JP2023045821A - 基板洗浄装置および基板洗浄方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 基板の下面中央領域の洗浄を効率化すること。【解決手段】 基板洗浄装置1は、基板の外周端部を保持する一対の上側保持装置10A,10Bと、基板の下面に接触して基板の下面を洗浄する下面ブラシ51と、下面ブラシ51が基板の下面中央領域を洗浄する間に洗浄具を上方に押し上げる押上力を変化させる制御装置と、を備える。【選択図】図2
Description
本発明は、基板洗浄装置および基板洗浄方法に関する。
液晶表示装置または有機EL(ElectroLuminescence)表示装置等に用いられるFPD(FlatPanelDisplay)用基板、半導体基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板または太陽電池用基板等の各種基板に種々の処理を行うために、基板処理装置が用いられている。基板を洗浄するためには、基板洗浄装置が用いられる。
例えば、特許文献1に記載された基板洗浄装置は、ウエハの裏面周縁部を保持する2つの吸着パッド、ウエハの裏面中央部を保持するスピンチャック、およびウエハの裏面を洗浄するブラシを備える。2つの吸着パッドがウエハを保持するとともに横方向に移動する。この状態で、ウエハの裏面中央部がブラシで洗浄される。その後、スピンチャックが吸着パッドからウエハを受け取り、スピンチャックがウエハの裏面中央部を保持しつつ鉛直方向の軸(回転軸)の周りで回転する。この状態で、ウエハの裏面周縁部がブラシで洗浄される。
ウエハ周縁部を吸着パットで保持するとウエハが自重でウエハの中心部分が下方に変位し、ウエハの下面が曲面になる。また、ブラシをウエハに接触させるためにウエハの裏面中央部にブラシを下方から押し当てるとブラシからの荷重によりウエハの中央部分が上方に変位し、ウエハの下面が曲面になる。ブラシの上面が平坦な場合、ブラシの上面の全体がウエハに接触しなくなり、ブラシとウエハとが接触する面積が小さくなり、ウエハのブラシと接触しない領域の洗浄頻度が低下する。
本発明の目的は、基板の下面中央領域の洗浄を効率化した基板洗浄装置を提供することである。
(1)この発明のある局面によれば、基板洗浄装置は、基板の外周端部を保持する基板保持部と、基板の下面に接触して基板の下面を洗浄する洗浄具と、洗浄具が基板の下面中央領域を洗浄する間に洗浄具を上方に押し上げる押上力を変化させる洗浄制御部と、を備える。洗浄具が基板の下面中央領域を洗浄する間に洗浄具を上方に押し上げる押上力が変化するので、基板の変位により洗浄具と基板との接触面が変動する。このため、基板の下面中央領域の洗浄を効率化した基板洗浄装置を提供することができる。
(2)洗浄制御部は、押上力を連続的に変化させる。
(3)洗浄制御部は、洗浄具が押上力を段階的に変化させる。
(4)基板洗浄装置は、基板の変位を検出する変位センサを、さらに備え、洗浄制御部は、基板の変位が所定の範囲内に収まるように押上力を変化させる。このため、基板が破損しないようにできる。
(5)この発明の他の局面によれば、基板洗浄装置は、基板の外周端部を保持する基板保持部と、基板の下面に接触して基板の下面を洗浄する洗浄具と、洗浄具が基板の下面中央領域を洗浄する間に洗浄具と基板との間に作用する力を変化させる制御部と、を備える。このため、洗浄具が基板の下面中央領域を洗浄する間に洗浄具と基板との間に作用する力が変化するので、下面中央領域を洗浄する間に基板と洗浄具との接触面を変化させることができる。このため、基板の下面中央領域の洗浄を効率化した基板洗浄装置を提供することができる。
(6)基板の変位を検出する変位センサを、さらに備え、制御部は、基板の変位が所定の範囲に収まるように洗浄具と基板との間に作用する力を変化させる。このため、基板が破損しないようにできる。
(7)この発明のさらに他の局面によれば、基板洗浄方法は、基板の外周端部を保持する基板保持部と、基板の下面に接触して基板の下面を洗浄する洗浄具と、を備えた基板洗浄装置で実行される基板洗浄方法であって、洗浄具が基板の下面中央領域を洗浄する間に洗浄具を上方に押し上げる押上力を変化させる洗浄制御ステップを含む。
(8)この発明のさらに他の局面によれば、基板洗浄方法は、基板の外周端部を保持する基板保持部と、基板の下面に接触して基板の下面を洗浄する洗浄具と、を備えた基板洗浄装置で実行される基板洗浄方法であって、洗浄具が基板の下面中央領域を洗浄する間に洗浄具と基板との間に作用する力を変化させる制御ステップを含む。
本発明によれば、基板の下面中央領域の洗浄を効率的に洗浄することができる。
以下、本発明の実施の形態に係る基板洗浄装置および基板洗浄方法について図面を用いて説明する。以下の説明において、基板とは、半導体基板、液晶表示装置もしくは有機EL(ElectroLuminescence)表示装置等のFPD(FlatPanelDisplay)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板または太陽電池用基板等をいう。また、本実施の形態で用いられる基板は、少なくとも一部が円形の外周部を有する。例えば、位置決め用のノッチを除く外周部が円形を有する。
[第1の実施の形態]
1.基板洗浄装置の構成
図1は、本発明の一実施の形態に係る基板洗浄装置の模式的平面図である。図2は、基板洗浄装置1の内部構成を示す外観斜視図である。本実施の形態に係る基板洗浄装置1においては、位置関係を明確にするために互いに直交するX方向、Y方向およびZ方向を定義する。図1および図2以降の所定の図では、X方向、Y方向およびZ方向が適宜矢印で示される。X方向およびY方向は水平面内で互いに直交し、Z方向は鉛直方向に相当する。
1.基板洗浄装置の構成
図1は、本発明の一実施の形態に係る基板洗浄装置の模式的平面図である。図2は、基板洗浄装置1の内部構成を示す外観斜視図である。本実施の形態に係る基板洗浄装置1においては、位置関係を明確にするために互いに直交するX方向、Y方向およびZ方向を定義する。図1および図2以降の所定の図では、X方向、Y方向およびZ方向が適宜矢印で示される。X方向およびY方向は水平面内で互いに直交し、Z方向は鉛直方向に相当する。
図1に示すように、基板洗浄装置1は、上側保持装置10A,10B、下側保持装置20、台座装置30、受渡装置40、下面洗浄装置50、カップ装置60、上面洗浄装置70、端部洗浄装置80および開閉装置90を備える。これらの構成要素は、ユニット筐体2内に設けられる。図2では、ユニット筐体2が点線で示される。
ユニット筐体2は、矩形の底面部2aと、底面部2aの4辺から上方に延びる4つの側壁部2b,2c,2d,2eとを有する。側壁部2b,2cが互いに対向し、側壁部2d,2eが互いに対向する。側壁部2bの中央部には、矩形の開口が形成されている。この開口は、基板Wの搬入搬出口2xであり、ユニット筐体2に対する基板Wの搬入時および搬出時に用いられる。図2では、搬入搬出口2xが太い点線で示される。以下の説明においては、Y方向のうちユニット筐体2の内部から搬入搬出口2xを通してユニット筐体2の外方に向く方向(側壁部2cから側壁部2bを向く方向)を前方と呼び、その逆の方向(側壁部2bから側壁部2cを向く方向)を後方と呼ぶ。
