JP2023043905A - インク補給容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】気液交換による速やかな液体補給を行う。【解決手段】プリンターのインクタンクに連通し、仕切りにより仕切られた複数の流路を有するインク入口流路部材を介して、インクタンクにインクを補給するインク補給容器であって、容器本体と、インク出口形成部と、出口弁ユニットとを備え、出口弁ユニットは、筒部内に筒部との間に隙間を設けるように装着され、インク入口流路部材を挿抜可能な弁筐体と、バネ部材と、シール部材と、バネ部材によりシール部材に向けて付勢されシール部材と接触する閉弁状態と、付勢方向と反対の方向に押圧されてシール部材から離れる開弁状態とをとり得る弁体とを備え、弁体は、インク入口流路部材の仕切りと当接可能な端面を有する仕切り接触部を有し、弁筐体は中心軸方向と交差する方向に貫通する貫通孔を有し、貫通孔は隙間に連通し、開弁状態においてインク入口流路部材の複数の流路と連通する。【選択図】図9
Description
本開示は、インク補給容器に関する。
従来から、インク噴射装置の一例として、印刷ヘッドから印刷用紙などの印刷媒体に向けてインクを吐出することによって、印刷媒体にインクで印刷を行うことができるインクジェットプリンターが知られている。このようなインクジェットプリンターには、インクタンクにインクを補給して使用されるインク補給タイプのものがある。特許文献1には、インク補給タイプのインクタンクにインクを補給するために使用されるインク補給容器が開示されている。
特許文献1におけるインク補給容器では、速やかな液体補給を行う点や、インク補給容器の製造やメンテナンスを容易にする観点から改良の余地があった。これらの改良点の少なくとも1つを改良する構成のインク補給容器が望まれる。
(1)本開示の第1の形態によれば、プリンターのインクタンクに連通し、仕切りにより仕切られた複数の流路を有するインク入口流路部材を介して、前記インクタンクにインクを補給するインク補給容器が提供される。このインク補給容器は、インクを収容可能に構成された容器本体と、前記容器本体に接続され、インク出口を有する筒部を備えたインク出口形成部と、前記筒部内に装着された出口弁ユニットと、を備え、前記出口弁ユニットは、前記筒部内に前記筒部との間に隙間を設けるように装着され、前記インク入口流路部材を挿抜可能な弁筐体と、前記弁筐体内に収納され支持されたバネ部材と、前記弁筐体内に装着され、前記インク出口の中心軸方向において前記バネ部材より前記インク出口の先端側に位置し、前記インク入口流路部材を挿抜可能な開口を有するシール部材と、前記弁筐体内に前記中心軸方向に移動可能に装着され、前記バネ部材により前記シール部材に向けて付勢され前記シール部材と接触する閉弁状態と、前記インク入口流路部材により前記付勢方向と反対の方向に押圧されて前記シール部材から離れる開弁状態とをとり得る弁体と、を備え、前記弁体は、前記インク入口流路部材の前記仕切りと当接可能な端面を有する仕切り接触部を有し、前記弁筐体は前記中心軸方向と交差する方向に貫通する貫通孔を有し、前記貫通孔は前記隙間に連通し、前記開弁状態において前記インク入口流路部材の前記複数の流路と連通する。
(2)本開示の第2の形態によれば、プリンターのインクタンクに連通し、仕切りにより仕切られた複数の流路を有するインク入口流路部材を介して、前記インクタンクにインクを補給するインク補給容器が提供される。このインク補給容器は、インクを収容可能に構成された容器本体と、前記容器本体に接続され、インク出口を有する筒部を備えたインク出口形成部と、前記筒部内に装着された出口弁ユニットと、を備え、前記出口弁ユニットは、前記筒部内に装着され、前記インク入口流路部材を挿抜可能な弁筐体と、前記弁筐体内に収納され支持されたバネ部材と、前記弁筐体内に装着され、前記インク出口の中心軸方向において前記バネ部材より前記インク出口の先端側に位置し、前記インク入口流路部材を挿抜可能な開口を有するシール部材と、前記弁筐体内に前記中心軸方向に移動可能に装着され、前記バネ部材により前記シール部材に向けて付勢され前記シール部材と接触する閉弁状態と、前記インク入口流路部材により前記付勢方向と反対の方向に押圧されて前記シール部材から離れる開弁状態とをとり得る弁体と、を備え、前記弁筐体は、前記先端側に前記シール部材の抜け止め部と、前記筒部との係合部とを有し、前記筒部内に着脱可能に構成される。
(3)本開示の第3の形態によれば、プリンターのインクタンクに連通し、仕切りにより仕切られた複数の流路を有するインク入口流路部材を介して、前記インクタンクにインクを補給するインク補給容器が提供される。このインク補給容器は、インクを収容可能に構成された容器本体と、前記容器本体に接続され、インク出口を有する筒部を備えたインク出口形成部と、前記筒部内に装着された出口弁ユニットと、を備え、前記筒部は、前記出口弁ユニットの前記中心軸方向の先端に当接可能で前記インク出口の半径方向に延びるフランジ部と、前記フランジ部から前記筒部内に向けて前記中心軸方向に延びる係合突起と、前記出口弁ユニットの外周に係合可能な環状凸部とを有し、前記出口弁ユニットは、前記筒部の前記係合突起と前記環状凸部とにそれぞれ係合可能な係合部を有し、前記インク入口流路部材を挿抜可能な弁筐体と、前記弁筐体内に収納され支持されたバネ部材と、前記弁筐体内に装着され、前記インク出口の中心軸方向において前記バネ部材より前記インク出口の先端側に位置し、前記インク入口流路部材を挿抜可能な開口を有するシール部材と、前記弁筐体内に前記中心軸方向に移動可能に装着され、前記バネ部材により前記シール部材に向けて付勢され前記シール部材と接触する閉弁状態と、前記インク入口流路部材により前記付勢方向と反対の方向に押圧されて前記シール部材から離れる開弁状態とをとり得る弁体と、を備えたバネ弁ユニットと、前記弁体の半径方向に前記インク入口流路部材が挿抜可能なスリットを有するスリット弁を備えた出口弁ユニットであって、前記筒部の前記係合突起と前記環状凸部とにそれぞれ係合可能な係合部とを有する出口弁ユニットと、を互いに交換して選択的に装着可能に構成されている。
