JP2023041448A - 断熱ボード用表面材及び断熱ボード - Google Patents
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Abstract
【課題】燃焼時に発泡断熱材から発生するガスを断熱ボードから逃がしやすくすることが可能な断熱ボード用表面材及び断熱ボードを提供する。【解決手段】断熱ボード用表面材10は、金属層11と、金属層11に接着された樹脂フィルム12と、を備えている。断熱ボード用表面材10は、発泡断熱材と一体化し、かつ発泡断熱材及び断熱ボード用表面材10を150℃以上の温度とした際に、発泡断熱材から発せられるガスを通過させる機能をもつ。【選択図】図1
Description
本実施の形態は、断熱ボード用表面材及び断熱ボードに関する。
近年、物品の省エネルギー化を目的として、断熱材が用いられている。断熱材としては、例えば、硬質ウレタンフォーム等の発泡断熱材が広く用いられている。
硬質ウレタンフォーム等の発泡断熱材は可燃性であるため、難燃化が求められている。難燃化の技術としては、例えば、発泡断熱材を有する断熱ボードにおいて、アルミニウム箔等の金属表面材を発泡断熱材の表面又は裏面に貼り合わせて、断熱ボードの難燃性を高める技術や、発泡断熱材に難燃剤を添加するなど、発泡断熱材自体の難燃性を高める技術(例えば特許文献1参照)が提案されている。
しかしながら、金属表面材は気体を通過させない性質をもつため、発泡断熱材の燃焼時に発生するガスが、金属表面材と発泡断熱材との間に滞留し、断熱ボードが膨らむ場合がある。とりわけ、近年、断熱性をより高めるために断熱ボードの厚みを増やすことが検討されている。この場合、発泡断熱材の体積が増加することに伴って、燃焼試験時に発泡断熱材から発生するガスも増加し、上述した断熱ボードの膨張がより顕著になるおそれがある。
本開示は、燃焼時に発泡断熱材から発生するガスを断熱ボードから逃がしやすくすることが可能な、断熱ボード用表面材及び断熱ボードを提供する。
本実施の形態による断熱ボード用表面材は、断熱ボード用表面材であって、金属層と、前記金属層に接着された樹脂フィルムと、を備え、発泡断熱材と一体化し、かつ前記発泡断熱材及び前記断熱ボード用表面材を150℃以上の温度とした際に、前記発泡断熱材から発せられるガスを通過させる機能をもつ。
本実施の形態による断熱ボード用表面材において、前記金属層と前記樹脂フィルムとを厚み方向に貫通する複数の貫通孔を有し、各貫通孔の径が0.2mm以上、0.8mm以下であり、各貫通孔同士のピッチが35mm以上、50mm以下であり、前記貫通孔の存在しない部分における前記断熱ボード用表面材の突き刺し強度が、10N/φ1mm以下であっても良い。
本実施の形態による断熱ボード用表面材において、前記樹脂フィルムを厚み方向に貫通する複数の溝を有し、各溝は、前記金属層には形成されておらず、前記断熱ボード用表面材の厚みが55μm以下であっても良い。
本実施の形態による断熱ボード用表面材において、前記断熱ボード用表面材の引張強度が、20N/15mm以上、40N/15mm以下であり、前記断熱ボード用表面材の突き刺し強度が、5N/φ1mm以上、7N/φ1mm以下であっても良い。
本実施の形態による断熱ボード用表面材において、前記樹脂フィルムの、前記発泡断熱材と接する面の濡れ性が、40dyn以上であっても良い。
本実施の形態による断熱ボードは、本実施の形態による断熱ボード用表面材と、前記断熱ボード用表面材に対して一体化された発泡断熱材と、を備え、前記発泡断熱材は、ポリイソシアヌレートを主成分とする発泡体であり、ISO5660-1 2002試験法による不燃性を有する。
本実施の形態によれば、燃焼時に発泡断熱材から発生するガスを断熱ボードから逃がしやすくすることができる。
以下、図面を参照しながら各実施の形態について説明する。以下に示す各図は、模式的に示したものである。そのため、各部の大きさ、形状は理解を容易にするために、適宜誇張している。また、技術思想を逸脱しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。なお、以下に示す各図において、同一部分には同一の符号を付しており、一部詳細な説明を省略する場合がある。また、本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名は、実施の形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用することができる。本明細書において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば平行や直交、垂直等の用語については、厳密に意味するところに加え、実質的に同じ状態も含むものとする。
また、以下の各実施の形態において、「平面視」とは、断熱ボード用表面材及び断熱ボードの主たる面に直交する法線方向から見た状態を指す。
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態による断熱ボード用表面材の構成について、図1及び図2を用いて説明する。
第1の実施の形態による断熱ボード用表面材の構成について、図1及び図2を用いて説明する。
図1及び図2に示すように、本実施の形態による断熱ボード用表面材10は、金属層11と、金属層11に接着された樹脂フィルム12と、を備えている。断熱ボード用表面材10は、発泡断熱材20と一体化され、かつ発泡断熱材20及び断熱ボード用表面材10を加熱して高温(150℃以上の温度)にした際に、発泡断熱材20から発せられるガスを通過させる機能をもつ。この断熱ボード用表面材10は、発泡断熱材20の少なくとも一方の側に配置され、発泡断熱材20と一体化されることにより断熱ボード30(図3参照)を構成する。断熱ボード30は、ISO5660-1 2002試験法による不燃性を有する。
本実施の形態における断熱ボード用表面材10の平面視形状としては、特に限定されず、例えば、矩形状、多角形状、円形状等を挙げることができる。
本実施の形態による断熱ボード用表面材10は、金属層11と、金属層11の第1面11aに位置する接着層13と、接着層13の第1面13aに位置する樹脂フィルム12と、を備えている。このうち金属層11は、断熱ボード30(図3参照)を構成した際に断熱ボード30の外側に位置する。金属層11の第2面11bは、断熱ボード30の外側を向く面である。樹脂フィルム12は、発泡断熱材20側に位置する。接着層13は、金属層11と樹脂フィルム12とを互いに接合する層である。この場合、金属層11の第1面11aは、接着層13の第2面13bに直接接合されている。樹脂フィルム12の第1面12aは、発泡断熱材20に直接接合されている。樹脂フィルム12の第2面12bは、接着層13の第1面13aに直接接合されている。
図1及び図2に示すように、断熱ボード用表面材10は、複数の貫通孔14を含む。複数の貫通孔14は、それぞれ金属層11と樹脂フィルム12とを厚み方向に貫通する。複数の貫通孔14は、互いに面方向に離間して配置されている。各貫通孔14の平面形状は、円形の点状であるが、これに限らず、三角形、四角形等の多角形の点状としても良い。また各貫通孔14の平面形状は、線状としても良く、この場合、例えば直線状、折れ線状、曲線状、波線状等としても良い。
図1に示すように、各貫通孔14の径d1は、0.2mm以上であり、0.4mm以上とすることが好ましい。各貫通孔14の径d1を0.2mm以上とすることにより、後述するように、燃焼時に発泡断熱材20から発生するガスを、貫通孔14を通して断熱ボード30の外部に逃がすことができる。また各貫通孔14の径d1は、0.8mm以下であり、0.7mm以下とすることが好ましい。各貫通孔14の径d1を0.8mm以下とすることにより、断熱ボード30の製造時に、各貫通孔14から発泡断熱材20の材料が貫通孔14から漏出することを抑制できる。ここで「径」とは、平面視において各貫通孔14の両側から接する2本の平行線の間の最長距離として定義される。各貫通孔14の平面形状が円形である場合、「径」とは各貫通孔14の直径に対応する。
