JP2023041550A - ボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉とその製造方法、およびボンド磁石とその製造方法 - Google Patents

ボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉とその製造方法、およびボンド磁石とその製造方法 Download PDF

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禅 坪井
Zen Tsuboi
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Abstract

【課題】ボンド磁石用に用いた際に高い残留磁束密度Brを得ることができるボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉とその製造方法、および高い残留磁束密度Brを持つボンド磁石とその製造方法を提供する。【解決手段】六方晶フェライトの粗粉と、六方晶フェライトの微粉とを混合粉砕して粉砕処理した混合粉を得る工程と、混合粉砕処理した混合粉をアニールする工程と、を含み、六方晶フェライトの微粉が、六方晶フェライトの微粉10gを内径2.54cmφの円筒形の金型に充填した後に1000kg/cm2の圧力で圧縮した成形体の圧縮密度X(g/cm3)と、六方晶フェライトの微粉の比表面積Y(m3/g)との関係が、X>-0.03×Y+3.27の関係式を満たす、ボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉の製造方法【選択図】図1

Description

本発明は、ボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉とその製造方法、およびボンド磁石とその製造方法に関し、特に、六方晶フェライトの粗粉と微粉を含むボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉およびその製造方法に関する。
従来、AV機器、OA機器、自動車電装部品などに使用される小型モータや、複写機のマグネットロールなどに使用される磁石のような高磁力の磁石として、フェライト系焼結磁石が使用されている。しかし、フェライト系焼結磁石は、欠け割れが発生したり、研磨が必要なために生産性に劣るという問題があることに加えて、複雑な形状への加工が困難であるという問題がある。そのため、近年では、AV機器、OA機器、自動車電装部品などに使用される小型モータなどの高磁力の磁石として、希土類磁石のボンド磁石が使用されている。しかし、希土類磁石はフェライト系焼結磁石の約20倍のコストがかかり、また錆びやすいという問題があるため、フェライト系焼結磁石の代わりにフェライト系ボンド磁石を使用することが望まれている。
このようなボンド磁石用フェライト粉末として特許文献1には、ボンド磁石用フェライト粉末の製造工程において、粗粉を得る工程と、微粉を得る工程と、得られた粗粉と微粉とを混合して混合粉を得る工程の後に、得られた混合粉へ、機械的粉砕力を加えることが開示されている。
特開2016-72634号公報
特許文献1に記載のボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉は、コンパウンド中のF.C.値を高めても流動性に優れ、BHmaxの高いフェライト系ボンド磁石として開発されたものであったが、依然として、ボンド磁石としてより高い残留磁束密度Brを達成することができるボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉が求められている。
本発明は、ボンド磁石に用いた際に高い残留磁束密度Brを得ることができるボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉とその製造方法、および高い残留磁束密度Brを持つボンド磁石とその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく本発明者らは鋭意検討したところ、従来のボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉には、極微小な粒子や不均一な形状の凝集粒子を多く含むことが分かった。そして、微小粒子の発生を抑えながら凝集粒子を解粒できるよう粉砕条件を改良し、ボンド磁石用六方晶フェライトの微粉の粒子径および粒子形状を均整化することにより、ボンド磁石に用いた際に高い残留磁束密度Brを得ることができることを確認した。六方晶フェライトの微粉の粒子径および粒子形状が均整化されることにより、コンパウンド化してボンド磁石として用いる際に、磁場による配向が容易になり、高い残留磁束密度Brを持つボンド磁石が得られると考えられる。すなわち本発明の要旨構成は以下のとおりである。
ボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉の製造方法であって、六方晶フェライトの粗粉を得る工程と、六方晶フェライトの粗粉より比表面積が大きい六方晶フェライトの微粉を得る工程と、六方晶フェライトの粗粉と、六方晶フェライトの微粉とを混合粉砕して混合粉砕処理した混合粉を得る工程と、混合粉砕処理した混合粉をアニールする工程と、を含み、六方晶フェライトの微粉が、六方晶フェライトの微粉10gを内径2.54cmφの円筒形の金型に充填した後に1000kg/cmの圧力で圧縮した成形体の圧縮密度X(g/cm)と、六方晶フェライトの微粉の比表面積Y(m/g)との関係が、下記式(1):
