JP2023045818A - 基板処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】膜厚の均一性が向上された塗布膜を、基板上に形成することを可能にする基板処理装置を提供する。【解決手段】塗布装置100は、ステージ装置130およびノズル装置150を含む。ステージ装置130においては、プレート部材131上に基板Wが保持される。ノズル装置150はスリット状の吐出口を有し、ステージ装置130の上方に設けられる。基板Wの上面全体に塗布液が供給されるように、ノズル装置150の吐出口から塗布液が吐出されつつノズル装置150がステージ装置130の上方を移動する。ステージ装置130またはノズル装置150において、塗布液の基板Wに塗布される位置に基づいて、塗布液に対する温度調整が行われる。【選択図】図2
Description
本発明は、基板の上面に塗布膜を形成する基板処理装置に関する。
半導体基板、液晶表示装置もしくは有機EL(Electro Luminescence)表示装置等のFPD(Flat Panel Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板または太陽電池用基板等の基板に種々の処理を行うために、基板処理装置が用いられる。
基板処理装置の一例として、特許文献1には、基板にレジスト膜を形成する回転式基板処理装置が記載されている。その基板処理装置においては、水平姿勢で保持されて回転する基板の中心部にレジスト液が供給される。供給されたレジスト液が基板の周縁部に向かって広がることにより、基板の上面全体にレジスト液の膜が形成される。レジスト液の膜が形成された基板に、乾燥処理等の所定の処理が施される。それにより、基板の上面にレジスト膜が形成される。
上記のように、回転する基板の上面に塗布液(レジスト液)を供給することにより基板の上面に塗布膜(レジスト膜)を形成する方法は、スピン塗布と呼ばれる。スピン塗布により形成されるレジスト膜には、ストリエーション等の塗布むらが発生しやすいことが知られている。ストリエーションとは、基板上に塗布膜が形成される際に膜厚の差によって発生する模様であり、基板の中心から外周部に向かって放射状に形成される。
塗布膜の形成方法としては、上記のスピン塗布の他、スリット状の吐出口を有する塗布液ノズルを基板上で走査することにより基板上に塗布膜を形成する方法がある。この塗布膜の形成方法は、スリット塗布と呼ばれる。スリット塗布により塗布膜を形成する場合、形成される塗布膜にストリエーションは発生しない。しかしながら、スリット塗布によって基板上に形成される塗布膜の厚みのばらつきは、スピン塗布によって基板上に形成される塗布膜の厚みのばらつきに比べて大きい。
本発明の目的は、膜厚の均一性が向上された塗布膜を、基板上に形成することを可能にする基板処理装置を提供することである。
(1)第1の発明に係る基板処理装置は、少なくとも一部が円形状の外周部を有する基板が載置される第1のプレート部材を有し、第1のプレート部材に載置された基板を予め定められた固定姿勢で保持する第1の基板保持部と、第1の基板保持部よりも上方の位置に設けられ、スリット状の吐出口を有し、吐出口から基板の上面に塗布液を吐出する液供給部と、液供給部から吐出される塗布液により第1の基板保持部に保持された基板の上面全体に塗布液の膜が形成されるように、第1のプレート部材と液供給部とを相対的に移動させる相対的移動部と、液供給部において吐出口に導かれる塗布液および基板上に塗布された塗布液のうち少なくとも一方に対する温度調整を行う温度調整部とを備える。
その基板処理装置においては、第1のプレート部材上に基板が保持された状態で、第1のプレート部材と液供給部とが相対的に移動する。このとき、液供給部のスリット状の吐出口から基板の上面に塗布液が吐出されることにより、基板の上面全体に塗布液の膜が形成される。このように、スリット状の吐出口を有する液供給部を基板上で走査することにより塗布膜を形成する方法によれば、塗布むらの発生を低減することができる。
また、上記の基板処理装置においては、液供給部において吐出口に導かれる塗布液、および基板上に塗布された塗布液に対して温度調整が行われる。換言すれば、基板に供給される前の塗布液および基板に供給された後の塗布液のうち少なくとも一方の塗布液に対して温度調整が行われる。それにより、基板上に形成される塗布膜の厚みを均一化することが可能になる。
(2)液供給部は、塗布液供給系から供給される塗布液を吐出口に導く塗布液流路を含み、温度調整部は、液供給部の吐出口の複数の部分から吐出される塗布液の流量分布が予め定められた流量分布となるように、塗布液流路を通して吐出口の複数の部分に導かれる塗布液の温度をそれぞれ調整する塗布液調整部を含んでもよい。
塗布液の粘度は、塗布液の温度が高いほど低く、塗布液の温度が低いほど高い。単位時間当たりに塗布液流路を流れる塗布液の量、すなわち塗布液の流量は、塗布液の粘度が低いほど大きく、塗布液の粘度が高いほど小さくなる。
したがって、上記の構成によれば、塗布液流路の複数の部分を流れる塗布液の温度が調整されることにより、吐出口の複数の部分から基板の複数の部分に予め定められた量の塗布液が供給される。それにより、吐出口の複数の部分から吐出される塗布液についての予め定められた流量分布が適切に定められることにより、基板上に形成される塗布膜の膜厚の均一性を向上させることができる。
(3)塗布液調整部は、基板の外周部の少なくとも一部に供給される塗布液の温度が、基板の中央部に供給される塗布液の温度よりも低くなるように、吐出口の複数の部分に導かれる塗布液の温度をそれぞれ調整してもよい。
上記の構成によれば、基板の外周部の少なくとも一部に供給される塗布液の温度が低くなるので、基板の外周部の少なくとも一部に供給される塗布液の粘度は高くなる。それにより、基板の外周部の少なくとも一部に供給される塗布液の量を他の部分に供給される塗布液の量に比べて小さくすることができる。その結果、基板の外周部の少なくとも一部に形成される塗布膜の厚みが他の部分に比べて大きくなることが抑制される。
(4)液供給部は、吐出口が第1の方向に延びるように配置され、相対的移動部は、第1の基板保持部に基板が固定姿勢で保持された状態で、液供給部の吐出口が基板上の空間を通過するように、第1の方向に交差する第2の方向に液供給部と第1の基板保持部とを相対的に移動させ、第1のプレート部材に載置された基板には、外周端部を含む一定幅の円環状領域と、円環状領域の内側の中央領域とが定義され、塗布液調整部は、相対的移動部による液供給部と第1の基板保持部との間の相対的な移動時に、液供給部の吐出口の複数の部分のうち平面視で第1のプレート部材に載置された基板の円環状領域に重なる部分から吐出される塗布液の温度を予め定められた第1の温度に調整し、液供給部の吐出口の複数の部分のうち平面視で第1のプレート部材に載置された基板の円環状領域に重ならない部分から吐出される塗布液の温度を第1の温度よりも高い第2の温度に調整してもよい。
上記の構成によれば、基板の円環状領域に供給される塗布液の温度が基板の中央領域に供給される塗布液の温度に比べて低くなる。したがって、基板の円環状領域に供給される塗布液の粘度は、基板の中央領域に供給される塗布液の粘度に比べて高くなる。それにより、基板の円環状領域に供給される塗布液の量を基板の中央領域に供給される塗布液の量に比べて小さくすることができる。その結果、基板の外周部に形成される塗布膜の厚みが他の部分に比べて大きくなることが抑制される。
(5)第1のプレート部材は、複数の領域を有し、温度調整部は、第1のプレート部材の複数の領域の温度をそれぞれ調整する第1のプレート調整部を含んでもよい。
上記の構成によれば、第1のプレート部材の複数の領域の温度が適切に調整されることにより、基板の円環状領域に位置する塗布液の粘度が高くなることを抑制することができる。それにより、基板上に形成される塗布膜の膜厚の均一性を向上させることができる。
(6)第1のプレート部材の複数の領域は、第1のプレート部材上に載置された基板の外周部の少なくとも一部に重なる複数の第1の領域と、第1のプレート部材上に載置された基板の中央部に重なる複数の第2の領域とを含み、基板の半径方向における複数の第1の領域の各々の寸法は、基板の半径方向における複数の第2の領域の各々の寸法よりも小さくてもよい。
この場合、基板の中央部上に供給される塗布液の温度に比べて、基板の外周部上に供給される塗布液の温度をより高い精度で調整することができる。
(7)第1のプレート調整部は、第1のプレート部材上に載置された基板の外周部の少なくとも一部に重なる部分の温度が、第1のプレート部材上に載置された基板の中央部に重なる部分の温度よりも高くなるように、第1のプレート部材の複数の領域の温度をそれぞれ調整してもよい。
