JP2023042261A - 不陸調整金具、屋外架設構造、及び不陸調整方法 - Google Patents

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克己 馬渕
Katsumi Mabuchi
邦生 枩林
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Abstract

【課題】 屋外架設構造の下面の不陸を調整することができる不陸調整金具、当該不陸調整金具を用いた屋外架設構造、及び不陸調整方法を提供する。【解決手段】不陸調整金具1は、鉛直部40と、水平部41とを有する2つの外装材が、架設体3に固定されて、水平部41の先端同士が下目地を挟んで互いに向き合うように配置される屋外架設構造2の水平部41同士の不陸を調整する不陸調整金具1であって、外装材4に固定される固定部60と、固定部60の下端から水平に延びて形成される下板部61と、を有するベース部材6と、下板部61に係止される係止部70と、先端に向かって下方に傾斜し下目地13の奥に配置される操作孔72を有し、水平部41の上面に当接可能な押圧部73と、を有する弾性部材7と、操作孔に螺着し、下板部61と押圧部73の先端との距離を調整する操作ボルト8と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、建築物の屋外に梁状に架設され、下面に目地が形成される屋外架設構造の当該目地を挟んで両側の外装材の不陸を調整する不陸調整金具、当該不陸調整金具を有する屋外架設構造、及び当該不陸調整金具を用いた不陸調整方法に関する。
従来より、屋外に面して配置される外装材を、隣接する外装材と段差なく面一に取り付けるために、当該外装材の不陸を調整可能な部材が種々提案されている。例えば、特許文献1の不陸調整構造は、外壁に胴縁を介して外装材を固定するものであって、当該胴縁に設置され雌ねじが設けられた不陸調整部材と、当該雌ねじに螺合する雄ねじと、を有しており、当該雄ねじの先端が建築物の外壁を押圧可能な状態で、当該雄ねじのねじ込み量を加減することにより、胴縁を建築物の外壁から離間させる、又は、外壁に接近させることで外装材の不陸を調整するものである。
また、特許文献2の出隅用パネル取付金具は、出隅用パネルに固定され当該出隅用パネルの側縁から突出して目地奥に露出する突出部に調整用ネジ孔が形成されており、当該調整用ネジ孔に締結及び弛緩自在に螺合する不陸調整ネジの先端を建築物躯体に当接させつつ、当該不陸調整ネジを調整用ネジ孔に対して締結又は弛緩することにより出隅用パネルの不陸を調節するものである。
特開2007-120049号公報 特開2012-92595号公報
例えば、建築物の凹部において互いに対面する外壁の間に屋外に架設される梁、建築物の外壁と庭を囲う屋外壁との間に架設される梁、又は、ロジアの周りを囲う屋外壁に形成される開口の上縁に架設するように配置される架設構造といった屋外架設構造は、建築物の利用者が下から見上げる場合も多いので、下面の意匠性を保つ必要がある。
これら屋外架設構造の下部は、断面L字状の2つの外装材を互いに下側の板部の先端が向き合うように配置されており、下面に屋外架設構造の長さ方向に沿った下目地が形成される。そして、下目地を挟んだ両側の面に不陸があると、下面の意匠性が低下する問題が生じる。
そこで本発明は、屋外架設構造の下面の不陸を調整することができる不陸調整金具、当該不陸調整金具を用いた屋外架設構造、及び不陸調整方法を提供することを目的とする。
本発明の不陸調整金具は、鉛直方向に延びて形成される鉛直部と、当該鉛直部の下端から水平に延びる水平部とを有する2つの外装材が、前記鉛直部の間に形成された架設体に固定されて、前記水平部の先端同士が下目地を挟んで互いに向き合うように配置される屋外架設構造の前記水平部同士の不陸を調整する不陸調整金具であって、一方の前記外装材の鉛直部の裏面に固定される鉛直な平板状の固定部と、前記固定部の下端から水平に延びて形成され、前記一方の外装材の水平部の上面との間に間隙を開けて形成される下板部と、を有するベース部材と、前記下板部に係止される係止部と、基端が前記係止部に接続されるとともに、先端に向かって下方に傾斜して形成され、当該先端に前記下目地の奥に配置されるネジ切られた操作孔を有し、前記水平部の上面に当接可能な押圧部と、を有する弾性部材と、前記操作孔に螺着し、前記下板部と前記押圧部の先端との距離を調整する、頭部が前記下目地に配置される操作ボルトと、を備えることを特徴としている。