側壁部2bにおける搬入搬出口2xの形成部分およびその近傍の領域には、開閉装置90が設けられている。開閉装置90は、搬入搬出口2xを開閉可能に構成されたシャッタ91と、シャッタ91を駆動するシャッタ駆動部92とを含む。図2では、シャッタ91が太い二点鎖線で示される。シャッタ駆動部92は、基板洗浄装置1に対する基板Wの搬入時および搬出時に搬入搬出口2xを開放するようにシャッタ91を駆動する。また、シャッタ駆動部92は、基板洗浄装置1における基板Wの洗浄時に搬入搬出口2xを閉塞するようにシャッタ91を駆動する。
底面部2aの中央部には、台座装置30が設けられている。台座装置30は、リニアガイド31、可動台座32および台座駆動部33を含む。リニアガイド31は、2本のレールを含み、平面視で側壁部2bの近傍から側壁部2cの近傍までY方向に延びるように設けられている。可動台座32は、リニアガイド31の2本のレール上でY方向に移動可能に設けられている。台座駆動部33は、例えばパルスモータを含み、リニアガイド31上で可動台座32をY方向に移動させる。
可動台座32上には、下側保持装置20および下面洗浄装置50がY方向に並ぶように設けられている。下側保持装置20は、吸着保持部21および吸着保持駆動部22を含む。吸着保持部21は、いわゆるスピンチャックであり、基板Wの下面を吸着保持可能な円形の吸着面を有し、上下方向に延びる軸(Z方向の軸)の周りで回転可能に構成される。以下の説明では、吸着保持部21により基板Wが吸着保持される際に、基板Wの下面のうち吸着保持部21の吸着面が吸着すべき領域を下面中央領域と呼ぶ。一方、基板Wの下面のうち下面中央領域を取り囲む領域を下面外側領域と呼ぶ。
吸着保持駆動部22は、モータを含む。吸着保持駆動部22のモータは、回転軸が上方に向かって突出するように可動台座32上に設けられている。吸着保持部21は、吸着保持駆動部22の回転軸の上端部に取り付けられる。また、吸着保持駆動部22の回転軸には、吸着保持部21において基板Wを吸着保持するための吸引経路が形成されている。その吸引経路は、図示しない吸気装置に接続されている。吸着保持駆動部22は、吸着保持部21を上記の回転軸の周りで回転させる。
可動台座32上には、下側保持装置20の近傍にさらに受渡装置40が設けられている。受渡装置40は、複数(本例では3本)の支持ピン41、ピン連結部材42およびピン昇降駆動部43を含む。ピン連結部材42は、平面視で吸着保持部21を取り囲むように形成され、複数の支持ピン41を連結する。複数の支持ピン41は、ピン連結部材42により互いに連結された状態で、ピン連結部材42から一定長さ上方に延びる。ピン昇降駆動部43は、可動台座32上でピン連結部材42を昇降させる。これにより、複数の支持ピン41が吸着保持部21に対して相対的に昇降する。
下面洗浄装置50は、下面ブラシ51、2つの液ノズル52、気体噴出部53、昇降支持部54、移動支持部55、下面ブラシ動作駆動部55a、下面ブラシ昇降駆動部55bおよび下面ブラシ移動駆動部55cを含む。移動支持部55は、可動台座32上の一定領域内で下側保持装置20に対してY方向に移動可能に設けられている。図2に示すように、移動支持部55上に、昇降支持部54が昇降可能に設けられている。昇降支持部54は、吸着保持部21から遠ざかる方向(本例では後方)において斜め下方に傾斜する上面54uを有する。
図1に示すように、下面ブラシ51は、平面視において円形の外形を有し、本実施の形態においては比較的大型に形成される。具体的には、下面ブラシ51の直径は、吸着保持部21の吸着面の直径よりも大きく、例えば吸着保持部21の吸着面の直径の1.3倍である。また、下面ブラシ51の直径は、基板Wの直径の1/3よりも大きくかつ1/2よりも小さい。なお、基板Wの直径は、例えば300mmである。
下面ブラシ51は、基板Wの下面に接触可能な洗浄面を有する。また、下面ブラシ51は、洗浄面が上方を向くようにかつ洗浄面が当該洗浄面の中心を通って上下方向に延びる軸の周りで回転可能となるように、昇降支持部54の上面54uに取り付けられている。
2つの液ノズル52の各々は、下面ブラシ51の近傍に位置しかつ液体吐出口が上方を向くように、昇降支持部54の上面54u上に取り付けられている。液ノズル52には、下面洗浄液供給部56(図5)が接続されている。下面洗浄液供給部56は、液ノズル52に洗浄液を供給する。液ノズル52は、下面ブラシ51による基板Wの洗浄時に、下面洗浄液供給部56から供給される洗浄液を基板Wの下面に吐出する。本実施の形態では、液ノズル52に供給される洗浄液として純水が用いられる。
気体噴出部53は、一方向に延びる気体噴出口を有するスリット状の気体噴射ノズルである。気体噴出部53は、平面視で下面ブラシ51と吸着保持部21との間に位置しかつ気体噴射口が上方を向くように、昇降支持部54の上面54uに取り付けられている。気体噴出部53には、噴出気体供給部57(図5)が接続されている。噴出気体供給部57は、気体噴出部53に気体を供給する。本実施の形態では、気体噴出部53に供給される気体として窒素ガス等の不活性ガスが用いられる。気体噴出部53は、下面ブラシ51による基板Wの洗浄時および後述する基板Wの下面の乾燥時に、噴出気体供給部57から供給される気体を基板Wの下面に噴射する。この場合、下面ブラシ51と吸着保持部21との間に、X方向に延びる帯状の気体カーテンが形成される。
下面ブラシ動作駆動部55aは、エアシリンダおよびエアシリンダを駆動する電空レギュレータを含み、下面ブラシ51による基板Wの洗浄時に、電空レギュレータを制御することによりエアシリンダを駆動し、基板Wの下面に下面ブラシ51を押し当てる押上力を制御する。
また、下面ブラシ動作駆動部55aは、モータをさらに含み、下面ブラシ51による基板Wの洗浄時に、基板Wの下面に下面ブラシ51が接触する状態でそのモータを駆動する。それにより、下面ブラシ51が回転する。下面ブラシ動作駆動部55aの詳細は後述する。
下面ブラシ昇降駆動部55bは、ステッピングモータまたはエアシリンダを含み、移動支持部55に対して昇降支持部54を昇降させる。下面ブラシ移動駆動部55cは、モータを含み、可動台座32上で移動支持部55をY方向に移動させる。ここで、可動台座32における下側保持装置20の位置は固定されている。そのため、下面ブラシ移動駆動部55cによる移動支持部55のY方向の移動時には、移動支持部55が下側保持装置20に対して相対的に移動する。以下の説明では、可動台座32上で下側保持装置20に最も近づくときの下面洗浄装置50の位置を接近位置と呼び、可動台座32上で下側保持装置20から最も離れたときの下面洗浄装置50の位置を離間位置と呼ぶ。
底面部2aの中央部には、さらにカップ装置60が設けられている。カップ装置60は、カップ61およびカップ駆動部62を含む。カップ61は、平面視で下側保持装置20および台座装置30を取り囲むようにかつ昇降可能に設けられている。図2においては、カップ61が点線で示される。カップ駆動部62は、下面ブラシ51が基板Wの下面におけるどの部分を洗浄するのかに応じてカップ61を下カップ位置と上カップ位置との間で移動させる。下カップ位置はカップ61の上端部が吸着保持部21により吸着保持される基板Wよりも下方にある高さ位置である。また、上カップ位置はカップ61の上端部が吸着保持部21よりも上方にある高さ位置である。
カップ61よりも上方の高さ位置には、平面視で台座装置30を挟んで対向するように一対の上側保持装置10A,10Bが設けられている。上側保持装置10Aは、下チャック11A、上チャック12A、下チャック駆動部13Aおよび上チャック駆動部14Aを含む。上側保持装置10Bは、下チャック11B、上チャック12B、下チャック駆動部13Bおよび上チャック駆動部14Bを含む。上側保持装置10A,10Bは、本発明の基板位置合わせ装置を構成する。
