JP2023042561A - 基板処理装置、および基板処理方法 - Google Patents

基板処理装置、および基板処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】薄化後の積層基板の表面の平坦度を向上させることが可能な基板処理装置を提供する。【解決手段】基板処理装置は、積層基板Wsにおける隣接するウエハW1,W2の周縁部との間の隙間に充填剤Fを塗布し、硬化させる充填剤塗布モジュール300と、充填剤Fが塗布された積層基板Wsの上面を研削する研削モジュール400と、研削された積層基板Wsの上面を研磨する研磨モジュール500と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、複数の基板を接合して製造される積層基板を処理する基板処理装置および基板処理方法に関する。
近年、半導体デバイスのさらなる高密度化および高機能化を達成するために、複数の基板を積層して3次元的に集積化する3次元実装技術の開発が進んでいる。3次元実装技術では、例えば、集積回路および電気配線が形成された第1基板のデバイス面を、同様に集積回路および電気配線が形成された第2基板のデバイス面と接合する。さらに、第1基板を第2基板に接合した後で、第2基板が研削装置によって薄化される。このようにして、第1基板および第2基板のデバイス面に垂直な方向に集積回路を積層することができる。
3次元実装技術では、3枚以上の基板が接合されてもよい。例えば、第1基板に接合された第2基板を簿化した後で、第3基板を第2基板に接合し、第3基板を簿化してもよい。本明細書では、互いに接合された複数の基板の形態を「積層基板」と称することがある。
特開平5-304062号公報 米国特許第8119500号明細書
第2基板が薄化された後で、積層基板は、ダイシングなどの後工程に送られ処理される。第2基板の薄化面の平坦度が低いと、後工程での処理の信頼性が低下し、結果として、製造されたデバイスが所望の性能を発揮できないことがある。
さらに、後工程の処理次第では、積層基板に残された充填剤がデバイスに悪影響を及ぼすおそれがある。例えば、充填剤からの剥離物がデバイスを傷つけたり、充填剤からの揮発成分がデバイスを汚染したりするおそれがある。そのため、薄化後の積層基板から充填剤を除去するのが好ましい。
そこで、本発明は、薄化後の積層基板の表面の平坦度を向上させることが可能な基板処理装置、および基板処理方法を提供することを目的とする。
一態様では、複数のウエハを接合して製造される積層基板を処理する装置であって、前記複数のウエハのうちの隣接するウエハの周縁部の間の隙間に充填剤を塗布し、硬化させる充填剤塗布モジュールと、前記充填剤が塗布された積層基板の上面を研削する研削モジュールと、前記研削された積層基板の上面を研磨する研磨モジュールと、を備えた、基板処理装置が提供される。
一態様では、前記研磨モジュールは、研磨パッドを支持する研磨テーブルと、前記積層基板を保持して、前記積層基板の上面を前記研磨パッドに押し付ける研磨ヘッドと、前記研磨パッドに研磨液を供給するための研磨液供給ノズルと、を備える。
一態様では、前記基板処理装置は、前記積層基板の上下面を反転させて、前記積層基板を前記研削モジュールから前記研磨モジュールに搬送する基板搬送モジュールをさらに備える。
一態様では、前記研磨モジュール、前記研削モジュール、および前記研磨モジュールは、前記基板の搬送方向に沿って互いに隣接して配列されている。
一態様では、前記基板処理装置は、前記研磨された積層基板の上面をさらに研磨する仕上げ研磨モジュールをさらに備える。
一態様では、前記仕上げ研磨モジュールは、研磨パッドを支持する研磨テーブルと、前記積層基板を保持して、前記積層基板の上面を前記研磨パッドに押し付ける研磨ヘッドと、前記研磨パッドに研磨液を供給するための研磨液供給ノズルと、を備える。
一態様では、前記基板処理装置は、前記研削された積層基板から前記充填剤を除去する充填剤除去モジュールをさらに備える。
一態様では、前記充填剤除去モジュールは、前記積層基板を保持して回転させる基板保持部と、研磨テープを前記積層基板の周縁部に押し付けて、前記充填剤Fを除去する充填剤除去ユニットと、を備える。
一態様では、前記充填剤除去モジュールは、前記充填剤を溶解可能な除去剤を前記積層基板に供給する除去剤供給機構をさらに備える。
一態様では、前記充填剤除去モジュールは、前記積層基板を保持して回転させる基板保持部と、前記充填剤を溶解可能な除去剤を前記積層基板に供給する除去剤供給機構と、を備える。
一態様では、前記充填剤除去モジュールは、前記研磨された積層基板の上面を仕上げ研磨するためのバフ処理コンポーネントをさらに有しており、前記バフ処理コンポーネントは、前記積層基板の上面にバフ処理を行うためのバフパッドが取り付けられたバフヘッドと、前記バフヘッドを前記積層基板の半径方向に揺動可能に保持するバフアームと、を有する。
一態様では、前記充填剤塗布モジュールは、前記積層基板を縦置きに保持する回転保持機構と、前記回転保持機構に保持された積層基板の上方から前記充填剤を前記積層基板の隙間に塗布する塗布モジュールと、前記塗布モジュールによって塗布された充填剤を硬化させる硬化モジュールと、を有する。
一態様では、複数のウエハを接合して製造される積層基板を基板カセットから取り出し、前記複数のウエハのうちの隣接するウエハの周縁部の間の隙間に充填剤を塗布し、硬化させ、前記充填剤が塗布された積層基板の上面を研削し、前記研削された積層基板の上面を研磨し、前記研磨された積層基板を前記基板カセットに戻す、基板処理方法が提供される。
一態様では、前記基板処理方法は、前記研削された積層基板から前記充填剤を除去する工程をさらに備える。
一態様では、前記充填剤を除去する工程は、前記積層基板の上面を研磨する工程の後に行われる。
一態様では、前記充填剤を除去する工程は、前記積層基板の上面を研磨する工程の前に行われる。
一態様では、前記充填剤を除去する工程は、前記積層基板を回転させながら、研磨テープを前記積層基板の周縁部に押し付けて、前記充填剤を除去する工程である。
一態様では、前記充填剤を除去する工程は、前記積層基板を回転させながら、前記積層基板に前記充填剤を溶解可能な処理液を供給して行われる。
一態様では、前記積層基板の上面を研削する工程と、前記積層基板を研磨する工程は、同一の処理モジュールで行われる。
一態様では、前記基板処理方法は、前記積層基板の上面を研削する工程の後に、前記積層基板の上下面を反転させる工程をさらに備え、前記積層基板を研磨する工程は、研磨パッドを支持する研磨テーブルを回転させ、前記研磨パッドに研磨液を供給しながら、前記積層基板の上面を前記研磨パッドに押し付ける工程である。
一態様では、前記基板処理方法は、前記積層基板の上面を研磨する工程の後に、前記積層基板の上面を仕上げ研磨する工程をさらに備え、前記積層基板を仕上げ研磨する工程は、研磨パッドを支持する研磨テーブルを回転させ、前記研磨パッドに研磨液を供給しながら、前記積層基板の上面を前記研磨パッドに押し付ける工程であり、前記積層基板を仕上げ研磨する工程の研磨パッドは、前記積層基板を研磨する工程の研磨パッドの研磨面よりもきめの細かい研磨面を有する。
一態様では、前記基板処理方法は、前記積層基板の上面を研磨する工程の後に、前記積層基板の上面を仕上げ研磨する工程をさらに備え、前記積層基板を仕上げ研磨する工程は、研磨パッドを支持する研磨テーブルを回転させ、前記研磨パッドに研磨液を供給しながら、前記積層基板の上面を前記研磨パッドに押し付ける工程であり、前記積層基板を仕上げ研磨する工程の研磨液に含まれる砥粒は、前記積層基板を研磨する工程の研磨液に含まれる砥粒よりも小さい粒度を有している。
一態様では、前記積層基板を仕上げ研磨する工程と、前記充填剤を除去する工程は、同一の処理モジュール内で行われる。
一態様では、前記隙間に充填剤を塗布し、硬化させる工程は、縦置きに保持された前記積層基板を回転させながら行う。
本発明によれば、薄化された積層基板の上面の研磨処理を行うため、薄化後の積層基板の上面の平坦度を向上させることができる。その結果、ダイシングなどの後工程での処理の信頼性が向上して、製造されたデバイスの不良が発生することを防止することができる。
図1は、一実施形態に係る基板処理装置を模式的に示した上面図である。 図2(a)および図2(b)は、基板の一例であるウエハの周縁部を示す拡大断面図である。 図3(a)は、2枚のウエハを接合した積層基板の一例を示す模式図であり、図3(b)は、図3(a)に示す第2ウエハを薄化した後の積層基板を示す模式図である。 図4は、一実施形態に係る充填剤塗布モジュールを模式的に示す平面図である。 図5は、図4に示す充填剤塗布モジュールを模式的に示す縦断面図である。 図6は、一実施形態にかかる塗布モジュールを示す模式図である。 図7は、一実施形態に係る硬化モジュールを示す模式図である。 図8は、一実施形態に係るバックグラインドモジュールを示す模式図である。 図9(a)は、充填剤塗布モジュールから搬出された積層ウエハを示す模式図であり、図9(b)は、図9(a)に示す積層ウエハの第2ウエハがバックグラインドモジュールで薄化された状態を示す模式図である。 図10は、一実施形態に係る研磨モジュールを示す模式図である。 図11は、他の実施形態に係る研磨モジュールを示す模式図である。 図12は、他の実施形態に係る基板処理装置を模式的に示した上面図である。 図13は、さらに他の実施形態に係る基板処理装置を模式的に示した上面図である。 図14は、一実施形態に係る充填剤除去装置を模式的に示す平面図である。 図15は、研磨ヘッドが充填剤を除去している状態を示す図である。 図16(a)は、積層ウエハの第2ウエハが薄化された状態を示す模式図であり、図16(b)は、充填剤が除去された状態を示す模式図である。 図17は、研磨ヘッドが積層ウエハのベベル部を研磨している状態を示す図である。 図18は、他の実施形態に係る第1処理モジュールを模式的に示す上面図である。 図19は、他の実施形態に係る第5処理モジュールを模式的に示す上面図である。 図20(a)は、3枚のウエハから構成される積層基板の一例を模式的に示す断面図であり、図20(b)は、図20(a)に示す積層基板の上面が研削された状態を模式的に示す断面図であり、図20(c)は、図20(b)に示す積層基板の充填剤が除去された状態を示す断面図である。 図21(a)は、3枚のウエハから構成される積層基板の他の例を模式的に示す断面図であり、図21(b)は、図21(a)に示す積層基板の上面が研削された状態を模式的に示す断面図であり、図21(c)は、図21(b)に示す積層基板の充填剤が除去された状態を示す断面図である。 図22は、4枚のウエハから構成される積層基板の例を模式的に示す断面図である。 図23は、他の実施形態に係る充填剤塗布モジュールを示す平面図である。 図24は、図23に示す充填剤塗布モジュールの側面図である。 図25は、さらに他の実施形態に係る充填剤塗布モジュールを示す側面図である。 図26は、図25の矢印Aで示す方向から見た図である。 図27は、さらに他の実施形態に係る充填剤塗布モジュールを示す側面図である。 図28は、図27の矢印Bで示す方向から見た図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、一実施形態に係る基板処理装置を模式的に示した上面図である。図1に示す基板処理装置は、積層基板の一例である積層ウエハを処理する装置である。この基板処理装置は、多数の積層ウエハをストックするウエハカセットが載置される複数の(例えば、4つの)フロントロード部102を備えたロードアンロード部101を有している。フロントロード部102には、オープンカセット、SMIF(Standard Manufacturing Interface)ポッド、またはFOUP(Front Opening Unified Pod)を搭載することができるようになっている。SMIF,FOUPは、内部にウエハカセットを収納し、隔壁で覆うことにより、外部空間とは独立した環境を保つことができる密閉容器である。
