JP2023045295A - 回転センサ付軸受 - Google Patents

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Hiroyoshi Ito
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Abstract

【課題】磁気センサの検出精度を向上させることができる回転センサ付軸受を提供する。【解決手段】回転センサ付軸受1は、回転輪である内輪2と、固定輪である外輪4と、内輪2と外輪6との間に介在された転動体6と、転動体6を保持する保持器8と、回転センサ14とを備えている。回転センサ14は、回転体の回転状態を物理量として検出し、電気信号に変換して回転情報を出力する。前記物理量が磁束の変化であり、回転センサ14は、この磁束の変化が読み取ることにより、絶対角度情報や相対角度情報が符号化された電気信号または電圧変化の信号に変換して出力する。回転センサ14は、回転輪2側に配置されて磁束を発生する磁気リング16と、固定輪4側に配置されてこの磁束の変化を読み取る磁気センサ18とを有し、磁気リング16が、内輪2に挿通された回転軸体10の外径面10aに固定されている。【選択図】図1

Description

本発明は、転がり軸受に回転センサを一体化した回転センサ付軸受に関する。
回転センサ付軸受として、転がり軸受の回転輪(内輪)に磁気エンコーダが固定され、固定輪(外輪)側に磁気センサが固定されたものがある(例えば、特許文献1)。特許文献1の軸受において、磁気センサの内部で磁気信号を処理して、着磁極対数よりも多くのパルスを出力可能な高分解能検出、あるいは絶対角検出が可能な磁気センサを用いる場合、磁気センサと磁気エンコーダとの位置合わせ(隙間、偏芯等)が、検出精度に影響するため、重要になる。
特開2017-101783号公報
特許文献1の軸受では、上述のように磁気センサと磁気エンコーダとの位置合わせ(隙間、偏芯)が検出精度に影響するが、磁気エンコーダが軸受の回転輪の外径面に固定されているので、回転輪の内径面と外径面との同軸度を無視することができない。この同軸度の影響により、磁気エンコーダの外周面(検出面)に回転振れが発生する恐れがある。磁気エンコーダの検出面に回転振れが発生すると、磁気センサの検出精度が悪化する。
本発明の目的は、磁気センサの検出精度を向上させることができる回転センサ付軸受を提供することである。
本発明の回転センサ付軸受は、回転輪である内輪と、固定輪である外輪と、前記内輪と前記外輪との間に介在された転動体と、前記転動体を保持する保持器と、回転センサとを備えている。回転センサは、回転体の回転状態を物理量として検出し、電気信号に変換して回転情報を出力する。前記物理量が磁束の変化であり、回転センサは、この磁束の変化を読み取ることにより、絶対角度情報または相対角度情報が符号化された電気信号、例えば電圧変化の信号に変換して出力している。前記回転センサは、回転輪側に配置されて前記磁束を発生する磁気リングと、固定輪側に配置されてこの磁束の変化を読み取る磁気センサとを有し、前記磁気リングが、前記内輪に挿通された回転軸体の外径面に固定されている。
この構成によると、回転輪である内輪の内径寸法と、回転軸体の外径面に固定された磁気リングの内径寸法が同一寸法の場合、両者は回転軸体の外径と同一径となり、回転軸体の回転中心(内輪の内径部の回転中心)と、磁気リング内径部の回転中心が一致する。また、内輪の内径寸法と、磁気リングの内径寸法が異なる場合、回転軸体の外径が段付き形状となるが、回転軸体の外径を加工する際、ワンチャックで行うことで回転軸体の回転中心(内輪の回転中心)と、磁気リング内径部の回転中心が一致する。これにより、回転輪の内径面と外径面との同軸度の影響を受けないので、磁気リング外周面の回転振れが小さくなる。このため、磁気センサの検出精度が向上する。その結果、高精度なロータリエンコーダを実現できる。
本発明において、前記回転センサは、さらに、前記磁気センサおよびコネクタが実装された回路基板と、前記回路基板を保持するセンサハウジングと、前記センサハウジングを軸受に支持する外環とを有し、前記外環が前記外輪に固定され、前記センサハウジングが前記外環の内径面に固定され、前記磁気センサ、前記回路基板および前記コネクタが、前記センサハウジングに固定されていてもよい。磁気センサを回路基板に実装した場合、回路基板の補強板が必要となるが、この構成によれば、回路基板がセンサハウジングに保持されるので、回路基板の補強板が不要となる。これにより、部品点数や組立工数の削減につながるうえに、センサの取付けが安定化し、回転検出の信頼性が向上する。その結果、高精度なロータリエンコーダを実現できる。