上記の構成によれば、基板の外周部の少なくとも一部に供給される塗布液の温度が高くなるので、基板の外周部の少なくとも一部に供給された塗布液の粘度は低くなる。それにより、基板の外周部の少なくとも一部に位置する塗布液の粘度が高くなることに起因して、基板の外周部の少なくとも一部に形成される塗布膜の厚みが他の部分に比べて大きくなることが抑制される。
(8)基板処理装置は、基板に塗布液を塗布する塗布装置と、塗布装置により基板上に形成された塗布液の膜を乾燥させる液膜乾燥装置とを備え、塗布装置は、第1の基板保持部、液供給部および相対的移動部を含み、液膜乾燥装置は、塗布装置により塗布液の膜が形成された基板が載置される第2のプレート部材を有し、第2のプレート部材に載置された基板を予め定められた固定姿勢で保持する第2の基板保持部と、第2の基板保持部を収容する内部空間を有するチャンバと、第2の基板保持部により基板が保持された状態で、チャンバ内部の空間を減圧することにより第2の基板保持部により保持された基板上に形成された塗布液の膜を乾燥させる液膜乾燥部とを含み、第2のプレート部材は、複数の領域を有し、温度調整部は、第2のプレート部材の複数の領域の温度をそれぞれ調整する第2のプレート調整部を含んでもよい。
この場合、液膜乾燥装置においては、チャンバ内の第2のプレート部材上に基板が保持された状態で、チャンバの内部空間が減圧されることにより、基板上の塗布液の膜が乾燥される。このとき、第2のプレート部材の複数の領域の温度がそれぞれ調整される。したがって、第2のプレート部材の複数の領域の温度が適切に調整されることにより、基板の円環状領域に位置する塗布液の粘度が高くなることを抑制することができる。それにより、基板上に形成される塗布膜の膜厚の均一性を向上させることができる。
(9)第2のプレート部材の複数の領域は、第2のプレート部材上に載置された基板の外周部の少なくとも一部に重なる複数の第3の領域と、第2のプレート部材上に載置された基板の中央部に重なる複数の第4の領域とを含み、基板の半径方向における複数の第3の領域の寸法は、基板の半径方向における複数の第4の領域の寸法よりも小さくてもよい。
この場合、基板の中央部上に供給される塗布液の温度に比べて、基板の外周部上に供給される塗布液の温度をより高い精度で調整することができる。
(10)第2のプレート調整部は、第2のプレート部材上に載置された基板の外周部の少なくとも一部に重なる部分の温度が、第2のプレート部材上に載置された基板の中央部に重なる部分の温度よりも高くなるように、第2のプレート部材の複数の領域の温度をそれぞれ調整してもよい。
上記の構成によれば、基板の外周部の少なくとも一部に供給される塗布液の温度が高くなるので、基板の外周部の少なくとも一部に供給された塗布液の粘度は低くなる。それにより、基板の外周部の少なくとも一部に位置する塗布液の粘度が高くなることに起因して、基板の外周部の少なくとも一部に形成される塗布膜の厚みが他の部分に比べて大きくなることが抑制される。
(11)第2の発明に係る基板処理装置は、少なくとも一部が円形状の外周部を有するとともに、塗布液の膜が形成された基板が載置されるプレート部材を有し、プレート部材に載置された基板を一定姿勢で保持する基板保持部と、基板保持部を収容する内部空間を有するチャンバと、基板保持部により基板が保持された状態で、チャンバ内部の空間を減圧することにより基板保持部により保持された基板上に形成された塗布液の膜を乾燥させる液膜乾燥部と、基板上に塗布された塗布液に対する温度調整を行う温度調整部とを備え、プレート部材は、複数の領域を有し、温度調整部は、プレート部材の複数の領域の温度をそれぞれ調整する。
その基板処理装置においては、少なくとも一部が円形状の外周部を有するとともに塗布液の膜が形成された基板が、チャンバ内のプレート部材上に保持される。この状態で、チャンバの内部空間が減圧されることにより、基板上の塗布液の膜が乾燥される。このとき、プレート部材の複数の領域の温度がそれぞれ調整される。したがって、プレート部材の複数の領域の温度が適切に調整されることにより、基板の外周部に位置する塗布液の粘度が高くなることを抑制することができる。それにより、基板の外周部に形成される塗布膜の厚みが他の部分に比べて大きくなることが抑制される。
上記の基板処理装置においては、基板に供給された後の塗布液に対して温度調整が行われる。それにより、基板上に形成される塗布膜の厚みを均一化することが可能になる。
本発明によれば、膜厚の均一性が向上された塗布膜を、基板上に形成することが可能になる。
以下、本発明の一実施の形態に係る基板処理装置について図面を参照しつつ説明する。以下の説明において、基板とは、液晶表示装置または有機EL(Electro Luminescence)表示装置等に用いられるFPD(Flat Panel Display)用基板、半導体基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板または太陽電池用基板等をいう。また、以下に説明する基板は、平面視でノッチの形成部分を除いて円形状を有する。
[1]基板処理装置の基本構成
図1は、本発明の一実施の形態に係る基板処理装置の基本構成図である。図1に示すように、本実施の形態に係る基板処理装置1は、塗布装置100、液膜乾燥装置200、後処理装置300、搬送装置400および制御装置500を備える。
図1は、本発明の一実施の形態に係る基板処理装置の基本構成図である。図1に示すように、本実施の形態に係る基板処理装置1は、塗布装置100、液膜乾燥装置200、後処理装置300、搬送装置400および制御装置500を備える。
塗布装置100は、未処理の基板Wの上面に所定の塗布液を供給し、塗布液の液膜を形成する。本実施の形態に係る塗布液はレジスト膜用の塗布液(レジスト液)または反射防止膜用の塗布液(反射防止液)である。塗布装置100の構成および動作の詳細は後述する。
液膜乾燥装置200には、塗布装置100により塗布液の液膜が形成された基板Wが搬入される。液膜乾燥装置200は、基板W上に形成された液膜の乾燥処理を行う。それにより、基板W上に塗布膜FFが形成される。液膜乾燥装置200の詳細は後述する。
後処理装置300には、液膜乾燥装置200により塗布膜FFが形成された基板Wが搬入される。後処理装置300は、塗布膜FFが形成された基板Wに対して予め定められた所定の処理を行う。例えば、図1の後処理装置300は、スピンチャック310、カップ320、エッジリンスノズル331および複数(本例では2つ)のバックリンスノズル332を備える。
この場合、スピンチャック310は、塗布膜FFが形成された基板Wの下面中央部を吸着することにより、当該基板Wを水平姿勢で保持しつつ上下方向の軸の周りで回転させる。
エッジリンスノズル331は、スピンチャック310により回転する基板Wの上面周縁部に、塗布膜FFを溶解する除去液を吐出する。これにより、基板Wの上面周縁部から外周端部に形成された塗布膜FFの一部が除去される。複数のバックリンスノズル332は、スピンチャック310により回転する基板Wの下面周縁部に、除去液を吐出する。これにより、基板Wの下面周縁部に付着した塗布液の析出物等が除去される。
カップ320は、スピンチャック310を取り囲むように設けられている。カップ320は、エッジリンスノズル331またはバックリンスノズル332から基板Wに向けて除去液が供給される際に、基板Wから飛散する液体を受け止める。受け止められた液体は、回収または廃棄される。
なお、後処理装置300においては、有機溶剤(例えばシンナー)を用いた基板Wの乾燥処理が行われてもよい。あるいは、後処理装置300は、上記の例に限らず、塗布膜FFが形成された基板Wに熱処理を行うことが可能に構成されてもよいし、塗布膜FFが形成された基板Wの一部または全てに露光処理を行うことが可能に構成されてもよい。
搬送装置400は、塗布装置100、液膜乾燥装置200および後処理装置300の間で基板Wを搬送する。制御装置500は、例えばCPU(中央演算処理装置)およびメモリ、またはマイクロコンピュータを含み、塗布装置100、液膜乾燥装置200、後処理装置300および搬送装置400に、基板処理に関する各種指令信号を与える。
[2]塗布装置100の構成および基本動作
図2は、図1の塗布装置100の模式的な外観斜視図である。図2に示すように、塗布装置100は、主として制御部110、2つのステージ支持体120、ステージ装置130、2つのノズル支持体140およびノズル装置150から構成され、図示しない筐体内に収容されている。図2および後述する所定の図には、位置関係を明確にするために互いに直交するX方向、Y方向およびZ方向を示す矢印を付している。X方向およびY方向は水平面内で互いに直交し、Z方向は鉛直方向に相当する。
図2は、図1の塗布装置100の模式的な外観斜視図である。図2に示すように、塗布装置100は、主として制御部110、2つのステージ支持体120、ステージ装置130、2つのノズル支持体140およびノズル装置150から構成され、図示しない筐体内に収容されている。図2および後述する所定の図には、位置関係を明確にするために互いに直交するX方向、Y方向およびZ方向を示す矢印を付している。X方向およびY方向は水平面内で互いに直交し、Z方向は鉛直方向に相当する。