各貫通孔14同士のピッチP1は、35mm以上であり、40mm以上とすることが好ましい。各貫通孔14同士のピッチP1を35mm以上とすることにより、発熱性試験時に発泡断熱材20に熱が伝わりやすくなることを抑え、断熱ボード30が要求性能を満たさなくなることを抑制できる。各貫通孔14同士のピッチP1は、50mm以下であり、45mm以下とすることが好ましい。各貫通孔14同士のピッチP1を50mm以下とすることにより、後述するように、燃焼時に発泡断熱材20から発生するガスを、貫通孔14を通して断熱ボード30の外部に逃がすことができる。ここで「ピッチ」とは、平面視において隣接する貫通孔14の中心同士を結ぶ距離として定義される。なお、複数の貫通孔14は、均一なピッチP1で配置されているが、これに限らず、不均一なピッチP1で配置されていても良い。この場合においても、複数の貫通孔14は、35mm以上、50mm以下の範囲内で不均一なピッチP1で配置されていることが好ましい。
ここで、貫通孔14の径d1及びピッチP1は、光学顕微鏡、透過型電子顕微鏡(TEM)、走査型電子顕微鏡(SEM)又は走査透過型電子顕微鏡(STEM)により観察される金属層11の平面視顕微鏡写真から求めることができる。
複数の貫通孔14は、平面視で千鳥状(互い違い)に配置されている。しかしながら、これに限らず、複数の貫通孔14は、格子点状等、所定の規則性をもつ配列で配置されていても良い。あるいは、複数の貫通孔14は、不規則に配置されていても良い。また、複数の貫通孔14は、断熱ボード用表面材10の面内で均一な密度で配置されているが、これに限らず、断熱ボード用表面材10の面内で不均一な密度で配置されていても良い。例えば、複数の貫通孔14は、断熱ボード用表面材10の面内の一部領域において、他の領域よりも高い密度で配置されていても良い。
以下、本実施の形態における断熱ボード用表面材10の各構成について説明する。
金属層11は、断熱ボード30の外面側に配置される層であり、断熱ボード30に熱線反射機能を付与する層である。金属層11の厚みT1は、例えば、1μm以上とすることができ、5μm以上とすることが好ましい。金属層11の厚みT1は、100μm以下とすることができ、50μm以下とすることが好ましい。なお、金属層11の厚みT1は、透過型電子顕微鏡(TEM)、走査型電子顕微鏡(SEM)又は走査透過型電子顕微鏡(STEM)により観察される断熱ボード用表面材10の厚み方向の断面から測定して得られた任意の10箇所の厚みの平均値とすることができる。なお、断熱ボード用表面材10及び断熱ボード30に含まれる他の層の厚みの測定方法についても同様とすることができる。
金属層11は、金属材料を含有する。金属材料としては、近赤外線又は赤外線を反射する熱線反射性を有する材料であっても良く、例えば、アルミニウム、マグネシウム、銀、銅、チタン、又はステンレスを含む材料を用いることができる。中でも、耐食性が良好であることから、アルミニウム又はステンレスを用いることが好ましい。特に、熱線反射性、防湿性及びガスバリア性が高く、加工適性が良好で、コストが安く、軽量であることから、アルミニウムを用いることが好ましい。金属層11としては、例えば、金属箔を用いることができる。中でも、金属層11は、アルミニウム箔又はステンレス箔であることが好ましく、アルミニウム箔であることがより好ましい。
接着層13は、金属層11と樹脂フィルム12とを接着する材料であれば特に限定されず、例えば、接着剤を用いることができる。このような接着層の材料としては、従来公知の接着剤(例えば、感圧性接着剤、熱可塑性接着剤、硬化性接着剤)を用いることができる。接着層を構成する接着剤は、通常、主剤および硬化剤を含む2液硬化型の接着剤であるが、これに限定されない。例えば、主剤および主剤と混合しても反応しないように公知の方法でブロック化した潜在性硬化剤を混ぜ合せた1液硬化型接着剤や、硬化剤および混合しても反応しないように公知の方法でブロック化した潜在性主剤と硬化剤を混ぜ合わせた1液硬化型接着剤であってもよい。接着層を構成する接着剤としては、例えば、エポキシ系接着剤、ポリ酢酸ビニル系接着剤、ポリアクリル酸エステル系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、エチレン共重合体系接着剤、セルロース系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリイミド系接着剤、アミノ樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、ポリウレタン系接着剤、反応型(メタ)アクリル酸系接着剤、無機ゴム系接着剤、シリコーン系接着剤、アルカリ金属シリケートまたは低融点ガラス等の無機系接着剤が挙げられる。上記接着層13の厚みT2は、例えば、1μm以上とすることができ、3μm以上とすることが好ましい。接着層13の厚みT2は、50μm以下とすることができ、20μm以下とすることが好ましい。接着層13の形成方法としては、例えば、金属層11の第1面11a又は樹脂フィルム12の第2面12bに上記接着剤を塗布する方法が挙げられる。塗布方法としては、例えば、グラビアコート、ロールコート等の一般的な塗布方法を用いることができる。
樹脂フィルム12は、断熱ボード用表面材10を断熱ボード30に用いる際、断熱ボード用表面材10を発泡断熱材20に接合するための層である。樹脂フィルム12は、断熱ボード用表面材10において、発泡断熱材20と対向する面側に配置される。
樹脂フィルム12としては、発泡断熱材20に接合可能な熱可塑性樹脂を用いることができる。樹脂フィルム12は、未延伸であってもよく、一軸または二軸延伸されたものであってもよい。また、樹脂基材は透明性を有していてもよく、有さなくてもよい。樹脂基材に用いられる樹脂は、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル-スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリ(メタ)アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアルコール(PVA)やエチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)等のポリビニルアルコール系樹脂、エチレン-ビニルエステル共重合体およびそのケン化物、各種のナイロン等のポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、アセタール樹脂、セルロース樹脂が挙げられる。中でも、上記樹脂は、PET、PBT、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、PVAまたはEVOHが好ましい。樹脂フィルム12として、ポリエチレンテレフタレート(PET)又はナイロンを用いることにより、コストを低減するとともに、耐熱性及び機械強度を向上させることが可能である。
樹脂フィルム12は、金属層11の第1面11a側の全面に配置されていてもよく、金属層11の第1面11a側に部分的に配置されていてもよい。中でも、金属層11と発泡断熱材20との接着性を確保するため、樹脂フィルム12は、金属層11の第1面11a側の全面に配置されていることが好ましい。