この場合、前記磁気リングは、複列で多極に着磁された多極磁石であり、複列の多極の列の内、一方の着磁極対に対して他方の着磁極対の数が、1だけ大きくてもよい。また、前記磁気リングは、円周上にN極とS極が交互に多極着磁され、且つ多極の列が複列になった円環状の磁石であり、前記磁気センサは、前記複列の多極の列を別々に検出して内部で演算可能に構成され、前記磁束の変化は、前記磁気センサによって読み取られてもよい。さらに、前記磁気センサおよび前記磁気リングは、回転角度に対するセンサ出力の直線性を向上させるために、組付け後に電圧補正がされていてもよい。
本発明において、前記内輪の外周面に環状の凹溝が形成され、前記外環は小径部と大径部とを有し、前記小径部が前記外輪の内周面に固定され、その先端部に回転軸体中心に向かう鍔状部を有し、前記鍔状部が、前記凹溝に向かって延びていてもよい。この構成によれば、外環の軸受側の一端部に、回転輪の外径面に設けられた円周上の凹溝内に向かって延びる鍔部が設けられているので、軸受封入グリースの流出が防止され、軸受の信頼性が向上する。
本発明において、前記センサハウジングの外周面に凹部が設けられ、前記外環は小径部と大径部とを有し、前記大径部の先端に、円周方向にわたって複数の爪部が形成され、前記爪部が、折り曲げられて、前記センサハウジングの凹部に係合していてもよい。この構成によれば、回路基板や磁気センサの位置決め部を、センサハウジングに設けた溝に設けることで、組立てが簡素で且つ、精度よく位置決めができる。これにより、組立工数の削減によるコスト削減や、高精度なロータリエンコーダを実現できる。
本発明において、前記保持器は、熱可塑性樹脂を用いた射出成形品であってもよい。この構成によれば、外環の外輪に対する固定幅(軸方向幅)を大きくすることができ、センサハウジングの保持力がより大きくなって、磁気センサの検出精度が向上する。これにより、高精度なロータリエンコーダを実現できる。
本発明において、前記保持器の環状部が、前記転がり軸受の軸方向における前記回転センサとは反対側に配置されていてもよい。この構成によれば、保持器の環状部と回転センサが干渉しない。
本発明の回転センサ付軸受によれば、磁気リングが回転軸体の外径面に固定されているので、磁気リング外周面の回転振れが小さくなる。このため、磁気センサの検出精度が向上する。
本発明の第1実施形態に係る回転センサ付軸受を示す縦断面図である。 図1の回転センサ付軸受をII-II線に沿って切断した断面図である。 同回転センサ付軸受の磁気リングの主トラックと副トラックの配列例を示す一部を切断した側面図である。 同回転センサ付軸受の磁気センサの逓倍および絶対角検出の信号処理例を示す説明図である。 同磁気センサの電気角位相差の説明図である。 同回転センサ付軸受の磁気エンコーダの回転振れが大きい時の磁気センサの出力誤差の例を示すグラフである。 同磁気エンコーダの回転振れが小さい時の磁気センサの出力誤差の例を示すグラフである。 同回転センサ付軸受の変形例を示す縦断面図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。本明細書において、「軸方向」、「径方向(ラジアル方向)」および「周方向」とは、それぞれ軸受(回転軸体)の「軸方向」、「径方向」および「周方向」をいう。
図1は、本発明の第1実施形態に係る回転センサ付軸受1を示す。回転センサ付軸受1は、回転輪である内輪2と、固定輪である外輪4と、内輪2と外輪4との間に介在された転動体6と、転動体6を保持する保持器8とを備えている。内輪2に回転軸体10が嵌合されており、内輪2が回転軸体10と一体に回転する。外輪4は、例えば、軸受ハウジング(図示せず)に固定される。本実施形態の転動体6はボールであり、内輪2と外輪4との間で、内輪2の回転に伴って転がる。ただし、転動体6はボールに限定されない。
保持器8は、例えば、樹脂製であり、本実施形態では、ガラス繊維などで強化したポリアミド(PA)等の熱可塑性樹脂を用いた射出成形品である。ただし、保持器8の材質、製造方法は、これに限定されない。
保持器8は、転動体6を保持する柱部8aと、柱部8aを繋ぐ環状部8bを有する冠型の保持である。柱部8aは、1つの転動体6に対して一対設けられ、各柱部8aが環状部8bで連結されている。環状部8bは、軸方向の一方側(図1の左側)に設けられ、柱部8aは軸方向の他方側(図1の右側)に開口している。
