JP2023043236A - 電動流体機械 - Google Patents
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Abstract
【課題】冷却流体によって磁性体を効率良く冷却すること。【解決手段】流路80には、空気の流れ方向の下流側に向かって流路80の断面積が漸次小さくなる絞り部81が設けられている。これによれば、絞り部81によって、空気の流れ方向の下流側に向かって流路80の断面積が漸次小さくなっているため、空気が絞り部81によって案内されながら流路80を流れ易くなる。したがって、空気が流路80をスムーズに流れるため、空気の圧損が低減される。そして、流路80を流れる空気は、絞り部81を通過すると断熱膨張して温度が下がる。これにより、少なくとも絞り部81よりも空気の流れ方向の下流側において永久磁石47が断熱膨張して温度が下がった空気によって冷却される。【選択図】図2
Description
本発明は、電動流体機械に関する。
電動流体機械は、ハウジングと、回転軸と、モータと、を備えている。回転軸は、ハウジングに回転可能に支持されている。モータは、ハウジングに収容されるとともに回転軸を回転させる。モータは、ステータと、ロータと、を有している。ステータは、ハウジングの内周面に固定される筒状のステータコア、及びステータコアに巻回されたコイルを有している。ロータは、ステータの内側に配置されている。また、ロータは、磁性体を有している。ロータは、回転軸と一体的に回転する。
ところで、ロータにおいて、磁性体に渦電流が生じることにより、磁性体に熱が生じる。そこで、例えば特許文献1では、ステータとロータとの間に形成される流路に冷却流体を流している。具体的には、ハウジングには、ハウジング内に冷却流体を導入する導入口と、ハウジング内から冷却流体を排出する排出口と、が設けられている。そして、ステータとロータとの間に形成される流路に冷却流体が流れることで、磁性体が冷却されるようになっている。
このように、ステータとロータとの間に形成される流路に流れる冷却流体によって磁性体を冷却する場合においては、冷却流体によって磁性体を効率良く冷却することが望まれている。
上記課題を解決する電動流体機械は、ハウジングと、前記ハウジングに回転可能に支持される回転軸と、前記ハウジングに収容されるとともに前記回転軸を回転させるモータと、を備え、前記モータは、前記ハウジングの内周面に固定される筒状のステータコア、及び前記ステータコアに巻回されたコイルを有するステータと、前記ステータの内側に配置されるとともに磁性体を有し、前記回転軸と一体的に回転するロータと、を有し、前記ハウジングには、前記ハウジング内に冷却流体を導入する導入口と、前記ハウジング内から前記冷却流体を排出する排出口と、が設けられ、前記ステータと前記ロータとの間に形成される流路に前記冷却流体が流れることで、前記磁性体が冷却される電動流体機械であって、前記流路には、前記冷却流体の流れ方向の下流側に向かって前記流路の断面積が漸次小さくなる絞り部が設けられ、前記磁性体は、少なくとも前記絞り部よりも前記冷却流体の流れ方向の下流側において冷却される。
これによれば、絞り部によって、冷却流体の流れ方向の下流側に向かって流路の断面積が漸次小さくなっているため、冷却流体が絞り部によって案内されながら流路を流れ易くなる。したがって、冷却流体が流路をスムーズに流れるため、冷却流体の圧損を低減することができる。そして、流路を流れる冷却流体は、絞り部を通過すると断熱膨張して温度が下がる。これにより、少なくとも絞り部よりも冷却流体の流れ方向の下流側において磁性体を断熱膨張して温度が下がった冷却流体によって冷却することができる。以上により、冷却流体によって磁性体を効率良く冷却することができる。
上記電動流体機械において、前記ステータは、前記回転軸の軸方向における一端側に設けられた前記コイルのコイルエンドを樹脂で覆う筒状の第1樹脂部を備え、前記第1樹脂部は、前記絞り部を形成しているとよい。コイルエンドを樹脂で覆う筒状の第1樹脂部は、絞り部を形成する上で好適である。
上記電動流体機械において、前記流路は、前記絞り部よりも前記冷却流体の流れ方向の下流側において、前記冷却流体の流れ方向の下流側に向かって前記流路の断面積が漸次大きくなり負圧を発生させる負圧発生部をさらに備えるとよい。
これによれば、絞り部よりも冷却流体の流れ方向の下流側において、負圧発生部が負圧を発生させるため、絞り部を通過した冷却流体がスムーズに流路を流れる。したがって、冷却流体の圧損をさらに低減することができ、冷却流体によって磁性体をさらに効率良く冷却することができる。
上記電動流体機械において、前記ステータは、前記ステータコアの内周面を樹脂で覆う筒状の第2樹脂部を備え、前記負圧発生部は、前記第2樹脂部によって形成されているとよい。ステータコアの内周面を樹脂で覆う筒状の第2樹脂部は、負圧発生部を形成する上で好適である。
上記電動流体機械において、前記負圧発生部は、前記ステータコアの内周面によって形成されているとよい。これによれば、ステータコアとは別の部材を用いて負圧発生部を形成する必要が無いため、部品点数を増やすことなく、負圧発生部を形成することができる。
上記電動流体機械において、前記モータの駆動を補助するタービンホイールを備え、前記ハウジングは、前記モータが収容されるモータ室と、前記タービンホイールが収容されるタービン室と、前記モータ室と前記タービン室とを隔てるとともに前記回転軸が貫通する貫通孔を有する隔壁と、を有し、前記導入口は、前記モータよりも前記タービン室側に配置されており、前記排出口は、前記モータよりも前記タービン室とは反対側に配置されており、前記流路は、前記絞り部によって前記モータ室の圧力が前記タービン室の圧力よりも高くなるように断面積が絞られるとよい。
これによれば、流路が、絞り部によってモータ室の圧力がタービン室の圧力よりも高くなるように断面積が絞られているため、例えば、タービン室から貫通孔を介してモータ室へ流体が侵入してしまうことを抑制することができる。
この発明によれば、冷却流体によって磁性体を効率良く冷却することができる。
以下、電動流体機械を具体化した一実施形態を図1及び図2にしたがって説明する。本実施形態の電動流体機械は、例えば、燃料電池車などの車両に搭載される燃料電池システムに用いられる。