樹脂フィルム12の厚みT3は、断熱ボード用表面材10を発泡断熱材20に接着することが可能な程度であればよい。樹脂フィルム12の厚みT3は、例えば、1μm以上とすることができ、5μm以上とすることが好ましい。樹脂フィルム12の厚みT3は、100μm以下とすることができ、40μm以下とすることが好ましい。
また、樹脂フィルム12の、発泡断熱材20と接する面(第1面12a)の濡れ性は、40dyn(mN/m)以上であることが好ましい。樹脂フィルム12の第1面12aの濡れ性を40dyn以上とすることにより、樹脂フィルム12と発泡断熱材20との密着性を高めることができる。上記濡れ性は、試料の表面に40dyn(ダイン数:濡れ指数)の濡れ試薬を塗布し、2秒経過した時点で液膜に分離が生じたか否かにより判定することができる。
また断熱ボード用表面材10の厚みT4は、例えば、3μm以上とすることができ、15μm以上とすることが好ましい。断熱ボード用表面材10の厚みT4は、250μm以下とすることができ、110μm以下とすることが好ましい。
断熱ボード用表面材10の引張強度は、10N/15mm以上としても良く、20N/15mm以上とすることが好ましい。断熱ボード用表面材10の引張強度は、50N/15mm以下としても良く、40N/15mm以下とすることが好ましい。断熱ボード用表面材10の引張強度は、JIS K 7161-1:2014に準拠して求める。引張試験機としては、インストロン5565(インストロン・ジャパン社製)を用いることができる。引張速度は300mm/minとしても良い。なお、本実施の形態において、断熱ボード用表面材10の引張強度は、貫通孔14を含む領域で測定した値をいう。また、断熱ボード用表面材10の引張強度は、樹脂フィルム12の樹脂流れ方向(MD方向)と直角方向(TD方向)の両方において、上記範囲内となることが好ましい。
断熱ボード用表面材10の突き刺し強度は、10N/φ1mm以下である。断熱ボード用表面材10の突き刺し強度は、JIS Z 1707 食品包装用プラスチックフィルム通則 7.4 突き刺し強さ試験に準拠して求める。具体的には、まず、試験片として、表面材と発泡断熱材(硬質ウレタン発泡体)を一体化したものを50mm×50mmの大きさで切り出す。次に試験片を固定し、直径1.0mm、先端形状半径0.5mmの半円形の針を毎分50±5mmの速度で中心部を突き刺し、針が貫通するまでの最大応力を測定し、表面材の突き刺し強度を得る。断熱ボード用表面材10の突き刺し強度を10N/φ1mm以下とすることにより、後述するように熱針43を用いて貫通孔14を形成する際に、熱針43が折れたり曲がったりするおそれが少ない。なお、本実施の形態において、断熱ボード用表面材10の突き刺し強度は、貫通孔14の存在しない領域で測定した値をいう。
次に、本実施の形態による断熱ボードの構成について、図3を用いて説明する。
図3に示すように、本実施の形態における断熱ボード30は、第1面20aと第2面20bとを有する発泡断熱材20と、発泡断熱材20の少なくとも第2面20b側に配置された断熱ボード用表面材10と、を備えている。このうち断熱ボード用表面材10は、図1及び図2に示すものと同様である。断熱ボード用表面材10は、断熱ボード30の第1面20a及び第2面20bの少なくとも一方の側に配置されていればよく、例えば、断熱ボード30の第1面20a及び第2面20bの両方に配置されていてもよい。
本実施の形態においては、断熱ボード30が上述した断熱ボード用表面材10を有することにより、燃焼時に発泡断熱材20から発生するガスによって断熱ボード30が膨張することを抑制できる。
発泡断熱材20は、断熱性を有する剛性材料から構成されるものである。発泡断熱材20としては、例えば、ポリイソシアヌレートを主成分とする発泡体等が挙げられる。ポリイソシアヌレートを主成分とする発泡体は、例えば、ポリオールを含むポリオール化合物、芳香族ポリイソシアネート化合物を含むイソシアネート化合物、及び発泡剤等を反応させて形成することができる。発泡断熱材20の原料は、例えば、触媒、添加剤、難燃剤等を含んでいてもよい。発泡断熱材20が、ポリイソシアヌレートを主成分とする発泡体であることにより、高い難燃性を有する断熱ボード30が得られる。
発泡断熱材20の厚みT5は、例えば、5mm以上とすることができ、20mm以上とすることが好ましい。発泡断熱材20の厚みT5は、495mm以下とすることができ、100mm以下とすることが好ましい。発泡断熱材20の平面視形状としては、特に限定されず、例えば、矩形状、多角形状、円形状等を挙げることができる。
断熱ボード30の平面視形状としては、特に限定されず、例えば、長方形状、多角形状、円形状等とすることができる。本実施の形態における断熱ボード30の厚みT6は、例えば、10mm以上とすることができ、25mm以上とすることが好ましい。断熱ボード30の厚みT6は、500mm以下とすることができ、200mm以下とすることが好ましい。
本実施の形態による断熱ボード30は、例えば、冷蔵庫、冷凍庫、保温器、保冷器、自動販売機等の電気機器、保温容器、保冷容器、輸送容器、コンテナ、貯蔵容器等の容器、車両、航空機、船舶等の乗り物、家屋、倉庫等の建築物、壁材、床材等の建築資材等に用いることができる。
次に、本実施の形態による断熱ボード用表面材10及び断熱ボード30の製造方法について、図4(a)-(d)を用いて説明する。
まず、図4(a)に示すように、金属層11と、金属層11に接着された樹脂フィルム12と、を備えた積層体10Aを準備する。
次に、図4(b)に示すように、積層体10Aを抑え金型41上に配置する。このとき、積層体10Aの金属層11側が抑え金型41上に配置されるようにする。抑え金型41は、貫通孔14に対応する位置に開口42を有する。続いて、熱針43(加熱された針)を用いて、積層体10Aを厚み方向に貫通する貫通孔14を形成する。その後、熱針43を積層体10Aから抜き取ることにより、積層体10Aに貫通孔14が形成される。
この熱針43は、抑え金型41の開口42上で積層体10Aに突き刺されるので、積層体10Aを確実に貫通させることができる。また、熱針43を用いて貫通孔14を形成することにより、熱針43の熱によって熱針43と樹脂フィルム12との接触抵抗を減らすことができる。また、抑え金型41を用いることにより、熱針43によって貫通孔14の周囲に位置する積層体10Aの変形範囲を限定的とし、熱針43を抜き取る際の抜き取り抵抗を減らすことができる。
このようにして、図4(c)に示すように、金属層11と樹脂フィルム12とを備え、複数の貫通孔14を含む、断熱ボード用表面材10が得られる。この断熱ボード用表面材10において、貫通孔14の周縁には、熱針43を抜き取った際の抜き取り抵抗によってバリ14aが形成される。このバリ14aは、熱針43を樹脂フィルム12から抜き取った側(図4(b)の上側)に形成され、樹脂フィルム12の第1面12a側に盛り上がる。
続いて、図4(d)に示すように、断熱ボード用表面材10の樹脂フィルム12側の面に、発泡断熱材20の原料を吐出し、原料を発泡及び硬化させることにより、発泡断熱材20を形成する。発泡断熱材20は、発泡断熱材20自体の自己接着力によって樹脂フィルム12に対して接合される。その後、断熱ボード用表面材10及び発泡断熱材20を所定の大きさに裁断することにより、断熱ボード用表面材10と、断熱ボード用表面材10に対して一体化された発泡断熱材20とを有する断熱ボード30が得られる。
なお、発泡断熱材20の周縁に形成されたバリ14aは、発泡断熱材20の内部に進入しても良い。また、発泡断熱材20の一部が貫通孔14の内部に埋設されても良い(図4(d)の仮想線参照)。なお、図2及び図3において、便宜上、バリ14aや、貫通孔14の内部に埋設された発泡断熱材20の図示を省略している。
