JP2023044946A - 半導体記憶装置 - Google Patents

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Hiroki Kawai
裕 竹平
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Abstract

【課題】リセット電流の抑制を図ることができる相変化メモリ膜を備えた半導体記憶装置を提供することである。【解決手段】実施形態の半導体記憶装置は、少なくともGe、Sb、Te、Seを含む組成であり、少なくともGe、Sb、Teの3元素で相変化メモリ性を示す組成比におけるTeに対する設計組成比率としてSeを含む相変化メモリ膜である。前記Seの組成比は33.6原子%以下である。【選択図】図1

Description

実施形態は、半導体記憶装置に関する。
大容量データを記憶する半導体記憶装置として、メモリセルの抵抗値を変化させて情報を記憶する抵抗変化型の半導体記憶装置が知られている。
米国特許出願公開第2019/043807号明細書 米国特許出願公開第2009/045388号明細書 米国特許出願公開第2016/160331号明細書
実施形態が解決しようとする課題は、リセット電流の低減を図ることのできる半導体記憶装置を提供することである。
実施形態の半導体記憶装置は、少なくともGe、Sb、Te、Seを含む組成であり、少なくともGe、Sb、Teの3元素で相変化メモリ性を示す組成比におけるTeに対する設計組成比率としてSeを含む組成を有する相変化メモリ膜を備える。前記Seの組成比は22.4原子%以下である。
実施形態にかかる相変化メモリ膜を備えた相変化メモリ素子の断面図。 同相変化メモリ膜を適用した実施形態にかかる半導体記憶装置のブロック図。 実施形態にかかる半導体記憶装置のメモリセルアレイの構成を示す回路図。 実施形態にかかる半導体記憶装置のメモリセルアレイの構成を示す斜視図。 図3のAA線に沿う断面図。 図3のBB線に沿う断面図。 実施例の試験結果において熱処理前の一例を示すグラフ。 実施例の試験結果において熱処理後の一例を示すグラフ。 実施例の試験結果の一例を示すグラフ。 実施例の試験結果の一例を示すグラフ。 実施例の試験結果の一例を示すグラフ。 実施例の試験結果の一例を示すグラフ。 実施例の試験結果の一例を示すグラフ。 実施例の試験結果の一例を示すグラフ。 実施例の試験結果の一例を示すグラフ。 実施例の試験結果の一例を示すグラフ。 実施例の試験結果を得るために用いた相変化メモリ素子の断面図。 実施例において用いた相変化メモリ素子に加えたテストアルゴリズムを示す波形図。
以下、実施形態に係る相変化メモリ膜と相変化メモリ素子を備えた半導体記憶装置について、図面を参照して説明する。図面は模式的又は概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率等は、必ずしも現実のものと同一とは限らない。以下の説明では、同一又は類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。
「実施形態」
実施形態の半導体記憶装置に設けられている相変化メモリ膜PCMは、例えば、図1に示すように、第1電極1と第2電極2の間に設けられている。
図1の例では、層状の第1電極1の一方の面に相変化メモリ膜PCMが積層され、相変化メモリ膜PCMにおいて第1電極1側と反対側の面に第2電極2が設けられている。第2電極2は相変化メモリ膜PCMの中央部に接する柱状の電極である。
第2電極2の周囲は絶縁膜3により覆われている。絶縁膜3は第2電極2の側面側を覆うとともに、第2電極2の周囲側において相変化メモリ膜PCMに接している。第2電極2において相変化メモリ膜PCM側と反対側に電極層5が接続されている。電極層5は第2電極2と絶縁膜3に接するように設けられている。
相変化メモリ素子6は、第1電極1と、第2電極2と、相変化メモリ膜PCMと、絶縁膜3と、電極層5を含む。
第1電極1と第2電極2及び電極層5は、金属材料あるいは半導体材料などの導電材料からなる。例えばタングステン(W)、チタン(Ti)、ポリシリコン等の導電材料を例示できる。
相変化メモリ膜PCMは、温度などの条件により相構造が変化する膜である。
相変化メモリ膜PCMは、第1の例として、少なくともGe(ゲルマニウム)、Sb、Te、Seを含み、少なくともGe、Sb、Teの3元素で相変化メモリ性を示す組成比におけるTeに対する設計組成比率としてSeを含む組成を有する相変化メモリ膜であって、前記Seの組成比が33.6原子%以下であることが好ましい。相変化メモリ膜PCMの第1の例として、GeSbTeSe系のメモリ膜を例示できる。なお、SeはTeの一部を置換した状態で含まれていても良い。
相変化メモリ膜PCMは、第2の例として、少なくともGe、Sb、Te、Se、Nを含む組成であり、少なくともGe、Sb、Teの3元素で相変化メモリ性を示す組成比におけるTeに対する設計組成比率としてSeを含む組成を有する相変化メモリ膜であって、前記Seの組成比が22.4原子%以下であることが好ましい。相変化メモリ膜PCMの第2の例として、GeSbTeSeN系のメモリ膜を例示できる。なお、SeはTeの一部を置換した状態で含まれていても良い。
