JP2023043729A - テンプレート位置決め装置 - Google Patents

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康 木下
Yasushi Kinoshita
大介 松家
Daisuke Matsuka
誠 服部
Makoto Hattori
雅人 伊藤
Masahito Ito
剛史 恩地
Tsuyoshi Onchi
晃広 勝田
Akihiro Katsuta
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Abstract

【課題】テンプレートの位置を位置調整機構によって調整した後、テンプレートを支持部材に支持させたまま、支持部材から位置調整機構を取り外すことができるようにする。【解決手段】昇降路に設置された複数の支持部材に支持され、かつ、ピアノ線が取り付けられるテンプレートを位置決めするテンプレート位置決め装置であって、テンプレートに対して着脱可能で、テンプレートを把持してテンプレートと一体に移動する把持部材と、把持部材に把持されるテンプレートの位置を、テンプレートと一体に把持部材を移動させて調整する位置調整機構とを備える。位置調整機構は、把持部材を第1の方向に移動させる第1駆動部と、把持部材を第2の方向に移動させる第2駆動部および第3駆動部と、支持部材に対して着脱可能で、第2駆動部および第3駆動部を支持する架台と、を備える。【選択図】図4

Description

本発明は、テンプレート位置決め装置に関する。
新築のビルなどに設けられるエレベーターの昇降路は、建築事業者が管理する精度に従って建築されている。現在、エレベーターの据付工事は次のような手順で行われている。まず、昇降路の天井部分から複数のピアノ線を鉛直に設置する。このとき、ピアノ線は、錘を用いて鉛直に吊り下げられる。次に、ピアノ線の位置をエレベーターの据付基準として、昇降路内にガイドレールを敷設したり、ホール側出入口のシルを設置したりする。
上述したように、エレベーターの各機器を設置する場合に、各機器の位置合わせの基準としてピアノ線が利用されている。ピアノ線は、テンプレートと呼ばれる据付治具に取り付けられ、昇降路内に鉛直に設置される。その際、作業者は、建築事業者が基準階(通常は1階)に表記した基準墨から所定の位置にピアノ線を設置する必要がある。このため、作業者は、まず、基準階において基準墨からケガキ作業を行うとともに、基準階で所定の位置を特定できるようにスケールを設置する。次に、作業者は、昇降路の天井部分にテンプレートを設置する。次に、作業者は、テンプレートにピアノ線の上端部を取り付けるとともに、ピアノ線の下端部に錘を取り付けて、テンプレートからピアノ線を吊り下げる。次に、作業者は、昇降路の最上階から基準階へと移動して、所定の位置に対するピアノ線の位置ずれを確認する。次に、作業者は、基準階から最上階へと移動して、所定の位置にピアノ線が近づくようにテンプレートの位置を調整する。次に、作業者は、最上階から基準階へと移動して、ピアノ線の位置が所定の位置に合っているかどうかを確認する。その後、作業者は、最上階と基準階との間を何度か往復して、テンプレートの位置調整とピアノ線の位置確認とを繰り返すことにより、所定の位置にピアノ線を合わせる。こうした一連の作業において、作業者は、最上階と基準階の間を何度も昇降することになり、肉体的な疲労を受ける。
エレベーターの昇降路内にピアノ線を設置するための技術として、特許文献1に記載された技術が知られている。特許文献1には「昇降路の最上部に平面方向に所定間隔を置いて設置された型板サポート部材と、型板サポート部材間に跨って乗場側に沿って平行に設けられ、両端部にピアノ線垂下部が設けられた基準型板と、基準型板の両端部にそれぞれ設けられ、内蔵されたモーターにより基準型板の両端部の乗場側と直交方向の平面的な動きを独立して調整制御するX軸方向位置決め装置と、基準型板の中間部に設けられ、内蔵されたモーターにより基準型板の乗場側と平行方向の平面的な動きを調整制御するY軸方向位置決め装置と、X軸方向位置決め装置およびY軸方向位置決め装置を遠隔操作にてリモートコントロールすることが可能なリモコン装置と、基準型板の両端部のピアノ線垂下部から垂下され、下端部に錘が取り付けられたピアノ線と、昇降路ピットに設けられ、ピアノ線の下端部に吊下げられた錘を浸して錘の振り子運動を抑える錘静止用水入り容器とを備えたことを特徴とするエレベータ用基準型板の自動位置決め装置」と記載されている。
特開2009-23801号公報
しかしながら、特許文献1に記載された技術には次のような課題がある。
特許文献1には、基準型板(テンプレート)の位置を調整する位置調整機構(X軸方向位置決め装置およびY軸方向位置決め装置)を基準型板にセットし、この基準型板を2つの支持部材(型板サポート部材)に取り付けることが記載されている。この構成において、基準型板の位置調整後の状態を維持し続けるためには、位置調整機構が所定の長さを維持して支持部材に取り付けられている必要がある。そのため、ピアノ線の位置を基準にエレベーターの各機器を設置する場合は、全ての機器の設置作業を終えるまで位置調整機構を支持部材に取り付たままにしておく必要がある。また、複数の現場でエレベーター機器の設置作業を並行して進める場合は、その作業現場の数だけ位置調整機構の台数を揃える必要があり、装置の利用効率が悪くなる問題がある。
本発明の目的は、テンプレートの位置を位置調整機構によって調整した後、テンプレートを支持部材に支持させたまま、支持部材から位置調整機構を取り外すことができるテンプレート位置決め装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、たとえば、特許請求の範囲に記載された構成を採用する。
本願は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一つを挙げるならば、昇降路に設置された複数の支持部材に支持されるとともに、ピアノ線の上端部が取り付けられるテンプレートを位置決めするテンプレート位置決め装置である。このテンプレート位置決め装置は、テンプレートに対して着脱可能であるとともに、テンプレートを把持してテンプレートと一体に移動する把持部材と、把持部材に把持されるテンプレートの位置を、テンプレートと一体に把持部材を移動させることによって調整する位置調整機構とを備える。また、位置調整機構は、把持部材を第1の方向に移動させる第1駆動部と、把持部材を第1の方向と直交する第2の方向に移動させる第2駆動部および第3駆動部と、支持部材に対して着脱可能であるとともに、第2駆動部および第3駆動部を支持する架台と、を備える。
本発明によれば、テンプレートの位置を位置調整機構によって調整した後、テンプレートを支持部材に支持させたまま、支持部材から位置調整機構を取り外すことができる。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明によって明らかにされる。
実施形態に係るテンプレート位置決め装置をエレベーターの昇降路に設置した状態を示す概略側面図である。 テンプレートの構成例を示す平面図である。 図2に示すテンプレートをA方向から見た図である。 実施形態に係るテンプレート位置決め装置の構成を示す斜視図である。 把持部材の構成例を示す斜視図である。 第3回転ジョイントによる接続構造の一例を示す縦断面図である。 テンプレート固定具の構成例を示す斜視図である。 実施形態に係るテンプレート位置決め装置の制御構成を示すブロック図である。 実施形態に係るテンプレート位置決め装置の動作を説明する図である。 把持部材の揺動による中心間距離の変化を説明する図である。 実施形態に係るテンプレート位置決め装置10を用いた作業者の作業手順を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。本明細書および図面において、実質的に同一の機能または構成を有する要素については、同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、実施形態に係るテンプレート位置決め装置をエレベーターの昇降路に設置した状態を示す概略側面図である。