X>-0.03×Y+3.27・・・(1)
の関係式を満たすことを特徴とする。この六方晶フェライト磁性粉は、六方晶Srフェライトであることが好ましい。
また、この六方晶フェライトの粗粉の比表面積が0.2m/g以上1.2m/g以下であり、六方晶フェライトの粗粉の比表面積が4.0m/g以上20.0m/g以下であることが好ましい。
また、別観点での本発明は、本発明のボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉の製造方法により得られたボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉を用いる、ボンド磁石の製造方法である。
本発明によれば、ボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉の六方晶フェライトの微粉の粒子径および形状を均整化することにより、ボンド磁石に用いた際に高い残留磁束密度Brを得ることができるボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉が提供される。また、ボンド磁石に用いた際に高い残留磁束密度Brを得ることができるボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉の製造方法、高い残留磁束密度Brを持つボンド磁石を提供される。
実施例1から5及び比較例1から3の六方晶フェライトの微粉の圧縮密度Xと、比表面積Yとの関係を示すグラフである。 実施例1から5及び比較例1から3の六方晶フェライトの微粉製造時の撹拌翼の周速と最終的なボンド磁石の飽和磁束密度との関係を示すグラフである。
(ボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉の製造方法)
本発明のボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉の製造方法は、六方晶フェライトの粗粉を得る工程と、六方晶フェライトの粗粉より比表面積が大きい六方晶フェライトの微粉を得る工程と、六方晶フェライトの粗粉と、六方晶フェライトの微粉とを混合粉砕して混合粉砕処理した混合粉を得る工程と、前記混合粉砕処理した混合粉をアニールする工程とを備える。六方晶フェライトは、組成は特に限定されないが、六方晶Srフェライト磁性粉を用いることが好ましい。六方晶フェライトの微粉は、前記六方晶フェライトの微粉10gを内径2.54cmφの円筒形の金型に充填した後に1000kg/cmの圧力で圧縮した成形体の圧縮密度X(g/cm)と、前記六方晶フェライトの微粉の比表面積Y(m/g)との関係が、下記式(1):
X>-0.03×Y+3.27・・・(1)
の関係式を満たす。ここで、六方晶フェライトの粗粉と式(1)の関係を満たす六方晶フェライトの微粉とを混合して用いることで、得られるボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉の充填性を高めることができる。その結果、当該磁性粉を使用してボンド磁石を製造した際に残留磁束密度Brが高いボンド磁石を得ることができる。ここで、粗粉の比表面積は、通常、微粉の比表面積よりも小さい。以下で、各工程を詳細に説明する。
[ボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉]
ボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉は、六方晶フェライトの粗粉と、六方晶フェライトの微粉とを混合粉砕し、その後アニールすることで得ることができる。ボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉の組成は特に限定されないが、六方晶Srフェライト磁性粉であることが好ましい。
[六方晶フェライトの粗粉の製造工程]
六方晶フェライトの粗粉の原料となる粉末を混合した後に焼成して六方晶フェライトの粗粉を得る工程である。焼成に先立ち、原料となる粉末を混合した後に造粒し、得られた造粒物を焼成に供してもよい。六方晶フェライトの粗粉の組成は特に限定されないが、最終的に得るボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉に対し、適宜必要な組成に設定することができる。六方晶フェライトの粗粉の組成は、六方晶フェライトの微粉の組成と同じでも良く、異なっていてもよい。六方晶フェライトの粗粉の原料となる粉末としてはFe化合物を必須化合物として含むほか、Ca、Srの各化合物を用いることができ、例えば、Ca化合物としては、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、Sr化合物としては炭酸ストロンチウム、塩化ストロンチウム、硫酸ストロンチウム、Fe化合物としては酸化鉄(ヘマタイト、マグネタイト)、塩化鉄、硫酸鉄、好ましくはヘマタイトを、それぞれ用いることができる。六方晶フェライト磁性粉の粗粉を得るには、まず前駆体となる複合酸化物を合成して、得られた前駆体を原料として用いてもよい。多段階の合成プロセスを用いることで、最終的に得られる六方晶フェライトにおいて、好適な形状を得ることができる。