相変化メモリ膜PCMは、第3の例として、少なくともSb、Te、Seを含み、少なくともSb、Teの2元素で相変化メモリ性を示す組成比におけるTeに対する設計組成比率としてSeを含む組成比を有する相変化メモリ膜であって、前記Seの組成比が33.6原子%以下であることが好ましい。相変化メモリ膜PCMの第2の例として、SbTeSe系のメモリ膜を例示できる。なお、SeはTeの一部を置換した状態で含まれていても良い。
相変化メモリ膜PCMは、第4の例として、少なくともSb、Te、Se、Nを含む組成であり、少なくともSb、Teの2元素で相変化メモリ性を示す組成比におけるTeに対する設計組成比率としてSeを含む組成比を有する相変化メモリ膜であって、前記Seの組成比が22.4原子%以下であることが好ましい。相変化メモリ膜PCMの第4の例として、SbTeSeN系のメモリ膜を例示できる。なお、SeはTeの一部を置換した状態で含まれていても良い。
GeSbTeSe系の相変化メモリ膜PCMの場合、以下の化学式で示す組成とすることが好ましい。ただし、Se含有量は、Ge、Sb、Teの3元素で相変化メモリ性を示す組成範囲におけるTeに対する設計組成比率としてSeを含む場合のSe含有量を意味する。組成比を示す数値は原子%を意味する。Ge22+xSb22+yTe56-x-yはGeとSbとTeの3元素で相変化メモリ性を示す場合の組成範囲を意味する。また、GeとSbの含有量については、22原子%に対し±5原子%の範囲増減した範囲としても良い。即ち、GeとSbの各々は、17原子%以上、27原子%以下の範囲で含有できる。
Ge22+xSb22+yTe56-x-ySe(-5<x<+5、-5<y<+5、Z=x+y、Z≦33.6)
Se含有量の上限について、33.6原子%以下が望ましいが、28原子%以下がより望ましく、16.8原子%以下が更に望ましい。Se含有量の下限について、0原子%を超える必要があり、1原子%以上が望ましく、5.6原子%以上であることがより望ましい。例えば、5.6原子%以上16.8原子%以下の範囲を選択できる。
上述の組成比の相変化メモリ膜PCMの場合、成膜後に熱処理を施していない状態において、Se含有量を16.8原子%以下の範囲とすることで相変化メモリ膜として機能することを後述する試験例において確認できている。また、成膜後に250℃に30分熱処理すると、Se含有量を28.0原子%以下の範囲とすることで相変化メモリ膜として機能することを後述する試験例において確認できている。
GeSbTeSe系の相変化メモリ膜PCMの場合、以下の化学式で示す組成を採用することもできる。ただし、Se含有量はGe、Sb、Teの3元素で相変化メモリ性を示す組成範囲におけるTe含有量に対する設計組成比率としてのSe含有量を意味する。組成比を示す数値は原子%を意味する。Ge14+xSb28+yTe58-x-yはGeとSbとTeの3元素で相変化メモリ性を示す場合の組成範囲を意味する。また、Ge含有量については、14原子%に対し±5原子%の範囲増減することができ、Sb含有量については、28原子%に対し±5原子%の範囲増減させた範囲を選択できる。即ち、Geは、9原子%以上、19原子%以下の範囲で含有でき、Sbは、22原子%以上、33原子%以下の範囲で含有できる。
Ge14+xSb28+yTe58-x-ySe(-5<x<+5、-5<y<+5、Z=x+y、Z≦33.6)
Se含有量の上限について、33.6原子%以下が望ましいが、28原子%以下がより望ましく、16.8原子%以下が更に望ましい。Se含有量の下限について、0原子%を超える必要があり、1原子%以上が望ましく、5.6原子%以上であることがより望ましい。
GeSbTeSe系の相変化メモリ膜PCMの場合、以下の化学式で示す組成を採用することもできる。ただし、Se含有量はGe、Sb、Teの3元素で相変化メモリ性を示す組成範囲におけるTe含有量に対する設計組成比率としてのSe含有量を意味し、組成比を示す数値は原子%を意味し、Ge8+xSb33+yTe59-x-yはGeとSbとTeの3元素で相変化メモリ性を示す場合の組成範囲を意味する。また、Ge含有量については、8原子%に対し±5原子%の範囲増減することができ、Sb含有量については、33原子%に対し±5原子%の範囲増減させた範囲を選択できる。即ち、Geは、3原子%以上、13原子%以下の範囲で含有でき、Sbは、28原子%以上、38原子%以下の範囲で含有できる。
Ge8+xSb33+yTe59-x-ySe(-5<x<+5、-5<y<+5、Z=x+y、Z≦33.6)
Se含有量の上限について、33.6原子%以下が望ましいが、28原子%以下がより望ましく、16.8原子%以下が更に望ましい。Se含有量の下限について、0原子%を超える必要があり、1原子%以上が望ましく、5.6原子%以上であることがより望ましい。
本発明者の研究により、前述のGeSbTe系の3元系あるいはSbTe系の2元系の相変化メモリ膜において、Teに対する設計組成比率としてSeを含む組成としても、相変化メモリ性を発揮できることを知見した。しかも、Seの含有量を特定量の範囲とすることでリセット電流の低減を実現できることが分かった。このため、相変化メモリ膜において前述の組成範囲を採用できる。