なお、本実施形態においては、各部の形状や位置関係などを明確にするために、作業者がエレベーターホールに立ってエレベーターの出入口を正面から見た場合を基準として、左右方向をX軸方向、奥行き方向をY軸方向、上下方向(鉛直方向)をZ軸方向とする。X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向は、互いに直交する方向である。
図1に示すように、テンプレート位置決め装置10は、テンプレート1の位置を調整する位置調整機構(後述)を備え、この位置調整機構によってテンプレート1を位置決めする装置である。テンプレート位置決め装置10は、昇降路11の天井部分(頂部)に取り付けて使用される。テンプレート1の位置決めは、テンプレート1から錘9を用いて吊り下げられたピアノ線7の位置を、予め決められた所定の位置に合わせるために行われる。
建築中のビルでは、昇降路11の最上階に作業台12が設置される。作業台12は、トップステージとも呼ばれる。作業者13は、作業台12に乗って所定の作業を行う。昇降路11の各階の出入口には、作業者13の安全性を確保するための幕14が設置される。また、昇降路11の天井部分には、支持部材の一例として、2つ(図4参照)の支持パイプ15が設置されている。2つの支持パイプ15は、互いに平行に配置される。また、各々の支持パイプ15は、図示しない水準器を用いて水平に設置される。なお、2つの支持パイプ15の平行度および水平度に関しては、位置決め装置10を使用してテンプレート1を位置決めするときに支障がない程度の精度が確保されていればよい。また、支持パイプ15の数は2つに限らず3つ以上の場合もあり得る。
各々の支持パイプ15は、円筒状に形成されている。支持パイプ15としては、単管パイプと呼ばれる鋼管を用いることができる。支持パイプ15の一端部には、ネジ式の伸縮部15aが設けられている。伸縮部15aは、支持パイプ15の中心軸方向に伸縮することにより、支持パイプ15の全長を変える。また、支持パイプ15の一端部には操作レバー16と突き当てプレート17が設けられ、支持パイプ15の他端部には突き当てプレート18が設けられている。操作レバー16は、図示はしないが、伸縮部15aに形成されたネジに噛み合うナットを、支持パイプ15の中心軸回りに回転させるためのレバーである。伸縮部15aは、操作レバー16を一方向に回転させると伸び、操作レバー16を反対方向に回転させると縮む。
上記構成からなる支持パイプ15は、エレベーターの出入口から見て、昇降路11の手前側の壁11aと奥側の壁11bを利用して固定される。具体的には、突き当てプレート18を壁11aに突き当てるとともに、突き当てプレート17を操作レバー16の回転によって壁11bに突き当てる。その際、伸縮部15aが伸びる方向に操作レバー16を回転させることにより、突き当てプレート17を壁11bに強く押し付ける。これにより、2つの壁11a,11bの間に支持パイプ15を突っ張るかたちで、昇降路11の天井部分に支持パイプ15を固定することができる。また、図示しない水準器やメジャーなどを使用することにより、2つの支持パイプ15を平行かつ水平に設置することができる。
こうして設置された2つの支持パイプ15の上には、テンプレート1とテンプレート位置決め装置10とが取り付けられる。テンプレート1は、図2および図3に示すように、C字形の長尺部材である。具体的に説明すると、テンプレート1は、上壁部2と、2つの側壁部3a,3bと、2つの底壁部4a,4bと、を有し、2つの底壁部4a,4bの間に溝5が形成されている。溝5は、テンプレート1の長手方向に沿って形成されている。
1つのテンプレート1には、2本のピアノ線7が取り付けられる。2本のピアノ線7は、予め決められた基準寸法を隔ててテンプレート1の両端部から吊り下げられる。このため、テンプレート1の両端部には、ピアノ線7を取り付けるための突起部6が設けられている。突起部6は、テンプレート1の上壁部2に固定されている。突起部6は雄ネジ6aを有する。突起部6の雄ネジ6aは、上壁部2の厚み方向において、側壁部3a,3bと反対側に突き出している。また、突起部6には、突起部6の中心軸を貫通する通し孔6bが形成されている。ピアノ線7の上端部は、この通し孔6bを通して突起部6に取り付けられる。テンプレート1の長手方向における2つの突起部6の中心間距離は、上述した基準寸法に合わせて設定されている。
また、テンプレート1の内側には、四角ボルト8(図3参照)が挿入されている。四角ボルト8は、1つのテンプレート1につき2つ挿入されている。四角ボルト8は、後述するテンプレート固定具24(図7参照)にテンプレート1を固定するためのボルトである。四角ボルト8は、頭部8aとネジ部8bとを一体に有する。頭部8aは、底壁部4a,4bに引っ掛けられている。ネジ部8bは、溝5を通してテンプレート1の下方に突き出している。四角ボルト8は、底壁部4a,4bとの引っ掛かりによってテンプレート1から脱落することなく、テンプレート1の長手方向に自由に位置を変えられるようになっている。
ピアノ線7は、直径0.5mm程度の硬鋼線である。作業者13は、テンプレート1の突起部6に設けられた通し孔6bにピアノ線7を通し、ピアノ線7の上端部に結び目を作って通し孔6bの上部に結び目を引っ掛けることで、テンプレート1にピアノ線7の上端部を固定する。また、作業者13は、ピアノ線7の下端部に錘9を取り付け、この錘9に加わる重力を利用してピアノ線7を鉛直に吊り下げる。なお、作業者13は、テンプレート1に取り付けたピアノ線7を昇降路11の最上階から基準階まで吊り下げるときは軽い錘を使用し、その後、基準階で重い錘9に付け替える。
図4は、実施形態に係るテンプレート位置決め装置の構成を示す斜視図である。
図4に示すように、テンプレート位置決め装置10は、テンプレート1を把持する把持部材20と、この把持部材20に把持されるテンプレート1の位置を調整する位置調整機構22と、を備えている。テンプレート位置決め装置10の構成部材は、互いに連結されて一体であり、後述する架台固定具70で支持パイプ15に着脱できるようになっている。把持部材20は、テンプレート1に対して着脱可能である。また、把持部材20は、テンプレート1を把持した状態でテンプレート1と一体に移動する。位置調整機構22は、テンプレート1と一体に把持部材20を移動させることにより、テンプレート1の位置を調整する。以下、テンプレート位置決め装置10の各部の構成について詳しく説明する。
(把持部材20)
把持部材20は、図5に示すように、第1把持部材25と、第1把持部材25に固定された第2把持部材26と、第2把持部材26に取り付けられた板バネ27と、を有している。第1把持部材25は、テンプレート1の長手方向に長い長尺の部材である。第1把持部材25は、天板部25aと、一対の側板部25bとを一体に有し、テンプレート1の長手方向から見て略U字形に形成されている。一対の側板部25bは、テンプレート1の短手寸法よりも長い間隔をあけて互いに対向している。一対の側板部25bの各々には、2つの貫通孔(不図示)と、2つのネジ孔28が設けられている。2つの貫通孔は、第1把持部材25に第2把持部材26を固定するための孔である。2つのネジ孔28は、第1把持部材25に把持具を取り付けるための孔である。本実施形態においては、把持具の一例として、弾性体である板バネ27を用いている。板バネ27は、第1把持部材25の長手方向に間隔をあけて配置されている。板バネ27は、図示しないネジを用いて、一方の側板部25bに取り付けられている。また、板バネ27は、一方の側板部25bの外面側から内面側に回り込むように配置されている。板バネ27は、板バネ27自身の弾性によって変形可能な押圧部27aを有している。押圧部27aは、他方の側板部25bに対向する状態に配置されている。