A.第1実施形態:
図1は、第1実施形態におけるプリンター100の斜視図である。このプリンター100は、インクを印刷媒体上に吐出して印刷を行うインクジェットプリンターである。図1には、互いに直交するXYZ軸が描かれている。X軸はプリンター100の幅方向に対応し、Y軸はプリンター100の奥行き方向に対応し、Z軸はプリンター100の高さ方向に対応する。プリンター100は、X方向とY方向とによって規定される水平な設置面に設置されている。なお、「X軸方向」とは、+X方向と-X方向とを合わせた概念を意味する。同様に、「Y軸方向」とは、+Y方向と-Y方向とを合わせた概念を意味し、「Z軸方向」とは、+Z方向と-Z方向とを合わせた概念を意味する。
図1は、第1実施形態におけるプリンター100の斜視図である。このプリンター100は、インクを印刷媒体上に吐出して印刷を行うインクジェットプリンターである。図1には、互いに直交するXYZ軸が描かれている。X軸はプリンター100の幅方向に対応し、Y軸はプリンター100の奥行き方向に対応し、Z軸はプリンター100の高さ方向に対応する。プリンター100は、X方向とY方向とによって規定される水平な設置面に設置されている。なお、「X軸方向」とは、+X方向と-X方向とを合わせた概念を意味する。同様に、「Y軸方向」とは、+Y方向と-Y方向とを合わせた概念を意味し、「Z軸方向」とは、+Z方向と-Z方向とを合わせた概念を意味する。
プリンター100は、筐体110を有する。筐体110の内部には、主走査方向(X軸方向)に移動可能なキャリッジ(図示省略)が設けられている。キャリッジには、インクを印刷媒体上に吐出する印刷ヘッドが設置されている。筐体110の前面の一端には、複数のインクタンク700S,700Lを収容するインクタンク収容ユニット160が設けられている。インクタンク収容ユニット160は、その上部に開閉可能な蓋162を有している。なお、インクタンク700Sは小容量のタンクであり、インクタンク700Lは大容量のタンクである。但し、以下の説明では、両者を区別せずに単に「インクタンク700」と呼ぶ。各インクタンク700は、チューブ(図示省略)によってキャリッジの印刷ヘッドに接続されている。すなわち、インクタンク700は、プリンター100のキャリッジ上に載置されていない定置型のインクタンクである。また、各インクタンク700は、インク残量が低下した場合にインク補給容器からインクが補充されるインク補給タイプのインクタンクである。なお、本実施形態では、インクタンク700は、定置型のインクタンクであるが、プリンター100のキャリッジ上に搭載されるものであってもよい。
図2は、インク補給容器200を用いてインクタンク700にインクを補給する状態を示す斜視図である。各インクタンク700の前面は、透明部材で形成されており、各インクタンク700のインク残量が外部から目視可能である。インク残量が少なくなった場合には、図2に示すように、蓋162を開けて、インクタンク700のインク入口流路部材710からインクを補給することが可能である。
各インクタンク700の上面には、インクをインクタンク700に補給するための筒状のインク入口流路部材710が設けられている。インクタンク収容ユニット160は、インク入口流路部材710の先端を封止するための封止キャップ165を有する封止キャップ部材164を備えている。インクタンク700にインクを補給しない状態では、インク入口流路部材710の先端は、封止キャップ部材164の封止キャップ165で封止されている。インクタンク700にインクを補給する際には、封止キャップ部材164をインク入口流路部材710から外し、インク入口流路部材710の位置にインク補給容器200の先端部を挿入してインクを補給する。インク入口流路部材710の周囲には、インク補給容器200の嵌合部(後述)と嵌合する2つの凹部750が設けられている。これらの凹部750は、インク入口流路部材710を中心として180度の回転対称の形状を有する。
本明細書において、「インクの補給」という用語は、インクタンク700にインクを供給してインク残量を増やす動作を意味している。但し、「インクの補給」によってインクタンク700をインクで満杯にする必要はない。また、「インクの補給」は、プリンター100の初回使用時に、空のインクタンク700にインクを充填する動作も含む。
図3は、第1実施形態におけるインク補給容器200の分解斜視図である。インク補給容器200は、インクを収容可能な容器本体300と、インク出口460を形成するインク出口形成部400と、出口弁ユニット500と、インク出口形成部400に装着されるキャップ600を有している。インク補給容器200のキャップ600側である上端側を「先端側」と呼び、容器本体300側である下端側を「後端側」と呼ぶ。容器本体300は、先端側に開口を有する中空円筒状の容器である。容器本体300の先端にある小径部分には、インク出口形成部400を装着するための外ネジ312が設けられている。
インク出口形成部400の先端には、インク出口460が設けられている。インク出口形成部400は、容器本体300に接続されて用いられる。インク出口形成部400は、インク出口460を有する筒部420を備えている。筒部420内には、出口弁ユニット500が装着される。従って、出口弁ユニット500は、インク出口形成部400の一部を構成する部材とみなすことも可能である。インクタンク700へのインクの補給時には、インクタンク700のインク入口流路部材710(図2)がインク出口460内に挿入される。