このように、本実施の形態によれば、貫通孔14は、発泡断熱材20が形成される前に予め断熱ボード用表面材10に形成されている。これにより、例えば熱針43を用いて貫通孔14を形成する際に、発泡断熱材20の一部が破壊されることを抑制できる。これに対して、仮に貫通孔14が、発泡断熱材20が形成された後に形成される場合、抑え金型41を用いることが困難となる。このため、熱針43の圧力によって広範囲にわたって金属層11と樹脂フィルム12とが変形し、貫通孔14は樹脂フィルム12が降伏点に達した後に開孔する。この場合、発泡断熱材20の構造が破壊されるおそれがある。
なお、上記に限らず、例えば、発泡断熱材20の原料を発泡及び硬化させてブロック状の発泡断熱材20を作製し、その後、発泡断熱材20に断熱ボード用表面材10を接着してもよい。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について述べる。
上述した断熱ボード30においては、燃焼が生じた際、発泡断熱材20の燃焼によって発生するガスが、発泡断熱材20と断熱ボード用表面材10との間に滞留するおそれがある。このガスの量が大量であると、断熱ボード30が膨らむことが懸念される。
これに対して本実施の形態においては、断熱ボード用表面材10を発泡断熱材20と一体化し、かつ発泡断熱材20及び断熱ボード用表面材10を加熱して高温(150℃以上の温度)にした際に、発泡断熱材20から発せられるガスを通過させる機能をもつ。より具体的には、断熱ボード用表面材10が金属層11と樹脂フィルム12とを厚み方向に貫通する複数の貫通孔14を有する。これにより、燃焼時に発泡断熱材20から発生するガスを、金属層11の貫通孔14を通して断熱ボード30の外部に逃がすことができる。
すなわち貫通孔14が金属層11と樹脂フィルム12とを厚み方向に貫通しているため、燃焼時に発泡断熱材20から発生するガスが、貫通孔14を通して、断熱ボード30の外部に逃がされる。この結果、発泡断熱材20と金属層11との間に発泡断熱材20の燃焼によるガスが滞留することを抑え、断熱ボード30の膨張を抑制することができる。
特に、断熱性をより高めるために発泡断熱材20の厚みを増加させた場合には、燃焼時に発泡断熱材20から発生するガスが増加するおそれがある。本実施の形態によれば、このような場合であっても、断熱ボード30の膨張を抑制できる。よって、例えばぼやのようなごく小さな火事が起きた場合には、断熱ボード30が膨張して変形することを抑制できるため、金属層11の剥離を抑制し、金属層11による熱線反射性、防湿性、ガスバリア性等の低下を抑えることができる。また、外観不良の発生を抑え、断熱ボード30の交換を不要とすることができる。
本実施の形態による断熱ボード30は、ISO5660-1 2002に準拠する発熱性試験にて、不燃認定取得可能要件を満たす。コーンカロリーメータは、70kW/m2すなわち約700℃の熱源であるコーン型のヒータを用いて試料を加熱し、スパーク点火器により着火、燃焼させ、発生ガス中の酸素濃度を測定する装置である。コーンカロリーメータによれば、燃焼性の評価として、総発熱量、最高発熱速度、着火から消炎までの燃焼時間、重量保持率(試験前の重量を基準とした試験終了後の重量割合%)等を測定することができる。本実施の形態による断熱ボード30を用いてこのような発熱性試験を行った場合にも、発泡断熱材20の燃焼時に発生するガスが、発泡断熱材20と断熱ボード用表面材10の金属層11との間に生じ、このガスの量が大量であると、断熱ボード30が膨らむことが考えられる。発熱性試験時に断熱ボード30が膨張して変形すると、スパーク点火器に接触してしまい、望ましくない評価になる、あるいは測定不可能になる。このため、断熱ボード30が難燃性又は不燃性を有する場合であっても、発熱性試験時の膨張により測定不可能になり、不燃認定取得可能要件を満たすことができない場合がある。
これに対して本実施の形態においては、発熱性試験時に発泡断熱材20から発生するガスを、貫通孔14を通して断熱ボード30の外部に逃がすことができる。この結果、発泡断熱材20と断熱ボード用表面材10の金属層11との間に発泡断熱材20の燃焼によるガスが滞留することを抑え、断熱ボード30の膨張を抑制できる。これにより、発熱性試験時の断熱ボード30の膨張により測定不可能になることを回避でき、確実に発熱性試験を実施することができる。
また、本実施の形態においては、断熱ボード用表面材10が金属層11と樹脂フィルム12とを厚み方向に貫通する複数の貫通孔14を有する。このため、断熱ボード30の膨張を抑制するために、例えば別の部材を設ける必要がない。そのため、既存の部材を利用して、簡素な構成で、燃焼時に発泡断熱材20から発生するガスによる断熱ボード30の膨張を抑制できる。
また、本実施の形態によれば、各貫通孔14の径d1は、0.2mm以上、0.8mm以下である。これにより、燃焼時に発泡断熱材20から発生するガスを、貫通孔14を通して断熱ボード30の外部に逃がすことができる。また、断熱ボード30の製造時に、各貫通孔14から発泡断熱材20の材料が貫通孔14から漏出することを抑制できる。さらに、各貫通孔14同士のピッチP1は、35mm以上、50mm以下である。これにより、発熱性試験時に発泡断熱材20に熱が伝わりやすくなることを抑え、断熱ボード30が要求性能を満たさなくなることを抑制できる。また、燃焼時に発泡断熱材20から発生するガスを、金属層11の貫通孔14を通して断熱ボード30の外部に逃がすことができる。
(第2の実施の形態)
次に、図5乃至図9を参照して第2の実施の形態について説明する。図5乃至図9は第2の実施の形態を示す図である。図5乃至図9に示す第2の実施の形態は、主として、貫通孔14に代えて、樹脂フィルム12を貫通する溝16が形成されている点が異なるものであり、他の構成は上述した第1の実施の形態と略同一である。図5乃至図9において、図1乃至図4に示す第1の実施の形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
次に、図5乃至図9を参照して第2の実施の形態について説明する。図5乃至図9は第2の実施の形態を示す図である。図5乃至図9に示す第2の実施の形態は、主として、貫通孔14に代えて、樹脂フィルム12を貫通する溝16が形成されている点が異なるものであり、他の構成は上述した第1の実施の形態と略同一である。図5乃至図9において、図1乃至図4に示す第1の実施の形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図5及び図6に示すように、本実施の形態による断熱ボード用表面材10は、金属層11と、金属層11に接着された樹脂フィルム12と、を備えている。このうち樹脂フィルム12は、複数の溝16を含む。複数の溝16は、それぞれ樹脂フィルム12を厚み方向に貫通する。複数の溝16は、それぞれ金属層11には形成されていない。また複数の溝16は、それぞれ接着層13を厚み方向に貫通しているが、これに限らず、接着層13には溝16が形成されていなくても良い。複数の溝16は、互いに面方向に離間して配置されている。各溝16の平面形状は、直線状であるが、これに限らず、例えば折れ線状、曲線状、波線状等としても良い。
各溝16の長さL1は、1.0mm以上としても良く、5.0mm以上とすることが好ましい。各溝16の長さL1は、30.0mm以下としても良く、20.0mm以下とすることが好ましい。各溝16の長さL1とは、各溝16の一方の長手方向端部から他方の長手方向端部まで、各溝16の長手方向に沿って測定した長さをいう。
各溝16の幅W1は、0.01mm以上としても良く、0.05mm以上とすることが好ましい。各溝16の幅W1は、1.0mm以下としても良く、0.5mm以下とすることが好ましい。各溝16の幅W1とは、各溝16の長手方向に垂直な長さをいい、最も太い箇所で測定した距離をいう。