ロードアンロード部101には、フロントロード部102の配列方向に沿って移動可能な第1搬送ロボット(ローダー)103が設置されている。第1搬送ロボット103は各フロントロード部102に搭載されたウエハカセットにアクセスして、積層ウエハをウエハカセットから取り出すことができるようになっている。
基板処理装置は、さらに、第2搬送ロボット206と、第2搬送ロボット206の両側に配置された第1ウエハステーション211および第2ウエハステーション212と、を備えている。第2搬送ロボット206、第1ウエハステーション211、および第2ウエハステーション212は、基板搬送モジュール200として機能する。
さらに、基板処理装置は、搬送ロボット206に隣接して配置された複数の(図1では3つの)処理モジュール300,400,500と、基板処理装置の全体の動作を制御するコントローラ113とを備えている。本実施形態では、処理モジュール300,400,500は、基板処理装置の長手方向に沿って配列される。処理モジュール300,400,500の詳細な構成は後述する。
さらに、基板処理装置は、積層ウエハを洗浄する第1洗浄モジュール616および第2洗浄モジュール618と、洗浄された積層ウエハを乾燥する乾燥モジュール620とを備えている。第1洗浄モジュール616、第2洗浄モジュール618、および乾燥モジュール620は、基板処理装置の長手方向に沿って配列されている。
第1洗浄モジュール616と第2洗浄モジュール618の間に位置して、これらの洗浄モジュール616,618および基板搬送モジュール200の間で積層ウエハを搬送する第2基板搬送ロボット626が配置され、第2洗浄モジュール618と乾燥モジュール620との間に位置して、これらの各モジュール618,620の間で積層ウエハを搬送する第3基板搬送ロボット628が配置されている。
第1洗浄モジュール616および第2洗浄モジュール618の種類は、積層ウエハを洗浄できる限り、任意の洗浄モジュールを選択できる。本実施形態では、第1洗浄モジュール616として、薬液、純水などの洗浄液の存在下で、積層ウエハの表裏両面にロールスポンジを擦り付けて積層ウエハをスクラブ洗浄する基板洗浄装置が使用されている。さらに、第2洗浄モジュール618として、薬液、純水などの洗浄液の存在下で、ペン型スポンジ(ペンスポンジ)を用いた基板洗浄装置が使用されている。
一実施形態では、第2洗浄モジュール618として、薬液の存在下で、積層ウエハの表裏両面にロールスポンジを擦り付けて積層ウエハをスクラブ洗浄する基板洗浄装置を使用してもよい。さらに、第1洗浄モジュール616または第2洗浄モジュール618として、積層ウエハの表面(または裏面)に二流体ジェット流を噴射することにより、該積層ウエハの表面(または裏面)を洗浄しつつ、積層ウエハの裏面(または表面)にロールスポンジを押し付けて、該積層ウエハの裏面(または表面)をスクラブ洗浄する基板洗浄装置を使用してもよい。
乾燥モジュール620の種類は、洗浄された積層ウエハを乾燥できる限り、任意の乾燥モジュールを選択できる。本実施形態では、乾燥モジュール620として、積層ウエハを保持し、移動するノズルからIPA蒸気を噴出して積層ウエハを乾燥させ、更に高速で回転させることによって積層ウエハを乾燥させるスピン乾燥装置が使用されている。
第1基板搬送ロボット103は、処理前の積層ウエハを、フロントロード部102に搭載されたウエハカセットから受け取って基板搬送モジュール200に渡すとともに、乾燥された積層ウエハを乾燥モジュール620から受け取ってウエハカセットに戻す。基板搬送モジュール200は、第1基板搬送ロボット103から受け取った基板を搬送して、各処理モジュール300,400,500との間で基板の受け渡しを行う。
本実施形態では、第1処理モジュール300は、第1ウエハと第2ウエハとが接合された積層基板を薄化した際に、第2ウエハの周縁部に形成されるナイフエッジ部を保護するための充填剤を塗布・硬化させるための充填剤塗布モジュールである。以下では、第1処理モジュール300を充填剤塗布モジュール300と称し、ナイフエッジ部と充填剤塗布モジュール300の構成を詳細に説明する。
図2(a)および図2(b)は、基板の一例であるウエハの周縁部を示す拡大断面図である。より詳しくは、図2(a)はいわゆるストレート型のウエハの断面図であり、図2(b)はいわゆるラウンド型のウエハの断面図である。図2(a)のウエハWにおいて、ベベル部は、上側傾斜部(上側ベベル部)P、下側傾斜部(下側ベベル部)Q、および側部(アペックス)Rから構成されるウエハWの最外周面(符号Bで示す)である。
図2(b)のウエハWにおいては、ベベル部は、ウエハWの最外周面を構成する、湾曲した断面を有する部分(符号Bで示す)である。トップエッジ部E1は、ベベル部Bよりも半径方向内側に位置する領域であって、かつデバイスが形成される領域Dよりも半径方向外側に位置する平坦部である。トップエッジ部E1は、デバイスが形成された領域を含むこともある。ボトムエッジ部E2は、トップエッジ部E1とは反対側に位置し、ベベル部Bよりも半径方向内側に位置する平坦部である。これらトップエッジ部E1およびボトムエッジ部E2は、総称してニアエッジ部と呼ばれることもある。
図3(a)は、2枚のウエハを接合した積層基板の一例を示す模式図であり、図3(b)は、図3(a)に示す第2ウエハを薄化した後の積層基板を示す模式図である。図3(a)に示す積層基板Wsは、図2(b)に示すラウンド型の第1ウエハW1と第2ウエハW2とを接合することにより製造される。
図3(b)に示すように、第2ウエハW2を薄化すると、第2ウエハW2の周縁部にナイフエッジ部NEが形成される。このナイフエッジ部NEは、物理的な接触により欠けやすく、積層基板Wsの搬送時、および積層基板Wsのさらなるプロセス処理時に積層基板Wsが割れたり、欠けたりさせる要因となることがある。また、第1ウエハW1と第2ウエハW2の接合が十分でないと、第2ウエハW2の研削処理(すなわち、薄化処理)中に、該第2ウエハW2が割れたり、欠けたりすることもある。積層基板Wsが図2(a)に示すスクエア型の第1ウエハW1と第2ウエハW2とを接合することにより製造される場合も、第2ウエハW2を薄化すると、第2ウエハW2の周縁部にナイフエッジ部が形成される。
そこで、充填剤塗布モジュール300で、積層基板Wsの第1ウエハW1と第2ウエハW2との間に充填剤を塗布し、この充填剤を硬化させることで、ナイフエッジ部NEを効果的に保護する。
図4は、一実施形態に係る充填剤塗布モジュールを模式的に示す平面図であり、図5は、図4に示す充填剤塗布モジュールを模式的に示す縦断面図である。図4および図5に示す充填剤塗布モジュール300は、積層ウエハWsのウエハW1,W2の間に形成された隙間に充填剤を塗布し、さらに硬化させる装置である。なお、図5は、後述する塗布ユニット301Aおよび硬化ユニット301Bの図示を省略している。
図4および図5に示すように、この充填剤塗布モジュール300は、その中央部に、複数のウエハW1,W2が積層された積層ウエハWs(図3(a)参照)を水平に保持し、回転させる回転保持機構(基板保持部)303を備えている。図4においては、回転保持機構303が積層ウエハWsを保持している状態を示している。回転保持機構303は、積層ウエハWsの裏面を真空吸着により保持する皿状の保持ステージ304と、保持ステージ304の中央部に連結された中空シャフト305と、この中空シャフト305を回転させるモータM1とを備えている。積層ウエハWsは、基板搬送モジュール200(図1参照)のハンド(図示せず)により、積層ウエハWsの中心が中空シャフト305の軸心と一致するように保持ステージ304の上に載置される。
中空シャフト305は、ボールスプライン軸受(直動軸受)306によって上下動自在に支持されている。保持ステージ304の上面には溝304aが形成されており、この溝304aは、中空シャフト305を通って延びる連通路307に連通している。連通路307は中空シャフト305の下端に取り付けられたロータリジョイント308を介して真空ライン309に接続されている。連通路307は、処理後の積層ウエハWsを保持ステージ304から離脱させるための窒素ガス供給ライン310にも接続されている。これらの真空ライン309と窒素ガス供給ライン310を切り替えることによって、積層ウエハWsを保持ステージ304の上面に真空吸着し、離脱させる。
中空シャフト305は、この中空シャフト305に連結されたプーリーp1と、モータM1の回転軸に取り付けられたプーリーp2と、これらプーリーp1,p2に掛けられたベルトb1を介してモータM1によって回転される。モータM1の回転軸は中空シャフト305と平行に延びている。このような構成により、保持ステージ304の上面に保持された積層ウエハWsは、モータM1によって回転される。
ボールスプライン軸受306は、中空シャフト305がその長手方向へ自由に移動することを許容する軸受である。ボールスプライン軸受306は円筒状のケーシング312に固定されている。したがって、本実施形態においては、中空シャフト305は、ケーシング312に対して上下に直線動作ができるように構成されており、中空シャフト305とケーシング312は一体に回転する。中空シャフト305は、エアシリンダ(昇降機構)315に連結されており、エアシリンダ315によって中空シャフト305および保持ステージ304が上昇および下降できるようになっている。
ケーシング312と、その外側に同心上に配置された円筒状のケーシング314との間にはラジアル軸受318が介装されており、ケーシング312は軸受318によって回転自在に支持されている。このような構成により、回転保持機構303は、積層ウエハWsをその中心軸Crまわりに回転させ、かつ積層ウエハWsを中心軸Crに沿って上昇下降させることができる。
図4に示すように、充填剤塗布モジュール300は、回転保持機構303に保持された積層ウエハWsの周囲に配置された塗布ジュール(塗布部)301Aと、硬化モジュール(硬化部)301Bと、と備えている。硬化ユニット301Bは、積層ウエハWsの回転方向において塗布ユニット301Aの下流側に位置している。
塗布ユニット301Aは、第1ウエハW1の周縁部と第2ウエハW2の周縁部との間の隙間に充填剤を塗布する装置であり、硬化ユニット301Bは、塗布ユニット301Aによって積層ウエハWsに供給された充填剤を硬化させる装置である。本実施形態において、充填剤は、熱硬化性を有する充填剤である。このような充填剤の例としては、熱硬化性の樹脂が挙げられる。
