JP2023041560A - 電磁鋼帯の接合継手および摩擦撹拌接合方法、ならびに、電磁鋼帯の製造方法 - Google Patents

電磁鋼帯の接合継手および摩擦撹拌接合方法、ならびに、電磁鋼帯の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】被接合材となる電磁鋼帯の板厚が互いに異なる場合であっても、コイル接合部の機械的特性の劣化や形状の劣化による製造ラインでのコイル接合部の破断発生を抑止することができる、電磁鋼帯の接合継手を提供する。【解決手段】接合部および熱加工影響部の鋼組織をそれぞれ、フェライト相主体の組織とし、かつ、次式(1)~(4)の関係を満足させる。Dsz ≦ 200μm ・・・(1)Dhaz1 ≦ Dbm1 ・・・(2)Dhaz2 ≦ Dbm2 ・・・(3)0.9×(Hbm1+Hbm2)/2 ≦ Hsz ≦ 1.2 ×(Hbm1+Hbm2)/2 ・・・(4)【選択図】図1

Description

本発明は、電磁鋼帯の接合継手および摩擦撹拌接合方法、ならびに、電磁鋼帯の製造方法に関する。
鋼板の製造ライン、例えば、酸洗、冷間圧延、焼鈍およびめっきなどの製造ラインでは、生産性の向上や歩留りを高くするために、いわゆるコイル接合を実施したうえで、鋼帯を通板することが一般的である。ここで、コイル接合とは、製造ラインにおいて、先行する鋼帯(以下、先行鋼帯ともいう)の端部(後端)と、先行鋼帯に続く鋼帯(以下、後行鋼帯ともいう)の端部(先端)とを接合するものである(以下、コイル接合により形成される接合部を、コイル接合部ともいう)。なお、先端は、製造ラインにおける鋼帯の進行方向側の端部である。また、後端は、製造ラインにおける鋼帯の進行方向反対側の端部である。このコイル接合を行うことにより、鋼帯の全長にわたり、張力を付与した状態で圧延等することが可能となる。また、鋼帯の先端や後端においても、板厚や形状を高精度に制御することが可能となる。
コイル接合では、従来、フラッシュバット溶接等が適用されることが一般的であった。しかし、レーザ溶接機の進歩に伴い、例えば、電磁鋼板やステンレス鋼板、高張力鋼板の製造ラインでも、コイル接合にレーザ溶接を適用することが主流となりつつある。
このような技術として、例えば、特許文献1には、
「高Si鋼を溶接するに際し、Niを主成分とするフィラーワイヤを用い、あるいはNiを主成分とする粉末フィラーを供給して溶接金属の化学組成が下記 (1)式を満足するように溶接を行うことを特徴とする高Si鋼のレーザー溶接方法。
X=[%Ni]-[%Si]×2.5 -([%Cr]+[%Mo])×0.4 ≧0・・(1)
ただし、[%Ni]、[%Si]、[%Cr]および[%Mo]は、それぞれ、溶接金属中のNi、Si、CrおよびMoの含有量(重量%)を表す。」
が開示されている。
特許文献2には、
「先行板と後行板とを突合せてフィラーワイヤーを用いてレーザー溶接する方法において、溶接初期の前記先行板と後行板の突合せギャップ(Gap)と溶接金属の平均巾(DEPO)との比(Gap/DEPO)が0.3~0.8であることを特徴とするレーザー溶接方法。」
が開示されている。
特許文献3には、
「連続冷間圧延ライン上を搬送される特殊鋼からなる先行薄板と後行薄板とをレーザー溶接して形成された溶接部において、
冷間圧延によって母材の上面側に延び出た溶接金属からなる上側延出部の下側に存在する前記母材の最小厚みをL1とし、冷間圧延によって前記母材の下面側に延び出た溶接金属からなる下側延出部と前記上側延出部に挟まれた前記母材の最小厚みをL2とすると、L1及びL2の少なくともいずれかがゼロより大きいことを特徴とする薄板の溶接部。」
が開示されている。
特開平5-305466号公報 特開2004-25284号公報 特開2011-140026号公報 特表平07-505090号公報 特許第3261433号 特許第4838385号 特許第4838388号
Cui, L.; Fujii, H.; Tsuji, N.; Nogi, K. Scripta Mater. 2007, 56, p.637-640.
しかし、レーザ溶接は溶融溶接であるため、溶融および凝固時の不純物の偏析に起因する脆化や、水素侵入に起因する脆化が生じ、接合部(溶接部)の機械的特性の劣化を招く場合がある。特に、電磁鋼板の成分組成にはSiが多量に含有されているため、コイル接合部の機械的特性の劣化が顕著となり易い。そのため、特許文献1~3のように、電磁鋼帯、特に板厚が異なる電磁鋼帯のコイル接合としてレーザ溶接を適用すると、製造ライン、例えば、連続冷間圧延ラインにおいて、コイル接合部に破断が生じ、ライン停止などによる生産性の低下を招くという問題があった。
本発明は、上記の問題を解決するために開発されたものであって、被接合材となる電磁鋼帯の板厚が互いに異なる場合であっても、コイル接合部の機械的特性の劣化や形状の劣化による製造ラインでのコイル接合部の破断発生を抑止することができる、電磁鋼帯の接合継手を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記の電磁鋼帯の接合継手を得るための電磁鋼帯の摩擦攪拌接合方法を提供することを目的とする。さらに、本発明は、上記の電磁鋼帯の摩擦攪拌接合方法を用いた電磁鋼帯の製造方法を提供することを目的とする。
さて、発明者らは、上記の目的を達成すべく、鋭意検討を重ねた。まず、発明者らは、電磁鋼帯のコイル接合としてレーザ溶接を適用する場合に、コイル接合部の機械的特性の劣化や形状の劣化が生じる理由を調査・検討したところ、以下の知見を得た。
(a)上述したように、電磁鋼板の成分組成には、Siが多量に、具体的には、2.0~5.0質量%程度含有されている。Siは、フェライト安定化元素である。そのため、電磁鋼帯のコイル接合に一般的なレーザ溶接を適用すると、溶融部であるコイル接合部のフェライト結晶粒、さらには、熱影響部のフェライト結晶粒が粗大化する。これにより、コイル接合部の機械的特性、特に、靭性や曲げ強度が大幅に劣化し、製造ラインでのコイル接合部の破断発生を招く。
(b)また、上記した特許文献1~3の技術では、オーステナイト安定化元素であるNiを主成分とする溶加材(フィラー)を用いる。そのため、コイル接合部では、主にオーステナイト相が得られる。しかし、上記した特許文献1~3の技術では、先行鋼帯と後行鋼帯との突合せギャップの変動をなくして溶融部(溶接金属)での溶加材の融合量と鋼板の融合量とを極めて厳格に管理し、溶融部(溶接金属)でのNi当量とCr当量とのバランスを常時適正に制御する必要がある。すなわち、溶融部(溶接金属)でのNi当量とCr当量とのバランスが適正に制御されないと、コイル接合部に硬く脆い組織であるマルテンサイト相が形成される。これにより、コイル接合部の機械的特性、特に、靭性が大幅に劣化する。また、熱影響部では、フェライト結晶粒の粗大化により、コイル接合部の機械的特性が大幅に劣化する。これらの理由により、製造ラインでのコイル接合部の破断発生を招く。
ここで、Ni当量およびCr当量は、それぞれ次式により定義される。
Ni当量 = [%Ni]+30×[%C]+0.5 × [%Mn]
Cr当量 = [%Cr]+[%Mo]+1.5×[%Si]+0.5×[%Nb]
式中、[%Ni]、[%C]、[%Mn]、[%Cr]、[%Mo]、[%Si]および[%Nb]はそれぞれ、溶接金属中のNi、C、Mn、Cr、Mo、SiおよびNbの含有量(質量%)である。
(c)さらに、上記した先行鋼帯と後行鋼帯との突合せギャップの変動は、溶接部の余盛高さに影響を及ぼす。例えば、溶接部の余盛高さが高くなり、溶接部が過度な凸形状となる場合、溶接部に負荷がかかると、溶接止端部に応力が集中する。そのため、上記した先行鋼帯と後行鋼帯との突合せギャップの変動は、この点でも、製造ラインでのコイル接合部の破断発生の原因となる。なお、溶接部の余盛は研削などにより除去することができるが、このような工程の増加は生産性の大幅な低下を招く。
上記の点を踏まえ、発明者らがさらに種々の検討を重ねたところ、発明者らは、電磁鋼帯のコイル接合として摩擦攪拌接合を適用することに着想した。
ここで、摩擦攪拌接合とは、回転ツールと被接合材との摩擦熱、および、被接合材の塑性流動を利用した固相接合である。すなわち、回転ツールにより被接合材の未接合部(接合予定領域)を摩擦攪拌する。被接合材の未接合部が摩擦熱により加熱されると、塑性流動が開始する。そして、塑性流動域と母材部との界面が大きく伸長される。これにより、酸化物の無い清浄な界面同士が接触し、被接合材が溶融することなく接合部が形成される。ここで、接合部は、回転ツールと被接合材との摩擦熱と塑性流動による熱間加工を受け再結晶組織となる領域であり、撹拌部と呼ばれる場合もある。また、接合部に隣接する領域には、摩擦熱と塑性流動による熱間加工の影響を受けるものの、温度や加工が不十分で再結晶に至らない組織となる領域が形成される。この領域を熱加工影響部という。さらに、被接合材には、摩擦熱と塑性流動による熱間加工の影響を受けない領域も存在する。この領域を母材部という。なお、摩擦攪拌接合に関する技術が、例えば、特許文献4~7および非特許文献1に開示されているが、これらはいずれも、電磁鋼帯のコイル接合に適用するものではない。
そこで、発明者らは、上記の着想に基づき、さらに種々の検討を重ねたところ、以下の知見を得た。
(d)上記(a)~(c)の問題を有利に解決するには、電磁鋼帯のコイル接合として摩擦攪拌接合を適用したうえで、接合部および熱加工影響部の鋼組織をフェライト主体の組織とし、かつ、接合部および熱加工影響部の鋼組織の微細化と、接合部と母材部の硬度差の低減とを同時に図る、具体的には、次式(1)~(4)の関係を同時に満足させる、ことが重要である。
これにより、被接合材として電磁鋼帯を用いる場合であっても、コイル接合部の形状の劣化を招くことなくコイル接合部の機械的特性が高まり、製造ラインでのコイル接合部の破断発生が有効に抑止される。
Dsz ≦ 200μm ・・・(1)
Dhaz1 ≦ Dbm1 ・・・(2)
Dhaz2 ≦ Dbm2 ・・・(3)
0.9×(Hbm1+Hbm2)/2 ≦ Hsz ≦ 1.2 ×(Hbm1+Hbm2)/2 ・・・(4)
ここで、
Dszは、接合部のフェライト粒径の平均値(μm)、
Dhaz1は、第1の電磁鋼帯側の熱加工影響部のフェライト粒径の平均値(μm)、
Dhaz2は、第2の電磁鋼帯側の熱加工影響部のフェライト粒径の平均値(μm)、
Dbm1は、第1の電磁鋼帯の母材部のフェライト粒径の平均値(μm)、
Dbm2は、第2の電磁鋼帯の母材部のフェライト粒径の平均値(μm)、
Hszは、接合部の硬さの平均値、
Hbm1は、第1の電磁鋼帯の母材部の硬さの平均値
Hbm2は、第2の電磁鋼帯の母材部の硬さの平均値
である。
(e)また、上掲式(1)~(4)の関係を同時に満足させたうえで、次式(5)および(6)の関係を満足させることが好ましい。これにより、被接合材として電磁鋼帯を用いる場合であっても、コイル接合部の形状の劣化を招くことなくコイル接合部の機械的特性が高まり、製造ラインでのコイル接合部の破断発生がより有効に抑止される。
0.8×TbmL ≦ TszL ・・・(5)
TszH ≦ 1.3×TbmH ・・・(6)
ここで、
TszLは、接合部の厚さの最小値(mm)、