制御部110は、図1の制御装置500からの指令信号等に応答して塗布装置100の各部の動作を制御する。制御部110の詳細は後述する。2つのステージ支持体120の各々は、一方向に延びる直方体形状を有し、X方向に沿って延びるように、図示しない筐体の底面上に設けられている。各ステージ支持体120の上面には、当該ステージ支持体120の長手方向に沿って延びるガイドレール121が設けられている。また、2つのステージ支持体120は、Y方向に並ぶように配置されている。
ステージ装置130は、Y方向において2つのステージ支持体120の間に位置し、2つのステージ支持体120により支持されている。ステージ装置130は、プレート部材131、プレート調整部132、複数の支持ピン133、ピン昇降駆動部134および吸引駆動部135を含む。
プレート部材131は、矩形の平板形状を有する石材により形成され、ステージ装置130の上面部分を構成する。プレート部材131の一部には、処理対象となる基板Wが載置される。基板Wが載置されるプレート部材131の部分(以下、基板載置部分と呼ぶ。)には、当該プレート部材131をZ方向に貫通するように、図示しない複数の吸気孔および複数のピン挿入孔が形成されている。
ステージ装置130においては、プレート部材131の下部にプレート調整部132、複数の支持ピン133、ピン昇降駆動部134および吸引駆動部135が設けられている。プレート調整部132は、プレート部材131の基板載置部分の温度を調整する。プレート調整部132の詳細は後述する。
複数の支持ピン133は、上下方向に延びるようにかつ平面視で基板載置部分に設けられた複数のピン挿入孔にそれぞれ重なるようにピン昇降駆動部134により支持されている。ピン昇降駆動部134は、制御部110の制御に基づいて、複数の支持ピン133を上下方向に移動させる。それにより、複数の支持ピン133の上端部は、プレート部材131よりも上方のピン上昇位置と、プレート部材131よりも下方のピン下降位置との間を移動する。
これにより、塗布装置100における基板Wの搬入時には、複数の支持ピン133の上端部がピン上昇位置にある状態で、図1の搬送装置400により保持された未処理の基板Wが複数の支持ピン133上に渡される。また、塗布装置100における基板Wの搬出時には、複数の支持ピン133の上端部がピン上昇位置にある状態で、複数の支持ピン133上に支持された処理済の基板Wが図1の搬送装置400により受け取られる。さらに、塗布装置100における基板Wの塗布処理時には、複数の支持ピン133の上端部がピン下降位置にある状態で、プレート部材131の基板載置部分に載置された基板Wに塗布液が供給される。
プレート部材131に形成された複数の吸気孔は、吸引駆動部135および図示しない吸気系を通して工場の排気設備等に接続されている。吸引駆動部135は、制御部110の制御に基づいて、複数の吸気孔と吸気系との間に形成される吸気経路を連通状態と遮断状態との間で切り替える。このような構成により、プレート部材131の基板載置部分に基板Wが載置された状態で、吸引駆動部135は、吸気経路を連通状態とすることにより当該基板Wを基板載置部分に吸着保持させることができる。また、基板載置部分に基板Wが吸着保持された状態で、吸引駆動部135は、吸気経路を遮断状態とすることにより当該基板Wをプレート部材131から解放させることができる。
2つのステージ支持体120の上面には、2つのノズル支持体140がそれぞれ設けられている。2つのノズル支持体140は、Y方向に並ぶように配置されている。2つのノズル支持体140の各々は、当該ノズル支持体140が設けられたステージ支持体120のガイドレール121に沿ってX方向に移動可能となっている。
ノズル装置150は、Y方向において2つのノズル支持体140の間に位置し、2つのノズル支持体140により支持されている。2つノズル支持体140のうち少なくとも一方には、X方向駆動部141、Z方向駆動部142および液供給部143が内蔵されている。
ノズル装置150は、ノズルブロック151およびノズル調整部152を含む。ノズルブロック151は、一方向に延びる直方体形状を有し、下面に当該一方向に延びるスリット状の吐出口14(図4)を有する。また、ノズルブロック151は、ノズル支持体140に設けられた液供給部143を介して図示しない塗布液供給系に接続されている。ノズルブロック151の内部には、吐出口14につながる塗布液流路13(図4)が形成されている。ノズル支持体140の液供給部143は、例えばポンプおよびバルブを含み、制御部110の制御に基づいて、塗布液供給系から供給される塗布液をさらにノズルブロック151に供給する。それにより、ノズルブロック151においては、液供給部143から供給された塗布液が、塗布液流路13を通して吐出口14から吐出される。あるいは、液供給部143は、制御部110の制御に基づいて、塗布液供給系から供給される塗布液がノズルブロック151に供給されることを停止する。
本例では、ノズルブロック151は、当該ノズルブロック151の吐出口14がY方向に延びるように、2つのノズル支持体140により支持されている。ノズル調整部152は、ノズルブロック151内の塗布液流路13を流れる塗布液の温度を調整可能に構成されている。ノズル装置150の詳細については後述する。
X方向駆動部141は、例えばモータ等のアクチュエータを含み、制御部110の制御に基づいて、ノズル支持体140をステージ支持体120のガイドレール121上でX方向に移動させる。Z方向駆動部142は、例えばモータ等のアクチュエータを含み、制御部110の制御に基づいて、ノズル支持体140によって支持されるノズル装置150をZ方向に移動させる。これにより、塗布装置100においては、図2に白抜きの矢印AX,AYに示すように、ステージ装置130上に載置された基板W上で、ノズル装置150をX方向およびZ方向に移動させることが可能となっている。
基板Wの塗布処理時には、プレート部材131上に基板Wが吸着保持された状態で、ノズル装置150が基板Wの上方の空間をX方向に移動する。このとき、ノズル装置150のZ方向の位置(高さ)は、例えばノズルブロック151内の塗布液が毛細管現象により吐出口14からノズルブロック151と基板Wとの間の隙間に引き出されるように、ノズル装置150の吐出口14が基板Wの上面に十分に近づけられる。このように、ノズルの吐出口から毛細管現象を利用して基板W上に塗布液を供給する方法は、キャピラリ塗布と呼ばれる。
[3]スリット塗布による膜厚分布のばらつき
スリット状の吐出口を有する塗布液ノズル(いわゆるスリットノズル)を基板W上で走査する塗布方法は、スリット塗布と呼ばれる。上記のキャピラリ塗布はスリット塗布の一例である。ここで、発明が解決しようとする課題において説明したように、スリット塗布により基板W上に形成される塗布膜FFは、その膜厚にばらつきが生じやすい。
スリット状の吐出口を有する塗布液ノズル(いわゆるスリットノズル)を基板W上で走査する塗布方法は、スリット塗布と呼ばれる。上記のキャピラリ塗布はスリット塗布の一例である。ここで、発明が解決しようとする課題において説明したように、スリット塗布により基板W上に形成される塗布膜FFは、その膜厚にばらつきが生じやすい。
図3は、通常のスリット塗布により発生する膜厚のばらつきの傾向を説明するための図である。図3の上段に示すように、基板Wの上面に対して例えば一定速度でスリットノズルSNを走査しつつ、スリットノズルSNから基板Wに塗布液を吐出する場合を想定する。ここで、図3の例においては、基板Wに対してスリットノズルSNが移動する方向をスキャン方向D1と呼び、スキャン方向D1に直交する方向をスキャン直交方向D2と呼ぶ。
図3の中段右に、図3の上段の方法で基板Wの上面に形成された塗布膜FFについて、スキャン方向D1に平行で基板Wの中心を通る直線L1上の膜厚分布が示される。図3の中段右のグラフにおいては、縦軸が塗布膜FFの膜厚を示し、横軸が図3の中段左の模式図における直線L1上の基板Wの位置p10,p11,p12を示す。位置p10は、基板Wの中心に位置する。位置p11は、スキャン方向D1における基板Wの一端部に位置する。位置p12は、スキャン方向D1における基板Wの他端部に位置する。さらに、位置p11,p10,p12は、この順でスキャン方向D1に並んでいる。
図3の中段右のグラフによれば、基板W上の膜厚は、位置p11,p12において局所的に大きくなっている。一方、位置p11と位置p12との間では、基板W上の膜厚は、スキャン方向D1における上流から下流に向かってなだらかに減少している。この場合、例えばスリットノズルSNの移動速度を基板W上の位置に応じて適宜変化させることにより、塗布膜FFの直線L1上の膜厚を均一化することが可能である。