第2把持部材26は、テンプレート1の長手方向に長い長尺の部材である。第2把持部材26の長手寸法は、第1把持部材25の長手寸法よりも長い。第2把持部材26は、第1把持部材25の内側に配置されている。第2把持部材26は、平板状のベース部26aと、一対の翼部26bとを一体に有している。図4に示すテンプレート1の長手方向において、ベース部26aの両端部は、第1把持部材25の両端部よりも外側に突き出して配置されている。一対の翼部26bは、ベース部26aの長辺部から直角に起立した状態で形成されている。一対の翼部26bの各々には、2つのネジ孔(不図示)が設けられている。第2把持部材26は、計4つのネジ29を用いて第1把持部材25に固定されている。各々のネジ29は、側板部25bの上記貫通孔を通して翼部26bの上記ネジ孔に噛み合っている。
上記構成からなる把持部材20は、第1把持部材25が有する一対の側板部25bと第2把持部材26が有するベース部26aとによって凹状の把持空間30を形成している。把持空間30は、テンプレート1を受け入れて把持するための空間であり、この把持空間30に板バネ27の押圧部27aが配置されている。板バネ27は、把持空間30に受け入れたテンプレート1を押圧部27aによって押圧することにより、テンプレート1を上記他方の側板部25bに押し付ける。これにより、テンプレート1は、テンプレート1の短手方向において、上記他方の側板部25bと板バネ27の間に挟み込まれる。このため、板バネ27の弾性力(付勢力)を利用してテンプレート1を把持することができる。
なお、本実施形態においては、第1把持部材25に第2把持部材26を固定するためにネジ29を用いているが、これに限らず、たとえば溶接等によって第1把持部材25に第2把持部材26を固定してもよいし、これ以外の手段によって両部材を固定してもよい。
また、本実施形態においては、第1把持部材25および第2把持部材26を組み合わせて把持部材20を構成しているが、これに限らず、把持部材20を一体構造物、すなわち1つの部材で構成することも可能である。
また、本実施形態においては、把持具の一例として板バネ27を用いているが、これに限らず、たとえばネジを用いることも可能である。具体的には、一方の側板部25bに設けられた2つのネジ孔28にそれぞれ板バネ27に変えて蝶ネジ(不図示)を取り付けるとともに、他方の側板部25bに設けられた2つのネジ孔28にもそれぞれ蝶ネジ(不図示)を取り付ける。そして、4つの蝶ネジを用いて、テンプレート1の短手方向でテンプレート1を挟み込むように把持する。また、保持具としてネジを用いる場合は、一対の側板部25bのうち、いずれか一方の側板部25bに設けられた2つのネジ孔28にそれぞれ蝶ネジを取り付け、2つの蝶ネジによってテンプレート1を他方の側板部25bに押し付けて挟み込むことにより、テンプレート1を把持してもよい。また、把持具がテンプレート1を把持する力の大きさは、XY座標平面内で把持部材20と一緒にテンプレート1を移動させることができる程度の大きさであればよい。
(位置調整機構22)
位置調整機構22は、図4に示すように、把持部材20を第1の方向に移動させる第1駆動部31と、把持部材20を第1の方向と直交する第2の方向に移動させる第2駆動部32および第3駆動部33と、第2駆動部32および第3駆動部33を支持する架台34と、を備えている。第1の方向は、図4におけるX軸方向に相当し、第2の方向は、図4におけるY軸方向に相当する。第1駆動部31、第2駆動部32および第3駆動部33は、それぞれリニアアクチュエータによって構成されている。リニアアクチュエータは、たとえばサーボモータなどのモータを駆動源としてロッドを伸縮動作させる電動アクチュエータである。サーボモータを駆動源に用いる電動アクチュエータは、パルス数や駆動デューティ等の指令信号に応じてロッドの伸縮量を正確に制御可能なアクチュエータである。第1駆動部31は、モータ部31aと、ケース部31bと、ロッド31cとを有している。ケース部31bには、モータ部31aで発生させた回転力をロッド31cの直線運動に変換する動力変換機構や減速ギアなどが内蔵されている。これと同様に、第2駆動部32は、モータ部32aと、ケース部32bと、ロッド32cとを有し、第3駆動部33は、モータ部33aと、ケース部33bと、ロッド33cとを有している。
なお、第1駆動部31、第2駆動部32または第3駆動部33として用いるリニアアクチュエータは、テンプレート位置決め装置10の小型軽量化を図るうえで好ましい例であるが、各々の駆動部(31,32,33)の全部または一部はリニアアクチュエータ以外の駆動機構を用いて構成することも可能である。リニアアクチュエータ以外の駆動機構としては、たとえばボールネジ機構などが考えられる。
第1駆動部31は、把持部材20に取り付けられている。具体的には、第1駆動部31のモータ部31aおよびケース部31bは、第1把持部材25の天板部25a上に配置されている。また、第1駆動部31のケース部31bは、第1把持部材25の天板部25aに2つの留め具36を用いて固定されている。各々の留め具36は、天板部25aにネジ止めされている。
また、把持部材20には直動機構40が実装されている。直動機構40は、把持部材20に把持されるテンプレート1の長手方向に沿う所定方向に把持部材20をスライド自在に支持する機構である。直動機構40は、把持部材20に接続される第1部材41と、第2駆動部32に接続される第2部材42と、第3駆動部33に接続される第3部材43と、を有している。第1部材41、第2部材42および第3部材43は、上記所定方向に相対的に移動可能に設けられている。
図5に示すように、第1部材41は、第2把持部材26のベース部26aの上面に取り付けられている。第1部材41は、ベース部26aにネジ止めによって固定されている。第1部材41は、テンプレート1の長手方向に長い長尺の部材である。第1部材41の両端部は、上述したベース部26aの両端部と同様に、第1把持部材25の両端部よりも外側に突き出して配置されている。第1部材41の長手方向は、把持部材20の長手方向と平行である。第3部材43は、把持部材20の長手方向から見てU字形に形成されている。第3部材43は、第1部材41に係合されている。第1部材41と第3部材43との係合部分には、所定数の鋼球(不図示)が組み込まれており、この鋼球の回転によって第1部材41と第3部材43とが相対的に移動自在に係合されている。第2部材42は、把持部材20の長手方向において、第3部材43と反対側に配置されている。また、第2部材42は、第3部材43と同様の構造で第1部材41に係合されている。このため、上記所定方向において、第2部材42および第3部材43は、第1部材41に案内されて、それぞれ独立に移動することができる。また、上記所定方向において、第1部材41は、第2部材42および第3部材43に案内されて、独立に移動することができる。なお、第1部材41は、ベース部26aの長手方向で2つに分割し、一方の第1部材41をベース部26aの一端部に固定して第2部材42に係合され、他方の第1部材41をベース部26aの他端部に固定して第3部材43に係合させてもよい。
図4に示すように、第2部材42には、第1回転ジョイント51および第2回転ジョイント52が取り付けられている。また、第3部材43には第3回転ジョイント53が取り付けられている。第1回転ジョイント51は、第1駆動部31を第2部材42に接続するジョイントであり、より詳しくは、第1駆動部31のロッド31cの先端を第2部材42に回転自在に接続するジョイントである。第2回転ジョイント52は、第2駆動部32を第2部材42に接続するジョイントであり、より詳しくは、第2駆動部32のロッド32cの先端を第2部材42に回転自在に接続するジョイントである。第3回転ジョイント53は、第3駆動部33を第3部材43に接続するジョイントであり、より詳しくは、第3駆動部33のロッド33cの先端を第3部材43に回転自在に接続するジョイントである。第2回転ジョイント52および第3回転ジョイント53は、上述した直動機構40とともに、連結部を構成する要素である。連結部は、第2駆動部32および第3駆動部33を把持部材20に連結する機構である。