本発明の不陸調整金具は、前記ベース部材は、前記下板部の先端から上向きに折曲し、上端が前記架設体の下面に当接する当接部をさらに有することを特徴としている。
本発明の不陸調整金具は、前記弾性部材は、前記下板部の下面に当接して形成され、前記操作ボルトの先端が当接する当接孔が形成される受け部をさらに有することを特徴としている。
本発明の屋外架設構造は、少なくとも両側面と下面とが屋外に面して配置される屋外架設構造であって、建築物の屋外に架設される架設体と、鉛直方向に延びて形成される鉛直部と、当該鉛直部の下端から水平に延びる水平部とを有し、前記鉛直部が前記架設体の両側にそれぞれ配置され当該架設体に固定されるとともに、互いに前記水平部の先端同士が下目地を挟んで向き合うように配置される2つの外装材と、上記のいずれかの不陸調整金具と、を備えることを特徴としている。
本発明の屋外架設構造は、前記架設体はH形鋼の梁であり、当該架設体の上側のフランジに取付られる水平な取付部と、前記取付部の端部から折れ曲がって、当該架設体の側方に垂れ下がり、前記外装材の前記鉛直部の裏面に当接して固定される垂下部と、を有する外装材取付金具をさらに備え、当該外装材取付金具は、前記垂下部の上端よりも下端が前記架設体に接近するように、前記取付部と前記垂下部との為す角が鋭角であることを特徴としている。
本発明の屋外架設構造は、前記外装材の前記鉛直部の裏面にはC形鋼が水平に埋め込まれた上下2本の溝部が形成されており、それぞれの前記溝部内に、ネジ孔を有する取付プレートが保持されており、前記垂下部は、それぞれの取付プレートのネジ孔と重なる位置に取付孔が形成されて、前記取付孔を通して前記ネジ孔に取付ボルトを締め付けて、前記外装材を前記垂下部に固定するものであり、前記垂下部の前記架設体側の面で、前記取付孔の周囲には、前記取付ボルトの頭部を収納可能な大きさの収納孔を有するクッション材が形成されることを特徴としている。
本発明の屋外架設構造は、前記取付ボルトは極低頭ボルトであることを特徴としている。
本発明の不陸調整方法は、上記のいずれかの屋外架設構造の一方の前記外装材の前記水平部の不陸を調整する不陸調整方法であって、前記操作ボルトを回転させて、前記弾性部材の前記押圧部を前記ベース部材の前記下板部から離反する方向に移動させ、当該押圧部に当接する前記一方の外装材の前記水平部を下方に押圧して移動させ、隣接する他方の外装材の前記水平部と面一に整合させることを特徴としている。
本発明の不陸調整金具によると、ベース部材の下板部が一方の外装材の水平面の上面との間に間隙を開けて形成されており、下板部に係止される弾性部材の押圧部の先端に形成された操作孔に螺着し、頭部が下目地に配置された操作ボルトを回転させることで押圧部の先端が下板部から離れる方向に変形し、一方の外装材の水平部が押圧部に押圧されて下方に変位することで、隣接する他方の外装材の水平部との不陸を調整することができる。
本発明の不陸調整金具によると、ベース部材の当接部が、下板部の先端から上向きに折曲して、上端が架設体の下面に当接するように形成されているので、操作ボルトを回転させて押圧部を弾性変形させるときに、当接部が架設体の下面に当接することで、下板部が上方に変位することがなく、押圧部は確実に下向きに弾性変形することができ、一方の外装材を下方に変位させることができる。
本発明の不陸調整金具によると、下板部の下面に当接し、操作ボルトの先端が当接する当接孔が設けられた受け部を有するので、操作ボルトを回転させたときに、操作ボルトの先端がずれることを防止して、操作ボルトを適切な位置を維持することができ、押圧部を適切にに弾性変形させることができる。
本発明の屋外架設構造によると、両側面と下面とが屋外に面して配置される屋外架設構造において、上記の不陸調整金具によって下面に形成される下目地の不陸を調整することができるので、下方から見上げられる位置に配置される屋外架設構造の意匠性が低下することを抑制できる。
本発明の屋外架設構造によると、外装材取付金具の取付部と垂下部との為す角が鋭角であることで、架設体の両側にそれぞれ固定される2つの外装材は、その鉛直部同士が下方に向かって接近するように傾き、水平部の先端が僅かに近づいて下目地の幅が狭くなるように配置される。このように外装材を僅かに傾けて固定することで、不陸調整金具の操作ボルトを回転させて押圧部を変形させ、水平部の先端に下向きの荷重を加えたときに、一方の水平部が他方の水平部から離れて下目地が広がる方向に変位しても、下目地の幅が大きく広がることを抑制することができ、下目地の幅の広がりによる屋外架設構造の意匠性の低下を抑制できる。