塗布ユニット301Aと硬化ユニット301Bとは、隔壁320によって仕切られた処理室321内に配置されており、処理室321は、隔壁320によって外部から隔離されている。塗布ユニット301A、硬化ユニット301B、および保持ステージ304は処理室321内に配置されている。すなわち、処理中の積層ウエハWsは、処理室内321に収容される。
中空シャフト305がケーシング312に対して昇降した時にボールスプライン軸受306やラジアル軸受318などの機構を処理室321から隔離するために、図5に示すように、中空シャフト305とケーシング312の上端とは上下に伸縮可能なベローズ319で接続されている。図5は中空シャフト305が下降している状態を示し、保持ステージ304が処理位置にあることを示している。充填剤の塗布および硬化処理後には、エアシリンダ315により積層ウエハWsを保持ステージ304および中空シャフト305とともに搬送位置まで上昇させ、この搬送位置で積層ウエハWsを保持ステージ304から離脱させる。
隔壁320は、積層ウエハWsを処理室321に搬入および搬出するための搬送口320bを備えている。搬送口320bは、水平に延びる切り欠きとして形成されている。したがって、基板搬送モジュール200のハンドに把持された積層ウエハWsは、水平な状態を保ちながら、搬送口320bを通って処理室321内を横切ることが可能となっている。隔壁320の上面には開口320cおよびルーバー340が設けられ、下面には排気口(図示せず)が設けられている。充填剤の塗布および硬化処理時は、搬送口320bは図示しないシャッターで閉じられるようになっている。したがって、排気口から図示しないファン機構により排気をすることで処理室321の内部には清浄空気のダウンフローが形成されるようになっている。このファン機構は、処理室321内の圧力を陽圧に保つ圧力調整装置として機能する。この状態において積層ウエハWsが処理されるので、処理室321の上部空間を清浄に保ちながら積層ウエハWsの処理をすることができる。
図6は、一実施形態にかかる塗布モジュールを示す模式図である。図6に示す塗布ユニット301Aは、第1ウエハW1と第2ウエハW2との間の隙間に充填剤を注入するシリンジ機構345と、シリンジ機構345を積層ウエハWsに近接または離間させる水平移動機構(図示せず)を有している。一実施形態では、水平移動機構を省略してもよい。この場合、充填剤が第1ウエハW1と第2ウエハW2との間の隙間に適切に注入可能なように、保持ステージ304に対するシリンジ機構345の位置が予め決定されている。
シリンジ機構345は、中空構造を有するシリンジ本体346と、シリンジ本体346内を往復動可能なピストン348とを備えている。シリンジ本体346は、気体供給ライン350を介して気体供給源に接続されている。気体供給源から気体(例えば、ドライエアーまたは窒素ガス)をシリンジ本体346に供給すると、ピストン348がシリンジ本体346内を前進する。シリンジ本体346は、第1ウエハW1の周縁部と第2ウエハW2の周縁部との間の隙間に対向する先端開口を有している。シリンジ本体346には、充填剤Fが予め充填されており、ピストン348の前進によって、シリンジ本体346の先端開口から第1ウエハW1の周縁部と第2ウエハW2の周縁部との間の隙間に充填剤Fが注入される。
気体供給ライン350には、圧力調整装置(例えば、減圧弁)351と、流量調整器(例えば、マスフローコントローラ)353とが配置されている。気体供給源からシリンジ本体346に供給される気体の圧力および流量を調整することで、シリンジ本体346から吐出する充填剤Fの流量を調整することができる。
第1ウエハW1と第2ウエハW2との間の隙間に充填剤Fを塗布する際には、最初に、積層ウエハWsが保持された保持ステージ304を所定の回転速度で回転させる。次いで、シリンジ機構345を積層ウエハWsに近接させ、さらに、気体供給源から気体をシリンジ本体346に供給する。この動作によって、回転する積層ウエハWsの第1ウエハW1の周縁部と第2ウエハW2の周縁部との間の隙間に充填剤Fが注入される。
第1ウエハW1の周縁部と第2ウエハW2の周縁部との間の隙間にシリンジ機構345から注入される充填剤Fの量が多すぎると、隙間からあふれた充填剤Fが積層基板Wsの上面および下面を汚染するおそれがある。第1ウエハW1の周縁部と第2ウエハW2の周縁部との間の隙間にシリンジ機構345から注入される充填剤Fの量が少なすぎると、該隙間に十分な量の充填剤Fを塗布することができないおそれがある。そのため、本実施形態では、回転する積層ウエハWsの第1ウエハW1の周縁部と第2ウエハW2の周縁部との間の隙間に、必要十分な量の充填剤Fが供給されるように、シリンジ本体346から吐出される充填剤Fの流量、および保持ステージ304の回転速度が予め調整されている。
図7は、一実施形態に係る硬化モジュールを示す模式図である。図7に示す硬化ユニット301Bは、ランプヒータ355を有する光加熱モジュールとして構成されている。ランプヒータ355は、ランプ383と、ランプ383からの熱(輻射熱)を、第1ウエハW1と第2ウエハW2との間の隙間に塗布された充填剤Fに向ける光学機器385と、を備えている。図示はしないが、光学機器385は、例えば、ミラーおよび/またはレンズなどから構成される。
図7に示すランプヒータ355は、積層ウエハWsの第2ウエハW2の上方に配置されており、ランプ383は、波長が1μm以上の光を光学機器385を介して積層ウエハWsの上方から照射する。ランプ383が1μm以上の波長を有する光を照射する場合、ランプ383から照射された光は、第2ウエハW2を透過するので、第1ウエハW1の周縁部と第2ウエハW2の周縁部との間の隙間に塗布された充填剤Fを直接加熱することができる。ランプ383を有する光加熱モジュールは、熱効率が高く、短時間で充填剤Fを加熱し、硬化させることができる。したがって、充填剤塗布モジュール300のスループットを向上させることができる。
積層ウエハWsに対するランプヒータ355の位置は任意である。例えば、図7の一点鎖線で示されるように、ランプヒータ355を、第1ウエハW1の下方に配置してもよい。この場合、ランプ383から照射された光は第1ウエハW1を透過して、充填剤Fを直接加熱する。あるいは、図7の二点鎖線で示されるように、ランプ383が第1ウエハW1の周縁部と第2ウエハW2の周縁部との間の隙間に対向するように、ランプヒータ355を配置してもよい。この場合、ランプ383は、積層ウエハWsの側方から充填剤Fを加熱する。したがって、ランプ383から照射された光が第1ウエハW1または第2ウエハW2を透過する必要がないので、ランプ383として任意のランプを用いることができる。
このように構成された充填剤塗布モジュール300では、最初に、積層ウエハWsが回転保持機構303の保持ステージ304に真空吸着により保持される。次いで、積層ウエハWsが保持ステージ304とともに回転される。次いで、塗布ユニット301Aにより、積層ウエハWsの第1ウエハW1の周縁部と第2ウエハW2の周縁部の隙間に充填剤Fが塗布され、さらに、硬化ユニット301Bにより、充填剤Fが硬化される。充填剤Fの塗布処理および硬化処理は、同一の処理室321内で連続して行われる。したがって、積層ウエハWsの割れおよび欠けを抑制するための基板処理を非常に短時間で行うことができる。
塗布ユニット301Aの構成は、積層ウエハWsの第1ウエハW1の周縁部と第2ウエハのW2周縁部との間の隙間に充填剤Fを塗布できる限り任意である。例えば、塗布ユニット301Aは、シリンジ機構45に代えて、充填剤Fを積層基板Wsの第1ウエハの周縁部と第2ウエハの周縁部との間の隙間に射出する射出機構を有していてもよい。この場合、射出機構は、第1ウエハの周縁部と第2ウエハの周縁部との間の隙間に対向する射出口を有する射出機を有している。射出機構は、射出機に供給される加圧流体(例えば、加圧空気)によって第1ウエハW1の周縁部と第2ウエハW2の周縁部との間の隙間に充填剤Fを連続的に射出する。
硬化ユニット301Bの構成も、積層ウエハWsの第1ウエハW1の周縁部と第2ウエハのW2周縁部との間の隙間に塗布された充填剤Fを硬化できる限り任意である。例えば、硬化ユニット301Bは、熱風を積層基板Wsの第1ウエハの周縁部と第2ウエハの周縁部との間の隙間に吹き付けるヒートガンであってもよい。
充填剤Fの種類も、第1ウエハW1の周縁部と第2ウエハW2の周縁部との間の隙間に塗布可能であり、かつ短時間で硬化可能である限り任意である。例えば、充填剤Fは、光硬化性の樹脂であってもよい。
充填剤塗布モジュール300で、充填剤Fを塗布および硬化された積層ウエハWsは、充填剤塗布モジュール300から基板搬送モジュール200によって搬出される。次いで、積層ウエハWsは、第2処理モジュール400に搬送される。本実施形態では、第2処理モジュール400は、積層ウエハWsの第2ウエハW2を薄化させるバックグラインド処理を行うモジュールである。バックグラインド処理は、公知の任意の装置で行うことができる。以下では、第2処理モジュール400を、バックグラインドモジュール400と称する。
図8は、一実施形態に係るバックグラインドモジュールを示す模式図である。図8に示すバックグラインドモジュール400では、積層ウエハWsを所定の厚みに薄化するために、第2ウエハW2の裏面である積層ウエハWsの上面Wsu(図3(a)参照)の全体が研削される。
図8に示すバックグラインドモジュール400は、図示しないモータにより回転するスピンドル410と、スピンドル410の先端に固定された研削ヘッド412と、スピンドル410を上下動させるスピンドル上下動機構(図示せず)と、積層ウエハWsが載置される研削テーブル414と、研削テーブル414に固定されたテーブルシャフト416と、を備える。さらに、バックグラインドモジュール400は、スピンドル410を回転させるモータ(図示せず)と、テーブルシャフト416を回転させるモータ(図示せず)を有している。
図8に示す研削ヘッド412は、複数の研削砥石424を有する研削ホイール420と、研削ホイール420を着脱自在に取り付けられるホイールマウント422とから構成される。ホイールマウント422がスピンドル410の先端に固定されている。したがって、スピンドル410を回転させると、研削ヘッド412全体が回転する。
充填剤塗布モジュール300で、充填剤Fが塗布および硬化された積層ウエハWsは、基板搬送モジュール200のハンドによって、充填剤塗布モジュール300から搬出され、バックグラインドモジュール400の研削テーブル414に載置される。この際、基板搬送モジュール200のハンドは、積層ウエハWsの中心軸線が研削テーブル414の中心軸線に一致するように、積層ウエハWsをバックグラインドモジュール400に搬送する。研削テーブル414に載置された積層ウエハWsは、例えば、真空吸着によって研削テーブル414に保持される。
次いで、研削テーブル414を所定の速度で回転させつつ、スピンドル410(すなわち、研削ヘッド412)を所定の速度で回転させる。さらに、図示しないスピンドル上下動機構を操作して、研削ヘッド412の研削砥石424を積層ウエハWsの上面Wsuに押し付ける。さらに、スピンドル上下動機構を操作して、研削ヘッド412を所定の研削速度で下方に送り出し、これにより、積層ウエハWsを所定の厚みまで研削する。