(燃料電池システム10の全体構成)
図1に示すように、燃料電池システム10は、燃料電池スタック11と、電動流体機械20と、を備えている。電動流体機械20は、燃料電池スタック11に空気を供給する。燃料電池スタック11は、図示しない複数の電池セルを有している。各電池セルは、酸素極と、水素極と、両極の間に配置された電解質膜と、が積層されることによって構成されている。燃料電池スタック11は、燃料ガスである水素と空気中の酸素とを化学反応させることにより発電する。燃料電池スタック11は、図示しない走行用モータに電気的に接続されている。走行用モータは、燃料電池スタック11により発電された電力を電力源として駆動する。走行用モータの動力は、図示しない動力伝達機構を介して車軸に伝達される。これにより、車両は、アクセルペダルのアクセル開度に応じた車速で走行する。
図1に示すように、燃料電池システム10は、燃料電池スタック11と、電動流体機械20と、を備えている。電動流体機械20は、燃料電池スタック11に空気を供給する。燃料電池スタック11は、図示しない複数の電池セルを有している。各電池セルは、酸素極と、水素極と、両極の間に配置された電解質膜と、が積層されることによって構成されている。燃料電池スタック11は、燃料ガスである水素と空気中の酸素とを化学反応させることにより発電する。燃料電池スタック11は、図示しない走行用モータに電気的に接続されている。走行用モータは、燃料電池スタック11により発電された電力を電力源として駆動する。走行用モータの動力は、図示しない動力伝達機構を介して車軸に伝達される。これにより、車両は、アクセルペダルのアクセル開度に応じた車速で走行する。
燃料電池スタック11の発電に寄与する酸素は、空気中に2割程度しか存在しないことから、燃料電池スタック11に供給された空気の8割程度は、燃料電池スタック11の発電に寄与されることなく燃料電池スタック11から排出される。また、燃料電池スタック11が発電すると、燃料電池スタック11の内部には、水素と酸素との化学反応によって水が生成される。したがって、燃料電池スタック11から排出される空気には、燃料電池スタック11が発電した際に生成される水が含まれている。
燃料電池スタック11は、供給孔11aと、排出孔11bと、を有している。供給孔11aには、空気が供給される。排出孔11bからは、燃料電池スタック11内を通過した空気が排出される。
(電動流体機械20の全体構成)
電動流体機械20は、ハウジング21と、回転軸22と、モータ23と、を備えている。ハウジング21は、金属材料製であり、例えば、アルミニウム製である。ハウジング21は、モータハウジング24、第1プレート25、第2プレート26、第3プレート27、コンプレッサハウジング28、及びタービンハウジング29を有している。
電動流体機械20は、ハウジング21と、回転軸22と、モータ23と、を備えている。ハウジング21は、金属材料製であり、例えば、アルミニウム製である。ハウジング21は、モータハウジング24、第1プレート25、第2プレート26、第3プレート27、コンプレッサハウジング28、及びタービンハウジング29を有している。
モータハウジング24は、板状の端壁24aと、端壁24aの外周部から筒状に延びる周壁24bと、を有している。モータハウジング24の端壁24aの中央部には、軸孔24hが形成されている。軸孔24hは、円孔状である。軸孔24hは、モータハウジング24の端壁24aを厚み方向に貫通している。
第1プレート25は、モータハウジング24の周壁24bにおける端壁24aとは反対側の端部に連結されている。第1プレート25は、モータハウジング24の周壁24bの開口を閉塞している。モータハウジング24の内部には、モータ23が収容されるモータ室30が形成されている。したがって、ハウジング21は、モータ室30を有している。そして、モータ23は、ハウジング21に収容されている。モータ室30は、モータハウジング24の端壁24a及び周壁24bと第1プレート25とにより区画されている。第1プレート25の中央部には、軸孔25hが形成されている。軸孔25hは、円孔状である。軸孔25hは、第1プレート25を厚み方向に貫通している。第1プレート25の軸孔25hの軸心は、モータハウジング24の軸孔24hの軸心と一致している。
第2プレート26は、第1プレート25におけるモータハウジング24とは反対側の端面に連結されている。第2プレート26の中央部には、軸孔26hが形成されている。軸孔26hは、円孔状である。軸孔26hは、第2プレート26を厚み方向に貫通している。第2プレート26の軸孔26hの軸心は、モータハウジング24の軸孔24hの軸心、及び第1プレート25の軸孔25hの軸心と一致している。
第3プレート27は、モータハウジング24の端壁24aの外面に連結されている。第3プレート27の中央部には、軸孔27hが形成されている。軸孔27hは、円孔状である。軸孔27hは、第3プレート27を厚み方向に貫通している。第3プレート27の軸孔27hの軸心は、モータハウジング24の軸孔24hの軸心、第1プレート25の軸孔25hの軸心、及び第2プレート26の軸孔26hの軸心と一致している。
コンプレッサハウジング28は、空気が吸入される円孔状の吸入口31を有する筒状である。コンプレッサハウジング28は、吸入口31の軸心が、第2プレート26の軸孔26hの軸心と一致した状態で、第2プレート26における第1プレート25とは反対側の端面に連結されている。吸入口31は、コンプレッサハウジング28における第2プレート26とは反対側の端面に開口している。
コンプレッサハウジング28と第2プレート26のとの間には、コンプレッサ室32と、吐出室33と、ディフューザ流路34と、が形成されている。コンプレッサ室32は、吸入口31に連通している。吐出室33は、コンプレッサ室32の周囲で吸入口31の軸心周りに延びている。吐出室33は、供給流路35を介して燃料電池スタック11の供給孔11aに接続されている。ディフューザ流路34は、コンプレッサ室32と吐出室33とを連通している。コンプレッサ室32は、第2プレート26の軸孔26hに連通している。