図3の下段右に、図3の上段の方法で基板Wの上面に形成された塗布膜FFについて、スキャン直交方向D2に平行で基板Wの中心を通る直線L2上の膜厚分布が示される。図3の下段右のグラフにおいては、縦軸が塗布膜FFの膜厚を示し、横軸が図3の下段左の模式図における直線L2上の基板Wの位置p10,p21,p22を示す。位置p10は、基板Wの中心に位置する。位置p21は、スキャン直交方向D2における基板Wの一端部に位置する。位置p22は、スキャン直交方向D2における基板Wの他端部に位置する。さらに、位置p21,p10,p22は、この順でスキャン直交方向D2に並んでいる。
図3の下段右のグラフによれば、基板W上の膜厚は、基板Wの外周端部の位置p21,p22で局所的に大きくなり、基板Wの外周端部を除く部分で比較的均一である。直線L2上の膜厚のばらつきは、スキャン方向D1に平行な直線L1上の膜厚のばらつきとは異なり、スリットノズルSNの移動速度を調整しても低減することができない。
上記のように、基板Wの外周端部およびその近傍に形成される塗布膜FFの厚みは、基板Wの中央部に形成される塗布膜FFの厚みよりも大きくなりやすい。この現象は、基板Wの外周部に形成される塗布液の液膜が基板Wの中央部に形成される塗布液の液膜よりも早く冷却されることにより、両者の塗布液の間に粘度の差が生じることに起因すると考えられる。
これらの点を考慮して、本実施の形態に係る塗布装置100においては、ステージ装置130およびノズル装置150に、基板W上に形成される塗布液の液膜の膜厚を均一化させるための工夫が施されている。以下、ステージ装置130およびノズル装置150の詳細を説明する。
[4]ノズル装置150
図4は、図2のノズル装置150の分解斜視図である。図5は、図2のノズル装置150の外観斜視図および縦断面図である。図5では、上段に、ノズル装置150の外観斜視図が示される。また、下段に、上段の二点鎖線で示される仮想面VSで切断されたノズル装置150の縦断面図が示される。
図4は、図2のノズル装置150の分解斜視図である。図5は、図2のノズル装置150の外観斜視図および縦断面図である。図5では、上段に、ノズル装置150の外観斜視図が示される。また、下段に、上段の二点鎖線で示される仮想面VSで切断されたノズル装置150の縦断面図が示される。
上述のように、ノズルブロック151は、一方向(本例ではY方向)に延びる直方体形状を有し、例えば金属等の高い熱伝導性を有する材料により形成されている。ノズルブロック151の内部には、液導入路11、塗布液バッファ部12および塗布液流路13が形成されている。塗布液バッファ部12は、ノズルブロック151の中心部よりもやや上方に位置し、一定量の塗布液を貯留可能に形成されている。
ノズルブロック151の上面から塗布液バッファ部12にかけて、Z方向に延びるように、液導入路11が形成されている。ノズルブロック151の上面には、液導入路11の上端部開口に塗布液を供給するための配管153の一端が接続されている。配管153の他端は、図2の液供給部143に接続される。
上述のように、ノズルブロック151の下面には、スリット状の吐出口14が形成されている。吐出口14から塗布液バッファ部12にかけて、Z方向に延びるように、塗布液流路13が形成されている。
ここで、ノズルブロック151の複数の側面のうち、塗布装置100内に設けられた状態でX方向に直交する一面をノズル前面151sと呼ぶ。また、ノズルブロック151においては、図5の下段に示すように、Y方向に見て吐出口14および塗布液流路13がノズル前面151sの近傍に位置するものとする。ノズル調整部152は、ノズル前面151sのうちX方向に見て塗布液流路13に重なる部分に取り付けられる。
図4に示すように、ノズル調整部152は、複数(本例では10個)の熱電素子e1~e10、複数(本例では10個)の温度センサtsおよび冷却プレート21を備える。熱電素子e1~e10の各々は、例えばマイカヒータまたはペルチェ素子等で構成される。また、熱電素子e1,e2,e3,e4,e5,e6,e7,e8,e9,e10は、図4に白抜きの矢印A1で示すように、X方向に見て塗布液流路13に重なりかつこの順でY方向に並ぶようにノズルブロック151のノズル前面151sに貼り付けられる。
熱電素子e1~e10の各々には、当該熱電素子を発熱させるための駆動回路152c(図17)が接続されている。駆動回路152c(図17)により熱電素子e1~e10がそれぞれ発熱すると、ノズルブロック151の塗布液流路13内に存在する塗布液が加熱される。複数の温度センサtsは、熱電素子e1~e10にそれぞれ取り付けられている。
冷却プレート21は、熱伝導性に優れた材料で形成された長尺状の板部材であり、図4に白抜きの矢印A2で示すように、ノズルブロック151のノズル前面151sに貼り付けられる。これにより、ノズル前面151s上では、複数の熱電素子e1~e10および温度センサtsが、図5に示すように、冷却プレート21によって覆われる。
図4に示すように、冷却プレート21の内部には、冷却水流路22が形成されている。冷却プレート21の端部には、冷却水流路22の入口および出口が形成されている。冷却プレート21における冷却水流路22の入口部分には、冷却水の導入配管23が接続されている。冷却プレート21における冷却水流路22の出口部分には、冷却水の導出配管24が接続されている。
冷却プレート21の冷却水流路22には、冷却設備から導入配管23を通して冷却水が供給される。冷却水流路22を流れる冷却水は、導出配管24を通して冷却プレート21の外部に設けられた冷却設備に送られる。これにより、複数の熱電素子e1~e10の発熱時に、複数の熱電素子e1~e10の過剰な温度上昇を抑制することができる。
上記のノズル装置150においては、複数の熱電素子e1~e10が予め定められた温度で発熱するように、対応する温度センサtsにより検出される温度に基づいて駆動回路152c(図17)が制御される。それにより、吐出口14の複数の部分から吐出される塗布液の温度をそれぞれ所望の温度に調整することができる。
図2の塗布装置100においては、図4のノズルブロック151に代えて以下の構成を有するノズルブロックが設けられてもよい。図6は、ノズルブロック151の変形例を示す図である。図6のノズルブロック151が図4のノズルブロック151と異なる点を説明する。
図6の上段に示すように、本例のノズルブロック151においては、塗布液流路13内に複数の伝熱部15が設けられている。図6では、複数の伝熱部15の形状の理解を容易にするために、複数の伝熱部15の部分にハッチングが施されている。伝熱部15は、ノズルブロック151と同様に、金属等の高い熱伝導性を有する材料により形成され、塗布液流路13内部でZ方向に延びるようにかつY方向に並ぶように設けられている。なお、伝熱部15は、ノズルブロック151と同じ材料で形成されてもよい。この場合、ノズルブロック151および伝熱部15は単一部材で構成されてもよい。
伝熱部15を備えるノズルブロック151においては、図6の下段に示すように、塗布液流路13の内部で複数の伝熱部15の間を通過するように塗布液が流れる。この場合、塗布液流路13を流れる塗布液には、図5の熱電素子e1~e10で発生する熱がノズルブロック151および複数の伝熱部15を通して効率よく伝達される。
ここで、塗布液の粘度は、塗布液の温度が高いほど低く、塗布液の温度が低いほど高い。また、一定の断面積を有する流路内を塗布液が流れる場合、塗布液の粘度が高いと、当該流路内を流れる塗布液の流量は減少する。一方、塗布液の粘度が低いと、当該流路内を流れる塗布液の流量は増加する。したがって、上記のように、吐出口14の複数の部分から吐出される塗布液の温度を調整すれば、吐出口14の複数の部分から吐出される塗布液の流量を制御することができる。
そこで、本実施の形態では、基板Wの外周部に供給される塗布液の温度が他の部分に供給される塗布液の温度に比べて低くなるように、ノズル装置150において塗布液の温度が調整される。この場合、基板Wの外周部に供給される塗布液の量が基板Wの他の部分(中央部等)に供給される塗布液の量よりも少なくなる。その結果、スリット塗布を採用する場合においても、基板Wの外周部で他の領域に比べて塗布液の膜厚が大きくなることを防止することができる。
図7~図12は、図4のノズル装置150を用いた基板Wの塗布処理の具体例を示す図である。図7~図12では、塗布処理中の基板Wに対するノズル装置150の動作が時系列順に平面図で示される。また、図7~図12に示される基板Wにおいては、当該基板Wの外周端部を含む一定幅の領域が円環状領域RRとして定義され、円環状領域RRの内側の領域が中央領域IRとして定義されている。さらに、Y方向においては、ノズル調整部152の複数の熱電素子e1,e2,e3,e4,e5,e6,e7,e8,e9,e10は、基板Wの一端部から他端部までの範囲をカバーするように等間隔で並んでいる。