各溝16同士のピッチP2は、0.1mm以上としても良く、0.5mm以上とすることが好ましい。各溝16同士のピッチP2は、5.0mm以下としても良く、2.0mm以下とすることが好ましい。各溝16同士のピッチP2とは、互い隣接する溝16同士の距離であり、溝16同士が最も近接した箇所で測定した距離をいう。
図5に示すように、複数の溝16は、平面視で互いに平行に配置されている。また、複数の溝16は、断熱ボード用表面材10の一部領域(図5では中央の領域)に配置され、他の領域(図5では左右の領域)には配置されていない。これにより、断熱ボード30に燃焼が生じた際、発泡断熱材20の燃焼によって発生するガスを所望の部分から逃がすことができる。
なお、これに限らず、複数の溝16は、断熱ボード用表面材10の全領域にわたって互いに平行かつ等間隔に設けられていても良い(図8(a)参照)。また、複数の溝16は、その中心が格子点状に配列されるように配置されていても良い(図8(b)参照)。あるいは、複数の溝16は、その中心が千鳥状に配列されるように配置されていても良い(図8(c)参照)。
図6に示すように、断熱ボード用表面材10の厚みT4は、55μm以下であり、45μm以下とすることが好ましい。断熱ボード用表面材10の厚みT4を55μm以下とすることにより、断熱ボード用表面材10の剛性が過度に高くなることがなく、燃焼が生じた際、発泡断熱材20の燃焼によって発生するガスの圧力によって金属層11を破断しやすくすることができる。これにより、発泡断熱材20の燃焼によって発生するガスが発泡断熱材20と断熱ボード用表面材10との間に滞留することを抑制できる。断熱ボード用表面材10の厚みT4の下限は特に限定されないが、6μm以上としても良く、15μm以上とすることが好ましい。
本実施の形態において、金属層11の厚みT1は、例えば、1μm以上とすることができ、5μm以上とすることが好ましい。金属層11の厚みT1は、20μm以下とすることができ、10μm以下とすることが好ましい。樹脂フィルム12の厚みT3は、例えば、5μm以上とすることができ、10μm以上とすることが好ましい。樹脂フィルム12の厚みT3は、例えば、50μm以下とすることができ、40μm以下とすることが好ましい。
このほか、金属層11、接着層13及び樹脂フィルム12の構成は、第1の実施の形態の場合と同様にすることができる。
本実施の形態による断熱ボード用表面材10の引張強度は、20N/15mm以上、40N/15mm以下であっても良い。断熱ボード用表面材10の引張強度を上記範囲とすることにより、燃焼が生じた際、発泡断熱材20の燃焼によって発生するガスの圧力によって金属層11を破断しやすくすることができる。これにより、発泡断熱材20の燃焼によって発生するガスが発泡断熱材20と断熱ボード用表面材10との間に滞留することを抑制できる。
また、本実施の形態による断熱ボード用表面材10の突き刺し強度は、5.0N/φ1mm以上、7.0N/φ1mm以下であっても良い。断熱ボード用表面材10の突き刺し強度を上記範囲とすることにより、燃焼が生じた際、発泡断熱材20の燃焼によって発生するガスの圧力によって金属層11を破断しやすくすることができる。これにより、発泡断熱材20の燃焼によって発生するガスが発泡断熱材20と断熱ボード用表面材10との間に滞留することを抑制できる。
次に、本実施の形態による断熱ボードの構成について、図7を用いて説明する。
図7に示すように、本実施の形態における断熱ボード30は、第1面20aと第2面20bとを有する発泡断熱材20と、発泡断熱材20の少なくとも第2面20b側に配置された断熱ボード用表面材10と、を備えている。このうち断熱ボード用表面材10は、図5及び図6に示すものと同様である。断熱ボード用表面材10は、断熱ボード30の第1面20a及び第2面20bの少なくとも一方の側に配置されていればよく、例えば、断熱ボード30の第1面20a及び第2面20bの両方に配置されていてもよい。
本実施の形態においては、断熱ボード30が上述した断熱ボード用表面材10を有することにより、燃焼時に発泡断熱材20から発生するガスにより断熱ボード30が膨張することを抑制できる。
このほか、断熱ボード30の構成は、第1の実施の形態の場合と同様にすることができる。
次に、本実施の形態による断熱ボード用表面材10及び断熱ボード30の製造方法について、図9(a)-(c)を用いて説明する。
まず、図9(a)に示すように、金属層11と、金属層11に接着された樹脂フィルム12と、を備えた積層体10Aを準備する。
次に、図9(b)に示すように、積層体10Aの樹脂フィルム12に溝16を形成する。一方、溝16は金属層11には形成されない。樹脂フィルム12に溝16を形成する方法は特に限定されず、例えば、レーザ加工等の方法が挙げられる。なお、金属層11と樹脂フィルム12とを積層する前に樹脂フィルム12に溝16を形成してもよく、金属層11と樹脂フィルム12とを積層した後に樹脂フィルム12に溝16を形成してもよい。中でも、加工が容易であることから、金属層11と樹脂フィルム12とを積層した後に樹脂フィルム12に溝16を形成することが好ましい。このようにして、断熱ボード用表面材10が得られる。
続いて、図9(c)に示すように、断熱ボード用表面材10の樹脂フィルム12側の面に、発泡断熱材20の原料を吐出し、原料を発泡及び硬化させることにより、発泡断熱材20を形成する。発泡断熱材20は、発泡断熱材20自体の自己接着力によって樹脂フィルム12に対して接合される。その後、断熱ボード用表面材10及び発泡断熱材20を所定の大きさに裁断することにより、断熱ボード用表面材10と、断熱ボード用表面材10に対して一体化された発泡断熱材20とを有する断熱ボード30が得られる。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について述べる。
上述した断熱ボード30においては、燃焼が生じた際、発泡断熱材20の燃焼によって発生するガスが、発泡断熱材20と断熱ボード用表面材10との間に滞留するおそれがある。このガスの量が大量であると、断熱ボード30が膨らむことが懸念される。
これに対して本実施の形態においては、断熱ボード用表面材10を発泡断熱材20と一体化し、かつ発泡断熱材20及び断熱ボード用表面材10を加熱して高温(150℃以上の温度)にした際に、発泡断熱材20から発せられるガスを通過させる機能をもつ。より具体的には、断熱ボード用表面材10は、樹脂フィルム12を厚み方向に貫通する複数の溝16を有する。この複数の溝16は、金属層11には形成されていない。これにより、燃焼時に発泡断熱材20から発生するガスは、溝16内に進入した後、金属層11を外側に向けて押圧する。このガスの圧力により、金属層11が破断し(図7の線Tr参照)、破断した部分からガスを断熱ボード30の外部に逃がすことができる。
すなわち溝16が樹脂フィルム12を厚み方向に貫通しているため、燃焼時に発泡断熱材20から発生するガスが、溝16の内部から金属層11を押圧し、金属層11を破断する。これにより、発泡断熱材20から発生するガスが、断熱ボード30の外部に逃がされる。この結果、発泡断熱材20と断熱ボード用表面材10との間に発泡断熱材20の燃焼によるガスが滞留することを抑え、断熱ボード30の膨張を抑制することができる。
また、本実施の形態による断熱ボード30は、ISO5660-1 2002に準拠するコーンカロリーメータによる発熱性試験にて、不燃認定取得可能要件を満たす。
また、本実施の形態によれば、断熱ボード用表面材10の厚みT4は、55μm以下である。これにより、断熱ボード用表面材10の剛性が過度に高くなることがなく、燃焼時に発泡断熱材20から発生するガスによって、金属層11をスムーズに破断することができる。