第1回転ジョイント51、第2回転ジョイント52および第3回転ジョイント53は、基本的に同様の構成を有する。以下、第3回転ジョイント53を例に挙げて説明する。
図6は、第3回転ジョイントによる接続構造の一例を示す縦断面図である。
図6に示すように、第3回転ジョイント53は、たとえば、中間プレート55に設けられた突出ピン45に嵌合され、この突出ピン45の中心軸Jを中心にロッド33cの先端を回転自在に支持している。第3回転ジョイント53は、たとえば圧入や接着などによって突出ピン45に固定される。第3回転ジョイント53の中心軸は、突出ピン45の中心軸Jと同軸である。第3回転ジョイント53の軸部は、ロッド33cの先端に設けられた連結用の貫通孔46に挿入されている。ロッド33cの貫通孔46には、必要に応じてカラーやベアリングを取り付けてもよい。中間プレート55は、第3部材43の上面に固定されるプレートである。突出ピン45は、中間プレート55の上面から垂直に起立するピンである。なお、中間プレート55は、必要に応じて設けられるもので、第3部材43に直接、突出ピン45を設けてもよい。
一方、第2部材42には、第2部材42の長手方向に間隔をあけて2つの突出ピン(不図示)が設けられ、このうちの一方の突出ピンに第1回転ジョイント51が嵌合し、他方の突出ピンに第2回転ジョイント52が嵌合している。第1回転ジョイント51は、第1回転ジョイント51が嵌合する突出ピンを中心にロッド31cの先端を回転自在に支持しており、第2回転ジョイント52は、第2回転ジョイント52が嵌合する突出ピンを中心にロッド32cの先端を回転自在に支持している。また、把持部材20は、第2回転ジョイント52を中心に揺動可能になっている。第2回転ジョイント52を中心とする把持部材20の揺動動作は、X軸方向に対するテンプレート1の傾き(姿勢)を調整するための動作となる。
第2駆動部32および第3駆動部33は、架台34に取り付けられている。以下、架台34の構成について詳しく説明する。
架台34は、図4に示すように、テンプレート位置決め装置10のベースとなる構造体である。架台34は、把持部材20、位置調整機構22、直動機構40などを保持するとともに、架台固定具70を介してテンプレート位置決め装置10全体を2本の支持パイプ15に固定するためのものである。架台34は、2本のアルミフレーム60と、2つの支持プレート61と、2つの連結プレート62と、を備えている。
アルミフレーム60は、細長い角棒状のフレームである。アルミフレーム60の長さは、X軸方向における2つの支持パイプ15の間隔よりも長い。アルミフレーム60の4面には、それぞれ細長い溝が形成されている。アルミフレーム60の溝は、図示しないナットを通すための溝である。アルミフレーム60の溝に挿入されたナットは、アルミフレーム60の長手方向に自由に移動できるようになっている。アルミフレーム60は、支持パイプ15と直交する向きで、2本の支持パイプ15の間に架け渡すように配置されている。また、2本のアルミフレーム60は、互いに平行に配置されている。
2つの支持プレート61は、アルミフレーム60の長手方向の両端部に配置されている。各々の支持プレート61は、2本のアルミフレーム60の間に架け渡して配置されるとともに、4つのネジ64を用いてアルミフレーム60に固定されている。これにより、2本のアルミフレーム60は、2つの支持プレート61によって連結されている。ネジ64は、アルミフレーム60の上面の溝に挿入されたナット(不図示)に噛み合っている。支持プレート61には、ネジ64の雄ネジ部を通すための孔(不図示)が設けられている。ナットは、アルミフレーム60の溝内で回転することができない。このため、各々のネジ64を適度なトルクで締め付けることにより、アルミフレーム60に支持プレート61を強固に固定することができる。したがって、頑丈な架台34が得られる。
2つの連結プレート62は、アルミフレーム60の長手方向において、2つの支持プレート61の間に配置されている。各々の連結プレート62は、2本のアルミフレーム60の間に架け渡して配置されるとともに、2つのネジ65を用いてアルミフレーム60に固定されている。ネジ65は、アルミフレーム60の上面の溝に挿入されたナット(不図示)に噛み合っている。そして、連結プレート62は、ネジ65の締め付けによってアルミフレーム60に固定されている。これにより、2本のアルミフレーム60は、上述した2つの支持プレート61のほかに、2つの連結プレート62によっても連結されている。
上記構成からなる架台34において、2つの支持プレート61は、第2駆動部32および第3駆動部33を架台34に取り付けるためのプレートとして利用されている。第2駆動部32のモータ部32aおよびケース部32bは、一方の支持プレート61上に配置されている。また、第2駆動部32のケース部32bは、一方の支持プレート61に2つの留め具66を用いて固定されている。支持プレート61の上面にはネジ孔(不図示)が形成され、このネジ孔を利用して各々の留め具66が支持プレート61にネジ止めされている。これと同様に、第3駆動部33のモータ部33aおよびケース部33bは、他方の支持プレート61上に配置されている。また、第3駆動部33のケース部33bは、他方の支持プレート61に2つの留め具67を用いて固定されている。また、第2駆動部32および第3駆動部33は、互いに平行に配置されている。
ここで、各々の支持プレート61をアルミフレーム60に固定しているネジ64を緩めた状態では、アルミフレーム60の長手方向に支持プレート61を自由に移動させることができる。このため、アルミフレーム60の長手方向においては、第2駆動部32の位置と第3駆動部33の位置を個別に調整することができる。また、アルミフレーム60の長手方向においては、第2駆動部32と第3駆動部33との間隔を所望の間隔に調整することもできる。
架台34には、図示しない制御回路や電源などを含む制御装置を搭載することができる。制御装置は、たとえば、2つの連結プレート62にネジ止め等によって固定することができる。また、制御装置は、連結プレート62と同様の構造でアルミフレーム60に固定することもできる。制御装置は、第1駆動部31、第2駆動部32および第3駆動部33を制御する制御部(たとえば、CPU)を有する。電源は、第1駆動部31、第2駆動部32および第3駆動部33にそれぞれ電力を供給する。第1駆動部31、第2駆動部32および第3駆動部33と、架台34上の制御装置とは、図示しないケーブルを介して電気的に接続される。このように制御装置を架台34に搭載することにより、テンプレート位置決め装置10の外部に制御装置を設置する場合に比べて、電気的接続のためのケーブル長を短くすることができる。また、テンプレート位置決め装置10の外部にケーブルを引き出して、このケーブルを外部の制御装置に接続しなくても済む。このため、テンプレート位置決め装置10の取り扱いが容易になる。
(架台固定具)
架台固定具70は、架台34を支持パイプ15に固定する固定具である。架台34は、架台固定具70に対して着脱可能に構成されている。架台固定具70は、支持パイプ15に対して着脱可能に構成されている。
架台固定具70は、架台34を載せる平板部71と、この平板部71を支持パイプ15に固定する締め具72とによって構成されている。平板部71と締め具72は、たとえば、ボルトとナットによる締結、あるいは溶接などによって互いに固定されている。平板部71は、アルミフレーム60を介して支持プレート61と対向する状態に配置されている。平板部71は、支持プレート61と同様に、ネジとナットを用いてアルミフレーム60に固定されている。平板部71をアルミフレーム60に固定するためのナットは、アルミフレーム60の下面に形成された溝に挿入されており、ネジを緩めた状態ではアルミフレーム60の長手方向に平板部71を自由に移動することができる。このため、2本の支持パイプ15の間隔が建屋環境によって変化した場合でも、その間隔に合わせて平板部71の位置を調整し、アルミフレーム60に平板部71を固定することができる。また、平板部71をアルミフレーム60に固定しているネジを取り外すことにより、架台34を架台固定具70から取り外すことができる。締め具72は、たとえば単管クランプを用いて構成される。単管クランプは、支持パイプ15を挟み込んで、ボルトとナットの締め付け力により支持パイプ15に固定できるクランプである。単管クランプは、ボルトとナットの締め付けを緩めてクランプを開くことにより、支持パイプ15から取り外すことができる。
