JP2023042207A - No吸着材の製造方法、no吸着材、ならびにこれを備える排ガス浄化装置 - Google Patents

No吸着材の製造方法、no吸着材、ならびにこれを備える排ガス浄化装置 Download PDF

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Abstract

Figure 2023042207000001
【課題】吸着容量を増大させたコアシェル型のNO吸着材の製造方法、コアシェル型のNO吸着材、およびこれを備える排ガス浄化装置を提供する。
【解決手段】
本発明の一の態様によれば、多孔質の金属有機構造体を準備する工程と、前記金属有機構造体を熱分解して、炭素材料からなるコアと、前記コアの表面を覆う遷移金属の酸化物からなるシェルとを含むコアシェル型のNO吸着材を得る工程と、を備え、前記金属有機構造体に含まれる金属が、ニトロシル錯体を形成可能な遷移金属を含む、コアシェル型のNO吸着材の製造方法が提供される。
【選択図】図1

Description

本発明は、NO吸着材の製造方法、NO吸着材、ならびにこれを備える排ガス浄化装置に関する。
燃焼器や自動車等の排ガスには、有害なNOxが含まれており、現在、このようなNOxを除去するため、様々な技術が開発されている。例えば、燃焼器からの高温(900℃~1100℃)の排ガス中のNOxは、選択的非接触還元法(SNCR)を用いて除去されている。また、自動車からの排ガス中のNOxは、三元触媒(TWC)やNHによる選択還元触媒(NH-SCR触媒)を用いて除去されている。
しかしながら、排ガスの温度が100℃以下のような低温領域では、これらの技術を用いることは困難であるため、NOx吸着材(PNA)のような吸着材を用いることによって排ガス中のNOxを除去している。
また、遷移金属化合物および窒素含有有機物を焼成させてなる炭素材料から構成された吸着材を用いて、NOを吸着する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2011-11166号公報
燃焼器等の熱効率向上から、現在、燃焼器等からの排ガスの温度が低くなっており、さらに将来において排ガスの温度が益々低下することが予測される。ここで、排ガス中のNOxの中でも、NOが低温側で排出される。しかしながら、現状のNO吸着材では、吸着容量が不足しており、吸着材の更なる吸着容量の増大が求められている。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものである。すなわち、吸着容量を増大させたコアシェル型のNO吸着材の製造方法、コアシェル型のNO吸着材、およびこれを備える排ガス浄化装置を提供することを目的とする。
[1] 遷移金属を含む多孔質の金属有機構造体を準備する工程と、前記金属有機構造体を熱分解して、炭素材料からなるコアと、前記コアの表面を覆う遷移金属の酸化物を主成分とするシェルとを含むコアシェル型のNO吸着材を得る工程と、を備え、前記金属有機構造体に含まれる遷移金属が、ニトロシル錯体を形成可能な遷移金属を含む、NO吸着材の製造方法。
[2]前記金属有機構造体が、ゼオライト型イミダゾレート構造体である、上記[1]に記載のNO吸着材の製造方法。
[3]前記金属有機構造体が、2価の遷移金属をさらに含む、上記[1]または[2]に記載のNO吸着材の製造方法。
[4]炭素材料からなるコアと、前記コアの表面を覆い、かつ遷移金属の酸化物を主成分とするシェルとを含み、前記シェルが、ニトロシル錯体を形成可能な遷移金属の酸化物を含む、コアシェル型のNO吸着材。
[5]前記シェルの厚みが、1nm以上1000nm以下である、上記[4]に記載のNO吸着材。
[6]上記[4]または[5]に記載のNO吸着材を備える、排ガス浄化装置。
本発明に係るコアシェル型のNO吸着材の製造方法、コアシェル型のNO吸着材、およびこれを備える排ガス浄化装置によれば、吸着容量を増大させたコアシェル型のNO吸着材および排ガス浄化装置を提供できる。