図9(a)は、充填剤塗布モジュールから搬出された積層ウエハを示す模式図であり、図9(b)は、図9(a)に示す積層ウエハの第2ウエハがバックグラインドモジュールで薄化された状態を示す模式図である。
図9(b)に示すように、第2ウエハW2を薄化しても、第1ウエハW1の周縁部と第2ウエハW2の周縁部との間の隙間で硬化された充填剤Fによって第2ウエハW2の周縁部に形成されたナイフエッジ部NEが保護される。その結果、積層ウエハWsの割れおよび欠けを抑制することができる。さらに、図9(a)に示すように、第1ウエハW1の周縁部と第2ウエハW2の周縁部が硬化された充填剤Fを介して互いに支持される。その結果、積層ウエハWsの強度が増加し、第2ウエハW2を薄化する際に、積層ウエハWsの割れおよび欠けが発生することを効果的に抑制することができる。
バックグラインドモジュール400で、積層ウエハWsの上面Wsu(第2ウエハW2の薄化面)が薄化された後で、積層ウエハWsの上面Wsuの平坦度が低いと、ダイシングなどの後工程での処理の信頼性が低下して、製造されたデバイスが所望の性能を発揮できないおそれがある。そこで、本実施形態では、第3処理モジュール500で、積層ウエハWsの上面Wsuを研磨処理する。研磨処理は、公知の任意の装置で行うことができる。以下では、第3処理モジュール500を、研磨モジュール500と称する。
図10は、一実施形態に係る研磨モジュールを示す模式図である。図10に示す研磨モジュール500は、積層ウエハWsの上面Wsu(図9(b)参照)の平坦度を向上させるために、積層ウエハWsの上面Wsuの全体を化学機械研磨(Chemical Mechanical Polishing:CMP)する研磨装置である。化学機械研磨は、シリカ(SiO)等の砥粒を含んだ研磨液を研磨パッド上に供給しつつ基板を研磨パッドに摺接させて研磨を行うものである。
図10に示すように、研磨モジュール500は、研磨面510aを有する研磨パッド501が取り付けられた研磨テーブル503と、積層ウエハWsを保持しかつ積層ウエハWsを研磨テーブル503上の研磨パッド510に押圧する研磨ヘッド505と、研磨パッド510に研磨液やドレッシング液(例えば、純水)を供給するための研磨液供給ノズル506と、研磨パッド510の研磨面510aのドレッシングを行うためのドレッサ507を有するドレッシング装置502と、を備えている。
研磨テーブル503は、テーブル軸503aを介してその下方に配置されるテーブルモータ511に連結されており、このテーブルモータ511により研磨テーブル503が矢印で示す方向に回転されるようになっている。この研磨テーブル503の上面には研磨パッド510が貼付されており、研磨パッド510の上面が積層ウエハWsを研磨する研磨面510aを構成している。研磨ヘッド505はヘッドシャフト514の下端に連結されている。研磨ヘッド505は、真空吸引によりその下面に積層ウエハWsを保持できるように構成されている。ヘッドシャフト514は、上下動機構(図示せず)により上下動するようになっている。
積層ウエハWsの研磨は次のようにして行われる。研磨ヘッド505および研磨テーブル503をそれぞれ矢印で示す方向に回転させ、研磨液供給ノズル506から研磨パッド510上に研磨液(スラリー)を供給する。この状態で、研磨ヘッド505は、ウエハWを研磨パッド510の研磨面510aに押し付ける。積層ウエハWsの表面は、研磨液に含まれる砥粒の機械的作用と研磨液の化学的作用により研磨される。研磨終了後は、ドレッサ507による研磨面510aのドレッシング(コンディショニング)が行われる。
ドレッシング装置502は、研磨パッド510に摺接されるドレッサ507と、ドレッサ507が連結されるドレッサシャフト523と、ドレッサシャフト523の上端に設けられたエアシリンダ524と、ドレッサシャフト523を回転自在に支持するドレッサアーム527とを備えている。ドレッサ507の下面はドレッシング面507aを構成し、このドレッシング面507aは砥粒(例えば、ダイヤモンド粒子)から構成されている。エアシリンダ524は、複数の支柱525により支持された支持台520上に配置されており、これら支柱525はドレッサアーム527に固定されている。
ドレッサアーム527は図示しないモータに駆動されて、旋回軸528を中心として旋回するように構成されている。ドレッサシャフト523は、図示しないモータの駆動により回転し、このドレッサシャフト523の回転により、ドレッサ7がドレッサシャフト523を中心に矢印で示す方向に回転するようになっている。エアシリンダ524は、ドレッサシャフト523を介してドレッサ507を上下動させ、ドレッサ507を所定の押圧力で研磨パッド510の研磨面510aに押圧するアクチュエータとして機能する。
研磨パッド510のドレッシングは次のようにして行われる。ドレッサ507がドレッサシャフト523を中心として回転しつつ、研磨液供給ノズル506から純水が研磨パッド510上に供給される。この状態で、ドレッサ507はエアシリンダ524により研磨パッド510に押圧され、そのドレッシング面507aが研磨パッド510の研磨面510aに摺接される。さらに、ドレッサアーム527を旋回軸528を中心として旋回させてドレッサ507を研磨パッド510の半径方向に揺動させる。このようにして、ドレッサ507により研磨パッド510が削り取られ、その表面510aがドレッシング(再生)される。
本実施形態では、研磨モジュール500で積層ウエハWsをCMP処理するために、積層ウエハWsの上下面を反転させる必要がある。そのため、基板搬送モジュール200のハンドは、その軸心周りに回転可能に構成されている。積層ウエハWsは、バックグラインドモジュール400から研磨モジュール500に搬送される間に、基板搬送モジュール200のハンドによって反転される。
研磨モジュール500に搬送された積層ウエハWsは、研磨ヘッド503に保持され、積層ウエハWsの上面Wsuを、回転する研磨パッド510の研磨面510aに押し付けることで積層ウエハWsの上面Wsuの全体が研磨される。
研磨モジュール500で研磨された積層ウエハWsは、第1洗浄モジュール616および/または第2洗浄モジュール618で洗浄され、その後、乾燥モジュール620で乾燥される。乾燥モジュール620で乾燥された積層ウエハWsは、第1搬送ロボット103によって、ロードアンロード部101のフロントロード部102に載置されたウエハカセットに戻される。
本実施形態によれば、薄化された積層ウエハWsの上面Wsuの研磨処理を行うため、薄化後の積層ウエハWsの上面Wsuの平坦度を向上させることができる。その結果、ダイシングなどの後工程での処理の信頼性が向上して、製造されたデバイスの不良が発生することを防止することができる。さらに、積層ウエハWsへの充填剤Fの塗布・硬化処理、積層ウエハWsのバックグラインド処理、および積層ウエハWsの上面Wsuの研磨処理を1台の基板処理装置で完了することができる。その結果、積層ウエハWsの処理時間、すなわち、デバイスの製造時間を短縮することができる。
一実施形態では、積層ウエハWsをバックグラインドモジュール400から研磨モジュール500に搬送する間に、積層ウエハWsを第1洗浄モジュール616および/または第2洗浄モジュール618に搬送して洗浄してもよい。例えば、積層ウエハWsは、第1洗浄モジュール616および/または第2洗浄モジュール618で酸洗浄される。この場合、第1洗浄モジュール616および/または第2洗浄モジュール618は、積層ウエハWsを酸洗浄するための薬液が供給可能なように構成される。
積層ウエハWsを洗浄することによって、バックグラインド処理の際に発生した研削屑などの汚染物が確実に除去されるので、研磨屑などの汚染物に起因して研磨モジュール500が汚れることを効果的に防止することができる。さらに、研磨処理中に、研磨屑によって積層ウエハWsに傷がつくことも効果的に防止することができる。
図11は、他の実施形態に係る研磨モジュールを示す模式図である。図11に示す研磨ジュール500では、積層ウエハWsのバフ処理が行われる。バフ処理は、積層ウエハWsにバフ処理液を供給するとともに、積層ウエハWsよりも小径の接触部材を積層ウエハWSに押し付け、これにより、積層ウエハWsの上面Wusをわずかに研磨したり、積層ウエハWsの付着物を除去したりする処理である。バフ処理は、公知の任意の装置で行うことができる。本明細書では、研磨処理はバフ処理を含む。以下では、図11を参照して、バフ処理装置の一例が説明される。
図11に示す研磨モジュール500は、積層ウエハWsが載置されるバフテーブル530と、バフ処理コンポーネント550と、バフ処理液を供給するための液供給系統570と、バフパッド(バフ部材)552のコンディショニング(目立て)を行うためのコンディショニング部580と、を備える。バフ処理コンポーネント550は、積層ウエハWsの上面(処理面)Wsuにバフ処理を行うためのバフパッド552が取り付けられたバフヘッド555と、バフヘッド555を保持するバフアーム556と、を備える。
バフ処理液は、DIW(純水)、洗浄薬液、及び、スラリーのうちの少なくとも1つを含む。バフパッド552は、例えば発泡ポリウレタン系のハードパッド、スウェード系のソフトパッド、又は、スポンジなどで形成される。バフパッド552の種類は積層ウエハWの上面Wsuの材質や除去すべき汚染物の状態に対して適宜選択すればよい。また、バフパッド552の表面には、例えば、同心円状溝やXY溝、渦巻き溝、放射状溝といった溝形状が施されていてもよい。さらに、バフパッド552を貫通する穴を少なくとも1つ以上バフパッド552内に設け、この穴を通してバフ処理液を供給してもよい。また、バフパッド552を、例えば、PVAスポンジのような、バフ処理液が浸透可能なスポンジ状の材料から構成してもよい。これらにより、バフパッド面内でのバフ処理液の流れ分布の均一化やバフ処理で除去された汚染物の速やかな排出が可能となる。
バフテーブル500は、積層ウエハWsを吸着保持する機構を有する。また、バフテーブル500は、図示していない駆動機構によって回転軸A周りに回転できるようになっている。一実施形態では、バフテーブル500は、図示しない駆動機構によって、積層ウエハWsに対してスクロール運動をさせるようになっていてもよい。バフパッド552は、バフヘッド555に載置された積層ウエハWsの上面Wsuに対向する。バフヘッド555は、図示しない駆動機構によって回転軸B周りに回転できるようになっている。また、バフヘッド555は、図示しない駆動機構によってバフパッド552を積層ウエハWsの上面Wsuに所定の押圧力で押圧できるようになっている。バフアーム556は、バフヘッド555を矢印Cに示すように積層ウエハWsの半径もしくは直径の範囲内で揺動させることが可能なように構成されている。また、バフアーム556は、バフパッド552がコンディショニング部580に対向する位置までバフヘッド555を移動できるように構成されている。
