JP2023042943A - 車両のサブフレーム構造 - Google Patents

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大志 水尾
Hiroshi Mizuo
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Abstract

【課題】クロスメンバの車両幅方向の中央部の下側に、下方へ向かって開放した凹部空間が形成された車両のサブフレーム構造において、車両幅方向の変形に対する剛性を確保しつつ、前後方向の変形に対する剛性も確保し、前方へ向かって倒れ込む方向の変形を抑制する。【解決手段】クロスメンバ1の車両幅方向の中央部の下側に、下方へ向かって開放した凹部空間11が形成されており、凹部空間11の下部を車両幅方向に横断するようにクロスメンバ1の右側部12と左側部13とを連結することによって、クロスメンバ1との間に前後方向へ貫通する開口14を形成するブレース4を備え、ブレース4の車両幅方向の両端で上下方向に延びる両端部41が、いずれもクロスメンバ1の上側まで延びており、両端部41の上部41aがクロスメンバ1へ固定されている。【選択図】図1

Description

本発明は、車両幅方向に延びるクロスメンバを備える車両のサブフレーム構造に関する。
特許文献1には、車両幅方向に延びるクロスメンバと、クロスメンバに連結されて前後方向に延びる左右一対のサイドメンバとを備え、クロスメンバの下部中央にプロペラシャフトを挿通するトンネル部が設けられ、トンネル部の下部を車両幅方向に連結する補強部材としてブレースが設けられているリヤサブフレーム構造が開示されている。
特開2017-87995号公報
図4に示すように、車両幅方向に延びるクロスメンバ1と、クロスメンバ1の車両幅方向両端にそれぞれ固定される左右一対のサイドメンバ2とを備えるサブフレーム構造10では、不図示の燃料タンクや後輪駆動用モータなどのスペースを確保するため、クロスメンバ1の車両幅方向の中央部の下側に、下方へ向かって開放した凹部空間11が形成されることがある。このように凹部空間11が形成されたクロスメンバ1を備えるサブフレーム構造10では、車輪をそれぞれ回転自在に支持するキャリア5がロアアーム7によってサイドメンバ2の下部へ接続しているため、例えば車両が旋回する際などキャリア5に車両幅方向内側へ向かう荷重が加わると、クロスメンバ1へ荷重が伝達し、クロスメンバ1が車両幅方向内側へ撓んで変形することにより、車両の操縦安定性が低下することがある。
そのため、このように凹部空間11が形成されたクロスメンバ1を備える従来技術のサブフレーム構造10では、車両幅方向の変形に対する剛性を向上し、車両の操縦安定性を向上することを目的として、図4に示すように、凹部空間11の下部を横断するようにクロスメンバ1の右側部12と左側部13とを連結するブレース4aが設けられる。キャリア5に車両幅方向内側へ向かう荷重が加わると、ブレース4aを設けない場合、図4に示す斜線の領域A1に大きな応力が生じるが、ブレース4aを設けることによって、領域A1に生じる応力が減少する。
しかし、従来技術のサブフレーム構造10を用いた車両では、キャリア上部51とサイドメンバ2の上部を接続するアッパーアーム6は、キャリア5からサイドメンバ2へ上面視で斜め前に向かう方向へ延びているため、キャリア5に車両幅方向内側へ向かう荷重が加わると、クロスメンバ1を前方へ向かって倒れ込む方向へ変形させることになる。そのため、図4に示すように車両幅方向に延びるブレース4aを設けることによって、ブレース4aを設けない場合と比較して、車両幅方向の剛性は向上するが、前後方向の倒れ込み量が増加してしまう。このように前後方向の変形量が増えることにより、上方クロスメンバ3と結合しクロスメンバ1の前後方向を支持する図4に示す斜線の領域A2に生じる応力が増加し、領域A2の疲労強度が悪化する。