図1は、実施形態に係るNO吸着材を模式的に示した断面図である。 図2は、[Co(NHCl]ClのX線回折パターンである。 図3aは、50-Co(III)/Zn-ZIFのSEM写真であり、図3bは、実施例3に係る50-Co(III)/Zn-CNPのSEM写真である。 図4aは、比較例5に係る20-Co(II)/Zn-CNPのTEM写真であり、図4bは、比較例6に係る100-Co(II)/Zn-CNPのTEM写真であり、図4cは、実施例3に係る50-Co(III)/Zn-CNPのTEM写真である。 図5は、実施例3に係る50-Co(III)/Zn-CNP、50-Co(III)/Zn-ZIF、比較例2に係るCo(III)/C、比較例4に係るCo-Y、およびZIF-8における水蒸気吸着等温線のグラフである。 図6は、実施例3に係る50-Co(III)/Zn-CNPにおける、熱重量示差熱同時測定(TG-DTA)の結果を示すグラフである。 図7は、実施例3に係る50-Co(III)/Zn-CNPおよび比較例3に係るPd-BEAの1回目のNO吸着試験の結果を示すグラフである。 図8は、実施例1~4に係るCNPの1回目のNO吸着試験の結果を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態に係るNO吸着材の製造方法、NO吸着材および排ガス浄化装置について説明する。図1は、本実施形態に係るNO吸着材を模式的に示した断面図である。
<コアシェル型のNO吸着材の製造方法>
まず、遷移金属を含む多孔質の金属有機構造体を準備する。このような金属有機構造体としては、ゼオライト型イミダゾレート構造体(ZIF)が挙げられる。ZIFは、無機ゼオライト物質と似た特性を有する。ZIFは、一般的に、[M(IM)]の四面体結合(ここで、IMはイミダゾレート型連結部分であり、Mは遷移金属である)を有する。
金属有機構造体に含まれる遷移金属は、ニトロシル錯体を形成可能な遷移金属(第1遷移金属)を含む。ニトロシル錯体は、配位子にNOを有する金属錯体であるので、ニトロシル錯体を形成可能な遷移金属であれば、NOを吸着することができる。ニトロシル錯体を形成可能な金属としては、例えば、Fe、Co、またはCu等が挙げられる。これの中でも、単原子あたりのNO吸着容量を多くできる観点から、Coが好ましい。ニトロシル錯体を形成する観点からはニトロシル錯体を形成可能な遷移金属は2価の遷移金属であることが好ましいが、コアシェル型のNO吸着材を形成する観点からはニトロシル錯体を形成可能な遷移金属は3価の遷移金属であることが好ましい。
金属有機構造体は、ニトロシル錯体を形成可能な遷移金属の他に、用いられているニトロシル錯体を形成可能な遷移金属とは異なる2価の遷移金属(第2遷移金属)をさらに含んでいることが好ましい。金属有機構造体が2価の遷移金属を含むことにより、金属有機構造体を安定化させることができる。ただし、金属有機構造体は、2価の遷移金属を含まなくてもよい。2価の遷移金属としては、例えば、Fe、Co、Ni、Cu等が挙げられる。これらの中でも、金属有機構造体がゼオライト型イミダゾレート構造体(ZIF)である場合、ZIFの構造の安定化効果の観点から、Znが好ましい。
ニトロシル錯体を形成可能な遷移金属(第1遷移金属)の融点は、2価の遷移金属(第2遷移金属)の融点より高いことが好ましい。ニトロシル錯体を形成可能な遷移金属の融点と2価の遷移金属の融点がこのような関係であれば、熱分解の際に、ニトロシル錯体を形成可能な遷移金属を残存させることができる一方で、2価の遷移金属を蒸発させることができる。
金属有機構造体におけるニトロシル錯体を形成可能な遷移金属(第1遷移金属)と2価の遷移金属(第2遷移金属)のモル比は、特に限定されないが、吸着材の吸着性能向上の観点から、例えば、20:80~80:20が好ましく、30:70~70:30がより好ましく、40:60~60:40がさらに好ましい。