出口弁ユニット500は、インクタンク700にインクを補給しない非補給状態ではインク出口460を封止してインクが外部に漏れないように構成されており、インクタンク700にインクを補給する補給状態では封止を解除してインク入口流路部材710にインクが流れ込むように構成されている。
図4は、出口弁ユニット500の第1の斜視図である。図5は、出口弁ユニット500の第2の斜視図である。図5では、インク入口流路部材710が出口弁ユニット500内に挿入された状態を示している。図3~図5に示すように、出口弁ユニット500は、弁筐体517と、シール部材510と、弁体520と、バネ部材530を有する。本開示において、インク補給容器200の中心軸Cと平行な方向を「軸方向」と呼び、中心軸Cから外側に向かう方向を「径方向」と呼ぶ。
弁筐体517は、バネ部材530と、シール部材510と、弁体520を内部に収容する。弁筐体517は、軸方向の先端が開口し、他端が閉塞された略円筒状の形状を有する。弁筐体517は、先端の開口から、インク入口流路部材710を挿抜可能である。図4に示すように、弁筐体517は、先端側にシール部材510の抜け止め部517Aと、筒部420との係合部517Bを有している。このため、出口弁ユニット500が筒部420に組み付けられた状態で一体化される。また、出口弁ユニット500単体で着脱可能なため、製造や取り扱いが容易であり、また、出口弁ユニット500単体での輸送も可能であり、更に、インク補給容器200を再利用する場合に交換も可能となる。弁筐体517は、筒部420内に、筒部420との間に、径方向に隙間を設けるように装着される。図5に示すように、弁筐体517は、軸方向と交差する方向に貫通する合計4つの貫通孔Hoを有している。貫通孔Hoは、弁筐体517と、筒部420との間の径方向の隙間に連通する。貫通孔Hoは軸方向にも延びるように形成されている。
図3~図5に示すように、バネ部材530は、弁筐体517内に収納される。バネ部材530は、弁筐体517内のうちで、軸方向において後端側に収納され弁筐体517に支持される。バネ部材530は、例えば、金属で形成することが可能である。本実施形態において、バネ部材530は、コイルスプリングである。
シール部材510は、弁筐体517内に装着される。シール部材510は、軸方向においてバネ部材530よりインク出口460の先端側に位置している。シール部材510は、略リング状の形状を有する。シール部材510は、例えば、弾性を有するゴム部材(エラストマー)で形成することが可能である。シール部材510は、インク入口流路部材710を挿抜可能な開口を有している。
弁体520は、弁筐体517内に軸方向に移動可能に装着される。弁体520は、円筒部524と凸部526を有する。弁体520は、略円筒状の部材である円筒部524の端面に凸部526が配置された構成を有する。円筒部524は、弁筐体517の内側面と対向している。円筒部524は、弁筐体517の内側面に案内されて摺動可能に構成されている。このため、弁体520の開閉動作が良好に行われる。弁体520の開弁状態と、閉弁状態については後述する。弁体520は、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンのような熱可塑性樹脂で形成することが可能である。図4に示すように、弁体520の凸部526は、インク入口流路部材710の後述する仕切壁714と当接可能な円形の端面を有する仕切り接触部526Aを有する。凸部526は、軸方向において、仕切り接触部526Aを有する先端側に比べて後端側において、軸方向と直交する直交方向の断面積が大きくなるように形成されている。なお、仕切り接触部526Aは、円形の端面を有していたが、円形の端面に限らず、楕円形の端面など、本開示の作用効果を奏するならば、他の任意の形状の端面を有していてもよい。
弁体520は、「閉弁状態」と、「開弁状態」をとり得る。具体的には、弁体520は、バネ部材530によりシール部材510に向けて付勢される。かかる付勢により、円筒部524がシール部材510と接触すると「閉弁状態」となる。この「閉弁状態」では、円筒部524がシール部材510と接触することによって、軸方向の開口が閉塞する。また、弁体520は、インク入口流路部材710により、バネ部材530の付勢方向と反対方向に押圧される。かかる押圧により、円筒部524がシール部材510から離れると「開弁状態」となる。この「開弁状態」では、円筒部524がシール部材510から離れることによって、軸方向に開口が生じる。
出口弁ユニット500以外のインク補給容器200の部品は、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンのような熱可塑性樹脂で形成することが可能である。
図3に示すように、インク出口460の周囲には、2つの嵌合部450が設けられている。これらの嵌合部450は、インクタンク700のインク入口流路部材710の周囲に設けられた凹部750(図2)に嵌合することによって、インク補給容器200の位置決めを行う位置決め部材である。位置決めとは、例えば、イエローインクを収容するインクタンク700に対応する凹部750に、イエローインクを補給するためのインク補給容器200が篏合し、マゼンタインクやシアンインク等の他の色のインクを補給するためのインク補給容器200は篏合できないようにし、インクの誤注入を防ぐ機能と、後述するようにインク補給容器のインク注入姿勢を安定化させる機能のうちの少なくとも一方の機能である。インクの誤注入防止機能はインクの色だけでなく、例えば、黒インクについて、染料インクと顔料インクとの誤注入を防ぐ機能でもある。第1実施形態では、2つの嵌合部450は、インク補給容器200の中心軸Cを中心として180度の回転対称の形状を有する。インクタンク700のインク入口流路部材710の周囲に設けられた凹部750も同様に、インク入口流路部材710を中心として180度の回転対称の形状を有する。インクの補給時には、インク補給容器200の嵌合部450をインクタンク700のインク入口流路部材710の周囲の凹部750に嵌合させることにより、インク補給容器200の向きが、180度の回転対称である2つの向きに限定される。この結果、インク補給時にインク補給容器200を安定した姿勢に維持することが可能である。但し、嵌合部450は省略可能である。