(テンプレート固定具)
さらに、本実施形態に係るテンプレート位置決め装置10は、位置調整機構22によって位置が調整されたテンプレート1を支持パイプ15に固定するテンプレート固定具24を備えている。テンプレート固定具24は、位置調整機構22によってテンプレート1の位置を調整する際は、水平面内でテンプレート1を移動自在に支持する。
図7は、テンプレート固定具の構成を示す斜視図である。
図7に示すように、テンプレート固定具24は、2本の支持パイプ15に1つずつ取り付けられている。テンプレート固定具24は、テンプレート1を下から受けて支持する受け板部75と、この受け板部75を支持パイプ15に固定する締め具76とによって構成されている。受け板部75と締め具76は、たとえば、ボルトとナットによる締結、あるいは溶接などによって互いに固定されている。受け板部75は、平面視長方形の平らな板状に形成されている。受け板部75の上面は、平らな摺動面75aとなっている。把持部材20に保持されるテンプレート1の底面は、受け板部75の摺動面75aに接触する状態に配置される。摺動面75aは、位置調整機構22によってテンプレート1の位置を調整する場合に、テンプレート1を摺動自在に支持する面である。
受け板部75には長孔77が形成されている。長孔77は、支持パイプ15の長手方向に沿うY軸方向に長い孔である。長孔77は、テンプレート1を受け板部75に固定するための孔である。テンプレート1は、長孔77に交差する向きで、受け板部75の摺動面75aに載置される。その際、受け板部75の長孔77には、図2に示す四角ボルト8のネジ部8bが挿入される。ネジ部8bには、受け板部75の下面側からナット(不図示)が噛み合わされる。このナットを緩めた状態では、テンプレート1の重さを受け板部75で受けながら、摺動面75a上でテンプレート1を自由に動かすことができる。また、ナットを締め付けた状態では、テンプレート1を受け板部75に固定することができる。締め具76は、たとえば単管クランプを用いて構成される。単管クランプの詳細は前述したとおりである。
図8は、実施形態に係るテンプレート位置決め装置の制御構成を示すブロック図である。
図8に示すように、テンプレート位置決め装置10は、リモートコントローラ(以下、「リモコン」ともいう。)50と、リモコン50との間で信号をやり取りする制御装置80と、を備えている。リモコン50は、無線通信用のアンテナ50aを有する。制御装置80は、無線通信用のアンテナ80aを有する。リモコン50は、図1に示すように、建物の基準階(図例では1階)でピアノ線7の位置を確認する作業者13が使用する機器である。リモコン50は、上述した位置調整機構22を遠隔操作するための機器である。
制御装置80は、位置調整機構22が備える第1駆動部31、第2駆動部32および第3駆動部33を制御する装置である。制御装置80は、前述したように架台34に搭載することが好ましい。制御装置80は、リモコン50から送信される信号を受信するとともに、受信した信号に応じて位置調整機構22(第1駆動部31、第2駆動部32、第3駆動部33)の動作を制御する。
続いて、実施形態に係るテンプレート位置決め装置10の動作について図9を用いて説明する。
図9においては、把持部材20によって保持されたテンプレート1の位置をXY座標系で表している。また、図中の符号Aは位置調整前のテンプレート1の位置を示し、符号Bは位置調整後のテンプレート1の位置を示している。ここでは説明の便宜上、位置調整前のテンプレート1の長手方向がX軸方向に平行になっているものとする。また、図9の左側に配置されたピアノ線7に符号7Lを付し、図9の右側に配置されたピアノ線7に符号7Rを付して説明する。
図9における座標(x0,y0)は、左側のピアノ線7Lの初期位置を示し、座標(x1,y1)は左側のピアノ線7Lの目標位置を示し、Y軸上の座標y2は右側のピアノ線7RのY軸方向の目標位置を示している。また、図中の矢印W1は、第1駆動部31を駆動してロッド31cを伸長させた場合の、把持部材20の移動方向と移動量を示している。また、図中の矢印W2は、第2駆動部32および第3駆動部33を同時に移動してロッド32c,33cを同量ずつ伸長させた場合の、把持部材20の移動方向と移動量を示し、矢印W3は、第3駆動部33を駆動してロッド33cを伸長させた場合の、把持部材20の移動方向と移動量を示している。また、図中の矢印K1は、第1駆動部31の駆動によって把持部材20がW1方向に移動したときのピアノ線7R,7Lの移動軌跡を示している。また、図中の矢印K2は、第2駆動部32および第3駆動部33の駆動によって把持部材20がW2方向に移動したときのピアノ線7R,7Lの移動軌跡を示し、矢印K3は、第3駆動部33の駆動によって把持部材20がW3方向に移動したときのピアノ線7R,7Lの移動軌跡を示している。
テンプレート位置決め装置10は、第1駆動部31、第2駆動部32および第3駆動部33の駆動により、把持部材20と一体にテンプレート1を移動させることにより、左右のピアノ線7L,7Rを予め決められた所定の位置に合わせるように、テンプレート1を位置決めする装置である。テンプレート位置決め装置10は、図1に示すように、テンプレート1が設置される昇降路11の天井付近に設置される。これに対して、作業者13は、基準階でピアノ線7の位置を確認しながら、リモコン50を使ってテンプレート位置決め装置10を遠隔操作する。したがって、作業者13は、スケール90でピアノ線7の位置を確認しながら、ピアノ線7の位置が所定の位置に一致するようにテンプレート位置決め装置10を遠隔操作することになる。
以下に、具体例を挙げてテンプレート位置決め装置10の動作を説明する。
この具体例では、ピアノ線7Lの初期位置が座標(x0,y0)に存在し、ピアノ線7RのY軸上の初期位置がy0に存在するものとする。また、ピアノ線7Lの目標位置は座標(x1,y1)に存在し、ピアノ線7RのY軸上の目標位置はy2に存在するものとする。そうした場合、基準階でリモコン50を操作する作業者13は、主に3つのステップによってテンプレート位置決め装置10を動作させる。
第1のステップでは、作業者13は、リモコン50の操作によって第1駆動部31を駆動することにより、ピアノ線7LのX軸上の座標位置を初期位置x0からx1へと移動させる。このとき、作業者13は、ピアノ線7Lを初期位置x0からx1へ移動させるために必要な移動量をスケール90で測定したのち、その移動量だけ第1駆動部31を駆動するための指令信号をリモコン50から送信する。そうすると、制御装置80は、リモコン50から送信された指令信号を受信し、この指令信号に従って第1駆動部31を駆動する。これにより、把持部材20は、第1駆動部31のロッド31cの伸縮動作に従ってX軸方向に移動する。