本実施形態の軸受は、内輪2と外輪4との間の軸受空間SPにグリースが封入されたグリース封入軸受である。軸受空間SPにおける軸方向の一方側(図1の左側)に、軸受シール12が配置されている。軸受シール12は、外輪(固定輪)4の内径面に設けられた環状溝4aに係止されている。
回転センサ付軸受1は、さらに、回転センサ14を備えている。回転センサ14は、回転体(内輪2,回転軸体10)の回転状態を物理量として検出し、電気信号に変換して回転情報を出力する。本実施形態では、物理量が磁束の変化であり、回転センサ14は、この磁束の変化を読み取ることにより、絶対角度情報や相対角度情報が符号化された電気信号、例えば、電圧変化の信号に変換して出力している。
回転センサ14は、回転輪側に配置されて磁束を発生する磁気リング16と、固定輪側に配置されてこの磁束の変化を読み取る磁気センサ18とを有している。ここで、磁気リング16は、例えば、磁気エンコーダである。磁気リング16は、回転軸体10の外径面10aに固定されている。磁気リング16の詳細は後述する。
回転センサ14は、さらに、磁気センサ18およびコネクタ20が実装された回路基板22と、回路基板22を保持するセンサハウジング24と、センサハウジング24を軸受1に支持する外環26とを有している。図2に示すコネクタ20にケーブルCAが接続され、このケーブルCAにより信号が出力される。磁気センサ18は、磁気リング16と径方向に対向し、回転する磁気リング16の磁束の変化を読み取る。
図1に示すセンサハウジング24は、回転軸体10と同芯の円筒形状であり、その中空部に回転センサ14が位置している。センサハウジング24は、例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)にガラス繊維や炭酸カルシウム等が添加された熱可塑性樹脂を用いた、射出成形品である。これにより、低温使用時の収縮や、高温使用後に発生する温度クリープ等を低減することができる。ただし、センサハウジング24の材質、製造方法はこれに限定されない。
センサハウジング24に、径方向に貫通する貫通孔28と、貫通孔28に隣接して軸方向に延びる溝30とが設けられている。また、センサハウジング24の外周面に、径方向内側に凹入する凹部32が設けられている。図2に示すように、本実施形態では、凹部32は周方向に離間して3つ設けられている。ただし、凹部32の数は3つに限定されない。
磁気センサ18が貫通孔28に挿通された状態で、溝30に回路基板22が係合されている。つまり、貫通孔28と溝30により、回路基板22および磁気センサ18が位置決めされている。
回路基板22の一表面(径方向内側を向く面)に磁気センサ18が表面実装され、その反対面(径方向外側を向く面)にコネクタ20が表面実装されている。コネクタ20の抜き差し方向は、径方向であっても、軸方向であってもよい。なお、コネクタ20を使用せず、ケーブルCAを回転基板22に接続してもよい。
回路基板22は、例えば、ガラス入りエポキシ樹脂製である。ただし、回路基板22の材質はこれに限定されない。圧縮強度が340~500MPaで、曲げ強度が390~550MPaの材料を選定すると、剛性を確保でき磁気センサ18の位置決め精度が向上する。回路基板22の板厚は、磁気センサ18およびコネクタ20の機能を満足する範囲で、可能な限り薄い物を使用するのが好ましい。これにより、センサハウジング24や外環26の外径寸法を小さくできる。回路基板22の板厚は、例えば、0.2mm~1.0mmである。ただし、回路基板22の板厚はこれに限定されない。
図1に示す外環26は、板金を折り曲げ加工(プレス成形)することで形成され、回転軸体10と同芯の環状である。外環26は、例えば、フェライト系のステンレス鋼板からなる。これにより、耐食性の向上と外部からの磁界の影響を減少させることができる。ただし、外環26の材質、成形方法は、これに限定されない。
外環26は、大径部26aと、小径部26bと、これら大径部26aおよび小径部26bの間の段部26cとを有している。大径部26aはセンサハウジング24の径方向外側を覆っており、小径部26bは外輪4の内径面に嵌合されている。つまり、外環26は外輪4に固定されている。
小径部26bの先端に、回転軸体10の中心線Cに向かって径方向内側に折り曲げられた鍔状部26dが設けられている。内輪2の外径面における軸方向の他方側(図1の右側)に、環状の凹溝35が形成されている。外環26の鍔状部26dの先端は、凹溝35に向かって延びている。