図6は、インク補給容器200の正置状態における正面図であり、図7はその平面図である。「インク補給容器200の正置状態」とは、容器本体300の底部を下にして机などの水平面の上に置いた状態を意味する。前述した図2に示すように、インクタンク700へのインクの補給は、インク補給容器200の先端側を下向きにした倒置姿勢で行われる。なお、図6及び図7は、キャップ600を外した状態である。
図8は、第1実施形態のインクタンク700の斜視図である。インクタンク700のインク入口流路部材710は、インクタンク700から上方に突出している。インク入口流路部材710は、2つの流路711,712を有している。2つの流路711,712は、仕切壁714によって区分されている。第1実施形態では、インク入口流路部材710の先端面は平坦であり、2つの流路711,712は、インク入口流路部材710の先端面でそれぞれ開口している。また、インク入口流路部材710の先端面の一部は、仕切壁714の端部に相当する。インクの補給時には、インク補給容器200の嵌合部450がインクタンク700のインク入口流路部材710の周囲の凹部750に嵌合され、インク補給容器200の周方向の位置決めがされる。これにより、2つの流路711,712は、下方のインク収容室760内に突出する2つのタンク内流路721,722にそれぞれ連通する。これらのタンク内流路721,722の下端は、インク収容室760の天井壁よりも下方の位置まで延びている。この理由は、インク補給容器200からインクタンク700にインクを補給する際に,インク収容室760内の液位がタンク内流路721,722の下端に達した時点で気液交換が停止し、これに伴ってインクの補給も停止するので、インクの補給作業が容易だからである。
図9は、インク補給容器200からインクタンク700にインクを補給する補給状態を示す断面図である。この補給状態では、インク補給容器200は倒置姿勢を取り、インク補給容器200の先端側の方向は、先端側方向D1である。筒部420は、出口弁ユニット500の軸方向の先端に当接可能なインク出口460の半径方向に延びるフランジ部Frと、フランジ部Frから筒部420内に向けて軸方向に延びる係合突起Ktと、出口弁ユニット500の外周に設けられた係合部である環状凸部Co2に係合可能な環状凸部Coとを有している。なお、図9においては、インク補給容器200およびインクタンク700のそれぞれの一部のみを表している。環状凸部Co2と環状凸部Coとの係合部、および、係合突起Ktとシール部材510先端との係合部は、特に後者は、インク漏れのシール機能も備える。
インクタンク700のインク入口流路部材710は、シール部材510の開口を介して管状流路部410に挿入されている。管状流路部410の半径方向の中心より筒部420の内周面側の流路(「補給流路」とも呼ぶ)は、弁筐体517と筒部420の内周面との間の隙間で形成される2つの補給流路411,412に区分されている。補給流路411、412を形成する隙間は、弁筐体517に収容された弁体520及びバネ部材530と、筒部420の内周面との間の、貫通孔Hoを介した隙間も含み得る。従って、隙間は、出口弁ユニット500と筒部420の内周面との間の貫通孔Hoを介した隙間とも言える。また、後述するように、インクの補給状態では、2つの補給流路411,412の一方はインクの流路として使用され、他方は空気の流路として利用される。この結果、インク補給容器200は、インクタンク700と気液交換を行いながらインクの補給を行うことが可能である。気液交換を利用してインクの補給を行う際には、容器本体300を圧搾する必要はない。このように、容器本体300を圧搾せずにインクの補給を行うことが可能なインク補給容器の種類を「非圧搾タイプ」とも呼ぶ。なお、管状流路部410の流路は、入口流路部材710の流路711,712および弁筐体517の貫通孔Hoを介して2つの補給流路411,412に区分されている必要はなく、1つの補給流路として形成されていてもよい。また、管状流路部410の流路は、3つ以上の補給流路に区分されていても良い。
出口弁ユニット500は、補給状態において、管状流路部410の半径方向の中心より筒部420の内周面側の補給流路411,412がインク入口流路部材710の2つの流路711,712に連通するように構成されている。なお、補給流路411,412と、2つの流路711,712との連通によって気液が出入するためには、貫通孔Hoを経由できるような「開弁状態」であることが必要である。
弁体520の凸部526は、インク入口流路部材710の仕切壁714に対して軸方向に対向する位置に設けられている。補給状態では、弁体520の凸部526がインク入口流路部材710により押されて容器本体300側に後退し、インク入口流路部材710の2つの流路711,712が貫通孔Hoを経由して管状流路部410の半径方向の中心より筒部420の内周面側の補給流路411,412とそれぞれ連通する。このような状態となるのは、上述の「開弁状態」である。この結果、容器本体300内のインクが補給流路411,412を介してインク入口流路部材710に流れ込むことが許容される。図9において、実線の矢印はインクの流れを示し、破線の矢印は空気の流れを示している。このように、補給状態では、インク入口流路部材710の2つの流路711,712と、管状流路部410の2つの補給流路411,412とを利用して、気液交換を行いながらインク補給容器200からインクタンク700にインクを効率的に補給することができる。この気液交換を円滑に行うために、管状流路部410の補給流路は、複数の補給流路に区分されていることが好ましい。インク入口流路部材710のインク入口流路も同様である。この場合には、補給状態において、複数の補給流路の1つ以上が複数のインク入口流路の1つ以上に連通するとともに、複数の補給流路の他の1つ以上が複数のインク入口流路の他の1つ以上に連通するように構成されていることが好ましい。