図3は、一対の上側保持装置の外観斜視図である。図3では、下チャック11A,11Bが太い実線で示される。また、上チャック12A,12Bが点線で示される。図3の外観斜視図では、下チャック11A,11Bの形状が理解しやすいように、各部の拡大縮小率が図2の外観斜視図から変更されている。
図3に示すように、下チャック11A,11Bは、平面視で吸着保持部21の中心を通ってY方向(前後方向)に延びる鉛直面に関して対称に配置され、共通の水平面内でX方向に移動可能に設けられている。下チャック11A,11Bの各々は、2本の支持片200を有する。各支持片200には、傾斜支持面201および移動制限面202が設けられている。
下チャック11Aにおいて、各支持片200の傾斜支持面201は、基板Wの外周端部を下方から支持可能でかつ下チャック11Bに向かって斜め下方に延びるように形成されている。移動制限面202は、傾斜支持面201の上端部から一定距離上方に延び、下チャック11Aの上端部に段差を形成する。一方、下チャック11Bにおいて、各支持片200の傾斜支持面201は、基板Wの外周端部を下方から支持可能でかつ下チャック11Aに向かって斜め下方に延びるように形成されている。移動制限面202は、傾斜支持面201の上端部から一定距離上方に延び、下チャック11Bの上端部に段差を形成する。
下チャック駆動部13A,13Bは、アクチュエータとしてエアシリンダまたはモータを含む。下チャック駆動部13A,13Bは、下チャック11A,11Bが互いに近づくように、または下チャック11A,11Bが互いに遠ざかるように、下チャック11A,11Bを移動させる。ここで、X方向における下チャック11A,11Bの目標位置が予め定められている場合、下チャック駆動部13A,13Bは、目標位置の情報に基づいてX方向における下チャック11A,11Bの位置をそれぞれ個別に調整することができる。例えば、下チャック11A,11Bの間の距離を基板Wの外径よりも小さくすることにより、下チャック11A,11Bの複数の傾斜支持面201上に基板Wを載置することができる。この場合、各傾斜支持面201において、基板Wの外周端部が支持される。
図4は、図1および図2の上チャック12A,12Bの外観斜視図である。図4では、上チャック12A,12Bが太い実線で示される。また、下チャック11A,11Bが点線で示される。図4の外観斜視図では、上チャック12A,12Bの形状が理解しやすいように、各部の拡縮率が図2の外観斜視図から変更されている。
図4に示すように、上チャック12A,12Bは、下チャック11A,11Bと同様に、平面視で吸着保持部21の中心を通ってY方向(前後方向)に延びる鉛直面に関して対称に配置され、共通の水平面内でX方向に移動可能に設けられている。上チャック12A,12Bの各々は、2本の保持片300を有する。各保持片300は、当接面301および突出部302を有する。
上チャック12Aにおいて、各保持片300の当接面301は、当該保持片300の先端下部で、上チャック12Bを向くように形成され、X方向に直交する。突出部302は、当接面301の上端から上チャック12Bに向かって所定距離突出するように形成されている。一方、上チャック12Bにおいて、各保持片300の当接面301は、当該保持片300の先端下部で、上チャック12Aを向くように形成され、X方向に直交する。突出部302は、当接面301の上端から上チャック12Aに向かって所定距離突出するように形成されている。
上チャック駆動部14A,14Bは、アクチュエータとしてエアシリンダまたはモータを含む。上チャック駆動部14A,14Bは、上チャック12A,12Bが互いに近づくように、または上チャック12A,12Bが互いに遠ざかるように、上チャック12A,12Bを移動させる。ここで、X方向における上チャック12A,12Bの目標位置が予め定められている場合、上チャック駆動部14A,14Bは、目標位置の情報に基づいてX方向における上チャック12A,12Bの位置をそれぞれ個別に調整することができる。
上記の上側保持装置10A,10Bにおいては、下チャック11A,11Bにより支持された基板Wの外周端部に向けて上チャック12A,12Bが移動される。基板Wの外周端部の複数の部分に上チャック12Aの2つの当接面301および上チャック12Bの2つの当接面301が接触することにより、基板Wの外周端部が保持され、基板Wが強固に固定される。
本実施の形態において、上チャック駆動部14Bは、上チャック12Aの2つの当接面301および上チャック12Bの2つの当接面301が基板Wを押圧する押圧力が一定となるように、上チャック12Aと上チャック12Bとの間の距離を調整する。上チャック12Aの2つの当接面301および上チャック12Bの2つの当接面301のいずれかに圧力センサが設けられている。上チャック駆動部14Bは、圧力センサの出力値が予め定められた目標の値となるように、上チャック12Aと上チャック12Bとの間の距離を調整する。したがって、一対の上側保持装置10A,10Bが基板Wを保持する押圧力は一定である。
図1に示すように、カップ61の一側方においては、平面視で上側保持装置10Bの近傍に位置するように、上面洗浄装置70が設けられている。上面洗浄装置70は、回転支持軸71、アーム72、スプレーノズル73および上面洗浄駆動部74を含む。
回転支持軸71は、底面部2a上で、上下方向に延びるようにかつ昇降可能かつ回転可能に上面洗浄駆動部74により支持される。アーム72は、図2に示すように、上側保持装置10Bよりも上方の位置で、回転支持軸71の上端部から水平方向に延びるように設けられている。アーム72の先端部には、スプレーノズル73が取り付けられている。
スプレーノズル73には、上面洗浄流体供給部75(図5)が接続される。上面洗浄流体供給部75は、スプレーノズル73に洗浄液および気体を供給する。本実施の形態では、スプレーノズル73に供給される洗浄液として純水が用いられ、スプレーノズル73に供給される気体として窒素ガス等の不活性ガスが用いられる。スプレーノズル73は、基板Wの上面の洗浄時に、上面洗浄流体供給部75から供給される洗浄液と気体とを混合して混合流体を生成し、生成された混合流体を下方に噴射する。
上面洗浄駆動部74は、1または複数のパルスモータおよびエアシリンダ等を含み、回転支持軸71を昇降させるとともに、回転支持軸71を回転させる。上記の構成によれば、吸着保持部21により吸着保持されて回転される基板Wの上面上で、スプレーノズル73を円弧状に移動させることにより、基板Wの上面全体を洗浄することができる。
図1に示すように、カップ61の他側方においては、平面視で上側保持装置10Aの近傍に位置するように、端部洗浄装置80が設けられている。端部洗浄装置80は、回転支持軸81、アーム82、ベベルブラシ83およびベベルブラシ駆動部84を含む。
回転支持軸81は、底面部2a上で、上下方向に延びるようにかつ昇降可能かつ回転可能にベベルブラシ駆動部84により支持される。アーム82は、図2に示すように、上側保持装置10Aよりも上方の位置で、回転支持軸81の上端部から水平方向に延びるように設けられている。アーム82の先端部には、下方に向かって突出するようにかつ上下方向の軸の周りで回転可能となるようにベベルブラシ83が設けられている。
ベベルブラシ83は、上半部が逆円錐台形状を有するとともに下半部が円錐台形状を有する。このベベルブラシ83によれば、外周面の上下方向における中央部分で基板Wの外周端部を洗浄することができる。