GeSbTeSe系またはSbTeSe系の相変化メモリ膜PCMの場合、硫黄(S)を含有しても良い。硫黄については、Seに対し0~100原子%の範囲で置き換えることができる。硫黄を上述の広い範囲添加できるのは、SeとSが周期律表の中で同族元素であり、相変化メモリ膜PCMにおいて、SeとSが同様の添加効果を示すからである。
GeSbTeSe系あるいはSbTeSe系の相変化メモリ膜PCMの場合、前述の組成比に加え、Al(アルミニウム)、Si(ケイ素)、C(炭素)、B(ボロン)、Ti(チタン)、Oの内から選択される1種または2種以上を更に含有しても良い。
Al、Si、C、B、Ti、Oは、相変化メモリ膜PCMに対し、アモルファス化を推進する元素であり、これら元素を上述の相変化メモリ膜PCMに含有させた場合に問題のない元素である。
GeSbTeSe系あるいはSbTeSe系の相変化メモリ膜PCMの場合、前述の組成に加え、Nを含んでいても良い。GeSbTeSeN系あるいはSbTeSeN系の相変化メモリ膜PCMに、Nを含有させる場合、成膜雰囲気中に窒素ガスを供給し、窒素ガスフロー雰囲気中で成膜する製造方法を採用できる。窒素ガスフロー雰囲気中で成膜する場合、一例として5%窒素ガスフロー雰囲気において成膜する条件を採用できる。
GeSbTeSeN系の相変化メモリ膜PCMであれば、少なくともGe、Sb、Te、Se、Nを含む組成であり、少なくともGe、Sb、Teの3元素で相変化メモリ性を示す組成比におけるTeに対する設計組成比率としてSeを含む組成を有する相変化メモリ膜であって、前記Seの組成比が22.4原子%以下である構成を採用できる。
SbTeSeN系の相変化メモリ膜PCMであれば、少なくともSb、Te、Se、Nを含む組成であり、少なくともSb、Teの2元素で相変化メモリ性を示す組成比におけるTeに対する設計組成比率としてSeを含む組成比を有する相変化メモリ膜であって、前記Seの組成比が22.4原子%以下である構成を採用できる。
GeSbTeSeN系の相変化メモリ膜PCMであれば、熱処理を施していない成膜ままの試料において、Seを22.4原子%以下の範囲で添加しても、後述する試験結果に示すように、相変化メモリ膜として動作することを確認できている。
GeSbTeSeN系の相変化メモリ膜PCMであれば、250℃に30分加熱する熱処理後の試料において、Seを22.4原子%以下の範囲で添加しても、後述する試験結果に示すように、相変化メモリ膜として動作することを確認できている。
図1に示す相変化メモリ素子6であれば、図示略の電源から第1電極1と第2電極2を介し相変化メモリ膜PCMに加える電圧を調整しながら印加することで使用することができる。
相変化メモリ膜PCMは、しきい電圧で抵抗が急激に変化する現象を発現する。通電により生じるジュール熱を利用し、相変化メモリ膜PCMを溶融状態へ移行させ、その後に電圧の降下を行う。その際に急冷処理すれば、高抵抗状態を維持したアモルファス状態(リセット状態)に遷移できる。また、徐冷処理によって結晶化させることができれば低抵抗状態を維持した結晶状態(セット状態)に遷移できる。また、高抵抗状態を維持したアモルファス状態(リセット状態)から低抵抗状態を維持した結晶状態(セット状態)に遷移方法としては、溶融温度よりも低く、結晶化温度よりも高い温度に加熱し、緩やかに冷却することで結晶化状態(セット状態)を実現させる方法もある。相変化メモリ膜PCMは、通電による加熱により、高抵抗状態の抵抗率と低抵抗状態の抵抗率を切り替え可能な記憶物質であると説明できる。
これらの現象を利用し、通電により相変化メモリ膜PCMによるメモリ性が得られる。
抵抗を下げる書き換え動作を「セット動作」、抵抗が低い状態を「セット状態」と呼び、抵抗を上げる書き換え動作を「リセット動作」、抵抗が高い状態を「リセット状態」と呼ぶことができる。
セット状態・リセット状態ともに外部からのエネルギー供給が無くとも状態を保持し続けるので、相変化メモリ素子6は不揮発メモリとして機能する。
図1に示す構成の相変化メモリ素子6であれば、第2電極2に接触した相変化メモリ膜PCMが上述のように抵抗変化する。第2電極2に接触した相変化メモリ膜PCMの中央部をジュール熱により部分的に溶融させることができ、溶融状態からの急冷処理により相変化メモリ膜PCMの高抵抗状態を維持できる。
図1に示す構成の相変化メモリ素子6であれば、GeSbTe系の3元系あるいはSbTe系の2元系の相変化メモリ膜に対し、Seが含有された組成を有するので、リセット動作を行う場合のリセット電流を低減できる。
本発明者は、GeSbTe系あるいはSbTe系の相変化メモリ材料において、Seが含有された組成を有することで、セット抵抗(Rset)及びリセット抵抗(Rreset)の増加につながる。このため、効率的にジュール発熱させることができるため溶融状態を容易に作ることができる。したがってリセット電流(Ireset)を減少できる。
Teに対する設計組成比率としてSeを含むことによるセット抵抗(Rset)及びリセット抵抗(Rreset)の増加についてのメカニズムの一例として、Seが添加されたことにより高バンドギャップ物質Ge-Seが形成されたことによる効果がある。或いは、アモルファス構造に起因するバンドギャップ中の局在状態を介した電気伝導機構に由来すると考えられる。