上述したように、凸部526は、軸方向において、仕切り接触部526Aを有する先端側に比べて後端側において、軸方向と直交する直交方向の断面積が大きくなるように形成されている。これにより、仕切壁714と接触する側の断面積が後端側の断面積より小さいため、複数の流路に対するインクの流入、空気の流出を妨げ難く、円滑な気液交換を可能とする。また、後端側は太くなるため、弁体520の凸部526が仕切壁714と接触したときの強度を保持でき、仕切り機能を良好に保持できる。
図4および図9に示すように、弁体520の凸部526は、先端側から後端側に拡大する傾斜面526Bを有する。このため、傾斜面526Bに沿って気体と液体が流れるため、相互に干渉する部分が少なくなり、円滑な気液交換による速やかな液体補給が可能となる。
図9に示すように、弁筐体517の後端側は閉鎖されている。このため、気液の干渉を防ぎ、気液交換を円滑に行うことができ、速やかなインク補給を可能とする。
図10は、キャップ600を閉めたときのインク補給容器200の断面図である。図11は、キャップ600の開封途中のインク補給容器200の断面図である。図12は、キャップ600を全開封したときのインク補給容器200の断面図である。なお、図11に示すインク補給容器200内の矢印は、大気が開放する流れを示す。図10~図12に示すように、キャップ600は、突起602を有する。図10に示すように、キャップ600が閉められた状態では、突起602が弁体520を軸方向の後端側へ押圧して開弁状態にさせる。これにより、貫通孔Hoが生じて、貫通孔Hoと補給流路411,412がそれぞれ連通する。キャップ600は閉じられているので大気開放はされていないが、貫通孔Hoを介して、補給流路411,412からシール部材510の径方向内側まで連通する。図11に示すように、弁体520が軸方向の先端側へ移動して貫通孔Hoの軸方向の長さが短くなるが、キャップが開封されることにより大気開放されて内圧が下がる。図12に示すように、弁体520は先端側方向D1へ更に移動して貫通孔Hoは閉じられて閉弁状態となる。これにより、キャップ600が全開封されても、インクが漏れ出さない。キャップ600を備えることにより、温度変化・気圧変化によりインク補給容器200の内圧が上昇している場合に、キャップ600を閉めた状態から開ける際に内圧が開放されるため、インクの噴出を防ぐことができる。
上記第1実施形態によれば、インク入口流路部材710の仕切られた複数の流路の一つから空気が上昇し、弁筐体517の貫通孔Hoを通過し筒部420と弁筐体517との間の隙間を通って容器本体300内に入り、一方、容器本体300内のインクが隙間を通って貫通孔Hoを通過し複数の流路の他の一つに流入するため、弁筐体517内を気液が通過する構成に比べて、気液の分離がより良好に行われ、円滑な気液交換による速やかな液体補給が可能となる。
第1実施形態では、補給状態において、弁体520の凸部526がインク入口流路部材710の仕切壁714に当接することによって、シール部材510と弁体520とが離れ、その隙間が弁筐体517の貫通孔Hoに連通する。貫通孔Hoを介して、管状流路部410のうち、弁筐体517と筒部420の内周面との間の隙間として形成される補給流路411,412がインク入口流路部材710の流路711,712に連通するように構成されている。このように、弁体520の先端に凸部526を設けておき、弁筐体517に貫通孔Hoを設けることにより、凸部526がインク入口流路部材710の仕切壁714に当接する開弁状態で、流路711,712が、シール部材510と弁体520の円筒部524の先端との間の隙間を経由して貫通孔Hoに連通し、更に、弁筐体517と筒部420との内周面との隙間として形成される補給流路411,412との流路間の連通状態を容易に実現することが可能である。
また、補給状態では、シール部材510が、インク入口流路部材710の外周面に接してインク入口流路部材710の外周面を封止している。この構成によれば、インクが外部に漏れ出すことを防止することが可能であり、インク入口流路部材710の外周面のシール性能を高めることができる。
また、弁体520の凸部526のうち、仕切壁714と接触する側の断面積が後端側の断面積より小さいため、複数の流路に対するインクの流入、空気の流出を妨げ難く、円滑な気液交換を可能とする。また、後端側は太くなるため、弁体520の凸部526が仕切壁714と接触したときの強度を保持でき、仕切り機能を良好に保持できる。
さらに、凸部526の傾斜面526Bに沿って気体と液体が流れるため、相互に干渉する部分が少なくなり、円滑な気液交換による速やかな液体補給が可能となる。
また、弁筐体517の後端側は閉鎖されているので、気液の干渉を防ぎ、気液交換を円滑に行うことができ、速やかなインク補給を可能とする。
さらに、弁体520は弁筐体517の内側面と対向する円筒部524を有する。円筒部524は、弁筐体517の内側面に案内されて摺動可能に構成されている。このため、弁体520の開閉動作が良好に行われる。