本例では、基板Wに対するノズル装置150の走査時に、吐出口14のうち平面視で基板Wの円環状領域RRに重なる部分から吐出される塗布液の温度が予め定められた第1の温度に調整される。また、吐出口14のうち平面視で基板Wの円環状領域RRに重ならない部分から吐出される塗布液の温度が第1の温度よりも高い第2の温度に調整される。
そのため、吐出口14の少なくとも一部が基板Wの円環状領域RRに重なる場合には、平面視で円環状領域RRに重なる吐出口14の部分に対応する一部の熱電素子の温度が他の熱電素子の温度よりも低くなるように、駆動回路152c(図17)が制御される。図7~図12では、複数の熱電素子のうち発熱量が低く設定される一部の熱電素子が濃いハッチングで示される。
具体的には、図7の状態で、吐出口14の全ての部分は基板Wの円環状領域RRから外れている。この場合、全ての熱電素子e1~e10の温度が例えば第2の温度に設定される。
また、図8の状態で、吐出口14の中央部分が円環状領域RRに重なる。この場合、熱電素子e1~e10のうち吐出口14の中央部分に対応する熱電素子e5,e6の温度が例えば第1の温度に設定され、他の熱電素子e1~e4,e7~e10の温度が例えば第2の温度に設定される。
また、図9の状態で、吐出口14の2つの部分が円環状領域RRに重なる。この場合、熱電素子e1~e10のうち吐出口14の2つの部分に対応する熱電素子e2,e9の温度が例えば第1の温度に設定され、他の熱電素子e1,e3~e8,e10の温度が例えば第2の温度に設定される。
また、図10の状態で、吐出口14の両端部が円環状領域RRに重なる。この場合、熱電素子e1~e10のうち吐出口14の両端部に対応する熱電素子e1,e10の温度が例えば第1の温度に設定され、他の熱電素子e2~e9の温度が例えば第2の温度に設定される。
また、図11の状態で、吐出口14の2つの部分が円環状領域RRに重なる。この場合、熱電素子e1~e10のうち吐出口14の2つの部分に対応する熱電素子e2,e9の温度が例えば第1の温度に設定され、他の熱電素子e1,e3~e8,e10の温度が例えば第2の温度に設定される。
さらに、図12の状態で、吐出口14の中央部分が円環状領域RRに重なる。この場合、熱電素子e1~e10のうち吐出口14の中央部分に対応する熱電素子e5,e6の温度が例えば第1の温度に設定され、他の熱電素子e1~e4,e7~e10の温度が例えば第2の温度に設定される。
上記の具体例によれば、基板Wの円環状領域RRに供給される塗布液の温度が基板Wの中央領域IRに供給される塗布液の温度に比べて低くなる。それにより、基板Wの円環状領域RRに供給される塗布液の量を基板Wの中央領域IRに供給される塗布液の量に比べて小さくすることができる。その結果、基板Wの外周部に形成される塗布膜FFの厚みが他の部分に比べて大きくなることが抑制される。
なお、複数の熱電素子e1~e10の温度は、基板Wの塗布処理中、熱電素子ごとに予め定められた一定の値で維持されるように設定されてもよい。この場合、例えばノズル装置150の走査方向(X方向)に直交する方向(Y方向)で、温度勾配が設けられるように各熱電素子の設定温度を定める。具体的には、Y方向において基板Wの中心から外方に向かうにつれて設定温度が低くなるように各熱電素子の設定温度を定める。それにより、ノズル装置150の走査速度を調整することによりX方向における基板W上の膜厚制御を行いつつ、複数の熱電素子e1~e10を用いた温度制御によりY方向における基板W上の塗布液の膜厚制御を行うことができる。
上記のノズルブロック151が金属により形成される場合、ノズルブロック151のうち塗布液が接触する可能性がある部分には、耐腐食性を有する材料をコーティングしておくことが好ましい。それにより、塗布液として、金属を腐食するような薬液を用いることが可能になる。
[5]ステージ装置130
図13は、図2のステージ装置130の平面図である。図14は、図2のステージ装置130の分解斜視図である。以下の説明では、図2のステージ装置130について、主としてプレート部材131およびプレート調整部132の構成を説明する。そのため、図13および図14では、プレート部材131に形成される複数の吸気孔および複数のピン挿入孔の図示を省略する。また、プレート部材131の下部に設けられる複数の支持ピン133、ピン昇降駆動部134および吸引駆動部135の図示を省略する。
図13は、図2のステージ装置130の平面図である。図14は、図2のステージ装置130の分解斜視図である。以下の説明では、図2のステージ装置130について、主としてプレート部材131およびプレート調整部132の構成を説明する。そのため、図13および図14では、プレート部材131に形成される複数の吸気孔および複数のピン挿入孔の図示を省略する。また、プレート部材131の下部に設けられる複数の支持ピン133、ピン昇降駆動部134および吸引駆動部135の図示を省略する。
本実施の形態に係るステージ装置130においては、プレート部材131の基板載置部分に、複数の領域arが設定されている。図13の例では、複数の領域arは、基板Wの中心を基準として半径方向に放射状に並ぶようにかつ基板Wの周方向に等角度間隔で並ぶように設定されている。プレート部材131上に載置される基板Wの半径方向において、基板Wの外周部に重なる複数の領域arの各々の寸法は、基板Wの中央部に重なる複数の領域arの各々の寸法よりも小さい。
また、本実施の形態においては、複数の領域arのうち最外周に位置する複数の領域arの外縁は、平面視でプレート部材131上に載置される基板Wの外周端部に重なるかまたは基板Wの外周端部を取り囲む。プレート部材131上に載置される基板Wの半径方向において、複数の領域arのうち最外周に位置する複数の領域arの内縁と、プレート部材131上に載置される基板Wの外周端部との間の距離dd(図13)は、例えば20mm以下であることが好ましい。
図14に示すように、プレート部材131の下部には、プレート調整部132が設けられる。プレート調整部132は、複数の温度センサts、複数の熱電素子teおよび冷却プレート136を含む。複数の温度センサtsは、プレート部材131の複数の領域arにそれぞれ対応し、プレート部材131の下面に取り付けられる。複数の熱電素子teは、平面視でプレート部材131に設定された複数の領域arにそれぞれ重なるように、プレート部材131の下方に設けられている。複数の熱電素子teの各々は、例えばマイカヒータまたはペルチェ素子等で構成される。
複数の熱電素子teの各々には、当該熱電素子を発熱させるための駆動回路132c(図17)が接続されている。駆動回路132c(図17)により複数の熱電素子teがそれぞれ発熱すると、各熱電素子teの直上に位置するプレート部材131の領域arが加熱される。それにより、プレート部材131の複数の領域ar上に位置する基板Wの複数の部分が、複数の熱電素子teのそれぞれの発熱状態に応じて加熱される。したがって、基板W上に塗布液の液膜が形成される際には、さらにプレート部材131の複数の領域ar上に位置する塗布液の液膜が、複数の熱電素子teのそれぞれの発熱状態に応じて加熱される。
冷却プレート136は、熱伝導性に優れた材料で形成された円形の板部材であり、複数の熱電素子teがプレート部材131と冷却プレート136との間に挟み込まれるように、複数の熱電素子teを下方から支持する。冷却プレート136の内部には、冷却水流路136aが設けられている。
冷却プレート136の冷却水流路136aには、冷却設備から冷却水が供給される。また、冷却プレート136の冷却水流路136aを流れた冷却水は、冷却プレート21の外部に設けられた冷却設備に送られる。これにより、複数の熱電素子teの発熱時に、複数の熱電素子teの過剰な温度上昇を抑制することができる。
上記のステージ装置130においては、複数の熱電素子teが予め定められた温度で発熱するように、対応する温度センサtsにより検出される温度に基づいて複数の熱電素子teの駆動回路132c(図17)が制御される。それにより、プレート部材131上に吸着保持された基板W上に塗布液が供給された場合に、基板W上の塗布液の温度を所望の温度に調整することができる。
具体的には、本例では、複数の熱電素子teの駆動回路132c(図17)は、基板Wの外周部に位置する塗布液の温度が基板Wの中央部に位置する塗布液の温度よりも著しく低くならないように制御される。あるいは、複数の熱電素子teの駆動回路132c(図17)は、基板Wの外周部に位置する塗布液の温度が基板Wの中央部に位置する塗布液の温度と同じかその温度よりも高くなるように制御される。
この場合、基板Wの外周部に位置する塗布液の粘度が、基板Wの中央部に位置する塗布液の粘度に比べて著しく低くなることが抑制される。それにより、基板Wの外周部に形成される塗布膜FFの厚みが、基板Wの中央部に形成される塗布膜FFの厚みよりも大きくなることが抑制される。
なお、冷却プレート136に供給される冷却水の温度は、ステージ装置130において温度調整が行われるべき温度範囲の下限値よりも低く設定されている必要がある。