本発明の屋外架設構造によると、垂下部の取付孔の周囲にクッション材が形成されており、このクッション材の収納孔に取付ボルトの頭部が収納されるので、取付ボルトの頭部が架設体に衝突することを防止することができ、異音の発生や取付ボルトの緩みを防止できる。
本発明の屋外架設構造によると、取付ボルトは極低頭ボルトであるので、垂下部と架設体との距離が短くでも、取付ボルトのボルト頭を架設体に干渉させることなく、屋外架設構造を形成することができる。
本発明の不陸調整方法によると、下目地から操作ボルトを回転させて、弾性部材の押圧部をベース部材の下板部から離反する方向に移動させることで、押圧部に当接する一方の外装材の水平部を下方に押圧して移動させ、隣接する他方の外装材の水平部と面一に整合させるので、2つの外装材が取り付けられた状態で、極めて簡単な操作で下目地を挟んだ両側の外装材の不陸を調整することができる。
屋外架設構造の全体構成を説明する断面図。 外装材取付金具の外観構成を説明する斜視図。 外装材取付金具の外観構成を説明する断面図。 外装材取付金具を用いて、架設体に2つの外装材を固定する状態を説明する断面図。 不陸調整金具のベース部材の構成を説明する斜視図。 不陸調整金具の弾性部材及び操作ボルトの構成を説明する斜視図。 ベース部材に弾性部材を係止した状態を説明する側面図。 (A)は操作ボルトを弾性部材の押圧部に螺着させた状態を示す断面図、(B)は操作ボルトを回転させて弾性部材の押圧部を弾性変形させた状態を示す断面図。 不陸調整金具を外装材の下側の溝部に固定した状態を説明する断面図。 不陸調整金具を用いて不陸調整する前の外装材の水平部の状態を説明する一部省略拡大断面図。 不陸調整金具を用いて不陸調整した外装材の水平部の状態を説明する一部省略拡大断面図。 他方の外装材の下側の溝部に固定される不陸調整金具を示す図。
以下、本発明に係る不陸調整金具1、屋外架設構造2、及び不陸調整方法の実施形態について、各図を参照しつつ説明する。屋外架設構造2は、少なくとも両側面と下面とが屋外に面して配置される構造であり、例えば住宅等の建築物に形成される構造である。屋外架設構造2としては、建築物に平面視窪んで形成される凹部において互いに対面する外壁の間に屋外に架設される梁、建築物に隣接して形成される庭を囲うように屋外壁が形成されている場合に、建築物の外壁と屋外壁の間に架け渡される梁、又は、ロジアの周りを囲う屋外壁に形成される開口の上縁に架設するように配置される架設構造を例示することができる。
屋外架設構造2は、図1に示すように、構造躯体の一部を形成する架設体3と、架設体3の側面と下面とを覆う2つの外装材4と、2つの外装材4をそれぞれ架設体3に取り付ける2つの外装材取付金具5と、2つの外装材4の下方向の不陸を調整する2つの不陸調整金具1と、架設体3の上面に接合する2つのフレーム10と、フレーム10の側方を覆うように2つの外装材4の上側に隣接して配置される2つの上部外装材11と、2つの上部外装材11の上端を覆う笠木12と、を備える。
架設体3は、図4に示すように、上下のフランジ30,31をウェブ32で接続して形成されるH形鋼である。架設体3の上側のフランジ30には外装材取付金具5を取り付けるための貫通孔が設けられている。架設体3は、建築物の構造躯体と一体となって、例えば図示しない屋外壁の水平荷重を受けることができる。
外装材4は、架設体3の側面及び下面を覆う板材である。外装材4は、鉛直方向に延びて形成される鉛直部40と、鉛直部40の下端から水平に延びて架設体3に下方に延出する水平部41とを有して、断面L字状に形成されている。外装材4の鉛直部40の表面には、凹凸模様が設けられている。外装材4は例えばコンクリート製であり、鉛直部40の裏面には、上下に2本のC形鋼が互いに平行な水平に埋設されて、その開口を裏面から露出させて、溝部42を形成している。なお、ここで表面は屋外側に露出する面をいい、裏面は表面の反対がの面であり、架設体3に対向する面である。外装材4は架設体3の両側にそれぞれ配置されており、2つの外装材4の水平部41の先端が互いに間隔を開けて向かい合って配置されており、2つの水平部41の間に下目地13を形成している。