また、インク出口460を覆うことが可能なキャップ600を備え、キャップ600は、キャップ600を閉めた状態で弁体520を押圧して開弁状態とする突起602を有する。このため、温度変化・気圧変化によりインク補給容器200の内圧が上昇している場合に、キャップ600を閉めた状態から開ける際に内圧が開放されるため、インクの噴出を防ぐことができる。
さらに、弁筐体517は、先端側にシール部材510の抜け止め部517Aと、筒部420との係合部517Bとを有し、筒部420内に着脱可能に構成される。このため、出口弁ユニット500が筒部420に組み付けられた状態で一体化される。また、出口弁ユニット500単体で着脱可能なため、製造や取り扱いが容易であり、また、出口弁ユニット500単体での輸送も可能であり、更に、インク補給容器200を再利用する場合に交換も可能となる。
第1実施形態における「仕切壁714」は、本開示の「仕切り」に相当する。
B.他の実施形態:
B-1.他の実施形態1:
上記第1実施形態では、インク補給容器200は、筒部420の弁筐体517内に収納されたバネ部材530を備えたバネ弁ユニットである出口弁ユニット500を備えていたが、本開示はこれに限られない。インク補給容器200は、バネ弁ユニットである出口弁ユニット500に代えて、スリット弁を備えた出口弁ユニットを備えていてもよい。インク補給容器200は、弁体520の径方向にインク入口流路部材710が挿抜可能なスリットを有するスリット弁を備えた出口弁ユニットであって、筒部420の係合突起Ktと環状凸部Coとにそれぞれ係合可能な係合部とを有する出口弁ユニットを、バネ弁ユニットと交換して装着可能に構成されてもよい。これにより、出口弁ユニットが供給不足になったとき、スリット弁ユニットに置き換え可能となり、インク出口形成部400の他の部分を共通化させ、製造やメンテナンスを容易する。
B-1.他の実施形態1:
上記第1実施形態では、インク補給容器200は、筒部420の弁筐体517内に収納されたバネ部材530を備えたバネ弁ユニットである出口弁ユニット500を備えていたが、本開示はこれに限られない。インク補給容器200は、バネ弁ユニットである出口弁ユニット500に代えて、スリット弁を備えた出口弁ユニットを備えていてもよい。インク補給容器200は、弁体520の径方向にインク入口流路部材710が挿抜可能なスリットを有するスリット弁を備えた出口弁ユニットであって、筒部420の係合突起Ktと環状凸部Coとにそれぞれ係合可能な係合部とを有する出口弁ユニットを、バネ弁ユニットと交換して装着可能に構成されてもよい。これにより、出口弁ユニットが供給不足になったとき、スリット弁ユニットに置き換え可能となり、インク出口形成部400の他の部分を共通化させ、製造やメンテナンスを容易する。
B-2.他の実施形態2:
上記第1実施形態において、インク補給容器200はキャップ600を備えていたが、なくてもよい。
上記第1実施形態において、インク補給容器200はキャップ600を備えていたが、なくてもよい。
B-3.他の実施形態3:
上記第1実施形態のインク補給容器200において、弁筐体517は筒部420内に着脱可能に構成されていたが、着脱できずに一体化されていてもよい。
上記第1実施形態のインク補給容器200において、弁筐体517は筒部420内に着脱可能に構成されていたが、着脱できずに一体化されていてもよい。
C.他の形態:
本開示は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、以下に記載する各形態中の技術的特徴に対応する実施形態の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
本開示は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、以下に記載する各形態中の技術的特徴に対応する実施形態の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
(1)本開示の第1の形態によれば、プリンターのインクタンクに連通し、仕切りにより仕切られた複数の流路を有するインク入口流路部材を介して、前記インクタンクにインクを補給するインク補給容器が提供される。このインク補給容器は、インクを収容可能に構成された容器本体と、前記容器本体に接続され、インク出口を有する筒部を備えたインク出口形成部と、前記筒部内に装着された出口弁ユニットと、を備え、前記出口弁ユニットは、前記筒部内に前記筒部との間に隙間を設けるように装着され、前記インク入口流路部材を挿抜可能な弁筐体と、前記弁筐体内に収納され支持されたバネ部材と、前記弁筐体内に装着され、前記インク出口の中心軸方向において前記バネ部材より前記インク出口の先端側に位置し、前記インク入口流路部材を挿抜可能な開口を有するシール部材と、前記弁筐体内に前記中心軸方向に移動可能に装着され、前記バネ部材により前記シール部材に向けて付勢され前記シール部材と接触する閉弁状態と、前記インク入口流路部材により前記付勢方向と反対の方向に押圧されて前記シール部材から離れる開弁状態とをとり得る弁体と、を備え、前記弁体は、前記インク入口流路部材の前記仕切りと当接可能な端面を有する仕切り接触部を有し、前記弁筐体は前記中心軸方向と交差する方向に貫通する貫通孔を有し、前記貫通孔は前記隙間に連通し、前記開弁状態において前記インク入口流路部材の前記複数の流路と連通する。この形態によれば、インク入口流路部材の仕切られた複数の流路の一つから空気が上昇し、弁筐体の貫通孔を通過し筒部と弁筐体との間の隙間を通って容器本体内に入り、一方、容器本体内のインクが前記隙間を通って前記貫通孔を通過し前記複数の流路の他の一つに流入するため、弁筐体内を気液が通過する場合に比べ気液の分離がより良好に行われ、円滑な気液交換による速やかな液体補給が可能となる。