また、マグネトプランバイト型の結晶構造を有する六方晶フェライト磁性粉を得るため、Feサイトの元素とSrサイトの元素との仕込み時のモル比Fe:Srの値は、10.0:1.0から12.5:1.0の範囲とすることができる。焼成後の未反応物の残留を抑制する点から、モル比Fe:Srの値は、11.0:1.0から12.0:1.0の範囲とすることが好ましい。
六方晶フェライトの粗粉には、原料に含まれる不純物や製造設備に由来する不純物等の不可避的な成分が含まれ得る。このような成分としては、例えばMn及びBa等の各酸化物が挙げられる。これらの含有量は、0.4質量%以下に抑制することが好ましい。上記の組成式は、不可避的な成分を除いた組成式である。
六方晶フェライトの粗粉の製造工程における焼成温度は、1220℃以上1400℃以下が好ましく、1220℃以上1300℃以下がより好ましい。
六方晶フェライトの粗粉の製造工程においては、原料の粉末の混合物を造粒して焼成してもよい。焼成時の雰囲気は、酸化性雰囲気が好ましく、大気雰囲気がより好ましい。また、焼成後に粉砕処理をすることが好ましい。粉砕処理の方法は、特に限定されず、ローラーミル等を用いる公知の方法が挙げられる。
六方晶フェライトの粗粉は、BET一点法で測定した比表面積が0.3m/g以上1.0m/g以下であることが好ましく、0.5m/g以上0.8m/g以下であることがより好ましい。
[六方晶フェライトの微粉の製造工程]
六方晶フェライトの微粉の原料となる粉末を混合した後に焼成して六方晶フェライトの微粉を得る工程である。本実施形態に係る六方晶フェライトの微粉の製造方法は、六方晶フェライトの微粉の原料となる粉末を混合して混合物を得る工程と、混合物を焼成して焼成物を得る工程と、焼成した焼成物を、乾式粉砕処理および湿式粉砕処理により粉砕する工程と、を含む。また、焼成に先立ち、原料となる粉末を混合した後に造粒し、得られた造粒物を焼成に供してもよい。
六方晶フェライトの微粉の組成は特に限定されないが、最終的に得るボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉に対し、適宜必要な組成に設定することができる。六方晶フェライトの微粉の原料となる粉末としてはFe化合物を必須化合物として含むほか、Ca、Sr、La、CoおよびZnの各化合物を用いることができ、例えば、Ca化合物としては、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、Sr化合物としては炭酸ストロンチウム、塩化ストロンチウム、硫酸ストロンチウム、Fe化合物としては酸化鉄(ヘマタイト、マグネタイト)、塩化鉄、硫酸鉄、好ましくはヘマタイトを、それぞれ用いることができる
また、マグネトプランバイト型の結晶構造を有する六方晶フェライト磁性粉を得るため、Feサイトの元素とSrサイトの元素との仕込み時のモル比Fe:Srの値は、10.0:1.0から12.5:1.0の範囲とする。焼成後の未反応物の残留を抑制する点から、モル比Fe:Srの値は、11.0:1.0から12.0:1.0の範囲とすることが好ましい。
六方晶フェライトの微粉には、原料に含まれる不純物や製造設備に由来する不純物等の不可避的な成分が含まれ得る。このような成分としては、例えばMn及びBa等の各酸化物が挙げられる。これらの含有量は、0.4質量%以下に抑制することが好ましい。上記の組成式は、不可避的な成分を除いた組成式である。
六方晶フェライトの微粉の製造工程における焼成温度は、900℃以上1100℃以下が好ましく、950℃以上1000℃以下がより好ましい。
六方晶フェライトの微粉の製造工程においては、原料粉末の混合物を造粒して焼成してもよい。焼成時の雰囲気は、酸化性雰囲気が好ましく、大気雰囲気がより好ましい。また、焼成後に粉砕処理をすることが好ましい。粉砕処理は、ローラーミル等を用いる公知の方法により実施することができるが、湿式粉砕処理を行うことが好ましい。ローラーミル等の乾式粉砕処理と湿式粉砕処理を組み合わせてもよい。
湿式粉砕処理には、回転式の撹拌羽根による撹拌機構を有する湿式粉砕機を用いることができ、撹拌羽根の周速は0.5m/s以上2.5m/s以下が好ましく、1.0m/s以上2.0m/s以下がより好ましい。ここで、撹拌羽根の周速とは、撹拌羽根の回転軸からの距離が最も離れた箇所の速度を指し、湿式粉砕機における粉砕の強度を表す指標となる。撹拌羽根による撹拌機構を有する湿式粉砕機としてはアトライターを用いることが好ましく、溶媒としては水を用いることが好ましく、メディア径は2mm以上15mm以下とすることが好ましく、粉砕処理の時間は、30分以上240分以下とすることが好ましく、100分以上240分以下とすることがより好ましい。
粉砕エネルギーは周速の3乗に比例し、必要以上の粉砕エネルギーを与えると、所望の粉砕粒子径よりも小さい極微小な粒子を発生させて、均整化が妨げられる。したがって、湿式粉砕処理時には、撹拌羽根の周速は適切に設定することが好ましい。
これにより、得られたボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉を用いて製造されたボンド磁石の残留磁束密度Brを高めることができる。