タービンハウジング29は、空気が吸入される円孔状の吐出口36を有する筒状である。タービンハウジング29は、吐出口36の軸心が、第3プレート27の軸孔27hの軸心と一致した状態で、第3プレート27におけるモータハウジング24とは反対側の端面に連結されている。吐出口36は、タービンハウジング29における第3プレート27とは反対側の端面に開口している。
タービンハウジング29と第3プレート27との間には、タービン室37と、吸入室38と、ディフューザ流路39と、が形成されている。したがって、ハウジング21は、タービン室37を有している。タービン室37は、吐出口36に連通している。吸入室38は、タービン室37の周囲で吐出口36の軸心周りに延びている。吸入室38は、排出流路40を介して燃料電池スタック11の排出孔11bに接続されている。ディフューザ流路39は、タービン室37と吸入室38とを連通している。タービン室37は、第3プレート27の軸孔27hに連通している。
(モータ23の構成)
モータ23は、ステータ41と、ロータ42と、を有している。ステータ41は、筒状のステータコア43、及びステータコア43に巻回されたコイル44を有している。ステータコア43は、モータハウジング24の周壁24bの内周面に固定されている。ステータコア43の両端面には、コイル44の一部であるコイルエンド45がそれぞれ突出している。
モータ23は、ステータ41と、ロータ42と、を有している。ステータ41は、筒状のステータコア43、及びステータコア43に巻回されたコイル44を有している。ステータコア43は、モータハウジング24の周壁24bの内周面に固定されている。ステータコア43の両端面には、コイル44の一部であるコイルエンド45がそれぞれ突出している。
(ロータ42の構成)
ロータ42は、ステータ41の内側に配置されている。ロータ42は、筒部材46と、磁性体である永久磁石47と、を有している。本実施形態では、筒部材46は、例えば、チタン合金製である。筒部材46は、筒部材46の軸線が直線状に延びる筒状である。永久磁石47は、中実円柱状である。永久磁石47は、筒部材46内に配置されている。永久磁石47の軸線は、筒部材46の軸線と一致している。永久磁石47は、永久磁石47の径方向に着磁されている。永久磁石47は、筒部材46の内周面に圧入されている。
ロータ42は、ステータ41の内側に配置されている。ロータ42は、筒部材46と、磁性体である永久磁石47と、を有している。本実施形態では、筒部材46は、例えば、チタン合金製である。筒部材46は、筒部材46の軸線が直線状に延びる筒状である。永久磁石47は、中実円柱状である。永久磁石47は、筒部材46内に配置されている。永久磁石47の軸線は、筒部材46の軸線と一致している。永久磁石47は、永久磁石47の径方向に着磁されている。永久磁石47は、筒部材46の内周面に圧入されている。
永久磁石47の軸方向に位置する両端面それぞれは、ステータコア43の両端面それぞれに対してステータコア43の径方向で重なる位置に配置されている。永久磁石47における軸線が延びる方向の長さは、筒部材46における軸線が延びる方向の長さよりも短い。永久磁石47の両端面は、筒部材46の内側に位置している。よって、筒部材46の軸方向に位置する両端部それぞれは、永久磁石47の両端面それぞれに対して軸方向へ突出している。そして、筒部材46の両端部は、ステータコア43の両端面それぞれに対して軸方向へ突出している。
(回転軸22について)
回転軸22は、第1軸部材48及び第2軸部材49を含む。第1軸部材48及び第2軸部材49は、筒部材46の軸方向の両端部にそれぞれ設けられている。第1軸部材48は、回転軸22の軸方向における一端側の部位を構成し、第2軸部材49は、回転軸22の軸方向における他端側の部位を構成している。第1軸部材48及び第2軸部材49は、例えば、鉄製である。
回転軸22は、第1軸部材48及び第2軸部材49を含む。第1軸部材48及び第2軸部材49は、筒部材46の軸方向の両端部にそれぞれ設けられている。第1軸部材48は、回転軸22の軸方向における一端側の部位を構成し、第2軸部材49は、回転軸22の軸方向における他端側の部位を構成している。第1軸部材48及び第2軸部材49は、例えば、鉄製である。
第1軸部材48は、円柱状である。第1軸部材48の一端部は、筒部材46の内周面における軸方向の一端部に圧入されている。よって、第1軸部材48は、筒部材46の内周面に固定されている。第1軸部材48の他端部は、モータハウジング24の軸孔24h及び第3プレート27の軸孔27hを貫通して、タービン室37内に突出している。したがって、第1軸部材48は、モータ室30からモータハウジング24の軸孔24h及び第3プレート27の軸孔27hを通過してタービン室37内に突出している。
ハウジング21において、モータハウジング24の端壁24a及び第3プレート27は、モータ室30とタービン室37とを隔てる隔壁50を形成している。そして、モータハウジング24の端壁24aの軸孔24h及び第3プレート27の軸孔27hは、隔壁50に形成された貫通孔51である。したがって、ハウジング21は、モータ室30とタービン室37とを隔てるとともに回転軸22が貫通する貫通孔51を有する隔壁50を有している。
第1軸部材48には、円筒状の支持部材52が設けられている。支持部材52は、第1軸部材48におけるモータハウジング24の軸孔24hの内側に位置する部位の外周面に圧入されている。支持部材52は、第1軸部材48と一体的に回転する。支持部材52とモータハウジング24の軸孔24hとの間には、第1軸受53が設けられている。第1軸受53は、モータハウジング24の軸孔24hに保持されている。第1軸受53は、例えば、空気軸受である。そして、第1軸部材48は、支持部材52及び第1軸受53を介してモータハウジング24の端壁24aに回転可能に支持されている。
第3プレート27の軸孔27hと第1軸部材48との間には、シール部材54が設けられている。シール部材54は、タービン室37からモータ室30に向かう空気の洩れを抑制する。シール部材54は、例えば、シールリングである。