(2)上記形態において、前記弁体の前記仕切り接触部は前記弁体の有する凸部に設けられ、前記凸部は前記中心軸方向において前記仕切り接触部を有する先端側に比べて後端側において前記中心軸方向と直交する方向の断面積が大きくなるように形成されてもよい。この形態によれば、仕切りと接触する側の断面積が後端側の断面積より小さいため、複数の流路に対するインクの流入、空気の流出を妨げ難く、円滑な気液交換を可能とする。また、後端側は太くなるため、弁体の凸部が仕切りと接触したときの強度を保持でき、仕切り機能を良好に保持できる。
(3)上記形態において、前記弁体の前記凸部は、前記先端側から前記後端側に拡大する傾斜面を有してもよい。この形態によれば、傾斜面に沿って気体と液体が流れるため、相互に干渉する部分が少なくなり、円滑な気液交換による速やかな液体補給が可能となる。
(4)上記形態において、前記弁筐体の後端側は閉鎖されていてもよい。この形態によれば、気液の干渉を防ぎ、気液交換を円滑に行うことができ、速やかなインク補給を可能とする。
(5)上記形態において、前記弁体は前記弁筐体の内側面と対向する円筒部を有し、前記円筒部は前記内側面に案内されて摺動可能に構成されていてもよい。この形態によれば、弁体の開閉動作が良好に行われる。
(6)上記形態において、更に、前記インク出口を覆うことが可能なキャップを備え、前記キャップは、前記キャップを閉めた状態で前記弁体を押圧して前記開弁状態とする突起を有してもよい。この形態によれば、温度変化・気圧変化によりインク補給容器の内圧が上昇している場合に、キャップを閉めた状態から開ける際に内圧が開放されるため、インクの噴出を防ぐことができる。
(7)本開示の第2の形態によれば、プリンターのインクタンクに連通し、仕切りにより仕切られた複数の流路を有するインク入口流路部材を介して、前記インクタンクにインクを補給するインク補給容器が提供される。このインク補給容器は、インクを収容可能に構成された容器本体と、前記容器本体に接続され、インク出口を有する筒部を備えたインク出口形成部と、前記筒部内に装着された出口弁ユニットと、を備え、前記出口弁ユニットは、前記筒部内に装着され、前記インク入口流路部材を挿抜可能な弁筐体と、前記弁筐体内に収納され支持されたバネ部材と、前記弁筐体内に装着され、前記インク出口の中心軸方向において前記バネ部材より前記インク出口の先端側に位置し、前記インク入口流路部材を挿抜可能な開口を有するシール部材と、前記弁筐体内に前記中心軸方向に移動可能に装着され、前記バネ部材により前記シール部材に向けて付勢され前記シール部材と接触する閉弁状態と、前記インク入口流路部材により前記付勢方向と反対の方向に押圧されて前記シール部材から離れる開弁状態とをとり得る弁体と、を備え、前記弁筐体は、前記先端側に前記シール部材の抜け止め部と、前記筒部との係合部とを有し、前記筒部内に着脱可能に構成される。この形態によれば、出口弁ユニット単体で着脱可能なため、製造が容易であり、また、出口弁ユニット単体での輸送も可能であり、更に、インク補給容器を再利用する場合に交換も可能となる。
(8)本開示の第3の形態によれば、プリンターのインクタンクに連通し、仕切りにより仕切られた複数の流路を有するインク入口流路部材を介して、前記インクタンクにインクを補給するインク補給容器が提供される。このインク補給容器は、インクを収容可能に構成された容器本体と、前記容器本体に接続され、インク出口を有する筒部を備えたインク出口形成部と、前記筒部内に装着された出口弁ユニットと、を備え、前記筒部は、前記出口弁ユニットの前記中心軸方向の先端に当接可能で前記インク出口の半径方向に延びるフランジ部と、前記フランジ部から前記筒部内に向けて前記中心軸方向に延びる係合突起と、前記出口弁ユニットの外周に係合可能な環状凸部とを有し、前記出口弁ユニットは、前記筒部の前記係合突起と前記環状凸部とにそれぞれ係合可能な係合部を有し、前記インク入口流路部材を挿抜可能な弁筐体と、前記弁筐体内に収納され支持されたバネ部材と、前記弁筐体内に装着され、前記インク出口の中心軸方向において前記バネ部材より前記インク出口の先端側に位置し、前記インク入口流路部材を挿抜可能な開口を有するシール部材と、前記弁筐体内に前記中心軸方向に移動可能に装着され、前記バネ部材により前記シール部材に向けて付勢され前記シール部材と接触する閉弁状態と、前記インク入口流路部材により前記付勢方向と反対の方向に押圧されて前記シール部材から離れる開弁状態とをとり得る弁体と、を備えたバネ弁ユニットと、前記弁体の半径方向に前記インク入口流路部材が挿抜可能なスリットを有するスリット弁を備えた出口弁ユニットであって、前記筒部の前記係合突起と前記環状凸部とにそれぞれ係合可能な係合部とを有する出口弁ユニットと、を互いに交換して選択的に装着可能に構成されていてもよい。この形態によれば、出口弁ユニットが供給不足になったとき、スリット弁ユニットに置き換えることができる。
本開示は、上記形態の他に、インク補給容器の製造方法などの形態で実現することができる。
100…プリンター、110…筐体、160…インクタンク収容ユニット、162…蓋、164…封止キャップ部材、165…封止キャップ、200…インク補給容器、300…容器本体、312…外ネジ、400…インク出口形成部、410…管状流路部、411…補給流路、420…筒部、450…嵌合部、460…インク出口、500…出口弁ユニット、510…シール部材、517…弁筐体、517A…抜け止め部、517B…係合部、520…弁体、524…円筒部、526…凸部、526A…仕切り接触部、526B…傾斜面、530…バネ部材、600…キャップ、602…突起、700,700L,700S…インクタンク、710…インク入口流路部材、711…インク入口流路、714…仕切壁、721…タンク内流路、750…凹部、760…インク収容室、C…中心軸、Co…環状凸部、D1…先端側方向、Fr…フランジ部、Ho…貫通孔、Kt…係合突起