このようにして六方晶フェライトの微粉は、前記六方晶フェライトの微粉10gを内径2.54cmφの円筒形の金型に充填した後に1000kg/cmの圧力で圧縮した成形体の圧縮密度Xと、前記六方晶フェライトの微粉の比表面積Yとの関係が、下記式(1):
X>-0.03×Y+3.27・・・(1)
の関係式を満たす。
関係式(1)を満たすようにして製造された六方晶フェライトの微粉は、過度な粉砕が回避され、かつ焼結により生じた凝集粒子を単分散に近い状態まで解粒されており、最終的に得られるボンド磁石の残留磁束密度Brを高めることができると考えられる。
六方晶フェライトの微粉は、BET一点法で測定した比表面積は、4m/g以上20m/g以下であることが好ましく、5m/g以上15m/g以下であることがより好ましい。
[混合粉砕工程]
別々に得られた六方晶フェライトの粗粉と六方晶フェライトの微粉とを混合粉砕して、混合粉砕処理した混合粉を得る工程である。このとき、六方晶フェライトの粗粉と六方晶フェライトの微粉の合計質量に対する六方晶フェライトの粗粉の質量割合が60質量%以上90質量%以下となる比率で混合粉砕することが好ましい。
混合には湿式粉砕装置を用いることが好ましく、アトライターを用いることがより好ましく、撹拌羽根の周速は1.5m/s以上3.5m/s以下が好ましい。
また、混合粉砕後の粉砕には振動ボールミルを用いることが好ましく、振動ボールミルによる粉砕処理においては媒体径5mm以上20mm以下のボールを用いることが好ましく、1段目として媒体径10mm以上20mm以下のボールを用いて粉砕処理を実施した後に2段目として媒体径5mm以上10mm以下のボールを用いて粉砕処理を実施することが好ましい。振動ボールミルを用いることによって、湿式粉砕後の脱水および乾燥で生じた凝集粒子を粉砕することができる。
[アニール工程]
混合粉砕工程で得られた、混合粉砕処理した混合粉をアニールして、ボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉を得る工程である。アニール条件は、特に限定されず、ボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉の製造方法として公知の条件にて実施することができる。アニールの温度は900℃以上1000℃以下が好ましく、930℃以上980℃以下がより好ましい。また、アニール時の雰囲気は酸化性雰囲気が好ましく、大気雰囲気がより好ましい。
(ボンド磁石とその製造方法)
本発明のボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉の製造方法により得られたボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉と、樹脂と滑剤等を混合し、混練した後に磁場中成形することで、ボンド磁石を得ることができる。ここで、ボンド磁石の製造方法は特に限定されず、公知の方法を使用することができる。
以下、実施例により、本発明によるボンド磁石用フェライト磁性粉およびその製造方法について詳細に説明する。
実施例における評価は以下のようにして行った。
[平均粒径測定]
平均粒径(APD)は、比表面積測定装置(株式会社島津製作所製のSS-100)を用いて空気浸透法により測定した。
[比表面積測定]
ボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉、六方晶フェライトの粗粉および六方晶フェライトの微粉の比表面積は比表面積測定装置(カンタクローム社製のモノソーブ)によりBET一点法で測定した。
[組成分析]
ボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉の組成分析は、蛍光X線分析装置(株式会社リガク製のZSX100e)を使用して、ファンダメンタル・パラメータ法(FP法)により、各元素の成分量を算出することにより行った。この組成分析では、測定対象の粉末を測定用セルに詰め、10,000kg/cmの圧力を20秒間加えて成型し、測定モードをEZスキャンモード、測定径を30mm、試料形態を酸化物、測定時間を標準時間とし、真空雰囲気中において定性分析を行った後に、検出された構成元素に対して定量分析を行った。
[圧縮密度測定]
ボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉、六方晶フェライトの粗粉および六方晶フェライトの微粉の圧縮密度は、測定対象の粉末10.00gを内径2.54cmφの円筒形の金型に充填した後に径2.44cmφの円柱形のピストンにより1000kg/cmの圧力で圧縮した成形体の密度を圧縮密度CD(g/cm)として測定した。なお、圧縮密度CD(g/cm)の算出式は、円筒形の金型内部の底面から圧縮後のピストン先端部までの高さをL(cm)とし、円周率をπとすると以下のとおりである。
圧縮密度CD(g/cm)=10.00/(2.54×π/4×L)
[圧粉体の磁気特性測定]
ボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉の圧粉体の磁気特性は、ボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉8gとポリエステル樹脂(日本地科学社製のP-レジン)0.4cmを乳鉢中で混練し、得られた混練物7gを内径15mmφの金型に充填し、2000kg/cmの圧力で60秒間圧縮して得られた成形品を金型から抜き取り、150℃で30分間乾燥させて圧粉体を得て、圧粉体の磁気特性として、BHトレーサー(東英工業株式会社製のTRF-5BH)を使用して、測定磁場10kOeで圧粉体の保磁力iHcおよび残留磁束密度Brを測定した。
[流動度(MFR)の測定]
ボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉92.0質量部と、シランカップリング剤(東レダウコーニング株式会社製のZ-6094N)0.6質量部と、滑剤(ヘンケル社製のVPN-212P)0.8質量部と、バインダとして粉末状のポリアミド樹脂(宇部興産株式会社製のP-1011F)6.6質量部とを秤量し、ミキサーに充填して混合して得られた混合物を230℃で混練して混練物を作製し、得られた混錬物から平均径2mmの混練ペレットを得た。
得られた混練ペレットをメルトインデクサー(株式会社東洋精機製作所製のメルトインデクサーC-5059D2)に入れて、前記混練物が270℃、荷重10kgで押し出された重量を測定し、この重量を10分当たりで押し出された量に換算することにより、ボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉の流動度(MFR)を求めた。
[ボンド磁石Aの磁気特性測定]
MFRの測定において記載した方法で得られた混練ペレットを射出成形機(住友重機械工業株式会社製)に装填して、4.3kOeの磁場中において温度300℃、成形圧力8.5N/mmで射出形成して、直径15mm×高さ8mmの円柱形(磁場の配向方向は円柱の中心軸に沿った方向)のボンド磁石A(F.C.92.0質量%、4.3kOe)を得た。このボンド磁石AをBHトレーサー(東英工業株式会社製のTRF-5BH)を使用して測定磁場10kOeで磁気特性を測定した。
[ボンド磁石Bの磁気特性測定]
MFRの測定において記載した方法で得られた混練ペレットを射出成形機(住友重機械工業株式会社製)に装填して、9.7kOeの磁場中において温度300℃、成形圧力8.5N/mmで射出形成して、直径15mm×高さ8mmの円柱形(磁場の配向方向は円柱の中心軸に沿った方向)のボンド磁石B(F.C.92.0質量%、9.7kOe)を得た。このボンド磁石BをBHトレーサー(東英工業株式会社製のTRF-5BH)を使用して測定磁場10kOeでボンド磁石の保磁力iHcおよび残留磁化Brの磁気特性を測定した。
(実施例1)
1-1.実施例1に係る六方晶フェライト磁性粉の製造
(1)六方晶フェライトの粗粉の製造工程
ヘマタイト(α-Fe、比表面積5.3m/g)および炭酸ストロンチウム(SrCO、比表面積5.8m/g)を、モル比がFe:Sr=11.8:1.0となるように秤量した。秤量したヘマタイトと炭酸ストロンチウムの合計質量に対して、0.18質量%のホウ酸、および2.45質量%の塩化カリウムを秤量し、ヘマタイト、炭酸ストロンチウム、ホウ酸および塩化カリウムを混合後、水を加えて直径3~10mmの球状に造粒した。
得られた造粒物をロータリーキルン中において大気の流通雰囲気下、1250℃で20分間焼成し、得られた焼成物をローラーミルで処理することで、六方晶フェライトの粗粉を得た。
得られた六方晶フェライトの粗粉のBET比表面積を測定したところ、0.69m/gであった。
また、Srフェライト粉の密度を5.1g/cmとしたとき、得られたBET比表面積の値から、六方晶フェライトの粗粉の比表面積径は1.7μmと算出された。評価結果を表1に示す。
(2)六方晶フェライトの微粉の製造工程
ヘマタイト(α-Fe、比表面積5.3m/g)および炭酸ストロンチウム(SrCO、比表面積5.8m/g)を、モル比がFe:Sr=11.0:1.0となるように秤量して混合した後、水を加えて直径3~10mmの球状に造粒した。
得られた造粒物を、ロータリーキルン中において大気の流通雰囲気下、1050℃で20分間焼成し、得られた焼成物をローラーミルで処理することで微粉を得た。得られた微粉に水を加えて、微粉の濃度が40質量%となるようにスラリー化したのち、直径5.56mmのスチール製ボールとともに攪拌羽根を有する粉砕装置であるアトライターに投入して60分間(粉砕処理時間)攪拌して粉砕処理することにより、湿式粉砕後の六方晶フェライトの微粉を含むスラリーを得た。ここで、攪拌羽根の回転速度は、攪拌羽根の回転軸からの距離が最も離れた箇所の移動速度(周速)が1.6m/sとなるように調整した。得られた湿式粉砕後の六方晶フェライトの微粉を含むスラリーからサンプリングをし、ろ過および乾燥をすることで評価用の六方晶フェライトの微粉サンプルを得た。得られた六方晶フェライトの微粉サンプルのBET比表面積を測定したところ8.7m/gであり、圧縮密度を測定したところ3.02g/cmであった。また、得られたBET比表面積の値、およびSrフェライト粉の密度5.1g/cmの値から、六方晶フェライトの微粉サンプルの比表面積径は0.14μmと算出された。評価結果を表1に示す(以下の実施例および比較例についても同様)。
(3)混合粉砕工程