TszHは、接合部の厚さの最大値(mm)、
TbmLは、第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯のうち、薄い方の電磁鋼帯の板厚(mm)、
TbmHは、第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯のうち、厚い方の電磁鋼帯の板厚(mm)、
である。
(f)さらに、上記のような電磁鋼帯の接合継手を得るためには、
・接合方式としていわゆる両面摩擦攪拌接合を適用し、
・そのうえで、先端面が、中心部と、該中心部の周縁に隣接して配置される外周部とを有し、該外周部がテーパ形状である回転ツールを用いて接合を行う、
ことが重要である。
これにより、被接合材となる電磁鋼帯の板厚が互いに異なる場合であっても、コイル接合部の機械的特性の劣化や形状の劣化による製造ラインでのコイル接合部の破断発生を抑止しつつ接合速度を高速度化することが可能となる。
(g)また、回転ツールの中心部の直径D1(mm)について、次式(7)の関係を満足させ、かつ、
接合条件を適切に制御する、特には、回転ツールの回転数RS(回/分)、回転ツールの中心部の直径D1(mm)および接合速度JS(mm/分)により表されるRS×D1 3/JSについて、次式(8)の関係を満足させる、
ことが好適である。
これにより、被接合材となる電磁鋼帯の板厚が互いに異なる場合であっても、より有利に、コイル接合部の機械的特性の劣化や形状の劣化による製造ラインでのコイル接合部の破断発生を抑止しつつ接合速度を高速度化することが可能となる。
4×TJ 1 10×TJ ・・・(7)
200×TJ RS×D1 3/JS 2000×TJ ・・・(8)
ここで、TJは、
未接合部が突合せ部の場合、第1の電磁鋼帯の板厚および第2の電磁鋼帯の板厚の平均値(mm)であり、
未接合部が重ね合せ部の場合、重ね合せ部の厚さ(mm)である。
本発明は、上記の知見に基づき、さらに検討を加えて完成されたものである。
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
1.第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯とを接合する、電磁鋼帯の接合継手であって、
該第1の電磁鋼帯の板厚と該第2の電磁鋼帯の板厚とが異なり、
該電磁鋼帯の接合継手は、接合部と、該接合部に隣接する熱加工影響部とをそなえ、
該接合部および該熱加工影響部の鋼組織はそれぞれ、フェライト相主体の組織であり、
次式(1)~(4)の関係を満足する、電磁鋼帯の接合継手。
Dsz ≦ 200μm ・・・(1)
Dhaz1 ≦ Dbm1 ・・・(2)
Dhaz2 ≦ Dbm2 ・・・(3)
0.9×(Hbm1+Hbm2)/2 ≦ Hsz ≦ 1.2 ×(Hbm1+Hbm2)/2 ・・・(4)
ここで、
Dszは、接合部のフェライト粒径の平均値(μm)、
Dhaz1は、第1の電磁鋼帯側の熱加工影響部のフェライト粒径の平均値(μm)、
Dhaz2は、第2の電磁鋼帯側の熱加工影響部のフェライト粒径の平均値(μm)、
Dbm1は、第1の電磁鋼帯の母材部のフェライト粒径の平均値(μm)、
Dbm2は、第2の電磁鋼帯の母材部のフェライト粒径の平均値(μm)、
Hszは、接合部の硬さの平均値、
Hbm1は、第1の電磁鋼帯の母材部の硬さの平均値
Hbm2は、第2の電磁鋼帯の母材部の硬さの平均値
である。
2.次式(5)および(6)の関係を満足する、前記1に記載の電磁鋼帯の接合継手。
0.8×TbmL ≦ TszL ・・・(5)
TszH ≦ 1.3×TbmH ・・・(6)
ここで、
TszLは、接合部の厚さの最小値(mm)、
TszHは、接合部の厚さの最大値(mm)、
TbmLは、第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯のうち、薄い方の電磁鋼帯の板厚(mm)、
TbmHは、第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯のうち、厚い方の電磁鋼帯の板厚(mm)、
である。
3.連続冷間圧延ラインにおいて、第1の電磁鋼帯と、該第1の電磁鋼帯に続く第2の電磁鋼帯とを、互いに対向する一対の回転ツールにより接合する、電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法であって、
前記第1の電磁鋼帯の端部と前記第2の電磁鋼帯の端部との突合せ部、または、重ね合せ部である未接合部に、前記回転ツールを、該未接合部の両面から互いに逆方向に回転させながら押圧し、
ついで、前記回転ツールを接合方向に移動させることにより、前記第1の電磁鋼帯と前記第2の電磁鋼帯とを接合し、
また、
前記第1の電磁鋼帯の板厚と前記第2の電磁鋼帯の板厚とが異なり、
前記回転ツールの先端面が、中心部と、該中心部の周縁に隣接して配置される外周部とを有し、
前記外周部がテーパ形状であり、
前記第1の電磁鋼帯と前記第2の電磁鋼帯の接合により形成される接合部および熱加工影響部の鋼組織がそれぞれ、フェライト相主体の組織となり、かつ、次式(1)~(4)の関係を満足する条件で、接合を行う、電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法。
Dsz ≦ 200μm ・・・(1)
Dhaz1 ≦ Dbm1 ・・・(2)
Dhaz2 ≦ Dbm2 ・・・(3)
0.9×(Hbm1+Hbm2)/2 ≦ Hsz ≦ 1.2 ×(Hbm1+Hbm2)/2 ・・・(4)
ここで、
Dszは、接合部のフェライト粒径の平均値(μm)、
Dhaz1は、第1の電磁鋼帯側の熱加工影響部のフェライト粒径の平均値(μm)、
Dhaz2は、第2の電磁鋼帯側の熱加工影響部のフェライト粒径の平均値(μm)、
Dbm1は、第1の電磁鋼帯の母材部のフェライト粒径の平均値(μm)、
Dbm2は、第2の電磁鋼帯の母材部のフェライト粒径の平均値(μm)、
Hszは、接合部の硬さの平均値、
Hbm1は、第1の電磁鋼帯の母材部の硬さの平均値
Hbm2は、第2の電磁鋼帯の母材部の硬さの平均値
である。
4.次式(5)および(6)の関係を満足する条件で接合を行う、前記3に記載の電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法。
0.8×TbmL ≦ TszL ・・・(5)
TszH ≦ 1.3×TbmH ・・・(6)
ここで、
TszLは、接合部の厚さの最小値(mm)、
TszHは、接合部の厚さの最大値(mm)、
TbmLは、第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯のうち、薄い方の電磁鋼帯の板厚(mm)、
TbmHは、第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯のうち、厚い方の電磁鋼帯の板厚(mm)、
である。
5.前記外周部のテーパ角度αが2~20°である、前記3または4に記載の電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法。
6.前記中心部と前記外周部との境界の周方向位置が、0.15×D~0.35×Dの範囲である、前記3~5のいずれかに記載の電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法。
ここで、周方向位置とは、回転ツールの先端面の周方向における回転軸からの距離である。また、Dは回転ツールの先端面の直径である。
7.前記外周部が、その表面に、前記回転ツールの回転方向の渦状の段差部を有する、前記3~6のいずれかに記載の電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法。
8.前記外周部が、その表面に、前記回転ツールの回転反対方向の渦状の段差部を有する、前記3~6のいずれかに記載の電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法。
9.前記中心部が、平面、凸型の曲面、または、凹型の曲面である、前記3~8のいずれかに記載の電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法。
10.前記中心部が、その表面に、前記回転ツールの回転反対方向の渦状の段差部を有する、前記3~9のいずれかに記載の電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法。
11.前記回転ツールの中心部の直径D1(mm)が、次式(7)の関係を満足し、かつ、
前記回転ツールの回転数RS(回/分)、前記回転ツールの中心部の直径D1(mm)および接合速度JS(mm/分)により表されるRS×D1 3/JSが、次式(8)の関係を満足する、前記3~10のいずれかに記載の電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法。
4×TJ 1 10×TJ ・・・(7)
200×TJ RS×D1 3/JS 2000×TJ ・・・(8)
ここで、TJは、
未接合部が突合せ部の場合、第1の電磁鋼帯の板厚および第2の電磁鋼帯の板厚の平均値(mm)であり、
未接合部が重ね合せ部の場合、重ね合せ部の厚さ(mm)である。
12.前記第1の電磁鋼帯の端部と前記第2の電磁鋼帯の端部との突合せ部において、一方の面のみに段差があり、
該段差がある面側に配置した前記回転ツールのアドバンシングサイドが、前記第1の電磁鋼帯と前記第2の電磁鋼帯のうち、板厚が小さい電磁鋼帯の側であり、
該段差がある面側に配置した前記回転ツールのリトリーティングサイドが、前記第1の電磁鋼帯と前記第2の電磁鋼帯のうち、板厚が大きい電磁鋼帯の側である、前記3~11のいずれかに記載の電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法。
13.前記3~12のいずれかに記載の電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法により第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯とを接合し、接合鋼帯を得る工程と、
該接合鋼帯に冷間圧延を施し、冷延鋼帯を得る工程と、をそなえる、電磁鋼帯の製造方法。
本発明によれば、被接合材として互いに板厚の異なる電磁鋼帯を使用する場合であっても、コイル接合部の機械的特性の劣化や形状の劣化が生じず、製造ラインでのコイル接合部の破断発生が有効に抑止される。これにより、電磁鋼板の生産性の一層の向上を図ることができ、産業上の利用価値は極めて大きい。また、欠陥発生を抑制しつつ接合速度を高速度化することができるので、施工能率の点でも極めて有利である。なお、ここでいう電磁鋼帯とは、主として中間成品を意味する。