外装材取付金具5は、図2から図4に示すように、板状の鋼材を折り曲げて形成されており、架設体3の上側のフランジ30に取り付けられる水平な平板上の取付部50と、取付部50の端部から折れ曲がって架設体3の側方に垂れ下がる垂下部51と、を有する。取付部50には、架設体3の長さ方向に長い長孔状の固定孔52が設けられている。架設体3の上側のフランジ30には当該フランジ30を挟み込んで、フランジ30の下側にナットを固定する裏ナットクリップ34が取り付けられており、当該裏ナットクリップ34は、架設体3の上側のフランジ30に形成された貫通孔と重なって配置されている。そして、外装材取付金具5の取付部50を架設体3の上側のフランジ30の上に配置し、取付部50の上に配置されたフレーム10の下弦材に設けられた挿入孔、取付部50に形成された固定孔52、及びフランジ30の貫通孔を通して固定ボルト53を裏ナットクリップ34のナットに螺着させることで、取付部50は架設体3のフランジ30に固定される。
垂下部51は、上下2箇所に取付孔54が形成されている。取付孔54は鉛直方向に長い長孔となっている。上側の取付孔54を挟んで垂下部51の側端には、外装材4の溝部42に挿入されて外装材4を支持する支持腕部55が形成されている。下側の取付孔54の周囲には、架設体3に対向する面に、取付ボルト56の頭部を収納可能な大きさの収納孔57を有するクッション材58が形成されている。外装材4の上下の溝部42内には、ネジ孔14を有する取付プレート15がそれぞれ配置されており、取付ボルト56を垂下部51の上下の取付孔54にそれぞれ挿入して取付プレート15のネジ孔14に螺着させて締め付けることで、外装材4は垂下部51に固定される。取付孔54の周囲に形成されるクッション材58は弾性を有する例えば樹脂製で構成されており、垂下部51及び取付ボルト56の頭部が架設体3に衝突することを防止することができ、異音の発生や取付ボルト56の緩みを防止できる。なお、取付ボルト56は頭部の高さが1.5mm以下の極低頭ボルトである。極低頭ボルトであることで、架設体3の下側フランジ31と干渉することをよりいっそう抑制することができる。
外装材取付金具5は、図3に示すように、取付部50と垂下部51との架設体3側の角度αが鋭角に形成されている。具体的には、取付部50及び垂下部51の間の角度αは略89度となっている。取付部50は、架設体3の上側のフランジ30の上面に沿って水平に配置されているので、垂下部51は下端が架設体3に近づく方向に鉛直よりも僅かに傾いて形成されることとなる。これによって、外装材4の水平部41同士の間に形成される下目地13の幅が僅かに狭まった状態となり、後述する外装材4の不陸調整を行って、下目地13がやや広がる方向に当該外装材4が変位しても、屋外架設構造2の下面の意匠性を損なうことを抑制できる。外装材4の鉛直部40及び後述する不陸調整金具1の固定部60は鉛直であると説明しているが、外装材取付金具5を用いて固定されているので、実際には鉛直から1度程度傾いて配置された略鉛直である。
不陸調整金具1は、図9に示すように、外装材4の鉛直部40の裏面に形成された下側の溝部42に固定されるベース部材6と、ベース部材6に係止されるとともに外装材4の水平部41の上面を下方に押圧するように弾性変形可能な弾性部材7と、弾性部材7を操作する操作ボルト8とを備える。屋外架設構造2は、2つの不陸調整金具1を有しており、一方の外装材4の鉛直部40と他方の外装材4の鉛直部40とにそれぞれ固定されている。なお、図9から図11においては、図示の都合上、図の左側の外装材4に不陸調整金具1が固定される状態を示し、図12においては、図の右側の外装材4に不陸調整金具1が固定される状態を示しているが、屋外架設構造2の長さ方向の異なる位置にそれぞれの不陸調整金具1は固定されている。
ベース部材6は、図5及び図9に示すように、外装材4の鉛直部40の裏面に形成された下側の溝部42に固定される鉛直な平板状の固定部60と、固定部60の下端から水平に延びて形成され、一方の外装材4の水平部41の上面との間に間隙を開けて形成される下板部61と、下板部61の先端から上向きに折曲し、上端が架設体3の下側のフランジ31の下面に当接する当接部62と、を有する。固定部60は、略中央に貫通するボルト孔63が設けられている。ボルト孔63に保持ボルト64を挿入し、不陸調整金具1を固定するために溝部42内に挿入されている取付プレート15のネジ孔14に当該保持ボルト64を螺着させて締め付けることで、ベース部材6を外装材4の下側の溝部42に固定する。下板部61には、弾性部材7を係止するために矩形の開口65が設けられている。ベース部材6は、固定部60が外装材4の下側の溝部42に固定され、当接部62の先端が架設体3の下側のフランジ31の下面に当接することで姿勢を安定させて固定されている。