多孔質の金属有機構造体を準備した後、例えば、窒素雰囲気下で、金属有機構造体を加熱して、熱分解する。金属有機構造体が熱分解されると、金属有機構造体の有機成分が炭素材料となり、またニトロシル錯体を形成可能な遷移金属の酸化物が炭素材料の表面に堆積するように偏在するので、ニトロシル錯体を形成可能な遷移金属の酸化物を主成分とするシェルが炭素材料からなるコアの表面に形成される。例えば、金属有機構造体が、ニトロシル錯体を形成可能な遷移金属としてCoを含み、かつ2価の遷移金属としてZnを含むゼオライト型イミダゾレート構造体の場合、イミダゾレート型連結部分から炭素材料からなるコアが形成されるとともに、Coからこのコアの表面を覆い、かつCo酸化物を主成分とするシェルが形成される。これにより、炭素材料からなるコアと、コアの表面を覆い、かつニトロシル錯体を形成可能な遷移金属の酸化物を主成分とするシェルとを備えるコアシェル型のNO吸着材を得ることができる。なお、2価の遷移金属(第2遷移金属)は、この熱分解の際に蒸発してしまうので、NO吸着材にはほぼ含まれていない。
熱分解温度は、573K以上であることが好ましい。熱分解温度が573K以上であれば、熱分解により有機成分を炭素材料とすることができる。熱分解温度の下限は、673K以上、または873K以上であることがより好ましく、上限は、骨格を形成する炭素骨格の結晶性の観点から、1273K以下、または1073K以下であることが好ましい。
熱分解する際の加熱時間は、1時間以上であることが好ましい。加熱時間が1時間以上であれば、熱分解により有機成分を炭素材料とすることができる。加熱時間の下限は、3時間以上、または10時間以上であることがより好ましく、上限は、骨格を形成する炭素骨格の結晶性の観点から、24時間以下、または12時間以下であることが好ましい。
<NO吸着材>
上記のようにして得られたNO吸着材1は、図1に示されるように、炭素材料からなるコア2と、コア2の表面2Aを覆い、かつニトロシル錯体を形成可能な遷移金属(第1遷移金属)の酸化物を主成分とするシェル3とを含んでいる。したがって、炭素材料の表面には、ニトロシル錯体を形成可能な遷移金属の酸化物からなる遷移金属酸化物層が形成されている。コア2の表面2A上ではニトロシル錯体を形成可能な遷移金属の酸化物の密度が極めて高い状態となっているので、この遷移金属の酸化物がコア2を覆うシェル3となっている。コア2は、炭素材料を主成分としているが、ニトロシル錯体を形成可能な遷移金属の酸化物を含んでいてもよく、またシェル3は、ニトロシル錯体を形成可能な遷移金属の酸化物を主成分としているが、炭素材料を含んでいてもよい。
NO吸着材1の断面形状は、特に限定されないが、円形状であってもよいが、六角形状のような多角形状であってもよい。NO吸着材1の平均粒子径は、1nm以上5000nm以下であることが好ましい。NO吸着材1の平均粒子径が、1nm以上であれば、シェル3が2~3層の酸化物層として存在し得るため安定保持することが可能となり、また5000nm以下であれば、例えば、シェル3の厚みが1000nm以下であったとしても、シェル3の厚みがコア2のサイズを超えず安定形状となる。NO吸着材の粒子径とは、例えば、NO吸着材の断面形状が円形状の場合には直径を意味し、また六角形状のような多角形状の場合には、頂点同士を結ぶ線のうち最も長い線の長さとする。NO吸着材1は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて撮影された写真において、100個の粒子径を測定し、その算術平均値を算出することによって求められる。NO吸着材の平均粒子径の下限は、5nm以上、または10nm以上であることがより好ましく、下限は、1000nm以下、または500nm以下であることがより好ましい。具体的には、例えば、NO吸着剤1の平均粒子径は、5nm以上1000nm以下がより好ましい。
NO吸着材1においては、温度298Kおよび相対水蒸気圧(p/p)0.1の環境下でNO吸着材1の水分吸着量が8重量%以下であることが好ましく、5重量%以下であることがより好ましい。この条件におけるNO吸着材1の水分吸着量が8重量%以下であれば、水分を吸着しにくいので、水分が存在する環境下であっても、NOを吸着することができる。NO吸着材1の上記水分吸着量は、蒸気吸着・ガス吸着分析装置を用いて測定することができる。