上記のステージ装置130においては、図14のプレート調整部132に加えて、プレート部材131上に吸着保持される基板Wの外周部上の塗布液の温度をより大きく調整するための補助装置が設けられてもよい。
図15は、図14のステージ装置130に取り付けられる温度調整用の補助装置の一例を示す図である。図15に示すように、本例の補助装置137は、例えばプレート部材131の下方の位置で、プレート調整部132のさらに下方に設けられる。あるいは、補助装置137は、例えばプレート部材131の下方の位置で、プレート調整部132を取り囲むように設けられる。
ここで、補助装置137は、例えばヒータ線または冷却水配管を含む。補助装置137としてヒータ線が用いられる場合には、プレート部材131上に載置される基板Wの外周部上の塗布液をより大きな出力で加熱することができる。一方、補助装置137として冷却水配管が用いられる場合には、プレート部材131上に載置される基板Wの外周部上の塗布液をより大きな出力で冷却することができる。
[6]ステージ装置130の他の構成例
図16は、ステージ装置130の他の構成例を示す平面図である。本例では、プレート部材131に、Y方向に並ぶ複数の矩形状の領域arが設定されている。複数の矩形状の領域arの各々はX方向に延びている。各領域arのX方向の長さは、基板Wの直径よりも長い。
図16は、ステージ装置130の他の構成例を示す平面図である。本例では、プレート部材131に、Y方向に並ぶ複数の矩形状の領域arが設定されている。複数の矩形状の領域arの各々はX方向に延びている。各領域arのX方向の長さは、基板Wの直径よりも長い。
プレート部材131の下部には、プレート調整部132が設けられる。本例のプレート調整部132は、各領域arに対応する温度調整部材138と、各領域arに対応する温度センサtsと、図示しない冷却プレートとを含む。温度調整部材138は、例えばヒータ線である。
本例では、各領域arに設けられる温度センサtsにより検出される温度に基づいて複数の温度調整部材138が駆動される。このとき、ノズル装置150の走査方向(X方向)に直交する方向(Y方向)で温度勾配が設けられるように、各温度調整部材138の設定温度が定められる。それにより、Y方向における基板W上の塗布液の膜厚制御を行うことができる。
[7]塗布装置100の制御系
図17は塗布装置100の制御系統の構成を示すブロック図である。制御部110は、CPU、RAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM(リードオンリメモリ)および記憶装置を含む。RAMは、CPUの作業領域として用いられる。CPUが記憶装置に記憶された塗布処理プログラムをRAM上で実行することにより塗布装置100の各部の動作が制御される。
図17は塗布装置100の制御系統の構成を示すブロック図である。制御部110は、CPU、RAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM(リードオンリメモリ)および記憶装置を含む。RAMは、CPUの作業領域として用いられる。CPUが記憶装置に記憶された塗布処理プログラムをRAM上で実行することにより塗布装置100の各部の動作が制御される。
制御部110は、ピン昇降駆動部134、吸引駆動部135、X方向駆動部141、Z方向駆動部142および液供給部143を制御する。それにより、ピン昇降駆動部134は、例えば塗布装置100における基板Wの搬入および搬出時に複数の支持ピン133を上下動させる。吸引駆動部135は、基板Wをプレート部材131上に吸着保持する。
X方向駆動部141は、ノズル装置150をX方向に移動させる。Z方向駆動部142は、ノズル装置150をZ方向に移動させる。液供給部143は、ノズル装置150のノズルブロック151に塗布液を供給する。
制御部110には、基板Wの円環状領域RRに吐出されるべき塗布液の温度(第1の温度)と基板Wの中央領域IRに吐出されるべき塗布液の温度(第2の温度)とを示す情報が予めノズル温度情報として記憶されている。制御部110は、ノズル温度情報とノズル調整部152の複数の温度センサtsにより検出される温度とに基づいて駆動回路152cを制御する。それにより、基板Wの塗布処理中に、熱電素子e1~e10の各々が第1および第2の温度のいずれかに対応する温度で発熱する。
制御部110には、プレート部材131の複数の領域arの各々について調整されるべき目標温度を含む情報が予めプレート温度情報として記憶されている。制御部110は、プレート温度情報とプレート調整部132の複数の温度センサtsにより検出される温度とに基づいて駆動回路132cを制御する。それにより、基板Wの塗布処理中に、複数の熱電素子teの各々が、当該熱電素子teに対応する領域arの目標温度で発熱する。
[8]液膜乾燥装置200の構成および基本動作
図18は、図1の液膜乾燥装置200の模式的な外観斜視図である。図18に示すように、液膜乾燥装置200は、主として制御部210、ベース部材220、ステージ装置230、蓋部材240および蓋昇降装置250から構成され、図示しない筐体内に収容されている。
図18は、図1の液膜乾燥装置200の模式的な外観斜視図である。図18に示すように、液膜乾燥装置200は、主として制御部210、ベース部材220、ステージ装置230、蓋部材240および蓋昇降装置250から構成され、図示しない筐体内に収容されている。
制御部210は、図1の制御装置500からの指令信号等に応答して液膜乾燥装置200の各部の動作を制御する。制御部210の詳細は後述する。ベース部材220は、図示しない筐体の底面上に設けられている。ベース部材220上にステージ装置230が設けられている。ステージ装置230には、液膜乾燥装置200に搬入される基板Wが載置される。ステージ装置230の詳細については後述する。
蓋部材240は、ベース部材220の上方の位置で蓋昇降装置250により上下方向に移動可能に支持されている。蓋部材240は、ステージ装置230を収容可能でかつ下方に向かって開放された内部空間ISを有する。また、ベース部材220および蓋部材240は、上下方向において互いに対向する当接面220s,240sを有する。当接面220s,240sは、平面視でステージ装置230を取り囲むように形成されている。当接面220s,240sのうち少なくとも一方には、Oリング等の図示しないシール部材が設けられている。
蓋昇降装置250は、例えばモータまたはエアシリンダ等のアクチュエータを含み、制御部210の制御に基づいて蓋部材240を上下方向に移動させる。これにより、蓋部材240が下降してベース部材220および蓋部材240の当接面220s,240sが接触すると、蓋部材240の内部空間ISにステージ装置230が収容された状態で当該内部空間ISが気密状態となる。一方、蓋部材240が上昇してベース部材220および蓋部材240の当接面220s,240sが互いに離間すると、蓋部材240の内部空間ISが開放状態となり、ステージ装置230に対して外部からのアクセスが可能になる。このように、液膜乾燥装置200においては、ベース部材220および蓋部材240により1つのチャンバCHが構成される。
ステージ装置230は、プレート部材231、プレート調整部232、複数の支持ピン233、ピン昇降駆動部234および減圧装置235を含む。プレート部材231は、塗布装置100のプレート部材131と基本的に同じ構成を有する。プレート部材231がプレート部材131と異なる点は、プレート部材231には複数の吸気孔が形成されない点、プレート部材231の上面に基板Wを支持するための図示しない複数の支持片が設けられている点である。複数の支持片は、例えば、セラミックにより形成された半球状のプロキシミティボールである。また、プレート部材231は、石材により形成される必要はなく、金属または樹脂等で形成されていてもよい。
ステージ装置230においては、プレート部材231の下部にプレート調整部232、複数の支持ピン233、ピン昇降駆動部234および減圧装置235が設けられている。
複数の支持ピン233は、上下方向に延びるようにかつ平面視で基板載置部分に設けられた複数のピン挿入孔にそれぞれ重なるようにピン昇降駆動部234により支持されている。ピン昇降駆動部234は、制御部210の制御に基づいて複数の支持ピン233を上下方向に移動させる。それにより、複数の支持ピン233の上端部は、プレート部材231よりも上方のピン上昇位置と、プレート部材231よりも下方のピン下降位置との間を移動する。
これにより、液膜乾燥装置200における基板Wの搬入時には、複数の支持ピン233の上端部がピン上昇位置にある状態で、図1の搬送装置400により搬送される基板Wが複数の支持ピン233上に渡される。また、液膜乾燥装置200における基板Wの搬出時には、複数の支持ピン233の上端部がピン上昇位置にある状態で、複数の支持ピン233上に支持された基板Wが図1の搬送装置400により受け取られる。さらに、液膜乾燥装置200における基板Wの乾燥処理時には、複数の支持ピン233の上端部がピン下降位置にある状態で、プレート部材231の基板載置部分に基板Wが支持される。