実際、図11、図12にSe組成に対するそれぞれアモルファス状態における抵抗値、結晶状態における抵抗値を示す。Se組成が増えることでいずれも抵抗値が増加しておりSeの効果が確認できている。
ここでリセット電流(Ireset)とは溶融状態を経て高抵抗状態を維持したアモルファス状態(リセット状態)に遷移させるために必要な電流の上限値のことである。しかし、溶融状態を経て低抵抗状態を維持した結晶状態(セット状態)に遷移させる場合、必要な電流値の上限も同様に溶融状態を実現するための電流値である。したがって、本発明で期待される効果は、溶融状態を経て高抵抗状態を維持したアモルファス状態(リセット状態)に遷移させることに限定されるものではない。例えば、溶融を経て実現されるセット状態への遷移でも電流値低減効果は期待できる。
また、GeSbTeSe系あるいはSbTeSe系の相変化メモリ膜に、Al、Si、C、B、Ti、Siを添加することも同様の効果を期待できる。このため、上述の相変化メモリ膜PCMにAl、Si、C、B、Ti、Siのいずれか1種または2種以上を添加した相変化メモリ材料であれば、セット抵抗(Rset)及びリセット抵抗(Rreset)の増加につながるため、例えば、リセット電流(Ireset)の削減ができる。
上述の相変化メモリ膜PCMに、N(窒素)を添加することで、結晶状態では結晶を小粒径化できる。またGe、Sb、Seの窒化物が形成される。Ge、Sb、Seの窒化物は大きなエネルギーギャップを持つことを第一原理計算により確認している。したがってNの添加がセット抵抗(Rset)及びリセット抵抗(Rreset)の増加につながり(図11、図12)、効率的にジュール発熱させることができるため、例えばリセット電流(Ireset)を削減できる。
<半導体記憶装置の実施形態>
以下、前述の組成の相変化メモリ膜を備えた半導体記憶装置の具体例について図面を参照し説明する。
以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。本明細書で「接続」とは、物理的に接続される場合に限定されず、電気的に接続される場合も含む。本明細書で「隣り合う」とは、互いに隣接する場合に限定されず、対象となる2つの要素の間に別の要素が存在する場合を含む。本明細書で「xxがyy上に設けられる」とは、xxがyyに接する場合に限定されず、xxとyyとの間に別の部材が介在する場合も含む。本明細書で「平行」および「直交」とは、それぞれ「略平行」および「略直交」の場合も含む。
また、先にX方向、Y方向、Z方向について定義する。X方向およびY方向は、後述する半導体基板SBの表面に沿う方向である。X方向は、後述するワード線WLが延びた方向である。Y方向は、X方向とは交差する(例えば直交する)方向である。Y方向は、後述するビット線BLが延びた方向である。Z方向(第1方向)は、X方向およびY方向と交差する(例えば直交する)方向であり、半導体基板SBの厚さ方向である。本明細書では、「+Z方向」を「上」、「-Z方向」を「下」と称する場合がある。+Z方向と-Z方向は180°異なる方向となる。ただしこれらの表現は、便宜上のものであり、重力方向を規定するものではない。また、X方向とY方向をまとめてXY方向(第2方向)と記載する場合がある。
<1.半導体記憶装置の全体構成>
図2は、実施形態に係る半導体記憶装置の全体構成を示すブロック図である。
実施形態に係る半導体記憶装置Aは、メモリセルアレイ11と、メモリセルアレイ11から所望のメモリセルMCを選択する行デコーダ12及び列デコーダ13を有する。また、半導体記憶装置Aは、これらデコーダ12、13に行アドレス及び列アドレスを与える上位ブロックデコーダ14と、半導体記憶装置Aの各部に電力を供給する電源15と、これらを制御する制御回路16を備える。
メモリセルアレイ11は、それぞれ、1ビット又は複数ビットのデータを記憶する複数のメモリセルMCを備える。メモリセルアレイ11は、行デコーダ12及び列デコーダ13によって選択された所望のビット線BL及びワード線WLに所定の電圧が印加されることにより、所望のメモリセルMCがアクセス(データの消去/書き込み/読み出し)可能に構成される。
図3は、メモリセルアレイ11の一部構成を示す等価回路図である。
メモリセルアレイ11は、複数のビット線BL、複数のワード線WL1、WL2、及び、これらビット線BL及びワード線WL1、WL2に接続された複数のメモリセルMC1、MC2を備える。
これらメモリセルMC1、MC2は、ワード線WL1、WL2を介して行デコーダ12に接続されると共に、ビット線BLを介して列デコーダ13に接続されている。メモリセルMC1、MC2は、それぞれ、例えば、1ビット分のデータを記憶する。また、共通のワード線WL1、WL2に接続された複数のメモリセルMC1、MC2は、例えば1ページ分のデータを記憶する。
メモリセルMC1、MC2は、相変化メモリ膜23とセレクタSELの直列回路を含む。
相変化メモリ膜23は、電流パターン(加熱パターン)に応じて低抵抗の結晶状態と高抵抗のアモルファス状態の2種類の状態を取り得る膜であり、相変化メモリ膜として機能する。これら2種類の抵抗値の状態を“0”、“1”の情報に対応させることにより、相変化メモリ膜PCMをメモリセルとして機能させることができる。従って、相変化メモリ膜23は記憶層として機能する。また、メモリセルMC1、MC2にセレクタSELが設けられる場合、各セレクタSELは整流素子として機能する。従って、選択されたワード線WL1、WL2以外のワード線WL1,WL2には、ほぼ電流が流れない。