本発明の一実施形態に従う電磁鋼帯の接合継手の模式図である。 本発明の一実施形態に従う電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法を説明する概略図であり、両面摩擦撹拌接合方法による突合せ接合の例を示す図である。 本発明の一実施形態に従う電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法で使用する回転ツールの形状の例を示す模式図である。 本発明の一実施形態に従う電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法で使用する回転ツールの形状の例を示す模式図である。 本発明の一実施形態に従う電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法で使用する回転ツール(中心部平面回転ツール)の形状の例を示す模式図である。 本発明の一実施形態に従う電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法で使用する回転ツール(中心部凸型回転ツール)の形状の例を示す模式図である。 本発明の一実施形態に従う電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法で使用する回転ツール(中心部凹型回転ツール)の形状の例を示す模式図である。 本発明の一実施形態に従う電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法で使用する回転ツール(中心部に凹部状の段差部を設けた中心部平面回転ツール)の形状の例を示す模式図である。 本発明の一実施形態に従う電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法で使用する回転ツール(中心部に凹部状の段差部を設けた中心部凸型回転ツール)の形状の例を示す模式図である。 本発明の一実施形態に従う電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法で使用する回転ツール(中心部に凹部状の段差部を設けた中心部凹型回転ツール)の形状の例を示す模式図である。 本発明の一実施形態に従う電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法で使用する回転ツール(中心部に階段状の段差部を設けた中心部凸型回転ツール)の形状の例を示す模式図である。 本発明の一実施形態に従う電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法を説明する概略図であり、両面摩擦撹拌接合方法による突合せ接合の例を示す図である。
本発明を、以下の実施形態に基づき説明する。
[1]電磁鋼帯の接合継手
まず、本発明の一実施形態に従う電磁鋼帯の接合継手を、図1を用いて説明する。図中、符号1が第1の電磁鋼帯(被接合材)、2が第2の電磁鋼帯(被接合材)、4が接合部、4-1が熱加工影響部(第1の電磁鋼帯側)、4-2が熱加工影響部(第2の電磁鋼帯側)である。ここで、図1は、電磁鋼帯の接合継手の板厚方向の断面図である。図中、鉛直方向が板厚方向である。水平方向が、接合方向に垂直でかつ、板厚方向に垂直な方向(以下、接合垂直方向ともいう)である。紙面に垂直な方向が、接合方向である。すなわち、図1に示す面(ここでいう板厚方向の断面)内には、接合垂直方向と板厚方向とが含まれる。なお、図1では、第1の電磁鋼帯の板厚t1<第2の電磁鋼帯の板厚t2の例を示しているが、t1およびt2の関係は、t1<t2であっても、t1>t2であってもよい。
本発明の一実施形態に従う電磁鋼帯の接合継手は、
第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯とを接合する、電磁鋼帯の接合継手であって、
該第1の電磁鋼帯の板厚と該第2の電磁鋼帯の板厚とが異なり、
該電磁鋼帯の接合継手は、接合部と、該接合部に隣接する熱加工影響部とをそなえ、
該接合部および該熱加工影響部の鋼組織はそれぞれ、フェライト相主体の組織であり、
次式(1)~(4)の関係を満足する、というものである。
Dsz ≦ 200μm ・・・(1)
Dhaz1 ≦ Dbm1 ・・・(2)
Dhaz2 ≦ Dbm2 ・・・(3)
0.9×(Hbm1+Hbm2)/2 ≦ Hsz ≦ 1.2 ×(Hbm1+Hbm2)/2 ・・・(4)
ここで、
Dszは、接合部のフェライト粒径の平均値(μm)、
Dhaz1は、第1の電磁鋼帯側の熱加工影響部のフェライト粒径の平均値(μm)、
Dhaz2は、第2の電磁鋼帯側の熱加工影響部のフェライト粒径の平均値(μm)、
Dbm1は、第1の電磁鋼帯の母材部のフェライト粒径の平均値(μm)、
Dbm2は、第2の電磁鋼帯の母材部のフェライト粒径の平均値(μm)、
Hszは、接合部の硬さの平均値、
Hbm1は、第1の電磁鋼帯の母材部の硬さの平均値
Hbm2は、第2の電磁鋼帯の母材部の硬さの平均値
である。
[被接合材(第1の電磁鋼帯および第2の電磁鋼帯)]
第1の電磁鋼帯および第2の電磁鋼帯は、被接合材である電磁鋼帯である。第1の電磁鋼帯および第2の電磁鋼帯の成分組成は、冷間圧延段階の電磁鋼帯(電磁鋼板)として一般的なものであれば特に限定されない。
このような電磁鋼帯の成分組成としては、Siを2.0~5.0質量%の範囲で含有する成分組成を例示できる。また、C:0.005質量%以下、Si:2.0~5.0質量%、Al:3.0質量%以下、Mn:2.00質量%以下、P:0.2質量%以下、S:0.01質量%以下、および、N:0.01質量%以下であり、残部がFeおよび不可避的不純物である成分組成を例示できる。なお、上記の成分組成には、質量%で、任意に、Sn:0.2%以下、Sb:0.2%以下、Ca:0.01%以下、REM:0.05%以下、および、Mg:0.01%以下からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有させることができる。さらに、上記の成分組成には、質量%で、任意に、Cr:1%以下、Ni:1%以下、および、Cu:1%以下からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有させることができる。
また、第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯の成分組成は、同じであっても、異なっていてもよい。
第1の電磁鋼帯の板厚t1および第2の電磁鋼帯の板厚t2は特に限定されるものではないが、t1およびt2はそれぞれ5mm以下が好適であり、1.2~3.2mmがより好適である。なお、上述したように、t1およびt2は、t1>t2であっても、t1<t2であってもよい。また、第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯の板厚比(板厚が大きい方の電磁鋼帯の板厚/板厚が小さい方の電磁鋼帯の板厚)は1.6以下が好ましい。
また、被接合材である第1の電磁鋼帯および第2の電磁鋼帯において、摩擦熱と塑性流動による熱間加工の影響を受けていない領域を、母材部という。
また、母材部、ならびに、後述する接合部および熱加工影響部は、以下のようにして画定する。
すなわち、電磁鋼帯の接合継手を、図1に示す面(すなわち、接合垂直方向と板厚方向とが含まれる面)が切断面となるように、板厚(鉛直)方向に切断する。ついで、切断面を研磨し、ピクリン酸飽和水溶液、ナイタール(硝酸とエタノールの溶液)または王水(濃塩酸と濃硝酸を3:1の体積比で混合した溶液)でエッチングする。ついで、当該切断面を光学顕微鏡で観察しエッチングの度合いなどから、母材部、ならびに、接合部および熱加工影響部を画定する。
[接合部]
接合部は、回転ツールと被接合材との摩擦熱と塑性流動による熱間加工を受け再結晶組織となる領域である。
接合部は、フェライト相主体の鋼組織、具体的には、面積率で95%以上のフェライト相により構成される。フェライト相の面積率は100%であってもよい。また、フェライト相以外の残部組織の面積率は5%以下である。フェライト相以外の残部組織としては、例えば、マルテンサイト、硫化物、窒化物や炭化物などの第二相等を例示できる。残部組織の面積率は0%であってもよい。
なお、フェライト相の面積率は、以下のようにして測定する。
すなわち、後述する接合部の測定領域が観察面に含まれるように、電磁鋼帯の接合継手から試験片を切り出す。なお、観察面は、図1に示す面(すなわち、接合垂直方向と板厚方向とが含まれる面)とする。ついで、試験片の観察面を研磨後、3vol.%ナイタール、ピクリン酸飽和水溶液または王水でエッチングし、組織を現出させる。ついで、後述する接合部の測定領域内において、合計10視野を、光学顕微鏡により、倍率:500倍で撮影する。ついで、得られた組織画像から、Adobe Systems社のAdobe Photoshopを用いて、フェライト相の面積を10視野分算出する。ついで、視野ごとに算出したフェライト相の面積をそれぞれの視野領域の面積で除し、100を乗じる。そして、それらの値の算術平均値を、フェライト相の面積率とする。
また、接合部の鋼組織を微細化する、具体的には、接合部の鋼組織を構成するフェライト結晶粒の粒径(以下、フェライト粒径ともいう)を小さくして次式(1)の関係を満足させることが重要である。これにより、被接合材として電磁鋼帯を用いる場合であっても、コイル接合部の形状の劣化を招くことなくコイル接合部の機械的特性が高まり、製造ラインでのコイル接合部の破断発生が有効に抑止される。
Dsz ≦ 200μm ・・・(1)
ここで、
Dszは、接合部のフェライト粒径の平均値(μm)、
である。
ここで、Dszは、JIS G 0551に準拠して測定する。具体的には、以下のようにして測定する。
すなわち、電磁鋼帯の接合継手を、図1に示す面(すなわち、接合垂直方向と板厚方向とが含まれる面)が切断面となるように、板厚(鉛直)方向に切断する。当該切断面において、接合垂直方向をX軸、板厚方向をY軸とする。そして、接合垂直方向における接合部の中心位置(例えば、突合せ継手の場合には、突合せギャップの中心位置であり、重ね継手の場合には、重ね合せ部の中心位置である)で、かつ、板厚(鉛直)方向における被接合材の板厚中心位置(例えば、突合せ継手の場合には、第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯のうち、板厚が小さい方の板厚中心位置であり、重ね継手の場合には、重ね合せ部の板厚中心位置である)を、X軸とY軸の原点とする。そして、X=-0.2×t~+0.2×t、Y=-0.2×t~+0.2×tの領域を測定領域とする。ここで、tは、第1の電磁鋼帯の板厚および第2の電磁鋼帯の板厚の平均値(mm)である。ただし、上記の測定領域に、熱加工影響部や母材部といった接合部ではない領域が含まれる場合には、当該領域を測定領域から除くものとする。なお、X軸およびY軸については、+および-を任意に設定すればよい。
そして、上記の測定領域内の任意の位置において、JIS G 0551「鋼-結晶粒度の顕微鏡試験方法」に準拠した切断法(試験線1mm当たりの捕捉した結晶粒数、または、交点の数Pによって評価する)により、接合部のフェライト粒径を計5回測定し、これらの平均値をDszとする。なお、接合部のフェライト粒径の測定領域を、以下、単に、接合部の測定領域ともいう。