第2軸部材49は、円柱状である。第2軸部材49の一端部は、筒部材46の内周面における軸方向の他端部に圧入されている。よって、第2軸部材49は、筒部材46の内周面に固定されている。第2軸部材49の他端部は、第1プレート25の軸孔25h及び第2プレート26の軸孔26hを貫通して、コンプレッサ室32内に突出している。したがって、第2軸部材49は、モータ室30から第1プレート25の軸孔25h及び第2プレート26の軸孔26hを通過してコンプレッサ室32内に突出している。
第2軸部材49と第1プレート25の軸孔25hとの間には、第2軸受55が設けられている。第2軸受55は、第1プレート25の軸孔25hに保持されている。第2軸受55は、例えば、空気軸受である。そして、第2軸部材49は、第2軸受55を介して第1プレート25に回転可能に支持されている。したがって、回転軸22は、ハウジング21に回転可能に支持されている。
第2プレート26の軸孔26hと第2軸部材49との間には、シール部材56が設けられている。シール部材56は、コンプレッサ室32からモータ室30に向かう空気の洩れを抑制する。シール部材56は、例えば、シールリングである。
電動流体機械20は、タービンホイール57及びコンプレッサホイール58を備えている。タービンホイール57は、第1軸部材48におけるタービン室37に突出している突出端部に連結されている。タービンホイール57は、タービン室37内に収容されている。タービンホイール57は、第1軸部材48と一体的に回転する。
コンプレッサホイール58は、第2軸部材49におけるコンプレッサ室32に突出している突出端部に連結されている。コンプレッサホイール58は、コンプレッサ室32内に収容されている。コンプレッサホイール58は、第2軸部材49と一体的に回転する。モータ23は、回転軸22の軸方向において、タービンホイール57とコンプレッサホイール58との間に配置されている。
回転軸22は、図示しないバッテリからコイル44に電流が流れることによって、ロータ42と一体的に回転する。したがって、モータ23は、回転軸22を回転させる。よって、モータ23は、回転軸22を回転させるための駆動源である。ロータ42は、回転軸22と一体的に回転する。
回転軸22がロータ42と一体的に回転すると、コンプレッサホイール58及びタービンホイール57が回転軸22と一体的に回転する。すると、吸入口31から吸入された空気がコンプレッサ室32内でコンプレッサホイール58によって圧縮されるとともにディフューザ流路34を通過して吐出室33から吐出される。そして、吐出室33から吐出された空気は、供給流路35を介して燃料電池スタック11に供給される。燃料電池スタック11に供給された空気は、燃料電池スタック11を発電するために使用される。その後、燃料電池スタック11内の空気は、燃料電池スタック11の排気として排出流路40へ排出される。
燃料電池スタック11の排気は、排出流路40を介して吸入室38に吸入される。吸入室38に吸入される燃料電池スタック11の排気は、ディフューザ流路39を介してタービン室37に流入する。そして、タービン室37に流入した燃料電池スタック11の排気は、タービンホイール57の回転を補助する。これにより、回転軸22は、モータ23の駆動による回転に加え、燃料電池スタック11の排気により回転するタービンホイール57の回転によっても回転する。したがって、タービンホイール57は、モータ23の駆動を補助する。タービン室37に流入した排気は、タービン室37を通過して吐出口36から外部へ吐出される。
(導入口60の構成)
ハウジング21には、導入口60が設けられている。導入口60は、第3プレート27に形成されている。したがって、導入口60は、モータ23よりもタービン室37側に配置されている。導入口60は、第3プレート27を回転軸22の径方向に貫通した状態で延びている。導入口60の一端は、軸孔27hに連通している。導入口60の一端は、軸孔27hの内周面におけるシール部材54よりもモータハウジング24寄りの部位に開口している。導入口60の他端は、第3プレート27の外周面に開口している。
ハウジング21には、導入口60が設けられている。導入口60は、第3プレート27に形成されている。したがって、導入口60は、モータ23よりもタービン室37側に配置されている。導入口60は、第3プレート27を回転軸22の径方向に貫通した状態で延びている。導入口60の一端は、軸孔27hに連通している。導入口60の一端は、軸孔27hの内周面におけるシール部材54よりもモータハウジング24寄りの部位に開口している。導入口60の他端は、第3プレート27の外周面に開口している。
燃料電池システム10は、分岐流路61を備えている。分岐流路61の一端は、供給流路35に接続されている。したがって、分岐流路61は、供給流路35から分岐している。分岐流路61の他端は、導入口60の他端に接続されている。分岐流路61の途中には、インタークーラ62が設けられている。インタークーラ62は、分岐流路61を流れる空気を冷却する。そして、供給流路35を流れる空気の一部が、分岐流路61に流れ込み、インタークーラ62によって冷却された後、分岐流路61を介して導入口60に導入される。導入口60は、分岐流路61から導入された空気を、軸孔27hの内側に導入する。したがって、導入口60は、ハウジング21内に空気を冷却流体として導入する。
(排出口63の構成)
ハウジング21には、排出口63が設けられている。排出口63は、モータハウジング24の周壁24bにおける端壁24aとは反対側の開口端部に形成されている。排出口63は、モータハウジング24の周壁24bを回転軸22の径方向に貫通した状態で延びている。排出口63の一端は、モータ室30内におけるモータ23よりも第1プレート25寄りの部位に連通している。したがって、排出口63は、モータ23よりもタービン室37とは反対側に配置されている。排出口63の他端は、モータハウジング24の周壁24bの外周面に開口している。排出口63は、モータ室30内の空気をハウジング21外へ排出する。したがって、排出口63は、ハウジング21内から空気を排出する。