アトライターの粉砕容器内に入っている、得られた湿式粉砕後の六方晶フェライトの微粉を含むスラリーに、六方晶フェライトの微粉:粗粉の質量割合が35:65となるように(1)の六方晶フェライトの粗粉製造工程で得られた六方晶フェライトの粗粉を追加し、アトライターによりさらに20分間の混合粉砕処理を行った。ここで撹拌羽根の回転数は、撹拌羽根の周速が1.6m/sとなるよう制御した。そして、当該スラリーをろ過して固液分離した後に、大気中150℃で10時間乾燥させて乾燥ケーキを得た。当該乾燥ケーキを解砕処理することで混合粉砕処理した混合粉を得た。得られた混合粉を、振動ボールミル(村上精機製作所製:Uras Vibrator KEC-8-YH)で粉砕処理することにより、粉砕処理した混合粉を得た。粉砕処理条件としては、媒体径12mmのスチール製ボールを用い、回転数1800rpm、振幅8mmの条件で28分間実施した。
(4)アニール工程
混合粉砕処理した混合粉を大気中965℃で30分間アニールして、実施例1に係るボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉を得た。
(5)ボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉の評価
実施例1に係るボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉について、粉末X線回折装置(株式会社リガク製のMiniflex600)を使用して、管電圧を40kV、管電流を15mA、測定範囲を15°~60°、スキャン速度を1°/分、スキャン幅を0.02°として、粉末X線回折法(XRD)による測定を行った。その結果、すべてのピークがSrFe1219と同じ位置に観測され、本実施例のボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉がマグネトプランバイト型の結晶構造を有することが確認された。この結果は、以下に説明する実施例2~5および比較例1~2でも同様であった。
実施例1に係るボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉の組成分析を行い、Sr、Feの分析値から、ボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉の組成式をSrFe19-zと表記した場合のn、zを算出すると、z=1.08、n=11.28であった。
実施例1に係るボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉について、圧縮密度を測定したところ3.57g/cmであり、比表面積を測定したところ2.41m/gであり、平均粒径を測定したところ、1.26μmであった。
実施例1に係るボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉の圧粉体の磁気特性を測定したところ、圧粉体の保磁力p-iHcは2930Oe、圧粉体の残留磁化p-Brは2000Gであった。評価結果を表2に示す(以下の実施例および比較例についても同様)。
1-2.実施例1に係るボンド磁石の製造
(1)ボンド磁石Aの製造
実施例1で得られたボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉92.0質量部と、シランカップリング剤(東レダウコーニング株式会社製のZ-6094N)0.6質量部と、滑剤(ヘンケル社製のVPN-212P)0.8質量部と、バインダとして粉末状のポリアミド樹脂(宇部興産株式会社製のP-1011F)6.6質量部とを秤量し、ミキサーに充填して混合して得られた混合物を230℃で混練して、平均径2mmの混練ペレットを得た。なお、メルトフローインデクサー(株式会社東洋精機製作所製のメルトフローインデクサーC-5059D2)を使用して、上記の混合物が270℃、荷重10kgで押し出された重量を測定し、この重量を10分当たりで押し出された量に換算することにより、ボンド磁石用フェライト粉末を混合する際の流動度(MFR)を求めたところ、137.2g/10分であった。この混練ペレットを射出成形機(住友重機械工業株式会社製)に装填して、4.3kOeの磁場中において温度300℃、成形圧力8.5N/mmで射出形成して、直径15mm×高さ8mmの円柱形(磁場の配向方向は円柱の中心軸に沿った方向)のボンド磁石A(フェライト濃度92.0質量%、4.3kOe)を得た。
この実施例1に係るボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉を用いたボンド磁石Aの磁気特性を測定したところ、保磁力iHcは3264Oe、残留磁化Brは3107Gであった。以上の結果を表3に示す。(以下の実施例および比較例についても同様)。
(2)ボンド磁石Bの製造
実施例1で得られたボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉92.0質量部と、シランカップリング剤(東レダウコーニング株式会社製のZ-6094N)0.6質量部と、滑剤(ヘンケル社製のVPN-212P)0.8質量部と、バインダとして粉末状のポリアミド樹脂(宇部興産株式会社製のP-1011F)6.6質量部とを秤量し、ミキサーに充填して混合して得られた混合物を230℃で混練して、平均径2mmの混練ペレットを得た。この混練ペレットを射出成形機に装填して、磁場を9.7kOeとしたこと以外は、ボンド磁石Aと同様の手順によりボンド磁石Bを得た。