NO吸着材1の表面積は、30m/g以上であることが好ましい。この表面積が、30m/g以上であれば、一般的な材料の表面積が確保できる。この表面積の下限は、表面積を確保するため、100m/g以上、または300m/g以上であることがより好ましい。この表面積の上限は、炭素材料の安定性や操作性の観点から、3000m/g以下であることが好ましい。
シェル3の厚みは、1nm以上1000nm以下であることが好ましい。シェル3の厚みが1nm以上であれば、NOとの活性点が多いので、よりNOを吸着することができ、また1000nm以下であれば、コアシェル構造を維持できる。シェル3の厚みは、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて測定された画像において、10箇所のシェル3の厚みを測定し、その算術平均値を算出することによって求められる。シェル3の厚みの下限は、5nm以上、10nm以上、または100nm以上であることがより好ましく、上限は、500nm以下、200nm以下、100nm以下、または50nm以下であることがより好ましい。具体的には、例えば、シェル3の厚みは、5nm以上200nm以下であることがより好ましい。
NO吸着材1は、排ガス浄化装置、燃焼器、または自動車に組み込まれて用いることができる。
本実施形態によれば、NO吸着材1が、炭素材料からなるコア2と、コア2の表面2Aを覆い、かつニトロシル錯体を形成可能な遷移金属の酸化物を主成分とするシェル3とを含んでいるので、コア2の表面2A上に遷移金属の酸化物が高密度で存在している。これにより、多くの活性点が存在するので、NOの吸着容量を増大させることができる。
本実施形態によれば、ニトロシル錯体を形成可能な遷移金属を含む金属有機構造体を熱分解しているので、NOの吸着容量を増大させたNO吸着材1を得ることができる。
本発明を詳細に説明するために、以下に実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの記載に限定されない。図2は、[Co(NHCl]ClのX線回折パターンであり、図3aは、50-Co(III)/Zn-ZIFのSEM写真であり、図3bは、実施例3に係る50-Co(III)/Zn-CNPのSEM写真であり、図4aは、比較例5に係る20-Co(II)/Zn-CNPのTEM写真であり、図4bは、比較例6に係る100-Co(II)/Zn-CNPのTEM写真であり、図4cは、実施例3に係る50-Co(III)/Zn-CNPのTEM写真である。図5は、実施例3に係る50-Co(III)/Zn-CNP、50-Co(III)/Zn-ZIF、比較例2に係るCo(III)/C、比較例4に係るCo-Y、およびZIF-8における水蒸気吸着等温線のグラフであり、図6は、実施例3に係る50-Co(III)/Zn-CNPにおける、熱重量示差熱同時測定(TG-DTA)の結果を示すグラフであり、図7は、実施例3に係る50-Co(III)/Zn-CNPおよび比較例3に係るPd-BEAの1回目のNO吸着試験の結果を示すグラフであり、図8は、実施例1~4に係るCNPの1回目のNO吸着試験の結果を示すグラフである。
<材料>
実施例および比較例においては、以下の材料を用いた。以下の全ての成分は、使用前に再度精製されなかった。
・塩化コバルト(II)六水和物:メーカー名「富士フイルム和光純薬株式会社」
・酢酸コバルト(II):メーカー名「富士フイルム和光純薬株式会社」
・酢酸亜鉛二水和物:メーカー名「関東化学株式会社」
・塩化アンモニウム:メーカー名「富士フイルム和光純薬株式会社」
・塩酸:メーカー名「富士フイルム和光純薬株式会社」
・アンモニア水:メーカー名「富士フイルム和光純薬株式会社」
・過酸化水素:メーカー名「関東化学株式会社」
・2-メチルイミダゾール:メーカー名「富士フイルム和光純薬株式会社」
・Na型ベータゼオライト:メーカー名「ユニゼオ株式会社」
・硝酸パラジウム二水和物:メーカー名「Sigma-Aldrich」
・酢酸コバルト(II)四水和物:メーカー名「和光純薬株式会社」
・ゼオライトY(Si/Al=2.8):メーカー名「富士フイルム和光純薬株式会社」
<[Co(NHCl]Clの合成>