Claims (8)
- プリンターのインクタンクに連通し、仕切りにより仕切られた複数の流路を有するインク入口流路部材を介して、前記インクタンクにインクを補給するインク補給容器であって、
インクを収容可能に構成された容器本体と、
前記容器本体に接続され、インク出口を有する筒部を備えたインク出口形成部と、
前記筒部内に装着された出口弁ユニットと、
を備え、
前記出口弁ユニットは、
前記筒部内に前記筒部との間に隙間を設けるように装着され、前記インク入口流路部材を挿抜可能な弁筐体と、
前記弁筐体内に収納され支持されたバネ部材と、
前記弁筐体内に装着され、前記インク出口の中心軸方向において前記バネ部材より前記インク出口の先端側に位置し、前記インク入口流路部材を挿抜可能な開口を有するシール部材と、
前記弁筐体内に前記中心軸方向に移動可能に装着され、前記バネ部材により前記シール部材に向けて付勢され前記シール部材と接触する閉弁状態と、前記インク入口流路部材により前記付勢方向と反対の方向に押圧されて前記シール部材から離れる開弁状態とをとり得る弁体と、
を備え、
前記弁体は、前記インク入口流路部材の前記仕切りと当接可能な端面を有する仕切り接触部を有し、
前記弁筐体は前記中心軸方向と交差する方向に貫通する貫通孔を有し、前記貫通孔は前記隙間に連通し、前記開弁状態において前記インク入口流路部材の前記複数の流路と連通する、インク補給容器。 - 請求項1に記載のインク補給容器であって、前記弁体の前記仕切り接触部は前記弁体の有する凸部に設けられ、前記凸部は前記中心軸方向において前記仕切り接触部を有する先端側に比べて後端側において前記中心軸方向と直交する方向の断面積が大きくなるように形成される、インク補給容器。
- 請求項2に記載のインク補給容器であって、前記弁体の前記凸部は、前記先端側から前記後端側に拡大する傾斜面を有する、インク補給容器。
- 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のインク補給容器であって、前記弁筐体の後端側は閉鎖されている、インク補給容器。
- 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のインク補給容器であって、前記弁体は前記弁筐体の内側面と対向する円筒部を有し、前記円筒部は前記内側面に案内されて摺動可能に構成されている、インク補給容器。
- 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のインク補給容器であって、更に、前記インク出口を覆うことが可能なキャップを備え、前記キャップは、前記キャップを閉めた状態で前記弁体を押圧して前記開弁状態とする突起を有する、インク補給容器。
- プリンターのインクタンクに連通し、仕切りにより仕切られた複数の流路を有するインク入口流路部材を介して、前記インクタンクにインクを補給するインク補給容器であって、
インクを収容可能に構成された容器本体と、
前記容器本体に接続され、インク出口を有する筒部を備えたインク出口形成部と、
前記筒部内に装着された出口弁ユニットと、
を備え、
前記出口弁ユニットは、
前記筒部内に装着され、前記インク入口流路部材を挿抜可能な弁筐体と、
前記弁筐体内に収納され支持されたバネ部材と、
前記弁筐体内に装着され、前記インク出口の中心軸方向において前記バネ部材より前記インク出口の先端側に位置し、前記インク入口流路部材を挿抜可能な開口を有するシール部材と、
前記弁筐体内に前記中心軸方向に移動可能に装着され、前記バネ部材により前記シール部材に向けて付勢され前記シール部材と接触する閉弁状態と、前記インク入口流路部材により前記付勢方向と反対の方向に押圧されて前記シール部材から離れる開弁状態とをとり得る弁体と、
を備え、
前記弁筐体は、前記先端側に前記シール部材の抜け止め部と、前記筒部との係合部とを有し、前記筒部内に着脱可能に構成される、インク補給容器。 - プリンターのインクタンクに連通し、仕切りにより仕切られた複数の流路を有するインク入口流路部材を介して、前記インクタンクにインクを補給するインク補給容器であって、
インクを収容可能に構成された容器本体と、
前記容器本体に接続され、インク出口を有する筒部を備えたインク出口形成部と、
前記筒部内に装着された出口弁ユニットと、
を備え、
前記筒部は、前記出口弁ユニットの中心軸方向の先端に当接可能で前記インク出口の半径方向に延びるフランジ部と、前記フランジ部から前記筒部内に向けて前記中心軸方向に延びる係合突起と、前記出口弁ユニットの外周に係合可能な環状凸部とを有し、
前記出口弁ユニットは、
前記筒部の前記係合突起と前記環状凸部とにそれぞれ係合可能な係合部を有し、前記インク入口流路部材を挿抜可能な弁筐体と、
前記弁筐体内に収納され支持されたバネ部材と、
前記弁筐体内に装着され、前記インク出口の中心軸方向において前記バネ部材より前記インク出口の先端側に位置し、前記インク入口流路部材を挿抜可能な開口を有するシール部材と、
前記弁筐体内に前記中心軸方向に移動可能に装着され、前記バネ部材により前記シール部材に向けて付勢され前記シール部材と接触する閉弁状態と、前記インク入口流路部材により前記付勢方向と反対の方向に押圧されて前記シール部材から離れる開弁状態とをとり得る弁体と、
を備えたバネ弁ユニットと、
前記弁体の半径方向に前記インク入口流路部材が挿抜可能なスリットを有するスリット弁を備えた出口弁ユニットであって、前記筒部の前記係合突起と前記環状凸部とにそれぞれ係合可能な係合部とを有する出口弁ユニットと、
を互いに交換して選択的に装着可能に構成されている、インク補給容器。
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