本実施形態では、鍔状部26dが軸受空間SPにグリースを封入するシール部材を構成する。つまり、軸受空間SPにおける軸方向の一方側(図1の左側)は軸受シール12によりシールされ、軸方向の他方側(図1の右側)は外環26の鍔状部26dによりシールされている。
センサハウジング24は、外環26の大径部26aの内径面に固定されている。詳細には、大径部26aの先端に、図2に示すように、円周方向に離間して複数の爪部26eが形成されている。爪部26eは、図1に示すように、折り曲げられて、センサハウジング24の凹部32に係合している。センサハウジング24の支持構造は、これに限定されない。
以上のように、外環26が外輪4の内径面に固定され、センサハウジング24が外環26の大径部26aの内径面に固定され、磁気センサ18を実装した回路基板22がセンサハウジング24に固定されている。
詳細には、磁気センサ18およびコネクタ20が実装された回路基板22が、センサハウジング24に挿入された後、熱硬化性樹脂が隙間に充填される。これにより、回路基板22がセンサハウジング24に固定されている。また、回路基板22に実装された端子部を、空気中の湿度から保護する目的で、熱硬化性樹脂を隙間に充填してもよい。これにより、マイグレーションの発生が防止される。熱硬化性樹脂は、例えば、エポキシ系、ウレタン系等の樹脂である。
つぎに、磁気リング16について説明する。磁気リング16は、芯金40と、これに取り付けられた磁性ゴム42とを有している。芯金40は、例えば、薄板鋼鈑をプレス成形することで環状に成形され、その表面に化成処理が施されている。これに代えて、芯金40は、フェライト系のステンレス鋼板をプレス成形で成形してもよい。この場合、化成処理は不要である。
芯金40を成形後、その表面に接着剤を塗布して乾燥させ、別途準備した磁性ゴム42と共に加硫成形金型に入れて加圧、加熱する。これにより、磁性ゴム42が加硫されると同時に、芯金40に接着固定される。磁性ゴム42は、例えば、ゴム材料と磁性粉を混合して練り込んで形成される。ゴム材料は、例えば、ニトリルゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム(HNBR)、フッ素ゴム(FKM)、アクリルゴム(ACM)等であるが、これらに限定されない。また、磁性粉は、例えば、フェライト系、サマリウム系、ネオジウム系等であるが、これらに限定されない。
芯金40は、大径部40aと、小径部40bと、これら大径部40aおよび小径部40bの間の段部40cとを有している。大径部40aの外径面に磁性ゴム42が固定され、小径部40bが回転軸体10に嵌合されている。
詳細には、本実施形態の回転軸体10は、大径の第1軸部44と、小径の第2軸部46とを有し、第1および第2軸部44,46の間にフランジ部45が設けられている。つまり、回転軸体10の外径は段付き形状である。軸受1の内輪2の端面(図1の軸方向右側端面)に回転軸体10のフランジ部45の一端面(図1の軸方向左端面)が当接するように、内輪2の内径面に回転軸体10の第1軸部44が挿入されている。
また、磁気リング16の芯金40の小径部40bの先端(図1の左側端)がフランジ部45の他端面(図1の軸方向右端面)に当接するように、回転軸体10の第2軸部46が磁気リング16の芯金40の小径部40bに挿入されている。回転軸体10に対する内輪2および磁気リング16の芯金40の固定は、締め代を設けた圧入であってもよく、嫌気性接着剤を用いてもよい。
本実施形態の磁気リング16は、複列で且つ多極に着磁した多極磁石である。詳細には、磁気リング16は、円周上にN極とS極が交互に多極着磁され、且つ多極の列が複列になった円環状の磁石である。この場合、図3に示すように、主トラック50と副トラック52とに分かれて着磁しており、複列の多極の列の内、一方の着磁極対に対して他方の着磁極対の数が1だけ大きく設定されている。本実施形態では、主トラック50の着磁極対数(N極とS極のペア数)が64で、副トラック52の着磁極対数が63である。
磁気センサ18は、この着磁パターンに対応した仕様の集積回路(IC)が用いられ、内部で電気的に逓倍する機能や、内部で演算する事により絶対角を検出する機能を有している。磁気センサ18は、複列の多極の列を別々に検出して内部で演算可能に構成されている。