ここで、第1回転ジョイント51と第2回転ジョイント52は、いずれも直動機構40の第2部材42に結合されている。また、第2回転ジョイント52は、第2駆動部32のロッド32cに結合されている。このため、X軸方向おける第2部材42の移動は、第2駆動部32によって規制される。つまり、第2部材42はX軸方向に移動することができない。一方、把持部材20の第2把持部材26には直動機構40の第1部材41が固定されている。また、第1部材41には、第2部材42および第3部材43が相対的に移動自在に係合されている。したがって、第1駆動部31を駆動してロッド31cを伸縮動作させると、第1駆動部31のモータ部31aおよびケース部31bは、第1回転ジョイント51に対して接近離間する方向に移動する。このとき、第1部材41は、第2部材42および第3部材43に案内されてX軸方向に移動する。また、第1駆動部31のケース部31bは留め具36によって把持部材20の第1把持部材25に固定されているため、上述のようにケース部31bが第1回転ジョイント51に対して接近離間する方向に移動すると、ケース部31bと一体に把持部材20が移動する。したがって、第1駆動部31を駆動してロッド31cを伸縮動作させると、把持部材20は、ロッド31cの伸縮動作に従ってX軸方向に移動する。よって、把持部材20に保持されているテンプレート1を、把持部材20と一体にX軸方向に移動させることができる。
なお、ピアノ線7は、錘9を吊した振り子になっている。このため、テンプレート1を移動させると、ピアノ線7に揺れが発生する。そうした場合、作業者13は、たとえばピアノ線7を手で押さえる、あるいは液体の入ったバケツ内に錘9を浸すなどしてピアノ線7の揺れを取り除く。そして、第1のステップでは、ピアノ線7Lの揺れを取り除いた状態で、ピアノ線7Lがx1の位置に到達していることを確認する。また、作業者13は、ピアノ線7LがX1の位置からずれている場合は、そのずれ分を修正するために再びリモコン50を操作して、ピアノ線7Lをx1の位置に合わせる。
第2のステップでは、作業者13は、リモコン50の操作によって第2駆動部32および第3駆動部33を同時に駆動することにより、ピアノ線7L,7RのY軸上の座標位置を初期位置y0からy1に移動させる。このとき、作業者13は、ピアノ線7L,7Rを初期位置y0からy1に移動させるために必要な移動量をスケール90で測定したのち、その移動量だけ第2駆動部32および第3駆動部33を駆動するための指令信号をリモコン50から送信する。そうすると、制御装置80は、リモコン50から送信された指令信号を受信し、この指令信号に従って第2駆動部32および第3駆動部33を同時に駆動する。これにより、第2駆動部32のロッド32cと第3駆動部33のロッド33cは、同じ方向に同量ずつ伸縮動作する。このため、把持部材20は、ロッド32c,31cの伸縮動作に従ってY軸方向に平行移動する。
ここで、第2駆動部32および第3駆動部33は、架台34に固定されている。また、架台34は、2つの架台固定具70を用いて、2本の支持パイプ15に固定されている。一方、第2駆動部32のロッド32cは第2回転ジョイント52によって直動機構40の第2部材42に接続され、第3駆動部33のロッド33cは第3回転ジョイント53によって直動機構40の第3部材43に接続されている。したがって、第2駆動部32および第3駆動部33を同時に駆動して、ロッド32c,33cを同じ方向に同じ量だけ伸縮動作させると、ロッド32c,33cの伸縮動作に従って把持部材20がY軸方向に平行移動する。よって、把持部材20に保持されているテンプレート1を、把持部材20と一体にY軸方向に平行移動させることができる。この第2のステップでは、作業者13は、上記第1のステップと同様に、ピアノ線7Lの揺れを取り除いた状態で、ピアノ線7Lがy1の位置に到達していることを確認し、最終的にピアノ線7Lをy1の位置に合わせる。なお、ピアノ線7Rの位置は第3のステップで調整するため、この段階では、ピアノ線7Rがy1の位置からずれていてもかまわない。
第3のステップでは、作業者13は、リモコン50の操作によって第3駆動部33を駆動することにより、ピアノ線7RのY軸上の座標位置をy1からy2に移動させる。このとき、作業者13は、ピアノ線7Rをy1からy2に移動させるために必要な移動量をスケール90で測定したのち、その移動量だけ第3駆動部33を駆動するための指令信号をリモコン50から送信する。そうすると、制御装置80は、リモコン50から送信された指令信号を受信し、この指令信号に従って第3駆動部33を駆動する。これにより、把持部材20は、第3駆動部33のロッド33cの伸縮動作に従って、第2回転ジョイント52を中心に揺動(回転)する。その結果、X軸方向に対する把持部材20の傾き(姿勢)が変化する。
第3のステップでは第2駆動部32のロッド32cを伸縮動作させないため、第2回転ジョイント52は一定の位置に停止した状態となる。一方、第3回転ジョイント53の位置は、第3駆動部33のロッド33cの伸縮動作に従ってY軸方向に移動する。このため、第3のステップでは、ロッド33cの伸縮動作に従って把持部材20が第2回転ジョイント52を中心に揺動する。よって、把持部材20に保持されているテンプレート1を、把持部材20と一緒に揺動させることができる。また、このようにテンプレート1を揺動させると、ピアノ線7Rは、円弧の軌跡で移動してy2の位置に至る。
また、第2回転ジョイント52を中心に把持部材20が揺動すると、図10に示すように、把持部材20が揺動する前と後で、第2回転ジョイント52と第3回転ジョイント53の中心間距離(支点間距離)Lが変化する。具体的には、図10において、第2回転ジョイント52を中心に把持部材20が反時計回り方向ccwに揺動すると、第2回転ジョイント52と第3回転ジョイント53の中心間距離LがΔLだけ長くなる。このとき、第2回転ジョイント52は一定の位置に停止した状態となるため、第2回転ジョイント52が接続されている第2部材42が移動することはない。一方、第3回転ジョイント53は、第3部材43に接続されている。また、第3部材43は、第1部材41によって移動自在に支持されており、第1部材41は、第2把持部材26に固定されている。このため、第2回転ジョイント52を中心に把持部材20が揺動すると、第3部材43は、矢印Mの方向にΔLだけ移動する。つまり、把持部材20の揺動に伴う上記中心間距離Lの変化が、第3部材43の移動によって吸収(許容)される。したがって、第3のステップで第3駆動部33を駆動したときの第3回転ジョイント53の動線は、Y軸方向に平行になる。よって、第3駆動部33のロッド33cをスムーズに伸縮動作させることができる。
第3のステップにおいては、図9に示すように、テンプレート1が把持部材20と一体に揺動(回転運動)することで、ピアノ線7Rが円弧の軌跡で移動するだけでなく、ピアノ線7Lも円弧の軌跡で移動する。このため、ピアノ線7Lの位置は、上記第2のステップで合わせたy1の位置からずれてしまう。ただし、ピアノ線7Lは、テンプレート1の長手方向において、ピアノ線7Rよりも第2回転ジョイント52の近くに配置されている。このため、テンプレート1が揺動したときのピアノ線7Lの移動量は、ピアノ線7Rの移動量に比べて小さくなる。そこで第3のステップでは、作業者13は、リモコン50の操作によってピアノ線7Rを目標位置y2に合わせたのち、ピアノ線7Lが目標位置y1からどの程度ずれているかをスケール90で確認する。そして、ピアノ線7Lの位置ずれ量が許容値以内であれば、その時点でテンプレート1の位置決めを終了する。また、ピアノ線7Lの位置ずれ量が許容値を超える場合は、上述した第1のステップから第3のステップまでの作業を再度実施することにより、ピアノ線7L,7Rの位置ずれ量が共に許容値以内に収まるように、ピアノ線7L,7Rを目標位置に合わせる。
続いて、実施形態に係るテンプレート位置決め装置10を用いた作業者の作業手順について、図11のフローチャートを用いて説明する。
まず、作業者13は、下記のように支持パイプ15の設置作業を行う(ステップS101)。
作業者13は、昇降路11の天井付近に2本の支持パイプ15を平行に設置する。その際、作業者13は、作業台12の上に乗り、手前側の壁11aと奥側の壁11bとの間で1本目の支持パイプ15を伸長させ、壁11a,11bの間に突っ張り力を発生させて1本目の支持パイプ15を張架させる。このとき、支持パイプ15が水平になるように、水準器を使って支持パイプ15の位置を調整する。次に、作業者13は、2本目の支持パイプ15を上記同様の手順で壁11a,11b間に張架させる。また、作業者13は、2本目の支持パイプ15が1本目の支持パイプ15と平行となるように、2本の支持パイプ15間の距離を測定し、2本目の支持パイプ15の位置を調整する。