ベベルブラシ駆動部84は、1または複数のパルスモータおよびエアシリンダ等を含み、回転支持軸81を昇降させるとともに、回転支持軸81を回転させる。上記の構成によれば、吸着保持部21により吸着保持されて回転される基板Wの外周端部にベベルブラシ83の外周面の中央部分を接触させることにより、基板Wの外周端部全体を洗浄することができる。
ここで、ベベルブラシ駆動部84は、さらにアーム82に内蔵されるモータを含む。そのモータは、アーム82の先端部に設けられるベベルブラシ83を上下方向の軸の周りで回転させる。したがって、基板Wの外周端部の洗浄時に、ベベルブラシ83が回転することにより、基板Wの外周端部におけるベベルブラシ83の洗浄力が向上する。
図5は、基板洗浄装置1の制御系統の構成を示すブロック図である。図5の制御装置9は、CPU(中央演算処理装置)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM(リードオンリメモリ)および記憶装置を含む。RAMは、CPUの作業領域として用いられる。ROMは、システムプログラムを記憶する。記憶装置は、制御プログラムを記憶する。
図5に示すように、制御装置9は、機能部として、チャック制御部9A、吸着制御部9B、台座制御部9C、受渡制御部9D、下面洗浄制御部9E、カップ制御部9F、上面洗浄制御部9G、ベベル洗浄制御部9Hおよび搬入搬出制御部9Iを含む。CPUが記憶装置に記憶された基板洗浄プログラムをRAM上で実行することにより制御装置9の機能部が実現される。制御装置9の機能部の一部または全部が電子回路等のハードウエアにより実現されてもよい。
チャック制御部9Aは、基板洗浄装置1に搬入される基板Wを受け取り、吸着保持部21の上方の位置で保持するために、下チャック駆動部13A,13Bおよび上チャック駆動部14A,14Bを制御する。吸着制御部9Bは、吸着保持部21により基板Wを吸着保持するとともに吸着保持された基板Wを回転させるために、吸着保持駆動部22を制御する。
台座制御部9Cは、上側保持装置10A,10Bにより保持される基板Wに対して可動台座32を移動させるために、台座駆動部33を制御する。受渡制御部9Dは、上側保持装置10A,10Bにより保持される基板Wの高さ位置と、吸着保持部21により保持される基板Wの高さ位置との間で基板Wを移動させるために、ピン昇降駆動部43を制御する。
下面洗浄制御部9Eは、基板Wの下面を洗浄するために、下面ブラシ動作駆動部55a、下面ブラシ昇降駆動部55b、下面ブラシ移動駆動部55c、下面洗浄液供給部56および噴出気体供給部57を制御する。カップ制御部9Fは、吸着保持部21により吸着保持された基板Wの洗浄時に基板Wから飛散する洗浄液をカップ61で受け止めるために、カップ駆動部62を制御する。
上面洗浄制御部9Gは、吸着保持部21により吸着保持された基板Wの上面を洗浄するために、上面洗浄駆動部74および上面洗浄流体供給部75を制御する。ベベル洗浄制御部9Hは、吸着保持部21により吸着保持された基板Wの外周端部を洗浄するために、ベベルブラシ駆動部84を制御する。搬入搬出制御部9Iは、基板洗浄装置1における基板Wの搬入時および搬出時にユニット筐体2の搬入搬出口2xを開閉するために、シャッタ駆動部92を制御する。
2.基板洗浄装置の下面中央領域洗浄時の概略動作
図6は、基板洗浄装置1の概略動作を説明するための模式図である。図6においては、上段に基板洗浄装置1の平面図が示される。また、下段にX方向に沿って見た下側保持装置20およびその周辺部の側面図が示される。下段の側面図は図1のA-A線側面図に対応する。なお、基板洗浄装置1における各構成要素の形状および動作状態の理解を容易にするために、上段の平面図と下段の側面図との間では、一部の構成要素の拡縮率が異なる。また、カップ61が二点鎖線で示されるとともに、基板Wの外形が太い一点鎖線で示される。
図6は、基板洗浄装置1の概略動作を説明するための模式図である。図6においては、上段に基板洗浄装置1の平面図が示される。また、下段にX方向に沿って見た下側保持装置20およびその周辺部の側面図が示される。下段の側面図は図1のA-A線側面図に対応する。なお、基板洗浄装置1における各構成要素の形状および動作状態の理解を容易にするために、上段の平面図と下段の側面図との間では、一部の構成要素の拡縮率が異なる。また、カップ61が二点鎖線で示されるとともに、基板Wの外形が太い一点鎖線で示される。
図6を参照して、太い実線の矢印a5で示すように、下面ブラシ51の洗浄面が基板Wの下面中央領域に接触するように、昇降支持部54が上昇する。また、太い実線の矢印a6で示すように、下面ブラシ51が上下方向の軸の周りで回転(自転)する。それにより、基板Wの下面中央領域に付着する汚染物質が下面ブラシ51により物理的に剥離される。
図6の下段には、下面ブラシ51が基板Wの下面に接触する部分の拡大側面図が吹き出し内に示される。その吹き出し内に示されるように、下面ブラシ51が基板Wに接触する状態で、液ノズル52および気体噴出部53は、基板Wの下面に近接する位置に保持される。このとき、液ノズル52は、白抜きの矢印a51で示すように、下面ブラシ51の近傍の位置で基板Wの下面に向かって洗浄液を吐出する。これにより、液ノズル52から基板Wの下面に供給された洗浄液が下面ブラシ51と基板Wとの接触部に導かれることにより、下面ブラシ51により基板Wの裏面から除去された汚染物質が洗浄液により洗い流される。このように、下面洗浄装置50においては、液ノズル52が下面ブラシ51とともに昇降支持部54に取り付けられている。それにより、下面ブラシ51による基板Wの下面の洗浄部分に効率よく洗浄液を供給することができる。したがって、洗浄液の消費量が低減されるとともに洗浄液の過剰な飛散が抑制される。
次に、図6の状態で、基板Wの下面中央領域の洗浄が完了すると、下面ブラシ51の回転が停止され、下面ブラシ51の洗浄面が基板Wから所定距離離間するように、昇降支持部54が下降する。また、液ノズル52から基板Wへの洗浄液の吐出が停止される。このとき、気体噴出部53から基板Wへの気体の噴射は継続される。
3.下面ブラシの押上力制御
下面ブラシ動作駆動部55aは、下面ブラシ51が基板Wの下面中央領域を洗浄中に、基板Wの下面に下面ブラシ51を上方に押し上げる力を変動させる。以下、下面ブラシ51を上方に押し上げる力を押上力という。
下面ブラシ動作駆動部55aは、下面ブラシ51が基板Wの下面中央領域を洗浄中に、基板Wの下面に下面ブラシ51を上方に押し上げる力を変動させる。以下、下面ブラシ51を上方に押し上げる力を押上力という。
本実施の形態において基板Wは、平面視で基板Wを挟んで対向して配置された一対の上側保持装置10A,10Bが基板Wを挟み込むことにより基板Wが強固に固定される。基板Wは、所定の重量を有するので、重力によって基板Wが湾曲する。この場合、基板Wの中心部分の下方への変位が最大になる。さらに、一対の上側保持装置10A,10Bが基板Wを保持する押圧力が基板Wに加わる。このため、基板Wの中心部分の下方への変位量は、基板Wに加わる重力と基板Wが上側保持装置10A,10Bから受ける押圧力の合力とにより定まる。基板Wが上側保持装置10A,10Bから受ける押圧力により、基板Wが下に突の形状に変形している状態では、基板Wの中心部分が下方に向く方向の力が働く。一方、基板Wが上側保持装置10A,10Bから受ける押圧力により、基板Wが上に突の形状に変形している状態では、基板Wの中心部分に上方に向く方向の力が働く。本実施の形態において、基板Wが上側保持装置10A,10Bから受ける押圧力は一定である。