コンディショニング部580は、バフパッド552の表面をコンディショニングするための機構である。コンディショニング部580は、ドレステーブル581と、ドレステーブル581に取り付けられたドレッサ582と、を備える。ドレステーブル581は、図示しない駆動機構によって回転軸D周りに回転できるようになっている。一実施形態では、ドレステーブル581は、図示しない駆動機構によってドレッサ582にスクロール運動をさせるようになっていてもよい。
バフパッド552のコンディショニングを行う際には、バフパッド552がドレッサ582に対向する位置になるまでバフアーム556を旋回させる。次いで、ドレステーブル581を回転軸D周りに回転させるとともにバフヘッド555を回転させる。さらに、バフパッド552をドレッサ582に押し付けることによって、バフパッド552のコンディショニングが行われる。
液供給系統570は、積層ウエハWsの上面Wsuに純水(DIW)を供給するための純水ノズル571と、積層ウエハWsの上面Wsuに薬液を供給するための薬液ノズル572と、積層ウエハWsの上面Wsuにスラリーを供給するためのスラリーノズル573と、を備える。
バフ処理は以下のようにして行われる。積層ウエハWsの上面Wsuに処理液を供給するとともにバフテーブル500を回転軸A周りに回転させて、バフパッド552を積層ウエハWsの上面Wsuに押圧する。この際、バフヘッド555を回転軸B周りに回転させながら矢印C方向に揺動することによって、積層ウエハWsの上面Wsuにバフ処理が行われる。このバフ処理によって、積層ウエハWsの上面Wsuがわずかに研磨されるとともに、積層ウエハWsの上面Wsuに付着した汚染物が除去される。
本実施形態のように、積層ウエハWsの上面Wsuにバフ処理を行うことでも、薄化後の積層ウエハWsの上面Wsuの平坦度を向上させることができる。その結果、ダイシングなどの後工程での処理の信頼性が向上するだけでなく、積層ウエハWsの処理時間、すなわち、デバイスの製造時間を短縮することができる。
本実施形態では、図10を参照して説明されたCMP装置と異なり、積層ウエハWsを反転させる必要がない。したがって、積層ウエハWsへの空気中の不純物の付着が抑制されるとともに、バックグラインドモジュール400から研磨モジュール500への搬送時間を減らすことができる。
図12は、他の実施形態に係る基板処理装置を模式的に示した上面図である。特に説明しない本実施形態の構成は、上述した実施形態と同様であるため、その重複する説明を省略する。
図12に示す基板処理装置は、充填剤塗布モジュール300、バックグラインドモジュール400、および研磨モジュール500に加えて、第4処理モジュール700を有する点で、上述の実施形態とは異なる。本実施形態では、第4処理モジュール700は、研磨モジュール500で研磨された積層ウエハWsをさらに研磨する(追加研磨する)仕上げ研磨モジュールである。以下では、第3処理モジュール500を第1研磨モジュール500と称し、第4処理モジュール700を第2研磨モジュール700と称する。
第2研磨モジュール700は、第1研磨モジュール500で研磨された積層ウエハWsの上面Wsuを仕上げ研磨するためのモジュールである。第2研磨モジュール700の構成は、第1研磨モジュール500で研磨された積層ウエハWsの上面Wsuを仕上げ研磨できる限り任意である。例えば、第1研磨モジュール500が図10を参照して説明されたCMP装置である一方で、第2研磨モジュール700は、図11を参照して説明されたバフ処理装置であってもよい。この場合、積層ウエハWsを第1研磨モジュール500から第2研磨モジュール700に搬送する間に、積層ウエハWsは、基板搬送モジュール200のハンドによって反転される。
あるいは、第2研磨モジュール700は、図10を参照して説明されたCMP装置と同一の構成を有するCMP装置であってもよい。この場合、例えば、第2研磨モジュール700の研磨パッドは、第1研磨モジュール500の研磨パッド510の研磨面510aよりもきめの細かい研磨面を有していてもよい。さらに、第2研磨モジュール700の研磨液供給ノズルから研磨パッドの研磨面に供給されるスラリーの砥粒は、第1研磨モジュール500の研磨液供給ノズル506から研磨パッド510の研磨面510aに供給されるスラリーの砥粒の粒度よりも小さい粒度を有していてもよい。
本実施形態では、第1研磨モジュール500で積層ウエハWsの上面Wsuが研磨された後で、積層ウエハWsは、第2研磨モジュール700で仕上げ研磨される。したがって、積層ウエハWsの上面Wsuの平坦度がより向上させることができるので、ダイシングなどの後工程での処理の信頼性をより向上させることができる。
図13は、さらに他の実施形態に係る基板処理装置を模式的に示した上面図である。特に説明しない本実施形態の構成は、上述した実施形態と同様であるため、その重複する説明を省略する。
図13に示す基板処理装置は、充填剤塗布モジュール300、バックグラインドモジュール400、および研磨モジュール500に加えて、第5処理モジュール800を有する点で、上述の実施形態とは異なる。図示はしないが、図13に示す基板処理装置で、第4処理モジュール700を省略してもよい。この場合は、積層ウエハWsの上面Wsuは、研磨モジュール500のみによって研磨される。
ダイシングなどの後工程の処理次第では、積層ウエハWsに残された充填剤Fがデバイスに悪影響を及ぼすおそれがある。例えば、充填剤Fからの剥離物がデバイスを傷つけたり、充填剤Fからの揮発成分がデバイスを汚染したりするおそれがある。そのため、薄化後の積層ウエハWsから充填剤Fを除去するのが好ましい。そこで、本実施形態に係る基盤処理装置は、充填剤塗布モジュール300で積層ウエハWsのウエハW1,W2の間に形成された隙間に塗布・硬化された充填剤Fを除去するモジュールとして機能する第5処理モジュール800を有する。以下では、第5処理モジュール800を充填剤除去モジュール800と称する。充填剤除去モジュール800の構成は、積層ウエハWsのウエハW1,W2の間に形成された隙間に塗布・硬化された充填剤Fを除去できる限り任意である。以下では、図14を参照して、充填剤除去装置の一例を説明する。
図14は、一実施形態に係る充填剤除去装置を模式的に示す平面図である。図14に示すように、充填剤除去装置800は、積層ウエハWsを水平に保持して回転させる基板保持部802と、研磨テープPTを積層ウエハWsの周縁部に押し付けて、第1ウエハW1の周縁部と第2ウエハW2の周縁部との間の隙間で硬化された充填剤Fを除去する充填剤除去ユニット803と、を備えている。
図14は、基板保持部802が積層ウエハWsを保持している状態を示している。基板保持部802は、中空シャフト805と、中空シャフト805を回転させるモータ(図示せず)と、を備えている。中空シャフト805は、ボールスプライン軸受(図示せず)によって上下動自在に支持されている。
充填剤除去ユニット803は、積層ウエハWsの周縁部に研磨テープPTを押し当てて、充填剤Fを除去する研磨ヘッド組立体811と、研磨ヘッド組立体811に研磨テープPTを供給する研磨テープ供給回収機構812と、を備えている。研磨ヘッド組立体811は、隔壁820によって形成された除去室822の内部に配置されており、研磨テープ供給回収機構812は、除去室822の外部に配置されている。
研磨テープ供給回収機構812は、研磨テープPTを研磨ヘッド組立体811に供給する供給リール814と、充填剤Fの除去に使用された研磨テープPTを回収する回収リールと、を備えている。なお、図14では、回収リールは供給リール814の下方に配置されているため、回収リールは描かれていない。
供給リール814および回収リールのそれぞれには、モータ819が連結されている。なお、図14では、供給リール814に連結されたモータ819のみが描かれている。各モータ819は、供給リール814および回収リールに所定のトルクを与え、研磨テープPTに所定のテンションを掛ける。
研磨ヘッド組立体811は、研磨テープPTを積層ウエハWsの周縁部に当接させるための研磨ヘッド813を備えている。研磨テープPTは、研磨テープPTの研磨面が積層ウエハWsを向くように研磨ヘッド813に供給される。研磨ヘッド813は、研磨テープPTを積層ウエハWsの周縁部に押し付けて、硬化された充填剤Fを除去する。
研磨ヘッド813は、アーム825の一端に固定され、アーム825は、積層ウエハWsの接線方向に平行な回転軸Ct1まわりに回転自在に構成されている。アーム825の他端はプーリーp1,p2およびベルトb1を介してモータ830に連結されている。モータ830が時計回りおよび反時計回りに所定の角度だけ回転することで、アーム825が軸Ct1まわりに所定の角度だけ回転する。本実施形態では、モータ830、アーム825、プーリーp1,p2、およびベルトb1によって、積層ウエハWsの表面(上面および下面)に対して研磨ヘッド813を傾斜させるヘッドチルト機構840が構成されている。
ヘッドチルト機構840は、移動台834に搭載されている。移動台834は、積層ウエハWsの半径方向に直線的に移動可能に構成されている。したがって、研磨ヘッド組立体811は、積層ウエハWsの半径方向に沿って、積層ウエハWsへ近接および離間するように、動作する。
図15は、研磨ヘッドが充填剤を除去している状態を示す図である。充填剤Fを除去するときは、図15に示すように、研磨ヘッド813を上方に傾けて、研磨テープPTを積層ウエハWsの上面Wsuに押圧し、ナイフエッジ部NEとともに充填剤Fを除去する。充填剤Fの除去中は、研磨テープPTは所定の速度で送られる。図16(a)は、積層ウエハの第2ウエハが薄化された状態を示す模式図であり、図16(b)は、充填剤Fが除去された状態を示す模式図である。
一実施形態では、充填剤Fを除去した後で、図17に示すように、上述したヘッドチルト機構840により、研磨ヘッド813の傾斜角度を連続的に変化させながら、押圧パッド845により研磨テープPTを積層ウエハWsのベベル部に押し当てる。この動作によって、積層ウエハWsのベベル部全体から研磨屑などの汚染物を除去することができる。
一実施形態では、充填剤除去装置は、充填剤Fの除去を容易にする除去剤供給機構850を備えていてもよい。除去剤供給機構850は、充填剤の除去剤を積層ウエハWsの周縁部に供給して、充填剤Fの除去を促進するように構成されている。図14に示す実施形態では、除去剤供給機構850は、除去剤を積層ウエハWsの周縁部に供給する除去剤ノズル851と、除去剤ノズル851に接続された除去剤供給ライン852と、除去剤供給ライン852に取り付けられた開閉弁853と、を備えている。
除去剤供給機構850の除去剤ノズル851は、除去室822内の積層ウエハWsに隣接して配置されており、積層ウエハWsの回転方向において、研磨ヘッド813の下流側に配置されている。除去剤ノズル851から供給される除去剤の例としては、アセトン、およびトルエンなどの溶剤があげられる。
図14に示す実施形態では、開閉弁853は、除去室822の内部に配置されているが、除去室822の外部に配置されてもよい。開閉弁853を開くことで、除去剤が積層ウエハWsの周縁部に供給され、充填剤Fの除去を促進させる。
一実施形態では、充填剤除去装置は、充填剤除去ユニット803を省略してもよい。この場合、充填剤Fは、除去剤供給機構850から供給される除去剤によって除去される。