次に、作業者13は、下記のようにテンプレート1の設置作業を行う(ステップS102)。
作業者13は、支持パイプ15にテンプレート固定具24を取り付けたのち、テンプレート固定具24にテンプレート1を取り付ける。その際、作業者13は、2本の支持パイプ15に1つずつテンプレート固定具24を取り付ける。具体的には、作業者13は、テンプレート固定具24の締め具76を開き、締め具76の内側に支持パイプ15を挟み込むようにして締め具76を閉じる。次に、作業者13は、締め具76をボルトとナットで締め付けることにより、テンプレート固定具24を支持パイプ15に固定する。このとき、作業者13は、受け板部75の摺動面75aが水平になるようにテンプレート固定具24を固定する。また、作業者13は、テンプレート1の位置調整量ができるだけ少なくなるように、テンプレート固定具24を固定する位置を定める。次に、作業者13は、テンプレート1の底面から突出した四角ボルト8のネジ部8bを受け板部75の長孔77に挿入しつつ、テンプレート1の底面を受け板部75の摺動面75aに載せる。作業者13は、このような作業を2つのテンプレート固定具24で個別に行ったのち、長孔77の長軸方向の中央付近にテンプレート1を寄せる。次に、作業者13は、受け板部75の下面側から、四角ボルト8のネジ部8bにナットを噛み合わせて締め付けることにより、テンプレート1を受け板部75に仮固定する。
次に、作業者13は、下記のようにピアノ線7の設置作業を行う(ステップS103)。
作業者13は、テンプレート1の両端部にピアノ線7(7L,7R)を取り付ける。その際、作業者13は、テンプレート1の端部に設けられた突起部6の通し孔6bにピアノ線7を通し、突起部6の上側でピアノ線7に結び目を作って、通し孔6bからピアノ線7が抜けないようにする。このとき、作業者13は、ピアノ線7の結び目より上側の余り線を突起部6に絡げるなどして、ピアノ線7の抜け落ちをより確実に防止する。次に、作業者13は、テンプレート1の下方に延びたピアノ線7の端部に軽い錘を取り付け、基準階までピアノ線7を吊り下げる。作業者13は、このような作業を2本のピアノ線7(7L,7R)で個別に行ったのち、最上階から基準階に移動し、ピアノ線7の下端部に取り付けられている軽い錘を重い錘9に付け替える。
次に、作業者13は、下記のようにテンプレート位置決め装置10の取り付け作業を行う(ステップS104)。
作業者13は、テンプレート位置決め装置10を支持パイプ15に固定するとともに、把持部材20によってテンプレート1を把持する。その際、作業者13は、最上階の作業台12に乗って、テンプレート位置決め装置10の架台固定具70の位置を支持パイプ15間の幅に合わせる。次に、作業者13は、架台固定具70の締め具72を開いて、2本の支持パイプ15の間にテンプレート位置決め装置10を跨がせる。次に、作業者13は、テンプレート位置決め装置10の把持部材20を持ち上げてテンプレート1に被せる。次に、作業者13は、テンプレート位置決め装置10のおおよその位置を決める。次に、作業者13は、2つの架台固定具70の締め具72を締め付けて、テンプレート位置決め装置10を2本の支持パイプ15に固定する。次に、作業者13は、上述した四角ボルト8に噛み合っているナットを緩めてテンプレート1を自由に動ける状態にする。次に、作業者13は、把持部材20の把持空間30にテンプレート1を収容させるとともに、把持部材20に設けられている板バネ27により把持部材20にテンプレート1を保持させる。このとき、テンプレート1は、板バネ27の変形による反発力によって片方の側板部25bに押し付けられる。テンプレート1の把持は、板バネ27を利用したワンタッチ操作で簡単に実施可能である。また、板バネ27の代わりに、4つのネジ孔28にそれぞれ蝶ネジを装着し、これらの蝶ネジによってテンプレート1を挟み込むことにより、把持部材20にテンプレート1を保持させてもよい。この場合も、ネジの締め付けだけで簡単にテンプレート1を保持できる。その後、作業者13は、制御装置80の電源を入れ、第1駆動部31、第2駆動部32および第3駆動部33の動作チェックや、リモコン50と制御装置80との通信チェック等を行う。
次に、作業者13は、下記のようにテンプレート1の位置決め作業を行う(ステップS105)。
作業者13は、テンプレート位置決め装置10を用いたテンプレート1の位置決め(位置調整)により、2本のピアノ線7(7R,7L)を所定の位置に合わせる。その際、作業者13は、基準階に降りてリモコン50を操作することにより、テンプレート位置決め装置10の位置調整機構22を動作させる。また、作業者13は、ピアノ線7R,7Lの位置をスケール90で測定し、この測定結果に基づいて、各々の駆動部31,32,33の駆動条件(ロッドの移動方向および移動量)を決定する。次に、作業者13は、決定した駆動条件で各々の駆動部31,32,33が駆動するよう、リモコン50を使って制御装置80に指令信号を送り、ピアノ線7L,7Rの位置調整を行う。ピアノ線7L,7Rは、錘9を吊り下げた振り子であるため、テンプレート1の移動により振り子運動が起きる。このため、作業者13は、ピアノ線7L,7Rを手で押さえたり、液体の入ったバケツに錘9を浸したりしてピアノ線7L,7Rの揺れを取り除く。次いで、作業者13は、ピアノ線7L,7Rの位置を測定し、目標位置(所定の位置)に対するピアノ線7L,7Rの位置ずれ量が許容値以内に収まるまで、ピアノ線7L,7Rの位置確認と位置調整を繰り返す。
なお、従来においてテンプレート1の移動によるピアノ線7の位置合わせを手動で行う場合、作業者13は、まず、基準階でピアノ線7の位置ずれ量を測定する。次に、作業者13は、最上階に移動してテンプレート1の位置を手動で修正する。次に、作業者13は、再び基準階に移動してピアノ線7の位置ずれ量を測定する。作業者13は、このような作業を繰り返し行い、ピアノ線7の位置ずれ量が許容値以内となった時点で調整作業を終える。このため、作業者13は、最上階と基準階の間で昇降を繰り返すことになる。したがって、作業者13の肉体的な疲労が大きくなる。また、作業の開始から終了までの時間が、昇降に要する時間だけ長くなる。特に高階床では、昇降に伴う時間的なロスの影響が顕著に現れる。
一方、実施形態に係るテンプレート位置決め装置10を使用してピアノ線7の位置合わせを行う場合、作業者13は、基準階でリモコン50を操作することにより、最上階のテンプレート位置決め装置10を動作させ、ピアノ線7の位置合わせを行うことができる。このため、作業者13は最上階と基準階の間を昇降する必要がない。よって、作業者13の肉体的な負担を軽減することができる。また、昇降に伴う時間的なロスを削減することができる。
次に、作業者13は、下記のようにテンプレート1の固定作業を行う(ステップS106)。
作業者13は、位置決め完了後のテンプレート1をテンプレート固定具24に固定する。このとき、作業者13は、最上階にある作業台12に移動し、上述した四角ボルト8に噛み合っているナットを締め付けて、テンプレート1をテンプレート固定具24に固定する。
次に、作業者13は、下記のようにテンプレート位置決め装置10の取り外し作業を行う(ステップS107)。
作業者13は、テンプレート1の把持を解除するとともに、支持パイプ15からテンプレート位置決め装置10を取り外す。このとき、作業者13は、把持部材20を上方に引き上げるだけで、テンプレート1の把持を解除することができる。また、板バネ27の代わりに蝶ネジを用いる場合、作業者13は、すべての蝶ネジを緩めることで、テンプレート1の把持を解除することができる。
また、作業者13は、各々の架台固定具70の締め具72を緩めて、支持パイプ15に対する架台固定具70の固定状態を解除する。次に、作業者13は、各々の架台固定具70の締め具72を開いて、2本の支持パイプ15からテンプレート位置決め装置10を取り外す。このように本実施形態では、テンプレート位置決め装置10の取り外しが簡単に実施できるようになっている。