一方、下面ブラシ51が基板Wの下面中央領域を洗浄する間は、基板Wの下面に下面ブラシ51が押し当てられる。この際、基板Wの中心部分が変位するか否かは、基板Wに加わる重力と一対の上側保持装置10A,10Bが基板Wに与える押圧力との合力と、下面ブラシ51に加わる押上力とにより定まる。下面ブラシ動作駆動部55aが押上力を変動することにより、基板Wの中心部分の変位が調整される。ここで、基板Wの変位量を、基板Wが一対の上側保持装置10A,10Bにより保持される位置を基準位置とし、基板Wの中心部分の位置と基準位置との間の垂直方向の距離で示す。変位量は、基準位置よりも下方をマイナスの値とし、上方をプラスの値とする。また、変位量のうち基板Wの中心部分がプラス側に変位することが許容される最大の変位量を上限値といい、基板Wの中心部分がマイナス側に変位することが許容される最小の変位量を下限値という。
図7は、基板が変位しない状態における基板と下面ブラシとの位置関係を模式的に示す図である。図8は、基板が変位しない状態における基板と下面ブラシとの接触面の一例を示す図である。図7において、基板Wと下面ブラシ51とが接触する領域が太線で示され、図8において、基板Wと下面ブラシ51とが接触する領域がハッチングで示される。
図7および図8を参照して、基板Wの中央部分が基準位置と同じである。この場合、基板Wの変位量はゼロであり、基板Wは全体に渡ってほぼ水平となり、基板Wの下面中央領域BCは平面になる。一方、下面ブラシ51の上面は、ほぼ水平である。このため、下面ブラシ51と基板Wとは、下面中央領域BCの全体に当たる全体領域R1で接触する。この場合、下面ブラシ51と下面中央領域BCとの間に働く力は、全体領域R1に均等に配分される。
図9は、基板がマイナス側に変位する状態における基板と下面ブラシとの位置関係を模式的に示す図である。図10は、基板がマイナス側に変位する状態における基板と下面ブラシとの接触面の一例を示す図である。図9において、基板Wと下面ブラシ51とが接触する領域が太線で示され、図10において、基板Wと下面ブラシ51とが接触する領域がハッチングで示される。
図9を参照して、基板Wの中央が基準位置よりもマイナス側に変位する場合は、基板Wは下に突の形状となり、下面中央領域BCが曲面になる。一方、下面ブラシ51の上面は、ほぼ水平である。このため、下面ブラシ51の上面の全体が基板Wと接触しない。図10を参照して、下面ブラシ51と基板Wとは、下面中央領域BCのうち基板Wの中心部分を含み下面中央領域BCよりも径が小さい円形または楕円形の中央領域R2で接触する。
図11は、基板がプラス側に変位する状態における基板と下面ブラシとの位置関係を模式的に示す図である。図12は、基板がプラス側に変位する状態における基板と下面ブラシとの接触面の一例を示す図である。図11において、基板Wと下面ブラシ51とが接触する領域が太線で示され、図12において、基板Wと下面ブラシ51とが接触する領域がハッチングで示される。
図11を参照して、基板Wの中央がプラス側に変位する場合は、下面中央領域は上に突の形状となり、下面中央領域BCが曲面になる。一方、下面ブラシ51の上面は、ほぼ水平である。このため、下面ブラシ51の上面の全体が基板Wと接触しない。図12を参照して、下面ブラシ51と基板Wとは、下面中央領域BCのうち外周を含みかつ基板Wの中心部分を除く環状の環状領域R3で接触する。
図13は、押上力の変化の一例を示すタイムチャートである。図13のタイムチャートにおいては、縦軸は押上力を表し、横軸は時間を表す。図13を参照して、下面ブラシ51による基板Wの下面中央領域BCの洗浄が開始される前の時点t0においては、下面ブラシ動作駆動部55aは下面ブラシ51に力を加えない。下面ブラシ51による基板Wの下面中央領域BCの洗浄が開始される時点t1において、下面ブラシ動作駆動部55aは、電空レギュレータを制御して下面ブラシ51に押上力f2を加える。押上力f2は、基板Wの重力と一対の上側保持装置10A,10Bが基板Wを保持する押圧力との合力により定められる。具体的には、押上力f2は、基板Wの中央部分がマイナス側に変位し、基板Wの変位量が下限値となる状態を維持できる値に予め定められる。したがって、時点t1において、基板Wは、図9および図10に示したように、基板Wの中央部分がマイナス側に変位をした状態となる。
そして、下面ブラシ動作駆動部55aは、時点t2において、電空レギュレータを制御して下面ブラシ51に押上力f1を加える。押上力f1は、押上力f2より大きな値である。一対の上側保持装置10A,10Bが基板Wを保持する押圧力は、基板Wの中心部分がマイナス側に変位している状態では、基板Wの中心部分をマイナス側に変位させる方向に働く。押上力f1が押上力f2より大きいので、時点t2以降、下面ブラシ51が上昇し、基板Wの中央部分が上方に押し上げられる。
時点t3は、下面ブラシ51による基板Wの下面中央領域BCを洗浄する期間として予め定められた洗浄期間の半分の期間が経過した時点である。時点t2から時点t3までの期間で基板Wの中央が基準位置となるように押上力f1が定められる。
下面ブラシ動作駆動部55aは、基板Wの中央が基準位置となる時点t3において、電空レギュレータを制御して下面ブラシ51に押上力f3を加える。一対の上側保持装置10A,10Bが基板Wを保持する押圧力は、基板Wの中心部分がプラス側に変位している状態では、基板Wの中心部分をプラス側に変位させる方向に働く。このため、押上力f3は、押上力f2よりも小さな値であるが、時点t3以降、下面ブラシ51が上昇し、基板Wの中央部分が上方に押し上げられる。
時点t4は、下面ブラシ51による基板Wの下面中央領域BCを洗浄する期間として予め定められた洗浄期間が経過した時点である。時点t3から時点t4までの期間で基板Wの中央部分がプラス側に変位し、基板Wの変位量が上限値となる状態となるように押上力f3が定められる。時点t4において、図11および図12に示したように、基板Wの中央部分がプラス側に変位した状態となる。時点t4において下面ブラシ動作駆動部55aは電空レギュレータの制御を停止する。
時点t2において、図9および図10に示したように、基板Wの下面中央領域BC内の中央領域R2で、下面ブラシ51が基板Wと接触する。したがって、基板Wの中央領域R2が洗浄される。
時点t3において、基板Wの下面中央領域BC内の全体領域R1で、下面ブラシ51が基板Wと接触する。したがって、時点t3において、基板Wの全体領域R1(下面中央領域BC)が洗浄される。時点t2から時点t3の間の期間は、下面ブラシ51と基板Wとが接触する部分が、中央領域R2から全体領域R1に徐々に広がる。
時点t4において、基板Wの下面中央領域BC内の環状領域R3で、下面ブラシ51が基板Wと接触する。したがって、基板Wの環状領域R3が洗浄される。時点t3から時点t4の間の期間は、下面ブラシ51と基板Wとが接触する部分が、全体領域R1から環状領域R3に徐々に狭くなる。
図14は、押上力制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。押上力制御処理は、制御装置9により実行される処理である。図14を参照して、制御装置9は、下面ブラシ動作駆動部55aを制御して、下面ブラシ51を押上力f2の押上力で押し上げる(ステップS01)。この段階で、図9および図10に示したように、基板Wの下面中央領域BC内の中央領域R2で、下面ブラシ51が基板Wと接触する。次のステップS02においては、制御装置9は、下面ブラシ51を押上力f1で押し上げ、処理をステップS03に進める。押上力f1は、押上力f2より大きな値である。このため、下面ブラシ51が上昇し、基板Wの中央が下面ブラシ51により上方に押し上げられる。