前駆体[Co(NHCl]Clの合成を、次のようにして行った。まず、2.5gのNHClを15mLの濃縮アンモニア水に溶解させた。次いで、5gの研磨されたCoCl6HOを攪拌しながらその溶液に添加して、分散された懸濁液を得た。その後、4mLの30%のH溶液を、激しく攪拌しながら滴下することによってその懸濁液に添加してCo2+イオンを酸化した。15mLの濃縮塩酸をその後添加され、その混合物を363Kで20分間加熱した。その後、その混合物を冷水で冷却し、沈殿物を1:1のHClと蒸留水で洗浄し、その後95%のエタノール溶液で洗浄した。その沈殿物を少なくとも2時間353Kで乾燥させて、前駆体[Co(NHCl]Clを得た。コバルトによって計算された収率は、72%であった。生成物を、XRDパターン(図2参照)によって確認された。
<実施例1~4:Co(III)/Zn-CNP>
x%molの[Co(NHCl]Clと(1-x)%molのZn(OAc)・2HOを含む0.0048molのCo/Zn共前駆体を60mLの蒸留水に363Kで溶解させた。次いで、8.62gの0.105molの2-メチルイミダゾール(HMim)を30mLの蒸留水に室温で溶解させた。2つの溶液を急速に混合し、かつ1時間353Kで維持した。その生成物を遠心分離によって収集し、3分間20mLの蒸留水で洗浄した。その生成物をx-Co(III)/Zn-ZIFと表記した。ここで、xは共前駆体中のコバルトのモル比であった。
上記で得られた約0.3gのZIFを、N雰囲気下で2時間1073Kで加熱して、熱分解した。昇温速度を約6K/分とした。x-Co(III)/Zn-ZIFからの熱分解後の生成物をx-Co(III)/Zn-CNPと表記した。なお、CNPは、炭素ナノ粒子を意味する。また、x-Co(III)/Zn-CNP中のCoは、Co酸化物であった。ここで、30-Co(III)/Zn-CNPを実施例1とし、40-Co(III)/Zn-CNPを実施例2とし、50-Co(III)/Zn-CNPを実施例3とし、60-Co(III)/Zn-CNPを実施例4とした。なお、ZIFやCNPの組成は、X線回折装置(XRD、製品名「RINT-2100」、株式会社リガク製、CuKα線使用)を用いて、2θ=5°~50°、λ=1.54178Å、40kVおよび40mAの条件で測定によって確認された。
<比較例1:Co2+-CNP>
酢酸がZIFナノ粒子の成長を促進する可能性があるので、ZIF-67の合成のために、硝酸コバルトの代わりに酢酸コバルトを用いた。0.85gのCo(OAC)を30mLの蒸留水に溶解させ、3mLの2molのHCl溶液を添加して、前駆体の強加水分解を防いだ。8.62gのHminを60mLの蒸留水に溶解させた。2つの溶液を急速に混合し、室温で1時間維持した。その生成物を、遠心分離(6000r/n、7分)によって収集し、3分間20mLの蒸留水で洗浄した。
上記で得られた約0.3gのZIFを、N雰囲気下で2時間1073Kで熱分解し、昇温速度を約6K/分とした。ZIF-67からの生成物をCo2+-CNPと表記した。
<比較例2:Co(III)/C>
0.17gの[Co(NHCl]Cl(4%Coドープ)を40mLの蒸留水に溶解させ、1gの活性炭を2時間攪拌しながらその溶液に添加し、Co前駆体を極力吸着させた。次いで、4gのNaOHと10mLのHOからなるNaOH溶液を前者の溶液に迅速に入れ、1時間353Kで維持して、Co前駆体を加水分解してCo(III)酸化物または水酸化物とした。最後に、得られたCo3+がドープされた活性炭を真空濾過によって分離し、洗浄した。乾燥したCo3+がドープされた活性炭をCo(III)/Cと表記し、コバルト種をX線回折パターンによって確認した。
<比較例3:Pd-BEA>
5gのナトリウム型ベータゼオライト(Na-BEA、Si/Al=5.6)を、60mLの2MのNHNO水溶液で3時間353Kで3回イオン交換し、アンモニウム型ベータゼオライト(NHBEA)を得た。3重量%のPdを有するベータゼオライトを、次のように含浸によって調製した。
硝酸パラジウム二水和物の特定量を5mLの脱イオン水に溶解させ、その溶液を1gのNH-ベータゼオライトに添加した。その混合物を攪拌し、水が除去されるまで加熱した。残留物に5mLの脱イオン水を添加し、乾燥した。この手順をもう一度繰り返し、O15%/Nで823Kで2時間(2K/分のランピング速度)熱分解した。