液膜乾燥装置200のプレート部材231には、塗布装置100のプレート部材131と同様に、基板載置部分に複数の領域arが設定されている。図18では、プレート部材231に設定された複数の領域arが吹き出し内に示される。液膜乾燥装置200のプレート調整部232は、塗布装置100のプレート調整部132と同じ構成を有し、プレート調整部132と同様に、制御部210の制御に基づいて、プレート部材231の複数の領域arの温度を調整する。
具体的には、プレート調整部232が備える複数の熱電素子teの駆動回路132cは、基板Wの外周部に位置する塗布液の温度が基板Wの中央部に位置する塗布液の温度よりも著しく低くならないように制御される。あるいは、プレート調整部232が備える複数の熱電素子teの駆動回路132cは、基板Wの外周部に位置する塗布液の温度が基板Wの中央部に位置する塗布液の温度と同じかその温度よりも高くなるように制御される。
この場合、基板Wの外周部に位置する塗布液の粘度が、基板Wの中央部に位置する塗布液の粘度に比べて著しく低くなることが抑制される。それにより、基板Wの外周部に形成される塗布膜FFの厚みが、基板Wの中央部に形成される塗布膜FFの厚みよりも大きくなることが抑制される。
減圧装置235は、真空ポンプ、バルブおよび複数の配管等を含み、蓋部材240がベース部材220に接触する状態、すなわちチャンバCHが閉じた状態で、内部空間ISの圧力を調整可能に構成される。減圧装置235は、ステージ装置230とは別体でベース部材220に設けられてもよい。
具体的には、減圧装置235は、塗布液の液膜が形成された基板Wがプレート部材231上に載置されかつチャンバCHが閉じられた状態で、内部空間ISの雰囲気を吸引し、内部空間ISの絶対圧力を100Paよりも低くなるように減圧する。これにより、基板W上の塗布液の揮発が促進されて、基板W上の液膜が乾燥し、塗布膜FFが形成される。
また、減圧装置235は、基板Wの乾燥処理の終了時に、減圧された内部空間ISを大気圧に戻すために、図示しない不活性ガス供給部から供給される不活性ガスを内部空間ISに導入する。それにより、チャンバCHが開放され、塗布膜FFの形成された基板Wが液膜乾燥装置200から搬出される。
[9]液膜乾燥装置200の制御系
図19は液膜乾燥装置200の制御系統の構成を示すブロック図である。制御部210は、CPU、RAM、ROMおよび記憶装置を含む。RAMは、CPUの作業領域として用いられる。CPUが記憶装置に記憶された乾燥処理プログラムをRAM上で実行することにより液膜乾燥装置200の各部の動作が制御される。
図19は液膜乾燥装置200の制御系統の構成を示すブロック図である。制御部210は、CPU、RAM、ROMおよび記憶装置を含む。RAMは、CPUの作業領域として用いられる。CPUが記憶装置に記憶された乾燥処理プログラムをRAM上で実行することにより液膜乾燥装置200の各部の動作が制御される。
制御部210は、ピン昇降駆動部234、減圧装置235、蓋昇降装置250およびプレート調整部232を制御する。それにより、ピン昇降駆動部234は、例えば液膜乾燥装置200における基板Wの搬入および搬出時に複数の支持ピン233を上下動させる。減圧装置235は、チャンバCHが閉じられた状態で蓋部材240の内部空間ISを大気圧から減圧する。あるいは、減圧装置235は、チャンバCHが閉じられた状態で蓋部材240の内部空間ISを減圧された状態から大気圧に戻す。
制御部210には、プレート部材231の複数の領域arの各々について調整されるべき目標温度を含む情報が予めプレート温度情報として記憶されている。制御部210は、プレート温度情報とプレート調整部232の複数の温度センサtsにより検出される温度とに基づいて駆動回路132cを制御する。それにより、基板Wの塗布処理中に、複数の熱電素子teの各々が、当該熱電素子teに対応する領域arの目標温度で発熱する。
[10]効果
(1)上記の塗布装置100においては、プレート部材131上に基板Wが保持された状態で、プレート部材131上をノズル装置150が移動する。このとき、ノズル装置150のスリット状の吐出口14から基板Wの上面に塗布液が吐出される。それにより、基板Wの上面全体に塗布液の膜が形成される。このような塗布液の膜の形成方法(スリット塗布)によれば、塗布むらの発生を抑制することができる。
(1)上記の塗布装置100においては、プレート部材131上に基板Wが保持された状態で、プレート部材131上をノズル装置150が移動する。このとき、ノズル装置150のスリット状の吐出口14から基板Wの上面に塗布液が吐出される。それにより、基板Wの上面全体に塗布液の膜が形成される。このような塗布液の膜の形成方法(スリット塗布)によれば、塗布むらの発生を抑制することができる。
また、上記の基板処理装置1においては、基板W上の位置に応じて基板Wに供給される前の塗布液または基板Wに供給された後の塗布液に対する温度調整が行われる。具体的には、塗布装置100のノズル装置150において、ノズル装置150の移動時に、基板W上の位置に応じて吐出口14の複数の部分に導かれる塗布液の温度が調整される。これにより、基板W上の複数の部分に、塗布膜FFを均一化させるためにそれぞれ適切な量の塗布液を供給することが可能になる。
また、塗布装置100のステージ装置130において、プレート部材131上に基板Wが載置された状態で、プレート部材131の複数の領域arの温度が、塗布膜FFを均一化させるためにそれぞれ適切な温度に調整される。さらに、液膜乾燥装置200のステージ装置230において、プレート部材231上に基板Wが載置された状態で、プレート部材231の複数の領域arの温度が、塗布膜FFを均一化させるためにそれぞれ適切な温度に調整される。これらの結果、基板W上に形成される塗布膜FFの厚みが均一化される。
(2)上記のように、プレート部材131,231上に載置される基板Wの半径方向において、基板Wの外周部に重なる複数の領域arの各々の寸法は、基板Wの中央部に重なる複数の領域arの各々の寸法よりも小さい。この場合、基板Wの中央部上に位置する塗布液の温度に比べて、基板Wの外周部上に位置する塗布液の温度をより高い精度で調整することができる。
[11]他の実施の形態
(1)上記実施の形態に係る基板処理装置1においては、塗布装置100のノズル装置150にノズル調整部152が設けられなくてもよい。さらに、基板処理装置1には、液膜乾燥装置200が設けられなくてもよい。このような場合でも、塗布装置100においては、プレート調整部132による基板W上の塗布液の温度調整が行われることにより、基板W上の塗布液の液膜の厚みが不均一になることが低減される。したがって、塗布膜FFの厚みが均一化される。
(1)上記実施の形態に係る基板処理装置1においては、塗布装置100のノズル装置150にノズル調整部152が設けられなくてもよい。さらに、基板処理装置1には、液膜乾燥装置200が設けられなくてもよい。このような場合でも、塗布装置100においては、プレート調整部132による基板W上の塗布液の温度調整が行われることにより、基板W上の塗布液の液膜の厚みが不均一になることが低減される。したがって、塗布膜FFの厚みが均一化される。
(2)上記実施の形態に係る基板処理装置1においては、塗布装置100のステージ装置130にプレート調整部132が設けられなくてもよい。さらに、基板処理装置1には、液膜乾燥装置200が設けられなくてもよい。このような場合でも、塗布装置100においては、ノズル調整部152による塗布液の温度調整が行われることにより、基板W上の塗布液の液膜の厚みが不均一になることが低減される。したがって、塗布膜FFの厚みが均一化される。
(3)上記実施の形態に係る基板処理装置1においては、塗布装置100のノズル装置150にノズル調整部152が設けられなくてもよい。また、塗布装置100のステージ装置130にプレート調整部132が設けられなくてもよい。このような場合でも、液膜乾燥装置200においては、プレート調整部232による基板W上の塗布液の温度調整が行われることにより、基板W上の塗布液の液膜の厚みが不均一になることが低減される。したがって、塗布膜FFの厚みが均一化される。
(4)上記実施の形態に係る基板処理装置1においては、塗布装置100が設けられなくてもよい。このような場合でも、液膜乾燥装置200においては、プレート調整部232による基板W上の塗布液の温度調整が行われることにより、基板W上の塗布液の液膜の厚みが不均一になることが低減される。したがって、塗布膜FFの厚みが均一化される。
[12]請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応関係