ステップS03においては、押上力f1で下面ブラシ51の押上を開始してから所定時間が経過したか否かが判断される。所定時間は、基板Wの中央部分が基準位置まで移動する時間である。所定時間が経過するまで待機状態となり(ステップS03でNO)、所定時間が経過したならば(ステップS03でYES)、処理はステップS04に進む。なお、基板Wの中央部分の変位を検出する変位センサを設ける場合には、変位センサの出力に基づいて、基板Wの中央部分の変位が検出されてもよい。処理がステップS04に進む直前では、図7および図8に示したように、基板Wの下面中央領域BCは基準位置に位置し、基板Wの全体領域R1で下面ブラシ51と接触する。
ステップS04においては、制御装置9は、下面ブラシ51を押上力f3の押上力で押し上げ、処理をステップS05に進める。このため、下面ブラシ51が上昇し、基板Wの中央部分が下面ブラシ51により上方に押し上げられる。処理がステップS04に進む段階では、基板Wの中心部分がプラス側に変位している。一対の上側保持装置10A,10Bが基板Wに与える押圧力は、基板Wの中心部分がプラス側に変位している状態では、基板Wの中心部分をプラス側に変位させる方向に働く。このため、押上力f3は、押上力f2より小さい。
ステップS05においては、洗浄期間が終了したか否かが判断される。洗浄期間が終了するまで待機状態となり(ステップS05でNO)、洗浄期間が終了したならば(ステップS05でYES)、処理は終了する。
なお、本実施の形態においては、基板Wの中心部分をマイナス側からプラス側に変位させる例を示したが、基板Wの中心部分をプラス側からマイナス側に変位させてもよい。
4.押上力制御の変形例
図15は、変形例における押上力の変化の一例を示すタイムチャートである。図15のタイムチャートにおいては、縦軸は押上力を表し、横軸は時間を表す。
図15は、変形例における押上力の変化の一例を示すタイムチャートである。図15のタイムチャートにおいては、縦軸は押上力を表し、横軸は時間を表す。
図15を参照して、下面ブラシ51による基板Wの下面中央領域BCの洗浄が開始される前の時点t0においては、下面ブラシ動作駆動部55aは下面ブラシ51に押上力を加えない。下面ブラシ51による基板Wの下面中央領域BCの洗浄が開始される時点t1において、下面ブラシ動作駆動部55aは、電空レギュレータを制御して下面ブラシ51に押上力f2を加える。そして、時点t1から時点t2までの期間T1において、下面ブラシ51に押上力f1を加えるように電空レギュレータを制御する。押上力f2は、基板Wの重力と一対の上側保持装置10A,10Bが基板Wを保持する押圧力との合力により定められる。具体的には、押上力f2は、基板Wの中心部分の変位量が下限値の状態を維持する値に予め定められる。したがって、期間T1において、図9および図10に示したように、基板Wの変位量が下限値の状態で下面ブラシ51と基板Wとが接触した状態となる。このため、期間T1において、基板Wの下面中央領域BC内の中央領域R2で、下面ブラシ51が基板Wと接触する。したがって、基板Wの中央領域R2が洗浄される。
時点t2から時点t3において、下面ブラシ動作駆動部55aは、電空レギュレータを制御して下面ブラシ51に押上力f1を加える。押上力f1は、押上力f2より大きな値である。一対の上側保持装置10A,10Bが基板Wに与える押圧力は、基板Wの中心部分がマイナス側に変位している状態では、基板Wの中心部分をマイナス側に変位させる方向に働く。押上力f1が押上力f2より大きいので、時点t2~時点t3の期間で、下面ブラシ51が上昇し、基板Wの中央部分が上方に押し上げられる。時点t2~時点t3の期間で基板Wの中央部分が基準位置となるように押上力f1が定められる。
そして、時点t3から時点t4までの期間T2において、下面ブラシ51に押上力f4を加えるように電空レギュレータが制御される。一対の上側保持装置10A,10Bが基板Wに与える押圧力は、基板Wの中心部分が基準位置に位置する状態では、基板Wの中心部分を上下方向に変位させる方向に働かない。このため、押上力f4は、押上力f2よりも小さな値である。具体的には、押上力f4は、図7および図8に示したように、基板Wの中央部分が基準位置を維持する値に予め定められる。したがって、期間T2において、図7および図8に示したように、基板Wの中央部分が変位しない状態となる。このため、期間T2において、基板Wの下面中央領域BC内の全体領域R1で、下面ブラシ51が基板Wと接触する。したがって、基板Wの全体領域R1が洗浄される。
時点t4から時点t5において、下面ブラシ動作駆動部55aは、電空レギュレータを制御して下面ブラシ51に押上力f3を加える。押上力f3は、押上力f4より大きな値である。一対の上側保持装置10A,10Bが基板Wに与える押圧力は、基板Wの中心部分がマイナス側およびプラス側のいずれにも変位していない状態では、基板Wの中心部分を変位させる方向に働かない。押上力f3が押上力f4より大きいので、時点t4~時点t5の期間で、下面ブラシ51が上昇し、基板Wの中央部分が上方に押し上げられる。時点t4~時点t5の期間で、基板Wの中央部分がプラス側に変位し、基板Wの変位量が上限値となる状態となるように押上力f3が定められる。
そして、時点t5から時点t6までの期間T3において、下面ブラシ51に押上力f5を加えるように電空レギュレータが制御されする。一対の上側保持装置10A,10Bが基板Wに与える押圧力は、基板Wの中心部分がプラス側に変位している状態では、基板Wの中心部分をプラス側に変位させる方向に働く。このため、押上力f5は、押上力f4よりも小さな値である。具体的には、押上力f5は、基板Wの中央部分の変位量が上限値の状態を維持する値に予め定められる。したがって、期間T3において、図11および図12に示したように、基板Wの変位量が上限値の状態で下面ブラシ51と基板Wとが接触した状態となる。このため、期間T3において、基板Wの下面中央領域BC内の環状領域R3で、下面ブラシ51が基板Wと接触する。したがって、基板Wの環状領域R3が洗浄される。時点t6において下面ブラシ動作駆動部55aは電空レギュレータの制御を停止する。
期間T1においては、下面ブラシ51が押上力f2で押し上げられる。期間T2においては、下面ブラシ51が押上力f4で押し上げられる。期間T3においては、下面ブラシ51が押上力f5で押し上げられる。押上力f2、押上力f4および押上力f5は互いに異なるので、期間T1、期間T2および期間T3を、押上力f2、押上力f4および押上力f5に応じて異ならせてもよい。例えば、押上力と接触面積とから求められる単位面積当たりの押上力に基づいて期間を定めることができる。
図16は、変形例における押上力制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。図16を参照して、制御装置9は、下面ブラシ動作駆動部55aを制御して、下面ブラシ51を押上力f2で押し上げ、中央領域を洗浄する(ステップS11)。この場合、基板Wの変位量が下限値の状態で中央領域R2が洗浄される。次のステップS12においては、期間T1が経過したか否かが判断される。期間T1は、中央領域R2を洗浄する期間として予め定められた期間である。中央領域R2の洗浄が開始されてからの経過時間が期間T1になるまで待機状態となり(ステップS12でNO)、期間T1を経過すると(ステップS15でYES)、処理はステップS13に進む。