<比較例4:Co-Y>
1.5gのナトリウム型ゼオライトY(Na-Y、Si/Al=2.8)を100mLの10mMのCo(OAc)・4HOで室温で2回24時間イオン交換し、次いでコバルト型ゼオライトY(Co-Y)を得た。
<比較例5、6:Co(II)/Zn-CNP>
[Co(NHCl]Clの代わりに、[Co(NH]Clを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、x-Co(II)/Zn-ZIFを得た。
<表面積測定>
実施例1~4に係るCNPの表面積を、液体窒素を用いて77Kでガス吸着アナライザー(製品名「QUADRASORB evo」、アントンパール社製)によってt-法およびBET法によって決定したところ、表1に示されるような結果が得られた。なお、これらのCNPを200℃および300℃で測定前に少なくとも3時間脱ガスした。
Figure 2023042207000002
<SEM写真>
50-Co(III)/Zn-ZIFおよび実施例3に係る50-Co(III)/Zn-CNPおよびのSEM写真を撮影したところ、図3aおよび図3bのようなSEM写真が得られた。SEM写真の撮影は、走査型電子顕微鏡(SEM、S-4500、株式会社日立ハイテクノロジーズ製)を用いて15.0kVで高真空度で行った。また、金の薄コーティングを、帯電の影響を減少させるために試験前にサンプル上にスパッタした。
<TEM写真>
実施例3に係る50-Co(III)/Zn-CNPにおけるCo酸化物の分散状態を把握するために50-Co(III)/Zn-CNPのTEM写真を撮影したところ、図4cのようなTEM写真が得られた。得られたTEM写真においては、Co酸化物が存在する箇所が、黒く写るので、この画像からコアとしての炭素材料の表面にシェルとしてのCo酸化物層が形成されていることが理解できる。なお、図4aは、比較例5に係る20-Co(II)/Zn-CNPのTEM写真であり、図4bは、比較例6に係る100-Co(II)/Zn-CNPのTEM写真であるが、2価のCoを用いたCNPは、不定形であり、またCo酸化物層のシェルも形成されていなかった。TEM写真の撮影は、透過型電子顕微鏡(TEM、JEM-2010F)を用いて、高真空度で200.0kVの条件で行われた。TEM用のサンプルは、銅グリッドを高分散サンプル-エタノール懸濁液に浸漬させることによって調製された。また、得られたTEM写真において、50-Co(III)/Zn-CNPの平均粒子径を求めたところ、おおよそ1500nmであった。TEM写真において、50-Co(III)/Zn-CNPは六角形状であったので、粒子径は頂点同士を結ぶ線のうち最も長い線の長さとした。NO吸着材の平均粒子径は、TEM写真において、10個の粒子径を測定し、その算術平均値を算出することによって求められた。また、得られたTEM写真において、Co酸化物層の厚みを測定したところ、約120nmであった。Co酸化物層の厚みは、TEM写真において、10箇所の厚みを測定し、その算術平均値を算出することによって求められた。
<水分吸着量測定>
実施例3に係る50-Co(III)/Zn-CNP、50-Co(III)/Zn-ZIF、比較例2に係るCo(III)/C、比較例4に係るCo-Y、およびZIF-8において、蒸気吸着・ガス吸着分析装置(製品名「VSTARシステム」、アントンパール社製)を用いて298Kで水分吸着量を測定したところ、図5のグラフに示される水蒸気吸着等温線が得られた。50-Co(III)/Zn-CNPにおいては、温度298Kおよび相対水蒸気圧(p/p)0.1の環境下で水分吸着量は、5重量%であった。測定前12時間、ZIFは200℃で脱ガスされ、他の材料は250℃で脱ガスされた。
<TG-DTA測定>