なお、以下において、メモリセルアレイ11の第1層に対応する複数のビット線BL、複数のワード線WL1、及び、複数のメモリセルMC1を含む構成を、メモリマットMM0と呼称できる。同様に、メモリセルアレイ11の第2層に対応する複数のビット線BL、複数のワード線WL2、及び、複数のメモリセルMC2を含む構成を、メモリマットMM1と呼称できる。
図4は、メモリセルアレイ11の一部の構成を示す概略的な斜視図である。
メモリセルアレイ11は、この例では、いわゆるクロスポイント型のメモリセルアレイである。即ち、半導体基板SBの上方には、半導体基板SBの上面と平行なY方向に所定間隔を空けて複数のワード線WL1が配置され、これらのワード線WL1が半導体基板SBの上面と平行で且つY方向と交差するX方向に平行に延びるように設けられている。また、これら複数のワード線WL1の上方には、X方向に所定間隔を空けて複数のビット線BLが配置され、これらの複数のビット線BLがY方向に平行に延びるように設けられている。
更に、複数のビット線BLの上方には、Y方向に所定間隔を空けて複数のワード線WL2が配置され、これら複数のワード線WL2がX方向に平行に延びるように設けられている。また、複数のワード線WL1及び複数のビット線BLの交差部には、それぞれ、メモリセルMC1が設けられる。同様に、複数のビット線BL及び複数のワード線WL2の交差部には、それぞれ、メモリセルMC2が設けられる。なお、図4に示す例では、メモリセルMC1、MC2がそれぞれ角柱状に描かれているが、メモリセルMC1、MC2は円柱状あるいはその他の形状であって良く、それらの形状は制限されない。
図5と図6は、メモリマットMM0の一部の構成を示す断面図である。図5はX方向と直交する断面を例示し、図6はY方向と直交する断面を示している。図5、図6は隣り合う3つのメモリセルMC1とそれらの周囲部分の断面を示している。
メモリマットMM0は、半導体基板SB側に配置されたX方向に延びるワード線WL1と、このワード線WL1に対して半導体基板SBと反対側に対向配置されたY方向に延びるビット線BLを有する。また、これらワード線WL1とビット線BLの間に配置されたメモリセルMC1と、複数のメモリセルMC1のXY方向(第2方向)の側面間に設けられた絶縁層18とを備える。
メモリセルMC1は、ワード線WL1側からビット線BL側に向かって、Z方向(第1方向)に順に積層された下部電極層(第2電極)20、セレクタSEL、中間電極層22、相変化メモリ膜(抵抗変化メモリ膜、記憶層)23 、上部電極層(第1電極)25を備えている。相変化メモリ膜23のXY方向(第2方向)の側面(周面)には、これらの側面を覆う保護層(側壁層)26が形成されている。
ワード線WL1、ビット線BLは、例えばタングステン(W)、チタン(Ti)、ポリSi等の導電材料を含む。図5、図6の例では、ワード線WL1の上に下部電極層20が積層されている。
絶縁層18は、例えば酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(Si)等の絶縁材料を含む。
セレクタSELは、例えば2端子間スイッチ素子であってもよい。2端子間に印加する電圧が閾値以下の場合、そのスイッチ素子は“高抵抗”状態、例えば電気的に非導通状態である。2端子間に印加する電圧が閾値以上の場合、スイッチ素子は“低抵抗”状態、例えば電気的に導通状態に変わる。スイッチ素子は、電圧がどちらの極性でもこの機能を有していてもよい。このスイッチ素子には、Te、SeおよびSからなる群より選択された少なくとも1種以上のカルコゲン元素を含む。または、上記カルコゲン元素を含む化合物であるカルコゲナイドを含んでいてもよい。このスイッチ素子は他にも、B、Al、Ga、In、C、Si、Ge、Sn、As、P、Sbからなる群より選択された少なくとも1種以上の元素を含んでもよい。
相変化メモリ膜23は、上述の相変化メモリ膜PCMに適用した材料と同等の材料からなる。
保護層(側壁層)26は、例えば、相変化メモリ膜23と同等の材料に窒素(N)、炭素(C)、ホウ素(B)及び酸素(O)から選ばれた少なくとも1種の元素を含んで構成されている。
窒素(N)、炭素(C)、ホウ素(B)及び酸素(O)等の元素は、保護層26の溶融温度を向上させる。従って、実施形態では、例えば、保護層26の溶融温度は、相変化メモリ膜23の溶融温度よりも高い。より具体的に、保護層26の溶融温度は、メモリセルMC1に対するアクセス時に、相変化メモリ膜23に加えられる熱よりも高く、例えば500℃よりも高い。よって、保護層26は、メモリセルMC1に対するアクセスによっては溶融せず、固化状態を維持している。また、保護層26は、高抵抗のアモルファス状態とされている。このため、保護層26の結晶化温度は、相変化メモリ膜23の溶融温度よりも高い。
相変化メモリ膜23は、溶融温度以上の加熱と急速冷却によりアモルファス状態(リセット状態)となる。また、相変化メモリ膜23は、溶融温度よりも低く、且つ結晶化温度よりも高い温度で加熱し、緩やかに冷却することにより結晶化状態(セット状態)となる。このため、相変化メモリ膜23は、リセット・セットによって溶融・固化を繰り返す。