(第3の実施の形態)
次に、図10乃至図13を参照して第3の実施の形態について説明する。図10乃至図13は第3の実施の形態を示す図である。図10乃至図13に示す第3の実施の形態は、主として、貫通孔14及び溝16が形成されていない点が異なるものであり、他の構成は上述した第1の実施の形態及び第2の実施の形態と略同一である。図10乃至図13において、図1乃至図4に示す第1の実施の形態及び図5乃至図9に示す第2の実施の形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
次に、図10乃至図13を参照して第3の実施の形態について説明する。図10乃至図13は第3の実施の形態を示す図である。図10乃至図13に示す第3の実施の形態は、主として、貫通孔14及び溝16が形成されていない点が異なるものであり、他の構成は上述した第1の実施の形態及び第2の実施の形態と略同一である。図10乃至図13において、図1乃至図4に示す第1の実施の形態及び図5乃至図9に示す第2の実施の形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図10及び図11に示すように、本実施の形態による断熱ボード用表面材10は、金属層11と、金属層11に接着された樹脂フィルム12と、を備えている。本実施の形態において、断熱ボード用表面材10には、上述した貫通孔14及び溝16は形成されていない。
本実施の形態による断熱ボード用表面材10の引張強度は、20N/15mm以上であり、30N/15mm以上とすることが好ましい。また断熱ボード用表面材10の引張強度は、40N/15mm以下であり、39N/15mm以下とすることが好ましい。断熱ボード用表面材10の引張強度を上記範囲とすることにより、燃焼が生じた際、発泡断熱材20の燃焼によって発生するガスの圧力によって金属層11及び樹脂フィルム12を破断しやすくすることができる。これにより、発泡断熱材20の燃焼によって発生するガスが発泡断熱材20と断熱ボード用表面材10との間に滞留することを抑制できる。
また、本実施の形態による断熱ボード用表面材10の突き刺し強度は、5N/φ1mm以上であり、5.5N/φ1mm以上とすることが好ましい。断熱ボード用表面材10の突き刺し強度は、7N/φ1mm以下であり、6.5N/φ1mm以下とすることが好ましい。断熱ボード用表面材10の突き刺し強度を上記範囲とすることにより、燃焼が生じた際、発泡断熱材20の燃焼によって発生するガスの圧力によって金属層11及び樹脂フィルム12を破断しやすくすることができる。これにより、発泡断熱材20の燃焼によって発生するガスが発泡断熱材20と断熱ボード用表面材10との間に滞留することを抑制できる。
本実施の形態において、断熱ボード用表面材10の厚みT4は、50μm以下であり、40μm以下とすることが好ましい。断熱ボード用表面材10の厚みT4を50μm以下とすることにより、断熱ボード用表面材10の剛性が過度に高くなることがなく、燃焼が生じた際、発泡断熱材20の燃焼によって発生するガスの圧力によって金属層11及び樹脂フィルム12を破断しやすくすることができる。これにより、発泡断熱材20の燃焼によって発生するガスが発泡断熱材20と断熱ボード用表面材10との間に滞留することを抑制できる。断熱ボード用表面材10の厚みT4の下限は特に限定されないが、6μm以上としても良く、15μm以上とすることが好ましい。
本実施の形態において、金属層11の厚みT1は、例えば、1μm以上とすることができ、5μm以上とすることが好ましい。金属層11の厚みT1は、例えば、20μm以下とすることができ、10μm以下とすることが好ましい。樹脂フィルム12の厚みT3は、例えば、5μm以上とすることができ、10μm以上とすることが好ましい。樹脂フィルム12の厚みT3は、例えば、50μm以下とすることができ、40μm以下とすることが好ましい。金属層11の厚みT1及び樹脂フィルム12の厚みT3を上記範囲とすることにより、燃焼が生じた際、発泡断熱材20の燃焼によって発生するガスの圧力によって金属層11及び樹脂フィルム12を破断しやすくすることができる。これにより、発泡断熱材20の燃焼によって発生するガスが発泡断熱材20と断熱ボード用表面材10との間に滞留することを抑制できる。
このほか、金属層11、接着層13及び樹脂フィルム12の構成は、第1の実施の形態の場合と同様にすることができる。
次に、本実施の形態による断熱ボードの構成について、図12を用いて説明する。
図12に示すように、本実施の形態における断熱ボード30は、第1面20aと第2面20bとを有する発泡断熱材20と、発泡断熱材20の少なくとも第2面20b側に配置された断熱ボード用表面材10と、を備えている。このうち断熱ボード用表面材10は、図10及び図11に示すもの同様である。断熱ボード用表面材10は、断熱ボード30の第1面20a及び第2面20bの少なくとも一方の側に配置されていればよく、例えば、断熱ボード30の第1面20a及び第2面20bの両方に配置されていてもよい。
本実施の形態においては、断熱ボード30が上述した断熱ボード用表面材10を有することにより、燃焼時に発泡断熱材20から発生するガスにより断熱ボード30が膨張することを抑制できる。
このほか、断熱ボード30の構成は、第1の実施の形態の場合と同様にすることができる。
次に、本実施の形態による断熱ボード用表面材10を用いた断熱ボード30の製造方法について、図13(a)-(b)を用いて説明する。
まず、図13(a)に示すように、金属層11と、金属層11に接着された樹脂フィルム12と、を備えた断熱ボード用表面材10を準備する。
次に、図13(b)に示すように、断熱ボード用表面材10の樹脂フィルム12側の面に、発泡断熱材20の原料を吐出し、原料を発泡及び硬化させることにより、発泡断熱材20を形成する。発泡断熱材20は、発泡断熱材20自体の自己接着力によって樹脂フィルム12に対して接合される。その後、断熱ボード用表面材10及び発泡断熱材20を所定の大きさに裁断することにより、断熱ボード用表面材10と、断熱ボード用表面材10に対して一体化された発泡断熱材20とを有する断熱ボード30が得られる。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について述べる。
上述した断熱ボード30においては、燃焼が生じた際、発泡断熱材20の燃焼によって発生するガスが、発泡断熱材20と断熱ボード用表面材10との間に滞留するおそれがある。このガスの量が大量であると、断熱ボード30が膨らむことが懸念される。
これに対して本実施の形態においては、断熱ボード用表面材10を発泡断熱材20と一体化し、かつ発泡断熱材20及び断熱ボード用表面材10を加熱して高温(150℃以上の温度)にした際に、発泡断熱材20から発せられるガスを通過させる機能をもつ。より具体的には、断熱ボード用表面材10の引張強度は、20N/15mm以上、40N/15mm以下であり、断熱ボード用表面材10の突き刺し強度は、5N/φ1mm以上、7N/φ1mm以下である。これにより、燃焼時に発泡断熱材20から発生するガスの圧力により、断熱ボード用表面材10が破断し(図12の線Tr参照)、破断した部分からガスを断熱ボード30の外部に逃がすことができる。
すなわち断熱ボード用表面材10の引張強度が20N/15mm以上、40N/15mm以下であり、断熱ボード用表面材10の突き刺し強度が5N/φ1mm以上、7N/φ1mm以下であるため、燃焼時に発泡断熱材20から発生するガスが、断熱ボード用表面材10を押圧し、断熱ボード用表面材10を破断する。これにより、発泡断熱材20から発生するガスが、断熱ボード30の外部に逃がされる。この結果、発泡断熱材20と断熱ボード用表面材10との間に発泡断熱材20の燃焼によるガスが滞留することを抑え、断熱ボード30の膨張を抑制することができる。