本実施形態に係る基板処理装置では、バックグラインドモジュール400で積層ウエハWsの薄化処理を行った後で、研磨モジュール500(および研磨モジュール700)で積層ウエハWsの研磨処理を行い、その後、充填剤除去モジュール800で、積層ウエハWsから充填剤Fが除去される。一実施形態では、バックグラインドモジュール400で積層ウエハWsの薄化処理を行った後で、充填剤除去モジュール800で、積層ウエハWsから充填剤Fを除去し、その後、研磨モジュール500(および研磨モジュール700)で積層ウエハWsの研磨処理を行ってもよい。
本実施形態によれば、積層ウエハWsへの充填剤Fの塗布・硬化処理、積層ウエハWsのバックグラインド処理、積層ウエハWsの上面Wsuの研磨処理、および充填剤Fの除去処理を1台の基板処理装置で完了することができる。その結果、積層ウエハWsの処理時間、すなわち、デバイスの製造時間を短縮することができる。
図18は、他の実施形態に係る第1処理モジュールを模式的に示す上面図である。図18に示す第1処理モジュール300は、図8を参照して説明されたバックグラインドモジュール400のスピンドル410と、スピンドル410の先端に固定された研削ヘッド412とを有する。本実施形態における研削ヘッド412の構成は、図8を参照して説明された研削ヘッド412の構成と同様であるため、その重複する説明を省略する。
上述したように、スピンドル410は、図示しないモータにより回転され、それにより、研削ヘッド412が回転される。さらに、図示しないスピンドル上下動機構を操作することで、研削ヘッド412を所定の研削速度で下方に送り出し、これにより、積層ウエハWsを所定の厚みまで研削することができる。すなわち、本実施形態では、第1処理モジュール300で、積層ウエハWsへの充填剤Fの塗布・硬化処理、および積層ウエハWsのバックグラインド処理を行うことができる。その結果、基板処理装置のスループットが向上する。さらに、第2処理モジュール400が不要となるため、基板処理装置のフットプリントを削減することができる。
本実施形態では、積層ウエハWsのバックラインド処理中に、研削ヘッド412によって押圧される積層ウエハWsが撓んだり、破損しないように、回転保持機構303の保持ステージ304の直径は、積層ウエハWsの直径と略同一であることが好ましい。
図19は、他の実施形態に係る第5処理モジュールを模式的に示す上面図である。図19に示す第5処理モジュール800は、図11を参照して説明されたバフ処理コンポーネント550、バフパッド552、積層ウエハWsの上面Wsuに純水(DIW)を供給するための純水ノズル571、積層ウエハWsの上面Wsuに薬液を供給するための薬液ノズル572、および積層ウエハWsの上面Wsuにスラリーを供給するためのスラリーノズル573を備える。図19では、これらノズル571,572,573の図示を省略している。本実施形態におけるバフ処理コンポーネント550、バフパッド552、およびノズル571,572,573の構成は、図8を参照して説明されたバフ処理コンポーネント550、バフパッド552、およびノズル571,572,573の構成と同様であるため、その重複する説明を省略する。
本実施形態では、バックグラインドモジュール400で薄化された積層ウエハWsは、第5処理モジュール800に搬送され、第5処理モジュール800内で積層ウエハWsの上面Wsuの研磨処理と、充填剤Fの除去処理が行われる。上述したように、積層ウエハWsの上面Wsuに、ノズル571,572,573の少なくとも1つから処理液を供給しながら、バフパッド552を積層ウエハWsの上面Wsuに押圧することで、積層ウエハWsの上面Wsuがわずかに研磨されるとともに、積層ウエハWsの上面Wsuに付着した汚染物が除去される。
次いで、研磨ヘッド813を上方に傾けて、研磨テープPTを積層ウエハWsの上面Wsuに押圧し、ナイフエッジ部NEとともに充填剤Fを除去する。このように、本実施形態では、第5処理モジュール800で、積層ウエハWsの研磨処理と、充填剤Fの除去処理とを行うことができる。その結果、基板処理装置のスループットが向上する。さらに、第3処理モジュール500(および第4処理モジュール700)が不要となるため、基板処理装置のフットプリントを削減することができる。
本実施形態では、積層ウエハWsの研磨処理中に、バフパッド552によって押圧される積層ウエハWsが撓んだり、破損しないように、基板保持部802の直径は、積層ウエハWsの直径と略同一であることが好ましい。
一実施形態では、充填剤Fからの剥離物がデバイスを傷つけたり、充填剤Fからの揮発成分がデバイスを汚染したりすることのみを防止するために、第3処理モジュール500(および第4処理モジュール700)を省略してもよい。この場合、第1処理モジュール300で、積層ウエハWsのウエハW1,W2の間に形成された隙間に充填剤を塗布し、さらに硬化させた後で、積層ウエハWsは、第5処理モジュール800に搬送され、充填剤Fが積層ウエハWsから除去される。本実施形態では、充填剤Fからの剥離物がデバイスを傷つけたり、充填剤Fからの揮発成分がデバイスを汚染したりすることが効果的に防止される。
上述した実施形態では、2枚のウエハW1,W2から構成される積層基板Wsを処理する基板処理装置および基板処理方法が説明されたが、積層基板Wsはこの例に限定されない。積層基板Wsは3枚以上のウエハから構成されていてもよい。
図20(a)は、3枚のウエハから構成される積層基板Wsの一例を模式的に示す断面図であり、図20(b)は、図20(a)に示す積層基板Wsの上面が研削された状態を模式的に示す断面図であり、図20(c)は、図20(b)に示す積層基板Wsの充填剤が除去された状態を示す断面図である。
図20(a)に示すように、3枚以上のウエハW1,W2,W3が積層される積層ウエハWsでは、上記充填剤塗布モジュール300で隣接するウエハW1,W2の周縁部の間の隙間と、隣接するウエハW2,W3の周縁部の間の隙間に充填剤Fが塗布され、その後、硬化される。
次いで、上述した実施形態と同様に、充填剤Fが塗布・硬化された積層ウエハWs(図20(a)参照)は、バックグラインドモジュール400でその上面Wsuが研削される(図20(b)参照)。さらに、上面Wsuが研削された積層基板Wsは、研磨モジュール400および/または研磨モジュール500で上面Wsuの研磨処理が行われ、その後、充填剤除去モジュール800で、充填剤Fが除去される(図20(c)参照)。一実施形態では、上面Wsuが研削された積層基板Wsは、充填剤除去モジュール800で、充填剤Fが除去された後で、研磨モジュール400および/または研磨モジュール500で上面Wsuの研磨処理が行われてもよい。図20(a)乃至図20(c)に示すような3枚以上のウエハを積層ウエハWsであっても、上述した実施形態に係る基板処理装置で同様の研削処理、研磨処理、および充填剤除去処理を実行することができる。
図21(a)は、3枚のウエハから構成される積層基板の他の例を模式的に示す断面図であり、図21(b)は、図21(a)に示す積層基板の上面が研削された状態を模式的に示す断面図であり、図21(c)は、図21(b)に示す積層基板の充填剤が除去された状態を示す断面図である。
図21(a)に示す積層ウエハWsは、第1ウエハW1、第2ウエハW2、および第3ウエハW3とから構成されている。図21(a)において、第1ウエハW1と、第2ウエハW2とは、上述した実施形態に係る基板処理装置で研削処理、研磨処理、および充填剤除去処理が実施された積層ウエハWs’である。図21(a)に示す積層ウエハWs’は、図16(b)に示す積層ウエハWsに相当する。第3ウエハW3は、積層ウエハWs’の上面に、他の基板処理装置で積層される。
図21(a)に示すように、積層ウエハWs’(すなわち、第1ウエハW1と第2ウエハW2)と、第3ウエハW3とで構成される積層ウエハWsでは、上記充填剤塗布モジュール300で隣接する積層ウエハWs’と第3ウエハW3の周縁部の間の隙間に充填剤Fが塗布され、その後、硬化される。
次いで、上述した実施形態と同様に、充填剤Fが塗布・硬化された積層ウエハWs(図21(a)参照)は、バックグラインドモジュール400でその上面Wsuが研削される(図21(b)参照)。さらに、上面Wsuが研削された積層基板Wsは、研磨モジュール400および/または研磨モジュール500で上面Wsuの研磨処理が行われ、その後、充填剤除去モジュール800で、充填剤Fが除去される(図21(c)参照)。一実施形態では、上面Wsuが研削された積層基板Wsは、充填剤除去モジュール800で、充填剤Fが除去された後で、研磨モジュール400および/または研磨モジュール500で上面Wsuの研磨処理が行われてもよい。
図22は、4枚のウエハから構成される積層基板の例を模式的に示す断面図である。図22に示す積層ウエハWsは、第1ウエハW1、第2ウエハW2、および第3ウエハW3とから構成され、上述した実施形態に係る基板処理装置で研削処理、研磨処理、および充填剤除去処理が実施された積層ウエハWs’と、第4ウエハW4とから構成される。この積層ウエハWsでも、充填剤塗布モジュール300で隣接する積層ウエハWs’と第4ウエハW4の周縁部の間の隙間に充填剤Fが塗布され、その後、硬化される。さらに、バックグラインドモジュール400で上面Wsuが研削され、研磨モジュール400および/または研磨モジュール500で上面Wsuの研磨処理が行われ、その後、充填剤除去モジュール800で、充填剤Fが除去される。上面Wsuが研削された積層基板Wsは、充填剤除去モジュール800で、充填剤Fが除去された後で、研磨モジュール400および/または研磨モジュール500で上面Wsuの研磨処理が行われてもよい。
このように、上述した実施形態に係る基板処理装置で積層ウエハWsの研削処理、研磨処理、および充填剤除去処理を実行し、処理後の積層ウエハWs(Ws’)の上面にさららなるウエハを積層することで、上述した実施形態に係る基板処理装置で処理される積層ウエハWsを構成するウエハの枚数に制限はない。また、積層ウエハWsは、上述した実施形態に係る基板処理装置で処理された積層基板Wsを他の装置に搬送して、他の装置で、積層基板Wsの上面にさらなるウエハを積層することで製造してもよいし、上述した実施形態に係る基板処理装置とは異なる1台のまたは複数台の装置で、図21(a)および図22に示すような積層基板Wsを作成してもよい。
図23は、他の実施形態に係る充填剤塗布モジュールを示す平面図である。図24は、図23に示す充填剤塗布モジュールの側面図である。特に説明しない本実施形態の構成は、上述した実施形態の構成と同様であるので、その重複する説明を省略する。本実施形態では、充填剤塗布モジュール300の回転保持機構303は、保持ステージ304、中空シャフト305、およびモータM1に代えて、積層基板Wsの周縁部に接触可能な3つ以上の(本実施形態では、4つの)ローラー381と、それぞれのローラー381をその軸心を中心にして回転させるローラー回転機構(図示しない)と、それぞれのローラー381を移動させるローラー移動機構(図示しない)を備えている。本実施形態では、回転保持機構303は、4つのローラー381を備えているが、回転保持機構303は、3つ、あるいは5つ以上のローラー381を備えていてもよい。