また、接合部と母材部の硬度差を低減する、具体的には、次式(4)の関係を満足させることが重要である。これにより、被接合材として電磁鋼帯を用いる場合であっても、コイル接合部の形状の劣化を招くことなくコイル接合部の機械的特性が高まり、製造ラインでのコイル接合部の破断発生が有効に抑止される。
0.9×(Hbm1+Hbm2)/2 ≦ Hsz ≦ 1.2 ×(Hbm1+Hbm2)/2 ・・・(4)
ここで、
Hszは、接合部の硬さの平均値、
Hbm1は、第1の電磁鋼帯の母材部の硬さの平均値
Hbm2は、第2の電磁鋼帯の母材部の硬さの平均値
である。
ここで、Hsz、Hbm1およびHbm2は、JIS Z 2244に準拠して測定する。具体的には、それぞれ以下のようにして測定する。
すなわち、上記の切断面における上記の接合部の測定領域内の任意の5か所で、試験力:4.9Nの条件でビッカース硬さ(HV)を測定する。そして、これらの平均値をHszとする。
また、上記の切断面において、第1の電磁鋼帯の母材部の板厚中心位置±0.2×t1の領域(板厚(鉛直)方向)のレベル)内、および、第2の電磁鋼帯の母材部の板厚中心位置±0.2×t2の領域(板厚(鉛直)方向)のレベル)内の任意の5か所でそれぞれ、試験力:4.9Nの条件でビッカース硬さ(HV)を測定する。なお、接合垂直(水平)方向の位置については、母材部であればよく、任意に選択すればよい。そして、第1の電磁鋼帯の母材部および第2の電磁鋼帯の母材部で測定したビッカース硬さ(HV)の平均値をそれぞれ、Hbm1およびHbm2とする。ここで、t1およびt2はそれぞれ、第1および第2の電磁鋼帯の板厚である。
また、接合部の厚さは特に限定されるものではないが、第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯の厚さとの関係を適切に制御する、具体的には、次式(5)および(6)の関係を満足させることが好ましい。これにより、被接合材として電磁鋼帯を用いる場合であっても、コイル接合部の形状の劣化を招くことなくコイル接合部の機械的特性がより高まり、製造ラインでのコイル接合部の破断発生を一層有効に抑止することができる。
0.8×TbmL ≦ TszL ・・・(5)
TszH ≦ 1.3×TbmH ・・・(6)
ここで、
TszLは、接合部の厚さの最小値(mm)、
TszHは、接合部の厚さの最大値(mm)、
TbmLは、第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯のうち、薄い方の電磁鋼帯の板厚(mm)、
TbmHは、第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯のうち、厚い方の電磁鋼帯の板厚(mm)、
である。
なお、TszLおよびTszHは、例えば、電磁鋼帯の接合継手を、図1に示す面(すなわち、接合垂直方向と板厚方向とが含まれる面)が切断面となるように、板厚(鉛直)方向に切断し、当該切断面において、ノギスなどを用いて測定すればよい。
[熱加工影響部]
熱加工影響部は、接合部に隣接し、摩擦熱と塑性流動による熱間加工の影響を受けるものの温度や加工が不十分で再結晶組織に至らない領域である。また、熱加工影響部は、接合部に隣接して、第1の電磁鋼帯および第2の電磁鋼帯の両側に形成される。
熱加工影響部は、接合部と同様、フェライト相主体の鋼組織、具体的には、面積率で95%以上のフェライト相により構成される。フェライト相の面積率は100%であってもよい。また、フェライト相以外の残部組織の面積率は5%以下である。フェライト相以外の残部組織としては、例えば、マルテンサイト、硫化物、窒化物や炭化物などの第二相等を例示できる。残部組織の面積率は0%であってもよい。フェライト相の面積率は、上述した方法と同様の要領で測定すればよい。
また、熱加工影響部でも、鋼組織を微細化する、具体的には、熱加工影響部のフェライト粒径を母材部のフェライト粒径以下にする、すなわち、次式(2)および(3)の関係を満足させることが重要である。
Dhaz1 ≦ Dbm1 ・・・(2)
Dhaz2 ≦ Dbm2 ・・・(3)
ここで、
Dhaz1は、第1の電磁鋼帯側の熱加工影響部のフェライト粒径の平均値(μm)、
Dhaz2は、第2の電磁鋼帯側の熱加工影響部のフェライト粒径の平均値(μm)、
Dbm1は、第1の電磁鋼帯の母材部のフェライト粒径の平均値(μm)、
Dbm2は、第2の電磁鋼帯の母材部のフェライト粒径の平均値(μm)、
である。
ここで、Dhaz1、Dhaz2、Dbm1およびDbm2は、JIS G 0551に準拠して、接合部のフェライト粒径の平均値であるDszと同じ要領で測定する。
また、第1の電磁鋼帯側の熱加工影響部のフェライト粒径の測定領域(以下、第1の電磁鋼帯側の熱加工影響部の測定領域ともいう)は、以下のように設定する。すなわち、電磁鋼帯の接合継手を、図1に示す面(すなわち、接合垂直方向と板厚方向とが含まれる面)が切断面となるように、板厚(鉛直)方向に切断する。上記の切断面において、接合垂直方向をX軸、板厚方向をY軸とする。そして、第1の電磁鋼帯の板厚中心位置(レベル)における接合部と第1の電磁鋼帯側の熱加工影響部との境界位置を、X軸とY軸の原点とする。X軸については、第1の電磁鋼帯側を+、接合部側を-とし、X=0~+0.4×t1、Y=-0.2×t1~+0.2×t1の領域を測定領域する。ここで、t1は、第1の電磁鋼帯の板厚である。なお、Y軸については、+および-を任意に設定すればよい。ただし、上記の測定領域に、接合部や母材部といった第1の電磁鋼帯側の熱加工影響部ではない領域が含まれる場合には、当該領域を測定領域から除くものとする。
上述のとおり、接合部は、回転ツールと被接合材との摩擦熱と塑性流動による熱間加工を受け再結晶組織となる領域をいう。熱加工影響部は、接合部に隣接する領域であり、摩擦熱と塑性流動による熱間加工の影響を受けるものの、温度や加工が不十分で再結晶に至らない組織となる領域をいう。母材は、摩擦熱と塑性流動による熱間加工の影響を受けない領域をいう。
同様に、第2の電磁鋼帯側の熱加工影響部のフェライト粒径の測定領域(以下、第2の電磁鋼帯側の熱加工影響部の測定領域ともいう)は、以下のように設定する。すなわち、電磁鋼帯の接合継手を、図1に示す面(すなわち、接合垂直方向と板厚方向とが含まれる面)が切断面となるように、板厚(鉛直)方向に切断する。上記の切断面において、接合垂直方向をX軸、板厚方向をY軸とする。そして、第2の電磁鋼帯の板厚中心位置(レベル)における接合部と第2の電磁鋼帯側の熱加工影響部との境界位置を、X軸とY軸の原点とする。X軸については、第2の電磁鋼帯側を+、接合部側を-とし、X=0~+0.4×t2、Y=-0.2×t2~+0.2×t2の領域を測定領域する。ここで、t2は、第2の電磁鋼帯の板厚である。なお、Y軸については、+および-を任意に設定すればよい。ただし、上記の測定領域に、接合部や母材部といった第2の電磁鋼帯側の熱加工影響部ではない領域が含まれる場合には、当該領域を測定領域から除くものとする。
また、第1の電磁鋼帯および第2の電磁鋼帯の母材部のフェライト粒径の測定領域(以下、第1の電磁鋼帯および第2の電磁鋼帯の母材部の測定領域ともいう)はそれぞれ、上記の切断面における第1の電磁鋼帯の母材部の板厚中心位置±0.2×t1の領域(板厚(鉛直)方向のレベル)および第2の電磁鋼帯の母材部の板厚中心位置±0.2×t2の領域(板厚(鉛直)方向のレベル)とすればよい。なお、接合垂直(水平)方向の位置については、母材部であればよく、任意に選択すればよい。ここで、t1およびt2はそれぞれ、第1および第2の電磁鋼帯の板厚である。
なお、継手形式としては、突合せ継手や重ね継手を例示できる。
[2]電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法
次に、本発明の一実施形態に従う電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法を説明する。
本発明の一実施形態に従う電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法は、
連続冷間圧延ラインにおいて、第1の電磁鋼帯と、該第1の電磁鋼帯に続く第2の電磁鋼帯とを、互いに対向する一対の回転ツールにより接合する、電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法であって、
前記第1の電磁鋼帯の端部と前記第2の電磁鋼帯の端部との突合せ部、または、重ね合せ部である未接合部に、前記回転ツールを、該未接合部の両面から互いに逆方向に回転させながら押圧し、
ついで、前記回転ツールを接合方向に移動させることにより、前記第1の電磁鋼帯と前記第2の電磁鋼帯とを接合し、
また、
前記第1の電磁鋼帯の板厚と前記第2の電磁鋼帯の板厚とが異なり、
前記回転ツールの先端面が、中心部と、該中心部の周縁に隣接して配置される外周部とを有し、
前記外周部がテーパ形状であり、
前記第1の電磁鋼帯と前記第2の電磁鋼帯の接合により形成される接合部および熱加工影響部の鋼組織がそれぞれ、フェライト相主体の組織となり、かつ、上掲式(1)~(4)の関係を満足する条件で、接合を行う、というものである。
ここで、継手形式の好適な例としては、突合せ接合および重ね接合が挙げられる。
突合せ接合とは、第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯の端面同士を対向させた状態で、第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯の端面(突合せ面)を含む突合せ部に回転ツールを回転させながら押圧する。そして、その状態で、回転ツールを接合方向に移動させることにより、第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯を接合するものである。
重ね接合とは、第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯の端部の少なくとも一部を重ね合せ、重ね合せ部に回転ツールを回転させながら押圧する。そして、その状態で、回転ツールを接合方向に移動させることにより、第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯を接合するものである。
突合せ接合と重ね接合は未接合部の形態が異なるだけで、その他の装置の構成は基本的に同じなので、ここでは、図2のような、両面摩擦撹拌接合により、突合せ接合を行う場合を例示して説明する。
図2中、符号1が第1の電磁鋼帯(被接合材)、2が第2の電磁鋼帯(被接合材)、3-1が回転ツール(表面側回転ツール)、3-2が回転ツール(裏面側回転ツール)、4が接合部、5-1が先端面(表面側回転ツール)、5-2が先端面(裏面側回転ツール)、6-1が中心部(表面側回転ツール)、6-2が中心部(裏面側回転ツール)、7-1が外周部(表面側回転ツール)、7-2が外周部(裏面側回転ツール)、8-1がプローブ(ピン)(表面側回転ツール)、8-2がプローブ(ピン)(裏面側回転ツール)、9-1が肩端部(周方向端部)(表面側回転ツール)、9-2が肩端部(周方向端部)(裏面側回転ツール)、10-1が中心部-外周部境界(表面側回転ツール)、10-2が中心部-外周部境界(裏面側回転ツール)である。また、図2のAA矢視では、鉛直方向が板厚方向である。水平方向が、接合垂直方向である。紙面奥側の方向が、接合方向である。すなわち、図2のAA矢視に示す面内には、接合垂直方向と板厚方向とが含まれる。