従って、相変化メモリ膜23は、通電による加熱により、高抵抗状態の抵抗率と低抵抗状態の抵抗率を切り替え可能な記憶物質であると説明できる。
図2~図6に示す半導体記憶装置Aにおいて、相変化メモリ膜PCMは、電圧が印加又は電流が供給されることにより、少なくとも2値の抵抗値を、室温にて双安定状態として取り得る。この2つの安定な抵抗値を書き込み及び読み出すことにより、少なくとも2値のメモリ動作を実現できる。2値のメモリ動作をさせる場合、例えば、相変化メモリ膜PCMの低抵抗状態を“1”、高抵抗状態を“0”に対応付けることができる。
半導体記憶装置Aは、複数の相変化メモリ膜PCMを有するため、個々の相変化メモリ膜PCMに情報を記憶することができる。
半導体記憶装置Aは、上述の相変化メモリ膜PCMと同等の相変化メモリ膜23を備えているため、セット抵抗(Rset)の増加とリセット電流(Ireset)の削減ができる。
その他、半導体記憶装置Aは、先に説明した相変化メモリ膜PCMと同等材料の相変化メモリ膜23を備えるため、先に説明した相変化メモリ膜PCMから得られる効果と同等の効果を得ることができる。
以下、実施例について説明する。
図7~図16は、主として以下に説明する実施例の相変化メモリ素子を用いて通電試験した結果得られた特性を示している。
これらの試験は、図17に示す構造の相変化メモリ素子を用い、この相変化メモリ素子に図18に示す試験アルゴリズムでパルス電圧を印加する通電試験を実施することで行った。
図17に示す相変化メモリ素子30は図1に示す相変化メモリ素子6と同等の構成を有する。相変化メモリ素子30は、層状の第1の電極31と柱状の第2電極32の間に相変化メモリ膜33を挟持した構造を有する。絶縁膜35の中央部に柱状の第2電極32が形成されている。第2電極32は、絶縁膜35の外面に形成された電極層36に接続され、電極層36を介し図示略の電源に接続され、この電源は第1電極31に接続されている。
第1電極31と第2電極32を利用して通電処理を行い、相変化メモリ膜33において第2電極32が接触した部分まわりを溶融し、溶融後に急冷するか徐々に冷却することにより、高抵抗状態と低抵抗状態を切り換えることができる。
相変化メモリ膜33の膜厚は約50nm、第2電極は直径100~200nmの円柱状に形成し、第1電極はW,TiN,C,Tiからなる電極層を用い、第2電極はWからなる電極を用いた。
相変化メモリ膜33の構成材料は後述する材料から構成した。図18に示す試験アルゴリズムは、短パルスを供給し、低電圧(Vread)で抵抗の読み取りを行った。
図7、図8は、GeSbTe系の相変化メモリ膜を図17に示す構造に適用した場合、組成の異なる複数の試料について、抵抗値と電流値の関係を測定した結果を示すグラフである。図9は、同様の試料において、リセット電流とSe含有量(原子%)の関係を測定した結果を示す。
組成の異なる複数の試料は、Ge22Sb22Te56、Ge22Sb22Te50.4Se5.6、Ge22Sb22Te44.8Se11.2、Ge22Sb22Te39.2Se16.8、Ge22Sb22Te33.6Se22.4、Ge22Sb22Te28Se28、Ge22Sb22Te22.4Se33.6、Ge22Sb22Te56+N、Ge22Sb22Te44.8Se11.2+N、Ge22Sb22Te44.8Se11.2+N、Ge22Sb22Te33.6Se22.4+Nの何れかを用いた。なお、上述の化学式において、+Nと表記した試料は、成膜時に5%窒素ガスを流しながら成膜した試料であることを示す。
また、これらの試料の形成には、例えばスパッタ法や蒸着法、原子層堆積法(ALD:Atomic layer deposition)、CVD法(Chemical Vapor Deposition:化学気相成膜法)等の成膜方法を適用することができる。
Ge、Sb、Te、Seからなる相変化メモリ膜をスパッタ法で形成する場合は、例えば組成が調整されたGeSbTeSeターゲットを用いて形成することができる。あるいは、GeSbターゲットとTeSeターゲットを同時にスパッタ(コスパッタ)する、あるいはGeSbターゲットとTeSeターゲットを交互に積層させることで形成することができる。
用いるターゲットの組成、成膜時の投入電力、成膜ガス圧、基板とターゲット間距離、成膜時間を調整することにより構成元素の組成を制御することができる。
その際に用いるターゲットの組み合わせは、構成する元素に依存し、ここに一例通して挙げたターゲットの組み合わせに限定されるものではない。また、Ge、Sb、Te、Se、Nからなる窒素を含む相変化メモリ膜は、組成調整されたGeSbTeSeNスパッタターゲットを用いる手法や、上記手法によりGeSbTeSeを成膜時や成膜後に窒素雰囲気あるいは窒素プラズマに暴露することにより、またその組み合わせによりGeSbTeSeN膜を形成することができる。
Teに対する設計組成比率としてSeを含むことを考慮すると、Se含有量を原子%で表記し、Ge22Sb22Te56-xSeの化学式で表示することができる。この化学式において、Seの含有量を6原子%とした場合、Ge22Sb22Te50Seとなり、Seの含有量を11原子%とした場合、Ge22Sb22Te45Se11となる。