そこで、本発明は、クロスメンバの車両幅方向の中央部の下側に、下方へ向かって開放した凹部空間が形成された車両のサブフレーム構造において、車両幅方向の変形に対する剛性を確保しつつ、前後方向の変形に対する剛性も確保し、前方へ向かって倒れ込む方向の変形を抑制することを目的とする。
本発明に係る車両のサブフレーム構造は、車両幅方向に延びるクロスメンバを備える車両のサブフレーム構造であって、前記クロスメンバの車両幅方向の中央部の下側に、下方へ向かって開放した凹部空間が形成されており、前記凹部空間の下部を車両幅方向に横断するように前記クロスメンバの右側部と左側部とを連結することによって、前記クロスメンバとの間に前後方向へ貫通する開口を形成するブレースを備え、前記ブレースの車両幅方向の両端で上下方向に延びる両端部が、いずれも前記クロスメンバの上側まで延びており、前記両端部の上部が前記クロスメンバへ固定されていることを特徴とする。
本発明は、クロスメンバの車両幅方向の中央部の下側に、下方へ向かって開放した凹部空間が形成された車両のサブフレーム構造において、車両幅方向の変形に対する剛性を確保しつつ、前後方向の変形に対する剛性も確保し、前方へ向かって倒れ込む方向の変形を抑制することができる。
本開示の実施形態の車両のサブフレーム構造を前方から見た正面図である。 本実施形態の車両のサブフレーム構造に、車輪を回転自在に支持するキャリアがアッパーアーム及びロアアームによって連結された状態を示す正面図である。 本実施形態の車両のサブフレーム構造とキャリア上部がアッパーアームで連結された状態を示す平面図である。 従来技術の車両のサブフレーム構造の正面図である。
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態の車両のサブフレーム構造20について説明する。以下説明する各図に示す矢印FR、矢印UP、矢印RHは、車両の前方向(進行方向)、上方向、右方向をそれぞれ示している。また、各矢印FR、UP、RHの反対方向は、それぞれ車両後方向、下方向、左方向を示す。以下、単に前後、左右、上下の方向を用いて説明する場合は、特に断りのない限り、車両前後方向の前後、車両左右方向(車両幅方向)の左右、車両上下方向の上下を示すものとする。
図1は、車両のサブフレーム構造20の正面図である。図1に示すように、サブフレーム構造20は、車両幅方向に延びるクロスメンバ1と、左右一対のサイドメンバ2と、上方クロスメンバ3と、ブレース4を備える。クロスメンバ1の車両幅方向の両端には、それぞれサイドメンバ2が固定されている。そして、車両幅方向に延びる上方クロスメンバ3は、クロスメンバ1と左右のサイドメンバ2の上に載せられて、クロスメンバ1及びサイドメンバ2に固定されている。なお、これらのクロスメンバ1、サイドメンバ2及び上方クロスメンバ3は、図4に示す従来技術のサブフレーム構造10に用いるクロスメンバ1、サイドメンバ2及び上方クロスメンバ3と全く同じ部品である。
クロスメンバ1の車両幅方向中央部の下側には、不図示の燃料タンクや後輪駆動用モータなどのスペースを確保するため、下方へ向かって開放した凹部空間11が形成されている。ブレース4は、凹部空間11の下部を車両幅方向に横断するようにクロスメンバ1の右側部12と左側部13とを連結することによって、クロスメンバ1との間に前後方向に貫通する開口14を形成している。プロペラシャフトを搭載する車両では、開口14を通るようにプロペラシャフトを設けることができる。また、ブレース4の車両幅方向の両端で上下方向に延びる両端部41は、いずれも上端が上方クロスメンバ3へ到達している。そして、両端部41の上部41aがクロスメンバ1及び上方クロスメンバ3に固定されている。
図2は、サブフレーム構造20に、左側後輪を回転自在に支持するキャリア5が連結された状態を示す正面図である。図2に示すように、アッパーアーム6は、キャリア上部51とサイドメンバ2の上部とを揺動可能に連結している。そして、ロアアーム7は、キャリア5の下部とサイドメンバ2の下部とを揺動可能に連結している。なお、図2では記載を省略しているが、サブフレーム構造20の右側にも、右側後輪を回転自在に支持するキャリア5が設けられており、サブフレーム構造20の左側と同様に、アッパーアーム6がキャリア上部51とサイドメンバ2の上部とを揺動可能に連結し、ロアアーム7がキャリア5の下部とサイドメンバ2の下部とを揺動可能に連結している。