弾性部材7は、図6、図7、及び図9に示すように、1枚のバネ鋼板を加工して形成されるものであり、ベース部材6の下板部61に設けられた開口65に係止される係止部70と、下板部61の下面に沿って係止部70から水平に形成されており先端が折り曲げられて形成された受け部71と、基端が係止部70に固定されるとともに先端に下目地13の奥に配置されるネジ切られた操作孔72を有し、外装材4の水平部41の上面に当接可能な押圧部73と、を有している。
係止部70は、弾性部材7の両側縁にそれぞれ形成されており、下板部61の上面に当接するフック状に形成されている。受け部71は、係止部70の基端から水平に延びて下板部61の下面に当接する平板状であり、中央が大きく開口してその内側に押圧部73が形成されている。受け部71の先端側は上向きに折り返されて2重となっており、2重部分の下板に操作ボルト8が挿入可能な径の受け孔74が形成されるとともに、上板に操作ボルト8の先端が適切な位置に保たれるように当該操作ボルト8の先端を当接させる当接孔75が形成されている。
押圧部73は、一端が係止部70の基端に接続されて、受け部71の開口から斜め下方に延びて形成されている。押圧部73の両側縁にはそれぞれリブ76が形成されており、押圧部73を補強している。また押圧部73の先端側の位置には、図8(A)に示すように、バーリング加工されており、操作ボルト8が螺合する操作孔72が形成されている。押圧部73の操作孔72に螺着され、先端が受け部71の当接孔75に当接した操作ボルト8を回転させると、図8(B)に示すように、押圧部73の基端側が弾性変形し、当該押圧部73の先端が下方に下がる。
2つのフレーム10は、図1に示すように、C形鋼を矩形枠状に形成したものであり、架設体3の上側のフランジ30にボルト固定されている。2つの上部外装材11は、平板上に形成されており、それぞれ図示しない固定金物を介してフレーム10に固定されている。笠木12は、上面部16と両側縁から垂れ下がる垂部17とを有して形成されており、2つの上部外装材11の上端と、フレーム10の上面とを覆い隠すように形成されている。屋外架設構造2は、上面が笠木12であり、両側面が上部外装材11と外装材4の鉛直部40とで形成されており、下面が外装材4の水平部41で形成されている。なお、本発明の屋外架設構造2は上部外装材11を用いることなく、外装材4の鉛直部40の上端を笠木12で覆って形成されるものであってもよい。
以上のように構成される屋外架設構造2の下面を構成する2つの外装材4の水平部41同士の不陸を調整する不陸調整方法は、図10に示すように、2つの外装材4の内、一方の外装材4の水平部41が他方の外装材4の水平部41よりも高い位置に配置されているときには、下目地13から工具を差し込んで、一方の外装材4の鉛直部40に固定されている不陸調整金具1の操作ボルト8を回転させる。操作ボルト8を回転させると、当該操作ボルト8が螺着している押圧部73は、図11に示すように、操作ボルト8の回転に従って先端側が下方に下がるように弾性変形する。押圧部73は、一方の外装材4の水平部41先端の上面に当接するので、押圧部73が下方に下がると、当該外装材4の水平部41の先端に下向きの荷重が加わる。これによって、当該水平材を下方向に変位させることができ、隣接する他方の外装材4の水平部41と面一に整合させて、不陸を調整することができる。
なお、図12に示すように、他方の外装材4の水平部41が一方の外装材4の水平部41よりも高い位置に配置されているときには、同様に他方の外装材4の鉛直部40に固定されている不陸調整金具1の操作ボルト8を回転させることで、他方の外装材4の水平部41を下方向に変位させて、不陸を調整することができる。このように本実施形態の不陸調整方法は下目地13に配置される操作ボルト8を回転させるだけで、極めて簡単に水平部41同士の不陸を調整することができる。
本発明の実施の形態は上述の形態に限ることなく、本発明の思想の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更することができることは云うまでもない。