両面摩擦撹拌接合では、例えば、互いに対向する1対の回転ツール、把持装置(図示せず)および回転ツールの動作を制御する制御装置(図示せず)をそなえる両面摩擦撹拌接合装置を用いる。制御装置では、例えば、回転ツールの傾斜角度θ、回転ツールの先端面の位置および先端面(肩端部)同士の間の距離、接合速度、押込み荷重、回転ツールの回転数、ならびに、回転トルク等を制御する。
両面摩擦撹拌接合では、摩擦撹拌接合装置の回転ツールを、被接合材である第1の電磁鋼帯および第2の電磁鋼帯の両面にそれぞれに配置する。なお、第1の電磁鋼帯および第2の電磁鋼帯の表面側(鉛直方向上側)に配置される回転ツールを、表面側回転ツールと称し、第1の電磁鋼帯および第2の電磁鋼帯の裏面側(鉛直方向下側)に配置される回転ツールを、裏面側回転ツールと称する場合がある。第1の電磁鋼帯および第2の電磁鋼帯は、図中に示した接合中央線に平行となるように配置され、それぞれ把持装置(図示せず)で把持される。そして、接合中央線上に位置する未接合部(接合予定領域)、つまり、第1の電磁鋼帯の端部(後端)と第2の電磁鋼帯の端部(先端)との突合せ部の両面にそれぞれ、回転ツールを回転させながら押圧する。ついで、その状態で、回転ツールを接合方向に移動させる。これにより、回転ツールと被接合材である第1の電磁鋼帯および第2の電磁鋼帯との摩擦熱により該被接合材を軟化させる。そして、その軟化した部位を回転ツールで撹拌することにより、塑性流動を生じさせて、被接合材である第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯とを接合する。なお、接合が完了した部分には、接合部が形成される。また、接合部に隣接して、熱加工影響部が形成される。
なお、第1の電磁鋼帯および第2の電磁鋼帯は、図2に示すように、一方の面のみに段差が生じるように配置してもよい。この場合には、少なくとも段差のある表面側(鉛直方向上側)に配置する表面側回転ツールに、後述する外周部がテーパ形状である回転ツールを用いればよい。表面側回転ツールおよび裏面側回転ツールの両方に、同じ形状の回転ツールを用いてもよい。また、図12に示すように、両方の面に段差が生じるように配置してもよい。図12の例では、鉛直方向上側に第2の電磁鋼帯が突出するように段差を設け、鉛直方向下側に第1の電磁鋼帯が突出するように段差を設けている。この場合には、表面側回転ツールおよび裏面側回転ツールの両方に、後述する外周部がテーパ形状である回転ツールを用いる。
そして、本発明の一実施形態に従う電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法では、上述したように、
・板厚が異なる電磁鋼帯のコイル接合としていわゆる両面摩擦攪拌接合を適用し、
・そのうえで、先端面が、中心部と、該中心部の周縁に隣接して配置される外周部とを有し、該外周部がテーパ形状である回転ツールを用いて接合を行う、
ことが重要である。
これにより、被接合材となる電磁鋼帯の板厚が互いに異なる場合であっても、コイル接合部の機械的特性の劣化や形状の劣化による製造ラインでのコイル接合部の破断発生を抑止しつつ接合速度を高速度化することが可能となる。
以下、発明の一実施形態に従う電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法で使用する回転ツールについて、図3~11を用いて説明する。
なお、各図において、上側の図が回転ツールを側面視した断面(回転軸を含み、かつ、回転軸に平行な断面)図であり、下側の図が回転ツールを上面視した(先端面側から見た)平面図である。なお、表面側回転ツールと裏面側回転ツールの形状は基本的に同じまたは点対称となるものを使用するので、ここでは、表面側回転ツールを例示して説明する。
図3は、図2で使用する回転ツールと同じ態様のものであり、先端面が、中心部と、該中心部の周縁に隣接して配置される外周部とを有する。そして、この外周部を、テーパ形状とすることが重要である。なお、外周部をテーパ形状にすると、回転ツールの先端部は、図3~図11に示すように略円錐台形状となる。
図2に示すように、摩擦撹拌接合では、接合時に被接合材が軟化した部分において回転ツールが板厚方向中心近傍まで侵入する。ここで、板厚の異なる被接合材を突合せ接合する場合には、被接合材の少なくとも一方の面において段差が生じる。
接合により形成される接合部および熱加工影響部の鋼組織をそれぞれ、フェライト相主体の組織とし、かつ、上掲式(1)~(4)の関係を満足させるには、この段差を回転ツールの通過時に平滑にして、適正なビードを形成することが不可欠である。
一般的な回転ツールを使用する場合、この段差を回転ツールの通過時に平滑にするには、回転ツールの回転軸を接合垂直方向(特には、板厚が小さい方の被接合材側)に傾斜させるなどの措置が必要となる。しかし、被接合材が電磁鋼帯、特に、高融点材や高硬度材である場合には、回転ツールの接合垂直方向への傾斜により大きな負荷が生じるので、適正なビードを形成することが困難となる場合がある。また、回転ツールの破損を招いたり、回転ツールを設置する装置の剛性を極めて高くする必要があるなどの問題もある。
この点、回転ツールの先端面の外周部をテーパ形状とすることにより、回転ツールの回転軸を接合垂直方向へ傾斜させずとも、被接合材の段差は回転ツールの通過時に平滑になり、適正なビードが形成される。その結果、被接合材となる電磁鋼帯の板厚が互いに異なる場合であっても、コイル接合部の機械的特性の劣化や形状の劣化による製造ラインでのコイル接合部の破断発生を抑止しつつ接合速度を高速度化することが可能となる。
ここで、外周部は、回転ツールの先端面の肩端部(周方向端部)~中心部と外周部との境界までの領域(ドーナツ状の領域)として画定する。また、中心部は、回転ツールの先端面の外周部以外の領域として画定する。さらに、中心部と外周部との境界(以下、中心部-外周部境界ともいう)は、回転ツールを側面視した断面(回転軸を含み、かつ、回転軸に平行な断面)において、先端面の形状が、肩端部から中心(回転軸)方向に向かって不連続になる肩端部に最も近接した位置とする。なお、後述する段差部を設ける場合、当該段差部によって不連続となる位置(階段の立ち上がり部や凹部(溝部)、凸部)は無視することとする。
また、上記の効果を得る観点から、外周部のテーパ角度αは2~20°とすることが好ましい。ここで、外周部のテーパ角度αが2°よりも小さい場合には、回転ツールの通過時に被接合材の段差を平滑にする能力が低下するおそれがある。また、回転ツールの外周部に大きな応力がかかることで、回転ツールが破損するリスクが高くなる。一方、外周部のテーパ角度αが20°よりも大きい場合には、外周部と被接合材との接触面積が減少し、これにより、接合能力が低下するおそれがある。そのため、外周部のテーパ角度αは2~20°とすることが好ましい。外周部のテーパ角度αは。より好ましくは8°以上である。また、外周部のテーパ角度αは、より好ましくは15°以下である。
ここで、外周部のテーパ角度αとは、回転ツールを側面視した断面(回転軸を含み、かつ、回転軸に平行な断面)において、回転ツールの先端面の肩端部(周方向端部)と中心部-外周部境界とを結ぶ直線と、回転軸に垂直な直線とがなす角である。なお、先端面の断面(回転軸を含み、かつ、回転軸に平行な断面)における外周部の形状は、直線(線分)でも連続な曲線でもよいが、直線(線分)とすることが好ましい。
また、上記の効果を得る観点から、中心部-外周部境界の周方向位置を0.15×D~0.35×Dの範囲とする(換言すれば、回転ツールの中心部の直径D1を0.3×D~0.7×Dの範囲とする)ことが好ましい。
ここで、周方向位置とは、回転ツールの先端面の周方向(回転軸に垂直な方向)における回転軸からの距離である。また、Dは回転ツールの先端面の直径(以下、先端面径Dともいう)である。
加えて、上記の効果を得る観点から、回転ツールの接合垂直方向(板幅方向)における狙い位置(回転軸の位置)は、突合せ接合の場合、第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯の突合せ部(接合中央線)から±2mm以内、重ね接合の場合、第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯の重ね部の(接合垂直方向における)中心位置から±2mm以内とすることが好ましい。
なお、ツール狙い位置が被接合材の表面の法線方向にずれたとしても、テーパ形状である外周部により被接合材を押圧することができるため、適正なビードが形成される。また、先端面の形状(寸法)誤差は、変位計を用いたツール計測により、指定した寸法に対して例えば±0.005mm以内であれば、特に問題はない。
また、図4(a)および図4(b)に示すように、外周部に渦状(螺旋状、スパイラル状)の段差部を設けることが好ましい。渦状の段差部は、例えば、中心部の周縁(中心部-外周部境界)を起点として、回転ツールの先端面の外周縁(回転ツールの先端面の肩端部)まで伸びる放射状の曲線(渦)により画定される。渦の向きは、図4(a)のように回転ツールの回転方向に対して同じ向き(同一方向)でもよく、図4(b)のように逆向き(反対方向)であってもよい。なお、図4(a)および図4(b)はいずれも、段差部の形態を、凹部(溝部)状としたものであり、渦の数は4つである。
すなわち、摩擦攪拌接合では、回転ツールによる被接合材の押圧時および撹拌時に摩擦熱が生じ、被接合材となる金属材料を軟化させ、流動させる。この点、図4(a)に示すように、外周部に回転ツールの回転方向に対して同じ向きに渦状の段差部を設けることにより、回転ツールの内側から外側へ向かう摩擦熱が生じる。これにより、被接合材の板厚差により生じる過剰な金属材料を、回転ツールによる押圧部分の外側へ流出させることができる。その結果、回転ツールへの負荷を軽減することが可能となる。
一方、図4(b)に示すように、外周部に回転ツールの回転方向に対して逆向き(反対方向)に渦状の段差部を設けることにより、回転ツールの外側から内側へ向かう摩擦熱が生じる。これにより、金属材料が回転ツールによる押圧部分の外側へ流出することを抑制できる。その結果、押圧部分の塑性流動を促進することができる。また、接合部の厚さが母材の板厚との比で減少することを抑止することができる。さらに、バリの少ない接合部表面を形成することができる。
段差部を画定する渦の数は、1つ以上であればよい。ただし、段差部を画定する渦の数が6つを超えると、材料流動を促進する効果が乏しくなるだけでなく、形状の複雑化により破損しやすくなるおそれがある。そのため、段差部を画定する渦の数は6つ以下とすることが好ましい。
また、材料流動を向上させつつ、回転ツールの先端部の破損を防ぐという観点から、段差部を画定する渦の数は、先端面径Dに応じて調節することが好ましい。例えば、先端面径Dが大きいほど段差部を画定する渦の数を多くし、先端面径Dが小さいほど段差部を画定する渦の数を少なくすることが好ましい。具体的には、先端面径Dが6mm未満の場合、段差部を画定する渦の数を2本以下とすることが好ましい。一方、先端面径Dが6mm以上の場合、段差部を画定する渦の数を3~6本とすることが好ましい。