また、本実施の形態による断熱ボード30は、ISO5660-1 2002に準拠するコーンカロリーメータによる発熱性試験にて、不燃認定取得可能要件を満たす。
[実施例]
次に、本実施の形態における具体的実施例について説明する。
次に、本実施の形態における具体的実施例について説明する。
(実施例1)
図1及び図2に示す構成をもつ断熱ボード用表面材を作製した。この場合、厚み12μmのPETフィルムである樹脂フィルムと、厚み6μmのアルミニウム箔である金属層とを、接着剤を用いてドライラミネート方式で貼り合わせた。次に、熱針を用いて、孔径0.8mmの貫通孔をピッチ35mmで複数形成し、断熱ボード用表面材を得た。なお、複数の貫通孔は平面視で千鳥状に配置した。次に、断熱ボード用表面材の樹脂フィルム側の面に発泡断熱材を形成することにより、図3に示す構成をもつ断熱ボードを得た。このとき、発泡断熱材は、貫通孔からほとんど漏出しなかった。
図1及び図2に示す構成をもつ断熱ボード用表面材を作製した。この場合、厚み12μmのPETフィルムである樹脂フィルムと、厚み6μmのアルミニウム箔である金属層とを、接着剤を用いてドライラミネート方式で貼り合わせた。次に、熱針を用いて、孔径0.8mmの貫通孔をピッチ35mmで複数形成し、断熱ボード用表面材を得た。なお、複数の貫通孔は平面視で千鳥状に配置した。次に、断熱ボード用表面材の樹脂フィルム側の面に発泡断熱材を形成することにより、図3に示す構成をもつ断熱ボードを得た。このとき、発泡断熱材は、貫通孔からほとんど漏出しなかった。
(実施例2)
貫通孔の孔径を0.4mmとしたこと、以外は、実施例1と同様にして断熱ボード用表面材及び断熱ボードを作製した。
貫通孔の孔径を0.4mmとしたこと、以外は、実施例1と同様にして断熱ボード用表面材及び断熱ボードを作製した。
(実施例3)
貫通孔の孔径を0.6mmとしたこと、以外は、実施例1と同様にして断熱ボード用表面材及び断熱ボードを作製した。
貫通孔の孔径を0.6mmとしたこと、以外は、実施例1と同様にして断熱ボード用表面材及び断熱ボードを作製した。
(実施例4)
樹脂フィルムとして厚み15μmのナイロンフィルムを用いたこと、及び、貫通孔の孔径を0.4mmとしたこと、以外は、実施例1と同様にして断熱ボード用表面材及び断熱ボードを作製した。
樹脂フィルムとして厚み15μmのナイロンフィルムを用いたこと、及び、貫通孔の孔径を0.4mmとしたこと、以外は、実施例1と同様にして断熱ボード用表面材及び断熱ボードを作製した。
(実施例5)
図5及び図6に示す構成をもつ断熱ボード用表面材を作製した。この場合、厚み12μmのPETフィルムである樹脂フィルムと、厚み6μmのアルミニウム箔である金属層とを、接着剤を用いてドライラミネート方式で貼り合わせた。次に、レーザ加工法により、樹脂フィルムに長さ10.0mmの溝をピッチ1.0mmで複数平行に形成し、断熱ボード用表面材を得た。次に、断熱ボード用表面材の樹脂フィルム側の面に発泡断熱材を形成することにより、図7に示す構成をもつ断熱ボードを得た。
図5及び図6に示す構成をもつ断熱ボード用表面材を作製した。この場合、厚み12μmのPETフィルムである樹脂フィルムと、厚み6μmのアルミニウム箔である金属層とを、接着剤を用いてドライラミネート方式で貼り合わせた。次に、レーザ加工法により、樹脂フィルムに長さ10.0mmの溝をピッチ1.0mmで複数平行に形成し、断熱ボード用表面材を得た。次に、断熱ボード用表面材の樹脂フィルム側の面に発泡断熱材を形成することにより、図7に示す構成をもつ断熱ボードを得た。
(実施例6)
樹脂フィルムとして厚み38μmのPETフィルムを用いたこと、以外は、実施例5と同様にして断熱ボード用表面材及び断熱ボードを作製した。
樹脂フィルムとして厚み38μmのPETフィルムを用いたこと、以外は、実施例5と同様にして断熱ボード用表面材及び断熱ボードを作製した。
(実施例7)
図10及び図11に示す構成をもつ断熱ボード用表面材を作製した。この場合、厚み12μmのPETフィルムである樹脂フィルムと、厚み6μmのアルミニウム箔である金属層とを、接着剤を用いてドライラミネート方式で貼り合わせることにより、断熱ボード用表面材を得た。次に、断熱ボード用表面材の樹脂フィルム側の面に発泡断熱材を形成することにより、図12に示す構成をもつ断熱ボードを得た。
図10及び図11に示す構成をもつ断熱ボード用表面材を作製した。この場合、厚み12μmのPETフィルムである樹脂フィルムと、厚み6μmのアルミニウム箔である金属層とを、接着剤を用いてドライラミネート方式で貼り合わせることにより、断熱ボード用表面材を得た。次に、断熱ボード用表面材の樹脂フィルム側の面に発泡断熱材を形成することにより、図12に示す構成をもつ断熱ボードを得た。
(実施例8)
金属層として厚み9μmのアルミニウム箔を用いたこと、以外は、実施例7と同様にして断熱ボード用表面材及び断熱ボードを作製した。
金属層として厚み9μmのアルミニウム箔を用いたこと、以外は、実施例7と同様にして断熱ボード用表面材及び断熱ボードを作製した。
(実施例9)
金属層として厚み12μmのアルミニウム箔を用いたこと、以外は、実施例7と同様にして断熱ボード用表面材及び断熱ボードを作製した。
金属層として厚み12μmのアルミニウム箔を用いたこと、以外は、実施例7と同様にして断熱ボード用表面材及び断熱ボードを作製した。
(比較例1)
厚み50μmのポリエチレンフィルムである樹脂フィルムと、厚み20μmのアルミニウム箔である金属層とを、接着剤を用いてドライラミネート方式で貼り合わせることにより、断熱ボード用表面材を得た。この断熱ボード用表面材には、貫通孔又は溝は形成されていなかった。次に、断熱ボード用表面材の樹脂フィルム側の面に発泡断熱材を形成することにより、断熱ボードを得た。
厚み50μmのポリエチレンフィルムである樹脂フィルムと、厚み20μmのアルミニウム箔である金属層とを、接着剤を用いてドライラミネート方式で貼り合わせることにより、断熱ボード用表面材を得た。この断熱ボード用表面材には、貫通孔又は溝は形成されていなかった。次に、断熱ボード用表面材の樹脂フィルム側の面に発泡断熱材を形成することにより、断熱ボードを得た。
(比較例2)
樹脂フィルムに代えて、120g/m2のクラフト紙を用いたこと、以外は、比較例1と同様にして断熱ボード用表面材及び断熱ボードを作製した。
樹脂フィルムに代えて、120g/m2のクラフト紙を用いたこと、以外は、比較例1と同様にして断熱ボード用表面材及び断熱ボードを作製した。
(比較例3)
樹脂フィルムとして厚み12μmのPETフィルムを用い、金属層として厚み35μmのアルミニウム箔を用いたこと、以外は、比較例1と同様にして断熱ボード用表面材及び断熱ボードを作製した。
樹脂フィルムとして厚み12μmのPETフィルムを用い、金属層として厚み35μmのアルミニウム箔を用いたこと、以外は、比較例1と同様にして断熱ボード用表面材及び断熱ボードを作製した。
(比較例4)
樹脂フィルムとして厚み12μmのPETフィルムを用い、金属層として厚み40μmのアルミニウム箔を用いたこと、以外は、比較例1と同様にして断熱ボード用表面材及び断熱ボードを作製した。
樹脂フィルムとして厚み12μmのPETフィルムを用い、金属層として厚み40μmのアルミニウム箔を用いたこと、以外は、比較例1と同様にして断熱ボード用表面材及び断熱ボードを作製した。
(比較例5)
樹脂フィルムとして厚み50μmのPETフィルムを用い、金属層として厚み6μmのアルミニウム箔を用いたこと、以外は、比較例1と同様にして断熱ボード用表面材及び断熱ボードを作製した。