4つのローラー381は、回転保持機構303の基準中心点Oの周囲に配列されている。ローラー381は、積層基板Wsの周縁部に接触して、積層基板Wsを水平に保持するように構成されている。すなわち、積層基板Wsは、回転保持機構303のローラー381により横置きの状態で保持される。図23に示すように、回転保持機構303のローラー381によって積層基板Wsが横置きの状態で保持されると、積層基板Wsの上面および下面は、それぞれ水平方向に延びる仮想面内にある。
ローラー回転機構は、4つのローラー381に連結されており、4つのローラー381を同じ方向に同じ速度で回転させるように構成されている。ローラー回転機構の構成は、3つ以上のローラー381を同じ方向に同じ速度で回転させることができる限り任意であり、公知の回転機構をローラー回転機構として利用できる。ローラー回転機構の例としては、モータ、プーリー(および/またはギア)、および回転ベルトの組み合わせが挙げられる。
ローラー移動機構は、4つのローラー381に連結されており、それぞれのローラー381を回転保持機構303の基準中心点Oに向かって近づく方向、および基準中心点Oから離れる方向に移動させるように構成されている。ローラー移動機構によって、4つのローラー381を、積層基板Wsの周縁部がローラー381によって保持される保持位置(図23の実線参照)と、ローラー381から積層基板Wsが解放される解放位置(図23の点線参照)との間で移動させることができる。
ローラー移動機構の構成は、4つのローラー381を保持位置と解放位置との間で移動させることができる限り任意であり、公知の移動機構をローラー移動機構として利用できる。ローラー移動機構の例としては、ピストンシリンダ機構、およびボールねじとモータ(ステッピングモータ)の組み合わせが挙げられる。
回転保持機構303のローラー回転機構およびローラー移動機構は、上述したコントローラ113(図1参照)に電気的に接続されている。コントローラ113は、回転保持機構303のローラー回転機構およびローラー移動機構の動作を制御可能に構成されている。
積層基板Wsは、図示しない搬送装置によって、積層基板Wsの軸心が回転保持機構303の基準中心点Oと一致する位置に搬送される。このとき、ローラー381は、解放位置にある。次いで、ローラー移動機構によって、4つのローラー381を保持位置に移動させることで、積層基板Wsの周縁部を4つのローラー381に保持させる。この動作により、積層基板Wsが4つのローラー381に横置きの状態で保持される。保持位置に移動された4つのローラー381をローラー回転機構によって回転させることにより、積層基板Wsは、その軸心を中心に回転される。
ローラー移動機構によって、保持位置にある4つのローラー381を解放位置に移動させると、4つのローラー381が、積層基板Wsの周縁部から離間し、積層基板Wsを4つのローラー381から解放できる。解放された積層基板Wsは、図示しない搬送装置によって次の処理を行うために搬送される。
塗布ユニット301Aによる充填剤Fの塗布、および硬化ユニット301Bによる充填剤Fの硬化は、回転保持機構303により横置きに保持された積層基板Wsを回転させながら行われる。
一実施形態では、ローラー回転機構は、一部のローラー381のみを回転させるように構成されていてもよい。例えば、ローラー回転機構は、4つのローラー381のうちの2つのローラー381に連結され、2つのローラー381を同じ方向に同じ速度で回転させるように構成されてもよい。この場合、他の2つのローラー381は、自由回転するように構成されている。4つのローラー381が保持位置に配置されているときに、ローラー回転機構に連結された2つのローラー381が回転すると、他の2つのローラー381は、積層基板Wsを介して、ローラー回転機構に連結されたローラー381に従動して回転する。
一実施形態では、ローラー移動機構は、一部のローラー381のみを移動させるように構成されていてもよい。例えば、ローラー移動機構は、4つのローラー381のうちの2つのローラー381に連結され、この2つのローラー381を保持位置と解放位置との間で移動させてもよい。この場合、他の2つのローラー381は、保持位置に予め固定されている。積層基板Wsは、搬送装置により、固定された2つのローラー381に積層基板Wsの周縁部が接触する位置に搬送される。ローラー移動機構によって、ローラー移動機構に連結された2つのローラー381を保持位置に移動させることで、積層基板Wsを横置きに保持することができる。ローラー移動機構によって、ローラー移動機構に連結された2つのローラー381を解放位置に移動させることで、積層基板Wsを解放することができる。
上述した実施形態では、回転保持機構303は、積層基板Wsを水平に保持するように構成されている。すなわち、積層基板Wsは、回転保持機構303により横置きの状態で保持される。塗布ユニット301Aによる充填剤Fの塗布、および硬化ユニット301Bによる充填剤Fの硬化は、回転保持機構303により横置きに保持された積層基板Wsを回転させながら行われる。しかしながら、隣接するウエハW1,W2の周縁部の間の隙間(さらに、隣接するウエハW2,W3の周縁部の間の隙間、および隣接する積層ウエハWs’と第4ウエハW4の周縁部の間の隙間)に充填剤Fを塗布できる限り、積層基板Wsの保持方法は上述した実施形態に限定されない。例えば、充填剤塗布モジュール300は、積層基板Wsを垂直に(縦置きに)保持するように構成された回転保持機構303を有していてもよい。積層基板Wsが縦置きの状態で保持されると、積層基板Wsの上面および下面は、それぞれ水平方向に垂直な鉛直方向に延びる仮想面内にある。
図25は、さらに他の実施形態に係る充填剤モジュールを示す側面図である。図26は、図25の矢印Aで示す方向から見た図である。特に説明しない本実施形態の構成は、上述した実施形態の構成と同様であるので、その重複する説明を省略する。図25は、積層基板Wsの裏面側から回転保持機構303を見た図である。本実施形態の回転保持機構303は、保持ステージ304、中空シャフト305、およびモータM1が積層基板Wsを縦置きの状態で保持できるように構成されている点で、上述の実施形態と異なる。
保持ステージ304は、積層基板Wsの裏面を真空吸着により保持するように構成されている。図26に示すように、積層基板Wsの裏面を保持する保持ステージ304の上面は、水平面に対して垂直な面であり、この上面に溝304aが形成されている。積層基板Wsは、水平面に対して垂直となるように保持される。すなわち、積層基板Wsは、回転保持機構303の保持ステージ304により縦置きの状態で保持される。
中空シャフト305は、保持ステージ304の中央部に連結されている。積層基板Wsは、積層基板Wsの中心が中空シャフト305の軸心と一致するように保持ステージ304に保持される。モータM1は、保持ステージ304および積層基板Wsを積層基板Wsの中心軸Crを中心として、図25に矢印で示す方向に一体に回転させるように構成されている。
充填剤塗布モジュール300は、塗布ユニット301Aを移動させる塗布モジュール移動機構(図示せず)を備えている。塗布モジュール移動機構は、塗布ユニット301Aを、充填剤の塗布を行う塗布位置と、充填剤の塗布が禁止される待機位置との間で移動させるように構成されている。例えば、塗布ユニット301Aの待機位置は、積層基板Wsの搬送などの他の機器の動作を邪魔しないように、塗布位置よりも積層基板Wsから離れた位置に設定される。
本実施形態では、塗布ユニット301Aの塗布位置は、保持ステージ304に保持された積層基板Wsの上方で、隣接するウエハW1,W2の周縁部の間の隙間に対向する位置である。塗布位置にある塗布ユニット301Aが充填剤を吐出すると、充填剤が積層基板Wsの隙間に向けて落下し、その結果、充填剤を積層基板Wsの隙間に塗布することができる。本実施形態では、待機位置は、塗布位置よりも積層基板Wsの半径方向外側に離れた位置に設定されている。図25および図26は、塗布ユニット301Aが塗布位置に配置されている状態を示している。
本実施形態でも、回転保持機構303、および塗布モジュール移動機構は、コントローラ113(図1参照)に接続されており、コントローラ113は、回転保持機構303、および塗布モジュール移動機構の動作を制御可能に構成されている。
塗布ユニット301Aにより充填剤Fを積層基板Wsの隙間に塗布する際には、塗布モジュール移動機構は、塗布ユニット301Aを塗布位置に移動させる。塗布モジュール移動機構は、塗布ユニット301Aと積層基板Wsとの間の距離を調整可能に構成されていてもよい。例えば、コントローラ113は、充填剤Fが積層基板Wsの隙間に適切に注入されるように、充填剤Fの粘度などの物性に応じて、塗布モジュール移動機構により塗布ユニット301Aと積層基板Wsとの間の距離を調整してもよい。
図25に示すように、硬化ユニット301Bは、積層基板Wsの回転方向において塗布ユニット301Aの下流側に配置されている。上述した実施形態と同様に、硬化ユニット301Bは、塗布ユニット301Aによって積層基板Wsの隙間に塗布された充填剤Fを硬化させるように構成されている。一実施形態では、充填剤塗布モジュール300は、硬化ユニット301Bを、充填剤の硬化を行う硬化位置と、硬化位置よりも積層基板Wsから離れた位置である待機位置との間で移動させる硬化モジュール移動機構(図示せず)を備えていてもよい。硬化モジュール移動機構の例としては、ピストンシリンダ機構、およびボールねじとモータ(ステッピングモータ)の組み合わせが挙げられる。
塗布ユニット301Aによる充填剤Fの塗布、および硬化ユニット301Bによる充填剤Fの硬化は、保持ステージ304により縦置きに保持された積層基板Wsを回転させながら行われる。
一実施形態では、充填剤塗布モジュール300は、塗布モジュール移動機構(および硬化モジュール移動機構)を備えることなく、塗布ユニット301Aおよび硬化ユニット301Bを、保持ステージ304に保持された積層基板Wsに隣接するように配置してもよい。この場合、充填剤が積層基板Wsの隙間に適切に注入および硬化されるように、塗布ユニット301Aと積層基板Wsとの距離、および硬化ユニット301Bと積層基板Wsとの距離が予め決定されている。
図27は、さらに他の実施形態に係る充填剤塗布モジュールを示す側面図である。図28は、図27の矢印Bで示す方向から見た図である。特に説明しない本実施形態の構成は、図23および図24を参照して説明した実施形態の構成と同様であるので、その重複する説明を省略する。本実施形態では、3つ以上の(本実施形態では、4つの)ローラー381は、積層基板Wsの周縁部に接触して、積層基板Wsを垂直に保持するように構成されている。すなわち、積層基板Wsは、回転保持機構303のローラー381により縦置きの状態で保持される。図28に示すように、回転保持機構303のローラー381によって積層基板Wsが縦置きの状態で保持されると、積層基板Wsの上面および下面は、それぞれ鉛直方向に延びる仮想面内にある。
本実施形態でも、ローラー回転機構は、4つのローラー381に連結されており、4つのローラー381を同じ方向に同じ速度で回転させるように構成されている。ローラー回転機構の構成は、3つ以上のローラー381を同じ方向に同じ速度で回転させることができる限り任意であり、公知の回転機構をローラー回転機構として利用できる。ローラー回転機構の例としては、モータ、プーリー(および/またはギア)、および回転ベルトの組み合わせが挙げられる。