このボンド磁石Bの磁気特性を測定したところ、保磁力iHcは3170Oe、残留磁化Brは3209Gであった。以上の結果を表3に示す。(以下の実施例および比較例についても同様)。
(実施例2)
六方晶フェライトの微粉の製造工程において、ローラーミル処理後に得られた六方晶フェライトの微粉に水を加えて、六方晶フェライトの微粉の濃度が20質量%となるようにスラリー化したこと、および六方晶フェライトの微粉の湿式粉砕の粉砕処理時間を120分としたこと以外は、実施例1と同様の手順によりボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉を得た。得られた六方晶フェライトの粗粉、評価用の六方晶フェライトの微粉サンプルおよびボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉に対して、実施例1と同様の手順で分析および測定を行い、また得られたボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉を用いてボンド磁石Aおよびボンド磁石Bを製造し、それらの磁気特性およびMFRの測定を行った。
(実施例3)
六方晶フェライトの微粉の製造工程において、ローラーミル処理後に得られた六方晶フェライトの微粉に水を加えて、六方晶フェライトの微粉の濃度が20質量%となるようにスラリー化したこと、および六方晶フェライトの微粉の湿式粉砕の粉砕処理時間を90分としたこと以外は、実施例1と同様の手順によりボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉を得た。得られた六方晶フェライトの粗粉、評価用の六方晶フェライトの微粉サンプルおよびボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉に対して、実施例1と同様の手順で分析および測定を行い、また得られたボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉を用いてボンド磁石Aおよびボンド磁石Bを製造し、それらの磁気特性およびMFRの測定を行った。
(実施例4)
(1)六方晶フェライトの粗粉の製造工程
ヘマタイト(α-Fe、比表面積5.3m/g)と炭酸ストロンチウム(SrCO、比表面積5.8m/g)をモル比0.5:1.0(Srに対するFeのモル比(Fe/Sr)=1.0)になるように秤量して混合し、この混合物にパンペレタイザー中で水を加えながら造粒し、得られた直径3~10mmの球状の造粒粒を内燃式のロータリーキルンに投入し、大気雰囲気中において1050℃で20分間焼成して焼成物を得た。この焼成物をローラーミルで粉砕して、(比表面積1.71m/gの)鉄-ストロンチウムの複合酸化物の粉末を得た。この鉄-ストロンチウムの複合酸化物の粉末とヘマタイト(α-Fe、比表面積5.3m/g)を、Srに対するFe(合計)のモル比(Fe(合計)/Sr)=11.0になるように秤量して混合し、この混合物に対して0.17質量%のホウ酸と2.3質量%の塩化カリウムを加えて混合した後、水を加えて造粒し、得られた直径3~10mmの球状の造粒物を内燃式のロータリーキルンに投入し、大気中において1250℃(焼成温度)で20分間焼成して得られた焼成物をローラーミルで粉砕して、実施例4に係る六方晶フェライトの粗粉を得た。
(2)六方晶フェライトの微粉の製造工程以降
混合粉砕工程において実施例4に係る六方晶フェライトの粗粉を用いた以外は、実施例2の六方晶フェライトの微粉の製造工程以後と同様の手順により、実施例4に係るボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉を得た。得られた六方晶フェライトの粗粉、評価用の六方晶フェライトの微粉サンプルおよびボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉に対して、実施例1と同様の手順で分析および測定を行い、また得られたボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉を用いてボンド磁石Aおよびボンド磁石Bを製造し、それらの磁気特性およびMFRの測定を行った。
(実施例5)
六方晶フェライトの粗粉の製造工程における焼成温度を1300℃としたこと以外は、実施例4と同様の手順によりボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉を得た。得られた六方晶フェライトの粗粉、評価用の六方晶フェライトの微粉サンプルおよびボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉に対して、実施例1と同様の手順で分析および測定を行い、また得られたボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉を用いてボンド磁石Aおよびボンド磁石Bを製造し、それらの磁気特性およびMFRの測定を行った。
(比較例1)