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。
上記実施の形態においては、プレート部材131が第1のプレート部材の例であり、ステージ装置130が第1の基板保持部の例であり、吐出口14が吐出口の例であり、ノズル装置150が液供給部の例であり、ノズル支持体140、X方向駆動部141およびZ方向駆動部142が相対的移動部の例であり、ノズル調整部152およびプレート調整部132が温度調整部の例であり、基板処理装置1が基板処理装置の例である。
また、塗布液流路13が塗布液流路の例であり、ノズル調整部152が塗布液調整部の例であり、Y方向が第1の方向の例であり、X方向が第2の方向の例であり、円環状領域RRが円環状領域の例であり、中央領域IRが中央領域の例であり、複数の領域arが複数の領域の例であり、プレート調整部132が第1のプレート調整部の例である。
また、塗布装置100が塗布装置の例であり、液膜乾燥装置200が液膜乾燥装置の例であり、プレート部材231が第2のプレート部材およびプレート部材の例であり、ステージ装置230が第2の基板保持部および基板保持部の例であり、チャンバCHがチャンバの例であり、減圧装置235が液膜乾燥部の例であり、プレート調整部232が第2のプレート調整部および温度調整部の例である。
1…基板処理装置,11…液導入路,12…塗布液バッファ部,13…塗布液流路,14…吐出口,15…伝熱部,21…冷却プレート,22…冷却水流路,23…導入配管,24…導出配管,100…塗布装置,110,210…制御部,120…ステージ支持体,121…ガイドレール,130,230…ステージ装置,131,231…プレート部材,132,232…プレート調整部,132c,152c…駆動回路,133,233…支持ピン,134,234…ピン昇降駆動部,135…吸引駆動部,136…冷却プレート,136a…冷却水流路,137…補助装置,138…温度調整部材,140…ノズル支持体,141…X方向駆動部,142…Z方向駆動部,143…液供給部,150…ノズル装置,151…ノズルブロック,151s…ノズル前面,152…ノズル調整部,153…配管,200…液膜乾燥装置,220…ベース部材,220s,240s…当接面,235…減圧装置,240…蓋部材,250…蓋昇降装置,300…後処理装置,310…スピンチャック,320…カップ,331…エッジリンスノズル,332…バックリンスノズル,400…搬送装置,500…制御装置,CH…チャンバ,FF…塗布膜,IR…中央領域,IS…内部空間,RR…円環状領域,SN…スリットノズル,VS…仮想面,W…基板,ar…領域,dd…距離,e1~e10,te…熱電素子,ts…温度センサ
Claims (11)
- 少なくとも一部が円形状の外周部を有する基板が載置される第1のプレート部材を有し、前記第1のプレート部材に載置された基板を予め定められた固定姿勢で保持する第1の基板保持部と、
前記第1の基板保持部よりも上方の位置に設けられ、スリット状の吐出口を有し、前記吐出口から基板の上面に塗布液を吐出する液供給部と、
前記液供給部から吐出される前記塗布液により前記第1の基板保持部に保持された基板の上面全体に前記塗布液の膜が形成されるように、前記第1のプレート部材と前記液供給部とを相対的に移動させる相対的移動部と、
前記液供給部において吐出口に導かれる塗布液および基板上に塗布された前記塗布液のうち少なくとも一方の塗布液に対する温度調整を行う温度調整部とを備える、基板処理装置。 - 前記液供給部は、塗布液供給系から供給される塗布液を前記吐出口に導く塗布液流路を含み、
前記温度調整部は、前記液供給部の前記吐出口の複数の部分から吐出される塗布液の流量分布が予め定められた流量分布となるように、前記塗布液流路を通して前記吐出口の複数の部分に導かれる塗布液の温度をそれぞれ調整する塗布液調整部を含む、請求項1記載の基板処理装置。 - 前記塗布液調整部は、基板の外周部の少なくとも一部に供給される塗布液の温度が、基板の中央部に供給される塗布液の温度よりも低くなるように、前記吐出口の前記複数の部分に導かれる塗布液の温度をそれぞれ調整する、請求項2記載の基板処理装置。
- 前記液供給部は、前記吐出口が第1の方向に延びるように配置され、
前記相対的移動部は、前記第1の基板保持部に基板が前記固定姿勢で保持された状態で、前記液供給部の前記吐出口が基板上の空間を通過するように、前記第1の方向に交差する第2の方向に前記液供給部と前記第1の基板保持部とを相対的に移動させ、
前記第1のプレート部材に載置された基板には、外周端部を含む一定幅の円環状領域と、前記円環状領域の内側の中央領域とが定義され、
前記塗布液調整部は、
前記相対的移動部による前記液供給部と前記第1の基板保持部との間の相対的な移動時に、前記液供給部の前記吐出口の複数の部分のうち平面視で前記第1のプレート部材に載置された基板の前記円環状領域に重なる部分から吐出される塗布液の温度を予め定められた第1の温度に調整し、前記液供給部の前記吐出口の複数の部分のうち平面視で前記第1のプレート部材に載置された基板の前記円環状領域に重ならない部分から吐出される塗布液の温度を前記第1の温度よりも高い第2の温度に調整する、請求項2記載の基板処理装置。 - 前記第1のプレート部材は、複数の領域を有し、
前記温度調整部は、前記第1のプレート部材の前記複数の領域の温度をそれぞれ調整する第1のプレート調整部を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の基板処理装置。 - 前記第1のプレート部材の前記複数の領域は、
前記第1のプレート部材上に載置された基板の外周部の少なくとも一部に重なる複数の第1の領域と、
前記第1のプレート部材上に載置された基板の中央部に重なる複数の第2の領域とを含み、
基板の半径方向における前記複数の第1の領域の各々の寸法は、基板の半径方向における前記複数の第2の領域の各々の寸法よりも小さい、請求項5記載の基板処理装置。 - 前記第1のプレート調整部は、前記第1のプレート部材上に載置された基板の外周部の少なくとも一部に重なる部分の温度が、前記第1のプレート部材上に載置された基板の中央部に重なる部分の温度よりも高くなるように、前記第1のプレート部材の前記複数の領域の温度をそれぞれ調整する、請求項5または6記載の基板処理装置。
- 基板に塗布液を塗布する塗布装置と、
前記塗布装置により基板上に形成された塗布液の膜を乾燥させる液膜乾燥装置とを備え、
前記塗布装置は、前記第1の基板保持部、前記液供給部および前記相対的移動部を含み、
前記液膜乾燥装置は、
前記塗布装置により前記塗布液の膜が形成された基板が載置される第2のプレート部材を有し、前記第2のプレート部材に載置された基板を予め定められた固定姿勢で保持する第2の基板保持部と、
前記第2の基板保持部を収容する内部空間を有するチャンバと、
前記第2の基板保持部により基板が保持された状態で、前記チャンバ内部の空間を減圧することにより前記第2の基板保持部により保持された基板上に形成された前記塗布液の膜を乾燥させる液膜乾燥部とを含み、
前記第2のプレート部材は、複数の領域を有し、
前記温度調整部は、前記第2のプレート部材の前記複数の領域の温度をそれぞれ調整する第2のプレート調整部を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の基板処理装置。 - 前記第2のプレート部材の前記複数の領域は、
前記第2のプレート部材上に載置された基板の外周部の少なくとも一部に重なる複数の第3の領域と、
前記第2のプレート部材上に載置された基板の中央部に重なる複数の第4の領域とを含み、
基板の半径方向における前記複数の第3の領域の寸法は、基板の半径方向における前記複数の第4の領域の寸法よりも小さい、請求項8記載の基板処理装置。 - 前記第2のプレート調整部は、前記第2のプレート部材上に載置された基板の外周部の少なくとも一部に重なる部分の温度が、前記第2のプレート部材上に載置された基板の中央部に重なる部分の温度よりも高くなるように、前記第2のプレート部材の前記複数の領域の温度をそれぞれ調整する、請求項8または9記載の基板処理装置。
- 少なくとも一部が円形状の外周部を有するとともに、塗布液の膜が形成された基板が載置されるプレート部材を有し、前記プレート部材に載置された基板を一定姿勢で保持する基板保持部と、
前記基板保持部を収容する内部空間を有するチャンバと、
前記基板保持部により基板が保持された状態で、前記チャンバ内部の空間を減圧することにより前記基板保持部により保持された基板上に形成された前記塗布液の膜を乾燥させる液膜乾燥部と、
基板上に塗布された前記塗布液に対する温度調整を行う温度調整部とを備え、
前記プレート部材は、複数の領域を有し、
前記温度調整部は、前記プレート部材の前記複数の領域の温度をそれぞれ調整する、基板処理装置。
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