本発明に係る不陸調整金具1、屋外架設構造2、及び不陸調整方法は、例えば外部からの視線を遮るために庭を囲うように屋外壁を設けた空間の建築物の外壁と屋外壁との間に架設される屋外架設構造2として好適である。
1 不陸調整金具
2 屋外架設構造
3 架設体
4 外装材
5 外装取付金具
6 ベース部材
7 弾性部材
8 操作ボルト
13 下目地
14 ネジ孔
15 取付プレート
40 鉛直部
41 水平部
42 溝部
50 取付部
51 垂下部
60 固定部
61 下板部
62 当接部
70 係止部
71 受け部
72 操作部
73 押圧部

Claims (8)

  1. 鉛直方向に延びて形成される鉛直部と、当該鉛直部の下端から水平に延びる水平部とを有する2つの外装材が、前記鉛直部の間に形成された架設体に固定されて、前記水平部の先端同士が下目地を挟んで互いに向き合うように配置される屋外架設構造の前記水平部同士の不陸を調整する不陸調整金具であって、
    一方の前記外装材の鉛直部の裏面に固定される鉛直な平板状の固定部と、前記固定部の下端から水平に延びて形成され、前記一方の外装材の水平部の上面との間に間隙を開けて形成される下板部と、を有するベース部材と、
    前記下板部に係止される係止部と、基端が前記係止部に接続されるとともに、先端に向かって下方に傾斜して形成され、当該先端に前記下目地の奥に配置されるネジ切られた操作孔を有し、前記水平部の上面に当接可能な押圧部と、を有する弾性部材と、
    前記操作孔に螺着し、前記下板部と前記押圧部の先端との距離を調整する、頭部が前記下目地に配置される操作ボルトと、
    を備えることを特徴とする不陸調整金具。
  2. 前記ベース部材は、前記下板部の先端から上向きに折曲し、上端が前記架設体の下面に当接する当接部を、さらに有することを特徴とする請求項1に記載の不陸調整金具。
  3. 前記弾性部材は、前記下板部の下面に当接して形成され、前記操作ボルトの先端が当接する当接孔が形成される受け部を、さらに有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の不陸調整金具。
  4. 少なくとも両側面と下面とが屋外に面して配置される屋外架設構造であって、
    建築物の屋外に架設される架設体と、
    鉛直方向に延びて形成される鉛直部と、当該鉛直部の下端から水平に延びる水平部とを有し、前記鉛直部が前記架設体の両側にそれぞれ配置され当該架設体に固定されるとともに、互いに前記水平部の先端同士が下目地を挟んで向き合うように配置される2つの外装材と、
    請求項1から請求項3のいずれかに記載の不陸調整金具と、
    を備えることを特徴とする屋外架設構造。
  5. 前記架設体はH形鋼の梁であり、
    当該架設体の上側のフランジに取付られる水平な取付部と、前記取付部の端部から折れ曲がって、当該架設体の側方に垂れ下がり、前記外装材の前記鉛直部の裏面に当接して固定される垂下部と、を有する外装材取付金具をさらに備え、
    当該外装材取付金具は、前記垂下部の上端よりも下端が前記架設体に接近するように、前記取付部と前記垂下部との為す角が鋭角であることを特徴とする請求項4に記載の屋外架設構造。
  6. 前記外装材の前記鉛直部の裏面にはC形鋼が水平に埋め込まれた上下2本の溝部が形成されており、
    それぞれの前記溝部内に、ネジ孔を有する取付プレートが保持されており、
    前記垂下部は、それぞれの取付プレートのネジ孔と重なる位置に取付孔が形成されて、前記取付孔を通して前記ネジ孔に取付ボルトを締め付けて、前記外装材を前記垂下部に固定するものであり、
    前記垂下部の前記架設体側の面で、前記取付孔の周囲には、前記取付ボルトの頭部を収納可能な大きさの収納孔を有するクッション材が形成されることを特徴とする請求項5に記載の屋外架設構造。
  7. 前記取付ボルトは極低頭ボルトであることを特徴とする請求項6に記載の屋外架設構造。
  8. 請求項4から請求項7のいずれかに記載の屋外架設構造の一方の前記外装材の前記水平部の不陸を調整する不陸調整方法であって、
    前記下目地から前記操作ボルトを回転させて、前記弾性部材の前記押圧部を前記ベース部材の前記下板部から離反する方向に移動させ、当該押圧部に当接する前記一方の外装材の前記水平部を下方に押圧して移動させ、隣接する他方の外装材の前記水平部と面一に整合させることを特徴とする不陸調整方法。
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