図4に、逓倍および絶対角検出の信号処理例を示す。この処理方法は、一般的に、バーニヤ方式と呼ばれ、2列の主トラック50および副トラック52にそれぞれ対応する第1および第2磁気センサ18-1,18-2から得られる位相出力の位相差をとると、1回転で電気角360°の位相差信号が得られる。この値を元に絶対角が算出される。
また、主トラック50のN極とS極を合わせた1周期(極対)から得られる磁気信号を、電気的に逓倍することで分解能を向上させることができる。図4は、極対を16,384分割する例を示している。着磁極対数は、本実施形態に限定されず、例えば、主トラックが32で副トラック31、あるいは主トラックが16で副トラックが15であってもよい。
図5は、電気角位相差の説明を示す。同図に示すように、回転軸体10の回転角が大きくなるに伴い、第1磁気センサ18-1の出力波形に対する第2磁気センサ18-2の出力波形の位相差が大きくなり、回転角360°の位置では初期の電気角位相差に戻る。
図6は、磁気エンコーダ(磁気リング)の回転振れが大きい従来の磁気センサの出力誤差(角度誤差)の例を示す。図7は、磁気リング16の回転振れが小さい時の磁気センサ18の出力誤差(角度誤差)の例を示す。図6の従来例では、回転軸体10の回転に伴い回転振れの1次成分が大きい。図7の本実施形態では、回転振れの1次成分が小さい。
転がり軸受を使用する際、内部隙間を無くす目的で回転輪(内輪2)の端面と、固定輪(外輪4)の反対側の端面のそれぞれに、軸方向の力を付加する場合がある。図1の場合、固定輪(外輪4)の端面(軸方向左側端面)に軸方向の力F1を付加すると、固定輪(外輪4)~転動体6~回転輪(内輪2)~回転軸体10のフランジ部45へと力が伝達される。これにより、内部隙間を無くすことができる。
図8に変形例を示す。図8の回転軸体10は、第1および第2軸部44,46に加えて、第1軸部44よりも大径の第3軸部48を有しており、第1軸部44と第3軸部48の間に肩部10bが設けられている。図8の変形例では、固定輪(外輪4)の端面(軸方向右側端面)に軸方向の力F2を付加すると、固定輪(外輪4)~転動体6~回転輪(内輪2)~回転軸体10の肩部10bへと力が伝達される。これにより、内部隙間を無くすことができる。
図1および図8の構成では、磁気センサ18の検出方向を回転軸体10の中心線C1に対して直角方向(ラジアル検出)としたが、中心線C1に平行な方向(アキシアル検出)であってもよい。また、磁気センサ18および磁気リング16は、組付け後に電圧補正がされていてもよい。これにより、回転角度に対するセンサ出力の直線性が向上する。
上記構成によると、回転輪である内輪2の内径寸法と、回転軸体10の外径面10aに固定された磁気リング16の内径寸法が同一寸法の場合、両者は回転軸体10の外径と同一径となり、回転軸体10の回転中心C1(内輪の内径部の回転中心)と、磁気リング16の回転中心が一致する。図1のように、内輪2の内径寸法と、磁気リング16の内径寸法が異なる場合、回転軸体10の外径が段付き形状となるが、回転軸体10の外径を加工する際、ワンチャックで行うことで回転軸体10の回転中心C1(内輪2の回転中心)と、磁気リング16の回転中心が一致する。これにより、内輪2の内径面と外径面との同軸度の影響を受けないので、磁気リング16の外周面の回転振れが小さくなる。このため、磁気センサ18の検出精度が向上する。その結果、高精度なロータリエンコーダを実現できる。
磁気センサ18およびコネクタ20が回路基板22に実装され、回路基板22がセンサハウジング24に保持され、センサハウジング24が外環26を介して軸受1の外輪4に支持されている。磁気センサを回路基板に実装した場合、回路基板の補強板が必要となるが、この構成によれば、回路基板22がセンサハウジング24に保持されるので、回路基板22の補強板が不要となる。これにより、部品点数や組立工数の削減につながるうえに、磁気センサ18の取付けが安定化し、回転検出の信頼性が向上する。その結果、高精度なロータリエンコーダを実現できる。
外環26の小径部26bの鍔状部26dが、内輪2の外周面の凹溝35に向かって延びている。これにより、軸受封入グリースの流出が防止され、軸受1の信頼性が向上する。
外環26の大径部26aの爪部26eがセンサハウジング24の凹部32に係合している。これにより、回路基板22や磁気センサ16の組立てが簡素で且つ、精度よく位置決めができる。その結果、組立工数の削減によるコスト削減や、高精度なロータリエンコーダを実現できる。