ハウジング21には、排出口63が設けられている。排出口63は、モータハウジング24の周壁24bにおける端壁24aとは反対側の開口端部に形成されている。排出口63は、モータハウジング24の周壁24bを回転軸22の径方向に貫通した状態で延びている。排出口63の一端は、モータ室30内におけるモータ23よりも第1プレート25寄りの部位に連通している。したがって、排出口63は、モータ23よりもタービン室37とは反対側に配置されている。排出口63の他端は、モータハウジング24の周壁24bの外周面に開口している。排出口63は、モータ室30内の空気をハウジング21外へ排出する。したがって、排出口63は、ハウジング21内から空気を排出する。
(樹脂部70の構成)
図1及び図2に示すように、ステータ41は、樹脂部70を備えている。樹脂部70は、ステータコア43及びコイルエンド45を被覆している。なお、以下の説明では、ステータコア43におけるモータハウジング24の端壁24a側に位置するコイルエンド45を、「第1コイルエンド45a」と記載する。第1コイルエンド45aは、回転軸22の軸方向における一端側に設けられたコイル44のコイルエンド45である。さらに、以下の説明では、ステータコア43における第1プレート25側に位置するコイルエンド45を、「第2コイルエンド45b」と記載する。第2コイルエンド45bは、回転軸22の軸方向における他端側に設けられたコイル44のコイルエンド45である。
図1及び図2に示すように、ステータ41は、樹脂部70を備えている。樹脂部70は、ステータコア43及びコイルエンド45を被覆している。なお、以下の説明では、ステータコア43におけるモータハウジング24の端壁24a側に位置するコイルエンド45を、「第1コイルエンド45a」と記載する。第1コイルエンド45aは、回転軸22の軸方向における一端側に設けられたコイル44のコイルエンド45である。さらに、以下の説明では、ステータコア43における第1プレート25側に位置するコイルエンド45を、「第2コイルエンド45b」と記載する。第2コイルエンド45bは、回転軸22の軸方向における他端側に設けられたコイル44のコイルエンド45である。
樹脂部70は、第1樹脂部71、第2樹脂部72、及び第3樹脂部73を有している。したがって、ステータ41は、第1樹脂部71、第2樹脂部72、及び第3樹脂部73を備えている。
第1樹脂部71は、第1コイルエンド45aを樹脂で覆う筒状である。第1樹脂部71は、第1内周部71a、第1外周部71b、及び第1軸端部71cを有している。第1内周部71aは、第1コイルエンド45aの内周側の部位を覆う筒状である。第1内周部71aは、第1コイルエンド45aの内周側でステータコア43の軸方向に延びている。第1内周部71aの外周面は、第1コイルエンド45aの内周側の部位に接触している。第1内周部71aにおけるステータコア43側の端部は、ステータコア43の端面に接触している。第1内周部71aにおけるステータコア43とは反対側の端部は、モータハウジング24の端壁24aから離間している。第1内周部71aは、筒部材46における永久磁石47の端面に対して軸方向へ突出している端部、及び第1軸部材48の一部とステータコア43の径方向で重なっている。第1内周部71aの内周面は、筒部材46及び第1軸部材48から離間している。
図2に示すように、第1内周部71aの内周面におけるステータコア43側の端部は、ステータコア43の軸方向においてステータコア43に接近するにつれて内径が縮径していく第1円錐孔75になっている。したがって、第1内周部71aの内周面におけるステータコア43側の端部は、ステータコア43の軸方向においてステータコア43に接近するにつれて筒部材46に徐々に接近していく。
図1及び図2に示すように、第1外周部71bは、第1コイルエンド45aの外周側の部位を覆う筒状である。第1外周部71bは、第1コイルエンド45aの外周側でステータコア43の軸方向に延びている。第1外周部71bの内周面は、第1コイルエンド45aの外周側の部位に接触している。第1外周部71bの外周面は、モータハウジング24の周壁24bの内周面に接触している。第1外周部71bにおけるステータコア43側の端部は、ステータコア43の端面に接触している。第1外周部71bにおけるステータコア43とは反対側の端部は、モータハウジング24の端壁24aから離間している。
第1軸端部71cは、第1コイルエンド45aにおけるステータコア43とは反対側の端部を覆う筒状である。第1軸端部71cは、ステータコア43の径方向に延びている。第1軸端部71cは、第1内周部71aにおけるステータコア43とは反対側の端部と、第1外周部71bにおけるステータコア43とは反対側の端部と、を接続している。第1軸端部71cは、モータハウジング24の端壁24aから離間している。なお、第1コイルエンド45aから生じる熱は、第1樹脂部71を介してモータハウジング24に放熱される。
第3樹脂部73は、第2コイルエンド45bを樹脂で覆う筒状である。第3樹脂部73は、第3内周部73a、第3外周部73b、及び第3軸端部73cを有している。第3内周部73aは、第2コイルエンド45bの内周側の部位を覆う筒状である。第3内周部73aは、第2コイルエンド45bの内周側でステータコア43の軸方向に延びている。第3内周部73aの外周面は、第2コイルエンド45bの内周側の部位に接触している。第3内周部73aにおけるステータコア43側の端部は、ステータコア43の端面に接触している。第3内周部73aにおけるステータコア43とは反対側の端部は、第1プレート25から離間している。第3内周部73aは、筒部材46における永久磁石47の端面に対して軸方向へ突出している端部、及び第2軸部材49の一部とステータコア43の径方向で重なっている。第3内周部73aの内周面は、筒部材46及び第2軸部材49から離間している。
第3外周部73bは、第2コイルエンド45bの外周側の部位を覆う筒状である。第3外周部73bは、第2コイルエンド45bの外周側でステータコア43の軸方向に延びている。第3外周部73bの内周面は、第2コイルエンド45bの外周側の部位に接触している。第3外周部73bの外周面は、モータハウジング24の周壁24bの内周面に接触している。第3外周部73bにおけるステータコア43側の端部は、ステータコア43の端面に接触している。第3外周部73bにおけるステータコア43とは反対側の端部は、第1プレート25から離間している。