ステップS13においては、下面ブラシ51が押上力f2で押し上げられ、処理はステップS14に進む。これにより、下面ブラシ51が上昇し、基板Wの中央部分が基準位置まで上昇する。ステップS14においては、下面ブラシ51が押上力f1で押し上げられ、全体領域R1が洗浄され、処理はステップS15に進む。ステップS15においては、期間T2が経過したか否かが判断される。期間T2は、全体領域R1を洗浄する期間として予め定められた期間である。全体領域R1の洗浄が開始されてからの経過時間が期間T2になるまで待機状態となり(ステップS15でNO)、期間T2を経過すると(ステップS15でYES)、処理はステップS13に進む。
ステップS16においては、下面ブラシ51が押上力f3で押し上げられ、処理はステップS17に進む。これにより、下面ブラシ51が上昇し、基板Wの変位量が上限値となる状態となる。ステップS17においては、下面ブラシ51が押上力f5で押し上げられ、環状領域R3が洗浄され、処理はステップS18に進む。ステップS18においては、期間T3が経過したか否かが判断される。期間T3は、環状領域R3を洗浄する期間として予め定められた期間である。環状領域R3の洗浄が開始されてからの経過時間が期間T3になるまで待機状態となり(ステップS17でNO)、期間T3を経過すると(ステップS17でYES)、処理は終了する。
5.押上力制御の第2の変形例
下面ブラシに加えられる押上力の連続的な変動が繰り返されてもよい。図13に示した押上力の変化のサイクルを、複数回繰り返すことができる。また、図13に示した押上力の変化のサイクルは、基板Wの中央領域R2、全体領域R1および環状領域R3の順に洗浄するサイクルを示したが、基板Wの環状領域R3、全体領域R1および中央領域R2の順に洗浄するサイクルとしてもよい。
下面ブラシに加えられる押上力の連続的な変動が繰り返されてもよい。図13に示した押上力の変化のサイクルを、複数回繰り返すことができる。また、図13に示した押上力の変化のサイクルは、基板Wの中央領域R2、全体領域R1および環状領域R3の順に洗浄するサイクルを示したが、基板Wの環状領域R3、全体領域R1および中央領域R2の順に洗浄するサイクルとしてもよい。
また、下面ブラシに加えられる押上力の段階的な変動が繰り返されてもよい。図15に示した押上力の変化のサイクルを、複数回繰り返すことができる。また、図15に示した押上力の変化のサイクルは、基板Wの中央領域R2、全体領域R1および環状領域R3の順に洗浄するサイクルを示したが、基板Wの環状領域R3、全体領域R1および中央領域R2の順に洗浄するサイクルとしてもよい。
6.効果
第1の実施の形態における基板洗浄装置1は、下面ブラシ51が基板Wの下面中央領域BCを洗浄する間に下面ブラシ51を上方に押し上げる押上力を変化させるので、基板Wの変位により下面ブラシ51と基板Wとの接触面が変動する。
第1の実施の形態における基板洗浄装置1は、下面ブラシ51が基板Wの下面中央領域BCを洗浄する間に下面ブラシ51を上方に押し上げる押上力を変化させるので、基板Wの変位により下面ブラシ51と基板Wとの接触面が変動する。
また、下面ブラシ51の押上力が連続的に変化するので、基板Wが変位する速度を小さくできる。
変形例においては、下面ブラシ51の押上力が段階的に変化するので、基板Wの中央領域R2、全体領域R1および環状領域R3に分けて洗浄できる。このため、下面ブラシ51と基板Wとの間に作用する力の大きさと下面ブラシ51と基板Wとの接触面の面積とに基づいて中央領域R2、全体領域R1および環状領域R3それぞれを洗浄する時間を調整することができる。したがって、下面中央領域BCを効率的に洗浄できる。
[第2の実施の形態]
1.第2の実施の形態における基板洗浄装置の構成
図17は、第2の実施の形態における基板洗浄装置1の内部構成を示す外観斜視図である。図17を参照して、第2の実施の形態における基板洗浄装置1は、図2に示した基板洗浄装置1に変位センサ95が追加される。変位センサ95は、一対の上側保持装置10A,10Bにより保持された基板Wの中心から垂直方向上方に設けられる。変位センサ95は、一対の上側保持装置10A,10Bにより保持された基板Wの中心部分までの距離を計測する。したがって、変位センサ95によって、基板Wの中心部分の上下方向(Z方向)の変位を検出する。ここで、基板Wの変位量を、基板Wが上側保持装置10A,10Bにより保持される位置を基準位置とし、基板Wの中心部分の位置と基準位置との間の垂直方向の距離で示す。変位量は、基準位置よりも下方をマイナスの値とし、上方をプラスの値とする。また、変位量のうち基板Wの中心部分がプラス側に変位することが許容される最大の変位量を上限値といい、基板Wの中心部分がマイナス側に変位することが許容される最小の変位量を下限値という。
1.第2の実施の形態における基板洗浄装置の構成
図17は、第2の実施の形態における基板洗浄装置1の内部構成を示す外観斜視図である。図17を参照して、第2の実施の形態における基板洗浄装置1は、図2に示した基板洗浄装置1に変位センサ95が追加される。変位センサ95は、一対の上側保持装置10A,10Bにより保持された基板Wの中心から垂直方向上方に設けられる。変位センサ95は、一対の上側保持装置10A,10Bにより保持された基板Wの中心部分までの距離を計測する。したがって、変位センサ95によって、基板Wの中心部分の上下方向(Z方向)の変位を検出する。ここで、基板Wの変位量を、基板Wが上側保持装置10A,10Bにより保持される位置を基準位置とし、基板Wの中心部分の位置と基準位置との間の垂直方向の距離で示す。変位量は、基準位置よりも下方をマイナスの値とし、上方をプラスの値とする。また、変位量のうち基板Wの中心部分がプラス側に変位することが許容される最大の変位量を上限値といい、基板Wの中心部分がマイナス側に変位することが許容される最小の変位量を下限値という。
第2の実施の形態における基板洗浄装置1は、変位センサ95の出力に基づき押上力を変動させる。具体的には、基板Wの中心部分の変位が上限値と下限値との間に収まるように押上力が調整される。
2.第2の実施の形態における下面ブラシの押上力制御
図18は、第2の実施の形態における押上力制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。図18を参照して、制御装置9は、下面ブラシ動作駆動部55aを制御して押上力の増加を開始し(ステップS21)、処理をステップS22に進める。下面ブラシ51に加えられる押上力が徐々に増加される。このため、下面ブラシ51が上昇を開始し、ある時点で、基板Wの最下端に接触する。この段階において、基板Wの中央領域R2の洗浄が開始される。
図18は、第2の実施の形態における押上力制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。図18を参照して、制御装置9は、下面ブラシ動作駆動部55aを制御して押上力の増加を開始し(ステップS21)、処理をステップS22に進める。下面ブラシ51に加えられる押上力が徐々に増加される。このため、下面ブラシ51が上昇を開始し、ある時点で、基板Wの最下端に接触する。この段階において、基板Wの中央領域R2の洗浄が開始される。