加えて、1本あたりの渦の長さは、先端面の周長の0.5周分以上2周分以下とすることが好ましい。渦の長さについても、先端面径Dに応じて調節することが好ましい。例えば、先端面径Dが大きいほど渦の長さを長くし、先端面径Dが小さいほど渦の長さを短くすることが好ましい。
一例において、段差部は、渦間の領域ごとに高さ位置を階段状に変化させる、例えば、図11(b)および(c)に示すように、中心部の周縁(中心部-外周部境界)から回転ツールの先端面の外周縁(回転ツールの先端面の肩端部)に向かって徐々に低くするによって、構成される。以下、このような段差部の形態を、階段状ともいう。また、回転軸を含み、かつ、回転軸に平行な断面において、各段差部は、例えば、略水平となるようにすればよい。
別の一例において、段差部は、渦の位置に凹部(溝部)または凸部を設けることにより、形成される。以下、このような段差部の形態を、凹部状または凸部状ともいう。また、凹部(溝部)の断面形状としては、U字形状(四角状および半円状を含む)やV字形状、レ字形状などを例示できるが、上記の効果が得られるものであればいずれであってもよい。
回転ツールの中心部は、平面、凸型の曲面、または、凹型の曲面とすることが好適である。また、ツール回転軸に垂直な面における中心部の形状(回転ツールの中心部を、回転軸に平行な方向へ投影したときの投影領域)は、基本的に、円形となる。図5は、中心部が平面である回転ツール(以下、中心部平面回転ツールともいう)の例である。図6は、中心部が凸型の曲面である回転ツール(以下、中心部凸型回転ツールともいう)の例である。図7は、中心部が凹型の曲面である回転ツール(以下、中心部凹型回転ツールともいう)の例である。
図5のような中心部平面回転ツールでは、例えば、被接合材と接触する中心部が、ツールの回転軸と垂直な一の平面からなる。図5(a)は、段差部なしの中心部平面回転ツールの一例である。図5(b)は、外周部に、回転方向に対して同じ向きに渦状の段差部を設けた中心部平面回転ツールの一例である。図5(c)は、外周部に、回転方向に対して逆向き(反対方向)に渦状の段差部を設けた中心部平面回転ツールの一例である。
図6のような中心部凸型回転ツールでは、例えば、被接合材と接触する中心部が、連続的な形状となり、略一様な傾斜面となる。より具体的には、その先端が、中心部から中心に向かって突出する一つの曲面(放物面、長球面または球面)を構成する。また、図6のように、その先端の断面(回転軸を含み、かつ、回転軸に平行な断面)形状が略一様な曲率半径の曲線となる。図6(a)は、段差部なしの中心部凸型回転ツールの一例である。図6(b)は、外周部に、回転方向に対して同じ向きに渦状の段差部を設けた中心部凸型回転ツールの一例である。図6(c)は、外周部に、回転方向に対して逆向き(反対方向)に渦状の段差部を設けた中心部凸型回転ツールの一例である。
図7のような中心部凹型回転ツールでは、被接合材と接触する中心部が、連続的な形状となり、略一様な傾斜面となる。より具体的には、その先端が、外周から中心に向かって窪む一つの曲面(放物面、長球面または球面)を構成する。また、図7のように、その先端の断面(回転軸を含み、かつ、回転軸に平行な断面)形状が略一様な曲率半径の曲線となる。図7(a)は、段差部なしの中心部凹型回転ツールの一例である。図7(b)は、外周部に、回転方向に対して同じ向きに渦状の段差部を設けた中心部凹型回転ツールの一例である。図7(c)は、外周部に、回転方向に対して逆向き(反対方向)に渦状の段差部を設けた中心部凹型回転ツールの一例である。
なお、中心部凸型回転ツールでは曲面高さが高いほど、接合時の塑性流動を生じさせる能力(以下、塑性流動能力ともいう)が増加する。中心部凹型回転ツールでは曲面深さが深いほど、塑性流動能力が減少する。中心部平面回転ツールでは、中心部凸型回転ツールと中心部凹型回転ツールの中間程度となる塑性流動能力を有する。このように、回転ツールの中心部の形状を調整することにより、塑性流動能力を調整することができるので、被接合材の強度や必要な特性に応じて、中心部の形状およびサイズを適宜選択することが好ましい。例えば、回転ツールの中心部の直径D1が5.0~15.0mmの場合、中心部凸型回転ツールでは曲面高さを0.2~1.4mm、中心部凹型回転ツールでは曲面深さを0.2~1.4mmとすることが好適である。
また、図8~11に示すように、回転ツールの中心部に、回転方向に対して逆向き(反対方向)に渦状(螺旋状、スパイラル状)の段差部を設けてもよい。なお、渦の向き以外の段差部の形態は、上述した外周部に設ける段差部の形態と同様である。例えば、渦状の段差部は、回転ツールの先端面の中心、または、回転ツールの先端面の中心円(回転ツールの先端面の中心(回転軸の位置)を中心とし、直径が中心部径未満となる円)の周縁を起点として、中心部の周縁(中心部-外周部境界)まで伸びる放射状の曲線(渦)により画定される。また、段差部を画定する渦の数は、1つ以上であればよい。ただし、段差部を画定する渦の数が6つを超えると、材料流動を促進する効果が乏しくなるだけでなく、形状の複雑化により破損しやすくなるおそれがある。そのため、段差部を画定する渦の数は6つ以下とすることが好ましい。
図8(a)は、中心部のみに段差部を設けた中心部平面回転ツールの一例である。図8(b)は、中心部に段差部を設け、かつ、外周部にも回転方向に対して同じ向きに渦状の段差部を設けた中心部平面回転ツールの一例である。図8(c)は、中心部に段差部を設け、かつ、外周部にも回転方向に対して逆向き(反対方向)に渦状の段差部を設けた中心部平面回転ツールの一例である。
図9(a)は、中心部のみに段差部を設けた中心部凸型回転ツールの一例である。図9(b)は、中心部に段差部を設け、かつ、外周部にも回転方向に対して同じ向きに渦状の段差部を設けた中心部凸型回転ツールの一例である。図9(c)は、中心部に段差部を設け、かつ、外周部にも回転方向に対して逆向き(反対方向)に渦状の段差部を設けた中心部凸型回転ツールの一例である。
図10(a)は、中心部のみに段差部を設けた中心部凹型回転ツールの一例である。図10(b)は、中心部に段差部を設け、かつ、外周部にも回転方向に対して同じ向きに渦状の段差部を設けた中心部凹型回転ツールの一例である。図10(c)は、中心部に段差部を設け、かつ、外周部にも回転方向に対して逆向き(反対方向)に渦状の段差部を設けた中心部凹型回転ツールの一例である。
図8~10ではいずれも、中心部の段差部の形態が凹部であるものを例示したが、図11のように、中心部の段差部の形態は階段状であってもよい。図11(a)は、中心部のみに階段状の段差部を設けた中心部凸型回転ツールの一例である。図11(b)は、中心部に階段状の段差部を設け、かつ、外周部にも回転方向に対して同じ向きに渦状の段差部を設けた中心部凸型回転ツールの一例である。図11(c)は、中心部に階段状の段差部を設け、かつ、外周部にも回転方向に対して逆向き(反対方向)に渦状の段差部を設けた中心部凸型回転ツールの一例である。
また、外周部と同様、中心部に設ける段差部の形態や形状によっても、塑性流動能力を調整することができるので、被接合材の強度や必要な特性に応じて、外周部および中心部に設ける段差部の形態や形状を適宜選択することが好ましい。
また、図3に示すように、回転ツールの中心部に、回転ツールと回転軸を共有するプローブを設けてもよい。プローブは、回転ツールの中心部と不連続な形状となり、被接合材(図示せず)へ向けて略垂直に突出した形状を呈する。プローブの寸法などは、特に限定されず、中心部の形状や寸法に応じて、適宜設定すればよい。例えば、回転ツールの中心部の直径D1が5.0~15.0mmの場合、プローブ径は2.0~5.0mm、プローブ長さは0.1~1.5mmとすることが好適である。
なお、回転ツールの先端面は、接合時に被接合材である第1の電磁鋼帯および第2の電磁鋼帯と接触する。そのため、回転ツールの先端面を構成する中心部および外周部ならびにプローブは、接合時に晒される高温状態において、第1の電磁鋼帯および第2の電磁鋼帯よりも硬い材質で形成される。これにより、接合時に回転ツールは、先端部の形状を保持したまま、第1の電磁鋼帯および第2の電磁鋼帯に変形を加えることができる。その結果、高い撹拌能を持続的に実現することができ、適正な接合が可能となる。なお、回転ツールの先端面、第1の電磁鋼帯および第2の電磁鋼帯の硬さは、高温ビッカース硬さ試験方法により測定して、比較すればよい。なお、回転ツールの先端面のみを、第1の電磁鋼帯および第2の電磁鋼帯よりも硬い材質で形成してもよい。また、回転ツール全体を、第1の電磁鋼帯および第2の電磁鋼帯よりも硬い材質で形成してもよい。
また、接合により形成される接合部および熱加工影響部の鋼組織がそれぞれ、フェライト相主体の組織となり、かつ、上掲式(1)~(4)の関係を満足する条件とするには、
回転ツールの中心部の直径D1(mm)について、次式(7)の関係を満足させ、かつ、
回転ツールの回転数RS(回/分)、回転ツールの中心部の直径D1(mm)および接合速度JS(mm/分)により表されるRS×D1 3/JSについて、次式(8)の関係を満足させる、
ことが好適である。
4×TJ 1 10×TJ ・・・(7)
200×TJ RS×D1 3/JS 2000×TJ ・・・(8)
ここで、TJは、
未接合部が突合せ部の場合、第1の電磁鋼帯の板厚および第2の電磁鋼帯の板厚の平均値(mm)であり、
未接合部が重ね合せ部の場合、重ね合せ部の厚さ(mm)である。
すなわち、回転ツールの中心部の直径D1(以下、単に中心部径D1ともいう)を、未接合部の厚さに応じて適切に制御することにより、回転ツールと被接合材である被接合材である第1の電磁鋼帯および第2の電磁鋼帯との間で生じる摩擦熱による温度上昇と、摩擦力によるせん断応力とを被接合材に有効に付与することができる。ここで、中心部径D1が4×TJ(mm)未満になると、十分な塑性流動が得られず、所定の関係を満足させることが困難となる場合がある。一方、中心部径D1が10×TJ(mm)を超えると、塑性流動が生じる領域が不必要に広がり、接合部に過大な熱量が投入される。これにより、接合部の再結晶組織が粗大化し、所定の関係を満足させることが困難となる場合がある。そのため、所定の関係を満足する条件とするには、中心部径D1について、上記式(7)の関係を満足させることが好ましい。中心部径D1は、より好ましくは5.5×TJ(mm)以上である。中心部径D1、より好ましくは8×TJ(mm)以下である。
また、RS×D1 3/JSは、単位接合長さ当たりの発熱量と相関するパラメータである。そして、RS×D1 3/JSの範囲を200×TJ~2000×TJとすることにより、回転ツールと被接合材である被接合材である第1の電磁鋼帯および第2の電磁鋼帯との間で生じる摩擦熱による温度上昇と、摩擦力によるせん断応力とを被接合材に有効に付与することができる。ここで、RS×D1 3/JSが200×TJ未満では、発熱量が不十分となるおそれがある。そのため、第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯の合せ面に冶金的に接合された状態の接合界面を形成することが困難となる場合がある。一方、RS×D1 3/JSが2000×TJを超えると、摩擦撹拌による発熱量が過大となり、接合部に過大な熱量が投入されるおそれがある。これにより、接合部のピーク温度(最高到達温度)が上昇したり、冷却速度が低下したりして、接合部の再結晶組織が粗大化を招く。そのため、RS×D1 3/JSについては、上記式(8)の関係を満足させることが好ましい。RS×D1 3/JSは、より好ましくは280×TJ以上である。また、RS×D1 3/JSは、より好ましくは1600×TJ以下である。