第3軸端部73cは、第2コイルエンド45bにおけるステータコア43とは反対側の端部を覆う筒状である。第3軸端部73cは、ステータコア43の径方向に延びている。第3軸端部73cは、第3内周部73aにおけるステータコア43とは反対側の端部と、第3外周部73bにおけるステータコア43とは反対側の端部と、を接続している。第3軸端部73cは、第1プレート25から離間している。モータ室30内における第3軸端部73cと第1プレート25との間の空間は、排出口63に連通している。なお、第2コイルエンド45bから生じる熱は、第3樹脂部73を介してモータハウジング24に放熱される。
図2に示すように、第2樹脂部72は、ステータコア43の内周面を樹脂で覆う筒状である。第2樹脂部72は、ステータコア43の内側でステータコア43の軸方向に延びている。第2樹脂部72は、第1樹脂部71の第1内周部71aと、第3樹脂部73の第3内周部73aと、を接続している。第2樹脂部72の外周面は、ステータコア43の内周面に接触している。第2樹脂部72の内周面は、第1樹脂部71から第3樹脂部73に向かうにつれて内径が拡径していく第2円錐孔76になっている。第2円錐孔76は、第1円錐孔75に連続している。第1円錐孔75と第2円錐孔76との境界は、筒部材46における永久磁石47の端面に対して軸方向へ突出している端部とステータコア43の径方向で重なる位置に配置されている。第2円錐孔76は、第3樹脂部73の第3内周部73aに連続している。第2円錐孔76は、永久磁石47全体を囲繞している。
(流路80について)
図1に示すように、ステータ41とロータ42との間に形成された空間は、流路80になっている。流路80には、導入口60から軸孔27hの内側に導入されて、軸孔27hから支持部材52と第1軸受53との間を通過してモータ室30内に流入した空気が、冷却流体として流れる。したがって、第1円錐孔75及び第2円錐孔76は、流路80の一部を形成している。そして、第1円錐孔75は、第2円錐孔76よりも空気の流れ方向の上流に位置している。
図1に示すように、ステータ41とロータ42との間に形成された空間は、流路80になっている。流路80には、導入口60から軸孔27hの内側に導入されて、軸孔27hから支持部材52と第1軸受53との間を通過してモータ室30内に流入した空気が、冷却流体として流れる。したがって、第1円錐孔75及び第2円錐孔76は、流路80の一部を形成している。そして、第1円錐孔75は、第2円錐孔76よりも空気の流れ方向の上流に位置している。
図2に示すように、第1円錐孔75は、空気の流れ方向の下流側に向かって流路80の断面積が漸次小さくなる絞り部81を形成している。したがって、流路80には、空気の流れ方向の下流側に向かって流路80の断面積が漸次小さくなる絞り部81が設けられている。そして、第1樹脂部71は、絞り部81を形成している。流路80は、絞り部81によってモータ室30の圧力がタービン室37の圧力よりも高くなるように断面積が絞られている。絞り部81は、筒部材46における永久磁石47の端面に対して軸方向へ突出している端部とステータコア43の径方向で重なっている。
第2円錐孔76は、絞り部81よりも空気の流れ方向の下流側において、空気の流れ方向の下流側に向かって流路80の断面積が漸次大きくなり負圧を発生させる負圧発生部82を形成している。したがって、流路80は、絞り部81よりも空気の流れ方向の下流側において、空気の流れ方向の下流側に向かって流路80の断面積が漸次多くなり負圧を発生させる負圧発生部82をさらに備えている。そして、負圧発生部82は、第2樹脂部72によって形成されている。
(作用)
次に、本実施形態の作用について説明する。
ところで、ロータ42において、永久磁石47に渦電流が生じることにより、永久磁石47に熱が生じる。このとき、ステータ41とロータ42との間に形成される流路80に空気が流れることで、永久磁石47が冷却される。具体的には、永久磁石47から生じた熱は、筒部材46を介して空気に放熱される。これにより、永久磁石47が空気によって冷却される。
次に、本実施形態の作用について説明する。
ところで、ロータ42において、永久磁石47に渦電流が生じることにより、永久磁石47に熱が生じる。このとき、ステータ41とロータ42との間に形成される流路80に空気が流れることで、永久磁石47が冷却される。具体的には、永久磁石47から生じた熱は、筒部材46を介して空気に放熱される。これにより、永久磁石47が空気によって冷却される。
詳細には、絞り部81によって、空気の流れ方向の下流側に向かって流路80の断面積が漸次小さくなっているため、空気が絞り部81によって案内されながら流路80を流れ易くなる。したがって、空気が流路80をスムーズに流れるため、空気の圧損が低減する。そして、流路80を流れる空気は、絞り部81を通過すると断熱膨張して温度が下がる。これにより、永久磁石47は、少なくとも絞り部81よりも空気の流れ方向の下流側において断熱膨張して温度が下がった空気によって冷却される。その結果、永久磁石47が空気により冷却される。また、絞り部81よりも空気の流れ方向の下流側において、負圧発生部82が負圧を発生させるため、絞り部81を通過した空気がスムーズに流路80を流れる。したがって、空気の圧損がさらに低減し、空気によって永久磁石47がさらに効率良く冷却される。
流路80を通過する空気は、ロータ42が回転していると、遠心力によって回転軸22の径方向外側に向けて流され易くなる。このとき、第2樹脂部72の内周面は、第1樹脂部71から第3樹脂部73に向かうにつれて内径が拡径していく第2円錐孔76になっている。このため、第2樹脂部72の内周面と筒部材46の外周面との間を通過する空気が、第2円錐孔76に案内されながら、流路80の下流側に向かって流れ易くなっている。したがって、流路80を流れる空気が、第2樹脂部72の内周面と筒部材46の外周面との間に滞留し難くなり、空気が流路80をスムーズに流れるため、空気の圧損が低減し、空気によって永久磁石47が効率良く冷却される。そして、流路80を通過した空気は、モータ室30内における第3軸端部73cと第1プレート25との間の空間を経由して、排出口63に流れ込み、排出口63からハウジング21外へ排出される。したがって、空気は、モータ室30内におけるステータ41よりもモータハウジング24の端壁24a寄りの空間から流路80を通過して、モータ室30内におけるステータ41よりも第1プレート25寄りの空間へ流れる。