Ge22Te22Te56-xSeの組成においては、Se含有量の増加に伴って、抵抗およびEgが増加すると考えられる。これは、Ge-Se結合の形成により、組成全体のBondエネルギーが増加することによる。
図7、図8に示すように、いずれの組成の相変化メモリ膜においても、電流値に応じ、抵抗の低い状態と高い状態を示すことが明らかであり、抵抗変化メモリ膜として利用できることが分かる。なお、図7以降のグラフにおいて、arb.unitsは任意単位を示す。
図9に示すように、Ge22Sb22Te56の試料と比較し、Ge22Sb22Te56-xSeの試料において、Seの含有量を5.6原子%から16.8原子%に増加させると、リセット電流(Ireset)を42%~55%低減できることが分かった。
図9に示すように、Ge22Sb22Te56-xSe(x=0、11.2、22.4原子%)に対し、窒素ドーピング(Arフローに対して5%の窒素フロー)した試料では、リセット電流(Ireset)をさらに減少できることが分かった。これらの試料は、Ge22Sb22Te56との比較により、リセット電流を53%~61%低減できることが分かった。
Ge22Sb22Te28Se28及びGe22Sb22Te22.4Se33.6で表示される組成範囲の試料については、リセット電流(Ireset)の低減は少なかった。Ge22Sb22Te56-xSeで表示される組成範囲の試料において、Seを28原子%を超えて含有させると、リセット電流(Ireset)の低減は少なかった。従って、GeSbTe系とSbTe系においてSeが含有された、相変化メモリ膜として利用する場合、窒素ドーピングした試料においてSe含有量は22.4原子%以下が望ましいと分かり、窒素ドーピングしていない試料においてSe含有量は16.8原子%以下が望ましいと分かった。
図10は、GeSbTe系の相変化メモリ膜に関し、組成の異なる複数の試料について、Se含有量(原子%)に対する結晶状態の抵抗の依存性を測定した結果を示す。
図10からセット抵抗(Rset)が増加するとリセット電流(Ireset)を低減できることが分かる。
図11は、GeSbTe系の組成の異なる複数の試料について、Se含有量(原子%)に対するアモルファス状態の抵抗依存性を測定した結果を示す。
Ge22Sb22Te56-xSeで表示される組成範囲の試料において、Teを置き換えるSeの含有量が増えると、試料のアモルファス状態の抵抗が増加することが分かった。
Ge22Sb22Te56-xSe(x=0、11.2、22.4原子%)で表示される組成範囲の試料に対し、窒素ドーピング(Arフローに対して5%の窒素フロー)を行うことで、アモルファス状態の抵抗をさらに向上できることが分かった。
図12は、GeSbTe系の相変化メモリ膜に関し、組成の異なる複数の試料について、リセット電流に対する結晶状態の抵抗の依存性を測定した結果を示す。
Ge22Sb22Te56-xSeで表示される組成範囲の試料とGe22Sb22Te56-xSe+Nで表示される組成範囲の試料に対し、Seの含有量が増えると、結晶状態の抵抗が増加し、リセット電流が減少することが分かった。
図13は、熱処理無しの試料において、Ge22Sb22Te56-xSeで表示される組成範囲の試料と、Ge22Sb22Te56-xSeNで表示される組成範囲の試料について、R-I特性を測定した結果を示し、図14は250℃で30分熱処理した試料においてR-I特性を測定した結果を示す。
図15は、Ge22Sb22Te22.4Se33.6で示される組成を有する試料(熱処理無しの試料)に対し、R-I特性を測定した結果を示す。
図16は、Ge22Sb22Te22.4Se33.6で示される組成を有する試料に対し、250℃で30分熱処理後、R-I特性を測定した結果を示す。
Ge22Sb22Te56-xSeで示される組成範囲の試料に対し、Se含有量0原子%以上、16.8原子%以下の試料は相変化メモリ膜として動作し、尚且つSe含有量を増やしていくと0原子%に比べてIreset電流が低減することが分かった。
これに更に250℃×30分の熱処理を加えてもSe含有量増加に対する0原子%に比べてのIreset電流低減効果がSe含有量16.8原子%まで維持していることは確認できている(図14)。また熱処理有り無しに関わらずSe含有量33.6原子%まで相変化メモリ膜として動作していることが分かった(図15)。
窒素をドープしたGe22Sb22Te56-xSeNで表示される試料に対し、Seを22.4原子%以下の範囲で添加した試料は、相変化メモリ膜として動作し尚且つSe含有量0原子%に比べてIreset電流が低減することが分かった(図13)。
これに更に、250℃×30分の熱処理を加えてもSe含有量増加に対する0原子%に比べてのIreset電流低減効果がSe含有量22.4原子%まで維持していることが分かった(図14)。