樹脂フィルムとして厚み50μmのPETフィルムを用い、金属層として厚み6μmのアルミニウム箔を用いたこと、以外は、比較例1と同様にして断熱ボード用表面材及び断熱ボードを作製した。
(比較例6)
樹脂フィルムとして厚み50μmのPETフィルムを用いたこと、以外は、実施例5と同様にして断熱ボード用表面材及び断熱ボードを作製した。
樹脂フィルムとして厚み50μmのPETフィルムを用いたこと、以外は、実施例5と同様にして断熱ボード用表面材及び断熱ボードを作製した。
[評価]
(引張強度)
樹脂フィルムの樹脂流れ方向(MD方向)と直角方向(TD方向)とのそれぞれについて、断熱ボード用表面材の引張強度を測定した。引張強度は、JIS K 7161-1:2014に準拠して求めた。引張り速度は300mm/minとした。測定装置はインストロン5565(インストロン・ジャパン社製)を用いた。
(引張強度)
樹脂フィルムの樹脂流れ方向(MD方向)と直角方向(TD方向)とのそれぞれについて、断熱ボード用表面材の引張強度を測定した。引張強度は、JIS K 7161-1:2014に準拠して求めた。引張り速度は300mm/minとした。測定装置はインストロン5565(インストロン・ジャパン社製)を用いた。
(突き刺し強度)
断熱ボード用表面材の突き刺し強度を測定した。突き刺し強度は、JIS Z 1707 食品包装用プラスチックフィルム通則 7.4 突き刺し強さ試験に準拠して求めた。具体的には、試験片を固定し、直径1.0mm、先端形状半径0.5mmの半円形の針を毎分50±5mmの速度で中心部を突き刺し、針が貫通するまでの最大応力を測定し、表面材の突き刺し強度を得た。測定装置はテンシロン万能材料試験機、RTFシリーズ/RTGシリーズを用いた。
断熱ボード用表面材の突き刺し強度を測定した。突き刺し強度は、JIS Z 1707 食品包装用プラスチックフィルム通則 7.4 突き刺し強さ試験に準拠して求めた。具体的には、試験片を固定し、直径1.0mm、先端形状半径0.5mmの半円形の針を毎分50±5mmの速度で中心部を突き刺し、針が貫通するまでの最大応力を測定し、表面材の突き刺し強度を得た。測定装置はテンシロン万能材料試験機、RTFシリーズ/RTGシリーズを用いた。
(コーンカロリーメータ試験)
断熱ボードについて、ISO5660-1 2002に準拠するコーンカロリーメータによる発熱性試験を行い、下記の判定基準にて判定した。発熱性試験を行う装置としては、東洋精機製作所製のコーンカロリーメータC-3を用いた。
断熱ボードについて、ISO5660-1 2002に準拠するコーンカロリーメータによる発熱性試験を行い、下記の判定基準にて判定した。発熱性試験を行う装置としては、東洋精機製作所製のコーンカロリーメータC-3を用いた。
(判定基準)
(1)総発熱量が、8MJ/m2以下であること
(2)防火上有害な裏面まで貫通する亀裂及び穴がないこと
(3)発熱速度が、10秒以上継続して200kw/m2を超えないこと
加熱開始後5分間、上記(1)-(3)の全てを満たす場合、「難燃」と判定し、加熱開始後10分間、上記(1)-(3)の全てを満たす場合、「準不燃」と判定し、加熱開始後20分間、上記(1)-(3)の全てを満たす場合、「不燃」と判定した。この結果を下記表1及び表2に示す。
(1)総発熱量が、8MJ/m2以下であること
(2)防火上有害な裏面まで貫通する亀裂及び穴がないこと
(3)発熱速度が、10秒以上継続して200kw/m2を超えないこと
加熱開始後5分間、上記(1)-(3)の全てを満たす場合、「難燃」と判定し、加熱開始後10分間、上記(1)-(3)の全てを満たす場合、「準不燃」と判定し、加熱開始後20分間、上記(1)-(3)の全てを満たす場合、「不燃」と判定した。この結果を下記表1及び表2に示す。
表1及び表2に示すように、実施例1-9の断熱ボードは、発泡断熱材からのガスにより断熱ボード用表面材が膨張することはなかった。比較例1の断熱ボードは、コーンカロリーメータ試験中に金属層が膨らみ、センサーに接触したため、試験を中断した。比較例2-6の断熱ボードは、発泡断熱材からのガスにより断熱ボード用表面材が膨張した。また、比較例2-6の断熱ボードは、コーンカロリーメータ試験で「不燃」との判定が得られなかった。
上記実施の形態及び変形例に開示されている複数の構成要素を必要に応じて適宜組合せることも可能である。あるいは、上記実施の形態及び変形例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
10 断熱ボード用表面材
11 金属層
12 樹脂フィルム
13 接着層
14 貫通孔
16 溝
20 発泡断熱材
30 断熱ボード
11 金属層
12 樹脂フィルム
13 接着層
14 貫通孔
16 溝
20 発泡断熱材
30 断熱ボード
Claims (6)
- 断熱ボード用表面材であって、
金属層と、
前記金属層に接着された樹脂フィルムと、を備え、
発泡断熱材と一体化し、かつ前記発泡断熱材及び前記断熱ボード用表面材を150℃以上の温度とした際に、前記発泡断熱材から発せられるガスを通過させる機能をもつ、断熱ボード用表面材。 - 前記金属層と前記樹脂フィルムとを厚み方向に貫通する複数の貫通孔を有し、各貫通孔の径が0.2mm以上、0.8mm以下であり、各貫通孔同士のピッチが35mm以上、50mm以下であり、前記貫通孔の存在しない部分における前記断熱ボード用表面材の突き刺し強度が、10N/φ1mm以下である、請求項1に記載の断熱ボード用表面材。
- 前記樹脂フィルムを厚み方向に貫通する複数の溝を有し、各溝は、前記金属層には形成されておらず、前記断熱ボード用表面材の厚みが55μm以下である、請求項1に記載の断熱ボード用表面材。
- 前記断熱ボード用表面材の引張強度が、20N/15mm以上、40N/15mm以下であり、前記断熱ボード用表面材の突き刺し強度が、5N/φ1mm以上、7N/φ1mm以下である、請求項1に記載の断熱ボード用表面材。
- 前記樹脂フィルムの、前記発泡断熱材と接する面の濡れ性が、40dyn以上である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の断熱ボード用表面材。
- 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の断熱ボード用表面材と、
前記断熱ボード用表面材に対して一体化された発泡断熱材と、を備え、
前記発泡断熱材は、ポリイソシアヌレートを主成分とする発泡体であり、
ISO5660-1 2002試験法による不燃性を有する、断熱ボード。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021148828A JP2023041448A (ja) | 2021-09-13 | 2021-09-13 | 断熱ボード用表面材及び断熱ボード |
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Family Applications (1)
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JP2021148828A Pending JP2023041448A (ja) | 2021-09-13 | 2021-09-13 | 断熱ボード用表面材及び断熱ボード |
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-
2021
- 2021-09-13 JP JP2021148828A patent/JP2023041448A/ja active Pending
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