なお、表面側回転ツールと裏面側回転ツールとで、回転ツールの回転数RSおよび/または中心部径D1が異なる場合には、表面側回転ツールおよび裏面側回転ツールのそれぞれで、上掲式(7)および(8)の関係を満足させることが好ましい。
また、回転ツールの傾斜角度θ、回転ツールの回転数、接合速度、回転ツールの先端部の位置、押込み荷重、および、回転トルクなどの接合条件については、接合により形成される接合部および熱加工影響部の鋼組織がそれぞれ、フェライト相主体の組織となり、かつ、上掲式(1)~(4)の関係を満足する条件であれば、特に限定されず、常法に従えばよい。
例えば、回転ツールの傾斜角度θは好ましくは0°≦θ≦3°である。ここで、θは、接合方向と板厚方向(被接合材の表面に対して垂直な方向)とを含む面における、回転ツールの回転軸(以下、ツールの回転軸ともいう)の板厚方向(被接合材の表面に対して垂直な方向)からの傾斜角度である。なお、回転ツールの先端部が接合方向に対して先行する向き(の角度)を+とする。
回転ツールの回転数は、好ましくは100~5000r/minである。回転ツールの回転数を当該範囲内とすることにより、表面形状を良好に保ちつつ過大な熱量の投入による機械特性の低下を抑制できるので、有利である。回転ツールの回転数は、より好ましくは500r/min以上である。また、回転ツールの回転数は、より好ましくは3000r/min以下である。
接合速度は、好ましくは1000mm/min以上、より好ましくは2000mm/min以上である。接合速度を当該範囲内とすることにより、過大な熱量の投入による機械特性の低下を抑制するという効果が得られる。
回転ツールの先端部の位置や押込み荷重、回転トルクなどは、常法に従い、適宜、設定すればよい。
なお、図2に示すように、両面摩擦撹拌接合を行う場合には、表面側回転ツールの回転方向と裏面側回転ツールの回転方向とを、被接合材の表面側(または裏面側)から見て逆方向とし、回転数を同じとすることが好ましい。これにより、表面側回転ツールと裏面側回転ツールから被接合材に加わる回転トルクを打ち消し合うことができる。その結果、一方の面から未接合部を押圧して接合する片面摩擦撹拌接合法と比較して、被接合材を拘束する治具の構造を簡略化することが可能となる。
また、表面側回転ツールの回転方向と裏面側回転ツールの回転方向とを、被接合材の表面側(または裏面側)から見て同方向とすると、一方の回転ツールに対する他方の回転ツールの相対速度はゼロに近づく。その結果、被接合材の塑性流動が均質状態に近づき塑性変形も小さくなる。そのため、材料の塑性変形による発熱も得られなくなるので、良好な接合状態を達成することが難しくなる。よって、良好な接合状態を達成するのに十分な温度上昇とせん断応力を被接合材の板厚方向に対して均質的に得る観点から、表面側回転ツールの回転方向と裏面側回転ツールの回転方向とを、被接合材の表面側(または裏面側)から見て互いに逆方向とする。
加えて、第1の電磁鋼帯の端部と第2の電磁鋼帯の端部との突合せ部において、一方の面のみに段差を設ける場合、
該段差がある面側に配置した回転ツールのアドバンシングサイドが、第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯のうち、板厚が小さい電磁鋼帯側であり、
該段差がある面側に配置した回転ツールのリトリーティングサイドが、第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯のうち、板厚が大きい電磁鋼帯側である、ことが好ましい。
具体的には、図2のように、第1の電磁鋼帯の板厚<第2の電磁鋼帯の板厚で、かつ、第1の電磁鋼帯の端部と第2の電磁鋼帯の端部との突合せ部において鉛直方向上側(表面側)のみに段差が設けられている場合には、表面側回転ツールのアドバンシングサイドが第1の電磁鋼帯側であり、表面側回転ツールのリトリーティングサイドが第2の電磁鋼帯側であることが好ましい。
なお、アドバンシングサイドとは、回転ツールの回転方向と接合方向が同じ向きになる側であり、リトリーティングサイドとは回転ツールの回転方向と接合方向が反対向きになる側である。
上記以外の条件については特に限定されず、常法に従えばよい。
[3]電磁鋼帯の製造方法
次に、本発明の一実施形態に従う電磁鋼帯の製造方法を、説明する。
本発明の一実施形態に従う電磁鋼帯の製造方法は、
上記の本発明の一実施形態に従う電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法により第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯とを接合し、接合鋼帯を得る工程と、
該接合鋼帯に冷間圧延を施し、冷延鋼帯を得る工程と、をそなえる。
ここで、接合鋼帯は、好適には、第1の電磁鋼帯と、第2の電磁鋼帯と、上記の本発明の一実施形態に従う電磁鋼帯の接合継手とを有し、第1の電磁鋼帯および第2の電磁鋼帯が上記の本発明の一実施形態に従う電磁鋼帯の接合継手を介して接合されている。
また、冷間圧延条件については特に限定されず、常法に従えばよい。また、冷間圧延を行う前に、任意に、酸洗を行ってもよい。
以下、本発明の作用および効果について、実施例を用いて説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されない。
表1に示す成分組成(残部はFeおよび不可避的不純物)を有する電磁鋼帯を被接合材(第1の電磁鋼帯および第2の電磁鋼帯)とし、表2に記載の条件の両面摩擦攪拌接合により、連続冷間圧延ライン上にあることを模擬して第1の電磁鋼帯(先行鋼帯)と第2の電磁鋼帯(後行工程)とを接合し、電磁鋼帯の接合継手を製造した。ここで、突合せ接合の場合は、開先は被接合材である2枚の電磁鋼帯の端面に開先角度をつけないいわゆるI型開先とし、フライス加工程度の表面状態で2枚の電磁鋼帯を突合せ、接合を行った。なお、表1に、電磁鋼帯の母材部のフェライト粒径の平均値、硬さの平均値およびエリクセン値を併記している。ここで、電磁鋼帯の母材部のフェライト粒径の平均値および硬さの平均値は、上述の方法により求めたものである。また、エリクセン値は、JIS Z 2247で規定するエリクセン試験方法に準拠して測定した値である。なお、明記していない条件については、常法に従い、設定した。
上記の両面摩擦撹拌接合ではいずれも、図2のように、鉛直方向上側に配置する表面側回転ツールの回転方向を鉛直方向上側から見て反時計回りに回転させ、鉛直方向下側に配置する裏面側回転ツールを鉛直方向上側から見て時計回りに回転させた。また、第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯の突合せ部は、裏面(裏面側回転ツールを配置する側の面)を段差のない状態とし、表面(表面側回転ツールを配置する側の面)を段差がある状態とした。さらに、表面側回転ツールのアドバンシングサイドに板厚が小さい方の電磁鋼帯(図2の例では第1の電磁鋼帯)を配置し、表面側回転ツールのリトリーティングサイドに板厚が大きい方の電磁鋼帯(図2の例では第2の電磁鋼帯)を配置した。加えて、回転ツールは、接合垂直方向に傾斜させなかった。
また、ここでは、図3、図4(b)、図5(a)、図6(a)、図6(c)、図7(a)および図11(c)に示した形状の回転ツールのいずれかを用いた。各部の寸法は、表2および以下に示すとおりである。
・図3
プローブ径:3.5mm、プローブ長さ:0.5mm
・図4(b)
プローブ径:3.5mm、プローブ長さ:0.5mm、溝深さ:0.5mm、溝幅:0.5mm
・図6(a)
曲面高さ:0.5mm
・図6(c)
曲面高さ:0.5mm、溝深さ(外周部):0.5mm、溝幅(外周部):0.5mm
・図7(a)
曲面深さ:0.5mm
・図11(c)
曲面高さ:0.5mm、階段高さ(中心部および外周部):0.125mm、階段幅(中心部および外周部):1.25mm
また、表面側回転ツールと裏面側回転ツールは、同じ断面寸法および形状の回転ツールを用いた。なお、これらの回転ツールはいずれも、被接合材よりも硬いビッカース硬さHV1090の炭化タングステン(WC)を素材としたものである。
また、比較のため、表3に記載の被接合材(第1の電磁鋼帯および第2の電磁鋼帯)に対し、表3の記載の条件のレーザ溶接により、第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯とを接合し、電磁鋼帯の接合継手を製造した。
レーザ溶接では、最大出力5.5kWのCO2レーザ発振器を用いた。シールドガスにはヘリウムを使用し、シールドガス流量は40リットル/分とした。表3中の「フィラーワイヤ添加」が「無」のものはフィラーワイヤを使用せずに、溶接を行ったものである。また、表3中の「フィラーワイヤ添加」が「有」のものは、フィラーワイヤとして表4に示す成分組成(残部はFeおよび不可避的不純物)を有するMIG用ワイヤ(0.9mmφ)を使用し、溶接を行ったものである。
なお、上記のようにして得られた電磁鋼帯の接合継手はいずれも、外観および内面ともに、欠陥の無い健全な状態であった。
かくして得られた電磁鋼帯の接合継手について、上述の要領により、接合部、熱加工影響部および母材部を画定した。
また、上述の要領により、
Dsz:接合部のフェライト粒径の平均値(μm)、
Dhaz1:第1の電磁鋼帯側の熱加工影響部のフェライト粒径の平均値(μm)、
Dhaz2:第2の電磁鋼帯側の熱加工影響部のフェライト粒径の平均値(μm)、
Dbm1:第1の電磁鋼帯の母材部のフェライト粒径の平均値(μm)、
Dbm2:第2の電磁鋼帯の母材部のフェライト粒径の平均値(μm)、
Hsz:接合部の硬さの平均値、
Hbm1:第1の電磁鋼帯の母材部の硬さの平均値
Hbm2:第2の電磁鋼帯の母材部の硬さの平均値
を測定した。
さらに、得られた電磁鋼帯の接合継手の鉛直方向の切断面(図1に示す面(すなわち、接合垂直方向と板厚方向とが含まれる面))において、TszL:接合部の厚さの最小値(mm)およびTszH:接合部の厚さの最大値(mm)を測定した。
なお、レーザ溶接により得た電磁鋼帯の接合継手では、溶接部を接合部、熱影響部を熱加工影響部と見做して、上記の測定を行った(測定要領などは、摩擦攪拌接合により得た電磁鋼帯の接合継手の場合と同じである。)。
結果を表5および表6に示す。
また、得られた電磁鋼帯の接合継手について、以下の要領で、製造ラインでのコイル接合部の破断発生の抑止効果(以下、破断抑止効果ともいう)を評価した。