さらに、押上力が増加すると、下面ブラシ51が基板Wとともに上昇する。基板Wの上昇に伴い、基板Wが下面ブラシ51と接触する接触面の面積が徐々に増加し、基板Wの全体領域R1で下面ブラシ51と接触する状態となる。さらに、下面ブラシ51が基板Wとともに上昇に伴い、基板Wが下面ブラシ51と接触する接触面の面積が徐々に減少し、基板Wの環状領域R3で下面ブラシ51と接触する状態となる。さらに、下面ブラシ51が基板Wとともに上昇すると、基板Wの形状が変化し、基板Wの中心部分の変位量が上限値となる。
ステップS22においては、下面ブラシ51が基板Wを洗浄する期間とした予め定められた洗浄期間が経過したか否かが判断される。洗浄期間が経過していなければ(ステップS22でNO)、処理はステップS23に進み、洗浄期間が経過したならば(ステップS22でYES)、処理は終了する。
ステップS23においては、基板Wの変位量が上限値か否かが判断される。変位センサ95の出力に基づいて、基板Wの変位量が検出される。基板Wの変位量が上限値ならば処理はステップS24に進むが、そうでなければ処理はステップS25に進む。処理がステップS24に進む場合は、下面ブラシ51と基板Wとの接触面は、図11および図12に示した環状領域R3である。
ステップS24においては、制御装置9は、下面ブラシ動作駆動部55aを制御して、押上力の減少を開始し、処理をステップS25に進める。これにより、押上力が時間の経過に伴って減少する。押上力が減少すると、下面ブラシ51が基板Wとともに下降する。この段階では、基板Wの形状が変化し、基板Wが下面ブラシ51と接触する接触面の面積が徐々に増加し、基板Wの全体領域R1で下面ブラシ51と接触する状態となる。さらに、下面ブラシ51が基板Wとともに下降した段階では、基板Wの形状が変化し、基板Wが下面ブラシ51と接触する接触面の面積が徐々に減少し、基板Wの中央領域R2で下面ブラシ51と接触する状態となる。
ステップS25においては、基板Wの変位量が下限値か否かが判断される。変位センサ95の出力に基づいて、基板Wの変位量が検出される。基板Wの変位量が下限値ならば処理はステップS21に戻るが、そうでなければ処理はステップS22に戻る。
3.効果
第2の実施の形態における基板洗浄装置1は、第1の実施の形態における基板洗浄装置1と同様の効果を奏する。また、変位センサ95で検出される基板Wの変位が所定の範囲内に収まるように押上力を変化させるので、基板Wが破損しないようにできる。
第2の実施の形態における基板洗浄装置1は、第1の実施の形態における基板洗浄装置1と同様の効果を奏する。また、変位センサ95で検出される基板Wの変位が所定の範囲内に収まるように押上力を変化させるので、基板Wが破損しないようにできる。
[その他の実施の形態]
(1)第1の実施の形態および第2の実施の形態における基板洗浄装置1は、下面ブラシ51に加える押上力を変化させることにより、基板Wと下面ブラシ51との間に作用する力を変更する。このため、基板Wと下面ブラシ51との間に作用する力が変更されるので、基板Wが変形する。この発明はこれに限定されない。下面ブラシ51に加える押上力を一定にし、一対の上側保持装置10A,10Bが基板Wに加える押圧力を変化させることにより、基板Wと下面ブラシ51との間に作用する力を変更してもよい。これによっても、基板Wと下面ブラシ51との間に作用する力が変更することで、基板Wの変形を変形させることができる。
(1)第1の実施の形態および第2の実施の形態における基板洗浄装置1は、下面ブラシ51に加える押上力を変化させることにより、基板Wと下面ブラシ51との間に作用する力を変更する。このため、基板Wと下面ブラシ51との間に作用する力が変更されるので、基板Wが変形する。この発明はこれに限定されない。下面ブラシ51に加える押上力を一定にし、一対の上側保持装置10A,10Bが基板Wに加える押圧力を変化させることにより、基板Wと下面ブラシ51との間に作用する力を変更してもよい。これによっても、基板Wと下面ブラシ51との間に作用する力が変更することで、基板Wの変形を変形させることができる。
(2)第1の実施の形態および第2の実施の形態においては、基板Wの中心部分が上限値と下限値と間で変位するように下面ブラシ51に加える押上力が制御される例を示したが、基板Wの中心部分が下限値と基準位置との間で変位するように下面ブラシ51に加える押上力が制御されてもよい。
[請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応関係]
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。
上記実施の形態においては、基板洗浄装置1が基板洗浄装置の例であり、一対の上側保持装置10A,10Bが基板保持部の例であり、下面ブラシ51が洗浄具の例であり、制御装置9が洗浄制御部の例であり、変位センサ95が変位センサの例である。
1…基板洗浄装置、2…ユニット筐体、9…制御装置、9A…チャック制御部、9E…下面洗浄制御部、9G…上面洗浄制御部、10A,10B…上側保持装置、12A,12B…上チャック、300…保持片、301…当接面、302…突出部、14A,14B…上チャック駆動部、50…下面洗浄装置、51…下面ブラシ、55a…下面ブラシ動作駆動部、55b…下面ブラシ昇降駆動部、55c…下面ブラシ移動駆動部、95…変位センサ、W…基板、BC…下面中央領域、R1…全体領域、R2…中央領域、R3…環状領域。
Claims (8)
- 基板の外周端部を保持する基板保持部と、
前記基板の下面に接触して前記基板の下面を洗浄する洗浄具と、
前記洗浄具が前記基板の下面中央領域を洗浄する間に前記洗浄具を上方に押し上げる押上力を変化させる洗浄制御部と、を備えた基板洗浄装置。 - 前記洗浄制御部は、前記押上力を連続的に変化させる、請求項1に記載の基板洗浄装置。
- 前記洗浄制御部は、前記洗浄具が前記押上力を段階的に変化させる、請求項1に記載の基板洗浄装置。
- 前記基板の変位を検出する変位センサを、さらに備え、
前記洗浄制御部は、前記基板の変位が所定の範囲内に収まるように前記押上力を変化させる、請求項1~3のいずれかに記載の基板洗浄装置。 - 基板の外周端部を保持する基板保持部と、
前記基板の下面に接触して前記基板の下面を洗浄する洗浄具と、
前記洗浄具が前記基板の下面中央領域を洗浄する間に前記洗浄具と前記基板との間に作用する力を変化させる制御部と、を備えた基板洗浄装置。 - 前記基板の変位を検出する変位センサを、さらに備え、
前記制御部は、前記基板の変位が所定の範囲に収まるように前記洗浄具と前記基板との間に作用する力を変化させる、請求項5に記載の基板洗浄装置。 - 基板の外周端部を保持する基板保持部と、
前記基板の下面に接触して前記基板の下面を洗浄する洗浄具と、を備えた基板洗浄装置で実行される基板洗浄方法であって、
前記洗浄具が前記基板の下面中央領域を洗浄する間に前記洗浄具を上方に押し上げる押上力を変化させる洗浄制御ステップを含む、基板洗浄方法。 - 基板の外周端部を保持する基板保持部と、
前記基板の下面に接触して前記基板の下面を洗浄する洗浄具と、を備えた基板洗浄装置で実行される基板洗浄方法であって、
前記洗浄具が前記基板の下面中央領域を洗浄する間に前記洗浄具と前記基板との間に作用する力を変化させる制御ステップを含む、基板洗浄方法。
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