜面とが第1の方向において対向するように、前記第1の凸部と前記第2の凸部とが前記第1の方向に隣り合って配置されており、
    前記1以上のパターンは、互いに対向する前記第1の凸部の前記第1の傾斜面および前記第2の凸部の前記第2の傾斜面の少なくとも一方に設けられている
    磁場検出装置。
  11. 前記1以上のパターンは、互いに対向する前記第1の凸部の前記第1の傾斜面に設けられた第1パターンおよび前記第2の凸部の前記第2の傾斜面に設けられた第2パターンを有する
    請求項10記載の磁場検出装置。
  12. 前記平坦面に直交する高さ方向において、前記平坦面を基準とした前記第1パターンの上端位置は、前記平坦面を基準とした前記第2パターンの上端位置と実質的に同じである
    請求項11記載の磁場検出装置。
  13. 前記1以上のパターンは、前記第2の凸部の前記第2の傾斜面に設けられており、
    前記1以上のパターンが設けられた前記第2の凸部の前記第2の傾斜面に対向する前記第1の凸部の前記第1の傾斜面には、前記第1の配線が設けられている
    請求項10記載の磁場検出装置。
  14. 前記平坦面に直交する高さ方向において、前記平坦面を基準とした前記1以上のパターンの上端位置は、前記平坦面を基準とした前記第1の配線の上端位置と実質的に同じである
    請求項13記載の磁場検出装置。
  15. 前記1以上のパターンは、前記第1の凸部の前記第1の傾斜面に設けられており、
    前記1以上のパターンが設けられた前記第1の凸部の前記第1の傾斜面に対向する前記第2の凸部の前記第2の傾斜面には、前記第1の配線および前記第2の配線と、前記平坦面に直交する高さ方向において前記第1の配線と前記第2の配線との間に挟まれた第2の磁気抵抗効果膜とが設けられている
    請求項10記載の磁場検出装置。
  16. 前記1以上のパターンは導電性材料からなり、前記1以上のパターンは前記第1の配線および前記第2の配線の双方と絶縁されている
    請求項10から請求項15のいずれか1項に記載の磁場検出装置。
  17. 前記1以上のパターンの構成材料は、前記第1の配線の構成材料および前記第2の配線の構成材料と同じである
    請求項16記載の磁場検出装置。
  18. 前記第1の配線は、前記平坦面に設けられた第1の方向に延在する第1の平坦部と、前記第1の傾斜面または前記第2の傾斜面に設けられて第2の方向に延在する第1の傾斜部とを含み、
    前記第1の平坦部は、前記第2の方向における前記第1の傾斜部の中途部分と接続されている
    請求項10から請求項17のいずれか1項に記載の磁場検出装置。
  19. 前記第1の方向と前記第2の方向とは、実質的に直交している
    請求項18記載の磁場検出装置。
JP2022009846A 2021-09-22 2022-01-26 磁場検出装置 Active JP7488840B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022032603A JP2023046216A (ja) 2021-09-22 2022-03-03 磁場検出装置
US17/946,817 US20230092757A1 (en) 2021-09-22 2022-09-16 Magnetic field detection apparatus
US17/946,838 US20230091010A1 (en) 2021-09-22 2022-09-16 Magnetic field detection apparatus
CN202211157092.5A CN115902722A (zh) 2021-09-22 2022-09-22 磁场检测装置
CN202211157122.2A CN115902723A (zh) 2021-09-22 2022-09-22 磁场检测装置

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021154816 2021-09-22
JP2021154816 2021-09-22

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022032603A Division JP2023046216A (ja) 2021-09-22 2022-03-03 磁場検出装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2023046203A true JP2023046203A (ja) 2023-04-03
JP7488840B2 JP7488840B2 (ja) 2024-05-22

Family

ID=85777187

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022009846A Active JP7488840B2 (ja) 2021-09-22 2022-01-26 磁場検出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7488840B2 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7126330B2 (en) 2004-06-03 2006-10-24 Honeywell International, Inc. Integrated three-dimensional magnetic sensing device and method to fabricate an integrated three-dimensional magnetic sensing device
JP2006278439A (ja) 2005-03-28 2006-10-12 Yamaha Corp 磁気センサの製造方法
JP4735305B2 (ja) 2006-02-09 2011-07-27 ヤマハ株式会社 三軸磁気センサおよびその製造方法
JP5157611B2 (ja) 2007-06-13 2013-03-06 株式会社リコー 磁気センサ及びその製造方法
CN104755948B (zh) 2012-10-12 2018-04-10 美新公司 单晶三轴磁场传感器
JP7024811B2 (ja) 2019-12-11 2022-02-24 Tdk株式会社 磁場検出装置および電流検出装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP7488840B2 (ja) 2024-05-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11024799B2 (en) Methods of manufacturing a magnetic field sensor
US7054114B2 (en) Two-axis magnetic field sensor
US9733316B2 (en) Triaxial magnetic field sensor
JP4930627B2 (ja) 磁気センサ
US20110089941A1 (en) Magnetic sensor and magnetic sensor module
JP2011064653A (ja) 磁気センサおよびその製造方法
US11573276B2 (en) Magnetic sensor and its manufacturing method
JP2006098088A (ja) 巨大磁気抵抗効果素子を用いた磁気センサ及び同磁気センサの製造方法
US11422166B2 (en) Magnetic field detection apparatus and current detection apparatus
US11959943B2 (en) Magnetic field detection apparatus and current detection apparatus
JP7024811B2 (ja) 磁場検出装置および電流検出装置
US20230091010A1 (en) Magnetic field detection apparatus
US11549970B2 (en) Magnetic field detection apparatus and current detection apparatus
JP4338060B2 (ja) 磁気センサの製造方法
US20230099490A1 (en) Magnetic field detection apparatus and current detection apparatus
JP7488840B2 (ja) 磁場検出装置
JP2023046216A (ja) 磁場検出装置
CN104155620B (zh) 磁传感装置及其感应方法、制备工艺
TWI412776B (zh) 磁阻感測器及其製造方法
JP7327597B2 (ja) 磁場検出装置および電流検出装置
WO2010137606A1 (ja) 磁気センサ
US20230091757A1 (en) Magnetic sensor

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220530

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221014

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230711

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20240213

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20240220

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240229

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240430

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240510

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7488840

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150