ところで、このような燃料電池システム10においては、燃料電池スタック11から排出される空気には水が含まれているため、タービン室37に流入する空気には水が含まれている。したがって、タービン室37内には水が存在している。ここで、流路80が、絞り部81によってモータ室30の圧力がタービン室37の圧力よりも高くなるように断面積が絞られている。このため、タービン室37から貫通孔51を介してモータ室30へ水が侵入してしまうことが抑制されている。
(効果)
上記実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)流路80には、空気の流れ方向の下流側に向かって流路80の断面積が漸次小さくなる絞り部81が設けられている。これによれば、絞り部81によって、空気の流れ方向の下流側に向かって流路80の断面積が漸次小さくなっているため、空気が絞り部81によって案内されながら流路80を流れ易くなる。したがって、空気が流路80をスムーズに流れるため、空気の圧損を低減することができる。そして、流路80を流れる空気は、絞り部81を通過すると断熱膨張して温度が下がる。これにより、少なくとも絞り部81よりも空気の流れ方向の下流側において永久磁石47を断熱膨張して温度が下がった空気によって冷却することができる。以上により、空気によって永久磁石47を効率良く冷却することができる。
上記実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)流路80には、空気の流れ方向の下流側に向かって流路80の断面積が漸次小さくなる絞り部81が設けられている。これによれば、絞り部81によって、空気の流れ方向の下流側に向かって流路80の断面積が漸次小さくなっているため、空気が絞り部81によって案内されながら流路80を流れ易くなる。したがって、空気が流路80をスムーズに流れるため、空気の圧損を低減することができる。そして、流路80を流れる空気は、絞り部81を通過すると断熱膨張して温度が下がる。これにより、少なくとも絞り部81よりも空気の流れ方向の下流側において永久磁石47を断熱膨張して温度が下がった空気によって冷却することができる。以上により、空気によって永久磁石47を効率良く冷却することができる。
(2)ステータ41は、回転軸22の軸方向における一端側に設けられたコイル44のコイルエンド45を樹脂で覆う筒状の第1樹脂部71を備えている。第1樹脂部71は、絞り部81を形成している。コイルエンド45を樹脂で覆う筒状の第1樹脂部71は、絞り部81を形成する上で好適である。
(3)流路80は、絞り部81よりも空気の流れ方向の下流側において、空気の流れ方向の下流側に向かって流路80の断面積が漸次大きくなり負圧を発生させる負圧発生部82をさらに備えている。これによれば、絞り部81よりも空気の流れ方向の下流側において、負圧発生部82が負圧を発生させるため、絞り部81を通過した空気がスムーズに流路80を流れる。したがって、空気の圧損をさらに低減することができ、空気によって永久磁石47をさらに効率良く冷却することができる。
(4)ステータ41は、ステータコア43の内周面を樹脂で覆う筒状の第2樹脂部72を備えている。負圧発生部82は、第2樹脂部72によって形成されている。ステータコア43の内周面を樹脂で覆う筒状の第2樹脂部72は、負圧発生部82を形成する上で好適である。
(5)流路80が、絞り部81によってモータ室30の圧力がタービン室37の圧力よりも高くなるように断面積が絞られているため、例えば、タービン室37から貫通孔51を介してモータ室30へ水が侵入してしまうことを抑制することができる。
(6)ステータコア43と永久磁石47との間で磁束が生じると、磁束が筒部材46を通過し、筒部材46に渦電流が生じる。筒部材46に生じる渦電流は、筒部材46とステータコア43との距離が近いほど生じ易くなる。一方で、ステータコア43を筒部材46から離間させ過ぎてしまうと、ステータコア43と筒部材46との間の隙間が大きくなり過ぎてしまい、ステータコア43と筒部材46との間を通過する空気が滞留し易くなってしまう。そこで、本実施形態では、ステータコア43の内周面を第2樹脂部72で覆うとともに、第2樹脂部72の内周面を、第1樹脂部71から第3樹脂部73に向かうにつれて内径が拡径していく第2円錐孔76とした。これによれば、ステータコア43を筒部材46から極力離間させつつも、流路80を流れる空気が滞留してしまうことを抑制することができる。その結果、筒部材46に渦電流が生じてしまうことを抑制しつつも、永久磁石47を効率良く冷却することができる。
(変更例)
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
○ 図3に示すように、負圧発生部82が、ステータコア43の内周面によって形成されていてもよい。具体的には、図3に示す実施形態では、ステータコア43の内周面が樹脂によって覆われていない。そして、ステータコア43の内周面によって、第2円錐孔76を形成し、負圧発生部82を形成している。これによれば、ステータコア43とは別の部材を用いて負圧発生部82を形成する必要が無いため、部品点数を増やすことなく、負圧発生部82を形成することができる。
○ 実施形態において、絞り部81は、回転軸22の軸方向における一端側に設けられたコイル44のコイルエンド45を樹脂で覆う筒状の第1樹脂部71により形成されていたが、これに限らない。例えば、コイルエンド45を覆っていない別の部材によって絞り部81が形成されていてもよい。
○ 実施形態において、絞り部81が、例えば、第2樹脂部72によって形成されていてもよい。また、ステータコア43の内周面が樹脂によって覆われておらず、ステータコア43の内周面によって絞り部81が形成されていてもよい。したがって、絞り部81が、永久磁石47に対してステータコア43の径方向で重なっていてもよい。要は、絞り部81は、空気の流れ方向の下流側に向かって流路80の断面積が漸次小さくなるように流路80に設けられており、永久磁石47が、少なくとも絞り部81よりも空気の流れ方向の下流側において冷却される構成であればよい。