六方晶フェライトの微粉の製造工程において、撹拌羽根の回転速度を、撹拌羽根の回転軸からの距離が最も離れた箇所の移動速度(周速)が3.2m/sとなるように調整したこと以外は、実施例1と同様の手順によりボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉を得た。得られた六方晶フェライトの粗粉、評価用の六方晶フェライトの微粉サンプルおよびボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉に対して、実施例1と同様の手順で分析および測定を行い、また得られたボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉を用いてボンド磁石Aおよびボンド磁石Bを製造し、それらの磁気特性およびMFRの測定を行った。
(比較例2)
六方晶フェライトの微粉の製造工程において、撹拌羽根の回転速度を、撹拌羽根の回転軸からの距離が最も離れた箇所の移動速度(周速)が3.2m/sとなるように調整し、六方晶フェライトの微粉の湿式粉砕の粉砕処理時間を30分としたこと以外は、実施例1と同様の手順によりボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉を得た。得られた六方晶フェライトの粗粉、評価用の六方晶フェライトの微粉サンプルおよびボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉に対して、実施例1と同様の手順で分析および測定を行い、また得られたボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉を用いてボンド磁石Aおよびボンド磁石Bを製造し、それらの磁気特性およびMFRの測定を行った。
以上の結果を表1から3に示す。
Figure 2023041550000002
Figure 2023041550000003
Figure 2023041550000004
実施例1から5のボンド磁石の残留磁束密度Br(G)はいずれの比較例のBr(G)の値よりも大きく、六方晶フェライトの微粉が関係式(1)を満たすことで、優れたBr(G)を得られることが分かった。ここで、実施例1と比較例3および実施例2と比較例1の比表面積は同等であるが、ボンド磁石としてのBr(G)は、関係式(1)を満たす実施例1および2の方が優れていた。また、比較例2および比較例3は、実施例2と比べて圧縮密度の点では有利な結果であるものの、ボンド磁石としてのBr(G)は、関係式(1)を満たす実施例2の方が大きな値となっていた。
この結果から、実施例では、六方晶フェライトの微粉の調製時の湿式粉砕の撹拌羽根の周速が1.6m/sに制御されているところ、比較例では3.2m/sに制御されており、均整化が妨げられていると予想される。そして、そのことにより関係式(1)を満たさなくなっていることが考えられる

Claims (6)

  1. 六方晶フェライトの粗粉を得る工程と、前記六方晶フェライトの粗粉より比表面積が大きい六方晶フェライトの微粉を得る工程と、
    前記六方晶フェライトの粗粉と、前記六方晶フェライトの微粉とを混合粉砕して混合粉砕処理した混合粉を得る工程と、
    前記混合粉砕処理した混合粉をアニールする工程と、を含み、
    前記六方晶フェライトの微粉が、前記六方晶フェライトの微粉10gを内径2.54cmφの円筒形の金型に充填した後に1000kg/cmの圧力で圧縮した成形体の圧縮密度X(g/cm)と、前記六方晶フェライトの微粉の比表面積Y(m/g)との関係が、下記式(1):
    X>-0.03×Y+3.27・・・(1)
    の関係式を満たす、ボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉の製造方法。
  2. 前記ボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉は、六方晶Srフェライトである、請求項1に記載のボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉の製造方法。
  3. 前記六方晶フェライトの粗粉の比表面積が0.2m/g以上1.2m/g以下であり、前記六方晶フェライトの微粉の比表面積が4.0m/g以上20.0m/g以下である、請求項1または2に記載のボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉の製造方法。
  4. 前記混合粉砕処理した混合粉を得る工程において、
    前記六方晶フェライトの粗粉と前記六方晶フェライトの微粉の合計質量に対する前記六方晶フェライトの粗粉の質量割合が60質量%以上90質量%以下である、
    請求項1~3のいずれか一項に記載のボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉の製造方法。
  5. 六方晶フェライトの微粉は、撹拌羽根の周速を0.5m/s以上2.5m/s以下に設定した湿式ビーズミルを用いて粉砕されたものである、請求項1~4のいずれか一項に記載のボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉の製造方法。
  6. 請求項1~5のいずれか一項に記載の製造方法により得られたボンド磁石用六方晶フェライト磁性粉を用いることを特徴とする、ボンド磁石の製造方法。

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