図3は、サブフレーム構造20とキャリア上部51がアッパーアーム6で連結された状態を示す平面図である。図3に示すように、アッパーアーム6はキャリア上部51からサブフレーム構造20へ上面視で斜め前に向かう方向へ延びている。また、上方クロスメンバ3の車両幅方向両側には、車体取付け穴31が形成されており、車体取付け穴31で上方クロスメンバ3が車体に固定されている。なお、図3では、上方クロスメンバ3の一部とアッパーアーム6とキャリア5とキャリア上部51のみ記載し、その他のロアアーム7等の部品の記載を省略している。
サブフレーム構造20では、既に述べたようにブレース4が凹部空間11の下部を車両幅方向に横断するようにクロスメンバ1の右側部12と左側部13とを連結している。そのため、サブフレーム構造20は、例えば車両が旋回する際などキャリア5に車両幅方向内側又は外側へ向かう荷重が加わった場合でも、車両幅方向の変形に対する剛性を確保することができる。
また、既に述べたようにアッパーアーム6がキャリア上部51からサブフレーム構造20へ上面視で斜め前に向かう方向へ延びているため、例えば車両が旋回する際などキャリア5に車両幅方向内側へ向かう荷重が加わると、クロスメンバ1を前方へ向かって倒れ込む方向へ変形させようとする荷重が加わる。しかし、サブフレーム構造20は、既に述べたようにブレース4の両端部41の上部41aがクロスメンバ1及び上方クロスメンバ3に固定されているため、前後方向の変形に対する剛性を確保し、前方へ倒れ込む方向の変形を抑制することができる。
また、既に述べたようにブレース4は、凹部空間11の下部を車両幅方向に横断するようにクロスメンバ1の右側部12と左側部13とを連結し、両端部41の上部41aがクロスメンバ1及び上方クロスメンバ3に固定されている。そのため、悪路走行時など図2の矢印V1に示すようにキャリア5からロアアーム7を伝ってサブフレーム構造20に荷重が伝達されても、ブレース4が車両幅方向(図2に示す矢印V2)と上下方向(図2に示す矢印V3)に荷重を分担することにより、サブフレーム構造20の変形を抑制することができる。
<実施形態の補足>
本開示の車両のサブフレーム構造は、上述した形態に限定されず、本開示の要旨の範囲内において種々の形態にて実施できる。例えば、クロスメンバの車両幅方向の中央部の下側に形成された凹部空間の形状は、上記の実施形態とは異なる形状であってもよい。また、ブレースの前面視の形状は、例えばロ字型など、U字型以外の形状であってもよい。また、後輪を支持するキャリアと連結するサブフレーム構造ではなく、前輪を支持するキャリアと連結するサブフレーム構造であってもよい。
1 クロスメンバ、2 サイドメンバ、3 上方クロスメンバ、4,4a ブレース、5 キャリア、6 アッパーアーム、7 ロアアーム、10,20 サブフレーム構造、11 凹部空間、12 右側部、13 左側部、14 開口、31 車体取付け穴、41 両端部、41a 上部、51 キャリア上部。

Claims (1)

  1. 車両幅方向に延びるクロスメンバを備える車両のサブフレーム構造であって、
    前記クロスメンバの車両幅方向の中央部の下側に、下方へ向かって開放した凹部空間が形成されており、
    前記凹部空間の下部を車両幅方向に横断するように前記クロスメンバの右側部と左側部とを連結することによって、前記クロスメンバとの間に前後方向へ貫通する開口を形成するブレースを備え、
    前記ブレースの車両幅方向の両端で上下方向に延びる両端部が、いずれも前記クロスメンバの上側まで延びており、前記両端部の上部が前記クロスメンバへ固定されていることを特徴とする車両のサブフレーム構造。
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