以上説明したように、本実施形態に係るテンプレート位置決め装置10によれば、テンプレート1の位置を位置調整機構22によって調整した後に、テンプレート1を支持パイプ15に支持させたまま、支持パイプ15から位置調整機構22を取り外すことができる。このため、作業現場で取り外した位置調整機構22を別の作業現場に運んで使用することができる。したがって、テンプレート位置決め装置10の利用効率を高めることができ、コスト面でメリットが得られる。また、作業現場の数だけ位置調整機構22を取り揃える必要がないため、テンプレート1の位置決めに使用する機材の保有数を減らすことができる。また、本実施形態においては、テンプレート1を把持する把持部材20を、位置調整機構22により、テンプレート1と一体に移動させる構成になっている。このため、テンプレート位置決め装置10の構成上、テンプレート1を位置決めするためにテンプレート1に接触する部分は把持部材20のみとなる。したがって、テンプレート1の着脱を簡単に行えるテンプレート位置決め装置10を提供することができる。
また、本実施形態において、第2駆動部32および第3駆動部33は、それぞれ連結部(直動機構40、第2回転ジョイント52、第3回転ジョイント53)によって把持部材20に連結されている。これにより、第2駆動部32および第3駆動部33の駆動力をそれぞれ連結部を介して把持部材20に伝え、この把持部材20と一体にテンプレート1を移動させることができる。
また、本実施形態において、把持部材20は、テンプレート1の短手方向でテンプレート1を挟み込むように把持する把持具(板バネ27)を有しているため、この把持具を用いてテンプレート1を簡単に把持することができる。
さらに、把持具を板バネ27によって構成することにより、テンプレート1をワンタッチで把持することができる。このため、テンプレート1の着脱をきわめて簡単に行うことができる。
また、本実施形態において、上記連結部は、把持部材20に把持されるテンプレート1の長手方向に沿う所定方向に把持部材20をスライド自在に支持する直動機構40を有している。これにより、テンプレート1を把持する把持部材20を、テンプレート1の長手方向にスムーズに移動させることができる。
また、本実施形態において、直動機構40は把持部材20に実装されている。このため、所定方向におけるテンプレート1の移動が、把持部材20に実装された直動機構40によってガイドされる。したがって、把持部材20で把持したテンプレート1を所定方向にスムーズに移動させることができる。また、テンプレート1の移動をガイドするためのガイド部材を別途組み込む必要がない。
また、本実施形態において、直動機構40は、把持部材20に接続される第1部材41と、第2駆動部32に接続される第2部材42と、第3駆動部33に接続される第3部材43と、を有し、第1部材41、第2部材42および第3部材43は、所定方向に相対的に移動可能な構成になっている。これにより、第2駆動部32および第3駆動部33のうちのいずれか一方を駆動した場合に、把持部材20をスムーズに移動させることができる。
また、本実施形態において、テンプレート位置決め装置10は、第1駆動部31を第2部材42に接続する第1回転ジョイント51と、第2駆動部32を第2部材42に接続する第2回転ジョイント52と、第3駆動部33を第3部材43に接続する第3回転ジョイント53と、をさらに有する。これにより、第1駆動部31のロッド31cの中心軸が第1部材41の長手方向と平行でない場合、あるいは第2駆動部32のロッド32cの中心軸や第3駆動部33のロッド33cの中心軸が第1部材41の長手方向と平行でない場合でも、直動機構40にストレスを与えることなく、直動機構40を滑らかに動作させることができる。
また、本実施形態において、把持部材20は、第2回転ジョイント52を中心に揺動可能に構成されている。これにより、第1の方向に対する把持部材20の傾きを、第3駆動部33の駆動によって調整することができる。また、第2回転ジョイント52に近い側のピアノ線7Rの位置を大きく変動させることなく、第2回転ジョイント52から遠い側のピアノ線7Lの位置を調整することができる。
また、本実施形態において、第3駆動部33は把持部材20に取り付けられている。このため、第1駆動部31を取り付けるための部品を別途、組み込む必要がない。よって、テンプレート位置決め装置10の構成を簡素化することができる。
また、本実施形態において、第1駆動部31、第2駆動部32および第3駆動部33のうち、少なくともいずれか一つをリニアアクチュエータによって構成することにより、テンプレート位置決め装置10の小型軽量化を図ることができる。
1…テンプレート、7,7R,7L…ピアノ線、10…テンプレート位置決め装置、20…把持部材、22…位置調整機構、31…第1駆動部、32…第2駆動部、33…第3駆動部、34…架台、27…板バネ(把持具)、40…直動機構(連結部)、51…第1回転ジョイント、52…第2回転ジョイント(連結部)、53…第3回転ジョイント(連結部)

Claims (10)

  1. 昇降路に設置された複数の支持部材に支持されるとともに、ピアノ線の上端部が取り付けられるテンプレートを位置決めするテンプレート位置決め装置であって、 前記テンプレートに対して着脱可能であるとともに、前記テンプレートを把持して前記テンプレートと一体に移動する把持部材と、
    前記把持部材に把持される前記テンプレートの位置を、前記テンプレートと一体に前記把持部材を移動させることによって調整する位置調整機構とを備え、
    前記位置調整機構は、
    前記把持部材を第1の方向に移動させる第1駆動部と、
    前記把持部材を前記第1の方向と直交する第2の方向に移動させる第2駆動部および第3駆動部と、
    前記支持部材に対して着脱可能であるとともに、前記第2駆動部および前記第3駆動部を支持する架台と、を備える
    テンプレート位置決め装置。
  2. 前記第2駆動部および前記第3駆動部は、それぞれ連結部によって前記把持部材に連結されている
    請求項1に記載のテンプレート位置決め装置。
  3. 前記把持部材は、前記テンプレートの短手方向で前記テンプレートを挟み込むように把持する板バネを有する
    請求項1に記載のテンプレート位置決め装置。
  4. 前記連結部は、前記把持部材に把持される前記テンプレートの長手方向に沿う所定方向に前記把持部材をスライド自在に支持する直動機構を有する
    請求項2に記載のテンプレート位置決め装置。
  5. 前記直動機構は、前記把持部材に実装されている
    請求項4に記載のテンプレート位置決め装置。
  6. 前記直動機構は、前記把持部材に接続される第1部材と、前記第2駆動部に接続される第2部材と、前記第3駆動部に接続される第3部材と、を有し、前記第1部材、前記第2部材および前記第3部材は、前記所定方向に相対的に移動可能である
    請求項4に記載のテンプレート位置決め装置。
  7. 前記第1駆動部を前記第2部材に接続する第1回転ジョイントと、前記第2駆動部を前記第2部材に接続する第2回転ジョイントと、前記第3駆動部を前記第3部材に接続する第3回転ジョイントと、をさらに有する
    請求項6に記載のテンプレート位置決め装置。
  8. 前記把持部材は、前記第2回転ジョイントを中心に揺動可能である
    請求項7に記載のテンプレート位置決め装置。
  9. 前記第1駆動部は、前記把持部材に取り付けられている
    請求項1に記載のテンプレート位置決め装置。
  10. 前記第1駆動部、前記第2駆動部および前記第3駆動部のうち少なくともいずれか一つは、リニアアクチュエータによって構成されている
    請求項1に記載のテンプレート位置決め装置。
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