実施例3に係る50-Co(III)/Zn-CNPにおいて、熱重量示差熱同時測定装置(TG-DTA)(製品名「Thermo plus EVO2 TG-DTA8120」、株式会社リガク製)を用いて、分析を行ったところ、図6のようなグラフが得られた。このグラフから、実施例3に係る50-Co(III)/Zn-CNPの引火点は、270℃であることが理解できる。なお、この測定においては、大気雰囲気において500℃までを測定を行い、また標準サンプルとして活性アルミナを使用した。
<NO吸着試験>
実施例1~4に係るCNPおよび比較例3に係るPd-BEAにおいて、NO吸着試験を行った。吸着材によるNO吸着量を、吸着材の添加前と添加後のNO濃度-時間曲線間の面積の差によって検出した。NO吸着試験のため、ガス濃度を373Kで[NO]=500ppm、[O]=10%、および[N]=89.5%に設定し、NOのモル流量を90mg吸着で4.46μmol/分とした。ガスを少なくとも10分間500ppmで安定するまで流し、次いでガスを[O]=10%、および[N]=90%に切替え、吸着材にNOガスのための脱離プロセスを行った。吸着-脱離サイクルを5回繰り返し行った。1回目においては、吸着は不可逆吸着および可逆吸着の両方の合計とした。可逆吸着および可逆脱離は、最終回から得ることができる。NOガスにおける吸着材の不可逆吸着は1回目と最終回の間の差によって計算された。
吸着の可逆性試験を行うと、2回目以降は1回目の吸着量を再現できないため、2回目以降は1回目の再現を得るために、以下の処理を行った。NO吸着材の熱処理を、12.5K/分の加熱速度で8分間行い、次いで温度を473Kで20分間維持した。水素処理をNによって平衡となった1%のHで373Kで行った。熱処理および水素処理は、8分間12.5K/分の昇温速度で行われ、次いで473Kで50分間維持された。酸化雰囲気(Nによって平衡となった10%のO)を、30分後に還元雰囲気(Nによって平衡となった1%のH)に切り替えた。
図7、8のグラフにおいては、NOが吸着材に吸着されると、NO濃度は低くなるので、NO吸着試験開始時からNO濃度の最高到達点までの時間が遅いほど、NOが吸着材に吸着されていると考えることができる。このため、図7のグラフから、実施例3に係る50-Co(III)/Zn-CNPは、比較例3に係るPd-BEAよりもNO吸着量が多かったことが理解できる。また、NO吸着量は、比較例3に係るPd-BEA(dry)で240μmol/gであり、またPd-BEA(wet)で160μmol/gであるのに対し、実施例3に係る50-Co(III)/Zn-CNP(dry)で670μmol/gであり、実施例3に係る50-Co(III)/Zn-CNP(wet)で570μmol/gであった。このことからも、実施例3に係る50-Co(III)/Zn-CNPは、比較例3に係るPd-BEAよりもNO吸着量が多かったことが理解できる。また、図8のグラフから、実施例1、2、4に係るCNPもNOを吸着できることが理解できる。なお、実施例1~4に係るCNPにおいては、比較的低温(473K)での熱処理および水素処理で繰り返しの使用に耐え得るものであった。

Claims (6)

  1. 遷移金属を含む多孔質の金属有機構造体を準備する工程と、
    前記金属有機構造体を熱分解して、炭素材料からなるコアと、前記コアの表面を覆う前記遷移金属の酸化物を主成分とするシェルとを含むコアシェル型のNO吸着材を得る工程と、を備え、
    前記金属有機構造体に含まれる前記遷移金属が、ニトロシル錯体を形成可能な遷移金属を含む、NO吸着材の製造方法。
  2. 前記金属有機構造体が、ゼオライト型イミダゾレート構造体である、請求項1に記載のNO吸着材の製造方法。
  3. 前記金属有機構造体が、2価の遷移金属をさらに含む、請求項1または2に記載のNO吸着材の製造方法。
  4. 炭素材料からなるコアと、前記コアの表面を覆い、かつ遷移金属の酸化物を主成分とするシェルとを含み、
    前記シェルが、ニトロシル錯体を形成可能な遷移金属の酸化物を含む、コアシェル型のNO吸着材。
  5. 前記シェルの厚みが、1nm以上1000nm以下である、請求項4に記載のNO吸着材。
  6. 請求項4または5に記載のNO吸着材を備える、排ガス浄化装置。

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