すなわち、得られた電磁鋼帯の接合継手から、接合部、第1の電磁鋼帯側の熱加工影響部および母材ならびに第2の電磁鋼帯側の熱加工影響部および母材が含まれるように、試験片を採取した。ついで、採取した試験片を用い、JIS Z 2247で規定するエリクセン試験方法に準拠して接合継手のエリクセン値を測定した。そして、母材部のエリクセン値に対する接合継手のエリクセン値の比率(以下、エリクセン値の比率ともいう)により、以下の基準で破断抑止効果を評価した。結果を表8に示す。
[エリクセン値の比率(%)]=[接合継手のエリクセン値]/[母材部のエリクセン値]×100
〇(合格):エリクセン値の比率が80%以上
×(不合格):エリクセン値の比率が80%未満
なお、第1の電磁鋼帯の母材部のエリクセン値と第2の電磁鋼帯の母材部のエリクセン値が異なる場合、母材部のエリクセン値は、第1の電磁鋼帯の母材部のエリクセン値と第2の電磁鋼帯の母材部のエリクセン値のうち小さい方の値とする。
Figure 2023041560000002
Figure 2023041560000003
Figure 2023041560000004
Figure 2023041560000005
Figure 2023041560000006
Figure 2023041560000007
Figure 2023041560000008
Figure 2023041560000009
Figure 2023041560000010
表7より、発明例ではいずれも、第1の電磁鋼帯の板厚と第2の電磁鋼帯の板厚が互いに異なるにもかかわらず、優れた破断抑止効果が得られていた。一方、比較例では、十分な破断抑止効果が得られなかった。
1 第1の電磁鋼帯(被接合材)
2 第2の電磁鋼帯(被接合材)
3-1 回転ツール(表面側回転ツール)
3-2 回転ツール(裏面側回転ツール)
4 接合部
4-1 熱加工影響部(第1の電磁鋼帯側)
4-2 熱加工影響部(第2の電磁鋼帯側)
5-1 先端面(表面側回転ツール)
5-2 先端面(裏面側回転ツール)
6-1 中心部(表面側回転ツール)
6-2 中心部(裏面側回転ツール)
7-1 外周部(表面側回転ツール)
7-2 外周部(裏面側回転ツール)
8-1 プローブ(ピン)(表面側回転ツール)
8-2 プローブ(ピン)(裏面側回転ツール)
9-1 肩端部(周方向端部)(表面側回転ツール)
9-2 肩端部(周方向端部)(裏面側回転ツール)
10-1 中心部-外周部境界(表面側回転ツール)
10-2 中心部-外周部境界(裏面側回転ツール)

Claims (13)

  1. 第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯とを接合する、電磁鋼帯の接合継手であって、
    該第1の電磁鋼帯の板厚と該第2の電磁鋼帯の板厚とが異なり、
    該電磁鋼帯の接合継手は、接合部と、該接合部に隣接する熱加工影響部とをそなえ、
    該接合部および該熱加工影響部の鋼組織はそれぞれ、フェライト相主体の組織であり、
    次式(1)~(4)の関係を満足する、電磁鋼帯の接合継手。
    Dsz ≦ 200μm ・・・(1)
    Dhaz1 ≦ Dbm1 ・・・(2)
    Dhaz2 ≦ Dbm2 ・・・(3)
    0.9×(Hbm1+Hbm2)/2 ≦ Hsz ≦ 1.2 ×(Hbm1+Hbm2)/2 ・・・(4)
    ここで、
    Dszは、接合部のフェライト粒径の平均値(μm)、
    Dhaz1は、第1の電磁鋼帯側の熱加工影響部のフェライト粒径の平均値(μm)、
    Dhaz2は、第2の電磁鋼帯側の熱加工影響部のフェライト粒径の平均値(μm)、
    Dbm1は、第1の電磁鋼帯の母材部のフェライト粒径の平均値(μm)、
    Dbm2は、第2の電磁鋼帯の母材部のフェライト粒径の平均値(μm)、
    Hszは、接合部の硬さの平均値、
    Hbm1は、第1の電磁鋼帯の母材部の硬さの平均値
    Hbm2は、第2の電磁鋼帯の母材部の硬さの平均値
    である。
  2. 次式(5)および(6)の関係を満足する、請求項1に記載の電磁鋼帯の接合継手。
    0.8×TbmL ≦ TszL ・・・(5)
    TszH ≦ 1.3×TbmH ・・・(6)
    ここで、
    TszLは、接合部の厚さの最小値(mm)、
    TszHは、接合部の厚さの最大値(mm)、
    TbmLは、第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯のうち、薄い方の電磁鋼帯の板厚(mm)、
    TbmHは、第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯のうち、厚い方の電磁鋼帯の板厚(mm)、
    である。
  3. 連続冷間圧延ラインにおいて、第1の電磁鋼帯と、該第1の電磁鋼帯に続く第2の電磁鋼帯とを、互いに対向する一対の回転ツールにより接合する、電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法であって、
    前記第1の電磁鋼帯の端部と前記第2の電磁鋼帯の端部との突合せ部、または、重ね合せ部である未接合部に、前記回転ツールを、該未接合部の両面から互いに逆方向に回転させながら押圧し、
    ついで、前記回転ツールを接合方向に移動させることにより、前記第1の電磁鋼帯と前記第2の電磁鋼帯とを接合し、
    また、
    前記第1の電磁鋼帯の板厚と前記第2の電磁鋼帯の板厚とが異なり、
    前記回転ツールの先端面が、中心部と、該中心部の周縁に隣接して配置される外周部とを有し、
    前記外周部がテーパ形状であり、
    前記第1の電磁鋼帯と前記第2の電磁鋼帯の接合により形成される接合部および熱加工影響部の鋼組織がそれぞれ、フェライト相主体の組織となり、かつ、次式(1)~(4)の関係を満足する条件で、接合を行う、電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法。
    Dsz ≦ 200μm ・・・(1)
    Dhaz1 ≦ Dbm1 ・・・(2)
    Dhaz2 ≦ Dbm2 ・・・(3)
    0.9×(Hbm1+Hbm2)/2 ≦ Hsz ≦ 1.2 ×(Hbm1+Hbm2)/2 ・・・(4)
    ここで、
    Dszは、接合部のフェライト粒径の平均値(μm)、
    Dhaz1は、第1の電磁鋼帯側の熱加工影響部のフェライト粒径の平均値(μm)、
    Dhaz2は、第2の電磁鋼帯側の熱加工影響部のフェライト粒径の平均値(μm)、
    Dbm1は、第1の電磁鋼帯の母材部のフェライト粒径の平均値(μm)、
    Dbm2は、第2の電磁鋼帯の母材部のフェライト粒径の平均値(μm)、
    Hszは、接合部の硬さの平均値、
    Hbm1は、第1の電磁鋼帯の母材部の硬さの平均値
    Hbm2は、第2の電磁鋼帯の母材部の硬さの平均値
    である。
  4. 次式(5)および(6)の関係を満足する条件で接合を行う、請求項3に記載の電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法。
    0.8×TbmL ≦ TszL ・・・(5)
    TszH ≦ 1.3×TbmH ・・・(6)
    ここで、
    TszLは、接合部の厚さの最小値(mm)、
    TszHは、接合部の厚さの最大値(mm)、
    TbmLは、第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯のうち、薄い方の電磁鋼帯の板厚(mm)、
    TbmHは、第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯のうち、厚い方の電磁鋼帯の板厚(mm)、
    である。
  5. 前記外周部のテーパ角度αが2~20°である、請求項3または4に記載の電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法。
  6. 前記中心部と前記外周部との境界の周方向位置が、0.15×D~0.35×Dの範囲である、請求項3~5のいずれかに記載の電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法。
    ここで、周方向位置とは、回転ツールの先端面の周方向における回転軸からの距離である。また、Dは回転ツールの先端面の直径である。
  7. 前記外周部が、その表面に、前記回転ツールの回転方向の渦状の段差部を有する、請求項3~6のいずれかに記載の電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法。
  8. 前記外周部が、その表面に、前記回転ツールの回転反対方向の渦状の段差部を有する、請求項3~6のいずれかに記載の電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法。
  9. 前記中心部が、平面、凸型の曲面、または、凹型の曲面である、請求項3~8のいずれかに記載の電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法。
  10. 前記中心部が、その表面に、前記回転ツールの回転反対方向の渦状の段差部を有する、請求項3~9のいずれかに記載の電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法。
  11. 前記回転ツールの中心部の直径D1(mm)が、次式(7)の関係を満足し、かつ、
    前記回転ツールの回転数RS(回/分)、前記回転ツールの中心部の直径D1(mm)および接合速度JS(mm/分)により表されるRS×D1 3/JSが、次式(8)の関係を満足する、請求項3~10のいずれかに記載の電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法。
    4×TJ 1 10×TJ ・・・(7)
    200×TJ RS×D1 3/JS 2000×TJ ・・・(8)
    ここで、TJは、
    未接合部が突合せ部の場合、第1の電磁鋼帯の板厚および第2の電磁鋼帯の板厚の平均値(mm)であり、
    未接合部が重ね合せ部の場合、重ね合せ部の厚さ(mm)である。
  12. 前記第1の電磁鋼帯の端部と前記第2の電磁鋼帯の端部との突合せ部において、一方の面のみに段差があり、
    該段差がある面側に配置した前記回転ツールのアドバンシングサイドが、前記第1の電磁鋼帯と前記第2の電磁鋼帯のうち、板厚が小さい電磁鋼帯の側であり、
    該段差がある面側に配置した前記回転ツールのリトリーティングサイドが、前記第1の電磁鋼帯と前記第2の電磁鋼帯のうち、板厚が大きい電磁鋼帯の側である、請求項3~11のいずれかに記載の電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法。
  13. 請求項3~12のいずれかに記載の電磁鋼帯の摩擦撹拌接合方法により第1の電磁鋼帯と第2の電磁鋼帯とを接合し、接合鋼帯を得る工程と、
    該接合鋼帯に冷間圧延を施し、冷延鋼帯を得る工程と、をそなえる、電磁鋼帯の製造方法。
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