○ 図4に示すように、絞り部81が、第2コイルエンド45bを覆う樹脂によって形成されていてもよい。この場合、第2コイルエンド45bは、回転軸22の軸方向における一端側に設けられたコイル44のコイルエンド45であり、第2コイルエンド45bを覆う樹脂は、第1樹脂部である。そして、この場合、空気が、モータ室30内におけるステータ41よりも第1プレート25寄りの空間から流路80を通過して、モータ室30内におけるステータ41よりもモータハウジング24の端壁24a寄りの空間へ流れる構成とする必要がある。具体的には、図4に示す実施形態では、導入口60は、モータ23よりもタービン室37とは反対側に配置されており、排出口63は、モータ23よりもタービン室37側に配置されている。そして、第3樹脂部73の第3内周部73aの内周面におけるステータコア43側の端部が、ステータコア43の軸方向においてステータコア43に接近するにつれて内径が縮径していく円錐孔になっている。さらに、第2樹脂部72の内周面が、第3樹脂部73から第1樹脂部71に向かうにつれて内径が拡径していく円錐孔になっている。第3樹脂部73の円錐孔及び第2樹脂部72の円錐孔は、流路80の一部を形成している。第3樹脂部73の円錐孔は、第2樹脂部72の円錐孔よりも空気の流れ方向の上流に位置している。そして、第3樹脂部73の円錐孔が、空気の流れ方向の下流側に向かって流路80の断面積が漸次小さくなる絞り部81を形成している。
○ 実施形態において、流路80は、負圧発生部82が備えられていない構成であってもよい。
○ 実施形態において、電動流体機械20は、タービンホイール57を備えていない構成であってもよい。
○ 実施形態において、電動流体機械20は、タービンホイール57を備えていない構成であってもよい。
○ 実施形態において、磁性体としては、永久磁石47に限らず、例えば、積層コア、アモルファスコア、又は、圧粉コア等であってもよい。
○ 実施形態において、筒部材46が、例えば、炭素繊維強化プラスチックから構成されていてもよい。要は、筒部材46の材質は、特に限定されるものではない。
○ 実施形態において、筒部材46が、例えば、炭素繊維強化プラスチックから構成されていてもよい。要は、筒部材46の材質は、特に限定されるものではない。
○ 実施形態において、ロータ42の構成としては、例えば、電磁鋼板が複数積層されて構成されるロータコアと、ロータコアに埋設される磁性体と、を備えたロータであってもよい。
○ 実施形態では、供給流路35を流れる空気の一部を、導入口60を介してハウジング21内に冷却流体として導入したが、これに限らず、供給流路35を流れる空気とは別の流体を冷却流体として導入口60からハウジング21内に導入してもよい。
○ 実施形態において、電動流体機械20は、燃料電池車などの車両に搭載される燃料電池システム10に用いられるものに限らず、例えば、車両空調装置に用いられる電動圧縮機であってもよい。
20…電動流体機械、21…ハウジング、22…回転軸、23…モータ、30…モータ室、37…タービン室、41…ステータ、42…ロータ、43…ステータコア、44…コイル、45…コイルエンド、50…隔壁、51…貫通孔、57…タービンホイール、60…導入口、63…排出口、71…第1樹脂部、72…第2樹脂部、80…流路、81…絞り部、82…負圧発生部。
Claims (6)
- ハウジングと、
前記ハウジングに回転可能に支持される回転軸と、
前記ハウジングに収容されるとともに前記回転軸を回転させるモータと、を備え、
前記モータは、
前記ハウジングの内周面に固定される筒状のステータコア、及び前記ステータコアに巻回されたコイルを有するステータと、
前記ステータの内側に配置されるとともに磁性体を有し、前記回転軸と一体的に回転するロータと、を有し、
前記ハウジングには、前記ハウジング内に冷却流体を導入する導入口と、前記ハウジング内から前記冷却流体を排出する排出口と、が設けられ、
前記ステータと前記ロータとの間に形成される流路に前記冷却流体が流れることで、前記磁性体が冷却される電動流体機械であって、
前記流路には、前記冷却流体の流れ方向の下流側に向かって前記流路の断面積が漸次小さくなる絞り部が設けられ、
前記磁性体は、少なくとも前記絞り部よりも前記冷却流体の流れ方向の下流側において冷却されることを特徴とする電動流体機械。 - 前記ステータは、前記回転軸の軸方向における一端側に設けられた前記コイルのコイルエンドを樹脂で覆う筒状の第1樹脂部を備え、
前記第1樹脂部は、前記絞り部を形成していることを特徴とする請求項1に記載の電動流体機械。 - 前記流路は、前記絞り部よりも前記冷却流体の流れ方向の下流側において、前記冷却流体の流れ方向の下流側に向かって前記流路の断面積が漸次大きくなり負圧を発生させる負圧発生部をさらに備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電動流体機械。
- 前記ステータは、前記ステータコアの内周面を樹脂で覆う筒状の第2樹脂部を備え、
前記負圧発生部は、前記第2樹脂部によって形成されていることを特徴とする請求項3に記載の電動流体機械。 - 前記負圧発生部は、前記ステータコアの内周面によって形成されていることを特徴とする請求項3に記載の電動流体機械。
- 前記モータの駆動を補助するタービンホイールを備え、
前記ハウジングは、
前記モータが収容されるモータ室と、
前記タービンホイールが収容されるタービン室と、
前記モータ室と前記タービン室とを隔てるとともに前記回転軸が貫通する貫通孔を有する隔壁と、を有し、
前記導入口は、前記モータよりも前記タービン室側に配置されており、
前記排出口は、前記モータよりも前記タービン室とは反対側に配置されており、
前記流路は、前記絞り部によって前記モータ室の圧力が前記タービン室の圧力よりも高くなるように断面積が絞られることを特徴とする請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の電動流体機械。
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