以上、複数の実施形態および変形例について説明したが、各実施形態は上記した例に限定されない。例えば、上述した複数の実施形態および変形例は、互いに組み合わされて実現されてもよい。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、GeSbTeSe系の相変化メモリ性を示す相変化メモリ膜であって、Seの組成比が28原子%以下である構成を持つことにより、リセット電流を低減することができる。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、SbTeSe系の相変化メモリ性を示す相変化メモリ膜であって、Seの組成比が28原子%以下である構成をもつことにより、リセット電流を低減することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…第1電極、2…第2電極、PCM…相変化メモリ膜、3…絶縁膜、5…電極層、6…相変化メモリ素子、A…半導体記憶装置、20…下部電極層(第2電極)、23…相変化メモリ膜、25…上部電極層(第1電極)、30…相変化メモリ素子、31…第1電極、32…第2電極、33…相変化メモリ膜。

Claims (18)

  1. 少なくともGe、Sb、Te、Seを含む組成からなる相変化メモリ膜を備えた半導体記憶装置であって、前記Seの組成比が33.6原子%以下である半導体記憶装置。
  2. 少なくともGe、Sb、Te、Se、Nを含む組成からなる相変化メモリ膜を備えた半導体記憶装置であって、前記Seの組成比が22.4原子%以下である半導体記憶装置。
  3. 少なくともSb、Te、Seを含む組成からなる相変化メモリ膜を備えた半導体記憶装置であって、前記Seの組成比が33.6原子%以下である半導体記憶装置。
  4. 少なくともSb、Te、Se、Nを含む組成からなる相変化メモリ膜を備えた半導体記憶装置であって、前記Seの組成比が22.4原子%以下である半導体記憶装置。
  5. Ge22+xSb22+yTe56-x-ySe(-5<x<+5、-5<y<+5、Z=x+y、Z≦33.6)なる化学式で示される組成比を有する相変化メモリ膜を備えた請求項1に記載の半導体記憶装置。
    ただし、組成比を示す数値は原子%を意味する。
  6. Ge14+xSb28+yTe58-x-ySe(-5<x<+5、-5<y<+5、Z=x+y、Z≦33.6)なる化学式で示される組成比を有する相変化メモリ膜を備えた請求項1に記載の半導体記憶装置。
    ただし、組成比を示す数値は原子%を意味する。
  7. Ge8+xSb33+yTe59-x-ySe(-5<x<+5、-5<y<+5、Z=x+y、Z≦33.6)なる化学式で示される組成比を有する相変化メモリ膜を備えた請求項1に記載の半導体記憶装置。
    ただし、組成比を示す数値は原子%を意味する。
  8. Sを含む相変化メモリ膜を備えた、請求項1に記載の半導体記憶装置。
  9. Al、Si、C、B、Ti、Oの内から選択される1種または2種以上の元素を含む相変化メモリ膜を備えた請求項1に記載の半導体記憶装置。
  10. 第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極の間に配置された相変化メモリ膜を備え、
    前記相変化メモリ膜が、少なくともGe、Sb、Te、Seを含む組成からなる前記Seの組成比が33.6原子%以下である、
    半導体記憶装置。
  11. 第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極の間に配置された相変化メモリ膜を備え、
    前記相変化メモリ膜が、少なくともGe、Sb、Te、Se、Nを含む組成からなる相変化メモリ膜であって、前記Seの組成比が22.4原子%以下である半導体記憶装置。
  12. 第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極の間に配置された相変化メモリ膜を備え、
    前記相変化メモリ膜が、少なくともSb、Te、Seを含む組成からなり、前記Seの組成比が33.6原子%以下である、
    半導体記憶装置。
  13. 第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極の間に配置された相変化メモリ膜を備え、
    前記相変化メモリ膜が、少なくともSb、Te、Se、Nを含む組成である相変化メモリ膜であって、前記Seの組成比が22.4原子%以下である半導体記憶装置。
  14. 前記相変化メモリ膜が、Ge22+xSb22+yTe56-x-ySe(-5<x<+5、-5<y<+5、Z=x+y、Z≦33.6)なる化学式で示される組成比を有する
    請求項10に記載の半導体記憶装置。
  15. 前記相変化メモリ膜が、Ge14+xSb28+yTe58-x-ySe(-5<x<+5、-5<y<+5、Z=x+y、Z≦33.6)なる化学式で示される組成比を有する
    請求項10に記載の半導体記憶装置。
  16. 前記相変化メモリ膜が、Ge8+xSb33+yTe59-x-ySe(-5<x<+5、-5<y<+5、Z=x+y、Z≦33.6)なる化学式で示される組成比を有する
    請求項10に記載の半導体記憶装置。
  17. Sを含む、請求項10に記載の半導体記憶装置。
  18. Al、Si、C、B、Ti、Oの内から選択される1種または2種以上の元素を含む請求項10に記載の半導体記憶装置。
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