ローラー移動機構は、4つのローラー381に連結されており、それぞれのローラー381を回転保持機構303の基準中心点Oに向かって近づく方向、および基準中心点Oから離れる方向に移動させるように構成されている。ローラー移動機構によって、4つのローラー381を、積層基板Wsの周縁部がローラー381によって保持される保持位置(図27の実線参照)と、ローラー381から積層基板Wsが解放される解放位置(図27の点線参照)との間で移動させることができる。ローラー移動機構の構成は、4つのローラー381を保持位置と解放位置との間で移動させることができる限り任意であり、公知の移動機構をローラー移動機構として利用できる。ローラー移動機構の例としては、ピストンシリンダ機構、およびボールねじとモータ(ステッピングモータ)の組み合わせが挙げられる。
回転保持機構303のローラー回転機構およびローラー移動機構は、コントローラ113(図1参照)に電気的に接続されており、回転保持機構303のローラー回転機構およびローラー移動機構の動作は、コントローラ113によって制御される。
積層基板Wsは、図示しない搬送装置によって、積層基板Wsの軸心が回転保持機構303の基準中心点Oと一致する位置に搬送される。このとき、ローラー381は、解放位置にある。次いで、ローラー移動機構によって、4つのローラー381を保持位置に移動させることで、積層基板Wsの周縁部を4つのローラー381に保持させる。この動作により、積層基板Wsが4つのローラー381に縦置きの状態で保持される。保持位置に移動された4つのローラー381をローラー回転機構によって回転させることにより、積層基板Wsは、その軸心を中心に回転される。
ローラー移動機構によって、保持位置にある4つのローラー381を解放位置に移動させると、4つのローラー381が、積層基板Wsの周縁部から離間し、積層基板Wsを4つのローラー381から解放できる。解放された積層基板Wsは、図示しない搬送装置によって次の処理を行うために搬送される。
塗布ユニット301Aによる充填剤Fの塗布、および硬化ユニット301Bによる充填剤Fの塗布と硬化は、回転保持機構303により縦置きに保持された積層基板Wsを回転させながら行われる。
一実施形態では、ローラー回転機構は、一部のローラー381のみを回転させるように構成されていてもよい。例えば、ローラー回転機構は、4つのローラー381のうちの2つのローラー381に連結され、2つのローラーを同じ方向に同じ速度で回転させてもよい。この場合、他の2つのローラー381は、自由回転するように構成されている。4つのローラー381が保持位置に配置されているときに、ローラー回転機構に連結された2つのローラー381が回転すると、他の2つのローラー381は、積層基板Wsを介して、ローラー回転機構に連結された2つのローラー381に従動して回転する。
一実施形態では、ローラー移動機構は、一部のローラー381のみを移動させるように構成されていてもよい。例えば、ローラー移動機構は、4つのローラー381のうちの2つのローラー381に連結され、この2つのローラー381を保持位置と解放位置との間で移動させてもよい。この場合、他の2つのローラー381は、保持位置に予め固定されている。積層基板Wsは、搬送装置により、固定された2つのローラー381に積層基板Wsの周縁部が接触する位置に搬送される。ローラー移動機構によって、ローラー移動機構に連結された2つのローラー381を保持位置に移動させることで、積層基板Wsを縦置きに保持することができる。ローラー移動機構によって、ローラー移動機構に連結された2つのローラー381を解放位置に移動させることで、積層基板Wsを解放することができる。
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうることである。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲とすべきである。
101 ロードアンロード部
102 フロントロード部
103 第1搬送ロボット
200 基板搬送モジュール
300 第1処理モジュール(充填剤塗布モジュール)
301A 塗布ユニット
301B 硬化ユニット
400 第2処理モジュール(バックグラインドモジュール)
410 スピンドル
412 研削ヘッド
500 第3処理モジュール(研磨モジュール)
505 研磨ヘッド
510 研磨パッド
550 バフ処理コンポーネント
552 バフパッド
700 第4処理モジュール(研磨モジュール)
800 第5処理モジュール(充填剤除去モジュール)
811 研磨ヘッド組立体
812 研磨テープ供給回収機構

Claims (24)

  1. 複数のウエハを接合して製造される積層基板を処理する装置であって、
    前記複数のウエハのうちの隣接するウエハの周縁部の間の隙間に充填剤を塗布し、硬化させる充填剤塗布モジュールと、
    前記充填剤が塗布された積層基板の上面を研削する研削モジュールと、
    前記研削された積層基板の上面を研磨する研磨モジュールと、を備えた、基板処理装置。
  2. 前記研磨モジュールは、
    研磨パッドを支持する研磨テーブルと、
    前記積層基板を保持して、前記積層基板の上面を前記研磨パッドに押し付ける研磨ヘッドと、
    前記研磨パッドに研磨液を供給するための研磨液供給ノズルと、を備える、請求項1に記載の基板処理装置。
  3. 前記積層基板の上下面を反転させて、前記積層基板を前記研削モジュールから前記研磨モジュールに搬送する基板搬送モジュールをさらに備える、請求項2に記載の基板処理装置。
  4. 前記研磨モジュール、前記研削モジュール、および前記研磨モジュールは、前記基板の搬送方向に沿って互いに隣接して配列されている、請求項1に記載の基板処理装置。
  5. 前記研磨された積層基板の上面をさらに研磨する仕上げ研磨モジュールをさらに備える、請求項1に記載の基板処理装置。
  6. 前記仕上げ研磨モジュールは、
    研磨パッドを支持する研磨テーブルと、
    前記積層基板を保持して、前記積層基板の上面を前記研磨パッドに押し付ける研磨ヘッドと、
    前記研磨パッドに研磨液を供給するための研磨液供給ノズルと、を備える、請求項5に記載の基板処理装置。
  7. 前記研削された積層基板から前記充填剤を除去する充填剤除去モジュールをさらに備える、請求項1に記載の基板処理装置。
  8. 前記充填剤除去モジュールは、
    前記積層基板を保持して回転させる基板保持部と、
    研磨テープを前記積層基板の周縁部に押し付けて、前記充填剤Fを除去する充填剤除去ユニットと、を備える、請求項7に記載の基板処理装置。
  9. 前記充填剤除去モジュールは、前記充填剤を溶解可能な除去剤を前記積層基板に供給する除去剤供給機構をさらに備える、請求項8に記載の基板処理装置。
  10. 前記充填剤除去モジュールは、
    前記積層基板を保持して回転させる基板保持部と、
    前記充填剤を溶解可能な除去剤を前記積層基板に供給する除去剤供給機構と、を備える、請求項7に記載の基板処理装置。
  11. 前記充填剤除去モジュールは、前記研磨された積層基板の上面を仕上げ研磨するためのバフ処理コンポーネントをさらに有しており、
    前記バフ処理コンポーネントは、
    前記積層基板の上面にバフ処理を行うためのバフパッドが取り付けられたバフヘッドと、
    前記バフヘッドを前記積層基板の半径方向に揺動可能に保持するバフアームと、を有する、請求項7に記載の基板処理装置。
  12. 前記充填剤塗布モジュールは、
    前記積層基板を縦置きに保持する回転保持機構と、
    前記回転保持機構に保持された積層基板の上方から前記充填剤を前記積層基板の隙間に塗布する塗布モジュールと、
    前記塗布モジュールによって塗布された充填剤を硬化させる硬化モジュールと、を有する、請求項1に記載の基板処理装置。
  13. 複数のウエハを接合して製造される積層基板を基板カセットから取り出し、
    前記複数のウエハのうちの隣接するウエハの周縁部の間の隙間に充填剤を塗布し、硬化させ、
    前記充填剤が塗布された積層基板の上面を研削し、
    前記研削された積層基板の上面を研磨し、
    前記研磨された積層基板を前記基板カセットに戻す、基板処理方法。
  14. 前記研削された積層基板から前記充填剤を除去する工程をさらに備える、請求項13に記載の基板処理方法。
  15. 前記充填剤を除去する工程は、前記積層基板の上面を研磨する工程の後に行われる、請求項14に記載の基板処理方法。
  16. 前記充填剤を除去する工程は、前記積層基板の上面を研磨する工程の前に行われる、請求項14に記載の基板処理方法。
  17. 前記充填剤を除去する工程は、前記積層基板を回転させながら、研磨テープを前記積層基板の周縁部に押し付けて、前記充填剤を除去する工程である、請求項14に記載の基板処理方法。
  18. 前記充填剤を除去する工程は、前記積層基板を回転させながら、前記積層基板に前記充填剤を溶解可能な処理液を供給して行われる、請求項14に記載の基板処理方法。
  19. 前記積層基板の上面を研削する工程と、前記積層基板を研磨する工程は、同一の処理モジュールで行われる、請求項13に記載の基板処理方法。
  20. 前記積層基板の上面を研削する工程の後に、前記積層基板の上下面を反転させる工程をさらに備え、
    前記積層基板を研磨する工程は、
    研磨パッドを支持する研磨テーブルを回転させ、前記研磨パッドに研磨液を供給しながら、前記積層基板の上面を前記研磨パッドに押し付ける工程である、請求項13に記載の基板処理方法。
  21. 前記積層基板の上面を研磨する工程の後に、前記積層基板の上面を仕上げ研磨する工程をさらに備え、
    前記積層基板を仕上げ研磨する工程は、研磨パッドを支持する研磨テーブルを回転させ、前記研磨パッドに研磨液を供給しながら、前記積層基板の上面を前記研磨パッドに押し付ける工程であり、
    前記積層基板を仕上げ研磨する工程の研磨パッドは、前記積層基板を研磨する工程の研磨パッドの研磨面よりもきめの細かい研磨面を有する、請求項20に記載の基板処理方法。
  22. 前記積層基板の上面を研磨する工程の後に、前記積層基板の上面を仕上げ研磨する工程をさらに備え、
    前記積層基板を仕上げ研磨する工程は、研磨パッドを支持する研磨テーブルを回転させ、前記研磨パッドに研磨液を供給しながら、前記積層基板の上面を前記研磨パッドに押し付ける工程であり、
    前記積層基板を仕上げ研磨する工程の研磨液に含まれる砥粒は、前記積層基板を研磨する工程の研磨液に含まれる砥粒よりも小さい粒度を有している、請求項20に記載の基板処理方法。
  23. 前記積層基板を仕上げ研磨する工程と、前記充填剤を除去する工程は、同一の処理モジュール内で行われる、請求項21に記載の基板処理方法。
  24. 前記隙間に充填剤を塗布し、硬化させる工程は、縦置きに保持された前記積層基板を回転させながら行う、請求項13に記載の基板処理方法。
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