保持器8は、熱可塑性樹脂を用いた射出成形品である。したがって、外環26の外輪4に対する固定幅(軸方向幅)を大きくすることができ、センサハウジング24の保持力がより大きくなって、磁気センサ18の検出精度が向上する。これにより、高精度なロータリエンコーダを実現できる。
保持器8の環状部8bが、転がり軸受1の軸方向における回転センサ14とは反対側に配置されている。これによれば、保持器8の環状部8bと回転センサ14が干渉しない。
本発明は、以上の実施形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の追加、変更または削除が可能である。例えば、回転軸体10の構造は、上記実施形態に限定されず、適宜の構造を採用することができる。したがって、そのようなものも本発明の範囲内に含まれる。
1 回転センサ付軸受
2 内輪(回転輪)
4 外輪(固定輪)
6 転動体
8 保持器
8b 環状部
10 回転軸体
10a 回転軸体の外径面
14 回転センサ
16 磁気リング(磁気エンコーダ)
18 磁気センサ
22 回路基板
24 センサハウジング
26 外環
26a 大径部
26b 小径部
26d 鍔状部
26e 爪部
32 凹部
35 凹溝

Claims (9)

  1. 回転輪である内輪と、固定輪である外輪と、前記内輪と前記外輪との間に介在された転動体と、前記転動体を保持する保持器と、回転体の回転状態を物理量として検出し、電気信号に変換して回転情報を出力する回転センサと、を備えた回転センサ付軸受であって、
    前記物理量が磁束の変化であり、前記回転センサは、この磁束の変化を読み取ることにより、絶対角度情報または相対角度情報が符号化された電気信号の信号に変換して出力し、
    前記回転センサは、回転輪側に配置されて前記磁束を発生する磁気リングと、固定輪側に配置されてこの磁束の変化を読み取る磁気センサとを有し、
    前記磁気リングが、前記内輪に挿通された回転軸体の外径面に固定されている回転センサ付軸受。
  2. 請求項1に記載の回転センサ付軸受において、前記回転センサは、さらに、前記磁気センサおよびコネクタが実装された回路基板と、前記回路基板を保持するセンサハウジングと、前記センサハウジングを軸受に支持する外環とを有し、
    前記外環が前記外輪に固定され、
    前記センサハウジングが前記外環の内径面に固定され、
    前記磁気センサ、前記回路基板および前記コネクタが、前記センサハウジングに固定されている回転センサ付軸受。
  3. 請求項2に記載の回転センサ付軸受において、前記磁気リングは、複列で多極に着磁された多極磁石であり、複列の多極の列の内、一方の着磁極対に対して他方の着磁極対の数が、1だけ大きい回転センサ付軸受。
  4. 請求項3に記載の回転センサ付軸受において、前記磁気リングは、円周上にN極とS極が交互に多極着磁され、且つ多極の列が複列になった円環状の磁石であり、
    前記磁気センサは、前記複列の多極の列を別々に検出して内部で演算可能に構成され、
    前記磁束の変化は、前記磁気センサによって読み取られる回転センサ付軸受。
  5. 請求項3または4に記載の回転センサ付軸受において、前記磁気センサおよび前記磁気リングは、回転角度に対するセンサ出力の直線性を向上させるために、組付け後に電圧補正がされている回転センサ付軸受。
  6. 請求項2から5のいずれか一項に記載の回転センサ付軸受において、前記内輪の外周面に環状の凹溝が形成され、
    前記外環は、小径部と、大径部とを有し、
    前記小径部が、前記外輪の内周面に固定され、その先端部に回転軸体中心に向かう鍔状部を有し、
    前記鍔状部が、前記凹溝に向かって延びている回転センサ付軸受。
  7. 請求項2から6のいずれか一項に記載の回転センサ付軸受において、前記センサハウジングの外周面に凹部が設けられ、
    前記外環は、小径部と、大径部とを有し、
    前記大径部の先端に、円周方向にわたって複数の爪部が形成され、
    前記爪部が、折り曲げられて、前記センサハウジングの凹部に係合している回転センサ付軸受。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載の回転センサ付軸受において、前記保持器は、熱可塑性樹脂を用いた射出成形品である回転センサ付軸受。
  9. 請求項8に記載の回転センサ付軸受において、前記保持器の環状部が、前記転がり軸受の軸方向における前記回転センサとは反対側に配置されている回転センサ付軸受。
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